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特開2023-169772装いのためのアイテムを提示するシステム及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169772
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】装いのためのアイテムを提示するシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231122BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081091
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000126676
【氏名又は名称】株式会社アデランス
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千藤 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小菅 俊彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】ユーザが行き先のシチュエーションに適した外観の装いを容易に知ることを可能とする。
【解決手段】記憶手段121は、ユーザが所有する装いアイテムに関する外観の属性を示すアイテム外観属性データと、場所の属性と装いアイテムの外観の属性との間の適合性を特定するための機械学習モデルを記憶している。ユーザの行き先の属性を示す場所属性データを取得手段122が取得すると、特定手段124は、ユーザが所有する装いアイテムから同時に使用可能な装いアイテムの組み合わせを特定し、当該組み合わせに含まれる装いアイテムの外観の属性と、取得手段122が取得した場所属性データが示す場所の属性とを機械学習モデルに入力し、それらの属性の適合度を出力させる。提示手段125は、機械学習モデルが出力した適合度に基づき、ユーザに対し行き先のシチュエーションに適した外観の装いアイテムの組み合わせを提示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装いのためのアイテムを装いアイテムとするとき、ユーザが行く予定の場所の属性を示す場所属性データと、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データと、場所の属性と装いアイテムの外観の属性との間の適合度を特定するための基準を示す適合度基準データとを取得する取得手段と、
前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の中から選択された同時に使用可能な複数の装いアイテムの組み合わせを装いアイテム群とするとき、前記場所属性データと前記アイテム外観属性データと前記適合度基準データとを用いて、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性と前記ユーザが行く場所の属性との間の適合度を特定する特定手段と、
前記特定手段が特定した場所外観適合度に基づき、前記ユーザに1以上の装いアイテム群を提示する提示手段と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記適合度基準データは、同時に使用可能な複数の装いアイテムの間の外観の属性の適合度を特定するための基準を示し、
前記特定手段は、装いアイテム群に含まれる複数の装いアイテムの間の外観の属性の適合度を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記場所属性データが示す属性は、前記ユーザが行く予定の場所の気象に関する属性を含み、
前記取得手段は、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の保温保湿性能を示すアイテム性能データを取得し、
前記適合度基準データは、気象と装いアイテムの保温保湿性能との間の適合度を特定するための基準を示し、
前記特定手段は、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の保温保湿性能と前記ユーザが行く場所の気象との間の適合度を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記取得手段は、前記ユーザのスケジュールを管理するシステムから前記場所属性データの少なくとも一部を取得する
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ユーザが所有する複数の装いアイテムの各々に関し、当該装いアイテムに関するアイテム外観属性データを記憶する記憶手段を備え、
前記取得手段は、前記記憶手段から、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データの少なくとも一部を取得する
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記取得手段は、装いアイテムをオンラインで販売するシステムから、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データの少なくとも一部を取得する
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記取得手段が取得する場所属性データは、前記ユーザが行く予定の複数の場所の各々の属性を示し、
前記特定手段は、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性と前記ユーザが行く予定の複数の場所の属性との間の適合度を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記取得手段は、カメラが撮影した画像を表す画像データと、当該画像データが表す画像が撮影された場所の属性を示す場所属性データとを、前記適合度基準データの生成用のデータとして取得し、
前記取得手段が取得した適合度基準データの生成用のデータを用いて、前記適合度基準データを生成する生成手段を備え、
前記取得手段は、前記生成手段が生成した前記適合度基準データを取得する
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記取得手段は、場所の属性と装いアイテムの属性とを説明変数とし、当該場所の属性と当該装いアイテムの属性とを適合度を目的変数とする教師データを用いて構築された機械学習モデルを示す前記適合度基準データを取得し、
前記特定手段は、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性と前記ユーザが行く場所の属性とを説明変数として前記機械学習モデルに入力し、前記機械学習モデルが目的変数として出力する適合度を特定する
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記取得手段は、前記ユーザが好む適合度を示す適合度データを取得し、
前記提示手段は、前記適合度データが示す適合度に応じた1以上の装いアイテム群を提示する
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記提示手段は複数の装いアイテム群を提示し、
前記提示手段が提示した複数の装いアイテム群、又は、当該複数の装いアイテム群の中から前記ユーザが選択した複数の装いアイテム群のいずれが望ましいかを質問する質問データを外部の装置に送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した質問データに対する応答として前記外部の装置から送信されてくる、当該質問データが示す質問に対する回答を示す回答データを受信する受信手段と
を備え、
前記提示手段は、前記受信手段が受信した回答データが示す回答を前記ユーザに提示する
請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記アイテム外観属性データは、前記ユーザが使用可能なウィッグの複数の候補の各々の外観の属性を示すデータを含み、
前記適合度基準データは、場所の属性とウィッグの外観の属性との間の適合度を特定するための基準を示すデータを含み、
