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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169874
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】流量感知デバイス
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/00 20220101AFI20231122BHJP
   G01F 1/68 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
G01F1/00 A
G01F1/68 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023077140
(22)【出願日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】202211028291
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】クナ、ヴイ.エス.アール.、キショール
(72)【発明者】
【氏名】ガネーシュ、ビー.イー.
【テーマコード(参考)】
2F030
2F035
【Fターム(参考)】
2F030CB10
2F030CC01
2F030CC11
2F030CE04
2F035EA02
2F035EA05
2F035EA08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流量感知デバイスに関連付けられた方法、装置、及びコンピュータプログラム製品が提供される。
【解決手段】例示的な流量感知デバイスは、流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素であって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することと、少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を実行するように構成される、コントローラ構成要素を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量感知デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された流量感知構成要素であって、前記流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成される流量感知構成要素と、
前記流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素であって、
少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することと、
前記少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、前記流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、
前記気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を実行するように構成される、コントローラ構成要素と、を備える、流量感知デバイス。
【請求項2】
前記コントローラ構成要素は、
前記気泡が前記気泡状態を満たすと判定したことに応答して、気泡指示を生成すること、を更に実行するように構成される、請求項1に記載の流量感知デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することは、
前記少なくとも1つの感知構成要素出力が以前の値未満であるかどうかを判定することと、
前記少なくとも1つの感知構成要素出力が所定の最小値に等しいかどうかを判定することと、を含む、請求項1に記載の流量感知デバイス。
【請求項4】
前記流量感知デバイスは、前記流動媒体が前記流量感知デバイスと直接接触するときに、空隙が前記流量感知デバイスの表面に隣接して形成されるように位置決めされ、前記所定の特性のうちの少なくとも1つは、前記空隙に接合されている前記気泡と関連付けられる、請求項1に記載の流量感知デバイス。
【請求項5】
前記流量感知構成要素は、少なくとも1つの加熱素子と、前記少なくとも1つの加熱素子に対して上流に位置決めされた第1の流量感知素子と、前記少なくとも1つの加熱素子に対して下流に位置決めされた第2の流量感知素子と、を備える、請求項1に記載の流量感知デバイス。
【請求項6】
前記流量感知構成要素は、感知チップを含む、請求項5に記載の流量感知デバイス。
【請求項7】
前記コントローラ構成要素は、
前記第1の流量感知素子に関連付けられた第1の温度出力を判定することと、
前記第2の流量感知素子に関連付けられた第2の温度出力を判定することと、前記第1の温度出力と前記第2の温度出力とを比較することとによって、前記気泡が気泡状態を満たすかどうかを判定するように構成される、請求項5に記載の流量感知デバイス。
【請求項8】
前記コントローラ構成要素は、
前記気泡を検出することに応答して、気泡滞留タイマを開始することと、
最小許容滞留時間値を判定することと、
最大許容滞留時間係数を検索することと、
前記最大許容滞留時間値が気泡滞留時間値未満である事例において、気泡滞留指示を生成することと、を更に実行するように構成される、請求項7に記載の流量感知デバイス。
【請求項9】
前記コントローラ構成要素は、
前記最大許容滞留時間値が流動終了係数未満である事例において、第2の気泡滞留指示を生成することと、を更に実行するように構成される、請求項8に記載の流量感知デバイス。
【請求項10】
前記流動終了係数は、流動終了シナリオを代表している前記流路における推定ロング流動空所長に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項9に記載の流量感知デバイス。
【請求項11】
方法であって、
流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素によって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することであって、前記流量感知構成要素は、流量感知デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に配置されており、前記流量感知構成要素は、前記流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成されている、監視することと、
前記コントローラ構成要素によって、前記少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、前記流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、
前記コントローラ構成要素によって、前記気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記気泡が前記気泡状態を満たすと判定したことに応答して、前記コントローラ構成要素によって、気泡指示を生成すること、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することは、
前記コントローラ構成要素によって、前記少なくとも1つの感知構成要素出力が以前の値未満であるかどうかを判定することと、
前記コントローラ構成要素によって、前記少なくとも1つの感知構成要素出力が所定の最小値に等しいかどうかを判定することと、を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記流量感知デバイスは、前記流動媒体が前記流量感知デバイスと直接接触するときに、空隙が前記流量感知デバイスの表面に隣接して形成されるように位置決めされ、前記所定の特性のうちの少なくとも1つは、前記空隙に接合されている前記気泡と関連付けられる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記流量感知構成要素は、少なくとも1つの加熱素子と、前記少なくとも1つの加熱素子に対して上流に位置決めされた第1の流量感知素子と、前記少なくとも1つの加熱素子に対して下流に位置決めされた第2の流量感知素子と、を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記流量感知構成要素は、感知チップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記気泡が気泡状態を満たすかどうかを判定することは、
前記コントローラ構成要素によって、前記第1の流量感知素子に関連付けられた第1の温度出力を判定することと、
前記コントローラ構成要素によって、前記第2の流量感知素子に関連付けられた第2の温度出力を判定することと、
前記コントローラ構成要素によって、前記第1の温度出力と前記第2の温度出力とを比較することと、を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記気泡を検出することに応答して、前記コントローラ構成要素によって、気泡滞留タイマを開始することと、
前記コントローラ構成要素によって、最小許容滞留時間値を判定することと、
前記コントローラ構成要素によって、最大許容滞留時間係数を検索することと、
前記最大許容滞留時間値が気泡滞留時間値未満である事例において、前記コントローラ構成要素によって、気泡滞留指示を生成することと、を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記最大許容滞留時間値が流動終了係数未満である事例において、
前記コントローラ構成要素によって、第2の気泡滞留指示を生成すること、を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記流動終了係数は、流動終了シナリオを代表している前記流路における推定ロング流動空所長に少なくとも部分的に基づいて判定される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流量センサは、移動する液体又は気体の流量及び/又は量を測定するために使用され得、様々な用途において実装され得る。例えば、流量センサは、液体又は気体の投与を測定及び/又は制御するためのシステムの一部であり得る。
【0002】
そのような流量センサは、技術的課題及び制限に悩まされている。加えられる努力、工夫、及び革新を通じて、これらの識別された多くの問題は、本開示の実施形態に含まれる解決策を開発することによって解決され、それらの多くの実施例が本明細書で詳細に記載される。
【発明の概要】
【0003】
本開示の様々な実施例によって、例示的な流量感知デバイスが提供され得る。
【0004】
