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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170000
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】端子座及び回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/20 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H01H73/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081411
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 佑太
(72)【発明者】
【氏名】新美 貴広
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030EA01
5G030EA02
5G030XX08
5G030XX20
5G030YY04
(57)【要約】
【課題】回路遮断器の内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる端子座及び回路遮断器を提供する。
【解決手段】
端子座は、回路遮断器に接続される電線と接触子とを電気的に接続する端子座であって、電線係止部と共に一方から延在する電線の端部と係合する係合板部と、電線係止部を載置する載置板部と、係合板部と載置板部とを連結する第1連結板部と、電線係止部に電気的に接続可能な接触子が設けられる接触子板部と、電線係止部と接触子板部とを連結する第2連結板部と、を備え、係合板部、載置板部及び第1連結板部に囲まれ、電線係止部を内部に収容可能な収容空間が画成され、載置板部、接触子板部及び第2連結板部に囲まれ、少なくとも電線の端部の延在方向に沿って貫通し、接触子と他の接触子との開閉動作が可能な開閉空間が画成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路遮断器に接続される電線と接触子とを電気的に接続する端子座であって、
電線係止部と共に一方から延在する前記電線の端部と係合する係合板部と、
前記電線係止部を載置する載置板部と、
前記係合板部と前記載置板部とを連結する第1連結板部と、
前記電線係止部に電気的に接続可能な前記接触子が設けられる接触子板部と、
前記電線係止部と前記接触子板部とを連結する第2連結板部と、
を備え、
前記係合板部、前記載置板部及び前記第1連結板部に囲まれ、前記電線係止部を内部に収容可能な収容空間が画成され、
前記載置板部、前記接触子板部及び前記第2連結板部に囲まれ、少なくとも前記電線の端部の延在方向に沿って貫通し、前記接触子と他の接触子との開閉動作が可能な開閉空間が画成される、
端子座。
【請求項2】
前記接触子板部は、前記電線係止部において係合する前記電線の端部の延在方向に沿って延在し、前記接触子を前記開閉空間に露出するように設置可能な領域を有する、請求項1に記載の端子座。
【請求項3】
前記係合板部、前記載置板部及び前記接触子板部は、前記電線係止部において係合する前記電線の端部の延在方向に沿って延在し、
前記第1連結板部は、前記係合板部及び前記載置板部の各端部を連結して延在し、
前記第2連結板部は、前記載置板部及び前記接触子板部の各端部を連結し、前記第1連結板部の延在方向に沿って延在する、請求項1又は2に記載の端子座。
【請求項4】
前記係合板部、前記載置板部、前記接触子板部、前記第1連結板部、及び前記第2連結板部の少なくとも1つは、前記回路遮断器内の電子基板と前記電線とを電気的に接続する導線が接続可能な接続領域を有する、請求項1又は2に記載の端子座。
【請求項5】
前記接続領域は、前記開閉空間に露出していない、請求項4に記載の端子座。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の端子座と、
前記端子座に設けられ、前記電線の端部と係合する電線係止部と、
前記端子座に設けられ、開閉動作により他の接触子と接触可能な接触子と、
前記端子座から見て前記電線の端部の延在方向に貫通する排気開口部が形成され、前記端子座、前記電線係止部及び前記接触子を収容する収容部と、
を備える、回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端子座及び回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回路遮断器において電線と接触子との電気的接続を介在する端子座が知られている。特許文献1には、負荷側の配線が可能であって、開閉部の固定接触子を設置可能な端子座を備える漏電遮断器が開示されている。開閉部は、負荷側端子に接続された固定接触子と、電源側端子に接続された可動接触子とを有する。漏電遮断器の中央ケースの負荷側の端部には、アークガス排出口が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-272510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路遮断器において、可動接触子と固定接触子とが開閉することで、高温のガスが発生する場合がある。特許文献1と同様の構造を持つ回路遮断器は、ケースに設けられたガス排出口からケース内のガスを排出することができる。一方で、特許文献1に記載の構造では、固定接触子を設けている板部が、ガスが流通可能であって固定接触子とガス排出口との間に形成されている空間(経路)を遮蔽するように、ケースの底部近傍から端子座まで延在している。このため、当該板部によって、ケース内で発生するガスが排出されにくくなる可能性がある。また、特許文献1に記載の構造では、可動接触子と固定接触子とが開閉する空間が、端子座より電源側に設けられるため、回路遮断器内において、負荷側の端子座周辺のスペースが有効活用できていない。このように、回路遮断器において発生するガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、回路遮断器の大型化を抑制するための省スペース化が求められている。
【0005】
本開示は、回路遮断器の内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる端子座及び回路遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る端子座は、回路遮断器に接続される電線と接触子とを電気的に接続する端子座であって、電線係止部と共に一方から延在する電線の端部と係合する係合板部と、電線係止部を載置する載置板部と、係合板部と載置板部とを連結する第1連結板部と、電線係止部に電気的に接続可能な接触子が設けられる接触子板部と、電線係止部と接触子板部とを連結する第2連結板部と、を備え、係合板部、載置板部及び第1連結板部に囲まれ、電線係止部を内部に収容可能な収容空間が画成され、載置板部、接触子板部及び第2連結板部に囲まれ、少なくとも電線の端部の延在方向に沿って貫通し、接触子と他の接触子との開閉動作が可能な開閉空間が画成される。
【0007】
