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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169983
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H01L27/04 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081376
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】狩野 太一
(72)【発明者】
【氏名】澄田 仁志
【テーマコード(参考)】
5F038
【Fターム(参考)】
5F038AR09
5F038AR16
5F038AR20
5F038AR23
5F038AR25
5F038AR26
5F038AR28
5F038CA06
5F038CA12
5F038CA16
5F038CD18
(57)【要約】
【課題】チップサイズを変更することなく抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板1と、半導体基板1の一方の面上に設けられた第1絶縁膜2と、第1絶縁膜2上に設けられたポリシリコンからなる第1抵抗層3aと、第1抵抗層3a上に設けられた第2絶縁膜4と、第1抵抗層3aと重なるように第2絶縁膜4上に設けられたポリシリコンからなる第2抵抗層3bと、第2抵抗層3b上に設けられた第3絶縁膜5と、第3絶縁膜5の上方に設けられ、第2抵抗層3bに電気的に接続された第1電極8と、第1抵抗層3aに電気的に接続された第2電極10とを備え、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bのそれぞれが、本体部32,35と、本体部32,35よりも高不純物濃度の第1コンタクト部33,36とを有し、第1コンタクト部33,36同士が接する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の一方の面上に設けられた第1絶縁膜と、
前記第1絶縁膜上に設けられたポリシリコンからなる第1抵抗層と、
前記第1抵抗層上に設けられた第2絶縁膜と、
前記第1抵抗層と少なくとも一部が重なるように前記第2絶縁膜上に設けられたポリシリコンからなる第2抵抗層と、
前記第2抵抗層上に設けられた第3絶縁膜と、
前記第3絶縁膜の上方に設けられ、前記第2抵抗層に電気的に接続された第1電極と、
前記第1抵抗層に電気的に接続された第2電極と、
を備え、
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれが、本体部と、前記本体部よりも高不純物濃度の第1コンタクト部とを有し、前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれの前記第1コンタクト部同士が前記第2絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して接することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第2電極が前記半導体基板の他方の面上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層が、前記第1電極の外周よりも外側で折り返すように直列接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層が、前記第1電極の外周よりも内側で折り返すように直列接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれが、前記第1コンタクト部と前記本体部を挟み、前記本体部よりも高不純物濃度の第2コンタクト部を更に備え、
前記第1抵抗層の前記第2コンタクト部が前記半導体基板に接し、
前記第2抵抗層の前記第2コンタクト部が前記第1電極に接続されたビアに接する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層が並列接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれが、前記第1コンタクト部と前記本体部を挟み、前記本体部よりも高不純物濃度の第2コンタクト部を更に備え、
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれの前記第2コンタクト部同士が接し、
前記第1抵抗層の前記第1コンタクト部が前記半導体基板に接し、
前記第2抵抗層の前記第2コンタクト部が前記第1電極に接続されたビアに接する
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2抵抗層と少なくとも一部が重なるように前記第3絶縁膜上に設けられたポリシリコンからなる第3抵抗層と、
前記第3抵抗層上に設けられた第4絶縁膜と、
を更に備え、
前記第3抵抗層が、本体部と、前記本体部よりも高不純物濃度の第1コンタクト部とを有し、前記第2抵抗層及び前記第3抵抗層のそれぞれの前記第1コンタクト部同士が前記第3絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して接し、前記第1電極は前記第3抵抗層を介して前記第2抵抗層に電気的に接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層の積層構造が、前記第1電極の周辺に複数設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第2電極が前記第3絶縁膜の上方に前記第1電極から離間して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれが、前記第1コンタクト部と前記本体部を挟み、前記本体部よりも高不純物濃度の第2コンタクト部を更に備え、
前記第1抵抗層及び前記第2抵抗層のそれぞれの前記第2コンタクト部同士が接し、
前記第2抵抗層の前記第1コンタクト部が前記第1電極に接続されたビアに接し、
前記第2抵抗層の前記第2コンタクト部が前記第2電極に接続されたビアに接する
ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング素子のゲート抵抗素子等に使用される半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路(IC)等で使用される抵抗素子として、特許文献1は、半導体基板上に第1絶縁膜を介して設けられた薄膜のポリシリコンからなる抵抗層と、抵抗層上に第2絶縁膜を介して設けられ、抵抗層の一端に電気的に接続された第1電極と、第2絶縁膜上に設けられ、抵抗層の他端に電気的に接続された中継配線と、半導体基板下に設けられ、中継配線に電気的に接続された第2電極とを備え、第1電極と第2電極との間を抵抗体とする縦型構造の抵抗チップを開示する。
【0003】
特許文献2は、抵抗の温度特性が正および負の値を有する複数種類のポリシリコン層を抵抗素子とし、複数種類のポリシリコン抵抗素子をポリシリコン層間接続孔を介して接続した半導体集積回路装置を開示する。特許文献3は、半導体素子を含む半導体基板上に絶縁膜を介して抵抗体を形成してなる半導体装置において、抵抗体を絶縁膜を介して高さ方向に複数層に積層された状態で形成し、且つ、各層の抵抗体パターンを電気的に接続した半導体装置を開示する。特許文献4は、負荷素子が少なくとも2層の高抵抗層を互いにコンタクトホールを介して接続した抵抗である半導体記憶装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-106485号公報
【特許文献2】特開平5-235277号公報
【特許文献3】特開平8-195479号公報
