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特開2023-169705配車装置、端末装置および配車システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169705
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】配車装置、端末装置および配車システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20231122BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20231122BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20231122BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20231122BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G16Y40/20
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080990
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛林 敏之
(72)【発明者】
【氏名】田中 真一
(72)【発明者】
【氏名】西山 奈津美
(72)【発明者】
【氏名】松井 涼
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA14
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181MA14
(57)【要約】
【課題】状況に応じた適切な配車場所を設定すること。
【解決手段】実施形態に係る配車装置は、タクシーの配車処理を実行する配車装置であって、コントローラを備える。コントローラは、ユーザの配車依頼に含まれる配車希望位置情報に基づいて配車地点の候補である配車候補地点を選定し、ユーザにより選択された上記配車候補地点に基づいて配車処理を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タクシーの配車処理を実行する配車装置であって、コントローラを備え、
前記コントローラは、
ユーザの配車依頼に含まれる配車希望位置情報に基づいて配車地点の候補である配車候補地点を選定し、
ユーザにより選択された前記配車候補地点を配車地点に決定して配車処理を実行する、
配車装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記配車希望位置情報が示すエリアの人流状況に応じて前記配車候補地点を選定する、
請求項1に記載の配車装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
各地点における店舗情報に応じて前記配車候補地点を選定する、
請求項2に記載の配車装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記店舗情報における特典情報に応じて前記配車候補地点を選定する、
請求項3に記載の配車装置。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記配車希望位置情報から店舗の位置までの距離により前記特典情報を変更する、
請求項4に記載の配車装置。
【請求項6】
前記コントローラは、
タクシーの各地点への経路における渋滞状況に応じて前記配車候補地点を選定する、
請求項1~5のいずれか一つに記載の配車装置。
【請求項7】
前記配車希望位置情報は、ユーザの現在位置情報である、
請求項1~5のいずれか一つに記載の配車装置。
【請求項8】
前記コントローラは、
前記決定した配車地点が、他に決定された配車地点と重複した場合、配車地点を分散させる、
請求項1~5のいずれか一つに記載の配車装置。
【請求項9】
ユーザが利用する端末装置であって、端末コントローラを備え、
前記端末コントローラは、
ユーザの配車依頼操作に基づき配車希望位置情報を含む配車依頼を配車装置に送信し、
配車依頼に対して前記配車装置から送信される配車候補地点情報を受信して表示し、
表示された前記配車候補地点情報からユーザが選択して配車候補地点に関する選択配車候補地点情報を前記配車装置に送信し、
前記選択配車候補地点情報の送信に対して前記配車装置から送信される配車情報を受信して表示する、
端末装置。
【請求項10】
配車装置と、ユーザが利用するユーザ端末装置と、タクシーに搭載される車載装置と、を備え、
前記配車装置は、
前記ユーザ端末装置からの配車依頼に含まれる配車希望位置情報に基づいて配車地点の候補である配車候補地点を選定して、当該配車候補地点の情報である配車候補地点情報を前記ユーザ端末装置に送信し、
前記配車候補地点からユーザにより選択された選択配車候補地点情報を前記ユーザ端末装置から受信し、
前記選択配車候補地点情報に基づく選択配車候補地点への配車要請情報を前記車載装置に送信し、
前記車載装置から前記配車要請情報に対する受託可否を示す受託可否情報を受信し、
前記受託可否情報が受託可の場合、配車に関する配車情報を生成して前記ユーザ端末装置と前記車載装置に送信し、
前記ユーザ端末装置は、
ユーザの配車依頼操作に基づき前記配車希望位置情報を含む配車依頼を前記配車装置に送信し、
配車依頼に対して前記配車装置から送信される前記配車候補地点情報を受信して表示し、
表示された前記配車候補地点情報からユーザが選択した前記配車候補地点に関する前記選択配車候補地点情報を前記配車装置に送信し、
前記配車装置から送信される前記配車情報を受信して表示し、
前記車載装置は、
前記配車装置から送信される前記配車要請情報を受信して表示し、
操作入力に基づき前記配車要請情報に対する前記受託可否情報を生成して、前記配車装置に送信し、
前記配車装置から送信される前記配車情報を受信して表示する、
配車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、配車装置、端末装置および配車システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが利用する配車アプリ等を通じて、ユーザの希望に最も適うタクシーを選定し、配車する配車サービスが知られている。
【0003】
また、このような配車サービスにおいて、タクシーが到着するまでの待ち時間がユーザの想定よりも長くなってしまうことを抑制するために、配車候補となるタクシーの待ち時間を予測し、待ち時間が所定の範囲を超えないタクシーのみ配車する技術も提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-175491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、状況に応じた適切な配車場所を設定するうえで、さらなる改善の余地がある。
【0006】
たとえば、大規模なイベント会場などでは、タクシーの配車予約をする場合に、混雑を回避し、かつ、交通規制等を考慮した配車場所をユーザが自分で探し出すことは事実上困難である。
【0007】
このため、ユーザが、乗車困難な場所を誤って配車場所に指定したり、交通規制のかかった場所を配車場所に指定したりする等、望ましい配車が実現できていないという問題があった。また、多くのユーザの配車予約によって指定された配車場所がたまたま一箇所に集中した場合、その周辺で渋滞が発生するおそれがあるといった問題もある。
【0008】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、状況に応じた適切な配車場所を設定することができる配車装置、端末装置および配車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の一態様に係る配車装置は、タクシーの配車処理を実行する配車装置であって、コントローラを備える。前記コントローラは、ユーザの配車依頼に含まれる配車希望位置情報に基づいて配車地点の候補である配車候補地点を選定し、ユーザにより選択された前記配車候補地点を配車地点に決定して配車処理を実行する。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、状況に応じた適切な配車場所を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る配車方法の概要説明図である。
