(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023169994
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】電力計測器の選定方法、プログラム、および、電力計測器の選定システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081398
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】榎本 大地
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる電力計測器の選定方法、プログラム及び電力計測器の選定システムを提供する。
【解決手段】電力計測器の選定方法を1つ以上のコンピュータに実行させるためのプログラムがインストールされた第1情報端末と、第1情報端末と通信を介して接続可能な第2情報端末とを備える電力計測器の選定システムにおいて、コンピュータ(例えば、第1情報端末)による電力計測機器の選定方法は、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧及び相線式の種類の情報の入力を受け付け(S01)、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け(S02)、ステップS01およびステップS02で受け付けられた情報及び指示に基づいて、盤に設置される電力計器の構成を選定する(S03)。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによる電力計測器の選定方法であって、
前記コンピュータは、
電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、前記盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け、
前記複数のブレーカのうち前記電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け、
前記情報および前記指示に基づいて前記盤に設置される前記電力計測器の構成を選定する、
電力計測器の選定方法。
【請求項2】
前記コンピュータは、
入力が受け付けられた前記情報のうち前記相線式の種類および前記電圧に基づいて、前記電力計測器を構成する計測ユニットの数を算出する、
請求項1に記載の電力計測器の選定方法。
【請求項3】
前記電力計測器は、少なくとも1つの前記計測ユニットと、前記2つ以上の前記計測対象のブレーカの電流計測用の2つ以上の変流器とから構成され、
前記コンピュータは、
入力が受け付けられた前記情報のうち前記定格電流に基づいて、前記電力計測器を構成する前記2つ以上の変流器のそれぞれの定格を選定する、
請求項2に記載の電力計測器の選定方法。
【請求項4】
前記コンピュータは、
さらに、入力が受け付けられた前記情報のうち前記相線式の種類および前記電圧に基づいて、前記2つ以上の変流器の数を算出する、
請求項3に記載の電力計測器の選定方法。
【請求項5】
前記コンピュータは、
前記電力計測器の構成が選定された後に、選択された前記計測対象のブレーカを変更する指示の入力を受け付けると、前記指示に従って前記計測対象のブレーカを変更する、
請求項1に記載の電力計測器の選定方法。
【請求項6】
前記計測ユニットは、外部端末と通信する通信機能を有する本体ユニットと、前記外部端末と通信する通信機能を有しておらず、かつ、前記本体ユニットに増設される付属ユニットと、を含み、
前記コンピュータは、前記計測ユニットの数の算出において、前記本体ユニットの数と前記付属ユニットの数とを算出する、
請求項2に記載の電力計測器の選定方法。
【請求項7】
前記コンピュータは、
さらに、前記相線式の種類がそれぞれ異なる複数のブレーカの電力を計測可能な本体ユニットを有する異種系統計測ユニットを前記電力計測器の構成として使用する指示の入力を受け付けると、算出された前記本体ユニットの数を1つ減らし、前記付属ユニットの数を1つ増やす、
請求項6に記載の電力計測器の選定方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の電力計測器の選定方法を1つ以上のプロセッサに実行させるための
プログラム。
【請求項9】
入力受付部と、選定部とを備え、
前記入力受付部は、
電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、前記盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け、
前記複数のブレーカのうち前記電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け、
前記選定部は、前記情報および前記指示に基づいて前記盤に設置される前記電力計測器の構成を選定する、
電力計測器の選定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力計測器の選定方法、プログラム、および、電力計測器の選定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、システム電力計測器を導入する際、計測対象の回路及び環境に応じて、適切な電力計測器および備品を選定することが難しく、ユーザが誤って不要な商品および備品を購入することがある。