例示的な流量感知デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置された流量感知構成要素であって、流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成される流量感知構成要素と、流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素であって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することと、少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を実行するように構成される、コントローラ構成要素と、を備え得る。
【0005】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素は、気泡が気泡状態を満たすと判定したことに応答して、気泡指示を生成することを実行するように更に構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することは、少なくとも1つの感知構成要素出力が以前の値未満であるかどうかを判定することと、少なくとも1つの感知部材の出力が所定の最小値に等しいかどうかを判定することと、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、流量感知デバイスは、流動媒体が流量感知デバイスと直接接触するときに、空隙が流量感知デバイスの表面に隣接して形成されるように位置決めされ、所定の特性のうちの少なくとも1つは、空隙に接合されている気泡と関連付けられる。
【0008】
いくつかの実施形態では、流量感知構成要素は、少なくとも1つの加熱素子と、少なくとも1つの加熱素子に対して上流に位置決めされた第1の流量感知素子と、少なくとも1つの加熱素子に対して下流に位置決めされた第2の流量感知素子とを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、流量感知構成要素は、感知チップ(ダイ、die)を備える。いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素は、第1の流量感知素子に関連付けられた第1の温度出力を判定することと、第2の流量感知素子に関連付けられた第2の温度出力を判定することと、第1の温度出力と第2の温度出力とを比較することとによって、気泡が気泡状態を満たすかどうかを判定するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素は、気泡を検出することに応答して、気泡滞留タイマを開始することと、最小許容滞留時間値を判定することと、最大許容滞留時間係数を検索することと、最大許容滞留時間値が気泡滞留時間値未満である事例において、気泡滞留指示を生成することと、を更に実行するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素は、最大許容滞留時間値が流動終了係数未満である事例において、第2の気泡滞留指示を生成すること、を更に実行するように構成される。いくつかの実施形態では、流動終了係数は、流動終了シナリオを代表している流路における推定ロング流動空所長に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によって、方法が提供される。本方法は、流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素によって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することであって、流量感知構成要素は、流量感知デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に配置されており、流量感知構成要素は、流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成されている、監視することと、コントローラ構成要素によって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、コントローラ構成要素によって、気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を含み得る。
【0013】
前述の例示的概要、並びに本開示の他の例示的な目的及び/又は利点の例、並びにそれが達成され得る様式は、以下の詳細な記述及びその添付図面において更に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図示の実施例の説明は、添付の図面と併せて読むことができる。特に記載がない限り、図の簡略化及び明確化のために、図面に示される構成要素及び要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていないことが理解されよう。例えば、構成要素又は要素のうちのいくつかの寸法は、特に記載のない限り、他の構成要素又は要素に対して誇張されている場合がある。本開示の教示を組み込む実施例は、本明細書に提示される図に関連して示され、説明される。
図1】本開示の実施例による、例示的な流量感知デバイスの斜視図を例示する。
図2】本開示の実施例による、例示的な流量感知デバイスの断面図を例示する。
図3A】本開示の実施例による、例示的な流量感知デバイスの断面図を例示する。
図3B】本開示の実施例による、例示的な流量感知デバイスの断面図を例示する。
図4】本開示の実施例による、例示的な流量感知デバイスの断面図を例示する。
図5】本開示の様々な実施形態による、例示的な装置と電子通信する例示的なコントローラ構成要素を例示する。
図6】本開示の様々な実施形態による、例示的動作を例示するフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本開示のいくつかの実施例について添付図面を参照しながら以下により詳細に説明するが、本開示の全てではなくいくつかの実施例を示すものである。実際に、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施例に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施例は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【0016】
語句「一実施例では」、「一実施例によれば」、「いくつかの実施例では」、及び同様の語句は、その語句に続く特定の特徴、構造又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例に含まれてもよいこと、及び本開示の2つ以上の実施例に含まれてもよい(そのような語句は必ずしも同じ実施例に言及しない)ことを一般に意味する。
【0017】
本明細書が、ある構成要素又は特徴が含まれる若しくは特性を有することに関して「~し得る(may)」、「~し得る(can)」、「~し得る(could)」、「~べきである(should)」、「~であろう(would)」、「好ましくは」、「場合により」、「典型的には」、「任意選択的に」、「例えば」、「一実施例として」、「いくつかの実施例では」、「多くの場合」、若しくは「~かもしれない(might)」(又は他のそのような言い回し)と提示している場合、その特定の構成要素又は特徴は、含まれること又は特性を有することを必要としない。このような構成要素又は特徴は、いくつかの実施例に任意選択的に含まれてもよく、又は除外されてもよい。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「例」又は「例示的な」は、「一例、事例、又は実例としての役割を果たすこと」を意味する。「例」又は「例示的な」として本明細書に記載される任意の実施態様は、必ずしも他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解釈されなくてよい。
【0019】
本開示において、「電子的に結合された」、「電子的に結合している」、「電子的に結合する」、「~と通信する」、「~と電子通信する」、又は「接続された」という用語は、信号、電気的電圧/電流、データ、及び/又は情報が、これらの要素又は構成要素に伝送及び/又は受け取られ得るように、有線手段及び/又は無線手段を介して接続されている、2つ以上の要素又は構成要素を指す。
【0020】
「構成要素」という用語は、1つ以上の表面、部分、層及び/又は要素を備え得る物品、デバイス、又は装置を指し得る。例えば、例示的構成要素は、構成要素についての下層を提供し得る1つ以上の基板を備え得、基板の一部を形成し得る、及び/又は基板の上に配置される、1つ以上の要素を備え得る。本開示では、「要素」という用語は、1つ以上の機能を提供し得る物品、デバイス、又は装置を指し得る。
【0021】
「流量感知デバイス」という用語は、1つ以上の流動媒体の流量(線形流速、非線形流速、質量流量、及び/若しくは体積流量を含むが、これらに限定されない)を検出、測定、並びに/又は識別し得る装置を指す。本開示において、「流動媒体」という用語は、物質(液体物質及び/又は気体物質などであるが、これらに限定されない)を指す。
【0022】
「流路」という用語は、流動媒体が流れ、横断し、又は搬送され得る通路を指し得る。本開示の例示的な流路は、1つ以上のチャネルによって画定/形成され得、及び/又は1つ以上のチャネルを備え得る。例示的なチャネルは、複数の側壁を画定し得る。本開示の様々な実施例では、例示的な流路/チャネルの例示的な断面の例示的な寸法は、高さが数ミクロンから数百ミクロンであり、幅が数十ミクロンから数千ミクロンであり得る。本開示の様々な実施例では、例示的な流路/チャネルは、最大1000ミリリットル毎時(mL/hr)の流量を供給するために、幅が4500ミクロン及び高さが1500ミクロンであり得る。
【0023】
「層流」という用語は、混合がほとんど又は全くない(すなわち、高運動量拡散及び低運動量対流)、流路/チャネルにおける平滑経路に従う流動媒体の粒子によって特徴付けられ得る。対照的に、「乱流」という用語は、流動媒体の粒子が不規則な変動又は混合を受けることによって特徴付けられ得る。いくつかの実施例では、流量感知デバイスの層流は、流動媒体の流量に基づいて達成され得る。本明細書に記載されるように、本開示の実施例は、流量が流量閾値(例えば、0.02ミリリットル/時間(mL/時間)~0.5mL/時間)未満であり得る、注入ポンプにおいて実施され得る。
【0024】
