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特開2023-169842引き抜いたヒト毛髪で使用するための比色アッセイを安定化する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169842
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】引き抜いたヒト毛髪で使用するための比色アッセイを安定化する方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/48 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
C12Q1/48
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022096384
(22)【出願日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】63/364,837
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/806,208
(32)【優先日】2022-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517165298
【氏名又は名称】フォリア・インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オファー エイ.ゴーレン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン マッコイ
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA18
4B063QA19
4B063QQ08
4B063QR57
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】
【課題】引き抜いたヒト毛髪で使用するための比色アッセイを安定化する方法を提供すること。
【解決手段】その目的のために適合された装置を使用して、引き抜いたヒト毛髪を使用して比色アッセイを実施するための装置が開示される。比色化学アッセイを実施するための在宅装置として輸送及び使用することができるように、比色化学アッセイを安定化する方法も開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛包中のスルホトランスフェラーゼ酵素活性を測定するためのキットであって、
反応性部分及び非反応性部分を有する2部分型化学組成物を保持するように構成された容器と、
前記反応性部分の内容物と前記非反応性部分の内容物とを結合又は混合するために構成された反応容器と、
を備え、
前記反応性部分の内容物は、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを含み、
前記非反応性部分の内容物は、ミノキシジル、塩化マグネシウム、及びリン酸緩衝液を含む、キット。
【請求項2】
前記容器が、前記反応性部分の前記内容物を前記非反応性部分の前記内容物から物理的及び/又は化学的に隔離して保持するように構成される、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記反応性部分の内容物が安定化溶液を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項4】
前記安定化溶液が、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを安定化して、安定化p-ニトロフェニル硫酸カリウムを形成する、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記安定化溶液が、
水溶液及び緩衝剤、
非プロトン性極性溶媒、及び/又は
プロトン性非水性溶媒を
含む溶媒である、請求項4に記載のキット。
【請求項6】
前記安定化溶液が、約9~約11の範囲内のpHを有する、請求項5に記載のキット。
【請求項7】
前記緩衝剤が、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む炭酸塩緩衝液である、請求項5に記載のキット。
【請求項8】
前記非プロトン性極性溶媒がアセトニトリルを含む、請求項5に記載のキット。
【請求項9】
前記プロトン性非水性溶媒がイソプロパノール又はエタノールを含む、請求項5に記載のキット。
【請求項10】
前記リン酸緩衝液が約8のpHを有する、請求項1に記載のキット。
【請求項11】
前記容器は、前記反応性部分の前記内容物及び前記非反応性部分の前記内容物がアクチュエータの作動時に前記反応容器に導入されるように、前記アクチュエータを介して前記反応容器と選択的に流体連通する、請求項1に記載のキット。
【請求項12】
前記反応容器が、毛包を受容するように構成された開口部を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項13】
ミノキシジル製剤が毛の再生又は維持を必要とする対象において有効であるかどうかを決定するための方法であって、