この端子座は、係合板部と、載置板部と、第1連結板部と、接触子板部と、第2連結板部とを備える。端子座は、係合板部、載置板部及び第1連結板部に囲まれた収容空間において、電線係止部を収容することができ、電線の端部と係合することができる。また、載置板部、接触子板部及び第2連結板部に囲まれた開閉空間において、接触子と他の接触子とは開閉動作できる。ここで、開閉空間は、電線の端部の延在方向に沿って貫通しているため、接触子の開閉時にガスが発生する場合であっても、当該ガスは電線の端部の延在方向に流通することができる。また、端子座が収容空間と開閉空間との2つの空間を画成することで、電線の係合及び接触子同士の開閉の2つの機能を一箇所に集約することができる。よって、この端子座は、回路遮断器の内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる。
【0008】
一実施形態に係る端子座において、接触子板部は、電線係止部において係合する電線の端部の延在方向に沿って延在し、接触子を開閉空間に露出するように設置可能な領域を有してもよい。この場合、開閉空間のうち、少なくとも接触子が設けられる接触子板部が電線の端部の延在方向に沿っている。接触子が開閉空間に露出することで、接触子の開閉時に発生し得るガスを開閉空間に円滑に導くことができる。
【0009】
一実施形態に係る端子座において、係合板部、載置板部及び接触子板部は、電線係止部において係合する電線の端部の延在方向に沿って延在し、第1連結板部は、係合板部及び載置板部の各端部を連結して延在し、第2連結板部は、載置板部及び接触子板部の各端部を連結し、第1連結板部の延在方向に沿って延在してもよい。この場合、端子座は、収容空間と開閉空間とがそれぞれ電線の端部の延在方向に沿って設けられる。また、端子座において、載置板部を境界として収容空間と開閉空間との2つの空間は、第1連結板部の延在方向に沿って設けられる。これにより、特に、回路遮断器の長手方向の省スペース化を図ることができる。よって、この端子座は、回路遮断器内のスペースの無駄を抑えて、電線と係合する収容空間と接触子同士が開閉する開閉空間とを適切に確保することができる。
【0010】
一実施形態に係る端子座において、係合板部、載置板部、接触子板部、第1連結板部、及び第2連結板部の少なくとも1つは、回路遮断器内の電子基板と電線とを電気的に接続する導線が接続可能な接続領域を有してもよい。この場合、端子座の少なくとも一部位を有効活用して、回路遮断器内の電子基板への配線を行うことができる。よって、この端子座は、回路遮断器内の省スペース化を図ることができる。
【0011】
一実施形態に係る端子座において、接続領域は、開閉空間に露出していなくてもよい。この場合、導線は、ガスの流通経路となる開閉空間に露出せずに端子座に対して電気的に接続できる。よって、導線による電子基板への電力供給に対してガスの影響を抑えることができる。
【0012】
本開示の他の側面に係る回路遮断器は、上述した端子座と、端子座に設けられ、電線の端部と係合する電線係止部と、端子座に設けられ、開閉動作により他の接触子と接触可能な接触子と、端子座から見て電線の端部の延在方向に貫通する排気開口部が形成され、端子座、電線係止部及び接触子を収容する収容部と、を備える。
【0013】
この回路遮断器は、端子座と、電線係止部と、接触子と、収容部とを備える。電線係止部は、端子座の係合板部と共に電線の端部と係合することで、回路遮断器内に電力を供給することができる。接触子は、端子座に設けられて他の接触子と接触することで、例えば、電源側の端子と負荷側の端子とを電気的に接続することができる。端子座が電線と接触子とを電気的に接続するため、電線からの電力を接触子へと導くことができる。収容部には排気開口部が形成されているため、端子座において接触子同士の接触(開閉)によりガスが発生した場合であっても、回路遮断器は、端子座の開閉空間を介して収容部の排気開口部から当該ガスを排出することができる。また、端子座が収容空間と開閉空間との2つの空間を画成することで、電線の係合及び接触子同士の開閉の2つの機能を一箇所に集約することができる。よって、この回路遮断器は、その内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る端子座及び回路遮断器によれば、回路遮断器の内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る回路遮断器の右側ケースが外れた状態の一例を示す側面図である。
図2】実施形態に係る回路遮断器の右側ケースが外れた状態の一例を示す斜視図である。
図3】実施形態に係る回路遮断器の内部及び端子座の一例を示す部分斜視図である。
図4】実施形態に係る回路遮断器の内部及び端子座の一例を示す部分側面図である。
図5】実施形態に係る端子座の一例を示す斜視図である。
図6】変形例に係る端子座の一例を示す斜視図である。
図7】変形例に係る端子座における導線の接続領域の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」「前」「背」等の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0017】
図1は、実施形態に係る回路遮断器の右側ケースが外れた状態の一例を示す側面図である。図2は、実施形態に係る回路遮断器の右側ケースが外れた状態の一例を示す側面図である。図中のX方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が垂直方向である。X方向、Y方向及びZ方向は、3次元空間の直交座標系における互いに直交する軸方向である。以下では、XY平面に沿った方向を水平方向、Z方向を上下方向ともいう。
【0018】
図1及び図2に示される回路遮断器1は、電源と負荷装置との間を結ぶ電路に介在する装置であって、後述の接点部70の接触及び離間を制御して、電路の開閉を制御する。ここで、回路遮断器1は、電路の開閉状態として少なくとも開状態及び閉状態の2つの状態を取りうる。開状態とは、作業者が操作する等の外的な動作を含む作用により接点が離間し、電路に電流が流れない状態である。閉状態とは、作業者が操作する等の外的な動作を含む作用により接点が接触し、電路に電流が流れる状態である。回路遮断器1は、トリップ状態を電路の開状態として取ってもよい。トリップ状態とは、電路における過電流、短絡、漏電等の異常状態を検知して、回路遮断器1内の構造の作用により接点が離間し、電路に電流が流れない状態である。
【0019】
回路遮断器1は、収容部10と、端子座31と、板ばね32(電線係止部の一例)と、負荷側接触子72(接触子の一例)とを備える。端子座31及び板ばね32を合わせて電線係合部30と記載する場合がある。回路遮断器1は、漏電を検出する零相変流器5と、電磁引き外し装置7と、プリント基板9(電子基板の一例)と、解除レバー20と、レバー付勢ばね29と、接点移動部60とをさらに備える。プリント基板9は、電磁引き外し装置7と電気的に接続しており、漏電が発生したら電磁引き外し装置7を引き外し動作させる漏電検出回路を組み付けている。プリント基板9は、導線Lを介して端子座31と電気的に接続している。なお、プリント基板9に搭載されている素子は省略してある。回路遮断器1は、複数の接点部70と、複数の電源側端子80と、複数の負荷側端子90と、をさらに備える。回路遮断器1は、例えば、2つの接点部70A,70Bと、2つの電源側端子80A,80Bと、2つの負荷側端子90A、90Bとを備える。電線係合部30の一部は、例えば、各負荷側端子90A,90Bに設けられる構成である。詳細は後述する。
【0020】
収容部10は、解除レバー20の少なくとも一部と、電線係合部30を収容する。本実施形態の収容部10は、例えば、解除レバー20の一部、電線係合部30、零相変流器5、電磁引き外し装置7、プリント基板9、接点移動部60、複数の接点部70、複数の電源側端子80、及び、複数の負荷側端子90等の構成を収容する筐体である。収容部10は、例えば、筐体の長手方向がX方向に沿って延在している。