図2図2は、実施形態に係る配車システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るユーザ端末の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る配車装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、施設情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、渋滞情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、車両情報データベースの一例を示す図である。
図8図8は、周辺情報データベースの一例を示す図である。
図9図9は、周辺情報に含まれる乗車待ち可能台数の説明図である。
図10図10は、受付情報データテーブルの一例を示す図である。
図11図11は、図12図16を用いた説明における状況を示す図である。
図12図12は、配車依頼時のアプリ画面例を示す図(その1)である。
図13図13は、配車依頼時のアプリ画面例を示す図(その2)である。
図14図14は、配車依頼時のアプリ画面例を示す図(その3)である。
図15図15は、配車依頼時のアプリ画面例を示す図(その4)である。
図16図16は、タクシーへの配車情報の通知例を示す図である。
図17図17は、実施形態に係る配車装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する配車装置、端末装置および配車システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
まず、実施形態に係る配車方法の概要について、図1を用いて説明する。図1は、実施形態に係る配車方法の概要説明図である。
【0014】
既に述べた通り、たとえば、大規模なイベント会場などでは、タクシーの配車予約をする場合に、混雑を回避し、かつ、交通規制等を考慮した配車場所をユーザが自分で探し出すことは事実上困難である。
【0015】
このため、ユーザが、乗車困難な場所を誤って配車場所に指定したり、交通規制のかかった場所を配車場所に指定したりする等、望ましい配車が実現できていないという問題があった。また、多くのユーザの配車予約によって指定された配車場所がたまたま一箇所に集中した場合、その周辺で渋滞が発生するおそれがあるといった問題もある。
【0016】
そこで、実施形態に係る配車方法では、ユーザUが利用するユーザ端末10から配車依頼を取得し、かかる配車依頼に含まれるユーザUの位置情報に基づいて適切な配車地点の候補を選定し、かかる候補の中からユーザUにより選択された希望配車地点に基づいて配車処理を実行することとした。
【0017】
具体的には、図1に示すように、実施形態に係る配車方法では、まずユーザUが自身の利用するユーザ端末10を用い、タクシー配車用のアプリを介して、目的地および乗車人数等を指定する。なお、本実施形態では、ユーザUは、イベント開催中のスタジアム等のイベント施設1000またはその周辺にいるものとする。
【0018】
そして、ユーザUが、配車依頼を送信する操作を実行すると、ユーザ端末10は、目的地、乗車人数等、および、ユーザUの現在位置を含む配車依頼を配車装置100へ送信する(ステップS1)。なお、配車位置に含まれるべき配車を行うべき位置はユーザUの配車希望位置であるが、現在位置が配車希望位置として多数を占めており、ユーザ端末10の現在位置検出機能も利用できるため、配車希望位置を代表して現在位置を用いて説明を続ける。また、現在位置以外の配車希望位置の場合は、ユーザUの入力操作により配車希望位置を設定し、その位置に基づき各処理が行われることになる。
【0019】
配車装置100は、ユーザ端末10から配車依頼を取得すると、配車依頼に含まれるユーザUの現在位置に基づいて適切な配車候補地点を選定する(ステップS2)。適切な配車地点とは、たとえばユーザUの最寄りの場所であり、配車予約が集中していない場所である。
【0020】
なお、配車装置100は常時、人流制御システム200から人流情報、店舗情報等を、また、交通情報提供システム300からは交通情報等を収集している。人流情報は、イベント施設1000およびその周辺の人の流れや混雑度等を含む。店舗情報は、イベント施設1000およびその周辺の各店舗の混雑度等を含む。交通情報は、渋滞情報等を含む。
【0021】
配車装置100は、これら人流情報、店舗情報、交通情報等を加味しつつ、適切な配車候補地点を選定する。
【0022】
そして、配車装置100は、選定した配車候補地点をユーザ端末10へ通知する(ステップS3)。ユーザ端末10は、通知された配車候補地点をユーザUへ提示し、ユーザUに、配車候補地点の中から希望配車地点を選択させる。
【0023】
そして、ユーザUが、希望配車地点を選択する操作を実行すると、ユーザ端末10は、選択された希望配車地点を配車装置100へ送信する(ステップS4)。配車装置100は、これを取得し、ユーザUが選択した希望配車地点に基づいて配車処理を実行する(ステップS5)。
【0024】
かかる配車処理では、配車装置100は、空車状態にある各タクシーTの車載装置30に対し、ユーザUが選択した希望配車地点を含む配車依頼を送信する(ステップS6)。そして、かかる配車依頼を受ける各タクシーTの車載装置30は、配車依頼を受託するか否かの回答、および受託する場合は希望配車地点への到着予想時刻を配車装置100へ送信する(ステップS7)。
【0025】
そして、配車装置100は、取得した到着予想時刻に基づいて配車内容を決定し、決定した配車内容を含む配車情報を生成してユーザ端末10および車載装置30へ通知する(ステップS8)。
【0026】
このように、実施形態に係る配車方法では、ユーザUが利用するユーザ端末10から配車依頼を取得し、かかる配車依頼に含まれるユーザUの位置情報に基づいて適切な配車地点の候補を選定し、かかる候補の中からユーザUにより選択された希望配車地点に基づいて配車処理を実行することとした。
【0027】
したがって、実施形態に係る配車方法によれば、状況に応じた適切な配車場所を設定することができる。
【0028】
なお、ステップS1の配車依頼からステップS8の配車情報の通知までの間の具体的な画面例については、図12図16を用いた説明で後述する。以下、実施形態に係る配車方法を適用した配車システム1の構成例について、より具体的に説明する。
【0029】
図2は、実施形態に係る配車システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、配車システム1は、1以上のユーザ端末10と、1以上の車載装置30と、配車装置100と、人流制御システム200と、交通情報提供システム300とを含む。人流制御システム200は、人流制御装置201と、1以上の店舗装置202と、イベント管理装置203とを含む。
【0030】
また、図2に示すように、ユーザ端末10と、車載装置30と、配車装置100と、人流制御システム200(人流制御装置201、店舗装置202、イベント管理装置203)と、交通情報提供システム300とは、インターネットや携帯電話回線網等であるネットワークNによって相互に接続され、ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能に設けられる。
【0031】
ユーザ端末10は、ユーザUが携帯し利用する端末装置である。ユーザ端末10は、配車システム1に係るアプリが動作するプラットフォームを有する。ユーザ端末10は、たとえば、スマートフォンなどの携帯電話機や、タブレット端末等である。ユーザ端末10は、他にも、PC(Personal Computer)や、PDA(Personal Digital Assistant)や、腕時計型、メガネ型のウェアラブルデバイス等であってもよい。
【0032】
図3は、ユーザ端末10の構成例を示す図である。具体的には、ユーザ端末10は、図3に示すように、端末通信部10aと、端末記憶部10bと、端末表示部10cと、端末操作部10dと、端末制御部10eとを備える。
【0033】
端末通信部10aは、たとえば、ネットワークアダプタ等によって実現される。端末通信部10aは、上述したネットワークNと無線で接続され、ネットワークNを介して、配車装置100や他の各種情報提供装置・システム等との間で情報の送受信を行う。
【0034】
