(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169810
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】横形製袋充填機における製袋装置
(51)【国際特許分類】
B65B 9/067 20120101AFI20231122BHJP
B65B 41/02 20060101ALI20231122BHJP
B65H 19/10 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B65B9/067
B65B41/02
B65H19/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081144
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(72)【発明者】
【氏名】後藤 可南子
(72)【発明者】
【氏名】村部 雅央
(72)【発明者】
【氏名】堀田 倫人
(72)【発明者】
【氏名】飯田 健雄
【テーマコード(参考)】
3E050
3F064
【Fターム(参考)】
3E050AA02
3E050AB02
3E050CA01
3E050CB01
3E050DC02
3E050DC08
3E050DD04
3F064AA03
3F064BA16
3F064EB06
3F064EB11
(57)【要約】
【課題】包装材のセット作業を簡略化し得る横形製袋充填機における製袋装置を提供する。
【解決手段】製袋部22は、下側成形部23と、下側成形部23の上方に離間する離間位置および下側成形部23に接近する成形位置に移動可能な上側成形部25とを備える。下側成形部23は、幅方向に接近・離間移動可能な一対のプレート26,26を備え、上側成形部25は、幅方向に離間する一対の側壁30,30を備える。離間位置の上側成形部25と下側成形部23との間に帯状フィルム11を位置付け、上側成形部25を成形位置に向けて下降することで、一対の側壁30,30で帯状フィルム11の幅方向の両側部が押し下げられて垂れ下がり、その垂れ下がり部が両側壁の内側に臨む。垂れ下がり部の端縁部を、一対のプレート26,26で挟み込むことで帯状フィルム11が筒状に成形される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の包装材を、搬送過程で筒状に成形する横形製袋充填機における製袋装置であって、
筒状の包装材の搬送方向に延在する隙間を有すると共に、該包装材を下方から支持可能な下側成形部と、
該下側成形部の上方に離間する離間位置および下側成形部に接近する成形位置に移動可能な上側成形部と、
該上側成形部を上下移動する昇降手段と、を備え、
前記上側成形部は、包装材の搬送方向と交差する幅方向に離間する一対の側壁を備えると共に、前記搬送方向の上流から下流に向けて下方傾斜して、前記成形位置の上側成形部に搬送される前記帯状の包装材を一対の側壁の間に案内する傾斜案内部が設けられ、
前記離間位置の上側成形部と前記下側成形部との間に帯状の包装材が位置付けられた状態で、前記昇降手段によって上側成形部を前記成形位置に向けて下降することで、帯状の包装材を幅方向の両側部が垂れ下がるよう押し下げて、該帯状の包装材が前記傾斜案内部に接触する状態で両側壁の内側に臨ませるよう構成され、
前記包装材の垂れ下がった両側部の端縁部を接近させて前記下側成形部の隙間に臨ませることで、帯状の包装材を筒状に成形し得るよう構成した
ことを特徴とする横形製袋充填機における製袋装置。
【請求項2】
帯状の包装材を、搬送過程で筒状に成形する横形製袋充填機における製袋装置であって、
筒状の包装材の搬送方向に延在する隙間を有すると共に、該包装材を下方から支持可能な下側成形部と、
該下側成形部の上方に離間する離間位置および下側成形部に接近する成形位置に移動可能な上側成形部と、
該上側成形部を上下移動する昇降手段と、を備え、
前記上側成形部は、包装材の搬送方向と交差する幅方向に離間する一対の側壁を備えると共に、前記搬送方向の上流から下流に向けて下方傾斜して、前記成形位置の上側成形部に搬送される前記帯状の包装材を一対の側壁の間に案内する傾斜案内部が設けられ、
前記離間位置の上側成形部と前記下側成形部との間に位置付けられて、前記下側成形部の隙間に包装材の垂れ下がった幅方向の両側部の端縁部を接近させて臨ませるよう筒状に成形された包装材を、前記昇降手段によって上側成形部を前記成形位置に下降することで前記一対の側壁の間に臨ませると共に、前記帯状の包装材が前記傾斜案内部に接触するよう構成した
ことを特徴とする横形製袋充填機における製袋装置。
【請求項3】
前記離間位置の上側成形部と前記下側成形部との間に、ロボットハンドで保持した前記帯状の包装材を搬送方向上流から移送して位置付けるよう構成したことを特徴とする請求項1または2記載の横形製袋充填機における製袋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状の包装材を筒状に成形する横形製袋充填機における製袋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
