(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169880
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】弾性コンタクト部材、端子モジュール、充電端子、および充電台
(51)【国際特許分類】
H01R 13/187 20060101AFI20231122BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H01R13/187 B
H02J7/00 301B
H02J7/00 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023079886
(22)【出願日】2023-05-15
(31)【優先権主張番号】202210534597.2
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521523202
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (スーチョウ) リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ヂィエンウェン ジェリー ヂァン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイドォン ヂァン
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503FA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】弾性コンタクト部材の数を減らし、コストを削減し、弾性コンタクト部材の接触抵抗も低下させることができ、充電端子の通電容量を増大させる。
【解決手段】弾性コンタクト部材(30)は、副端子本体(20)に装着されるように構成されている。弾性コンタクト部材は、副端子本体の内部キャビティ(201)に挿入されるように構成され、副端子本体の内壁および副端子本体に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するように構成されている第1の弾性アーム(33)と、副端子本体の外面および主端子本体の内面に電気的に接触するために、副端子本体の一端部に嵌められるように構成され、かつ主端子本体の内部キャビティに挿入される第2の弾性アーム(34)と、を備える。第1の弾性アームと第2の弾性アームとは、互いに接続されて一体部品を形成する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
副端子本体(20)に装着されるように構成されている弾性コンタクト部材(30)であって、
前記弾性コンタクト部材(30)は、
- 前記副端子本体(20)の内部キャビティ(201)に挿入されるように構成され、前記副端子本体(20)の内壁に電気的に接触するとともに前記副端子本体(20)に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するように構成されている第1の弾性アーム(33)と、
- 前記副端子本体(20)の外面および前記主端子本体(10)の内面に電気的に接触するために、前記副端子本体(20)の一端部に嵌められるように構成され、かつ主端子本体(10)の内部キャビティ(101)に挿入されるように構成されている第2の弾性アーム(34)とを備え、
前記第1の弾性アーム(33)と前記第2の弾性アーム(34)とは、互いに接続されて一体部品を形成する、
弾性コンタクト部材(30)。
【請求項2】
前記弾性コンタクト部材(30)は複数の第1の弾性アーム(33)を備え、
前記弾性コンタクト部材(30)が前記副端子本体(20)に装着されると、前記複数の第1の弾性アーム(33)は、前記副端子本体(20)の前記内部キャビティ(201)に位置し、前記副端子本体(20)の周方向に沿って間隔をおいて分散される、
請求項1に記載の弾性コンタクト部材(30)。
【請求項3】
前記弾性コンタクト部材(30)は複数の第2の弾性アーム(34)を備え、
前記弾性コンタクト部材(30)が前記副端子本体(20)に装着されると、前記複数の第2の弾性アーム(34)は、前記副端子本体(20)の外側に位置し、前記副端子本体(20)の外周に沿って間隔をおいて分散される、
請求項1に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項4】
前記副端子本体(20)の一端部に保持されるように構成されている接続部(31、35)をさらに備え、
前記第1の弾性アーム(33)の一端部および前記第2の弾性アーム(34)の一端部が、前記接続部(31、35)に接続されている、
請求項1に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項5】
前記接続部(31、35)は、
- 第1の環状端部(31)であって、前記第1の弾性アーム(33)の一端部が前記第1の環状端部(31)の一方の側に接続されている、第1の環状端部(31)と、
