(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169915
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】梱包台
(51)【国際特許分類】
B65B 67/10 20060101AFI20231124BHJP
B65B 61/06 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B65B67/10 A
B65B61/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081248
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】512196493
【氏名又は名称】株式会社KKI
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千田 慎二
【テーマコード(参考)】
3E056
3E057
【Fターム(参考)】
3E056AA02
3E056BA05
3E056BA20
3E056CA20
3E056DA01
3E056EA01
3E056FH11
3E056FH20
3E056HA10
3E057BB01
3E057BB10
(57)【要約】
【課題】容易に梱包することができる梱包台を提供する。
【解決手段】梱包台10は、天板20と、回転軸42が互いに平行であり、間隔を有しており、ロール状に巻かれた包装フィルム50を中心軸周りに回転自在に載置する一対の第1支持ローラ40と、回転軸32が互いに平行であり、前記第1支持ローラ40よりも下方であって、間隔を有しており、被梱包物110を回転自在に載置し、回転軸32が前記第1支持ローラ40の回転軸42に平行である第2支持ローラ30とを備えている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板と、
回転軸が互いに平行であり、間隔を有しており、ロール状に巻かれた包装フィルムを中心軸周りに回転自在に載置する一対の第1支持ローラと、
回転軸が互いに平行であり、前記第1支持ローラよりも下方に位置し、間隔を有しており、被梱包物を回転自在に載置し、回転軸が前記第1支持ローラの回転軸に平行である第2支持ローラと、
を備えている梱包台。
【請求項2】
前記第1支持ローラと前記第2支持ローラとの間に設けられた表示部を備えている請求項1に記載の梱包台。
【請求項3】
前記表示部は、前記第1支持ローラ及び前記第2支持ローラの各回転軸に平行に延び、前記天板の上面に形成された第1開口部である請求項2に記載の梱包台。
【請求項4】
一対の前記第1支持ローラに載置された包装フィルムが引き出され、一対の前記第2支持ローラに載置された前記被梱包物に巻きつけられた状態において、前記第1支持ローラと前記第2支持ローラとの間に張られた包装フィルムと、前記表示部との間隔は、ハサミの静刃及び動刃のいずれか一方が入り込む大きさである請求項2及び請求項3のいずれか一項に記載の梱包台。
【請求項5】
前記第1支持ローラの径は前記第2支持ローラの径よりも小さい請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の梱包台。
【請求項6】
前記第1支持ローラの回転を抑制する回転抑制部を備えている請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の梱包台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は梱包台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は従来の梱包台を開示している。この梱包台は、天板と、一対の支持ローラとを備えている。天板は前後に移動可能である。一対の支持ローラは、梱包台内部に位置し、ロール状に巻かれた包装フィルムを回転軸周りに回転自在に載置する。この梱包台は、包装フィルムの端部を被梱包物に巻き付けた状態で、天板を前方に移動させることにより、包装フィルムに適度の張力を発生させている。この梱包台は、この天板の移動により、被梱包物の包装をより緊密に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の梱包台は、包装フィルムに適度の張力を持たせるために、包装フィルムを被梱包物に巻き付けた状態で、天板を前方に揺動させる必要があり、作業時の負担になっていた。また、包装フィルムを載置する一対の支持ローラは、梱包台の下方にあり、作業負担となっていた。
【0005】