横形製袋充填機などの包装機において、原反ロールから繰り出される帯状包装材(帯状フィルム)を筒状に成形する製袋装置として、特許文献1が提案されている。特許文献1に開示の製袋装置は、筒状に成形される筒状フィルムの底面を支持する底板と、該筒状フィルムの側面を支持する側板とを備える一対の側部ガイドが幅方向に離間して配設されると共に、各側部ガイドにおけるフィルム給送方向の上流側に案内ガイドが設けられ、該案内ガイドにおけるフィルム進入側端縁に帯状フィルムが接触案内されて下流側に給送されることで、該フィルムが筒状に成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装機における作業者の作業負荷低減、作業性の向上などの観点から、製袋装置に対するフィルムのセット作業の簡略化が望まれている。しかしながら、特許文献1に開示の製袋装置では、作業者が帯状フィルムを手作業によって筒状に形成し、その筒状フィルムを一対の側部ガイドの内側にセットする煩雑な作業が必要であり、フィルムのセット作業の簡略化を考慮した提案はなされていない。また、作業者の熟練度によって、側部ガイドの内側へのフィルムのセット状態にばらつきを生じ、袋の出来栄えに差が出てしまったり、セット作業に要する時間にばらつきが出たりする問題も指摘される。
【0005】
本発明の目的は、包装材のセット作業を簡略化し得る横形製袋充填機における製袋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明の横形製袋充填機における製袋装置は、
帯状の包装材(11)を、搬送過程で筒状に成形する横形製袋充填機における製袋装置であって、
筒状の包装材(11a)の搬送方向に延在する隙間(S)を有すると共に、該包装材(11a)を下方から支持可能な下側成形部(23)と、
該下側成形部(23)の上方に離間する離間位置および下側成形部(23)に接近する成形位置に移動可能な上側成形部(25)と、
該上側成形部(25)を上下移動する昇降手段(28)と、を備え、
前記上側成形部(25)は、包装材(11,11a)の搬送方向と交差する幅方向に離間する一対の側壁(30,30)を備えると共に、前記搬送方向の上流から下流に向けて下方傾斜して、前記成形位置の上側成形部(25)に搬送される前記帯状の包装材(11)を一対の側壁(30,30)の間に案内する傾斜案内部(30a,30a)が設けられ、
前記離間位置の上側成形部(25)と前記下側成形部(23)との間に帯状の包装材(11)が位置付けられた状態で、前記昇降手段(28)によって上側成形部(25)を前記成形位置に向けて下降することで、帯状の包装材(11)を幅方向の両側部が垂れ下がるよう押し下げて、該帯状の包装材(11)が前記傾斜案内部(30a,30a)に接触する状態で両側壁(30,30)の内側に臨ませるよう構成され、
前記包装材(11)の垂れ下がった両側部の端縁部を接近させて前記下側成形部(23)の隙間(S)に臨ませることで、帯状の包装材(11)を筒状に成形し得るよう構成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、上下に離間する上側成形部と下側成形部との間に帯状の包装材を位置付けた状態で、上側成形部を成形位置に向けて下降することで、帯状の包装材を、幅方向の両側部が垂れ下がるよう押し下げて一対の側壁の内側に臨ませるようにしたので、包装材のセット作業を簡略化することができる。すなわち、筒状に成形した包装材を、上下の成形部内に入口から出口まで通す煩雑な作業を不要として、包装材のセット作業の作業性を高めることができる。また、作業者の熟練度によって、上下の成形部内への包装材のセット状態やセット作業に要する時間にばらつきを生ずることはなく、一定品質の袋を製造することができると共に生産効率が変動するのを防ぐことができる。
【0007】
本願の請求項2に係る発明の横形製袋充填機における製袋装置は、
帯状の包装材(11)を、搬送過程で筒状に成形する横形製袋充填機における製袋装置であって、
筒状の包装材(11)の搬送方向に延在する隙間(S)を有すると共に、該包装材(11)を下方から支持可能な下側成形部(23)と、
該下側成形部(23)の上方に離間する離間位置および下側成形部(23)に接近する成形位置に移動可能な上側成形部(25)と、
該上側成形部(25)を上下移動する昇降手段(28)と、を備え、
前記上側成形部(25)は、包装材(11,11a)の搬送方向と交差する幅方向に離間する一対の側壁(30,30)を備えると共に、前記搬送方向の上流から下流に向けて下方傾斜して、前記成形位置の上側成形部(25)に搬送される前記帯状の包装材(11)を一対の側壁(30,30)の間に案内する傾斜案内部(30a,30a)が設けられ、
前記離間位置の上側成形部(25)と前記下側成形部(23)との間に位置付けられて、前記下側成形部(23)の隙間(S)に包装材(11)の垂れ下がった幅方向の両側部の端縁部を接近させて臨ませるよう筒状に成形された包装材(11a)を、前記昇降手段(28)によって上側成形部(25)を前記成形位置に下降することで前記一対の側壁(30,30)の間に臨ませると共に、前記帯状の包装材(11)が前記傾斜案内部(30a,30a)に接触するよう構成したことを特徴とする。