- 前記第1の環状端部(31)の他方の側および前記第2の弾性アーム(34)の一端部に接続されている屈曲部(35)と、
を含み、
前記弾性コンタクト部材(30)が前記副端子本体(20)に装着されると、前記第1の環状端部(31)は前記副端子本体(20)の内周面に接し、前記屈曲部(35)は前記副端子本体(20)の一端部に維持される、
請求項4に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項6】
前記接続部(31、35)は、前記第1の環状端部(31)の周りに間隔をおいて分散された複数の屈曲部(35)を含み、
前記弾性コンタクト部材(30)は複数の第2の弾性アーム(34)を備え、前記複数の第2の弾性アーム(34)の一端部が、それぞれ前記複数の屈曲部(35)に接続されている、
請求項5に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項7】
前記第1の環状端部(31)と軸方向反対側の第2の環状端部(32)をさらに備え、
前記弾性コンタクト部材(30)は複数の第1の弾性アーム(33)を備え、前記複数の第1の弾性アーム(33)の他端部が、前記第2の環状端部(32)に接続され、前記第2の環状端部(32)の周りに間隔をおいて分散され、
前記弾性コンタクト部材(30)が前記副端子本体(20)に装着されると、前記第2の環状端部(32)は前記副端子本体(20)の前記内周面に接する、
請求項6に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項8】
前記第1の環状端部(31)および前記第2の環状端部(32)は、前記第1の環状端部(31)と前記第2の環状端部(32)とを周方向に切り離す切欠き(36)を有する、
請求項7に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項9】
前記弾性コンタクト部材(30)は一体部品である、
請求項1から8のいずれか一項に記載の弾性コンタクト部材。
【請求項10】
主端子本体(10)に着脱可能に挿入されるように構成されている端子モジュールであって、
前記端子モジュールは、
- 内部キャビティ(201)を有する副端子本体(20)と、
- 前記副端子本体(20)に装着される、請求項1から9のいずれか一項に記載の前記弾性コンタクト部材(30)と、
を備え、
前記副端子本体(20)に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するために、前記弾性コンタクト部材(30)の前記第1の弾性アーム(33)が、前記副端子本体(20)の前記内部キャビティ(201)に位置しており、
前記副端子本体(20)に嵌められる前記主端子本体(10)の内面に電気的に接触するために、前記弾性コンタクト部材(30)の前記第2の弾性アーム(34)が、前記副端子本体(20)の外側に位置している、
端子モジュール。
【請求項11】
前記弾性コンタクト部材(30)は、前記副端子本体(20)と共に動くように前記副端子本体(20)に固定されている、
請求項10に記載の端子モジュール。
【請求項12】
前記弾性コンタクト部材(30)は、前記副端子本体(20)に着脱可能に装着されて、前記弾性コンタクト部材(30)を、前記副端子本体(20)と共に前記主端子本体(10)から取り外すことができ、または別個に前記主端子本体(10)から取り外すことができるようになっている、
請求項10に記載の端子モジュール。
【請求項13】
複数のスロット(21b)が、前記副端子本体(20)の一端部に形成され、前記弾性コンタクト部材(30)の複数の屈曲部(35)が、それぞれ前記複数のスロット(21b)に固定されている、
請求項10に記載の端子モジュール。
【請求項14】
前記弾性コンタクト部材(30)の前記複数の屈曲部(35)は、それぞれ前記副端子本体(20)の前記複数のスロット(21b)にスナップ留め、リベット締め、または溶接されている、
請求項13に記載の端子モジュール。
【請求項15】
前記弾性コンタクト部材(30)の前記屈曲部(35)は、U字形であり、前記副端子本体(20)の一端部にクランプされて、前記弾性コンタクト部材(30)が前記副端子本体(20)に維持されるようになっている、
請求項10に記載の端子モジュール。
【請求項16】
前記弾性コンタクト部材(30)の第2の環状端部(32)が、前記副端子本体(20)の前記内部キャビティ(201)に収容され、前記第2の環状端部(32)の端面を位置決めするために、位置決め段部(202)が前記副端子本体(20)の内周面に形成されている、
請求項10に記載の端子モジュール。
【請求項17】
前記副端子本体(20)は、一端部に位置する第1の円筒形部分(21)と、他端部に位置し、前記第1の円筒形部分(21)の外径よりも大きい外径を有する第2の円筒形部分(22)とを有し、
前記第1の円筒形部分(21)は、前記主端子本体(10)の一端部に挿入されるように構成され、前記弾性コンタクト部材(30)は、前記副端子本体(20)の前記第1の円筒形部分(21)に装着されている、
請求項10に記載の端子モジュール。
【請求項18】
