IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧

特開2023-169783電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法
<>
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図1
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図2
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図3
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図4
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図5
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図6
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図7
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図8
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図9
  • 特開-電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169783
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20231122BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20231122BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20231122BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20231122BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/46
H02J9/06 120
H02B1/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081108
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】向川 信一
(72)【発明者】
【氏名】野田 智史
(72)【発明者】
【氏名】新美 陽平
【テーマコード(参考)】
5G015
5G066
5G211
【Fターム(参考)】
5G015FA16
5G015GA05
5G015HA16
5G015JA21
5G015JA52
5G066HA04
5G066HA11
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
5G211AA05
5G211DD14
5G211DD20
5G211GG04
(57)【要約】
【課題】商用電力系統と連系する分散型電源及び電力供給装置が、停電時に適切に自立運転を行う。
【解決手段】分散型電源と電力供給装置と全負荷分電盤とを含む電力供給システムであって、全負荷分電盤は、商用電力系統からの供給電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷への供給電力が出力される出力端子と、を有する切替器と、系統接続部と第1入力端子とを接続する第1電路と、第1電路上に設けられ、分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、第1接続部と切替器との間に設けられ、電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出するために分散型電源に接続される第1電流検出器と、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路を流れる電流を検出するために電力供給装置に接続される第2電流検出器と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置と、
前記商用電力系統、前記分散型電源及び前記電力供給装置から供給される電力を負荷に供給する全負荷分電盤と、
を含む電力供給システムであって、
前記全負荷分電盤は、
前記商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、前記分散型電源から前記自立運転出力が入力される第2入力端子と、前記負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器と、
を備えたことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器を設置する第1電流検出器設置領域と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器を設置する第2電流検出器設置領域と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤。
【請求項3】
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤。
【請求項4】
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器を設置する第2電流検出器設置領域と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤。
【請求項5】
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子、前記分散型電源から自立運転出力が入力される第2入力端子、負荷に供給される電力が出力される出力端子を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、前記商用電力系統が接続される系統接続部と、前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、を備える全負荷分電盤と、
を含む電力供給システムに用いられる電力供給装置であって、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有し、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられた第2接続部に接続され、前記通常運転出力を出力する通常時出力部と、
停電時に前記自立運転出力を出力する停電時出力部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出する第2電流検出器から入力された検出結果に基づいて、前記通常時出力部及び前記停電時出力部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする電力供給装置。
【請求項6】
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子、前記分散型電源から自立運転出力が入力される第2入力端子、負荷に供給される電力が出力される出力端子を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、前記
商用電力系統が接続される系統接続部と、前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流である第1電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、を備える全負荷分電盤と、
を含む電力供給システムに用いられる電力供給装置の電力供給制御方法であって、
前記電力供給装置は、商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有し、
前記第1接続部と、前記第1電路上に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から通常運転出力が入力される第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流である第2電流を検出するステップと、
前記第2電流が検出される場合に、前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられた第2接続部を介して前記負荷に交流電力を供給するステップと、
単独運転検出を実施するステップと、
単独運転ではないと判断するステップと、
前記第2電流が検出されない場合に、前記電力供給装置に接続された特定負荷用コンセントに接続された特定負荷に前記自立運転出力を供給するステップと、
を含むことを特徴とする電力供給装置の電力供給制御方法。
【請求項7】
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置と、
前記商用電力系統、前記分散型電源及び前記電力供給装置から供給される電力を負荷に供給する電力供給路と、
を含む電力供給システムであって、
前記電力供給路は、
前記商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、前記分散型電源から前記自立運転出力が入力される第2入力端子と、前記負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器と、
を備えたことを特徴とする電力供給システム。
【請求項8】
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
を備えたことを特徴とする電力供給路。
【請求項9】
商用電力系統、該商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源及び該商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置から供給される電力を負荷に供給する電力供給路と、
前記分散型電源から出力される直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、
を含む電力変換装置であって、
前記電力変換部は、
前記交流電力を出力する出力部と、
前記出力部に接続された第1端子と、通常時に該第1端子に接続される第2端子と、停電時に該第1端子に接続される第3端子と、を有し、該第2端子と該第3端子とを切り替えて該第1端子に接続する第1切替器と、
前記商用電力系統から前記電力供給路に供給される電流を検出する第1電流検出器の検出結果に基づいて前記電力変換部を制御する制御部と、
を備え、
前記電力供給路は、
前記商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、前記第1切替器の前記第3端子に接続され、前記出力部から前記自立運転出力が入力される第2入力端子と、前記負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する第2切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記第1切替器の前記第2端子に接続される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記第2切替器との間に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器を設置する第2電流検出器設置領域と、
を備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項10】
電力供給路を有する電力変換装置であって、
前記電力供給路は、商用電力系統を接続する系統接続部と、該商用電力系統の通常時に分散型電源からの電力を供給する分散型電源通常時電路と、該商用電力系統の停電時に該分散型電源からの電力を供給する分散型電源停電時電路と、負荷に電力を出力する負荷接続部と、二つの接点のうちいずれかに切り替えて出力側に接続する切替器と、を備え、
前記切替器は、一方の前記接点に、前記系統接続部に接続される第1電路及び前記分散型電源通常時電路を接続し、他方の前記接点に、前記分散型電源停電時電路を接続し、出力側に前記負荷接続部を接続するものであり、
前記電力供給路は、前記分散型電源通常時電路を前記第1電路に接続する第1接続部と、該第1接続部と前記切替器の間に電力供給装置の通常時出力線を接続する第2接続部を有することを特徴とする電力変換装置。
【請求項11】
電力供給路を有する電力変換装置内の接続方法であって、
前記電力供給路において、商用電力系統に接続される第1電路と、該商用電力系統の通
常時に分散型電源からの電力を供給する分散型電源通常時電路と、該商用電力系統の停電時に該分散型電源からの電力を供給する分散型電源停電時電路と、負荷に供給される電力が出力される負荷出力線と、二つの接点のうちいずれかに切り替えて出力側に接続する切替器とを接続し、
前記切替器の前記二つの接点のうち一方の接点に前記第1電路と前記分散型電源通常時電路を接続し、他方の接点に前記分散型電源停電時電路を接続し、前記出力側に前記負荷出力線を接続し、
前記分散型電源通常時電路を前記第1電路の途中の第1接続部に接続し、該第1電路の、該第1接続部と前記切替器との間の第2接続部に、電力供給装置から供給される電力が出力される通常時出力線が接続されることを特徴とする接続方法。
【請求項12】
商用電力系統からの電力を入力する第1電路と、該商用電力系統の通常時に分散型電源から電力を入力する入力電力線と、該商用電力系統の停電時に前記分散型電源からの電力を入力する停電時電力線と、負荷に電力を出力する出力電力線と、電力供給装置からの電力を入力する特定電力線と、二つの入力側のうちいずれかの該入力側に切り替えて出力側に接続する切替器と、の接続方法であって、
前記切替器の一方の前記入力側に前記第1電路と前記入力電力線を接続し、他方の前記入力側に停電時電力線を接続し、前記出力側に出力電力線を接続し、
前記入力電力線を、前記切替器に至るまでの途中の第1接続部で前記第1電路に接続し、該第1接続部から前記切替器に至るまでの途中の第2接続部に前記特定電力線を接続したことを特徴とする接続方法。
【請求項13】
前記通常時に、前記切替器を一方の前記入力側に接続することにより、負荷へ供給される電力が、前記第1電路と前記入力電力線と、前記特定電力線と、を介して合わされた電力として供給され、
前記停電時には、前記切替器を他方の前記入力側に接続することにより、前記負荷へ供給される電力が前記停電時電力線を介した電力として供給されることを特徴とする請求項12に記載の接続方法。
【請求項14】
前記停電時に、前記電力供給装置は自立運転出力を、特定負荷用コンセントを介して供給することを特徴とする請求項13に記載の接続方法。
【請求項15】
前記電力供給装置が電流を検出するための特定電流検出器を設置する特定電流検出器設置領域を、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けたことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システム、全負荷分電盤、電力供給装置、電力供給装置の電力供給制御方法、電力供給路、電力変換装置及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
災害等による停電時に、天候によらずに発電することができ、また、熱エネルギーも給湯や暖房等に活用できることから、燃料電池コージェネレーションシステムの導入が進んでいる。
【0003】