前記提示手段は、前記ユーザにウィッグを含む装いアイテム群を提示する
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
コンピュータに、
装いのためのアイテムを装いアイテムとするとき、ユーザが行く予定の場所の属性を示す場所属性データと、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データと、場所の属性と装いアイテムの外観の属性との間の適合度を特定するための基準を示す適合度基準データとを取得する処理と、
前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の中から選択された同時に使用可能な複数の装いアイテムの組み合わせを装いアイテム群とするとき、前記場所属性データと前記アイテム外観属性データと前記適合度基準データとを用いて、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性と前記ユーザが行く場所の属性との間の適合度を特定する処理と、
特定した適合度に基づき、前記ユーザに1以上の装いアイテム群を提示する処理と
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対し、装いのためのアイテムを提示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザは外出の際、どのような服装を身に付けるべきか迷う場合がある。そこで、ユーザに対し望ましい服装を提示する仕組みが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザが所有する服装の中から、ユーザが行く予定の地域に関し予報されている気象の下でユーザが快適に過ごせる服装の組み合わせをユーザに提案する情報処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-71027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザは外出時の服装を選ぶ際、服装の外観が外出先のシチュエーションに適しているか否か、という点を気にすることが多い。例えば、フォーマルな場所にカジュアル過ぎる服装で行くのは望ましくないが、あまりにフォーマル過ぎる服装で行くのも望ましくない。従って、ユーザはどの服装で外出先に出向くのがよいか迷う場合がある。
【0006】
なお、ユーザの外観に影響を与えるアイテム、すなわち装いのためのアイテムは、服装に限られない。例えば、鞄のようにユーザが携帯するアイテムや、ウィッグのようにユーザに装着される服装以外のアイテムもユーザの外観に影響を与える。従って、本願においては、ユーザが使用するユーザの外観に影響を与えるアイテムを「装いアイテム」と総称する。
【0007】
上記の事情に鑑み、本発明は、ユーザが行く予定の場所のシチュエーションに適した外観の装いを容易に知ることを可能とする手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明は、装いのためのアイテムを装いアイテムとするとき、ユーザが行く予定の場所の属性を示す場所属性データと、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データと、場所の属性と装いアイテムの外観の属性との間の適合度を特定するための基準を示す適合度基準データとを取得する取得手段と、前記ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の中から選択された同時に使用可能な複数の装いアイテムの組み合わせを装いアイテム群とするとき、前記場所属性データと前記アイテム外観属性データと前記適合度基準データとを用いて、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性と前記ユーザが行く場所の属性との間の適合度を特定する特定手段と、前記特定手段が特定した適合度に基づき、前記ユーザに1以上の装いアイテム群を提示する提示手段とを備えるシステムを提案する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るシステムによれば、ユーザは、行く予定の場所のシチュエーションに適した外観の装いを容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る装い提案システムの全体構成を模式的に示した図。
図2】一実施形態に係る装い提案サーバ装置の機能構成を模式的に示した図。
図3】一実施形態に係る装い提案サーバ装置が記憶するユーザテーブルのデータ構成を模式的に示した図。
図4】一実施形態に係る装い提案サーバ装置が記憶する所有アイテムデータベースのデータ構成を模式的に示した図。
図5】一実施形態に係る装い提案サーバ装置が記憶するカメラテーブルのデータ構成を模式的に示した図。
図6】一実施形態に係る端末装置が表示する装いアイテム登録画面を模式的に示した図。
図7】一実施形態に係る端末装置が表示する行き先情報入力画面を模式的に示した図。
図8】一実施形態に係る端末装置が表示する提案装いアイテム群表示画面を模式的に示した図。
図9】一実施形態に係る端末装置が表示する質問条件入力画面を模式的に示した図。
図10】一実施形態に係る端末装置が表示する質問画面を模式的に示した図。
図11】一実施形態に係る端末装置が表示する回答結果表示画面を模式的に示した図。
図12】一変形例に係る装い提案システムの全体構成を模式的に示した図。
図13】一変形例に係る装い提案サーバ装置が記憶する所有アイテムデータベースのデータ構成を模式的に示した図。
図14】一変形例に係る装い提案サーバ装置が記憶する保温保湿性能テーブルのデータ構成を模式的に示した図。
図15】一変形例に係る端末装置が表示する装いアイテム登録画面を模式的に示した図。
図16】一変形例に係る端末装置が表示する行き先情報入力画面を模式的に示した図。
図17】一変形例に係る端末装置が表示する提案装いアイテム群表示画面を模式的に示した図。
図18】一変形例に係る装い提案システムの全体構成を模式的に示した図。
図19】一変形例に係る装い提案サーバ装置が記憶するユーザテーブルのデータ構成を模式的に示した図。
図20】一変形例に係る装い提案サーバ装置が記憶する販売アイテムデータベースのデータ構成を模式的に示した図。
図21】一変形例に係る端末装置が表示する提案装いアイテム群表示画面を模式的に示した図。
図22】一変形例に係る端末装置が表示する行き先情報入力画面を模式的に示した図。
図23】一変形例に係る端末装置が表示する回答結果表示画面を模式的に示した図。
図24】一変形例に係る端末装置が表示する質問画面を模式的に示した図。
図25】一変形例に係る端末装置が表示する回答結果表示画面を模式的に示した図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下に本発明の一実施形態に係る装い提案システム1を説明する。装い提案システム1は、ユーザに対し、ユーザが行く予定の場所のシチュエーションに適合すると思われる装いアイテムの組み合わせを提示するシステムである。
【0012】
図1は、装い提案システム1の全体構成を模式的に示した図である。装い提案システム1は、端末装置11(1)、11(2)、・・・、11(n)(ただし、nは任意の自然数)と、装い提案サーバ装置12と、カメラ13(1)、13(2)、・・・、13(m)(ただし、mは任意の自然数)備える。以下、端末装置11(1)、11(2)、・・・、11(n)を端末装置11と総称し、カメラ13(1)、13(2)、・・・、13(m)をカメラ13と総称する。
【0013】
カメラ13は屋内、屋外の様々な場所に設置されている定点カメラであり、所定の時間間隔で継続的に撮影を行い、撮影した画像を表す画像データを装い提案サーバ装置12に送信する。
【0014】
端末装置11は、装い提案システム1を利用するユーザにより利用される端末装置である。端末装置11の数(n)は、装い提案システム1を利用するユーザの数により変動する。端末装置11の各々は、インターネット等のネットワークを介して装い提案サーバ装置12との間でデータ通信を行う。
【0015】
