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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169907
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体記憶装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   G11C 7/22 20060101AFI20231124BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20231124BHJP
   G11C 11/406 20060101ALI20231124BHJP
   G11C 11/4076 20060101ALI20231124BHJP
   G11C 11/4096 20060101ALI20231124BHJP
   G11C 7/10 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G11C7/22 100
G06F12/00 564A
G11C11/406 350
G11C11/4076
G11C11/4096 550
G11C7/10 460
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081234
(22)【出願日】2022-05-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】512167426
【氏名又は名称】華邦電子股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Winbond Electronics Corp.
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】森 郁
【テーマコード(参考)】
5B160
5M024
【Fターム(参考)】
5B160CC01
5M024AA36
5M024BB33
5M024JJ03
5M024JJ28
5M024JJ48
5M024KK22
5M024PP03
5M024PP07
(57)【要約】
【課題】データの読み出し動作において、最後の読み出しデータを確実に出力することができる半導体記憶装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、チップセレクト信号がアサートされている場合に、外部クロック信号に応じてデータの読み出し動作を行う。半導体記憶装置は、読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから最後の読み出しデータの出力が開始するまでの第1期間よりも、チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから最後の読み出しデータの出力が終了するまでの第2期間が長くなるように、最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整する調整回路を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップセレクト信号がアサートされている場合に、外部クロック信号に応じてデータの読み出し動作を行う半導体記憶装置であって、
読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が開始するまでの第1期間よりも、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が終了するまでの第2期間が長くなるように、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整する調整回路を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1期間は、前記最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータに対応するデータ信号が有効になるまでの期間であり、
前記第2期間は、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記データ信号がハイインピーダンス状態になるまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1期間は、前記最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータに対応するデータストローブ信号が有効になるまでの期間であり、
前記第2期間は、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記データストローブ信号がハイインピーダンス状態になるまでの期間であることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記チップセレクト信号は、前記最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち下がると同時にネゲートされることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記調整回路は、入力信号の通過及び維持を制御するゲーテッドラッチ回路を備え、前記入力信号を前記ゲーテッドラッチ回路で所定量遅延させた出力信号を生成し、前記出力信号に応じて、前記最後の読み出しデータの出力が終了するタイミングを遅延させることによって、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを制御するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記調整回路は、前記入力信号を遅延させる第1遅延手段を備え、前記第1遅延手段により前記入力信号を遅延させて、前記入力信号を前記ゲーテッドラッチ回路で所定期間維持させてから通過させることによって、前記出力信号を生成することを特徴とする請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記調整回路は、前記外部クロック信号に応じて、前記ゲーテッドラッチ回路における前記入力信号の通過及び維持を制御するための内部クロック信号を生成する出力クロックドライバと、前記内部クロック信号を遅延させる第2遅延手段と、を備え、前記第2遅延手段により前記内部クロック信号を遅延させて、前記入力信号を前記ゲーテッドラッチ回路で所定期間維持させてから通過させることによって、前記出力信号を生成し、
前記第2遅延手段による遅延量は、前記半導体記憶装置の特性に応じて調整されることを特徴とする請求項5に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記ゲーテッドラッチ回路が複数設けられている場合に、複数のゲーテッドラッチ回路は、前記入力信号に対して直列に接続されており、
前記複数のゲーテッドラッチ回路が、それぞれ異なるタイミングで前記入力信号を通過させるように構成されており、
前記ゲーテッドラッチ回路が2つ設けられていることを特徴とする請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記調整回路は、前記外部クロック信号に応じて、前記複数のゲーテッドラッチ回路の各々における前記入力信号の通過及び維持を制御するための内部クロック信号を生成する出力クロックドライバを備え、
前記複数のゲーテッドラッチ回路のうち上流側のゲーテッドラッチ回路が前記入力信号を通過させるように前記内部クロック信号によって制御される場合に、前記複数のゲーテッドラッチ回路のうち下流側のゲーテッドラッチ回路は、前記上流側のゲーテッドラッチ回路を通過した前記入力信号を維持するように前記内部クロック信号によって制御され、
前記上流側のゲーテッドラッチ回路が前記入力信号を維持するように前記内部クロック信号によって制御される場合に、前記下流側のゲーテッドラッチ回路は、前記下流側のゲーテッドラッチ回路において維持している前記入力信号を通過させるように前記内部クロック信号によって制御されることを特徴とする請求項8に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の半導体記憶装置の調整回路である第1調整回路と、