また、停電時に、消費電力のより大きい電気製品を使用するために、燃料電池コージェネレーションシステムによって発電された電力に加えて、蓄電池を放電させたりするために、燃料電池コージェネレーションシステムと蓄電池を組み合わせることも行われている。また、特許文献1に記載されているように、停電時に、特定負荷に限定せず、一般負荷に電力を供給し得る全負荷分電盤を含む電力供給システムが提案されている。
【0004】
燃料電池コージェネレーションシステムと蓄電池とを組み合わせた電力供給システムとして、図8に示すような構成を構築することができる。図8に示す電力供給システム1000は、燃料電池コージェネレーションシステム1006、蓄電池システム1005、太陽光発電システム1004を含む。燃料電池コージェネレーションシステム1006と太陽光発電システム1004を備えた住宅に新たに蓄電池システム1005を設置する場合には、図8に示すようなシステム構成となる。図8に示す電力供給システム1000では、商用電力系統1001(実際には電力量計を介して接続される)から電力を供給する電路1007に分電盤1002が設置される。電路1007には、商用電力系統1001と連系する太陽光発電システム1011が接続される。分電盤1002には、家庭内負荷1003が接続されるとともに、燃料電池コージェネレーションシステム1006と蓄電池システム1005が接続される。太陽光発電システム1004は、例えば、PVパネルとPVパネルによって発電される電力を制御するとともに、PVパネルから出力される直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナを含む。家庭用燃料電池コージェネレーションシステム1006は、都市ガスを改質して水素を製造する水素製造装置と、水素製造装置によって製造された水素と空気中の酸素を反応させて発電する燃料電池と、燃料電池によって発電された直流電力を交流電力に変換するインバータと、燃料電池による発電によって発生した熱によって水を加温する熱回収装置と、加温された湯を貯留する貯湯タンク等を含む。蓄電池システム1005は、蓄電池と、蓄電池の充放電を制御する蓄電池ユニットと、蓄電池に入力される交流電力を直流電力に変換し、蓄電池から出力される直流電力を交流電力に変換する双方向A/Dコンバータや、直流電圧を変換するD/Dコンバータを備えるパワーコンディショナを含む。なお、燃料電池コージェネレーションシステム1006や蓄電システム1005は、商用電力系統1001が正常かどうかを検出する機能や停電を検出する機能も搭載している。例えば、そのシステムに含まれるパワーコンディショナ装置が検出機能を備えることもある。その検出方法は種々ある。太陽光発電システム1004に商用電力系統1001が正常かどうかを検出する機能や、停電を検出する機能を搭載していてもよい。
【0005】
このとき、蓄電池システム1005には、電路1007に流れる電流を計測する変流器CT1の出力が入力され、変流器CT1の計測値により蓄電池システム1005の充放電が制御される。また、燃料電池コージェネレーションシステム1006には電路1007に流れる電流を計測する変流器CT2の出力が入力され、変流器CT2の計測値に基づい
て燃料電池コージェネレーションシステム1006の発電が制御される。変流器CT2は、商用電力系統1001と太陽光発電システム1004から供給される電流を検出することになる。通常時(商用電力系統から電力供給が可能な状態)に、商用電力系統1001と太陽光発電システム1004から供給される電力は、家庭内負荷1003の消費電力のうち、蓄電池システム1005から放電される電力と、燃料電池コージェネレーションシステム1006が発電する電力に対する不足分に相当する。燃料電池コージェネレーションシステム1006は変流器CT2の計測値が0でない場合に、変流器CT2の計測値を減らすように、または0となるように発電して、家庭内負荷1003に電力を供給しようとする(ただし、燃料電池コージェネレーションシステム1006の発電量は、最大定格供給量の範囲内に制限される。)。このとき、燃料電池コージェネレーションシステム1006の発電する反応に対して、蓄電池システム1005からの放電の方が早いため、燃料電池コージェネレーションシステム1006の運転初期に、蓄電池システム1005から放電された電力によって家庭内負荷1003の消費電力のうち不足分が賄われると、変流器CT2の計測値が0となってしまい、燃料電池コージェネレーションシステム1006は発電不要だと判断し、発電しなくなってしまう可能性がある。
【0006】
また、停電時、かつ夜間や雨の場合には、商用電力系統1001と太陽光発電システム1004のいずれからも家庭内負荷1003に対して電力が供給されないので、変流器CT2の計測値は0となってしまうため、燃料電池コージェネレーションシステム1006は発電しないことになってしまう。
【0007】
図9に、燃料電池コージェネレーションシステム1006、蓄電池システム1005、太陽光発電システム1004を含む電力供給システム2000の構成を示す。図9に示す電力供給システム2000では、蓄電池システム1005が、商用電力系統1001が分電盤1002に接続される電路1007に、太陽光発電システム1004とともに接続されている点で、図8に示す電力供給システム1000とは構成が異なっている。図9に示す電力供給システム2000において、変流器CT1は電路1007に接続され、変流器CT2は電路1007の太陽光発電システム1004及び蓄電池システム1005より下流側部分1007aに接続されている。
【0008】
このとき、変流器CT2は、商用電力系統1001と太陽光発電システム1004と蓄電池システム1005から供給される電流を検出することになる。このため、変流器CT2によっては、家庭内負荷1003の消費電力のうち太陽光発電システム1004と蓄電池システム1005から供給される電力に対する不足分を直接検出することはできないが、通常時には、変流器CT2で電流が検出されると、検出分を燃料電池コージェネレーションシステム1006が発電して家庭内負荷1003に供給しようとするので、燃料電池コージェネレーションシステム1006の最大供給分が優先されて家庭内負荷1003で消費されることになる。このとき、蓄電池システム1005は変流器CT1の計測値を減らすように家庭内負荷1003に電力を供給し、太陽光発電システム1004は余剰分を商用電力系統1001に売電する。
【0009】
一方、停電時には、燃料電池コージェネレーションシステム1006は、停電を検知して、自立運転に切り替わる。図10に停電時の電力供給システムを示す。自立運転時には、燃料電池コージェネレーションシステム1006では、例えば、家庭内負荷1003への電力供給を停止し、特定負荷用コンセントに電力を供給するというように運転モードが切り替えられる。図10に示した電力供給システムでは、停電すると、停電直後から、蓄電池システム1005の自立運転出力が電力線1013を通じて出力される。電力線1013は、電路1007aの上流側で電路1007に接続される。このとき、燃料電池コージェネレーションシステム1006は、蓄電池システム1005又は太陽光発電システム1004からの出力を受け通常時(商用電力1001から電力が供給されている)と判断
し、発電して家庭内負荷1003に電力を供給し続けようとする。一方、燃料電池コージェネレーションシステム1006では、商用電力系統1001が正常かどうかを検出する機能が働き、商用電力系統1001が正常でないと判断する可能性がある。その検出方法は種々あるが、その一例として、商用電力系統1001に向けて無効電力をステップ注入し、周波数変動を検出することにより停電等の異常を検出する単独運転検出機能を搭載している場合には、電路1007aを通じて電力は供給されているものの、商用電力系統1001からは電力が供給されていないため、燃料電池コージェネレーションシステム1006は当該単独運転検出機能により異常を検知し、動作を停止してしまう可能性がある。この場合には、燃料電池コージェネレーションシステム1006の自立運転も停止してしまう可能性がある。このように、燃料電池コージェネレーションシステム1006の動作が異常停止などにより冷えてしまうと、再度動作を開始するまでに長時間を要する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2019-198203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、商用電力系統と連系して負荷に電力を供給する分散型電源及び電力供給装置が、停電時にそれぞれ適切に自立運転を行う技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための本発明は、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置と、
前記商用電力系統、前記分散型電源及び前記電力供給装置から供給される電力を負荷に供給する全負荷分電盤と、
を含む電力供給システムであって、
前記全負荷分電盤は、
前記商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、前記分散型電源から前記自立運転出力が入力される第2入力端子と、前記負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
これによれば、第1電流検出器によって、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出し、この第1電流検出器の検出結果に基づいて、分散型電源が制御される。第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器によって、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
ここでは、分散型電源として、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、ガスエンジン、風力発電、潮力発電、水力発電、地熱発電等の種々の電源又はこれらを組み合わせて用いることができる。また、電力供給装置として、同様に、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、ガスエンジン、風力発電、潮力発電、水力発電、地熱発電等の種々の電源又はこれらを組み合わせて用いることができる。また、分散型電源及び電力供給装置は、据置型のものに限られず、車載型のように可搬型でもよく、その態様は限定されない。蓄電池は、電気自動車やハイブリッド車のバッテリーであってもよい。また、「切替器」は自動及び手動の切替器を含み、切替の態様は限定されない。以下の発明についても同様である。
【0014】
また、本発明は、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器を設置する第1電流検出器設置領域と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器を設置する第2電流検出器設置領域と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤である。
【0015】
これによれば、第1電流検出器設置領域に設置される第1電流検出器によって、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出し、この第1電流検出器の検出結果に基づいて、分散型電源が制御される。第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運
転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器設置領域に設置される第2電流検出器によって、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0016】
また、本発明は、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤である。
【0017】
これによれば、商用電力系統から第1電路に供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0018】
また、本発明は、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器を設置する第2電流検出器設置領域と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤である。
【0019】
これによれば、商用電力系統から第1電路に供給される電流が検出される場合には、商
用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器設置領域に設置される第2電流検出器によって、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0020】
また、本発明は、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子、前記分散型電源から自立運転出力が入力される第2入力端子、負荷に供給される電力が出力される出力端子を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、前記商用電力系統が接続される系統接続部と、前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、を備える全負荷分電盤と、
を含む電力供給システムに用いられる電力供給装置であって、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有し、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられた第2接続部に接続され、前記通常運転出力を出力する通常時出力部と、
停電時に前記自立運転出力を出力する停電時出力部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出する第2電流検出器から入力された検出結果に基づいて、前記通常時出力部及び前記停電時出力部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0021】
これによれば、電力供給システムでは、第1電流検出器によって、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出し、この第1電流検出器の検出結果に基づいて、分散型電源が制御される。第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。このような電力供給システムに用いられる電力供給装置では、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器によって、停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0022】
また、本発明は、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と

商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子、前記分散型電源から自立運転出力が入力される第2入力端子、負荷に供給される電力が出力される出力端子を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、前記商用電力系統が接続される系統接続部と、前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流である第1電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、を備える全負荷分電盤と、