2部分型化学組成物の反応性部分の内容物及び非反応性部分の内容物を結合又は混合して、混合物又は結合物を形成することであって、
前記反応性部分の内容物は、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを含み、
前記非反応性部分の内容物は、ミノキシジル、塩化マグネシウム、及びリン酸緩衝液を含む、ことと、
前記対象からの毛包を前記混合物又は結合物と接触させることと、
を含む、方法。
【請求項14】
p-ニトロフェノール生成物の存在を測定することをさらに含み、前記p-ニトロフェノール生成物の前記存在が、前記毛包のスルホトランスフェラーゼ酵素活性と正の相関がある、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記p-ニトロフェノール生成物の前記測定された存在を所定のレベルと比較することと、
前記比較を、前記対象がミノキシジル治療に対して良好な応答を有するであろうという指標として使用することと、
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記所定のレベルを超える前記p-ニトロフェノール生成物の存在は、前記対象がミノキシジル治療に対して良好な応答を有するであろうことを示すスルホトランスフェラーゼ酵素活性のレベルを示す、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記毛包を前記混合物又は結合物と混合及び/又はインキュベートすることをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記毛包を前記混合物又は結合物と混合及び/又はインキュベートすることが、前記混合物又は結合物と接触して配置された毛包の数に依存する期間にわたって混合及び/又はインキュベートすることを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
p-ニトロフェノール生成物の存在を測定することが、分光光度計を使用して約405nmでの前記p-ニトロフェノール生成物の吸光度を測定することを含み、及び/又は
p-ニトロフェノール生成物の存在を測定することが、前記p-ニトロフェノール生成物の色強度を、スルホトランスフェラーゼ酵素活性に対応する強度の範囲を有する色強度基準カードと比較することを含む、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2022年5月17日に出願された米国仮特許出願第63/364,837号に関連し、その優先権の利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、その目的のために適合された装置を使用して、引き抜いたヒト毛髪を使用して比色アッセイを実施するための装置に関する。引き抜いたヒト毛髪を使用して比色化学アッセイを行うための在宅装置として輸送及び使用することができるように、比色化学アッセイを安定化する方法も開示される。
【背景技術】
【0003】
ポイントオブケア(POC)診断装置は、異なるヒトの健康状態又は疾患状態のバイオマーカーを評価するために一般的に使用される。例えば、妊娠検査は、尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のβサブユニットの存在を報告する側方流動POCである。hCGは、受精卵の栄養膜細胞によって産生されるバイオマーカーである。このように、尿中のhCGの存在は、目に見える色を生成する化学反応又はユーザが妊娠していることを示す装置の変化によって装置のユーザに報告することができる。多くの異なるPOC装置が現在利用可能であり、一般に体液(例えば、血液、尿又は唾液)を基質として使用する。各装置は同様の特徴を有し、典型的には携帯型で手持ち式であり、プラスチック製である。ほとんどのPOCは、1回のみ使用することができ、使い捨てとみなされる。
【0004】
現在、引き抜いたヒト毛包のバイオマーカースルホトランスフェラーゼ1A1(SULT1A1)を測定するための実験室ベースの試験が存在する(米国特許第10,633,688号及び第8,691,518号を参照)。この方法は、経時的に、典型的には数日又は数週間にわたって自発的に発色する化学組成物の使用を含む。この自発的な反応は、試験溶液を冷蔵することによって遅らせることができる。SULT1A1酵素の存在下では、反応速度が増加し(触媒され)、はるかに短い時間(時間)で発色する。試験は、所与の時間量(例えば、24時間)で生成される色の量が毛包に存在するSULT1A1酵素の量を示すように構成される。
【0005】
SULT1A1は、ドナー分子からアクセプターアルコールへのスルホ基の転移を触媒する酵素である。酵素は、肝臓及び毛包の外毛根鞘(ORS)を含む広いヒト組織分布を有する。スルホン化能の個体間変動は、ある特定の生体異物に対する個体の代謝を決定するのに重要である。ミノキシジルは、有効性を有するためにスルホン化を必要とする薬物の1つである。個人のORSのスルホン化能力を使用して、アンドロゲン性脱毛症の治療のための5%ミノキシジルに対する非応答者を除外することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1本以上の引き抜いたヒト毛髪に含まれるSULT1A1バイオマーカーを測定するためのポイントオブケア装置を含む実施形態を本明細書に記載する。装置の化学は、自発的に反応しないように2つの部分に配置される。したがって、記載された装置は、安定性が向上し、室温で保管することができる。記載された装置は、アンドロゲン性脱毛症の治療に対する薬物ミノキシジルの有効性を予測する目的で、1本以上の引き抜いたヒト毛髪のスルホトランスフェラーゼ酵素活性を測定するために使用することができる。
