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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170027
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20231124BHJP
   G01C 11/02 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
E02F9/20 Z
G01C11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081460
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】羽田 直也
(72)【発明者】
【氏名】安田 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】安田 幹太
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003BA02
2D003DB04
2D003FA02
(57)【要約】
【課題】作業領域の全体の三次元情報の生成を簡略化する。
【解決手段】情報処理システムは、サーバ装置と、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有する。サーバ装置は、配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの作業領域の全体の三次元情報を保持するとともに、当該保持する作業領域の全体の三次元情報を作業領域において作業装置により作業が行われた領域の三次元情報である局所三次元情報に基づいて更新する。第1の情報処理装置は、作業装置の位置情報及び作業領域の画像に基づいて局所三次元情報を生成する三次元情報生成部と、生成された局所三次元情報をサーバ装置に送信する三次元情報送信部とを備える。第2の情報処理装置は、位置情報を生成して第1の情報処理装置に送信する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの前記作業領域の全体の前記三次元情報を保持するとともに、当該保持する前記作業領域の全体の前記三次元情報を前記作業領域において作業装置により作業が行われた領域の前記三次元情報である局所三次元情報に基づいて更新するサーバ装置と、
前記作業装置の位置情報及び前記作業領域の画像に基づいて前記局所三次元情報を生成する三次元情報生成部と、前記生成された局所三次元情報を前記サーバ装置に送信する三次元情報送信部とを備える第1の情報処理装置と、
前記位置情報を生成して前記第1の情報処理装置に送信する第2の情報処理装置と
を有する情報処理システム。
【請求項2】
前記三次元情報生成部は、前記作業装置の作業状態の情報である作業情報、前記位置情報及び前記作業領域の画像に基づいて前記局所三次元情報を生成する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記三次元情報生成部は、前記作業領域の全体を含む前記画像を前記作業領域の画像として前記局所三次元情報を生成する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2の情報処理装置は、前記作業が行われた領域の画像を更に送信し、
前記三次元情報生成部は、前記送信された前記作業が行われた領域の画像を前記作業領域の画像として前記局所三次元情報を生成する
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記三次元情報生成部は、前記作業領域を含む前記画像に基づく前記作業領域の全体の前記三次元情報の生成を更に行う請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1の情報処理装置は、
前記生成された前記作業領域の全体の前記三次元情報を保持する三次元情報保持部と、
前記保持された前記作業領域の全体の前記三次元情報に基づいて前記局所三次元情報を選択する選択部と
を更に備え、
前記三次元情報送信部は、前記選択された局所三次元情報を前記サーバ装置に送信する
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記選択部は、前記保持された前記作業領域の全体の前記三次元情報及び前記生成された局所三次元情報との差分に基づいて前記局所三次元情報を選択する請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記三次元情報生成部は、点群データにより構成された前記局所三次元情報を生成する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの前記作業領域の全体の前記三次元情報を保持することと、
前記作業領域において作業を行う作業装置の位置情報を生成することと、
前記位置情報及び前記作業領域の画像に基づいて前記作業装置により前記作業が行われた領域の前記三次元情報である局所三次元情報を生成することと、
前記保持された前記作業領域の全体の前記三次元情報を前記生成された局所三次元情報に基づいて更新することと
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建築現場等において、現場の工事状況をDX(Digital Transformation)化するため、作業領域の地形や配置された物体の形状の三次元情報を生成するシステムが提案されている。例えば、複数の作業車両に備えられたそれぞれの制御装置において撮像データから三次元情報(三次元データ)を生成してサーバ装置に送信し、サーバ装置においてそれら三次元データを統合するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、サーバ装置が制御装置に対して撮像範囲を指示し、所望の三次元データを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-186870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、制御装置が三次元情報をそれぞれ生成するため処理が複雑になるという問題がある。
【0005】
そこで、本開示では、作業領域の三次元情報の生成を簡略化する情報処理システム及び情報処理方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る情報処理システムは、サーバ装置と、第1の情報処理装置と、第2の情報処理装置とを有する。サーバ装置は、配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの上記作業領域の全体の上記三次元情報を保持するとともに、当該保持する上記作業領域の全体の上記三次元情報を上記作業領域において作業装置により作業が行われた領域の上記三次元情報である局所三次元情報に基づいて更新する。第1の情報処理装置は、上記作業装置の位置情報及び上記作業領域の画像に基づいて上記局所三次元情報を生成する三次元情報生成部と、上記生成された局所三次元情報を上記サーバ装置に送信する三次元情報送信部とを備える。第2の情報処理装置は、上記位置情報を生成して上記第1の情報処理装置に送信する。
【0007】