請求項2の発明によれば、上下に離間する上側成形部と下側成形部との間に位置付けられた筒状成形した包装材を、上側成形部を成形位置に下降することで上下の成形部内に臨ませるようにしたので、包装材のセット作業を簡略化することができる。すなわち、筒状に成形した包装材を、上下の成形部内に入口から出口まで通す煩雑な作業を不要として、包装材のセット作業の作業性を高めることができる。また、作業者の熟練度によって、上下の成形部内への包装材のセット状態やセット作業に要する時間にばらつきを生ずることはなく、一定品質の袋を製造することができると共に生産効率が変動するのを防ぐことができる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記離間位置の上側形部(25)と前記下側成形部(23)との間に、ロボットハンド(39)で保持した前記帯状の包装材(11)を搬送方向上流から移送して位置付けるよう構成したことを特徴とする。
請求項3の発明によれば、帯状の包装材を、上下に離間する上側成形部と下側成形部との間に位置付ける作業を自動化することができ、作業者の作業負荷を軽減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製袋装置に対する包装材のセット作業を簡略化することができるので、作業者の作業負荷を低減できる。また、作業者の熟練度に因らず、製袋装置に対して包装材を一定のセット状態でセットすることができると共にセット時間にばらつきを生ずるのを抑制することができ、一定品質の袋を製造することができると共に生産効率が変動するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】横形製袋充填機を示す概略平面図であって、一対のプレートを開位置で示している。
【
図3】製袋装置を示す概略正面図であって、上下の成形部が上下に離間すると共に、一対のプレートが左右に離間している状態を示している。
【
図4】製袋装置を示す概略平面図であって、一対のプレートを閉位置で示している。
【
図5】製袋装置を示す要部概略正面図であって、上下の成形部が合体した状態を示している。
【
図6】実施例に係る製袋装置の製袋部にフィルムをセットする工程図である。
【
図7】別実施例に係る製袋装置の製袋部にフィルムをセットする工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る横形製袋充填機における製袋装置の好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例0012】
図1~
図3は、実施例に係る製袋装置を備えた横形製袋充填機を示すものであって、横形製袋充填機は、原反ロール(包装材供給源)10から引き出した帯状フィルム(帯状の包装材)11を、その搬送過程で長手方向両端縁部(幅方向両端縁部)を合掌状に重合して筒状フィルム(筒状の包装材)11aとして成形する製袋装置と、筒状フィルム11aに向けて物品を所定間隔毎に供給する供給コンベヤ(図示せず)と、前記合掌状に重なる筒状フィルム11aの重合部11bに縦シールを施す縦シール装置12と、筒状フィルム11a中に供給された物品の前後位置で筒状フィルム11aを挟み、該筒状フィルム11aの搬送方向と交差する方向に横シールを施す横シール装置(図示せず)と、を備える。また、横形製袋充填機は、原反ロール10と製袋装置における後述する製袋部22との間のフィルム搬送経路に、製袋部22に向けた帯状フィルム11の進入角度を調節する進入角調節装置13を備え、原反ロール10と進入角調節装置13との間のフィルム搬送経路に、原反ロール10から引き出した帯状フィルム11を製袋部22に向けて搬送するフィルム供給装置14が設けられる。実施例の横形製袋充填機は、本体枠に透明パネルなどを配設して構成された筐体15の内部に配設されている。なお、帯状フィルム11や筒状フィルム11aのフィルム搬送経路を挟んで一側方が横形製袋充填機の運転操作側として設定されており、この操作側を手前、これと反対側を奥と指称するものとする。
【0013】
図1、
図2に示す如く、前記筐体15の内部には、前記原反ロール10が回転可能に装填される複数(実施例では2つ)の装填シャフト16が、奥側のフレームから手前側に向けて延在するように片持ち支持されている。装填シャフト16から
図1において右側(縦シール装置12に近づく側)に離間して、前記フィルム供給装置14および進入角調節装置13が配設される。フィルム供給装置14は、サーボモータなどの駆動モータによって回転駆動される駆動ローラ(案内ローラ)17と、該駆動ローラ17との間に帯状フィルム11を挟持可能な従動ローラ18と、該従動ローラ18を駆動ローラ17に対して接近・離間移動する図示しないローラ移動手段と、を備え、従動ローラ18は、駆動ローラ17との間に帯状フィルム11を挟持する挟持位置と、駆動ローラ17との間を後述するロボット36のロボットハンド39が通過可能な離間位置とにローラ移動手段によって移動される。そして、駆動ローラ17と、挟持位置に移動した従動ローラ18とで帯状フィルム11を挟持した状態で、駆動ローラ17を回転駆動することで、原反ロール10から帯状フィルム11を引き出して下流側に送り出すよう構成される。
【0014】
前記進入角調節装置13は、
