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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169840
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】足指活性パッド
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A61H39/04 D
A61H39/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022090512
(22)【出願日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】521215916
【氏名又は名称】曽我部 俊教
(72)【発明者】
【氏名】曽我部 俊教
【テーマコード(参考)】
4C101
【Fターム(参考)】
4C101BA01
4C101BB02
4C101BB03
4C101BC01
4C101BD01
4C101BE01
(57)【要約】
【課題】公知である足指商品には、指間を広げてストレッチする商品や様々な材質を使用した足指の矯正用等など様々な商品がある、しかし日常的に使用でき、指間及び指裏を擦って刺激を与え血流を促進するものはない。
【解決手段】発泡樹脂を指から外れ難く成型し、図1図2図3で示すように足指間が仕切れるよう2~4箇所に凸部を有する足指パッド1、足指パッド2を得、図7、8、9で示すように、指が接する面を紐や網状繊維で巻いた構造が特徴の足指活性パッドである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1に示すように発泡樹脂材料を使用し、1趾と2趾間に入るAと4趾と5趾間に入るDの2箇所の凸部と底部Fで構成されたことが著しい特徴の足指パッド1である。凸部A、Dは上部X、中部Y、下部Zで構成され、X頂上の横幅が16~24mmと大きく、Yは指間に収まる8~12mm、Zは指間を圧迫する12~20mmの形状が特徴である。足幅は個人差が大きな為、AとD夫々の中心間の長さEは40~65mmである。底部Fは指裏に入りこむ5~8mmであり、底部下からA頂上の長さGは28~35mmである。厚さHは10±2mmである。
【請求項2】
図3に示すように発泡樹脂材料を使用し、1趾と2趾間に入るA、2趾と3趾間に入るB、3趾と4趾間に入るC、4趾と5趾間に入るDの4箇所の凸部と底部Fで構成されたことが特徴の足指パッド2である。B、Cの横幅は、Xが8~12mm、Yが2~4mm、Zが6~12mmである。A、D、E、F、G、H、X、Y、Zは足指パッド1と同じ寸法である。
【請求項3】
指側面や指裏に刺激を与えて血流を促進するため、図7図8図9に示すよう足指パッド1、足指パッド2の表面の一部または全面に、網状繊維又は紐を巻き付けた構造が著しい特徴の足指活性パッドである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足指間の全部または一部を仕切ると共に指周辺の皮膚を刺激して血流を促進する商品に関する。
【背景技術】
【0002】
指周りの皮膚を刺激して血流を促進する機能は、爽快感を得るだけでなく、末梢血管を健全に保ち健康に資する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3148845号
【0004】
【特許文献2】特開平10-277085
【0005】
【特許文献3】特開平11-244353
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構造の靴下では、5本指ソックス以上に指間は刺激でき、指幅が広がらないが、指周辺への刺激が不可能であり、著しい血流促進は期待できない。更に、靴を脱ぐと指が露出するので自宅以外で靴を脱ぐことができず不便であり、指先が露出しているため冬場は冷える。
【0008】
