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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169889
(43)【公開日】2023-11-30
(54)【発明の名称】水中油乳化系用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20231122BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20231122BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/06
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023081434
(22)【出願日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】202210539063.9
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】リウ ルー
(72)【発明者】
【氏名】モン モン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC392
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC532
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD352
4C083BB51
4C083CC05
4C083CC14
4C083DD33
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、サラサラの使用感を持つ水中油乳化系の乳液、クリームに安定した乳化系を保持させると同時に、明らかな皮膚のハリ感を備え、特に、塗布した後にハリ感を即座に感じることができる水中油型乳化系用組成物を提供することである。
【解決手段】本発明は、成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤と、を含み、前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることを特徴とする水中油型乳化系用組成物を提供する。水中油型乳化系の化粧料、特にサラサラの使用感を持つ水中油型乳化系化粧料に、特定の割合で特定の皮膜形成剤と固体保湿剤を添加し、即ち、本発明の水中油型乳化系用組成物を添加することで、乳化系が安定すると同時に、明らかな皮膚のハリ感を備えた水中油型乳化系化粧料が得られる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型乳化系用組成物であって、
成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、
成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤と、を含み、
前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることを特徴とする、水中油型乳化系用組成物。
【請求項2】
前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1:2.5~1:10の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の水中油型乳化系用組成物。
【請求項3】
水中油型乳化系化粧料であって、
請求項1または2のいずれか一項に記載の水中油型乳化系用組成物を含有することを特徴とする、水中油型乳化系化粧料。
【請求項4】
前記成分(a)の化粧料における含有量が、0.1質量%~0.7質量%であることを特徴とする、請求項3に記載の水中油型乳化系化粧料。
【請求項5】
前記成分(b)の化粧料における含有量が、0.5質量%~3質量%であることを特徴とする、請求項3または4に記載の水中油型乳化系化粧料。
【請求項6】
サラサラの使用感、ハリ感、安定性を兼ね備えた水中油型乳化系化粧料の製造における、請求項1に記載の水中油型乳化系用組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水中油型乳化系用組成物、特に、サラサラの使用感を持つ水中油乳化系の乳液、クリームに安定した乳化系を保持させると同時に、明らかな皮膚のハリ感を備えさせることができる水中油型乳化系化粧料用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
水中油型乳化系は化粧料における通常の剤型であり、常用されるのは主に乳液、クリームなどを含む。水中油型乳化系の化粧料については、使用目的に応じて様々な機能が求められるが、そのうち、安定性は必須なものである。また、最近では、サラサラの使用感と同時に、ハリ感と安定性を兼ね備えた水中油型乳化系の化粧料が求められている。
【0003】
水中油型乳化系の化粧料からハリ感効果を得るために、従来の技術では、皮膜形成剤を水中油型乳化系化粧料に添加するという案があった。収縮力の強いポリマーで製造したしわ改善剤と混合する皮膜形成剤は、例えば、ポリウレタンが挙げられることが既に知られている(特許文献1を参照)。また、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、シリコン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル系水溶性樹脂、セルロース系水溶性樹脂、澱粉及びその誘導体、ゼラチン、アルギン酸ナトリウムなどの皮膜形成性ポリマーを使用して強い収縮力の皮膜を形成する案も既に知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
しかし、化粧料に大量の皮膜形成剤を使用することは、ハリ感効果が得られるものの、水中油型乳化系化粧料の安定性の劣りを引き起こし、分層、析出、ゲル化など安定性が悪くなり、べたつきが発生するという問題があった。
【0005】
皮膜形成剤の使用量を減少すると、安定性及び使用感の問題は解決されるが、皮膜形成剤の用量の減少につれて、水中油型乳化系化粧料によるハリ感効果も伴になくなってしまう。
