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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170024
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
A63F7/02 326Z
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081455
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
(72)【発明者】
【氏名】知念 要
(72)【発明者】
【氏名】木股 健二
(72)【発明者】
【氏名】赤羽根 圭一朗
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA07
2C088BA16
2C088BC54
(57)【要約】
【課題】遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる遊技機を提供すること。
【解決手段】1回の発射シーケンスでは、供給装置から発射装置へ遊技球を供給する供給動作と、遊技球を発射する発射動作と、が行われる。枠CPUは、発射シーケンスの実行中に特定制御状態に設定する制御が可能である。特定制御状態に設定されていない減算許可期間中に計数スイッチが操作された場合、枠CPUは、枠RAMにデータとして記憶されている遊技球数の管理を外部に移管するための球数移管処理を行う。一方で、特定制御状態に設定されている減算制限期間中に計数スイッチが操作された場合、枠CPUは、該減算制限期間中に球数移管処理を行うことなく、枠RAMに特定操作情報を記憶させる。そして、特定操作情報が記憶されている場合、枠CPUは、減算許可期間の到来を契機として球数移管処理を行う。
【選択図】図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を発射する発射動作を行う発射機構と、
遊技球を前記発射機構へ供給する供給動作を行う供給機構と、
所定の制御を行う制御手段と、
所定の情報を記憶する記憶手段と、
操作が可能な特定操作手段と、を備え、
前記記憶手段は、遊技球の個数をデータとして記憶可能であり、
前記制御手段は、
前記供給機構による前記供給動作と、前記発射機構による前記発射動作と、を行わせるための発射制御と、前記データとして記憶されている遊技球の個数を減算するための特定減算制御と、を実行可能であり、
前記発射制御の実行中である期間のうち減算許可期間において前記特定操作手段が操作されたときには、該減算許可期間中に前記特定減算制御を実行する一方で、
前記発射制御の実行中である期間のうち前記減算許可期間とは異なる減算制限期間において前記特定操作手段が操作されたときには、該減算制限期間中に前記特定減算制御を実行することなく、前記特定操作手段が操作されたことを特定可能な特定操作情報を前記記憶手段に記憶させるようになっており、
前記特定操作情報が記憶されているときには、前記減算許可期間の到来を契機として前記特定減算制御を実行することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記供給機構から前記発射機構へ供給される遊技球を検知する供給検知手段を備え、
前記制御手段は、前記発射制御の実行中に前記供給検知手段により遊技球が検知されたことを契機として、前記データとして記憶されている遊技球の個数を減算させる供給減算制御を実行可能である請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記減算制限期間は、前記供給検知手段により遊技球が検知されたことを契機として終了する請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記減算制限期間において前記特定操作手段が操作された場合であって、該特定操作手段が操作されてから前記減算許可期間が到来するまでの間に遊技機への電力供給が遮断されたときには、遊技機への電力供給の復帰後に前記減算許可期間が到来したときであっても、該減算制限期間の終了を契機としては前記特定減算制御を実行しない請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技機を一例とする遊技機では、供給機構から供給される遊技球を発射機構によって発射し、遊技領域を流下する遊技球が入賞口へ入球すると、賞球を払い出すようになっている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-57751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技球を内部循環させる遊技機では、遊技球の個数をデータとして記憶する必要がある。このような遊技機において、データとして記憶された遊技球の個数と、遊技の状況とが不一致となってしまった場合、遊技球の個数に関するデータの信頼性が低下する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、遊技球を発射する発射動作を行う発射機構と、遊技球を前記発射機構へ供給する供給動作を行う供給機構と、所定の制御を行う制御手段と、所定の情報を記憶する記憶手段と、操作が可能な特定操作手段と、を備え、前記記憶手段は、遊技球の個数をデータとして記憶可能であり、前記制御手段は、前記供給機構による前記供給動作と、前記発射機構による前記発射動作と、を行わせるための発射制御と、前記データとして記憶されている遊技球の個数を減算するための特定減算制御と、を実行可能であり、前記発射制御の実行中である期間のうち減算許可期間において前記特定操作手段が操作されたときには、該減算許可期間中に前記特定減算制御を実行する一方で、前記発射制御の実行中である期間のうち前記減算許可期間とは異なる減算制限期間において前記特定操作手段が操作されたときには、該減算制限期間中に前記特定減算制御を実行することなく、前記特定操作手段が操作されたことを特定可能な特定操作情報を前記記憶手段に記憶させるようになっており、前記特定操作情報が記憶されているときには、前記減算許可期間の到来を契機として前記特定減算制御を実行することを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記供給機構から前記発射機構へ供給される遊技球を検知する供給検知手段を備え、前記制御手段は、前記発射制御の実行中に前記供給検知手段により遊技球が検知されたことを契機として、前記データとして記憶されている遊技球の個数を減算させる供給減算制御を実行可能であるようにしてもよい。
【0007】
上記遊技機について、前記減算制限期間は、前記供給検知手段により遊技球が検知されたことを契機として終了するようにしてもよい。
上記遊技機について、前記制御手段は、前記減算制限期間において前記特定操作手段が操作された場合であって、該特定操作手段が操作されてから前記減算許可期間が到来するまでの間に遊技機への電力供給が遮断されたときには、遊技機への電力供給の復帰後に前記減算許可期間が到来したときであっても、該減算制限期間の終了を契機としては前記特定減算制御を実行しないようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】パチンコ遊技機及びカードユニットを正面から見たときの図である。
図2】遊技盤を示す図である。
図3】計数スイッチ、計数ランプ、及び遊技球数表示装置を示す図である。
図4】遊技球の回収通路を示す図である。
図5】供給装置を示す図である。
図6】供給装置を示す図である。
図7】発射装置を示す図である。
図8】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
図9】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
図10】発射制御の流れの一例を示すタイミングチャートである。
図11】計数スイッチ押下処理を示すフローチャートである。
図12】球数移管処理を示すフローチャートである。
図13】供給減算処理を示すフローチャートである。
図14】特定期間経過処理を示すフローチャートである。
図15】遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の一例を示すタイミングチャートである。
図16】遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の一例を示すタイミングチャートである。
図17】遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の一例を示すタイミングチャートである。
図18】遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の一例を示すタイミングチャートである。
図19】遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の一例を示すタイミングチャートである。
図20】遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。本明細書における上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、島設備(遊技島)では、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10と、管理装置の一例であるカードユニット100と、が交互に並ぶように設置される。つまり、パチンコ遊技機10には、カードユニット100が併設される。カードユニット100は、パチンコ遊技機10と通信可能に接続される。
【0011】
カードユニット100について説明する。
カードユニット100は、記憶媒体の一例である管理カードを挿入するためのカード挿入部101を備える。管理カードは、遊技を可能とする価値の一例として現金の残額、及び遊技者の保有する遊技球の個数(以下、保有球数P1と示す)をデータとして少なくとも記憶可能である。本実施形態において、保有球数P1は、0又は正の整数(自然数)である。管理カードは、遊技者の個人情報をデータとして記憶可能であってもよい。管理カードは、現金の残額に代えて事前に支払いされた残額(プリペイド残額)を記憶する構成であってもよい。
【0012】
カードユニット100は、現金の一例として紙幣を挿入可能な紙幣挿入部102を備える。カードユニット100では、紙幣が紙幣挿入部102に挿入されると、挿入されている管理カード、又は初期化済みの管理カードに記憶されている残額に加算される。カードユニット100は、現金の一例として硬貨を投入可能な構成であってもよい。
【0013】
カードユニット100は、操作パネル104を備える。操作パネル104は、球貸ボタン104a、払出ボタン104b、返却ボタン104c、球数表示部104d、及び残額表示部104eを備える。球貸ボタン104aは、管理カードに記憶されている残額に基づいて、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2(遊技者の持ち球に相当する遊技球の個数)を増加させるに際して操作される。本実施形態において、遊技球数P2は、0又は正の整数である。遊技者は、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2に相当する数の遊技球を持ち球として遊技を行うことができる。詳しくは後述するが、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2は、遊技の進行に応じて増減する。
【0014】
払出ボタン104bは、管理カードに記憶されている保有球数P1に基づいて、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2を増加させるに際して操作される。返却ボタン104cは、カードユニット100に挿入されている管理カードの返却を受けるに際して操作される。球数表示部104dには、管理カードに記憶されている保有球数P1を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部104eには、管理カードに記憶されている残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
【0015】
なお、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2が零になった場合、遊技者は、管理カードに保有球数P1が残っていても遊技を継続させることはできない。つまり、遊技者は、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2を1以上の数に増加させないと遊技を継続させることはできない。パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2は、球貸ボタン104aを操作して所定個数の遊技球を貸し受けることで増加させることができる。また、パチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2は、払出ボタン104bを操作して管理カードに記憶されている保有球数P1を上限としてパチンコ遊技機10へ払い出すことで増加させることができる。
【0016】
カードユニット100は、カードユニット制御基板105(以下、CU制御基板と示す)を備える。CU制御基板105は、CU制御CPU105aと、CU制御ROM105bと、CU制御RAM105cと、を備える。CU制御CPU105aは、カードユニット制御プログラムを実行することにより、所定の処理を行う。CU制御ROM105bは、カードユニット制御プログラムを記憶している。CU制御RAM105cは、カードユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、CU制御RAM105cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。カードユニット100は、パチンコ遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子105dを備える。
【0017】
CU制御基板105は、カード挿入部101と接続されている。CU制御CPU105aは、カード挿入部101に挿入されている管理カードの記憶内容を書き換え可能に構成されている。CU制御基板105は、紙幣挿入部102と接続されている。CU制御CPU105aは、紙幣挿入部102に紙幣が挿入されたときに出力する紙幣信号を入力可能に構成されている。紙幣信号は、紙幣挿入部102に挿入された紙幣の金額(以下、現金投入額と示す)を特定可能な信号である。
【0018】
CU制御基板105は、操作パネル104と接続されている。CU制御CPU105aは、球貸ボタン104aが操作されたときに出力する球貸信号を入力可能に構成されている。CU制御基板105は、払出ボタン104bが操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成されている。CU制御CPU105aは、返却ボタン104cが操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成されている。CU制御CPU105aは、球数表示部104dの表示内容を制御可能に構成されている。CU制御CPU105aは、残額表示部104eの表示内容を制御可能に構成されている。
【0019】
CU制御基板105は、通信端子105dを介してパチンコ遊技機10と接続されている。CU制御CPU105aは、パチンコ遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成されている。CU制御CPU105aは、パチンコ遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成されている。カードユニット100は、通信端子105dからパチンコ遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、CU制御基板105(CU制御CPU105a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CU制御CPU105aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
【0020】
カードユニット100は、外部機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部機器は、遊技場に設置されたホールコンピュータ110である。外部機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータとカードユニット100とは、相互に通信可能に接続されていることが好ましい。
【0021】
カードユニット100にて行われる処理について説明する。
CU制御CPU105aは、カード挿入部101に管理カードが挿入されると、管理カードに記憶されている残額、及び保有球数P1を読み出し、CU制御RAM105cに記憶させる。そして、CU制御CPU105aは、管理カードが挿入されているとき、以下に説明する処理を行う。
【0022】
CU制御CPU105aは、紙幣挿入部102から紙幣信号を入力すると、紙幣信号から特定可能な現金投入額を残額に加算する。CU制御CPU105aは、残額が0ではないとき、球貸ボタン104aから球貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する個数の遊技球の付与を特定可能な付与信号をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CU制御CPU105aは、残額が0であるとき、球貸信号を入力しても、付与信号を送信しない。
【0023】
CU制御CPU105aは、保有球数P1が0以上であるとき、払出ボタン104bから払出信号を入力すると、保有球数P1を規定数だけ減算し、当該規定数の遊技球の付与を特定可能な付与信号をパチンコ遊技機10へ出力する。なお、CU制御CPU105aは、保有球数P1が0であるとき、払出信号を入力しても、付与信号を送信しない。このように、付与信号は、付与球数を特定可能である。
【0024】
CU制御CPU105aは、パチンコ遊技機10から移管信号を受信すると、当該移管信号から特定可能な遊技球の個数を保有球数P1に加算する。詳しくは後述するが、移管信号は、パチンコ遊技機10から送信される制御信号であって、カードユニット100へ管理を移管する遊技球の個数を特定可能である。遊技者がカードユニット100へ管理を移管する場合には、遊技者がパチンコ遊技機10での遊技を終了する場合や、遊技は継続させるが、例えばパチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2が多くなり過ぎており、一部の管理をカードユニット100へ移管させたい場合などがある。
【0025】
CU制御CPU105aは、球数表示部104dを制御し、その時々の保有球数P1を特定可能な情報を表示するように表示内容を更新する。つまり、CU制御CPU105aは、球数表示部104dにて保有球数P1をリアルタイムで表示させる。球数表示部104dの表示内容は、払出信号によって保有球数P1を減算したとき、又は移管信号を受信して保有球数P1を加算したときに変更可能である。CU制御CPU105aは、残額表示部104eを制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示するように表示内容を更新する。つまり、CU制御CPU105aは、残額表示部104eにて残額をリアルタイムで表示させる。
【0026】
CU制御CPU105aは、返却ボタン104cから返却信号を入力すると、CU制御RAM105cに記憶されている残額及び保有球数P1を管理カードに記憶させるとともに、CU制御RAM105cに記憶されている残額及び保有球数P1を初期化する。CU制御CPU105aは、管理カードがカード挿入部101から排出されるように、カード挿入部101を制御する。
【0027】
パチンコ遊技機10について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、規定数の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。パチンコ遊技機10は、機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機の一例である。パチンコ遊技機10は、遊技球を貯留する貯留部を備えない。パチンコ遊技機10は、原則として遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
【0028】
