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特開2023-169704レーザ出力評価方法及びレーザ出力評価装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169704
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】レーザ出力評価方法及びレーザ出力評価装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20231122BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20231122BHJP
【FI】
B23K26/00 M
B23K26/21 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080986
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100221556
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 隆章
(72)【発明者】
【氏名】船見 浩司
(72)【発明者】
【氏名】藤原 和樹
(72)【発明者】
【氏名】中井 出
(72)【発明者】
【氏名】白石 竜朗
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA02
4E168CA05
4E168CB07
4E168EA11
4E168FC01
4E168FC04
(57)【要約】
【課題】レーザ加工点出力を算出することができるレーザ出力評価方法を提供する。
【解決手段】レーザ出力評価方法は、インタフェース回路が、被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された接合物と被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するステップを含む。レーザ出力評価方法は、演算回路が、取得された信号強度と、事前加工において予め取得された、溶融開始期間における信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、被接合物に照射されたレーザビームのレーザ加工点出力を算出するステップを更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インタフェース回路が、被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された前記接合物と前記被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するステップと、
演算回路が、取得された前記信号強度と、事前加工において予め取得された、前記溶融開始期間における前記信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、前記被接合物に照射された前記レーザビームのレーザ加工点出力を算出するステップと、
を含む、レーザ出力評価方法。
【請求項2】
前記レーザ加工点出力を算出するステップは、前記予め取得された信号強度の時間的変化量の最大値と前記レーザビームの出力との相関関係を示す相関データを用いて、前記レーザ加工点出力を算出することを含む、請求項1に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項3】
前記相関データは、前記予め取得された信号強度の時間的変化量の最大値と前記レーザビームの出力との相関関係を示す関数である、請求項2に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項4】
前記予め取得された信号強度の時間的変化量の最大値は、前記事前加工の前記溶融開始期間において、前記レーザビームの出力強度を徐々に上げることにより得られた前記信号強度に基づいて算出される、請求項1に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項5】
前記信号強度を取得するステップにおいて、前記信号強度は、前記溶融開始期間において、前記レーザビームの出力強度を徐々に上げることにより得られる、請求項4に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項6】
前記レーザビームの照射と、前記事前加工とは、同一のレーザ溶接装置により行われる、請求項1に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項7】
前記溶融開始期間は、前記溶接光が検出され始める時刻から、前記溶接光の信号強度が所定の閾値を超えるまでの期間である、請求項1に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項8】