特許文献2の構造では、第1~5指間の仕切りは可能であるが、指周辺に刺激を与え血流を促進することには無理がある。更に伸縮性に優れた生地を使用しても、3箇所の穴に第2趾、第3趾、第4趾を同時に挿入するのは困難であり実用性に欠ける。
【0009】
特許文献3の構造は、指への挿入は容易であり、指幅が変わらず常用出来、第1~5趾間を仕切りによって足臭抑制に効果的であるが、足指周辺への刺激はなく、不織布などの厚さが薄い材質では指間への刺激も弱い。
【0010】
公知の指間広げる商品で、靴や靴下を脱いで指間を広げてストレッチする商品もあるが、指幅が広がって既存の靴が履けないので、家庭内での使用に限られ日常使用できない。その他、様々な材質を使用した外反母趾用、足指の矯正用等など様々な商品があるが、従来の足指間に差し込んで使用する商品には、既存の靴を履いて使用できるものや、足の動きに応じて指裏や指周りを擦り刺激を与えて血流を促進するものや、足を好みの香りにする商品はない。
【0011】
素足で道路や砂浜などを歩くと刺激を受けて夫々の指の存在を感じるが、従来の商品では指裏や指側面を刺激して血流を促進するものは無く、ソックスや靴を履くと5本ある足指の存在を感じることは稀である。本発明はソックスを履いても素足生活と同様の状態を得るため以下の(1)(2)を解決すべき課題とした。(1)日常使用できて、指間を仕切ると共に指裏を圧迫し装着、脱着が容易である。(2)足が動くと指裏や指側面を刺激して血流を促進する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
足を動かすと何れかの指が上下に動き、体の動きに応じて夫々の指の動きが違う結果、指側面や指裏が擦られるが、皮膚と皮膚、皮膚と発泡樹脂、皮膚と布などでは刺激が弱い。また現代生活では、指付け根近くの指裏への刺激も少ない。
【0013】
発明者は適切な発泡樹脂を使用して、指間に収まる2~4箇所の凸部と指裏を圧迫する底部を設けると、凸部が指間に収まると共に底部が指裏を圧迫して、靴を履いても窮屈感なく指間が仕切られ、装着、脱着が容易で日常使用でき安価だと考えた。そして、表面に摩擦係数が大きな材質を設けると強い刺激を得れると考えた。特に1趾と2趾間、4趾と5趾間に設けると効果的であることも発見した。
【0014】
凸部の形状に関して、頭頂部の幅を大きくすると指から外れ難くなることを発見し、付け根を大きくすると指間への圧迫が増すことを発見した。また指裏に適切な寸法の物を入れると、足指が心地良いことも発見した。当然、底部と凸部で構成すると脱着が容易である。
【0015】
足は敏感で小さな異物があってもストレスが生じる、使用する材料は適切な収縮率や反発力を有し、柔軟性と復元力があり低コストで吸水性もある物が適切である。このような材料には発泡倍率が15~50倍の発砲樹脂が望ましく、硬い感じがする密閉気泡より柔らかな解放気泡が望ましい。
【0016】
足指裏に納まり、心地よく感じる寸法は高さが5~8mm×奥行き8~12mmであるので、厚さ8~12mmの発泡樹脂を使用すると指裏、指間にも適切となる。これを図1図2図3に示すように、指間に差し込めるよう底部より2箇所又は4箇所の凸部を設ければ、指間を仕切ると共に指裏を圧迫し装着、脱着が容易であり、課題(1)が解決する。
【0017】
ここで、指を仕切るために設けた部分を凸部と呼び、1趾と2趾間に入る凸部をA、2趾と3趾間に入る凸部をB、3趾と4趾間に入る凸部ををC、4趾と5趾間に入る凸部をDと呼ぶ。A,B,C,Dは上部、中部、下部から成り、上部をXと呼び、中部をYと呼び、下部をZと呼び、指裏に入る底部をFと呼ぶ。
【0018】
正面図4、5、6に示すようにYは狭いほうが靴を履いた時の圧迫が少なく、着け心地もよい。Xを広くすると、外れを防ぐ働きが増す。Zは指間への圧迫に影響する。
【0019】
指間の皮膚を効果的に刺激する材料として、漁網のごとくの線径が0.2mm以上、目開きが2mm以上の網状繊維が適切であることを発見した。ただし、近年、縦糸と横糸で構成された古来の網と違って、様々な編み方の網状繊維ができていているため、本文ではチュールや垢こすりに使用する繊維も網状に含み、材質にはこだわらない。当然、紐を交差するよう巻き付けても網状繊維と同様の刺激を与えることができる。