パチンコ遊技機10は、貸し球数P3、獲得球数P4、発射球数P5、及びファール球数P6に基づいて、遊技球数P2を電磁的に管理する。本実施形態において、貸し球数P3、獲得球数P4、発射球数P5、及びファール球数P6は、何れも0又は正の整数である。
【0029】
貸し球数P3は、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数P4は、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数P5は、遊技者が発射した遊技球の個数である。発射球数P5は、後述する供給部44から発射部51へ供給された遊技球の個数ともいえる。ファール球数P6は、遊技者が発射した遊技球のうち、後述する遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数である。ファール球数P6は、発射部51から遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数ともいえる。ファール球は、所謂「戻り球」である。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技球数をデータとして記憶可能である。パチンコ遊技機10にて管理する遊技球数P2は、データとして記憶されている遊技球の個数に相当する。
【0030】
パチンコ遊技機10は、枠体11を備える。枠体11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持されている。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持されている。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。保護枠11cは、所謂前枠、又はガラス枠である。パチンコ遊技機10は、搭載枠11b及び保護枠11cを施錠する施錠装置11dを備える。パチンコ遊技機10は、施錠装置11dに適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して搭載枠11b及び保護枠11cを開放できないように構成される。
【0031】
パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声装置12を備える。演出音声装置12は、搭載枠11bの前面側に配設されている。演出音声装置12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、及び効果音等である。パチンコ遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声装置13を備える。報知音声装置13は、音声報知を実行可能である。一例として、演出音声装置12及び報知音声装置13は、搭載枠11bに配設される。
【0032】
パチンコ遊技機10は、演出発光装置14を備える。演出発光装置14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。演出発光装置14は、発光体の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行可能である。一例として、演出発光装置14は、搭載枠11bに配設される。演出発光装置14は、後述する遊技盤20に配設されてもよい。
【0033】
パチンコ遊技機10は、遊技球を発射させる操作が可能な発射ハンドル15を備える。発射ハンドル15は、搭載枠11bの前面側に配設される。パチンコ遊技機10は、発射ハンドル15の操作に応じた発射強度で遊技球を打ち出すように構成される。発射ハンドル15は、回動操作が可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01(図8参照)と、発射停止スイッチD02(図8参照)と、ハンドルボリュームD03(図8参照)と、を備える。
【0034】
タッチセンサD01は、発射ハンドル15の側面を囲うように配設された通電リング15bと接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射ハンドル15を把持し、遊技者の手指が通電リング15bに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15bに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。発射停止スイッチD02は、発射ハンドル15の側方に突出する発射停止ボタン15cが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15cが操作されているとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されていると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
【0035】
図1及び図3に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技球数P2を特定可能な情報を表示する遊技球数表示装置17を備える。一例として、遊技球数表示装置17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。遊技球数表示装置17は、所定の文字及び数字を表示することで、所定の報知を実行可能である。
【0036】
パチンコ遊技機10は、計数スイッチ18を備える。計数スイッチ18は、遊技者が操作可能である。本実施形態において、計数スイッチ18は、特定操作手段に相当する。計数スイッチ18は、パチンコ遊技機10での遊技を終了する場合や、遊技は継続するが、例えばパチンコ遊技機10で管理する遊技球数P2が多くなり過ぎており、遊技球数P2の一部の管理を外部に移管させたい場合に操作される。計数スイッチ18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。パチンコ遊技機10は、計数許容状態であるか否かを報知する計数ランプ18aを備える。一例として、遊技球数表示装置17、計数スイッチ18、及び計数ランプ18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
【0037】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20の前面には、正面視で略円形状の遊技領域20aが画成される。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。遊技領域20aの左方には、発射ハンドル15の操作によって発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成される。
【0038】
遊技盤20は、各種の情報を表示するメイン表示装置21を備える。メイン表示装置21は、第1特別図柄表示装置21a、第2特別図柄表示装置21b、第1保留表示装置21c、第2保留表示装置21d、普通図柄表示装置21e、及び普通保留表示装置21fを含む。一例として、メイン表示装置21を構成する複数の表示装置は、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されてもよい。
【0039】
第1特別図柄表示装置21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示装置21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」という。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。パチンコ遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。大当り遊技については後述する。
【0040】
第1保留表示装置21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示装置21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0041】
普通図柄表示装置21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。パチンコ遊技機10では、普通図柄の当り抽選に当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。普通保留表示装置21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。メイン表示装置21には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示装置や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示装置が含まれていてもよい。
【0042】
パチンコ遊技機10は、演出表示装置19を備える。演出表示装置19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。演出表示装置19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示装置19は、液晶装置である。演出表示装置19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)、及び、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。
【0043】
演出音声装置12、演出発光装置14、及び演出表示装置19は、何れも所定の演出を実行可能な演出装置であり、複数の演出装置からなる演出装置群ESを構成する。演出装置群ESに含まれる演出装置(報知装置)は、演出音声装置12、演出発光装置14、及び演出表示装置19であることに限定されず、これらの演出装置の一部を省略した構成であってもよい。演出装置群ESは、これらの演出装置に加えて、又は任意に選択できる1若しくは複数の演出装置に代えて、可動演出を実行する演出可動装置を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動装置を備えてもよい。
【0044】
例えば、演出表示装置19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。以下の説明では、特別ゲームと、当該特別ゲームとともに実行される演出ゲームと、を纏めて「変動ゲーム」と示す。
【0045】
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成される。複数の入賞口は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口は、第1始動口23と、第2始動口24と、大入賞口25と、普通入賞口27と、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0046】
第1始動口23は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23は、演出表示装置19の下方にある。第1始動口23は、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口23へ入球した遊技球を検知する第1始動センサD11を備える(図9参照)。
【0047】
第2始動口24は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口24は、第1始動口23の右方にある。第2始動口24は、扉状であることを一例とする普通開閉片24aを備える。第2始動口24は、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口24は、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口24を開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(図9参照)。また、遊技盤20は、第2始動口24へ入球した遊技球を検知する第2始動センサD12を備える(図9参照)。普通開閉片24aは、所謂「普通電動役物」である。
【0048】
大入賞口25は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口25は、演出表示装置19の右下方にある。大入賞口25は、扉状であることを一例とする特別開閉片25aを備える。大入賞口25は、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口25は、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口25を開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(図9参照)。また、遊技盤20は、大入賞口25へ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13を備える(図9参照)。特別開閉片25aは、所謂「特別電動役物」である。
【0049】
普通入賞口27は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口27は、演出表示装置19の左下方、及び演出表示装置19の右下方にそれぞれある。普通入賞口27は、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口27へ入球した遊技球を検知する普通センサD14を備える(図9参照)。
【0050】
遊技盤20は、ゲート28を備える。一例として、ゲート28は、第2始動口24、及び大入賞口25の上方にある。ゲート28には、ゲート口28aが形成されている。ゲート口28aは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。ゲート28は、ゲート口28aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD15を備える(図9参照)。ゲート28は、普通ゲームの始動条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート28は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0051】
遊技盤20には、アウト口29が形成される。遊技領域20aに発射された遊技球は、複数の入賞口の何れにも入球しなかった場合に、アウト口29に入球する。複数の入賞口及びアウト口29は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を回収するための回収口として把握できる。遊技球は、入賞口又はアウト口29に入球すると、遊技盤20から排出される。以下、入賞口又はアウト口29を介して遊技盤20から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
【0052】
遊技者は、発射ハンドル15の操作により、遊技球の発射強度を調整し、表示窓口20bより左方にある左方領域、及び表示窓口20bより右方にある右方領域に遊技球を打ち分けることが可能である。例えば、発射強度を強めに調整して遊技球を発射した場合(以下、右打ちと示す)、遊技球は、右方領域に案内され易く、第2始動口24、大入賞口25、普通入賞口27、又はゲート28へ入球する可能性がある。右打ちは、遊技球を右方領域へ到達させるために勢いよく発射させる必要があることから、発射強度を最大強度又は最大強度よりも若干弱い強度に調整して行う。一方、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合(以下、左打ちと示す)、遊技球は、左方領域に案内され易く、第1始動口23、又は普通入賞口27へ入球する可能性がある。左打ちは、右打ちのときほど遊技球を勢いよく発射させる必要がないため、発射させた遊技球が右方領域へ到達しない程度の強度に調整して行う。本実施形態では、右打ちした場合、第1始動口23へ遊技球が入球し得ないよう、遊技釘などの遊技部品によって遊技球の流路が形成されている。遊技部品は、右打ちしたときに第1始動口23への入球を規制するように配置されていてもよいし、左打ちしたときに比して、第1始動口23へ入球し難いように配置されていてもよい。
【0053】
本実施形態における左方領域は、遊技盤20を正面視したときに遊技領域20aを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域である。本実施形態における右方領域は、遊技盤20を正面視したときに中心線CLよりも右側に位置する領域である。発射ハンドル15の操作によって発射された遊技球は、遊技領域20aの左側にある打出通路20cに案内され、遊技領域20aに到達する。このため、左方領域は、打出通路20c寄りの領域でもあり、右方領域は、打出通路20cから離れた領域でもある。左方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域20aの中央に位置する演出表示装置19の左側を通り、遊技領域20aの最下方に位置するアウト口29へ向かう。一方、右方領域を流下案内される遊技球は、正面視において遊技領域20aの中央に位置する演出表示装置19の右側を通り、アウト口29へ向かう。
【0054】
図4に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技領域20aに打ち出されて遊技に使用された後に遊技盤20から排出される遊技球を回収する回収通路30と、揚上機構36と、を有する。また、パチンコ遊技機10は、遊技球を1球ずつ切り出すように供給する供給装置40と、供給装置40から供給される遊技球を発射する発射装置50と、を有する。揚上機構36は、回収通路30を通じて回収された遊技球を、揚上機構36よりも下流側であって上方に位置する供給装置40へ移送する。供給装置40は、遊技球を発射装置50へ供給する供給動作を行う供給機構に相当する。発射装置50は、遊技球を発射する発射動作を行う発射機構に相当する。パチンコ遊技機10は、上述した打出通路20cと、ファール球を回収するためのファール通路20fを有する。一例として、供給装置40、発射装置50及び揚上機構36は、遊技領域20aの下方に配設されている。これに限らず、供給装置40及び発射装置50は遊技領域20aの左上部分に配設されていてもよい。
【0055】
回収通路30は、第1始動口23、第2始動口24、大入賞口25、及び普通入賞口27へ入賞した遊技球を合流させて回収する入賞通路31と、アウト口29を通過した遊技球を回収する非入賞通路32と、を有する。入賞通路31と非入賞通路32とは、第1合流部33aにおいて合流する。また、回収通路30と、ファール通路20fとは、第2合流部33bにおいて合流する。回収通路30は、第2合流部33bと揚上機構36とを繋ぐ特定通路34を有する。遊技領域20aに到達した遊技球は、遊技領域20aを流下する。遊技球は、第1始動口23、第2始動口24、大入賞口25、普通入賞口27、及びアウト口29の何れかに入球すると、入賞通路31又は非入賞通路32を流通して第1合流部33aにて合流した後、特定通路34を通って揚上機構36へと到達する。特定通路34の出口面積は、1球の遊技球が通過可能な大きさである。よって、遊技球は、特定通路34を通過することで一列に整列される。
【0056】
供給装置40と、発射装置50とは、所定の方向(一例として前後方向)に並ぶように隣接する。供給装置40、及び発射装置50の詳細については後述する。供給装置40から1球ずつ供給される遊技球は、発射装置50に流入する。打出通路20cは、発射装置50と遊技領域20aとを繋ぐ。打出通路20cは、遊技盤20の前面側において、遊技領域20aの左側縁部に沿って、上下方向に沿って延びるように形成されている。発射装置50によって発射された遊技球は、打出通路20cを通過し、遊技領域20aへと案内される。
【0057】
ファール通路20fは、打出通路20cの途中の部分と、回収通路30の何れかの部分と、を繋ぐ通路である。打出通路20cからファール通路20fに流入した遊技球は、回収通路30へと還流され、特定通路34から再び供給装置40へ供給される。発射装置50によって発射された遊技球は、打出通路20cに流入するとともに案内され、遊技領域20aへ到達する。ここで、発射装置50による発射強度が不足することによって失速し、遊技領域20aへ到達せずに打出通路20cを逆流(落下)することもある。
【0058】
パチンコ遊技機10は、ファール通路20fを通過する遊技球(ファール球)を検知するファールセンサD21を備える。ファールセンサD21は、回収通路30の第2合流部33bよりも上流であって、ファール通路20fに隣接して設けられている。ファールセンサD21は、ファール通路20fを通過する遊技球を検知すると、ファール信号を出力する。ファール信号は、ファール通路20fを通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0059】
