(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169852
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】IGBTゲート駆動部の電力供給装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
H02M1/08 C
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022160587
(22)【出願日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0060317
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】522392140
【氏名又は名称】サンイル エレクトリック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100207022
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 弘之
(72)【発明者】
【氏名】ベ スンヒョン
【テーマコード(参考)】
5H740
【Fターム(参考)】
5H740BA11
5H740BB08
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK10
(57)【要約】
【課題】商用電源から商用電力を供給されてパルス電力に変換して出力されるパルス電源ケーブルにフェライトコア電源を接続して絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)ゲートを駆動させるのに必要な電力を供給するようにしたIGBTゲート駆動部の電力供給装置を提供する。
【解決手段】外部の商用電源から商用電力が供給される電力供給部と、前記電力供給部から商用電力を伝達されてパルス状の電力を生成して出力するパルス電力生成部と、前記パルス電力生成部から生成されたパルス電力を伝達し、前記パルス電力を前記パルス電力生成部に帰還させるパルス電力出力ケーブルと、前記パルス電力出力ケーブルに接続されて前記パルス電力が印加されるときに生じる磁束と前記磁束により生じる磁場を用いてフェライトコア電力を生成する多数のフェライトコア電力生成部と、前記各フェライトコア電力生成部から生成されたフェライトコア電力を供給されて動作するIGBT駆動部と、を備えてなることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の商用電源から商用電力が供給される電力供給部と、
前記電力供給部から商用電力を伝達されてパルス状の電力を生成して出力するパルス電力生成部と、
前記パルス電力生成部から生成されたパルス電力を伝達し、前記パルス電力を前記パルス電力生成部に帰還させるパルス電力出力ケーブルと、
前記パルス電力出力ケーブルに接続されて前記パルス電力が印加されるときに生じる磁束と前記磁束により生じる磁場を用いてフェライトコア電力を生成する多数のフェライトコア電力生成部と、
前記各フェライトコア電力生成部から生成されたフェライトコア電力を供給されて動作する絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)駆動部と、
を備えてなることを特徴とする絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)ゲート駆動部の電力供給装置。
【請求項2】
前記パルス電力出力ケーブルは、絶縁材質によりコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)ゲート駆動部の電力供給装置。
【請求項3】
前記パルス電力のパルス状の波形は、矩形波、正弦波、三角波、のこぎり歯波、または脈流波のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)ゲート駆動部の電力供給装置。
【請求項4】
前記絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)駆動部は、
前記フェライトコア電力生成部において生成されたフェライトコア電力をパルス幅変調(PWM)信号に変換し、前記パルス幅変調(PWM)信号のデューティサイクルを調節して出力するマイコンと、
前記マイコンからパルス幅変調(PWM)信号を伝達され、伝達されたパルス幅変調(PWM)信号をゲート信号に変換して絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)のゲートに伝達するゲートドライブICと、
を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)ゲート駆動部の電力供給装置。
【請求項5】
前記フェライトコア電力生成部は、
前記パルス電力出力ケーブルに締結されてパルス電力が印加されるときに生じる磁場を用いてフェライトコア電力を生成する電力生成部と、