前記第1の円筒形部分(21)に隣接する前記第2の円筒形部分(22)の一端部の端面(22a)が、前記主端子本体(10)の一端部の端面(10a)に当接するように構成されて、前記第2の円筒形部分(22)を前記主端子本体(10)の一端部の外側に位置決めする、
請求項17に記載の端子モジュール。
【請求項19】
充電端子であって、
- 主端子本体(10)と、
- 前記主端子本体(10)の一端部に着脱可能に挿入されている、請求項10から18のいずれか一項に記載の前記端子モジュールと、
を備え、
前記弾性コンタクト部材(30)の前記第1の弾性アーム(33)が、前記充電端子に挿入される相手側端子に電気的に接触するように構成され、
前記弾性コンタクト部材(30)の前記第2の弾性アーム(34)が、前記主端子本体(10)の一端部の内周面に電気的に接触する、充電端子。
【請求項20】
前記副端子本体(20)の端面(21a)を位置決めするために、半径方向位置決め面(103)が、前記主端子本体(10)の一端部の内周面に形成され、
前記副端子本体(20)の前記端面(21a)は、前記主端子本体(10)の前記半径方向位置決め面(103)に接し、前記弾性コンタクト部材(30)の屈曲部(35)が、前記副端子本体(20)の一端部のスロット(21b)に維持されている、
請求項19に記載の充電端子。
【請求項21】
前記副端子本体(20)の前記端面(21a)を位置決めするために、半径方向位置決め面(103)が、前記主端子本体(10)の一端部の内周面に形成され、
前記弾性コンタクト部材(30)の前記屈曲部(35)が、前記副端子本体(20)の前記端面(21a)と前記主端子本体(10)の前記半径方向位置決め面(103)との間にクランプされている、
請求項19に記載の充電端子。
【請求項22】
充電台であって、
- ハウジングと、
- 前記ハウジングに装着されている、請求項19から21のいずれか一項に記載の前記充電端子と、
を備える、
充電台。
【請求項23】
前記ハウジングは、
- 主ハウジングと、
- 前記主ハウジングに着脱可能に装着される副ハウジングと、
を含み、
主端子本体(10)が前記主ハウジングに装着され、副端子本体(20)が前記副ハウジングに着脱可能に装着されて、前記副端子本体(20)を前記副ハウジングと共に分解,組み立てることができ、または別個に分解,組み立てることができるようになっている、
請求項22に記載の充電台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年5月17日に中国国家知識産権局に出願された中国特許出願第CN202210534597.2号の優先権を主張する。その開示全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、弾性コンタクト部材、弾性コンタクト部材を備える端子モジュール、端子モジュールを備える充電端子、および充電端子を備える充電台に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、充電台の充電端子を充電ガンの相手側端子にしばしば嵌合させる必要があるため、相手側端子に接触する充電端子の弾性コンタクト部材(コンタクトばねとしても知られている)が、ある期間使用した後に摩耗し、定期的な交換が必要になることがある。従来技術において、弾性コンタクト部材が摩耗すると、充電端子全体を交換しなければならず、コストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述の欠点のうちの少なくとも1つの側面を克服または軽減するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、副端子本体に装着されるように構成されている弾性コンタクト部材が提供される。弾性コンタクト部材は、副端子本体の内部キャビティに挿入されるように構成され、副端子本体の内壁および副端子本体に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するように構成されている第1の弾性アームと;副端子本体の外面および主端子本体の内面に電気的に接触するために、副端子本体の一端部に嵌められるように構成され、かつ主端子本体の内部キャビティに挿入されるように構成されている第2の弾性アームと;を備える。第1の弾性アームと第2の弾性アームとは、互いに接続されて一体部品を形成する。
【0006】
本発明の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は複数の第1の弾性アームを備え、弾性コンタクト部材が副端子本体に装着されると、複数の第1の弾性アームは、副端子本体の内部キャビティに位置し、副端子本体の周方向に沿って間隔をおいて分散される。
【0007】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は複数の第2の弾性アームを備え、弾性コンタクト部材が副端子本体に装着されると、複数の第2の弾性アームは、副端子本体の外側に位置し、副端子本体の外周に沿って間隔をおいて分散される。