【特許文献4】特開平9-275150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の抵抗素子では、抵抗素子が実装される半導体モジュールごとに適切な抵抗値に設計する必要がある。抵抗素子の抵抗値を大きくするために、抵抗素子のチップサイズを大きくすると、半導体モジュールにおける実装面積を変更しなければならない。また、抵抗素子のチップサイズを変更することなく抵抗値を大きくするためには、抵抗体の幅を狭くする必要があるが、抵抗体の幅を狭くするほど抵抗値バラツキが大きくなる。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、チップサイズを変更することなく抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、半導体基板と、半導体基板の一方の面上に設けられた第1絶縁膜と、第1絶縁膜上に設けられたポリシリコンからなる第1抵抗層と、第1抵抗層上に設けられた第2絶縁膜と、第1抵抗層と少なくとも一部が重なるように第2絶縁膜上に設けられたポリシリコンからなる第2抵抗層と、第2抵抗層上に設けられた第3絶縁膜と、第3絶縁膜の上方に設けられ、第2抵抗層に電気的に接続された第1電極と、第1抵抗層に電気的に接続された第2電極とを備え、第1抵抗層及び第2抵抗層のそれぞれが、本体部と、本体部よりも高不純物濃度の第1コンタクト部とを有し、第1抵抗層及び第2抵抗層のそれぞれの第1コンタクト部同士が第2絶縁膜に設けられたコンタクトホールを介して接する半導体装置であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チップサイズを変更することなく抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図2図1のA-A´方向から見た断面図である。
図3】第1実施形態に係る半導体装置の適用例を示す回路図である。
図4】比較例に係る半導体装置の断面図である。
図5】抵抗値バラツキのポリシリコン幅依存性を示すグラフである。
図6】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の工程断面図である。
図7】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図6に引き続く工程断面図である。
図8】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図7に引き続く工程断面図である。
図9】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図8に引き続く工程断面図である。
図10】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図9に引き続く工程断面図である。
図11】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図10に引き続く工程断面図である。
図12】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図11に引き続く工程断面図である。
図13】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図12に引き続く工程断面図である。
図14】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図13に引き続く工程断面図である。
図15】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の図14に引き続く工程断面図である。
図16A】第2実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図16B】第2実施形態に係る半導体装置の一部の平面図である。
図17】第3実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図18】第4実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図19】第5実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図20】第6実施形態に係る半導体装置の断面図である。
図21】第7実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図22図21のA-A´方向から見た断面図である。
図23】第8実施形態に係る半導体装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態を説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付し、重なる説明を省略する。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は実際のものとは異なる場合がある。また、図面相互間においても寸法の関係や比率が異なる部分が含まれる。また、以下に示す各実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。
【0011】
また、以下の説明における上下等の方向の定義は、単に説明の便宜上の選択であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、対象を90°回転して観察すれば上下は左右に変換して読まれ、180°回転して観察すれば上下は反転して読まれることは勿論である。同様に「表」「裏」の関係も180°回転すれば、反転した用語が定義される。
【0012】
また、半導体領域の導電型を示す「p」又は「n」に付す「+」又は「-」は、「+」又は「-」が付されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。ただし同じ「p」と「p」とが付された半導体領域であっても、それぞれの半導体領域の不純物濃度が厳密に同じであることを意味するものではない。更に、以下の説明で「p型」又は「n型」の限定を加えた部材や領域は、特に明示の限定がなくても半導体材料からなる部材や領域を意味する。
【0013】
(第1実施形態)
<半導体装置の構成>
第1実施形態に係る半導体装置は、図1に示すように、矩形の平面パターンを有するチップ状の抵抗素子(抵抗チップ)である。第1実施形態に係る半導体装置のチップサイズは、例えば3mm×3mm程度であるが、適宜設定可能である。なお、第1実施形態に係る半導体装置の平面パターンは矩形に限定されない。
【0014】
第1実施形態に係る半導体装置は、矩形の各辺に沿って設けられた複数(4つ)の抵抗積層構造3,3x,3y,3zを備える。図1の抵抗積層構造3を通過するA-A´線で切断した断面を図2に示す。図2に示すように、第1実施形態に係る半導体装置は、n型の半導体基板1と、半導体基板1の上方に設けられた抵抗積層構造3を備える。抵抗積層構造3は、ポリシリコンからなる第1抵抗層(ポリシリコン抵抗)3aと、ポリシリコンからなる第2抵抗層(ポリシリコン抵抗)3bの2層の抵抗層が積層されて構成されている。
【0015】
半導体基板1の厚さは例えば350μm程度である。半導体基板1としては、n型不純物を高濃度に添加したシリコン基板等の低比抵抗の基板が使用可能である。半導体基板1の抵抗成分は、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの抵抗成分に対して無視できるレベルまで小さいことが好ましい。半導体基板1の抵抗成分は、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの抵抗成分に対して1/100以下程度であることが好ましい。半導体基板1の比抵抗は、例えば2mΩ・cm~60mΩ・cm程度としてもよい。なお、半導体基板1としては、p型不純物を高濃度に添加したシリコン基板や、シリコン以外の半導体基板を使用してもよい。
【0016】
