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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170021
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081452
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】加藤 良太
(72)【発明者】
【氏名】田房 英樹
(72)【発明者】
【氏名】倉本 悠司
(72)【発明者】
【氏名】三東 隼司
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA23
2C333CA53
2C333CA79
2C333DA01
2C333FA05
2C333FA09
2C333FA16
(57)【要約】
【課題】遊技権が確保されているかを認識させ易くした遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、データに基づいて遊技を行うことを可能に構成された遊技機は、待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能であり、特定設定は、遊技権の確保に関する設定であり、特別演出の実行中、演出操作部が操作されることによって、特定設定に設定可能であり、特定設定に設定されると、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能であり、特定演出の終了条件は、複数種類ある。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を行うことを可能に構成された遊技機において、
待機状態に制御可能な制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
所定の操作が可能な操作手段と、を備え、
前記待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能であり、
前記特定設定は、遊技権の確保に関する設定であり、
前記特別演出の実行中、前記操作手段が操作されることによって、前記特定設定に設定可能であり、
前記特定設定に設定されると、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能であり、
前記特定演出の終了条件は、複数種類ある遊技機。
【請求項2】
前記操作手段の操作によって、前記特定演出の演出時間を設定可能である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記操作手段の操作によって、前記特定演出の終了条件を設定可能である請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の中には、遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、そのデータに基づいて遊技を行うことが可能な遊技機がある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-166002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような遊技機では、遊技権を確保している遊技者が所持する遊技価値を物理的に確認することができないため、遊技機の遊技権を他の遊技者が確保しているか否かを、新たに遊技を行おうとする遊技者に認識させ難い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を行うことを可能に構成された遊技機において、待機状態に制御可能な制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、所定の操作が可能な操作手段と、を備え、前記待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能であり、前記特定設定は、遊技権の確保に関する設定であり、前記特別演出の実行中、前記操作手段が操作されることによって、前記特定設定に設定可能であり、前記特定設定に設定されると、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能であり、前記特定演出の終了条件は、複数種類あることを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記操作手段の操作によって、前記特定演出の演出時間を設定可能であるようにしてもよい。
上記遊技機について、前記操作手段の操作によって、前記特定演出の終了条件を設定可能であるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技権が確保されているかを認識させ易くした遊技機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】パチンコ遊技機、及びカードユニットを正面からみたときの図である。
図2図1のパチンコ遊技機が備える遊技盤を示す図である。
図3図1のパチンコ遊技機が備える計数操作部、計数報知部、及び第2球数表示部の拡大図である。
図4図1のパチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
図5図1のパチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
図6】(a)~(d)は、待機状態の演出態様の一例を説明する説明図である。
図7】特定演出の演出態様の一例を説明する説明図である。
図8】特定予告演出の演出態様の一例を説明する説明図である。
図9】特別演出の終了条件の一例を説明する説明図である。
図10】特定演出の終了条件の一例を説明する説明図である。
図11】特別演出、及び特定演出の実行態様の具体的な一例を説明する説明図である。
図12】第2実施形態における特別演出、及び特定演出の実行態様の具体的な一例を説明する説明図である。
図13】第2実施形態における特別演出、及び特定演出の実行態様の具体的な一例を説明する説明図である。
図14】第3実施形態における第2遊技状態中の待機状態の演出態様の一例を説明する説明図である。
図15】第3実施形態における規制時間の一例を説明する説明図である。
図16】第4実施形態における選択演出の演出態様の一例を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機の第1実施形態を説明する。
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理装置の一例である管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、外部ユニットの一例である。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10に併設される。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と通信可能に接続される。
【0010】
管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第1管理球数PAと示す)を記憶可能である。遊技球は、遊技価値の一例である。第1管理球数PAは、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報、又は支払金の残額(プリペイド残額)を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された残額に加算される。一例として、現金は、紙幣及び硬貨の何れであってもよい。
【0011】
管理ユニット100は、操作パネル110を備える。操作パネル110は、玉貸操作部111、払出操作部112、返却操作部113、第1球数表示部114、及び残額表示部115を備える。玉貸操作部111は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第2管理球数PBと示す)を増加させるときに操作される。第2管理球数PBは、パチンコ遊技機10が管理するデータである。払出操作部112は、第1管理球数PAに基づいて、第2管理球数PBを増加させるときに操作される。管理球数PA,PBは、持ち球数の一例である。
【0012】
返却操作部113は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。第1球数表示部114には、第1管理球数PAを特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部115には、支払金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
【0013】
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板120(以下、CU制御基板120と示す)を備える。CU制御基板120は、CPU120aと、ROM120bと、RAM120cと、を備える。CPU120aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の処理を行う。ROM120bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。RAM120cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM120cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。管理ユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子120dを備える。
【0014】
CU制御基板120は、媒体挿入部101と接続される。CPU120aは、媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書換え可能に構成される。CU制御基板120は、現金投入部102と接続される。CPU120aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力する投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
【0015】
CU制御基板120は、操作パネル110と接続される。CPU120aは、玉貸操作部111が操作されたときに出力する玉貸信号を入力可能に構成される。CU制御基板120は、払出操作部112が操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成される。CPU120aは、返却操作部113が操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成される。CPU120aは、第1球数表示部114の表示内容を制御可能に構成される。CPU120aは、残額表示部115の表示内容を制御可能に構成される。
【0016】
CU制御基板120は、通信端子120dを介してパチンコ遊技機10と接続される。CPU120aは、パチンコ遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成される。CPU120aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成される。管理ユニット100は、通信端子120dからパチンコ遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、CU制御基板120(CPU120a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CPU120aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
【0017】
管理ユニット100は、外部機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータである。外部機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、相互に通信可能に接続されることが好ましい。
【0018】
管理ユニット100にて実行される処理について説明する。
CPU120aは、媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び第1管理球数PAを読み出し、RAM120cに記憶させる。そして、CPU120aは、管理媒体が挿入されている場合に、以下に説明する処理を行う。
【0019】
CPU120aは、現金投入部102から投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を残額に加算する。CPU120aは、残額が0ではないとき、玉貸操作部111から玉貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技球の付与を特定可能な付与情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、残額が0であるとき、玉貸信号を入力しても付与情報を出力しない。
【0020】
CPU120aは、第1管理球数PAが1以上であるとき、払出操作部112から払出信号を入力すると、第1管理球数PAを所定数だけ減算し、当該所定数の遊技球の付与を特定可能な付与情報をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、第1管理球数PAが0であるとき、払出信号を入力しても、付与情報を出力しない。このように、付与情報は、付与球数を特定可能である。CPU120aは、パチンコ遊技機10から計数情報を入力すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を第1管理球数PAに加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、遊技者がパチンコ遊技機10での遊技を終了するときに出力される制御情報であって、管理ユニット100へと管理を移管する遊技球の個数を特定可能である。
【0021】
CPU120aは、第1球数表示部114を制御し、その時々の第1管理球数PAを特定可能な情報を表示させる。第1管理球数PAは、第1球数表示部114においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、残額表示部115を制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示させる。残額は、残額表示部115においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、返却操作部113から返却信号を入力すると、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを管理媒体に記憶させるとともに、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数PAを初期化する。CPU120aは、管理媒体が媒体挿入部101から排出されるように、媒体挿入部101を制御する。
【0022】
パチンコ遊技機10について説明する。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、規定数の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。パチンコ遊技機10は、機内部にて遊技球を循環させる循環式の遊技機の一例である。つまり、パチンコ遊技機10は、遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、データに基づいて遊技を行うことを可能に構成された遊技機の一例である。このため、パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する貯留部を備えない。遊技球は、磁性体及び非磁性体の何れであってもよい。パチンコ遊技機10は、原則として、遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