端末記憶部10bは、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。端末記憶部10bは、ユーザ端末10の各種動作を実現するためのプログラムやプログラムの実行中に使用される各種データ、また外部から取得した配車情報等の各種データ等を記憶する。
【0035】
端末表示部10cは、たとえば液晶ディスプレイや有機EL(organic electro-luminescence)ディスプレイ等によって実現される。端末表示部10cは、配車情報等の各種情報を表示する。端末操作部10dは、たとえば端末表示部10cの表面側に設置されたタッチスイッチフィルムやユーザ端末10のシャーシに設置されたハードスイッチ等によって実現される。端末操作部10dは、ユーザUが操作することにより当該操作に応じた信号を出力する。
【0036】
端末制御部10eは、所謂コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部102に記憶されている図示略の各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、端末制御部10eは、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。端末制御部10eは、端末通信部10aと、端末記憶部10bと、端末表示部10cと、端末操作部10dとを制御し、またこれらと各種情報の送受信を行い、ユーザ端末10における情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0037】
図2の説明に戻る。車載装置30は、タクシーTに搭載され、たとえば通信機能を有するコンピュータで構成される。車載装置30は、配車システム1に係るタクシーT側の端末装置として動作し、配車システム1に係る各種の情報処理を実行する。
【0038】
配車装置100は、たとえばクラウドサーバとして実現され、ネットワークNを介し、車載装置30、人流制御システム200、交通情報提供システム300から常時配車システム1に係る各種の情報を収集する。また、配車装置100は、ユーザUから前述の配車依頼を受け付けた場合に、収集した各種の情報に基づいて上述のステップS1~ステップS8の各処理を実行する。
【0039】
人流制御システム200は、イベント開催時等に発生する混雑を緩和するためのシステムで、たとえばイベント会場周辺の混雑状況に応じて、イベント会場周辺のユーザUに対して、混雑情報の提供、イベント会場周辺施設で使用できるクーポンの配布、イベント会場周辺施設に関する混雑等の各種情報の提供、等を行って、イベント会場周辺における人流の制御を行う。
【0040】
具体的には、人流制御装置201は、イベント会場周辺に設置されたカメラ等の撮影画像や、ユーザ端末10からイベント会場周辺のユーザUの位置情報を収集して、イベント会場周辺の混雑状況を把握する。また、人流制御装置201は、イベント管理装置203から、イベント参加人数、イベント開始・終了時間、等の情報を取得する。また、人流制御装置201は、各店舗装置202から、各店舗の発行クーポンや混雑状況の情報を取得する。さらに、人流制御装置201は、交通情報提供システム300からイベント会場周辺道路の渋滞情報、イベント会場近隣の公共交通機関の運行・混雑状況等の情報を取得する。そして、人流制御装置201は、これらの情報に基づき、現在の混雑状況を把握し、また将来の混雑状況を予測し、そして当該イベント会場周辺の混雑状況、および近隣店舗(施設)の発行クーポンや混雑状況等に応じて、各ユーザ端末10へ混雑回避に適した移動経路情報の提供やクーポンの配布を行い、人流制御・混雑緩和を図る。店舗装置202は、イベント施設1000およびその周辺の各店舗に設けられる装置で、タブレット端末、PC等で構成される。そして、店舗装置202は、店舗スタッフの操作等により、施設情報として前述の混雑情報やクーポン情報、その他の店舗情報を人流制御装置201等に提供する。
【0041】
交通情報提供システム300は、公益法人や一般事業者等が運営する交通情報を人流制御装置201等に提供するシステムであり、サーバ装置等により構成される。交通情報は、渋滞情報、公共交通機関の運行・混雑状況等の情報等を含む。
【0042】
なお、図2に示した配車システム1の構成例はあくまで一例であり、必ずしも図示の如く構成されていることを要しない。たとえば、配車装置100、人流制御システム200、および、交通情報提供システム300の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況、運用主体(事業者)などに応じて、適宜分散・統合して構成することができる。
【0043】
次に、実施形態に係る配車装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る配車装置100の構成例を示すブロック図である。なお、図4では、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0044】
換言すれば、図4に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。たとえば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。また、図4を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、省略する場合がある。
【0045】
図4に示すように、実施形態に係る配車装置100は、通信部101と、記憶部102と、制御部103とを備える。
【0046】
通信部101は、たとえば、ネットワークアダプタ等によって実現される。通信部101は、上述したネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、ユーザ端末10や、車載装置30や、人流制御システム200や、交通情報提供システム300との間で情報の送受信を行う。
【0047】
記憶部102は、たとえば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部102は、図4の例では、収集情報DB(Data Base)102aと、受付情報データテーブル102bとを記憶する。
【0048】
収集情報DB102aは、後述する収集部103aによって収集される各種情報のデータベースである。収集情報DB102aは、配車管理エリア、たとえば本実施形態ではイベント(会場)エリアに関する、施設情報DB102a1と、渋滞情報DB102a2と、車両情報DB102a3と、周辺情報DB102a4とを含む。受付情報データテーブル102bは、ユーザUから受け付けた配車依頼に関する情報、および、決定した配車内容を含む配車情報のデータテーブルである。
【0049】
ここで、収集情報DB102aに含まれる施設情報DB102a1、渋滞情報DB102a2、車両情報DB102a3、周辺情報DB102a4、および、受付情報データテーブル102bの各例について説明する。
【0050】
図5に示すように、施設情報DB102a1は、人流制御システム200から入手する(提供される)各種施設(イベント会場等)に関する情報のデータベースであり、施設の識別コードを示す「施設ID」と、施設の名称を示す「施設名称」と、施設の位置を示す「施設位置」と、施設でイベントがあった際にその影響があるエリアを示す「関連エリア」と、施設で開催中(準備期間等の含む)のイベントを示す「開催中イベント」と、当該イベントの開催開始および終了時間を示す「開始時間」および「終了時間」と、当該イベントの入場数を示す「入場者数」と、施設およびその周辺における現時点および15分後の混雑度および予測混雑度を示す「混雑度」および「15分後の混雑度」と、これらデータの対象(取得)時刻を示す「施設データ時刻」、の各データ項目のデータを記憶することになる。なお、施設IDはデータレコードの識別コードの働きもあり、施設IDで特定されるデータレコードに、当該施設IDで特定される施設に関する各情報が記憶されることになる。
【0051】