半導体基板1の上部には、半導体基板1と同一導電型であり、半導体基板1よりも高不純物濃度で且つ低比抵抗のn型のコンタクト領域11が設けられている。なお、p型の半導体基板1を使用する場合にはp型のコンタクト領域が設けられてよい。
【0017】
半導体基板1の一方の面(上面)上にはフィールド絶縁膜である第1絶縁膜2が設けられている。第1絶縁膜2の厚さは例えば800nm程度である。第1絶縁膜2を厚くすることで寄生容量を低減することができる。第1絶縁膜2としては、シリコン酸化膜(SiO膜)、シリコン窒化膜(Si膜)又はこれらの複合膜が使用可能である。第1絶縁膜2としては、テトラエトキシシラン(TEOS)等の有機ケイ素系化合物のガスを用いた化学気相成長(CVD)法等による絶縁膜等であってもよい。
【0018】
第1絶縁膜2上にはポリシリコンからなる第1抵抗層3aが設けられている。第1抵抗層3aの厚さは例えば500nm程度であり、第1抵抗層3aのシート抵抗は例えば150Ω/□程度である。第1抵抗層3aの幅は図2の奥行方向に定義され、第1抵抗層3aの長さは図2の左右方向に定義される。第1抵抗層3aの幅は400μm以上であることが好ましい。第1抵抗層3aの幅が400μm以上である場合、第1抵抗層3aの抵抗値バラツキを抑制することができ、第1実施形態に係る半導体装置全体の抵抗値バラツキを抑制することができる。
【0019】
第1抵抗層3aの長さに対する幅の比(第1抵抗層3aの長さをL、幅をWとしたときのW/L)は3.3以上であることが好ましい。W/Lが3.3以上であると、第1抵抗層3aの抵抗値バラツキを抑制することができ、第1実施形態に係る半導体装置全体の抵抗値バラツキを抑制することができる。例えば、第1抵抗層3aの幅が400μmである場合には、第1抵抗層3aの長さが120μm程度以上であることが好ましい。
【0020】
第1抵抗層3aとしては、例えばn型のドープド・ポリシリコン(DOPOS)層が使用可能である。n型のDOPOS層は、多結晶シリコン(ポリシリコン)に燐(P)等のn型不純物をイオン注入することやCVD装置で多結晶シリコンを堆積中に添加することで形成可能である。第1抵抗層3aは、p型のDOPOS層であってもよい。p型のDOPOS層も、ホウ素(B)等のp型不純物をポリシリコンにイオン注入する等の手法で形成可能である。
【0021】
第1抵抗層3aの抵抗値は、第1抵抗層3aの幅及び長さを調整することにより制御可能である。また、DOPOS層を第1抵抗層3aに用いる場合は、ポリシリコン中に添加する不純物元素の添加量を調整することによっても、第1抵抗層3aの抵抗値を制御可能である。
【0022】
第1抵抗層3aの温度係数は0ppm/℃以下である(換言すれば、第1抵抗層3aの温度係数が0であるか、又は第1抵抗層3aが負の温度係数を有する)ことが好ましい。これにより、第1実施形態に係る半導体装置が実装された半導体モジュールの高温動作時に、第1実施形態に係る半導体装置の抵抗値の上昇を抑制することができる。例えば、第1実施形態に係る半導体装置を絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)のゲート抵抗素子として適用した場合には、IGBTのオン時のロスを抑制することができる。
【0023】
DOPOSの温度係数は、例えばポリシリコンに不純物をイオン注入するときのドーズ量を調整することで制御可能である。例えば、ドーズ量を7.0×1015cm-2以下程度とすれば、DOPOSの温度係数を0ppm/℃以下程度にできる。なお、第1抵抗層3aの温度係数は0ppm/℃以下に必ずしも限定されず、第1抵抗層3aが正の温度係数を有していてもよい。
【0024】
第1抵抗層3aは、本体部32と、本体部32のチップ中央に近い一端側に接して設けられ、本体部32と同一導電型で、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部31と、本体部32のチップ中央から遠い他端側に接して設けられ、本体部32と同一導電型で、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部33を備える。
【0025】
本体部32は、第1抵抗層3aの主な抵抗成分として機能する。本体部32の抵抗値は、本体部32の厚さ、図2の左右方向で定義される本体部32の長さL1、図2の奥行方向で定義される本体部32の幅、及び本体部32の不純物濃度を調整することにより制御可能である。
【0026】
コンタクト部31及びコンタクト部33は、本体部32を間に挟むように設けられている。コンタクト部31及びコンタクト部33の不純物濃度は互いに略同一でよく、互いに異なっていてもよい。コンタクト部31は、コンタクト部33よりもチップの中央側(内側)に位置する。コンタクト部31は、第1絶縁膜2に設けられたコンタクトホール2aを介して半導体基板1の上部のコンタクト領域11に接している。コンタクト部31は、コンタクト領域11と低接触抵抗でオーミック接触している。
【0027】
第1絶縁膜2及び第1抵抗層3a上には、層間絶縁膜である第2絶縁膜4が設けられている。第2絶縁膜4としては、「NSG膜」と称される不純物を含まないシリコン酸化膜(SiO膜)、燐を添加したシリコン酸化膜(PSG膜)、ホウ素を添加したシリコン酸化膜(BSG膜)等が使用可能である。更に、燐及びホウ素を添加したシリコン酸化膜(BPSG膜)又はシリコン窒化膜(Si膜)の単層膜又はこれらのうちの複数種を選択して組み合わせた複合膜等も第2絶縁膜4として採用可能である。
【0028】
第2絶縁膜4の上面には、第1抵抗層3aと少なくとも一部が重なるようにポリシリコンからなる第2抵抗層3bが設けられている。第2抵抗層3bは、第1抵抗層3aと同様の構成であってよい。第2抵抗層3bは、例えば、第1抵抗層3aと同一導電型であるn型のDOPOS層で構成されている。第1抵抗層3aの不純物濃度と、第2抵抗層3bの不純物濃度は、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。第1抵抗層3aの抵抗値と、第2抵抗層3bの抵抗値は、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。第1抵抗層3aの長さと、第2抵抗層3bの長さは、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。第1抵抗層3aの幅と、第2抵抗層3bの幅は、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
【0029】
第1抵抗層3aの温度係数と、第2抵抗層3bの温度係数は、互いに略同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。例えば、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの一方を正の温度係数とし、他方を負の温度係数として、温度による特性変化を相殺し、全体として温度係数の小さな抵抗を実現してもよい。
【0030】
第2抵抗層3bは、本体部35と、本体部35のチップ中央に近い一端側に接して設けられ、本体部35と同一導電型で、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部34と、本体部35のチップ中央から遠い他端側に接して設けられ、本体部35と同一導電型で、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部36を備える。
【0031】
本体部35は、第2抵抗層3bの主な抵抗成分として機能する。本体部35の抵抗値は、本体部35の厚さ、図2の左右方向で定義される本体部35の長さL2、図2の奥行方向で定義される本体部35の幅、及び本体部35の不純物濃度を調整することにより制御可能である。
【0032】
コンタクト部34及びコンタクト部36は、本体部35を間に挟むように設けられている。コンタクト部34の不純物濃度とコンタクト部36の不純物濃度は互いに略同一でよく、互いに異なっていてもよい。コンタクト部36は、第2絶縁膜4に設けられたコンタクトホール4aを介して第1抵抗層3aのコンタクト部33に接している。コンタクト部36は、コンタクト部33と低接触抵抗でオーミック接触している。