また、本開示に係る情報処理方法は、配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの上記作業領域の全体の上記三次元情報を保持することと、上記作業領域において作業を行う作業装置の位置情報を生成することと、上記位置情報及び上記作業領域の画像に基づいて上記作業装置により上記作業が行われた領域の上記三次元情報である局所三次元情報を生成することと、上記保持された上記作業領域の全体の上記三次元情報を上記生成された局所三次元情報に基づいて更新することとを含む情報処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図1B】本開示の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本開示の第1の実施形態に係る第3の情報処理装置の構成例を示す図である。
図3】本開示の第1の実施形態に係る第2の情報処理装置の構成例を示す図である。
図4】本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図5A】本開示の第1の実施形態に係る作業情報及び作業領域の処理の一例を示す図である。
図5B】本開示の第1の実施形態に係る作業情報及び作業領域の処理の一例を示す図である。
図5C】本開示の第1の実施形態に係る作業情報及び作業領域の処理の一例を示す図である。
図6】本開示の第1の実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
図7】本開示の第1の実施形態に係る第3の情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
図8】本開示の第1の実施形態に係る第2の情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
図9】本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
図10】本開示の第1の実施形態に係るサーバ装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
図11】本開示の第1の実施形態に係るサーバ装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
図12】本開示の第1の実施形態に係る三次元情報の生成の一例を示す図である。
図13】本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図14】本開示の第3の実施形態に係る第2の情報処理装置の構成例を示す図である。
図15】本開示の第3の実施形態に係る第2の情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
図16】本開示の第3の実施形態に係る情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。説明は、以下の順に行う。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
1.第1の実施形態
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
4.変形例
【0010】
(1.第1の実施形態)
[情報処理システムの構成]
図1A及び1Bは、本開示の第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図1Aは、本開示の情報処理システム10の構成例を表す図である。情報処理システム10は、建築現場等における配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報を生成するものである。この三次元情報には、例えば、点群データを使用することができる。情報処理システム10は、第1の情報処理装置200と、複数の第2の情報処理装置400と、第3の情報処理装置100と、サーバ装置300と、表示端末500とを備える。同図の情報処理システム10は、第2の情報処理装置400a、第2の情報処理装置400b乃至第2の情報処理装置400cを備える場合の例を表したものである。
【0011】
第3の情報処理装置100は、作業領域の全体の画像を生成するものである。第3の情報処理装置100は、例えば、無人航空機等に搭載され、上空から作業領域を撮影することにより作業領域の全体の画像を生成する。第3の情報処理装置100は、生成した画像及び撮影時の位置情報を記録する。この画像及び位置情報は、無人航空機の飛行中あるいは飛行終了後に、無線通信、有線通信又は半導体メモリ等の記録媒体を介して、地上に配置される第1の情報処理装置200に供給される。
【0012】
第2の情報処理装置400は、作業領域において作業を行う作業装置に搭載され、作業中の位置情報を記録するものである。この位置情報は、作業中あるいは作業終了後に、無線通信、有線通信又は半導体メモリ等の記録媒体を介して、第1の情報処理装置200に供給される。
【0013】
第1の情報処理装置200は、第3の情報処理装置100から供給される画像及び位置情報並びに第2の情報処理装置400から供給される位置情報に基づいて作業領域の全体又は作業領域の一部の三次元情報を生成して記録するものである。第1の情報処理装置200は、記録した三次元情報をサーバ装置300に送信する。
【0014】
サーバ装置300は、第1の情報処理装置200からの三次元情報を保持するとともに、保持した三次元情報の更新を行うものである。サーバ装置300は、表示端末500からの要求に応じて三次元情報の全部又は一部を表示端末500に送信する。
【0015】
表示端末500は、使用者の操作に基づいて搭載する表示装置に三次元情報を表示するものである。この表示端末500は、無線通信または有線通信を介して作業領域の全域または一部の三次元情報をサーバ装置300から取得し、表示する。使用者は、この表示端末500を使用して作業の進捗状況を確認することができ、予実管理等に使用することができる。
【0016】
図1Bは、建築現場を説明する図である。同図は建築現場1における第2の情報処理装置400及び第3の情報処理装置100の配置を表す図である。第2の情報処理装置400a及び400bは、作業車両2及び3にそれぞれ配置される。作業車両2及び3は、作業領域20において土木作業等を行うものである。この作業車両2及び3は、それぞれ油圧ショベル及びブルドーザーを想定したものである。なお、作業車両2及び3は、上述の作業装置の一例である。作業車両2及び3は、動力部および制御部を有する。この制御部は、使用者から指示される経路を走行し、作業する制御を行う。作業車両2等の作業により、作業領域20の地形が変化する。
【0017】
第3の情報処理装置100は、無人航空機4に配置される。この無人航空機4は、作業領域20の上空を飛行し、作業領域20の全体の画像を生成する。無人航空機4は、飛行用の動力部および制御部を有する。この制御部は、使用者から指示される高度および経路で飛行する制御を行う。なお、無人航空機4の代わりに、作業領域の全体を俯瞰可能な位置、例えば、高い建物の屋上等に第3の情報処理装置100を配置することもできる。
【0018】
[第3の情報処理装置の構成]
図2は、本開示の第1の実施形態に係る第3の情報処理装置の構成例を示す図である。同図は、第3の情報処理装置100の構成例を表すブロック図である。第3の情報処理装置100は、カメラ101と、画像データ生成部102と、衛星測位部103と、位置情報生成部104と、慣性計測部105と、姿勢情報生成部106と、撮影情報統合部107と、撮影情報保持部108とを備える。また、第3の情報処理装置100は、送信部109と、制御部110とを更に備える。
【0019】
カメラ101は、作業領域20を撮影するものである。このカメラ101は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を備え、制御部110の制御に基づいて撮影を行う。