図1に示す如く、前記筐体15の奥側のフレームに長手方向の一端部を支点として上下方向に揺動可能に支持された揺動アーム19に、帯状フィルム11を巻き掛け案内可能な複数(実施例では2つ)の案内ローラ20が、手前側に延在するように奥側において片持ち支持されており、両案内ローラ20,20は、ロボットハンド39の通過を許容する間隔で離間している。フィルム供給装置14と進入角調節装置13との間に、帯状フィルム11を巻き掛け案内可能な中間ローラ(案内ローラ)21が、筐体15の奥側のフレームから手前側に延在するように片持ち支持されており、該中間ローラ21に巻き掛けられた帯状フィルム11が、2つの案内ローラ20,20に巻き掛けられた後に前記製袋装置の製袋部22に至るよう構成される。そして、揺動アーム19を揺動することで、製袋部22に至る直前の案内ローラ20から製袋部22に進入する帯状フィルム11の進入角度を調節し得るよう構成される。また、フィルム供給装置14および進入角調節装置13は、駆動ローラ17および揺動アーム19を、製袋部22から上流側(フィルム搬装方向とは逆方向)に引っ張る方向に回転および揺動して、製袋部22に至る帯状フィルム11に張りを与え得るよう構成される。なお、中間ローラ21は、前記駆動ローラ17およびフィルム搬送経路の上流側の案内ローラ20との間を、ロボットハンド39が通過可能な位置に配置されている。
【0015】
前記製袋装置は、
図1に示す如く、前記進入角調節装置13より右側に配設された製袋部22を備える。製袋部22は、筒状フィルム11aの搬送路に沿って延在する下側成形部23と、該下側成形部23とにより帯状フィルム11を筒状に成形する成形路24を形成する上側成形部(成形手段)25と、を備え、上側成形部25は、下側成形部23の上方において上下方向に移動可能に支持される。下側成形部23は、
図2、
図4に示す如く、フィルム搬送ライン中心を挟んで幅方向の左右に対称に一対のプレート(支持部材)26,26を備え、一対のプレート26,26は、リンク機構をエアシリンダで作動するよう構成された開閉手段27によって、左右方向(幅方向)に相互に接近・離間移動される。開閉手段27は、一対のプレート26,26を、相互に接近して両プレート26,26間に筒状フィルム11aにおける前記重合部(接近した包装材の両端縁部)11bの通過を許容する隙間Sを形成する閉位置(
図4、
図6(c)参照)と、該閉位置より相互に離間する開位置(
図2、
図6(a),(b)参照)とに移動するよう構成される。
【0016】
図4に示す如く、前記下側成形部23の各プレート26は、前記閉位置において前記縦シール装置12の上方を筒状フィルム11aの搬送路に沿って延在し、筒状フィルム11a中に供給された物品をフィルムを介して下方から支持するベッド部26aと、該ベッド部26aから上流側に向けて延在し、前記成形路24の底面を構成して筒状フィルム11aの下部を接触状態で支持案内する支持部26bと、を備え、該支持部26bも、筒状フィルム11a中に供給された物品をフィルムを介して下方から支持する。支持部26bは、他方の支持部26bとの対向辺が、上流側に向かうにつれて他方の支持部26bから離間する傾斜辺26cとされ、閉位置において対向する傾斜辺26c,26c間にV字状の導入部が画成される。また、傾斜辺26cの下流端は、ベッド部26aの上流端より上流側に位置し、一対のプレート26,26の閉位置において形成される前記隙間Sは、支持部26b,26bの下流端部からベッド部26a,26aの下流端までの間に亘って形成される。そして、後述する成形位置まで下降した上側成形部25と下側成形部23とで形成される前記成形路24に入口から引き込まれる帯状フィルム11の長手方向の端縁部近傍が、両傾斜辺26c,26cを介して下方に向けて折り込まれることにより、帯状フィルム11が筒状に成形されると共に前記重合部11bが形成され、該重合部11bが支持部26b,26b間およびベッド部26a,26a間に形成される隙間Sを通ってプレート26,26の下方に延出して下流側に搬送される。なお、一対のプレート26,26の開位置では、両傾斜辺26c,26cは、上側成形部25の一対の側壁30,30の離間間隔より離間するよう構成される(
図2参照)。
【0017】
前記上側成形部25は、
図3~
図5に示す如く、サーボモータなどの駆動モータを駆動源とする昇降手段28によって上下方向に移動される移動部材29と、該移動部材29から下方に延在してフィルム搬送ライン中心を挟む左右方向に離間して対向配置された一対の側壁30,30と、を備える。昇降手段28は、上側成形部25を、下側成形部23からロボットハンド39の通過を許容し得る間隔で上方に離間する離間位置(
図3参照)と、下側成形部23に接近して側壁30,30の下端を下側成形部23の支持部26b,26bの上面に当接し、該支持部26b,26bとによって前記成形路24を形成する成形位置(
図5参照)とに移動するよう構成される。また、各側壁30には、成形路24の入口から出口側(フィルム搬送方向の上流から下流)に向けて下方傾斜して、該成形路24に引き込まれる(成形位置の上側成形部25に搬送される)帯状フィルム11を、一対の側壁30,30の間に案内する傾斜案内縁(傾斜案内部)30aが形成されると共に、該傾斜案内縁30aから外側方に延出する製袋翼31が設けられている。そして、一対の傾斜案内縁30a,30aおよび製袋翼31,31のフィルム進入側基端に上方から供給される帯状フィルム11が、傾斜案内縁30aおよび製袋翼31に当接案内されて成形路24に引き込まれるよう下流側に搬送されることで、該帯状フィルム11が筒状に成形されるよう構成される。
【0018】