流量感知デバイスは、マイクロピペット、高速液体クロマトグラフィー(high-performance liquid chromatography、HPLC)用途、医療デバイス(例えば、薬物送達、注入ポンプ、透析ポンプ)などを含む様々な用途で利用され得る。例えば、例示的な流量感知デバイスは、侵襲的又は非侵襲的薬物送達システムに関連付けられた流動媒体の流量を検出、測定、及び/又は識別するために、侵襲的又は非侵襲的薬物送達システムに実装され得る。そのような実施例では、注入ポンプは、侵襲的薬物送達システムにおいて患者の体内に物質(流体、薬剤、及び/又は栄養素などであるが、これらに限定されない)を送達するように実装され得る。物質は、制御された量で送達される必要があり得る。したがって、例示的な流量感知デバイスは、患者に送達され得る物質の流量を検出、測定、及び/又は識別するために、注入ポンプに実装され得る。様々な実施例では、流動媒体の流量は、正確に測定される必要があり得る。上記の注入ポンプの実施例から続けると、物質の流量は、患者の状態及び/又は患者の治療に基づいて、低速で送達される必要があり得る。例えば、物質は、1時間当たり5ミリリットル未満で送達される必要があり得る。流量が正確に測定されない場合、患者は、傷害、負傷、及び/又は死をもたらし得る、過剰投与又は過少投与され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、流量感知デバイス(例えば、微小電気機械システム(micro-electro-mechanical systems、MEMS)熱電対列ベースの流量感知デバイス)は、加熱素子及び2つの温度センサ(例えば、熱電対列)からなり得、各温度センサは、加熱素子の側面に隣接して位置決められる。いくつかの実施例では、第1の温度センサは、流れに対して上流に位置決めされ得、第2の温度センサは、流れに対して下流に位置決めされ得る。下流という用語は、流路内の流動媒体の流れの方向に少なくとも部分的に基づいて、流路/チャネルにおける第2の構成要素に対する流路/チャネルにおける第1の構成要素の位置を指し得る。例えば、流動媒体が構成要素Aに流れ、続いて構成要素Bに流れる場合、構成要素Bは、構成要素Aに対して下流にある。同様に、上流という用語は、流路/チャネル内の流動媒体の流れの方向に少なくとも部分的に基づいて、流路/チャネルにおける第2の構成要素に対する流路/チャネルにおける第1の構成要素の位置を指し得る。例えば、流動媒体が構成要素Aに流れ、続いて構成要素Bに流れる場合、構成要素Aは、構成要素Bに対して上流にある。様々な実施例では、第1の温度センサと第2の温度センサとの間の温度分布(すなわち、ΔT又はdT)又は温度差は、電子信号処理回路を使用して、流路/チャネル内の流動媒体に関連付けられた流量情報を抽出/判定するように較正される。
【0026】
ここで図1を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な流量感知デバイス100の断面図を描写する概略図が提供される。図1に描写されるように、流量感知デバイス100は、ハウジング101と、流量感知構成要素103(例えば、コントローラ構成要素、感知チップ、印刷回路基板アセンブリ(printed circuit board assembly、PCBA)など)とを備える。
【0027】
図1に描写されるように、例示的な流量感知デバイス100のハウジング101は、流動媒体を流量感知デバイス100の流入口102から流量感知デバイス100の流出口104に搬送するように構成される管状部材であり得、又は管状部材を備え得る。様々な実施形態では、流量感知デバイス100は、流動媒体がそこを通って搬送されることができるように、外部流路/チャネルの一部を形成し得、及び/又は外部流路/チャネルに接続され得る(例えば、流入口102に接続された第1の管及び流出口104に接続された第2の管を介して)。様々な実施形態では、流入口102及び流出口104は、スライドオン継手、ルアーロック、Swage-Lockなどを画定又は備え得る。様々な実施形態では、例示的なハウジング101は、プラスチック、生分解性材料、ポリ(メチルメタクリレート)(polymethyl methacrylate、PMMA)、環状オレフィンコポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone、PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、液晶ポリマー(liquid-crystal polymer、LCP)、ポリエーテルイミド(polyetherimide、PEI)、エポキシ、ペルフルオロアルコキシ(PerFluoroAlkoxy、PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(fluorinated ethylene propylene、FEP)、これらの組み合わせなどであり得、又はこれらを含み得る。
【0028】
上述されるように、例示的な流量感知デバイス100は、流量感知構成要素103を備える。様々な実施例では、例示的なハウジング101の表面は、流量感知構成要素103の表面に隣接して配置され得る。例えば、図1に描写されるように、流量感知デバイス100のハウジング101の底面は、流量感知構成要素103の上面に隣接して配置され得、及び/又は取り付けられ得る。様々な実施形態では、流量感知構成要素103は、流量感知デバイス100の1つ以上の要素と電子通信し得る。実施例として、例示的な流量感知構成要素103は、感知チップ、トランスデューサなどであり得、又はこれらを備え得る。追加的に、流量感知構成要素103は、1つ以上の加熱素子、温度センサなどであるが、これらに限定されない、1つ以上の追加的要素を備え得る。例示的な流量感知構成要素103は、ガラス強化エポキシ積層材料(例えば、FR-4)を含み得る。様々な実施形態では、例示的な流量感知構成要素103は、エポキシ、セラミック、アルミナ、LCPなどを含み得る。いくつかの実施形態では、感知チップは、ワイヤボンド、バンプボンドなどを使用して、流量感知構成要素の別の要素に接続され得る。例示的な流量感知構成要素103は、厚膜印刷セラミック基板、積層体、及び/又は他の材料を含み得る。図1に描写されるように、例示的な流量感知構成要素103は、流量感知デバイス100及び/又は他の装置の他の電子構成要素に接続するために、その上に1つ以上の電子構成要素及び/又はパッドを備える。いくつかの実施例では、流量感知構成要素103は、ワイヤボンド、バンプボンド、電気端子、及び/又は任意の他の適切な電気接続を介して流量感知構成要素103に電気的に結合されたASICなど、流量感知構成要素103の表面に取り付けられ得る、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)を含み得る。追加的に、又は代替的に、例示的な流量感知構成要素103は、遠隔プロセッサなどと通信する回路及び/又は電子構成要素に係合するための1つ以上の導電性パッドを含み得る。
【0029】
上記の記載は例示的な流量感知デバイス100を提供するが、本開示の範囲は上記の記載に限定されないことに留意されたい。いくつかの実施例では、本開示による例示的な流量感知デバイス100は、他の形態であり得る。いくつかの実施例では、例示的な流量感知デバイス100は、1つ以上の追加的要素及び/又は代替的要素を備え得、及び/又は図1に例示されるものとは異なる構造化/位置決めされ得る。
【0030】
ここで図2を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な流量感知デバイス200を描写する概略図が提供される。図2に描写されるように、流量感知デバイス200は、ハウジング201と、流量感知構成要素203(例えば、コントローラ構成要素、感知チップ、印刷回路基板アセンブリ(PCBA)など)とを備える。
【0031】
描写されるように、流量感知デバイス200は、流路/チャネル202を備える/画定する。流路/チャネル202は、流動媒体が流量感知デバイス200に入り、貫流し、及び排出され得る、流入口で始まり、また流出口で終わる通路を指し得る。流路/チャネル202は、例えば、限定ではないが、パイプ、導管、管状構造などであり得、又はこれらを備え得る。流動媒体(例えば、液体、気体、及び/又は空気)は、例示的な流量感知デバイス200の第1の表面に配置された流入口に入り、流路/チャネル202の少なくとも一部を通って移動し、流量感知デバイス200の別の表面に配置された流出口を通って流量感知デバイスを出ることがあり得る。侵襲的流量感知デバイスにおいて、流動媒体は、流量感知構成要素203がその流量を検出することができるように、流量感知デバイス200の流路/チャネル202内に位置付けた流量感知構成要素203(例えば、熱流感知チップ)と直接接触することができる。
【0032】
図2に描写されるように、流動媒体又は液体は、流量感知デバイスの流路/チャネル202を貫流する際に、流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)の少なくとも一部と接触することができる(いくつかの実施例では、感知ブリッジ又は活性領域が流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)と直接接触するように)。いくつかの実施例では、流動媒体又は液体が流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)の少なくとも1つの表面/縁部に隣接して流れる際に、流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)と流動媒体又は液体との相互作用に起因して、流動媒体の流れに局所的な乱れ/乱流が、生成され得る。いくつかの実施形態では、例示的な流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)は、流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)を保護し、任意の流動媒体又は液体をはじく保護コーティング又は層(例えば、窒化ケイ素パッシベーション層などのパッシベーション層)を含み得る。いくつかの実施形態では、流動媒体又は液体が流量感知構成要素203を横切って及び/又はその上を流れる際に、近くに配置された加熱素子又はヒータからの熱は、液体と併せて流れ得、非対称温度流れプロファイルを生成し得る。様々な実施例では、流量感知構成要素203の表面に隣接する薄い空隙は、許容され得、流量感知デバイス200は、そのような空隙を考慮するように適切に較正され得る。しかしながら、流動媒体(例えば、液体)において空隙/気泡が存在する事例では、流量感知デバイス200は、誤った出力を生成し、試料流動媒体の流量を正確に検出することに失敗し得る。
【0033】
異なる用途では、流量感知構成要素203(例えば、感知チップ)は、疎水性(例えば、流動媒体/液体をはじく)又は親水性(例えば、流動媒体/液体によって湿潤される)特性を有する感知チップであり得、又はそれを備え得る。いくつかの実施例では、上述されるように、液体が例示的な親水性感知チップ表面と接触するときに、液体表面張力と感知チップ表面エネルギーとの相互作用に起因して、薄い空気膜が感知チップ表面に隣接して存在し得る。感知チップのような流量感知構成要素の上方の空隙/空所(例えば、高さが数ミクロンから数百ミクロンである)の存在は、多くの技術的課題及び制限を引き起こし得る。例えば、間隙/空所のサイズ/高さは、流量感知構成要素の表面上の表面張力の量に依存し得る。侵襲的流量感知デバイスの実施例では、流量感知構成要素に隣接して移動する流動媒体(例えば、液体)において捕捉された空気膜(例えば、本明細書で互換的に使用される気泡、ガス気泡など)は、流量感知構成要素を使用して取得される測定値の正確度を低下させ得、生成される流量測定値の感度及び/又は分解能に悪影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、流量感知構成要素(例えば、感知チップ)は、濡れ性を改善するために、より親水性になるように処理され得る。しかしながら、流量感知構成要素/感知チップ表面との接触角は、流量感知構成要素/感知チップの好適な濡れ性を達成するには不十分であり得る。追加的に、流量感知構成要素/感知チップを処理することは、製作/製造の複雑さ及びコストを著しく増加させ得る追加的処理工程を含み得る。