【0023】
パチンコ遊技機10は、貸し玉数Pb、獲得球数Pc、及び発射球数Pdに基づいて、第2管理球数PBを電磁的に管理する。貸し玉数Pbは、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数Pcは、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数Pdは、遊技者が発射した遊技球の個数である。
【0024】
パチンコ遊技機10は、枠11を備える。枠11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。パチンコ遊技機10は、枠11b,11cを施錠する施錠装置(不図示)を備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して枠11b,11cを開放できないように構成される。
【0025】
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声部12を備える。演出音声部12は、搭載枠11bの前面側に配設される。演出音声部12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。一例として、演出音声部12は、搭載枠11bに配設される。
【0026】
パチンコ遊技機10は、演出発光部13を備える。演出発光部13は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、報知発光と示す)を実行可能である。演出発光部13は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。一例として、演出発光部13は、搭載枠11bに配設される。演出発光部13は、後述の遊技盤20に配設される。
【0027】
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作を可能な発射操作部15を備える。発射操作部15は、搭載枠11bの前面側に配設される。パチンコ遊技機10は、発射操作部15の操作に応じた発射強度にて遊技球を打ち出すように構成される。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える(図5参照)。
【0028】
タッチセンサD01は、発射操作部15の側面を囲うように配設された通電リング15bに接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15を把持し、遊技者の手指が通電リング15bに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15bに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15に触れていることを検知する手段の一例である。
【0029】
発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタン15cが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15cが操作されるとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。発射停止ボタン15cは、遊技球の発射を停止させる操作が可能な手段の一例である。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
【0030】
パチンコ遊技機10は、演出操作部16を備える。演出操作部16は、所定の操作が可能な操作手段の一例である。演出操作部16は、押下操作を可能なボタン型、表示装置を兼用するタッチセンサ型、又はレバー型であるとよい。
【0031】
図1及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、第2管理球数PBを特定可能な情報を表示する第2球数表示部17を備える。本実施形態の一例において、第2球数表示部17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。第2球数表示部17は、所定の文字を表示する態様で、所定の情報の報知を実行可能である。
【0032】
パチンコ遊技機10は、計数操作部18を備える。計数操作部18は、遊技者がパチンコ遊技機10における遊技を終了するときに操作される。計数操作部18は、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作部18を用いた計数操作が許容される。計数操作部18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。パチンコ遊技機10は、計数報知部18aを備える。計数報知部18aは、計数可能状態であるか否かを報知する手段の一例である。一例として、演出操作部16、第2球数表示部17、計数操作部18、及び計数報知部18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
【0033】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成される。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。遊技領域20aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成される。遊技盤20は、発射操作部15の操作によって発射された遊技球が打出通路20cへ逆戻りすることを防止する逆戻り防止弁20dを備えている。遊技盤20は、発射操作部15の操作によって発射された遊技球のうち遊技領域20aへ到達した遊技球(以下、「有効球」と示す)を検知する有効球センサD11を備える(図5参照)。一例として、有効球センサD11は、逆戻り防止弁20dの遊技領域20a側近傍に設けられる。有効球センサD11は、遊技球(有効球)を検知した場合に、有効球信号を出力する。遊技領域20a、打出通路20c、及び逆戻り防止弁20dは、保護枠11cの保護ガラス(不図示)によって覆われている。
【0034】
遊技盤20は、各種の情報を表示する情報表示装置21を備える。情報表示装置21は、第1特別図柄表示部21a、第2特別図柄表示部21b、第1保留表示部21c、第2保留表示部21d、普通図柄表示部21e、及び普通保留表示部21fを含む。一例として、複数の表示部21a~21fは、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
【0035】
第1特別図柄表示部21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示部21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
【0036】
第1保留表示部21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0037】
普通図柄表示部21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
【0038】
普通保留表示部21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置21には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
【0039】
パチンコ遊技機10は、演出表示部19を備える。演出表示部19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。演出表示部19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示部19は、液晶装置である。演出表示部19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。演出表示部19は、所定の画像を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
【0040】
ここで、演出音声部12、演出発光部13、及び演出表示部19は、何れも所定の演出を実行可能な演出部であり、複数の演出部からなる演出装置ESを構成する。上述のように、演出音声部12、演出発光部13、及び演出表示部19は、何れも所定の報知を実行可能な報知部である。演出装置ESは、報知装置として把握することも可能である。演出装置ESに含まれる演出部及び報知部は、演出音声部12、演出発光部13、及び演出表示部19であることに限定されず、これらの演出部の一部を省略した構成であってもよい。演出装置ESは、これらの演出部及び報知部に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する演出可動部を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動部を備えてもよい。演出装置ESは、演出を実行する演出実行手段の一例である。パチンコ遊技機10は、演出装置ESによって、各種報知を実行可能な遊技機である。
【0041】
例えば、演出表示部19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて実行される。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0042】
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口23が形成されている。これら複数の入賞口23は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口23は、第1始動口23Aと、第2始動口23Bと、大入賞口23Cと、普通入賞口23Dと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口23とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0043】
第1始動口23Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23Aは、演出表示部19の下方にある。第1始動口23Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口23Aへ入球した遊技球を検知する第1始動センサD12を備える(図5参照)。
【0044】
第2始動口23Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口23Bは、第1始動口23Aの右方にある。第2始動口23Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片23Baを備える。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口23Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図5参照)。また、遊技盤20は、第2始動口23Bへ入球した遊技球を検知する第2始動センサD13を備える(図5参照)。普通開閉片23Baは、所謂「普通電動役物」である。
【0045】
大入賞口23Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口23Cは、演出表示部19の右下方にある。大入賞口23Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片23Caを備える。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口23Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図5参照)。また、遊技盤20は、大入賞口23Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD14を備える(図5参照)。
【0046】
普通入賞口23Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口23Dは、演出表示部19の左下方、及び演出表示部19の右下方にそれぞれある。普通入賞口23Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口23Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD15を備える(図5参照)。
【0047】
遊技盤20は、ゲート24を備える。一例として、ゲート24は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの上方にある。ゲート24には、ゲート口24aが形成されている。ゲート口24aは、常に遊技球を入球させることができるように開放される。ゲート24は、ゲート口24aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD16を有する(図5参照)。ゲート24は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート24は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0048】
遊技盤20には、アウト口25が形成されている。一例として、アウト口25は、遊技領域20aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dの何れにも入球しなかった場合に、アウト口25へ入球する。複数の入賞口23、及びアウト口25は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を返却するための返却口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口23、又はアウト口25へ入球すると、遊技盤20から排出される。以下、複数の入賞口23又はアウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
【0049】
遊技者は、発射操作部15を操作することにより、遊技球の発射強度を調整することができる。つまり、遊技者は、表示窓口20bより左方にある左方領域と、表示窓口20bより右方にある右方領域と、に遊技球を打ち分けることができる。遊技球は、右方領域を流下する場合に、第2始動口23B、大入賞口23C、普通入賞口23D、又はゲート24へ入球する可能性がある。遊技球は、左方領域を流下する場合に、第1始動口23A、又は普通入賞口23Dへ入球する可能性がある。
【0050】
枠11(搭載枠11b)は、図示しない遊技球の流通機構を備える。流通機構は、回収機構、循環機構、発射機構、及び球抜き機構を含む。回収機構は、搭載枠11bに形成される。回収機構は、遊技盤20(遊技領域20a)から排出された遊技球を循環機構へ案内する。回収機構は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。遊技球は、遊技盤20から回収機構に受け入れられた場合に、回収機構を構成する通路を流下することにより、循環機構へ到達し得る。
【0051】
循環機構は、搭載枠11bに形成される。循環機構は、回収機構から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構は、遊技球を揚上する。発射機構は、搭載枠11bに形成される。遊技球は、循環機構によって搬送された場合に、発射機構に受け入れられる。発射機構は、循環機構によって搬送された遊技球を、遊技領域20aへ向けて発射し得る。一例として、発射機構は、遊技球の発射動作を可能に構成された発射部を備える。発射部は、発射ハンマー(不図示)と、発射ハンマーを駆動する発射ソレノイド(不図示)と、を含む。発射ソレノイドは、モータであってもよい。遊技球は、発射ハンマーに打撃されることによって、打出通路20cを経て、遊技領域20aへ打ち出される。球抜き機構は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構は、回収機構、循環機構、及び発射機構にある遊技球を抜き取るための機構である。