請求項8又は9に記載の半導体記憶装置の調整回路である第2調整回路と、
前記第1調整回路及び前記第2調整回路のうち何れかの調整回路を、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整するために選択する選択部と、を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項11】
チップセレクト信号がアサートされている場合に、外部クロック信号に応じてデータの読み出し動作を行う半導体記憶装置の制御方法であって、
前記半導体記憶装置に設けられた調整回路が、読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が開始するまでの第1期間よりも、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が終了するまでの第2期間が長くなるように、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整するステップを含むことを特徴とする半導体記憶装置の制御方法。
【請求項12】
前記第1期間は、前記最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータに対応するデータ信号が有効になるまでの期間であり、
前記第2期間は、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記データ信号がハイインピーダンス状態になるまでの期間であることを特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項13】
前記第1期間は、前記最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータに対応するデータストローブ信号が有効になるまでの期間であり、
前記第2期間は、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記データストローブ信号がハイインピーダンス状態になるまでの期間であることを特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項14】
前記チップセレクト信号は、前記最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち下がると同時にネゲートされ、
前記調整回路は、入力信号の通過及び維持を制御するゲーテッドラッチ回路を備え、
前記調整回路が、前記入力信号を前記ゲーテッドラッチ回路で所定量遅延させた出力信号を生成し、前記出力信号に応じて、前記最後の読み出しデータの出力が終了するタイミングを遅延させることによって、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを制御するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項15】
前記調整回路は、前記入力信号を遅延させる第1遅延手段を備え、
前記調整回路が、前記第1遅延手段により前記入力信号を遅延させて、前記入力信号を前記ゲーテッドラッチ回路で所定期間維持させてから通過させることによって、前記出力信号を生成するステップを含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項16】
前記調整回路は、前記外部クロック信号に応じて、前記ゲーテッドラッチ回路における前記入力信号の通過及び維持を制御するための内部クロック信号を生成する出力クロックドライバと、前記内部クロック信号を遅延させる第2遅延手段と、を備え、
前記調整回路が、前記第2遅延手段により前記内部クロック信号を遅延させて、前記入力信号を前記ゲーテッドラッチ回路で所定期間維持させてから通過させることによって、前記出力信号を生成するステップを含み、
前記第2遅延手段による遅延量は、前記半導体記憶装置の特性に応じて調整されることを特徴とする請求項14に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項17】
前記ゲーテッドラッチ回路が複数設けられている場合に、複数のゲーテッドラッチ回路は、前記入力信号に対して直列に接続されており、
前記複数のゲーテッドラッチ回路が、それぞれ異なるタイミングで前記入力信号を通過させるように構成されており、
前記ゲーテッドラッチ回路が2つ設けられていることを特徴とする請求項14に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【請求項18】
前記調整回路は、前記外部クロック信号に応じて、前記複数のゲーテッドラッチ回路の各々における前記入力信号の通過及び維持を制御するための内部クロック信号を生成する出力クロックドライバを備え、
前記調整回路が、前記複数のゲーテッドラッチ回路のうち上流側のゲーテッドラッチ回路が前記入力信号を通過させるように前記内部クロック信号によって制御される場合に、前記複数のゲーテッドラッチ回路のうち下流側のゲーテッドラッチ回路を、前記上流側のゲーテッドラッチ回路を通過した前記入力信号を維持するように前記内部クロック信号によって制御するステップと、
前記調整回路が、前記上流側のゲーテッドラッチ回路が前記入力信号を維持するように前記内部クロック信号によって制御される場合に、前記下流側のゲーテッドラッチ回路を、前記下流側のゲーテッドラッチ回路において維持している前記入力信号を通過させるように前記内部クロック信号によって制御するステップと、を含むことを特徴とする請求項17に記載の半導体記憶装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体記憶装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体記憶装置において、外部から入力される外部クロック信号に対して非同期に動作する半導体記憶装置として、SRAM(Static Random Access Memory)と互換性を有するインタフェースを備えたpSRAM(pseudo-Static Random Access Memory、疑似スタティックランダムアクセスメモリ)が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図1(1)~(4)は、このようなpSRAMの読み出し動作を説明するためのタイムチャートである。図1(1)は、読み出し動作全体を説明するためのタイムチャートであり、図1(2)~(4)は、読み出し動作の終了時を詳細に説明するためのタイムチャートである。このpSRAMでは、データ転送方式としてDDR(Double Data Rate)方式を採用しており、チップセレクト信号CS#がアサート(ローレベル)されている場合に読み出し動作が行われる。データ信号DQは、所定の長さ(例えば、16ビット)を有しており、コマンド、アドレス(ロウアドレス、カラムアドレス)及び読み出しデータを含む。データ信号DQは外部クロック信号CKに応じて入力又は出力される。
【0004】
図1に示す例では、時刻t01でチップセレクト信号CS#がネゲート(ハイレベル)からアサートになると、外部クロック信号CKの第1クロックから第3クロックに応じて、コマンド、ロウアドレス及びカラムアドレスを含むデータ信号DQが入力される。また、時刻t01後の時刻t02においてレイテンシカントが開始し、レイテンシカウント後の次の外部クロックCK(図の例では、第7クロック)の立ち上がりエッジにおいて読み出しデータの出力が開始される。そして、外部クロックCKの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに応じて読み出しデータ(図の例では、(Dn,A)、(Dn,B)、(Dn+1,A)、(Dn+1,B))が出力される。
【0005】