を含む電力供給システムに用いられる電力供給装置の電力供給制御方法であって、
その電力供給装置は、商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有し、
前記第1接続部と、前記第1電路上に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から通常運転出力が入力される第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流である第2電流を検出するステップと、
前記第2電流が検出される場合に、前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられた第2接続部を介して前記負荷に交流電力を供給するステップと、
単独運転検出を実施するステップと、
単独運転ではないと判断するステップと、
前記第2電流が検出されない場合に、前記電力供給装置に接続された特定負荷用コンセントに接続された特定負荷に前記自立運転出力を供給するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0023】
これによれば、電力供給システムでは、第1電流検出器によって、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出し、この第1電流検出器の検出結果に基づいて、分散型電源が制御される。第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。このような電力供給システムに用いられる電力供給装置では、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器によって、停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができ、単独運転検出を実施しても電力供給装置が異常停止することがない。
【0024】
また、本発明は、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源と、
商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置と、
前記商用電力系統、前記分散型電源及び前記電力供給装置から供給される電力を負荷に供給する電力供給路と、
を含む電力供給システムであって、
前記電力供給路は、
前記商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、前記分散型電源から前記自立運転出力が入力される第2入力端子と、前記負荷に供給される電力が出力され
る出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から前記通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記商用電力系統から前記第1電路に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源に接続される第1電流検出器と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器と、
を備えたことを特徴とする。
【0025】
これによれば、第1電流検出器によって、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出し、この第1電流検出器の検出結果に基づいて、分散型電源が制御される。第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器によって、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0026】
また、本発明は、
商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、分散型電源から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子と、負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記分散型電源が接続され、該分散型電源から通常運転出力が入力される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記切替器との間に設けられ、商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
を備えたことを特徴とする電力供給路である。
【0027】
これによれば、商用電力系統から第1電路に供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、分散型電源は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替え
て出力端子と接続する切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び分散型電源の通常運転出力が停止するため、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0028】
また、本発明は、
商用電力系統、該商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源及び該商用電力系統の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置から供給される電力を負荷に供給する電力供給路と、
前記分散型電源から出力される直流電力を交流電力に変換する電力変換部と、
を含む電力変換装置であって、
前記電力変換部は、
前記交流電力を出力する出力部と、
前記出力部に接続された第1端子と、通常時に該第1端子に接続される第2端子と、停電時に該第1端子に接続される第3端子と、を有し、該第2端子と該第3端子とを切り替えて該第1端子に接続する第1切替器と、
前記商用電力系統から前記電力供給路に供給される電流を検出する第1電流検出器の検出結果に基づいて前記電力変換部を制御する制御部と、
を備え、
前記電力供給路は、
前記商用電力系統から供給される電力が入力される第1入力端子と、前記第1切替器の前記第3端子に接続され、前記出力部から前記自立運転出力が入力される第2入力端子と、前記負荷に供給される電力が出力される出力端子と、を有し、該第1入力端子及び該第2入力端子を切り替えて該出力端子に接続する第2切替器と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部と、
前記系統接続部と、前記第1入力端子とを接続する第1電路と、
前記第1電路上に設けられ、前記第1切替器の前記第2端子に接続される第1接続部と、
前記第1電路上の、前記第1接続部と前記第2切替器との間に設けられ、前記電力供給装置が接続され、該電力供給装置から前記通常運転出力が入力される第2接続部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを接続する前記第1電路を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置を制御するために該電力供給装置に接続される第2電流検出器を設置する第2電流検出器設置領域と、
を備えたことを特徴とする。
【0029】
これによれば、第1電流検出器によって、商用電力系統から第1電路に供給される電流を検出し、この第1電流検出器の検出結果に基づいて、電力変換部の制御部が制御される。第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出される場合には、商用電力系統から電力が供給される通常状態であると判断し、電力変換部は第1接続部から第1電路に通常運転出力を入力し、第1入力端子と出力端子とが接続された第2切替器を介して負荷に電力を供給する。そして、第1電流検出器によって商用電力系統から供給される電流が検出されない場合には、商用電力系統からの電力供給が停止した停電状態であると判断し、制御部が切替部を切り替えて第1端子と第3端子とを接続することにより、第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止し、第1切替器の第3端子を通じて第2切替器の第2入力端子に自立運転出力を入力し、第1入力端子から第2入力端子に切り替えて出力端子と接続する第2切替器を介して負荷に電力を供給する。また、停電状態である場合には、商用電力系統から供給される電力及び電力変換部からの通常運転出力が停止するため、第1接続部と第2接続部とを接続する第1電路には電流が検出されないので、第2電流検出器設置領域に設置される第2電流検出器によって、電力供給装置が停電状態を的確に検出し、適切に自立運転を行うことができる。
【0030】
また、本発明は、
電力供給路を有する電力変換装置であって、
前記電力供給路は、商用電力系統を接続する系統接続部と、該商用電力系統の通常時に分散型電源からの電力を供給する分散型電源通常時電路と、該商用電力系統の停電時に該分散型電源からの電力を供給する分散型電源停電時電路と、負荷に電力を出力する負荷接続部と、二つの接点のうちいずれかに切り替えて出力側に接続する切替器と、を備え、
前記切替器は、一方の前記接点に、前記系統接続部に接続される第1電路及び前記分散型電源通常時電路を接続し、他方の前記接点に、前記分散型電源停電時電路を接続し、出力側に前記負荷接続部を接続するものであり、
前記電力供給路は、前記分散型電源通常時電路を前記第1電路に接続する第1接続部と、該第1接続部と前記切替器の間に電力供給装置の通常時出力線を接続する第2接続部を有することを特徴とする。
【0031】
これによれば、商用電力系統から系統接続部を介して電力が供給される通常時には、分散型電源は分散型電源通常時電路から第1接続部を介して第1電路に通常運転出力を入力し、電力供給装置は通常常時出力線から第2接続部を介して第1電路に通常運転出力を入力し、切替器が、第1電路に接続された一方の接点と出力側とを接続することにより、出力側に接続された負荷接続部を介して負荷に電力を供給する。そして、商用電力系統からの電力供給が停止した停電時には、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止して、自立運転出力を分散型電源停電時電路に出力し、切替器が、他方の端子と出力側とを接続するように切り替えられることにより、出力側に接続された負荷接続部を介して負荷に電力を供給する。これによって、分散型電源は適切に自立運転を行うことができる。
【0032】
また、本発明は、
電力供給路を有する電力変換装置内の接続方法であって、
前記電力供給路において、商用電力系統に接続される第1電路と、該商用電力系統の通常時に分散型電源からの電力を供給する分散型電源通常時電路と、該商用電力系統の停電時に該分散型電源からの電力を供給する分散型電源停電時電路と、負荷に供給される電力が出力される負荷出力線と、二つの接点のうちいずれかに切り替えて出力側に接続する切替器とを接続し、
前記切替器の前記二つの接点のうち一方の接点に前記第1電路と前記分散型電源通常時電路を接続し、他方の接点に前記分散型電源停電時電路を接続し、前記出力側に前記負荷出力線を接続し、
前記分散型電源通常時電路を前記第1電路の途中の第1接続部に接続し、該第1電路の、該第1接続部と前記切替器との間の第2接続部に、電力供給装置から供給される電力が出力される通常時出力線が接続されることを特徴とする。
【0033】
これによれば、商用電力系統から第1電路を介して電力が供給される通常時には、分散型電源は分散型電源通常時電路から第1接続部を介して第1電路に通常運転出力を入力し、電力供給装置は通常常時出力線から第2接続部を介して第1電路に通常運転出力を入力し、切替器が、第1電路に接続された一方の接点と出力側とを接続することにより、出力側に接続された負荷出力線を通じて負荷に電力を供給する。そして、商用電力系統からの電力供給が停止した停電時には、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止して、自立運転出力を分散型電源停電時電路に出力し、切替器が、他方の端子と出力側とを接続するように切り替えられることにより、出力側に接続された負荷出力線を通じて負荷に電力を供給する。これによって、分散型電源は適切に自立運転を行うことができる。
【0034】
また、本発明は、
商用電力系統からの電力を入力する第1電路と、該商用電力系統の通常時に分散型電源から電力を入力する入力電力線と、該商用電力系統の停電時に前記分散型電源からの電力を入力する停電時電力線と、負荷に電力を出力する出力電力線と、電力供給装置からの電力を入力する特定電力線と、二つの入力側のうちいずれかの該入力側に切り替えて出力側に接続する切替器と、の接続方法であって、
前記切替器の一方の前記入力側に前記第1電路と前記入力電力線を接続し、他方の前記入力側に停電時電力線を接続し、前記出力側に出力電力線を接続し、
前記入力電力線を、前記切替器に至るまでの途中の第1接続部で前記第1電路に接続し、該第1接続部から前記切替器に至るまでの途中の第2接続部に前記特定電力線を接続したことを特徴とする。
【0035】
これによれば、商用電力系統から第1電路を介して電力が供給される通常時には、分散型電源は入力電力線から第1接続部を介して第1電路に通常運転出力を入力し、電力供給装置は特定電力線から第2接続部を介して第1電路に通常運転出力を入力し、切替器が、第1電路に接続された一方の入力側と出力側とを接続することにより、出力側に接続された出力電力線を通じて負荷に電力を供給する。そして、商用電力系統からの電力供給が停止した停電時には、分散型電源は第1接続部を通じた第1電路への通常運転出力の入力を停止して、自立運転出力を停電時電力線に出力し、切替器が、他方の入力側と出力側とを接続するように切り替えられることにより、出力側に接続された出力電力線を通じて負荷に電力を供給する。これによって、分散型電源は適切に自立運転を行うことができる。
【0036】
また、本発明において、
前記通常時に、前記切替器を一方の前記入力側に接続することにより、負荷へ供給される電力が、前記第1電路と前記入力電力線と、前記特定電力線と、を介して合わされた電力として供給され、
前記停電時には、前記切替器を他方の前記入力側に接続することにより、前記負荷へ供給される電力が前記停電時電力線を介した電力として供給されることを特徴とする。
【0037】
このように、通常時には、切替器の一方の入力側が出力側と接続されるので、第1電路を通じて商用電力系統から供給される電力と、入力電力を通じて分散型電源から供給される通常運転出力と、特定電力線を通じて電力供給装置から供給される通常運転出力とが、合わされて負荷に供給される。また、停電時には、切替器に他方の入力側が出力側と接続されるので、分散型電源から供給される自立運転出力が負荷に供給される。
【0038】
また、本発明において、
前記停電時に、前記電力供給装置は自立運転出力を、特定負荷用コンセントを介して供給するようにしてもよい。
【0039】
このようにすれば、分散型電源と電力供給装置とで、それぞれ自立運転出力を供給することができる。
【0040】
また、本発明において、
前記電力供給装置が電流を検出するための特定電流検出器を設置する特定電流検出器設置領域を、前記第1接続部と前記第2接続部との間に設けてもよい。
【0041】