【0033】
第1抵抗層3aの本体部32の抵抗値と、第2抵抗層3bの本体部35の抵抗値は、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。第1抵抗層3aの本体部32の長さL1と、第2抵抗層3bの本体部35の長さL2は、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。第1抵抗層3aの本体部32の幅と、第2抵抗層3bの本体部35の幅は、互いに略同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
【0034】
第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bは、コンタクト部33,36を介して互いに直接接続されて抵抗積層構造3を構成している。図1に示した抵抗積層構造3x,3y,3zは、図2に示した抵抗積層構造3と同様の構造であり、2層の抵抗層が積層されて構成されている。
【0035】
図2に示すように、第2絶縁膜4及び第2抵抗層3bの上面には、層間絶縁膜である第3絶縁膜5が設けられている。第3絶縁膜5としては、第2絶縁膜4と同様の構成であってよい。第3絶縁膜5の材料と第2絶縁膜4の材料は互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0036】
第3絶縁膜5の上面には第1電極(「上面電極」又は「パッド形成電極」ともいう。)8が設けられている。上面電極8は、チタン/窒化チタン(Ti/TiN)、アルミニウム-シリコン(Al-Si)、TiN/Tiの積層膜で構成できる。Al-Siの代わりに、Alや、Al-Cu-Si、Al-Cu等のAl合金等を使用してもよい。
【0037】
図1に示すように、上面電極8は、矩形の平面パターンを有する。上面電極8の矩形の平面パターンの中心は、チップの中心Oに位置する。図1及び図2に示すように、上面電極8の右辺側(右側)の端部は、第2抵抗層3bのコンタクト部34に深さ方向において重なる。上面電極8は、第3絶縁膜5に設けられたコンタクトホール5aに埋め込まれたビア9を介して、第2抵抗層3bのコンタクト部34に電気的に接続されている。ビア9は、第2抵抗層3bのコンタクト部34と低接触抵抗でオーミック接触している。
【0038】
図1に示すように、上面電極8の下辺側の端部は、抵抗積層構造3xの一部に深さ方向において重なり、ビア9xを介して抵抗積層構造3xに電気的に接続されている。上面電極8の左辺側の端部は、抵抗積層構造3yの一部に深さ方向において重なり、ビア9yを介して抵抗積層構造3yに電気的に接続されている。上面電極8の上辺側の端部は、抵抗積層構造3zの一部に深さ方向において重なり、ビア9zを介して抵抗積層構造3zに電気的に接続されている。
【0039】
上面電極8及び抵抗積層構造3,3x,3y,3zの平面パターンは、チップの中心Oに対して4回回転対称となる。これにより、第1実施形態に係る半導体装置の実装時に90°又は180°回転して使用してもよく、組み立て作業が容易となる。
【0040】
上面電極8及び第3絶縁膜5の上面には絶縁膜である保護膜7が設けられている。保護膜7としては、例えばTEOS膜等の酸化膜、Si膜、ポリイミド膜の積層構造で構成できる。保護膜7には開口部7aが設けられている。図1では、保護膜7及び第3絶縁膜5の図示を省略し、保護膜7の開口部7aを一点鎖線で図示している。保護膜7の開口部7aから露出する上面電極8の部分がパッド領域となり、アルミニウム(Al)等の金属からなるボンディングワイヤを接続可能である。
【0041】
図2に示すように、半導体基板1の他方の面(下面)上には第2電極(下面電極)10が設けられている。下面電極10は、例えば金(Au)からなる単層膜や、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)の順で積層された金属膜で構成できる。下面電極10の最外層は、はんだ付け可能な材料で構成できる。下面電極10は金属板等にはんだ付け等により固定される。
【0042】
第1実施形態に係る半導体装置は、上面電極8と下面電極10との間で4つの抵抗積層構造3,3x,3y,3zが並列接続されて、上面電極8と下面電極10との間の電気的経路を抵抗体とする。第1実施形態に係る半導体装置の抵抗値は、例えば数Ω~数百Ω程度であるが、特に限定されない。
【0043】
第1実施形態に係る半導体装置では、4つの抵抗積層構造3,3x,3y,3zを設けているが、抵抗積層構造の数は特に限定されない。例えば、2つの抵抗積層構造3,3yが設けられていてもよい。
【0044】
また、抵抗積層構造3,3x,3y,3zに接続されるビア9,9x,9y,9zの有無を変更することにより、抵抗積層構造3,3x,3y,3zを選択的に使用することが可能である。抵抗積層構造3,3x,3y,3zの抵抗値がそれぞれ120Ωの場合には、例えば、抵抗積層構造3,3x,3y,3zのうちのいずれか1つを接続すると、第1実施形態に係る半導体装置の抵抗値は120Ωとなる。また、4つの抵抗積層構造3,3x,3y,3zを並列接続すると、第1実施形態に係る半導体装置の抵抗値は30Ωとなる。抵抗積層構造3,3x,3y,3zの並列接続数を増減させることにより、第1実施形態に係る半導体装置の抵抗値を調整することができる。
【0045】
第1実施形態に係る半導体装置は、図3に示すように、例えばu相、v相、w相で構成される3相モータを駆動するインバータモジュール100に適用可能である。インバータモジュール100は、u相を駆動する主素子TR1~TR4、v相を駆動する主素子TR5~TR8、w相を駆動する主素子TR9~TR12を備える。主素子TR1~TR12には還流ダイオード(図示省略)がそれぞれ接続されている。主素子TR1~TR12のそれぞれにはIGBT又はMOSFET等が使用可能である。スイッチング動作時の発振現象を抑制するために、主素子TR1~TR12のそれぞれのゲート電極にはゲート抵抗R1~R12が接続されている。
【0046】
第1実施形態に係る半導体装置は、ゲート抵抗R1~R12のそれぞれに適用可能である。例えば、第1実施形態に係る半導体装置をゲート抵抗R1に適用した場合、ゲート抵抗R1が主素子TR1のゲート電極に接続される側が、図1及び図2に示した上面電極8側の端子に対応する。また、ゲート抵抗R1が主素子TR1のゲート電極に接続される側の反対側が、図2に示した下面電極10側の端子に対応する。
【0047】
<比較例>
ここで、比較例に係る半導体装置を説明する。比較例に係る半導体装置は、図4に示すように、半導体基板101上に第1絶縁膜102を介して設けられた単層の抵抗層104を備える。抵抗層104上には第2絶縁膜103を介して上面電極105が設けられている。上面電極105は、抵抗層104の一端に電気的に接続されている。第2絶縁膜103上には中継配線106が設けられている。中継配線106は、抵抗層104の他端に電気的に接続されている。上面電極105及び中継配線106上には保護膜110が設けられている。半導体基板101下には下面電極111が設けられ、中継配線106に電気的に接続されている。比較例に係る半導体装置は、上面電極105と下面電極111との間を抵抗体とする抵抗素子である。
【0048】
比較例に係る半導体装置では、抵抗値を大きくするために、抵抗層104の長さを長くすると、チップサイズが大きくなってしまう。また、チップサイズを変更せずに抵抗値を大きくするために、抵抗層104の幅を小さくすると、抵抗値バラツキが大きくなる。
【0049】
図5は、抵抗値バラツキのポリシリコン幅依存性を示す。図5の横軸はポリシリコン幅を示し、図5の縦軸は抵抗値の標準偏差を示す。図5中のプロットは、ポリシリコンの不純物濃度を一定とし、長さ及び幅を変化させている。図5に示すように、ポリシリコン幅が400μm未満では抵抗値バラツキが顕著に大きくなる。