【0008】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は、副端子本体の一端部に保持されるように構成されている接続部をさらに備え、第1の弾性アームの一端部および第2の弾性アームの一端部が、接続部に接続されている。
【0009】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、接続部は、第1の環状端部であって、第1の弾性アームの一端部が第1の環状端部の一方の側に接続されている、第1の環状端部と、第1の環状端部の他方の側および第2の弾性アームの一端部に接続されている屈曲部とを含む。弾性コンタクト部材が副端子本体に装着されると、第1の環状端部は副端子本体の内周面に接し、屈曲部は副端子本体の一端部に維持される。
【0010】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、接続部は、第1の環状端部の周りに間隔をおいて分散された複数の屈曲部を含み、弾性コンタクト部材は複数の第2の弾性アームを備え、複数の第2の弾性アームの一端部が、それぞれ複数の屈曲部に接続されている。
【0011】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は、第1の環状端部と軸方向反対側の第2の環状端部をさらに備え、弾性コンタクト部材は複数の第1の弾性アームを備え、複数の第1の弾性アームの他端部が、第2の環状端部に接続され、第2の環状端部の周りに間隔をおいて分散されている。弾性コンタクト部材が副端子本体に装着されると、第2の環状端部は副端子本体の内周面に接する。
【0012】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の環状端部および第2の環状端部は、第1の環状端部と第2の環状端部とを周方向に切り離す切欠きを有する。
【0013】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は一体部品である。
【0014】
本発明の別の態様によれば、主端子本体に着脱可能に挿入されるように構成されている端子モジュールが提供される。端子モジュールは、内部キャビティを有する副端子本体と、副端子本体に装着される上記の弾性コンタクト部材とを備える。副端子本体に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するために、弾性コンタクト部材の第1の弾性アームが、副端子本体の内部キャビティに位置し、かつ、副端子本体に嵌められる主端子本体の内面に電気的に接触するために、弾性コンタクト部材の第2の弾性アームが、副端子本体の外側に位置している。
【0015】
本発明の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は、副端子本体と共に動くように、副端子本体に固定されている。
【0016】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材は、副端子本体に着脱可能に装着されて、弾性コンタクト部材を、副端子本体と共に主端子本体から取り外すことができ、または別個に主端子本体から取り外すことができるようになっている。
【0017】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、複数のスロットが、副端子本体の一端部に形成され、弾性コンタクト部材の複数の屈曲部が、それぞれ複数のスロットに固定されている。
【0018】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材の複数の屈曲部は、それぞれ副端子本体の複数のスロットにスナップ留め、リベット締め、または溶接されている。
【0019】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材の屈曲部は、U字形であり、副端子本体の一端部にクランプされて、弾性コンタクト部材が副端子本体に維持されるようになっている。
【0020】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、弾性コンタクト部材の第2の環状端部が、副端子本体の内部キャビティに収容され、第2の環状端部の端面を位置決めするために、位置決め段部が副端子本体の内周面に形成されている。
【0021】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、副端子本体は、一端部に位置する第1の円筒形部分と、他端部に位置し、第1の円筒形部分の外径よりも大きい外径を有する第2の円筒形部分とを有する。第1の円筒形部分は、主端子本体の一端部に挿入されるように構成され、弾性コンタクト部材は、副端子本体の第1の円筒形部分に装着されている。
【0022】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、第1の円筒形部分に隣接する第2の円筒形部分の一端部の端面が、主端子本体の一端部の端面に当接するように構成されて、第2の円筒形部分を主端子本体の一端部の外側に位置決めする。
【0023】