前記溶融開始期間は、前記溶接光が検出され始める時刻から、前記溶接光の信号強度が最大になるまでの期間である、請求項1に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項9】
前記溶接光は、熱放射光及び/又はプラズマ光である、請求項1~8のいずれか1項に記載のレーザ出力評価方法。
【請求項10】
被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された前記接合物と前記被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するインタフェース回路と、
取得された前記信号強度と、事前加工において予め取得された、前記溶融開始期間における前記信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、前記被接合物に照射された前記レーザビームのレーザ加工点出力を算出する演算回路と、
を備えるレーザ出力評価装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ出力評価方法及びレーザ出力評価装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ溶接品質の評価方法として、例えば、特許文献1は、溶融池の画像から得られる溶融池の形状情報と、溶接光センサで検出したプラズマ光を含む溶接光センサ情報と、に基づいて、回帰分析により溶接の品質を判定する方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6579983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ溶接品質には、レーザ溶接装置から出力されたレーザビームの出力強度を示すレーザ加工点出力が影響することが知られている。特許文献1に記載の方法は、溶接部の溶接の品質を判定するだけで、レーザ加工点出力を評価していない。
【0005】
本開示は、レーザ加工点出力を算出することができるレーザ出力評価方法及びレーザ出力評価装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るレーザ出力評価方法は、
被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された前記接合物と前記被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するステップと、
演算回路が、取得された前記信号強度と、事前加工において予め取得された、前記溶融開始期間における前記信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、前記被接合物に照射された前記レーザビームのレーザ加工点出力を算出するステップと、
を含む。
【0007】
本開示の一態様に係るレーザ出力評価装置は、
被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された前記接合物と前記被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するインタフェース回路と、
取得された前記信号強度と、事前加工において予め取得された、前記溶融開始期間における前記信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、前記被接合物に照射された前記レーザビームのレーザ加工点出力を算出する演算回路と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るレーザ出力評価方法及びレーザ出力評価装置によれば、レーザ加工点出力を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係るレーザ溶接システムの全体構成を示す図
図2図1のレーザ出力評価装置の構成例を示すブロック図
図3】標準レーザ溶接時のレーザ出力設定値を例示するグラフ
図4】レーザ溶接後の溶融部の外観を示す図
図5】受光センサによって検出された熱放射光の信号強度を示すグラフ
図6】レーザ加工点出力に対応する熱放射光の平均信号強度を表すグラフ
図7図6より細やかなレーザ加工点出力の分布に対応する熱放射光の平均信号強度を表すグラフ
図8】本開示に係るレーザ出力評価方法、特にレーザ加工点出力の算出処理の手順を示すフローチャート
図9】従来のレーザ溶接時の溶接速度を説明するためのグラフ
図10】本実施形態におけるレーザ溶接時の溶接速度を説明するためのグラフ
図11図10に示すように溶接速度を設定した場合における熱放射光の信号強度の時間的変化を示すグラフ