端末装置11のハードウェアは、通信機能と撮影機能を備えるコンピュータであり、各種データを記憶するメモリ、メモリに記憶されているプログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、装い提案サーバ装置12とデータ通信を行うためのインタフェースである通信インタフェース、ユーザに対し画像を表示するディスプレイ、ユーザからのデータ入力を受け付ける入力デバイス、周囲を撮影するカメラ等を備える。
【0016】
なお、端末装置11のハードウェアであるコンピュータの種別は、デスクトップ型、ノートブック型、タブレット型(移動通信網を介した通話機能を備えるスマートフォンを含む)等のいずれであってもよい。また、端末装置11のハードウェアであるコンピュータが備えるディスプレイ、入力デバイス、及び、カメラは内蔵であっても外付けであってもよい。
【0017】
以下の説明において、便宜的に、端末装置11はディスプレイと入力デバイスの一種であるタッチパネルが一体となったタッチスクリーンを内蔵するタブレット型コンピュータであるものとする。
【0018】
端末装置11は、Webブラウザとして機能し、Webサーバとして機能する装い提案サーバ装置12から受信するWebページデータが示すWebページを表示し、当該Webページに対しユーザが入力したデータを装い提案サーバ装置12に送信することで、装い提案サーバ装置12に対するユーザインタフェースの役割を果たす。
【0019】
装い提案サーバ装置12のハードウェアは、通信機能を備えるコンピュータであり、各種データを記憶するメモリ、メモリに記憶されているプログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサ、端末装置11及びカメラ13とデータ通信を行うためのインタフェースである通信インタフェース等を備える。
【0020】
装い提案サーバ装置12は、既述のようにWebサーバとして機能し、Webページデータを端末装置11に送信し、その応答として端末装置11から送信されてくるデータを受信することで、端末装置11のユーザに対し装いアイテムの提案を行う。また、装い提案サーバ装置12は、インターネット等のネットワークを介して、カメラ13の各々から当該カメラ13が撮影した画像を表す画像データを受信する。
【0021】
図2は、装い提案サーバ装置12の機能構成を模式的に示した図である。装い提案サーバ装置12のハードウェアであるコンピュータは、本実施形態に係るプログラムに従うデータ処理を行うことによって、図2に示す構成部を備えるデータ処理装置として機能する。以下に装い提案サーバ装置12が備える機能構成を説明する。
【0022】
記憶手段121は各種データを記憶する。記憶手段121が記憶するデータには、ユーザに関するデータを格納するテーブルであるユーザテーブルと、各ユーザが所有し装い提案サーバ装置12に登録済みの装いアイテムに関するデータを格納するデータベースである所有アイテムデータベースと、カメラ13に関するデータを格納するテーブルであるカメラテーブルが含まれる。
【0023】
図3は、ユーザテーブルのデータ構成を模式的に示した図である。ユーザテーブルは、ユーザの各々に関するレコードの集まりである。ユーザテーブルの各レコードには、ユーザを識別するユーザID(Identifier)、ユーザの本人確認を行うためのパスワード、ユーザの年齢を示す年齢データが格納されている。ユーザが装い提案システム1の利用開始時に、自分の端末装置11を用いて装い提案サーバ装置12にアクセスしユーザ登録操作を行うと、ユーザテーブルにそのユーザのデータが格納される。
【0024】
図4は、所有アイテムデータベースのデータ構成を模式的に示した図である。所有アイテムデータベースは、複数のユーザの各々に対応した所有アイテムテーブルの集まりである。所有アイテムテーブルは、対応するユーザが所有し登録した装いアイテムの各々に関するレコードの集まりである。所有アイテムテーブルの各レコードには、装いアイテムを識別するアイテム名を示すアイテム名データ、装いアイテムを撮影した画像を表すアイテム画像データ、装いアイテムの種別(例えば、ウィッグ、Tシャツ、靴、髪飾り等)を示すアイテム種別データ、装いアイテムの外観の属性を示す1以上のアイテム外観属性データが格納されている。
【0025】
所有アイテムテーブルのレコードに2以上のアイテム外観属性データが格納されている場合、例えば、第1のアイテム外観属性データは装いアイテムの色(又は色の組み合わせ)を示し、第2のアイテム外観属性データは装いアイテムの形状を示す、というように、それらのアイテム外観属性データが示す属性は異なる種別の属性である。また、アイテム外観属性データが示す属性の種別は、装いアイテムの種別によって異なってよい。
【0026】
図5は、カメラテーブルのデータ構成を模式的に示した図である。カメラテーブルは、カメラ13の各々に関するレコードの集まりである。カメラテーブルの各レコードには、カメラ13を識別するカメラID(Identifier)、カメラ13が設置されている地域を示す地域データ、カメラ13が設置されている空間が屋内と屋外のいずれであるかを示す屋内外データ、カメラ13が設置されている空間の種別(パーティー会場、会議室等)を示す種別データが格納されている。
【0027】
取得手段122(図2参照)は、端末装置11から各種データを受信することにより取得する。取得手段122が端末装置11から受信するデータには以下が含まれる。
(1)ユーザが行く予定の場所の属性を示す場所属性データ
(2)ユーザが所有している装いアイテムを撮影した画像を表す画像データ
【0028】
上記(1)のデータは、ユーザにより端末装置11に入力されたデータである。上記(2)のデータは、ユーザの端末装置11に対する撮影操作に応じて端末装置11が生成したデータである。
【0029】
また、取得手段122は、カメラ13の各々から以下のデータを受信することにより取得する。
(3)カメラ13が撮影した画像を表す画像データ
【0030】
なお、上記(3)の画像データには、当該カメラ13を識別するカメラIDが伴っている。
【0031】
取得手段122が端末装置11又はカメラ13から取得したデータは記憶手段121に記憶される。
【0032】
また、取得手段122は、記憶手段121から各種データを読み出すことにより取得する。取得手段122が記憶手段121から読み出すデータには以下が含まれる。
(4)場所の属性と装いアイテムの外観の属性との間の適合度である場所外観適合度を特定するための基準と、同時に使用可能な複数の装いアイテムの間の外観の属性の適合度であるアイテム間適合度を特定するための基準とを示す適合度基準データ
(5)ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データ
(6)画像データが表す画像が撮影された場所の属性を示す場所属性データ
【0033】
上記(4)のデータは、後述する生成手段123により生成され、記憶手段121に記憶されている機械学習モデルを示すデータである。上記(5)のデータは、後述する生成手段123により生成され、所有アイテムデータベース(図4参照)に格納されているデータである。上記(6)のデータは、上記(4)の画像データの各々に関し後述する生成手段123により生成され、記憶手段121に一時的に記憶されたデータである。
【0034】
上記(3)の画像データと、当該画像データに応じた上記(6)の場所属性データは、生成手段123により上記(4)の適合度基準データ、すなわち、機械学習モデルを示すデータの生成において、教師データとして用いられる。
【0035】
生成手段123は、画像認識手段1231と、機械学習手段1232を有する。
【0036】
画像認識手段1231は、既知の画像認識手法に従い画像の特徴を抽出し、抽出した特徴に基づき画像に写っている物や人の種別等を認識する。
【0037】
画像認識手段1231は、取得手段122が端末装置11から受信した上記(2)の画像データから、当該画像データが表す画像に含まれる装いアイテムの色、形状等の特徴を、当該装いアイテムの外観の属性として抽出する。このように画像認識手段1231により抽出された装いアイテムの外観の属性を示すデータは、所有アイテムデータベース(図4参照)に格納される。その際、所有アイテムデータベースには、上記(2)の画像データと共に端末装置11から取得手段122が受信した装いアイテムの名称を示すアイテム名データ及び装いアイテムの種別を示すアイテム種別データと、上記(2)の画像データも格納される。
【0038】