パチンコ遊技機10は、入賞通路31を通過する遊技球を検知する入賞通路カウントセンサD25を備える。入賞通路カウントセンサD25は、回収通路30の第1合流部33aよりも上流であって、入賞通路31に隣接して設けられている。入賞通路カウントセンサD25は、入賞通路31を通過する遊技球を検知すると、入賞通路信号を出力する。入賞通路信号は、入賞通路31を通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0060】
パチンコ遊技機10は、非入賞通路32を通過する遊技球を検知する非入賞通路カウントセンサD26を備える。非入賞通路カウントセンサD26は、回収通路30の第1合流部33aよりも上流であって、非入賞通路32に隣接して設けられている。非入賞通路カウントセンサD26は、非入賞通路32を通過する遊技球を検知すると、非入賞通路信号を出力する。非入賞通路信号は、非入賞通路32を通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0061】
パチンコ遊技機10は、回収通路30の第1合流部33aを通過する遊技球を検知するアウトセンサD30を備える。アウトセンサD30は、回収通路30の第1合流部33aと第2合流部33bの間であって、回収通路30に隣接して設けられている。アウトセンサD30は、回収通路30を通過する遊技球を検知すると、アウト信号を出力する。アウト信号は、回収通路30を通過する遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。アウトセンサD30で検知される遊技球は、入賞通路31又は非入賞通路32の何れかを通過した遊技球である。
【0062】
パチンコ遊技機10は、特定通路34を通過して揚上機構36へ到達した遊技球を検知する揚上入口センサD28と、揚上機構36を通過して移送される遊技球を検知する揚上出口センサD29と、を備える。揚上入口センサD28は、揚上機構36の入口に繋がる通路に隣接して設けられている。揚上出口センサD29は、揚上機構36の出口に繋がる通路に隣接して設けられている。揚上入口センサD28は、遊技球を検知すると、揚上入口信号を出力する。揚上入口信号は、遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。揚上出口センサD29は、遊技球を検知すると、揚上出口信号を出力する。揚上出口信号は、遊技球が検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0063】
パチンコ遊技機10は、特定通路34から遊技球を機外に排出するための排出口(不図示)と、当該排出口を開閉する開閉片(不図示)と、当該開閉片を開閉動作する際に操作される開閉レバー(不図示)と、を備える。本実施形態では、開閉レバーを操作して開閉片を変位させることにより排出口を開放し、当該開放口から遊技球を機外に排出することができる。なお、開閉レバーを操作していない状態では、排出口が開閉片によって閉鎖される。
【0064】
供給装置40について説明する。
図5及び図6に示すように、供給装置40は、揚上機構36の出口から排出された遊技球を受け入れる受入部41と、受入部41にて受け入れた遊技球を1球ずつ切り出すように動作する可動片42と、可動片42を駆動する供給ソレノイド43と、切り出された遊技球を発射装置50へ案内する供給部44と、を有する。供給装置40は、供給入口センサD22と、供給出口センサD23と、を備える。
【0065】
受入部41には、揚上機構36の出口から排出された遊技球が一列で並んだ状態で進行できる受入通路41aが形成されている。供給部44は、可動片42によって遊技球Kの列から切り出された遊技球を発射装置50へ進行させる供給通路44aが形成されている。可動片42は、受入通路41aと供給通路44aとの境界部分に配設されている。
【0066】
可動片42は、1球の遊技球Kを保持(収容)可能な保持部42aと、回動軸42bと、を有する。可動片42は、遊技球を係止可能な係止部の一例である。可動片42は、停止位置42P1と、停止位置42P1よりも下方に回動した供給位置42P2と、の間において、回動軸42bを回動中心として変位可能に支持されている。停止位置42P1は、受入通路41aから保持部42aへの遊技球Kの流入を許容し、保持部42aから供給通路44aへの遊技球Kの流出を規制する位置である。供給位置42P2は、受入通路41aから保持部42aへの遊技球Kの流入を規制し、保持部42aから供給通路44aへの遊技球Kの流出を許容する位置である。
【0067】
可動片42が停止位置42P1から供給位置42P2へ変位すると、受入通路41aにある遊技球Kが可動片42によってせき止められる一方、保持部42aに保持された遊技球Kが供給通路44aへ放出される。可動片42が供給位置42P2から停止位置42P1へ変位すると、受入通路41aにある遊技球Kが保持部42aへ流入する一方、遊技球Kが保持部42aから供給通路44aへ流出しない。供給ソレノイド43は、通電によってオン状態となり、可動片42が停止位置42P1に変位する。可動片42は、供給ソレノイド43がオン状態であることで停止位置42P1に保持される。一方、供給ソレノイド43は、通電の解除によってオフ状態になり、重力によって可動片42が供給位置42P2へと変位する。可動片42は、供給ソレノイド43がオフ状態であることによって供給位置42P2に保持される。供給ソレノイド43は、可動片42による係止を解除して遊技球が発射装置50へと供給されるように駆動する供給アクチュエータの一例である。
【0068】
供給入口センサD22は、受入通路41aに隣接して設けられており、当該受入通路41aを通過する遊技球Kを検知すると供給入口信号を出力する。供給入口信号は、受入通路41aを通過する遊技球Kが検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。供給出口センサD23は、供給通路44aに隣接して設けられており、当該供給通路44aを通過する遊技球Kを検知すると供給出口信号を出力する。供給出口信号は、供給通路44aを通過する遊技球Kが検知されているときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。供給出口センサD23は、供給装置40から発射装置50へ供給される遊技球を検知する供給検知手段に相当する。
【0069】
発射装置50について説明する。
図7に示すように、発射装置50は、正面視において遊技盤20の下方に配設されている。発射装置50は、供給装置40から供給される遊技球Kを受け入れる発射部51と、発射部51にある遊技球Kを打ち出す発射ハンマー52と、発射ハンマー52が遊技球を打撃するように駆動する発射ソレノイド53を有する。発射装置50は、打出通路20cから逆流(落下)してくるファール球を受け入れる受入部55と、ファール通路20fを形成するファール通路部56と、を有する。
【0070】
発射部51には、遊技球Kを保持する発射位置51aが形成されている。遊技球Kは、供給通路44aを流下し、発射位置51aに保持される。発射ハンマー52は、基端部にある回動軸52aと、先端部にある打球部52bと、を有する。発射ハンマー52は、打球部52bによって遊技球Kを打球する打球位置52P1と、打球位置52P1より下方に回動した退避位置52P2と、の間において、回動軸52aを回動中心として変位可能に支持されている。発射ハンマー52は、遊技球を打撃する打撃部の一例である。
【0071】
発射ソレノイド53は、通電によってオン状態となり、発射ハンマー52が打球位置52P1に変位する。矢印Y1に示すように、発射ハンマー52が打球位置52P1に変位すると、発射位置51aにある遊技球Kに打球部52bが打ち付けられ、遊技球Kが打出通路20cに向かって打ち出される。十分な強度にて発射された遊技球Kは、打出通路20cを通過し、遊技領域20aへ到達する。発射ソレノイド53は、通電が解除されると、重力によって発射ハンマー52が退避位置52P2に変位する。発射ハンマー52は、発射ソレノイド53がオフ状態であることによって退避位置52P2に保持される。発射ソレノイド53は、発射ハンマー52が遊技球を打撃するように駆動する発射アクチュエータの一例である。発射アクチュエータは、モータであってもよい。
【0072】
受入部55は、打出通路20cの下方において開口する受入空間55aを形成している。受入部55の下端部は、ファール通路20fを形成する通路部材と繋がっている。つまり、受入空間55aの下端部は、ファール通路20fと繋がっている。矢印Y2,Y3に示すように、ファール球は、打出通路20cから受入空間55aへと流入し、ファール通路20fを通過して供給装置40へと還流される。また、上述のように、ファールセンサD21は、ファール通路20fに隣接して設けられている。
【0073】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口25を開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口25は、所定の開放態様(開放パターン)にて開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0074】
パチンコ遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選にて大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、大当り確率が異なり得る状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。
【0075】
パチンコ遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口24への入球率を変動させるための機能である。つまり、パチンコ遊技機10は、第2始動口24への入球率が異なり得る状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口24へ入球する確率が高まり、第2始動口24への遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態(入球容易状態)となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」であり、低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0076】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口24の合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口24の開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口24の1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0077】
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態且つ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態且つ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態且つ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態且つ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0078】
パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図8に示すように、パチンコ遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、主制御基板60、演出制御基板70、枠制御基板80、及び発射制御基板90を含む。複数の制御基板は、施錠装置11dを解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセス、及び視認できない位置に設けられている。
【0079】
主制御基板60と、演出制御基板70とは、主制御基板60から演出制御基板70へ一方向に制御情報(制御コマンドなど)を出力可能となるように接続される。主制御基板60は、所定の処理を実行し、演出制御基板70へ制御情報を出力する。演出制御基板70は、主制御基板60から入力した制御情報に基づいて所定の処理を実行する。主制御基板60と、枠制御基板80とは、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。枠制御基板80と、発射制御基板90とは、双方向に制御情報を出力可能となるように接続される。パチンコ遊技機10の枠制御基板80と、カードユニット100のCU制御基板105とは、パチンコ遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に制御情報(電文など)を出力可能となるように接続される。
【0080】
パチンコ遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板70及び枠制御基板80に対して供給する。枠制御基板80に供給された電力は、さらに主制御基板60及び発射制御基板90に対して供給される。電源ユニット99は、供給ソレノイド43、発射ソレノイド53、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。パチンコ遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることによって、電源投入が可能に構成されている。
【0081】
主制御基板60について説明する。
図9に示すように、主制御基板60は、主CPU61と、主ROM62と、主RAM63と、乱数生成回路64と、を備える。主CPU61は、主制御プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を実行する。主ROM62は、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。主ROM62は、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、最終的に大当りの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、最終的にはずれの図柄組合せが停止表示される変動内容となる。
【0082】
主RAM63は、主CPU61の処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、主RAM63が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路64は、ハードウェア乱数を生成する。主制御基板60は、主CPU61による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されていてもよい。
【0083】
主制御基板60は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と接続されている。主CPU61は、各センサが遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能である。主制御基板60は、メイン表示装置21と接続されている。主CPU61は、メイン表示装置21の表示内容を制御可能である。主制御基板60は、普通ソレノイドSL1及び特別ソレノイドSL2と接続されている。主CPU61は、普通ソレノイドSL1の動作を制御することにより、第2始動口24の開放態様を制御可能である。主CPU61は、特別ソレノイドSL2の動作を制御することにより、大入賞口25の開放態様を制御可能である。
【0084】
演出制御基板70について説明する。
演出制御基板70は、演出CPU71と、演出ROM72と、演出RAM73と、を備える。演出CPU71は、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。演出ROM72は、副制御プログラム、及び所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。演出ROM72は、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び音声演出に用いる音声演出データを記憶している。演出RAM73は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、演出RAM73が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板70は、演出CPU71による乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。演出制御基板70は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0085】
演出制御基板70は、演出表示装置19と接続されている。演出CPU71は、演出表示装置19の画像表示領域19aにおける表示内容を制御可能である。演出制御基板70は、演出音声装置12と接続されている。演出CPU71は、演出音声装置12の出力内容を制御可能である。演出制御基板70は、演出発光装置14と接続されている。演出CPU71は、演出発光装置14の発光態様を制御可能である。
【0086】
枠制御基板80について説明する。
図8に示すように、枠制御基板80は、枠CPU81、枠ROM82、枠RAM83、性能表示モニタ84、球抜きスイッチ85、エラー解除スイッチ86、遊技球クリアスイッチ87、RAMクリアスイッチ88、バックアップ電源89、バックアップ回路89a、及び発射許可回路89bを備える。枠CPU81は、枠制御プログラムを実行することにより、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。枠CPU81は、所定の制御を行う制御手段に相当する。枠ROM82は、枠制御プログラムなどを記憶している。枠RAM83は、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、枠RAM83が記憶する情報は、フラグ、カウンタ、タイマ、及び遊技球数P2などである。本実施形態において、遊技球数P2を記憶する枠RAM83は、遊技球の個数をデータとして記憶する記憶手段に相当する。
【0087】
性能表示モニタ84は、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、且つ大当り遊技が行われていないときの遊技である。有効球は、発射装置50から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへと到達した遊技球である。ベース値は、大当り遊技中ではないことを前提とし、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。
【0088】
球抜きスイッチ85は、パチンコ遊技機10の機内部に封入された遊技球を機外に排出可能とする球抜き状態を生起するに際して操作されるスイッチである。球抜きスイッチ85は、押込み操作がされると球抜き信号を出力する。球抜き信号は、球抜きスイッチ85が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。球抜き信号は、枠CPU81に出力される。なお、本実施形態において球抜き状態は、電源投入後、所定時間の間、生起させることができる。つまり、球抜きスイッチ85の操作は、電源投入後、所定時間の間、有効な操作とされており、電源投入後、所定時間の間以外での操作は無効とされる。
【0089】
エラー解除スイッチ86は、所定のエラーが発生した場合に、当該エラーの要因解除後にエラー状態を解除するに際して操作されるスイッチである。エラー解除スイッチ86は、押込み操作がされるとエラー解除信号を出力する。エラー解除信号は、エラー解除スイッチ86が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。エラー解除信号は、枠CPU81に出力される。
【0090】
遊技球クリアスイッチ87は、枠RAM83に記憶されている遊技球数P2を特定可能な情報(以下、遊技球数情報と示す)を0に初期化するに際して操作されるスイッチである。遊技球クリアスイッチ87は、押込み操作がされると遊技球クリア信号を出力する。遊技球クリア信号は、遊技球クリアスイッチ87が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。遊技球クリア信号は、枠CPU81に出力される。遊技球クリアスイッチ87が操作されると、遊技球数情報を0に初期化する状態が生起される。なお、本実施形態において遊技球数情報を0に初期化する状態は、電源投入時に生起させることができる。つまり、遊技球クリアスイッチ87の操作は、電源投入時に有効な操作とされており、電源投入時以外での操作は無効とされる。