ここで、チップセレクト信号CS#がアサートされている間の最後の外部クロック信号CK(図の例では、第8クロック)の立ち下がりエッジから最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の出力が開始されるまでの期間を、第1期間tCKDとする。また、最後の外部クロック信号CK(第8クロック)からチップセレクト信号CS#がネゲートになるまでの期間を、所定の期間tCSHとする。さらに、チップセレクト信号CS#がアサートからネゲートに変化したタイミングから、データ信号DQの出力が終了するまでの期間を、第2期間tOZとする。なお、所定の期間tCSH、第1期間tCKD、および第2期間tOZは、一般的にpSRAMの仕様で定められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-135914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、第1期間tCKDは、最大値5ns、最小値0nsと定められているが、第2期間tOZは、最大値5nsのみが設定されており、最小値は設定されていない。また、所定の期間tCSHは、最小値0nsのみが設定されており、最大値は設定されていない。そのため、例えば所定の期間tCSHを最小値(0ns)とする場合であって、第1期間tCKDと第2期間tOZとの大小関係がtCKD>tOZの場合には、図1(2)に示すように、データ信号DQの最後の読み出しデータが出力される前に読み出し動作が終了してしまい、最後の読み出しデータを出力することができない場合がある。
【0008】
このようなケースを防止すべく、最後の読み出しデータの出力を終了するために、例えば、図1(3)のように、所定の期間tCSHを0nsよりもかなり長く設定することや、図1(4)のように、第8クロックの後の第9クロックにおいてダミーデータ(図の例では、(Dn+2,A))を出力させ、第9クロックの立ち下がりエッジにおいてチップセレクト信号CS#がネゲートになるように構成することが考えられる。しかしながら、図1(3)、(4)の場合、読み出しサイクルタイムが長期化し、チップセレクト信号CS#が遅れることでスタンバイ時間も長期化して、次の読み出し動作に影響を与えることになる。また、図1(4)の場合には、最後の読み出しデータの後に不要なデータ(ダミーデータ)が出力されることになるので、不要なデータの出力に伴うアクティブ消費電流の増加という問題がある。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、データの読み出し動作において、最後の読み出しデータを確実に出力することができる半導体記憶装置及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、チップセレクト信号がアサートされている場合に、メモリチップにおける読み出し動作が活性化され、読み出し動作中に外部クロック信号に応じてデータの読み出しを行う半導体記憶装置であって、読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が開始するまでの第1期間よりも、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が終了するまでの第2期間が長くなるように、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整する調整回路を備える半導体記憶装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、チップセレクト信号がアサートされている場合に、外部クロック信号に応じてデータの読み出し動作を行う半導体記憶装置の制御方法であって、前記半導体記憶装置に設けられた調整回路が、読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号が立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が開始するまでの第1期間よりも、前記チップセレクト信号がアサートからネゲートに変化するタイミングから前記最後の読み出しデータの出力が終了するまでの第2期間が長くなるように、前記最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整するステップを含むことを特徴とする半導体記憶装置の制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の半導体記憶装置及びその制御方法によれば、データの読み出し動作において、最後の読み出しデータを確実に出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(1)~(4)は、従来の半導体記憶装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。
図2】本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置の入出力インタフェース(I/O)部及び制御ロジック部の構成例を示すブロック図である。
図3】制御ロジック部における調整回路の構成例を示す図である。
図4】入出力インタフェース(I/O)部における変換回路の構成例を示す図である。
図5】半導体記憶装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。
図6】半導体記憶装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。
図7】本発明の第2実施形態に係る調整回路の構成例を示す図である。
図8】(1)、(2)は、半導体記憶装置内の信号の時間推移を示すタイムチャートである。
図9】本発明の第3実施形態に係る半導体記憶装置のI/O部及び制御ロジック部の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係る半導体記憶装置及びその制御方法におけるメモリチップの構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリチップ1を有し、チップセレクト信号がアサートされている場合に、メモリチップ1における読み出し動作が活性化され、読み出し動作中に外部クロックに応じてデータの読み出しを行うように構成されている。本実施形態において、メモリチップ1は、入出力インタフェース(I/O)部10と、制御ロジック部20と、を備える。なお、本実施形態では、メモリチップ1内の他の周知な構成(例えば、デコーダ回路等)についての詳細な説明を省略する。
【0015】
I/O部10は、例えば、図示しないメモリコントローラ等の外部装置との間でチップセレクト信号CS#、クロック信号CK、リセット信号RESET#等を受信するとともに、データ信号DQ、読み書きデータストローブ信号RWDSの送受信を行うように構成されている。また、制御ロジック部20は、外部装置から受信したコマンドに基づいて、メモリセルアレイ内のメモリセル(図示省略)に対するデータの読み出し又は書き込み動作を制御するように構成されている。ここで、本実施形態のクロック信号CKは、本発明における「外部クロック信号」の一例である。なお、I/O部10、制御ロジック部20及びメモリセルアレイの各々は、専用のハードウェアデバイスや論理回路によって構成されてもよい。
【0016】
本実施形態に係る半導体記憶装置は、如何なる半導体記憶装置(例えば、DRAM、pSRAM、SRAM等)であってもよい。なお、本実施形態では、半導体記憶装置が、HyperBusTMインタフェースをアクセスインタフェースとして用いたpSRAMである場合を一例として説明する。また、本実施形態では、図1に示す例と同様に、読み出しコマンドシーケンスにおけるレイテンシカウントが4であって、読み出しデータのバースト長が4の場合を一例として説明する。さらに、本実施形態では、図1に示す信号と同様の信号を適宜用いて説明する。
【0017】
I/O部10は、図4に詳細を示すパラレルシリアル変換出力回路(以下、変換回路と称する)11を有する。また、制御ロジック部20は、出力制御回路21と、図3に詳細を示す調整回路22と、出力クロック生成回路23と、を備える。
【0018】