そこで、電力計測器の適切な構成を簡単に選定する方法が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電動移動体に用いられる駆動部品からなる製品について、要求仕様を満たす適切な製品を簡単な操作で選定することができる選定システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる電力計測器の選定方法、および、プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る電力計測器の選定方法は、コンピュータによる電力計測器の選定方法であって、前記コンピュータは、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、前記盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け、前記複数のブレーカのうち前記電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け、前記情報および前記指示に基づいて前記盤に設置される前記電力計測器の構成を選定する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記電力計測器の選定方法を1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の一態様に係る電力計測器の選定システムは、入力受付部と、選定部とを備え、前記入力受付部は、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、前記盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け、前記複数のブレーカのうち前記電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け、前記選定部は、前記情報および前記指示に基づいて前記盤に設置される前記電力計測器の構成を選定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる電力計測器の選定方法、および、プログラムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る電力計測器の選定システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る電力計測器の選定システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、計測ユニットの台数の算出結果を表示する表示画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、計測ユニットの台数の再計算結果を表示する表示画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、異種系統計測ユニットを説明するための図である。
【
図8】
図8は、変流器(CT)の定格の選定および個数の算出結果を表示する表示画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、回路の相線式の種類および電圧と、回路の電流計測に必要なCTの個数とを示す図である。
【
図10】
図10は、電力計測器の構成の選定結果を表示する表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[1.構成]
まず、実施の形態における電力計測器の選定システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態における電力計測器の選定システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
本開示の電力計測器の選定システムは、少なくともユーザによる入力を受け付ける入力受付部と、盤に設置される電力計測器の構成を選定する選定部とを備える。電力計測器の選定システムでは、入力受付部は電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け、選定部は、上記の情報及び指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の構成を選定する。
【0015】
本実施の形態では、
図1に示されるように、電力計測器の選定システム100は、例えば、本実施の形態に係る電力計測器の選定方法を1つ以上のコンピュータに実行させるためのプログラムがインストールされた第1情報端末10と、第1情報端末10と通信を介して接続可能な第2情報端末20とを備える。なお、
図1の例は、あくまでも一例であり、これに限定されない。例えば、電力計測器の選定システム100は、第2情報端末20を備えなくてもよい。
【0016】
[1-1.第1情報端末10]
第1情報端末10は、例えば、ユーザが使用するコンピュータまたはタブレット端末などの情報端末である。第1情報端末10のユーザは、例えば、電力計測器を製造販売する会社の社員である。第1情報端末10は、例えば、通信部11と、情報処理部12と、記憶部13と、入力受付部14と、表示部15とを備える。
【0017】
[通信部11]
通信部11は、第2情報端末20と通信するための通信回路(通信モジュール)である。通信部11は、局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)を備えてもよいし、広域通信ネットワークを介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)を備えてもよいし、これらの両方の通信回路を備えてもよい。通信部11は、例えば、無線通信を行う無線通信回路であるが、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。なお、通信部11が行う通信の通信規格については、特に限定されない。
【0018】
通信部11は、例えば、第2情報端末20のユーザにより入力された情報および指示を受信して、情報処理部12へ出力する。当該情報は、例えば、電力計測器が設置される盤の情報であってもよいし、当該盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報であってもよい。また、当該指示は、例えば、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示である。
【0019】
[情報処理部12]