また、画像認識手段1231は、取得手段122がカメラ13から受信した上記(3)の画像データから、当該画像データが表す画像に含まれる1以上の人を認識する。続いて、画像認識手段1231は、認識した1以上の人の各々に関し、当該人の年齢層(10歳代以下、20~30歳代、等)を認識する。続いて、画像認識手段1231は、認識した1以上の人の各々に関し、当該人が着用又は携帯している1以上の装いアイテムを認識する。続いて、画像認識手段1231は、認識した1以上の装いアイテムの各々に関し、当該装いアイテムの色、形状等の特徴を、当該装いアイテムの外観の属性として抽出する。このように画像認識手段1231により抽出された装いアイテムの外観の属性を示すデータは、先に認識した年齢層を示すデータと共に、一時的に記憶手段121に記憶され、機械学習手段1232に使用される。
【0039】
機械学習手段1232は、以下の2つの機械学習モデルの構築及び更新を行う。
(第1機械学習モデル)場所の属性と装いアイテムの外観の属性との間の適合度である場所外観適合度を特定するための機械学習モデル
(第2機械学習モデル)同時に使用可能な複数の装いアイテムの間の外観の属性の適合度であるアイテム間適合度を特定するための機械学習モデル
【0040】
第1機械学習モデルの説明変数と目的変数は以下のとおりである。
(説明変数)場所の属性、装いアイテムの外観の属性、年齢層
(目的変数)適合性あり
【0041】
機械学習手段1232は、取得手段122がカメラ13から受信した画像データから画像認識手段1231が認識した装いアイテムの各々(以下、「対象の装いアイテム」という)に関し、上記の説明変数及び目的変数を示すデータを教師データとして用いて、第1機械学習モデルの構築及び更新を行う。
【0042】
上記の説明変数に含まれる場所の属性には、以下が含まれる。
(a)カメラ13が対象の装いアイテムの写っている画像を撮影した時間帯
(b)対象の装いアイテムの写っている画像を撮影したカメラ13が設置されている地域
(c)対象の装いアイテムの写っている画像を撮影したカメラ13が設置されている空間が屋内及び屋外のいずれであるか
(d)対象の装いアイテムの写っている画像を撮影したカメラ13が設置されている空間の種別
(e)対象の装いアイテムの写っている画像から認識された人々の数
(f)対象の装いアイテムの写っている画像から認識された人々の年齢層
【0043】
上記(a)は、例えば、画像データに伴うタイムスタンプデータに基づき特定される。上記(b)は、カメラテーブル(図5)の地域欄から特定される。上記(c)は、カメラテーブル(図5)の屋内外欄から特定される。上記(d)は、カメラテーブル(図5)の種別欄から特定される。
【0044】
上記の説明変数に含まれる装いアイテムの外観の属性には、以下が含まれる。
(h)装いアイテムの色
(i)装いアイテムの形状
【0045】
上記(h)及び(i)は、画像認識手段1231が対象の装いアイテムに関し認識した情報である。
【0046】
上記の説明変数に含まれる年齢層は、対象の装いアイテムを着用又は携帯している人の年齢層であって、画像認識手段1231が認識した情報である。
【0047】
第2機械学習モデルの説明変数と目的変数は以下のとおりである。
(説明変数)複数の装いアイテムの各々に関する外観の属性
(目的変数)適合性あり
【0048】
機械学習手段1232は、取得手段122がカメラ13から受信した画像データから画像認識手段1231が認識した複数の人の各々(以下、「対象の人」という)に関し、上記の説明変数及び目的変数を示すデータを教師データとして用いて、第2機械学習モデルの構築及び更新を行う。
【0049】
上記の説明変数の「複数の装いアイテム」とは、対象の人に関し画像認識手段1231が認識した複数の装いアイテム(例えば、対象の人が着用又は携帯しているシャツ、スカート等の服、鞄、靴、帽子、ウィッグ(髪型)等)を意味する。
【0050】
上記の説明変数に含まれる、複数の装いアイテムの各々(以下、「対象の装いアイテム」という)の外観の属性には、以下が含まれる。
(j)装いアイテムの色
(k)装いアイテムの形状
【0051】
上記(j)及び(k)は、画像認識手段1231が対象の装いアイテムに関し認識した情報である。
【0052】
機械学習手段1232が構築又は更新した第1機械学習モデル及び第2機械学習モデルを示すデータは、適合度基準データとして記憶手段121に記憶され、特定手段124に使用される。
【0053】
特定手段124は、ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の中から選択された同時に使用可能な複数の装いアイテムの組み合わせを装いアイテム群とするとき、以下のデータを用いて、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性と当該ユーザが行く場所の属性との間の適合度を特定する。
(A)当該ユーザの端末装置11から取得手段122が取得した場所属性データ
(B)所有アイテムデータベース(図4参照)に含まれる当該ユーザに関する所有アイテムテーブルに格納されているアイテム外観属性データ
(C)記憶手段121に記憶されている適合度基準データ、すなわち、第1機械学習モデル及び第2機械学習モデルを示すデータ
【0054】
以下、ユーザAが、Tシャツ1、Tシャツ2、スカート1、スカート2、という4つの装いアイテムを所有している場合を例として、特定手段124が適合度を特定する方法を説明する。
【0055】
特定手段124は、取得手段122がユーザAの端末装置11から上記(A)の場所属性データを受信すると、まず、ユーザAに関する所有アイテムテーブルに含まれる4つのレコードの各々に応じた上記の4つの装いアイテムの中から、同時に使用可能な装いアイテム、すなわち、種別の異なる装いアイテムの組み合わせを、装いアイテム群として特定する。特定手段124は、可能な限り多くの装いアイテム群を特定する。
【0056】
この場合、Tシャツ1とTシャツ2は種別が同じ装いアイテムであるので、同時使用できない。一方、Tシャツ1とスカート1は種別が異なる装いアイテムであるので、同時使用ができる。従って、この場合、特定手段124は、以下の4つの装いアイテム群を特定する。
(装いアイテム群1)Tシャツ1、スカート1
(装いアイテム群2)Tシャツ1、スカート2
(装いアイテム群3)Tシャツ2、スカート1
(装いアイテム群4)Tシャツ2、スカート2
【0057】
続いて、特定手段124は、装いアイテム群1に関する場所外観適合度とアイテム間適合度を特定する。
【0058】
装いアイテム群1に関する場所外観適合度を特定するために、特定手段124はまず、装いアイテム群1に含まれるTシャツ1に関し、第1機械学習モデルに対し以下の説明変数を入力する。
(説明変数)場所の属性、装いアイテムの外観の属性、年齢層
【0059】
上記の説明変数に含まれる場所の属性は、上記(A)の場所属性データが示す属性である。上記の説明変数に含まれる装いアイテムの外観の属性は、Tシャツ1に関し所有アイテムデータベース(図4参照)に格納されているアイテム外観属性データが示す属性である。上記の説明変数に含まれる年齢層は、ユーザAに関しユーザテーブル(図3参照)に格納されている年齢データが示す年齢が属する年齢層である。
【0060】
特定手段124は、上記の説明変数の入力に応じて第1機械学習モデルが目的変数として出力する数値を、Tシャツ1に関する場所外観適合度として特定する。
【0061】
続いて、特定手段124は、装いアイテム群1に含まれるスカート1に関し、Tシャツ1に関する場合と同様の方法で、場所外観適合度を特定する。
【0062】
続いて、特定手段124は、Tシャツ1に関し特定した場所外観適合度と、スカート1に関し特定した場所外観適合度の平均値を、装いアイテム群1に関する場所外観適合度として特定する。
【0063】
続いて、特定手段124は、装いアイテム群1に関するアイテム間適合度を特定するために、第2機械学習モデルに対し以下の説明変数を入力する。
(説明変数)Tシャツ1に関する外観の属性、スカート1に関する外観の属性
【0064】
上記の説明変数に含まれるTシャツ1に関する外観の属性は、Tシャツ1に関し所有アイテムデータベース(図4参照)に格納されているアイテム外観属性データが示す属性である。また、上記の説明変数に含まれるスカート1に関する外観の属性は、スカート1に関し所有アイテムデータベースに格納されているアイテム外観属性データが示す属性である。
【0065】
特定手段124は、上記の説明変数の入力に応じて第2機械学習モデルが目的変数として出力する数値を、装いアイテム群1に関するアイテム間適合度として特定する。