本発明の別の態様によれば、充電端子が提供される。充電端子は、主端子本体と、主端子本体の一端部に着脱可能に挿入されている上記の端子モジュールとを備える。弾性コンタクト部材の第1の弾性アームが、充電端子に挿入される相手側端子に電気的に接触するように構成され、弾性コンタクト部材の第2の弾性アームが、主端子本体の一端部の内周面に電気的に接触する。
【0024】
本発明の例示的な実施形態によれば、副端子本体の端面を位置決めするために、半径方向位置決め面が、主端子本体の一端部の内周面に形成され、副端子本体の端面は、主端子本体の半径方向位置決め面に接し、弾性コンタクト部材の屈曲部が、副端子本体の一端部のスロットに維持されている。
【0025】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、副端子本体の端面を位置決めするために、半径方向位置決め面が、主端子本体の一端部の内周面に形成され、弾性コンタクト部材の屈曲部が、副端子本体の端面と主端子本体の半径方向位置決め面との間にクランプされている。
【0026】
本発明の別の態様によれば、充電台が提供される。充電台は、ハウジングと、ハウジングに装着されている前述の充電端子とを備える。
【0027】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、ハウジングは、主ハウジングと、主ハウジングに着脱可能に装着される副ハウジングとを含み、主端子本体が主ハウジングに装着され、副端子本体が副ハウジングに着脱可能に装着されて、副端子本体を副ハウジングと共に分解し組み立てることができ、または別個に分解し組み立てることができるようになっている。
【0028】
本発明の前述の例示的な実施形態において、弾性コンタクト部材が摩耗したときに、充電端子全体を交換することなく、弾性コンタクト部材を備える端子モジュールのみを交換すればよく、または弾性コンタクト部材のみを交換すればよいため、コストが削減される。加えて、本発明において、単一の弾性コンタクト部材が、相手側端子と主端子本体とに同時に電気的に接触することができる。したがって、本発明は、弾性コンタクト部材の数を減らし、コストを削減し、弾性コンタクト部材の接触抵抗も低下させることができ、充電端子の通電容量を増大させる。
【0029】
添付図面を参照しながら例示的な実施形態を詳細に説明することにより、本発明の上記その他の特徴がより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による充電端子の説明斜視図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による充電端子の軸方向断面図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による充電端子の説明分解図である。
【
図5】本発明の例示的な実施形態による充電端子の端子モジュールの説明斜視図である。
【
図6】本発明の例示的な実施形態による充電端子の端子モジュールの説明分解図である。
【
図7】本発明の例示的な実施形態による充電端子の端子モジュールの軸方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下で、添付図面を参照しながら本開示の例示的な実施形態について詳細に説明する。図中、同一の参照数字は同一の要素を指す。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように、かつ当業者に本開示の概念を十分に伝えるように提供される。
【0032】
以下の詳細な説明では、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細を記載する。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかであろう。他の例では、図面を簡略化するために、周知の構造およびデバイスは概略的に示す。
【0033】
本発明の一般的な概念によれば、副端子本体に装着されるように構成されている弾性コンタクト部材が提供される。弾性コンタクト部材は、副端子本体の内部キャビティに挿入されるように構成され、副端子本体の内壁に電気的に接触するとともに副端子本体に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するように構成されている第1の弾性アームと;副端子本体の外面および主端子本体の内面に電気的に接触するために、副端子本体の一端部に嵌められるように構成され、かつ主端子本体の内部キャビティに挿入されるように構成されている第2の弾性アームと;を備える。第1の弾性アームと第2の弾性アームとは、互いに接続されて一体部品を形成する。
【0034】
本発明の別の一般的な概念によれば、主端子本体に着脱可能に挿入されるように構成されている端子モジュールが提供される。端子モジュールは、内部キャビティを有する副端子本体と、副端子本体に装着される上記の弾性コンタクト部材とを備える。副端子本体に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触するために、弾性コンタクト部材の第1の弾性アームが、副端子本体の内部キャビティに位置しており、副端子本体に嵌められる主端子本体の内面に電気的に接触するために、弾性コンタクト部材の第2の弾性アームが、副端子本体の外側に位置している。