図12】レーザ加工点出力と、熱放射光の信号強度の時間的変化と、の関係を示すグラフ
図13図11に示した熱放射光の信号強度の時間的変化量を示すグラフ
図14】レーザ加工点出力と、溶融開始期間における熱放射光の時間的変化量の最大値との関係を示すグラフ
図15】熱放射光の時間的変化量の最大値Pと、溶融開始期間におけるレーザ加工点出力Lとの関係を直線関数f(P)で近似したグラフ
図16】レーザ加工点出力と、溶融開始期間におけるプラズマ光の信号強度の時間的変化量の最大値との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態に限定されない。また、本開示は、本開示の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。さらに、複数の実施形態を組み合わせることも可能である。
【0011】
1.構成
図1は、本開示の実施形態に係るレーザ溶接システム100の全体構成を示す図である。レーザ溶接システム100は、レーザ溶接装置20と、レーザ出力評価装置30とを備える。
【0012】
レーザ溶接装置20は、レーザ発振器1と、コリメートレンズ2と、集光レンズ3と、全反射ミラー4と、ダイクロイックミラー5と、受光センサ6、7、8とを備える。レーザ発振器1から出射したレーザビーム10は、コリメートレンズ2を通して平行ビームとなり、全反射ミラー4により反射され、集光レンズ3によって集光され、被接合物15に照射される。被接合物15の下には接合物16が設置されている。
【0013】
被接合物15と接合物16とは、ステージ17上に固定されている。被接合物15及び接合物16は、ステージ17が移動することによりレーザ加工点まで移動し、レーザ加工点においてレーザビーム10を照射されることによって、レーザ溶接される。
【0014】
レーザ溶接する際には、被接合物15から発生する溶接光11は、集光レンズ3と全反射ミラー4を通過し、ダイクロイックミラー5で波長分離される。波長分離された溶接光は、例えば、バンドパスフィルター(図示せず)によって、熱放射光12とプラズマ光13とに分けられる。熱放射光12は、例えば1300nmの波長を有し、プラズマ光13は、例えば400~700nmの波長を有する。熱放射光12及びプラズマ光13は、それぞれ受光センサ6、7に入射する。
【0015】
一方、レーザビーム10は、全反射ミラー4により完全には反射されない場合がある。すなわち、コリメートレンズ2を通過した後のレーザビーム10の一部は、全反射ミラー4を透過し、透過したレーザビーム14が、受光センサ8に入射する場合がある。レーザビーム14のレーザ出力は、例えば、全反射ミラー4に入射する前のレーザビーム10のレーザ出力の約0.5%である。
【0016】
受光センサ6、7、8は、それぞれ、入射された光の出力を検出する。受光センサ6、7、8による3種類の検出結果を示す信号は、それぞれレーザ出力評価装置30に送信され、信号処理される。レーザ出力評価装置30は、信号処理の結果に基づいて、レーザ溶接装置20から出力され、被接合物15及び/又は接合物16に到達するレーザビーム10の出力強度(本明細書において、「レーザ加工点出力」という。)の算出を行う。
【0017】
なお、図1では、全反射ミラー4と被接合物15との間において、レーザビーム10と溶接光11とを分けて図示しているが、実際には、レーザビーム10と溶接光11とは、同一の経路に沿って集光レンズ3を通過してもよい。
【0018】
図2は、図1のレーザ出力評価装置30の構成例を示すブロック図である。レーザ出力評価装置30は、例えば、コンピュータであってもよく、信号強度取得部31と、信号強度処理部32と、記憶装置33と、出力部34とを含む。
【0019】
信号強度取得部31は、レーザ溶接装置20等の外部装置から入力される情報を信号強度処理部32に入力するために、レーザ出力評価装置30と外部装置とを接続するインタフェース回路である。このようなインタフェース回路は、既存の有線通信規格又は無線通信規格に従ってデータ通信を行う通信回路であってもよい。信号強度取得部31は、レーザ溶接装置20から、溶接する際に前記溶接部から放射される熱放射光12の信号強度と、プラズマ光13の信号強度と、透過レーザビームの信号強度と、を示すデータを取得する。
【0020】
信号強度処理部32は、例えば、プロセッサ等の演算回路により実現される。このような演算回路は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。演算回路は、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、演算回路の構成要素に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換及び追加が行われてもよい。信号強度処理部32は、信号強度取得部31によって取得された信号強度データに対して情報処理を実行することによって、レーザ加工点出力を算出する。このような情報処理は、例えば、信号強度処理部32が記憶装置33に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0021】