【0007】
本発明の一実施形態では、反応性薬剤が単離され、安定化されるように、2部分型化学組成物が調製される。一実施形態では、反応性薬剤は、p-ニトロフェニル硫酸カリウム(PNPS)である。一実施形態では、2部分型化学組成物の1つの部分(部分A)が、PNPSを安定化溶液に添加することによって調製される。一実施形態では、pH9~pH11の緩衝剤を含有する水溶液が、PNPSを安定化するために使用される。一実施形態では、緩衝剤は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウム(pH10)を含有する炭酸塩緩衝液である。本発明の別の実施形態では、PNPS溶液を安定化するために非プロトン性極性溶媒が使用される。さらに別の実施形態では、非プロトン性極性溶媒はアセトニトリルである。別の実施形態では、プロトン性非水性溶媒が、PNPSを安定化するために使用される。別の実施形態では、プロトン性非水性溶媒はイソプロパノール又はエタノールである。
【0008】
本発明の一実施形態では、2部分型化学組成物の1つの部分(部分A)は反応容器内に沈着する。別の実施形態では、溶媒を除去して、部分Aの安定化された溶質のみを残す。別の実施形態では、溶媒を風乾及び真空によって除去する。さらに別の実施形態では、ベンチトップ濃縮器(例えば、speedvac)を使用して、安定化された部分A溶液から溶媒を除去する。さらに別の実施形態では、溶媒を除去するために凍結乾燥が使用される。
【0009】
本発明の一実施形態では、50mMPNPS溶液が、10mM炭酸塩緩衝液(pH10)において安定化される。さらに別の実施形態では、10μLの、10mM炭酸塩緩衝液(pH10)において安定化された50mMPNPS溶液を反応容器(例えば、500μL管)に添加し、水を真空下で蒸発させる。別の実施形態では、ベンチトップ濃縮器(speedvac)を使用して、安定化されたPNPS溶液から水を除去する。
【0010】
本発明の一実施形態では、2部分型化学組成物の第2の部分(部分B)は、すべての非反応性成分を溶液に添加することによって調製される。一実施形態では、2部分型化学組成物の第2の部分は、50mMリン酸緩衝液(pH8)、100μMミノキシジル及び5mMMgClを含有する。
【0011】
本発明の一実施形態では、2部分型化学組成物の部分A及び部分Bを含有するキットが調製される。別の実施形態では、部分A及び部分Bの成分を組み合わせて機能装置を作製する。さらに別の実施形態では、部分A及び部分B成分を組み合わせることによって作製された機能装置を使用して、酵素の存在を試験する。さらに別の実施形態では、酵素はSULT1A1である。
【0012】
一実施形態では、上記の装置を、個体が薬物ミノキシジルに有利に応答する可能性の予測評価に使用することができる。ミノキシジルは、活性ミノキシジル硫酸代謝産物を形成するために、ミノキシジルスルホトランスフェラーゼによる生化学的活性化を必要とする。アンドロゲン性脱毛症のミノキシジルベースの治療の正確な作用機序は完全には理解されていない。しかしながら、インビトロ研究は、硫酸ミノキシジルがミノキシジルの活性代謝産物であることを実証している。アンドロゲン性脱毛症の治療のためのミノキシジルに対する応答は、頭皮スルホトランスフェラーゼ活性、特にスルホトランスフェラーゼ1A1(SULT1A1)の違いに関連している。したがって、高レベルのSULT1A1活性を有する対象は、より多くのミノキシジル硫酸塩を生成し、したがって、アンドロゲン性脱毛症の治療のためのミノキシジルに対する良好な応答を有する可能性が高い。一方、低レベルのSULT1A1活性を有する対象は、あまりミノキシジル硫酸塩を生成せず、アンドロゲン性脱毛症の治療のためのミノキシジルに対する応答が悪い可能性が高い。
【0013】
本明細書に記載の1つのアプローチによれば、対象の毛包試料を得ることができる。好ましくは、少なくとも2つの毛包を得ることができ、その結果、1つのみが分析される場合、必要に応じて少なくとも1つのバックアップがある。本発明の一実施形態では、1本の毛髪が、2部分化学の部分A及び部分B成分を組み合わせることによって作製された機能装置に添加される。さらに別の実施形態では、2つの毛包が添加される。さらに別の実施形態では、少なくとも3つの毛包が機能装置に添加される。
【0014】
一実施形態では、この反応は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の容器内で行われてもよい。例えば、毛包試料を挿入することができる蓋又は他の開口部を有する透明容器であってもよい。非限定的な一例では、アッセイ容器内の液体の総量は約0.1mlであってもよい。
【0015】