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、被包装物を容易に梱包することができる梱包台を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の梱包台は、天板と、
回転軸が互いに平行であり、間隔を有しており、ロール状に巻かれた包装フィルムを中心軸周りに回転自在に載置する一対の第1支持ローラと、
回転軸が互いに平行であり、前記第1支持ローラよりも下方に位置し、間隔を有しており、被梱包物を回転自在に載置し、回転軸が前記第1支持ローラの回転軸に平行である第2支持ローラと、
を備えている。
【0007】
この梱包台は、一対の第1支持ローラの回転に伴って引き出された包装フィルムを、一対の第2支持ローラとその上に載置する被梱包物との間で挟持する構成となっている。この梱包台は、第1支持ローラの位置が、第2支持ローラの位置よりも高い。このため、第1支持ローラに載置された包装フィルムは、下方向に引き出される。包装フィルムが下方向に引き出されると、包装フィルムは、第1支持ローラと接触し、一定の抵抗力が生じやすくなる。抵抗力が生じた状態で、第2支持ローラまで引き出された包装フィルムの上から、被梱包物を載置すると、引き出された包装フィルムは、被梱包物の自重によって、全体に適度な張力が生じる。よって、この梱包台は、被梱包物に包装フィルムを緊密に巻き付けることができる。
【0008】
したがって、本発明の梱包台は、被梱包物を容易に梱包することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1の梱包台を模式的に示す斜視図である。
【
図2】実施例1の梱包台を模式的に示す側面図である。
【
図3】実施例1の梱包台を模式的に示す天面図である。
【
図4】実施例1の包装フィルムの巻き付けを示す図である。
【
図5】実施例1の包装フィルムのカット箇所を拡大した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
【0011】
本発明の梱包台は、前記第1支持ローラと前記第2支持ローラとの間に設けられた表示部を備え得る。この場合、第1支持ローラと第2支持ローラとの間に張られた包装フィルムをカットする際において、作業者は、表示部を目印としてカットできる。
【0012】
本発明の梱包台において、表示部は、前記第1支持ローラ及び前記第2支持ローラの各回転軸に平行に延び、前記天板の上面に形成された第1開口部であり得る。この場合、第1支持ローラと第2支持ローラとの間に張られた包装フィルムをハサミでカットする際において、作業者は、ハサミの動刃を第1開口部に挿入し、動刃を第1開口部に沿わせながら、包装フィルムをカットできる。
【0013】
本発明の梱包台において、一対の前記第1支持ローラに載置された包装フィルムが引き出され、前記包装フィルムが、一対の前記第2支持ローラに載置された被梱包物に巻きつけられた状態において、前記第1支持ローラと前記第2支持ローラとの間に張られた包装フィルムと、前記表示部との間隔は、ハサミの静刃又は動刃のいずれかが入り込む大きさであり得る。この場合、この梱包台は、包装フィルムと、表示部との間隔に、ハサミの動刃及び静刃のいずれか一方を入り込ませることができるため、ハサミによる包装フィルムのカットが容易となる。
【0014】
本発明の梱包台において、前記第1支持ローラの径は前記第2支持ローラの径よりも小さくてもよい。この場合、この梱包台は、第1支持ローラを小さくすることによって、包装フィルムを第1支持ローラに載置する載置高さを低くすることができるため、包装フィルムを載置しやすくなり、作業者の負担が小さい梱包台とすることができる。
【0015】
本発明の梱包台は、前記第1支持ローラの回転を抑制する回転抑制部を備え得る。この場合、この梱包台は、被梱包物に包装フィルムの巻き付けを行う際において、第1支持ローラの回転が、回転抑制部によって抑制される。第1支持ローラの回転が抑制されることにより、前記第1支持ローラと前記第2支持ローラとの間に張られた包装フィルムは、被梱包物回転中において、撓むことなく一定の張力を保つことができ、被梱包物に包装フィルムを緊密に巻き付けることができる。
【0016】
<実施例1>
次に、本発明の梱包台10を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、上下方向は、梱包台10を水平な設置面に設置した状態における上下方向(高さ方向)である。前後方向(縦方向)は、梱包台10を水平な設置面に設置した状態において、第2支持ローラ30に対して第1支持ローラ40が配置されている方向が後方であり、その逆方向が前方である。左右方向(横方向)は、梱包台10を水平な設置面に設置した状態において、梱包台10を前方から見た際の左右方向である。各図において、図面に示したX軸の正方向側は右側、X軸の負方向側は左側、Y軸の正方向側は前側、Y軸の負方向側は後側、Z軸の正方向側は上側、Z軸の負方向側は下側を示す。