情報処理部12は、第1情報端末10に関する各種情報処理を行う。より具体的には、例えば、情報処理部12は、ユーザにより入力された情報および指示を取得して、盤に設置される電力計測器の構成の選定に関する各種情報処理を行う。例えば、情報処理部12は、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて盤に設置される電力計測器の構成を選定する。
【0020】
情報処理部12は、具体的には、算出部12aと、選定部12bとを備える。算出部12aおよび選定部12bの機能は、情報処理部12を構成するプロセッサまたはマイクロコンピュータが記憶部13に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0021】
算出部12aは、入力が受け付けられた情報のうち相線式の種類および電圧に基づいて、電流計測器を構成する計測ユニットの数を算出する。より具体的には、例えば、算出部12aは、計測ユニットの算出において、本体ユニットの数と付属ユニットの数とを算出する。また、例えば、算出部12aは、さらに、入力受付部14により相線式の種類がそれぞれ異なる複数のブレーカの電力を計測可能な本体ユニットを有する異種系統計測ユニットを電力計測器の構成として使用する指示の入力を受け付けると、算出された本体ユニットの数を1つ減らし、付属ユニットの数を1つ増やす。また、例えば、算出部12aは、さらに、入力が受け付けられた情報のうち相線式の種類および電圧に基づいて、電力計測器を構成する2つ以上の変流器(CT)の数を算出する。
【0022】
選定部12bは、例えば、入力受付部14により入力が受け付けられた情報および指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の構成を選定する。選定部12bは、例えば、入力受付部14により入力が受け付けられた情報のうち定格電流に基づいて、電力計測器を構成する2つ以上の変流器(CT)のそれぞれの定格を選定する。また、例えば、選定部12bは、電流計測器の構成が選択された後に、入力受付部14により計測対象のブレーカを変更する指示の入力が受け付けられると、当該指示に従って計測対象のブレーカを変更してもよい。
【0023】
[記憶部13]
記憶部13は、情報処理部12が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部13は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0024】
[入力受付部14]
入力受付部14は、第1情報端末10を使用するユーザによる操作入力を受け付ける入力インタフェースである。入力受付部14は、具体的には、タッチパネルディスプレイなどによって実現される。例えば、入力受付部14がタッチパネルディスプレイを搭載している場合は、タッチパネルディスプレイが表示部15及び入力受付部14として機能する。なお、入力受付部14は、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス(例えばタッチペンもしくはマウス)、または、ハードウェアボタンなどであってもよい。また、入力受付部14は、音声による入力を受け付ける場合、マイクロフォンであってもよい。
【0025】
[表示部15]
表示部15は、ユーザに提示する情報を表示する。例えば、当該情報は、電力計測器の構成の選定結果である。表示部15は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0026】
[1-2.第2情報端末20]
第2情報端末20は、第1情報端末10と通信を介して接続可能であり、ユーザが使用するコンピュータまたはタブレット端末などの情報端末である。第2情報端末20のユーザは、例えば、電力計測器を購入する購入者である。
【0027】
例えば、第2情報端末20は、ユーザにより入力された情報および指示を第1情報端末10へ送信する。当該情報は、例えば、電力計測器が設置される盤の情報であってもよいし、当該盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報であってもよい。また、当該指示は、例えば、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示である。また、例えば、第2情報端末20は、第1情報端末10から送信された電力計測器の構成の選定結果を取得して、ユーザに提示してもよい。
【0028】
なお、第1情報端末10が例えばサーバ装置である場合、第2情報端末20は、電力計測器を製造販売する会社の社員に使用されてもよいし、電力計測器を購入する購入者に使用されてもよい。
【0029】
[2.動作]
続いて、実施の形態における電力計測器の選定システムの動作について説明する。
図2は、実施の形態における電力計測器の選定システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0030】
第1情報端末10の入力受付部14は、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付ける(S01)。
【0031】
次に、入力受付部14は、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付ける(S02)。
【0032】
次に、選定部12bは、ステップS01およびS02で入力受付部14により受け付けられた情報および指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の構成を選定する(S03)。
【0033】
次に、表示部15は、ステップS03で選定部12bにより選定された電力計測器の構成を表示することでユーザに構成を提示する(S04)。
【0034】
以下、それぞれのステップについて図面を参照しながらより具体的に説明する。以下では、第1情報端末10のユーザ(例えば、電力計測器の製造メーカの社員)が第2情報端末20のユーザ(例えば、電力計測器を購入する購入者)から電力計測器の選定に必要な情報を取得して、盤に設置される電力計測器を選定する例を説明する。
【0035】
例えば、第1情報端末10のユーザは、第2情報端末20のユーザから電力計測器を設置する盤の図面(盤図ともいう)のデータまたは盤の情報を入手する(