【0035】
本発明の別の一般的な概念によれば、充電端子が提供される。充電端子は、主端子本体と、主端子本体の一端部に着脱可能に挿入される上記の端子モジュールとを備える。弾性コンタクト部材の第1の弾性アームが、充電端子に挿入される相手側端子に電気的に接触するように構成され、弾性コンタクト部材の第2の弾性アームが、主端子本体の一端部の内周面に電気的に接触する。
【0036】
本発明の別の一般的な概念によれば、充電台が提供される。充電台は、ハウジングと、ハウジングに装着されている上記の充電端子とを備える。
【0037】
図1は、本発明の例示的な実施形態による充電端子の説明斜視図である。
図2は、本発明の例示的な実施形態による充電端子の軸方向断面図である。
図3は、本発明の例示的な実施形態による充電端子の説明分解図である。
図4は、
図3に示す充電端子の軸方向断面図である。
【0038】
図1~
図4に示すように、図示の実施形態において、充電端子は、主端子本体10と、主端子本体10の一端部に着脱可能に挿入することができる端子モジュール20、30とを主に備える。図示の実施形態において、端子モジュール20、30は、主に副端子本体20および弾性コンタクト部材30である。副端子本体20を、主端子本体10の一端部に着脱可能に挿入することができる。図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は、副端子本体20に装着されて、副端子本体20と共に主端子本体10の一端部に着脱可能に挿入される。
【0039】
図5は、本発明の例示的な実施形態による充電端子の端子モジュール20、30の説明斜視図である。
図6は、本発明の例示的な実施形態による充電端子の端子モジュール20、30の説明分解図である。
図7は、本発明の例示的な実施形態による充電端子の端子モジュール20、30の軸方向断面図である。
【0040】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は、副端子本体20に装着するのに適している。弾性コンタクト部材30は、第1の弾性アーム33と第2の弾性アーム34とを備える。弾性コンタクト部材30の第1の弾性アーム33は、副端子本体20の内部キャビティ201に挿入される相手側端子(図示せず)の外面に電気的に接触するために使用される。弾性コンタクト部材30の第2の弾性アーム34は、副端子本体20の一端部に嵌められる主端子本体10の内面に電気的に接触するために使用される。このようにして、相手側端子と主端子本体10との電気的接続を、弾性コンタクト部材30を介して実現することができる。
【0041】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30の第1の弾性アーム33は、副端子本体20の内部キャビティ201に挿入され、副端子本体20の内壁に電気的に接触するとともに、副端子本体20に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触することができる。弾性コンタクト部材30の第2の弾性アーム34は、副端子本体20の一端部に嵌められ、主端子本体10の内部キャビティ101に挿入されて、副端子本体20の外面および主端子本体10の内面に電気的に接触することができる。
【0042】
図1~
図7に示すように、本発明の例示的な実施形態において、第1の弾性アーム33と第2の弾性アーム34とは、互いに接続されて一体部品を形成する。図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は一体部品であり、例えば、弾性コンタクト部材30は、1枚の金属板を打ち抜くことによって形成された一体打抜部品であってよい。
【0043】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は複数の第1の弾性アーム33を備える。弾性コンタクト部材30が副端子本体20に装着されると、複数の第1の弾性アーム33は、副端子本体20の内部キャビティ201に位置し、副端子本体20の周方向に沿って間隔をおいて分散される。
【0044】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は複数の第2の弾性アーム34を備える。弾性コンタクト部材30が副端子本体20に装着されると、複数の第2の弾性アーム34は、副端子本体20の外側に位置し、副端子本体20の外周に沿って間隔をおいて分散される。
【0045】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は、副端子本体20の一端部に保持されるのに適した接続部31、35をさらに備える。第1の弾性アーム33の一端部および第2の弾性アーム34の一端部が、接続部31、35に接続されている。