【0017】
実施例1の梱包台10は、
図1及び
図2に示すように、梱包台本体25、第1支持ローラユニット38、及び第2支持ローラユニット39を備えている。梱包台本体25は、天板20、上枠体21、4本の支柱22、中枠体23、下枠体24、キャスター85,アジャスター86、及び製品ラベル掛け70を有している。
【0018】
天板20は、上面視において、横長四角形状の平板である。天板20の上面は、梱包スペースAと、検品スペースBとが形成されている。梱包スペースAと検品スペースBとは、天板20の上面を左右に分割している。梱包スペースAは、検品スペースBの右側に形成されている。梱包スペースAの左右方向の幅と検品スペースBの左右方向の幅との比は、約2:1である。梱包スペースAは、上面視において、左右方向に長い長方形状である。検品スペースBは、前後方向に長い長方形状である。梱包スペースAと検品スペースBの前後方向の幅は同一である。
【0019】
天板20は、梱包スペースAにおいて、第1開口部80及び第2開口部81が形成されている。第1開口部80は表示部に相当する。第1開口部80は、横方向に延びるスリット形状である。第1開口部80は、包装フィルム50の幅よりも長い。第1開口部80の左右両端は、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50の左右両端よりも外側に位置している。
【0020】
第2開口部81は、横長四角形状である。第1開口部80は、天板20の前後方向よりも前側に形成されている。第2開口部81は、第1開口部80よりも天板20の前端縁に近い側に形成されている。第2開口部81は、一対の第2支持ローラ30の上側に形成されている。第2開口部81は、一対の第2支持ローラ30に載置した円筒状の被梱包物110を中心軸周りに回転できる大きさである。詳しくは、第2開口部81の左右方向の長さは被梱包物110の軸方向の長さ以上である。第2開口部81の前後方向の長さは、一対の第2支持ローラ30の軸中心間距離ε以上である。第2開口部81の前後方向の長さは、円筒状の包装フィルム50が任意の直径に対応できるよう設計されている。
【0021】
製品ラベル掛け70は、天板20の検品スペースB左端部に設けられている。製品ラベル掛け70は、円柱状の金属棒を折り曲げて形成されている。製品ラベル掛け70は、第1垂直部70A、上側水平部70B、第2垂直部70C、及び下側水平部70Dを有している。第1垂直部70Aは、垂直方向に伸びている。第1垂直部70Aは、下端部を固定部材71によって天板20の左側縁の後部に固定されている。上側水平部70Bは第1垂直部70Aの上端部から右方向に延びている。上側水平部70Bは天板20の上方に位置している。第2垂直部70Cは、上側水平部70Bの右端部から上方に延びている。下側水平部70Dは、第1垂直部70Aの下端部から右方向に延びている。下側水平部70Dは天板20の下面よりも下方に延びている。製品ラベル掛け70は、製品ラベル101が張り付けられた中空筒状の製品ラベル台紙100の中空部分102に、上側水平部70Bを貫通させることによって、製品ラベル台紙100を引き出し自在に支持する。
【0022】
上枠体21は、
図1及び
図2に示すように、梱包台本体25の上端部を構成する骨組みである。上枠体21は、上側に固定された天板20を支持している。各支柱22は、梱包スペースAの4つの角部の下方に位置する上枠体21から垂直に延びている。前側の2本の支柱22は、下端部にキャスター85を取り付けている。キャスター85は、ローラ84と、ローラ84の中心より上を扇状に覆うローラカバー83を有する。ローラカバー83の上端は、支柱22の下端と連結している。
【0023】
後側の2本の支柱22は、下端部にアジャスター86を取り付けている。アジャスター86は、床に接地する円形の支台87と、支台87から上方に延びる伸縮棒88を有する。支柱22の下端は、内周面にねじ山が刻まれたねじ穴が形成されている。伸縮棒88は、円柱形状で、その上端外周部は、ねじ穴の内側に形成されるねじ山と螺合するよう、ねじ溝が形成されている。支柱22に伸縮棒88を捩じ込む具合によって、アジャスター86の支柱22から下方に延びた部分の長さを調整することができる。
【0024】
中枠体23は、梱包台本体25の上下方向の中間部を構成する骨組みである。中枠体23は、各支柱22の上下方向の中間部に連結しており、梱包台本体25を補強している。下枠体24は、梱包台本体25の下部を構成する骨組みである。下枠体24は、各支柱22の下部に連結しており、梱包台本体25を補強している。