前記電力生成部から生成されたフェライトコア電力を伝達するフェライトコア電源ケーブル、及び
前記フェライトコア電源ケーブルを介して伝達されたフェライトコア電力を前記絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)駆動部に印加するコネクター
を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT)ゲート駆動部の電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IGBTゲート駆動部の電力供給装置に係り、特に、商用電源から商用電力を供給されてパルス電力に変換して出力されるパルス電源ケーブルにフェライトコア電源を接続してIGBTゲートを駆動させるのに必要な電力を供給するようにしたIGBTゲート駆動部の電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、絶縁ゲート型バイポーラートランジスター(IGBT:Insulated gate bipolar transistor)とは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスターをゲート部に組み込んだ接合型トランジスターであって、ゲート-エミッター間の電圧が駆動されて入力信号によりオン/オフが生じ、大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子のことをいう。現在、モーター可変速駆動装置や産業用ロボット装置、コンピューターの無停電電源装置などスイッチング周波数が約数k~20kHzである中容量装置にIGBTが主として用いられるが、最近では、冷蔵庫のコンプレッサーの駆動をはじめとして、大容量の電車のモーター駆動装置に至るまで多岐にわたる分野の電気機器にIGBTが用いられている。
【0003】
しかしながら、上述したように、IGBTを駆動するために各IGBTごとにコンバーター装置が求められる。このような別途のDC/DCコンバーター装置を外部に備え、これをケーブルにて繋いで使用したりもするが、外部のケーブルの伝送ノイズによる電力変換効率が低下するか、あるいは、コストの節減の側面からみても決して効果的ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-168276号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10-2003-0080490(公開日2003年10月17日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述したような不都合を解決するために案出されたものであって、商用電源から商用電力を供給されてパルス電力に変換して出力されるパルス電源ケーブルにフェライトコア電源を接続してIGBTゲートを駆動させるのに必要な電力を供給するようにしたIGBTゲート駆動部の電力供給装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するための本発明によるIGBTゲート駆動部の電力供給装置は、外部の商用電源から商用電力が供給される電力供給部と、前記電力供給部から商用電力を伝達されてパルス状の電力を生成して出力するパルス電力生成部と、前記パルス電力生成部から生成されたパルス電力を伝達し、前記パルス電力を前記パルス電力生成部に帰還させるパルス電力出力ケーブルと、前記パルス電力出力ケーブルに接続されて前記パルス電力が印加されるときに生じる磁束と前記磁束により生じる磁場を用いてフェライトコア電力を生成する多数のフェライトコア電力生成部と、前記各フェライトコア電力生成部から生成されたフェライトコア電力を供給されて動作するIGBT駆動部と、を備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によるIGBTゲート駆動部の電力供給装置は、次のような効果がある。
【0008】
すなわち、商用電源から商用電力を供給されてパルス電力に変換して出力されるパルス電源ケーブル(パルス電力出力ケーブル)にフェライトコア電源(フェライトコア電力生成部)を接続してIGBTゲートを駆動させるのに必要な電力を供給できるようにすることにより、IGBT電力供給部の構成の簡素化及びコストの節減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明によるIGBTゲート駆動部の電力供給装置を概略的に示す構成図。
【
図3】
図1のパルス電力生成部に形成されたパルス電源の出力波形を示す画面。
【
図4】
図1のパルス電力生成部に形成されたパルス電源の出力波形を示す画面。
【
図5】
図1のフェライトコア電力生成部の構成を示す構成図。
【
図6】
図1のフェライトコア電力生成部に形成されたフェライトコア電源の出力波形を示す画面。
【
図7】
図1のフェライトコア電力生成部に形成されたフェライトコア電源をIGBT駆動部につないだ状態での出力波形を示す画面。
【
図8】