例えば、信号強度処理部32は、信号強度取得部31により取得された熱放射光12の信号強度のデータ、プラズマ光13の信号強度のデータ、及び/又は透過レーザビームの信号強度のデータと、記憶装置33に保存されている相関データ331とに基づいて、レーザ加工点出力を算出する。
【0022】
記憶装置33は、レーザ出力評価装置30の機能を実現するために必要なプログラム、及び各種のデータ等を含む種々の情報を記録する記録媒体である。この中には、例えば、後述の熱放射光12の溶融開始期間における時間的変化量の最大値とレーザ加工点出力との相関データ331(例えば、相関関数:L=f(P))などが含まれる。記憶装置33は、例えば、フラッシュメモリ、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)等の半導体記憶装置、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶装置、その他の記録媒体単独で又はそれらを組み合わせて実現される。記憶装置33は、SRAM、DRAM等の揮発性メモリを含んでもよい。
【0023】
出力部34は、例えば、レーザ出力評価装置30から外部にデータを出力する出力インタフェース回路である。信号強度取得部31及び出力部34は、同様のハードウェアにより実現されてもよい。
【0024】
また、レーザ出力評価装置30は、可搬性を有する記憶媒体から、信号強度処理部32で実行されるデータ処理プログラム等を取得してもよい。記憶媒体は、コンピュータその他の装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。
【0025】
2.本開示に至った経緯
レーザ溶接装置においては、レーザ発振器より出射されたレーザビームの出力強度と、実際に被接合物に入射されるレーザビームの出力強度、すなわちレーザ加工点出力とが異なるという光学設計上の課題がある。以下、この光学設計上の課題について説明する。
【0026】
この光学設計上の課題について図1に示す例を用いて説明すると、レーザ発振器1より出射されたレーザビームの出力強度は、実際に被接合物15に入射されるレーザビーム10の出力強度、すなわちレーザ加工点出力と異なる。
【0027】
例えば、レーザ発振器1の内部に設けられるレーザ出力モニタは、レーザ発振器1自身のレーザ出力しかモニタリングできず、モニタリング結果にはレーザ溶接装置20の光学系を透過した際に発生するレーザ出力の減衰などが反映されない。
【0028】
また、レーザ溶接装置20内の受光センサ8による検出結果からレーザ加工点出力を推定することも考えられるが、受光センサ8の検出結果には、集光レンズ3及び保護ガラス(図示なし)等の他の光学部品によるレーザ出力の減衰などが反映されない。
【0029】
より正確な溶接加工状態を把握するために、実際に被接合物15に入射されるレーザビーム10の出力強度、すなわちレーザ加工点出力をより精度良く評価することが求められる。
【0030】
ここで、従来の熱放射光の信号強度の評価方法について図3図5を用いて説明する。標準レーザ溶接条件を例示する図3のレーザ出力波形(照射時間T、レーザ出力設定値P)で、一定の溶接速度Vで、被接合物15にレーザビーム10を照射すると、被接合物15と接合物16とがレーザ溶接される。図4に示すように、レーザ溶接後、被接合物15上には、溶融凝固部18が形成される。レーザ溶接時に発生する熱放射光は、受光センサ6により検出される。図5は、受光センサ6によって検出された熱放射光の信号強度を示すグラフである。例えば、図5に示すように、熱放射光の全体波形において、その信号強度の平坦部の平均値である平均信号強度が算出され、平均信号強度により熱放射光の信号強度が評価される。
【0031】
しかしながら、発明者らは、従来の熱放射光の信号強度の評価方法には、依然として課題があることを見出した。以下、従来の熱放射光の信号強度の評価方法についての課題を説明する。
【0032】
図6は、熱放射光の平均信号強度を表すグラフである。図6のグラフに示した各点は、ある被接合物15の異なる位置にレーザビームを照射した際に得られた熱放射光の平均信号強度を表している。図6のグラフに示した点は、レーザ加工点出力を1100W、1300W、1500W、1700W、及び1900Wに設定することにより得られた。図6のグラフには、各レーザ加工点出力に対応する点がそれぞれ4個ずつある。これらの4個の点は、被接合物15の異なる位置に、4回連続で、レーザビームを照射することにより得られた熱放射光の平均信号強度を表している。
【0033】