【0046】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30の接続部31、35は、第1の環状端部31および屈曲部35を含む。第1の弾性アーム33の一端部が、第1の環状端部31の一方の側に接続されている。屈曲部35は、第1の環状端部31の他方の側および第2の弾性アーム34の一端部に接続されている。
【0047】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30が副端子本体20に装着されると、第1の環状端部31は副端子本体20の内周面に接し、屈曲部35は副端子本体20の一端部に維持される。
【0048】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30の接続部31、35は、第1の環状端部31の周りに間隔をおいて分散された複数の屈曲部35を含む。弾性コンタクト部材30は、複数の第2の弾性アーム34を備え、複数の第2の弾性アーム34の一端部が、それぞれ複数の屈曲部35に接続されている。
【0049】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は、第1の環状端部31と軸方向反対側の第2の環状端部32をさらに備える。弾性コンタクト部材30は複数の第1の弾性アーム33を備える。第1の弾性アーム33の他端部が、第2の環状端部32に接続され、第2の環状端部32の周りに間隔をおいて分散されている。弾性コンタクト部材30が副端子本体20に装着されると、第2の環状端部32は副端子本体20の内周面に接する。
【0050】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、第1の環状端部31および第2の環状端部32は、第1の環状端部31と第2の環状端部32とを周方向に切り離す、周方向の切欠き36を有する。
【0051】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、第1の弾性アーム33の長さは、第2の弾性アーム34の長さよりも大きいが、第1の弾性アーム33の幅は、第2の弾性アーム34の幅よりも小さい。図示の実施形態において、第1の弾性アーム33は、両端部で支持された単純支持梁構造であり、第2の弾性アーム34は片持ち梁構造である。
【0052】
図1~
図7に示すように、本発明の例示的な実施形態において、副端子本体20および弾性コンタクト部材30を含む端子モジュール20、30も開示されている。副端子本体20は内部キャビティ201を有する。弾性コンタクト部材30は、副端子本体20に装着されている。弾性コンタクト部材30の第1の弾性アーム33は、副端子本体20の内部キャビティ201に位置して、副端子本体20に挿入される相手側端子の外面に電気的に接触する。弾性コンタクト部材30の第2の弾性アーム34は、副端子本体20の外側に位置し、副端子本体20に嵌められる主端子本体10の内面に電気的に接触するために使用される。
【0053】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30は、副端子本体20に固定されて副端子本体20と共に動く。このようにして、弾性コンタクト部材30を、副端子本体20と共に取り外し、装着することができるため、使用が非常に便利になる。このとき、弾性コンタクト部材30を交換する必要がある場合、副端子本体20および弾性コンタクト部材30のみを交換すればよく、主端子本体10を交換する必要はない。
【0054】
しかしながら、本発明は図示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的な実施形態において、弾性コンタクト部材30を副端子本体20に着脱可能に装着して、弾性コンタクト部材30を副端子本体20と共に、または別個に主端子本体10から取り外すことができるようにしてもよい。このとき、弾性コンタクト部材30を交換する必要がある場合、弾性コンタクト部材30のみを交換し、主端子本体10および副端子本体20を交換する必要はない。
【0055】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、複数のスロット21bが副端子本体20の一端部に形成され、弾性コンタクト部材30の複数の屈曲部35が、それぞれ複数のスロット21bに固定されている。例えば、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30の複数の屈曲部35を、それぞれ副端子本体20の複数のスロット21bにスナップ留め、リベット締め、または溶接することができる。
【0056】
しかしながら、本発明は図示の実施形態に限定されないことに留意されたい。例えば、本発明の別の例示的な実施形態において、弾性コンタクト部材30の屈曲部35はU字形であり、副端子本体20の一端部にクランプされて、弾性コンタクト部材30が副端子本体20に維持されるようになっている。
【0057】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、弾性コンタクト部材30の第2の環状端部32は、副端子本体20の内部キャビティ201に収容され、第2の環状端部32の端面を位置決めするために、位置決め段部202が副端子本体20の内周面に形成されている。