【0052】
流通機構における遊技球の流れについて説明する。遊技球が、発射機構によって発射されたとする。遊技球は、遊技領域20aへ到達し得る。遊技球は、遊技領域20aに到達すると、複数の入賞口23又はアウト口25へ入球する。遊技球は、遊技盤20に形成された排出口(不図示)から、回収機構へ排出される。遊技球は、回収機構を通って、循環機構へ到達する。遊技球は、循環機構によって、搬送される。これにより、遊技球は、発射機構へ戻る。
【0053】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が実行される。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口23Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として実行される。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口23Cは、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が実行される。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が実行される。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0054】
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0055】
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口23Bへの入球率を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口23Bへの入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高まり、第2始動口23Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0056】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0057】
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0058】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板(主制御基板)80、演出制御基板(副制御基板)81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。枠制御基板82は、各種の制御を実行できる制御部の一例である。複数の制御基板は、施錠装置(不図示)を解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセスできない位置に設けられるとよい。
【0059】
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へ一方向に制御情報(制御コマンドなど)を出力可能となるように接続される。遊技制御基板80は、所定の処理を実行し、演出制御基板81へ制御情報を出力する。演出制御基板81は、遊技制御基板80から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に制御情報を出力可能となるように接続される。パチンコ遊技機10の枠制御基板82と、管理ユニット100のCU制御基板120とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。
【0060】
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット99は、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることにより、電力供給を可能に構成される。
【0061】
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図5に示すように、遊技制御基板80は、遊技制御CPU80aと、遊技制御ROM80bと、遊技制御RAM80cと、乱数生成回路80dと、を備える。遊技制御CPU80aは、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。遊技制御ROM80bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。遊技制御ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
【0062】
遊技制御RAM80cは、遊技制御CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、遊技制御RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。遊技制御RAM80cは、情報を記憶可能な手段の一例である。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、遊技制御CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
【0063】
遊技制御基板80は、有効球センサD11、第1始動センサD12、第2始動センサD13、カウントセンサD14、普通センサD15、及びゲートセンサD16と接続される。遊技制御CPU80aは、各球センサD11~D16が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。遊技制御基板80は、各表示部21a~21fと接続される。遊技制御CPU80aは、各表示部21a~21fの表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、各ソレノイドSL1,SL2と接続される。遊技制御CPU80aは、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの開放態様を制御可能である。
【0064】
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、演出制御CPU81aと、演出制御ROM81bと、演出制御RAM81cと、を備える。演出制御CPU81aは、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。演出制御ROM81bは、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。演出制御ROM81bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。演出制御RAM81cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、演出制御RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、演出制御CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0065】
演出制御基板81は、演出表示部19と接続される。演出制御CPU81aは、演出表示部19の表示内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出音声部12と接続される。演出制御CPU81aは、演出音声部12の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出発光部13と接続される。演出制御CPU81aは、演出発光部13の発光態様を制御可能である。
【0066】
枠制御基板82について詳しく説明する。
図4に示すように、枠制御基板82は、枠制御CPU82a、枠制御ROM82b、枠制御RAM82c、及び発射許可回路82dを備える。枠制御CPU82aは、枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。枠制御ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶している。枠制御RAM82cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、枠制御RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
【0067】
発射許可回路82dは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力する。一例として、発射許可信号は、第2管理球数PBが零であるとき、オフ状態となる。一例として、発射許可信号は、第2管理球数PBが1以上であるとき、オン状態となる。
【0068】
枠制御基板82は、計数操作部18と接続される。枠制御CPU82aは、計数操作部18が出力する計数信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、第2球数表示部17と接続される。枠制御CPU82aは、第2球数表示部17の表示内容を制御可能に構成される。
【0069】
枠制御基板82は、管理ユニット100と接続される。枠制御CPU82aは、CU制御基板120が出力する各種の電文を入力可能(受信可能)に構成される。なお、管理ユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98から枠制御CPU82aを経由せずに発射許可回路82dへと入力される。発射許可回路82dには、発射禁止信号も入力される。発射禁止信号は、遊技制御基板80、及び枠制御基板82のそれぞれから入力し得る。
【0070】
発射制御基板83は、発射部の動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイドに対して駆動信号を出力する。
【0071】
発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、これらのスイッチやセンサが出力するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイドと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイドに対して駆動信号を出力することにより、発射ソレノイドが駆動し、発射ハンマーが遊技球を打撃する。つまり、発射制御基板83は、発射部による遊技球の発射動作を制御可能に構成される。
【0072】
発射制御回路83aは、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力しない。
【0073】
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイドへ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイドは、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度にて駆動し、遊技球が発射される。発射制御回路83aは、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。上述したように、発射許可信号は、第2管理球数PBが零であるとき、オフ状態である。このため、第2管理球数PBが零であるとき、遊技球は、発射されない。
【0074】
枠制御基板82(枠制御CPU82a)が実行する処理について説明する。
遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報記憶処理は、遊技制御基板80から入力する遊技情報を枠制御RAM82cに記憶する処理である。遊技情報は、遊技制御基板80から所定の周期毎に出力される。一例として、遊技情報は、遊技制御基板80から108ms毎に出力される。枠制御CPU82aは、遊技状態を特定可能な遊技情報を入力すると、当該遊技情報を枠制御RAM82cに記憶させる。枠制御CPU82aは、枠制御RAM82cに記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、枠制御CPU82aは、各種の遊技情報を入力すると、入力した遊技情報を特定可能な情報を生成し、枠制御RAM82cに記憶させる。また、枠制御CPU82aは、遊技情報を入力すると、当該入力した遊技情報の一部又は全部を外部機器(ホールコンピュータ等)に出力する。
【0075】
第2管理球数情報生成処理について説明する。
第2管理球数情報生成処理は、第2管理球数PBを生成(管理)するための処理である。枠制御CPU82aは、遊技制御基板80から賞球情報を入力すると、当該賞球情報から特定可能な賞球数を第2管理球数PBに加算する。枠制御CPU82aは、管理ユニット100から付与情報を入力すると、付与情報に示される付与球数を第2管理球数PBに加算する。枠制御CPU82aは、1球の遊技球が遊技領域20aへ到達したことを検知すると、第2管理球数PBを減算する。一例として、枠制御CPU82aは、有効球信号を入力すると、1球の遊技球が遊技領域20aへ到達したことを検知する。これにより、電磁的に管理する遊技球(第2管理球数PB)が実球に変換される。
【0076】
これに限らず、枠制御CPU82aは、発射ソレノイドの駆動により第2管理球数PBを減算してもよく、発射機構にセンサを設け、発射機構に受け入れられた遊技球を検知したときに第2管理球数PBを減算する構成であってもよい。このように、第2管理球数PBは、発射部による発射動作、及び、発射機構への供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して減算される。枠制御CPU82aが、第2管理球数情報生成処理を実行することによって、遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、データに基づいて遊技を行うことが可能である。第2管理球数PBは、データとして記憶される遊技価値数である。
【0077】
枠制御CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数操作部18から計数信号を入力すると、計数球数を特定可能な計数情報を管理ユニット100に出力する。枠制御CPU82aは、計数情報から特定可能な計数球数を第2管理球数PBから減算する。枠制御CPU82aは、第2管理球数PBを減算してから計数情報を出力してもよく、計数情報を出力してから第2管理球数PBを減算してもよい。一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ第2管理球数PBが0ではない状態である。枠制御CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部18aが点灯するように、計数報知部18aに内蔵された発光体を制御する。第2管理球数PBの管理は、計数情報を管理ユニット100へ出力することにより、パチンコ遊技機10から管理ユニット100へ移管される。枠制御CPU82aは、加算又は減算した更新後の第2管理球数PBを特定可能な情報を表示するように、第2球数表示部17を制御する。
【0078】
次に、遊技制御基板80(遊技制御CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
特別図柄入力処理について説明する。
【0079】
遊技制御CPU80aは、第1始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23Aへ入球した場合、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、遊技制御CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、遊技制御CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD12によって検知されると成立する。