【0025】
第1支持ローラユニット38は、
図1から
図3に示すように、第1支持ローラ台45、及び一対の第1支持ローラ40、及び回転抑制部60を有している。第1支持ローラユニット38は、天板20の後端部に配置されている。第1支持ローラユニット38は第1開口部80よりも後方に配置されている。各第1支持ローラ40の回転軸42は、天板20の後端縁に平行に延びている。
【0026】
第1支持ローラ40は、円筒状の回転軸42と、前記回転軸42と同心円状の回転部43を有している。第1支持ローラ40は一対であり、前記一対の第1支持ローラ40は、回転軸42が互いに平行である。また、一対の第1支持ローラ40は、互いに間隔を有している。さらに、一対の第1支持ローラ40の上には、ロール状に巻かれた包装フィルム50が載置される。包装フィルム50の素材は、厚さ40μmの透明のポリエチレンである。
【0027】
第1支持ローラ台45は、支持台44と、一対の第1L字板46とを有する。支持台44は、板状であり、天板20に後端部に固定されている。第1L字板46はL字板形状である。第1L字板46は、立板48と水平板49とを有している。立板48の下端縁と水平板49の左右両端縁の一方とは連続している。立板48と水平板49とは直交している。立板48は、側面視において、上端縁の中央部に窪みを有す長方形板形状である。水平板49は、支持台44と接合する長方形板形状である。立板48は、同じ高さに2個の軸孔47を形成している。水平板49は、支持台44の上にボルトによって接合されている。立板48は、支持台44の左右両端部の位置からそれぞれ上方向垂直に延びるように配置されている。
【0028】
回転抑制部60は、基台61、押出し棒62、ハンドル63、押出し板64、及び弾性スポンジ65を有している。基台61は、板形状であり、支持台44の後端部から垂直上方向に延びている。基台61は、左右方向の中央部の上部に、ねじ穴を形成している。ねじ穴は基台61を貫通している。押出し棒62は、円柱形状で、その外周面は、基台61のねじ穴に螺合するよう、ねじ山が形成されている。ハンドル63は、押出し棒62の後端部に取り付けられている。ハンドル63の回転に伴い、押出し棒62を前後方向に移動させることができる。
【0029】
押出し板64は、板形状で、基台61の前側に、基台61と平行に配置される。また、押出し板64は、押出し棒62の前端部に連結され、押出し棒62の前後方向の移動に伴い、回転せずに前後方向に移動する。弾性スポンジ65は、押出し板64の前側全面に貼り付けられている。回転抑制部60は、ハンドル63を回転させて、押出し板64及び弾性スポンジ65を、後側の第1支持ローラ41の回転部43の後端に接するまで移動させる。後側の第1支持ローラ41の回転速度は、回転部43と、弾性スポンジ65とが接することで抵抗力が発生し抑制される。後ろ側の第1支持ローラ41は、弾性スポンジ65との接触具合によって、回転速度を調整することができる。
【0030】
第2支持ローラユニット39は、一対の第2支持ローラ30、一対の第2L字板35を有している。第2支持ローラユニット39は、天板20の前端部に配置されている。第2支持ローラユニット39は、第1開口部80よりも前方に配置されている。各第2支持ローラ30の回転軸32は、天板20の前端縁に平行に延びている。
【0031】
第2支持ローラ30は、円筒状の回転軸32と、回転軸32と同心円状の回転部33を有している。第1支持ローラ40の径γは、第2支持ローラ30の径βよりも小さい。よって、第1支持ローラ40は、第2支持ローラ30よりも過度に上方に設置されない。
【0032】
第2L字板35はL字板形状である。第2L字板35は、立板36と水平板37とを有している。立板36の下端縁と水平板37の左右両端縁の一方とは連続している。立板36と水平板37とは直交している。立板36は、側面視において、長方形板形状である。水平板37は、上枠体21と接合する長方形板形状である。立板36は、同じ高さに2個の軸孔34を形成している。水平板37は、上枠体21の下にボルトによって接合されている。第2支持ローラ30は、一対の第2支持ローラの回転軸32の左右両端部を立板36の軸孔34に挿入することにより、回転自在に支持される。
【0033】
第1支持ローラ40は、第2支持ローラ30よりも高い位置にある。よって、梱包台10は、包装フィルム50カット時において、第1開口部80と、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50とに、ハサミ150の動刃121を入り込ませてカットすることができる間隔がある。これにより、梱包台10はハサミ150による包装フィルム50のカットが容易となる。
