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特開2023-169702商品管理装置、商品管理方法、及び、商品管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169702
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】商品管理装置、商品管理方法、及び、商品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20231122BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080984
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩川 京介
(72)【発明者】
【氏名】米津 侑佑
(72)【発明者】
【氏名】川浪 奈々
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】記憶部に対する商品情報の登録を容易化する商品管理装置、商品管理方法及び商品管理プログラムを提供する。
【解決手段】商品管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5と、を備えている。判別部23が、商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部2を参照し、入力された商品の品種に対応する寸法情報の登録の有無を判別する。記憶部2に寸法情報が非登録であることを示す判別結果が判別部23で得られた場合、記憶制御部26は、入力画面を介して入力された商品の寸法情報、寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、商品の品種を含む商品情報を記憶部23に記憶する。これにより、記憶部23に対して自動的に商品情報を登録することができ、記憶部23に対する商品情報の登録を容易化することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の入力画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部を参照し、入力された商品の品種に対応する前記寸法情報の登録の有無を判別する判別部と、
前記記憶部に前記寸法情報が非登録であることを示す判別結果が前記判別部から得られた場合に、前記入力画面を介して入力された前記商品の寸法情報、前記寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、前記商品の品種を含む前記商品情報を前記記憶部に記憶する記憶制御部と、
を有する商品管理装置。
【請求項2】
前記記憶制御部は、連番又は前記寸法情報に基づいて生成される商品コードのうち、選択された方の商品コードを、前記商品情報に含めて前記記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項1に記載の商品管理装置。
【請求項3】
前記記憶制御部は、雛形の商品名又は前記寸法情報に基づいて生成される商品名のうち、選択された方の商品名を、前記商品情報に含めて前記記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項1に記載の商品管理装置。
【請求項4】
前記記憶制御部は、雛形の商品名又は前記寸法情報に基づいて生成される商品名のうち、選択された方の商品名を、前記商品情報に含めて前記記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項2に記載の商品管理装置。
【請求項5】
前記入力画面は、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント及び商品の単重の各情報のうち、少なくとも一つの情報を入力可能となっており、
前記記憶制御部は、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント及び商品の単重の各情報のうち、入力された情報を、前記商品情報に含めて前記記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の商品管理装置。
【請求項6】
表示制御部が、所定の入力画面を表示部に表示する表示制御ステップと、
判別部が、前記入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部を参照し、入力された商品の品種に対応する前記寸法情報の登録の有無を判別する判別ステップと、
前記記憶部に前記寸法情報が非登録であることを示す判別結果が前記判別ステップで得られた場合に、記憶制御部が、前記入力画面を介して入力された前記商品の寸法情報、前記寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、前記商品の品種を含む前記商品情報を前記記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
を有する商品管理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
所定の入力画面を表示部に表示する表示制御部と、
前記入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部を参照し、入力された商品の品種に対応する前記寸法情報の登録の有無を判別する判別部と、