【0021】
収容部10は、例えば、右側ケース(不図示)と、図1に示される中央ケース10Bと、左側ケース10Cとを有する。Y方向の左側(Y方向の正方向)に向かって、右側ケース、中央ケース10B及び左側ケース10Cが順に配置されている。中央ケース10Bは、右側ケースと左側ケース10Cとの間に配置され、右側(Y方向の負方向)において右側ケースと嵌合し、左側の端部において左側ケース10Cと嵌合する。右側ケースと中央ケース10Bと左側ケース10Cとがそれぞれ嵌合することで後述の操作レバー61の一部及び解除レバー20の一部を除く各構成物が収容部10内に収容される。右側ケース、中央ケース10B及び左側ケース10Cは、互いに嵌合する際に係止可能な係止部をそれぞれ有する。右側ケースと左側ケース10Cとは、略対称に形成されている。
【0022】
収容部10には、前側(X方向の正方向)を向く面において、負荷装置から延在する電線EL(図4参照)を差し込むことが可能な複数の電線差込口11が設けられる。電線差込口11として、例えば、2つの電線差込口11A,11Bが設けられる。電線差込口11A,11Bは、右側ケース、中央ケース10B及び左側ケース10CをそれぞれX方向に向かって貫通している開口である。収容部10において、Y方向の左側に向かって、電線差込口11A,11Bが順に配置されている。
【0023】
複数の電源側端子80は、電源に電気的に接続可能な端子である。本実施形態の2つの電源側端子80A,80Bは、収容部10においてX方向の負方向を向く面(背面)に配置される。2つの電源側端子80A,80Bが設けられた背面は上下方向に沿って延在する面で形成される。例えば、右側ケース及び中央ケース10Bの背面側の上部において、電源側端子80Aが配置され、中央ケース10B及び左側ケース10Cの背面側の上部において、電源側端子80Bが配置されている。収容部10において、Y方向の左側に向かって、電源側端子80A,80Bが順に配置されている。
【0024】
複数の負荷側端子90は、負荷装置に電気的に接続可能な端子である。2つの負荷側端子90A,90Bは、収容部10においてX方向の正方向を向く面(前面)に配置され、Y方向に沿って整列して配置されている。収容部10の前面側において、Y方向の左側に向かって、負荷側端子90A,90Bが順に配置されている。2つの負荷側端子90A,90Bが設けられた前面の一部は負荷装置から延在する電線EL(図4参照)の接続操作がしやすいように傾斜して形成されている。負荷側端子90Aは、電源側端子80Aと電気的に接続可能である。負荷側端子90Bは、電源側端子80Bと電気的に接続可能である。
【0025】
図3は、実施形態に係る回路遮断器の内部及び端子座の一例を示す部分斜視図である。図2及び図3に示される各接点部70は、電源と負荷装置とを電気的に接続可能な電路の開閉を接点移動部60の動きに合わせて切り替え可能な構成である。接点部70Aは、電源側端子80Aと、負荷側端子90Aとをそれぞれ電気的に接続する。接点部70Bは、電源側端子80Bと、負荷側端子90Bとをそれぞれ電気的に接続する。接点部70は、X方向において、各電源側端子80と各負荷側端子90との間に配置される。Y方向の左側に向かって、接点部70A,70Bが順に配置されている。各接点部70は、例えば、電源側接触子71(他の接触子の一例)と、負荷側接触子72と、板状部材73とを有する。
【0026】
接点部70Aは、電源側接触子71Aと、負荷側接触子72Aと、板状部材73Aとを有する。接点部70Bは、例えば、電源側接触子71Bと、負荷側接触子72Bと、板状部材73Bとを有する。電源側接触子71A,71Bは、それぞれ電源側端子80A,80Bと電気的に接続している。負荷側接触子72A,72Bは、それぞれ負荷側端子90A,90Bと電気的に接続している。接点部70Aにおいては電源側接触子71Aと負荷側接触子72Aとが電気的に接続可能であって、接点部70Bにおいては電源側接触子71Bと負荷側接触子72Bとが電気的に接続可能である。
【0027】
各接点部70は、閉状態と開状態とを後述の接点移動部60による開閉動作により切り替えることができる。板状部材73A,73Bは、水平方向に延在する。板状部材73A,73Bは、それぞれ接点移動部60に接続され、接点移動部60の開閉動作に合わせてその前端部(X方向の正方向の端部)が上下方向に移動する。板状部材73A,73Bは、その後部(X方向の負方向側(背面側)の部分)において、一端が収容部10に接続されたばね部材(不図示)とそれぞれ接続し、上方に付勢されている。電源側接触子71A,71Bは、それぞれ板状部材73A,73Bの前端部であって下面に配置され、下方に向かって露出している。電源側接触子71A,71Bは、接点移動部60によりそれぞれ負荷側接触子72A,72Bに対して相対的に移動し、互いに接触又は離間が可能である。負荷側接触子72A,72Bは、収容部10内において位置が固定されている。負荷側接触子72A,72Bは、例えば、収容部10の下部において、上方に向かって露出するように後述の端子座31A,31Bに設けられる。
【0028】
電源側接触子71Aと負荷側接触子72Aとが接触しているとき、及び、電源側接触子71Bと負荷側接触子72Bとが接触しているとき、電路が形成される閉状態となる。電源側接触子71Aと負荷側接触子72Aとが離間しているとき、又は、電源側接触子71Bと負荷側接触子72Bとが離間しているときのいずれかの場合、電路が形成されていない開状態又はトリップ状態となる。電源側接触子71A及び負荷側接触子72A、並びに、電源側接触子71B及び負荷側接触子72Bにおいて、それぞれの接触又は離間状態が接点移動部60の開閉動作により切り替えられる。
【0029】
閉状態においては、電源と負荷装置とを電気的に接続する電路が形成される。本実施形態の電路は、例えば、電源から発された電流が電源側端子80A、電源側接触子71A、負荷側接触子72A、負荷側端子90A、負荷装置、負荷側端子90B、負荷側接触子72B、電源側接触子71B、電源側端子80Bを順に通り、最終的に電源に戻るように構成された回路である。なお、電路は、電源から発された電流が電源側端子80B、電源側接触子71B、負荷側接触子72B、負荷側端子90B、負荷装置、負荷側端子90A、負荷側接触子72A、電源側接触子71A、電源側端子80Aを順に通り、最終的に電源に戻るように構成された回路であってもよい。
【0030】
図1及び図2を再び参照する。接点移動部60は、収容部10に対して相対的に移動可能に支持され、複数の接点部70における開閉動作を制御する。接点移動部60は、操作レバー61と、板状部材73に接続する開閉機構部62と、を有する。操作レバー61は、電路に対して開閉操作、すなわち通電(オン)操作及び遮断(オフ)操作可能な治具である。操作レバー61が作業者に把持されて回動軸を中心に一方に回転されることで、開閉機構部62が下方に移動することで板状部材73A,73Bをそれぞれ下方に移動させ、電源側接触子71A,71Bを負荷側接触子72A,72Bに接触させ、電路を閉状態にする。操作レバー61が作業者に把持されて回動軸を中心に他方に回転されることで、開閉機構部62が上方に移動することで板状部材73A,73Bをそれぞれ上方に移動させ、電源側接触子71A,71Bを負荷側接触子72A,72Bから離間させ、電路を開状態にする。
【0031】