図2で不図示)。入手された盤図のデータまたは盤の情報は、記憶部13に保存される。
図3は、盤の情報の一例を示す図である。
図3に示されるように、盤の情報は、例えば、回路番号、相線式、電圧、ブレーカの極数、ブレーカの定格電流、および、負荷の名称を含む。
【0036】
第1情報端末10のユーザが電力計測器の選定アプリを立ち上げると、表示部15は、入力画面を表示する。
図4は、入力画面の一例を示す図である。例えば、第1情報端末10のユーザが「台数の算出」の「計測ユニット」タブをクリックすると、表示部15は、計測ユニットの台数を算出に必要な情報を入力する入力画面を表示する。ユーザは、例えば、入力画面に表示されたセルに盤の情報を手入力してもよいし、入力画面に表示された「ファイル読込」ボタンをクリックして、情報処理部12に盤図のデータを読み込ませることで盤図のデータから盤の情報を自動で入力してもよい。これにより、入力受付部14は、複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付ける(S01)。
【0037】
次に、第1情報端末10のユーザが計測対象のブレーカを2つ以上選択すると、入力受付部14は、計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示を受け付ける(S02)。
図4の例では、入力受付部14は、ユーザにより計測対象のセルに〇が入力されると、〇が入力された回路番号の回路に対応するブレーカを計測対象として選択する指示を受け付ける。一方、入力受付部14は、ユーザにより計測対象のセルに×が入力されると、×が入力された回路番号の回路に対応するブレーカを計測対象として選択しない指示を受け付ける。なお、入力受付部14は、計測対象のブレーカを選択する指示のみ受け付ける構成であってもよい。
【0038】
次に、
図4に示されるように、ユーザが「計算」ボタンをクリックすると、入力受付部14は、計測ユニットの台数を算出する指示を受け付ける。算出部12aは、当該指示に従って、計測ユニットの台数を計算する。
図5は、計測ユニットの台数の算出結果を表示する表示画面の一例を示す図である。
【0039】
電力計測器は、少なくとも1つの計測ユニットと、2つ以上の計測対象のブレーカの電流計測用の2つ以上の変流器(CT)とから構成されており、複数のブレーカに対応する回路の電力を計測することができる。計測ユニットは、外部端末と通信する通信機能を有する本体ユニットと、外部端末と通信する通信機能を有しておらず、かつ、本体ユニットに増設される付属ユニットとを含む。例えば、計測対象のブレーカの数が1台の計測ユニット(いわゆる、本体ユニット)での計測可能な回路数を上回る場合、増設ユニット(いわゆる、付属ユニット)を追加することで、計測可能な回路数を増やすことができる。複数の計測対象のブレーカ(より詳細には、計測対象のブレーカに対応する回路)の相線式の種類および電圧が同一の場合には、1台の計測ユニットでそれらの回路の電力を計測可能である。
【0040】
例えば、1台の計測ユニットで最大4回路計測できる場合、
図5に示されるように、回路番号2から8の回路に対応するブレーカは、2つの付属ユニットを増設することで計測可能となる。回路番号1の回路に対応するブレーカは、回路番号2から8のブレーカと相線式の種類は同じであるが、電圧が異なるため、1台の計測ユニット(ここでは、本体ユニット)で計測される。また、回路番号9から12の回路に対応するブレーカは、相線式の種類および電圧が同一であるため、1台の計測ユニット(ここでは、三相三線用本体ユニット)で計測される。なお、本体ユニットは、本体ユニットおよび付属ユニットで計測されたデータを管理する機能を有している。例えば、
図5の例では、単相三線用の計測ユニット(本体ユニット+2つの付属ユニット)で計測されたデータは、単相三線用本体ユニットから通信を介して外部端末へ出力され、三相三線用の計測ユニットで計測されたデータは、三相三線用本体ユニットから通信を介して外部端末へ出力される。なお、1台の計測ユニットで計測できる最大の回路数は、上記の例に限られず、設計に応じて適宜設定されてもよい。
【0041】
図6は、計測ユニットの台数の再計算結果を表示する表示画面の一例を示す図である。例えば、
図3のステップS02で入力された盤の情報に単相および三相の異種系統の相線式が含まれる場合、ユーザは、異種系統を計測可能な計測ユニット(いわゆる、異種系統計測ユニット)を使用するか否か選択が可能である。異種系統を計測可能な計測ユニットは、単相および三相のいずれの回路も1つの計測ユニットで計測可能である。
【0042】
例えば、異種系統計測ユニットを使用しない場合、ユーザは、計測ユニットの台数の算出結果を確定する「確定」ボタンをクリックし、例えば、異種系統計測ユニットを使用する場合、算出結果を変更する「変更」ボタンをクリックする。入力受付部14が算出結果を変更する指示を受け付けると、表示部15は異種系統計測ユニットを使用するか否かをユーザに選択させる選択ツールを表示する。ユーザが選択ツールの「はい」をクリックすると、入力受付部14は、異種系統計測ユニットを電力計測器の構成として使用する指示の入力を受け付ける。算出部12aは、計測ユニットの台数の再計算を行い、算出された本体ユニットの数を1つ減らし、付属ユニットの数を1つ増やす。このとき、表示部15は、再計算結果を表示してもよい。
【0043】
ここで、異種系統計測ユニットが使用される場合と、使用されない場合とについて説明する。
図7は、異種系統計測ユニットを説明するための図である。
図7の(a)は、異種系計測ユニットが1つの盤に設置される一例を示す図であり、
図7の(b)は、単相および三相の計測ユニットがそれぞれ異なる盤に設置される一例を示す図である。電灯盤は、単相の回路の電力を計測する盤であり、動力盤は、三相の回路の電力を計測する盤である。
【0044】
例えば、