前記記憶部に前記寸法情報が非登録であることを示す判別結果が前記判別部から得られた場合に、前記入力画面を介して入力された前記商品の寸法情報、前記寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、前記商品の品種を含む前記商品情報を前記記憶部に記憶する記憶制御部として機能させること、
を特徴とする商品管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品管理装置、商品管理方法、及び、商品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば鉄鋼業においては、商品マスタを品種、規格及び寸法単位で設定することが多い。このような鉄鋼業に対する先行技術としては、特許文献1(特開2022-006760号公報)にフレーム構造物の構造部材が開示されている。
【0003】
この特許文献1のフレーム構造物の構造部材は、フレーム構造物を組み立てる際に部品が取り付けられる構造部材であり、部品が取り付けられる所定位置に付され、部品の取付位置を指示する罫書標識及び構造部材に付され少なくとも部品の属性に関する情報を担持した情報マークを備える。構造部材は、形鋼、角形鋼管、円形鋼管等、また部品は、形鋼、ガセットプレート、下地プレート等の取付プレ-ト等となっている。
【0004】
情報マークは2次元バーコード(QRコード(登録商標))、バーコード、ICタグ、RFIDのいずれかが付されるようになっている。部品の属性は、部品ナンバー、寸法、材質、検査記録、製造履歴、置場情報、当該部品を示した図面番号のうち、少なくとも部品ナンバーが用いられる。情報マークは、部品を構造部材に取り付ける際の取付加工情報となっている。これにより、フレーム構造物の構造部材に間違いのない部品を正確に取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-006760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、商品マスタ等の記憶部に対して商品情報を登録する場合、例えば商品の受注入力等の入力作業とは異なる作業となる、商品情報の登録用の入力作業を必要としていた。このため、商品マスタ等の記憶部に対する商品情報の登録に、大変面倒な入力作業が必要となる問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、記憶部に対する商品情報の登録を容易化した商品管理装置、商品管理方法、及び、商品管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る商品管理装置は、所定の入力画面を表示部に表示する表示制御部と、入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部を参照し、入力された商品の品種に対応する寸法情報の登録の有無を判別する判別部と、記憶部に寸法情報が非登録であることを示す判別結果が判別部から得られた場合に、入力画面を介して入力された商品の寸法情報、寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、商品の品種を含む商品情報を記憶部に記憶する記憶制御部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る商品管理方法は、表示制御部が、所定の入力画面を表示部に表示する表示制御ステップと、判別部が、入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部を参照し、入力された商品の品種に対応する寸法情報の登録の有無を判別する判別ステップと、記憶部に寸法情報が非登録であることを示す判別結果が判別ステップで得られた際に、記憶制御部が、入力画面を介して入力された商品の寸法情報、寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、商品の品種を含む商品情報を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る商品管理プログラムは、コンピュータを、所定の入力画面を表示部に表示する表示制御部と、入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された記憶部を参照し、入力された商品の品種に対応する寸法情報の登録の有無を判別する判別部と、記憶部に寸法情報が非登録であることを示す判別結果が判別部から得られた場合に、入力画面を介して入力された商品の寸法情報、寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、商品の品種を含む商品情報を記憶部に記憶する記憶制御部として機能させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、記憶部に対する商品情報の登録を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態の商品管理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態の商品管理装置に設けられている各種マスタを示す図である。
図3図3は、形状マスタに対する設定動作を説明するための図である。
図4図4は、形状マスタに対する設定動作を説明するための他の図である。