【0020】
靴下や靴を履いても、図7、8、9で示すように、接触部が網状であれば、指の少しの動きでも指裏や指周りを擦り皮膚を刺激して血流を促進する。又、図8で示すように、紐を交差するよう巻き付けても網状繊維と同様の刺激を与えることができるので、課題(2)が解決する。これで全ての課題が解決した。この時、紐の材料には拘らないが、直径が2mmを超える糸を使用すると足指に不快感が生じる為、それ以下が望ましい。
【0021】
発泡樹脂の硬さ、柔らかさ、反発力に関しては、素材、製法、発泡倍率によって変化するが明確な基準が無い為、本書では柔らかめ、硬めと表現している。本発明で使用した、柔らかめの発泡樹脂は発泡倍率30倍程度で解放気泡の高弾性ウレタンスであり、硬めの発泡樹脂は発泡倍率15~30倍で密閉気泡の発泡ポリオレフィンやゴムである。しかし、前記に関わらず本発明では請求の範囲内での適切な発泡樹脂を選択して使用できる。
【0022】
足指は敏感で異物などを感じやすく、大きな重量も掛かるために、常用するためには、装着すると心地よく感じる柔らかで復元力に優れた発泡樹脂を使用するのが望ましい。しかし、高齢者や毛細血管がゴースト化した人用に硬めで刺激が強い発泡樹脂も必要である。ゴムやポリウレタンやポリオレフィンを原料とした適切な発泡樹脂であれば、長期間の使用に耐え洗濯ができて低コストである。
【0023】
足幅同様に、足指パッド1、2の寸法は性別や個体差及び使用する発泡樹脂によって相違する。
【0024】
生産は、例えば図4、5、6の正面図で示した形の刃物を得、発泡樹脂シートに押し付けると、厚みが加わって図1、2、3で示すような足指パッド1、2となる。
【0025】
複雑な形状をした足指パッド1、2の表面に網状繊維のチュールを固着するには、幅を3~7mmと小さく切断して紐のように巻き付けるのが望ましい。又激しく動く場所であるため、発泡樹脂と網状繊維や紐間には強い接着を要するので、巻き始めと終わりには縫製又は接着剤のいずれか双方で接着するのが望ましい。
【0026】
網状繊維や紐をA、DだけやA、B、C、DだけやFだけに巻いてもよいが、表面の広い範囲に巻くと指側面と指裏を刺激する。よって望ましくは、図7、8、9で示すように凸部と底部の双方に巻くのが効果的ある。
【0027】
請求項1は、図1に示すように、1趾と2趾間に入るAと4趾と5趾間に入るDの2箇所の凸部と底部Fで構成されたことが著しい特徴の足指パッド1である。凸部A、Dは指から外れないよう上部X,中部Y,下部Zで構成され、X頂上の横幅が16~24mmと大きく、Yは指間に収まる8~12mm、Zは指間を圧迫する12~20mmの形状が特徴である。足幅は個人差が大きな為、AとD夫々の中心間の長さEは40~65mmである。底部Fの高さは指裏に入りこむ5~8mmであり、底部下からA頂上の高さGは28~35mmである。材質は発泡樹脂で、厚さHが10±2mmである。
【0028】
請求項2は、図3で示すように1趾と2趾間に入るA、2趾と3趾間に入るB、3趾と4趾間に入るC、4趾と5趾間に入るDの4箇所の凸部と底部Fで構成されたことが特徴の足指パッド2である。B、Cの横幅はXが8~12mm、Yが2~4mm、Zが6~12mmである。A、D、E、F、G、H、X、Y、Zは足指パッド1と同じである。
【0029】
請求項3は指側面や指裏に刺激を与えて血流を促進するため、図7図8図9に示すよう足指パッド1、足指パッド2の表面の一部または全面に、網状繊維又は紐を巻き付けた構造が著しい特徴の足指活性パッドである。ただし網状繊維や紐の巻きつけ方には拘らない。
【0030】
このように請求項1、2、3の足指パッド1、2や足指活性パッドは、靴を履いて使用できるため、常時使用できる。
【発明の効果】
【0031】
日常使用できて指間を仕切り、装着、脱着が容易であり、靴下や靴を履いた状態でも、足が動くと指裏や指側面を刺激して血流を促進するので、労力を使わずに、特に高齢者の末梢血管の血流不全を改善して、この原因による歩行困難や冷えや感覚麻痺等さまざまな症状を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】符号を記した足指パッド1の実寸斜視図