【0006】
先行技術文献
【0007】
特許文献
【0008】
特許文献1:日本特表平11-504949号公報
【0009】
特許文献2:日本特開平5-933号公報
【発明の概要】
【0010】
発明が解決しようとする課題
【0011】
本発明は、上記の先行技術に鑑みて提出されたものであり、その解決しようとする課題は、サラサラの使用感を持つ水中油乳化系の乳液、クリームに安定した乳化系を保持させると同時に、明らかな皮膚のハリ感を備え、特に、塗布した後にハリ感を即座に感じることができる水中油型乳化系用組成物を提供することである。
【0012】
課題を解決するための手段
【0013】
上記の課題を解決するべく、本発明者が研究考察を重ねた結果、水中油型乳化系の化粧料に、特定の割合で特定の皮膜形成剤と固体保湿剤を添加することで、サラサラの使用感、安定した乳化系と同時に、明らかな皮膚のハリ感を備えた水中油型乳化系化粧料が得られることを見い出した。具体的には、水中油型乳化系の化粧料に、成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤と、を同時に添加し、且つ、前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であると、サラサラの使用感、安定した乳化系と同時に、明らかな皮膚のハリ感を備えた水中油型乳化系化粧料を得ることができるので、本発明の完成に至った。
【0014】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
【0015】
[1]水中油型乳化系用組成物であって、
【0016】
成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、
【0017】
成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤と、を含み、
【0018】
前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることを特徴とする、水中油型乳化系用組成物。
【0019】
[2]前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1:2.5~1:10の範囲内であることを特徴とする、上記[1]に記載の水中油型乳化系用組成物。
【0020】
[3]水中油型乳化系化粧料であって、[1]または[2]のいずれか一項に記載の水中油型乳化系用組成物を含有することを特徴とする、水中油型乳化系化粧料。
【0021】
[4]前記成分(a)の化粧料における含有量が、0.1質量%~0.7質量%であることを特徴とする、[3]に記載の水中油型乳化系化粧料。
【0022】
[5]前記成分(b)の化粧料における含有量が、0.5質量%~3質量%であることを特徴とする、[3]または[4]に記載の水中油型乳化系化粧料。
【0023】
[6]サラサラの使用感、ハリ感、安定性を兼ね備えた水中油型乳化系化粧料の製造における、[1]に記載の水中油型乳化系用組成物の使用。
【0024】
発明の効果
【0025】
本発明に係る水中油型乳化系用組成物は、成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤とを同時に含有し、且つ、前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることによって、水中油型乳化系の化粧料に適用された場合、得られる水中油型乳化系化粧料にサラサラの使用感を持たせつつ、ハリ感および良好な安定性を兼ね備えさせることができる。前記ハリ効果は、即効性の即時ハリ効果である。本発明の水中油型乳化系用組成物を添加することで得られる水中油型乳化化粧料は、ハリ感効果および良好な安定性を同時に兼ね備えていて、安全有効かつ信頼できる製品である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
具体的な実施形態
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0027】
[水中油型乳化系用組成物]
【0028】
本発明の水中油型乳化系用組成物は、
【0029】
成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、
【0030】
成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤と、を含み、
【0031】
前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることを特徴とする。
【0032】
成分(a)である皮膜形成剤としては、水添ポリイソブテンという特定の皮膜形成剤を使用する。水添ポリイソブテンの分子量については特別な限定がなく、化粧料分野において通常に使用される水添ポリイソブテンを使用することができる。具体的には、例えば、日本NIKKO RICA社製の脱臭ポリブテンP200SH(商品名)、脱臭ポリブテンP(商品名);日本昭和大分工場製のParleam24(商品名);米国ハーバライフ社製のPanalane H-300E(商品名)などが挙げられる。水添ポリイソブテンは、1種類を使用してもよく、2種類以上の組み合わせを使用してもよいが、1種類を使用することが好ましい。
【0033】
成分(b)である25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤としては、分子量および常温固体形態の要求を満たしている、化粧料分野で常用される保湿剤であればよく、特に制限されるものではない。例えば、PEG1000(PEG-20と呼ばれる場合もある)、PEG1500、PEG2000、PEG3350、PEG4000(PEG-75と呼ばれる場合もある)などが挙げられる。これらの固体保湿剤は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0034】
成分(a)と成分(b)の含有量に関しては、水中油型乳化系用組成物において、成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であればよく、好ましくは1:2.5~1:10の範囲内である。
【0035】
[水中油型乳化系化粧料]
【0036】