前記上側成形部25と下側成形部23とは、前記成形路24を形成する成形位置において、ロック手段32によって位置決め固定されて合体される。ロック手段32は、上側成形部25における各側壁30の外面に設けた係合部と、下側成形部23における支持部26bに設けられて係合部を係脱可能に係合保持する保持手段とを備え、成形位置に位置付けられた上側成形部25に対して下側成形部23における一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動することで、保持手段が係合部を係合保持して上側成形部25と下側成形部23とを位置決め固定する。また、保持手段による係合部の係合保持を解放することで、上側成形部25と下側成形部23との固定を解除し、一対のプレート26,26の閉位置から開位置への移動を許容すると共に、上側成形部25の離間位置への移動を許容するよう構成される。
【0019】
図2に示す如く、前記縦シール装置12は、前記下側成形部23におけるベッド部26a,26aより下方に、前記閉位置においてベッド部26a,26aの間に画成される隙間Sから下方に延出するよう案内される筒状フィルム11aの重合部11bを挟持する一対の送りローラ33,33を備え、一対の送りローラ33,33を相互に反対方向に回転することで、送りローラ33,33で重合部11bが挟持された筒状フィルム11aを下流側に搬送するよう構成される。また、縦シール装置12は、送りローラ33,33の下流において、筒状フィルム11aの重合部11bを挟む両側に配設された一対のシールローラ34,34を備え、加熱された一対のシールローラ34,34により重合部11bを加圧することにより縦シールが施される。一対のシールローラ34,34は、図示しない開閉機構によって開閉するよう構成され、製袋部22に対するフィルムのセット時や横形製袋充填機の運転停止時には、シールローラ34,34を相互に離間して重合部11bを解放するよう構成される。
【0020】
前記筐体15の内部手前側に、
図3に示す如く、前記装填シャフト16、フィルム供給装置14、進入角調節装置13、製袋部22および縦シール装置12の配設位置より上方において、装填シャフト16の配設位置から縦シール装置12の配設位置を越える位置まで水平に延在するレール35が配設され、該レール35にロボット36が吊り下げ支持されている。該ロボット36は、サーボモータなどの駆動モータにより作動するリニアスライド機構37によって、レール35に沿って往復移動するよう構成される。ロボット36は、ロボットアーム38に設けたロボットハンド39に、帯状フィルム11を保持可能な保持部40,41を設けた多関節型ロボットなどが用いられる。ロボットハンド39は、フィルム供給装置14、進入角調節装置13および製袋部22と干渉することなく、保持している帯状フィルム11をフィルム搬送経路に沿って引き回し得るように、ロボットアーム38に片持ち支持されて奥側に向けて所定長さで水平に延在している。ロボット36は、装填シャフト16に装填されている原反ロール10における帯状フィルム11の先端部をロボットハンド39の保持部40,41で保持し、該保持部40,41で保持した筒状フィルム11aを、原反ロール10から引き出してフィルム供給装置14および進入角調節装置13を経て、製袋部22における相互に離間した上側成形部25と下側成形部23との間に位置付けるよう、リニアスライド機構37によってレール35に沿って移動しつつロボットアーム38を動作制御するよう構成される。すなわち、ロボットハンド39で保持した帯状フィルム11を、原反ロール10から上側成形部25と下側成形部23との間までのフィルム搬送経路に位置する複数のローラ17,21,20に巻き掛けながら移送するよう構成される。実施例では、ロボット36およびリニアスライド機構37が、原反ロール10から引き出される帯状フィルム11を、製袋部22における相互に離間した上側成形部25と下側成形部23(プレート26,26)との間に搬送方向上流から移送して位置付ける移送手段を構成する。なお、ロボットハンド39におけるレール35の延在方向の移動位置は、リニアスライド機構37の駆動モータに設けたエンコーダからのパルス信号などにより得ることができるようになっている。
【0021】
前記ロボットハンド39の保持部40,41は、
図6(a)に示す如く、帯状フィルム11における幅方向の中央部を吸着する中保持部40と、幅方向の各側部を吸着する側保持部41,41の3つの保持部40,41,41からなる。中保持部40は、吸引源によるエア吸引で発生する負圧によってフィルムを吸着するよう構成されるのに対し、側保持部41は、主エア供給源からのエアの供給によって側保持部41の吸着面において発生する負圧によってフィルムを吸着する所謂エジェクタ型で構成され、主エア供給源からのエアの供給を停止すると共に、補助エア供給源からのエアの供給によって負圧状態の破壊を補助することでフィルムの吸着を解放する。3つの保持部40,41,41は、夫々の吸着、吸着解放が独立して制御されるよう構成され、2つの側保持部41,41によるフィルムの吸着を解放することで、帯状フィルム11における中保持部40で吸着されている幅方向の中央部に対して、幅方向の両側部が垂れ下がる状態で帯状フィルム11を保持(支持)し得るよう構成される。
【0022】
前記ロボット36は、ロボットハンド39で保持した帯状フィルム11の先端部が、前記プレート26,26における支持部26b,26bの閉成位置で隙間Sが形成される部位より下流側の上方に至ったことをエンコーダからのパルス信号により検知することで、両側保持部41,41によるフィルムの吸着を解放するよう設定される。また、側保持部41,41による吸着の解放後において、前記開閉手段27が、一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動し、中保持部40によって中央部が保持された帯状フィルム11における幅方向の両側において垂れ下がる垂れ下がり部e,eの下部(端縁部)を、一対のプレート26,26で挟んで筒状に成形すると共に両端縁部を接近させて重合部11bを形成し得るよう構成される(