【0091】
RAMクリアスイッチ88は、主RAM63に記憶されている情報、及び枠RAM83に記憶されている情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うに際して操作されるスイッチである。RAMクリアスイッチ88は、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ88が押込み操作されているとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、枠CPU81に出力されるとともに、主制御基板60(主CPU61)に出力される。
【0092】
バックアップ電源89は、一例として、外部からの電力供給がされているときに蓄電する蓄電装置であるとよい。バックアップ電源89は、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、枠RAM83のほか、主制御基板60(主RAM63)に対してバックアップ電力を供給する。主RAM63及び枠RAM83は、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時における主RAM63及び枠RAM83の記憶内容を電源断の後にも保持可能である。つまり、本実施形態のパチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載している。これに限らず、主RAM63及び枠RAM83一方又は両方は、電力供給が停止されている状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断がされた後にも記憶している情報を保持可能であってもよい。
【0093】
バックアップ電源89は、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、少なくとも枠制御基板80(枠CPU81)、供給ソレノイド43、発射制御基板90(発射制御回路91)、及び発射ソレノイド53に対してバックアップ電力を供給可能である。枠制御基板80(枠CPU81)、供給ソレノイド43、発射制御基板90(発射制御回路91)、及び発射ソレノイド53は、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも後述する1回の発射シーケンスを実行することができる。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10は、1回の発射シーケンスが行われている期間において、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、実行中の1回の発射シーケンスを完了させることが可能に構成される。
【0094】
主RAM63に記憶可能であり、且つバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄及び特別図柄に関する情報、及びエラー状態に関する情報がある。
【0095】
枠RAM83に記憶可能であり、且つバックアップの対象となる情報には、遊技球数情報と、遊技情報と、性能情報と、がある。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて主制御基板60から通知される情報である。一例として、遊技情報には、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大当り遊技における大入賞口入賞の発生、ゲート通過、特別図柄の確定(変動ゲームの終了)、大当りの発生、及び現在の遊技状態などを特定可能な情報がある。性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数を示す情報と、通常遊技時における有効球総数を示す情報と、がある。
【0096】
バックアップ回路89aは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号を枠CPU81に出力するとともに、主制御基板60の主CPU61に出力する。発射許可回路89bは、発射制御基板90に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力するための回路である。発射許可信号の出力条件については後述する。
【0097】
枠制御基板80は、計数スイッチ18と接続されている。枠CPU81は、計数スイッチ18が出力する計数信号を入力可能に構成されている。枠制御基板80は、ファールセンサD21、供給入口センサD22、供給出口センサD23、入賞通路カウントセンサD25、及び非入賞通路カウントセンサD26と接続されている。また、枠制御基板80は、揚上入口センサD28、揚上出口センサD29、及びアウトセンサD30と接続されている。枠CPU81は、これらのセンサやスイッチが出力するファール信号、供給入口信号、供給出口信号、入賞通路信号、非入賞通路信号、球詰り検知信号、揚上入口信号、揚上出口信号、及びアウト信号を入力可能に構成されている。
【0098】
枠制御基板80は、報知音声装置13と接続されている。枠CPU81は、報知音声装置13の出力内容を制御可能である。枠制御基板80は、遊技球数表示装置17と接続されている。枠CPU81は、遊技球数表示装置17の表示内容を制御可能に構成されている。
【0099】
枠制御基板80は、揚上機構36と接続されている。枠CPU81は、揚上機構36の揚上動作を制御可能に構成されている。枠制御基板80は、供給ソレノイド43と接続されている。枠CPU81は、供給ソレノイド43に対する通電を制御することにより、可動片42を変位させることができる。つまり、枠CPU81は、供給装置40による遊技球の供給動作を制御可能に構成されている。
【0100】
上述のように、枠制御基板80は、カードユニット100と接続されている。枠CPU81は、CU制御基板105が送信する各種の電文を受信可能に構成されている。なお、カードユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98から枠CPU81を経由せずに発射許可回路89bへと入力される。詳しくは後述するが、発射許可回路89bには、主制御基板60が出力する発射停止信号も入力される。
【0101】
発射制御基板90は、発射装置50の動作を制御する制御手段としての発射制御回路91を備える。発射制御回路91は、枠制御基板80から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイド53に対して駆動信号を出力する。
【0102】
発射制御基板90は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続されている。発射制御回路91は、これらのスイッチやセンサが出力するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成されている。発射制御基板90は、発射ソレノイド53と接続されている。発射制御回路91が発射ソレノイド53に対して駆動信号を出力することによって、発射ソレノイド53が駆動し、発射ハンマー52が打球位置52P1へ変位する。つまり、発射制御基板90は、発射装置50による遊技球の発射動作を制御可能に構成されている。
【0103】
枠制御基板80(枠CPU81)が実行する処理について説明する。
枠側電源断処理について説明する。
枠CPU81は、バックアップ回路89aが出力する電源断検出信号を入力すると、枠側電源断処理を実行する。枠側電源断処理において、枠CPU81は、枠RAM83のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を枠RAM83に記憶させる。また、枠CPU81は、枠側電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を枠RAM83に記憶させる。その後、枠CPU81は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに枠RAM83に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0104】
枠側電源投入処理について説明する。
枠CPU81は、電源投入に伴って、枠制御基板80への供給電圧が枠CPU81の動作に必要な電圧に達して起動すると、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、枠CPU81は、枠RAM83にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、枠CPU81は、枠RAM83のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。枠CPU81は、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、枠CPU81は、枠RAM83に記憶されている遊技球数情報及び遊技情報を初期化する。このとき、枠CPU81は、性能情報を初期化しない。その後、枠CPU81は、初期化又はバックアップされた遊技球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0105】
一方、バックアップされている情報が正常と判定した場合、枠CPU81は、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ87が操作されているか否かを判定する。枠CPU81は、遊技球クリアスイッチ87が操作されているとき、枠RAM83に記憶されている遊技球数情報を初期化する。このとき、枠CPU81は、遊技情報及び性能情報を初期化しない。枠CPU81は、遊技球クリアスイッチ87が操作されていないとき、遊技球数情報を初期化しない。
【0106】
枠CPU81は、RAMクリア信号がオン状態であるか否かに基づき、RAMクリアスイッチ88が操作されているか否かを判定する。枠CPU81は、RAMクリアスイッチ88が操作されているとき、枠RAM83に記憶されている遊技情報を初期化する。このとき、枠CPU81は、遊技球数情報及び性能情報を初期化しない。枠CPU81は、RAMクリアスイッチ88が操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。つまり、性能情報は、遊技球クリアスイッチ87の操作に応じて遊技球数情報が初期化される状況、及びRAMクリアスイッチ88の操作に応じて遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、枠CPU81は、初期化又はバックアップされた遊技球数情報、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0107】
枠制御基板80の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報記憶処理は、主制御基板60から入力する遊技情報を枠RAM83に記憶する処理である。枠CPU81は、遊技状態を特定可能な遊技情報を受信すると、当該遊技情報を枠RAM83に記憶させる。枠CPU81は、枠RAM83に記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、枠CPU81は、各種の遊技情報を入力すると、入力した遊技情報を特定可能な情報を生成し、枠RAM83に記憶させる。また、枠CPU81は、遊技情報を受信すると、当該受信した遊技情報の一部又は全部を外部機器(ホールコンピュータ等)に送信する。
【0108】
枠側通常処理のうち性能情報生成処理について説明する。
性能情報生成処理は、性能情報としてベース値を演算する処理である。枠CPU81は、遊技状態フラグを参照し、大当り遊技中ではなく、且つ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、枠CPU81は、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、始動口入賞情報と示す)、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、普通入賞情報と示す)を受信すると、通常遊技時における獲得賞球総数を加算する。獲得賞球総数は、性能情報の1つとして枠RAM83に記憶される。枠CPU81は、入賞通路信号又は非入賞通路信号を入力すると、通常遊技時における有効球総数を加算する。有効球総数は、性能情報の1つとして枠RAM83に記憶される。枠CPU81は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。枠CPU81は、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。枠CPU81は、有効球総数が規定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が規定数になる毎に行ってもよい。一例として、規定数は、60000球であってもよく、発射装置50によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。枠CPU81は、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ84を制御する。
【0109】
枠CPU81は、性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ84にて表示可能に構成されてもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口24への入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口25への入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口25への入賞に伴う獲得賞球総数である。
【0110】
枠側通常処理のうち遊技球数情報生成処理について説明する。
遊技球数情報生成処理は、遊技球数P2を生成(管理)するための処理である。枠CPU81は、主制御基板60から獲得賞球数情報を受信すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得賞球数を遊技球数P2に加算する。このように、枠CPU81は、獲得賞球数情報に応じて遊技球数P2を増加させる。獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると主制御基板60が出力する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成されている。枠CPU81は、カードユニット100から付与信号を受信すると、付与信号に示される付与球数を遊技球数P2に加算する。このように、枠CPU81は、付与信号に応じて遊技球数P2を増加させる。
【0111】
枠CPU81は、ファールセンサD21が出力するファール信号に基づき、1球の遊技球がファール球として回収されたことを検知すると、遊技球数P2を加算する。一例として、枠CPU81は、ファール信号がオン状態→オフ状態→オン状態のように遷移するとき、1球の遊技球がファール球として回収されたことを検知する。このように、枠CPU81は、ファールセンサD21による検知に応じて遊技球数P2を増加させる。
【0112】
枠CPU81は、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、遊技球数P2を減算する制御が可能である。枠CPU81が供給出口信号の入力に基づいて行う制御について、詳しくは後述する。枠CPU81は、計数スイッチ18が出力する計数信号に基づき、遊技球数P2を減算するとともに、遊技球数P2から減算した遊技球の数を特定可能な移管信号をカードユニット100に送信する制御が可能である。枠CPU81が計数信号の入力に基づいて行う制御について、詳しくは後述する。そして、枠CPU81は、遊技球数P2が「0」になると、遊技球数ゼロ信号を発射許可回路89bへ出力する。
【0113】
枠側通常処理のうちエラー設定処理及びエラー報知処理について説明する。
エラー設定処理は、エラーの発生を検知し、エラー状態を設定するための処理である。本実施形態では、エラー設定処理を実行する枠CPU81が、エラーを検出するエラー検出手段に相当する。
【0114】
本実施形態において、枠制御基板80(枠CPU81)が検知可能なエラーには、異常移管エラーと、異常供給エラーが少なくともある。異常移管エラーは、パチンコ遊技機10で管理している遊技球数P2のうち一部又は全部の管理をカードユニット100に移管するための球数移管処理において、現在の遊技球数P2が所定数(本実施形態では1)未満であると判定されたことを検知条件とするエラーである。球数移管処理について、詳しくは後述する。枠CPU81は、異常移管エラーの検知条件が成立した場合、異常移管エラーの発生を示す異常移管エラー情報を枠RAM83内の所定の記憶領域に記憶させる。異常供給エラーは、後述する特定制御状態に設定されていない場合に、供給出口センサD23から出力される供給出口信号に基づき、1球の遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと検知したことを検知条件とするエラーである。枠CPU81は、異常供給エラーの検知条件が成立した場合、異常供給エラーの発生を示す異常供給エラー情報を枠RAM83内の所定の記憶領域に記憶させる。本実施形態では、エラーの発生を示すエラー情報を枠RAM83に記憶させることが、エラー状態を設定することに相当する。
【0115】
エラー報知処理は、エラー状態が設定されている場合に所定の報知態様でエラーを報知させるための処理である。具体的に、枠CPU81は、エラー状態が設定されている場合、エラー報知処理において、枠RAM83内に記憶されている情報に基づいて発生しているエラーを特定し、特定したエラーの発生を報知するエラー報知を実行させるように所定の報知手段を制御する。本実施形態において、所定の報知手段は、エラーを報知するエラー報知手段に相当する。所定の報知手段は、例えば、性能表示モニタ84であってもよいし、報知音声装置13であってもよい。また、枠CPU81は、所定の信号を主制御基板60に出力することにより、主制御基板60が制御する報知手段(例えば、メイン表示装置21)によりエラー報知を実行させるように制御してもよい。さらに、枠CPU81は、主制御基板60を介して所定の信号を演出制御基板70に出力することにより、演出制御基板70が制御する報知手段(例えば、演出音声装置12、演出発光装置14、及び演出表示装置19)によりエラー報知を実行させるように制御してもよい。
【0116】
異常移管エラー及び異常供給エラーは、エラー解除スイッチ86の押込み操作が所定時間(一例として2秒)行われた場合に解除される。具体的に、枠CPU81は、エラー解除信号がオン状態のまま所定時間が経過したことを契機として、枠RAM83内に記憶されているエラー情報を消去することにより、エラー状態の設定を解除する。また、異常移管エラー及び異常供給エラーは、外部からの電力供給が遮断され、その後に外部からの電力供給が復帰した場合にも解除される。具体的に、本実施形態のパチンコ遊技機10は、外部からの電力供給が遮断された場合に、枠RAM83に記憶されているエラー情報をバックアップしないように構成されている。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、外部からの電力供給が遮断され、その後に外部からの電力供給が復帰した場合、異常移管エラー及び異常供給エラーが解除される。
【0117】
枠CPU81は、所定のエラー状態の設定中、遊技球の発射を規制する制御を行う。本実施形態において、所定のエラー状態には、異常移管エラー状態及び異常供給エラー状態を含む。言い換えれば、枠CPU81は、異常移管エラー又は異常供給エラーが検出されている場合には、遊技球の発射制御を実行しない。具体的に、枠CPU81は、異常移管エラー又は異常供給エラーが発生している場合、発射許可回路89bに対してエラー信号を出力する。ここで、発射許可回路89bは、カードユニット100から接続信号を入力しており、主制御基板60から発射停止信号を入力しておらず、且つ、枠CPU81から遊技球数ゼロ信号及びエラー信号を入力していないときに発射許可信号を生成し、発射制御基板90に出力する。つまり、発射許可信号がオン状態になる。
【0118】
次に、主制御基板60(主CPU61)が行う各種の処理について説明する。
メイン電源断処理について説明する。