図1のフェライトコア電力生成部とIGBT駆動部との接続関係を説明するための構成図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。このとき、添付図面において、同一の構成要素は、できる限り、同一の符号にて示しているということに留意すべきである。また、本発明の要旨を曖昧にする虞がある公知の機能及び構成についての詳しい説明は省略する。同様の理由から、添付図面において、一部の構成要素は、誇張されたり省略されたり概略的に示されたりしている。
【0011】
また、この明細書の全般にわたって、ある構成要素がある構成要素を「備える」としたとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除外するわけではなく、他の構成要素をさらに備えていてもよいということを意味する。なお、この明細書の全般にわたって、「~上に」とは、対象部分の上または下に位置するということを意味するものであり、必ずしも重力方向を基準として上側に位置することを意味するわけではない。
【0012】
本発明の実施形態において、本明細書中で特に指摘したり、明らかに文脈と矛盾したりしない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで用いられるすべての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者にとって一般的に理解される意味と同じ意味を有している。一般に用いられる、辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本発明の実施形態において明らかに定義しない限り、理想的な意味として、または過度に形式的な意味として解釈されない。
【0013】
また、本発明において、添付図面に示されている事項は、本発明の技術的特徴を浮彫にして説明するために、本発明と同じ技術分野において適用される通常の機器/構成/装置などの一部の構成に対する図示及びこれについての説明が省略されることがある。なお、同じ目的にて、一部の構成に対する図示が拡大されたり過剰に浮き彫りになって示されたりその図示が縮小または省略されたりしてもよいが、このような図示の事項が本発明の権利範囲を限定するものではないということはいうまでもない。
【0014】
図1は、本発明によるIGBTゲート駆動部の電力供給装置を概略的に示す構成図である。
【0015】
本発明によるIGBTゲート駆動部の電力供給装置は、
図1に示すように、外部の商用電源から商用電力が供給される電力供給部110と、前記電力供給部110から商用電力を伝達されてパルス状の電力を生成して出力するパルス電力生成部120と、前記パルス電力生成部120から生成されたパルス電力を伝達し、前記パルス電力を前記パルス電力生成部120に帰還させるパルス電力出力ケーブル130と、前記パルス電力出力ケーブル130に接続されて前記パルス電力が印加されるときに生じる磁束と前記磁束により生じる磁場を用いてフェライトコア電力を生成する多数のフェライトコア電力生成部140と、前記各フェライトコア電力生成部140から生成されたフェライトコア電力を供給されて動作するIGBT駆動部150と、を備えてなる。
【0016】
ここで、前記電力供給部110は、外部の商用電源から商用電力を供給されて前記パルス電力生成部120に電力を供給するためのものであって、外部から3相の220Vの交流電力を入力される。
【0017】
一方、前記電力供給部110は、220Vの商用電源だけではなく、ニッケル・カドミウム(Ni-Cd)電池、ニッケル・水素(Ni-Mh)電池、密閉型鉛蓄(SLA)電池、リチウムイオン(Li-ion)電池、及びリチウムポリマー(Li polymer)電池などの充電池、またはアルカリ乾電池であってもよく、太陽光、風力、地熱などから生産された新再生エネルギーを含んでいてもよい。
【0018】
前記パルス電力生成部120において生成されたパルス電力のパルス状の波形としては、矩形波(square wave)、正弦波(sine wave)、三角波(triangle wave)、のこぎり歯波(sawtooth wave)、または脈流波(矩形波や正弦波や三角波などの定形の波形ではないものの、これらに似ていて、これらに準ずる波形)などが挙げられる。
【0019】
また、前記パルス電力生成部120は、供給電力、パルス電流、パルス電圧、パルス周期、パルス持続時間及び休止時間の大きさをそれぞれまたはそれぞれ別々に、または、互いに関連付けて調節したり制御したりしてパルス電力を生成する。
【0020】
前記パルス電力生成部120において商用電力をパルス電力として生成するが、複数の半導体スイッチ及びキャパシターを備えてなり、前記電力供給部110から供給される商用電力を伝達されてキャパシターに充電しかつ放電するように、パルス電圧と、パルス電流と、印加時間と、供給電力とをそれぞれ任意に制御してもよい。
【0021】