図7の(a)に示されるように、電灯盤と動力盤との距離が比較的近い(例えば、1メートル以内)場合、動力盤に三相三線用の付属ユニットを配置して電圧線およびCT線を電灯盤まで這わせてもよいが、電灯盤に三相三線用の付属ユニットを配置して単相三線用の本体ユニットに三相三線用の付属ユニットを接続させてもよい。これを異種系統計測ユニットという。異種系統計測ユニットは、相線式の種類がそれぞれ異なる複数のブレーカに対応する回路の電力を計測可能な本体ユニットを有する。異種系統計測ユニットを使用することで、単相および三相のいずれの回路も1つの計測ユニットで計測可能となり、さらに、単相三線用の本体ユニットで計測データの管理および外部端末への計測データの出力を行うことも可能となる。また、本体ユニットを1つ有するだけでよいため、本体ユニットを2台使用する場合に比べて、コスト面で有利である。
【0045】
また、例えば、
図7の(b)に示されるように、電灯盤と動力盤との距離が比較的遠い(例えば、数メートル以上離間している)場合、単相三線用の本体ユニットを電灯盤に配置し、三相三線用の本体ユニットを動力盤に配置する。このように電灯盤および動力盤に個別に本体ユニットを配置することで、計測線(電圧線およびCT線)がこれらの盤間を跨ぐことがなくなるため、電力計測器の設置が容易である。
【0046】
図8は、変流器(CT)の定格の選定および個数の算出結果を表示する表示画面の一例を示す図である。CTの定格の選定では、選定部12bは、ブレーカ定格電流以上であり、かつ、ブレーカ定格電流以上の複数の定格(具体的には、CTの定格)のうち最も小さい定格のCTを選定する。
【0047】
例えば、
図8に示されるように、第1情報端末10のユーザが「選定・個数」の「CT」タブをクリックすると、表示部15は、CTの定格(より具体的には、定格電流)の選定および個数の算出画面を表示する。次に、第1情報端末10のユーザが「計算」ボタンをクリックすると、入力受付部14は、CTの定格の選定および個数の算出の指示を受け付ける。次に、選定部12bは、各回路のブレーカ定格電流に基づいて、電流計測用のCTの定格を選定する。例えば、ブレーカ定格電流が30Aおよび50Aの場合、CTの定格は、50Aであり、CT規格(例えば、製品番号)は、CT50Aである。また、例えば、ブレーカ定格電流が100Aの場合、CTの定格は、100Aであり、CT規格(製品番号)は、CT100Aである。また、例えば、ブレーカ定格電流が225Aの場合、CTの定格は、250Aであり、CT規格(製品番号)はCT250Aである。
【0048】
図9は、回路の相線式の種類および電圧と、回路の電流計測に必要なCTの個数とを示す図である。算出部12aは、各回路の相線式の種類および電圧に基づいて、各回路の電流計測に必要なCTの個数を算出する(
図9参照)。
図9に示されるように、計測対象の回路が単相二線および単相三線で電圧が1種類(例えば、100Vまたは200V)である場合、当該回路の電流計測のために必要なCTは1つである。また、計測対象の回路が単相三線で電圧が2種類(100Vおよび200V)である場合、当該回路の電流計測のために必要なCTは2つである。また、計測対象の回路が三相三線の場合、当該回路の電流計測のために必要なCTは2つである。
【0049】
次に、表示部15は、選定されたCTの定格と、各定格のCTの個数とを表示する。
【0050】
図10は、電力計測器の構成の選定結果を表示する表示画面の一例を示す図である。第1情報端末10のユーザが「結果出力」の「電力計測器の構成」タブをクリックすると、表示部15は、電力計測器の構成の選定結果を表示する。このとき、異種系統計測ユニットが使用される場合、その旨表示してもよい。
【0051】
第1情報端末10のユーザが「印刷」ボタンをクリックすると、選定結果が印刷される。また、第1情報端末10のユーザが「保存」ボタンをクリックすると、選定結果のデータが保存される。第1情報端末10は、選定結果のデータを第2情報端末20へ送信してもよい。
【0052】
[3.効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る電力計測器の選定方法は、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)による電力計測器の選定方法であって、コンピュータは、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け(S01)、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け(S02)、ステップS01およびステップS02で受け付けられた情報および指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の構成を選定する(S03)。
【0053】
このような電力計測器の選定方法では、盤の情報、および、計測対象のブレーカの選択指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる。
【0054】
例えば、実施の形態に係る電力計測器の選定方法では、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)は、入力が受け付けられた情報のうち相線式の種類、および、電圧に基づいて、電力計測器を構成する計測ユニットの数を算出する。
【0055】
このような電力計測器の選定方法は、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの相線式の種類および電圧に基づいて、計測ユニットの数を適切に算出することができる。したがって、電力計測器の選定方法は、不要な計測ユニットが誤って購入されることを低減することができる。
【0056】
例えば、実施の形態に係る電力計測器の選定方法では、電力計測器は、少なくとも1つの計測ユニットと、2つ以上の計測対象のブレーカの電流計測用の2つ以上の変流器とから構成され、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)は、入力が受け付けられた情報のうち定格電流に基づいて、電力計測器を構成する2つ以上の変流器のそれぞれの定格を選定する。
【0057】
このような電力計測器の選定方法は、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流に基づいて、電力計測器を構成する2つ以上の変流器(CT)それぞれの適切な定格を選定することができる。したがって、電力計測器の選定方法は、不要なCTが誤って購入されることを低減することができる。