【0050】
これに対して、第1実施形態に係る半導体装置によれば、図2に示すように、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bを積層して設けることにより、チップサイズを大きくせずに高抵抗化することができる。よって、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの幅を例えば400μm程度以上に維持して抵抗値を調整することができるので、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの抵抗値バラツキを抑制することができ、第1実施形態に係る半導体装置全体の抵抗値バラツキを抑制することができる。
【0051】
更に、第1実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3aのコンタクト部33の不純物濃度を本体部32の不純物濃度よりも高くすると共に、第2抵抗層3bのコンタクト部36の不純物濃度を本体部35の不純物濃度よりも高くすることにより、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3b同士を低接触抵抗でオーミック接触させることができ、抵抗値バラツキを抑制することができる。
【0052】
更に、第1実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが上面電極8の外周よりも外側に延伸して折り返すように直列接続されている。これにより、上面電極8にボンディングを行った際の第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの損傷を回避することができる。また、上面電極8への電圧印加による抵抗積層構造3の抵抗値の変動を抑制することができる。また、第1実施形態に係る半導体装置の製造時に、上面電極8に含まれるチタン(Ti)に水素が吸蔵されることを抑制することができ、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bのダングリングボンドを適切に終端することができる。
【0053】
<半導体装置の製造方法>
次に、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法の一例を説明する。なお、以下に述べる半導体装置の製造方法は一例であり、特許請求の範囲に記載した趣旨の範囲であれば、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
【0054】
まず、n型不純物を高濃度に添加したシリコン基板等のn型の半導体基板1を用意する。次に、半導体基板1上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、n型不純物をイオン注入する。その後、熱処理によりn型不純物を活性化させる。この結果、図6に示すように、半導体基板1の上部にn型のコンタクト領域11が形成される。
【0055】
次に、CVD法等により、半導体基板1上に第1絶縁膜2を堆積する。なお、第1絶縁膜2は、熱酸化法により熱酸化膜を形成した後、CVD法等により熱酸化膜上に絶縁膜を堆積して、熱酸化膜及び堆積した絶縁膜を積層した複合膜で形成してもよい。次に、第1絶縁膜2上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング等により、第1絶縁膜2の一部を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜を除去する。この結果、図7に示すように、第1絶縁膜2に、コンタクト領域11を露出するコンタクトホール2aが開孔される。
【0056】
次に、CVD法等により、図8に示すように、第1絶縁膜2上に、燐(P)等のn型不純物がドープされたポリシリコン層3mを形成する。或いは、ノンドープのポリシリコン層を堆積した後に、燐(P)等のn型不純物をイオン注入して、ポリシリコン層3mとしてもよい。
【0057】
次に、ポリシリコン層3m上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、第1抵抗層3aのコンタクト部31及びコンタクト部33となる領域に選択的に、燐(P)等のn型不純物を例えば1×1015cm-2程度のドーズ量でイオン注入する。その後、熱処理によりn型不純物を活性化させる。この結果、図9に示すように、ポリシリコン層3mよりも高不純物濃度のコンタクト部31及びコンタクト部33が形成されて、コンタクト部31及びコンタクト部33に挟まれたポリシリコン層3mが本体部32となる。この結果、コンタクト部31、本体部32及びコンタクト部33を有する第1抵抗層3aが形成される。
【0058】
次に、第1抵抗層3a上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて、RIE等により、第1抵抗層3aのコンタクト部31のチップ中央側の一部を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜を除去する。
【0059】
次に、CVD法等により、第1絶縁膜2及び第1抵抗層3aを被覆するように、第2絶縁膜4を堆積する。次に、第2絶縁膜4上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて、RIE等により、第2絶縁膜4の一部を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜を除去する。この結果、図10に示すように、第2絶縁膜4に、コンタクト部33を露出するようにコンタクトホール4aが開孔される。
【0060】
次に、CVD法等により、図11に示すように、第2絶縁膜4上に、燐(P)等のn型不純物がドープされたポリシリコン層3nを形成する。或いは、ノンドープのポリシリコン層を堆積した後に、燐(P)等のn型不純物をイオン注入して、ポリシリコン層3nとしてもよい。
【0061】
次に、ポリシリコン層3n上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をマスクとして用いて、第2抵抗層3bのコンタクト部34及びコンタクト部36となる領域に選択的に、燐(P)等のn型不純物を例えば1×1015cm-2程度のドーズ量でイオン注入する。その後、熱処理によりn型不純物を活性化させる。この結果、図12に示すように、ポリシリコン層3nよりも高不純物濃度のコンタクト部34及びコンタクト部36が形成されて、コンタクト部34及びコンタクト部36に挟まれたポリシリコン層3nが本体部35となる。この結果、コンタクト部34、本体部35及びコンタクト部36を有する第2抵抗層3bが形成される。
【0062】
第2抵抗層3bのコンタクト部34、本体部35及びコンタクト部36のそれぞれを、第1抵抗層3aのコンタクト部31、本体部32及びコンタクト部33のそれぞれと重なる位置に形成する場合には、第2抵抗層3bを形成するためのイオン注入用マスクとして、第1抵抗層3aを形成するためのイオン注入用マスクを共通に使用することができる。
【0063】
次に、CVD法等により、第2絶縁膜4及び第2抵抗層3bを被覆するように、第3絶縁膜5を堆積する。次に、第3絶縁膜5上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて、RIE等により、第3絶縁膜5の一部を選択的に除去する。その後、フォトレジスト膜を除去する。この結果、図13に示すように、第3絶縁膜5に、コンタクト部34を露出するようにコンタクトホール5aが開孔される。
【0064】
次に、真空蒸着法又はスパッタリング法等により、第3絶縁膜5上に金属膜を堆積する。金属膜は、例えば、CVD法等により、Ti/TiN、Al-Si、TiN/Tiを順に堆積して形成することができる。引き続き、金属膜上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて、金属膜の一部を選択的に除去する。この結果、図14に示すように、第3絶縁膜5上に上面電極8が形成されると共に、コンタクトホール5aにはビア9が埋め込まれる。