図4は、実施形態に係る回路遮断器の内部及び端子座の一例を示す部分側面図である。図2図4に示される電線係合部30は、電線ELと係合するユニットである。例えば、回路遮断器1は、複数の電線係合部30を備える。例えば、収容部10において、Y方向の左側に向かって、2つの電線係合部30A,30Bが順に配置されている。電線係合部30Aの一部は、負荷側端子90Aを構成し、電線係合部30Bの一部は、負荷側端子90Bを構成する。各電線係合部30は、例えば、端子座31と、板ばね32とを有する。すなわち、電線係合部30Aは、端子座31Aと、板ばね32Aとを有し、電線係合部30Bは、例えば、端子座31Bと、板ばね32Bとを有する。以下、1つの電線係合部30(図面では電線係合部30A)に着目して説明する。電線係合部30A及び電線係合部30Bは同一の構成を有する。
【0032】
図5は、実施形態に係る端子座の一例を示す斜視図である。図3図5に示される端子座31は、回路遮断器1に接続される電線ELと負荷側接触子72との電気的に接続する。端子座31は、板ばね32と共に負荷装置と接続可能な電線ELと係合し、当該電線と負荷側端子90とを電気的に接続する。端子座31内に挿入された電線ELの端部は、例えば、X方向に沿って延在する。端子座31は、例えば、1枚の金属板を折り曲げて形成された部材である。端子座31において、板ばね32を内部に収容可能な収容空間31aと、電源側接触子71と負荷側接触子72との開閉動作が可能な開閉空間31bとがそれぞれ画成される。収容空間31a及び開閉空間31bは、それぞれX方向に沿って貫通しており、上下方向に並んで設けられている。収容空間31aは、電線差込口11(図4参照)の背面側に形成される。収容空間31aは、例えば、右側に開口している。開閉空間31bは、収容空間31aの下方に形成される。開閉空間31bは、例えば、左側に開口している。端子座31の各部位の詳細については後述する。
【0033】
板ばね32は、端子座31において電線ELと係合する。板ばね32は、例えば、金属板が湾曲して形成された部材である。板ばね32は、その主面が上方を向き、当該主面の幅方向がY方向に沿っている。板ばね32は、収容空間31a内に収容される。板ばね32は、端子座31の一部と係合して電線ELを挟み込んで保持する。板ばね32の具体的構成は後述する。
【0034】
図3及び図4に示される解除レバー20は、回路遮断器1の収容部10内の電線ELの係合を解除するために用いられ、収容部10内に一部が収容される。解除レバー20は、例えば、電線差込口11(図4参照)より背面側に設けられる。例えば、回路遮断器1は、複数の解除レバー20を備える。例えば、収容部10において、Y方向の左側に向かって、2つの解除レバー20A,20Bが順に配置されている。解除レバー20Aは、電線係合部30Aにおける電線ELの係合を解除するために用いられ、解除レバー20Bは、電線係合部30Bにおける電線ELの係合を解除するために用いられる。以下、1つの解除レバー20に着目して説明する。解除レバー20A及び解除レバー20Bは同一の構成を有する。
【0035】
図4に示されるように、解除レバー20の下部において、回動軸21が設けられる。回動軸21は、例えば、解除レバー20に回動不能に固定されて設けられる。回動軸21は、解除レバー20の一部材として構成されていてもよく、解除レバー20に接続可能な別部材として構成されていてもよい。回動軸21は、例えば、Y方向に沿って延在し、円柱状を呈する。回動軸21は、例えば、電線差込口11の下方の中央ケース10Bに回動可能に接続される。
【0036】
再び図3及び図4を参照する。解除レバー20は、本体部22と、係合解除部23と、操作部24と、干渉部25とを備える。本体部22は、回動軸21を中心に第1方向R1及び第2方向R2に回動可能である。第1方向R1は、例えば、回動周方向のうち、電線ELの係合を解除する際に回動する方向である。第2方向R2は、後述のレバー付勢ばね29及び後述の板ばね32の係止部32aによって付勢される一方向であって、本体部22の回動周方向のうち第1方向R1とは反対方向である。本体部22は、その下端部に回動軸21が固定されている。本体部22の一部は、収容部10から回転径方向Cの外側に突出している。回転径方向Cとは、回動軸21を中心にした円の径方向を指す。回転径方向Cの外側とは、本体部22の回転径方向Cにおいて、回動軸21から見て遠ざかる側を指す。
【0037】
係合解除部23は、本体部22と共に回動軸21を中心に第1方向R1に沿って回転することで電線ELの係合を解除する。係合解除部23は、本体部22の前側において、Y方向に沿って左側に向かって突出している部位である。係合解除部23は、収容空間31a内に突出している。係合解除部23は、電線差込口11に対して背面側に設けられる。係合解除部23は、板ばね32(後述の係止部32a)に干渉可能な位置に設けられる。本体部22が第1方向R1に沿って回転することで、係合解除部23も第1方向R1に回転し、板ばね32(後述の係止部32a)の前面に当接する。本体部22がそのまま第1方向R1に沿って回転することで、係合解除部23が板ばね32(後述の係止部32a)を第1方向R1に押圧し、係止部32aの電線ELに対する係止を解除する。
【0038】
操作部24は、係合解除部23に対して回転径方向Cの外側に位置し、本体部22から回転径方向Cの外側に突出する。操作部24は、例えば、収容部10の回転径方向Cの外側に突出している。操作部24は、例えば、Y方向に沿って延在する棒状の部位である。操作部24は、例えば、本体部22の第2方向R2側に位置する外縁部22bの端部に設けられる。本体部22が第1方向R1に回動する場合、例えば、操作部24は、収容部10内に収容されない。操作部24は、作業者が操作可能な部位である。ここでの作業者の操作とは、作業者が例えば指等の力を付与する物体によって操作部24に対して第1方向R1へ力を加えることを指す。力を付与する物体とは、作業者の身体の一部であってもよいし、作業者が用いる道具であってもよい。
【0039】
干渉部25は、本体部22の背面側において、Y方向に沿って左側に向かって突出している部位である。干渉部25は、収容空間31a内に突出している。干渉部25は、電線差込口11及び係合解除部23に対して背面側に設けられる。解除レバー20が収容部10内に設けられるとき、干渉部25は、板ばね32(後述の押圧部32b)の背面側に位置する。
【0040】
レバー付勢ばね29は、解除レバー20の移動を制限する。レバー付勢ばね29は、解除レバー20の初期位置からの第1方向R1への移動量が所定の範囲に収まるように付勢する。言い換えれば、レバー付勢ばね29は、解除レバー20が初期位置に戻るように第2方向R2に向かって解除レバー20を付勢する弾性力を発揮する。解除レバー20の初期位置とは、例えば、解除レバー20の前面が収容部10の前側の内壁に当接するときの位置である。解除レバー20は、例えば、電線ELが収容部10内に挿入されていない場合にレバー付勢ばね29によって当該初期位置に位置する。解除レバー20は、例えば、電線ELの端部が収容部10内に挿入され、干渉部25に当接するまで当該初期位置に位置する。レバー付勢ばね29が解除レバー20を第2方向R2に付勢することで、作業者の押圧による解除レバー20の第1方向R1への回転移動量が所定の範囲で収まる。電線ELが収容部10内に挿入された後において、レバー付勢ばね29が解除レバー20を第2方向R2に付勢することで、干渉部25は、電線ELを端子座31の後述の係合板部31cに向かって付勢するように当接する。作業者の第1方向R1への押圧による解除レバー20の移動終了後、解除レバー20は、初期位置まで付勢される。