本実施形態では、調整回路22は、読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号CKが立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから最後の読み出しデータの出力が開始する(最後の読み出しデータに対応するデータ信号DQが有効になる)までの第1期間tCKDよりも、チップセレクト信号CS#がアサートからネゲートに変化するタイミングから最後の読み出しデータの出力が終了するまで(例えば、最後の読み出しデータに対応するデータ信号DQがハイインピーダンス状態になるまで)の第2期間tOZが長くなるように、最後の読み出しデータの出力のタイミングを調整するように構成されている。
【0019】
出力制御回路21には、図4に示すように、クロック信号CK_tと、反転チップセレクト信号CSACTと、レイテンシカウント中のレイテンシカウント-1番目(図1(1)においては、レイテンシカウントの3番目)のクロック信号CK_tに応じてアサート(ハイレベル)される読み出し動作出力イネーブル信号(以下、出力イネーブル信号と称する)OEM1_tと、が入力され、信号OUTLZ_tを出力する。
【0020】
具体的に説明すると、出力制御回路21は、チップセレクト信号CS#がネゲートからアサートに変化することにより反転チップセレクト信号CSACTがハイレベルである場合であって、出力イネーブル信号OEM1_tがハイレベルである場合に、信号OUTLZ_tを、入力されたクロック信号CK_tに基づいて活性化(ハイレベル)する。また、出力制御回路21は、読み出し動作を終了するためにチップセレクト信号CS#がアサートからネゲートに変化することにより反転チップセレクト信号CSACTがローレベルになると、信号OUTLZ_tをローレベルに変化させる。
【0021】
出力クロック生成回路23は、図4に示すように、クロック信号CK_t及び出力イネーブル信号OEM1_tが入力されるように構成されており、出力イネーブル信号OEM1_tがハイレベルである場合に、クロック信号CK_tに応じたクロック信号CLK1D_tを出力する。
【0022】
図3に示す調整回路22は、出力クロックドライバ221と、第1遅延回路(第1遅延手段)222と、第2遅延回路(第2遅延手段)223と、NAND回路224と、第1ゲート回路225と、ラッチ回路226と、NOR回路227と、第1インバータIN1~第5インバータIN5と、を備える。第1ゲート回路225は、第1及び第2P型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor、以下MOSトランジスタとする)P1、P2と、第1及び第2N型MOSトランジスタN1、N2と、を備える。第1P型MOSトランジスタP1、第2P型MOSトランジスタP2、第1N型MOSトランジスタN1及び第2N型MOSトランジスタN2は、図3に示すように、高電圧電源と低電圧電源との間に直列に接続されている。第1P型MOSトランジスタP1のソースは高電圧電源に接続されており、第2N型MOSトランジスタ235のドレインは低電圧電源に接続されている。また、第3インバータIN3の入力端子と第4インバータIN4の出力端子とが接続されるとともに、第3インバータIN3の出力端子と第4インバータIN4の入力端子とが接続されてラッチ回路226を構成している。本実施形態では、この第1ゲート回路225とラッチ回路226とでゲーテッドラッチ回路が構成されている。
【0023】
出力クロックドライバ221には、出力制御回路21から出力されたクロック信号CLK1D_tと、出力イネーブル信号OE_tと、が入力される。ここで、出力イネーブル信号OE_tは、読み出し動作が開始してからレイテンシカウントが終了するまではローレベルに維持されており、レイテンシカウントが終了したときに活性化(ハイレベル)されてもよい。なお、出力クロックドライバ221は、I/O部10の変換回路11の出力クロックドライバ111と同様に、周知の構成を有していてもよい。また、出力クロックドライバ221は、出力イネーブル信号OE_tがハイレベルの場合に、クロック信号CLK1D_tの立ち上がりエッジに応じて、ローレベルの内部クロック信号CKR_c_tを出力し、クロック信号CLK1D_tの立ち下がりエッジに応じて、ハイレベルの内部クロック信号CKR_c_tを出力する。ここで、内部クロック信号CKR_c_tは、ゲーテッドラッチ回路における入力信号(後述する信号OUTL2Z_t)の通過及び維持を制御するための信号であってもよい。
【0024】
出力クロックドライバ221の出力端子は、NAND回路224の一方の入力端子と、第2遅延回路223の入力端子と、に接続されている。第2遅延回路223の出力端子は、第1インバータIN1の入力端子に接続されており、第1インバータIN1の出力端子は、NAND回路224の他方の入力端子に接続されている。NAND回路224の出力端子は、第2インバータIN2の入力端子に接続されているとともに、第2N型MOSトランジスタN2のゲートに接続されている。また、第1遅延回路222の入力端子には、外部から信号OUTLZ_tが入力されるように構成されている。第1遅延回路222の出力端子は、第2P型MOSトランジスタP2のゲートと、第1N型MOSトランジスタN1のゲートと、に接続されている。第2インバータIN2の出力端子は、第1P型MOSトランジスタ232のゲートに接続されている。
【0025】
第2P型MOSトランジスタP2のドレイン及び第1N型MOSトランジスタN1のドレイン間のノードは、第3インバータIN3の入力端子と、第4インバータIN4の出力端子と、に接続されている。また、第3インバータIN3の出力端子は、第4インバータIN4の入力端子と、NOR回路227の一方の入力端子に接続されている。NOR回路227の他方の入力端子には、外部から信号OUTLZ_tが入力されるように構成されている。NOR回路227の出力端子は、第5インバータIN5の入力端子に接続されている。第5インバータIN5からは、出力信号OUTLDZ_tが出力されるように構成されている。
【0026】
次に、調整回路22の動作を説明する。出力クロックドライバ221には、クロック信号CLK1D_tと出力イネーブル信号OE_tとが入力され、内部クロック信号CKR_c_tが生成される。出力された内部クロック信号CKR_c_tは、NAND回路224と、第2遅延回路223と、に入力される。この第2遅延回路223において、内部クロック信号CKR_c_tが所定量だけ遅延される。なお、第2遅延回路223における遅延量は、任意に調整可能であってもよい。遅延された内部クロック信号CKR_c_tは、第1インバータIN1により論理反転され、NAND回路224に入力される。NAND回路224では、入力された二つの信号(内部クロック信号CKR_c_tと遅延された内部クロック信号CKR_c_t)をNAND演算し、ゲート信号EN_tが生成される。
【0027】
また、出力制御回路21で生成された信号OUTLZ_tが第1遅延回路222に入力されると、第1遅延回路222は、信号OUTLZ_tを所定量遅延した信号OUTL2Z_tを生成する。第1遅延回路222においては、ゲート信号EN_tがローレベルになった後に、入力された信号OUTL2Z_tがローレベルになるように遅延量が設定されていてもよい。
【0028】
第1ゲート回路225には、上述したゲート信号EN_tと信号OUTL2Z_tとが入力される。ここで、信号OUTL2Z_tは、第1ゲート回路225の入力信号であり、本発明の「入力信号」の一例である。また、ゲート信号EN_tは、第1ゲート回路225及びラッチ回路を備えるゲーテッドラッチ回路を制御する。即ち、ゲート信号EN_tがハイレベルである場合には、入力信号である信号OUTL2Z_tが第1ゲート回路225及びラッチ回路226を通過して出力されるが、ゲート信号EN_tがローレベルである場合には、ゲート信号EN_tがローレベルの時に入力された信号OUTL2Z_tは第1ゲート回路225を通過することができず、ラッチ回路226により保持されていた信号が出力される。
【0029】