【0065】
次に、第3絶縁膜5及び上面電極8上に保護膜7を形成する。例えば、プラズマCVD法等によりTEOS膜及びSi膜を順次堆積し、ポリイミド膜を塗布することで、TEOS膜、Si膜及びポリイミド膜からなる保護膜7が形成される。次に、保護膜7上にフォトレジスト膜を塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。パターニングされたフォトレジスト膜をエッチングマスクとして用いて、保護膜7の一部を選択的に除去する。この結果、図15に示すように、保護膜7に開口部7aが形成され、上面電極8の開口部7aで露出する部分がパッド領域となる。
【0066】
次に、化学的機械研磨(CMP)等により半導体基板1の下面を研磨し、半導体基板1の厚さを調整する。その後、真空蒸着法又はスパッタリング法等により、半導体基板1の下面に図2に示した下面電極10を形成する。この結果、第1実施形態に係る半導体装置が完成する。なお、第1実施形態に係る半導体装置と同様の抵抗素子が1枚のウェハにマトリクス状のチップ領域として多数形成されており、ダイシングにより、これらのチップ領域が互いに分離される。
【0067】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る半導体装置の平面レイアウトは、図1に示した第1実施形態に係る半導体装置の平面レイアウトと同様である。図1の抵抗積層構造3を通過し、チップ端部を含むB-B´線で切断した、第2実施形態に係る半導体装置の断面を図16Aに示す。
【0068】
第2実施形態に係る半導体装置は、図16Aに示すように、第1抵抗層3aのチップ中央側に近いコンタクト部31と、第2抵抗層3bのチップ中央側に近いコンタクト部34が、上面電極8の外周よりも内側にそれぞれ延伸する点が、第1実施形態に係る半導体装置と異なる。コンタクト部31の端部31aの位置とコンタクト部34の端部34aの位置は一致していてもよく、異なっていてもよい。また、第1抵抗層3aのチップ中央から遠い側のコンタクト部33の端部33aの位置と、第2抵抗層3bのチップ中央から遠い側のコンタクト部36の端部36aの位置は一致していてもよく、異なっていてもよい。
【0069】
図16Bは、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの平面パターンであり、便宜上、他の構成については省略して記載している。第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bがなす矩形パターンの4辺それぞれにおいて、第1抵抗層3aの端部の方が、第2抵抗層3bの端部よりも張り出している。第1抵抗層3aが第2抵抗層3bよりもX方向に張り出している領域は、コンタクト部31及びコンタクト部33がそれぞれ延在している。
【0070】
第1抵抗層3aが第2抵抗層3bよりもY方向に張り出している領域は、コンタクト部31及びコンタクト部33がそれぞれ延在すると共に、ダミー領域30a,30bが設けられている。ダミー領域30a,30bは、コンタクト部31及びコンタクト部33の張り出し部とスリットにより分離されている。また、ダミー領域30a,30bは、第2抵抗層3bの本体部35の下に設けられている第1抵抗層3aの本体部32(図16A参照)とスリットにより分離されている。ダミー領域30a,30bは、コンタクト部31及びコンタクト部33と同時に堆積され、コンタクト部31及びコンタクト部33と同時にイオン注入されていてよい。第1抵抗層3aが第2抵抗層3bよりもX方向に張り出している領域をコンタクト部31及びコンタクト部33とスリットにより分離し、ダミー領域としてもよい。また、これらのダミー領域は、それぞれダミー領域30a,30bと一体に形成してよい。
【0071】
また、第1抵抗層3aが第2抵抗層3bよりもY方向に張り出す場合に、ダミー領域30a,30bを設ける代わりに、ダミー領域30a,30b及びスリットの領域に、第1抵抗層3aの本体部32が延在してもよい。この場合、第1抵抗層3aの本体部32の幅が第2抵抗層3bの本体部35の幅よりも太くなる。本体部32の張り出し部は、コンタクト部31及びコンタクト部33の張り出し部と接続されている。本体部32を張り出すことにより、抵抗値の調整幅を広げることができる。
【0072】
図16に示した構成とは逆に、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bがなす矩形パターンの4辺それぞれにおいて、第2抵抗層3bの端部の方が、第1抵抗層3aの端部よりも張り出していてもよい。この場合、第2抵抗層3bが第1抵抗層3aよりもX方向に張り出す領域は、コンタクト部34及びコンタクト部36が延在してよい。
【0073】
また、第2抵抗層3bが第1抵抗層3aよりもY方向に張り出す領域は、コンタクト部34及びコンタクト部36がそれぞれ延在すると共に、ダミー領域が設けられている。ダミー領域は、コンタクト部34及びコンタクト部36の張り出し部とスリットにより分離される。また、ダミー領域は、第2抵抗層3bの本体部35とスリットにより分離される。ダミー領域は、コンタクト部34及びコンタクト部36と同時に堆積され、コンタクト部34及びコンタクト部36と同時にイオン注入されていてよい。
【0074】
また、第2抵抗層3bが第1抵抗層3aよりもY方向に張り出す場合に、ダミー領域を設ける代わりに、ダミー領域及びスリットの領域に、第2抵抗層3bの本体部35が延在していてもよい。この場合、第2抵抗層3bの本体部35の幅が第1抵抗層3aの本体部32の幅よりも太くなる。本体部35の張り出し部は、コンタクト部34及びコンタクト部36の張り出し部と接続される。本体部35を張り出すことにより、抵抗値の調整幅を広げることができる。第2実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0075】
第2実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが積層されていることにより、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。
【0076】
更に、第1抵抗層3aのチップ中央に近い側の端部31aの位置と、第2抵抗層3bのチップ中央に近い側の端部34aの位置等の、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの端部の位置が互いに異なることにより、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの端部の位置が一致している場合よりも、第3絶縁膜5及び上面電極8のパッド領域を平坦化させることができる。また、第1抵抗層3aのチップ中央から遠い側の端部33aの位置と、第2抵抗層3bのチップ中央から遠い側の端部36aの位置等の、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの端部の位置が互いに異なることにより、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの端部の位置が一致している場合よりも、第3絶縁膜5及び保護膜7による第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bの被覆性を向上させることができる。
【0077】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る半導体装置は、図17に示すように、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが、上面電極8の外周よりも内側のチップ中央側で折り返すように設けられている点が、第1実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0078】