【0020】
画像データ生成部102は、カメラ101の撮影結果に基づいて画像を生成するものである。この画像データ生成部102は、作業領域20の全体の画像を生成する。画像データ生成部102は、生成した画像を撮影情報統合部107に出力する。
【0021】
衛星測位部103は、位置(緯度、経度及び高度)を取得するものである。この衛星測位部103は、例えば、グローバルナビゲーションサテライトシステム(GNSS:Global Navigation Satellite System)により構成され、制御部110の制御に基づいて位置の取得を行う。衛星測位部103は、取得した位置を位置情報生成部104に出力する。
【0022】
位置情報生成部104は、衛星測位部103が取得した位置に基づいて、第3の情報処理装置100の位置の情報である位置情報を生成するものである。位置情報生成部104は、生成した位置情報を撮影情報統合部107に出力する。
【0023】
慣性計測部105は、カメラ101の姿勢を取得するものである。この慣性計測部105は、例えば、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)により構成され、制御部110の制御に基づいて、三次元の回転量を表すヨー(Yaw)、ピッチ(Pitch)及びロール(Roll)を取得する。慣性計測部105は、取得した姿勢を姿勢情報生成部106に出力する。
【0024】
姿勢情報生成部106は、慣性計測部105が取得した姿勢に基づいてカメラ101の姿勢情報を生成するものである。姿勢情報生成部106は、生成した姿勢を撮影情報統合部107に出力する。
【0025】
撮影情報統合部107は、画像データ、位置情報及び姿勢情報をこれらが同期していることを示す時刻情報とともに統合した撮影情報を生成するものである。この撮影情報は、例えば、1フレーム分の画像データ、位置情報及び姿勢情報を1ファイルとして構成することができる。撮影情報統合部107は、生成した撮影情報を撮影情報保持部108に出力する。
【0026】
撮影情報保持部108は、撮影情報統合部107により生成された撮影情報を保持するものである。この撮影情報保持部108は、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体を備え、無人航空機4が飛行中に生成された撮影情報を保持することができる。
【0027】
送信部109は、撮影情報保持部108に保持された撮影情報を第1の情報処理装置200に対して送信するものである。この送信部109は、無人航空機4の飛行中または着陸後に、撮影情報保持部108に保持され撮影情報を読み出して第1の情報処理装置200に対して有線通信または無線通信を介して送信することができる。
【0028】
制御部110は、第3の情報処理装置100の全体を制御するものである。
【0029】
[第2の情報処理装置の構成]
図3は、本開示の第1の実施形態に係る第2の情報処理装置の構成例を示す図である。同図は、第2の情報処理装置400の構成例を表すブロック図である。第2の情報処理装置400は、衛星測位部401と、位置情報生成部402と、車両状態情報取得部403と、作業情報生成部404と、送信部405と、制御部406とを備える。
【0030】
衛星測位部401は、衛星測位部103と同様に、位置(緯度、経度及び高度)を取得するものである。この衛星測位部401は、取得した位置を位置情報生成部402に出力する。
【0031】
位置情報生成部402は、位置情報生成部104と同様に、衛星測位部401が取得した位置に基づいて、第2の情報処理装置400の位置の情報である位置情報を生成するものである。位置情報生成部402は、生成した位置情報を作業情報生成部404に出力する。
【0032】
車両状態情報取得部403は、作業車両2等の動作状態を表す車両状態情報を取得するものである。この動作状態は、作業車両2等の走行中、停止中及び作業中の状態を表す。油圧ショベルにおいては、バケットやアーム等の動作状態が作業中の状態に該当する。また、ブルドーザーにおいては、ブレード等の動作状態が作業中の状態に該当する。勿論、作業情報の取得を作業車両2等の作業中の状態でのみ行うことにより、地形の形状を変更している場合に限定した作業情報とすることも可能である。車両状態情報取得部403は、取得した車両状態情報を作業情報生成部404に出力する。
【0033】
作業情報生成部404は、位置情報及び車両状態情報にこれらが同期していることを示す時刻情報を付加した情報を作業情報として生成し、保持するものである。
【0034】
送信部405は、作業情報を第1の情報処理装置200に対して送信するものである。この送信部109は、作業車両2等の走行中又は作業完了後に作業情報生成部404が保持する作業情報を送信することができる。
【0035】
制御部406は、第2の情報処理装置400の全体を制御するものである。また、制御部406は、衛星測位部401に位置を取得させる制御及び車両状態情報取得部403に車両状態情報を取得させる制御を行う。制御部406は、不図示の受信部が取得指示信号を受信した際に、これらの制御を行うことができる。この取得指示信号には、例えば、所定の間隔において繰り返す信号を使用することができる。この場合には、所定の間隔にて車両状態情報等が取得され、作業情報生成部404により作業情報が生成される。
【0036】
[情報処理装置の構成]
図4は、本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。同図は、第1の情報処理装置200の構成例を表すブロック図である。第1の情報処理装置200は、撮影情報受信部201と、画像フレーム選択部202と、作業情報受信部205と、作業情報統合部206と、作業領域判定部207と、三次元情報生成部203と、三次元情報送信部204と、制御部208とを備える。
【0037】
撮影情報受信部201は、第3の情報処理装置100からの撮影情報を受信するものである。この撮影情報受信部201は、受信した撮影情報を画像フレーム選択部202に出力する。
【0038】
作業情報受信部205は、第2の情報処理装置400からの作業情報を受信するものである。この作業情報受信部205は、受信した作業情報を作業情報統合部206に出力する。なお、第2の情報処理装置400が1つの場合には、作業情報受信部205は、作業情報を作業領域判定部207に出力する。
【0039】
作業情報統合部206は、作業情報を統合するものである。この作業情報統合部206は、複数の第2の情報処理装置400から個別に送信される作業情報をそれぞれ保持する。そして、全ての作業情報が揃った際に、作業情報統合部206は、これらの作業情報を作業領域判定部207に出力する。
【0040】
作業領域判定部207は、作業領域20のうちの作業車両2等により作業が行われた作業領域を判定するものである。この作業領域は、作業車両2等により地形形状が変更された領域に相当する。作業領域判定部207は、作業車両2等の近傍の領域を作業が行われた作業領域と判定することができる。具体的には、作業領域判定部207は、作業情報に含まれる位置情報に基づいて作業車両2等の近傍の領域を検出し、作業領域として出力することができる。なお、作業領域判定部207は、この作業領域に位置情報を付加して出力する。
【0041】
また、複数の作業車両による作業領域が近接している場合や重なりがある場合には、作業領域判定部207は、当該複数の作業領域を結合した1つの領域を作業領域と判定することができる。一方、作業領域が他の作業領域から離れている場合には、作業領域判定部207は、これらを個別の作業領域として判定する。作業領域判定部207は、判定結果の作業領域をその位置情報を含めて画像フレーム選択部202に通知する。