これらのデータは、イベント主催者から提供される各種イベント情報に基づき、人流制御システム200の管理者等が端末操作により入力する方法等により人流制御システム200に登録され、それらデータが人流制御システム200より提供され、施設情報DB102a1登録されることになる。また、「入場者数」、「混雑度」および「15分後の混雑度」については、人流制御システム200が、ユーザ端末10から得られる各ユーザUの位置データや、イベント会場付近に設置されたカメラによる撮影画像の解析処理データ、イベント会場に設置された自動ゲートの入退場データ等を解析することにより推定し、それらデータが人流制御システム200より提供され、施設情報DB102a1に登録されることになる。なお、「混雑度」については、イベント会場周辺を細かなエリアに分割したエリア毎の混雑度データも人流制御システム200から提供され、施設情報DB102a1に登録される。
【0052】
また、図6に示すように、渋滞情報DB102a2は、交通情報提供システム300から入手する(提供される)渋滞に関する情報のデータベースであり、渋滞の識別コードを示す「渋滞ID」と、渋滞が生じている道路区間を示す「渋滞区域」と、渋滞の原因を示す「原因」と、渋滞の現時点(渋滞データ時刻)および15分後に予測される渋滞の程度を示す「渋滞度」および「15分後の予測渋滞度」と、これらデータの対象(取得)時刻を示す「渋滞データ時刻」、の各データ項目のデータを記憶することになる。なお、渋滞IDはデータレコードの識別コードの働きもあり、渋滞IDで特定されるデータレコードに、当該施設IDで特定される渋滞に関する各情報が記憶されることになる。
【0053】
これらのデータは、交通情報提供システム300が、路上の各地点に設置されたカメラ等の各種センサのデータを解析することにより、また各車両から提供される車両の走行データを解析することにより生成される。そして、それらデータが交通情報提供システム300より提供され、渋滞情報DB102a2に登録されることになる。
【0054】
また、図7に示すように、車両情報DB102a3は、各タクシーTに関する情報のデータベースであり、車両の識別コードを示す「車両ID」と、車両に表示される案内用の車両番号を示す「表示車両番号」と、車両の現在位置を示す「車両現在位置」と、車両の現在の状態(タクシーTの稼働状態、たとえば実車・空車等)を示す「車両状態」と、配車予約の識別番号を示す「予約ID」、の各データ項目のデータを記憶することになる。なお、車両IDはデータレコードの識別コードの働きもあり、車両IDで特定されるデータレコードに、当該車両IDで特定される車両に関する各情報が記憶されることになる。また、「予約ID」は後述の図10の受付情報データテーブル102bにおける「受付ID」に用いられる配車受付の識別コードが用いられ、これら「予約ID」と「受付ID」が同じデータレコードがリンクされることになる。
【0055】
「車両ID」と「表示車両番号」は、配車装置100の管理者、オペレータ等が端末操作により入力する方法等により、車両情報DB102a3に登録される。また、「車両現在位置」と「車両状態」は、車載装置30から送信される位置情報、実車・空車情報に基づき、車両情報DB102a3に登録される。「予約ID」は、配車装置100による配車処理結果(配車装置100による自動配車、あるいはオペレータの操作によるマニュアル配車に対応する配車情報で、後述の図10の受付情報データテーブル102bにおける「受付ID」に登録されたデータ)に基づき、車両情報DB102a3に登録される。
【0056】
また、図8に示すように、周辺情報DB102a4は、各イベント施設1000の周辺の各エリアに関する情報であり、たとえば、イベント施設1000の周辺を東西と南北に延びる複数の線で分断した形成されたエリア毎に、当該各エリアに関する各種データを記憶する。そして、周辺情報DB102a4は、周辺情報の識別コードを示す「周辺情報ID」と、対象とする施設の識別番号を示す「対象施設ID」と、エリアの基準位置(たとえば重心位置)を示す「基準位置」と、エリアにおける混雑度を示す「エリア混雑度」と、エリアにおけるタクシーTの配車の可否および配車位置を示す「タクシー配車可否」および「タクシー配車位置」と、当該エリアにおいてタクシーTの乗車待ちに適した上限のタクシー待機台数を示す「乗車待ち可能台数」と、当該エリアにおける人流制御(タクシー待ち)に対して提携した店舗に関する各種データ(店舗名、店舗種別等)を示す「提携店舗」と、当該エリアにおける提携店舗が発行しているクーポン(特典)に関する各種データ(クーポン内容、クーポン認識用データ(クーポン使用時にユーザ端末10から出力するクーポン認識用のデータ(たとえば、二次元コード)))を示す「クーポン」と、当該エリアにおける提携店舗の混雑度等の「店舗状況」、の各データ項目のデータを記憶することになる。なお、周辺情報IDはデータレコードの識別コードの働きもあり、周辺情報IDで特定されるデータレコードに、当該周辺情報IDで特定される周辺情報に関する各情報が記憶されることになる。
【0057】
「周辺情報ID」と「対象施設ID」と「基準位置」と「タクシー配車可否」と「タクシー配車位置」と「乗車待ち可能台数」は、配車装置100の管理者、オペレータ等が端末操作により入力する方法等により、周辺情報DB102a4に登録される。また、「提携店舗」と「クーポン」と「店舗状況」は、配車装置100の管理者、オペレータ等が端末操作により入力する方法、あるいは店舗装置202の管理者、オペレータ等が端末操作により入力する方法等により、周辺情報DB102a4に登録される。そして、「エリア混雑度」は人流制御システム200により提供され、周辺情報DB102a4に登録されることになる。
【0058】
「タクシー配車位置」は、イベント施設1000の周辺に設定された前述の各エリアにおいて適切な配車場所の候補となりうる各地点の位置である。かかる各地点は、たとえば、路肩が広い、道路と歩道との間に柵等の障害物がない、交差点やバス停の近くではない、といった理由から予め選定される、配車場所として好適な地点(場所)である。そして、「タクシー配車可否」は、当該エリアに適切な配車場所が存在するか否かを示すフラグである。
【0059】
「タクシー配車位置」(を配置するエリア)は、無論、駐車場を有する店舗なども選ばれうる。店舗の場合、かかる駐車場をタクシーTの配車場所として使用できるように予め提携しておけば、該当の駐車場を「タクシー配車位置」とすることができる。
【0060】
「乗車待ち可能台数」は、各タクシー配車位置においてユーザUの乗車待ちが可能なタクシーTの台数である。
【0061】
かかる「乗車待ち可能台数」について具体的に説明する。図9に示すように、ある道路の途中にタクシー配車位置である地点A1が設定されているものとする。かかる地点A1を中心とする道路沿いのエリアR1を想定する。
【0062】
地点A1の近くにいるユーザUの配車依頼に基づいて、地点A1を配車場所とする配車予約が既に登録済みである場合、同じく地点A1の近くにいる他のユーザUの配車依頼に基づいて同じ地点A1を配車場所とすると、配車場所へのタクシーTの停車やユーザUのタクシーTへの乗車に支障が出ることがある。特に、多くのユーザUの配車依頼に対する配車場所が同じ場所になった場合にこのような支障が出ることになる。
【0063】
そこで、本実施形態では、「乗車待ち可能台数」を設定し、同じ配車場所への配車上限台数を制限するようにした。なお、配車上限台数は、配車場所における支障なく停車ができる車両台数、たとえば駐車できる馬場所の面積、道路幅、道路に設置された柵(タクシーTの停車やタクシーTへの乗車の支障になる障害物)等の状況により、決定すればよい。
【0064】
また、複数のユーザUの配車依頼に対して同じ配車場所を設定する場合には、配車場所を若干分散する方法も有効である。具体的には、図9に示すように、エリアR1において、たとえば地点A1(周辺情報DB102a4の「タクシー配車位置」に登録された位置)を中心とした一定の距離(ここでは、タクシーTの縦列状態での停車に支障の無いnメートル)おきに、地点A1を分散させる。この場合、配車場所である地点A1を地点A-0として、地点A1-1,A1-2のように付番を付すことによって、分散させた各地点を表すことができる。
【0065】
そして、ユーザUの配車依頼に基づき決定された配車位置が、他の配車依頼に基づき決定された配車位置と重複した場合、これら分散させた各地点を詳細な配車位置として決定し、ユーザUに案内する。
【0066】
そして、「乗車待ち可能台数」は、かかる配車場所を分散させる場合に、地点A1から適当な範囲(乗車位置の変動として支障の無い範囲)のエリアRに適切な状況で設定できる分散地点の最大値に相当する。つまり、「乗車待ち可能台数」は、交差点付近や、バス停等のタクシーTの停車不適地点を適切に避けて分散地点を設けた場合の、分散地点の最大値に相当する。
【0067】