図2】足指パッド1の実寸斜視図
図3】符号を記した足指パッド2の実寸斜視図
図4】足指パッド1の実寸正面図
図5】足指パッド1の実寸正面図
図6】足指パッド2の実寸正面図
図7】チュールを巻いた足指活性パッドの概略斜視図
図8】紐を巻いた足指活性パッドの概略斜視図
図9】チュールを巻いた足指活性パッドの概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例
【実施例0033】
発泡倍率30倍で厚さ10mmの柔らかめの解放気泡の発泡ポリウレタンを、実寸で示す図1のように、A、D2か所の凸部を有す形と寸法に抜き取り足指パッド1を得る。
【実施例0034】
発泡倍率15で厚さ10mmの少し硬めの密閉気泡の発泡ポリエチレンを抜き取り、図3に示すような形の足指パッド2を得る。
【実施例0035】
6mm×60cmに切断した70Dのハードチュールを用意する。これを図7に示すように足指パッド1のA、Dの一部と底部Fの一部に巻き付け、足指活性パッドを得る。この時、チュールを発泡樹脂に固着するために、巻き始めと終わりをホットメルトで接着する。
【実施例0036】
7mm×60cmに切断した70Dのハードチュールを用意する。図9に示すようにチュールを足指パッド2のA、B、C、DとFの一部に巻き付けて足指活性パッドを得る。この時、チュールを発泡樹脂に固着するために、巻き始めと終わりをホットメルトで接着する。
【実施例0037】
直径が1.5mmの麻紐を用意する。麻糸を図8に示すように足指パッド1のA、DとFに巻き付けて足指活性パッドを得る。この時、紐を発泡樹脂に固着するために巻き始めと終わりをホットメルトで接着する。
【符号の説明】
【0038】
1 Aは1趾と2趾間に入る凸部である。
2 Bは2趾と3趾間に入る凸部である。
3 Cは3趾と4趾間に入る凸部である。
4 Dは4趾と5趾間に入る凸部である。
5 EはAとD夫々の中心間の距離である。
6 Fは底部である。
7 GはF下からAの頂上の長さである。
8 Hは足指パッド1、2の厚さである。
9 Xは凸部の上部である。
10 Yは凸部の中部である。
11 Zは凸部の下部である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1図2に示すように連続気泡の発泡樹脂材料を使用し、1趾と2趾間に入るAと4趾と5趾間に入るDの2箇所の凸部と底部Fで構成されたことが著しい特徴の足指パッド1である。凸部A、Dは上部X、中部Y、下部Zで構成され、Xの頂上幅は16~24mm、Yは指間に収まる8~12mm、Zの最大幅は指間を圧迫する12~20mmの形状が特徴である。足幅は個人差が大きな為、AとD夫々の中心間の長さEは40~65mmである。底部Fは指裏に入りこむ5~8mmであり、底部下からA頂上までの長さGは26~35mmであり、D頂上までは22~31cmである。厚さHは10±2mmである。
【請求項2】
図3で示すように連続気泡の発泡樹脂材料を使用し、1趾と2趾間に入るA、2趾と3趾間に入るB、3趾と4趾間に入るC、4趾と5趾間に入るDと底部Fで構成されたことが特徴の足指パッド2である。B、Cは共にX頂上幅が8~12mm、Y3~6mm、Z最大幅が6~12mmである。A、D、E、F、G、H、X、Y、Zは足指パッド1と同じでありB、Cの頂上までの長さはDと同じである。
【請求項3】
指側面や指裏に刺激を与えて血流を促進するため、図7図8図9に示すように、発泡樹脂を使用して足指間に収まる形状、例えば足指パッド1、2に類似した成形物の表面の一部または全面に、網状繊維又は紐を巻き付けた構造が著しい特徴の足指活性パッドである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は足指を仕切ると共に、指周辺を刺激して血流促進を行う商品に関する。
【背景技術】
【0002】
指間を仕切って指周りの皮膚を刺激して血流促進とリンパ活性する機能があれば、爽快感を得るだけでなく末梢血管を健全に保ち健康に資する商品が提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3148845号