上記反応の一部として、ミノキシジルスルホトランスフェラーゼ活性の存在下で、硫酸p-ニトロフェニルが発色性のp-ニトロフェノールに変換されることが理解される。
【0016】
一実施形態では、反応物を混合し、次いで、アッセイで使用される毛包の数に応じて、室温で約4~24時間インキュベートしてもよい。混合は、容器を振盪することを含む、当技術分野で公知の任意の混合手段によるものであってもよい。一実施形態では、より多数の毛包に対してより短いインキュベーション時間が必要とされてもよい。一実施形態では、1つの毛包を使用するアッセイを約24時間インキュベートしてもよい。別の実施形態では、2つの毛包を使用するアッセイを約16時間インキュベートしてもよい。
【0017】
インキュベーション後、p-ニトロフェノールの吸光度を分光光度計で約405nmで読み取ってもよい。吸光度は以下のように解釈され得る:(a)0.4吸光度単位(AU)未満の吸光度は、ミノキシジルがうまく機能しない可能性が高いことを意味する。(b)0.4AUに等しい吸光度は、両意にとれる試験を意味する。又は(c)0.4AUを超える吸光度は、ミノキシジルが作用し得ることを意味する。あるいは、p-ニトロフェノールの色強度を、SULT1A1活性に対応する強度の範囲を有する基準カラーカードと比較してもよい。比較的高いレベルのスルホトランスフェラーゼ活性を有する対象は、比較的強い比色読み取り値を有し、比較的有意な色変化をもたらす。これと比較して、比較的低いレベルのスルホトランスフェラーゼ活性を有する患者は、比較的弱い比色読み取り値を有し、それに対応して、比較的最小限の色変化を有する。比色アッセイ応答が強い患者は、毛の再生又は保持のためのミノキシジルに応答すると予想される。一方、比色アッセイ応答が弱い患者は、ミノキシジルに対する応答が悪いと予想される。
【0018】
本発明の上記及び他の目的、態様、特徴、利点及び可能な用途は、以下の図面と併せて提示される以下のより詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】引き抜いたヒト毛髪を用いて比色アッセイを実施するために使用され得る例示的なキットを示す。
【0020】
図2】例示的な2部分型化学組成物の部分A及び部分B成分の例示的な図である。
【0021】
図3】アッセイの例示的な反応スキームである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
例は、引き抜かれたヒト毛髪からのバイオマーカーを測定するためのポイントオブケア診断装置の文脈で本明細書に記載される。以下の説明は例示にすぎず、決して限定することを意図するものではない。他の実施形態は、本開示の利益を有するそのような当業者に容易に示唆されるであろう。ここで、例示的な実施形態の実施態様を詳細に参照する。
【0023】
明確にするために、本明細書に記載された実施態様の慣例的な特徴のすべてが示され説明されているわけではない。そのような実際の実施態様の開発では、用途及びビジネス関連の制約の遵守などの開発者の特定の目標を達成するために、実施態様に固有の多数の決定を行う必要があり、これらの特定の目標は実施態様ごとに、また開発者ごとに異なる。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとっては、エンジニアリングの日常的な仕事である。
【0024】
「例示的」という用語は、本明細書では、「例、実例、又は例示として役立つ」ことを意味するために排他的に使用される。本明細書で「例示的」として記載される任意の実施形態は、他の実施形態よりも好ましい又は有利であると必ずしも解釈される必要はない。
【0025】
図1図3を参照すると、実施形態は、毛包中のスルホトランスフェラーゼ酵素活性を測定するためのキット100に関する。キット100は、容器102及び反応容器104を含むことができる。キット100は、別個の構成要素として容器102及び反応容器104を含むことができる。例えば、キット100は、容器102を1つのユニットとして含み、反応容器104を別個のユニットとして含むことができる。あるいは、キット100は、単一の構成要素の一部として容器102及び反応容器104を含むことができる。例えば、キット100は、容器102及び反応容器104を単一のユニットとして含むハウジング又は他の構造を含むことができる。キット100は、任意の数の容器102及び/又は反応容器104を含むことができる。1つ以上の反応容器104について1つの容器102、各個々の反応容器104について個々の容器102などが存在することができる。本明細書で説明されるように、容器102の内容物が反応容器104に導入される。これは、例えば、容器102の内容物を反応容器104に注ぎ、内容物が導管103を介して容器102から反応容器104に流れることを可能にすること(例えば、重力供給、浸透運動、毛管作用運動など)、内容物を導管103を介して容器102から反応容器104に流すことを強制すること(例えば、ポンプ、非平衡動力学運動などを介して)などによって行うことができる。導管103は、例えば容器102及び反応容器104を含む流管又は流路(容器102及び反応容器104が単一ユニットである場合、ハウジング又は他の構造に形成され得る)であってもよい。導管103は、容器102を反応容器104と流体連通させるように構成することができる。