また、図10に示すように、受付情報データテーブル102bは、受け付けられた配車依頼に関する情報のテーブルであり、配車依頼の識別コードである「受付ID」と、配車依頼を行ったユーザUの氏名(配車依頼を行ったユーザUの確認用の情報)を示す「ユーザ名称」と、配車依頼を行ったユーザUと通信接続するための情報(たとえば、電子メールアドレス)を示す「ユーザアクセス情報」と、配車依頼を行ったユーザUの位置を示す「ユーザ位置」と、配車依頼における行先を示す「目的地」と、配車依頼における乗車人数を示す「乗車人数」と、配車する車両を示す「配車車両ID」と、配車するエリア(位置)を示す「配車エリアID」と、配車車両への乗車予定時刻を示す「乗車予定時刻」と、配車対象の車両の配車状態(乗車前、乗車完了、降車(目的地到着)完了)を示す「配車状態」と、配車依頼を受け付けた時刻を示す「受付時刻」、の各データ項目のデータを記憶することになる。なお、受付IDはデータレコードの識別コードの働きもあり、受付IDで特定されるデータレコードに、当該受付IDで特定される受付(配車)情報に関する各情報が記憶されることになる。
【0068】
また、「配車車両ID」は図7の車両情報DB102a3における「車両ID」に用いられる車両の識別コードが用いられ、これら「配車車両ID」と「車両ID」が同じデータレコードがリンクされることになる。また、「配車エリアID」は図8の周辺情報DB102a4における「周辺情報ID」に用いられる周辺情報の識別コードが用いられ、これら「周辺情報ID」と「配車エリアID」が同じデータレコードがリンクされることになる。
【0069】
なお、「ユーザ名称」と、「ユーザアクセス情報」と、「受付時ユーザ位置」と、「目的地」と、「乗車人数」と、「乗車予定時刻」と、「受付時刻」、のデータは、ユーザUがタクシーTの配車依頼の際にユーザ端末10を入力操作することにより、またユーザ端末10に内蔵されたGPS受信機や計時機により生成され、これらデータがユーザ端末10から配車装置100に送信されることになる。また、「配車車両ID」と、「車両ID」と、「乗車予定時刻」のデータは、配車処理部103eが配車内容を決定する際に生成することになる(「乗車予定時刻」はタクシーTの状況等により随時更新される)。そして、「配車状態」のデータは、車載装置30がタクシーTの料金メータの状態や車室内カメラの撮影画像の解析結果に基づき生成し、収集部103aが車載装置30から収集(受信)することになる。
【0070】
なお、受付情報データテーブル102bに対するデータの登録処理について、上述の説明はユーザUがユーザ端末10によりタクシー配車アプリを用いてタクシー配車依頼を行う例であるが、電話による音声でのタクシー配車依頼の場合は、配車装置100のオペレータが入力操作を配車装置100に行うことにより、「ユーザ名称」と、「ユーザアクセス情報」と、「受付時ユーザ位置」と、「目的地」と、「乗車人数」と、「乗車予定時刻」と、「受付時刻」、のデータを受付情報データテーブル102bに登録することになる。
【0071】
図4の説明に戻る。制御部103は、所謂コントローラであり、たとえば、CPUやMPU等によって、記憶部102に記憶されている図示略の各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部103は、たとえば、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。
【0072】
制御部103は、収集部103aと、取得部103bと、選定部103cと、通知部103dと、配車処理部103eとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0073】
収集部103aは、通信部101を介し、前述の収集情報DB102aに含まれる各種情報を常時収集し、記憶部102に記憶する。なお、時間的に変化するデータについては、収集部103aにより収集された新しいデータにより記憶部102に記憶されたデータが更新される。
【0074】
具体的には、収集部103aは、イベント管理装置203から、「施設名称」と、「開催中イベント」と、「関連エリア」と、「開催中イベント」と、「開始時間」と、「終了時間」と、「入場者数」と、「施設データ時刻」とのデータを入手し、「施設ID」のデータを付与して施設情報DB102a1に記憶する。また、収集部103aは、人流制御装置201から、施設を識別するデータ(たとえば、「施設ID」と同種のデータ)と、「混雑度」および「15分後の混雑度」と、「施設データ時刻」とのデータを入手し、施設情報DB102a1の対応するデータレコードに記憶する。なお、「施設データ時刻」は、施設情報DB102a1の該当レコードが更新された最新の時刻、つまり最新データ更新時刻が記憶されることになる。
【0075】
また、収集部103aは、交通情報提供システム300から、「渋滞区域」と、「原因」と、「渋滞度」と、「15分後の予測渋滞度」と、「渋滞データ時刻」とのデータを随時入手し、「渋滞ID」のデータを付与して渋滞情報DB102a2に記憶し、また最新のデータで更新する。
【0076】
なお、収集部103aは、交通情報提供システム300から、「渋滞度」と「15分後の予測渋滞度」のどちらかが渋滞の発生を示すデータの場合にデータを取得して渋滞情報DB102a2に記憶し、「渋滞度」と「15分後の予測渋滞度」の両方が渋滞非発生を示すデータの場合は、該当のデータレコードを削除する。
【0077】
また、収集部103aは、車載装置30から、「車両ID」と、「車両現在位置」と、「車両状態」とのデータを随時入手し、車両情報DB102a3における「車両ID」が同じデータレコードに記憶し、また最新のデータで更新する。なお、「車両ID」と「表示車両番号」は、配車装置100の管理者、オペレータ等が端末操作により入力する方法等により、事前に管理対象車両に対して車両情報DB102a3に登録される。また、車両情報DB102a3における「予約ID」については、配車予約が完了した時点で、受付情報データテーブル102bにおける対応するデータレコードの「受付ID」のデータが、後述の配車処理部103eにより記憶される。
【0078】
また、収集部103aは、配車装置100における入力操作等により設定された「対象施設ID」と、「基準位置」と、「タクシー配車可否」と、「タクシー配車位置」と、「乗車待ち可能台数」とのデータを、周辺情報DB102a4に「周辺情報ID」を付加したデータレコードを生成して記憶する。また、収集部103aは、店舗装置202から、店舗の位置情報とクーポンと店舗(混雑)状況のデータを随時入手し、周辺情報DB102a4における該当するデータレコード(「基準位置」データと店舗の位置で判断)の「提携店舗」と、「クーポン」と、「店舗状況」として記憶し、また最新のデータで更新する。
【0079】
なお、以上の例において収集部103aは、人流制御装置201、店舗装置202、イベント管理装置203から各種データを収集したが、人流制御システム200として人流制御装置201が人流制御動作のためにこれらデータを収集している場合は、人流制御装置201からこれらデータを収集するのが効率的である。
【0080】
取得部103bは、通信部101を介し、ユーザ端末10から配車依頼を取得し、選定部103cへ通知する。また、取得部103bは、通信部101を介し、ユーザUによって選択された希望配車地点をユーザ端末10から取得し、配車処理部103eへ通知する。
【0081】
具体的には、取得部103bは、ユーザ端末10から取得した配車依頼に含まれるデータに基づき、「ユーザ名称」と、「ユーザアクセス情報」と、「受付時ユーザ位置」と、「目的地」と、「乗車人数」と、「乗車予定時刻」と、「受付時刻」とのデータを、受付情報データテーブル102bに「受付ID」のデータを付加したデータレコードを生成して記憶する。
【0082】
選定部103cは、取得部103bによって取得された配車依頼に含まれるユーザUの現在位置等の配車情報、および、収集情報DB102aに含まれる各種情報に基づいて、適切な配車候補地点を選定する。また、選定部103cは、選定した配車候補地点をユーザ端末10に対し、通知部103dに通知させる。
【0083】
具体的には、たとえば、選定部103cは次のような処理(ステップA,B,C)を順次実行することにより配車候補地点を選定する。
【0084】
(ステップA)受付情報データテーブル102bの「ユーザ位置」に記憶されたユーザUの現在位置(乗車予定時刻の予定位置等が指定された場合はその位置)から予め定めた所定範囲内(所定距離内、所定移動所要時間内等)にあるエリア(「周辺情報ID」データで特定)を、周辺情報DB102a4の「基準位置」データに基づき抽出する。