このようにすれば、商用電力系統から供給される電流と分散型電源から供給される電流を検出する特定電流検出器を特定電流検出器設置領域に設置することにより、電力供給装置は、商用電力系統から供給される電力と分散型電源から供給される電力とに基づいて的確に制禦することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、商用電力系統と連系して負荷に電力を供給する分散型電源及び電力供給装置が、停電時にそれぞれ適切に自立運転を行う技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】本発明の実施例1に係る通常時の電力供給システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施例1に係る停電時の電力供給システムの概略構成図である。
図3】本発明の実施例1に係る燃料電池コージェネレーションシステムの電力供給制御方法を説明するフローチャートである。
図4】本発明の実施例2に係る電力供給システムの概略構成図である。
図5】本発明の実施例3に係る全負荷分電盤の概略構成図である。
図6】本発明の実施例4に係る電力供給システムの概略構成図である。
図7】本発明の実施例5に係るハイブリッドパワーコンディショナの概略構成図である。
図8】従来例を説明する図である。
図9】通常時の他の従来例を説明する図である。
図10】停電時の他の従来例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
〔適用例〕
以下、本発明の適用例に係る電力供給システムについて、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る電力供給システム1の概略構成図である。図1は、商用電力系統10からの電力供給が停止していない通常時の電力供給システム1を示し、図2は、商用電力系統からの電力供給が停止した停電時の電力供給システムを示す。
電力供給システムでは、商用電力系統10から供給される電力が、全負荷分電盤100及び主分電盤400を介して家庭内負荷11に供給される。家庭内負荷11には、太陽光発電システム200、蓄電池システム300及び燃料電池コージェネレーションシステム500から出力される電力も供給される。以下の説明では、特に断らない限り、商用電力系統10側を「上流」、家庭内負荷11側を「下流」と称する。
【0045】
太陽光発電システム200は、PVパネル210と、PVパワーコンディショナ220を含む。太陽光発電システム200によって発電された電力は、家庭内負荷11での消費電力を超える場合には、余剰電力を商用電力系統10に売電され、又は、蓄電池ユニット310を充電するために使用される。
【0046】
蓄電池システム300は、蓄電池ユニット310と、パワーコンディショナ320を含む。蓄電池ユニット310から放電された直流電力は電力線311を介してパワーコンディショナ320に入力される。パワーコンディショナ320に入力された直流電力は交流電力に変換され電力線103を通じて出力される。また、電力線103を通じてパワーコンディショナ320に入力された交流電力は、直流電力に変換されて蓄電池ユニット310を充電する。
停電時には、蓄電池ユニット310のパワーコンディショナ320は、電力線103への交流電力の出力を停止し、電力線120を通じて、自立運転出力として交流電力を出力する。
【0047】
燃料電池コージェネレーションシステム500内で発電された直流電力は交流電力に変換され、電力線105を通じて出力される。停電時には、燃料電池コージェネレーションシステム500は、電力線105への交流電力の出力を停止し、電力線14を通じて、自立運転出力として、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に交流電力を出力する。
【0048】
商用電力系統10は、全負荷分電盤100内において、電路101を通じて自動切替器110に接続される。電路101には、接続部CP1において、太陽光発電システム200から交流電力が出力される電力線102が接続される。また、電路101には、接続部CP1の下流側の接続部CP2において、蓄電池システム300から交流電力が出力される電力線103が接続される。電力線103を通じては、商用電力系統10又は太陽光発電システム200から供給される交流電力が蓄電池ユニット310を充電するために供給される。また、電路101の接続部CP2の下流側で、接続部CP2と自動切替器110との間に燃料電池コージェネレーションシステム500から交流電力が出力される電力線105が接続される。
【0049】
電路101の接続部CP1及び接続部CP2の上流側には、電路101を流れる電流を検出する変流器CT1が設けられている。変流器CT1の検出出力は信号線DL1によって蓄電池システム300のパワーコンディショナ320に入力される。
【0050】
電路101の接続部CP2と接続部CP3の間には、電路101を流れる電流を検出する変流器CT2が設けられている。変流器CT2の検出出力は信号線DL2により、燃料電池コージェネレーションシステム500に入力される。
【0051】
電力線103のパワーコンディショナ接続部に電圧が検知された場合、パワーコンディショナ320は、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せずに正常に継続していると判断する。通常時と判断された場合には、蓄電池システム300は、上述のように、電力線103を通じて、交流電力を出力し、家庭内負荷11に交流電力を供給する。なお、商用電力系統10が正常かどうかの検知方法の一例として、商用電力系統10に向けて無効電力をステップ注入し、周波数変動を検出することにより、正常か停電等の異常かを検出する方法がある。
【0052】
電力線103のパワーコンディショナ接続部に電圧が検知されなかった場合、パワーコンディショナ320では、商用電力系統10からの電力供給が停止している、つまり停電であると判断し、電力線103を通じた交流電力の出力を停止し、電力線120を通じて自立運転出力として交流電力を出力する。
また、停電と判断された場合には、太陽光発電システム200では、電力線102を通じた交流電力の出力を停止し、電力線212を通じて、PVパワーコンディショナ220から、蓄電池システム300のパワーコンディショナ320に対して、交流電力を出力する。
【0053】
燃料電池コージェネレーションシステム500では、変流器CT2によって、電路101に流れる電流を検知している。燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が正常であると検出した場合、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せずに正常に継続していると判断する。このとき、燃料電池コージェネレーションシステム500は、電力線105を通じて交流電力を出力し、家庭内負荷11に交流電力を供給する(通常運転モード)。なお、商用電力系統10が正常かどうかの検知方法の一例として、商用電力系統10に向けて無効電力をステップ注入し、周波数変動を検出することにより、正常か停電等の異常かを検出する方法がある。無効電力をステップ注入の方法については、単独運転時の検出に用いることもできる。
【0054】
また、燃料電池コージェネレーションシステム500が、単独運転検出機能を実施すると、通常時には、商用電力系統10からの電力供給は停止していないので、「異常なし」すなわち単独運転状態ではないと判断される。
【0055】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が低下したり電圧が来ていない旨を検出した場合、停電と判断し、自立運転モードに切り替わり、電力線105を通じた交流電力の出力を停止し、自立運転出力として、特定負荷用コンセント13に接続された電力線14を通じて交流電力を出力し、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に対して交流電力を供給する。なお、自立運転時には単独運転検出を行なわない。つまり、燃料電池コージェネレーションシステム500は、停電時に商用電力系統10が正常かどうかの検出方法を行なわない。
【0056】
上述のように、商用電力系統10からの電力供給が停止すると、自動切替器110の接点110aには電圧が発生しない。一方で、蓄電池システム300のパワーコンディショナ320に接続された電力線120により、接点110bには電圧が現れるため、図2に示すように、自動切替器110は、接点110cと接点110bが接続されるように切り替えられる。
【0057】
このように、電力供給システム1によれば、停電時においても、燃料電池コージェネレーションシステム500、蓄電池システム300及び太陽光発電システム200は、それぞれ適切に自立運転を行うことができる。
【0058】
〔実施例1〕
以下、図面を参照して本発明の実施例1に係る電力供給システム1の構成について説明する。ただし、この実施例に記載されている装置の構成は各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施例に限定する趣旨のものではない。
【0059】
図1は、本発明の実施例1に係る電力供給システム1の概略構成図である。図1において電路及び電力線を1本線で略記しているが、実際には、U相、O相、W相の各相の3本の電路及び電力線から構成される。また、図1では、主契約ブレーカや、太陽光発電システム200、蓄電池システム300及び燃料電池コージェネレーションシステム500の各システムや主分電盤400に過大電流が流れるのを防止するためのブレーカの記載を省略しているが、実際にはこれらの機器も接続される。図1は、商用電力系統10からの電力供給が停止していない通常時の電力供給システム1を示し、図2は、商用で力系統からの電力供給が停止した停電時の電力供給システムを示す。
電力供給システム1では、商用電力系統10から供給される電力が、全負荷分電盤100及び主分電盤400及び電力線12を介して家庭内負荷11に供給される。家庭内負荷11には、太陽光発電システム200、蓄電池システム300及び燃料電池コージェネレーションシステム500から出力される電力も供給される。以下の説明では、特に断らない限り、商用電力系統10側を上流、家庭内負荷11側を下流と称する。
ここで、電力供給システム1は本発明の電力供給システムに相当する。また、実施例1に係る電力供給システム1は、本発明の接続方法を具体的に適用して構成したものである。
【0060】
太陽光発電システム200は、太陽光の照射により直流電力を発電するPVパネル210と、PVパネル210から出力される直流電力の電圧を変圧し、直流電力を交流電力に変換して出力するPVパワーコンディショナ220を含む。太陽光発電システム200によって発電された電力は、家庭内負荷11での消費電力を超える場合には、余剰電力を商用電力系統10に売電され、又は、蓄電池ユニット310を充電するために使用される。
ここでは、太陽光発電システム200は、本発明の分散型電源に相当する。
【0061】
蓄電池システム300は、直流電力を蓄積可能な2次電池を含む蓄電池ユニット310と、パワーコンディショナ320を含む。蓄電池ユニット310から放電された直流電力
は電力線311を介してパワーコンディショナ320に入力される。パワーコンディショナ320に入力された直流電力は電圧が変圧され、また、交流電力に変換され電力線103を通じて出力される。また、電力線103を通じてパワーコンディショナ320に入力された交流電力は、直流電力に変換されるとともに充電に適した電圧に変圧され、電力線311を通じて蓄電池ユニット310に入力される直流電力によって、蓄電池ユニット310が充電される。
停電時には、蓄電池ユニット310のパワーコンディショナ320は、電力線103への交流電力の出力を停止し、電力線120を通じて、自立運転出力として交流電力を出力する。パワーコンディショナ320は、図示しないトランスユニットを介して電力線120に自立運転出力を出力する。トランスユニットは、パワーコンディショナ320に内蔵されていてもよいし、図6に示すように、パワーコンディショナと別体に設けられていてもよい。
ここでは、蓄電池システム300は、本発明の分散型電源に相当する。また、電力線120は本発明の停電時電力線に相当する。
【0062】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、都市ガスを改質して水素を製造し、空気中の酸素を反応させて発電するとともに、発電によって発生した熱によって水を加温し貯留する。燃料電池コージェネレーションシステム500内で発電された直流電力は交流電力に変換され、電力線105を通じて出力される。
停電時には、燃料電池コージェネレーションシステム500は、電力線105への交流電力の出力を停止し、電力線14を通じて、自立運転出力として、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に交流電力を出力する。
ここでは、燃料電池コージェネレーションシステム500は、本発明の電力供給装置に相当する。
【0063】
商用電力系統10は、全負荷分電盤100内において、接続部CPを介して電路101に接続され、さらに電路101を通じて自動切替器110に接続される。電路101には、接続部CP1において、太陽光発電システム200から交流電力が出力される電力線102が接続される。また、電路101には、接続部CP1の下流側の接続部CP2において、蓄電池システム300から交流電力が出力される電力線103が接続される。電力線103を通じては、商用電力系統10又は太陽光発電システム200から供給される交流電力が蓄電池ユニット310を充電するために供給される。また、電路101の接続部CP2の下流側で、接続部CP2と自動切替器110との間に位置する接続部CP3に燃料電池コージェネレーションシステム500から交流電力が出力される電力線105が接続される。
ここでは、接続部CPは本発明の系統接続部に相当する。電路101は本発明の第1電路に相当する。また、接続部CP1及び接続部CP2は本発明の第1接続部に相当する。太陽光発電システム200から接続部CP1を通じて電路101に入力される交流電力、蓄電池システム300から接続部CP2を通じて電路101に入力される交流電力が本発明の通常運転出力に相当する。また、接続部CP3は本発明の第2接続部に相当し、燃料電池コージェネレーションシステム500から第2接続部を通じて電路101に入力される交流電力が、本発明の通常運転出力に相当する。また、電力線102及び電力線103は、本発明の入力電力線に相当する。
【0064】
自動切替器110は、主分電盤400に交流電力を供給する電力線104が接続される接点110cと、電路101が接続される接点110aと、蓄電池システム300から自立運転出力として交流電力が出力される電力線120が接続される接点110bとを有し、接点110cは、接点110a又は接点110bのいずれか一方に切り替えて接続される。自動切替器110は、基本的に、接点110a又は接点110bの電圧が発生している方の接点に切り替えられ、接点110cと接続される。なお、この実施例において、自動
切替器110の切り替えは「自動」であってもよいし、人間の操作による「手動」であってもよいし、システムにより制御されて切る替わるものであってもよい。自動切替器は、手動の切替器やシステムによって制御される切替器によっても代替することができる。以下の実施例についても同様である。
ここで、自動切替器110は、本発明の切替器に相当する。また、接点110a、接点110b及び接点110cは、それぞれ本発明の第1入力端子、第2入力端子及び出力端子に相当する。また、接点110a及び接点110bは、本発明の二つの入力側に相当し、それぞれ本発明の一方の入力側及び他方の入力側に相当する。また、接点110cは、本発明の出力側に相当する。また、電力線104(及び電力線12)は、本発明の出力電力線に相当する。
【0065】
電路101の接続部CP1及び接続部CP2の上流側には、電路101を流れる電流を検出する変流器CT1が設けられている。変流器CT1の検出出力は信号線DL1によって蓄電池システム300のパワーコンディショナ320に入力される。