【0058】
例えば、実施の形態に係る電力計測器の選定方法では、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)は、さらに、入力が受け付けられた情報のうち相線式の種類および電圧に基づいて、2つ以上の変流器の数を算出する。
【0059】
このような電力計測器の選定方法は、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの相線式、および、電圧に基づいて、電力計測器を構成する2つ以上の変流器(CT)それぞれの適切な定格を選定することができる。したがって、電力計測器の選定方法は、不要なCTが誤って購入されることを低減することができる。
【0060】
例えば、実施の形態に係る電力計測器の選定方法では、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)は、電力計測器の構成が選定された後に、選択された計測対象のブレーカを変更する指示の入力を受け付けると、当該指示に従って計測対象のブレーカを変更する。
【0061】
このような電力計測器の選定方法は、電力計測器の構成が選定された後でも、計測対象のブレーカを変更して、変更された情報に基づいて電力計測器の適切な構成を選定することができる。
【0062】
例えば、実施の形態に係る電力計測器の選定方法では、計測ユニットは、外部端末と通信する通信機能を有する本体ユニットと、外部端末と通信する通信機能を有しておらず、かつ、本体ユニットに増設される付属ユニットと、を含み、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)は、計測ユニットの数の算出において、本体ユニットの数と付属ユニットの数とを算出する。
【0063】
このような電力計測器の選定方法は、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの相線式の種類および電圧に基づいて、本体ユニットの数と付属ユニットの数とを適切に算出することができる。したがって、電力計測器の選定方法は、不要な計測ユニットが誤って購入されることを低減することができる。
【0064】
例えば、実施の形態に係る電力計測器の選定方法では、コンピュータ(例えば、第1情報端末10)は、さらに、相線式の種類がそれぞれ異なる複数のブレーカの電力を計測可能な本体ユニットを有する異種系統計測ユニットを電力計測器の構成として使用する指示の入力を受け付けると、算出された本体ユニットの数を1つ減らし、付属ユニットの数を1つ増やす。
【0065】
このような電力計測器の選定方法は、例えば現場における盤の設置態様(例えば、電灯盤および動力盤の距離)に応じて、ユーザが異種系統計測ユニットを使用するか否かを選択することができる。したがって、電力計測器の選定方法は、ユーザの要望に合わせて、電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる。
【0066】
また、実施の形態に係るプログラムは、上記のいずれかの電力計測器の選定方法を1つ以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
【0067】
このようなプログラムは、1つ以上のプロセッサに実行されることにより、盤の情報、および、計測対象のブレーカの選択指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる。
【0068】
また、実施の形態に係る電力計測器の選定システム100は、入力受付部14と、選定部12bとを備え、入力受付部14は、電力計測器が設置される盤の情報に基づいて、盤に設置される複数のブレーカそれぞれの定格電流、電圧、および、相線式の種類の情報の入力を受け付け、複数のブレーカのうち電力計測器により電力が計測される計測対象のブレーカを2つ以上選択する指示の入力を受け付け、選定部12bは、入力受付部14により受け付けられた情報および指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の構成を選定する。
【0069】
このような電力計測器の選定システム100は、盤の情報、および、計測対象のブレーカの選択指示に基づいて、盤に設置される電力計測器の適切な構成を簡単に選定することができる。
【0070】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0071】
また、上記実施の形態では、電力計測器の選定システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置によって実現されてもよい。電力計測器の選定システムが複数の装置によって実現される場合、当該システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0072】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0075】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0076】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0077】
例えば、本発明は、上記実施の形態に係るコンピュータまたはこれに相当する電力計測器の選定システムとして実現されてもよい。また、本発明は、電力計測器の選定システムなどのコンピュータが実行する電力計測器の選定方法として実現されてもよいし、このような電力計測器の選定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよい。本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0078】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 第1情報端末
12a 算出部
12b 選定部
14 入力受付部
100 電力計測器の選定システム