【0085】
(ステップB)周辺情報DB102a4における抽出したエリアの(「周辺情報ID」データで特定される)データレコードにおける「エリア混雑度」と、「タクシー配車可否」と、「乗車待ち可能台数」の各データ、そして受付情報データテーブル102bにおける「配車エリアID」データの検索により判断できる該当エリアにおけるタクシー乗車待ち台数、等に基づき、ユーザUに提供する配車候補地点(「周辺情報ID」データで特定)を選定する。なお、他にユーザUの現在位置から配車候補地点までの経路の混雑度等を決定のための情報として加えてもよい。
【0086】
(ステップC)周辺情報DB102a4における決定した配車候補地点(「周辺情報ID」データで特定)のデータレコードから、「基準位置」と、「エリア混雑度」と、「提携店舗」と、「クーポン」と、「店舗状況」の各データをユーザUに提供するデータとして抽出する。なお、他にユーザUの現在位置から配車候補地点までの移動距離、移動所要時間、経路混雑度等のデータをユーザUに提供するデータとして加えてもよい。
【0087】
通知部103dは、通信部101を介し、選定部103cによって選定された配車候補地点に関する各種データをユーザ端末10(受付情報データテーブル102bにおける「ユーザアクセス情報」のデータを使用)に対し通知する。なお、その際、地図上に位置、距離等のデータを表示した画像を形成する等、適宜、データを加工して通知してもよい。
【0088】
また、通知部103dは、通信部101を介し、後述する配車処理部103eによって決定された配車情報をユーザ端末10および車載装置30に対し通知する。
【0089】
配車処理部103eは、取得部103bによって取得された、ユーザUが配車候補地点から選択した希望配車地点に基づいて配車処理を実行する。なお、取得部103bは、ユーザUの希望配車地点を取得した際に、受付情報データテーブル102bの対応データレコードにおける「配車エリアID」に希望配車地点に対応する「周辺情報ID」データを記憶する。
【0090】
かかる配車処理では、配車処理部103eは、通信部101を介し、空車状態にある各タクシーTの車載装置30に対し、ユーザUが選択した希望配車地点を含む配車依頼を送信する。具体的には、車両情報DB102a3における「車両現在位置」と「車両状態」のデータに基づき、希望配車地点から予め定めた所定範囲内(所定距離内、あるいは所定所要時間内)に存在し、配車予約を受託できる状態(たとえば、空車状態)のタクシーTを選定し、当該選定したタクシーTに対して、配車依頼(希望配車地点、および受付情報データテーブル102bにおける「ユーザ名称」、「ユーザアクセス情報」、「目的地」、「乗車人数」、「乗車予定時刻」の各データ等を含めて)を送信する。
【0091】
また、配車処理部103eは、かかる配車依頼を受ける各タクシーTの車載装置30から、通信部101を介し、配車依頼受託のデータを取得し、希望配車地点への到着予想時刻を推定する。なお、到着予想時刻の推定は、車両情報DB102a3における該当タクシーのデータレコードの「車両現在位置」のデータと、希望配車地点(受付情報データテーブル102bにおける該当受付のデータレコード「配車エリアID」に紐づく周辺情報DB102a4の「タクシー配車位置」データ)との距離に基づき、また渋滞情報DB102a2の各種渋滞データ(特に、タクシーTの現在位置から希望配車地点までの経路上における渋滞情報)を加味して行う。なお、到着予想時刻を各タクシーTの車載装置30(タクシー運転手による手動設定や、ナビゲーション装置による推定処理による到着予想時刻)から送信するようにしてもよい。
【0092】
そして、配車処理部103eは、推定した到着予想時刻に基づいて配車するタクシーTを決定し、配車を決定したタクシーTの「車両ID」のデータとそのタクシーTの到着予想時刻を受付情報データテーブル102bにおける該当配車受付のデータレコードの「配車車両ID」と「乗車予定時刻」に記憶する。なお、配車処理部103eは、到着予想時刻が早いタクシーTを配車車両として決定し、「乗車予定時刻」にはユーザUの希望乗車時刻と到着予想時刻の遅い方を記憶するのが好ましい。なお、この際、配車処理部103eは、車両情報DB102a3における該当タクシーのデータレコードの「予約ID」に受付情報データテーブル102bにおける対応するデータレコードの「受付ID」のデータを記憶し、また「車両状態」に配車予約を示すデータを記憶する。
【0093】
そして、配車処理部103eは、受付情報データテーブル102bの該当データレコードから「受付ID」、「ユーザ名称」、「ユーザアクセス情報」、「目的地」、「乗車人数」、「配車エリアID」、「乗車予定時刻」の各データを取得し、また「配車エリアID」に基づき周辺情報DB102a4から対応する「タクシー配車位置」のデータを取得し、車載装置30に対しこれら取得した各データを通知部103dに通知させる。
【0094】
また、配車処理部103eは、受付情報データテーブル102bの該当データレコードから「受付ID」、「目的地」、「乗車人数」、「配車エリアID」、「乗車予定時刻」の各データを取得し、また「配車エリアID」に基づき周辺情報DB102a4から対応する「タクシー配車位置」、「提携店舗」、「クーポン」、「店舗状況」の各データを取得し、当該配車要求を行ったユーザUのユーザ端末10に対しこれら取得して各データを通知部103dに通知させる。
【0095】
そしてその後、収集部103aは、車載装置30から取得したタクシーTの車両状態のデータに基づき車両情報DB102a3における該当タクシーのデータレコードの「車両状態」のデータを更新し、配車装置100のオペレータ等が、配車が完了したかどうか(ユーザUがタクシーTに乗車したかどうか)は把握できるようにする。
【0096】
次に、本実施形態に係る配車処理の内容をより分かりやすくするため、配車依頼時のアプリ画面例等を用いて具体的に説明する。図11は、図12図16を用いた説明における状況を示す図である。また、図12図15は、配車依頼時のアプリ画面例を示す図(その1)~(その4)である。また、図16は、タクシーTへの配車情報の通知例を示す図である。
【0097】
図11は、イベント施設1000およびその周辺を俯瞰した模式図となっている。図11に示すように、イベント施設1000の周辺に、周辺情報DB102a4の「タクシー配車位置」に登録された位置である地点A1,A2,A3,A11があるものとする。地点A11は、付近に店舗(店舗A)のある地点である。
【0098】
また、イベント施設1000の周辺に配車依頼を実行する3組のユーザU01,U02,U03がいるものとする。また、円CU01,CU02,CU03は、各ユーザU01,U02,U03からの配車依頼に対して配車候補地点となる配車位置の範囲(円内の領域)を示すもので、それら円CU01,CU02,CU03の半径が、配車候補地点として選択され得る地点のユーザ位置からの最長限度距離rMAXとなる。
【0099】
ここで、ユーザU01が配車依頼を実行するケースを考える。図12に示すように、ユーザU01は、自身のユーザ端末10においてタクシー配車アプリを起動する。タクシー配車アプリは、図12に示すように、ユーザ端末10の画面上に、目的地と、乗車人数との入力項目を表示する。なお、ユーザ端末10はタッチパネル画面を有しており、画面に表示されたボタンやキーボード表示をタッチすることにより、表示画像およびタッチ位置に応じた入力操作が可能になっている。
【0100】
ユーザU01が、かかる各項目への入力を行い、「依頼」ボタンをタッチ操作すると、ユーザ端末10は、かかる各項目の入力内容および、ユーザ端末10の持つ機能(GPS機能等)と記憶内容に基づくユーザU01の現在位置、氏名、メールアドレス等のユーザアクセス情報を含む配車依頼を配車装置100に対し送信する。
【0101】
配車装置100は、ユーザU01のユーザ端末10から送信された配車依頼を取得すると、かかる取得依頼に含まれるユーザU01の現在位置に基づいて適切な配車候補地点を選定し、選定した配車候補地点をそれに関する各種情報も含めてユーザ端末10に対し通知する。
【0102】
図11に示した状況においては、配車装置100は、まずユーザU01の現在位置から所定距離(CU01)内にある地点A1と地点A11と地点A2を配車候補地点として抽出する。そして、配車装置100は、さらに配車地点として好適であるかの各種条件、たとえば各地点の混雑度、各地点までの経路の混雑度、各地点にある店舗等の有無や混雑度、各配車地点における配車状況(乗車待ち可能台数に達しているか否か)、等により、配車候補地点の絞り込み、および好適順(案内優先順位)を決定する。図11に示した状況においては、地点A2付近および地点A2までの経路が混雑しているので、配車装置100は、地点A1と地点A11とを配車候補地点として選定し(地点A2を除外)、これら選定した配車候補地点に関する各種データをユーザ端末10に通知する。