【0034】
ここで図3Aを参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な流量感知デバイス300Aを描写する概略図が提供される。図3Aに描写されるように、流量感知デバイス300Aは、ハウジング301Aと、流量感知構成要素303A(例えば、コントローラ構成要素、感知チップ、印刷回路基板アセンブリ(PCBA)など)とを備える。
【0035】
図3Aに描写されるように、流量感知デバイス300Aは、流路/チャネル302Aを備える/画定する。流路/チャネル302Aは、流動媒体が流量感知デバイス300Aに入り、貫流し、及び排出され得る、流入口で始まり、また流出口で終わる通路を指し得る。流動媒体(例えば、液体、及び/又は空気)は、例示的な流量感知デバイス300Aの第1の表面上の流入口に入り、流路/チャネル302Aの少なくとも一部を通って移動し、流量感知デバイス300Aの別の表面上の流出口を通って流量感知デバイスを出ることがあり得る。図3Aに描写されるように、流動媒体又は液体は、流量感知デバイス300Aの流路/チャネル302Aを貫流する際に、流量感知構成要素303A(例えば、感知チップ)の少なくとも一部と接触することができる(いくつかの実施例では、感知ブリッジ又は活性領域が流量感知構成要素303A(例えば、感知チップ)と直接接触するように)。いくつかの実施例では、流動媒体又は液体が流量感知構成要素303A(例えば、感知チップ)の少なくとも1つの表面/縁部に隣接して流れる際に、流量感知構成要素303A(例えば、感知チップ)と流動媒体又は液体との相互作用に起因して、流れにおける流動媒体の流れに局所的な乱れ/乱流が、生成され得る。
【0036】
図3Aに例示されるように、いくつかの実施例では、流量感知構成要素303A(例えば、感知チップ)の上面の真上に位置する流体は、空隙304Aを残して、(例えば、感知チップパッシベーション層の表面張力に等しい力で)変位され得る。いくつかの実施例では、エッジ誘起乱流に関連付けられた垂直力は、空隙304Aを画定するために、流量感知構成要素303A(例えば、感知チップ)表面上の引張力を更に増加させる。引張力は、流体柱からの垂直力及び流体流圧力によって平衡/対抗され得る。したがって、2つの力の間の均衡は、空隙304Aの特定の厚さをもたらし得る。様々な実施例では、空隙304Aの厚さが表面相互作用中に比較的一定である限り、流量感知構成要素303Aを使用して検出/生成される流量測定値は、正確である。
【0037】
図3Aに更に描写されるように、流動媒体は、各々流動媒体と一緒に流路/チャネル302Aを貫流し得る、複数の気泡(図示されるように、少なくとも第1の気泡306A、第2の気泡308A、及び第3の気泡310A)を含み得る。
【0038】
ここで図3Bを参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な流量感知デバイス300Bを描写する別の概略図が提供される。流量感知デバイス300Bは、図3Aに関連して上記で説明された流量感知デバイス300Aと同様又は同一であり得る。図3Bに描写されるように、流量感知デバイス300Bは、ハウジング301と、流量感知構成要素303B(例えば、コントローラ構成要素、感知チップ、印刷回路基板アセンブリ(PCBA)など)とを備える。
【0039】
図3Bに描写されるように、流量感知デバイス300Bは、流路/チャネル302Bを備える/画定する。流路/チャネル302Bは、流動媒体が流量感知デバイス300Bに入り、貫流し、及び排出され得る、流入口で始まり、また流出口で終わる通路を指し得る。流動媒体(例えば、液体、及び/又は空気)は、例示的な流量感知デバイス300Bの第1の表面上の流入口に入り、流路/チャネル302Bの少なくとも一部を通って移動し、流量感知デバイス300Bの別の表面上の流出口を通って流量感知デバイスを出ることがあり得る。図3Bに描写されるように、流動媒体又は液体は、流量感知デバイス300Bの流路/チャネル302Bを貫流する際に、流量感知構成要素303B(例えば、感知チップ)の少なくとも一部と接触することができる(いくつかの実施例では、感知ブリッジ又は活性領域が流量感知構成要素303B(例えば、感知チップ)と直接接触するように)。いくつかの実施例では、流動媒体又は液体が流量感知構成要素303B(例えば、感知チップ)の少なくとも1つの表面/縁部に隣接して流れる際に、流量感知構成要素303B(例えば、感知チップ)と流動媒体又は液体との相互作用に起因して、流れにおける流動媒体の流れに局所的な乱れ/乱流が、生成され得る。
【0040】
図3Bに描写されるように、流動媒体は、少なくとも第1の気泡306B、第2の気泡308B、及び第3の気泡310Bを含む。図3Bに更に描写されるように、流量感知構成要素303B(例えば、感知チップ)の上面の真上に位置する空隙304Bに加えて、気泡は、空隙304Bの上に/とともに捕捉され得る。描写されるように、第1の気泡306Bは、空隙304Bに隣接して捕捉され(例えば、結合され、接触し、など)、それによって間隙/空所の全体的なサイズ/厚さを増加させる。いくつかの実施形態では、気泡と、流量感知構成要素/感知チップ上の一般的な(prevalent)空隙/空気膜との間のそのような結合は、有効空気膜厚さを変化させ、流量測定誤差をもたらし得る。場合によっては、例示的な気泡は、空隙/空気膜に隣接して長時間にわたって保持され得、したがって、長時間にわたって流量測定を妨げ得る。これら及び他の問題を解決するために、流量感知デバイス(例えば、MEMS熱流量センサ)に存在し得る望ましくない気泡に応答して指示を検出及び提供するための技術が必要とされる。
【0041】
本開示の様々な実施形態によって、例示的な方法、装置、及びシステムが提供される。いくつかの実施例では、流量感知デバイスが提供される。流量感知デバイスは、ハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に配置された流量感知構成要素であって、流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成される流量感知構成要素と、流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素であって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することと、少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を実行するように構成される、コントローラ構成要素と、を備え得る。いくつかの実施例では、コントローラ構成要素は、気泡が気泡状態を満たすと判定したことに応答して、気泡指示を生成することを実行するように更に構成される。いくつかの実施例では、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することは、少なくとも1つの感知構成要素出力が以前の値未満であるかどうかを判定することと、少なくとも1つの感知部材の出力が所定の最小値に等しいかどうかを判定することと、を含む。いくつかの実施例では、流量感知デバイスは、流動媒体が流量感知デバイスと直接接触するときに、空隙が流量感知デバイスの表面に隣接して形成されるように位置決めされ、所定の特性のうちの少なくとも1つは、空隙に接合されている気泡と関連付けられる。いくつかの実施例では、流量感知構成要素は、少なくとも1つの加熱素子と、少なくとも1つの加熱素子に対して上流に位置決めされた第1の流量感知素子と、少なくとも1つの加熱素子に対して下流に位置決めされた第2の流量感知素子とを備える。いくつかの実施例では、流量感知構成要素は、感知チップを備える。いくつかの実施例では、コントローラ構成要素は、第1の流量感知素子に関連付けられた第1の温度出力を判定することと、第2の流量感知素子に関連付けられた第2の温度出力を判定することと、第1の温度出力と第2の温度出力とを比較することとによって、気泡が気泡状態を満たすかどうかを判定するように構成される。いくつかの実施例では、コントローラ構成要素は、気泡を検出することに応答して、気泡滞留タイマを開始することと、最小許容滞留時間値を判定することと、最大許容滞留時間係数を検索することと、最大許容滞留時間値が気泡滞留時間値未満である事例において、気泡滞留指示を生成することと、を更に実行するように構成される。いくつかの実施例では、コントローラ構成要素は、最大許容滞留時間値が流動終了係数未満である事例において、第2の気泡滞留指示を生成すること、を更に実行するように構成される。いくつかの実施例では、流動終了係数は、流動終了シナリオを代表している流路における推定ロング流動空所長に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態によって、方法が提供される。本方法は、流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素によって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することであって、流量感知構成要素は、流量感知デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に配置されており、流量感知構成要素は、流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成されている、監視することと、コントローラ構成要素によって、少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、コントローラ構成要素によって、気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、を含み得る。いくつかの実施例では、本方法は、気泡が気泡状態を満たすと判定したことに応答して、コントローラ構成要素によって、気泡指示を生成することを含む。いくつかの実施例では、少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することは、コントローラ構成要素によって、少なくとも1つの感知構成要素出力が以前の値未満であるかどうかを判定することと、コントローラ構成要素によって、少なくとも1つの感知部材の出力が所定の最小値に等しいかどうかを判定することと、を含む。いくつかの実施例では、流量感知デバイスは、流動媒体が流量感知デバイスと直接接触するときに、空隙が流量感知デバイスの表面に隣接して形成されるように位置決めされ、所定の特性のうちの少なくとも1つは、空隙に接合されている気泡と関連付けられる。いくつかの実施例では、流量感知構成要素は、少なくとも1つの加熱素子と、少なくとも1つの加熱素子に対して上流に位置決めされた第1の流量感知素子と、少なくとも1つの加熱素子に対して下流に位置決めされた第2の流量感知素子とを備える。いくつかの実施例では、流量感知構成要素は、感知チップを備える。いくつかの実施例では、気泡が気泡状態を満たすかどうかを判定することは、コントローラ構成要素によって、第1の流量感知素子に関連付けられた第1の温度出力を判定することと、コントローラ構成要素によって、第2の流量感知素子に関連付けられた第2の温度出力を判定することと、コントローラ構成要素によって、第1の温度出力と第2の温度出力とを比較することと、を更に含む。いくつかの実施例では、本方法は、気泡を検出することに応答して、コントローラ構成要素によって、気泡滞留タイマを開始すること、コントローラ構成要素によって、最小許容滞留時間値を判定することと、コントローラ構成要素によって、最大許容滞留時間係数を検索することと、最大許容滞留時間値が気泡滞留時間値未満である事例において、コントローラ構成要素によって、気泡滞留指示を生成することと、を含む。いくつかの実施例では、本方法は、最大許容滞留時間値が流動終了係数未満である事例において、コントローラ構成要素によって、第2の気泡滞留指示を生成すること含む。いくつかの実施例では、流動終了係数は、流動終了シナリオを代表している流路における推定ロング流動空所長に少なくとも部分的に基づいて判定される。