本発明の水中油型乳化系化粧料は、上記の水中油型乳化系用組成物を含み、前記水中油型乳化系用組成物の特徴は、
【0037】
成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、
【0038】
成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤と、を含み、
【0039】
前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることを特徴とする。
【0040】
また、成分(a)皮膜形成剤の含有量に関しては、水中油型乳化系用組成物を水中油型乳化系化粧料に添加して使用するとき、化粧料における含有量が、0.1質量%~0.7質量%であり、好ましくは0.1質量%~0.5質量%である。成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンは、水中油型乳化系化粧料における含有量が0.1質量%未満であると、化粧料にハリ感を備えさせるという効果を発揮することができず、成分(a)の水中油型乳化系化粧料における含有量が0.7質量%を超えると、水中油型乳化系化粧料に分離、分層、ゲル化などが発生し、安定性が悪くなることにつながり、そして、べたつきを生じる恐れがある。
【0041】
また、成分(b)である固体保湿剤の含有量に関しては、水中油型乳化系用組成物を水中油型乳化系化粧料に添加して使用するとき、化粧料における含有量が、0.5質量%~3質量%であり、好ましくは0.5質量%~2.5質量%であり、より好ましくは0.5質量%~1質量%である。成分(b)固体保湿剤は、水中油型乳化系化粧料における含有量が0.5質量%未満であると、皮膜形成剤との相乗効果で、化粧料にハリ感および安定性を兼ね備えさせるという効果を発揮することができず、成分(b)の水中油型乳化系化粧料における含有量が3質量%を超えると、水中油型乳化系化粧料に分離、分層、ゲル化などが発生し、安定性が悪くなることにつながり、そして、べたつきを生じる恐れがある。
【0042】
また、本発明の水中油型乳化系化粧料は、粘度が50000Pa・s以下であると好ましく、粘度が10000Pa・s以下であるとより好ましい。
【0043】
本発明の水中油型乳化系化粧料は、本発明の効果を阻害しない範囲において、他の成分、例えば、水性溶媒、油性成分、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、防腐剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、中和剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜含有することができる。
【0044】
水性溶媒としては、例えば、水、アルコール、保湿剤又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0045】
水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。水相は、目的に応じて、水溶性アルコールをさらに含有することができる。
【0046】
水溶性アルコールとしては、例えば、低級アルコール、多価アルコール、多価アルコール重合体、2価アルコールアルキルエーテル類、2価アルコールエーテルエステル、グリセリンモノアルキルエーテル、糖アルコール、単糖、オリゴ糖、多糖およびそれらの誘導体等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0047】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0048】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、ペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)が挙げられる。
【0049】
多価アルコール重合体としては、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等が挙げられる。
【0050】
2価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等が挙げられる。
【0051】
2価アルコールエーテルエステルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0052】
グリセリンモノアルキルエーテルとしては、例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等が挙げられる。
【0053】
糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル等が挙げられる。
【0054】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロ-ス、D-エリトルロ-ス、Dートレオ-ス、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノ-ス、D-キシロ-ス、L-リキソ-ス、D-アラビノ-ス、D-リボ-ス、D-リブロ-ス、D-キシルロ-ス、L-キシルロ-ス等)、六炭糖(例えば、D-グルコ-ス、D-タロ-ス、D-ブシコ-ス、D-ガラクト-ス、D-フルクト-ス、L-ガラクト-ス、L-マンノ-ス、D-タガト-ス等)、七炭糖(例えば、アルドヘプト-ス、ヘプロ-ス等)、八炭糖(例えば、オクツロ-ス等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボ-ス、6-デオキシ-L-ガラクト-ス、6-デオキシ-L-マンノ-ス等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0055】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、α,α-トレハロース等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0056】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0057】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE-10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP-10)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0058】