【0004】
【特許文献2】特開平10-277085
【0005】
【特許文献3】特開平11-244353
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の構造の靴下では、5本指ソックス以上に指間は刺激でき、指幅が広がらないが、指周辺への刺激が不可能であり、著しい血流促進は期待できない。更に、靴を脱ぐと指が露出するので自宅以外で靴を脱ぐことができず不便であり、指先が露出しているため冬場は冷える。
【0008】
特許文献2の構造では、第1~5指間の仕切りは可能であるが、指周辺を刺激して血流を促進することには無理がある。更に伸縮性に優れた生地を使用しても、3箇所の穴に第2趾、第3趾、第4趾を同時に挿入するのは困難であり実用性に欠ける。
【0009】
特許文献3の構造は、指への挿入は容易であり、指幅が変わらず常用出来、第1~5趾間を仕切ることで足臭抑制には一定の効果はあるが、特許文献2と同様に空気を吸排気して移動させる仕組みがなく抑制効果は弱い。また足指周辺への刺激はなく、不織布などの厚さが薄い材質では指間への刺激も弱い。
【0010】
公知の指間広げる商品で、靴や靴下を脱いで指間を広げてストレッチする商品もあるが、指幅が広がって既存の靴が履けないので、家庭内での使用に限られ日常使用できない。その他、様々な材質を使用した外反母趾用、足指の矯正用等など様々な商品がある。しかし、従来の足指間に差し込んで使用する商品には、靴を履いた状態で吸排気して足臭を防ぐものや、指周りを擦り刺激を与えて血流やリンパを活性する商品はない。
【0011】
素足で道路や砂浜などを歩くと刺激を受けて夫々の指の存在を感じるが、従来の商品では指裏や指側面を刺激して血流やリンパの働きを促進するものは無く、ソックスや靴を履くと5本ある足指の存在を感じることは稀である。本発明はソックスを履いても素足生活と同様の状態を得るために実施されたものであり、以下の(1)(2)を解決すべき課題とした。(1)日常使用できて、指間を仕切ると共に足臭を防止し、指裏も圧迫し、脱着が容易である。(2)足が動くと指裏や指側面を刺激して血流を促進する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従来品では靴を履いた状態で、常に指周りに刺激を与え、血流促進とリンパ活性ができるものがない。また、足の悩みに足臭がある。この臭いは高湿度と適正温度によって皮膚がムレ、臭いの元になる微生物が異常増殖して発酵することが原因であり、これに対応した5本指ソックスなど指間を仕切って足臭を軽減する商品はある。しかし足が動く度に、これが圧縮したり解放したりで空気を吸排気して、指間のムレや発酵を防ぐ物はない。
【0013】
発明者は連続気泡の発泡樹脂を使用して、指間に収まる2~4箇所の凸部と指裏を圧迫する底部を設けると、指間が仕切られると共に指裏や指間に圧迫と解放する結果、空気が流通して指周りの蒸れを防止し、靴を履いても窮屈感なく指間が仕切られ、装着、脱着が容易で日常使用でき安価だと考えた。そして、表面を摩擦係数が大きな材質で覆うと適度な強い刺激を得ると考えた。特に1趾と2趾間、4趾と5趾間に設けると効果的であることも発見した。
【0014】
凸部の形状に関して、頭頂部の幅を大きくすると指から外れ難くなることを発見し、付け根を適度に大きくすると指間への圧迫が増すことを発見した。また指裏に適切な寸法の物を入れると、足指が心地良いことも発見した。当然、底部と凸部で構成すると脱着が容易である。
【0015】
足は敏感で小さな異物があってもストレスが生じる、使用する材料は適切な収縮率や反発力を有し、柔軟性と復元力があり低コストで吸水性もある物が望ましい。このような材料には発泡倍率が15~50倍の発砲樹脂が望ましく、硬い感じで吸排気しない独立気泡より、柔らかで吸排気する連続気泡が望ましい。
【0016】
足指裏に納まり、心地よく感じる寸法は高さが5~8mm×奥行き8~12mmであるので、厚さ8~12mmの連続気泡の発泡樹脂シートを材料として使用すると指裏、指間にも適切となる。これを図1図2図3に示すように、指間に差し込めるよう底部より2箇所又は4箇所の凸部を設ければ、指間を仕切ると共に指裏を圧迫し装着、脱着が容易であり、足が動く度に空気が流通して足臭を防ぎ、課題(1)が解決する。