レーザ加工点出力を測定する手法は以下のとおりである。まず、レーザ溶接装置20と被接合物15との間に、レーザ出力測定器を設置する。次に、図3に示したレーザ出力波形(照射時間T、レーザ出力設定値P)と同じ条件で、被接合物15にレーザビームを照射する。レーザ出力測定器によって測定される値が、レーザ加工点出力であるといえる。
【0034】
前述のように、レーザ溶接装置20内部の各種光学系を経由するため、レーザ出力設定値Pとレーザ加工点出力とは通常異なる。レーザ加工点出力の値を基準とするため、レーザ出力設定値Pを、レーザ加工点出力が1100Wから1900Wになるような値に設定した。
【0035】
図6のグラフは、熱放射光の平均信号強度が、レーザ加工点出力が高くなるに従って単調増加する傾向があることを示している。また、図6のグラフから、同じレーザ加工点出力に対する熱放射光の平均信号強度にある程度の変動(ばらつき)が発生していることがわかる。各レーザ加工点出力についての4回分の測定値の平均間の傾きは、レーザ加工点出力が標準条件より小さいとき(1100~1500W)は比較的大きいのに対し、レーザ加工点出力が標準条件より大きい(1500~1900W)ときは比較的小さく、0に近づいている。
【0036】
レーザ加工点出力が標準条件以下(1100~1500W)であるときは、被接合物15の下面まで溶融せず、被接合物15が接合物16と接合されない事態又は接合強度が低い事態が発生し得る。標準条件付近までレーザ加工点出力が増加すると共に、被接合物15の温度は上昇し、その結果として熱放射光も増加する。
【0037】
一方、レーザ加工点出力が標準条件以上(1500~1900W)であるときは、被接合物15が過剰に溶融し、金属ヒューム(金属蒸気)が過剰に発生することがある。そのため、被接合物15から発生する熱放射光が金属ヒュームにより遮光されるため、測定される熱放射光の信号強度が変動したり、低下したりする。
【0038】
図7は、図6より細やかなレーザ加工点出力の分布に対応する熱放射光の平均信号強度を表すグラフである。図7のグラフに示した各点は、図6と同様に、ある被接合物15の異なる位置にレーザビームを照射した際に得られた熱放射光の平均信号強度を表している。
【0039】
図7のグラフに示した点は、レーザ加工点出力を1300W、1400W、1500W、1600W、及び1700Wに設定することにより得られた。図7のグラフには、各レーザ加工点出力に対応する点がそれぞれ4個ずつある。これらの4個の点は、被接合物15の異なる位置に、4回連続で、レーザビームを照射することにより得られた熱放射光の平均信号強度を表している。
【0040】
図7からわかるように、熱放射光の平均信号強度は、レーザ加工点出力が増加するに連れて増加する傾向がある。しかしながら、図7では、同じレーザ加工点出力に対して得られた4つ平均信号強度のばらつきが大きい。また、図7では、熱放射光の平均信号強度の増加の割合も小さい。なお、これらのレーザ加工点出力と熱放射光の平均信号強度とを直線近似した時の相関係数Rの2乗(R)は0.17となり、相関関係が弱いことが統計的にわかる。
【0041】
そのため、上記のような熱放射光の平均信号強度に基づいてレーザ加工点出力を求める手法では、レーザ加工点出力を精度良く算出することができない。
【0042】
そこで、発明者らは、レーザ加工点出力をより精度良く算出するため鋭意研究し、本開示に係るレーザ出力評価方法を見出した。
【0043】
3.動作
以下、本開示に係るレーザ出力評価方法を実現するレーザ出力評価装置30の信号強度処理部32の動作を説明する。
【0044】
図8は、本開示に係るレーザ出力評価方法、特にレーザ加工点出力の算出処理の手順を示すフローチャートである。図8の処理は、信号強度処理部32によって実行される。
【0045】
まず、信号強度処理部32は、レーザ溶接装置20から、熱放射光12の測定データを取得する(S1)。熱放射光12の測定は、レーザ溶接の開始と同時に行われてもよいし、常時行われてもよい。
【0046】
次に、信号強度処理部32は、ステップS1で取得した測定データに基づいて、熱放射光12の信号強度の時間的変化量を算出する(S2)。
【0047】
次に、信号強度処理部32は、ステップS2で算出された熱放射光12の信号強度の時間的変化量に基づいて、熱放射光12の信号強度の時間的変化量の最大値を算出する(S3)。
【0048】
次に、信号強度処理部32は、ステップS3で算出された熱放射光12の信号強度の時間的変化量の最大値と、事前加工において測定され記憶装置33に記憶された相関データ331と、に基づいて、レーザ加工点出力を算出する(S4)。相関データ331は、例えば、熱放射光12の信号強度の溶融開始期間における時間的変化量の最大値とレーザ加工点出力との相関関数(L=f(P))である。
【0049】
ここで、溶融開始期間とは、レーザ照射により被接合物15の溶融が開始して熱放射光12が検出され始める時刻(t=0)から、温度上昇が更に進んで熱放射光12の強度が最大になる時刻(t=T0)までの期間である。あるいは、溶融開始期間は、熱放射光12が検出され始める時刻から、熱放射光12の強度が所定の閾値を超える時刻までの期間であってもよい。また、溶融開始期間は、熱放射光12が検出され始める時刻から所定の時間期間であってもよい。