【0041】
レバー付勢ばね29は、例えば、収容部10の上部において、電線差込口11より背面側に設けられる。レバー付勢ばね29は、回路遮断器1の収容部10外に一部露出し、その他の部分が収容部10内に収容されている。レバー付勢ばね29の一端部は、例えば収容部10の上部に連結される。レバー付勢ばね29の他端部は、例えば解除レバー20の本体部22の上部に連結される。例えば、回路遮断器1は、複数のレバー付勢ばね29を備える。例えば、収容部10において、Y方向の左側に向かって、2つのレバー付勢ばね29A,29Bが順に配置されている(図3参照)。レバー付勢ばね29A及びレバー付勢ばね29Bは同一の構成を有する。
【0042】
以下、電線係合部30及び解除レバー20の詳細について説明する。図4及び図5に示される電線係合部30における端子座31は、例えば、背面側から前面側に向かって見てS字状に屈曲している部材である。端子座31は、係合板部31cと、載置板部31dと、第1連結板部31eと、接触子板部31fと、第2連結板部31gとを有する。
【0043】
係合板部31c、載置板部31d及び接触子板部31fは、板ばね32において係合する電線ELの端部の延在方向に沿って延在する。例えば、係合板部31c、載置板部31d及び接触子板部31fは、水平方向(又は水平方向に延在する平面より前側で上方に傾斜した平面)に沿って延在している板状の部分である。例えば、下方に向かって係合板部31c、載置板部31d及び接触子板部31fが順に並んで設けられている。第1連結板部31e及び第2連結板部31gは、例えば、X方向(電線ELの端部の延在方向)及びZ方向に沿って延在している板状の部分である。例えば、下方に向かって第1連結板部31e及び第2連結板部31gが順に並んで設けられている。
【0044】
係合板部31cは、板ばね32と共に一方から延在する電線ELの端部と係合する。本実施形態では、係合板部31cは、前面側から背面側に向かって延在する電線ELの端部を板ばね32と共に挟持する。載置板部31dは、板ばね32を載置している。第1連結板部31eは、係合板部31cと載置板部31dとを連結している。「連結している」とは、例えば、1枚の金属板で部位同士が連続していることを指す。第1連結板部31eは、例えば、係合板部31cと載置板部31dとの各端部を連結して延在している。第1連結板部31eは、例えば、係合板部31cの左端部及び載置板部31dの左端部に固定されている。係合板部31cの左端部と第1連結板部31eの上端部との連結部、及び、載置板部31dの左端部と第1連結板部31eの下端部との連結部は、それぞれ角部であってもよいし、湾曲部であってもよい。
【0045】
接触子板部31fには、負荷側接触子72が設けられる。接触子板部31fは、負荷側接触子72を開閉空間31bに露出するように設置可能な領域を有する。接触子板部31fは、例えば、当該領域として、上面の背面側の端部に負荷側接触子72を設置可能な領域を有する。第2連結板部31gは、載置板部31dと接触子板部31fとを連結している。第2連結板部31gは、例えば、載置板部31dと接触子板部31fとの各端部を連結して延在している。第2連結板部31gは、載置板部31dの右端部及び接触子板部31fの右端部に固定されている。載置板部31dの右端部と第2連結板部31gの上端部との連結部、及び、接触子板部31fの右端部と第2連結板部31gの下端部との連結部は、それぞれ角部であってもよいし、湾曲部であってもよい。負荷側接触子72は、載置板部31d、第2連結板部31g及び接触子板部31fを介して板ばね32に電気的に接続可能である。すなわち、負荷側接触子72からの電流は、接触子板部31f、第2連結板部31g、載置板部31d、第1連結板部31e及び係合板部31cの順に流れ、電線係合部30の係合板部31cに係合する電線ELに流れ、負荷装置に供給される。
【0046】
端子座31において、係合板部31c、載置板部31d及び第1連結板部31eに囲まれる収容空間31aが画成される。すなわち、収容空間31aは、係合板部31cの下面、載置板部31dの上面及び第1連結板部31eの右側面に囲まれた空間である。収容空間31aは、第1連結板部31eから見て右側に開放されている。また、端子座31において、載置板部31d、接触子板部31f及び第2連結板部31gに囲まれる開閉空間31bが画成される。すなわち、開閉空間31bは、載置板部31dの下面、接触子板部31fの上面及び第2連結板部31gの左側面に囲まれた空間である。開閉空間31bは、第2連結板部31gから見て左側に開放されている。開閉空間31b内には接点部70の各構成が収容される。接触子板部31f上に設けられた負荷側接触子72は、開閉空間31bの下部に設けられ、上方から電源側接触子71が接点移動部60によって移動してくることで、互いに接触、接近又は離間する。
【0047】
係合板部31c、載置板部31d、第1連結板部31e、接触子板部31f及び第2連結板部31gの少なくとも1つは、回路遮断器1内のプリント基板9(図1参照)と電線ELとを電気的に接続する導線Lが接続可能な接続領域33を有する。本実施形態の回路遮断器1においては、接続領域33は、例えば、第2連結板部31gに設けられる。接続領域33は、開閉空間31bに露出していない。すなわち、接続領域33は、第2連結板部31gの右側に露出している面に設けられている。導線Lの一端は、プリント基板9に接続し、導線Lの他端部には接続部LPが設けられる。接続部LPは、接続領域33において、例えば、はんだ付けされて設けられる。
【0048】
図1及び図2を参照する。ここで、収容部10の中央ケース10Bには、排気開口部10aが形成されている。排気開口部10aは、端子座31から見て電線差込口11に挿通される電線ELの端部の延在方向に貫通している。すなわち、排気開口部10aは、X方向に沿って貫通している穴部である。排気開口部10aは、例えば、開閉空間31bと収容部10外の空間とを連通している。排気開口部10aは、開閉空間31bの一部又は全部とX方向に沿って連続している。排気開口部10aは、例えば、開閉空間31bの一部又は全部と、Y方向及び上下方向において同一の位置に設けられる。
【0049】
再び図3及び図4を参照する。板ばね32は、電線ELを係止する係止部32aと、電線ELを端子座31の係合板部31cに押圧する押圧部32bと、係止部32aと押圧部32bとの間に位置する延在部32cとを有する。係止部32aが前面側、押圧部32bが背面側に配置される。延在部32cは、水平方向に沿って延在し、載置板部31d上に載置される。係止部32aは、例えば、延在部32cの前端部から、上方に向かって背面側に傾斜するように延在する。係止部32aは、例えば、背面側に傾斜するように変形可能な部位である。押圧部32bは、例えば、延在部32cの後端部から上方に向かって延在し、その先端が下方を向くように湾曲している。すなわち、押圧部32bは、上方に向かって突出している湾曲部を有する。
【0050】
電線差込口11(図3参照)から挿入された電線ELの端部は、端子座31の収容空間31a内に進入し、係止部32aの上部を背面側に押圧して、係合板部31cと係止部32aとの間の領域を広げることで当該領域を通って係止部32aの背面側に移動する。電線ELの端部は、押圧部32bの湾曲部に当接して押圧部32bを少なくとも電線ELの径だけ下方に向かって変形させる。係止部32aが、電線ELに対して上方かつ背面側に向かって引っ掛かることで、電線ELの前方への移動を抑制する。電線ELは、係止部32aの上端及び押圧部32bの湾曲部と係合板部31cの下面との間に挟まれるように位置する。このように、当該電線ELは、板ばね32によって端子座31に電気的に接続される。