図5図5は、実施の形態の商品管理装置における商品マスタに対する商品情報の登録動作の流れを示す模式図である。
図6図6は、商品検索画面の一例を示す図である。
図7図7は、商品マスタに登録される商品情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる商品管理装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の商品管理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この図1に示す商品管理装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。
【0015】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網に接続される。
【0016】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ記憶領域である形状マスタ11、品種マスタ12、雛形商品マスタ13、商品マスタ14及び単重マスタ15が設けられている。
【0017】
また、記憶部2には、商品マスタ14に対する商品情報に自動登録等を可能とする商品管理プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、受注入力された受注データが記憶される。
【0018】
図1及び図2に示す形状マスタ11、品種マスタ12及び雛形商品マスタ13には、所定の情報が予め登録(記憶)される。具体的には、形状マスタ11には、商品に付される固有の番号である商品コードの採番ルールが設定される。この商品コードの採番ルールは、「連番」又は「キー情報から生成」のうち、いずれかを選択するルールとなっている。「キー情報」は、例えば品種、規格、寸法、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント及び商品の単重等の各種情報である。「連番」が選択された場合は、「接頭辞+連番」で商品コードの採番が行われる。これに対して、「キー情報から生成」が選択された場合は、業務オペレータにより指定されたキー情報で商品コードの採番が行われる。なお、使用するキー情報の並び替え順も設定可能となっている。また、各キー情報の間の文字列も指定可能となっている。
【0019】
また、形状マスタ11には、商品名の生成ルールが設定される。この商品名の生成ルールは、「雛形商品名を用いて生成する」及び「キー情報から生成する」のうち、いずれかを選択するルールとなっている。「雛形商品名を用いて生成する」が選択された場合は、雛形商品マスタ13に記憶されている商品名を、その商品の商品名として用いる。これに対して、「キー情報から生成する」が選択された場合は、業務オペレータにより指定されたキー情報で商品名が生成される。なお、使用するキー情報の並び替え順も設定可能となっている。また、各キー情報の間の文字列も指定可能となっている。
【0020】
さらに具体的には、図3及び図4は、形状マスタ11の設定画面の一例を示す図である。この図3及び図4に示すように、形状マスタ11の設定画面は、第1のタブの設定画面、及び、第2のダブの設定画面を備えている。
【0021】
図3は、第1のタブの設定画面の一例であり、主に、上述の商品コードの採番ルール及び商品名の生成ルールの設定を行う設定画面となっている。すなわち、第1のタブの設定画面には、商品コード設定区分の選択欄、接頭辞桁数の入力欄、商品名設定区分の選択欄、商品変動数値設定区分の選択欄、商品コード区切文字設定区分の選択欄が設けられている。また、第1のタブの設定画面には、商品コードの区切文字の個別設定が選択された際に、商品コードの各文字又は記号等の区切となる位置に挿入される区切文字を指定して入力するための例えば7つの入力欄が設けられている。さらに、第1のタブの設定画面には、商品名の区切文字の個別設定が選択された際に、商品名の各文字又は記号等の区切となる位置に挿入される区切文字を指定して入力するための例えば7つの入力欄が設けられている(図3の右側の入力欄)。
【0022】
商品コード設定区分の選択欄では、連番で商品コードを生成する場合は「1」を選択し、キー情報で商品コードを生成する場合は「0」を選択するようになっている。この図3の例は、「1」が選択されているため、連番で商品コードを生成する設定が選択された例である。また、連番で商品コードを生成する設定が選択されると、商品コード区切文字設定区分は「共通」の区切文字が自動的に設定される。この「共通」の区切文字が設定された場合、商品コード区切文字設定区分は、自動的に「0」が選択される。
【0023】
これに対して、商品コード設定区分において、キー情報で商品コードを生成することを指定する「1」が選択された場合、商品コード区切文字設定区分は、個別に設定可能であることを示す「1」が自動的に選択される。この場合、商品コード区切文字1~商品コード区切文字7の入力が可能となり、業務オペレータは、所望の商品コード区切文字を設定する。なお、この例では、計7つの商品コード区切文字を設定可能としたが、例えば4つの商品コード区切文字を設定可能とし、また、9つの商品コード区切文字を設定可能とする等のように、任意の数の商品コード区切文字を設定可能としてもよい。
【0024】