【0080】
次に、遊技制御CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。遊技制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
【0081】
遊技制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させた場合、遊技球が第1始動口23Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD13から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23Bへ入球している場合、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、遊技制御CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。遊技制御CPU80aは、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部21dを制御する。第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD13によって検知されると成立する。
【0082】
次に、遊技制御CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させる。遊技制御CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。パチンコ遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報を遊技制御RAM80cに記憶させた場合、遊技球が第2始動口23Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、遊技制御CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0083】
特別図柄開始処理について説明する。
最初に、遊技制御CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。遊技制御CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、遊技制御CPU80aは、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、遊技制御CPU80aは、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、遊技制御RAM80cに記憶される出力済情報に基づいて、待機コマンドを演出制御基板81へ出力するか否かを決定する。出力済情報は、待機コマンドが出力済であるか否かを特定可能な情報である。待機コマンドは、待機状態に制御されたことを特定可能な制御コマンドである。待機状態は、変動ゲームの非実行中、且つ、大当り遊技の非実行中の状態である。
【0084】
遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cの出力済情報から、待機コマンドが出力済でないことを特定した場合、待機コマンドを演出制御基板81へ出力する。次に、遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cの出力済情報を、待機コマンドが出力済であることを特定可能となるように更新する。その後、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。遊技制御CPU80aは、遊技制御RAM80cの出力済情報から、待機コマンドが出力済であることを特定した場合、待機コマンドを演出制御基板81へ出力することなく特別図柄開始処理を終了する。
【0085】
第1保留数が零よりも大きい場合、遊技制御CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、遊技制御CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。遊技制御CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。遊技制御CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を遊技制御RAM80cから取得する。遊技制御CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。遊技制御CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0086】
大当りに当選した場合、遊技制御CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、遊技制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行う。遊技制御CPU80aは、大当り図柄抽選を行うことによって、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。遊技制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行う。遊技制御CPU80aは、変動パターン決定抽選を行うことによって、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0087】
大当りに当選しなかった場合、遊技制御CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、遊技制御CPU80aは、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。遊技制御CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行う。遊技制御CPU80aは、変動パターン決定抽選を行うことによって、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0088】
第2保留数が零よりも大きい場合、遊技制御CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、遊技制御CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0089】
遊技制御CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド、及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。また、遊技制御CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、遊技制御RAM80cの出力済情報を、待機コマンドが出力済でないことを特定可能となるように更新する。
【0090】
特別図柄開始処理を終了すると、遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理(以下、「特別図柄変動処理」と示す)によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、特別図柄変動処理において、遊技制御CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。また、遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0091】
一例として、特別図柄変動処理において、遊技制御CPU80aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。また、遊技制御CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板81に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、遊技制御CPU80aが特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成される。
【0092】
大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。遊技制御CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。遊技制御CPU80aは、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。遊技制御CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与するように構成される。
【0093】
最初に、遊技制御CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。遊技制御CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、遊技制御CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて、大入賞口23Cを開状態とするように特別ソレノイドSL2を制御する。遊技制御CPU80aは、カウントセンサD14による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、ラウンド遊技を終了させる。つまり、遊技制御CPU80aは、カウントセンサD14による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口23Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御する。遊技制御CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。遊技制御CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。遊技制御CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。遊技制御CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。遊技制御CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板81に出力してもよい。
【0094】
状態移行処理について説明する。
遊技制御CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、遊技制御RAM80cに高確フラグをセットする。つまり、遊技制御CPU80aは、高確率状態に制御する。遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、遊技制御RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、遊技制御CPU80aは、低確率状態に制御する。遊技制御CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、遊技制御CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0095】
遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、遊技制御RAM80cに作動フラグをセットする。つまり、遊技制御CPU80aは、高入球率状態に制御する。遊技制御CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、遊技制御RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。遊技制御CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数(実行カウンタの値)が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、遊技制御RAM80cに記憶される作動フラグを消去する。つまり、遊技制御CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、遊技制御CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。遊技制御CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。つまり、遊技制御CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0096】
遊技情報生成処理について説明する。
遊技情報生成処理において、遊技制御CPU80aは、前回、枠制御基板82へ起動時情報、又は遊技情報を出力してから所定時間(例えば108ms)が経過か否かを判定する。所定時間が経過していない場合、遊技制御CPU80aは、遊技情報生成処理を終了する。所定時間が経過した場合、遊技制御CPU80aは、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能な遊技情報を生成する。一例として、遊技情報は、有効球の検知、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態から人に選択された1又は複数の情報を特定可能な情報であってもよい。遊技制御CPU80aは、遊技情報を生成すると、生成した遊技情報を枠制御基板82へ出力する。つまり、遊技情報生成処理において、遊技制御CPU80aは、所定時間ごとに遊技情報を生成し、生成した遊技情報を枠制御基板82へ出力する。
【0097】
演出制御基板81(演出制御CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。演出制御CPU81aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置ESを制御する。
【0098】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。演出制御CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。具体的に、演出制御CPU81aは、変動開始コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、演出制御CPU81aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。演出制御CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。演出制御CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。なお、演出制御CPU81aは、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含むはずれの図柄組合せを決定する。
【0099】
演出制御CPU81aは、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示部19を制御する。つまり、演出制御CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、演出制御CPU81aは、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。演出制御CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定状態で停止表示させる。なお、演出制御CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定状態で停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0100】