ラッチ回路226から出力される信号は、NOR回路227の一方の入力端子に入力され、NOR回路227の他方の入力端子には信号OUTLZ_tが入力される。NOR回路227では、NOR演算が行われて、出力信号OUTLDZ_tが生成される。なお、出力信号OUTLDZ_tは、本発明の「出力信号」の一例である。この出力信号OUTLDZ_tが変換回路11に入力されることで、変換回路11においてデータ信号DQの最終読み出しデータの出力のタイミングの調整を行うことが可能である。次に、この変換回路11について、図4を参照して説明する。
【0030】
変換回路11は、出力クロックドライバ111と、第2ゲート回路112と、第3ゲート回路113と、NAND回路114と、NOR回路115と、第1及び第2レベルシフタ116、117と、第1及び第2プレドライバ118、119と、出力トランジスタ121と、DQパッド122と、第6インバータIN6と、を有する。
【0031】
出力クロックドライバ111は、外部から信号CLK1D_tと信号OE_tとが入力されるように構成されている。出力クロックドライバ111の二つの出力端子は、それぞれ第7インバータIN7と第8インバータIN8とに接続されている。
【0032】
第2ゲート回路112は、調整回路22の第1ゲート回路225と同様の構成を有しており、2つのP型MOSトランジスタP3、P4と、2つのN型MOSトランジスタN3、N4とを備える。第3P型MOSトランジスタP3及び第4N型MOSトランジスタN4の各々のゲートには、メモリアレイから偶数データ(外部クロックの立ち上がりエッジに応じて外部に出力されるデータ)が入力される。また、第4P型MOSトランジスタP4のゲートには、出力クロックドライバ111から内部クロック信号CK_t_cが入力される。さらに、第3N型MOSトランジスタN3のゲートには、内部クロック信号CK_t_tが入力される。
【0033】
第3ゲート回路113は、第2ゲート回路112と同様の構成を有しており、2つのP型MOSトランジスタP5、P6と、2つのN型MOSトランジスタN5、N6とを備える。第5P型MOSトランジスタP5及び第6N型MOSトランジスタN6の各々のゲートには、メモリアレイから奇数データ(外部クロックの立ち下がりエッジに応じて外部に出力されるデータ)が入力される。また、第6P型MOSトランジスタP6のゲートには、出力クロックドライバ111から内部クロック信号CK_c_cが入力される。さらに、第5N型MOSトランジスタN5のゲートには、内部クロック信号CK_c_tが入力される。
【0034】
第4P型MOSトランジスタP4のドレイン及び第3N型MOSトランジスタN3のドレイン間のノードと、第6P型MOSトランジスタP6のドレイン及び第5N型MOSトランジスタN5のドレイン間のノードとは、NAND回路114及びNOR回路115の各々の一方の入力端子に接続されている。また、NAND回路の他方の入力端子には、出力信号OUTLDZ_tが入力される。NOR回路115の他方の入力端子には、第6インバータIN6の出力端子が接続されており、この第6インバータIN6の入力端子には、出力信号OUTLDZ_tが入力される。
【0035】
NAND回路114の出力端子は、第1レベルシフタ116に接続されており、NOR回路115の出力端子は、第2レベルシフタ117の入力端子に接続されている。第1レベルシフタ116の出力端子は、第1プレドライバ118の入力端子に接続されており、第2レベルシフタ117の出力端子は第2プレドライバ119の入力端子に接続されている。第1及び第2プレドライバ118、119の出力端子は、出力トランジスタ121の入力端子に接続されている。出力トランジスタ121の出力端子は、DQパッド122に接続されている。
【0036】
出力クロックドライバ111では、信号CLK1D_tと出力イネーブル信号OE_tとが入力されて、内部クロック信号CK_t_tと内部クロック信号CK_c_tとが生成される。それぞれの信号は、第7インバータIN7、第8インバータIN8に入力され、内部クロック信号CK_t_c、内部クロック信号CK_c_cが生成される。各内部クロック信号は、ゲート回路112,113に入力される。
【0037】
出力クロックドライバ111に入力される出力イネーブル信号OE_tがハイレベルであり、かつ、内部クロック信号CLK1D_tがハイレベルであるときには、生成された内部クロック信号CK_t_tがハイレベルとなり、内部クロック信号CK_t_cがローレベルとなる。この場合、クロック信号CKの立ち上がりに応じて、偶数データが第2ゲート回路112を通過して出力される。また、出力イネーブル信号OE_tがハイレベルであり、かつ、出力クロックドライバ111に入力される内部クロック信号CLK1D_tがローレベルであるときには、生成された内部クロック信号CK_c_tがハイレベルとなり、内部クロック信号CK_c_cがローレベルとなる。この場合、クロック信号CKの立ち下がりに応じて、奇数データが第3ゲート回路113を通過して出力される。
【0038】
第2及び第3ゲート回路112,113から出力された信号は、NAND回路114の一方の入力端子と、NOR回路115の一方の入力端子と、に入力される。NAND回路114の他方の入力端子に出力信号OUTLDZ_tが入力され、NAND回路114においてNAND演算されることにより、信号PDATA_cが生成される。また、出力信号OUTLDZ_tは、第6インバータIN6で論理反転され、NOR回路115の他方の入力端子に入力される。そして、NOR回路115においてNOR演算されることにより、信号NDATA_tが生成される。NAND回路からの信号PDATA_cは、第1レベルシフタ116においてレベルシフトされて第1プレドライバ118に入力される。NOR回路115から出力される信号NDATA_tも第2レベルシフタ117においてレベルシフトされて第2プレドライバ119に入力される。第1及び第2プレドライバ118、119から出力された信号は、いずれも出力トランジスタ121に入力される。出力トランジスタから出力された信号は、DQパッド122に入力される。
【0039】
即ち、変換回路11では、入力信号としての出力信号OUTLDZ_tがハイレベルの時に、NAND回路114及びNOR回路115がイネーブルとなり、DQパッド122はローインピーダンス状態となる。そして、内部クロック信号CK_t_c、CK_c_cに応じて第2及び第3ゲート回路112,113に入力された偶数データ、奇数データがそれぞれDQパッド122から出力される。具体的には、偶数データは、出力イネーブル信号OE_tがハイレベルであり、かつ、信号CLK1D_tがハイレベルの場合に出力され、奇数データは、出力イネーブル信号OE_tがハイレベルであり、かつ、信号CLK1D_tがローレベルの場合に出力される。他方で、出力信号OUTLDZ_tがローレベルの場合には、NAND回路114及びNOR回路115がディスエーブルとなり、DQパッド122はハイインピーダンス状態となる。
【0040】
図5に示すタイミングチャートを用いて読み出し動作を説明する。なお、図5は読み出し動作の終了時を示したものであるが、読み出し動作の開始は、図1に示したものと同様であるので本実施形態では説明を省略する。
【0041】
時刻t501において、チップセレクト信号CS#はローレベルである。クロック信号CKは、図5に示していないレイテンシカウントが終了したところであり、データの読み出しを開始する時刻t501からのクロック信号CKを1番目のクロック信号CKとして示している。1番目のクロック信号CKが入力されると、この1番目のクロック信号CKに従って、内部クロック信号CK_c_t/内部クロック信号CKR_c_tが生成される。例えば、時刻t501においてクロック信号CKが立ち上がると、時刻t502において内部クロック信号CK_c_t/内部クロック信号CKR_c_tが立ち下がる。また、時刻t503においてクロック信号CKが立ち下がると、時刻t504において内部クロック信号CK_c_t/内部クロック信号CKR_c_tが立ち上がる。本実施形態では、レイテンシカウントが終了した後に、データの読み出しに対応する2つのクロック信号CKが入力され、これに対応して2つの内部クロック信号が入力される。
【0042】
また、クロック信号CKに従って、データの出力が開始される。例えば、時刻t501の1番目のクロック信号CKの立ち上がりに応じて、時刻t502において偶数データ(図の例では、読み出しデータ(Dn,A))が出力される。また、時刻t503の1番目のクロック信号CKの立ち下がりに応じて、時刻t504において奇数データ(図の例では、読み出しデータ(Dn,B))が出力される。さらに、時刻t505の2番目のクロック信号CKの立ち上がりに応じて、偶数データ(図の例では、読み出しデータ(Dn+1,A))が出力される。