【0034】
ハサミ150は、動刃部120と、静刃部130と、ねじ部140とを備えており、動刃部120と静刃部130をねじ部140によって回動可能(開閉可能)に軸支する構成である。動刃部120は、動刃121と、動刃側ハンドル122とを備えて構成される。静刃部130は、静刃131と、静刃側ハンドル132とを備えて構成される。
【0035】
梱包台10にて、梱包作業を行った場合の動作を説明する。
図4及び
図5に示すように、まず作業者は、一対の第1支持ローラ40の上に載置された筒状の包装フィルム50を、一対の第2支持ローラ30の位置まで引き出す。第1支持ローラ40は、第2支持ローラ30よりも高い位置にあるため、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50は、一定の傾斜角度αを有する。
【0036】
次に、作業者は、一対の第2支持ローラ30の上に円筒状の被梱包物110を載置する。作業者は、梱包スペースAにある円筒上の被梱包物110を転動し、第2開口部81の上から一対の第2支持ローラ30の上に載置する。このとき、被梱包物110は、第2支持ローラ30上で、中心軸周りに回転自在となる。一対の第2支持ローラ30の上に被梱包物110を載置すると、包装フィルム50は、一対の第2支持ローラ30と、被梱包物110に挟持される。この時、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50には、一定の張力が発生する。
【0037】
梱包台10は、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50と天板20がなす傾斜角度αが、9°~14°の間で設計されている。傾斜角度αが小さいと、ハサミ150の動刃121が入り込むスペースが確保できず、傾斜角度αが大きいと、ハサミ150を傾斜角度に合わせて大きく傾けてカットしなくてはならず、不便である。
【0038】
次に、作業者は、被梱包物110を一対の第2支持ローラ30上で中心軸周りに回転させて、包装フィルム50を被梱包物110に巻き付ける。一定の張力は、包装フィルム50の巻き付け時においても発生する。これにより、梱包台10は、包装フィルム50の巻きつけが容易となる。
【0039】
梱包台10は、包装フィルム50の巻き付け時に、第2支持ローラ30と、ロール状の包装フィルム50を載置した第1支持ローラ40が回転する。第1支持ローラ40に載置した包装フィルム50の引出し速度が、第2支持ローラ30上の包装フィルム50の巻取り速度よりも早いと第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50は、張力を失って撓んでしまう。これに対し、梱包台10は、回転抑制部60が、後側の第1支持ローラ40の回転を抑制する構成となっている。これにより、梱包台10は、包装フィルム50の引出し速度が、包装フィルム50の巻取り速度よりも早くなることを防止している。よって、包装フィルム50巻き付け時において、包装フィルム50は、撓むことなく被梱包物110に巻き付けられる。
【0040】
次に、作業者は、被梱包物110に巻き付けられた包装フィルム50を天板20に形成された第1開口部80でカットする。
図3~5で示すように、第1開口部80は、スリット形状に開口している。作業者は、右方向からハサミ150の動刃121を、第1開口部80に入り込ませ、第1開口部80に沿わせながら、左方向に向かって包装フィルム50をカットできる。前述のように、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50は、カット時においても一定の張力を有しているため、容易にカットできる。
【0041】
梱包台10は、第1開口部80を有している。作業者は、張られた包装フィルム50を、第1開口部80に動刃121を沿わせながらカットする。これにより、作業者は、包装フィルム50を、ハサミ150で真っすぐにカットできる。第1開口部80は作業者が届く範囲に形成されているため、容易にカットすることができる。
【0042】
次に、作業者は、被梱包物110に巻きつけられた包装フィルム50の端を、横長帯状の固定用テープ(図示しない)で貼付けて固定する。次に、作業者は、円柱形状の被梱包物110の左右側面にはみ出した包装フィルム50を、被梱包物110の中空部111に収める。次に、作業者は、中空部111に丸形の固定用テープ(図示しない)を張り付けて、包装フィルム50を固定する。次に、作業者は、包装された被梱包物110を検品スペースBに移動させる。検品スペースBで、作業者は、製品ラベル掛け70の上側水平部70Bにある製品ラベル台紙100を引き出して、製品ラベル101を、固定された包装フィルム50に貼り付け、梱包作業が完了する。