【0066】
上記のようにして、特定手段124は、装いアイテム群1に関する場所外観適合度とアイテム間適合度を特定する。
【0067】
特定手段124は、装いアイテム群1に関する場合と同様の方法で、装いアイテム群2~4の各々に関する場所外観適合度とアイテム間適合度を特定する。
【0068】
特定手段124が上記のように複数の装いアイテム群の各々に関し特定した場所外観適合度とアイテム間適合度を示すデータは記憶手段121に記憶され、提示手段125に使用される。
【0069】
提示手段125は、特定手段124が特定した適合度(場所外観適合度とアイテム間適合度)に基づき、ユーザに1以上の装いアイテム群を提示する。
【0070】
提示手段125は、例えば、複数の装いアイテム群の中から、アイテム間適合度が所定の閾値以上である装いアイテム群を抽出する。続いて、提示手段125は、抽出した装いアイテム群のうち、場所外観適合度が高い順に所定数を提案する装いアイテム群として選択する。
【0071】
なお、提示手段125が提案する装いアイテム群を選択する方法はこれに限られない。例えば、アイテム間適合度と場所外観適合度を変数とする所定の算出式に従い算出される総合適合度が高い順に所定数を提案する装いアイテム群として選択する方法等、様々な方法が採用され得る。
【0072】
提示手段125は、上記のように選択した装いアイテム群の表示を指示するWebページデータを生成し、上記(A)の場所属性データの送信元の端末装置11(ユーザAの端末装置11)に送信する。
【0073】
ところで、装い提案システム1には、ユーザが装い提案サーバ装置12から提案される複数の装いアイテム群のうちどれを採用するか迷った場合、他のユーザにその装いアイテム群を推薦するかを質問する機能が備わっている。
【0074】
送信手段126は、上記の機能を実現するために、提示手段125がユーザに提示した複数の装いアイテム群、又は、当該複数の装いアイテム群の中からユーザが選択した複数の装いアイテム群のいずれが望ましいかを質問する質問データを外部の装置に送信する。ここで、外部の装置とは、質問したユーザとは異なる1以上のユーザの端末装置11である。
【0075】
受信手段127は、送信手段126が送信した質問データに対する応答として外部の装置から送信されてくる、当該質問データが示す質問に対する回答を示す回答データを受信する。
【0076】
受信手段127が受信した回答データが示す回答は、提示手段125により、質問したユーザに提示される。すなわち、提示手段125は、回答の表示を指示するWebページデータを生成し、質問したユーザの端末装置11に送信する。
【0077】
以上が、装い提案サーバ装置12の機能構成の説明である。
【0078】
続いて、端末装置11に表示される画面の例を用いて、装い提案システム1の動作を説明する。
【0079】
初めて装い提案システム1を利用するユーザは、自分の端末装置11を用いて装い提案サーバ装置12にアクセスし、パスワード、年齢を登録する。これらのデータは、例えば装い提案サーバ装置12から割り当てられたユーザIDと共に、ユーザテーブル(図3参照)に格納される。その後、ユーザは自分のユーザIDとパスワードを用いて装い提案サーバ装置12にログインすることで、装い提案システム1のサービスを利用できるようになる。装い提案サーバ装置12は、端末装置11がログイン時に送信してくるユーザIDにより、端末装置11を使用しているユーザを識別することができる。以下、ユーザAが装い提案システム1を利用する場合を例として説明を続ける。
【0080】
ユーザAは、自分が所有している装いアイテムを装い提案サーバ装置12に登録する必要がある。図6は、ユーザAが装いアイテムを登録する際に端末装置11が表示する画面(以下、「装いアイテム登録画面」という)を模式的に示した図である。ユーザAは、装いアイテム登録画面を表示している状態で、登録したい装いアイテムを端末装置11のカメラの画角内に入れて、「撮影」ボタンをタッチする。また、ユーザAは、装いアイテム登録画面において登録したい装いアイテムの種別とアイテム名を入力する。その後、ユーザAは「登録」ボタンをタッチする。そのタッチ操作に応じて、端末装置11は装いアイテム登録画面において入力されたデータを装い提案サーバ装置12に送信する。
【0081】
装い提案サーバ装置12は、端末装置11から送信されてくるデータを所有アイテムデータベース(図4参照)に含まれるユーザAに応じた所有アイテムテーブルに登録する。また、装い提案サーバ装置12は、端末装置11から送信されてくるデータに含まれる画像データが表す装いアイテムの色及び形状を画像認識手段1231により認識し、認識した色及び形状を示すデータを、アイテム外観属性データとして所有アイテムテーブルに登録する。
【0082】
ユーザAは所有する複数の装いアイテムの各々に関し、上記の登録作業を行う。
【0083】
ユーザAは、外出する際に着用又は携帯する装いアイテムの組み合わせを装い提案システム1に提案してもらいたい場合、端末装置11を用いて装い提案サーバ装置12にログインした後、所定の操作を行って、外出先の情報を入力する画面(以下、「行き先情報入力画面」という)を端末装置11に表示させる。図7は、行き先情報入力画面を模式的に示した図である。
【0084】
ユーザAは、行き先情報入力画面において、行く予定の場所(以下、「行き先」という)が属する地域、行き先に行く予定の時間帯、行き先の種別(パーティー会場、会議室等)、行き先が屋内であるか屋外であるか、行き先に集う人々の大まかな人数、行き先に集う人々の年齢層を入力し、「送信」ボタンをタッチする。このタッチ操作に応じて、端末装置11は行き先情報入力画面において入力されたデータを、場所属性データとして装い提案サーバ装置12に送信する。
【0085】
装い提案サーバ装置12は、端末装置11から送信されてくる場所属性データを受信すると、特定手段124により提案すべき1以上の装いアイテム群を特定し、提示手段125によりそれらの装いアイテム群の表示を指示するWebページデータを生成し、端末装置11に送信する。
【0086】
端末装置11は、場所属性データの送信に対する応答として装い提案サーバ装置12から送信されてくるWebページデータに従い、提案される装いアイテム群を表示する画面(以下、「提案装いアイテム群表示画面」という)を表示する。図8は、提案装いアイテム群表示画面を模式的に示した図である。
【0087】
提案装いアイテム群表示画面には、提案される装いアイテム群の画像、その装いアイテム群に含まれる複数の装いアイテムのアイテム名、場所外観適合度、及び、アイテム間適合度が表示される。
【0088】
また、提案される装いアイテム群が複数ある場合、提案装いアイテム群表示画面にはそれらの装いアイテム群のいずれかを選択するための数字ボタン(「1」ボタン、「2」ボタン等)が表示される。ユーザAはそれらの数字ボタンのいずれかをタッチすることで、提案される複数の装いアイテム群の各々に関する情報を閲覧できる。
【0089】
ユーザAは、提案装いアイテム群表示画面に表示される装いアイテム群のいずれかを気に入った場合、その装いアイテム群を外出時に着用又は携帯すればよい。
【0090】
ユーザAは、提案装いアイテム群表示画面に表示される装いアイテム群のいずれがよいか迷った場合、選択の候補とする装いアイテム群の提案装いアイテム群表示画面において「選択」ボタンをタッチした後、「質問」ボタンをタッチする。このタッチ操作に応じて、端末装置11は他のユーザに対する質問の条件を入力するための画面(以下、「質問条件入力画面」という)を表示する。図9は質問条件入力画面を模式的に示した図である。
【0091】
質問条件入力画面には、ユーザAにより選択された複数の装いアイテム群の画像が表示される。ユーザAは、質問条件入力画面において、質問に答えて欲しい他のユーザの条件として、それらのユーザの年齢層を入力する。その後、ユーザAは「送信」ボタンをタッチする。このタッチ操作に応じて、端末装置11は質問条件入力画面に表示されているデータを質問要求データとして装い提案サーバ装置12に送信する。
【0092】
装い提案サーバ装置12は、端末装置11から質問要求データを受信すると、質問要求データが示す装いアイテム群の選択肢を表示し、それらの選択肢の中からいずれか1つの選択を促す画面の表示を指示するWebページデータを生成する。また、装い提案サーバ装置12は、質問要求データが示す年齢層の条件を満たすユーザのユーザIDをユーザテーブル(図3参照)から抽出する。そして、装い提案サーバ装置12は、抽出したユーザIDにより識別されるユーザの使用している端末装置11に対し、送信手段126により、生成したWebページデータを質問データとして送信する。