ここでは、変流器CT1は本発明の第1電流検出器に相当し、変流器CT1の検出出力は本発明の第1電流検出器の検出結果に相当する。また、電路101の接続部CP1及び接続部CP2の上流側において電路101を流れる電流は、本発明の第1電流に相当する。
【0066】
電路101の接続部CP2と接続部CP3の間、すなわち、接続部CP2の下流側かつ接続部CP3の上流側には、電路101を流れる電流を検出する変流器CT2が設けられている。変流器CT2の検出出力は信号線DL2により、燃料電池コージェネレーションシステム500に入力される。
ここでは、変流器CT2は本発明の第2電流検出器及び特定電流検出器に相当し、変流器CT2の検出出力が本発明の第2電流検出器の検出結果に相当する。また、電路101の接続部CP2と接続部CP3の間、すなわち、接続部CP2の下流側かつ接続部CP3の上流側において電路101を流れる電流は、本発明の第2電流に相当する。
【0067】
蓄電池システム300では、電力線103のパワーコンディショナ接続部に電圧が検知された場合には、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せずに正常に継続していると判断する。通常時と判断された場合には、蓄電池システム300は、上述のように、電力線103を通じて、交流電力を出力し、接続部CP2、自動切替器110、主分電盤400を介して、家庭内負荷11に交流電力を供給し、又は、電力線103を通じて交流電力を入力し、蓄電池ユニット310を充電する。
【0068】
電力線103のパワーコンディショナ接続部に電圧が検知されなかった場合には、蓄電池システム300のパワーコンディショナ320では、商用電力系統10からの電力供給が停止している、つまり停電であると判断し、電力線103を通じた交流電力の出力を停止する。このため、接続部CP2を介した電路101への蓄電池システム300からの交流電力の供給は停止する。また、蓄電池システム300のパワーコンディショナ320は、停電と判断すると、電力線120を通じて自立運転出力として交流電力を出力する。
また、停電と判断された場合には、太陽光発電システム200では、電力線102を通じた交流電力の出力を停止し、電力線212を通じて、PVパワーコンディショナ220から、蓄電池システム300のパワーコンディショナ320に対して、直流又は交流電力を出力する。
【0069】
燃料電池コージェネレーションシステム500では、変流器CT2によって、電路101に流れる電流を検知している。変流器CT1が設けられた接続部CP2と接続部CP3との間の位置では、電路101を通じて、商用電力系統10、蓄電池システム300及び太陽光発電システム200から供給される電流が流れる。すなわち、家庭内負荷11の消
費電力のうち、燃料電池コージェネレーションシステム500の供給分を除く分が、変流器CT2によって検出されることになる。以下に、図3のフローチャートを参照して、燃料電池コージェネレーションシステム500による電力供給制御方法を説明する。
燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が正常であると検出した場合、すなわち、図3のステップS1においてNoである場合には、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せずに正常に継続していると判断する。このとき、燃料電池コージェネレーションシステム500は、電力線105を通じて交流電力を出力し、接続部CP3、自動切替器110、主分電盤400を介して、家庭内負荷11に交流電力を供給する(通常運転モード)(ステップS2)。
【0070】
また、燃料電池コージェネレーションシステム500は、単独運転検出機能を備える。単独運転とは、商用電力系統10に事故等が発生し電力供給が停止した状態で、太陽光発電システム200、蓄電池システム300、燃料電池コージェネレーションシステム500が家庭内負荷11に電力を供給する状態である。単独運転検出には種々の方式があるが、例えば、無効電力を注入することにより出力電圧に周波数変動を与え、その結果として現れる周波数変動の大きさにより単独運転であるか否かを判断する方式がある。このとき、系統周期の移動平均値を算出して記憶し、最新の移動平均値と過去の移動平均値と比較して偏差量を算出し、その偏差量に基づいて、系統周期がより変化する方向に無効電力を注入することにより、単独運転状態を高速に判断できることが知られている。このような、単独運転検出機能は、太陽光発電システム200及び蓄電池システム300も備えることができるが、説明は省略する。
上述のような単独運転検出を実施すると(ステップS3)、通常時には、商用電力系統10からの電力供給は停止していないので、「異常なし」すなわち単独運転状態ではないと判断される(ステップS4)。変流器CT2による電流検出は適宜のタイミングで繰り返され、ステップS1に戻る。
【0071】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が低下したり電圧が来ていない旨を検出した場合、すなわち、図3のステップS1においてYesである場合には、停電と判断し、自立運転モードに切り替わり、電力線105を通じた交流電力の出力を停止し、自立運転出力として、特定負荷用コンセント13に接続された電力線14を通じて交流電力を出力し、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に対して交流電力を供給する(ステップS5)。
【0072】
上述のように、商用電力系統10からの電力供給が停止すると、商用電力系統10に接続される電路101へは、太陽光発電システム200、蓄電池システム300及び燃料電池コージェネレーションシステム500のいずれからの電力供給も停止するため、自動切替器110の接点110aには電圧が発生しない。一方で、蓄電池システム300のパワーコンディショナ320に接続された電力線120により、接点110bには電圧が現れるため、図2に示すように、自動切替器110は、接点110cと接点110bが接続されるように切り替えられる。
【0073】
停電から復電し、商用電力系統10からの電力供給が開始されると、電力線103のパワーコンディショナ接続部に電圧が来ているのを検知して蓄電池システム300は通常時と判断し、電力線120からの自立運転出力を停止する。自動切替器110では、接点110bに電圧が現れず、接点110aに電圧が発生するため、接点110bから接点110aに切り替えられ、接点110cと接点110aが接続される。商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が正常であると検出した場合、燃料電池コージェネレーションシステム500は通常時に復帰したと判断し、変流器CT2によって検出された電流分を発電し、電力線105を通じて交流電力を出力し、接続部CP3、自動切替器1
10、主分電盤400を介して家庭内負荷11に電力を供給する。
なお、この実施例1では変流器CT1を、全負荷分電盤100内の接続部CPと電路101の接続部CP1との間に設けた構成を例示したが、変流器CT1の位置を全負荷分電盤100の外であってもよく、例えば接続部CPの直前の上流の位置に設けてもよい。それは図のように接続部CPの直後の下流の位置における電流値と、接続部CPの直前の上流の位置における電流値は実質的に同じだからである。この変形は、以下の他の実施例においても同様に適用できる。
【0074】
このように、電力供給システム1によれば、停電時においても、燃料電池コージェネレーションシステム500、蓄電池システム300及び太陽光発電システム200は、それぞれ適切に自立運転を行うことができる。
【0075】
〔実施例2〕
図4に本発明の実施例2に係る電力供給システム1の概略構成を示す。実施例1と共通する構成については、同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。
【0076】
図4に示す電力供給システム1は、燃料電池コージェネレーションシステム500の構成を明示した点を除き、図1に示す電力供給システム1と全体構成は同一である。図4では、自動切替器110が通常時の接続状態となっている。電力供給システム1の動作は、実施例1において説明したところと同じであるが、燃料電池コージェネレーションシステム500の各構成に関連する部分についてあらためて説明する。実施例2に係る電力供給システム1は、本発明の接続方法を具体的に適用して構成したものである。
【0077】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、主として、制御部510、燃料電池ユニット520及び貯湯タンク540を含む。制御部510は、燃料電池コージェネレーションシステム500全体の動作を制御するコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access
Memory)等のメモリを備える。燃料電池ユニット520は、都市ガスを改質して水を製
造する水素製造装置、水素と空気中の酸素を反応させて電気と熱を発生させる燃料電池セルを含む発電装置、発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換するインバータ、発電装置で発生した熱を回収する熱回収装置を含む。貯留タンクは、熱回収装置によって加熱された湯を貯留するタンクである。
【0078】
燃料電池コージェネレーションシステム500では、変流器CT2に接続された信号線DL2は、制御部510に入力される。また、燃料電池ユニット520は、電力線105を通じて、通常時に家庭内負荷に交流電力(通常運転出力)を供給する電力出力部521と、電力線14を通じて停電時に特定負荷用コンセント13に接続された負荷に交流電力(自立運転出力)を供給する停電時出力部522とを備える。電力出力部521及び制御部510によって、実施例1において説明した単独運転検出機能を実現できるようにすることもできる。
ここでは、制御部510、電力出力部521及び停電時出力部522は、それぞれ本発明の制御部、通常時出力部及び停電時出力部に相当する。
【0079】
実施例1において説明したように、電力線105は、自動切替器110と接続部CP2との間に設けられた接続部CP3において電路101に接続され、変流器CT2は、接続部CP2と接続部CP3との間に設けられている。
【0080】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が正常であると検出した場合には、制御部510が、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せず継続していると判断し、電力出力部5
21から、電力線105を通じて交流電力を出力し、接続部CP3、自動切替器110、主分電盤400を介して、家庭内負荷11に交流電力を供給する。
【0081】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、変流器CT2による電流の検出が「なし」である(検出値が0である)場合には商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が低下したり電圧が来ていない旨を検出した場合には、制御部510が停電と判断して、自立運転モードに切り替え、電力線105を通じた電力出力部521からの交流電力の出力を停止し、自立運転出力として、停電時出力部522から、特定負荷用コンセント13に接続された電力線14を通じて交流電力を出力し、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に対して交流電力を供給する。
【0082】
このように、電力供給システム1における燃料電池コージェネレーションシステム500は、停電時においても、適切に自立運転を行うことができる。
【0083】
〔実施例3〕
図5は、実施例1及び実施例2に係る電力供給システム1の全負荷分電盤100として用いられる分電盤600の構成を示す。実施例3に係る分電盤600は、本発明の接続方法を具体的に適用して構成したものである。
【0084】
分電盤600は、商用電力系統が接続される系統接続部CP61と、自動切替器610と、系統接続部CP61と自動切替器610とを接続する電路601とを備える。電路601上には、通常時に、蓄電池システム300等の分散型電源である第1電源が電力線102及び電力線103(又は電力線107)を介して接続される第1電源接続部CP62と、通常に、燃料電池コージェネレーションシステム500等の第2電源が電力線105を介して接続される第2電源接続部CP63と、第1電源に検出出力が入力される変流器CT1のような第1電流検出器を設置可能な第1電流検出器設置領域Ar1と、第2電源に検出出力が入力される変流器CT2のような第2電流検出器を設置可能な第2電流検出器設置領域Ar2とが設けられている。
ここでは、系当接部CP61は本発明の系統接続部に相当する。また電路601は本発明の第1電路に相当する。第1電源接続部CP62は本発明の第1接続部に相当する。第2電源接続部CP63は本発明の第2接続部に相当する。変流器CT1及び第1電流検出器設置領域Ar1は、それぞれ本発明の第1電流検出器及び第1電流検出器設置領域に相当する。また、変流器CT2及び第2電流検出器設置領域Ar2は、それぞれ本発明の第2電流検出器(又は特定電流検出器)及び第2電流検出器設置領域(特定電流検出器設置領域)に相当する。また、電力線102及び電力線103(又は電力線107)は、本発明の入力電力線に相当する。また、電力線120は、本発明の停電時電力線に相当する。また、電力線105は、本発明の特定電力線に相当する。
【0085】
自動切替器610には、電路601が接続される接点610aと、停電時に、電力供給可能な第3電源が接続される第3電源接続部610bと、負荷が接続される接点610cとを備える。自動切替器610は、接点610cと、接点610a及び第3電源接続部610bのいずれか一方の電圧が発生している方に接続するように自動的に切り替えられる機能を有する。
ここでは、自動切替器610は本発明の自動切替器に相当する。また、接点610a、第3電源接続部610b及び接点610cは、それぞれ本発明の第1入力端子、第2入力端子及び出力端子に相当する。また、接点610a及び第3電源接続部610bは、本発明の二つの入力側に相当し、それぞれ本発明の一方の入力側及び他方の入力側に相当する。また、接点610cは、本発明の出力側に相当する。
【0086】
系統接続部CP61に商用電力系統10を接続し、第1電源接続部CP62に、電力線
103を介して蓄電池システム300を接続し、第1電流検出器設置領域Ar1に、信号線DL1を通じて蓄電池システム300に検知出力が入力される変流器CT1を設置し、第3電源接続部610bに、電力線120を介して蓄電池システム300を接続し、第2電源接続部CP63に、電力線105を介して燃料電池コージェネレーションシステム500を接続し、第2電流検出器設置領域Ar2に、信号線DL2を通じて燃料電池コージェネレーションシステム500に検知出力が入力される変流器CT2を設置し、接点610cに電力線104を介して主分電盤400及び家庭内負荷11を接続して構成される電力供給システムの動作については実施例1及び実施例2において説明した通りである。
ここでは、電力線104は、本発明の出力電力線に相当する。
【0087】