【0043】
ここで図4を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な流量感知デバイス400の一部分を描写する概略図が提供される。特に、描写されるように、例示的な流量感知デバイス400は、流量感知構成要素402(例えば、感知チップ)を備える。例示されるように、流量感知構成要素402は、加熱素子403と、第1の流量感知素子405と、第2の流量感知素子407とを備える。流量感知デバイス400は、図3A及び図3Bに関連して上述された流量感知デバイス300A及び300Bと同様又は同一であり得る。
【0044】
描写されるように、流量感知デバイス400は、第1の流量感知素子405、第2の流量感知素子407、及び/又は加熱素子403のうちの1つ以上を少なくとも部分的に支持するように構成されるハウジング401又は他の筐体を画定する。第1の流量感知素子405、第2の流量感知素子407、及び加熱素子403は、流量感知デバイス400の少なくとも一部分内に配置された流動媒体と熱係合していてもよい。図示されるように、流量感知デバイス400は、流動媒体をそこを通して(例えば、流量感知デバイス400の流入口から流出口へ)搬送するように構成される管状部材を備える。様々な実施形態では、流量感知デバイス400は、外部流路/チャネルの一部を形成し得、及び/又は外部流路/チャネルに接続され得、それにより、流動媒体が外部流路/チャネルを通って搬送されることができる。
【0045】
例示的な気泡は、例示的な流量感知デバイス400を通って特定の方向に伝搬し得る。描写されるように、ガス気泡は、流路404に沿って例示的な流量感知デバイスを通って伝搬し得る。ガス気泡が流量感知デバイス400を通って移動する際に、第1の流量感知素子405及び/又は第2の流量感知素子407は、例示的な流量感知デバイス400内の熱伝導率の変化に起因する、それぞれの第1及び第2の流量感知素子405及び407(例えば、温度センサ/熱電対列)に近接して温度の変化を検出し得る。
【0046】
図4に描写されるように、例示的な流量感知デバイス400/流量感知構成要素402は、加熱素子403を備える。様々な例において、加熱素子403は、加熱素子403に近接する流量感知デバイス400内の流動媒体を加熱するか、又はそうでなければ加温するように、熱エネルギーを出力するように構成される任意の熱源を備え得る。実施例として、加熱素子は、抵抗器を通る電流の通過が熱を生成する抵抗加熱素子を備え得る。抵抗加熱素子403を参照して本明細書に記載されるが、本開示は、任意の加熱素子(例えば、ラジエータ、フィルムヒータ、伝導ヒータ、対流ヒータなど)が、熱出力を生成する(例えば、熱を生成する)ように使用され得ることを企図する。様々な実施形態では、流量感知デバイス400は、加熱素子403の熱出力を維持及び/又は制御するために動作するコントローラ/加熱制御回路を更に備える。例えば、加熱素子403は、電源に接続され得るコイル、リボン(直線リボン、波形リボンを含むが、これらに限定されない)、プレート、ワイヤストリップ、及び/又は層を備え得る。いくつかの実施例では、加熱素子403は、蛇行、丸みを帯びた角を有する蛇行、S字形、丸みを帯びた角のS字形、二重螺旋、丸みを帯びた角を有する二重螺旋、不規則な間隔を有する二重螺旋、中心に正方形の穴を有する平面プレート、円形、駆動ホイール、楕円形、ハニカムなどを含むがこれらに限定されない、様々な幾何学的形状を含み得る。電源がオンにされるときに、電流は、が次に電気エネルギーを熱エネルギーに変換し得る、コイル、リボン、プレート、ワイヤストリップ、及び/又は層を貫流し得る。
【0047】
例示的な加熱素子403は、高い抵抗温度係数(temperature coefficient of resistance、TCR)材料(例えば、Pt、NiFe、ドープシリコン/ポリシリコン、PtSi及び他のシリサイド、W、AlN、WNなど)であり得、又はそれを含み得る。いくつかの実施例では、例示的な加熱素子403は、ニッケルベース及び/又は鉄ベースの材料を含み得る。例えば、加熱素子403は、高い電気抵抗温度係数を提供し得るニッケル鉄(NiFe)合金などの1つ以上の金属材料を含み得る。例えば、加熱素子403は、81%のニッケル(Ni)と19%の鉄(Fe)のパーマロイを含み得る。追加的に、又は代替的に、加熱素子403は、60%のNiと40%のFeを含み得る。いくつかの実施例では、加熱素子403は、白金、例えば、その高い抵抗温度係数(TCR)に起因する薄膜ヒータの形態の白金を含み得る。いくつかの実施例では、合金などの低い熱伝導率を有する銅合金はまた、加熱素子403について使用され得る。
【0048】
いくつかの実施例では、例示的なコントローラ/加熱制御回路は、加熱素子403の実質的に(例えば、適用可能な許容範囲内で)一定の熱出力を維持するように動作し得る。別の言い方をすれば、いくつかの実施例では、流量感知デバイス400は、第1の流量感知素子405及び第2の流量感知素子407によって検出/生成される温度データを安定化させるように、実質的に一定の熱出力を有する加熱素子403を用い得る。様々な実施形態では、コントローラは、流量感知デバイス400と共同配置され得、又は流量感知デバイス400から遠隔にあり得る。
【0049】
上述されるように、また図4に描写されるように、例示的な流量感知デバイス400/流量感知構成要素402は、第1の流量感知素子405(例えば、第1の温度センサ)と、第2の流量感知素子407(例えば、第2の温度センサ)とを備える。様々な実施例では、第1の流量感知素子405は、第1の温度データ/出力を生成するように構成され得る。描写されるように、第1の流量感知素子405は、第1の流量感知素子405に近接する流量感知デバイス400内の温度を判定するように、流量感知デバイス400の少なくとも一部分と熱係合していてもよい(例えば、流量感知デバイス400内の流動媒体と熱係合していてもよい)。いくつかの実施形態では、第1の流量感知素子405は、加熱素子403及び第2の流量感知素子407の上流(例えば、流路404に対して)に位置決めされ得る。実施例として、第1の流量感知素子405は、第1の流量感知素子405に近接する流体の温度を判定するように構成される熱電対、正温度係数(positive temperature coefficient、PTC)サーミスタ、負温度係数(negative temperature coefficient、NTC)サーミスタ、pn接合、抵抗器などを含み得る。単一の第1の流量感知素子405で例示されているが、本開示は、第1の流量感知素子405が、単独で又は組み合わせて、第1の温度データを生成するように構成される一対のオフセット熱電対列を更に備え得ることを企図する。別の言い方をすれば、本明細書では記載の便宜上単一の第1の流量感知素子405を参照して記載されるが、本開示は、本明細書の技術が流量感知デバイス400に対して任意の位置に位置決めされた任意の数の第1の感知素子/温度センサ405に適用可能であり得ることを企図する。
【0050】
図4に更に描写されるように、流量感知デバイス400は、第2の温度データ/出力を生成するように構成され得る第2の流量感知素子407を備える。図示されるように、第2の流量感知素子407は、第2の流量感知素子407に近接する流量感知デバイス400内の温度を判定するように、流量感知デバイス400と熱係合していてもよい(例えば、流量感知デバイス400内の流動媒体と熱係合してもよい)。いくつかの実施形態において、第2の流量感知素子407は、加熱素子403及び第1の流量感知素子405の下流(例えば、流路404に対して)に位置決めされ得る。実施例として、第2の流量感知素子407はまた、第2の流量感知素子407に近接する流体の温度を判定するように構成される熱電対、正温度係数(PTC)サーミスタ、負温度係数(NTC)サーミスタ、pn接合、抵抗器などを含み得る。単一の第2の流量感知素子407で例示されているが、本開示は、第2の流量感知素子407が、単独で又は組み合わせて、第2の温度データを生成するように構成される一対のオフセット熱電対列を更に備え得ることを企図する。別の言い方をすれば、記載の便宜上単一の第2の流量感知素子407を参照して本明細書に記載されるが、本開示は、本明細書の技術が流量感知デバイス400に対して任意の位置に位置決めされた任意の数の第2の流量感知素子407/温度センサに適用可能であり得ることを企図する。
【0051】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の流量感知素子405及び/又は第2の流量感知素子407(又はそれらの同等の機能)は、加熱素子403上に位置付けられ得る。別の言い方をすれば、本明細書に記載されるような温度データの生成は、いくつかの実施形態では、加熱素子403の近く又は上で生成された温度データを指し得る。実施例として、気泡/ガス気泡が加熱素子403の近傍を通過するか、又は横断する際に、加熱素子403の抵抗はまた、少なくとも部分的に、本明細書に記載されるような気体と液体との間の熱容量及び熱伝導率の差に起因して変化し得る。例示的なガス気泡が加熱素子403(例えば、抵抗ヒータ)上を移動する際に、加熱素子403の温度は、上昇し得、加熱素子403の抵抗は、加熱素子403の材料の抵抗温度係数に基づいて変化する。いくつかの実施例では、流動媒体は、加熱素子403、第1の流量感知素子405、及び第2の流量感知素子407を備え得る感知領域を通って移動し得る。例えば、第1の流量感知素子405は、加熱素子403に対して上流方向に位置付けられる。第2の流量感知素子407は、加熱素子403に対して下流方向に位置付けられる。したがって、第1の流量感知素子405は、流動媒体の第1の温度を検出し得る。続いて、流動媒体は、流動媒体の温度を所定の量だけ上昇させ得る、加熱素子403によって加熱され得る。続いて、第2の流量感知素子407は、流動媒体の第2の温度を検出し得る。流動媒体の流量が増加するにつれて、流動媒体が加熱素子403から第2の流量感知素子407に移動する際に、より多くの熱が失われ得る。第1の温度と第2の温度との差を所定の量と比較することによって、流動媒体の流量は、計算/判定され得る。