【0058】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、副端子本体20は、一端部に位置する第1の円筒形部分21と、他端部に位置し、第1の円筒形部分21よりも大きい外径を有する第2の円筒形部分22とを有する。第1の円筒形部分21は、主端子本体10の一端部に挿入されるように構成され、弾性コンタクト部材30は、副端子本体20の第1の円筒形部分21に装着されている。
【0059】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、第1の円筒形部分21に接続された、第2の円筒形部分22の一端部の端面22aが、主端子本体10の一端部の端面10aに当接するように構成されて、第2の円筒形部分22を主端子本体10の一端部の外側に位置決めする。
【0060】
図1~
図7に示すように、本発明の別の例示的な実施形態において、主端子本体10と、前述の端子モジュール20、30とを備える充電端子も開示されている。端子モジュール20、30を、主端子本体10の一端部に着脱可能に挿入することができる。弾性コンタクト部材30の第1の弾性アーム33は、充電端子に挿入される相手側端子に電気的に接触するのに適している。弾性コンタクト部材30の第2の弾性アーム34は、主端子本体10の一端部の内周面に電気的に接触する。
【0061】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、雌ねじ102が主端子本体10の他端部に形成されて、主端子本体10の他端部をバスバー(図示せず、例えば裸線導体)またはケーブル部品(図示せず、例えばバスバー)の接続端子にねじ付けすることができる。しかしながら、本発明は図示の実施形態に限定されない。例えば、主端子本体10の他端部は、バスバーまたはケーブルアセンブリの接続端子に他の適切な方法で電気的に接続するのに適している。例えば、主端子本体10の他端部を、溶接、圧着、またはリベット締めにより、バスバーまたはケーブルアセンブリの接続端子に電気的に接続することができる。
【0062】
図1~
図7に示すように、図示の実施形態において、副端子本体20の端面21aを位置決めするために、半径方向位置決め面103が、主端子本体10の一端部の内周面に形成されている。図示の実施形態において、副端子本体20の端面21aは、主端子本体10の半径方向位置決め面103に当接し、弾性コンタクト部材30の屈曲部35は、副端子本体20の一端部のスロット21bに維持される。
【0063】
しかしながら、本発明は図示の実施形態に限定されない。例えば、本発明の別の例示的な実施形態において、弾性コンタクト部材30の屈曲部35を、副端子本体20の端面21aと主端子本体10の半径方向位置決め面103との間にクランプすることができる。
【0064】
図1~
図7に示すように、本発明の例示的な実施形態において、ハウジング(図示せず)と、前述の充電端子とを備える充電台(図示せず)も開示されている。充電端子はハウジングに装着されている。
【0065】
図1~
図7に示すように、本発明の例示的な実施形態において、充電台のハウジングは、主ハウジング(図示せず)と副ハウジング(図示せず)とを含む。副ハウジングを、主ハウジングに着脱可能に装着することができる。主端子本体10は、主ハウジングに装着されている。副端子本体20を、副ハウジングに着脱可能に装着することができ、副端子本体20を副ハウジングと共に、または別個に分解し組み立てることができる。このようにして、非常に便利に使用することができる。
【0066】
上記の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではないことを、当業者には理解されたい。例えば、当業者であれば、構成上または原理上矛盾することなく、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載する様々な特徴を互いに自由に組み合わせることができる。
【0067】
いくつかの例示的な実施形態について図示し説明したが、本開示の原理および趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができることが、当業者には理解されよう。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物により定義される。
【0068】
本明細書で使用されるとき、単数形で記載され「a」または「an」という単語が前に付く要素は、前記要素またはステップの複数形を除外することが明示的に述べられていない限り、これらを除外しないものとして理解すべきである。さらに、本発明の「一実施形態」への言及は、記載された特徴を同じく組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、特定の特性を有する1つの要素もしくは複数の要素を「備える」または「有する」実施形態は、その特性を有していない追加のそのような要素を含んでよい。
【外国語明細書】