主CPU61は、枠制御基板80(バックアップ回路89a)から電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。電源断処理において、主CPU61は、発射停止信号を枠制御基板80へ出力する。主CPU61は、主RAM63のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値を主RAM63に記憶させる。また、主CPU61は、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)を主RAM63に記憶させる。その後、主CPU61は、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときに主RAM63に記憶されている各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0119】
メイン電源投入処理について説明する。
主CPU61は、電源投入に伴って、主制御基板60への供給電圧が主CPU61の動作に必要な電圧に達すると、タイマ割り込み処理を禁止する。続けて、主CPU61は、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。具体的に、主CPU61は、主RAM63にバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、主CPU61は、主RAM63のチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、電源断処理にて算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。主CPU61は、バックアップフラグが記憶されており、且つチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。
【0120】
バックアップされた情報が異常と判定した場合、主CPU61は、主RAM63に記憶されているメイン情報を初期化する。主CPU61は、各種の情報が初期化されたことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。その後、主CPU61は、メイン電源投入処理を終了する。
【0121】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、主CPU61は、枠制御基板80(RAMクリアスイッチ88)からRAMクリア信号を入力しているか否かを判定する。RAMクリア信号を入力している場合、主CPU61は、主RAM63に記憶されているメイン情報を初期化する。主CPU61は、初期化コマンドを演出制御基板70へ出力する。一方、RAMクリア信号を入力していない場合、主CPU61は、バックアップされたメイン情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板70へ出力する。その後、主CPU61は、メイン電源投入処理を終了する。
【0122】
主CPU61は、メイン電源投入処理を終了すると、タイマ割り込み処理を許可する。つまり、主CPU61は、遊技を進行させるための処理(以下、メイン通常処理と示す)を実行可能となる。メイン通常処理は、メイン情報が初期化されておれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、主CPU61は、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも零であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、メイン通常処理に含まれる各種処理を実行する。メイン通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、主CPU61は、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。
【0123】
主CPU61は、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行うタイマ割り込み処理として、特別図柄入力処理、及び特別図柄開始処理などを実行する。
特別図柄入力処理について説明する。特別図柄入力処理は、メイン通常処理の1つである。
【0124】
主CPU61は、第1始動センサD11から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23へ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23へ入球した場合、主CPU61は、主RAM63に記憶されている第1保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、主CPU61は、第1保留数を1加算して更新する。続けて、主CPU61は、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置21cを制御する。本実施形態において、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
【0125】
次に、主CPU61は、乱数生成回路64が生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RAM63に記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主CPU61は、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
【0126】
主CPU61は、第1特別ゲーム用の乱数情報を主RAM63に記憶させた場合、遊技球が第1始動口23へ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口24へ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口24へ入球している場合、主CPU61は、主RAM63に記憶されている第2保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、主CPU61は、第2保留数を1加算して更新する。主CPU61は、加算後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示装置21dを制御する。本実施形態において、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
【0127】
次に、主CPU61は、主制御基板60内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報を主RAM63に記憶させる。主CPU61は、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。第2特別ゲーム用の乱数情報を主RAM63に記憶させた場合、遊技球が第2始動口24へ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、主CPU61は、特別図柄入力処理を終了する。
【0128】
特別図柄開始処理について説明する。特別図柄開始処理は、メイン通常処理の1つである。
最初に、主CPU61は、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主CPU61は、大当り遊技中ではなく、且つ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主CPU61は、第2保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が零である場合、主CPU61は、第1保留数が零よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が零である場合、主CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。
【0129】
第1保留数が零よりも大きい場合、主CPU61は、第1特別ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、主CPU61は、第1保留数を1減算して更新する。主CPU61は、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示装置21cを制御する。次に、主CPU61は、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主RAM63から取得する。続けて、主CPU61は、取得した乱数情報から特定される当り乱数を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。主CPU61は、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率にて大当り抽選を行う。
【0130】
大当りに当選した場合、主CPU61は、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、主CPU61は、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにて停止表示させる大当り図柄を決定する。主CPU61は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。
【0131】
大当りに当選しなかった場合、主CPU61は、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、主CPU61は、第1特別ゲームにて停止表示させるはずれ図柄を決定する。主CPU61は、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、主CPU61は、特別図柄開始処理を終了する。
【0132】
第2保留数が零よりも大きい場合、主CPU61は、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、主CPU61は、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0133】
主CPU61は、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板70へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理にて決定した変動パターンと、変動ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を特定可能な制御コマンドである。なお、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときとで異なる制御コマンドである。
【0134】
特別図柄開始処理を終了すると、主CPU61は、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。具体的に、主CPU61は、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第1特別図柄表示装置21aを制御する。主CPU61は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第1特別図柄表示装置21aを制御する。また、主CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。
【0135】
一方、主CPU61は、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を開始するように、第2特別図柄表示装置21bを制御する。主CPU61は、変動パターンに定められた変動時間を計測する。主CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を停止表示するように、第2特別図柄表示装置21bを制御する。また、主CPU61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板70に出力する。以上のように、パチンコ遊技機10は、主CPU61が特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することによって、始動口への遊技球の入球を契機に当り抽選を行い、当該当り抽選の結果に基づき図柄変動ゲームを実行可能に構成されている。
【0136】
大当り遊技処理について説明する。大当り遊技処理は、メイン通常処理の1つである。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。主CPU61は、特別ゲームにおいて大当り図柄を停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。主CPU61は、特別図柄開始処理にて決定した大当り図柄(即ち、大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。主CPU61は、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0137】
最初に、主CPU61は、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。主CPU61は、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。即ち、主CPU61は、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口25を開状態とする。主CPU61は、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口25を閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。主CPU61は、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。主CPU61は、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。主CPU61は、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板70に出力する。主CPU61は、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。主CPU61は、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンド)を演出制御基板70に出力する。
【0138】
状態移行処理について説明する。状態移行処理は、メイン通常処理の1つである。
主CPU61は、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主RAM63に高確フラグをセットする。即ち、主CPU61は、高確率状態に制御する。なお、主CPU61は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、確変フラグを消去しない。一方、主CPU61は、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、主RAM63に高確フラグをセットしない。即ち、主CPU61は、低確率状態に制御する。主CPU61は、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。即ち、主CPU61は、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0139】
主CPU61は、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、主RAM63に作動フラグをセットする。即ち、主CPU61は、高入球率状態に制御する。主CPU61は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを開始させる毎に、主RAM63に記憶されている実行カウンタの値を更新することによって、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。主CPU61は、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数に達した特別ゲームが終了すると、主RAM63に記憶されている作動フラグを消去する。即ち、主CPU61は、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、主CPU61は、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、作動フラグを消去しない。主CPU61は、大当り遊技を開始させる場合であって、作動フラグがセットされているとき、当該作動フラグを消去する。即ち、主CPU61は、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0140】
演出制御基板70(演出CPU71)が実行する各種の処理について説明する。
演出復電処理について説明する。
演出CPU71は、初期化コマンドを入力すると、演出装置群ESを構成する演出装置の一部又は全部を制御し、RAMクリア報知(初期化報知)を実行させる。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列を読み上げる音声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声装置12から出力する態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、RAMクリア専用の発光パターンにて演出発光装置14を発光させる態様にて実行される。一例として、RAMクリア報知は、「RAMクリア」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示装置19に表示する態様にて実行される。演出CPU71は、RAMクリア報知を開始してから所定時間が経過すると、RAMクリア報知を終了するように演出装置群ESを制御する。また、演出CPU71は、初期化コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せを表示するように演出表示装置19を制御する。
【0141】
演出CPU71は、復電コマンドを入力すると、演出装置群ESを構成する演出装置の一部又は全部を制御し、復電報知を実行させる。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列を読み上げる音声など、RAMクリアの実行を特定可能な音声を演出音声装置12から出力する態様にて実行される。一例として、復電報知は、復電専用の発光パターンにて演出発光装置14を発光させる態様にて実行される。一例として、復電報知は、「復電中です」の文字列など、RAMクリアの実行を特定可能な画像を演出表示装置19に表示する態様にて実行される。演出CPU71は、復電報知を開始してから所定時間が経過すると、復電報知を終了するように演出装置群ESを制御する。これに限らず、演出CPU71は、復電報知を実行させない構成であってもよい。また、演出CPU71は、復電コマンドを入力すると、所定の背景画像、及び所定の演出図柄の組合せとは異なる演出図柄の組合せを表示するように演出表示装置19を制御する。
【0142】
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。演出CPU71は、オープニングコマンドを受信すると、オープニング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。演出CPU71は、ラウンドコマンドを受信すると、ラウンド演出を実行するように演出装置群ESを制御する。演出CPU71は、エンディング開始コマンドを受信すると、エンディング演出を実行するように演出装置群ESを制御する。演出CPU71は、エンディング終了コマンドを受信すると、エンディング演出を終了するように演出装置群ESを制御する。
【0143】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。演出CPU71は、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを受信すると、演出ゲームを実行するように演出表示装置19を含む演出装置群ESを制御する。具体的に、演出CPU71は、変動開始コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を選択する。また、演出CPU71は、特別図柄コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにて停止表示させる図柄組合せを決定する。演出CPU71は、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。演出CPU71は、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、はずれの図柄組合せを決定する。