系統接続部CP61に商用電力系統10を接続し、第1電源接続部CP62に、電力線107を介して後述する蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301(図6参照)を接続し、第1電流検出器設置領域Ar1に、信号線DL1を通じて蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301に検知出力が入力される変流器CT1を設置し、第3電源接続部610bに、電力線108を介して蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301を接続し、第2電源接続部CP63に、電力線105を介して燃料電池コージェネレーションシステム500を接続し、第2検知部設置領域Ar2に、信号線DL2を通じて燃料電池コージェネレーションシステム500に検知出力が入力される変流器CT2を設置し、接点610cに電力線106を介して家庭内負荷11を接続して構成される電力供給システムの動作については実施例3において説明した通りである。
【0088】
このような分電盤600を用いることにより、停電時においても、燃料電池コージェネレーションシステム500、蓄電池システム300及び太陽光発電システム200が、それぞれ適切に自立運転を行うことができる電力供給システム1を構築することができる。また、このような分電盤600を用いることにより、停電時においても、燃料電池コージェネレーションシステム500、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301が、それぞれ適切に自立運転を行うことができる電力供給システム2を構築することができる。
また、分電盤600を構成する、系統接続部CP61、電路601、第1電流検出器設置領域Ar1、第1電源接続部CP62、第2電流検出器設置領域Ar2、第2接続部CP63及び自動切替器610は、分電盤600に限定されず、電力供給システムに種々の形態で適用できる構成であり、本発明の電力供給路に相当する。
なお、この実施例において第1電流検出器設置領域Ar1を、分電盤600内の系統接続部CP61と第1電源接続部CP62の間の位置に設けたが、この位置に限らず、分電盤600の外の位置で、系統接続部CP61の直前の上流の位置に設けても良い。
【0089】
〔実施例4〕
図6は、実施例4に係る電力供給システム2を示す。実施例1及び実施例2と共通する構成については共通の符号を用いて詳細な説明を省略する。電力供給システム1は、本発明の電力供給システムに相当する。また、実施例4に係る電力供給システム2は、本発明の接続方法を具体的に適用して構成したものである。また、電力供給システム2は、電力供給システム1において全負荷分電盤100として説明した構成を、分電盤に限定されない電力供給路130として備える。電力供給路130は、単一の装置であってもよいし、又は複数の装置から構成されてもよく、特定の装置構成を有しなくてもよく、適宜の構成が可能である。
【0090】
図6では、商用電力系統10は系統接続部CPを介して電路101に接続され、さらに電路101を通じて、自動切替器110の接点110aに接続される。自動切替器110の接点110cには、家庭内負荷11に接続される電力線106が接続される。また、電力供給システム2は、独立した蓄電池システム300及び太陽光発電システム200に代えて、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301を備える。
【0091】
蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301は、蓄電池ユニット310の充放電及びPVパネル210による発電を制御する機能を有するハイブリッドパワーコンディショナ330を備える。蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301では、PVパネル210によって発電された直流電力が電力線211を通じてPVユニット230に入力される。入力された直流電力は、PVユニット230において所定の直流電圧に変換され、電力線213を通じてハイブリッドパワーコンディショナ330に入力される。PVユニット230から入力された直流電力は交流電力に変換されて、電力線107に出力される。また、PVユニット230から入力された直流電力は所定の電圧に変圧され、電力線311を通じて蓄電池ユニット310を充電するために供給される。蓄電池ユニット310から放電された直流電力は、電力線311を通じてハイブリッドパワーコンディショナ330に入力され、所定の電圧に変換され、さらに交流電力に変換されて、電力線107に出力される。電力線107は、接続部CP2において、電路101に接続される。また、ハイブリッドパワーコンディショナ330では、蓄電池ユニット310又はPVユニット230から入力された直流電力から変換された交流電力が、電力線312を通じてトランスユニット340に出力される。トランスユニット340に入力された交流電力はトランスユニット340で所定の電圧に変圧され電力線108に出力される。電力線108は、自動切替器110の接点110bに接続される。なお、この実施例ではPVユニット230がハイブリッドパワーコンディショナ330と別体になっている例を示しているが、ハイブリッドパワーコンディショナ330はPVユニットの機能を内蔵したものであってもよい。内蔵したハイブリッドパワーコンディショナ330であれば、PVパネル210の直流電力の電力線211を直接に接続する構成となる。
ここでは、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301は、本発明の分散型電源に相当する。また、電力線107は、本発明の入力電力線に相当する。また、電力線108は、本発明の停電時電力線に相当する。
【0092】
変流器CT1は、電路101の、接続部CP2の上流側に設けられ、変流器CT1の検出出力は、信号線DL1を通じてハイブリッドパワーコンディショナ330に入力される。電路101の、接続部CP2の下流側かつ自動切替器110の上流側に燃料電池コージェネレーションシステム500によって発電された交流電力が供給される電力線105を接続する接続点CP3が設けられている。そして、電路101の、接続部CP2と接続部CP3の間、すなわち接続部CP2の下流側かつ接続部CP3の上流側の位置に、変流器CT2が設けられる。変流器CT2の検出出力は、燃料電池コージェネレーションシステム500に接続される信号線DL2を通じて、燃料電池コージェネレーションシステム500に入力される。
【0093】
蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301では、電力線107のパワーコンディショナ接続部に電圧が検知された場合、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せずに正常に継続していると判断する。通常時と判断された場合には、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301は、上述のように、電力線107を通じて、交流電力を出力し、接続部CP2、自動切替器110を介して、家庭内負荷11に交流電力を供給し、又は、電力線107を通じて交流電力を入力し、蓄電池ユニット310を充電する。
【0094】
電力線107のパワーコンディショナ接続部に電圧が検知されなかった場合には、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301のハイブリッドパワーコンディショナ330では、商用電力系統10からの電力供給が停止している、つまり停電であると判断し、電力線107を通じた交流電力の出力を停止する。このため、接続部CP2を介した電路101への蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301からの交流電力の供給は停止する。また、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301のハイブリッドパワーコンデ
ィショナ330は、停電と判断すると、電力線312を通じてトランスユニット340に交流電力を出力し、トランスユニット340を介して、自立運転出力として交流電力を電力線108に出力する。
【0095】
燃料電池コージェネレーションシステム500では、変流器CT2によって、電路101に流れる電流を検知している。変流器CT1が設けられた接続部CP2と接続部CP3との間の位置では、電路101を通じて、商用電力系統10及び蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301から供給される電流が流れる。すなわち、家庭内負荷11の消費電力のうち、燃料電池コージェネレーションシステム500の供給分を除く分が、変流器CT2によって検出されることになる。
燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が正常であると検出した場合には、通常時、すなわち、商用電力系統10からの電力供給が停止せずに正常に継続していると判断する。このとき、燃料電池コージェネレーションシステム500は、電力線105を通じて交流電力を出力し、接続部CP3、自動切替器110を介して、家庭内負荷11に交流電力を供給する(通常運転モード)。
【0096】
また、燃料電池コージェネレーションシステム500は、実施例1において説明した単独運転検出機能を備えることができる。この単独運転検出機能によると、通常時には、商用電力系統10からの電力供給は停止していないので、「異常なし」すなわち単独運転状態ではないと判断される。
【0097】
燃料電池コージェネレーションシステム500は、商用電力系統10につながる電力線105の接続部の電圧が正常であると検出した場合には、停電と判断し、自立運転モードに切り替わり、電力線105を通じた交流電力の出力を停止し、自立運転出力として、特定負荷用コンセント13に接続された電力線14を通じて交流電力を出力し、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に対して交流電力を供給する。なお、自立運転時には単独運転検出を行なわない。つまり、燃料電池コージェネレーションシステム500は、停電時に商用電力系統10が正常かどうかの検出方法を行なわない。
【0098】
上述のように、商用電力系統10からの電力供給が停止すると、商用電力系統10に接続される電路101へは、太陽光発電システム200、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301及び燃料電池コージェネレーションシステム500のいずれからの電力供給も停止するため、自動切替器110の接点110aには電圧が発生しない。一方で、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301のトランスユニット340に接続された電力線108により、接点110bには電圧が現れるため、自動切替器110は、図4に示す状態から接点110cと接点110bが接続されるように切り替えられる。
【0099】
停電から復電し、商用電力系統10からの電力供給が開始されると、変流器CT1が電路101を流れる電流を検知して蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301は通常時と判断し、電力線108からの自立運転出力を停止する。自動切替器110では、接点110bに電圧が現れず、接点110aに電圧が発生するため、接点110bから接点110aに切り替えられ、接点110cと接点110aが接続される。変流器CT2が電路101に電流が流れるのを検出することにより、燃料電池コージェネレーションシステム500は通常時に復帰したと判断し、変流器CT2によって検出された電流分を発電し、電力線105を通じて交流電力を出力し、接続部CP3、自動切替器110、主分電盤400を介して家庭内負荷11に電力を供給する。
【0100】
このように、電力供給システム2によれば、停電時においても、燃料電池コージェネレーションシステム500、蓄電池・太陽光発電ハイブリッドシステム301は、それぞれ
適切に自立運転を行うことができる。
【0101】
〔実施例5〕
図7は、実施例5に係るハイブリッドパワーコンディショナ700の概略構成を示す図である。図7において、各電路及び電力線は1本線で表記しているが、実際には、交流電流が流れる電路及び電力線は、実際には、U相、O相、W相の各相の3本の電路及び電力線から構成され、直流電流が流れる電路及び電力線は、2本の電路及び電力線から構成される。
ハイブリッドパワーコンディショナ700は、蓄電池ユニット310の充放電及びPVパネル210の発電を制御する機能を有する。また、ハイブリッドパワーコンディショナ700は、後述するように、商用電力系統10の接続部と燃料電池コージェネレーションシステム500と、家庭内負荷11の接続部を備える。
ここでは、ハイブリッドパワーコンディショナ700は、本発明の電力変換装置に相当する。また、実施例5に係るハイブリッドパワーコンディショナ700は、本発明の接続方法を具体的に適用して構成したものである。
【0102】
ハイブリッドパワーコンディショナ700は、まず、制御部711、入力部712、変圧部713、入出力部714、変換部715、入出力部716、切替器703を含む電力変換部710を備える。
制御部711は、上述の入力部712等の各部を制御することにより、蓄電池ユニット310の充放電及びPVパネル210の発電を制御する。制御部711には、商用電力系統10に接続される電力線を流れる電流を検出する変流器CT21からの検出出力が信号線DL21を通じて入力される。また、制御部711は、通常時と停電時とに応じて、後述する切替器703を制御する。なお、図示していないが、電力供給路720の電路701が上流で商用電力系統10側につながり、制御部711が電路701の電圧を監視するようにして、商用電力系統10の通常時、停電時を検出してもよい。
ハイブリッドパワーコンディショナ700では、PVパネル210によって発電された直流電力が電力線211を通じてPVユニット230に入力される。入力された直流電力は、PVユニット230において所定の直流電圧に変換され、電力線213を通じてハイブリッドパワーコンディショナ700の入力部712に入力される。PVユニット230から入力された直流電力は変換部715において交流電力に変換されて、入出力部716から電路706に出力される。また、PVユニット230から入力された入力部712に入力された直流電力は変圧部713において所定の電圧に変圧され、入出力部714から電力線311を通じて蓄電池ユニット310を充電するために供給される。蓄電池ユニット310から放電された直流電力は、入出力部714に入力され、変圧部713において所定の電圧に変換され、さらに変換部715において交流電力に変換されて、入出力部716から電力線107に出力される。電路706は、切替器703の接点703cに接続される。
ここでは、電力変換部710は本発明の電力変換部に相当する。また、入出力部716は本発明の出力部に相当する。また、切替器703は本発明の第1切替器に相当する。接点703cは本発明の第1端子に相当する。
【0103】
ハイブリッドパワーコンディショナ700は、さらに、PVユニット230、蓄電池ユニット310、商用電力系統10及び燃料電池コージェネレーションシステム500と、家庭内負荷11とを接続する電力供給路720を備える。なお、この実施例ではPVユニット230がハイブリッドパワーコンディショナ700と別体になっている例を示しているが、ハイブリッドパワーコンディショナ700はPVユニットの機能を内蔵したものであってもよい。内蔵したハイブリッドパワーコンディショナ700であれば、PVパネル210の直流電力の電力線211を直接に接続する構成となる。
ここでは、電力供給路720は本発明の電力供給路に相当する。
【0104】