【0042】
また、作業領域判定部207は、作業情報に含まれる車両状態情報に基づいて作業車両2等の作業により地形形状が変更された作業領域を絞り込むこともできる。具体的には、作業領域判定部207は、上述の位置情報に基づく作業領域において作業車両2等の車両状態情報が作業中となる領域を検出し、画像フレーム選択部202に出力することができる。
【0043】
画像フレーム選択部202は、作業領域判定部207から出力される作業領域に基づいて、撮影情報受信部201から供給される撮影情報のうち、三次元情報を生成するために必要な撮影情報を選択するものである。例えば、画像フレーム選択部202は、受信した撮影情報に含まれる位置情報が作業領域判定部207から通知された作業領域の範囲に含まれる場合に、当該撮影情報を包含する画像フレームを、作業領域の三次元情報を生成するための撮影情報として選択する。ここで画像フレームは、作業領域20の全体の画像を分割した領域の画像である。画像フレーム選択部202は、選択した画像フレームを三次元情報生成部203に供給する。
【0044】
一方、作業領域判定部207から作業領域が通知されない場合は、画像フレーム選択部202は、すべての画像フレームを選択して、三次元情報生成部203に供給する。例えば、初めて作業領域を撮影する場合には、第3の情報処理装置100で取得した撮影情報の全てを使用して三次元情報を生成する。この場合、作業領域判定部207が作業領域を通知しないことにより、画像フレーム選択部202は、全ての画像フレームを選択して三次元情報生成部203に供給する。
【0045】
三次元情報生成部203は、作業領域20において作業を行う作業車両2等により作業が行われた領域の三次元情報である局所三次元情報を作業情報及び作業領域の画像に基づいて生成するものである。具体的には、三次元情報生成部203は、画像フレーム選択部202から供給された撮影情報から、局所三次元情報を生成する。なお、初めて作業領域を撮影した場合には、三次元情報生成部203は、局所三次元情報の代わりに作業領域20の全体の三次元情報を生成する。三次元情報生成部203は、点群データによる三次元情報を生成することができる。この点群データは、例えば、SfM(Structure from Motion)手法により生成することができる。三次元情報生成部203は、生成した作業領域20の全体の三次元情報及び局所三次元情報を三次元情報送信部204に出力する。
【0046】
このように、三次元情報生成部203は、作業領域20に限定して三次元情報を生成することができる。また、三次元情報生成部203は、最初に作業領域20の全体の三次元情報を生成した後に局所三次元情報を生成する。この局所三次元情報は、作業車両2等により地形の形状が変更された可能性が高い領域となる。作業領域20の全体の三次元情報を生成する場合と比較して処理時間を短縮することができる。
【0047】
三次元情報送信部204は、三次元情報をサーバ装置300に対して送信するものである。この三次元情報送信部204は、有線通信または無線通信を介して、三次元情報を送信することができる。
【0048】
制御部208は、第1の情報処理装置200の全体を制御するものである。
【0049】
[作業情報及び作業領域の処理]
図5A-5Cは、本開示の第1の実施形態に係る作業情報及び作業領域の処理の一例を示す図である。同図は、作業情報統合部206及び作業領域判定部207における処理を説明する図である。
【0050】
図5Aは、作業情報統合部206の処理を説明する図である。同図は、作業領域20中に3台の作業車両(A-C)が領域41乃至43において作業を行う例を表す図である。作業情報統合部206は、領域41乃至43の作業情報がそれぞれの作業車両に配置された第2の情報処理装置400から送信されるまで待機する。領域41乃至43の作業情報が受信されると、作業情報統合部206は、これらの作業情報を作業領域判定部207に出力する。
【0051】
図5Bは、作業領域判定部207における作業領域の判定の一例を表す図である。前述のように、作業領域判定部207は、重複または近接している作業領域を結合する。同図において、作業領域判定部207は、近接する領域41及び領域42を結合し、当該結合した領域を含む作業領域45(矩形破線)を判定結果として出力する。また、作業領域判定部207は、他の領域と離れている領域43を含む作業領域46(円形破線)を判定結果として出力する。なお、作業領域の形状は任意であるが、矩形や円形とすることにより、内外判定処理を簡略化することができる。
【0052】
図5Cは、画像フレーム選択部202における画像フレームの選択の一例を表す図である。同図は、作業領域20の全体の画像30における作業領域45及び46を表したものである。画像30は、複数の画像フレーム31に分割される。画像フレーム選択部202は、作業領域45及び46を含む画像フレーム31を選択する。同図のハッチングが付された領域が画像フレーム選択部202により選択された画像フレーム31の領域を表す。
【0053】
[サーバ装置の構成]
図6は、本開示の第1の実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。同図は、サーバ装置300の構成例を表すブロック図である。サーバ装置300は、三次元情報受信部301と、三次元情報更新部302と、三次元情報保持部303と、送信部304と、データ要求受信部305と、制御部306とを備える。
【0054】
三次元情報受信部301は、第1の情報処理装置200からの三次元情報を受信するものである。三次元情報受信部301は、受信した三次元情報を三次元情報更新部302に出力する。
【0055】
三次元情報更新部302は、後述する三次元情報保持部303に保持された三次元情報を更新するものである。この更新は、三次元情報保持部303に保持された三次元情報を参照し、過去の三次元情報を新たに受信した三次元情報に置き換える処理である。この更新処理は、受信した三次元情報に含まれる位置情報に基づいて行うことができる。具体的には、受信した三次元情報に含まれる位置情報が示す位置に過去の三次元情報が存在する場合に更新処理を行うことができる。一方、受信した三次元情報が示す位置に過去の三次元情報が存在しない場合、三次元情報更新部302は、受信した三次元情報を追加する処理を行う。これにより、作業領域20の全体の三次元情報を最新の状態に保つことができる。
【0056】
三次元情報保持部303は、作業領域20の全体の三次元情報を保持するものである。この三次元情報保持部303は、三次元情報更新部302からの制御により、保持している三次元情報の追加または更新を行う。例えば、初めて作業領域を撮影した場合のように、三次元情報を何も保持していない場合は、全ての三次元情報を記録して保持する。
【0057】
データ要求受信部305は、表示端末500からの三次元情報要求を受信するものである。データ要求受信部305は、受信した三次元情報要求に基づいて三次元情報保持部303に三次元情報の出力を指示する。
【0058】
送信部304は、三次元情報保持部303から出力された三次元情報を表示端末500に送信するものである。
【0059】
制御部306は、サーバ装置300の全体を制御するものである。
【0060】
データ要求受信部305が表示端末500から三次元情報の要求を受信すると、制御部306は、要求されている位置の三次元情報を三次元情報保持部303から読み出す制御を行う。この読み出された三次元情報が送信部304に供給される。送信部304は、三次元情報保持部303から供給された三次元情報を、有線通信または無線通信を介して表示端末500に送信する。これにより、作業領域の全体或いは任意位置の三次元情報を表示端末500で閲覧することができる。