【0051】
電線差込口11(図3参照)から電線ELを引き抜く場合、作業者が解除レバー20の操作部24を、レバー付勢ばね29による第2方向R2への弾性力より大きな力で第1方向R1に押圧することで、係合解除部23が第1方向R1に回転し、板ばね32の係止部32aの前面に当接する。さらに解除レバー20が第1方向R1に回転することで、係合解除部23が係止部32aを背面側かつ下方に向かって傾斜させ、係合板部31cと係止部32aとの間の領域を電線ELの径より大きくすることができる。これにより、係止部32aによる電線ELの引っかかり(係合)と係合板部31cに対する電線ELの接触とが解消されるため、作業者が電線ELを前方に引っ張ることで電線ELを電線差込口11から引き抜くことができる。電線ELの引き抜き後、作業者が操作部24への押圧を終了することで、レバー付勢ばね29及び板ばね32の係止部32aによる弾性力によって第2方向R2へ解除レバー20が付勢される。
【0052】
解除レバー20の本体部22は、例えば、X方向及び上下方向に延在する板状の中央部22aを有する。中央部22aは、端子座31の係合板部31c及び載置板部31dの右側において、収容空間31aを覆うように配置される。すなわち、中央部22aは、第1連結板部31e及び第2連結板部31gの延在方向に沿って配置される。中央部22aの下部は、下方に行くにしたがって前面側に突出しているように傾斜している。例えば、中央部22aの下端部には回動軸21が固定されている。
【0053】
本体部22は、本体部22の回転径方向Cの外側に位置する外縁部22bを有する。外縁部22bは、中央部22aの回転径方向Cの外側であって、中央部22aの上端部に設けられる。外縁部22bは、例えば、本体部22の回動時に収容部10の外縁に沿って摺動するように回動する。本体部22が第1方向R1に回動する場合、例えば、外縁部22bは、その背面側の部位が順に収容部10内に収容される。
【0054】
操作部24は、外縁部22bの一部から回転径方向Cの外側に突出する。操作部24は、例えば、本体部22の第2方向R2側(前面側)に位置する外縁部22bの端部から回転径方向Cの外側に突出している部位である。例えば、操作部24は、上下方向において第1方向R1に向かって傾斜している。例えば、操作部24の前面の一端部に対して、操作部24の前面の他端部は、第1方向R1に位置する。例えば、操作部24の背面は、回転径方向Cの外側に沿って延在している。操作部24の上部の角部は一部切り欠かれていてもよい。操作部24は、例えば、第1方向R1に向かって凹んだ凹部を有する。
【0055】
干渉部25は、解除レバー20の回動に合わせて、電線ELに対して接触、接近又は離間する。電線差込口11を介して収容部10内に電線ELが挿入されるとき、板ばね32の押圧部32bより背面側に挿入された電線ELは、干渉部25に当接して解除レバー20を少なくとも電線ELの径だけ第1方向R1に回転させ、端子座31の後述の係合板部31cと干渉部25との間に位置する。このとき、電線ELは、レバー付勢ばね29による第2方向R2へ付勢する弾性力を上回るように、背面側に向けて押圧して挿入される。挿入後は、干渉部25は、レバー付勢ばね29によって第2方向R2へ付勢され、電線ELの端部に接触又は近接する。回路遮断器1は、干渉部25の位置に基づいて電線ELの接続状態を判定し、表示装置(不図示)において接続状態を表示してもよい。干渉部25が作業者が解除レバー20の操作部24を第1方向R1へ押圧することで、干渉部25は、電線ELの端部から離間する。
【0056】
以下、回路遮断器1における接点部70において発生するガスの排出について説明する。接点部70において、電源側接触子71と負荷側接触子72とが接触して閉状態となったとき、又は、接点移動部60によって電源側接触子71と負荷側接触子72とが離間させて閉状態から開状態となってから所定の時間、高温のアーク柱が電源側接触子71と負荷側接触子72との間に形成される場合がある。この場合、高温のアーク柱によって電源側接触子71の表面及び負荷側接触子72の表面が溶融し、金属イオンが発生し、当該金属イオンが空気中に散乱することでアークガスと呼ばれる導電性ガスが発生する。当該導電性ガスは、例えば、接点部70に所定の電流値以上の電流が流れた場合に発生する高温のガスである。当該導電性ガスが接点部70に滞留すると、電源側接触子71と負荷側接触子72とが接触していなくても電源側接触子71と負荷側接触子72との間で電流が流れてしまう可能性がある。このため、回路遮断器1内から導電性ガスを排出する必要がある。
【0057】
本実施形態の回路遮断器1においては、接点部70の各構成が収容される開閉空間31bは、X方向に貫通しており、接点部70から見て前面側に位置する排気開口部10aを介して、収容部10外の空間に連通している。このとき、開閉空間31b内において排気開口部10aまで遮る構成がないため、接点部70において発生した導電性ガスは、収容部10外へ円滑に排出される。
【0058】
以上のように、本実施形態の回路遮断器1及び端子座31は、回路遮断器1の内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる。この端子座31は、係合板部31cと、載置板部31dと、第1連結板部31eと、接触子板部31fと、第2連結板部31gとを備える。端子座31は、係合板部31c、載置板部31d及び第1連結板部31eに囲まれた収容空間31aにおいて、板ばね32(電線係止部の一例)を収容することができ、電線の端部と係合することができる。また、載置板部31d、接触子板部31f及び第2連結板部31gに囲まれた開閉空間31bにおいて、負荷側接触子72(接触子の一例)と電源側接触子71(他の接触子の一例)とは開閉動作できる。ここで、開閉空間31bは、X方向(電線ELの端部の延在方向の一例)に沿って貫通しているため、負荷側接触子72と電源側接触子71との開閉時にガスが発生する場合であっても、当該ガスはX方向に流通することができる。また、端子座31が収容空間31aと開閉空間31bとの2つの空間を画成することで、電線ELの係合及び接触子同士の開閉の2つの機能を一箇所に集約することができる。よって、この端子座31は、回路遮断器1の内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる。
【0059】
また、接触子板部31fは、板ばね32において係合する電線の端部の延在方向に沿って延在し、負荷側接触子72を開閉空間31bに露出するように設置可能な領域を有している。この場合、開閉空間31bのうち、少なくとも負荷側接触子72が設けられる接触子板部31fが電線の端部の延在方向に沿っている。負荷側接触子72が開閉空間31bに露出することで、負荷側接触子72と電源側接触子71との開閉時に発生し得るガスを開閉空間31bに円滑に導くことができる。
【0060】
また、係合板部31c、載置板部31d及び接触子板部31fは、板ばね32において係合する電線ELの端部の延在方向に沿って延在し、第1連結板部31eは、係合板部31c及び載置板部31dの各端部を連結して延在し、第2連結板部31gは、載置板部31d及び接触子板部31fの各端部を連結し、第1連結板部31eの延在方向に沿って延在している。この場合、端子座31は、収容空間31aと開閉空間31bとがそれぞれX方向(電線ELの端部の延在方向の一例)に沿って設けられる。また、端子座31において、収容空間31aと開閉空間31bとの2つの空間は、載置板部31dを境界として上下方向(第1連結板部31eの延在方向の一例)に沿って設けられる。これにより、回路遮断器1の長手方向(電源側端子80と負荷側端子90とを結ぶ方向、本実施形態ではX方向)の省スペース化を図ることができる。よって、この端子座31は、回路遮断器1内のスペースの無駄を抑えて、電線ELと係合する収容空間31aと接触子同士が開閉する開閉空間31bとを適切に確保することができる。