ハイブリッドパワーコンディショナ700の電力供給路720には、商用電力系統10が接続される系統接続部CP21、家庭内負荷11に接続される自動切替器702、第1接続部CP21と自動切替器702とを接続する電路701、燃料電池コージェネレーションシステム500によって発電された電力が出力される電力線105が電路708を介して接続される燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP24、家庭内負荷11に電力を出力する電力線106が電路709を介して接続される負荷接続部CP25が設けられている。以下の説明では、商用電力系統10側を上流、家庭内負荷11側を下流と称する。
ここでは、系統接続部CP21は本発明の系統接続部に相当する。また、自動切替器702は本発明の切替器及び第2切替器に相当する。また、電路701は本発明の第1電路に相当する。また、燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP24は、本発明の電力供給装置接続部に相当する。また、負荷接続部CP25は、本発明の負荷接続部に相当する。また、電力線106(及び電路709)は、本発明の負荷出力線に相当する。
【0105】
電力供給路720の電路701上の自動切替器702に至る途中には、電路701と切替器703とを接続する電路704が接続される太陽光発電・蓄電池接続部CP22が設けられている。また、電力供給路720の電路701上の、太陽光発電・蓄電池接続部CP22と自動切替器702との間、すなわち、太陽光発電・蓄電池接続部CP22の下流、かつ、自動切替器702の上流の位置には、燃料電池コージェネレーションシステム500によって発電された電力を供給するための電力線105が燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP24及び電路708を介して接続される燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP23が設けられている。また、電力供給路720の電路701上の太陽光発電・蓄電池接続部CP22と燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP23との間、すなわち、太陽光発電・蓄電池接続部CP22の下流、かつ、燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP23の上流の位置には、電路701に流れる電流を検出する変流器CT2を設置するための検出部設置領域Ar21を設けている。検出部設置領域Ar21に設置された変流器CT2は、信号線DL2により燃料電池コージェネレーションシステム500に接続され、変流器CT2の検出出力が燃料電池コージェネレーションシステム500に入力される。図7では、ハイブリッドパワーコンディショナ700の外側に変流器CT21を設ける場合について説明しているが、系統接続部CP21と太陽光発電・蓄電池接続部CP22との間、すなわち、系統接続部CP21の下流、かつ、太陽光発電・蓄電池接続部CP22の上流の位置に検出部設置領域Ar22を設け、この検出部設置領域Ar22に変流器CT21を設けてもよい。
ここでは、太陽光発電・蓄電池接続部CP22は本発明に第1接続部に相当する。燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP23は本発明の第2接続部に相当する。変流器CT2及び検出部設置領域Ar21は、それぞれ本発明の第1電流検出器(又は特定電流検出器)及び第2電流検出器設置領域(又は特定電流検出器設置領域)に相当する。変流器CT21は本発明の第1電流検出器に相当する。また、電路704が本発明の分散型電源通常時電路及び入力電力線に相当する。また、電力線105が本発明の通常時出力線及び特定電力線に相当する。
【0106】
自動切替器702は、家庭内負荷11に交流電力を供給する電力線104が負荷接続部CP25及び電路709を介して接続される接点702cと、電路701が接続される接点702aと、入出力部716から自立運転出力として交流電力が出力される電路705が接続される接点702bとを有し、接点702cは、接点702a又は接点702bのいずれか一方に切り替えて接続される。自動切替器702は、基本的に、接点702a又は接点702bの電圧が発生している方の接点に切り替えられ、接点702cと接続される。この実施例において、自動切替器702は「自動」で切り替わるものでもよいし、例えば制御部711の指示により切り替え制御がなされる構成としてもよい。
ここでは、接点702a、接点702b、接点702cが、それぞれ本発明の第1入力端子、第2入力端子、出力端子に相当する。また、電路705は本発明の分散型電源停電時電路に相当する。また、接点702a及び接点702bは、本発明の二つの接点(又は入力側)に相当する。また、接点702a及び接点702bは、それぞれ本発明の一方の接点(又は入力側)及び他方の接点(入力側)に相当する。また、接点702cは本発明の出力側に相当する。
【0107】
切替器703は、入出力部716に接続される電路706が接続される接点703cと、電路704が接続される接点703aと、自動切替器702の接点702bに接続される電路705が接続される接点703cとを有する。制御部711は通常時と判断し、切替器703において、接点703cと接点703aとを接続するように指示する。そして、変流器CT21による電流の検出が「なし」である(検出値が0である)場合には、制御部711は停電と判断し、切替器703において、接点703cと接点703bとを接続するように指示する。
ここでは、接点703a、接点703bは、それぞれ本発明の第2端子、第3端子に相当する。
【0108】
通常時には、切替器703において、接点703cと接点703aとが接続されるので、入出力部716と太陽光発電・蓄電池接続部CP22とが、電路706、切替器703及び電路704を介して接続される。これにより、蓄電池ユニット310から放電された電力、PVパネル210によって発電された電力が、電路701、自動切替器702及び電力線104を介して家庭内負荷11に供給され、又は電路701を介して商用電力系統10に出力される。
【0109】
停電時には、切替器703において、接点703cと接点703bとが接続されるので、入出力部716と電路705とが、電路706、切替器703及び電路705を介して接続される。停電時には、商用電力系統10からの電力供給が停止し、太陽光発電・蓄電池接続部CP22を介した蓄電池ユニット310及びPVパネル210からの電力供給が停止し、燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP23を介した燃料電池コージェネレーションシステム500からの電力供給も停止し、電路701には電圧が現れない。一方、切替器703が切り替えられ、接点703cと接点703bが接続されるので、電路705には、入出力部716から自立運転出力として交流電力が出力され、自動切替器702の接点702bに電圧が現れる。このため、自動切替器702は、図6に示すように、接点702cと接点702aが接続された状態から切り替わって、接点702cと接点702bが接続される。このようにして、停電時には、家庭内負荷11に対して、蓄電池ユニット310及びPVパネル210から電力が供給される。このとき、燃料電池コージェネレーションシステム500は、燃料電池コージェネレーションシステム接続部CP23への出力に代えて、発電した電力を特定負荷用コンセント13に接続された電力線に自立運転出力として交流電力を出力し、特定負荷用コンセント13に接続された負荷に交流電力を供給する。
なお、この実施例では蓄電池ユニット310とPVパネル210との2つを接続して制御するハイブリッドパワーコンディショナを例示していたが、蓄電池ユニット310のみを専用に接続する蓄電池用パワーコンディショナや、PVパネル210のみを専用に接続するPV用パワーコンディショナに置き換えた実施例でも実現可能である。蓄電池用パワーコンディショナの場合には、入力部712がない構成となり、PV用パワーコンディショナであれば変圧部713、入出力部714がない構成となる。ハイブリッドでなくて、蓄電池用パワーコンディショナまたはPV用パワーコンディショナであっても、電力供給路720の構成はそのまま同じで、電力変換部710の制御部711や変換部715、入出力部716、切替器703の機能もほぼ同様の構成となる。
【0110】
<付記1>
商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源(200,300)と、
前記商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置(500)と、
前記商用電力系統(10)、前記分散型電源(200,300)及び前記電力供給装置(500)から供給される電力を負荷に供給する全負荷分電盤(100)と、
を含む電力供給システム(1)であって、
前記全負荷分電盤(100)は、
前記商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(110a)と、前記分散型電源(200,300)から前記自立運転出力が入力される第2入力端子(110b)と、前記負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(110c)と、を有し、該第1入力端子(110a)及び該第2入力端子(110b)を切り替えて該出力端子(110c)に接続する切替器(110)と、
前記商用電力系統(10)が接続される系統接続部(CP)と、
前記系統接続部(CP)と、前記第1入力端子(110a)とを接続する第1電路(101)と、
前記第1電路(101)上に設けられ、前記分散型電源(200,300)が接続され、該分散型電源(200,300)から前記通常運転出力が入力される第1接続部(CP1,CP2)と、
前記第1電路(101)上の、前記第1接続部(CP1,CP2)と前記切替器(110)との間に設けられ、前記電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP3)と、
前記商用電力系統(10)から前記第1電路(101)に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源(200,300)を制御するために該分散型電源(200,300)に接続される第1電流検出器(CT1)と、
前記第1接続部(CP1,CP2)と前記第2接続部(CP3)とを接続する前記第1電路(101)を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置(500)を制御するために該電力供給装置(500)に接続される第2電流検出器(CT2)と、
を備えたことを特徴とする電力供給システム(1)。
【0111】
<付記2>
商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(610a)と、分散型電源(200,300)から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子(610b)と、負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(610c)と、を有し、該第1入力端子(610a)及び該第2入力端子(610b)を切り替えて該出力端子(610c)に接続する切替器(610)と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部(CP61)と、
前記系統接続部(CP61)と、前記第1入力端子(610a)とを接続する第1電路(601)と、
前記第1電路(601)上に設けられ、前記分散型電源(200,300)が接続され、該分散型電源(200,300)から前記通常運転出力が入力される第1接続部(CP62)と、
前記第1電路(601)上の、前記第1接続部(CP62)と前記切替器(610)との間に設けられ、前記商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP63)と、
前記商用電力系統(10)から前記第1電路(601)に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源を制御するために該分散型電源(200,300)に
接続される第1電流検出器(CT1)を設置する第1電流検出器設置領域(Ar1)と、
前記第1接続部(CP62)と前記第2接続部(CP63)とを接続する前記第1電路(601)を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置(500)を制御するために該電力供給装置(500)に接続される第2電流検出器(CT2)を設置する第2電流検出器設置領域(Ar2)と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤(600)。
【0112】
<付記3>
商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(610a)と、分散型電源(200,300)から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子(610b)と、負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(610c)と、を有し、該第1入力端子(610a)及び該第2入力端子(610b)を切り替えて該出力端子(610c)に接続する切替器(610)と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部(CP61)と、
前記系統接続部(CP61)と、前記第1入力端子(610a)とを接続する第1電路(601)と、
前記第1電路(601)上に設けられ、前記分散型電源(200,300)が接続され、該分散型電源(200,300)から前記通常運転出力が入力される第1接続部(CP62)と、
前記第1電路(601)上の、前記第1接続部(CP62)と前記切替器(610)との間に設けられ、前記商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP63)と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤(600)。
【0113】
<付記4>
商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(610a)と、分散型電源(200,300)から該商用電力系統の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子(610b)と、負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(610c)と、を有し、該第1入力端子(610a)及び該第2入力端子(610b)を切り替えて該出力端子(610c)に接続する切替器(610)と、
前記商用電力系統が接続される系統接続部(CP61)と、
前記系統接続部(CP61)と、前記第1入力端子(610a)とを接続する第1電路(601)と、
前記第1電路(601)上に設けられ、前記分散型電源(200,300)が接続され、該分散型電源(200,300)から前記通常運転出力が入力される第1接続部(CP62)と、
前記第1電路(601)上の、前記第1接続部(CP62)と前記切替器(610)との間に設けられ、前記商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP63)と、
前記第1接続部(CP62)と前記第2接続部(CP63)とを接続する前記第1電路(601)を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置(500)を制御するために該電力供給装置(500)に接続される第2電流検出器(CT2)を設置する第2電流検出器設置領域(Ar2)と、