【0061】
[第3の情報処理装置の処理]
図7は、本開示の第1の実施形態に係る第3の情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、第3の情報処理装置100の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0062】
第3の情報処理装置100の制御部110は、撮像情報を取得するタイミングを指示する撮影指示を受信すると(ステップS101)、カメラ101が撮影を行い、画像データ生成部102が画像データを生成する(ステップS102)。この際、画像データを符号化することにより、データ量を削減することもできる。次に、衛星測位部103が位置を取得し、位置情報生成部104が位置情報を生成する(ステップS103)。ここで、位置情報は、例えば、緯度、経度及び高度を含む。次に、慣性計測部105が姿勢を取得し、姿勢情報生成部106が姿勢情報を生成する(ステップS104)。ここで、姿勢情報は、例えば、無人航空機4の加速度および角速度から算出した三軸の回転ベクトルを含む。
【0063】
次に、撮影情報統合部107が画像データ、位置情報及び姿勢情報を統合して撮影情報を生成する(ステップS105)。次に、撮影情報保持部108が撮影情報を媒体等に保持する(ステップS106)。次に、制御部110は、撮影指示が終了したかを判断する(ステップS107)。その結果、撮影指示が終了していない場合には(ステップS107,No)、制御部110は、ステップS102の処理に戻る。
【0064】
一方、ステップS107において、撮影指示が終了している場合には(ステップS107,Yes)、送信部109が撮影情報を第1の情報処理装置200に送信し(ステップS108)、処理を終了する。なお、撮影情報を第1の情報処理装置200に送信するタイミングは、例えば、ステップS105の撮影情報を生成した直後にすることができる。この場合、無人航空機4の飛行中に撮影情報を固定局に送信することになり、着陸後の撮影情報の送信を不要にすることができる。なお、ステップS102乃至104の処理は、同図の順番に限定するものではない。
【0065】
[第2の情報処理装置の処理]
図8は、本開示の第1の実施形態に係る第2の情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、第2の情報処理装置400の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0066】
第2の情報処理装置400の制御部406は、作業情報を取得するタイミングを指示する取得指示を受信すると(ステップS121)、衛星測位部401が位置を取得し、位置情報生成部402が位置情報を生成する(ステップS123)。ここで、位置情報は、例えば、緯度、経度及び高度を含む。次に、車両状態情報取得部403が車両状態情報を取得する(ステップS124)。ここで、車両状態情報には、例えば、作業車両2等が走行中か停止中かを示す情報や作業車両2等に備えられたパケットやブレードを操作中か停止中かを示す情報等が該当する。これらの情報は別途カメラを搭載して自動認識により取得することも可能である。
【0067】
次に、作業情報生成部404が作業情報を生成する(ステップS125)。この際、作業情報生成部404は、位置情報および車両状態情報に基づいて、地形の形状変更を伴う実質的な作業を行った領域を示す作業情報を生成する。例えば、作業情報生成部404は、作業車両2等のパケットやブレードが停止中である状態における位置情報を除外し、パケットやブレードが動作中の位置情報を使用して作業情報を生成することにより、地形の形状変更を行った作業領域を示す作業情報を生成することができる。次に、制御部406は、取得指示が終了したかを判断する(ステップS126)。その結果、取得指示が終了していない場合には(ステップS126,No)、制御部406は、ステップS123の処理に戻る。
【0068】
一方、ステップS126において、取得指示が終了している場合には(ステップS126,Yes)、送信部405が作業情報を第1の情報処理装置200に送信し(ステップS127)、処理を終了する。なお、作業情報を第1の情報処理装置200に送信するタイミングは、例えば、ステップS125で作業情報を生成した直後にすることができる。この場合、作業中に作業情報を第1の情報処理装置200に送信することになり、作業終了後の作業情報の送信を不要にすることができる。なお、ステップS123及び124の処理は、同図の順番に限定するものではない。
【0069】
[情報処理装置の処理]
図9は、本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、第1の情報処理装置200の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0070】
まず、撮影情報受信部201が撮影情報を受信する(ステップS141)。この受信した撮影情報は、第1の情報処理装置200に内蔵された記録媒体(図4において不図示)に記録される(ステップS142)。なお、撮影情報を外部記録媒体から取得する場合には、記録媒体からの読み出し処理を行い、読み出した撮影情報をステップS142において第1の情報処理装置200に内蔵する記録媒体に記録する。
【0071】
次に、作業情報受信部205が作業情報を受信する(ステップS143)。次に、作業情報が上述の記録媒体に記録される(ステップS144)。次に、制御部208は、全ての作業情報を受信したかを判断する(ステップS145)。その結果、全ての作業情報を受信していない場合には(ステップS145,No)、制御部208は、ステップS143の処理に戻る。
【0072】
一方、ステップS145において、全ての作業情報を受信している場合には(ステップS145,Yes)、作業領域判定部207が作業領域を判定する(ステップS146)。この判定において、全ての作業情報を用いて地形形状が変更された領域を包含する作業領域を求める。例えば、複数の作業車両による作業領域に重なりがある場合は、作業情報に含まれる位置情報を基に当該複数の作業領域を結合した1つの領域を作業領域として判定する。一方、作業領域に重なりが無い場合は、別々の作業領域として判定する。
【0073】
次に、画像フレーム選択部202が撮影情報に含まれる画像フレームを選択する(ステップS147)。すなわち、撮影情報に含まれる位置情報が作業領域の範囲内である場合に、画像フレーム選択部202は、当該位置情報に対応する画像フレームを、三次元情報を生成するための画像フレームとして選択する。次に、三次元情報生成部203が、選択された画像フレームに基づいて三次元情報を生成する(ステップS149)。これにより、作業領域20の全体の三次元情報又は局所三次元情報が生成される。
【0074】
次に、生成された三次元情報を記録媒体に記録し(ステップS150)、三次元情報送信部204が三次元情報をサーバ装置300に送信する(ステップS151)。なお、三次元情報を送信するタイミングとしては、ステップS149における三次元情報の生成処理がすべての撮影情報に対して完了した後に送信することができる。或いは、ステップS149における三次元情報の生成処理が一部の撮影情報に対して完了するごとに送信することもできる。
【0075】
[サーバ装置の処理]
図10は、本開示の第1の実施形態に係るサーバ装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、サーバ装置300における三次元情報を受信する際の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0076】