図6(c)参照)。すなわち、開閉手段27は、帯状フィルム11の左右の垂れ下がり部e,eが、一対のプレート26,26における隙間Sが形成される部位で挟み込み可能な位置までロボットハンド39が至ったことを検知して、一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動するよう構成される。なお、ロボット36によってプレート26,26の上方に引き出される帯状フィルム11の高さ位置は、製袋部22で成形しようとする筒状フィルム11aの高さ位置に合わせた位置(物品の高さ寸法に応じた位置)となるよう設定される。
【0023】
次に、実施例に係る横形製袋充填機における製袋装置の作用について説明する。
【0024】
横形製袋充填機においてフィルムのセット作業を行う場合は、
図2、
図3、
図6(a)に示す如く、前記下側成形部23における一対のプレート26,26を、開閉手段27で開位置に移動すると共に、前記上側成形部25を、昇降手段28で下側成形部23から離間する離間位置に移動する。また、前記フィルム供給装置14の従動ローラ18を、ローラ移動手段で駆動ローラ17から離間する離間位置に移動する。そして、前記原反ロール10における帯状フィルム11の先端部をロボット36のロボットハンド39に吸着し、ロボット36を前記レール35に沿ってリニアスライド機構37によって移動しつつ、ロボットハンド39の高さ位置を変更するようロボットアーム38を動作制御して、原反ロール10から引き出した帯状フィルム11を、駆動ローラ17と従動ローラ18との間を通過させ、中間ローラ21に巻き掛けた帯状フィルム11を進入角調節装置13の2つの案内ローラ20,20に交互に巻き掛けた後、下側成形部23と上側成形部25との間に至るように位置付ける(
図1参照)。
【0025】
前記ロボットハンド39が上側成形部25の下方を通過し、保持している帯状フィルム11の両側部が垂れ下がった場合に、その垂れ下がり部e,eが、開位置の一対のプレート26,26の間(閉位置で隙間Sが形成される部位の上方)に臨む位置までロボットハンド39が至ったことを検知すると、リニアスライド機構37によるロボット36の移動を停止し、前記昇降手段28によって上側成形部25を成形位置に向けて下降すると共に、ロボットハンド39における両側保持部41,41によるフィルムの吸着を解放する。上側成形部25の下降により、
図6(b)に示す如く、前記両側壁30,30の下端が帯状フィルム11に上方から当接して押し下げることで、中保持部40で中央部が吸着されている帯状フィルム11の左右の両側部が、両側壁30,30の内側に沿うように垂れ下がり、帯状フィルム11は、中保持部40で吸着されている中央部および該中央部の両側から垂れ下がる垂れ下がり部e,eにおける中央部に連続する所定長さ部分が、両側壁30,30の内側に臨んで下向きに開放する略コ字状に成形される。また、上側成形部25に至る帯状フィルム11は、側壁30,30の前記傾斜案内縁30a,30aおよび前記製袋翼31,31のフィルム進入側基端に接触する。なお、両側保持部41,41による吸着の解放の際には、両側保持部41,41から負圧状態の破壊用のエアが吹き出され、該エアによって帯状フィルム11の両側部の折り曲げが補助される。
【0026】
前記上側成形部25が成形位置まで下降すると、両側壁30,30により押し下げられた帯状フィルム11の両側部の垂れ下がり部e,eにおける両側壁30,30内から下方に延出する延出部は、前記下側成形部23における開位置の一対のプレート26,26における支持部26b,26bの間を下方に延出する(
図6(b)参照)。前記開閉手段27によって一対のプレート26,26を開位置から閉位置に向けて移動すると、
図6(c)に示す如く、帯状フィルム11の垂れ下がり部e,eの端縁部は、支持部26b,26bによって挟み込まれてフィルムが筒状に成形されると共に、帯状フィルム11の長手方向の端縁部が接近されて合掌状に重ね合わされて、その重合部11bがプレート26,26の下方に延出する。一対のプレート26,26が閉位置まで移動すると、前記ロック手段32によって上側成形部25と下側成形部23とが位置決め固定されて合体し、上側成形部25の内側および下側成形部23の上側にフィルムが臨む状態で、両成形部25,23によって帯状フィルム11を筒状成形する成形路24が形成される。
【0027】
次に、前記リニアスライド機構37によってロボット36を下流側に移動すると共に、前記送りローラ33,33を低速で回転する。ロボットハンド39の中保持部40で吸着されている筒状フィルム11aは下流側に移送され、前記プレート26,26におけるベッド部26a,26a間に形成されている隙間Sで案内される筒状フィルム11aの重合部(接近された両端縁部)11bが、縦シール装置12の送りローラ33,33間に送り込まれると、該送りローラ33,33によっても筒状フィルム11aは下流側に搬送される。そして、重合部11bが前記シールローラ34,34の間を通過した位置で、送りローラ33,33の回転を停止すると共に、ロボットハンド39の中保持部40によるフィルムの吸着を解放する。また、ロボット36の下流側への移動も停止する。
【0028】