【0093】
装い提案サーバ装置12から送信されてくる質問データを受信した端末装置11(ユーザA以外のユーザが使用する端末装置11)は、質問の内容を表示する画面(以下、「質問画面」という)を表示する。図10は質問画面を模式的に示した図である。
【0094】
質問画面には、質問要求データが示す装いアイテム群の選択肢の画像と、ユーザAの属性(年齢層)と、ユーザAの行き先の属性(地域、時間帯等)が表示される。質問画面を見たユーザは、質問に答えたいと思った場合、推薦する装いアイテム群に応じたラジオボタンをタッチして選択した後、「回答」ボタンをタッチする。このタッチ操作に応じて、端末装置11はラジオボタンがタッチされた装いアイテム群を回答として示す回答データを装い提案サーバ装置12に送信する。
【0095】
装い提案サーバ装置12は、送信手段126が質問データを送信した複数の端末装置11のうちの複数の端末装置11の各々から送信されてくる回答データを受信手段127により受信すると、それらの回答データが示す回答を集計し、集計の結果の表示を指示するWebページデータを生成し、ユーザAの端末装置11に送信する。
【0096】
ユーザAの端末装置11は、質問要求データに対する応答として装い提案サーバ装置12から送信されてくるWebページデータに従い、回答結果を表示する画面(以下、「回答結果表示画面」という)を表示する。図11は回答結果表示画面を模式的に示した図である。
【0097】
回答結果表示画面には、ユーザAが選択した装いアイテム群の候補の各々に関し、その装いアイテム群を推薦した他のユーザの割合が回答の集計結果として表示される。ユーザAは、回答結果表示画面に表示される回答の集計結果を参考に、外出時に着用又は携帯する装いアイテム群を決定することができる。
【0098】
以上が装い提案システム1の説明である。上述した装い提案システム1によれば、ユーザは行く予定の場所のシチュエーションに適した外観の装いアイテムの組み合わせを容易に知ることができる。
【0099】
[変形例]
上述の実施形態は本発明の一具体例であって、本発明の技術的思想の範囲内において様々に変形可能である。以下にそれらの変形の例を示す。なお、以下に示す2以上の変形例が適宜組み合わされてもよい。
【0100】
(変形例1)
本発明に係る装い提案システムにおいて、場所外観適合度及びアイテム間適合度に加え、装いアイテム群の保温保湿性能とユーザの行く予定の場所の気象との間の適合度(以下、「気象性能適合度」という)に基づき、ユーザに対し提案される装いアイテム群の選択が行われてもよい。
【0101】
図12は、この変形例に係る装い提案システム2の全体構成を模式的に示した図である。装い提案システム2は、上述した実施形態に係る装い提案システム1が備える構成部に加え、気象サーバ装置21を備える。気象サーバ装置21は、外部の装置から地域及び日時を示すデータを含む要求データを受信し、その要求データが示す地域及び日時における予報される気象を示す気象データを要求元の装置に送信するサーバ装置である。
【0102】
装い提案システム2において、装い提案サーバ装置12は図13に示すデータ構成の所有アイテムデータベースを記憶している。装い提案システム2における所有アイテムデータベースに含まれる所有アイテムテーブルは、装い提案システム1における所有アイテムテーブル(図4参照)が格納するデータに加え、アイテムの保温保湿性能を示すアイテム性能データを格納する。
【0103】
また、装い提案システム2において、装い提案サーバ装置12は図14に示すデータ構成のテーブル(以下、「保温保湿性能テーブル」という)を記憶している。保温保湿性能テーブルは、複数の素材の各々に応じたレコードの集まりであり、各レコードには素材を識別する素材名を示すデータ、その素材の保温保湿性能を示すデータが格納されている。
【0104】
装い提案システム2においては、ユーザが自分の所有する装いアイテムを装い提案サーバ装置12に登録する際、装いアイテムの素材名を登録する。図15は、装い提案システム2における装いアイテム登録画面を模式的に示した図である。装い提案システム2において、ユーザは、装いアイテム登録画面に対し素材名(例えば、「綿100%」、「カシミヤ100%」等)を入力する。ユーザにより入力された素材名を示す素材名データは、装いアイテム登録画面に表示される他のデータと共に装い提案サーバ装置12に送信される。
【0105】
装い提案サーバ装置12は、端末装置11から素材名データを受信すると、保温保湿性能テーブル(図14参照)から、受信した素材名データに応じたレコードを検索し、検索したレコードが格納する保温保湿性能を示すデータを、ユーザにより登録される装いアイテムのアイテム性能データとして、所有アイテムデータベース(図13参照)に登録する。
【0106】
装い提案システム2においては、ユーザが行き先情報を端末装置11に入力する際、行き先に行く予定の日付を入力する。図16は、装い提案システム2における行き先情報入力画面を模式的に示した図である。装い提案システム2において、ユーザは、行き先情報入力画面に対し行き先に行く予定の日付を入力する。ユーザにより入力された日付を示す日付データは、行き先情報入力画面に対し入力された他のデータと共に、場所属性データとして装い提案サーバ装置12に送信される。
【0107】
装い提案システム2において、装い提案サーバ装置12は、端末装置11から場所属性データを受信すると、場所属性データが示す地域及び日時(日付及び時間帯)を示すデータを含む要求データを気象サーバ装置21に送信する。気象サーバ装置21は、装い提案サーバ装置12から受信した要求データが示す地域及び日時の気象を示す気象データを装い提案サーバ装置12に送信する。装い提案サーバ装置12の取得手段122は、気象サーバ装置21から送信されてくる気象データを、ユーザが行く予定の場所の属性を示す場所属性データの一部として受信する。
【0108】
装い提案システム2において、装い提案サーバ装置12の記憶手段121は、気象と装いアイテムの保温保湿性能との間の適合度(気象性能適合度)を特定するための基準を示す適合度基準データを記憶している。気象性能適合度を特定するための適合度基準データは、例えば、装いアイテムが使用される空間における気温及び湿度と、装いアイテムの保温性能及び保湿性能を示す数値とを変数とする所定の算出式を示すデータである。なお、複数の装いアイテムが重ねて着用される場合、それら複数の装いアイテムの保温性能及び保湿性能を示す数値は、乗算等により統合された後、上記の算出式の変数として用いられる。
【0109】
装い提案システム2において、装い提案サーバ装置12の特定手段124は、複数の装いアイテム群の各々に関し、場所外観適合度及びアイテム間適合度に加え、上述した算出式に従い気象性能適合度を特定する。そして、提示手段125は、例えば、気象性能適合度が所定の閾値以上の装いアイテム群の中から、ユーザに提示する装いアイテム群を選択する。
【0110】
図17は、装い提案システム2において端末装置11が表示する提案装いアイテム群表示画面を模式的に示した図である。この提案装いアイテム群表示画面には、場所外観適合度及びアイテム間適合度に加え、気象性能適合度が表示される。従って、ユーザは、提案される装いアイテム群を着用して行き先に行った場合の快適性を容易に知ることができる。
【0111】
(変形例2)
本発明に係る装い提案システムが、オンラインで販売されている装いアイテムを1以上含む装いアイテム群を提案し、ユーザに対し装いアイテムの購入を促す機能を備えてもよい。
【0112】
図18は、この変形例に係る装い提案システム3の全体構成を模式的に示した図である。装い提案システム3は、上述した実施形態に係る装い提案システム1が備える構成部に加え、ECサーバ装置31を備える。ECサーバ装置31は、装いアイテムをオンラインで販売するECサイトを提供するサーバ装置である。なお、図18ではECサーバ装置31は1つのみ描かれているが、ECサーバ装置31の数は複数であってもよい。
【0113】
装い提案システム3において、ユーザはユーザ登録時に、自分の年齢に加え、自分の体型に応じた服のサイズを装い提案サーバ装置12に登録する。図19は装い提案システム3において装い提案サーバ装置12の記憶手段121が記憶するユーザテーブルのデータ構成を模式的に示した図である。装い提案システム3においては、ユーザ登録時にユーザにより入力される服のサイズを示すサイズデータがユーザテーブルに格納される。