まず、三次元情報受信部301が三次元情報を受信する(ステップS161)。次に、三次元情報更新部302が三次元情報保持部303の記録データを参照し(ステップS162)、受信した三次元情報と同じ作業領域の過去の三次元情報が記録済みかを判断する。この結果、同じ作業領域の三次元情報が記録されていない場合には(ステップS163,No)、ステップS165の処理に移行する。一方、同じ作業領域の三次元情報が記録済みの場合には(ステップS163,Yes)、三次元情報更新部302は、当該領域の記録データを削除し(ステップS164)、ステップS165の処理に移行する。
【0077】
ステップS165において、三次元情報更新部302は、三次元情報を三次元情報保持部303に追加する(ステップS165)。これにより、作業領域20の全体の三次元情報又は局所三次元情報が三次元情報保持部303に保持される。その後、処理を終了する。なお、上述のステップS164及びステップS165の処理により三次元情報の更新が行われる。
【0078】
図11は、本開示の第1の実施形態に係るサーバ装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、サーバ装置300におけるデータ要求を受信した際の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0079】
データ要求受信部305が表示端末500からのデータ要求を受信すると(ステップS181,Yes)、要求された作業領域に相当する三次元情報を三次元情報保持部303から読み出す(ステップS182)。次に、読み出された三次元情報が送信部304により送信される(ステップS183)。その後、処理を終了する。
【0080】
図12は、本開示の第1の実施形態に係る三次元情報の生成の一例を示す図である。同図は、第3の情報処理装置100、第2の情報処理装置400a、第2の情報処理装置400b、第1の情報処理装置200、サーバ装置300及び表示端末500における処理を表すシーケンス図である。
【0081】
まず、第3の情報処理装置100が作業領域の撮影を行う(ステップS201)。次に、第3の情報処理装置100が撮影情報を第1の情報処理装置200に送信する(ステップS202)。次に、第1の情報処理装置200は、送信された撮影情報に基づいて作業領域20の全体の三次元情報を生成する(ステップS203)。次に、第1の情報処理装置200は、生成した三次元情報をサーバ装置300に送信する(ステップS204)。次に、サーバ装置300は、送信された三次元情報を保持する(ステップS205)。この三次元情報は、最初の三次元情報に該当する。次に、表示端末500が三次元情報要求をサーバ装置300に送信すると(ステップS206)、サーバ装置300は三次元情報を表示端末500に送信する(ステップS207)。
【0082】
一方、第2の情報処理装置400aが作業情報を生成し(ステップS208)、生成した作業情報を第1の情報処理装置200に送信する(ステップS209)。また、第2の情報処理装置400bが作業情報を生成し(ステップS210)、生成した作業情報を第1の情報処理装置200に送信する(ステップS211)。
【0083】
その後、第3の情報処理装置100が再度作業領域の撮影を行い(ステップS212)、撮像情報を第1の情報処理装置200に送信する(ステップS213)。すると、第1の情報処理装置200は、局所三次元情報を生成し(ステップS214)、サーバ装置300に送信する(ステップS215)。サーバ装置300は、受信した局所三次元情報を三次元情報保持部303に保持する(ステップS216)。この際、サーバ装置300は、局所三次元情報により三次元情報保持部303に保持した三次元情報を更新する。
【0084】
その後、表示端末500は、任意のタイミングにおいて三次元情報要求をサーバ装置300に送信し(ステップS217)、サーバ装置300は三次元情報を表示端末500に送信する(ステップS218)。
【0085】
同図の処理においては、初回の作業領域撮影により作業領域20の全体の三次元情報を生成し、2回目は作業領域20のうち実際に地形の形状の変更を行った領域の三次元情報を更新する場合を示している。しかし、作業領域20の全体の三次元情報を生成するタイミングは初回に限定するものではなく、例えば、週毎や月毎など定期的に生成することも可能であり、雨天や台風など荒天後に生成することも可能である。
【0086】
このように、本開示の第1の実施形態の情報処理システム10は、第1の情報処理装置200の三次元情報生成部203は、最初に作業領域20の全体の三次元情報を生成した後に作業車両2等が作業を行った作業領域に限定して局所三次元情報を生成する。この局所三次元情報に基づいて作業領域20の全体の三次元情報を更新することにより、作業領域20の全体の三次元情報を生成する場合と比較して処理時間を短縮することができる。また、局所三次元情報をサーバ装置300に送信するため、通信データ量を削減することができ、通信時間を短縮することができる。また、局所三次元情報を記録することにより、作業領域20の全体の三次元情報を記録するよりも少ないデータ量にて履歴を記録することができる。また、第2の情報処理装置400は三次元情報の生成を行わないため、第2の情報処理装置400の処理を簡略化することができる。
【0087】
(2.第2の実施形態)
上述の第1の実施形態の第1の情報処理装置200は、生成した三次元情報をサーバ装置300に送信していた。これに対し、本開示の第2の実施形態の第1の情報処理装置200は、サーバ装置300に送信する三次元情報を選択する点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0088】
[情報処理装置の構成]
図13は、本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。同図は、図4と同様に、第1の情報処理装置200の構成例を表す図である。同図の第1の情報処理装置200は、三次元情報保持部209及び送信データ選択部210を更に備える点で、図4の第1の情報処理装置200と異なる。
【0089】
三次元情報保持部209は、三次元情報生成部203で生成された三次元情報を記録して蓄積し、作業領域20の全体の三次元情報を保持するものである。
【0090】
送信データ選択部210は、サーバ装置300に送信する三次元情報を選択するものである。この送信データ選択部210は、三次元情報生成部203が生成した局所三次元情報と三次元情報保持部209に保持された三次元情報の対応する領域の三次元情報とを比較し、その差分が所定の閾値を超えている局所三次元情報を選択する。送信データ選択部210により選択された局所三次元情報は、三次元情報送信部204を介してサーバ装置300に送信される。なお、送信データ選択部210は、選択部の一例である。
【0091】
このように、最後にサーバ装置300に送信した三次元情報を三次元情報保持部209に保持することにより、これ以降に生成された三次元情報との差分を検出することができる。
【0092】
これ以外の情報処理システム10の構成は本開示の第1の実施形態における情報処理システム10の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
このように、本開示の第2の実施形態の情報処理システム10は、生成した三次元情報を保持するとともに当該保持した三次元情報に基づいて局所三次元情報を選択してサーバ装置300に送信する。これにより、データの送信処理を更に削減することができる。