前記フィルム供給装置14の従動ローラ18を挟持位置に移動したもとで駆動ローラ17を逆転すると共に、前記進入角調節装置13の揺動アーム19を、前記製袋部22から上流側(フィルム搬装方向とは逆方向)に引っ張る方向に揺動させる。これにより、製袋部22に至る帯状フィルム11は、前記上側成形部25における側壁30,30の傾斜案内縁30a,30aおよび製袋翼31,31に張った状態で接触し、帯状フィルム11は、緩みなく張った状態で前記成形路24に引き込み可能な状態でセットされる。
【0029】
実施例に係る横形製袋充填機における製袋装置では、帯状フィルム11を筒状成形する製袋部22を、上側成形部25と下側成形部23とに分割し、下側成形部23から離間した上側成形部25と下側成形部23との間に帯状フィルム11を位置付けたもとで、上側成形部25を成形位置に向けて下降して帯状フィルム11の両側部を垂れ下がるように押し下げた後、下側成形部23における一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動して、垂れ下がり部e,eを重ね合わせるように挟んでフィルムを筒状成形すると共に垂れ下がり部e,eの両端縁部を接近させた重合部11bを形成して該重合部11bをプレート26,26の隙間Sに臨ませ、合体した上下の成形部25,23で形成される成形路24内にフィルムが臨むよう構成した。すなわち、筒状に成形したフィルムを、作業者が成形路24の入口から出口まで通す煩雑な作業を行う必要はなく、フィルムのセット作業を簡略化して作業性を高めることができ、作業者の作業負荷を低減できる。また、上側成形部25によって帯状フィルム11の両側部を、積極的に垂れ下がるように押し下げて両側壁30,30の間に臨ませ、その垂れ下がり部e,eの幅方向の外方への移動を規制するので、一対のプレート26,26によりフィルムを良好に筒状成形し得ると共に重合部11bを形成することができる。従って、作業者の熟練度によってセット作業に要する時間がまちまちとなって生産効率が変動して生産効率が低下するのを抑えると共に、製袋部22に対してフィルムを一定のセット状態でセットすることができ、一定品質の袋を製造することができる。
【0030】
また、実施例の横形製袋充填機では、下側成形部23の一対のプレート26,26は、ベッド部26a,26aが、縦シール装置12の上方においてフィルムを介して物品を支持する搬送ベッドを兼用し、一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動して形成されたプレート26,26の下方に延出する重合部(接近させた両端縁部)11bを、一対のプレート26,26の隙間Sで縦シール装置12の送りローラ33,33およびシールローラ34,34まで案内するよう構成したので、フィルムの縦シール装置12に対するセット作業が容易となる。すなわち、筒状フィルム11aの重合部11bを、搬送ベッドの細長の隙間に上流の開口から差し入れて送りローラやシールローラに至るようにセットする煩雑な作業を不要として、フィルムのセット作業の作業性を高めることができると共に、作業者の熟練度の違いにより縦シール装置12に対するフィルムのセット作業に要する時間がまちまちとなって生産効率が低下するのを防ぐことができる。
【0031】
実施例の横形製袋充填機の製袋装置では、製袋部22における上下に離間した上側成形部25と下側成形部23との間に、帯状フィルム11をロボット36によって位置付けるよう構成したので、製袋部22に対するフィルムのセット作業を自動化することができ、省力化を図ることができる。また、ロボット36によって帯状フィルム11を上側成形部25と下側成形部23との間に位置付け、該帯状フィルム11を上側成形部25および下側成形部23によって筒状に成形するので、一対のプレート26,26の上方への帯状フィルム11の引き出しから筒状成形までを自動化することができ、生産効率をより向上することができる。また、ロボット36(ロボットハンド39)を用いることで、包装サイズの変更に際して上側成形部25と下側成形部23との間に位置付ける帯状フィルム11の高さ位置などの変更に容易に対応することができる。更に、ロボット36を用いることで、移送装置などを用いる場合に比較して、帯状フィルム11を上側成形部25と下側成形部23との間(一対のプレート26,26の上方)に位置付ける構成を簡略化することができる。
【0032】
(別実施例について)
次に、別実施例に係る横形製袋充填機における製袋装置につき、実施例と異なる部分についてのみ説明し、既出の部材には同一の符号を付して詳細説明は省略する。実施例では、上側成形部25を離間位置から成形位置に下降した後に、一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動するよう構成したが、別実施例に係る横形製袋充填機における製袋装置では、その動作が前後逆になっている点で異なる。
【0033】
別実施例では、上側成形部25と下側成形部23とを位置決め固定するロック手段は、図示しないが、一対のプレート26,26に、閉位置の一対のプレート26,26に対して離間位置から成形位置に下降する上側成形部25に設けた係合部を係合保持可能な位置に保持手段が配設される。
【0034】