次に、待機状態について説明する。
一例として、待機状態には、第1待機状態と、第2待機状態と、第3待機状態と、第4待機状態と、がある。一例として、待機状態は、第1待機状態、第2待機状態、第3待機状態、第4待機状態の順に移行する。以下、各待機状態の表示態様を、各待機状態の移行態様とともに説明する。
【0101】
図6(a)に示すように、第1待機状態において、演出表示部19では、演出図柄が揺れ状態で停止表示される。第1待機状態は、所定の変動ゲーム、又は所定の大当り遊技が終了したときに、保留中の変動ゲームがない場合に制御される待機状態である。つまり、第1待機状態は、最初に制御される待機状態である。第1待機状態では、第2待機状態への移行条件が成立し得る。第2待機状態は、第1待機状態の次に制御される待機状態である。一例として、第2待機状態への移行条件は、第1待機状態に制御されてから、予め定められた第1移行時間が経過することによって成立する。一例として、第1移行時間は、30秒である。
【0102】
図6(b)に示すように、第2待機状態において、演出表示部19では、特別演出が実行される。特別演出は、特定設定に関する演出である。特定設定は、遊技権の確保に関する設定である。一例として、特定設定は、離席に関する離席設定である。一例として、特別演出は、演出表示部19に特別画像Sgを表示する表示演出を含み得る。特別画像Sgは、特定設定に関する設定である。一例として、特別画像Sgは、「長押しで離席設定」の文字列を模した画像を含み得る。一例として、特別画像Sgは、演出操作部16を模した画像を含み得る。また、第2待機状態において、演出表示部19では、演出図柄が、第1待機状態から継続して揺れ状態で停止表示される。第2待機状態では、第3待機状態への移行条件が成立し得る。第3待機状態は、第2待機状態の次に制御される待機状態である。一例として、第3待機状態への移行条件は、第2待機状態に制御されてから、予め定められた第2移行時間が経過することによって成立する。一例として、第2移行時間は、第1移行時間よりも長い時間である。一例として、第2移行時間は、3分である。
【0103】
図6(c)に示すように、第3待機状態において、演出表示部19では、デモンストレーション演出が実行される。デモンストレーション演出は、客寄せ効果を得るための演出である。一例として、デモンストレーション演出は、演出表示部19にデモンストレーション画像Dgを表示する表示演出を含み得る。デモンストレーション画像Dgは、客寄せ効果を得るための画像である。一例として、デモンストレーション画像Dgは、変動ゲームにおいて実行可能な各種演出、及び大当り遊技において実行可能な各種演出を示唆する情報である。また、第3待機状態において、演出表示部19では、特別演出が、第2待機状態から継続して実行される。一方、第3待機状態において、演出表示部19では、演出図柄が表示されない。第3待機状態では、第4待機状態への移行条件が成立し得る。第4待機状態は、第3待機状態の次に制御される待機状態である。一例として、第4待機状態への移行条件は、第3待機状態に制御されてから、予め定められた第3移行時間が経過することによって成立する。一例として、第3移行時間は、第1移行時間よりも長い時間である。一例として、第3移行時間は、第2移行時間よりも短い時間である。一例として、第3移行時間は、1分である。
【0104】
図6(d)に示すように、第4待機状態において、演出表示部19では、注意喚起演出が実行される。注意喚起演出は、パチンコ遊技機に関する各種の注意事項について注意喚起する演出である。一例として、注意喚起演出は、演出表示部19に注意喚起画像Ngを表示する表示演出を含み得る。注意喚起画像Ngは、パチンコ遊技機に関する各種の注意事項について注意喚起する画像である。一例として、注意喚起画像Ngは、悪質な攻略法の販売に関して注意喚起する画像を含み得る。一例として、注意喚起画像Ngは、ゴト行為に関して注意喚起する画像を含み得る。一例として、注意喚起画像Ngは、遊技機をたたくことに関して注意喚起する画像を含み得る。一例として、注意喚起画像Ngは、18歳未満が遊技機を行うことに関して注意喚起する画像を含み得る。一例として、注意喚起画像Ngは、子供の車内放置に関して注意喚起する画像を含み得る。一例として、注意喚起画像Ngは、のめり込みに関して注意喚起する画像を含み得る。なお、第4待機状態において、演出表示部19では、演出図柄が表示されない。また、第4待機状態において、演出表示部19では、特別演出が実行されない。また、第4待機状態において、演出表示部19では、デモンストレーション演出が実行されない。
【0105】
第4待機状態では、第2待機状態への移行条件が成立し得る。第2待機状態は、第4待機状態の次に制御される待機状態である。一例として、第2待機状態への移行条件は、第4待機状態に制御されてから、予め定められた第4移行時間が経過することによって成立する。一例として、第4移行時間は、第1移行時間よりも短い時間である。一例として、第4移行時間は、10秒である。このように、第4待機状態に制御された以降は、第4待機状態、第2待機状態、第3待機状態、第4待機状態…のように、第4待機状態、第2待機状態、第3待機状態が繰り返されるようになっている。
【0106】
一例として、待機状態のうち、第2待機状態、及び第3待機状態では、演出操作部16が操作されることによって、特定設定に設定される。つまり、待機状態では、特別演出の実行中、演出操作部16が操作されることによって、特定設定に設定される。一例として、特定設定には、演出操作部16が特定操作態様で操作されることによって、設定される。一例として、特定操作態様は、演出操作部16を規定時間(例えば、3秒)にわたってオン状態とする操作態様(所謂、長押し)である。
【0107】
図7に示すように、特定設定に設定されるとき、演出表示部19では、特定演出が実行される。特定演出は、遊技権の確保に関する演出である。一例として、特定演出は、離席に関する演出である。一例として、特定演出は、演出表示部19に特定画像Tgを表示する表示演出を含み得る。特定画像Tgは、遊技権の確保に関する画像である。一例として、特定画像Tgは、離席に関する画像である。一例として、特定画像Tgは、「離席中」と書かれた看板を持つ固有キャラクタを模した画像を含み得る。一例として、固有キャラクタは、機種固有のキャラクタである。所定の文字列が付された看板を持つ固有キャラクタを模した画像は、特定演出を構成する演出要素の一例である。所定の文字列が付された看板を持つ固有キャラクタを模した画像は、機種固有の演出要素の一例である。一例として、特定画像Tgは、特定演出の終了時間を特定可能なタイマ画像を含み得る。一例として、特定演出の終了時間には、第1終了時間と、第1終了時間よりも長い第2終了時間と、がある。一例として、第1終了時間は、5分である。一例として、第2終了時間は、30分である。特定演出は、当該特定演出が開始してから、予め定められた選択時間が経過するまでの期間において、特定演出の終了時間を変更可能な演出である。一例として、選択時間は、5秒である。一例として、特定演出は、当該特定演出が開始してから選択時間が経過するまでの期間において、演出操作部16が操作される毎に、その終了時間が、第1時間、第2時間、第1時間…のように切り替わる。一例として、特定演出の終了時間は、演出操作部16が変更操作態様で操作される毎に切り替わる。一例として、変更操作態様は、演出操作部16をオフ状態からオン状態とする操作態様である。なお、変更操作態様は、演出操作部16がオン状態からオフ状態とする操作態様であってもよい。つまり、変更操作態様は、演出操作部16が操作される(押される)ことによって検知されてもよく、演出操作部16が操作されなくなる(離される)ことによって検知されてもよい。特定画像Tgは、特定演出の終了時間が切り替わることによって、タイマ画像によって示される終了時間が変化する(切り替わる)。
【0108】
次に、特定予告演出について説明する。
特定予告演出は、演出ゲームにおいて実行可能な演出である。特定予告演出は、実行中、又は保留中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な演出である。一例として、特定予告演出は、実行中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な演出である。なお、特定予告演出は、保留中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な演出であってもよい。
【0109】
図8に示すように、特定予告演出は、演出表示部19に特定予告画像Ygを表示する表示演出を含み得る。特定予告画像Ygは、実行中、又は保留中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な画像である。一例として、特定予告画像Ygは、実行中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な画像である。なお、特定予告画像Ygは、保留中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な画像であってもよい。一例として、特定予告画像Ygは、何も書かれていない看板を持つ固有キャラクタを模した画像を含み得る。何も書かれていない看板を持つ固有キャラクタを模した画像は、特定予告演出を構成する演出要素の一例である。何も書かれていない看板を持つ固有キャラクタを模した画像は、機種固有の演出要素の一例である。つまり、特定予告演出を構成する演出要素の一部と、特別演出を構成する演出要素の一部とが同じである。より具体的にいえば、特定予告演出と、特別演出とは、当該演出を構成する演出要素に、同じ特定要素を含み、特定要素は、機種固有の要素である。一例として、特定予告画像Ygは、特定予告画像Ygの表示態様が変化するまでの時間を特定可能なタイマ画像を含み得る。一例として、特定予告画像Ygは、特定予告画像Ygのタイマ画像によって示される時間が零になったことを契機として、固有キャラクタの持つ看板が回転するように変化する。変化後の特定予告画像Ygは、所定の文字列が書かれた看板を持つ固有キャラクタを模した画像を含み得る。一例として、所定の文字列は、「当り」、「はずれ」、「チャンス」などの文字列である。
【0110】
特別演出、及び特定演出を実行させるための制御について説明する。
演出制御CPU81aは、待機コマンドを入力すると、第1待機状態に制御する。演出制御CPU81aは、第1待機状態に制御すると、演出図柄を揺れ状態で停止表示するように演出表示部19を制御する。その後、演出制御CPU81aは、第1移行時間を計時する。演出制御CPU81aは、第1移行時間が経過すると、第2待機状態に制御する。演出制御CPU81aは、第2待機状態に制御すると、特別演出を実行させるように演出表示部19を制御する。また、演出制御CPU81aは、第2待機状態に制御すると、特定操作態様による演出操作部16の操作を受け付ける特定操作受付期間を開始する。その後、演出制御CPU81aは、第2移行時間を計時する。演出制御CPU81aは、第2移行時間が経過すると、第3待機状態に制御する。演出制御CPU81aは、第3待機状態に制御すると、デモンストレーション演出を実行させるように演出表示部19を制御する。また、演出制御CPU81aは、第3移行時間を計時する。演出制御CPU81aは、第3移行時間が経過すると、第4待機状態に制御する。演出制御CPU81aは、第4待機状態に制御すると、デモンストレーション演出を終了させるように演出表示部19を制御する。つまり、第3移行時間は、デモンストレーション演出の演出時間に相当する。また、演出制御CPU81aは、第4待機状態に制御すると、特別演出を終了させるように演出表示部19を制御する。第4待機状態に制御されることは、特別演出の終了条件の一例(以下、特別演出の「第1終了条件」と示す)である。なお、第2移行時間と、第3移行時間との和は、特別演出の演出時間に相当する。このため、第1終了条件は、特別演出の演出時間が経過することであるともいえる。また、演出制御CPU81aは、注意喚起演出を実行させるように演出表示部19を制御する。また、演出制御CPU81aは、第4待機状態に制御するとき、特定操作受付期間が終了していない場合には、特定操作受付期間を終了する。また、演出制御CPU81aは、第4待機状態に制御すると、第4移行時間を計時する。演出制御CPU81aは、第4時間が経過すると、第2待機状態に制御する。演出制御CPU81aは、第2待機状態に制御すると、注意喚起演出を終了する。また、演出制御CPU81aは、第4待機状態から第2待機状態に制御すると、第1待機状態から第2待機状態に制御したときと同様の制御を行う。
【0111】
演出制御CPU81aは、特定操作受付期間において、演出操作部16が特定操作態様で操作されると、特定設定に設定する。演出制御CPU81aは、特定設定に設定すると、特別演出を終了させるとともに、特定演出を実行させるように演出表示部19を制御する。特定設定に設定されることは、特別演出の終了条件の一例(以下、特別演出の「第2終了条件」と示す)である。また、演出制御CPU81aは、特定設定に設定すると、特定演出の終了時間として、第1時間を設定する。また、演出制御CPU81aは、特定設定に設定すると、特定操作受付期間を終了するとともに、変更操作態様による演出操作部16の操作を受け付ける変更操作受付期間を開始する。その後、演出制御CPU81aは、選択時間を計時する。演出制御CPU81aは、変更操作受付期間において、演出操作部16が変更操作態様で操作されると、特定演出の終了時間を、第1時間から第2時間、又は第2時間から第1時間に設定する(切り替える)とともに、設定中の終了時間に応じて特定演出の表示態様を変更するように演出表示部19を制御する。演出制御CPU81aは、選択時間が経過すると、変更操作受付期間を終了する。演出制御CPU81aは、変更操作受付期間を終了すると、設定中の終了時間を計時する。演出制御CPU81aは、終了時間の計時中、終了時間の残り時間が特定可能なように、特定演出の表示態様を変更するように演出表示部19を制御する。演出制御CPU81aは、終了時間が経過すると、特定演出を終了させるように演出表示部19を制御する。特定演出の終了時間(演出時間)が経過することは、特定演出の終了条件の一例(以下、特定演出の「第1終了条件」と示す)である。演出制御CPU81aは、待機状態に制御可能な制御手段の一例である。
【0112】
特別演出の終了条件について説明する。
図9に示すように、一例として、特別演出の終了条件は、複数種類ある。一例として、特別演出の終了条件には、上述の第1終了条件を含み得る。一例として、特別演出の第1終了条件は、第4待機状態に制御されることによって成立する。一例として、特別演出の終了条件には、上述の第2終了条件を含み得る。一例として、特別演出の第2終了条件は、特定設定に設定されることによって成立する。一例として、特別演出の終了条件には、第3終了条件を含み得る。一例として、特別演出の第3終了条件は、新たな変動ゲームが開始されることによって成立する。一例として、演出制御CPU81aは、特別演出の実行中、変動開始コマンドを入力すると、特別演出を終了させるように演出表示部19を制御する。なお、演出制御CPU81aは、新たな変動ゲームが開始されると、待機状態を終了する。このため、特別演出の第3終了条件は、待機状態が終了することによって成立するともいえる。
【0113】
特定演出の終了条件について説明する。