【0094】
(3.第3の実施形態)
上述の第1の実施形態の情報処理システム10は、第2の情報処理装置400が位置情報を含む作業情報を第1の情報処理装置200に送信していた。これに対し、本開示の第3の実施形態の情報処理システム10は、第2の情報処理装置400が画像を第1の情報処理装置200に更に送信する点で、上述の第1の実施形態と異なる。
【0095】
[第2の情報処理装置の構成]
図14は、本開示の第3の実施形態に係る第2の情報処理装置の構成例を示す図である。同図は、図3と同様に、第2の情報処理装置400の構成例を表す図である。同図の第2の情報処理装置400は、カメラ407及び画像データ生成部408を更に備える点で、図3の第2の情報処理装置400と異なる。
【0096】
カメラ407は、第3の情報処理装置100のカメラ101と同様に、作業領域20を撮影するものである。
【0097】
画像データ生成部408は、第3の情報処理装置100の画像データ生成部102と同様に、カメラ407の撮影結果に基づいて画像を生成するものである。この画像データ生成部408は、作業車両2等の近傍の画像を生成する。画像データ生成部408は、生成した画像のデータを作業情報生成部404に出力する。
【0098】
同図の作業情報生成部404は、取得した画像データ、位置情報および車両状態情報にこれらが同期していることを示す時刻情報を付加した情報である情報作業情報を生成し保持する。
【0099】
なお、カメラ407及び画像データ生成部408は、例えば、汎用的な携帯用端末やタブレット端末で構成することも可能である。これらの端末で取得した時刻情報を含む画像、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)ファイルを作業情報に含めて第1の情報処理装置200に送信することもできる。
【0100】
[第2の情報処理装置の処理]
図15は、本開示の第3の実施形態に係る第2の情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、図8と同様に、第2の情報処理装置400の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0101】
第2の情報処理装置400の制御部406は、作業情報を取得するタイミングを指示する取得指示を受信すると(ステップS121)、カメラ407が撮影を行い、画像データ生成部408が画像データを生成する(ステップS122)。また、衛星測位部401が位置を取得し、位置情報生成部402が位置情報を生成する(ステップS123)。次に、車両状態情報取得部403が車両状態情報を取得する(ステップS124)。
【0102】
次に、作業情報生成部404が作業情報を生成する(ステップS125)。作業情報生成部404は、位置情報、車両状態情報及び画像データに基づいて、地形の形状変更を伴う実質的な作業を行った領域を示す作業情報を生成する。次に、制御部406は、取得指示が終了したかを判断する(ステップS126)。その結果、取得指示が終了していない場合には(ステップS126,No)、制御部406は、ステップS122の処理に戻る。
【0103】
一方、ステップS126において、取得指示が終了している場合には(ステップS126,Yes)、送信部405が作業情報を第1の情報処理装置200に送信し(ステップS127)、処理を終了する。なお、作業情報を第1の情報処理装置200に送信するタイミングは、例えば、ステップS125で作業情報を生成した直後にすることができる。この場合、作業中に作業情報を第1の情報処理装置200に送信することになり、作業終了後の作業情報の送信を不要にすることができる。なお、ステップS122乃至124の処理は、同図の順番に限定するものではない。
【0104】
[情報処理装置の処理]
図16は、本開示の第3の実施形態に係る情報処理装置の処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、図9と同様に、第1の情報処理装置200の処理の処理手順の一例を表す流れ図である。同図の処理手順は、ステップS148の処理が追加される点で、図9の処理手順と異なる。
【0105】
前述のように、第1の情報処理装置200が第2の情報処理装置400から受信する作業情報には画像データが含まれている。ステップS148において、画像フレーム選択部202は、作業情報に含まれる全ての画像データを含む画像フレームをステップS147において選択した画像フレームに追加する。次に、三次元情報生成部203が撮像情報から選択した画像フレーム及び作業情報に含まれる画像フレームから三次元情報を生成する(ステップS148)。これ以外の処理手順は図9の処理手順と同様であるため、説明を省略する。
【0106】
これ以外の情報処理システム10の構成は本開示の第1の実施形態における情報処理システム10の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0107】
このように、本開示の第3の実施形態の情報処理システム10は、第2の情報処理装置400が作業車両2等の近傍の画像を生成して位置情報とともに第1の情報処理装置200に送信する。第1の情報処理装置200は、第3の情報処理装置100が生成した作業領域20の全体の画像に加えて第2の情報処理装置400が生成した作業車両2等の近傍の画像に基づいて三次元情報を生成する。これにより、三次元情報の精度を向上させることができる。
【0108】
(4.変形例)
上述の第1の実施形態の情報処理システム10は、第3の情報処理装置100が作業領域20を撮影して作業領域20の全体の画像を生成していた。これに対し、作業車両2等が作業を行った領域を第3の情報処理装置100に撮影させてもよい。
【0109】
具体的には、第1の情報処理装置200の作業領域判定部207により判定された作業領域を第3の情報処理装置100に送信する。第3の情報処理装置100は、第1の情報処理装置200からの作業領域の情報を受信し、当該受信した作業領域をカバーするように無人航空機4を飛行制御してカメラ101により撮影を行い、画像を取得する。この画像に基づいて撮影情報統合部107が撮影情報を生成して第1の情報処理装置200に送信する。第1の情報処理装置200は、送信された撮影情報に基づいて局所三次元情報を生成する。これにより、第1の情報処理装置200における画像フレーム選択部202による処理を省略することができる。
【0110】
これ以外の情報処理システム10の構成は本開示の第1の実施形態における情報処理システム10の構成と同様であるため、説明を省略する。
【0111】
このように、本開示の変形例の情報処理システム10は、作業車両2等の近傍の作業が行われた領域の画像を第3の情報処理装置100が生成するため、第1の情報処理装置200における局所三次元情報の生成の処理を簡略化することができる。
【0112】
なお、本開示の第2の実施形態の構成は、他の実施形態に適用することができる。具体的には、図13の三次元情報保持部209及び送信データ選択部210を備える第1の情報処理装置200は、本開示の第3の実施形態の第1の情報処理装置200に適用することができる。
【0113】
本開示の第3の実施形態の構成は、他の実施形態に適用することができる。具体的には、図14のカメラ407及び画像データ生成部408を備える第2の情報処理装置400は、本開示の第2の実施形態の第2の情報処理装置400に適用することができる。
【0114】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