【0144】
そして、演出CPU71は、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示装置19を制御する。即ち、演出CPU71は、演出ゲームを開始させる。また、演出CPU71は、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示装置19を含む演出装置群ESを制御する。演出CPU71は、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、演出CPU71は、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0145】
遊技球を発射させるときの制御について説明する。
本実施形態では、枠制御基板80(枠CPU81)による供給装置40の制御、及び発射制御基板90(発射制御回路91)による発射装置50の制御の組合せによって、遊技球の供給及び発射が実現される。
【0146】
本実施形態において、遊技球の発射条件は、発射許可信号及びタッチ信号がオン状態であり、且つ、ストップ信号がオフ状態である場合において、ハンドルレバー15aの操作に応じて出力されるボリューム信号の電圧が所定のしきい値を超えたときに成立する。枠制御基板80(枠CPU81)及び発射制御基板90(発射制御回路91)は、遊技球の発射条件が成立している場合、供給装置40から発射装置50へ遊技球を供給する供給動作と遊技球を発射する発射動作とを含む発射シーケンスを実行する。
【0147】
図10に示すように、発射制御回路91は、遊技球の発射条件が成立すると、減算基準信号を枠制御基板80の枠CPU81へ出力する(時点t1)。なお、ここでは図示しないが、発射制御回路91は、遊技球の発射条件が成立している間、所定の周期で減算基準信号を枠制御基板80の枠CPU81へ出力する。本実施形態において、減算基準信号を出力する周期(時間間隔)は、1回の発射シーケンスに要する時間と同一である。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球の発射条件が成立している間、複数回の発射シーケンスが連続して実行される。
【0148】
枠CPU81は、減算基準信号を入力すると、供給ソレノイド43をオフ状態からオン状態に制御することにより、可動片42を停止位置42P1から供給位置42P2へ変位させる。その後、枠CPU81は、供給ソレノイド43をオン状態に制御してから予め定めた第1時間が経過したことを契機として、供給ソレノイド43をオン状態からオフ状態に制御することにより、可動片42を供給位置42P2から停止位置42P1へ変位させる(時点t3)。即ち、枠CPU81は、減算基準信号を入力すると、第1時間にわたって可動片42を供給位置42P2に変位させる。これにより、本実施形態では、保持部42aに保持されている1球の遊技球が供給通路44aを介して発射装置50に供給される。
【0149】
また、発射制御回路91は、遊技球の発射条件が成立してから予め定めた第2時間が経過したことを契機として、発射ソレノイド53をオフ状態からオン状態に制御することにより、発射ハンマー52を退避位置52P2から打球位置52P1へ変位させる(時点t4)。これにより、本実施形態では、発射装置50に供給された1球の遊技球が遊技領域20aに向かって発射される。このとき、発射制御回路91は、入力したボリューム信号に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド53へ供給することにより、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた発射強度で遊技球を発射させる。その後、発射制御回路91は、発射ソレノイド53をオン状態に制御してから予め定めた第3時間が経過したことを契機として、発射ソレノイド53をオン状態からオフ状態に制御することにより、発射ハンマー52を打球位置52P1から退避位置52P2へ変位させる(時点t5)。
【0150】
このような制御により、本実施形態では、遊技球の発射条件が成立したことを契機として、保持部42aに保持されている1球の遊技球が発射装置50に供給されるとともに、発射装置50に供給された遊技球が遊技領域20aに向けて発射される。本実施形態では、1回の発射シーケンスを実行するための枠制御基板80(枠CPU81)及び発射制御基板90(発射制御回路91)による制御が、発射制御に相当する。本実施形態の発射制御は、供給装置40による供給動作を行わせるための制御と、発射装置50による発射動作を行わせるための制御と、を含む。特に、本実施形態の発射制御では、供給動作が行われた後に発射動作が行われる。
【0151】
また、枠CPU81は、発射シーケンスの実行中に特定制御状態に設定する制御が可能である。本実施形態において、特定制御状態は、供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機として遊技球数P2を減算する制御が可能な減算許可状態に相当する。供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機として遊技球数P2を減算する処理について、詳しくは後述する。
【0152】
具体的に、枠CPU81は、減算基準信号を入力すると、枠RAM83内の所定の記憶領域に特定制御情報を記憶させることにより、特定制御状態に設定する(時点t1)。言い換えれば、本実施形態において、特定制御状態は、遊技球を発射装置50へ供給する供給動作の開始に伴って設定される。
【0153】
枠CPU81は、特定制御状態に設定されている場合に、供給出口センサD23から出力される供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定したときには、後述する供給減算処理を実行することにより、特定制御状態を終了させる(時点t2)。即ち、特定制御状態は、供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機として終了する。
【0154】
また、図示しないが、枠CPU81は、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定していない場合であっても、特定制御状態に設定してから予め定めた第4時間が経過したことを契機として、後述する特定期間経過処理を実行することにより、特定制御状態を終了させる。言い換えれば、枠CPU81は、減算基準信号を入力してから第4時間が経過したときには、特定制御状態を終了させる。即ち、特定制御状態は、減算基準信号を入力してから第4時間が経過するまでの特定期間にわたって設定可能である。
【0155】
本実施形態において、第4時間は、発射制御回路91が減算基準信号を出力してから発射動作を開始させるまでの時間と同一又は略同一の時間である。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、減算制御状態は、供給動作が開始されてから発射動作が開始されるまでの間にわたって設定され得る。
【0156】
遊技球数P2を管理するための制御について説明する。
枠CPU81が行う計数スイッチ押下処理について説明する。枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されたことを示す計数信号を入力したことを契機として、計数スイッチ押下処理を行う。
【0157】
図11に示すように、計数スイッチ押下処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されているか否かを判定する(ステップSa1)。特定制御状態に設定されていない場合(ステップSa1:NO)、枠CPU81は、パチンコ遊技機10で管理している遊技球数P2のうち一部又は全部の管理をカードユニット100に移管するための球数移管処理を実行する(ステップSa2)。球数移管処理について、詳しくは説明する。その後、枠CPU81は、計数スイッチ押下処理を終了する。
【0158】
一方、特定制御状態に設定されている場合(ステップSa1:YES)、枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されたことを示す特定操作情報を枠RAM83内の所定の記憶領域に記憶させる(ステップSa3)。その後、枠CPU81は、球数移管処理を実行することなく計数スイッチ押下処理を終了する。
【0159】
枠CPU81が行う球数移管処理について説明する。
図12に示すように、球数移管処理において、枠CPU81は、枠RAM83内に記憶されている遊技球数P2が所定数(本実施形態では1)以上であるか否かを判定する(ステップSb1)。なお、本実施形態において遊技球数P2は0又は正の整数であるため、遊技球数P2が1以上であるときとは、遊技球数P2が0ではないときと同じ意味であり、遊技球数P2が1未満であるときとは、遊技球数P2が0であるときと同じ意味である。
【0160】
遊技球数P2が1以上である場合(ステップSb1:YES)、枠CPU81は、遊技球数P2を1減算するように制御する(ステップSb2)。その後、枠CPU81は、保有球数P1を1加算することを指示する移管信号をCU制御CPU105aに出力する(ステップSb3)。その後、枠CPU81は、球数移管処理を終了する。
【0161】
一方、遊技球数P2が1未満である場合(ステップSb1:NO)、枠CPU81は、枠RAM83内の所定の記憶領域に異常移管エラー情報を記憶させる(ステップSb4)。即ち、枠CPU81は、球数移管処理を実行した場合において、遊技球数P2が1未満であるときには、異常移管エラーと判定する。その後、枠CPU81は、遊技球数P2を減算することなく、且つ、移管信号を出力することなく、球数移管処理を終了する。
【0162】
このような球数移管処理によれば、枠CPU81は、計数スイッチ18の操作に基づいて、遊技球数P2のうち一部又は全部の管理をカードユニット100に移管することにより、遊技球数P2を減算することができる。本実施形態において、球数移管処理は、遊技球数P2の個数を減算するための特定減算制御に相当する。
【0163】
一方で、球数移管処理において、枠CPU81は、遊技球数P2が1未満である場合、遊技球数P2の減算を制限する。言い換えれば、本実施形態の球数移管処理では、遊技球数P2が特定個数(本実施形態では0)以下であるときには、遊技球数P2の減算を制限する。即ち、本実施形態の球数移管処理では、遊技球数P2が特定個数以下である場合、遊技球数P2の個数を減算しない。
【0164】
また、枠CPU81は、球数移管処理において遊技球数P2が1未満である場合には、異常移管エラーと判定する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、球数移管処理が実行される場合に、遊技球数P2の個数が1未満であるときには、所定の報知手段により異常移管エラーの発生を報知するエラー報知が実行される。言い換えれば、所定の報知手段は、球数移管処理が実行される場合に、遊技球数P2の個数が特定個数(本実施形態では0)以下であるときには、エラーの報知を行う。
【0165】
そして、このような計数スイッチ押下処理及び球数移管処理によれば、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていない期間中に計数スイッチ18が操作されたときには、球数移管処理を実行する。一方で、枠CPU81は、特定制御状態に設定されている期間中に計数スイッチ18が操作されたときには、球数移管処理を実行することなく、計数スイッチ18が操作されたことを特定可能な特定操作情報を枠RAM83に記憶させる。本実施形態において、特定制御状態に設定されていない期間は、減算許可期間に相当する。また、本実施形態において、特定制御状態に設定されている期間は、減算制限期間に相当する。
【0166】
枠CPU81が行う供給減算処理について説明する。枠CPU81は、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定したことを契機として、供給減算処理を実行する。枠CPU81は、供給出口センサD23から入力する供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたか否かを判定する。具体的に、枠CPU81は、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移した場合に、1球の遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定する。
【0167】
図13に示すように、供給減算処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されているか否かを判定する(ステップSc1)。特定制御状態に設定されている場合(ステップSc1:YES)、枠CPU81は、パチンコ遊技機10で管理している遊技球数P2を1減算する(ステップSc2)。続いて、枠CPU81は、枠RAM83内の所定の記憶領域に記憶されている特定制御情報を消去することにより、特定制御状態を終了させる(ステップSc3)。
【0168】
続いて、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されているか否かを判定する(ステップSc4)。特定操作情報が記憶されている場合(ステップSc4:YES)、枠CPU81は、球数移管処理を実行する(ステップSc5)。なお、供給減算処理のステップSc5において実行される球数移管処理の内容は、計数スイッチ押下処理のステップSa2において実行される球数移管処理の内容と同一であるため、説明を省略する。球数移管処理を終了すると、枠CPU81は、特定操作情報を消去する(ステップSc6)。その後、枠CPU81は、供給減算処理を終了する。一方、特定操作情報が記憶されていない場合(ステップSc4:NO)、枠CPU81は、球数移管処理を実行することなく、供給減算処理を終了する。
【0169】
また、特定制御状態に設定されていない場合(ステップSc1:NO)、枠CPU81は、枠RAM83内の所定の記憶領域に異常供給エラー情報を記憶させる(ステップSc7)。即ち、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていない場合に供給減算処理が実行されたときには、異常供給エラーと判定する。その後、枠CPU81は、遊技球数P2を減算することなく、且つ、球数移管処理を実行することなく、供給減算処理を終了する。
【0170】
このような供給減算処理により、枠CPU81は、特定制御状態が設定されているときに供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機として、遊技球数P2の個数を減算する。本実施形態における供給減算処理は、発射シーケンスの実行中に供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機として遊技球数P2の個数を減算する供給減算制御に相当する。
【0171】
一方で、供給減算処理において、枠CPU81は、特定制御状態が設定されていないときに供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機としては、遊技球数P2の個数を減算しない。特に、本実施形態において、枠CPU81は、特定制御状態が設定されていないときに供給出口センサD23により遊技球が検知されたときには、異常供給エラーと判定する。また、特定制御状態は、供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを条件として終了される。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の発射シーケンスが実行される場合に、供給出口センサD23により2球以上の遊技球が検知されたときには、所定の報知手段により異常供給エラーの発生を報知するエラー報知が実行される。言い換えれば、所定の報知手段は、1回の発射シーケンスにおける2回目の供給出口センサD23による遊技球の検知を契機として、エラー報知を行う。
【0172】
枠CPU81が行う特定期間経過処理について説明する。枠CPU81は、減算基準信号を入力してから第4時間が経過したことを契機として、特定期間経過処理を実行する。
図14に示すように、特定期間経過処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されているか否かを判定する(ステップSd1)。特定制御状態に設定されていない場合(ステップSd1:NO)、枠CPU81は、特定期間経過処理を終了する。
【0173】
一方、特定制御状態に設定されている場合(ステップSd1:YES)、枠CPU81は、枠RAM83内の所定の記憶領域に記憶されている特定制御情報を消去することにより、特定制御状態を終了させる(ステップSd2)。続いて、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されているか否かを判定する(ステップSd3)。特定操作情報が記憶されていない場合(ステップSd3:NO)、枠CPU81は、特定期間経過処理を終了する。
【0174】
一方、特定操作情報が記憶されている場合(ステップSd3:YES)、枠CPU81は、球数移管処理を実行する(ステップSd4)。なお、特定期間経過処理のステップSd4において実行される球数移管処理の内容は、計数スイッチ押下処理のステップSa2において実行される球数移管処理、及び供給減算処理のステップSc5において実行される球数移管処理の内容と同一であるため、説明を省略する。球数移管処理を終了すると、枠CPU81は、特定操作情報を消去する(ステップSd5)。その後、枠CPU81は、特定期間経過処理を終了する。
【0175】
このような供給減算処理及び特定期間経過処理によれば、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されているときには、特定制御状態の終了に伴って球数移管処理を実行する。言い換えれば、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されているときには、減算許可期間の到来を契機として、球数移管処理を実行する。
【0176】
以下、遊技球が発射されるときの遊技球数P2の変化態様の具体的な一例について説明する。
図15に示す例では、遊技球数P2が「3」であるときに遊技球の発射条件が成立したことを契機として2回の発射シーケンスが連続して実行されるものとする。この場合、枠CPU81は、遊技球の発射条件の成立に伴って減算基準信号を入力すると、1回目の発射シーケンスを実行させるように制御する。具体的に、枠CPU81は、減算基準信号を入力すると、供給ソレノイド43をオフ状態からオン状態に制御するとともに、特定制御状態に設定する(時点t11)。続いて、枠CPU81は、供給ソレノイド43をオン状態に制御してから第1時間が経過すると、供給ソレノイド43をオン状態からオフ状態に制御する(時点t13)。このような供給ソレノイド43の動作により、本実施形態では、原則として1球の遊技球が供給装置40から発射装置50に供給される。
【0177】
また、発射制御回路91は、遊技球の発射条件が成立してから第2時間が経過すると、発射ソレノイド53をオフ状態からオン状態に制御する(時点t15)。その後、発射制御回路91は、発射ソレノイド53をオン状態に制御してから第3時間が経過したことを契機として、発射ソレノイド53をオン状態からオフ状態に制御する(時点t16)。このような発射ソレノイド53の動作により、本実施形態では、発射装置50に供給された遊技球が遊技領域20aに向かって発射される。
【0178】
また、この例では、1回目の発射シーケンスの終了時においても遊技球の発射条件が成立していることで、1回目の発射シーケンスに続けて2回目の発射シーケンスが実行される。具体的に、枠CPU81は、1回目の発射シーケンスの終了に伴って減算基準信号を入力すると、供給ソレノイド43をオフ状態からオン状態に制御するとともに、特定制御状態に設定する(時点t16)。続いて、枠CPU81は、供給ソレノイド43をオン状態に制御してから第1時間が経過すると、供給ソレノイド43をオン状態からオフ状態に制御する(時点t17)。また、発射制御回路91は、遊技球の発射条件が成立してから第2時間が経過すると、発射ソレノイド53をオフ状態からオン状態に制御する(時点t19)。その後、発射制御回路91は、発射ソレノイド53をオン状態に制御してから第3時間が経過したことを契機として、発射ソレノイド53をオン状態からオフ状態に制御する(時点t20)。