図10に示すように、特定演出の終了条件は、複数種類ある。一例として、特定演出の終了条件には、上述の第1終了条件を含み得る。一例として、特定演出の第1終了条件は、特定演出の終了時間(演出時間)が経過することによって成立する。一例として、特定演出の終了条件には、第2終了条件を含み得る。一例として、特定演出の第2終了条件は、演出操作部16が解除操作態様で操作されることによって成立する。一例として、解除操作態様は、演出操作部16をオフ状態からオン状態とする操作態様である。なお、解除操作態様は、演出操作部16がオン状態からオフ状態とする操作態様であってもよい。つまり、解除操作態様は、演出操作部16が操作される(押される)ことによって検知されてもよく、演出操作部16が操作されなくなる(離される)ことによって検知されてもよい。一例として、演出制御CPU81aは、特定演出の実行中、演出操作部16が解除操作態様で操作されると、特定演出を終了させるように演出表示部19を制御する。一例として、特定演出の終了条件には、第3終了条件を含み得る。一例として、特定演出の第3終了条件は、新たな変動ゲームが開始されることによって成立する。一例として、演出制御CPU81aは、特定演出の実行中、変動開始コマンドを入力すると、特定演出を終了させるように演出表示部19を制御する。なお、演出制御CPU81aは、新たな変動ゲームが開始されると、待機状態を終了する。このため、特定演出の第3終了条件は、待機状態が終了することによって成立するともいえる。
【0114】
次に、特定設定に設定されるときの具体的な演出態様の一例について説明する。
図11の時点T00には、変動ゲームが終了したときの状況を示している。このとき、保留中の変動ゲームがないものとする。このため、パチンコ遊技機10は、待機状態に制御される。より具体的にいえば、パチンコ遊技機10は、第1待機状態に制御される。このとき、演出表示部19では、演出図柄が揺れ状態で停止表示される。時点T01において、パチンコ遊技機10が第1待機状態に制御されてから第1移行時間が経過したとする。パチンコ遊技機10が第1待機状態に制御されてから第1移行時間が経過すると、パチンコ遊技機10は、第2待機状態に制御される。このとき、演出表示部19では、特別演出が実行される。また、演出表示部19では、演出図柄が継続して揺れ状態で停止表示される。時点T02には、パチンコ遊技機10が第2待機状態に制御された後、未だ第2移行時間が経過していない状況を示している。このとき、特別演出の実行中、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。これにより、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定される。つまり、特別演出の実行中、演出操作部16が特定操作態様で操作されることによって、特定設定に設定される。演出表示部19では、特定設定に設定されたことによって、特定演出が実行される。このとき、遊技者は、演出操作部16の操作によって、特定演出の演出時間を設定可能である。
【0115】
時点T03には、パチンコ遊技機10が第3待機状態に制御されたときの状況を示している。このとき、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されていないものとする。このため、演出表示部19では、デモンストレーション演出、及び特別演出が実行されている。時点T04には、パチンコ遊技機10が第3待機状態に制御された後、未だ第3移行時間が経過していない状況を示している。このとき、特別演出の実行中、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。これにより、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定される。つまり、特別演出の実行中、演出操作部16が特定操作態様で操作されることによって、特定設定に設定される。演出表示部19では、特定設定に設定されたことによって、特定演出が実行される。このとき、遊技者は、演出操作部16の操作によって、特定演出の演出時間を設定可能である。
【0116】
時点T05には、パチンコ遊技機10が第4待機状態に制御されたときの状況を示している。このとき、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されていないものとする。このため、演出表示部19では、注意喚起演出が実行されている。時点T06には、パチンコ遊技機10が第4待機状態に制御された後、未だ第4移行時間が経過していない状況を示している。このとき、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。つまり、パチンコ遊技機10が第4待機状態に制御されているときに、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。パチンコ遊技機10が第4待機状態に制御されているとき、演出表示部19では、特別演出が実行されない。そして、パチンコ遊技機10が第4待機状態に制御されているとき、演出制御CPU81aは、特定操作態様による演出操作部16の操作を受け付けない。このため、時点T06では、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されるものの、パチンコ遊技機10が特定設定に設定されない。このため、演出表示部19では、特定演出が実行されない。
【0117】
このように、パチンコ遊技機10は、待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能である。パチンコ遊技機10は、この特別演出の実行中、演出操作部16が操作されることによって、特定設定に設定可能である。そして、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されると、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能である。つまり、待機演出では、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能である。特定演出は、特定設定に設定されることによって実行される演出である。そして、特定設定には、特別演出の実行中、演出操作部16が操作されることによって、設定可能である。つまり、特定演出は、特別演出の実行中、演出操作部16が操作されることによって、実行可能であるといえる。
【0118】
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1-1)本実施形態によれば、遊技権の確保に関する特定設定に設定されているときには、遊技権の確保に関する特定演出が実行される。これにより、休憩などを取るために遊技者が離席をしている場合であっても、特定演出が実行されることによって、遊技機の遊技権が確保されていることを他の遊技者が認識し易い。特に、本実施形態において、待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能であるため、離席に際して特定設定に設定することを遊技者に促すことができる。
【0119】
(1-2)特別演出の終了条件は、複数種類あるため、状況に応じて、好適に特別演出を終了させることができる。
(1-3)本実施形態において、当り期待度を特定可能な特定予告演出は、当りに期待する遊技者の関心が高い演出である。このため、そのような特定予告演出の演出要素の一部を、特別演出にも含むことで、特別演出に遊技者の注意を向けさせ易い。
【0120】
(1-4)特に、特定予告演出と、特別演出とは、演出を構成する演出要素に、機種固有の要素を含む。このため、特別演出に、より遊技者の注意を向けさせ易い。
(1-5)特定演出の終了条件は、複数種類あるため、状況に応じて、好適に特定演出を終了させることができる。
【0121】
(1-6)演出操作部16の操作によって、特定演出の演出時間を設定可能であるため、遊技者は、離席時間に応じて、特定演出の演出時間を調整することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
【0122】
以下の説明では、既に説明した実施形態と同一構成及び同一制御について、同一の符号を付すなどし、その重複する説明を省略又は簡略化する。
第2実施形態のパチンコ遊技機10では、特定設定が解除されてから、予め定められた規制時間が経過するまでの特定期間において、新たに特定設定に設定されることが規制される。つまり、第2実施形態のパチンコ遊技機10では、特定設定が解除された後の特定期間では、特定設定に設定不能である。以下、詳細に説明する。
【0123】
本実施形態において、演出制御CPU81aは、特定演出の終了条件が成立したとき、特定演出を終了させるように演出表示部19を制御すること、及び特定設定が解除されることに加えて、規制時間を計時する。一例として、規制時間は、第1終了時間よりも短い時間である。一例として、規制時間は、1分である。演出制御CPU81aは、規制時間が経過するまでの特定期間において、第2待機状態、又は第3待機状態に制御された場合、特別演出を実行させない。また、演出制御CPU81aは、規制時間が経過するまでの特定期間において、第2待機状態、又は第3待機状態に制御された場合、特定操作受付期間を開始しない。一例として、演出制御CPU81aは、規制時間が経過するとき、第2待機状態、又は第3待機状態に制御されている場合には、特別演出を実行させるように演出表示部19を制御するとともに、特定操作受付期間を開始する。
【0124】
特定期間の具体的な一例について説明する。
図12の時点T11には、パチンコ遊技機10が特定設定に設定された状態を示している。このため、演出表示部19では、特定演出が実行されている。その後、時点T12において、特定演出の終了時間が経過したとする。つまり、時点T12において、特定設定が解除されたとする。このとき、パチンコ遊技機10は、第2待機状態に制御されているものとする。このため、演出表示部19では、演出図柄が揺れ状態で停止表示される。一方、特定設定が解除されたことによって特定期間が開始するため、演出表示部19では、特別演出が実行されない。時点T13において、特定期間中、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。このとき、特定期間中であるため、第2待機状態において、演出操作部16が特定操作態様で操作されても、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されない。
【0125】
時点T14において、パチンコ遊技機10は、第3待機状態に制御されたとする。このとき、パチンコ遊技機10では、特定設定が解除されてから規制時間が経過していないものとする。このため、演出表示部19では、デモンストレーション演出が実行される一方、特定期間中であるため、特別演出が実行されない。時点T15において、特定期間中、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。このとき、特定期間中であるため、第3待機状態において、演出操作部16が特定操作態様で操作されても、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されない。
【0126】
時点T16において、パチンコ遊技機10は、第4待機状態に制御されたとする。このため、演出表示部19では、注意喚起演出が実行される。一方、第4待機状態であるため、特定期間中であるか否かにかかわらず、特別演出が実行されない。時点T17では、第4待機状態において、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。このとき、第4待機状態であるため、演出操作部16が特定操作態様で操作されても、特定期間中であるか否かにかかわらず、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されない。
【0127】
図13の時点T21には、パチンコ遊技機10が特定設定に設定された状態を示している。このため、演出表示部19では、特定演出が実行されている。その後、時点T22において、特定演出の終了時間が経過したとする。つまり、時点T22において、特定設定が解除されたとする。このとき、パチンコ遊技機10は、第2待機状態に制御されているものとする。このため、演出表示部19では、演出図柄が揺れ状態で停止表示される。一方、特定設定が解除されたことによって特定期間が開始するため、演出表示部19では、特別演出が実行されない。時点T23において、特定期間が終了したとする。また、このとき、パチンコ遊技機10は、第2待機状態に制御されているものとする。このため、演出表示部19では、特別演出が実行(開始)される。その後、時点T24では、第2待機状態において、遊技者によって、演出操作部16が特定操作態様で操作されたとする。これにより、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定さる。演出表示部19では、特定設定に設定されたことによって、特定演出が実行される。
【0128】
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(2-1)特定設定に設定されているときには、遊技が行われない。このため、遊技店が営業している期間のうち、特定設定に設定されている期間が占める割合が著しく高い場合には、遊技店の利益が低下してしまう。このため、「特定設定に設定すること」に制限が設けられない場合、遊技店の営業を妨害しようとする者によって、繰り返し特定設定に設定される虞がある。このような虞があるところ、特定設定に設定できる期間を制限することで、遊技店の営業を妨害しようとする者による営業妨害を抑制することができる。しかしながら、健全な遊技者が、特定設定に設定しようとするときに、それが制限されている場合には、遊技意欲が低下してしまう虞がある。ここで、健全な遊技者であれば、「特定設定が解除されるとき」は、遊技を行う(再開する)ときであると想定される。このような状況では、健全な遊技者が、再び特定設定に設定しようとすることは想定し難い。このため、このような状況において、特定設定に設定できないようにすることで、遊技店の営業を妨害しようとする者による営業妨害を抑制しつつ、健全な遊技者の遊技意欲を低下させてしまうことを抑制することができる。
【0129】
(2-2)特定操作態様による演出操作部16の操作を受け付けない特定期間では、特別演出が実行されないため、特定設定に設定できないことを遊技者が認識し易い。
(第3実施形態)
第3実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
【0130】
第3実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態に応じて、制御可能な待機状態が異なる。一例として、第3実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態が第1遊技状態であるときと、第2遊技状態であるときとで、制御可能な待機状態が異なる。一例として、第1遊技状態は、低確低入球率状態を含み得る。一例として、第2遊技状態は、高確低入球率状態を含み得る。一例として、第2遊技状態は、低確高入球率状態を含み得る。一例として、第2遊技状態は、高確高入球率状態を含み得る。つまり、第2遊技状態は、第1遊技状態に比して有利な遊技状態である。
【0131】
図14に示すように、一例として、第2遊技状態では、第1待機状態、及び第2待機状態に制御可能である。つまり、第2遊技状態では、第3待機状態、及び第4待機状態に制御されない。一例として、第2遊技状態では、第1待機状態から第2待機状態に制御された後、新たに変動ゲームが開始されるまで、継続して第2待機状態に制御される。一例として、演出制御CPU81aは、遊技状態が第2遊技状態であるとき、第1待機状態から第2待機状態に制御するとき、第2移行時間を計時しない。これにより、遊技状態が第2遊技状態であるとき、第1待機状態から第2待機状態に制御されると、別の待機状態に移行しない。
【0132】
一例として、第1遊技状態では、第1実施形態、及び第2実施形態と同様に、第1待機状態、第2待機状態、第3待機状態、及び第4待機状態に制御される。このため、第1遊技状態に制御されているとき、待機状態における第1待機状態に制御されている期間、及び第4待機状態に制御されている期間である特別期間では、特別演出が実行されず、第2遊技状態に制御されているとき、待機状態において、特別期間である割合が第1待機状態に比して少ない。
【0133】
また、第3実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技状態に応じて、特定期間の長さが異なる。一例として、第3実施形態のパチンコ遊技機10において、特定期間の長さは、遊技状態が第1遊技状態であるときと、第2遊技状態であるときとで異なる。一例として、第1遊技状態では、第2遊技状態に比して特定期間が長い。