【0050】
レーザ溶接プロセスは、一般的に、レーザ照射時間の経過と共に、以下のような経過を辿る。
(1)上板である被接合物15が過熱され、溶融が始まる。
(2)被接合物15の下面まで溶融が進む。
(3)下板である接合物16に、上板である被接合物15の溶融熱が伝わり、接合物16の溶融が開始する。
(4)被接合物15の溶融物と接合物16の溶融物とが混ざり合う。
(5)レーザビームの通過と共に、溶融物の温度が下がり凝固し、被接合物15と接合物16とが接合される。
【0051】
このようなレーザ溶接プロセスにおいて、溶融開始期間とは、(1)から(3)までの経過を示す。なお、熱放射光12の信号強度の変化においては、溶融開始期間は、熱放射光12の信号強度の検出開始時刻から熱放射光12のピーク強度又は予定の閾値を超える強度が観察される時刻までの、熱放射光12の信号強度の立ち上がり部に相当する。
【0052】
溶融開始期間では、レーザビームの出力強度を徐々に上げることにより、熱放射光12のピーク強度まで右肩上がりに上昇する熱放射光12の信号強度を得てもよい。
【0053】
次に、溶融開始期間における熱放射光12の時間的変化量の最大値とレーザ加工点出力との相関データ331の取得方法について説明する。
【0054】
本実施形態におけるレーザ照射時間及び溶接速度は、例えば、以下のように設定される。具体的には、従来のレーザ溶接では、図9に示すように、レーザ照射時間内(0≦t≦T)において、溶接速度は一定速度Vである。一方、本実施形態では、例えば、図10に示すように、溶融開始期間(0≦t<T0)において、通常の(すなわち、レーザ照射時間内の溶融開始期間以降の期間の)溶接速度Vより遅い溶接速度V0に設定される。
【0055】
図11は、図10に示すように溶接速度を設定した場合における熱放射光12の信号強度の時間的変化を示すグラフである。熱放射光12の信号強度のピークが、図11のグラフの先頭部分にあることがわかる。図11のグラフから、溶融開始期間は、熱放射光12の信号強度の検出開始時刻0から、このピーク強度が発生した時刻T0までの期間である。
【0056】
溶融開始期間の溶接速度V0は、通常の溶接速度Vよりも遅いので、被接合物15に対して、溶融開始期間における単位長さ当たりの投入エネルギーは、通常の溶接時に比べて相対的に増加する。そのため、溶融開始期間においては、被接合物15の温度が比較的高い温度まで上昇し、その結果、熱放射強度も強くなっていく。溶融開始期間の経過後、溶接速度が速く(所定の速度V)なると、相対的に、被接合物15の単位長さ当たりの投入エネルギーは減少するため、被接合物15の温度が下がり、その分、熱放射強度が低下する。
【0057】
溶融開始期間では、溶接速度を通常の溶接速度Vより遅くすることに代えて、又はこれに加えて、レーザビームの出力強度を徐々に上げることにより図11に示すような急激な右肩上がりの熱放射光12の信号強度を得てもよい。
【0058】
図12は、レーザ加工点出力と、熱放射光12の信号強度の時間的変化と、の関係を示すグラフである。図12のグラフにおいて、破線は、レーザ加工点出力が標準条件の1500Wであるときの熱放射光12の信号強度の時間的変化を示している。点線は、レーザ加工点出力が低出力条件の1300Wであるときの、実線はレーザ加工点出力が高出力条件の1700Wであるときの熱放射光12の信号強度の時間的変化を示している。
【0059】
図12に示すように、前述の3条件に対応する熱放射光12は、ほぼ同じ時刻にピーク強度を有し、いずれの条件においても溶融開始期間がほぼ同じであることがわかる。また、溶融開始期間における信号波形は、レーザ加工点出力が高くなるに連れて、単調に直線的に増加していることがわかる。
【0060】
つまり、溶融開始期間ではレーザ出力に依らず溶融状態が安定しており、これにより熱放射光12の信号強度も安定していることがわかる。この原因は、上板である被接合物15のみが溶融しており、溶融状態が下板である接合物16の影響をあまり受けないためと考えられる。また、溶融開始期間においては、被接合物15と接合物16とが接合されていないため、被接合物15と接合物16との相互影響(隙間の大きさ、密着性、界面異物など)が少ないことも上記原因と考えられる。また、溶融開始期間においては、溶融している部分が少なく、溶融時に発生する金属ヒュームによる影響が少ないことも上記原因と考えられる。
【0061】
これに対し、図12から、溶融開始期間以降の期間では、熱放射光12の信号強度は、大きく変動し、また、レーザ加工点出力との相関も弱いことがわかる。これは、溶融開始期間以降の期間では被接合物15と接合物16とが接合され、表面溶融状態が刻々と変化するからであると考えられる。
【0062】