【0179】
そして、枠CPU81は、供給出口センサD23から入力する供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定すると、供給減算処理を実行する(時点t12,14,18)。
【0180】
1回目の発射シーケンスにおける1回目の供給減算処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、遊技球数P2を1減算するとともに、特定制御状態を終了させる(時点t12)。この例では、遊技球数P2が「3」から「2」に減算される。一方、1回目の発射シーケンスにおける2回目の供給減算処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていないことから、遊技球数P2を減算しない(時点t14)。これによれば、枠CPU81は、1回の発射シーケンスにおいて、供給出口センサD23による1回目の遊技球の検知を契機として遊技球数P2を減算する一方で、供給出口センサD23による2回目の遊技球の検知を契機としては遊技球数P2を減算しないように制御可能である。
【0181】
また、2回目の発射シーケンスにおける1回目の供給減算処理では、枠CPU81は、1回目の発射シーケンスにおける1回目の供給減算処理を実行するときと同様に、特定制御状態に設定されていることから、遊技球数P2を1減算するとともに、特定制御状態を終了させる(時点t18)。この例では、遊技球数P2が「2」から「1」に減算される。このとき、1回目の発射シーケンスと、2回目の発射シーケンスとでは、特定制御状態に設定されてから1回目の供給減算処理が実行されるまでの時間が異なる場合がある。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10において、特定制御状態が設定される時間の長さは、発射シーケンスが1回行われる場合と、1回の発射シーケンスに続けて2回目の発射シーケンスが行われる場合とで異なるときがある。
【0182】
図16に示す例では、遊技球数P2が「3」であるときに遊技球の発射条件が成立したことを契機として1回の発射シーケンスが実行されるものとする。1回の発射シーケンスを実行するときの制御については、図15に示す例における1回目の発射シーケンスを実行するときの制御と同一であるため、説明を省略する。また、この例では、1回の発射シーケンスの実行中に、供給出口センサD23から入力する供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定されなかったものとする。
【0183】
この場合、枠CPU81は、減算基準信号を入力してから第4時間が経過すると、特定期間経過処理を実行する(時点t23)。このとき、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、特定期間経過処理において、特定制御状態を終了させる。これによれば、特定制御状態は、減算基準信号を入力してから第4時間が経過するまでの特定期間にわたって設定される。
【0184】
図17に示す例では、遊技球数P2が「3」であるときに遊技球の発射条件が成立したことを契機として1回の発射シーケンスが実行されるものとする。1回の発射シーケンスを実行するときの制御については、図15に示す例における1回目の発射シーケンスを実行するときの制御と同一であるため、説明を省略する。また、この例では、発射シーケンスの実行中に計数スイッチ18が操作されるものとし、該計数スイッチ18の操作よりも前に供給装置40から発射装置50へ遊技球が供給されるものとする。即ち、この例では、1回の発射シーケンスの実行中である期間のうち、特定制御状態に設定されていない期間中に、計数スイッチ18が操作されるものとする。
【0185】
この場合、枠CPU81は、供給出口センサD23から入力する供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定すると、供給減算処理を実行する(時点t32)。供給減算処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、遊技球数P2を1減算するとともに、特定制御状態を終了させる。この例では、遊技球数P2が「3」から「2」に減算される。
【0186】
その後、枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されたことを示す計数信号を入力すると、計数スイッチ押下処理を行う(時点t34)。このとき、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていないことから、計数スイッチ押下処理において球数移管処理を実行する。そして、枠CPU81は、球数移管処理が実行されるときの遊技球数P2が1以上(この例では2)であることから、球数移管処理において、遊技球数P2を1減算するとともに、保有球数P1を1加算することを指示する移管信号をCU制御CPU105aに出力する。この例では、遊技球数P2が「2」から「1」に減算される。
【0187】
これによれば、枠CPU81は、発射シーケンスの実行中である期間のうち特定制御状態に設定されていない期間である減算許可期間において計数スイッチ18が操作されたときには、該減算許可期間中に球数移管処理を実行することにより、遊技球数P2を減算させることができる。
【0188】
図18に示す例では、遊技球数P2が「3」であるときに遊技球の発射条件が成立したことを契機として1回の発射シーケンスが実行されるものとする。1回の発射シーケンスを実行するときの制御については、図15に示す例における1回目の発射シーケンスを実行するときの制御と同一であるため、説明を省略する。また、この例では、発射シーケンスの実行中に計数スイッチ18が操作されるものとし、該計数スイッチ18の操作よりも前に供給装置40から発射装置50へ遊技球が供給されず、該計数スイッチ18の操作後に供給装置40から発射装置50へ遊技球が供給されるものとする。即ち、この例では、1回の発射シーケンスの実行中である期間のうち、特定制御状態に設定されている期間中に、計数スイッチ18が操作されるものとする。
【0189】
この場合、枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されたことを示す計数信号を入力すると、計数スイッチ押下処理を行う(時点t42)。このとき、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、計数スイッチ押下処理において球数移管処理を実行することなく、特定操作情報を記憶させる。即ち、枠CPU81は、発射シーケンスの実行中である期間のうち特定制御状態に設定されている期間である減算制限期間において計数スイッチ18が操作されたときには、該減算制限期間中に球数移管処理を実行することなく特定操作情報を枠RAM83に記憶させる。
【0190】
その後、枠CPU81は、供給減算処理又は特定期間経過処理において特定制御状態が終了されることに伴って、球数移管処理を実行する。この例では、供給出口センサD23から入力する供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定したことを契機として供給減算処理が実行されるものとする(時点t44)。このとき、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、供給減算処理において、遊技球数P2を1減算するとともに、特定制御状態を終了させる。この例では、遊技球数P2が「3」から「2」に減算される。さらに、この場合、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されていることから、供給減算処理において球数移管処理を実行する。そして、枠CPU81は、球数移管処理が実行されるときの遊技球数P2が1以上(この例では2)であることから、球数移管処理において、遊技球数P2を1減算するとともに、保有球数P1を1加算することを指示する移管信号をCU制御CPU105aに出力する。この例では、遊技球数P2が「2」から「1」に減算される。
【0191】
これによれば、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されているときには、減算許可期間の到来を契機として球数移管処理を実行することができる。
図19に示す例では、遊技球数P2が「1」である場合に、図18に示す例と同様にして1回の発射シーケンスが実行され、且つ、該1回の発射シーケンスの実行中である期間のうち特定制御状態に設定されている期間中に計数スイッチ18が操作されるものとする。
【0192】
この場合、枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されたことを示す計数信号を入力すると、計数スイッチ押下処理を行う(時点t52)。このとき、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、計数スイッチ押下処理において球数移管処理を実行することなく、特定操作情報を記憶させる。その後、枠CPU81は、供給出口センサD23から入力する供給出口信号に基づいて、遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定したことを契機として供給減算処理を実行する(時点t54)。このとき、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていることから、供給減算処理において、遊技球数P2を1減算するとともに、特定制御状態を終了させる。この例では、遊技球数P2が「1」から「0」に減算される。
【0193】
さらに、この場合、枠CPU81は、特定操作情報が記憶されていることから、供給減算処理において球数移管処理を実行する。このとき、枠CPU81は、球数移管処理が実行されるときの遊技球数P2が1未満(この例では0)であることから、球数移管処理において、遊技球数P2を減算せず、保有球数P1を1加算することを指示する移管信号も出力しない。
【0194】
このように、枠CPU81は、特定制御状態に設定されており且つ遊技球数P2が「1」である場合に計数スイッチ18が操作されたときには、その後に供給装置40から発射装置50へ遊技球が供給されたと判定すると、供給減算処理を実行することにより、遊技球数P2を1減算して「0」とする。この場合、枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されており特定操作情報が記憶されていることから、供給減算処理において特定制御状態を終了させた後に球数移管処理を実行するが、遊技球数P2が「0」であるため、該球数移管処理においては遊技球数P2を減算しない。即ち、本実施形態において、枠CPU81は、減算制限期間であって且つ遊技球数P2が特別個数(本実施形態では1)である場合に計数スイッチ18が操作されたときには、減算許可期間が到来したことを契機として実行される球数移管処理において、遊技球数P2の減算を制限する。本実施形態において、特別個数は、特定個数よりも1多い数である。
【0195】
図20に示す例では、遊技球数P2が「1」である場合に、遊技球の発射条件が成立したことを契機として1回の発射シーケンスが実行されるものとする。また、この例では、1回の発射シーケンスの途中でパチンコ遊技機10への外部からの電力供給が遮断され、その後に外部からの電力供給が再開されたものとする。
【0196】
具体的に、この例において、枠CPU81は、減算基準信号の入力を契機として、供給ソレノイド43をオフ状態からオン状態に制御するとともに、特定制御状態に設定する(時点t61)。続いて、枠CPU81は、計数スイッチ18が操作されたことを示す計数信号の入力を契機として計数スイッチ押下処理を行うことにより、枠RAM83に特定操作情報を記憶させる(時点t62)。その後、枠CPU81は、供給ソレノイド43をオン状態に制御してから第1時間が経過すると、供給ソレノイド43をオン状態からオフ状態に制御する(時点t63)。
【0197】
そして、この例では、供給ソレノイド43がオフ状態に制御された後、発射ソレノイド53がオン状態に制御されるよりも前に、外部からの電力供給が遮断されたものとする(時点t64)。
【0198】
発射制御回路91は、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも、発射ソレノイド53を動作させる制御可能である。具体的に、発射制御回路91は、外部からの電力供給が遮断された後であっても、遊技球の発射条件が成立してから第2時間が経過すると、発射ソレノイド53をオフ状態からオン状態に制御する(時点t65)。その後、発射制御回路91は、発射ソレノイド53をオン状態に制御してから第3時間が経過したことを契機として、発射ソレノイド53をオン状態からオフ状態に制御する(時点t66)。
【0199】
なお、図示しないが、発射制御回路91は、発射動作の実行中に外部からの電力供給が遮断された場合であっても、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、発射動作を完了させることができる。また、図示しないが、枠CPU81は、供給動作の実行中に外部からの電力供給が遮断された場合であっても、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、供給ソレノイド43を制御して供給動作を実行させることができる。
【0200】
また、枠RAM83は、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、該枠RAM83に記憶されている情報のうち一部の情報を記憶保持する。例えば、枠RAM83が記憶保持する情報には、遊技球数P2を特定可能な遊技球数情報が含まれている。一方で、枠RAM83が記憶保持する情報には、特定制御情報及び特定操作情報が含まれていない。
【0201】
このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、外部からの電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給が遮断されたときの遊技球数P2に基づいて遊技を復帰させることができる(時点t67)。一方で、本実施形態のパチンコ遊技機10では、外部からの電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給が遮断されたときに特定制御状態に設定されていたか否かにかかわらず、電力供給の再開時には特定制御状態に設定されない。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、外部からの電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給の再開後には減算許可期間となる。
【0202】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、外部からの電力供給が遮断され、その後に電力供給が再開された場合、電力供給が遮断されたときに特定操作情報が記憶されていたか否かに関わらず、電力供給の再開時には特定操作情報が記憶されていない状態となる。このため、枠CPU81は、特定制御状態に設定されているときに計数スイッチ18が操作されたことを契機として枠RAM83に特定操作情報を記憶させた場合であっても、その後に特定制御状態が終了するまでの間に外部からの電力供給が遮断されたときには、電力供給が復帰したことを契機としては球数移管処理を実行しない。即ち、枠CPU81は、減算制限期間において計数スイッチ18が操作されたことを契機として枠RAM83に特定操作情報を記憶させた場合であって、その後に減算許可期間が到来するまでの間に外部からの電力供給が遮断されたときには、電力供給の復帰後に減算許可期間が到来したときであっても、球数移管処理を実行しない。
【0203】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)枠CPU81は、1回の発射シーケンスにおいて、供給出口センサD23による2回目の遊技球の検知を契機としては遊技球数P2を減算しない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、例えば1回の発射シーケンスにおいて供給出口センサD23によって遊技球が誤って2回検知された場合であっても、遊技球数P2が2回減算されてしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0204】
(2)枠CPU81は、特定制御状態に設定されていないときに供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機としては遊技球数P2を減算しない。そして、特定制御状態は、1回の発射シーケンスにおいて、供給出口センサD23による1回目の遊技球の検知を契機として終了する。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の発射シーケンスにおいて、2回目以降の供給出口センサD23による遊技球の検知を契機として遊技球数P2が減算されてしまうことを抑制できるため、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0205】
(3)特に、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていないときに供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機としては遊技球数P2を減算しない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、供給動作が行われていないにもかかわらず遊技球数P2が減算されてしまうことを抑制できるため、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0206】
(4)枠CPU81は、減算基準信号の入力に伴って特定制御状態に設定してから第4時間が経過したことを契機として、該特定制御状態を終了させる。このため、枠CPU81は、減算基準信号の入力に伴って供給ソレノイド43の動作を開始したときから第4時間が経過した後に、供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機としては、遊技球数P2を減算しない。ここで、供給ソレノイド43の動作を開始したときから第4時間が経過した後に供給出口センサD23により遊技球が検知される場合とは、たとえば、供給装置40に何らかの異常が発生した場合や、既に供給出口センサD23によって検知された遊技球が発射強度の不足によって供給装置40内に逆流してしまう場合などが考えられる。このような場合であっても、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球数P2が減算されないように制御できるため、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0207】
(5)特定制御状態が設定される時間の長さは、発射シーケンスが1回行われる場合と、1回の発射シーケンスに続けて2回目の発射シーケンスが行われる場合とで異なるときがある。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、発射制御に関する遊技の状況に応じて適切な期間にわたって特定制御状態に設定できるため、遊技球の個数に関するデータの信頼性をさらに向上できる。
【0208】
(6)1回の発射シーケンスでは、供給装置40から発射装置50へ遊技球を供給する供給動作が行われた後に、供給された遊技球を発射する発射動作が行われる。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の発射シーケンスの終了時に発射装置50内に遊技球が残存した状態となることを抑制できるため、発射可能な遊技球の個数を遊技球数P2として正しく計数することができる。
【0209】
(7)減算許可期間において計数スイッチ18が操作された場合、枠CPU81は、減算許可期間中に球数移管処理を実行することにより、遊技球数P2を減算可能である。一方、減算制限期間において計数スイッチ18が操作された場合、枠CPU81は、減算制限期間中には球数移管処理を実行することなく、その後に減算許可期間が到来したことを契機として球数移管処理を実行することにより、遊技球数P2を減算可能である。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技の状況に応じて適切なタイミングで球数移管処理を実行可能であるため、遊技球数P2の個数が遊技の状況と不一致となってしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0210】