【0134】
図15に示すように、一例として、第1遊技状態では、特定期間の長さが第1規制時間である。つまり、第1遊技状態では、特定設定が解除されてから、第1規制時間が経過するまでの期間にわたって、新たに特定設定に設定されることが規制される。一例として、第1規制時間は、1分である。一例として、第2遊技状態では、特定期間の長さが第2規制時間である。つまり、第2遊技状態では、特定設定が解除されてから、第2規制時間が経過するまでの期間にわたって、新たに特定設定に設定されることが規制される。一例として、第2規制時間は、第1規制時間よりも短い時間である。一例として、第2規制時間は、5秒である。一例として、演出制御CPU81aは、特定演出の終了条件が成立したとき、遊技状態が第1遊技状態であるときには、第1規制時間を計時する。一方、演出制御CPU81aは、特定演出の終了条件が成立したとき、遊技状態が第2遊技状態であるときには、第2規制時間を計時する。
【0135】
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(3-1)第1遊技状態と、第2遊技状態とで、特定期間の長さを異ならせることで、「特定設定に設定すること」を効果的に制限することができる。
【0136】
(3-2)特に、遊技店の営業を妨害しようとする者による営業妨害は、遊技者にとって有利な状態よりも、遊技者にとって不利な状態で行われ易い。このため、第1遊技状態では、特定期間を長くすることで、遊技店の営業を妨害しようとする者による営業妨害を、より効果的に抑制することができる。
【0137】
(3-3)第1遊技状態に比して有利な第2遊技状態において遊技者が遊技を止めることは想定し難い。このため、第2遊技状態では、特定演出が実行されていない場合であっても、他の遊技者によって遊技権が確保されていると認識し易い。このため、このような状況では、特定設定に関する特別演出を制限することで、他の演出に遊技者の注意を向け易い。
【0138】
(第4実施形態)
第4実施形態のパチンコ遊技機について説明する。
第4実施形態のパチンコ遊技機10では、特定設定に、第1特定設定と、第2特定設定と、がある。一例として、第1特定設定と、第2特定設定とは、特定演出の終了条件が異なる。一例として、第1特定設定は、第1実施形態と、特定演出の終了条件が同じである。一方、第2特定設定は、第1実施形態と、特定演出の終了条件が異なる。一例として、第2特定設定は、第1実施形態と、特定演出の終了条件の数が異なる。一例として、第2特定設定は、第1実施形態よりも、特定演出の終了条件が少ない。一例として、第2特定設定では、特定演出の終了条件に、特定演出の第3終了条件を含まない。つまり、第2特定設定では、特定演出の実行中、新たに変動ゲームが開始されても特定設定が解除されない。第4実施形態のパチンコ遊技機10では、演出操作部16の操作によって、特定演出の終了条件を設定可能である。
【0139】
具体的に、第4実施形態のパチンコ遊技機10では、電力供給が開始されるとき、電力供給が開始されてから、予め定められた設定時間が経過するまでの設定期間において、演出操作部16が設定操作態様で操作されると、特定設定に設定可能であるか否か、及び特定設定に設定可能である場合の特定設定の種類を選択可能である。一例として、設定操作態様は、演出操作部16を規定時間(例えば、3秒)にわたってオン状態とする操作態様(所謂、長押し)である。設定操作態様における規定時間は、特定操作態様における規定時間と同じであってもよく、短くてもよく、長くてもよい。
【0140】
図16に示すように、一例として、設定期間では、供給開始演出が実行される。一例として、供給開始演出は、電力供給が開始されたことを特定可能な演出である。一例として、供給開始演出は、演出表示部19に供給開始画像Kgを表示させる表示演出を含み得る。一例として、供給開始画像Kgは、電力供給が開始されたことを特定可能な画像である。一例として、供給開始画像Kgは、「復帰中」の文字列を模した画像である。一例として、設定期間では、演出操作部16が設定操作態様で操作されると、設定演出が実行される。一例として、設定演出は、特定設定に設定可能であるか否か、及び特定設定に設定可能である場合の特定設定の種類を選択可能な演出である。一例として、設定演出は、演出表示部19に設定画像Gsを表示させる表示演出を含み得る。一例として、設定画像Gsは、特定設定に設定不能であることを特定可能な設定画像Gs1を含み得る。一例として、設定画像Gs1は、「離席設定なし」の文字列を模した画像である。一例として、設定画像Gsは、第1特定設定に設定可能であることを特定可能な設定画像Gs2を含み得る。一例として、設定画像Gs2は、「離席設定あり1」の文字列を模した画像である。一例として、設定画像Gsは、第2特定設定に特定可能であることを特定可能な設定画像Gs3を含み得る。一例として、設定画像Gs3は、「離席設定あり2」の文字列を模した画像である。一例として、設定画像Gsは、設定画像Gs1、設定画像Gs2、及び設定画像Gs3のうち何れの設定画像を選択中であるかを特定可能に表示される。一例として、設定画像Gsは、設定画像Gs1、設定画像Gs2、及び設定画像Gs3のうち何れの設定画像を選択中であるかを特定可能な画像を含み得る。一例として、設定画像Gsは、設定画像Gs1、設定画像Gs2、及び設定画像Gs3のうち何れの設定画像を選択中であるかを特定可能な画像は、設定画像Gs1、設定画像Gs2、及び設定画像Gs3のうち何れかを指し示す矢印を模した画像である。設定演出の実行中、演出操作部16が選択操作態様で操作されると、選択中の設定画像が、設定画像Gs1、設定画像Gs2、設定画像Gs3、設定画像Gs1…のように推移する。つまり、矢印を模した画像によって指示される設定画像Gsが、設定画像Gs1、設定画像Gs2、設定画像Gs3、設定画像Gs1…のように推移する。一例として、選択操作態様は、演出操作部16をオフ状態からオン状態とする操作態様である。なお、選択操作態様は、演出操作部16がオン状態からオフ状態とする操作態様であってもよい。つまり、選択操作態様は、演出操作部16が操作される(押される)ことによって検知されてもよく、演出操作部16が操作されなくなる(離される)ことによって検知されてもよい。
【0141】
設定演出を実行させるための制御について説明する。
演出制御CPU81aは、電力供給が開始されると、供給開始演出を実行させるように演出表示部19を制御する。また、演出制御CPU81aは、供給開始演出を実行させることに伴って、設定時間を計時する。演出制御CPU81aは、設定期間を開始するとともに、設定操作態様による演出操作部16の操作を受け付ける設定操作受付期間を開始する。演出制御CPU81aは、設定時間が経過すると、供給開始演出を終了させるように演出表示部19を制御する。つまり、設定時間は、供給開始演出の演出時間に対応する。また、演出制御CPU81aは、設定時間が経過すると、設定期間を終了するとともに、設定操作受付期間を終了する。演出制御CPU81aは、設定操作受付期間(設定期間)において、演出操作部16が設定操作態様で操作されると、設定操作受付期間を終了するとともに、選択操作態様による演出操作部16の操作を受け付ける選択操作受付期間を開始する。演出制御CPU81aは、選択操作受付期間を開始すると、選択時間を計時する。演出制御CPU81aは、選択操作受付期間において、演出操作部16が選択操作態様で操作される毎に、選択中の設定画像が、設定画像Gs1、設定画像Gs2、設定画像Gs3、設定画像Gs1となるように、演出表示部19を制御する。演出制御CPU81aは、選択時間が経過すると、選択操作受付期間を終了する。演出制御CPU81aは、選択操作受付期間が終了したときに選択されていた設定画像の種類に応じて、特定設定に設定可能であるか否か、及び特定設定に設定可能である場合の特定設定の種類を特定可能な選択情報を演出制御RAM81cに記憶させる。
【0142】
第4実施形態において、演出制御CPU81aは、第2待機状態に制御するとき、選択情報から、特定設定に設定不能であることを特定した場合、特定操作受付期間を開始しない。演出制御CPU81aは、特定操作受付期間において、演出操作部16が特定操作態様で操作されると、選択情報に応じた種類の特定設定に設定する。また、演出制御CPU81aは、特定演出の実行中、変動開始コマンドを入力したとき、選択情報から第2特定設定を特定すると、特定演出を終了させない。
【0143】
本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(4-1)演出操作部16の操作によって、特定演出の終了条件を設定可能であるため、状況に応じて、好適に特定演出の終了条件を設定可能である。
【0144】
上述した各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0145】
・第2実施形態において、特定期間では、規制報知演出を実行可能であってもよい。一例として、規制報知演出は、特定設定に設定できないことを特定可能な演出である。
・第2実施形態において、特定期間が終了してから所定時間が経過するまでの期間では、特別演出が実行されていない場合であっても、特定操作態様による演出操作部16の操作を受け付けるようにしてもよい。つまり、第4待機状態に制御されてから第4移行時間が経過するまでの期間において、特定期間が終了したとき、所定時間が経過するまでに、演出操作部16が特定操作態様で操作されると、特定設定に設定されるようにしてもよい。
【0146】
・第3実施形態において、第1遊技状態、及び第2遊技状態の特別期間の長さは、任意に変更してもよい。一例として、第1遊技状態では、第1待機状態に制御されないようにしてもよい。一例として、第1遊技状態では、第4待機状態に制御されないようにしてもよい。一例として、第2遊技状態では、第1待機状態に制御されないようにしてもよい。一例として、第2遊技状態では、第4待機状態に制御されないようにしてもよい。
【0147】
・第4実施形態において、特定設定に設定可能であるか否か、及び特定設定に設定可能である場合の特定設定の種類を特定可能な情報(以下、「設定情報」と示す)をバックアップ可能であってもよい。電力供給が開始されるとき、設定期間において、演出操作部16が設定操作態様で操作されないときには、バックアップされている設定情報に基づいて、特定設定に設定可能であるか否か、及び特定設定に設定可能である場合の特定設定の種類が選択されるようにしてもよい。
【0148】
・第4実施形態において、演出制御基板81に、特定設定に設定可能であるか否か、及び特定設定に設定可能である場合の特定設定の種類を選択可能な選択部材を設けてもよい。この場合、設定期間では、設定操作態様による演出操作部16の操作を受け付けないようにしてもよい。一例として、選択部材は、ディップスイッチである。一例として、選択部材は、ロータリースイッチである。
【0149】
・第1遊技状態と、第2遊技状態とで、平均変動時間が異なっていてもよい。一例として、第1遊技状態では、第2遊技状態よりも平均変動時間が長くてもよい。つまり、第1遊技状態では、第2遊技状態に比して、変動時間が長くなり易くてもよい。ここで、特定設定には、パチンコ遊技機10が待機状態であるときに設定され得る。このため、特定設定に設定されているとき、新たな変動ゲームが開始されることによって、特定設定が解除される場合、当該変動ゲームが終了するまでの期間(特定期間)は、特定設定に設定不能な期間であるといえる。そして、第1遊技状態では、第2遊技状態に比して、変動時間が長くなり易い場合、第1遊技状態では、第2遊技状態に比して特定期間が長くなり易いといえる。
【0150】
・特別演出の終了条件は、任意に変更してもよい。一例として、特別演出の終了条件には、1又は複数である所定の入球口に遊技球が入球したことを契機として成立する第4終了条件を含み得る。一例として、所定の入球口は、普通入賞口23Dである。つまり、所定の入球口は、変動ゲーム(特別ゲーム)の実行契機となり得る入球口ではなく、かつ、当り遊技によって開放される入球口でもない入球口である。これによれば、遊技者が遊技を行っているとき、変動ゲーム(特別ゲーム)の実行契機となり得る入球口に遊技球が入球しない場合であっても、遊技中であること(離席しようとしていないこと)を検知することができる。そして、当該検知に基づいて、特別演出を終了させることで、遊技者が特定設定に設定しようとしていないことが想定される状況では特別演出を実行させないようにすることができる。一例として、特別演出の終了条件に、上記第4終了条件を含む場合、特別演出の第4終了条件が成立すると、特別演出とは別の演出を実行可能であってもよい。一例として、別の演出は、特別演出の第4終了条件が成立したことを認識可能な演出である。一例として、特別演出の終了条件に、上記第4終了条件を含む場合、特別演出の第4終了条件が成立すると、所定の報知を実行可能であってもよい。一例として、所定の報知は、特別演出の第4終了条件が成立したことの報知である。一例として、特別演出の終了条件には、第1終了条件、第2終了条件、第3終了条件、及び第4終了条件のうち、任意に選択された1又は複数の終了条件があるとよい。
【0151】
・特定演出の終了条件は、任意に変更してもよい。一例として、特定演出の終了条件には、1又は複数である所定の入球口に遊技球が入球したことを契機として成立する第4終了条件を含み得る。一例として、所定の入球口は、普通入賞口23Dである。つまり、所定の入球口は、変動ゲーム(特別ゲーム)の実行契機となり得る入球口ではなく、かつ、当り遊技によって開放される入球口でもない入球口である。これによれば、離席していた遊技者が遊技を再開するとき、変動ゲーム(特別ゲーム)の実行契機となり得る入球口に遊技球が入球しない場合であっても、遊技が再開されたことを検知することができる。そして、当該検知に基づいて、特定演出を終了させることで、遊技が再開されたときに特定演出を実行させないようにすることができる。一例として、特定演出の終了条件に、上記第4終了条件を含む場合、特定演出の第4終了条件が成立すると、特定演出とは別の演出を実行可能であってもよい。一例として、別の演出は、特定演出の第4終了条件が成立したことを認識可能な演出である。一例として、特定演出の終了条件に、上記第4終了条件を含む場合、特定演出の第4終了条件が成立すると、所定の報知を実行可能であってもよい。一例として、所定の報知は、特定演出の第4終了条件が成立したことの報知である。一例として、特定演出の終了条件には、第1終了条件、第2終了条件、第3終了条件、及び第4終了条件のうち、任意に選択された1又は複数の終了条件があるとよい。
【0152】
・特定設定に設定されてからの相対時間(終了時間)によって、特定設定の解除タイミングを指定したがこれに限らない。一例として、特定設定の解除タイミングは、絶対時間として指定できてもよい。例えば、パチンコ遊技機10は、時刻を計時する部材(手段)を備えるとともに、特定設定の解除タイミングとして指定された時刻が到来したら、特定設定が解除されるように構成されてもよい。この場合、複数の台で、特定設定が解除されるタイミングを同期することができる。一般的に、遊技店が開店したとき、遊技者は、入店順に遊技を開始する。この場合、入店順に応じて、各遊技者が遊技を開始するタイミングが異なることが想定される。本変更例では、遊技店が開店する前に、複数のパチンコ遊技機の解除タイミングを同じにして特定設定に設定することで、入店順にかかわらず、複数の遊技者について、遊技が開始可能となるタイミングを同じにできる。
【0153】
・特別演出は、第1待機状態、第2待機状態、第3待機状態、及び第4待機状態のうち、任意の待機状態で実行されるとよい。つまり、特別演出は、第1待機状態で実行されるようにしてもよい。また、特別演出は、第2待機状態で実行されないようにしてもよい。また、特別演出は、第3待機状態で実行されないようにしてもよい。また、特別演出は、第4待機状態で実行されるようにしてもよい。特別演出が実行されない待機状態に制御されている期間が特別期間に対応する。
【0154】
・各待機状態における演出は、任意に設定してもよい。一例として、第1待機状態、及び第2待機状態では、演出表示部19において、演出図柄を確定状態で停止表示(完全停止表示)させてもよい。
【0155】