を備えたことを特徴とする全負荷分電盤(600)。
【0114】
<付記5>
商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源(200,300)と、
商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(110a)、前記分散型電源(200,300)から自立運転出力が入力される第2入力端子(110b)、負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(110c)を有し、該第1入力端子(110a)及び該第2入力端子(110b)を切り替えて該出力端子(110c)に接続する切替器(110)と、前記商用電力系統(10)が接続される系統接続部(CP)と、前記系統接続部(CP)と、前記第1入力端子(110a)とを接続する第1電路(101)と、前記第1電路(101)上に設けられ、前記分散型電源(200,300)が接続され、該分散型電源(200,300)から通常運転出力が入力される第1接続部(CP1,CP2)と、前記商用電力系統(10)から前記第1電路(101)に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源(200,300)を制御するために該分散型電源(200,300)に接続される第1電流検出器(CT1)と、を備える全負荷分電盤(100)と、
を含む電力供給システム(1)に用いられる電力供給装置(500)であって、
商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有し、
前記第1電路(101)上の、前記第1接続部(CP1,CP2)と前記切替器(11)との間に設けられた第2接続部(CP3)に接続され、前記通常運転出力を出力する通常時出力部(521)と、
停電時に前記自立運転出力を出力する停電時出力部(522)と、
前記第1接続部(CP1,CP2)と前記第2接続部(CP3)とを接続する前記第1電路(101)を流れる電流を検出する第2電流検出器(CT2)から入力された検出結果に基づいて、前記通常時出力部(521)及び前記停電時出力部(522)を制御する制御部(510)と、
を備えたことを特徴とする電力供給装置(500)。
【0115】
<付記6>
商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源(200,300)と、
商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(110a)、前記分散型電源(200,300)から自立運転出力が入力される第2入力端子(110b)、負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(110c)を有し、該第1入力端子(110a)及び該第2入力端子(110b)を切り替えて該出力端子(110c)に接続する切替器(110)と、前記商用電力系統(10)が接続される系統接続部(CP)と、前記系統接続部(CP)と、前記第1入力端子(110a)とを接続する第1電路(101)と、前記第1電路(101)上に設けられ、前記分散型電源(200,300)が接続され、該分散型電源(200,300)から通常運転出力が入力される第1接続部(CP1,CP2)と、前記商用電力系統(10)から前記第1電路(101)に供給される電流である第1電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源(200,300)を制御するために該分散型電源(200,300)に接続される第1電流検出器(CT1)と、を備える全負荷分電盤(100)と、
を含む電力供給システム(1)に用いられる電力供給装置(500)の電力供給制御方法であって、
前記電力供給装置(500)は、商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有し、
前記第1接続部(CP1,CP2)と、前記第1電路(10)上に設けられ、前記電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から通常運転出力が入力される第2接続部(CP3)とを接続する前記第1電路(101)を流れる電流である第2電流を検出するステップと、
前記第2電流が検出される場合に、前記第1電路(101)上の、前記第1接続部(CP1,CP2)と前記切替器(110)との間に設けられた第2接続部(CP3)を介して前記負荷(11)に交流電力を供給するステップと、
単独運転検出を実施するステップと、
単独運転ではないと判断するステップと、
前記第2電流が検出されない場合に、前記電力供給装置(500)に接続された特定負荷用コンセント(13)に接続された特定負荷(14)に前記自立運転出力を供給するステップと、
を含むことを特徴とする電力供給装置(500)の電力供給制御方法。
【0116】
<付記7>
商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源(301)と、
商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置(500)と、
前記商用電力系統(10)、前記分散型電源(301)及び前記電力供給装置(500)から供給される電力を負荷に供給する電力供給路(130)と、
を含む電力供給システム(2)であって、
前記電力供給路(130)は、
前記商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(110a)と、前記分散型電源(301)から前記自立運転出力が入力される第2入力端子(110b)と、前記負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(110c)と、を有し、該第1入力端子(110a)及び該第2入力端子(110b)を切り替えて該出力端子(110c)に接続する切替器(110)と、
前記商用電力系統(10)が接続される系統接続部(CP)と、
前記系統接続部(CP)と、前記第1入力端子(110a)とを接続する第1電路(101)と、
前記第1電路(101)上に設けられ、前記分散型電源(301)が接続され、該分散型電源(301)から前記通常運転出力が入力される第1接続部(CP2)と、
前記第1電路(101)上の、前記第1接続部(CP2)と前記切替器(110)との間に設けられ、前記電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP3)と、
前記商用電力系統(10)から前記第1電路(101)に供給される電流を検出し、該検出結果に基づいて前記分散型電源(301)を制御するために該分散型電源(301)に接続される第1電流検出器(CT1)と、
前記第1接続部(CP2)と前記第2接続部(CP3)とを接続する前記第1電路(101)を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置(500)を制御するために該電力供給装置(500)に接続される第2電流検出器(CT2)と、
を備えたことを特徴とする電力供給システム(2)。
【0117】
<付記8>
商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(110a)と、分散型電源(301)から該商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力が入力される第2入力端子(110b)と、負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(110c)と、を有し、該第1入力端子(110a)及び該第2入力端子(110b)を切り替えて該出力端子(110c)に接続する切替器(110)と、
前記商用電力系統(10)が接続される系統接続部(CP)と、
前記系統接続部(CP)と、前記第1入力端子(110a)とを接続する第1電路(101)と、
前記第1電路(101)上に設けられ、前記分散型電源(301)が接続され、該分散型電源(301)から通常運転出力が入力される第1接続部(CP2)と、
前記第1電路(101)上の、前記第1接続部(CP2)と前記切替器(110)との間に設けられ、商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力
を有する電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP3)と、
を備えたことを特徴とする電力供給路(130)。
【0118】
<付記9>
商用電力系統(10)、該商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する分散型電源(210,230,310)及び該商用電力系統(10)の停電時の自立運転出力及び通常時の通常運転出力を有する電力供給装置(500)から供給される電力を負荷(11)に供給する電力供給路(720)と、
前記分散型電源(210,230,310)から出力される直流電力を交流電力に変換する電力変換部(710)と、
を含む電力変換装置(700)であって、
前記電力変換部(710)は、
前記交流電力を出力する出力部(716)と、
前記出力部(716)に接続された第1端子(703c)と、通常時に該第1端子に接続される第2端子(703a)と、停電時に該第1端子に接続される第3端子(708b)と、を有し、該第2端子(703a)と該第3端子(708b)とを切り替えて該第1端子(708c)に接続する第1切替器(703)と、
前記商用電力系統(10)から前記電力供給路(720)に供給される電流を検出する第1電流検出器(CT1)の検出結果に基づいて前記電力変換部を制御する制御部(711)と、
を備え、
前記電力供給路(720)は、
前記商用電力系統(10)から供給される電力が入力される第1入力端子(702a)と、前記第1切替器(703)の前記第3端子(703b)に接続され、前記出力部(716)から前記自立運転出力が入力される第2入力端子(702b)と、前記負荷(11)に供給される電力が出力される出力端子(702c)と、を有し、該第1入力端子(702a)及び該第2入力端子(702b)を切り替えて該出力端子(702c9に接続する第2切替器(702)と、
前記商用電力系統(10)が接続される系統接続部(CP21)と、
前記系統接続部(CP21)と、前記第1入力端子(702a)とを接続する第1電路(701)と、
前記第1電路(701)上に設けられ、前記第1切替器(703)の前記第2端子(703a)に接続される第1接続部(CP22)と、
前記第1電路(701)上の、前記第1接続部(CP22)と前記第2切替器(702)との間に設けられ、前記電力供給装置(500)が接続され、該電力供給装置(500)から前記通常運転出力が入力される第2接続部(CP23)と、
前記第1接続部(CP22)と前記第2接続部(CP23)とを接続する前記第1電路(701)を流れる電流を検出し、該検出結果に基づいて前記電力供給装置(500)を制御するために該電力供給装置(500)に接続される第2電流検出器(CT2)を設置する第2電流検出器設置領域(Ar2)と、
を備えたことを特徴とする電力変換装置(700)。
【0119】
<付記10>
電力供給路(720)を有する電力変換装置(700)であって、
前記電力供給路(720)は、商用電力系統(10)を接続する系統接続部(CP21)と、該商用電力系統(10)の通常時に分散型電源(210,230,310)からの電力を供給する分散型電源通常時電路(704)と、該商用電力系統(10)の停電時に該分散型電源(210,230,310)からの電力を供給する分散型電源停電時電路(705)と、負荷(11)に電力を出力する負荷接続部(CP25)と、二つの接点(7
02a,702b)のうちいずれかに切り替えて出力側(702c)に接続する切替器(702)と、を備え、
前記切替器(702)は、一方の前記接点(702a)に、前記系統接続部(CP21)に接続される第1電路(701)及び前記分散型電源通常時電路(704)を接続し、他方の前記接点(702b)に、前記分散型電源停電時電路(705)を接続し、出力側(702c)に前記負荷接続部(CP25)を接続するものであり、
前記電力供給路(720)は、前記分散型電源通常時電路(704)を前記第1電路(701)に接続する第1接続部(CP22)と、該第1接続部(CP22)と前記切替器(702)の間に電力供給装置(500)の通常時出力線(105)を接続する第2接続部(CP23)を有することを特徴とする電力変換装置(700)。
【0120】
<付記11>
電力供給路(720)を有する電力変換装置(700)内の接続方法であって、
前記電力供給路(720)において、商用電力系統(10)に接続される第1電路(701)と、該商用電力系統(10)の通常時に分散型電源(210,230,310)からの電力を供給する分散型電源通常時電路(704)と、該商用電力系統(10)の停電時に該分散型電源(210,230,310)からの電力を供給する分散型電源停電時電路(705)と、負荷(11)に供給される電力が出力される負荷出力線(106)と、二つの接点(702a,702b)のうちいずれかに切り替えて出力側(702c9に接続する切替器(702)とを接続し、
前記切替器(702)の前記二つの接点(702a,702b)のうち一方の接点(702a)に前記第1電路(701)と前記分散型電源通常時電路(704)を接続し、他方の接点(702b)に前記分散型電源停電時電路(705)を接続し、前記出力側(702c)に前記負荷出力線(106)を接続し、
前記分散型電源通常時電路(704)を前記第1電路(701)の途中の第1接続部(CP22)に接続し、該第1電路(701)の、該第1接続部(CP22)と前記切替器(702)との間の第2接続部(CP23)に、電力供給装置(500)から供給される電力が出力される通常時出力線(105)が接続されることを特徴とする接続方法。
【0121】
<付記12>
商用電力系統(10)からの電力を入力する第1電路(101)と、該商用電力系統(10)の通常時に分散型電源(200,300)から電力を入力する入力電力線(102,103)と、該商用電力系統(10)の停電時に前記分散型電源(200,300)からの電力を入力する停電時電力線(120)と、負荷(11)に電力を出力する出力電力線(104)と、電力供給装置(500)からの電力を入力する特定電力線(105)と、二つの入力側(110a,110b)のうちいずれかの該入力側に切り替えて出力側(110c)に接続する切替器(110)と、の接続方法であって、
前記切替器(110)の一方の前記入力側(110a)に前記第1電路(101)と前記入力電力線(102,103)を接続し、他方の前記入力側(110b)に停電時電力線(120)を接続し、前記出力側(110c)に出力電力線(1049を接続し、
前記入力電力線(102,103)を、前記切替器(110)に至るまでの途中の第1接続部(CP1,CP2)で前記第1電路(101)に接続し、該第1接続部(CP1)から前記切替器(110)に至るまでの途中の第2接続部(CP3)に前記特定電力線(105)を接続したことを特徴とする接続方法。
【符号の説明】
【0122】
10 商用電力系統
100 全負荷分電盤
101 第1電路
110 自動切替器
110a 第1入力端子
110b 第2入力端子
110c 出力端子
200 太陽光発電システム
300 蓄電池システム
500 燃料電池コージェネレーションシステム500
CP 系統接続部
CP1 接続部
CP2 接続部
CP3 第2接続部
CT1 第1電流検出器
CT2 第2電流検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10