【0052】
上記の記載は、流量感知素子/温度センサのいくつかの実施例を提供するが、本開示の範囲は上記の記載に限定されないことに留意されたい。いくつかの実施例では、例示的な温度センサは、1つ以上の追加的及び/又は代替的要素、1つ以上の追加的及び/若しくは代替的材料を備え得、並びに/又は他の形態であり得る。例えば、例示的な温度センサは、少なくとも1つの温度感知回路、例えば、限定されないが、ホイートストン(Wheatstone)ブリッジ回路における抵抗器、又は温度感知ダイオードを備え得る。ホイートストンブリッジ回路の実施例では、2つの抵抗分岐は、提供され得、各抵抗分岐は、2つの抵抗素子を備え得る。温度が抵抗素子の電気抵抗に影響を及ぼし得るので、例示的な温度センサは、対応する熱エネルギーを判定するために、2つの抵抗分岐間の抵抗変化を検出、測定、及び/又は識別し得る。
【0053】
上記の記載は例示的な流量感知デバイス400を提供するが、本開示の範囲は上記の記載に限定されないことに留意されたい。いくつかの実施例では、本開示による例示的な流量感知デバイス400は、他の形態であり得る。いくつかの実施例では、例示的な流量感知デバイス400は、1つ以上の追加的要素及び/又は代替的要素を備え得、及び/又は図4に例示されるものとは異なる構造化/位置決めされ得る。例えば、例示的な流量感知構成要素は、2つ未満又は2つより多くの温度センサを備え得る。
【0054】
いくつかの実施例では、温度センサが加熱素子から離間される距離は、許容可能な広範囲の流量にわたって、及び/又は所望の範囲の流量(例えば、約1μL/時間~約10,000μL/時間の間の低流量)に対して、流量測定の許容可能な正確度を達成するために選択され得る。いくつかの実施形態では、温度センサの数はまた、所望の流量範囲に対する流量測定の正確度が達成されるように選択され得る。いくつかの実施例では、単一の温度センサのみを使用することは、低流量のようないくつかの流量で正確度又は精度が次第に低下することにつながり得る。いくつかの実施例では、加熱素子から異なる距離で離間された2つの温度センサを使用することは、低流量などで正確度の増加につながり得る。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むことなく、低流量などでの正確度又は精度の増加は、より近い温度センサについてのピーク正確度と、より遠い温度センサについてのピーク正確度との差に起因し得る。いくつかの実施例では、より近い温度センサは、媒体のより高い流量が例示的な流量感知デバイスの流路における媒体のヒートシンク能力を増加させ得るので、より高い流量の正確な及び/又は精密な測定についてよりよく適し得る。いくつかの実施例では、更なる温度センサは、媒体のより低い流量が媒体のヒートシンク能力を低下させ得、温度における差が更なる位置決めされた温度センサによってより容易に検出され得るので、より低い流量の正確な及び/又は精密な測定についてよりよく適し得る。
【0055】
いくつかの実施例では、温度センサが複数の熱電対から作製された熱電対列を備え得るときに、より多くの熱電対の使用が、流量センサの感度を増加させることができる温度変化に対する熱電対列の感度を増加させ得るので、熱電対列においてより多くの熱電対を使用することが有用であり得る。いくつかの実施例では、例えば、デジタルセンサについて、これは、測定された電圧値を表すビット数の正確度を改善することができる。
【0056】
上記の記載は、温度センサのいくつかの実施例を提供するが、本開示の範囲は上記の記載に限定されないことに留意されたい。いくつかの実施例では、例示的な温度センサは、1つ以上の追加的及び/又は代替的要素、1つ以上の追加的及び/若しくは代替的材料を備え得、並びに/又は他の形態であり得る。例えば、例示的な温度センサは、少なくとも1つの温度感知回路、例えば、限定されないが、ホイートストン(Wheatstone)ブリッジ回路における抵抗器、又は温度感知ダイオードを備え得る。
【0057】
いくつかの実施例では、温度センサは、加熱素子が位置している層とは別のセンサ構成要素の層に配置され得る。いくつかの実施例では、温度センサを備えるセンサ構成要素の別個の層は、限定されないが、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、ポリマー、又は他の電気絶縁性薄膜を含む、1つ以上の好適な材料を含み得る。いくつかの実施例では、温度センサを備える流量感知構成要素の別個の層は、温度センサを保護し得る封入層であり得る。いくつかの実施例では、封入層は、電気絶縁性であり得る。
【0058】
いくつかの実施例では、温度センサは、限定されないが、ガラス貫通ビア(through-glass via、TGV)、シリコン貫通ビア(through-silicon via、TSV)、及び/又はエアロゾル若しくはインクジェット印刷などの技術に基づいて、1つ以上の他の要素(例えば、電源、プロセッサ)に電子的に結合され得る。追加的に、又は代替的に、温度センサは、他の手段を通して、1つ以上の他の要素に電子的に結合され得る。
【0059】
ここで図5を参照すると、本開示の様々な実施形態による、様々な他の構成要素と電子通信する例示的な装置の例示的なコントローラ構成要素500を描写する概略図。図示されるように、コントローラ構成要素500は、処理回路501、通信モジュール503、入力/出力モジュール505、メモリ507、及び/又は本明細書に記載される様々な動作、手順、機能などを実行するように構成される他の構成要素を備える。
【0060】
図示されるように、コントローラ構成要素500(処理回路501、通信モジュール503、入力/出力モジュール505、及びメモリ507など)は、流量感知構成要素509に電気的に結合され、及び/又はそれと電子通信する。描写されるように、流量感知構成要素509は、コントローラ構成要素500の処理回路501とデータを交換(例えば、伝送及び受信)し得る。
【0061】
処理回路501は、例えば、デジタル信号プロセッサを伴う1つ又は複数のマイクロプロセッサと、デジタル信号プロセッサを伴わない1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のコプロセッサと、1つ又は複数のマルチコアプロセッサと、1つ又は複数のコントローラと、処理回路と、1つ又は複数のコンピュータ、及び様々な他の処理素子(ASIC若しくはFPGAなどの集積回路、又はそれらの特定の組み合わせを含む)とを備える様々なデバイスとして実装され得る。いくつかの実施形態では、処理回路501は、1つ以上のプロセッサを備え得る。例示的な一実施形態では、処理回路501は、メモリ507に記憶された命令、又は処理回路501によってアクセス可能な命令を実行するように構成される。処理回路501によって実行されるときに、これらの命令は、コントローラ構成要素500が、本明細書に記載されるような機能のうちの1つ又は複数を実行することを可能にし得る。ハードウェア、ファームウェア/ソフトウェア方法、又はそれらの組み合わせによって構成されるかどうかにかかわらず、処理回路501は、対応して構成されるときに、本発明の実施形態による動作を実行することが可能なエンティティを備え得る。したがって、例えば、処理回路501がASIC、FPGAなどとして実装されるときに、処理回路501は、本明細書に記載される1つ又は複数の動作を実施するために特別に構成されるハードウェアを備え得る。代替的に、別の実施例として、処理回路501が命令(メモリ507に記憶され得るものなど)のアクチュエータとして実装されるときに、命令は、図6を参照して説明されるものなど、本明細書に記載される1つ又は複数のアルゴリズム及び動作を実行するように処理回路501を具体的に構成し得る。
【0062】
メモリ507は、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、又はそれらの特定の組み合わせを備え得る。図5では単一のメモリとして例示されているが、メモリ507は、複数のメモリ構成要素を備え得る。様々な実施形態では、メモリ507は、例えば、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、デジタル多用途ディスク読み出し専用メモリ(Digital Versatile Disk Read-Only Memory、DVD-ROM)、光ディスク、情報を記憶するように構成される回路、又はそれらの特定の組み合わせを備え得る。メモリ507は、コントローラ構成要素500が本開示の実施形態による様々な機能を実行することができるように、情報、データ、アプリケーションプログラム、命令などを記憶するように構成され得る。例えば、少なくともいくつかの実施形態では、メモリ507は、処理回路501による処理のために入力データをキャッシュするように構成される。追加的に、又は代替的に、少なくともいくつかの実施形態では、メモリ507は、処理回路501による実行のためのプログラム命令を記憶するように構成される。メモリ507は、静的情報及び/又は動的情報の形態で情報を記憶し得る。機能が実行されるときに、記憶された情報は、コントローラ構成要素500によって記憶及び/又は使用され得る。
【0063】
通信モジュール503は、別の構成要素若しくは装置から/へデータを受信及び/若しくは伝送するように構成される、回路、ハードウェア、コンピュータプログラム製品、又はそれらの組み合わせに含まれる任意の装置として実装され得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ507)上に記憶され、コントローラ構成要素500(例えば、処理回路501)によって実行されるコンピュータ可読プログラム命令を含む。いくつかの実施形態では、通信モジュール503(本明細書に説明される他の構成要素と同様に)は、処理回路501として少なくとも部分的に実装され得、又はそうでなければ処理回路501によって制御され得る。この点に関して、通信モジュール503は、例えば、バスを介して、処理回路501と通信し得る。通信モジュール503は、例えば、アンテナ、送信機、受信機、送受信機、ネットワークインターフェースカード及び/又は支持ハードウェア並びに/若しくはファームウェア/ソフトウェアを備え得、別の装置との通信を確立するために使用される。通信モジュール503は、装置間の通信のために使用されることができる任意のプロトコルを使用することによって、メモリ507によって記憶され得る任意のデータを受信及び/又は伝送するように構成され得る。通信モジュール503は、追加的に又は代替的に、例えば、バスを介して、メモリ507、入力/出力モジュール505、及び/又はコントローラ構成要素500の任意の他の構成要素と通信し得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、コントローラ構成要素500は、入力/出力モジュール505を備え得る。入力/出力モジュール505は、ユーザによって入力された命令を受信し、及び/又は聴覚的、視覚的、機械的、若しくは他の出力をユーザに提供するために、処理回路501と通信し得る。したがって、入力/出力モジュール505は、キーボード、マウス、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、及び/又は他の入力/出力機構などの支持デバイスを備え得る。代替的に、入力/出力モジュール505の少なくともいくつかの態様は、コントローラ構成要素500と通信するためにユーザによって使用されるデバイス上に実装され得る。入力/出力モジュール505は、例えば、バスを介して、メモリ507、通信モジュール503、及び/又は任意の他の構成要素と通信し得る。1つ又は複数の入力/出力モジュール及び/又は他の構成要素は、コントローラ構成要素500に含まれ得る。