接頭辞桁数の入力欄には、接頭辞の所望の桁数を入力する。この図3の例は、「2桁」が入力された例である。商品名設定区分の選択欄では、連番で商品名を生成する場合は「0」を選択し、キー情報で商品名を生成する場合は「1」を選択するようになっている。この図3の例は、「1」が選択されているため、キー情報で商品名が生成される設定が選択された例である。キー情報で商品名を生成することを選択すると、図3の右側に示すように、商品名区切文字設定区分に「1」の個別設定が自動的に設定され、商品名区切文字1~商品名区切文字7の入力が可能となる。業務オペレータは、この商品名区切文字1~商品名区切文字7の入力欄に所望の文字を入力して商品名区切文字を設定する。図3の例は、商品名区切文字1に対して「:(コロン)」が設定され、商品名区切文字2~商品名区切文字7に対して「×(乗算記号)」が設定された例である。
【0025】
なお、「連番」で商品名を生成することを選択すると、商品名区切り文字設定区分に対して「0」の「共通」が自動的に設定される。この場合、商品名区切り文字は、所定の共通の文字を用いて区切られることとなる。
【0026】
次に、図4は、第2のタブの設定画面の一例であり、商品マスタ15に登録する商品情報に含める各種情報の設定を行う設定画面となっている。この図4の例では、商品の寸法、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント及び形状区分が設定可能となっている。なお、単重マスタ15に記憶されているコイル等の商品の単重を設定可能としてもよい。
【0027】
寸法の設定は、寸法1~寸法8に対して、「使用の有無(使用する/使用しない)」、「名称」、「入力タイプ(数値、文字列)」及び桁数の設定が可能となっている。形状区分の設定は、形状区分1~形状区分10に対して、「使用の有無(使用する/使用しない)」及び「文字列の桁数」を設定可能となっている。なお、名称は、別マスタに基づいて一括で設定可能としてもよい。
【0028】
図4の例は、寸法、需要家、在庫管理部門、在庫状態及び事業セグメントを商品情報に含め(使用区分=使用する)、形状区分は商品情報に含めない設定(使用区分=使用しない)の例である。また、この図4の例は、商品の一例であるH形鋼の寸法を商品情報に含ませる例である。H形鋼は、平板状の一対のフランジの略中央部分同士を平板状のウェブを介して接続することで、断面が略H形状となるように形成されている。
【0029】
寸法Hは、各フランジ間の長さを示す。寸法Bは、各フランジの幅を示す。寸法t1は、ウェブの厚みを示す。寸法t2は、各フランジの厚みを示す。寸法rは、ウェブと各フランジの接続部分の曲率を示す。これらの寸法は数値で設定される。このうち、寸法H及び寸法Bは、3桁の数値での設定とされ、寸法t1、寸法t2及び寸法rは、それぞれ2桁の数値での設定とされている。なお、寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2、寸法rの数値単位コードはそれぞれ「12mm」に設定されている。また、図4の例は、寸法として「規格」が「使用する」に設定されている。この「規格」は、10桁の文字列の設定となっている。
【0030】
また、商品検索時の並び順は、寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2、寸法r及び規格の順に設定されている。また、商品名としての並び順は、規格、寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2の順に設定されている。
【0031】
また、図4の例は、形状区分1~形状区分4が「使用する」に設定された例である。形状区分1には、「5桁」の文字列桁数として「需要家」の文字列が設定され、形状区分2には、「5桁」の文字列桁数として「在庫管理部門」の文字列が設定されている。また、形状区分3には、「1桁」の文字列桁数として「在庫状態」の文字列が設定され、形状区分4には、「5桁」の文字列桁数として「事業セグメント」の文字列が設定されている。なお、形状区分6等に「単重」の文字列を設定してもよい。
【0032】
これにより、施の形態の商品管理装置1は、品種、規格、寸法以外にも、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント及び単重等をキーとして、商品マスタ14が自動作成されることとなる。
【0033】
一方、品種マスタ12には、商品自動採番の使用の有無の設定、品種と形状マスタ11の関連付け設定、及び、商品コードの接頭辞が設定されている。また、雛形商品マスタ13には、自動作成される商品名等が設定されている。
【0034】
(商品管理装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている商品管理プログラムを実行することで、入力処理部21、商品検索部22、判別部23、データ生成部24、表示制御部25及び記憶制御部26として機能する。
【0035】
表示制御部25は、例えば受注入力画面、見積入力画面、受注入力画面、売上入力画面、発注入力画面、仕入入力画面、加工指示入力画面、加工入力画面及び移動入力画面等の各種入力画面を表示部の一例である出力装置7を介して表示する。判別部23は、入力画面を介して入力された商品の品種に基づいて、少なくとも商品の品種及び商品の寸法情報を含む商品情報が記憶された商品マスタ14を参照し、入力された商品の品種に対応する寸法情報の登録の有無を判別する。
【0036】
記憶制御部26は、商品マスタ14に寸法情報が非登録であることを示す判別結果が判別部23から得られた場合に、入力画面を介して入力された商品の寸法情報、寸法情報に基づいて生成された商品コード、及び、商品の品種を含む商品情報を商品マスタ14に自動登録(自動的に記憶)する。データ生成部24は、発注入力画面を介して入力された各種情報に基づいて受注データを生成する。