保湿剤としては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0059】
油性成分としては、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等を使用することができる。なお、本書においては、油分及び油分に可溶な成分も含めて「油性成分」と称している。
【0060】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0061】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0062】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0063】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0064】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0065】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0066】
合成エステル油としては、水添ポリデセン、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0067】
シリコーン油としては、ポリジメチルシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、未末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、PEG-10ポリジメチルシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0068】
水添ポリイソブテンと配合して使用する油分としては、水添ポリイソブテンとの親和性が悪く、かつ揮発しやすい油分が好ましい。そうすると、揮発性油分は、塗布中に揮発してなくなり、水添ポリイソブテンは、親和性が悪いことから、皮膚上に残って皮膜を形成し、ハリ感をもたらす。
【0069】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム;セチルリン酸カリウム等が挙げられる。
【0070】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0071】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0072】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル;PEG-10ポリジメチルシロキサン、ステアリン酸グリセリル等が挙げられる。
【0073】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POE-ソルビット脂肪酸エステル(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型(例えば、プルロニック(登録商標)等);POE・POP-アルキルエーテル(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸;オレス-10、ステアリン酸PEG-100、メトキシPEG/PPG-25/4ポリジメチルシロキサン、ポリソルベート-60、ステアリン酸PEG-40、スクロースステアラートが挙げられる。天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0074】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0075】
増粘剤としては、例えば、(アクリル酸(エステル)類/C10-30アルカノールアクリル酸エステル架橋ポリマー、アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体、アクリル酸エステル/セチルエトキシ基(20)イタコン酸エステル共重合体、アクリレート/セチルエトキシ(20)メタクリレート共重合体、アクリレート/ミリスチルエトキシ(25)アクリレート共重合体、アクリレート/ステアリルエトキシイタコン酸(20)共重合体、アクリレート/ステアリルエトキシ(20)メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアリルエトキシ(50)アクリレート共重合体、アクリレート/ VA架橋重合体、PAA (ポリアクリル酸)、アクリル酸ナトリウム/ビニルイソデカン酸エステル架橋重合体、Carbomer (ポリアクリル酸)及びそのナトリウム塩等のポリアクリル酸系増粘剤が挙げられる。
【0076】
防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール系防腐剤が挙げられる。
【0077】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノ;2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート;2,4-ビス-{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン等が挙げられる。
【0078】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム(EDTA-2Na)、エデト酸三ナトリウム(EDTA-3Na)、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0079】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0080】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0081】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0082】