【0065】
例えば、流量感知構成要素509は、図4に関して上述された流量感知構成要素402と同様であり得る。例えば、流量感知構成要素509は、流量指示を生成し、流量指示を処理回路501に伝送し得る。
【0066】
ここで図6を参照すると、本開示の様々な実施形態による例示的な動作600を例示するフローチャートが提供される。
【0067】
いくつかの実施例では、方法600は、処理回路(例えば、限定されないが、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(central processing unit、CPU))によって実行され得る。いくつかの実施例では、処理回路は、例示的な装置の他の回路、例えば、限定されないが、湿潤性流量感知構成要素、除湿器構成要素、ガス検出、メモリ(例えば、コンピュータプログラム命令を記憶するためのランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)など)、及び/又は表示回路(ディスプレイ上に読み取り値をレンダリングするため)に電気的に結合され得、及び/又は電子通信し得る。
【0068】
いくつかの実施例では、図6に記載される手順のうちの1つ以上は、本開示の実施形態を用いるシステムのメモリ(非一時的メモリなど)によって記憶され、システムの処理回路(プロセッサなど)によって実行され得る、コンピュータプログラム命令によって具現化され得る。これらのコンピュータプログラム命令は、メモリ回路に記憶された命令によって製品が製造されてもよいように、システムに対して特定の方法で機能するように指示してもよく、その実行によって、フロー図の工程/動作内に指定された機能が実装されてもよい。更に、システムは、1つ以上の他の回路を備えてもよい。システムの様々な回路は、エネルギー、データ及び/又は情報を送信及び/又は受信するために、互いの間で電子的に結合されてもよい。
【0069】
いくつかの例では、実施形態は、コンピュータ可読プログラム命令(例えば、コンピュータソフトウェア)を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。非一時的ハードディスク、CD-ROM、フラッシュメモリ、光記憶デバイス、又は磁気記憶デバイスを含む、任意の好適なコンピュータ可読記憶媒体が利用されてもよい。
【0070】
上述されるように、様々な実施形態では、表面疎水性又は親水性の程度に起因する流量感知構成要素(例えば、感知チップ)上の薄い空気膜の存在は、流動媒体に対する流動摩擦を低減し、流量感知構成要素(例えば、MEMS流量感知チップ上に配置され得る熱電対列などを含む、感知構成要素、加熱素子、温度センサ)について予測可能な熱界面を提供する、薄い境界層をもたらし得る。これらの状態で、流量感知デバイスは、特定の流量範囲について較正され得る。空気膜厚の任意の変化は、流量測定誤差を誘発し得る。例えば、流動媒体(例えば、液体)内の空気/ガス気泡が流量感知構成要素(例えば、感知チップ)の上を通過するときに、熱伝導率が急激に低下し、その結果、感知構成要素出力(例えば、熱電対列出力)が低下し得る。いくつかの実施例では、上流感知構成要素と下流感知構成要素との間の信号差(例えば、dT)は、0に近くなり得る。そのような信号の処理は、流量感知デバイス流路における空気/ガス気泡の存在を検出し、制御指示/アラートの生成をトリガするために使用され得る。様々な実施形態では、アルゴリズムは、以下でより詳細に説明されるように、様々な状態を識別するために事前設定/記憶されたパラメータを使用して、流量感知構成要素(例えば、熱電対列又は温度センサ)からの入力で電子コントローラを介して実装され得る。例えば、流量感知デバイスは、流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出し、気泡が1つ以上の所定の特性を定義する気泡状態を満たすかどうかを判定するように構成され得る。
【0071】
例示的な方法600は、工程/動作601で始まる。工程/動作601で、処理回路(限定されないが、上記で説明された、図5に関連して例示されたコントローラ構成要素500の処理回路501など)は、1つ以上の感知構成要素出力(例えば、熱電対列出力)を監視する。例えば、処理回路は、第1の感知素子出力及び第2の感知素子出力を監視し得る。第1の感知構成要素及び第2の感知構成要素は、図4に関連して上記で説明された第1の流量感知素子405及び第2の流量感知素子407と同様又は同一であり得る。特に、第1の流量感知素子405及び第2の流量感知素子407は、加熱素子(例えば、加熱素子403)に対して、それぞれ上流及び下流に位置付けられ得る。処理回路は、例えば、一般的値(prevailing value)から所定の最小値(「Tlow」)への急激な変化について少なくとも1つの感知構成要素出力を監視し、(例えば、2つの感知素子間の)温度分布(dT)が0に近い事例を識別し得る。上記の状態が満たされる事例では、処理回路は、空気/ガス気泡が流量感知デバイスの流路において、及び流量感知構成要素(例えば、感知チップ)に隣接して(例えば、その上に、その近くに、など)存在すると判定し得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、以下で説明されるように、処理回路は、(i)流量感知構成要素/熱電対列出力電圧が以前の値よりも低いこと、(ii)流量感知構成要素/熱電対列出力電圧が所定の最小値(例えば、「Tlow」)に等しいこと、及び(iii)流量感知構成要素/熱電対列出力電圧(例えば、dT)変動が閾値を満たす(例えば、0又は0.01ミリボルト(mV)に近い)ことを検出することに少なくとも部分的に基づいて、気泡通過状態があると判定する。
【0073】
工程/動作601に続いて、方法600は、工程/動作603に進む。工程/動作603で、いくつかの実施形態では、処理回路は、少なくとも1つの流量感知構成要素出力が以前の値未満であるかどうかを判定する。
【0074】
工程/動作603に続いて、方法600は、工程/動作605に進む。工程/動作605で、いくつかの実施形態では、処理回路は、少なくとも1つの流量感知構成要素出力が所定の最小値に等しいかどうかを判定する。
【0075】
工程/動作605に続いて、方法600は、工程/動作607に進む。工程/動作607で、いくつかの実施形態では、処理回路は、少なくとも1つの流量感知構成要素出力(例えば、dT)変動が閾値を満たす(例えば、0.01mVに等しい)かどうかを判定する。
【0076】
様々な実施例では、処理回路は、流量感知デバイスの流路内に配置された流動媒体があるかどうかを判定するために、少なくとも1つの感知構成要素出力が一般的値から新しい低い値に変化するかどうかを順次判定(例えば、チェック)し得る。例えば、少なくとも1つの流量感知構成要素出力が所定の最小値(例えば、「Tlow」)であるか、又は所定の最小範囲内にあることを検出することに応答して、処理回路は、流量感知デバイス内に配置された流動媒体がない(すなわち、空の管又は流体がない状態)と判定し得る。別の実施例として、所定の最小値Tlowは、摂氏温度の何分の1かであり得る上流温度センサ出力と下流温度センサ出力との差を含む(例えば、0.1Cであり、対応する電圧差は、所与の熱電対列スタックに対して0.01mVに等しくなり得る)。
【0077】
工程/動作607に続いて、方法600は、工程/動作609に進む。工程/動作609で、先行する工程/動作に少なくとも部分的に基づいて、気泡状態(例えば、気泡が存在する、又は通過する)を判定又は識別することに応答して、処理回路は、気泡滞留タイマ(例えば、「t」)を開始する。例えば、処理回路は、気泡の検出に応答して、検出された空気/ガス気泡に関連付けられた期間を測定するために、タイマ又はタイミング機構を起動することをトリガし得る。
【0078】
工程/動作609に続いて、方法600は、工程/動作611に進む。工程/動作611で、更に、気泡状態を判定又は識別することに応答して、処理回路は、気泡存在指示(例えば、流量感知構成要素に隣接する、その上の、その付近の、その近くの空気/ガス気泡の存在に関するアラート)を生成する(例えば、伝送する、送信する、トリガする、など)。
【0079】
工程/動作611に続いて、方法600は、工程/動作613に進む。工程/動作613で、処理回路は、検出された空気/ガス気泡について最小許容滞留時間値を判定する。例えば、処理回路は、以前の流量値及び流量感知構成要素(例えば、感知チップ)の寸法(例えば、幅)に少なくとも部分的に基づいて、最小許容滞留時間値を判定し得る。最小許容滞留時間値は、空気/ガス気泡が流動媒体とともに通過する間に浮遊することができる期間を定義し得る。例えば、処理回路は、以下の式を使用して、最小許容滞留時間「tpd」を判定し得る。
tpd=sense die width/flow rate
式中、
感知チップ幅=流動方向に平行な感知チップ幅(例えば、1.064mm)、
流量=センサからの一般的測定値。
【0080】
工程/動作613に続いて、方法600は、工程/動作に進む。工程/動作615で、処理回路は、設定された事前設定値から、計算された滞留時間に従って最小許容滞留時間係数(例えば、「S」)を検索する(例えば、取得する、フェッチする、など)。いくつかの実施形態では、処理回路は、許容滞留時間係数「S」は、流動媒体の検出された/一般的流量に少なくとも部分的に基づいて判定される事前設定値である。
【0081】
いくつかの実施形態では、許容滞留時間係数「S」は、回帰線形方程式が範囲tpdから、気泡の可能な長さについて判定される試験から判定することができる。「S」の値は、以下の式を使用することによって判定され得る。
S=Atpd+BLbubble+C
式中、
tpd=所与の流量についての最小許容滞留時間、
bubble=泡の長さ、
A、B、Cは、回帰係数である。
【0082】
いくつかの実施形態では、Sの値は、特定の用途(流動範囲)に基づいて構成され得る。例えば、注入ポンプ流量測定などの所与の用途は、事前設定値であることができるSを判定するために工場試験を行うことを含み得る。1つのそのような値は、0.5mm~50mmの範囲の気泡長について、1~1000mL/時間の流量について10であることができる。
【0083】
工程/動作615に続いて、方法600は、工程/動作617に進む。工程/動作617で、処理回路は、最大許容滞留時間値(例えば、「tmd」)を判定する。いくつかの実施形態では、処理回路は、以下の方程式を使用して、最大許容滞留時間値を判定する。
md=Spd
式中、
S=最小許容滞留時間係数、
md=最大許容滞留時間値。
【0084】