いくつかの実施形態は、容器102から反応容器104への内容物の流れを制御するためのアクチュエータ106(例えば、弁、ソレノイド弁など)を含むことができる。アクチュエータ106は、ポンプ、弁などの態様を制御するように構成されたプロセッサ、制御モジュール、スイッチなどを含むことができる。アクチュエータ106は、機械的に操作することができ、電気機械的に操作することができる。キット100の他の態様は、内容物の適切な制御及び流れ、流量及び量の制御、流れの開始時間及び停止時間の制御などを容易にするために、膜、フィルタ、ガスケット、スイッチ、タイマなどを含むことができる。したがって、キット100は、容器102がアクチュエータ106を介して反応容器104と選択的に流体連通するように構成することができ、その結果、反応性部分108の内容物及び非反応性部分110の内容物は、アクチュエータ106の作動時に反応容器104に導入される。所与のキット100に対して1つ以上のアクチュエータ106が存在し得ることが理解される。
【0026】
容器102は、2部分型化学組成物を保持するように構成することができる。2部分型化学組成物は、反応性部分108及び非反応性部分110を有することができる。例えば、容器102は、反応性空洞及び非反応性空洞を形成する分岐構造109を有する容器(例えば、ボトル、容器、タンク、フラスコなど)とすることができ、各空洞は内容物(例えば、化学組成物)を保持するように構成される。各部分108、110の内容物は流体であると考えられる。分岐構造109は、反応性部分108の内容物と非反応性部分110の内容物とを物理的及び/又は化学的に分離するように構成された壁とすることができる。容器102の材料は、反応性部分108の内容物を非反応性部分110及び容器102の外側の環境から物理的及び/又は化学的に隔離することができ、例えば、透過性の動きを防止し、光が入るのを防止し、それぞれの内容物が混合するのを防止するなどができる。容器102の材料は、非反応性部分110の内容物を反応性部分108及び容器102の外側の環境から物理的及び/又は化学的に隔離することができ、例えば、透過性の動きを防止し、光が入るのを防止し、それぞれの内容物が混合するのを防止するなどができる。
【0027】
容器102及び反応容器104は各々、内容物の出入りを容易にするための入口112及び出口114を含むことができる。容器102は、各部分108、110のための個別の入口112、各部分108、110のための個別の出口114などを有することができる。いくつかの実施形態では、入口112は入口112と出口114の両方として機能する。反応容器104は、入口112及び出口114を有してもよく、又はその入口112は、入口及び出口114の両方として機能してもよい。容器102又は反応容器104の入口112又は出口114のいずれも、入口112又は出口114を選択的に覆うための蓋109又は栓を有することができる。容器102が反応容器104から分離されている実施形態では、ユーザは容器102を手で取り扱い、各部分108、110から出口114を介して反応容器104の入口112に内容物を注ぐことができる。加えて、又は代替として、ピペット液滴などの移送装置を使用して内容物を移送することができ、例えば、ユーザは、容器102の出口114にピペットを導入して内容物の体積を回収し、反応容器104の入口112に内容物を分注することができる。また、内容物を容器102から反応容器104に移送するために、導管103のライン(入口112及び出口114へ及びそこから延びる)を有するポンプを使用することができる。容器102が反応容器104と同じユニットの一部である実施形態では、アクチュエータ106を作動させて、容器102の出口114から反応容器104の入口112への内容物の流れを生じさせる/可能にすることができる。
【0028】
反応性部分108の内容物は、各々の内容物が反応容器104に導入されるまで非反応性部分110の内容物と混合又は結合しないことが企図される。したがって、内容物移送の方法、導管103、移送装置、弁、アクチュエータ106などの配置及び構成は、内容物が反応容器104に導入されるまで、内容物の混合又は結合が生じないようなものであり得る。
【0029】
反応容器104は、反応性部分108の内容物及び非反応性部分110の内容物を結合するか又は混合するように構成することができる。例えば、反応容器104は、内容物が容器102から反応容器104に流れることが可能にされる/流れるよう強制されるときに容器102の内容物を受容する空洞を有する容器とすることができる。空洞は、反応性部分108の内容物及び非反応性部分110の内容物の結合又は混合を可能にする。これは、内容物が反応容器104に入るときの自由な混合、強制混合、他の形態の撹拌などによるものであってもよい。
【0030】