【0061】
また、係合板部31c、載置板部31d、接触子板部31f、第1連結板部31e、及び第2連結板部31gの少なくとも1つは、回路遮断器1内のプリント基板9(電子基板の一例)と電線ELとを電気的に接続する導線Lが接続可能な接続領域33を有する。この場合、端子座31の少なくとも一部位(本実施形態では第2連結板部31g)を有効活用して、回路遮断器1内のプリント基板9への配線を行うことができる。すなわち、端子座31において、導線Lを接続させるための部位を新たに他に設けることなく、端子座31の既存の部位を活用できる。よって、この端子座31は、回路遮断器1内の省スペース化を図ることができる。
【0062】
また、接続領域33は、開閉空間31bに露出していない。この場合、導線Lは、ガスの流通経路となる開閉空間31bに露出せずに端子座31に対して電気的に接続できる。よって、導線Lによるプリント基板9への電力供給に対してガスの影響を抑えることができる。
【0063】
また、端子座31は、1枚の金属板を折り曲げて形成された部材である。この場合、端子座31を展開させた状態の形状を1枚の金属板から切り抜き、屈曲させるだけで、端子座31を形成できる。この端子座を作成するにあたって、金属板に対して他の金属部材を接合させる等の特殊な工程を実行する必要がなくなるため、工数が少なく済み、端子座31を容易に作成できる。
【0064】
また、回路遮断器1は、上述した端子座31と、端子座31に設けられ、電線ELの端部と係合する板ばね32と、端子座31に設けられ、開閉動作により電源側接触子71と接触可能な負荷側接触子72と、端子座31から見て電線ELの端部の延在方向に貫通する排気開口部10aが形成され、端子座31、板ばね32及び負荷側接触子72を収容する収容部10と、を備える。板ばね32は、端子座31の係合板部31cと共に電線ELの端部と係合することで、回路遮断器1内に電力を供給することができる。負荷側接触子72は、端子座31に設けられて電源側接触子71と接触することで、例えば、電源側端子80と負荷側端子90とを電気的に接続することができる。端子座31が電線と負荷側接触子72とを電気的に接続するため、電線ELからの電力を負荷側接触子72へと導くことができる。収容部10には排気開口部10aが形成されているため、端子座31において接触子同士の接触(開閉)によりガスが発生した場合であっても、回路遮断器1は、端子座31の開閉空間31bを介して収容部10の排気開口部10aから当該ガスを排出することができる。また、端子座31が収容空間31aと開閉空間31bとの2つの空間を画成することで、電線ELの係合及び接触子同士の開閉の2つの機能を一箇所に集約することができる。よって、この回路遮断器1は、その内部において、ガスが流通可能な経路を適切に確保しつつ、省スペース化できる。
【0065】
[変形例]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、本開示は、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。例えば、回路遮断器1の他に、電源及び負荷装置の少なくとも1つを備える回路遮断器システムを一体的に形成してもよい。
【0066】
例えば、回路遮断器1において、接点部70は、電源側端子80及び負荷側端子90の数は限定されない。接点部70は、1又は3以上の電源側端子80を有していてもよく、1又は3以上の負荷側端子90を有していてもよい。この場合、電源側接触子71及び負荷側接触子72の数も限定されない。
【0067】
接触子板部31fは、板ばね32において係合する電線ELの端部の延在方向に沿って延在しなくてもよい。接触子板部31fは、少なくとも負荷側接触子72が露出している空間が開閉空間31bに連通するように設置可能な領域を有してもよい。
【0068】
係合板部31c、載置板部31d及び接触子板部31fは、板ばね32において係合する電線ELの端部の延在方向に沿って延在しなくてもよい。第2連結板部31gは、第1連結板部31eの延在方向に沿って延在していなくてもよい。この場合、少なくとも開閉空間31bが排気開口部10aに連通するように載置板部31d、接触子板部31f及び第2連結板部31gが開閉空間31bを画成していればよい。係合板部31c、載置板部31d、第1連結板部31e、接触子板部31f及び第2連結板部31gのそれぞれは、一部が湾曲又は屈曲していてもよい。係合板部31c、載置板部31d、第1連結板部31e、接触子板部31f及び第2連結板部31gのそれぞれにおいて、軽量化又は他の部材との連結のために一部に開口が形成されていてもよい。
【0069】
係合板部31c、載置板部31d、接触子板部31f、第1連結板部31e、及び第2連結板部31gは、導線Lが接続可能な接続領域33を有さなくてもよい。本実施形態では第2連結板部31gが接続領域33を有していたが、接続領域33は、他の係合板部31c、載置板部31d、接触子板部31f及び第1連結板部31eのいずれかに設けられてもよく、係合板部31c、載置板部31d、接触子板部31f、第1連結板部31e、及び第2連結板部31gのうち、複数の部位に設けられてもよい。
【0070】
接続領域33は、開閉空間31bに露出していてもよい。この場合、接続領域33は、例えば、Y方向又は上下方向において排気開口部10aと異なる位置に設けられてもよい。これにより、ガスの排出経路から離間した位置に設けることが可能となる。また、接触子板部31fが係合板部31cの上方に設けられ、第2連結板部31gが係合板部31c及び接触子板部31fと連結して固定されていてもよい。このとき、開閉空間31bは、収容空間31aの上方に画成される。
【0071】
端子座31は、1枚の金属板を折り曲げて形成された部材でなくてもよい。この場合、端子座31は、複数の金属部材から形成されてもよい。端子座31は、金属板を屈曲させた形状であってもよく、金属板を湾曲させた形状であってもよい。
【0072】
端子座31の形状は、上述の実施形態の形状に限定されず、例えば以下のような形状であってもよい。図6は、変形例に係る端子座の一例を示す斜視図である。変形例において、実施形態と同一名称であって符号のみが異なる構成は、特に記載がない限り、実施形態の構成と同一の機能を有する。図6(a)は、変形例に係る端子座の一例を示す部分平面図である。図6(a)に示される端子座131と実施形態に係る端子座31とは、載置板部31d及び接触子板部31fに対して第2連結板部31gが連結する位置が異なり、載置板部31dの形状が異なる。
【0073】