図7(a)に示す如く、別実施例においてフィルムのセット作業を行う場合は、実施例と同様に、上側成形部25を離間位置、一対のプレート26,26を開位置、従動ローラ18を離間位置に夫々移動したもとで、ロボット36のロボットハンド39に吸着した帯状フィルム11を、原反ロール10から引き出して上側成形部25と下側成形部23との間に位置付ける。ロボットハンド39が上側成形部25の下方を通過し、保持している帯状フィルム11の両側部が後述する両側保持部41,41の吸着解放により垂れ下がった場合に、その垂れ下がり部e,eが開位置の一対のプレート26,26の間に臨む位置までロボットハンド39が至ると、リニアスライド機構37によるロボット36の移動を停止すると共に、ロボットハンド39における両側保持部41,41によるフィルムの吸着を解放する。
【0035】
両側保持部41,41によるフィルムの吸着の解放により、帯状フィルム11の幅方向の両側部は、
図7(b)に示す如く、中保持部40で吸着されている幅方向の中央部に対して垂れ下がり、その垂れ下がり部e,eにおける両側壁30,30内から下方に延出する延出部が、開位置の一対のプレート26,26における両支持部26b,26bの間に臨む。前記開閉手段27によって一対のプレート26,26を開位置から閉位置に向けて移動すると、
図7(c)に示す如く、帯状フィルム11の垂れ下がり部e,eの端縁部は、支持部26b,26bによって挟み込まれてフィルムが筒状に成形されると共に、帯状フィルム11の長手方向の端縁部が合掌状に重ね合わされて、その重合部(接近された両端縁部)11bがプレート26,26の隙間Sに臨むと共にプレート26,26の下方に延出する。一対のプレート26,26が閉位置まで移動すると、前記昇降手段28によって上側成形部25を下降し、前記両側壁30,30によって帯状フィルム11の左右の側部が押し撫でなれて両側壁30,30に沿うよう成形され、該上側成形部25が成形位置に至ることで、上側成形部25の内側および下側成形部23の上側にフィルムが臨む状態で、両成形部25,23によって帯状フィルム11を筒状成形する成形路24が形成される(
図7(d)参照)。また、上側成形部25に至る帯状フィルム11は、側壁30,30の前記傾斜案内縁30a,30aおよび前記製袋翼31,31のフィルム進入側基端に接触する。上側成形部25が成形位置まで下降すると、ロック手段32によって上側成形部25と下側成形部23とが位置決め固定される。なお、上下の成形部25,23を位置決め固定した後の動作は、実施例と同じである。
【0036】
別実施例に係る横形製袋充填機における製袋装置においても、実施例と同じ作用効果が得られる。
【0037】
(変更例)
本発明は実施例などの構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例などに記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 実施例などでは、ロボット36で保持した帯状フィルム11を、原反ロール10から引き出して上下に離間する上側成形部25と下側成形部23との間に移送するよう構成したが、移送装置によって製袋部22の上流側まで引き出された帯状フィルム11を、ロボット36で受け取って上下の成形部25,23の間に位置付ける構成を採用することができる。
(2) 実施例などでは、ロボット36によって上下に離間する上側成形部25と下側成形部23との間に帯状フィルム11を位置付けるよう構成したが、フィルムの保持部を備えた保持部材を、フィルム搬送方向の前後に往復移動する移送装置(移送手段)によって、上下の成形部25,23の間に帯状フィルム11を位置付ける構成を採用することができる。また、上下の成形部25,23の間に帯状フィルム11を位置付ける作業は、作業者が行うようにしてもよく、この場合であっても、作業者が筒状フィルム11aを成形路24内に通す必要はなく、作業負担を軽減することができる。
(3) 上側成形部25は、筒状成形する袋サイズに応じたサイズのものに着脱交換する構成を採用することができる。また、上側成形部25の製袋翼31は、傾斜角度を可変可能に構成するようにしてもよい。
(4) 実施例などでは、帯状フィルム11の先端部が、一対のプレート26,26における支持部26b,26bの上方まで移送された状態で、一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動するよう構成したが、送りローラ33,33より上流のベッド部26a,26の上方まで帯状フィルム11の先端部が移送された状態で、一対のプレート26,26を開位置から閉位置に移動するようにしてもよい。
【0038】
(5) 実施例などでは、下側成形部23の一対のプレート26,26を、縦シール装置12の上方で物品を支持する搬送ベッドとして兼用するよう構成したが、該プレート26,26は、少なくとも支持部26b,26bを備えていればよい。
(6) 一対の送りローラ33,33を、下側成形部23の開閉と連動して開閉するよう構成し、下側成形部23の閉成に伴って形成される筒状フィルム11aの重合部11bを、閉成する一対の送りローラ33,33で挟持する構成を採用することができる。
(7) 実施例などでは、ロボット36によって筒状フィルム11aを、重合部11bが縦シール装置12のシールローラ34,34を越える位置まで移送した後に、中保持部40によるフィルムの吸着を解放するよう構成したが、重合部11bが送りローラ33,33で挟持された位置で中保持部40によるフィルムの吸着を解放し、以後は重合部11bを挟持する送りローラ33,33によってのみ筒状フィルム11aを下流側に搬送する構成を採用することができる。