反応性部分108の内容物は、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを含むことが企図される。反応性部分108の内容物はまた、安定化溶液を含むことができる。安定化溶液は、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを安定化して、安定化p-ニトロフェニル硫酸カリウムを形成する。p-ニトロフェニル硫酸カリウム(PNPS)をカリウムp-ニトロフェニル(PNP)及びSOに変換するためには水素が必要である。塩基性pHを有することにより、利用可能なプロトンの量及び安定化されたPNPSが最小限に抑えられる。安定化溶液は、約9~約11の範囲内のpHを有することができる。いくつかの実施形態では、安定化溶液は、水溶液及び緩衝剤を含む溶媒であり得る。緩衝剤は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む炭酸塩緩衝液であり得る。いくつかの実施形態では、安定化溶液は、非プロトン性極性溶媒を含む溶媒であり得る。非プロトン性極性溶媒は、アセトニトリルを含むことができる。いくつかの実施形態では、安定化溶液はプロトン性非水性溶媒であり得る。プロトン性非水性溶媒は、イソプロパノール又はエタノールを含むことができる。
【0031】
非反応性部分110の内容物は、ミノキシジル、塩化マグネシウム及びリン酸緩衝液を含むことが企図される。SULT1A1酵素反応は約pH8で最適化され、したがってリン酸緩衝液は約pH8を有することができる。
【0032】
反応容器104は、少なくとも1本の毛包を受容するように構成された開口部116を含むことができる。この開口部116は、場合によっては反応容器104の入口と同じであってもよい。反応容器104は、毛包の少なくとも一部(例えば、毛包の一部のみが反応容器104内に挿入される)又は毛包全体(例えば、毛包全体が反応容器104内に挿入される)を受容するように構成することができる。毛包は、内容物の混合物又は結合物(反応性部分108の内容物及び非反応性部分の内容物の混合物又は結合物)と接触するように配置されることが企図される。これは、混合物又は結合物と接触すること、混合物又は結合物の浴内に浸漬されることなどを含むことができる。反応容器104は複数の毛包を受容するように構成することができ、これは1つの開口部116又は複数の開口部116を介してであってもよい。
【0033】
実施形態は、ミノキシジル製剤が毛の再生又は維持を必要とする対象において有効であるかどうかを決定する方法に関し得る。この方法は、2部分型化学組成物の反応性部分108の内容物及び非反応性部分110の内容物を結合又は混合して、混合物又は結合物を形成することを含み得る。反応性部分の内容物は、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを含むことができる。反応性部分108の内容物はまた、安定化溶液を含むことができる。安定化溶液は、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを安定化して、安定化p-ニトロフェニル硫酸カリウムを形成する。安定化溶液は、水溶液及び緩衝剤を含む溶媒、非プロトン性極性溶媒、又はプロトン性非水性溶媒であり得る。非プロトン性極性又はプロトン性非水性溶媒には純粋な溶媒を使用することが企図される。水系溶液については、50mM炭酸塩緩衝液を使用することが企図される。範囲は、10~100mM及び100mM~1M緩衝液であり得るが、PNPSを安定化することが可能な最小量が好ましい。内容物は、安定化された溶質のみを残すように溶媒が除去された安定化p-ニトロフェニル硫酸カリウムを含むことができる。溶媒は、例えばベンチトップ濃縮器、凍結乾燥器などを使用して、空気乾燥、真空によって除去することができる(例えば、90~100%が除去される)。例えば、内容物を真空下(例えば、20~0.1トール)で20分間の空気乾燥に供することができる。
【0034】
非反応性部分の内容物は、ミノキシジル、塩化マグネシウム、リン酸緩衝液を含むことができる。
【0035】
この方法は、対象からの毛包を混合物又は結合物と接触させることを含み得る。この方法は、毛包を混合物又は結合物と混合及び/又はインキュベートすることを含み得る。混合することは、撹拌、磁気ミキサーの使用、振盪、他の形態の撹拌などを含み得る。混合及び/又はインキュベートすることは、混合物又は結合物と接触して配置された毛包の数に依存する期間にわたって混合及び/又はインキュベートすることを含み得る。例えば、所与の実施態様に使用される毛包が多いほど、必要な混合及び/又はインキュベーションは少なくなると考えられる。例えば、インキュベーション時間は、2つの毛包について24時間、4つの毛包について12時間などであり得る。反応容器104で使用される内容物の体積も、混合物又は結合物と接触するように配置された毛包の数に依存し得る。例えば、100uLの反応体積を使用するインキュベーション時間は、50uLの反応体積が使用される場合のインキュベーション時間の2倍である。
【0036】
p-ニトロフェノール生成物の存在は、毛包のスルホトランスフェラーゼ酵素活性と正の相関があり、したがって、この方法は、混合物又は結合物中のp-ニトロフェノール生成物の存在を測定することを含み得る。この方法は、p-ニトロフェノール生成物の測定された存在を所定のレベルと比較することを含み得る。所定のレベルは、対象がミノキシジル治療に対して良好な応答を有するであろうという指標として使用される閾値レベルであり得る。例えば、所定のレベルを超えるp-ニトロフェノール生成物の存在は、対象がミノキシジル治療に対して良好な応答を有するであろうことを示すスルホトランスフェラーゼ酵素活性のレベルを示すことができる。所定のレベル未満のp-ニトロフェノール生成物の存在は、対象がミノキシジル治療に対して良好な応答を有さないであろうことを示すスルホトランスフェラーゼ酵素活性のレベルを示すことができる。