【0017】
ここで、指を仕切るために設けた部分を凸部と呼び、1趾と2趾間に入る凸部をA、2趾と3趾間に入る凸部をB、3趾と4趾間に入る凸部をC、4趾と5趾間に入る凸部をDと呼ぶ。A,B,C,Dは上部、中部、下部から成り、上部をXと呼び、中部をYと呼び、下部をZと呼び、指裏に入る底部をFと呼ぶ。請求項1の足指パッド1は極力足幅を広げないため、凸部がAとDで構成され、請求項2の足指パッド2は凸部がA、B、C、Dで構成される。
【0018】
正面図4、5、6に示すようにYは狭いほうが靴を履いた時の圧迫が少なく、着け心地もよい。X頂上幅を広くすると、外れを防ぐ働きが増す。Zは指間への圧迫に影響する。
【0019】
指周りの皮膚を効果的に刺激する材料として、漁網のごとくの線径が0.2mm以上、目開きが2mm以上の網状繊維が適切であることを発見した。その中で汎用品のチュールが種類も多く低価格で使い勝手が良い。ただし、近年、縦糸と横糸で構成された古来の網と違って、様々な編み方の網状繊維ができていているため、本文ではチュールや垢こすりに使用する繊維も網状に含み、材質にはこだわらない。当然、紐を交差するよう巻き付けても網状繊維と同様の刺激を与えることができる。
【0020】
靴下や靴を履いても、図7、8、9で示すように、接触部が網状であれば、指の少しの動きでも指裏や指周りを擦り皮膚を刺激して血流を促進する。又、図8で示すように、紐を交差するよう巻き付けても網状繊維と同様の刺激を与えることができるので、課題(2)が解決する。これで全ての課題が解決した。この時、紐の材料には拘らないが、直径が2mmを超える糸を使用すると足指に不快感が生じる為、それ以下が望ましい。
【0021】
発泡樹脂の硬さ、柔らかさ、反発力に関しては、素材、製法、発泡倍率によって変化するが明確な基準が無い為、本書では柔らかめ、硬めと表現している。本発明で使用した、柔らかめの発泡樹脂は発泡倍率30倍程度で連続気泡の高弾性ウレタンであり、硬めの発泡樹脂は発泡倍率15~30倍で独立気泡の発泡ポリオレフィンやゴムである。本発明では足臭を防ぐために使用される発泡樹脂は連続気泡に限られるが、指周辺を刺激してリンパ活性&血流促進を得るために使用される発泡樹脂は連続気泡または独立気泡のいずれでも良い
【0022】
足指は敏感で異物などを感じやすく、大きな重量も掛かるために、常用するためには、装着すると心地よく感じる柔らかで復元力に優れた連続気泡の発泡樹脂を使用するのが望ましい。しかし、高齢者や毛細血管がゴースト化した人用には硬めで刺激が強い独立気泡の発泡樹脂も必要である。ゴムやポリウレタンやポリオレフィンを原料とした独立気泡の発泡樹脂であれば、長期間の使用に耐え洗濯ができて低コストである。
【0023】
足幅同様に、足指パッド1、2の寸法は性別や個体差及び使用する発泡樹脂によって相違するが、請求項1、2の寸法範囲で概ね対応可能である。また図面ではX、Y、Zの切断面が直線であるが曲線でもよい。
【0024】
生産は、例えば図4、5、6の正面図で示した形の刃物を得、厚みが10±2mmの発泡樹脂シートに押し付けると、図1、2、3で示すような足指パッド1、2となる。
【0025】
複雑な形状をした足指パッド1、2の表面に設ける網状繊維ではチュールが巻く際に変形し難く好ましい。網状繊維のチュールを固着するには、幅を3~10mmに切断して紐のように巻き付けるのが望ましい。又激しく動く場所であるため、発泡樹脂と網状繊維や紐間には強い接着を要するので、巻き始めと終わりには縫製又は接着剤のいずれか双方で接着するのが望ましい。
【0026】
網状繊維や紐をA、DだけやA、B、C、DだけやFだけに巻いてもよいが、表面の広い範囲に巻くと指側面と指裏を刺激する。よって望ましくは、図7、8、9で示すように凸部と底部の双方に巻くのが効果的ある。
【0027】