【0103】
なお、図示は省略するが、ユーザUが配車地点の各種条件(たとえば、屋根がある場所等)設定を行えるように構成し、配車装置100は当該設定された条件を満たさない配車候補地点を除外する処理を加えるのも効果的な方法である。
【0104】
ユーザ端末10は、配車装置100が選択した配車候補地点に関する各種データを受信すると、図13に示すように、各配車候補地点のリストを表示して、選択操作できるようにする。なお、ユーザ端末10は、リストの表示順は配車候補地点に関する各種データに含まれる配車候補地点の優先順のデータに従い上位優先順位の配車候補地点をリストの上位位置に表示する(図13では、短距離が優先順位上位でリスト上側に表示)。また、ユーザ端末10は、配車候補地点に関する各種データの適宜表示する。たとえば、図13に示すように、ユーザ端末10は、イベント施設1000(スタジアム)付近の地図上への配車候補地点の表示、各配車候補地点までの距離比較情報、および各配車候補地点付近の店舗情報(クーポン情報)、等の表示を行う。なお、他に、たとえば配車候補地点付近の混雑度や店舗の情報を表示してもよく、表示形態も各種リスト形式、アイコンによる表示等、いろいろな形態をとることが可能である。
【0105】
たとえば、図14に示すように、ユーザUがユーザ端末10の画面上に表示された地図画面の各地点(配車候補地点)をタッチ操作することで、各地点の詳細情報を表示してもよい。具体的には、地図画面の配車候補地点A11をタッチ操作することで、ユーザ端末10は、配車候補地点付近の店舗情報、たとえば店舗名や店舗提供のクーポンの有無及びその内容に関する情報等を表示する。
【0106】
そして、ユーザU01が配車候補地点のリストから希望配車地点を選択し、「選択」ボタンをタッチ操作すると、ユーザ端末10は、配車装置100に対し、ユーザU01が選択した希望配車地点を送信する。
【0107】
なお、図13に示したように、ユーザU01から距離が近い地点A1の方が上位となるように配車候補地点リストを表示することで、ユーザUは移動が少なく体力的な負担も少ない配車地点を選択しやすくなる。また、配車候補地点に関する各種情報を表示することにより、たとえばクーポンを使用できる好みの店舗が近くにある配車地点を選択する等、ユーザUは当該情報を参考に適切な配車地点を選択することが可能となる。
【0108】
なお、配車候補地点に関する他の各種情報としては、配車地点までの移動距離に応じた運賃の割引情報、各配車候補地点までの経路、といった情報が効果的である。
【0109】
これにより、ユーザUは、人流の混雑度や道路の渋滞度等の各配車候補地点に関連する情報に応じて、適切な配車場所を選択することが容易になる。
【0110】
そして、配車装置100は、ユーザ端末10から送信された希望(選択した)配車地点を取得し、かかる希望配車地点に基づいて配車処理を実行する。また、配車装置100は、配車処理の結果に基づいて、決定した配車情報をユーザU01のユーザ端末10およびユーザU01の配車依頼を受けたタクシーTの車載装置30へ、関連する各種情報も付加して通知する。
【0111】
このとき、図15に示すように、ユーザU01のユーザ端末10には、決定した配車情報に含まれる配車予定時刻およびタクシーTの車両表示番号が表示される。あわせて、ユーザU01のユーザ端末10には、表示地図上にユーザU01の現在位置から地点A1までのルート表示が行われる。なお、ユーザ端末10に、決定した配車位置に関連する各種情報、たとえば配車位置付近の店舗位置(地図上に表示)、店舗情報(店舗概要、混雑状況やクーポン情報等)を表示するのも効果的である。
【0112】
一方、図16に示すように、ユーザU01の配車依頼を受けたタクシーTの車載装置30の表示部31には、配車位置(地点A1)とユーザU01の現在位置を示す地図画面とともに、ユーザU01の名前などのユーザ情報、等が表示される。あわせて、かかる車載装置30には、タクシーTのリアルタイムの到着予想時刻、乗車予定時刻(当初の到着予想時刻)からの誤差、および、渋滞発生時の注意事項(たとえば、交通情報提供システム300から配車位置までの経路に関係する情報を取得する)などが表示される。
【0113】
なお、これらの情報の表示のため、ユーザU01のユーザ端末10と配車装置100との間、また車載装置30と配車装置100との間で、位置情報等の各種情報、特に時間的に変動する位置データ等が、常時(所定の時間間隔で)行われる。
【0114】
次に、配車依頼するユーザUの他の状況例についての例を説明する。まず、図11におけるユーザU02の状況例について説明する。ユーザU02が、ユーザ端末10を操作して配車依頼を行うと、ユーザU02の現在位置等の配車情報が配車装置100に送信される。配車装置100は、配車依頼を取得し、かかる配車依頼に含まれる配車情報に基づいて適切な配車候補地点を選定し、ユーザU02のユーザ端末10に対し、選定した配車候補地点をそれに関する各種情報も含めて通知する。
【0115】
この状況においては、配車装置100は、まずユーザU02の現在位置から所定距離(CU02)内にある地点A1と地点A11と地点A2を配車候補地点として抽出する。そして、配車装置100は、さらに地点A2付近および地点A2までの経路が混雑しているので、ユーザU02の現在位置と最も近い配車候補地点の地点A2を除外する。つまり、この状況例では、通常の配車方法では配車地点となる地点A2を、地点A2に関する状況に基づき配車地点として適切な所ではないと判断して、配車候補地点から除外している。
【0116】
その後、ユーザU02のユーザ端末10には、地点A1と地点A11を配車候補地点とする表示画面が表示され、以降は上述の状況例と同様の流れで、各配車操作・処理が行われることになる。
【0117】
次に、図11におけるユーザU03の状況例について説明する。ユーザU02が、ユーザ端末10を操作して配車依頼を行うと、ユーザU03の現在位置等の配車情報が配車装置100に送信される。配車装置100は、配車依頼を取得し、かかる配車依頼に含まれる配車情報に基づいて適切な配車候補地点を選定し、ユーザU03のユーザ端末10に対し、選定した配車候補地点をそれに関する各種情報も含めて通知する。
【0118】
この状況においては、配車装置100は、まずユーザU03の現在位置から所定距離(CU03)内にある地点A11と地点A3を配車候補地点として抽出する。そして、配車装置100は、地点A11と地点A3付近およびそれら地点までの経路に混雑は発生していないので、地点A11と地点A3を配車候補地点とする(除外しない)。
【0119】
その後、ユーザU03のユーザ端末10には、地点A11と地点A3を配車候補地点とする表示画面が表示されるが、地点A11付近には店舗Aが存在するので、表示画面には地点A11に関する情報として店舗A関連情報(店舗Aの存在、混雑状況、発行クーポン等の情報)が表示される。そして、ユーザU03は、地点A11に関する情報として店舗A関連情報も考慮して配車地点を選択することになる。以降、上述の状況例と同様の流れで、各配車操作・処理が行われることになる。
【0120】
このため、この状況においては、通常の配車方法では配車地点となる地点A3(最も近い地点)ではなく、ユーザU03は店舗Aの利用のため地点A11を配車地点として選択する可能性が生じる。つまり、ユーザU03は配車地点に関するいろいろな状況に応じて適切な配車地点を選択することが可能となる。
【0121】
次に、実施形態に係る配車装置100(制御部103)が実行する処理手順について、図17を用いて説明する。図17は、実施形態に係る配車装置100が実行する処理手順を示すフローチャートであり、この処理は配車装置100が動作中は繰り返し実行される。
【0122】
図17に示すように、まず制御部103は、ステップS101でイベント施設1000の情報等の各種情報を収集し、収集情報DB102aの各DBに記憶し、ステップS102に移る。ステップS102で、制御部103は、新たな配車依頼を受けたかを判断し、配車依頼を受ければ(ステップS102,Yes)、ステップS103に移り、配車依頼を受けていなければ(ステップS102,No)、ステップS105に移る。
【0123】