【0037】
ミノキシジルスルホトランスフェラーゼ活性の存在下で、硫酸p-ニトロフェニルが発色性のp-ニトロフェノールに変換される。したがって、p-ニトロフェノール生成物の存在を測定することは、分光光度計118(例えば、溶液を通過する光の電磁放射を収集するためのセンサと、収集された電磁放射を解釈又は定量化するためのプロセッサとを有する分光計)を使用して約400~410nm(好ましくは405nm)でのp-ニトロフェノール生成物の吸光度を測定することを含むことができる。例示的な実施形態では、吸光度は以下のように解釈され得る:(a)0.4AU未満の吸光度は、ミノキシジルがうまく機能しない可能性が高いことを示すことができる。(b)0.4AUに等しい吸光度は、両意にとれる試験を示すことができる。又は(c)0.4AUを超える吸光度は、ミノキシジルが作用し得ることを示すことができる。
【0038】
加えて、又は代替として、p-ニトロフェノール生成物の存在を測定することは、p-ニトロフェノール生成物の色強度を、スルホトランスフェラーゼ酵素活性に対応する強度の範囲を有する色強度基準カードと比較することを含み得る。例えば、p-ニトロフェノールの色強度を、SULT1A1活性に対応する強度の範囲を有する基準カラーカードと比較してもよい。比較的高いレベルのスルホトランスフェラーゼ活性を有する対象は、比較的強い比色読み取り値を有し、比較的有意な色変化(p-ニトロフェニル硫酸塩のいずれかが発色性のp-ニトロフェノールに変換されることによる混合物の色の変化)をもたらす。これと比較して、比較的低いレベルのスルホトランスフェラーゼ活性を有する対象は、比較的弱い比色読み取り値(p-ニトロフェニル硫酸塩のいずれかが発色性のp-ニトロフェノールに変換されることによる混合物の色の変化)、及びそれに対応して、比較的最小の色変化を有する。比色アッセイ応答が強い対象は、毛の再生又は保持のためのミノキシジルに応答すると予想される。一方、比色アッセイ応答が弱い対象は、ミノキシジルに対する応答が悪いと予想される。色強度基準カードは、以前の試験からのデータに基づく予め作成された物理カード又は仮想カード(例えば、コンピュータグラフィカルユーザインターフェース)とすることができる。比色読み取り値と色強度基準カードとの比較は、目視による人間の検査、コンピュータアルゴリズム検査などによって行うことができる。
【0039】
したがって、毛包がSULT1A1(又は十分な量のSULT1A1)を含有する場合、十分なレベルのスルホトランスフェラーゼ酵素活性を示すように、p-ニトロフェニル硫酸塩が発色性のp-ニトロフェノールに変換され(又は十分な量のp-ニトロフェニル硫酸塩が発色性のp-ニトロフェノールに変換され)、これは対象がミノキシジル治療に対して良好な応答を有することの予測因子として使用することができる。
【0040】
実施形態及び用途を示し説明してきたが、本明細書に開示された発明の概念から逸脱することなく、上述したよりも多くの変更が可能であることは、本開示の利益を有する当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神を除いて制限されるべきではない。
【0041】
例1:ミノキシジル応答試験(MRT)、2部分型化学製剤
例示的な手順は、以下の試薬を使用する:リン酸ナトリウム緩衝液(500mM)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、p-ニトロフェニル硫酸カリウム、ミノキシジル、MgCl溶液(1M)、水(0.1μm濾過)及びメタノール。
【0042】
例示的な手順は、1000ユニットのMRT反応の生成のためのものである。PNPS沈着試料管を調製し(部分A)、同様に、再構成溶液を調製する(溶液B)。PNPS沈着試料管(部分A)に100μLの溶液Bを添加することによって、単一のMRT反応ユニットを作製する。
製造手順
1.0 溶液1:PNPS緩衝液10mM(pH10)
【表1】
【0043】
以下の表に示される計算量に従って溶液を混合する:適切なサイズの容器に純水を添加し、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムを添加し、溶解するまで磁気撹拌プレート上で混合する。
【0044】
最終溶液のpH(pH10)を測定する。
2.0 溶液2:p-ニトロフェニル硫酸カリウム(PNPS)50mM(pH10)
【表2】
【0045】
以下の表に示される計算量に従って溶液を混合する:適切なサイズの容器にPNPS緩衝液を添加し、p-ニトロフェニル硫酸カリウムを添加し、溶解するまで磁気撹拌プレート上で混合する。
3.0 溶液3-100mMミノキシジル保存溶液
【表3】
【0046】
以下の表に示される計算量に従って溶液を混合する:適切なサイズの容器にメタノールを添加し、ミノキシジルを添加し、溶解するまで磁気撹拌プレート上で混合する。
【0047】
保存溶液を約-20℃で最大1年間保存する。
4.0 PNP沈着管(部分A)
【表4】
【0048】