端子座131は、例えば、背面側から前面側に向かって見てE字状に屈曲している部材である。端子座131は、係合板部131cと、載置板部131dと、第1連結板部131eと、接触子板部131fと、第2連結板部131gとを有する。収容空間131aは、係合板部131cの下面、載置板部131dの上部の上面及び第1連結板部131eの右側面に囲まれた空間である。第2連結板部131gは、載置板部131dの左端部及び接触子板部131fの左端部に固定されている。開閉空間131bは、載置板部131dの下部の下面、接触子板部131fの上面及び第2連結板部131gの右側面に囲まれた空間である。開閉空間131bは、第2連結板部131gから見て右側に開放されている。第2連結板部131gに接続領域133が設けられるとき、接続領域133が開閉空間131bに露出していないように、第2連結板部131gの左側に露出している面に設けられている。また、載置板部131dは、水平方向(又は水平方向に延在する平面より前側で上方に傾斜した平面)に延在する面を有し、下方に向かって折り曲げられた形状を有する。載置板部131dは、第1連結板部131eの下端部に連結している箇所から所定の長さだけ右側に延在し、第2連結板部131gの上端部に連結可能なように下方に向かって屈曲(湾曲)して左側に延在する。載置板部131dが当該形状を呈することで、端子座131を展開させた状態の形状を1枚の金属板から切り抜き、屈曲(湾曲)させるだけで、端子座131を形成できる。
【0074】
図6(b)は、変形例に係る端子座の一例を示す部分平面図である。図6(b)に示される端子座231と実施形態に係る端子座31とは、載置板部31d及び接触子板部31fに対して第2連結板部31gが連結する位置が異なり、載置板部31dの形状が異なる。端子座231は、例えば、背面側から前面側に向かって見てE字状に屈曲している部材である。端子座231は、係合板部231cと、載置板部231dと、第1連結板部231eと、接触子板部231fと、第2連結板部231gとを有する。第2連結板部231gは、第1連結板部231eと連続している。収容空間231aは、係合板部231cの下面、載置板部231dの上面及び第1連結板部231eの右側面に囲まれた空間である。第2連結板部231gは、第1連結板部231eの下端部及び接触子板部231fの左端部に固定されている。開閉空間231bは、載置板部231dの下面、接触子板部231fの上面及び第2連結板部231gの右側面に囲まれた空間である。開閉空間231bは、第2連結板部231gから見て右側に開放されている。第2連結板部231gに接続領域233が設けられるとき、接続領域233が開閉空間231bに露出していないように、第2連結板部231gの左側に露出している面に設けられている。
【0075】
また、載置板部231dは、水平方向(又は水平方向に延在する平面より前側で上方に傾斜した平面)に延在する複数の部位である。当該複数の部位は、X方向に沿って設けられている。載置板部231dは、第1連結板部231eの下端部の複数の位置から右側に延在する。図6(b)では、載置板部231dは、第1連結板部231eの下端部において、X方向において第2連結板部231gを挟んだ2つの位置からそれぞれ右側に延在するように2つの部位が設けられる。これにより、開閉空間231bは、当該2つの部位の間から上方に開放されている。なお、載置板部231d上には、板ばね32が当該2つの部位上に載置されるため、接点部におけるガスの排気経路となることはない。載置板部231d及び第2連結板部231gが当該形状を呈することで、端子座231を展開させた状態の形状を1枚の金属板から切り抜き、屈曲(湾曲)させるだけで、端子座231を形成できる。
【0076】
端子座31の接続領域33における導線Lの接続部LPの接続方法は、上述の実施形態の形状に限定されず、例えば以下のような方法であってもよい。図7は、変形例に係る端子座における導線の接続領域の一例を示す斜視図である。変形例において、実施形態と同一名称であって符号のみが異なる構成は、特に記載がない限り、実施形態の構成と同一の機能を有する。図7(a)は、変形例に係る端子座における導線の接続領域の一例を示す斜視図である。図7(a)に示される接続部LPAは、接続領域33Aにおいて、例えば、ダボカシメによって第2連結板部31gに固定されて設けられる。図7(b)は、変形例に係る端子座における導線の接続領域の一例を示す斜視図である。図7(b)に示される接続部LPBは、接続領域33Bにおいて、例えば、リベットによって第2連結板部31gに固定されて設けられる。
【0077】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[形態1]~[形態6]に記載する。
【0078】
[形態1]
回路遮断器に接続される電線と接触子とを電気的に接続する端子座であって、
電線係止部と共に一方から延在する前記電線の端部と係合する係合板部と、
前記電線係止部を載置する載置板部と、
前記係合板部と前記載置板部とを連結する第1連結板部と、
前記電線係止部に電気的に接続可能な前記接触子が設けられる接触子板部と、
前記電線係止部と前記接触子板部とを連結する第2連結板部と、
を備え、
前記係合板部、前記載置板部及び前記第1連結板部に囲まれ、前記電線係止部を内部に収容可能な収容空間が画成され、
前記載置板部、前記接触子板部及び前記第2連結板部に囲まれ、少なくとも前記電線の端部の延在方向に沿って貫通し、前記接触子と他の接触子との開閉動作が可能な開閉空間が画成される、
端子座。
[形態2]
前記接触子板部は、前記電線係止部において係合する前記電線の端部の延在方向に沿って延在し、前記接触子を前記開閉空間に露出するように設置可能な領域を有する、[形態1]に記載の端子座。
[形態3]
前記係合板部、前記載置板部及び前記接触子板部は、前記電線係止部において係合する前記電線の端部の延在方向に沿って延在し、
前記第1連結板部は、前記係合板部及び前記載置板部の各端部を連結して延在し、
前記第2連結板部は、前記載置板部及び前記接触子板部の各端部を連結し、前記第1連結板部の延在方向に沿って延在する、[形態1]又は[形態2]に記載の端子座。
[形態4]
前記係合板部、前記載置板部、前記接触子板部、前記第1連結板部、及び前記第2連結板部の少なくとも1つは、前記回路遮断器内の電子基板と前記電線とを電気的に接続する導線が接続可能な接続領域を有する、[形態1]~[形態3]の何れか一項に記載の端子座。
[形態5]
前記接続領域は、前記開閉空間に露出していない、[形態4]に記載の端子座。
[形態6]
[形態1]~[形態5]の何れか一項に記載の端子座と、
前記端子座に設けられ、前記電線の端部と係合する電線係止部と、
前記端子座に設けられ、開閉動作により他の接触子と接触可能な接触子と、
前記端子座から見て前記電線の端部の延在方向に貫通する排気開口部が形成され、前記端子座、前記電線係止部及び前記接触子を収容する収容部と、
を備える、回路遮断器。
【符号の説明】
【0079】
1…回路遮断器、9…プリント基板(電子基板の一例)、10…収容部、10a…排気開口部、11…電線差込口、20,20A,20B…解除レバー、21…回動軸、22…本体部、23…係合解除部、24…操作部、30,30A,30B…電線係合部、31,31A,31B…端子座、31a,131a,231a…収容空間、31b,131b,231b…開閉空間、31c,131c,231c…係合板部、31d,131d,231d…載置板部、31e,131e,231e…第1連結板部、31f,131f,231f…接触子板部、31g,131g,231g…第2連結板部、32,32A,32B…板ばね(電線係止部の一例)、32a…係止部、32b…押圧部、33,33A,33B…接続領域、70,70A,70B…接点部、71,71A,71B…電源側接触子(他の接触子の一例)、72,72A,72B…負荷側接触子(接触子の一例)、80,80A,80B…電源側端子、90,90A,90B…負荷側端子、C…回転径方向、EL…電線、L…導線、LP,LPA,LPB…接続部、R1…第1方向、R2…第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7