(8)枠CPU81は、特定制御状態に設定されていない場合、供給出口センサD23によって遊技球が検知されたことを契機としては遊技球数P2を減算しない。ここで、減算許可期間は、特定制御状態に設定されていない期間である。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、計数スイッチ18が操作されたことを契機として遊技球数P2が減算される減算許可期間中に、供給出口センサD23によって遊技球が検知されたことを契機としても遊技球数P2が減算されてしまうことで、遊技球数P2の管理が複雑化してしまうことを抑制できる。
【0211】
(9)枠CPU81は、特定制御状態に設定されている場合、供給出口センサD23によって遊技球が検知されたことを契機として遊技球数P2を減算する。ここで、減算制限期間は、特定制御状態に設定されている期間である。このため、本実施形態のパチンコ遊技機10では、供給出口センサD23によって遊技球が検知されたことを契機として遊技球数P2が減算される特定制御状態に設定されているときに、計数スイッチ18が操作されたことを契機としても遊技球数P2が減算されてしまうことで、遊技球数P2の管理が複雑化してしまうことを抑制できる。
【0212】
(10)枠CPU81は、球数移管処理を実行するときの遊技球数P2が「0」である場合、遊技球数P2を減算しない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球数P2が負の数となることにより、遊技球の個数に関するデータの信頼性が低下してしまうことを抑制できる。
【0213】
(11)特に、枠CPU81は、減算制限期間中に計数スイッチ18が操作された場合であって、且つ、計数スイッチ18が操作されたときの遊技球数P2が「1」以下であるときには、その後に減算許可期間が到来したことを契機として実行される球数移管処理において遊技球数P2を減算しない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、計数スイッチ18が操作されてから球数移管処理が実行されるまでの間に供給減算処理により遊技球数P2が減算された場合であっても、遊技球数P2と遊技の状況とが不一致になってしまうことを抑制できる。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球の個数に関するデータの信頼性を向上できる。
【0214】
(12)枠CPU81は、異常供給エラー又は異常移管エラーが検出されている場合には、遊技球の発射制御を実行しない。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、エラーが検出されている間に発射制御が実行されることで、遊技球数P2を正しく計数できなくなってしまうことを抑制できる。
【0215】
(13)本実施形態のパチンコ遊技機10では、異常供給エラーが検出された場合、所定の報知手段により異常供給エラーの発生を報知するエラー報知が実行される。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、1回の発射シーケンスにおいて、供給出口センサD23によって遊技球が2回以上検知されたことをパチンコ遊技機10の管理者等に把握させやすくすることができる。
【0216】
(14)本実施形態のパチンコ遊技機10では、異常移管エラーが検出された場合、所定の報知手段により異常移管エラーの発生を報知するエラー報知が実行される。これによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技球数P2が「0」であるときに球数移管処理が実行される場合に、エラー報知によって注意喚起することで、データとして記憶された遊技球の個数が遊技の状況と不一致となってしまうことを抑制できる。
【0217】
(15)仮に、計数スイッチ18が操作されてから減算許可期間が到来するまでの間に外部からの電力供給が遮断された場合に、その後に電力供給が再開されて減算許可期間が到来したことを契機として球数移管処理が実行されるとする。この場合、外部からの電力供給が遮断されないときと比較して、計数スイッチ18が操作されてから球数移管処理が実行されるまでの時間が長くなる。このため、球数移管処理によって遊技球数P2が減算された場合に、遊技球の個数が減算された理由を把握しにくくなることで、遊技球の個数に関するデータの信頼性が低下してしまうことが考えられる。これに対し、本実施形態のパチンコ遊技機10では、外部からの電力供給が遮断される前に計数スイッチ18が操作された場合であっても、電力供給の再開後に減算許可期間が到来したことを契機としては球数移管処理が実行されないため、遊技球の個数に関するデータの信頼性が低下してしまうことを抑制できる。
【0218】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0219】
・1回の発射シーケンスにおいて、発射動作が行われた後に供給動作が行われるようにしてもよい。これによれば、遊技球の発射条件が成立したことを契機として速やかに遊技球を発射させることができる。
【0220】
・遊技球の発射条件は、適宜変更してもよい。また、発射許可信号の出力条件は、適宜変更してもよい。例えば、発射許可回路89bは、所定のエラーが検出されていることを示すエラー信号を入力している場合であっても、発射許可信号を出力可能であってもよい。即ち、パチンコ遊技機10は、異常供給エラー又は異常移管エラーが検出されている場合であっても、遊技球の発射制御を実行可能であってもよい。
【0221】
・特定制御状態に設定する条件は、適宜変更してもよい。例えば、枠CPU81は、供給動作の終了を契機として特定制御状態に設定するようにしてもよい。
・特定制御状態を終了する条件は、適宜変更してもよい。例えば、枠CPU81は、供給出口センサD23による遊技球の検知を契機としては、特定制御状態を終了させないようにしてもよい。即ち、枠CPU81は、特定制御状態に設定している間に供給出口センサD23により遊技球が検知されたか否かにかかわらず、特定制御状態に設定してから第4時間が経過したことを契機として特定制御状態を終了させるようにしてもよい。また、第4時間は適宜変更してもよい。例えば、第4時間は、発射制御回路91が減算基準信号を出力してから発射動作を開始させるまでの時間よりも長い時間であってもよいし、短い時間であってもよい。このとき、第4時間は、少なくとも1回の発射シーケンスに要する時間よりも短くするとよい。
【0222】
・枠CPU81は、特定制御状態とは別に、減算制限期間を設定してもよい。この場合、減算制限期間に設定する期間は、適宜選択できる。例えば、枠CPU81は、発射シーケンスにおいて供給動作が開始されてから所定期間は、特定制御状態が終了した場合であっても、減算制限期間に設定してもよい。
【0223】
・枠CPU81は、減算制限期間中に計数スイッチ18が操作された場合、計数スイッチ押下処理において、球数移管処理を実行することなく、且つ、特定操作情報を記憶させないようにしてもよい。即ち、枠CPU81は、減算制限期間中に計数スイッチ18が操作された場合、該計数スイッチ18の操作を契機としては球数移管処理を実行しないようにしてもよい。
【0224】
・枠CPU81は、1回の球数移管処理において遊技球数P2から保有球数P1へ移管させる遊技球の数として、2以上の数を決定可能であってもよい。以下の説明では、1回の球数移管処理において遊技球数P2から保有球数P1へ移管させる遊技球の数として決定される数を「移管個数」と示す。この場合、移管個数は、計数スイッチ18の操作態様に基づいて決定されてもよい。例えば、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作される時間の長さに応じて、移管個数を段階的に多くしてもよい。具体的に、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作される時間が第1規定時間未満である場合には、移管個数として第1個数を決定するようにしてもよい。また、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作される時間が第1規定時間以上第2規定時間未満である場合には、移管数として第1個数よりも多い第2個数を決定するようにしてもよい。さらに、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作される時間が第2規定時間以上である場合には、移管個数として第2個数よりも多い第3個数を決定するようにしてもよい。
【0225】
・計数スイッチ18が継続して操作される時間の長さに応じて移管個数を決定する遊技機に具体化する場合、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作されたときには、該計数スイッチ18が継続して操作された時間が予め定めた規定時間を経過する毎に計数スイッチ押下処理を実行してもよい。この場合、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作された時間が規定時間を経過した時点で特定制御状態に設定されているときには、遊技球数P2を減算することなく特定操作情報を枠RAM83に記憶させるようにするとよい。また、枠CPU81は、計数スイッチ18が継続して操作されたときには、該計数スイッチ18の操作が終了したことを契機として、該計数スイッチ18が操作された時間の長さを判定して移管個数を決定し、計数スイッチ押下処理を実行してもよい。この場合、枠CPU81は、計数スイッチ18の操作が終了した時点で特定制御状態に設定されているときには、遊技球数P2を減算することなく特定操作情報を枠RAM83に記憶させるようにするとよい。
【0226】
・1回の球数移管処理における移管個数として2以上の数を決定可能なパチンコ遊技機10に具体化するに際して、枠CPU81は、移管個数として2以上の数を決定した場合、球数移管処理の実行時における遊技球数P2が該移管個数未満であるときには、球数移管処理において遊技球数P2を減算しないようにしてもよい。言い換えれば、枠CPU81は、減算制限期間であって且つ遊技球数P2が移管個数以下である場合に計数スイッチ18が操作されたときには、減算許可期間が到来したことを契機として実行される球数移管処理において、遊技球数P2を減算しないようにしてもよい。この例において、移管個数は、特別個数に相当する。
【0227】
・1回の球数移管処理における移管個数として2以上の数を決定可能なパチンコ遊技機10に具体化するに際して、枠CPU81は、移管個数として2以上の数を決定した場合、球数移管処理の実行時における遊技球数P2が該移管個数未満であるときには、遊技球数P2が「0」となるように減算するようにしてもよい。この例において、移管個数は、特別個数に相当する。
【0228】
・供給減算処理において、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていない場合であっても、遊技球数P2を1減算するようにしてもよい。即ち、枠CPU81は、特定制御状態に設定されていないときに供給出口センサD23により遊技球が検知された場合、供給減算処理において、遊技球数P2を1減算した上で異常供給エラー情報を記憶させるようにしてもよい。
【0229】
・枠CPU81は、供給出口センサD23から出力される供給出口信号に代えて、供給入口センサD22から出力される供給入口信号に基づいて、供給装置40から発射装置50へ遊技球が供給されたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、枠CPU81は、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移した場合に、1球の遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定してもよい。また、枠CPU81は、供給出口センサD23から出力される供給出口信号に加えて、供給入口センサD22から出力される供給入口信号に基づいて、供給装置40から発射装置50へ遊技球が供給されたか否かを判定してもよい。例えば、枠CPU81は、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移した後に、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移した場合に、1球の遊技球が供給装置40から発射装置50へ供給されたと判定してもよい。
【0230】
・枠CPU81は、異常移管エラー又は異常供給エラーを検出した場合であっても、エラー報知を実行させないように制御してもよい。
・枠RAM83は、外部からの電力供給が遮断された場合に、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、特定制御情報を記憶保持するようにしてもよい。この場合、枠CPU81は、電力供給が再開された後には、特定制御状態に設定するようにしてもよい。
【0231】
・枠CPU81は、外部からの電力供給が遮断された場合に、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、特定操作情報を記憶保持するようにしてもよい。この場合、枠CPU81は、電力供給が再開されたとき、又は、電力供給が再開された後に減算許可期間が到来したことを契機として球数移管処理を実行することにより、遊技球数P2を減算するようにしてもよい。
【0232】
・枠制御基板80(枠CPU81)及び発射制御基板90(発射制御回路91)は、発射シーケンスの途中で外部からの電力供給が遮断された場合、電力供給の遮断後に発射シーケンスを継続させないようにしてもよい。例えば、枠制御基板80(枠CPU81)は、電力供給が遮断されたことを契機として供給ソレノイド43をオフ状態に制御するとともに、少なくとも電力供給が再開されるまでの間、供給ソレノイド43を動作させることなく待機するようにしてもよい。同様に、発射制御基板90(発射制御回路91)は、電力供給が遮断されたことを契機として発射ソレノイド53をオフ状態に制御するとともに、少なくとも電力供給が再開されるまでの間、発射ソレノイド53を動作させることなく待機するようにしてもよい。また、枠制御基板80(枠CPU81)は、電力供給が遮断されたときには、その時点での供給ソレノイド43の状態にかかわらず供給ソレノイド43の動作を停止するとともに、電力供給が再開されたことを契機として、供給ソレノイド43をオフ状態に制御させるようにしてもよい。同様に、発射制御基板90(発射制御回路91)は、電力供給が遮断されたときには、その時点での発射ソレノイド53の状態にかかわらず発射ソレノイド53の動作を停止するとともに、電力供給が再開されたことを契機として、発射ソレノイド53をオフ状態に制御させるようにしてもよい。
【0233】
・枠制御基板80(枠CPU81)は、発射シーケンスの途中で外部からの電力供給が遮断された場合であっても、バックアップ電源89からバックアップ電力の供給を受けることにより、供給出口センサD23により遊技球が検知されたことを契機として供給減算処理を実行するようにしてもよい。即ち、パチンコ遊技機10は、発射シーケンスの途中で外部からの電力供給が遮断された場合であっても、実行中の発射シーケンスを完了させることができるとともに、該発射シーケンスにおける遊技球の供給動作に基づいて遊技球数P2を減算できるように構成されていてもよい。
【0234】
・本実施形態において、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の変動ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。また、確変機能を搭載したパチンコ遊技機10として、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。パチンコ遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0235】
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0236】
・パチンコ遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0237】
・主CPU61、主ROM62、主RAM63、及び乱数生成回路64は、ワンチップに構成されていてもよい。
・演出制御基板70をサブ統括制御基板とし、演出制御基板70とは別に演出表示装置19を専門に制御する表示制御基板、演出発光装置14を専門に制御する発光制御基板、演出音声装置12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板に主CPU61、及び演出CPU71を搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0238】
・所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。
【0239】
本実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(イ)エラーを報知するエラー報知手段を備え、前記エラー報知手段は、前記特定減算制御が実行される場合に、前記データとして記憶されている遊技球の個数が特定個数以下であるときにはエラーの報知を行う。
【0240】
(ロ)前記減算制限期間は、前記供給動作の開始に伴って開始される。
【符号の説明】
【0241】
CL…中心線 D01…タッチセンサ D02…発射停止スイッチ D03…ハンドルボリューム D11…第1始動センサ D12…第2始動センサ D13…カウントセンサ D14…普通センサ D15…ゲートセンサ D21…ファールセンサ D22…供給入口センサ D23…供給出口センサ(供給検知手段) D25…入賞通路カウントセンサ D26…非入賞通路カウントセンサ D28…揚上入口センサ D29…揚上出口センサ D30…アウトセンサ ES…演出装置群 K…遊技球 P1…保有球数 P2…遊技球数 P3…貸し球数 P4…獲得球数 P5…発射球数 P6…ファール球数 SL1…普通ソレノイド SL2…特別ソレノイド 10…パチンコ遊技機 11…枠 11a…外枠 11b…搭載枠 11c…保護枠 11d…施錠装置 12…演出音声装置(エラー報知手段) 13…報知音声装置(エラー報知手段) 14…演出発光装置(エラー報知手段) 15…発射ハンドル 15a…ハンドルレバー 15b…通電リング 15c…発射停止ボタン 17…遊技球数表示装置 18…計数スイッチ(特定操作手段) 18a…計数ランプ 19…演出表示装置(エラー報知手段) 19a…画像表示領域 20…遊技盤 20a…遊技領域 20b…表示窓口 20c…打出通路 20f…ファール通路 21…メイン表示装置(エラー報知手段) 21a…第1特別図柄表示装置 21b…第2特別図柄表示装置 21c…第1保留表示装置 21d…第2保留表示装置 21e…普通図柄表示装置 21f…普通保留表示装置 23…第1始動口 24…第2始動口 24a…普通開閉片 25…大入賞口 25a…特別開閉片 27…普通入賞口 28…ゲート 28a…ゲート口 29…アウト口 30…回収通路 31…入賞通路 32…非入賞通路 33a…第1合流部 33b…第2合流部 34…特定通路 36…揚上機構 40…供給装置(供給機構) 41…受入部 41a…受入通路 42…可動片 42a…保持部 42P1…停止位置 42P2…供給位置 43…供給ソレノイド 44…供給部 44a…供給通路 50…発射装置(発射機構) 51…発射部 51a…発射位置 52…発射ハンマー 52a…回動軸 52b…打球部 52P1…打球位置 52P2…退避位置 53…発射ソレノイド 55…受入部 55a…受入空間 56…ファール通路部 60…主制御基板 61…主CPU 62…主ROM 63…主RAM 64…乱数生成回路 70…演出制御基板 71…演出CPU 72…演出ROM 73…演出RAM 80…枠制御基板 81…枠CPU(制御手段、エラー検出手段) 82…枠ROM 83…枠RAM(記憶手段) 84…性能表示モニタ(エラー報知手段) 85…球抜きスイッチ 86…エラー解除スイッチ 87…遊技球クリアスイッチ 88…RAMクリアスイッチ 89…バックアップ電源 89a…バックアップ回路 89b…発射許可回路 90…発射制御基板 91…発射制御回路(制御手段) 98…接続端子板 99…電源ユニット 99a…メインスイッチ 100…カードユニット 101…カード挿入部 102…紙幣投入部 104…操作パネル 104a…球貸ボタン 104b…払出ボタン 104c…返却ボタン 104d…球数表示部 104e…残額表示部 105…CU制御基板 105a…CU制御CPU 105b…CU制御ROM 105c…CU制御RAM 105d…通信端子 110…ホールコンピュータ
図1
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