ステップ4.0の材料は、溶液2(PNPS50mM、pH10)及び試料管(500μL)を含む。
【0049】
以下を実行する:(1)10μLの溶液2をMRT試料管に添加し、(2)speedvac中で管を開き、すべての液体が蒸発するまで(約20分)回転させながら真空下で風乾し、(3)周囲温度で保存する。
【0050】
すべての体積は、仕様の5%以内とする。液体を蒸発させるのに必要な最小時間は、使用する機器(speedvac)ごとに決定する必要がある。過乾燥は、部分Aの安定性を低下させ得る。
5.0 溶液B
【0051】
ステップ5.0の材料は、500mMリン酸緩衝液、pH8.0、1M塩化マグネシウム溶液、100mMミノキシジル保存溶液及び水を含む。
【表5】
【0052】
表に示す計算量に従って溶液を混合し、次いで均一になるまで磁気撹拌プレート上で混合する。
【0053】
すべての体積は仕様の5%以内とする。すべての重量は、仕様の5%以内とする。pHは8±0.5とする。
【0054】
例2:加速安定性プロトコル
試験成分
2つの検証バッチ(ロット)のp-ニトロフェニル硫酸カリウム(PNPS)沈着管を作製し、高温で保存した。各ロットは、合計24本のPNPS沈着管を含む。加速安定性試験の過程で、各ロットの3つの試料を高温から取り出し、2部分型化学の第2の部分(溶液B)で再構成する。再構成の24時間後、試料を黄色について目視検査する。
【0055】
モデルの根拠
試験装置を極端な温度条件にさらすことは、経時的であるが加速された速度で製品の劣化をシミュレートすることを意図している。アレニウスの式を使用して、貯蔵寿命データを製品性能の予測測定値として外挿することができる。アレニウスの式は、化学反応速度(k)を絶対温度(T)に関連付ける。
d(Ink)/dT=ΔE/RT
【0056】
ここで、Eは活性化エネルギーであり、Rは普遍的な気体定数である。
【表6】
【0057】
20kcalのアレニウスモデルを使用すると、50℃で56.2日後、又は40℃で112.3日後に仕様を満たせば、試験試薬は理論的に1年間は満足のいく性能を有する。
【0058】
注:50℃の条件が試験試料にとって極端すぎる場合、40℃の試料は偶発事故として実行される。試験試料が50℃で56.2日間安定なままである場合、40℃実験を終了する。
【0059】
予測保存条件
PNPS沈着管の性能を、50℃及び40℃で保存したときに評価する。すべての保管場所は、試験中に適切な温度範囲が満たされることを保証するために、応用生物学品質システム規格に準拠している。
【0060】
試験の目的
50℃及び40℃での安定性試験の目的は、製品の貯蔵寿命を決定するためのデータを生成することである。データは、最終製品形態の安定性の予測因子として使用される。
【0061】
テストキット保存
キット(試薬)を50℃及び40℃(すべての温度で±2℃)で保存する。
分析間の間隔
【表7】
【0062】
表7に記載のように、50℃±2℃及び40℃±2℃で保存したミノキシジル感受性アッセイ試薬に対して加速安定性を実施する。試薬を3連で試験する。試験日が週末又は休日に当たる場合、試験点は(試験間隔に応じて)排除されるか、又は予定された時間の後の最初の作業日に試験される。
【0063】
安定性基準
加速安定性試験は、表8に詳述されている合格目標を最初に満たさなければならない。
【表8】
【0064】
注:
(1)溶液Bで再構成した24時間後に結果を評価する。
【0065】
(2)試薬は、50℃で56.2日間又は40℃で112.3日間以下の仕様(#4)を満たさなければならず、23℃で12ヶ月の貯蔵寿命が予測される。
【0066】
(3)より高い温度は溶液の化学的性質に悪影響を及ぼす可能性があるため、特定の温度での不合格は貯蔵寿命の指標にならない可能性がある。したがって、1年間の貯蔵寿命は、50℃処理では予測され得ず、40℃処理では予測され得る。
【0067】
(4)ある時点は、連続する2つの試験時点で不合格が観察された場合、不合格とみなされる。不合格時間は、第1の不合格時点の不合格時間から延長し得る。無効な試験結果がある場合、その結果を確認するために試験を1回再試験することができる。結果を確認するために、不合格を1回再試験することもできる。再試験時に不合格が確認されない場合、追加の試験を実行してその時点の状態を評価することができる。
【表9】
【0068】
注:
試料を3回評価するものとする。
【0069】
試験日が週末又は休日に当たる場合、試験点は(試験間隔に応じて)排除されるか、又は予定された時間の後の最初の作業日に試験される。
【0070】
1年間の推定安定性:50℃=56.2日間、40℃=112.3日間
【表10】
【0071】
例3:再構成された部分A及び部分Bの機能試験
例2から安定であると考えられた試料、すなわち再構成の24時間後に透明のままであった試料を、2つのヒト毛包と反応させて、再構成された化学的性質が機能的であるかどうかを試験した。
【0072】
【表11】

【表12】
【符号の説明】
【0073】
100 キット
102 容器
103 導管
104 反応容器
106 アクチュエータ
108 反応性部分
109 蓋、分岐構造
110 非反応性部分
112 入口
114 出口
116 開口部
118 分光光度計
図1
図2
図3
【外国語明細書】