ここで、パルス電力(pulse power)とは、電圧(V)と、電流(I)と電力(P)とが時間(t)の変化につれて正極性のみ(positively rising)または負極性のみ(negatively rising)、あるいは、正極性及び負極性が同時(alternately)に変わる電力の形態をまとめて指し示すものである。これは、直流電力が電圧(V)と電流(I)と電力(P)とが時間(t)の変数ではないということに対比することを意味する。一方、パルス電力については、通常、電気電子工学においては、パルス電圧と直流電圧とが重畳(superpose)されているものもパルス電力に含める。なぜならば、前述したように、時間(t)の変化につれて変わる部分が電源(電圧(V)と電流(I)と電力(P))に含まれており、この場合、パルスの部分がほとんどさらに重要に用いられるためである。したがって、本明細書において指し示すパルス電力とは、以上の説明において述べたあらゆる種類のパルス電力を意味する。
【0022】
また、パルス制御技術(pulse control technology)といえば、パルス電力の変数(variables)の様々な制御と調節とが伴われた技術を意味する。例えば、同一のパルス電力(PP=VPIPt/T)においても、パルス電圧(VP)をn倍にすれば、PP=VPIPt/T=nVPIP(t/nT)となり、パルス電流(IP)をn倍にすれば、PP=VPIPt/T=VPnIP(t/nT)となり、かつ、パルス周期(T=1/f)を加減(PP=VPIPt/T=VPIPt/nTn=VPIPt/mTm)して所要の任意の周波数(f)を有する様々なパルス電力として実現することができ、パルス持続時間(t)を加減してパルス電力を任意に変更(PP=VPIPt/T=VPIP(nt/n)/T=VPIP(mt/m)/T)することもできるあらゆる技術を意味する。
【0023】
前記パルス電力出力ケーブル130は、表面が絶縁材質によりコーティングされている。すなわち、前記パルス電力出力ケーブル130は、フェライトコア電源の場合、絶縁を保つためにエポキシ棒により絶縁されたケーブルをフェライトコアに挿通させて配設されるため、フェライトコア電源の内径を一定に保つ必要がある。
【0024】
前記フェライトコア電力生成部140は、前記パルス電力出力ケーブル130に締結されてフェライトコア電力を生成して出力するが、前記フェライトコアは、通常、フェライト材質からなる円筒のコアに電気的な信号を音響機器につなぐ導線の始端や終端を挿通させるようにして配設される。このようなフェライトコアは、渦電流の損失が少なく、高周波まで高い透磁率を有し、比較的に簡単な構成によって電磁波などのノイズを取り除くことができるとともに、信号の歪みや異常発振などの副作用が少ないため、通常的に用いられている。
【0025】
前記フェライトコア電力生成部140は、誘導結合方式(inductive coupling)方式が主として用いられており、この方式は、隣り合う二つのコイル(coil)のうちの1次コイルに流れる電流の強さを変化させれば、その電流により磁場が変わり、これにより、2次コイルを通る磁束が変わる結果、2次コイル側に誘導起電力が生じるという原理を利用する。
【0026】
すなわち、この方式によれば、二本の導線を空間的に動かせずとも二つのコイルを離隔させたままで、1次コイルの電流のみを変化させれば、誘導起電力が生じることになる。
【0027】
【0028】
図2に示すように、前記IGBT駆動部150は、マイコン151と、ゲートドライブIC 152と、を備えていてもよい。
【0029】
ここで、前記マイコン151は、前記フェライトコア電力生成部140からフェライトコア電力を供給されてもよい。前記マイコン151は、前記フェライトコア電力生成部140からフェライトコア電力をパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)信号に変換し、変換されたPWM信号をゲートドライブIC 152に伝達してもよい。
【0030】
前記マイコン151は、供給されるフェライトコア電力をPWM信号に変換するとき、PWM信号のパルス幅、すなわち、デューティサイクル(duty cycle)を調節してもよい。前記マイコン151は、PWM信号のデューティサイクルを調節してモーターを制御してもよい。
【0031】
前記ゲートドライブIC 152は、前記マイコン151からPWM信号を伝達されてもよく、伝達されたPWM信号をゲート信号(Gate signal)に変換してIGBTのゲートに伝達してもよい。
【0032】
一方、アクティブハイタイプ(Active High Type)であるゲートドライブIC 152は、PWM信号がハイ(High)で印加されればハイを出力するゲート信号に変換し、PWM信号がロー(Low)で印加されればローを出力するゲート信号に変換してもよい。あるいは、アクティブロータイプ(Active Low Type)であるゲートドライブIC 152は、PWM信号がハイで印加されればローを出力するゲート信号に変換し、PWM信号がローで印加されればハイを出力するゲート信号に変換してもよい。
【0033】
前記ゲートドライブIC 152は、変換されたゲート信号をIGBTのゲートGに伝達してもよい。
【0034】
前記IGBTのゲートは、ゲートドライブIC 152からゲート信号を伝達されてもよい。前記IGBTは、伝達されたゲート信号を介してハイが印加されればオンになり、ローが印加されればオフになってもよい。