【0115】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0116】
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0117】
(効果)
情報処理システム10は、サーバ装置300と、第1の情報処理装置200と、第2の情報処理装置400とを有する。サーバ装置300は、配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの上記作業領域の全体の上記三次元情報を保持するとともに、当該保持する上記作業領域の全体の上記三次元情報を上記作業領域において作業装置により作業が行われた領域の上記三次元情報である局所三次元情報に基づいて更新する。第1の情報処理装置200は、上記作業装置の位置情報及び上記作業領域の画像に基づいて上記局所三次元情報を生成する三次元情報生成部203と、上記生成された局所三次元情報を上記サーバ装置300に送信する三次元情報送信部204とを備える。第2の情報処理装置400は、上記位置情報を生成して上記第1の情報処理装置200に送信する。これにより、第2の情報処理装置400が生成する作業装置の位置情報に基づいて第1の情報処理装置200が局所三次元情報を生成して、サーバ装置300に送信するという作用をもたらす。第2の情報処理装置400の処理を軽減することができる。
【0118】
また、上記三次元情報生成部203は、上記作業装置の作業状態の情報である作業情報、上記位置情報及び上記作業領域の画像に基づいて上記局所三次元情報を生成してもよい。これにより、作業状態に応じて局所三次元情報を生成する作業領域を絞り込むことができる。
【0119】
また、上記三次元情報生成部203は、上記作業領域の全体を含む上記画像を上記作業領域の画像として上記局所三次元情報を生成してもよい。
【0120】
また、上記第2の情報処理装置400は、上記作業が行われた領域の画像を更に送信し、上記三次元情報生成部203は、上記送信された上記作業が行われた領域の画像を上記作業領域の画像として上記局所三次元情報を生成してもよい。これにより、詳細な局所三次元情報を生成することができる。
【0121】
また、上記三次元情報生成部203は、上記作業領域を含む上記画像に基づく上記作業領域の全体の上記三次元情報の生成を更に行うことができる。これにより、作業領域の全体の三次元情報を生成して保持することができる。
【0122】
また、上記第1の情報処理装置200は、上記生成された上記作業領域の全体の上記三次元情報を保持する三次元情報保持部209と、上記保持された上記作業領域の全体の上記三次元情報に基づいて上記局所三次元情報を選択する選択部(送信データ選択部210)とを更に備え、上記三次元情報送信部204は、上記選択された局所三次元情報を上記サーバ装置300に送信してもよい。これにより、データ通信量を削減することができる。
【0123】
また、上記選択部(送信データ選択部210)は、上記保持された上記作業領域の全体の上記三次元情報及び上記生成された局所三次元情報との差分に基づいて上記局所三次元情報を選択してもよい。これにより、作業領域の地形の変化量に応じて三次元情報の更新を行うことができる。
【0124】
また、上記三次元情報生成部203は、点群データにより構成された上記局所三次元情報を生成してもよい。
【0125】
情報処理方法は、配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの上記作業領域の全体の上記三次元情報を保持することと、上記作業領域において作業を行う作業装置の位置情報を生成することと、上記位置情報及び上記作業領域の画像に基づいて上記作業装置により上記作業が行われた領域の上記三次元情報である局所三次元情報を生成することと、上記保持された上記作業領域の全体の上記三次元情報を上記生成された局所三次元情報に基づいて更新することとを含む情報処理方法である。これにより、処理を軽減することができる。
【0126】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0127】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの前記作業領域の全体の前記三次元情報を保持するとともに、当該保持する前記作業領域の全体の前記三次元情報を前記作業領域において作業装置により作業が行われた領域の前記三次元情報である局所三次元情報に基づいて更新するサーバ装置と、
前記作業装置の位置情報及び前記作業領域の画像に基づいて前記局所三次元情報を生成する三次元情報生成部と、前記生成された局所三次元情報を前記サーバ装置に送信する三次元情報送信部とを備える第1の情報処理装置と、
前記位置情報を生成して前記第1の情報処理装置に送信する第2の情報処理装置と
を有する情報処理システム。
(2)
前記三次元情報生成部は、前記作業装置の作業状態の情報である作業情報、前記位置情報及び前記作業領域の画像に基づいて前記局所三次元情報を生成する前記(1)に記載の情報処理システム。
(3)
前記三次元情報生成部は、前記作業領域の全体を含む前記画像を前記作業領域の画像として前記局所三次元情報を生成する前記(1)又は(2)に記載の情報処理システム。
(4)
前記第2の情報処理装置は、前記作業が行われた領域の画像を更に送信し、
前記三次元情報生成部は、前記送信された前記作業が行われた領域の画像を前記作業領域の画像として前記局所三次元情報を生成する
前記(1)から(3)の何れかに記載の情報処理システム。
(5)
前記三次元情報生成部は、前記作業領域を含む前記画像に基づく前記作業領域の全体の前記三次元情報の生成を更に行う前記(1)から(4)の何れかに記載の情報処理システム。
(6)
前記第1の情報処理装置は、
前記生成された前記作業領域の全体の前記三次元情報を保持する三次元情報保持部と、
前記保持された前記作業領域の全体の前記三次元情報に基づいて前記局所三次元情報を選択する選択部と
を更に備え、
前記三次元情報送信部は、前記選択された局所三次元情報を前記サーバ装置に送信する
前記(5)に記載の情報処理システム。
(7)
前記選択部は、前記保持された前記作業領域の全体の前記三次元情報及び前記生成された局所三次元情報との差分に基づいて前記局所三次元情報を選択する前記(6)に記載の情報処理システム。
(8)
前記三次元情報生成部は、点群データにより構成された前記局所三次元情報を生成する前記(1)から(7)の何れかに記載の情報処理システム。
(9)
配置された物体の形状を含む作業領域の地形の三次元情報のうちの前記作業領域の全体の前記三次元情報を保持することと、
前記作業領域において作業を行う作業装置の位置情報を生成することと、
前記位置情報及び前記作業領域の画像に基づいて前記作業装置により前記作業が行われた領域の前記三次元情報である局所三次元情報を生成することと、
前記保持された前記作業領域の全体の前記三次元情報を前記生成された局所三次元情報に基づいて更新することと
を含む情報処理方法。
【符号の説明】
【0128】
10 情報処理システム
100 第3の情報処理装置
104、402 位置情報生成部
109、405 送信部
200 第1の情報処理装置
203 三次元情報生成部
204 三次元情報送信部
207 作業領域判定部
209 三次元情報保持部
210 送信データ選択部
300 サーバ装置
302 三次元情報更新部
303 三次元情報保持部
400、400a、400b、400c 第2の情報処理装置
403 車両状態情報取得部
408 画像データ生成部
500 表示端末
図1A
図1B
図2
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