表面溶融状態について、より具体的に考察する。被接合物15と接合物16との接触状態(隙間の大きさ、密着性、界面異物など)、被接合物15の表面状態(表面粗さ、汚れ)などに応じて、レーザ溶接時に発生する金属ヒューム量は変動し得る。金属ヒュームを除去するために、金属ヒュームをアシストガスで吹き飛ばしたり、吸引装置で吸引したりするが、完全に除去することはできない。除去できず残存する金属ヒュームが、被接合物15の溶融部から発生する熱放射光12を遮光するため、観察される熱放射光12が低下する。そのため、レーザ溶接装置20の検出系(受光センサ6)で検出される熱放射光12の信号強度が変動すると考えられる。
【0063】
図13は、図11に示した熱放射光12の信号強度の時間的変化量を示すグラフである。この時間的変化量は、図11のグラフの傾きに相当する。この時間的変化量は、図8のステップS2で算出される。
【0064】
図11では、溶融開始期間において、熱放射光12の信号強度が急激な右肩上がりになっているため、図13では、信号強度の時間的変化量は、“正”の大きな値となっている。また、図11では、溶融開始期間以降の期間では、熱放射光12の信号強度が高位で飽和し変化が少ないため、図13では、信号強度の時間的変化量は、0近傍の値となっている。
【0065】
図14は、レーザ加工点出力と、溶融開始期間における熱放射光12の時間的変化量の最大値との関係を示すグラフである。図14のグラフに示した点は、レーザ加工点出力が1300W、1400W、1500W、1600W、及び1700Wである場合に得られた熱放射光12の時間的変化量の最大値を示している。図14のグラフには、各レーザ加工点出力に対応する点がそれぞれ4個ずつある。これらの4個の点は、被接合物15の異なる位置に、4回連続で、レーザビームを照射することにより得られた熱放射光12の時間的変化量の最大値を表している。
【0066】
図14に示すようなレーザ加工点出力を測定する手法は、例えば以下のとおりである。まず、レーザ溶接装置20と被接合物15との間(図1参照)に、レーザ出力測定器を設置する。次に、図10に示したレーザ出力波形と同じ条件で、レーザ照射を行う。このときにレーザ出力測定器によって測定された値が、レーザ加工点出力となる。
【0067】
図14に示すグラフからわかるように、溶融開始期間においては、各レーザ加工点出力に対応する熱放射光12の時間的変化量の最大値の変動は少ないことがわかる。図14に示すレーザ加工点出力と、溶融開始期間における熱放射光12の時間的変化量の最大値との相関係数の2乗(R)は、0.98であり、両者の相関が非常に強いことが統計的にわかる。
【0068】
また、熱放射光12の時間的変化量の最大値は、レーザ加工点出力が増加するに連れて、ほぼ直線的に増加していることがわかる。したがって、溶融開始期間における各レーザ加工点出力に対する熱放射光12の時間的変化量の最大値は、相互に重なっていない。そのため、図14に示すグラフのような相関関係が予め得られていると、溶融開始期間の熱放射光12の時間的変化量の最大値から、レーザ加工点出力を推定することができる(図8のS4)。
【0069】
図15は、熱放射光12の時間的変化量の最大値Pと、溶融開始期間におけるレーザ加工点出力Lとの関係を直線関数f(P)で近似したグラフである。このように、事前に算出された相関関数(L=f(P))が、相関データ331として、レーザ出力評価装置30の記憶装置33に記憶されている(図2参照)。これにより、図8のステップS4において、溶融開始期間における熱放射光12の時間的変化量の最大値Pから、レーザ加工点出力Lが一意的に決まる。
【0070】
前述のように、レーザ加工点出力は、レーザ溶接装置20の光学設計に影響を受ける。そのため、レーザ加工点出力を算出したいレーザ溶接装置と、相関関数を算出するためのデータを取得するために事前測定を行うレーザ溶接装置とは、同じものであってもよい。すなわち、図8のステップS1における熱放射光12の測定のためのレーザビームの照射と、相関関数を算出するためのデータを取得するための事前加工とは、同一のレーザ溶接装置により行われてもよい。例えば、レーザ出力評価装置30は、相関関数とレーザ溶接装置20の識別情報とを紐づけたデータを相関データ331として記憶装置33に記憶し、実際の加工において用いるレーザ溶接装置20と同じ識別情報を持つ相関データの相関関数を用いて、レーザ加工点出力を算出すればよい。
【0071】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、上記実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0072】