第1抵抗層3aのチップ中央から遠い側のコンタクト部33がコンタクト領域11と低接触抵抗でオーミック接触している。第1抵抗層3aのチップ中央に近い側のコンタクト部31と、第2抵抗層3bのチップ中央に近い側のコンタクト部34が低接触抵抗でオーミック接触している。第2抵抗層3bのチップ中央から遠い側のコンタクト部36が、ビア9と低接触抵抗でオーミック接触している。第3実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0079】
第3実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが積層されていることにより、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。更に、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが、チップ中央側で折り返すように設けられているため、第1実施形態に係る半導体装置と比較して小型化を図ることができる。
【0080】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る半導体装置は、図18に示すように、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが並列接続されている点が、第1実施形態に係る半導体装置と異なる。第1抵抗層3aのチップ中央に近い側のコンタクト部31が、第2抵抗層3bのチップ中央に近い側のコンタクト部34と低接触抵抗でオーミック接触している。第1抵抗層3aのチップ中央から遠い側のコンタクト部33が、第2抵抗層3bのチップ中央から遠い側のコンタクト部36と低接触抵抗でオーミック接触している。第4実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0081】
第4実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが積層されていることにより、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。更に、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bを並列接続することにより、抵抗値の自由度を更に向上させることができる。なお、第5実施形態では、2層の抵抗層が積層されている場合を例示したが、3層以上の抵抗層が積層されて並列接続していてもよい。
【0082】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る半導体装置は、図19に示すように、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cの3層の抵抗層が積層されている点が、第1実施形態に係る半導体装置と異なる。第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cは直列接続されている。第3抵抗層3cは、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bと同様にポリシリコンで構成されている。第3抵抗層3c及び第3絶縁膜5の上面には第4絶縁膜6が設けられている。第4絶縁膜6の上面には上面電極8が設けられている。
【0083】
第1抵抗層3aは、本体部32と、本体部32のチップ中央に近い一端側に設けられ、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部31と、本体部32のチップ中央から遠い他端側に設けられ、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部33を備える。コンタクト部33は、半導体基板1の上部に設けられたコンタクト領域11と低接触抵抗でオーミック接触している。
【0084】
第2抵抗層3bは、本体部35と、本体部35のチップ中央に近い一端側に設けられ、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部34と、本体部35のチップ中央から遠い他端側に設けられ、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部36を備える。コンタクト部34は、第1抵抗層3aのコンタクト部31と低接触抵抗でオーミック接触している。
【0085】
第3抵抗層3cは、本体部38と、本体部38のチップ中央に近い一端側に設けられ、本体部38よりも高不純物濃度のコンタクト部37と、本体部38のチップ中央から遠い他端側に設けられ、本体部38よりも高不純物濃度のコンタクト部39を備える。コンタクト部39は、第2抵抗層3bのコンタクト部36と低接触抵抗でオーミック接触している。コンタクト部37は、第4絶縁膜6に設けられたコンタクトホール6aに埋め込まれたビア9を介して上面電極8に電気的に接続されている。上面電極8は、第3抵抗層3cを介して第2抵抗層3bに電気的に接続されている。第5実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0086】
第5実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cの3層の抵抗層が積層されていることにより、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。更に、3層の抵抗層が積層されているため、抵抗値の自由度を更に向上させることができる。なお、第5実施形態では、3層の抵抗層が積層されている場合を例示したが、4層以上の抵抗層が積層されていてもよい。
【0087】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る半導体装置は、図20に示すように、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cの3層の抵抗層が積層されている点は、第5実施形態に係る半導体装置と共通する。しかし、第6実施形態に係る半導体装置は、第1抵抗層3aのコンタクト部33が、ビア13、中継配線12及びビア14を介してコンタクト領域11に電気的に接続されている点が、第5実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0088】
中継配線12は、上面電極8と同一材料で構成することができる。ビア13及びビア14は、スタックビアで構成されていてもよい。ビア13は、第1抵抗層3aのコンタクト部33と低接触抵抗でオーミック接触している。ビア14は、コンタクト領域11と低接触抵抗でオーミック接触している。第6実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第5実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0089】
第6実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3aのコンタクト部33が、ビア13、中継配線12及びビア14を介してコンタクト領域11に電気的に接続されている場合でも、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cの3層の抵抗層が積層されているため、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。
【0090】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る半導体装置は、図21に示すように、上面側に第1電極(上面電極)8a及び第2電極(上面電極)8bを備える横型の抵抗素子である点が、第1実施形態に係る半導体装置と異なる。上面電極8a,8bは、チップの中心Oを挟んで互いに離間して設けられている。上面電極8a,8bの間に抵抗積層構造3が設けられている。