【0114】
装い提案システム3においては、例えば定期的に、装い提案サーバ装置12がECサーバ装置31から、ECサーバ装置31で販売されている様々な装いアイテムの各々に関するデータを収集し、収集したそれらのデータを記憶している。そのため、装い提案システム3においては、装い提案サーバ装置12の記憶手段121は、図20に模式的に示すデータ構成の販売アイテムデータベースを記憶している。
【0115】
販売アイテムデータベースは、例えば複数のECサイトの各々に応じた販売アイテムテーブルを含んでいる。販売アイテムテーブルは、ECサイトで販売されている複数の装いアイテムの各々に応じたレコードの集まりである。販売アイテムテーブルのレコードには、装いアイテムを識別するアイテム名、装いアイテムの画像、装いアイテムの種別、装いアイテムの価格、装いアイテムのサイズ、装いアイテムの外観の属性(色、形状等)の各々を示すデータが格納される。なお、販売アイテムテーブルに格納される装いアイテムの外観の属性を示すデータは、装い提案サーバ装置12がECサーバ装置31から受信した装いアイテムの画像データが表す画像から画像認識手段1231が認識した色及び形状を示すデータである。
【0116】
装い提案システム3において、装い提案サーバ装置12の特定手段124は、ユーザに提案する装いアイテム群の候補を特定する際、所有アイテムデータベース(図4参照)に格納されているデータが示すユーザが所有の装いアイテムの中から選択した装いアイテム群に加え、それらの装いアイテム群に含まれる複数の装いアイテムのうちの所定数(例えば、1つ)を、販売アイテムデータベース(図20参照)に格納されているデータが示すユーザが所有していない装いアイテムの中から選択した装いアイテムと入れ替えた装いアイテム群を特定する。
【0117】
例えば、ユーザAがTシャツ1、Tシャツ2、スカート1、スカート2を所有しており、ECサイトで、ユーザAの体型に応じたサイズのTシャツ9とスカート9が販売されている場合、特定手段124は、以下の装いアイテム群を、ユーザAに提案する装いアイテム群の候補として特定する。
(装いアイテム群1-1)Tシャツ1、スカート1
(装いアイテム群1-2)Tシャツ9、スカート1
(装いアイテム群1-3)Tシャツ1、スカート9
(装いアイテム群2-1)Tシャツ1、スカート2
(装いアイテム群2-2)Tシャツ9、スカート2
(装いアイテム群2-3)Tシャツ1、スカート9
(装いアイテム群3-1)Tシャツ2、スカート1
(装いアイテム群3-2)Tシャツ9、スカート1
(装いアイテム群3-3)Tシャツ2、スカート9
(装いアイテム群4-1)Tシャツ2、スカート2
(装いアイテム群4-2)Tシャツ9、スカート2
(装いアイテム群4-3)Tシャツ2、スカート9
【0118】
上記の装いアイテム群1-1、2-1、3-1、4-1は、ユーザAが所有している装いアイテムのみで構成されている装いアイテム群である。上記の装いアイテム群1-2、2-2、3-2、4-2は、装いアイテム群1-1、2-1、3-1、4-1に含まれる装いアイテムのうち、TシャツをECサイトで構成されているTシャツ9と入れ替えた装いアイテム群である。上記の装いアイテム群1-3、2-3、3-3、4-3は、装いアイテム群1-1、2-1、3-1、4-1に含まれる装いアイテムのうち、スカートをECサイトで構成されているスカート9と入れ替えた装いアイテム群である。
【0119】
装い提案システム3において、特定手段124は、上記の装いアイテム群の候補の各々に関し場所外観適合度とアイテム間適合度を特定し、提示手段125は、それらの適合度に基づきユーザに提案する装いアイテム群を選択する。
【0120】
図21は、装い提案システム3において、端末装置11が表示する提案装いアイテム群表示画面の一例を模式的に示した図である。図21の提案装いアイテム群表示画面には、ユーザが所有していないがECサイトから購入可能な装いアイテムが1つ含まれる装いアイテム群に関する情報が表示されている。ユーザは、図21の提案装いアイテム群表示画面に表示される装いアイテム群を採用したいと思う場合、「購入」ボタンをタッチすることで、不足している装いアイテムを購入できる。
【0121】
装い提案システム3によれば、ユーザは自分が所有していない装いアイテムを購入することで、行き先のシチュエーションにより適合した外観の装いで行き先へと赴くことができる。
【0122】
なお、装い提案システム3において、装い提案サーバ装置12の取得手段122は、ECサーバ装置31から、ユーザが使用可能な装いアイテムの複数の候補の各々の外観の属性を示すアイテム外観属性データの少なくとも一部を取得する。
【0123】
この変形例において、ユーザが、新たに装いアイテムを購入する場合の予算を指定し、装い提案システム3が、ユーザにより指定された予算内でECサイトから購入可能な1以上の装いアイテムを含む装いアイテム群を提示してもよい。
【0124】
(変形例3)
上述した実施形態において、ユーザが行く予定の場所は1箇所であるものとしたが、ユーザが行く予定の場所が複数箇所であってもよい。
【0125】
この変形例において、ユーザは行き先情報入力画面(図7参照)において、複数の行き先の各々に関し場所属性データの入力を行うことができる。そして、装い提案サーバ装置12の取得手段122は、端末装置11から、ユーザが行く予定の複数の場所の各々の属性を示す場所属性データを受信する。そして、特定手段124は、複数の装いアイテム群の候補の各々に関し、当該装いアイテム群の外観の属性とユーザが行く予定の複数の場所の属性との間の場所外観適合度を特定する。
【0126】
例えば、ユーザAがTシャツ1、Tシャツ2、スカート1、スカート2を所有している場合、既述のように、以下の4つの装いアイテム群が提案の候補として特定される。
(装いアイテム群1)Tシャツ1、スカート1
(装いアイテム群2)Tシャツ1、スカート2
(装いアイテム群3)Tシャツ2、スカート1
(装いアイテム群4)Tシャツ2、スカート2
【0127】
そして、ユーザAが行き先情報入力画面(図7参照)において、場所Pと場所Qの各々に関する場所属性データを入力した場合、特定手段124は、装いアイテム群1~4の各々に関し、場所Pと場所Qの各々に関する場所外観適合度を特定する。
【0128】
そして、提示手段125は、例えば、場所Pに関する場所外観適合度と、場所Qに関する場所外観適合度の両方が所定の閾値以上である装いアイテム群の候補の中からユーザに提案する装いアイテム群を選択する。
【0129】
この変形例によれば、ユーザは一度の外出において複数の場所を訪れる場合に、いずれの場所のシチュエーションにも適合した外観の装いができる。
【0130】
(変形例4)
上述した実施形態において、提示手段125はユーザに提案する装いアイテム群を選択する際に、特定手段124により特定された適合度(場所外観適合度及びアイテム間適合度)の高いものから順に選択するものとしたが、提示手段125がユーザに提案する装いアイテム群を選択する際の適合度に関する条件はこれに限られない。
【0131】
例えば、場所外観適合度が最も高い装いアイテム群は、没個性的な装いアイテム群である可能性が高い。従って、個性的な装いを好むユーザにとっては、場所外観適合度が最も高い装いアイテム群は必ずしも好まれない。
【0132】
従って、例えば、ユーザが自分の好む適合度を指定可能とし、提示手段125がユーザにより指定された適合度に近い適合度の装いアイテム群をユーザに提示してもよい。
【0133】
図22は、この変形例において端末装置11が表示する行き先情報入力画面を模式的に示した図である。この変形例においては、行き先情報入力画面において、ユーザは自分の好む適合度を指定できる。端末装置11は、行き先情報入力画面においてユーザが入力した適合度を示す適合度データを装い提案サーバ装置12に送信する。
【0134】
装い提案サーバ装置12の取得手段122は、端末装置11から送信されてくる適合度データを受信する。提示手段125は、取得手段122が端末装置11から受信した適合度データが示す適合度に応じた1以上の装いアイテム群を選択し、端末装置11に提示する。例えば、提示手段125は、特定手段124により特定された場所外観適合度が、取得手段122が端末装置11から受信した適合度データが示す適合度に近いものから順に所定数、装いアイテム群を選択し、それらの装いアイテム群をユーザに提示する。