工程/動作617に続いて、方法600は、工程/動作619に進む。工程/動作619で、処理回路は、最大許容滞留時間値が現在の気泡滞留タイマ値(例えば、t)未満であるかどうかを判定する。別の言い方をすれば、処理回路は、tmd<tであるかどうかを判定する。
【0085】
工程/動作619に続いて、方法600は、工程/動作621に進む。工程/動作621で、最大許容滞留時間値が現在の気泡滞留タイマ値よりも大きい(すなわち、tmd>t)事例では、処理回路は、気泡が、所与の流量について許容滞留時間値に合っている又は超える期間の間、流量感知構成要素(例えば、感知チップ)に隣接して、その上に、又はその上方に現在捕捉/保持されていると判定する。そのような実施例では、工程/動作621で、処理回路は、第1の気泡滞留指示を生成する。しかしながら、処理回路が、最大許容滞留時間値が現在の気泡滞留タイマ値よりも低いと判定する事例では、方法600は、工程/動作627に進む。
【0086】
工程/動作621に続いて、方法600は、工程/動作623に進む。工程/動作623で、気泡滞留状態と流動終了状態/シナリオとを区別するために、処理回路は、最大許容滞留時間値(「tmd」)が流動終了係数「EF」未満であるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、流動終了係数は、流動終了シナリオを代表している流路における推定ロング流動空所長に少なくとも部分的に基づいて判定される。いくつかの実施例では、流動空所長は、30センチメートル(cm)の長さであり得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、流動終了係数「EF」は、回帰線形方程式が範囲tpdから、流動終了空所の可能な長さについて判定される試験から判定することができる。流動終了係数「EF」は、以下の式を使用することによって判定され得る。
EF=Dtpd+ELflow voids+F
式中、
tpd=所与の流量についての最小許容滞留時間、
flow voids=泡の長さ、
D、E、Fは、回帰係数である。
【0088】
いくつかの実施形態では、EFの値は、特定の用途(流量範囲)に基づいて製造業者によって事前設定され得る。例えば、注入ポンプ流量測定などの所与の用途で、工場試験は、事前設定値であることができるEFを判定するために行われる。1つのそのような値は、50mm~300mmの範囲の流動空所長の終わりについて、1~1000ml/時間の流量について50であることができる。
【0089】
工程/動作623に続いて、方法600は、工程/動作625に進む。工程/動作625で、処理回路が、最大許容滞留時間値が流動終了係数未満であると判定した事例では、処理回路は、第2の気泡滞留指示を生成する。
【0090】
工程/動作625に続いて、方法600は、工程/動作627に進む。工程/動作627で、いくつかの実施例では、処理回路は、(i)少なくとも1つの流量感知構成要素出力が所定の最小値(例えば、「Tlow」)よりも大きいかどうか、及び(ii)流量感知構成要素/熱電対列出力電圧変動(例えば、dT)が0.01mVに等しいかどうかを判定する。処理回路が、流量感知構成要素出力が所定の最小値に合っていないか又は満たさず、電圧変動が閾値又は範囲を満たさない(例えば、0.01mVに等しくない)と判定する事例では、方法600は、工程/動作601に戻り、処理回路は、1つ以上の感知構成要素出力(例えば、熱電対列出力)を監視し続ける。しかしながら、処理回路が、流量感知構成要素出力が所定の最小値を満たすか又は合っており、電圧変動(dT)が0.01mVに等しいと判定する事例では、方法600は、工程/動作619に戻る。
【0091】
本明細書に開示される技術を使用して、流量測定誤差を生成する可能性がある、望ましくない空気/ガス気泡状態は、検出されることができる。例えば、空気/ガス気泡は、流量感知構成要素(熱流感知チップ)が流動媒体(例えば、液体、流体など)と侵襲的に直接接触するように構成される流路において存在し得る。本開示のいくつかの実施形態によれば、流路内の流量感知構成要素(例えば、感知チップ)の侵襲的/直接的配置は、改善された流量感度を維持しながら、熱センサヒータ駆動電流を低減し得る。本明細書に説明されるように、例示的な感知チップ上の上流流との感知チップ縁部相互作用からの微小乱流の影響は、感知チップ上の感知チップ疎水性力とともに、熱分離層と比較して流動摩擦を低減するために感知チップと流動との間の動的流動境界層として機能する薄い空気膜をもたらし得る。本開示の特定の実施形態は、以前に測定された値と比較したときの温度センサ出力の急激な変化、及び各温度センサ出力が気泡存在温度値に等しい所定の値以下であることに少なくとも部分的に基づいて、流動媒体が流量感知構成要素(例えば、感知チップ)に隣接して、又はその上を通過している間に流動媒体から生じる流動媒体における空気/ガス気泡を検出することを提供する。追加的に、本明細書に記載されるように、本開示の態様は、通過する気泡と、流量感知構成要素/感知チップに隣接するか又はその上の空気膜内に捕捉される気泡との間の区別を容易にする。いくつかの実施形態では、本開示の態様は、流量終了状態を検出し、それに関連付けられた指示/アラートを生成するための技術を提供する。
【0092】
本明細書に開示される原理による様々な実施形態が示され、上述されてきたが、その修正は、本開示の教示から逸脱することなく、当業者によって行われ得る。本明細書に説明される実施形態は、単に代表的なものであり、限定することを意図するものではない。多くの変形、組み合わせ及び修正が可能であり、本開示の範囲内にある。実施形態の特徴を組み合わせる、統合する及び/又は省略することに由来する代替的な実施形態もまた、本開示の範囲内にある。したがって、保護の範囲は、上記の説明によって限定されるものではなく、以下に続く特許請求の範囲によって定義され、その範囲は、特許請求の範囲の主題の全ての均等物を含んでいる。特許請求の範囲の各々及び全ては、更なる開示として本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲は、本開示の実施形態である。更に、上記した任意の利点及び特徴は、特定の実施形態に関連し得るが、かかる発行された特許請求の範囲の適用を、上記の利点のいずれか又は全てを達成するか又は上記の特徴のいずれか又は全てを有する、プロセス及び構造に限定するものではない。
【0093】
加えて、本明細書で使用されるセクションの見出しは、連邦規則法典第37巻第1.77条に基づく提案と一致するために、又はさもなければ構成上の暗示を与えるために提供される。これらの見出しは、本開示から発行され得る任意の特許請求の範囲に記載された開示を限定するものではなく、又は特徴付けるものではない。例えば、「背景技術」における技術の記載は、特定の技術が本開示における任意の開示に対する先行技術であることを認めるものとして解釈されるものではない。「要約」もまた、発行される特許請求の範囲に記載される開示の限定的な特徴とみなされるものではない。更に、単数形の「開示」又は「実施形態」に対する本開示のいずれの参照も、本開示において新規性の単一点のみがあることを主張するために使用されるべきではない。本開示の複数の実施形態は、本開示から発行される複数の特許請求の範囲の限定に従って記載され得、そのような特許請求の範囲は、したがって、本開示及びそれによって保護されるそれらの均等物を定義する。全ての場合において、特許請求の範囲は、本開示に照らして独自の真価に基づいて考察されるべきであるが、本明細書に記載される見出しによって制約されるべきではない。
【0094】
また、個々又は別個として様々な実施形態に記載及び例示されるシステム、サブシステム、装置、技術及び方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術又は方法と組み合わされ得、又は統合され得る。互いに結合される若しくは通信するように示されるか若しくは説明される他のデバイス又は構成要素は、電気的、機械的又は他の方法であろうと、いくつかの中間デバイス又は構成要素を介して、間接的に結合され得る。変更、置換及び改変の他の実施例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示される範囲から逸脱することなく行われることができる。
【0095】
本明細書に記載の本開示の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有する、これらの本実施形態に関係がある当業者に着想されるであろう。図面は、本明細書に記載される装置及びシステムの特定の構成要素のみを示すが、様々な他の構成要素が本明細書に開示される構成要素及び構造と併せて使用され得る。したがって、本開示は、開示される特定の実施形態に限定されるものではないこと、並びに修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。例えば、様々な要素又は構成要素は、別のシステムにおいて組み合わされてもよいし、再配置されてもよいし、又は統合されてもよく、若しくは特定の特徴は、省略されてもよいし、又は実装されなくてもよい。更に、上述された任意の方法における工程は、必ずしも添付の図面に描写される順序で行われる必要はなく、場合によっては、描写される工程の1つ以上が実質的に同時に行われ得るか、又は追加的工程が含まれ得る。特定の用語が本明細書で用いられているが、これらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。

図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量感知デバイスであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に配置された流量感知構成要素であって、流量感知デバイスの流路において流動媒体と直接接触するように構成される流量感知構成要素と、
前記流量感知構成要素と電子通信するコントローラ構成要素であって、
少なくとも1つの流量感知構成要素出力を監視することと、
前記少なくとも1つの流量感知構成要素出力に少なくとも部分的に基づいて、前記流量感知構成要素の表面に隣接する位置で気泡を検出することと、
前記気泡が1つ以上の所定の特性を画定する気泡状態を満たすかどうかを判定することと、
前記気泡が前記気泡状態を満たすと判定したことに応答して、気泡指示を生成することと、を実行するように構成される、コントローラ構成要素と、を備える、流量感知デバイス。
【請求項2】
前記コントローラ構成要素は、
第1の流量感知素子に関連付けられた第1の温度出力を判定することと、
第2の流量感知素子に関連付けられた第2の温度出力を判定することと、
前記第1の温度出力と前記第2の温度出力とを比較することと、によって、前記気泡が前記気泡状態を満たすかどうかを判定するように構成される、請求項1に記載の流量感知デバイス。
【請求項3】
前記コントローラ構成要素は、
前記気泡を検出することに応答して、気泡滞留タイマを開始することと、
最小許容滞留時間値を判定することと、
最大許容滞留時間係数を検索することと、
前記最大許容滞留時間値が気泡滞留時間値未満である事例において、気泡滞留指示を生成することと、を更に実行するように構成される、請求項2に記載の流量感知デバイス。

【外国語明細書】