【0091】
図21の抵抗積層構造3を通過するA-A´線で切断した断面を図22に示す。図22に示すように、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bは並列接続されている。第1抵抗層3aは、本体部32と、本体部32の一端側に設けられ、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部31と、本体部32の他端側に設けられ、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部33を備える。
【0092】
第2抵抗層3bは、本体部35と、本体部35の一端側に設けられ、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部34と、本体部35の他端側に設けられ、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部36を備える。コンタクト部34は、第1抵抗層3aのコンタクト部31と低接触抵抗でオーミック接触している。コンタクト部34は、ビア9aを介して上面電極8aに電気的に接続されている。コンタクト部34は、ビア9aと低接触抵抗でオーミック接触している。
【0093】
コンタクト部36は、第1抵抗層3aのコンタクト部33と低接触抵抗でオーミック接触している。コンタクト部36は、ビア9bを介して上面電極8bに電気的に接続されている。コンタクト部36は、ビア9bと低接触抵抗でオーミック接触している。第7実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第1実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0094】
第7実施形態に係る半導体装置によれば、上面側に2つの上面電極8a,8bを有する横型の抵抗素子である場合でも、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが積層されているため、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。
【0095】
(第8実施形態)
第8実施形態に係る半導体装置は、図23に示すように、上面側に2つの上面電極8a,8bを有する点は、第7実施形態に係る半導体装置と共通する。しかし、第8実施形態に係る半導体装置は、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cの3層の抵抗層が積層されて、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cが折り返すように直列接続されている点が、第7実施形態に係る半導体装置と異なる。
【0096】
第1抵抗層3aは、本体部32と、本体部32の一端側に設けられ、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部31と、本体部32の他端側に設けられ、本体部32よりも高不純物濃度のコンタクト部33を備える。コンタクト部33は、ビア9bを介して上面電極8bに電気的に接続されている。コンタクト部33は、ビア9bと低接触抵抗でオーミック接触している。
【0097】
第2抵抗層3bは、本体部35と、本体部35の一端側に設けられ、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部34と、本体部35の他端側に設けられ、本体部35よりも高不純物濃度のコンタクト部36を備える。コンタクト部34は、第1抵抗層3aのコンタクト部31と低接触抵抗でオーミック接触している。
【0098】
第3抵抗層3cは、本体部38と、本体部38の一端側に設けられ、本体部38よりも高不純物濃度のコンタクト部37と、本体部38の他端側に設けられ、本体部38よりも高不純物濃度のコンタクト部39を備える。コンタクト部39は、第2抵抗層3bのコンタクト部36と低接触抵抗でオーミック接触している。コンタクト部37は、ビア9aを介して上面電極8aに電気的に接続されている。コンタクト部37は、ビア9aと低接触抵抗でオーミック接触している。第8実施形態に係る半導体装置の他の構成は、第7実施形態に係る半導体装置と同様であるので、重複した説明を省略する。
【0099】
第8実施形態に係る半導体装置によれば、面側に2つの上面電極8a,8bを有する横型の抵抗素子である場合でも、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cが積層されているため、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。なお、第8実施形態では、3層の抵抗層が積層されている場合を例示したが、5層以上の奇数層の抵抗層が折り返すように直列接続するように積層されていてもよい。
【0100】
(その他の実施形態)
上記のように、本発明は各実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0101】
例えば、図3に示すように、第1実施形態に係る半導体装置を、第1ゲート抵抗素子R1~第12ゲート抵抗素子R12として適用する場合を例示したがこれに限定されない。第1~第8実施形態に係る半導体装置は、各種ICの抵抗素子として適用可能である。
【0102】
また、第1~第8実施形態がそれぞれ開示する構成を、矛盾の生じない範囲で適宜組み合わせることができる。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0103】
1…半導体基板
2a,4a,5a,6a…コンタクトホール
3,3x,3y,3z…抵抗積層構造
3m,3n…ポリシリコン層
9,9a,9b,13,14…ビア
7…保護膜
7a…開口部
8,8a,8b…上面電極
10…下面電極
11…コンタクト領域
12…中継配線
30a,30b…ダミー領域
31,33,34,36,37,39…コンタクト部
31a,34a,37a…端部
32,35,38…本体部
100…インバータモジュール
101…半導体基板
104…抵抗層
105…上面電極
106…中継配線
110…保護膜
111…下面電極
R1~R12…ゲート抵抗
TR1~TR12…主素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2023-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
第4実施形態に係る半導体装置によれば、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bが積層されていることにより、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。更に、第1抵抗層3a及び第2抵抗層3bを並列接続することにより、抵抗値の自由度を更に向上させることができる。なお、第実施形態では、2層の抵抗層が積層されている場合を例示したが、3層以上の抵抗層が積層されて並列接続していてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0099
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0099】
第8実施形態に係る半導体装置によれば、面側に2つの上面電極8a,8bを有する横型の抵抗素子である場合でも、第1抵抗層3a、第2抵抗層3b及び第3抵抗層3cが積層されているため、チップサイズを変更せずに抵抗値を調整することができ、抵抗値バラツキも抑制することができる。なお、第8実施形態では、3層の抵抗層が積層されている場合を例示したが、5層以上の奇数層の抵抗層が折り返すように直列接続するように積層されていてもよい。