【0135】
この変形例によれば、ユーザは行き先のシチュエーションに照らし適度に個性的な外観の装いでその行き先を訪れることができる。
【0136】
(変形例5)
取得手段122が、場所属性データの少なくとも一部を、ユーザのスケジュールを管理するシステムから取得してもよい。
【0137】
例えば、ユーザが自分のスケジュールを示すスケジュールデータをスケジュール管理サーバ装置に記憶させている場合、装い提案サーバ装置12が端末装置11に行き先情報入力画面(図7参照)の表示を指示するWebページデータを生成する際に、行き先情報入力画面においてユーザに入力を求める情報のうち、取得手段122がスケジュール管理サーバ装置から受信したユーザのスケジュールデータが示す情報(例えば、行き先の地域、時間帯等)を予め入力した状態のWebページデータを生成する。従って、端末装置11が表示する行き先情報入力画面において、ユーザは一部の情報の入力を行わなくてもよい。
【0138】
(変形例6)
上述した実施形態において、特定手段124は機械学習モデルを用いて場所外観適合度とアイテム間適合度を特定するものとしたが、特定手段124が場所外観適合度とアイテム間適合度を特定する方法は機械学習モデルを用いる方法に限られない。例えば、特定手段124が、場所属性データが示す場所の属性と、アイテム外観属性データが示す装いアイテムの外観の属性とを変数とする所定の算出式に従い、場所外観適合度を算出してもよい。
【0139】
(変形例7)
上述した実施形態において、装い提案サーバ装置12は1つの装置であるものとしたが、装い提案サーバ装置12が互いに連繋動作する複数の装置で構成されてもよい。
【0140】
(変形例8)
上述した実施形態において装い提案サーバ装置12が行うものとした処理の一部が端末装置11において行われてもよい。例えば、装い提案サーバ装置12が構築又は更新した第1機械学習モデル及び第2機械学習モデルを示すデータを端末装置11に送信し、端末装置11が装い提案サーバ装置12から受信したデータが示す第1機械学習モデル及び第2機械学習モデルを用いて場所外観適合度とアイテム間適合度を特定する、エッジAIの構成が採用されてもよい。
【0141】
(変形例9)
回答結果表示画面(図11参照)において、回答者の属性に関する情報が表示されてもよい。図23は、この変形例において端末装置11が表示する回答結果表示画面の例を模式的に示した図である。図23の回答結果表示画面には、候補の装いアイテム群の各々に関し、その装いアイテム群を推薦した回答者の年齢層の分布が表示される。装い提案サーバ装置12は、受信した回答データの送信元の端末装置11のユーザの属性をユーザテーブル(図3参照)から特定し、特定した属性の分布を算出し、回答の集計結果と共にそれらの分布を表示するWebページを示すWebページデータを生成する。装い提案サーバ装置12は、そのように生成したWebページデータを端末装置11に送信することで、図23に示されるような回答結果表示画面を端末装置11に表示させる。
【0142】
また、質問画面(図10参照)において回答者がコメントを入力可能とし、質問者がそれらのコメントを閲覧可能としてもよい。図24はこの変形例において回答者の端末装置11に表示される質問画面を模式的に示した図であり、図25はこの変形例において質問者の端末装置11に表示される回答結果表示画面を模式的に示した図である。
【0143】
図24に示す質問画面において、回答者は、例えば自分が推薦する装いアイテム群を選択した理由等をコメントとして入力することができる。図25に示す回答結果表示画面において、質問者は、回答者のコメントを読むことができる。また、質問者は、回答者のコメントに共感した場合、「いいね」ボタンをタッチすることで、その回答者に対し良い評価を付すことができる。この回答者に対する評価を示す評価データは端末装置11から装い提案サーバ装置12に送信される。装い提案サーバ装置12は、各ユーザに関し受信した評価データの数の累積値を示すデータを、例えばユーザテーブル(図3参照)に格納する。
【0144】
図25に示す回答結果表示画面には、回答者の属性に関する情報として、例えば、候補の装いアイテム群の各々に関し、その装いアイテム群を推薦した回答者の中に含まれる、評価データの数の累積値が所定の閾値以上のユーザの人数が表示される。
【0145】
この変形例によれば、質問者のユーザは、行き先に出向く際の装いを決定するための、より多くの情報を得ることができる。
【0146】
(変形例10)
上述した実施形態において、ユーザが行く予定の場所の属性の例として、地域、時間帯、種別等が用いられるものとしたが、他の種別の場所の属性が用いられてもよい。また、上述した実施形態において、装いアイテムの外観の属性の例として、色、形状が用いられるものとしたが、他の種別の外観の属性が用いられてもよい。また、上述した実施形態において、ユーザの属性の例として、年齢が用いられるものとしたが、他の種別のユーザの属性が用いられてもよい。
【0147】
例えば、ユーザが好むファッションの系統(コンサバ、トラッド、フェミニン、コケティッシュ、カジュアル等)がユーザの属性として用いられてもよい。その場合、ユーザテーブル(図3参照)に、ユーザが好むファッションの系統を示すデータが格納され、利用される。ユーザが好むファッションの系統は、ユーザにより装い提案システム1に入力されてもよいし、例えば、所有アイテムデータベース(図4参照)に格納されているデータが示すユーザ所有の装いアイテムから装い提案システム1が推定してもよい。
【0148】
(変形例11)
ユーザが装い提案システム1に対し、例えば自分が所有の装いアイテムのうち、使用したい1以上の装いアイテムを指定し、装い提案システム1が、ユーザにより指定された1以上の装いアイテムを含む装いアイテム群をユーザに提案してもよい。
【0149】
(変形例12)
上述した実施形態において、装い提案システム1は、自システムがユーザに提案する装いアイテム群に関する適合度(場所外観適合度及びアイテム間適合度)を特定しユーザに対し提示する。これに加えて、もしくは代えて、ユーザが指定した装いアイテム群に関する適合度を装い提案システム1が特定しユーザに対し提示してもよい。
【0150】
(変形例13)
装い提案システム1がユーザ(又は、回答者)に提示する装いアイテム群の組み合わせ画像(図8等参照)として、装いアイテムの画像に加え、ユーザの外観(顔、体型等)を表す画像を組み合わせた画像が用いられてもよい。その場合、ユーザの外観を表す画像は、ユーザをカメラで撮影した画像がそのまま用いられてもよいし、ユーザをカメラで撮影した画像に各種加工を加えた画像が用いられてもよい。その際、ユーザのプライバシーが守られるように、個人を特定困難な程度にユーザの画像が加工されてもよい。また、いわゆるアバターと呼ばれるユーザの外観を模した画像が用いられてもよい。アバターは、例えば、目、鼻、口、髪型等の身体のパーツの各々に関し予め選択肢として準備されている多数の画像の中から、ユーザにより選択された画像の組み合わせにより生成されてもよいし、それらの選択肢の中からユーザを撮影した画像と類似度の高いものとして装い提案システム1により選択された画像の組み合わせにより生成されてもよい。
【0151】
(発明のカテゴリ-)
本発明は、上述した装い提案サーバ装置12により例示されるシステム、コンピュータに上述した装い提案サーバ装置12により例示されるシステムが行う処理を実行させるためのプログラム、及び、当該プログラムを記憶し当該プログラムに従いデータ処理を行うプロセッサを備える装置を含む。
【0152】
また、本発明に係るプログラムは、記録媒体に記録された状態で提供され、当該記録媒体からコンピュータに読み取られて用いられてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされて用いられてもよい。
【符号の説明】
【0153】
1…装い提案システム、2…装い提案システム、3…装い提案システム、11…端末装置、12…装い提案サーバ装置、13…カメラ、21…気象サーバ装置、31…ECサーバ装置、121…記憶手段、122…取得手段、123…生成手段、124…特定手段、125…提示手段、126…送信手段、127…受信手段、1231…画像認識手段、1232…機械学習手段。
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