【0043】
ここで、時刻t501~t506の間では、チップセレクト信号CS#がローレベルであることから、出力制御回路21では、入力される出力イネーブル信号OEM1_tがハイレベルであり、かつ、反転チップセレクト信号CSACTがハイレベルである。このため、時刻t501~t506の間では、信号OUTLZ_t、OUTL2Z_t、OUTLDZ_tは、ハイレベルである。
【0044】
時刻t504において内部クロック信号CKR_c_tがハイレベルに変化すると、ゲート信号EN_tはローレベルに変化する。ゲート信号EN_tは、第2遅延回路223で遅延した内部クロック信号CKR_c_tにより、時刻t506までローレベルが維持される。このように、ゲート信号EN_tは、第2遅延回路223における遅延量に応じてローレベルが維持されて(即ち、パルス幅が調整されて)出力されている。
【0045】
この状態で、時刻t507において第2クロックがハイレベルからローレベルになると、本実施形態ではtCSH=0で設定されているため、時刻t507においてチップセレクト信号CS#がローレベルからハイレベルに変化する。
【0046】
また、時刻t507において第2クロックがハイレベルからローレベルになると、この第2クロックの立ち下がりに応じて、時刻t509において内部クロック信号CK_c_t/内部クロック信号CKR_c_tがローレベルからハイレベルに変化する。この内部クロック信号CK_c_t/内部クロック信号CKR_c_tの変化に対応して、時刻t511において奇数データ(図の例では、読み出しデータ(Dn+1,A))が出力される。
【0047】
他方で、時刻t507のクロック信号CKの立ち下がりに応じて、チップセレクト信号CS#もローレベルからハイレベルに変化すると、反転チップセレクト信号CSACT_tがハイレベルからローレベルに変化する。これにより、出力制御回路21から出力される信号OUTLZ_tは、時刻t508においてハイレベルからローレベルに変化する。これに応じて、信号OUTL2Z_tも、時刻t510においてハイレベルからローレベルに変化する。
【0048】
そして、時刻t509において内部クロック信号CKR_c_t/内部クロック信号CKR_c_tがローレベルからハイレベルに変化すると、ゲート信号EN_tも再びハイレベルからローレベルに変化する。ゲート信号EN_tは、内部クロック信号CK_c_t/内部クロック信号CKR_c_tが第2遅延回路223で遅延することにより、時刻t512においてローレベルからハイレベルに変化する。ゲート信号EN_tが時刻t512においてハイレベルに変化することにより、時刻t508において既にローレベルになっている信号OUTLZ_tが第1ゲート回路225及びラッチ回路226を通過して、出力信号OUTLDZ_tがハイレベルからローレベルに変化する。
【0049】
そして、このローレベルの出力信号OUTLDZ_tが変換回路11に入力されることで、時刻t513において、DQパッド122がハイインピーダンス状態となり、データ信号DQにおける最後の読み出しデータの出力が終了して読み出し動作が終了する。したがって、本実施形態では、データ信号DQの最後の読み出しデータを確実に出力することができ、この場合、時刻t507から時刻t513までの第2期間tOZと、時刻t507から時刻t511までの第1期間tCKDとの大小関係は、tCKD≦tOZを満たす。
【0050】
このように本実施形態においては、第2期間tOZと第1期間tCKDとの大小関係を常にtCKD≦tOZとすることができ、仕様に定められた範囲で、最後の読み出しデータまで有効に出力することが可能である。また、本実施形態では、調整回路22を備えることによって、図1(3)のように所定の期間tCSHをかなり長くする必要がないので、所定の期間tCSHを最小値(すなわち、0)とすることができる。これにより、読み出しサイクルタイムやスタンバイ時間が長期化すること及び次の読み出し動作に影響を与えることを抑制することができる。また、本実施形態では、チップセレクト信号CS#が、最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号CKが立ち下がると同時にネゲート(ハイレベル)される(つまり、所定の期間tCSHが0nsである)ので、読み出しサイクルタイムやスタンバイ時間を短縮することができる。なお、所定の期間tCSHは、0より長く(tCSH>0)設定されてもよい。この場合においても、データ信号DQの最後の読み出しデータを確実に出力することができる。
【0051】
なお、図5に示すタイミングチャートは、半導体記憶装置のプロセスが高速~中速に分類されている場合の動作の一例を示している。この場合、第1期間tCKDが短い(例えばtCKD=約3ns)ので、第2遅延回路223による遅延量を長めに設定することでゲート信号EN_tがローレベルである期間を長くするように調整して、出力信号OUTLDZ_tがローレベルとなるタイミングを遅らせる制御を行っている。なお、図5、6において、第2遅延回路223により調整されうるゲート信号EN_tの時間領域および出力信号OUTLDZ_tの時間領域を「trim」として示してある。
【0052】
これに対し、図6に示すタイミングチャートは、半導体記憶装置のプロセスが低速に分類される場合の動作の一例を示している。この場合、第2クロック信号の立ち下がりエッジ時刻t601から対応するデータ信号の出力時刻t602までの第1期間tCKDが図5に示す場合と比較して長い(例えばtCKD=約4.7ns)ので、第2遅延回路223による遅延量を短く設定することでゲート信号EN_tがローレベルである期間を短くしている。この結果、チップセレクト信号CS#が立ち上がる時刻t601から読み出し動作が終了する時刻t603に示す第2期間tOZを仕様における最大値に近づけるような制御を行っている。この場合であっても、調整回路31により第2期間tOZと第1期間tCKDとの大小関係を常にtCKD≦tOZとすることができ、最後の読み出しデータを出力することが可能である。
【0053】
すなわち、図5及び図6に示すように、半導体記憶装置のウェハプロセスが高速~中速に分類される場合には、第2遅延回路223による遅延量が比較的長くなるように設定され、半導体記憶装置のウェハプロセスが低速に分類される場合には、第2遅延回路223による遅延量が比較的短くなるように設定されてもよい。このようにして、例えば半導体記憶装置の製造ばらつき等に起因する個々の半導体記憶装置の特性(例えば、ウェハプロセス、電源電圧、温度等)に応じて、遅延量を調整することが可能になる。これにより、半導体記憶装置の特性に応じた好ましい遅延量を設定することができるので、サイクルタイムの長期化をさらに抑制することができる。
【0054】
なお、本実施形態における第2遅延回路223による遅延量は、例えば、予め、第2遅延回路223の遅延量を少しずつ変化させながら第2期間tOZを測定することによって、第2期間tOZが最適な値(例えば、5ns)に近い値になるように遅延量が設定されてもよい。また、第2遅延回路223と同じ構成のリングオシレーターを半導体記憶装置に実装し、リングオシレーターの周波数と第2期間tOZとの関係を数種類のウェハプロセス毎に測定することによって、ウェハプロセスの種類毎の最適な遅延量が設定されてもよい。
【0055】
なお、図6に示す例では、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の出力期間が短いように見えるが、例えば半導体記憶装置がpSRAMの場合にはデータ信号DQの出力ピンが開放端で使用されることが多いので、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)は、データ信号DQの出力ピンにおいて、次の読み出し動作が開始されるまで一定時間維持され得る。これにより、メモリコントローラは、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)を半導体記憶装置から受信することができる。また、図6に示す例において、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の出力期間を長く設定したい場合には、所定の期間tCSHを長く設定してもよい。