上記の実施形態では、信号強度処理部32が、熱放射光12の信号強度の時間的変化量の最大値と、記憶装置33に予め記憶された相関データ331と、に基づいて、レーザ加工点出力を算出する例について説明した(図8のS4参照)。しかしながら、本開示はこれに限定されず、レーザ加工点出力を算出できればよい。例えば、信号強度処理部32は、図8のステップS1~S4において熱放射光の測定データに基づいてレーザ加工点出力を算出することに代えて、プラズマ光13の測定データに基づいてレーザ加工点出力を算出してもよい。
【0073】
図16は、レーザ加工点出力と、溶融開始期間におけるプラズマ光13の信号強度の時間的変化量の最大値との関係を示すグラフである。図16に示したプラズマ光13の信号強度の時間的変化量の最大値は、図14に示した熱放射光12の信号強度の時間的変化量の最大値と同様に、レーザ加工点出力が増加するに連れて、ほぼ直線的に増加していることがわかる。したがって、図16に示すグラフのような相関関係が予め得られていると、溶融開始期間のプラズマ光13の時間的変化量の最大値から、レーザ加工点出力を推定することができる。
【0074】
(付記)
以下に本開示の態様を例示する。
【0075】
<態様1>
被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された前記接合物と前記被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するステップと、
演算回路が、取得された前記信号強度と、事前加工において予め取得された、前記溶融開始期間における前記信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、前記被接合物に照射された前記レーザビームのレーザ加工点出力を算出するステップと、
を含む、レーザ出力評価方法。
【0076】
<態様2>
前記レーザ加工点出力を算出するステップは、前記予め取得された信号強度の時間的変化量の最大値と前記レーザビームの出力との相関関係を示す相関データを用いて、前記レーザ加工点出力を算出することを含む、態様1に記載のレーザ出力評価方法。
【0077】
<態様3>
前記相関データは、前記予め取得された信号強度の時間的変化量の最大値と前記レーザビームの出力との相関関係を示す関数である、態様2に記載のレーザ出力評価方法。
【0078】
<態様4>
前記予め取得された信号強度の時間的変化量の最大値は、前記事前加工の前記溶融開始期間において、前記レーザビームの出力強度を徐々に上げることにより得られた前記信号強度に基づいて算出される、態様1~3のいずれかに記載のレーザ出力評価方法。
【0079】
<態様5>
前記信号強度を取得するステップにおいて、前記信号強度は、前記溶融開始期間において、前記レーザビームの出力強度を徐々に上げることにより得られる、態様4に記載のレーザ出力評価方法。
【0080】
<態様6>
前記レーザビームの照射と、前記事前加工とは、同一のレーザ溶接装置により行われる、態様1~5のいずれかに記載のレーザ出力評価方法。
【0081】
<態様7>
前記溶融開始期間は、前記溶接光が検出され始める時刻から、前記溶接光の信号強度が所定の閾値を超えるまでの期間である、態様1~6のいずれかに記載のレーザ出力評価方法。
【0082】
<態様8>
前記溶融開始期間は、前記溶接光が検出され始める時刻から、前記溶接光の信号強度が最大になるまでの期間である、態様1~6のいずれかに記載のレーザ出力評価方法。
【0083】
<態様9>
前記溶接光は、熱放射光及び/又はプラズマ光である、態様1~8のいずれかに記載のレーザ出力評価方法。
【0084】
<態様10>
被接合物を接合物に溶接するレーザ溶接加工における所定の溶融開始期間に、レーザビームを照射された前記接合物と前記被接合物との溶接部から放射される溶接光の信号強度を取得するインタフェース回路と、
取得された前記信号強度と、事前加工において予め取得された、前記溶融開始期間における前記信号強度の時間的変化量の最大値と、に基づいて、前記被接合物に照射された前記レーザビームのレーザ加工点出力を算出する演算回路と、
を備えるレーザ出力評価装置。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本開示は、レーザ加工の評価方法、例えば、レーザ溶接装置から所定のレーザ加工点出力が実際に得られるか否かを評価する方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 レーザ発振器
2 コリメートレンズ
3 集光レンズ
4 全反射ミラー
5 ダイクロイックミラー
6、7、8 受光センサ
10 レーザビーム
11 溶接光(熱放射光とプラズマ光を含む)
12 熱放射光
13 プラズマ光
14 透過レーザビーム
15 被接合物
16 接合物
17 ステージ
18 溶融凝固部
20 レーザ溶接装置
30 レーザ出力評価装置
31 信号強度取得部
32 信号強度処理部
33 記憶装置
34 出力部
100 レーザ溶接システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16