【0035】
一方、前記マイコン151とゲートドライブIC 152は、それぞれ電圧を供給されれる電源を備えていてもよい。前記マイコン151とゲートドライブIC 152は、それぞれ電源を介して電圧を供給されて信号を出力してもよい。
【0036】
前記マイコン151とゲートドライブIC 152に電圧が正常的に印加される場合、マイコン151は、ゲートドライブIC 152にPWM信号を伝達してもよい。PWM信号は、ハイとローとが繰り返される信号であって、ハイ(または、ロー)が続く時間は調節可能である。一方、アクティブハイタイプ(Active High Type)のゲートドライブIC 152にPWM信号を伝達する場合にハイが続く時間と、アクティブロータイプ(Active Low Type)のゲートドライブIC 152にPWM信号を伝達する場合にローが続く時間とは、制限される必要がある。ゲートドライブIC 152がIGBTのゲートに所定の時間以上ハイであるゲート信号を出力することを防ぐためである。
【0037】
図3及び
図4は、
図1のパルス電力生成部120に形成されたパルス電源の出力波形を示す画面である。
【0038】
図3に示すように、前記パルス電力生成部120に形成されたパルス電源の出力電圧をオープン(open)した場合に29.5V(Pk-GND)であり(a)、前記パルス電力の出力が50kHzの小さな矩形波が約5kHzの周期をもって繰り返し発生するということが分かる(b及びc)。
【0039】
また、
図4に示すように、前記パルス電力生成部120に形成されたパルス電源の出力電圧をショート(Short)させた場合にパルス電源の出力電圧は4.0V(Pk-GND)であり(a)、波形の周期を、パルス電源の出力をオープンした場合と同様に、前記パルス電源の出力が50kHzの小さな矩形波が約5kHzの周期をもって繰り返し発生するということが分かる(b及びc)。
【0040】
図5は、
図1のフェライトコア電力生成部140の構成を示す構成図である。
【0041】
図5に示すように、前記フェライトコア電力生成部140は、前記パルス電力出力ケーブル130に締結されてパルス電力が印加されるときに生じる磁場を用いて電力を生成する電力生成部141と、前記電力生成部141から生成されたフェライトコア電力を伝達するフェライトコア電源ケーブル142、及び前記フェライトコア電源ケーブル142を介して伝達されたフェライトコア電力を前記IGBT駆動部150に印加するコネクター143を備えてなる。
【0042】
このとき、前記フェライトコア電源ケーブル142は、Red線R及びWhite線W同士はつながれており、Black線Bは分離されている。
【0043】
図6は、
図1のフェライトコア電力生成部に形成されたフェライトコア電源の出力波形を示す画面である。
【0044】
図6に示すように、前記フェライトコア電力生成部140に形成されたフェライトコア電源の出力をオープン(open)した場合に振幅が約1.78Vである正弦波と略同一の波形が出力される。
【0045】
図7は、
図1のフェライトコア電力生成部に形成されたフェライトコア電源をIGBT駆動部につないだ状態での出力波形を示す画面である。
【0046】
図7に示すように、フェライトコア電源の出力波形としては、約9.16V(Pk-GND)のパルス波形が出力され、その波形の周期は、パルス電源発生部のパルス電源の出力波形と同一である。
【0047】
図8は、
図1のフェライトコア電力生成部とIGBT駆動部との接続関係を説明するための構成図であり、
図9及び
図10は、
図8の各構成と出力波形を示す画面である。
【0048】
図8に示すように、前記フェライトコア電力生成部140のフェライトコア電源ケーブル142は、5本のライン(2本のRed及び2本のWhiteと1本のBlack)から構成されて前記IGBT駆動部150の5本のピン1~5にそれぞれつながれる。
【0049】
また、
図9に示すように、CH1は、CN01コネクターのピン1とピン5につながれた状態でVpk-pkが約15Vのパルス波を出力し、CH2は、CN01コネクターのピン1とピン4につながれた状態でVpk-pkが約29.8Vのパルス波を出力し、CH3は、DCリンクキャパシターの両端の測定波形が約42.5Vのdc電圧をそれぞれ出力する。
【0050】
さらに、
図10に示すように、DCリンクキャパシターの両端の測定波形は、45.83Vであることが分かる。
【0051】
一方、以上において本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の権利範囲はこれに何ら限定されるものではなく、本発明の実施形態と実質的に均等な範囲にあるものまで本発明の権利範囲が及ぶものであり、本発明の精神を逸脱しない範囲内において当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により様々な変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
110:電力供給部
120:パルス電力生成部
130:パルス電力出力ケーブル
140:フェライトコア電力生成部
150:IGBT駆動部