【0037】
入力処理部21は、入力画面を介して入力された各種情報を取得する。商品検索部22は、入力画面を介して入力された品種に対応する商品の商品情報を、商品マスタ14から検索する。
【0038】
また、記憶制御部26は、連番又は寸法情報に基づいて生成される商品コードのうち、選択された方の商品コードを、商品情報に含めて商品マスタ14に登録(記憶)する。また、記憶制御部26は、雛形商品マスタ13に記憶されている雛形の商品名又は商品マスタ14に記憶されている寸法情報に基づいて生成される商品名のうち、選択された方の商品名を、商品情報に含めて商品マスタ14に登録する。
【0039】
さらに、記憶制御部26は、入力画面を介して入力された、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント及び商品の単重の各情報を、商品情報に含めて商品マスタ14に登録する。
【0040】
(商品マスタに対する自動登録処理)
図5は、実施の形態の商品管理装置1の、商品の受注入力時における商品情報の自動登録動作を説明するための模式図である。制御部3は、記憶部2に記憶されている商品管理プログラムに基づいて、この図5に示す商品情報の自動登録動作を実行する。すなわち、図5において、業務オペレータにより受注入力の開始指示操作が行われると(ステップS1)、表示制御部25は、図6に示す商品検索画面を、出力装置7を介して表示する(ステップS2)。
【0041】
商品検索画面は、図6に示すように、品種の入力欄が設けられている。業務オペレータは、この入力欄に対して例えば「H001」等の所望の品種の品種コードを入力する。商品検索部22は、入力された例えば「H001」の品種コードに基づいて商品マスタ14を検索する。判別部23は、入力された「H001」の品種コードに対応する寸法情報等の各種商品情報が、商品マスタ14に登録済であるか否かを判別する。
【0042】
入力された品種コードに対応する寸法情報等の各種商品情報が、商品マスタ14に登録済であることを示す判別結果が判別部23から得られた場合、表示制御部25は、入力された品種コードに対応する寸法情報等の各種商品情報を商品マスタ14から読み出す。そして、表示制御部25は、例えば読み出した各種商品情報を、商品検索画面に対応する入力欄に、検索結果として表示する。この図6の例は、「H001」の品種コードに対して、上述の寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2、寸法rが商品情報として登録済であり、また、「J001」等の需要家の需要家コード、「B001」等の部門Aの在庫管理部門コード、「良品」等の在庫情報、及び、「Z01」等の事業セグメントが関連付けされて登録されていた例である。
【0043】
このような検索結果を認識すると、業務オペレータは、確定ボタン50(F11:確定)を操作する。これにより、表示制御部25は、商品検索画面に表示されていた各種商品情報が反映された受注入力画面を表示する。業務オペレータは、この受注入力画面に対して、上述の商品情報以外の、他の必要な入力事項を入力する。入力処理部21は、受注入力画面に入力された各種情報を取得し、データ生成部24は、受注入力画面から取得された各種情報に基づいて受注データを生成する。記憶制御部26は、生成された受注データを記憶部2に記憶する(ステップS4)。この受注データは、所定のタイミングで会計計上される。
【0044】
これに対して、入力された品種コードに基づいて商品マスタ14が検索され、判別部23により、入力された品種コードに対応する寸法情報等の各種商品情報が、商品マスタ14に登録されていないことを示す判別結果が判別部23から得られた場合、表示制御部25は、入力された品種コード以外の入力欄を空欄とした商品検索画面を表示する。すなわち、図6の例の場合、寸法、規格、需要家、在庫管理部門、在庫状態、及び、事業セグメント等の各入力欄が空欄の状態で商品検索画面が表示される。
【0045】
業務オペレータは、空欄となっている各入力欄に対して、例えば図6に示すように、寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2、寸法r、需要家コード、在庫管理部門コード、在庫情報、事業セグメント、コイル単重又はミリ単重等の単重等の商品情報を入力し、確定ボタン50を操作する。確定ボタン50が操作されると、データ生成部24は、形状マスタ11等を参照して、上述の商品コードの採番ルール及び商品名の生成ルール等を認識する。そして、データ生成部24は、この商品コードの採番ルールで採番した商品コード、及び、商品名の生成ルールで生成した商品名を、入力された品種コード、寸法、規格、需要家、在庫管理部門、在庫状態、及び、事業セグメント等の各種情報に付加した商品情報を生成する。記憶制御部26は、生成された商品情報を商品マスタ14に登録(記憶)する(ステップS3)。
【0046】
図7は、このように生成された商品情報の一例を示す図である。この図7に示すように、データ生成部24は、商品コード、商品名、品種コード、寸法1~寸法8、形状区分01~形状区分10を含めて商品情報を生成する。商品コードは図3を用いて説明したように、形状マスタ11に設定されている商品コードの採番ルールに基づいて生成される。図3の例は、商品コードの採番ルールとして「連番」が設定されている例である。この場合、データ生成部24は、図7に示すように例えば「S00001」等の連番を自動採番して商品情報に付加する。