請求項1は図1図2に示すように連続気泡の発泡樹脂材料を使用し、1趾と2趾間に入るAと4趾と5趾間に入るDの2箇所の凸部と底部Fで構成されたことが著しい特徴の足指パッド1である。凸部A、Dは上部X、中部Y、下部Zで構成され、Xの頂上幅は16~24mm、Yは指間に収まる8~12mm、Zの最下部幅は指間を圧迫する12~20mmの形状が特徴である。足幅は個人差が大きな為、AとD夫々の中心間の長さEは40~65mmである。底部Fは指裏に入りこむ5~8mmであり、底部下からA頂上までの長さGは26~35mmであり、D頂上までは22~31cmである。厚さHは10±2mmである。
【0028】
請求項2は、図3で示すように連続気泡の発泡樹脂を使用し、請求項1の足指パッド1のA、Dの間にB、Cを加えた形であり、1趾と2趾間に入るA、2趾と3趾間に入るB、3趾と4趾間に入るC、4趾と5趾間に入るDと底部Fで構成されたことが特徴の足指パッド2である。B、CのX頂上幅は8~12mm、Y幅は3~6mm、Z最下部幅は6~12mmである。A、D、E、F、G、H、X、Y、Zは足指パッド1と同じでありB、Cの頂上までの長さはDと同じである。
【0029】
請求項3は指側面や指裏に刺激を与えて血流を促進するため、連続気泡又は独立気泡の何れかを使用し図7図8図9に示すよう足指パッド1、2と同型の表面の一部または全面に、網状繊維又は紐を巻き付けた構造が著しい特徴の足指活性パッドである。
【0030】
このように請求項1、2、3の足指パッド1、2や足指活性パッドは、靴を履いて使用できるため、常時使用できる。但し窮屈な革靴を履く場合に限っては、足指パッド2は少し窮屈感があるが足指パッド1が楽である
【発明の効果】
【0031】
日常使用できて指間を仕切り、装着、脱着が容易であり、靴下や靴を履いた状態でも、足が動くと指裏や指側面を刺激してリンパの働きや血流を促進するので、労力を使わずに、特に高齢者の末梢血管の血流不全を改善して、この原因による歩行困難や冷えや感覚麻痺等さまざまな症状を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】符号を記した足指パッド1の実寸斜視図
図2】足指パッド1の実寸斜視図
図3】符号を記した足指パッド2の実寸斜視図
図4】足指パッド1の実寸正面図
図5】足指パッド1の実寸正面図
図6】足指パッド2の実寸正面図
図7】チュールを巻いた足指活性パッドの概略斜視図
図8】紐を巻いた足指活性パッドの概略斜視図
図9】チュールを巻いた足指活性パッドの概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例
【実施例0033】
発泡倍率30倍で厚さ10mmの柔らかめの連続気泡の発泡ポリウレタンを、実寸で示す図1のように、A、D2か所の凸部を有す形と寸法に抜き取り足指パッド1を得る。
【実施例0034】
発泡倍率15で厚さ10mmの少し硬めの連続気泡の発泡ポリエチレンを抜き取り、図3に示すような形の足指パッド2を得る。
【実施例0035】
6mm×60cmに切断した70Dのハードチュールを用意する。これを図7に示すように足指パッド1のA、Dの一部と底部Fの一部に巻き付け、足指活性パッドを得る。この時、チュールを発泡樹脂に固着するために、巻き始めと終わりをホットメルトで接着する。
【実施例0036】
7mm×60cmに切断した70Dのハードチュールを用意する。図9に示すようにチュールを足指パッド2のA、B、C、DとFの一部に巻き付けて足指活性パッドを得る。この時、チュールを発泡樹脂に固着するために、巻き始めと終わりをホットメルトで接着する。
【実施例0037】
直径が1.5mmの麻紐を用意する。麻糸を図8に示すように足指パッド1のA、DとFに巻き付けて足指活性パッドを得る。この時、紐を発泡樹脂に固着するために巻き始めと終わりをホットメルトで接着する。
【符号の説明】
【0038】
1 Aは1趾と2趾間に入る凸部である。
2 Bは2趾と3趾間に入る凸部である。
3 Cは3趾と4趾間に入る凸部である。
4 Dは4趾と5趾間に入る凸部である。
5 EはAとD夫々の中心間の距離である。
6 Fは底部である。
7 GはF下からAの頂上の長さである。
8 Hは足指パッド1、2の厚さである。
9 Xは凸部の上部である。
10 Yは凸部の中部である。
11 Zは凸部の下部である。