そして、ステップS103で、制御部103は、ユーザUからの配車依頼に関する情報を取得し、受付情報データテーブル102bに記憶し、ステップS104に移る。
【0124】
ステップS104で、制御部103は、配車依頼の内容(受付情報データテーブル102bの記憶内容:ユーザUの現在位置等)に基づいて、また収集情報DB102aに記憶された各種データを考慮して、適切な配車候補地点を選定し、選定した配車候補地点に関する情報を配車依頼元のユーザUのユーザ端末10へ送信して、ステップS105に移る。
【0125】
ステップS105で、制御部103は、配車依頼元であるユーザUのユーザ端末10から配車候補地点に基づく配車地点選択結果の情報を受信したか判断し、受信していれば(ステップS105,Yes)、ステップS106に移り、受信していなければ(ステップS105,No)、処理を終える。なお、配車地点選択結果の受信状態でない場合、制御部103は、ステップS105で処理を終える(配車地点選択結果の情報を受信していないと同様)。
【0126】
ステップS106で、制御部103は、配車依頼元であるユーザUの配車地点選択結果の情報に基づき配車処理を行い、ステップS107に移る。ステップS107で、制御部103は、ステップS106での配車処理結果に基づく各種配車情報を、配車依頼元であるユーザUのユーザ端末10および配車が決定したタクシーTの車載装置30へ送信し、処理を終了する。
【0127】
上述してきたように、実施形態に係る配車装置100は、タクシーTの配車処理を実行する配車装置であって、制御部103(「コントローラ」の一例に相当)を備える。制御部103は、ユーザUの配車依頼に含まれるユーザUの配車希望位置情報に基づいて配車地点の候補である配車候補地点を選定し、ユーザUにより選択された上記配車候補地点を配車地点に決定して配車処理を実行する。
【0128】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、状況に応じた適切な配車場所を設定することができる。
【0129】
また、制御部103は、上記配車希望位置情報が示すエリアの人流状況に応じて上記配車候補地点を選定する。
【0130】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、配車候補地点が設定され得るエリアの人流状況に応じた適切な配車候補地点を選定することができる。
【0131】
また、制御部103は、各地点における店舗情報に応じて上記配車候補地点を選定する。
【0132】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、配車候補地点が設定され得る地点周辺の各店舗の有無や混雑度などに応じて適切な配車候補地点を選定し、ユーザUはこれに応じて適切な配車地点を選択することが可能となる。
【0133】
また、制御部103は、上記店舗情報における特典情報に応じて上記配車候補地点を選定する。
【0134】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、配車候補地点が設定され得る地点周辺の各店舗が発行するクーポンなどを考慮した適切な配車候補地点を選定し、ユーザUはこれに応じて適切な配車地点を選択することが可能となる。
【0135】
また、制御部103は、上記配車希望位置情報から店舗の位置までの距離により上記特典情報を変更する。
【0136】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、配車候補地点までのユーザUの移動距離に応じた配車候補地点近傍の店舗における適切な特典をユーザUに与えることが可能となり、ユーザUはこれに応じて適切な配車地点を選択することが可能となる。
【0137】
また、制御部103は、タクシーTの各地点への経路における渋滞状況に応じて上記配車候補地点を選定する。
【0138】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、渋滞状況に応じた、つまりタクシーTの移動に適した配車候補地点を選定することができる。
【0139】
また、上記配車希望位置情報は、ユーザUの現在位置情報である。
【0140】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、最も需要が多いと推定されるユーザUの現在位置に応じた適切な配車候補地点を選定されるので、ユーザUは配車希望位置の指定操作を省くことができ、簡単な操作で適切な配車地点を選択することが可能となる。
【0141】
また、制御部103は、上記決定した配車地点が、他に決定された配車地点と重複した場合、配車地点を分散させる。
【0142】
したがって、実施形態に係る配車装置100によれば、タクシーTの配車予約が同じ配車地点に集中することによる、タクシーTの停車時や、ユーザのタクシー乗車時の混乱を防ぐことができる。
【0143】
また、実施形態に係るユーザ端末10は、ユーザUが利用する端末装置であって、端末制御部10e(「端末コントローラ」の一例に相当)を備える。端末制御部10eは、ユーザUの配車依頼操作に基づき配車希望位置情報を含む配車依頼を配車装置100に送信し、配車依頼に対して配車装置100から送信される配車候補地点情報を受信して表示し、表示された上記配車候補地点情報からユーザUが選択して配車候補地点に関する選択配車候補地点情報を配車装置100に送信し、上記選択配車候補地点情報の送信に対して配車装置100から送信される配車情報を受信して表示する。
【0144】
したがって、実施形態に係るユーザ端末10によれば、ユーザUは、状況に応じた適切な配車場所を設定し、また当該配車場所の情報確認を容易に行うことができる。
【0145】
また、実施形態に係る配車システム1は、配車装置100と、ユーザUが利用するユーザ端末10(「ユーザ端末装置」の一例に相当)と、タクシーTに搭載される車載装置30と、を備える。配車装置100は、ユーザ端末10からの配車依頼に含まれる配車希望位置情報に基づいて配車地点の候補である配車候補地点を選定して、当該配車候補地点の情報である配車候補地点情報をユーザ端末10に送信し、上記配車候補地点からユーザUにより選択された選択配車候補地点情報をユーザ端末10から受信し、上記選択配車候補地点情報に基づく選択配車候補地点への配車要請情報を車載装置30に送信し、車載装置30から上記配車要請情報に対する受託可否を示す受託可否情報を受信し、上記受託可否情報が受託可の場合、配車に関する配車情報を生成してユーザ端末10と車載装置30に送信する。ユーザ端末10は、ユーザUの配車依頼操作に基づき上記配車希望位置情報を含む配車依頼を配車装置100に送信し、配車依頼に対して配車装置100から送信される上記配車候補地点情報を受信して表示し、表示された上記配車候補地点情報からユーザUが選択した上記配車候補地点に関する上記選択配車候補地点情報を配車装置100に送信し、配車装置100から送信される上記配車情報を受信して表示する。車載装置30は、配車装置100から送信される上記配車要請情報を受信して表示し、操作入力に基づき上記配車要請情報に対する上記受託可否情報を生成して、配車装置100に送信し、配車装置100から送信される上記配車情報を受信して表示する。
【0146】
したがって、実施形態に係る配車システム1によれば、タクシー利用者に、状況に応じた適切な配車場所を設定するサービスを提供することができる。
【0147】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0148】
1 配車システム
10 ユーザ端末
10a 端末通信部
10b 端末記憶部
10c 端末表示部
10d 端末操作部
10e 端末制御部
30 車載装置
100 配車装置
101 通信部
102 記憶部
102a 収集情報DB
102a1 施設情報DB
102a2 渋滞情報DB
102a3 車両情報DB
102a4 周辺情報DB
102b 受付情報データテーブル
103 制御部
103a 収集部
103b 取得部
103c 選定部
103d 通知部
103e 配車処理部
200 人流制御システム
201 人流制御装置
202 店舗装置
203 イベント管理装置
300 交通情報提供システム
1000 イベント施設
T タクシー
U ユーザ
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図4
図5
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