【0056】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態において、調整回路31は、複数(本実施形態では、2つ)のゲーテッドラッチ回路を備え、複数のゲーテッドラッチ回路は、それぞれ異なるタイミングで入力信号(信号OUTLZ_t及び信号OUTL2Z_t)を通過させるように構成されている。また、本実施形態において、調整回路31には、上述した遅延回路(第1遅延回路222及び第2遅延回路223)が設けられていないので、調整回路31を簡易に構成することができる。
【0057】
また、本実施形態において、調整回路31は、複数のゲーテッドラッチ回路のうち上流側のゲーテッドラッチ回路が信号OUTLZ_tを通過させるように内部クロック信号CKR_c_t,CKR_c_cによって制御される場合には、複数のゲーテッドラッチ回路のうち下流側のゲーテッドラッチ回路を、上流側のゲーテッドラッチ回路を通過した入力信号OUTL2Z_tを維持するように内部クロック信号CKR_c_t,CKR_c_cによって制御する。また、調整回路31は、上流側のゲーテッドラッチ回路が信号OUTLZ_tを維持するように内部クロック信号CKR_c_t,CKR_c_cによって制御される場合には、下流側のゲーテッドラッチ回路を、下流側のゲーテッドラッチ回路において維持している信号OUTL2Z_tを通過させるように内部クロック信号CKR_c_t,CKR_c_cによって制御する。
【0058】
図7に示す本実施形態の調整回路31は、出力クロックドライバ311と、第4ゲート回路312と、第2ラッチ回路313と、第5ゲート回路314と、第3ラッチ回路315と、NOR回路316と、第9インバータIN9と、第10インバータIN10とを備える。
【0059】
本実施形態では、第4ゲート回路312と第2ラッチ回路313とで上流側ゲーテッドラッチ回路を構成するとともに、第5ゲート回路314と、第3ラッチ回路315とで下流側ゲーテッドラッチ回路を構成している。これらの二つのゲーテッドラッチ回路は、入力信号に対して直列となるように接続されている。
【0060】
第4ゲート回路312は、図3に示す第1ゲート回路225と同様の構成を有しており、2つのP型MOSトランジスタP7、P8と、2つのN型MOSトランジスタN7、N8とを備える。また、第2ラッチ回路313は、図3に示すラッチ回路226と同様の構成を有しており、2つのインバータIN11、IN12を備える。さらに、第5ゲート回路314は、第4ゲート回路312と同様の構成を有しており、2つのP型MOSトランジスタP9、P10と、2つのN型MOSトランジスタN9、N10とを備える。さらにまた、第3ラッチ回路313は、第2ラッチ回路313と同様の構成を有しており、2つのインバータIN13、IN14を備える。
【0061】
出力クロックドライバ311は、外部から内部クロック信号CLK1D_t及び出力イネーブル信号OE_tが入力されるように構成されている。出力クロックドライバ311の出力端子は、第9インバータIN9の入力端子に接続されている。
【0062】
第4ゲート回路312の入力端子(第8P型MOSトランジスタP8及び第7N型MOSトランジスタN7の各々のゲート)には、図4に示す出力制御回路21から信号OUTLZ_tが入力される。第4ゲート回路312の出力端子(第8P型MOSトランジスタP8のドレイン及び第7N型MOSトランジスタN7のドレイン間のノード)は、第2ラッチ回路313の第11インバータIN11の入力端子に接続されている。第2ラッチ回路313の第11インバータIN11の出力端子は、第5ゲート回路314の入力端子(第10P型MOSトランジスタP10及び第9N型MOSトランジスタN9の各々のゲート)に接続されている。第5ゲート回路314の出力端子(第10P型MOSトランジスタP10のドレイン及び第9N型MOSトランジスタN9のドレイン間のノード)は、第3ラッチ回路315の第13インバータIN13の入力端子に接続されている。第3ラッチ回路315の第13インバータIN13の出力端子は、NOR回路316の一方の入力端子に接続されている。NOR回路316の出力端子は、第10インバータIN10の入力端子に接続されている。
【0063】
出力クロックドライバ311の入力端子に、内部クロック信号CLK1D_t及び出力イネーブル信号OE_tが入力され、出力クロックドライバ311で内部クロック信号CKR_c_tが生成され出力される。この内部クロック信号CKR_c_tは、第9インバータIN9に入力されて論理反転され、内部クロック信号CKR_c_cが生成される。これらの内部クロック信号CKR_c_t及び内部クロック信号CKR_c_cは、第4ゲート回路312及び第5ゲート回路314へ入力される。
【0064】
第4ゲート回路312には、信号OUTLZ_tが入力される。また、第7P型MOSトランジスタP7のゲートに内部クロック信号CKR_c_cが入力され、第8N型MOSトランジスタN8のゲートに内部クロック信号CKR_c_tが入力される。第4ゲート回路312では、内部クロック信号CKR_c_cがローレベルの時に信号OUTLZ_tが第4ゲート回路312を通過する。第4ゲート回路312から出力された信号OUTLZ_tは、第2ラッチ回路313に入力されて内部クロック信号CKR_c_cがハイレベルの時に第2ラッチ回路313から出力される信号OUTL2Z_tとなる。
【0065】
第5ゲート回路314には、信号OUTL2Z_tが入力される。また、第9P型MOSトランジスタP9のゲートに内部クロック信号CKR_c_tが入力され、第10N型MOSトランジスタN10のゲートに内部クロック信号CKR_c_cが入力される。第5ゲート回路314では、内部クロック信号CKR_c_tがローレベルの時に信号OUTL2Z_tが第5ゲート回路314を通過する。第5ゲート回路314から出力された信号OUTL2Z_tは、第3ラッチ回路315に入力されて内部クロック信号CKR_c_cがハイレベルの時に第2ラッチ回路313から出力されて、NOR回路316に入力される。NOR回路316には、さらに信号OUTLZ_tが入力され、NOR演算される。NOR回路316で生成された信号は、第10インバータIN10に入力されて論理反転されて出力信号OUTLD2Z_tが生成される。ここで、本実施形態における出力信号OUTLD2Z_tは、本発明の「出力信号」の一例である。生成された出力信号OUTLD2Z_tは、第1実施形態に示す変換回路11に入力される。
【0066】
本実施形態においては、内部クロック信号CKR_c_tと、この内部クロック信号CKR_c_tが論理反転してなる内部クロック信号CKR_c_cとが、それぞれ上流側及び下流側のゲーテッドラッチ回路を制御し、この内部クロック信号CKR_c_t、CKR_c_cに応じて、第4ゲート回路312に入力された信号OUTLZ_tが、各ゲーテッドラッチ回路を通過していくことで、信号OUTLZ_tを所定量遅延させた出力信号OUTLD2Z_tを生成している。
【0067】
図8に示すタイミングチャートを用いて本実施形態の読み出し動作を説明する。なお、図8において図5に示すタイミングチャートと同様の点については説明を省略している。時刻t701でクロック信号CKの2番目のクロックがハイレベルからローレベルへ変化すると、これに対応して時刻t703で内部クロック信号CKR_c_tが立ち上がると時刻t706で最後の読み出しデータである奇数データ(図の例では、読み出しデータ(Dn+1,B))が出力される。また、本実施形態では、チップセレクト信号CS#が立ち上がった後もクロック信号CKが入力されるので、3番目のクロックは時刻t705で入力される。
【0068】