【0047】
また、商品名も、図3を用いて説明したように、形状マスタ11に設定されている商品名の生成ルールに基づいて生成される。図3の例は、商品名の採番ルールとして「キー情報から生成」が選択されている例である。この場合、データ生成部24は、図4に示した形状マスタ11の「商品名並び順」を参照する。この図4の例の場合、規格、寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2の順にキー情報を並べて、商品名を生成するルールが設定されている。また、データ生成部24は、図3に示す商品名区切文字設定区分を参照する。この図3の例の場合、最初の商品名区切文字が「:(コロン)」で、後の商品名区切文字は「×(乗算記号)」が設定されている。
【0048】
このため、データ生成部24は、例えば「H-100」等の規格、「:」の商品名区切文字、「100」の寸法H、「×」、「200」の寸法B、「×」、「10.5」の寸法t1、「×」、「12」の寸法t2を順に並べることで、「H-100:100×200×10.5×12」の商品名を生成して商品情報に付加する。
【0049】
これにより、受注入力時に入力した、寸法H、寸法B、寸法t1、寸法t2、寸法r、需要家コード、在庫管理部門コード、在庫情報、事業セグメント、コイル単重又はミリ単重等の単重等の商品情報で受注データを生成すると共に、商品マスタ14に対して自動的に商品情報を登録(記憶)して、商品マスタ14を形成することができる。
【0050】
なお、確定ボタン50が操作されると、商品検索画面の各種商品情報が受注入力画面に反映され、生成された受注データが記憶部2に記憶されることは、上述のとおりである。
【0051】
(実施の形態の効果)
鉄鋼業界では、商品マスタを品種、規格、寸法単位で設定することが多く、これらを商品の取引前に、商品マスタに登録することは困難であったが、実施の形態の商品管理装置1は、例えば受注入力時等の、取引内容確定後のタイミングで、入力内容に合わせて商品マスタ14を自動作成できる。このため、商品マスタ14に対する商品情報の登録を容易化できる。換言すると、商品マスタ14を簡単に形成できる。
【0052】
また、実施の形態の商品管理装置1は、品種、規格、寸法以外にも、需要家、在庫管理部門、在庫状態(材料、仕掛品、製品)、事業セグメント及び単重等を商品情報に含めて商品マスタ14に登録可能となっている。これにより、需要家、在庫管理部門、在庫状態、事業セグメント又は単重に基づく商品管理を行うことができる。また、品種、規格、寸法以外の需要家等の情報で商品管理が可能となるため、用途違いの商品をシステム上見分けることが可能となる。
【0053】
また、実業務においては、同寸法の商品でも、需要家毎に異なる品質又は仕様が求められることがある。実施の形態の商品管理装置1の場合、需要家毎に管理する商品を分けて商品マスタ14に登録できるため、特定の需要家向けの商品の在庫を、他と分けて管理することができる。このため、商品の取り扱い時のヒューマンエラーの低減を図ることができる。
【0054】
また、事業セグメントを商品情報に含めることで(事業セグメントをキーに設けることで)、事業別に在庫分析管理を行うことができる。従来は、システム又は倉庫を分けることで事業セグメントを分別する必要があった。これに対して、実施の形態の商品管理装置1の場合、事業セグメント毎に商品単位での分別を行うことができる。
【0055】
また、単重マスタ15により、コイル単重又はミリ単重を商品情報に含めて商品マスタ14に登録でき、単重に基づく商品管理を行うことができる。
【0056】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0059】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、商品管理装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、商品管理装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて商品管理装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0064】
また、この商品管理装置1の商品管理プログラムは、商品管理装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための商品管理プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した商品管理装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、商品管理装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、例えばコイルセンター、鉄鋼加工業、素材加工業等の商品管理業務に適用して好適である。
【符号の説明】
【0071】
1 商品管理装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 形状マスタ
12 品種マスタ
13 雛形商品マスタ
14 商品マスタ
15 単重マスタ
21 入力処理部
22 商品検索部
23 判別部
24 データ生成部
25 表示制御部
26 記憶制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7