【0043】
実施例1の梱包台10は、天板20と、回転軸42が互いに平行であり、間隔を有しており、ロール状に巻かれた包装フィルム50を中心軸周りに回転自在に載置する一対の第1支持ローラ40と、回転軸32が互いに平行であり、第1支持ローラ40よりも下方に位置し、間隔を有しており、被梱包物110を回転自在に載置し、回転軸32が第1支持ローラ40の回転軸32に平行である第2支持ローラ30と、を備えている。この梱包台10は、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50に、一定の張力が発生する。よって、作業者は、被梱包物110の包装が容易となる。
【0044】
実施例1の梱包台10は、第1支持ローラ40及び第2支持ローラ30の各回転軸に平行に延び、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に設けられた第1開口部80を備えている。この梱包台10は、第1開口部80にハサミ150の動刃121を沿わせながらカットすることができる。よって、作業者は、包装フィルム50を、ハサミ150で真っすぐにカットできる。
【0045】
実施例1の梱包台10は、一対の第1支持ローラ40に載置された包装フィルム50が引き出され、一対の第2支持ローラ30に載置された被梱包物110に巻きつけられた状態において、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50と、表示部との間隔は、ハサミ150の動刃121が入り込む大きさである。この梱包台10はハサミ150による包装フィルム50のカットが容易となる。
【0046】
実施例1の梱包台10は、第1支持ローラ40の径γが、第2支持ローラ30の径βよりも小さい。よって、第1支持ローラ40は、第2支持ローラ30よりも過度に上方に設置されないため、ロール状に巻かれた包装フィルム50を容易に第1支持ローラに載置することができる。
【0047】
実施例1の梱包台10は、第1支持ローラ40の回転を抑制する回転抑制部60を備えている。包装フィルム50は、撓むことなく被梱包物110に巻き付けられる。
【0048】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるもので
はなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1の梱包台10の表示部は、天板に線を書いても良いし、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間の空間にレーザー光などによって光学的に表示しても良い。この場合、表示部の長さは任意で良く、点で示しても、点線で示してもよい。
(2)実施例1の梱包台10の第1開口部80は、天板20を貫通している形状が好ましいが、底部を有する溝形状であっても良い。
(3)実施例1の第1支持ローラ40の回転を抑制する回転抑制部60は、モーターで回転制御を行う公知の回転制御装置であっても良い。
(4)実施例1の梱包台10は、包装フィルム50のカットにおいて、第1支持ローラ40と第2支持ローラ30との間に張られた包装フィルム50と、第1開口部80との間にハサミ150の静刃131を入り込ませても良い。
(5)実施例1の第2支持ローラ30の上端の高さは、発明の効果を妨げない限り、任意である。第2支持ローラは、天板の上面よりも上側に突出して設けられていてもよい。
(6)実施例1の梱包台10は、表示部として開口部80を設けているが、表示部はなくてもよい。
(7)実施例1の梱包台10は、第1支持ローラの径βは、第2支持ローラの径γより小さいが、両者の径は、同じであってもよい。
(8)実施例1の梱包台10は、回転抑制部60が設けられているが、回転抑制部60がなくてもよい。
(9)実施例1の梱包スペースAの左右方向の幅と、検品スペースBの左右方向の幅との比は、約2:1であるが、両者の比は、梱包スペースA左右方向の幅が、検品スペースB左右方向の幅より大きい限り、任意に設定できる。
(10)実施例1の包装フィルム50は、厚さ40μmの透明のポリエチレン素材であるが、厚さ25μmの透明のプロピレン素材など公知の包装フィルムを用いても良い。
【符号の説明】
【0049】
10…梱包台
20…天板
30…第2支持ローラ(32…回転軸、33…回転部)
40…第1支持ローラ(42…回転軸、43…回転部)
50…包装フィルム
60…回転抑制部
80…第1開口部(表示部)
81…第2開口部
110…被梱包物
121…動刃
131…静刃
150…ハサミ
β…第2支持ローラ30の径
γ…第1支持ローラ40の径