また、時刻t701でチップセレクト信号CS#がローレベルからハイレベルに変化すると、時刻t702で信号OUTLZ_tがハイレベルからローレベルへ変化する。そして、時刻t703で内部クロック信号CKR_c_tがローレベルからハイレベルに変化するとともに、内部クロック信号CKR_c_cがハイレベルからローレベルに変化することで、時刻t704で信号OUTL2Z_tがハイレベルからローレベルに変化する。そして、時刻t707で内部クロック信号CKR_c_tがローレベルからハイレベルに変化すると、ローレベルの信号OUTLZ_tが下流側のゲーテッドラッチ回路を通過することができるようになるので、出力信号OUTLD2Z_tもハイレベルからローレベルに変化する。これにより、このローレベルの出力信号OUTLD2Z_tが変換回路11に入力されることで、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の読み出しが時刻t708で完了する。
【0069】
このように、本実施形態においても、時刻t701から時刻t708までの第2期間tOZと、時刻t701から時刻t706までの第1期間tCKDとの大小関係は、tCKD≦tOZを満たす。なお、図8(2)に示すように、半導体記憶装置のプロセスが低速に分類される場合には、第1期間tCKDが図8(1)の場合と比較して長くなり(例えばtCKD=約4.7ns)、第2期間tOZが仕様の最大値よりも長くなることが考えられる。このような場合には、チップセレクト信号CS#が立ち上がった後にクロック信号CKの立ち上がる時間から、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の出力が完了する時間までを修正第2期間tOZ’とした場合に、この修正第2期間tOZ’を、第2期間tOZの仕様における最大値以下とすることによって、仕様を満たしながらtCKD≦tOZという大小関係を満たすことが可能になる。これにより、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の読み出しを完了することが可能である。
【0070】
具体的には、クロック信号CKの3番目のクロックが立ち上がる時刻t802から最後の読み出しデータ(Dn+1,B)が完了する時刻t804までの期間を修正第2期間tOZ’とすると、第2期間tOZと、チップセレクト信号CS#の立ち上がる時刻t801から最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の出力が開始される時刻t803までの第1期間tCKDとの間のtCKD≦tOZという大小関係を満たした上で、修正第2期間tOZ’は第2期間tOZの仕様における最大値以下とすることができる。
【0071】
このように、本実施形態では、図8(1)、(2)のいずれの場合であっても、第2期間tOZと第1期間tCKDとの大小関係はtCKD≦tOZを満たす。このため、最後の読み出しデータ(Dn+1,B)の読み出し動作中に半導体記憶装置の非活性化が行われることがなく、データを適切に読み出すことができる。なお、このように構成したとしても、図1に示した場合と比較して読み出しサイクルタイムが短くなるので、読み出しサイクルタイムの長期化という問題は生じにくく、また、不要なデータ(ダミーデータ)が出力されることもないので、アクティブ消費電流の増加という問題も生じない。
【0072】
また、本実施形態の調整回路31は、入力信号に対して直列に接続された二つのゲーテッドラッチ回路を有することで、前記複数の前記ゲーテッドラッチ回路が、それぞれ異なるタイミングで前記入力信号を通過させている。これにより、上述したように、第2期間tOZと第1期間tCKDとの間のtCKD≦tOZという大小関係を必ず満たすことができる。これにより、データの読み出し動作中に半導体記憶装置の非活性化が行われることがなく、データを適切に読み出すことができる。
【0073】
なお、調整回路31は、例えば3つ以上のゲーテッドラッチ回路を備えてもよい。また、調整回路31は、上述した内部クロック信号以外の他の信号を用いて出力信号OUTLD2Z_tを生成してもよい。
【0074】
(第3実施形態)
図9に、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態では、制御ロジック部20が、上述した調整回路22、31を第1調整回路22、第2調整回路31として有するとともに、ユーザーの要望に応じて、何れの調整回路の出力信号を選択するかを設定するセレクター32を備える。
【0075】
第3実施形態では、出力制御回路21で生成された信号OUTLZ_tは、第1調整回路22、第2調整回路31に入力されるように構成されるとともに、第1調整回路22で生成された出力信号OUTLDZ_tと、第2調整回路31で生成された出力信号OUTLD2Z_tとが、それぞれセレクター32に入力されるように構成されている。セレクター32には、モードレジスタ33から、出力信号OUTLDZ_tと出力信号OUTLD2Z_tとのうちの何れを選択するか指示する選択信号SEL2_tが入力される。ここで、選択信号SEL2_tの内容は、例えば、モードレジスタ書き込みコマンドが外部から入力されることよって適宜更新されてもよい。
【0076】
そして、セレクター32で、選択信号SEL2_tに応じて出力信号OUTLDZ_tと出力信号OUTLD2Z_tとのうちの何れかが選択されて、出力信号OUTLDSZ_tとしてI/O部10へ入力される。I/O部10では、I/O部10に入力された出力信号OUTLDSZ_tに基づいて、変換回路11がデータ信号DQを制御する。
【0077】
このように、本実施形態では、ユーザーが調整回路を選択できるように構成されているので、より利便性の高い半導体記憶装置とすることが可能である。
【0078】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記各実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0079】
例えば、上述した各実施形態では、アクセスインタフェースとしてHyperBusTMインタフェースを用いた場合を一例として説明したが、本発明はこの場合に限られない。例えば、拡張シリアルペリフェラルインタフェース(Expanded Serial Peripheral Interface:xSPI)やXccelaTMインタフェースがアクセスインタフェースとして用いられる場合であっても、上述した各実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0080】
また、例えば、調整回路22、31を用いて、データ信号DQのみではなく読み書きデータストローブ信号RWDSについても同様に制御することが可能である。すなわち、読み出し動作における最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号CKが立ち上がる又は立ち下がるように変化するタイミングから最後の読み出しデータに対応するデータストローブ信号が有効になるまでの期間をtCKDSとし、チップセレクト信号CS#がアサートからネゲートに変化するタイミングから最後の読み出しデータの出力が終了する(データストローブ信号がハイインピーダンス状態になる)までの期間をtDSZとした場合に、tCKDS≦tDSZという関係を満たすことができる。これにより、読み出しサイクルタイムやスタンバイ時間が長期化すること及び次の読み出し動作に影響を与えることを抑制することができる。
【0081】
また、上述した各実施形態において、第1期間tCKDは、最後の読み出しデータを読み出すための外部クロック信号CK_tが立ち上がるタイミングから最後の読み出しデータの出力が開始するまでの期間であってもよい。
【0082】
また、上述した第2実施形態において、修正第2期間tOZ’は、チップセレクト信号CS#がネゲートした後に外部クロック信号CKが立ち下がるタイミングから最後の読み出しデータの出力が終了するまでの期間であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
22、31…調整回路
112…第2ゲート回路
113…第3ゲート回路
222…第1遅延回路
223…第2遅延回路
225…第1ゲート回路
226…ラッチ回路
CS#…チップセレクト信号
OUTLD2Z_t…出力信号
OUTLDZ_t…出力信号
OUTLZ_t…信号
tCKD…第1期間
tCSH…所定の期間
tOZ…第2期間
tOZ’…修正第2期間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9