・特定設定に設定されているときには、待機状態が移行しないようにしてもよい。この場合、演出制御CPU81aは、特定設定が解除されるまで、次の待機状態への移行時間の計時を中断するようにしてもよく、特定設定が解除されるまで、次の待機状態への移行時間が経過しても、次の待機状態への移行を制限してもよい。
【0156】
・第3待機状態(非特別期間)から第4待機状態(特別期間)に移行するとき、演出操作部16がオン状態である場合には、特定操作受付期間を延長してもよい。例えば、演出制御CPU81aは、第3移行時間が経過するとき、特定操作受付期間中であって、且つ、演出操作部16がオン状態である場合には、演出操作部16がオフ状態となるか、演出操作部16が特定操作態様で操作されたことを検知するまで、特定操作受付期間を終了しないようにしてもよい。この場合、演出制御CPU81aは、特定操作受付期間が終了しているか否かにかかわらず、第4待機状態に制御してもよく、特定操作受付期間が終了するまで、第4待機状態に制御しないようにしてもよい。
【0157】
・解除操作態様は、特定操作態様に比して複雑な操作態様であってもよい。一例として、複雑な操作態様とは、比較対象の操作態様よりも操作時間が長いことを含み得る。一例として、複雑な操作態様とは、比較対象の操作態様よりも操作回数が多いことを含み得る。一例として、複雑な操作態様とは、比較対象の操作態様よりも操作する操作部が多いことを含み得る。
【0158】
・パチンコ遊技機10は、オートボタン機能を備えていてもよい。オートボタン機能は、演出操作部16の操作を受け付ける期間において、遊技者に要求される演出操作部16の操作を補助する機能である。一例として、変動ゲームの実行中、所定の操作態様で演出操作部16が操作されることによって、オートボタン機能が作動してもよい。この場合、所定の操作態様は、演出操作部16を規定時間(例えば、3秒)にわたってオン状態とする操作態様(所謂、長押し)である。所定の操作態様における規定時間は、特定操作態様における規定時間と同じであってもよく、短くてもよく、長くてもよい。
【0159】
・特定設定の解除条件は、任意に変更してもよい。一例として、特定設定は、演出操作部16の操作によって、所定のパスワードが入力されることによって、解除されるようにしてもよい。この場合、所定のパスワードは、特定設定に設定されるときに任意に設定可能であってもよく、特定設定に設定されるときにパチンコ遊技機10が生成するようにしてもよい。例えば、演出制御CPU81aは、所定の乱数に基づいて所定のパスワードを生成するようにしてもよい。また、演出制御CPU81aは、生成した所定のパスワードを特定可能なパスワード画像を演出表示部19に表示させるようにしてもよい。一例として、パスワード画像は、所定のパスワードを模した画像であってもよく、所定のパスワードに基づいて生成される画像であってもよい。
【0160】
・特定設定に設定されたとき、管理媒体の返却に関して注意喚起する演出が実行されてもよい。これによれば、遊技者が管理ユニット100に管理媒体を挿入したまま離席してしまうことを抑制することができる。
【0161】
・第2管理球数PBが特定数でないとき、特定設定に設定不能であってもよい。特定数は、任意に設定されてもよい。一例として、特定数は、零である。これによれば、遊技者が管理ユニット100に管理媒体を挿入したまま離席してしまうことを抑制することができる。一例として、特定数は、1以上である。これによれば、遊技店の営業を妨害しようとする者による営業妨害を抑制することができる。
【0162】
・特定設定に設定されているとき、管理ユニット100から管理媒体を返却できないようにしてもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されているとき、特定設定に設定されていることを特定可能な情報を管理ユニット100へ出力可能であって、管理ユニット100は、当該情報に基づいて、管理媒体を返却しないようにしてもよい。これによれば、遊技者が管理媒体を返却せずに離席した場合において、管理媒体の盗難を抑制することができる。
【0163】
・特定設定は、遊技者によって設定することが困難であってもよい。一例として、特定設定は、搭載枠11b、及び保護枠11cの一方、又は両方が開放されているときに設定可能であってもよい。一例として、特定設定は、機裏側において操作可能な操作部を操作することによって設定可能であってもよい。これによれば、特定設定は、遊技店の店員などによって設定されることになるため、遊技店の営業を妨害しようとする者による営業妨害を抑制することができる。
【0164】
・パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されているとき、遊技の実行が制限されるようにしてもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されているとき、遊技球が発射できないようにしてもよい。一例として、パチンコ遊技機10は、特定設定に設定されているとき、変動ゲームが実行されないようにしてもよい。
【0165】
・第1移行時間は、第2移行時間と同じであってもよい。第1移行時間は、第2移行時間よりも長くてもよい。第1移行時間は、第3移行時間と同じであってもよい。第1移行時間は、第3移行時間よりも長くてもよい。第1移行時間は、第4移行時間と同じであってもよい。第1移行時間は、第4移行時間よりも長くてもよい。
【0166】
・第2移行時間は、第3移行時間と同じであってもよい。第2移行時間は、第3移行時間よりも長くてもよい。第2移行時間は、第4移行時間と同じであってもよい。第2移行時間は、第4移行時間よりも長くてもよい。
【0167】
・第3移行時間は、第4移行時間と同じであってもよい。第3移行時間は、第4移行時間よりも長くてもよい。
・各種演出は、任意に変更してもよい。一例として、演出表示部19による表示演出を含む必要はなく、演出発光部13による発光演出を含んでもよく、演出音声部12による音声演出を含んでもよい。つまり、各種演出のそれぞれは、表示演出、発光演出、及び音声演出のうち任意に選択できる1又は複数の演出を組み合わせて実行してもよい。
【0168】
・パチンコ遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0169】
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0170】
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機10では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0171】
・遊技制御CPU80a、遊技制御ROM80b、遊技制御RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
【0172】
・演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に演出表示部19を専門に制御する表示制御基板、演出発光部13を専門に制御する発光制御基板、演出音声部12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に遊技制御CPU80a、及び演出制御CPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0173】
・所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
【0174】
・パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び遊技盤20の一方又は両方に磁気センサを備えていてもよい。この構成によれば、パチンコ遊技機10において本来あるべきではない磁性を有する異物を検知することができる。また、パチンコ遊技機10において通常使用される遊技媒体に該当しない磁石やワイヤなどのゴト器具が使用される可能性があることを検知できる。また、磁性を有する遊技球と磁石を用いて、遊技球が堆積した状態を意図的に作るような行為の発見にも寄与できる。
【0175】
・パチンコ遊技機10は、凹みや傷などによって変形した遊技球を検知する構成を備えていてもよい。例えば、所定の球通路にカメラなどのセンサを設置し、取得した画像から凹みや傷などがない正常な遊技球であるかを検知するようにしてもよい。このような凹みや傷などがある遊技球は通常使用されるべきものではなく、異常体に該当する。なお、凹みや傷などがある遊技球は、発射部で正確に発射できるか不明であり、仮に発射されたとしても遊技領域20aで凹みや傷などがない遊技球と同じような動きになるかも不明であるから、使用しないことが好ましい。
【0176】
・上記実施形態をスロットマシンに適用してもよい。スロットマシンでは、BETボタンの操作や、メダルの投入によって、掛け数(賭数ともいわれる)を設定することができる。メダル(遊技メダル)は、遊技価値の一例である。スロットマシンでは、掛け数を設定した後、スタートレバーが操作されると、複数のリールが回転する。スロットマシンでは、複数のリールが回転した後、ストップボタンが操作されると、対応するリールの回転が停止する。そして、スロットマシンでは、全てのリールの回転が停止すると、停止した図柄組み合わせに応じて賞(メダルの付与、再遊技)が付与される。スロットマシンでは、掛け数が設定されている状態でスタートレバーが操作されてから全てのリールの回転が停止するまでが、少なくとも1回の変動ゲームに含まれる。また、スロットマシンでは、役抽選が行われ、役抽選においてボーナス役に当選可能となっているものがある。このようなスロットマシンでは、入賞ライン上においてボーナス役に対応する図柄組み合わせが導出されることでボーナス役が入賞すると、ボーナス遊技が付与される。ボーナス遊技は、当り遊技の一例である。
【0177】
また、スロットマシンでは、役抽選においてリプレイ役(再遊技役)などの特定の役に当選する確率が異なる複数種類の遊技状態のうち何れかの遊技状態に制御可能に構成されたものもある。リプレイ役などの特定の役に当選する確率が、通常遊技状態に比して高い遊技状態(所謂、RT状態)は、持ち球が増加する、又は通常遊技状態に比して持ち球が減少し難いため、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0178】
また、スロットマシンには、所定の役を入賞させるためのストップボタンの操作態様が報知される状態(所謂、AT状態)に制御可能なものもある。AT状態は、通常遊技状態に比して所定の役を入賞させ易くなることから、持ち球が増加する、又は通常遊技状態に比して持ち球が減少し難いため、遊技者にとって有利な遊技状態である。
【0179】
また、AT状態に制御可能なスロットマシンには、AT状態においてボーナス遊技を模した演出を実行可能なものや、AT状態の方がボーナス遊技に比して持ち球が増加し易いものもある。このようなスロットマシンにおいて、AT状態は、パチンコ遊技機10の当り遊技に相当するといえる。
【0180】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記イ)遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を行うことを可能に構成された遊技機において、待機状態に制御可能な制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、所定の操作が可能な操作手段と、を備え、前記待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能であり、前記特定設定は、遊技権の確保に関する設定であり、前記特別演出の実行中、前記操作手段が操作されることによって、前記特定設定に設定可能であり、前記特定設定に設定されると、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能である遊技機。
【0181】
(付記ロ)前記特定設定が解除された後の特定期間では、前記特定設定に設定不能であるとよい。
(付記ハ)前記特定期間の長さは、第1遊技状態であるときと、前記第1遊技状態に比して有利な第2遊技状態であるときとで異なるとよい。
【0182】
(付記ニ)遊技者が所持する遊技価値数をデータとして記憶可能であって、前記データに基づいて遊技を行うことを可能に構成された遊技機において、待機状態に制御可能な制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、所定の操作が可能な操作手段と、を備え、前記待機状態では、特定設定に関する特別演出を実行可能であり、前記特定設定は、遊技権の確保に関する設定であり、前記特別演出の実行中、前記操作手段が操作されることによって、前記特定設定に設定可能であり、前記特定設定に設定されると、遊技権の確保に関する特定演出を実行可能であり、前記特別演出の終了条件は、複数種類ある遊技機。
【0183】
(付記ホ)前記演出には、実行中、又は保留中の変動ゲームの当り期待度を特定可能な特定予告演出があり、前記特定予告演出を構成する演出要素の一部と、前記特別演出を構成する演出要素の一部とが同じであるとよい。
【0184】
(付記ヘ)前記特定予告演出と、前記特別演出とは、当該演出を構成する演出要素に、同じ特定要素を含み、前記特定要素は、機種固有の要素であるとよい。
(付記ト)前記第1遊技状態では、前記第2遊技状態に比して前記特定期間が長くなり易いとよい。
【0185】
(付記チ)第1遊技状態と、前記第1遊技状態に比して有利な第2遊技状態に制御可能な遊技機において、前記第1遊技状態に制御されているとき、前記待機状態における特別期間では、前記特別演出が実行されず、前記第2遊技状態に制御されているとき、前記待機状態において、前記特別期間がない、又は前記特別期間である割合が少ないとよい。
【符号の説明】
【0186】
D01…タッチセンサ D02…発射停止スイッチ D03…ハンドルボリューム D11…有効球センサ D12…第1始動センサ D13…第2始動センサ D14…カウントセンサ D15…普通センサ D16…ゲートセンサ Dg…デモンストレーション画像 ES…演出装置 Gs…設定画像 Kg…供給開始画像 Ng…注意喚起画像 PA…管理球数 PA…第1管理球数 PB…管理球数 Pb…玉数 PB…第2管理球数 Pc…獲得球数 Pd…発射球数 Sg…特別画像 SL1,SL2…ソレノイド Tg…特定画像 Yg…特定予告画像 10…パチンコ遊技機 11a…外枠 11b…搭載枠 11c…保護枠 12…演出音声部 13…演出発光部 15…発射操作部 15a…ハンドルレバー 15b…通電リング 15c…発射停止ボタン 16…演出操作部 17…第2球数表示部 18…計数操作部 18a…計数報知部 19…演出表示部 19a…画像表示領域 20…遊技盤 20a…遊技領域 20b…表示窓口 20c…打出通路 20d…逆戻り防止弁 21…情報表示装置 21a…第1特別図柄表示部 21b…第2特別図柄表示部 21c…第1保留表示部 21d…第2保留表示部 21e…普通図柄表示部 21f…普通保留表示部 23…入賞口 23A…第1始動口 23B…第2始動口 23Ba…普通開閉片 23C…大入賞口 23Ca…特別開閉片 23D…普通入賞口 24…ゲート 24a…ゲート口 25…アウト口 80…遊技制御基板 80a…遊技制御CPU 80b…遊技制御ROM 80c…遊技制御RAM 80d…乱数生成回路 81…演出制御基板 81a…演出制御CPU 81b…演出制御ROM 81c…演出制御RAM 82…枠制御基板 82a…枠制御CPU 82b…枠制御ROM 82c…枠制御RAM 82d…発射許可回路 83…発射制御基板 83a…発射制御回路 98…接続端子板 99…電源ユニット99a…メインスイッチ 100…管理ユニット 101…媒体挿入部 102…現金投入部 110…操作パネル 111…玉貸操作部 112…払出操作部 113…返却操作部 114…第1球数表示部 115…残額表示部 120…管理ユニット制御基板 120…CU制御基板 120a…CPU 120b…ROM 120c…RAM 120d…通信端子
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