pH調整剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0083】
中和剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アミノメチルプロパノール等が挙げられる。
【0084】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0085】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0086】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0087】
[ハリ感を取得する用途]
【0088】
本発明の水中油型乳化系用組成物の最も顕著な効果は、水中油型乳化系化粧料に添加される場合、化粧料が皮膚にハリ感を付与することを可能にすると同時に、化粧料の安定性およびさっぱりした肌感を保証することができる。ここのハリ感は、好ましくは即効のハリ感、即ち、本発明の水中油型乳化系化粧料を塗布した後、即座に皮膚のハリ感をはっきり感じ取れることを指している。従って、皮膚にハリ感を付与することが求められる水中油型乳化系化粧料を製造するにあたり、本発明の水中油型乳化系用組成物をその中に添加することで、ハリ感効果を備えた化粧料が得られる。
【実施例0089】
実施例
【0090】
以下、本発明について、実施例および比較例を通してより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0091】
以下、具体的な実施形態の説明の前に、製造方法、評価方法について説明を行う。
【0092】
[製造方法]
【0093】
1)水相に属する各成分をそれぞれ水相鍋に入れて(必要であれば、熔融した後に入れる)、水相鍋を常温に保ち、撹拌パドルで撹拌し、固体成分が完全に溶解したことを確保し、均一な水相混合物を形成する。
【0094】
2)油相に属する各成分をそれぞれ油相鍋に入れて、85~90℃まで加熱し、固体成分が完全に融解したことを確保し、均一に分散している油相混合物を形成する。
【0095】
3)ホモジナイザーを用い、加熱後均一に分散している油相混合物を均一な水相混合物に加え、一定の回転速度で均質化させ、均質化が完了したら、排出を行う。
【0096】
4)製品が中和剤による中和を必要とする場合は、中和剤を常温下で溶解して水溶液を作製し、工程3)にて添加し、水相および油相と共に均質化させた後、排出する。
【0097】
上記の作製方法および下表における各成分の用量に従って、実施例、比較例の水中油型乳化系乳液、アイクリームを作製した。
【0098】
[評価方法]
【0099】
<ハリ感の評価>
【0100】
試験では、対照サンプル(Placebo、処方に本発明の皮膜剤と固体保湿剤がない)、および試験サンプルとして、実施例、比較例で作製された水中油型乳化系乳液、アイクリームを用意した。
【0101】
各試験サンプルについて、10名の被験者により試験を行う。
【0102】
試験の工程は以下のとおりである:
【0103】
(1)被験者に洗顔フォームで洗顔させる(化粧をしている場合は、クレンジングミルク/クリームでクレンジングした後に洗顔する)
【0104】
(2)被験者の右手及び左手においてそれぞれ同じ量のサンプルを取る(一方が対照サンプル、もう一方が試験サンプルであり、被験者にブラインド・テストを行わせる)
【0105】
(3)被験者に、右手及び左手の中のサンプルを同時に対応の片顔に塗布させ、両方のサンプルを混ざらないよう被験者に注意を促し(注:アイクリームの使用部位は目の周りである)、塗布中から吸収完了までの過程におけるハリ感を被験者に感じさせる
【0106】
(4)「もし右顔を0点とするならば、左顔の皮膚のハリ感について、どんな点数を付けますか?」という質問を被験者に問いかける
【0107】
-2:左顔が明らかに右顔よりも弱い;
【0108】
-1:比較してみると、左顔が右顔よりも弱いことが感じられる;
【0109】
0:左顔と右顔が同じレベルである;
【0110】
1:比較してみると、左顔が右顔よりも強いことが感じられる;
【0111】
2:左顔が明らかに右顔よりも強い;
【0112】
(5)判断基準:被験者10名中:
【0113】
対照サンプルと比べて、50%未満(含まない)の被験者が試験サンプルに対してハリ感を感じた(点数がプラス)場合、×と判断する。
【0114】
対照サンプルと比べて、50%の被験者が試験サンプルに対してハリ感を感じた(点数がプラス)場合、△と判断する。
【0115】
対照サンプルと比べて、50%以上の被験者が試験サンプルに対してハリ感を感じた(点数がプラス)場合、○と判断する。
【0116】
試験結果を共に表に列記する。
【0117】
[安定性の評価]
【0118】
上記の方法に従って作製された各実施例、比較例の乳液、クリームをそれぞれ0℃、常温、37℃、50℃の温度条件下で保存し、4週間後、以下の基準で安定性を判断する。
【0119】
○:保存後、分離や外観変化などの異常が全く確認されなかった
【0120】
△:軽微な分離または油分析出が確認されたが、振盪によって元の状態に回復可能である
【0121】
×:分離、分層または油分析出が確認され、かつ、振盪によって復元不可能である
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】
上記表1~表4に示される実施例と比較例の評価結果から分かるように、水中油型乳化系化粧料に、単独で一定量の水添ポリイソブテンを添加し、または単独で本発明に記載の固体保湿剤を添加するのは(表1)、ハリ感と安定性を兼ね備えた化粧料が得られず、特定の割合で、水添ポリイソブテンと特定の固体保湿剤とを同時に添加した場合に限って(表2~表4)、ハリ感と安定性を兼ね備えた水中油型乳化系化粧料が得られる。
【0127】
産業上の利用可能性
【0128】
本発明に係る水中油型乳化系用組成物は、成分(a)皮膜形成剤としての水添ポリイソブテンと、成分(b)25℃において固体である分子量500~4000の保湿剤とを同時に含み、かつ、前記成分(a)と成分(b)の質量比が、1.4:1~1:30の範囲内であることによって、水中油型乳化系の化粧料に適用された場合、得られる水中油型乳化系化粧料にハリ感および良好な安定性を兼ね備えさせることができる。