(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170028
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報開示システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0282 20230101AFI20231124BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20231124BHJP
【FI】
G06Q30/02 480
G06Q30/06 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081461
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石川 広弥
(72)【発明者】
【氏名】榎並 潤
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
5L049BB22
(57)【要約】
【課題】ユーザーが広い範囲のレコメンドの配信を受けるに当たり、ユーザー及び事業者に手間がかかることを抑制できる情報配信システムを提供する。
【解決手段】情報開示システムは、ユーザー13が所有する情報端末14に対しネットワーク15を介して接続される中央処理装置16を備える。ユーザー13は、レコメンドを配信する事業者12に対し開示してもよい情報として、情報端末14を用いて自身の要望をリスト化したウィッシュリストを設定することが可能である。中央処理装置16は、上記ウィッシュリストを記憶しており、その記憶したウィッシュリストを上記事業者12に開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが所有する情報端末に対しネットワークを介して接続される中央処理装置を備え、
前記ユーザーは、レコメンドを配信する事業者に対し開示してもよい情報として、前記情報端末を用いて自身の要望をリスト化したウィッシュリストを設定することが可能であり、
前記中央処理装置は、前記ウィッシュリストを記憶しており、その記憶した前記ウィッシュリストを前記事業者に開示するものとされている情報開示システム。
【請求項2】
前記中央処理装置は、前記ウィッシュリストを開示する前記事業者を、定められた範囲の事業者に制限することが可能である請求項1に記載の情報開示システム。
【請求項3】
前記ウィッシュリストは、前記ユーザーが購入を検討している商品及びサービス、並びに、前記商品及び前記サービスについての前記ユーザーの所感を一組とし、その一組を前記ユーザーの要望事項としてリスト化されたものであり、
前記中央処理装置は、前記ウィッシュリストに載せられている商品及びサービスを提供している事業者に対し、前記ウィッシュリストを開示する請求項1に記載の情報開示システム。
【請求項4】
前記中央処理装置は、前記ユーザーによって前記ウィッシュリストが設定された後に、定められた期間が経過したとき、前記ウィッシュリストの開示を停止する請求項1~3のいずれか一項に記載の情報開示システム。
【請求項5】
前記中央処理装置は、前記情報端末を通じて前記ウィッシュリストにあげられている商品及びサービスを前記ユーザーが購入したこと、或いは購入を断念したことを検知することができ、それらの検知に基づいて前記ウィッシュリストの開示を停止する請求項1~3のいずれか一項に記載の情報開示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報開示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定の商品及びサービスを販売する事業者は、上記商品及び上記サービスに関するお得情報等のレコメンドをユーザーに配信することにより、上記商品及び上記サービスの販売促進を行う。上記レコメンドを配信するためのレコメンド配信システムとしては、例えば特許文献1に示されるものが知られている。
【0003】
レコメンド配信システムは、ユーザーが所有する情報端末に対しネットワークを介して接続される中央処理装置を備えている。ユーザーは、情報端末を用いて、自身の要望といった関心情報をレコメンド配信システムの中央処理装置に登録する。中央処理装置は、ユーザーの関心情報を記憶する。中央処理装置は、記憶した関心情報に基づき、ユーザーの所有する情報端末にレコメンドを配信する。
【0004】
上記レコメンド配信システムでは、ユーザーの要望等を関心情報として中央処理装置に記憶することにより、ユーザーの要望等に応じたレコメンドをユーザーの所有する情報端末に配信することができる。一方、ユーザーは、情報端末に配信された上記レコメンドを閲覧する。そして、ユーザーが上記レコメンドに基づく商品及びサービスを事業者から受けるときには、割引などユーザーにとって何らかの受益があるようにすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記レコメンド配信システムでは、ユーザーの要望等の関心情報をレコメンドの配信に利用している。このため、上記関心情報を利用するに当たってユーザーからの許諾を得る必要があるとともに、上記関心情報の漏洩防止といったセキュリティ対策も行わなければならない。
【0007】
ユーザーが広い分野のレコメンドの配信を受けたい場合、複数の事業者からレコメンドの配信を受ける必要がある。この場合、ユーザーは、複数の事業者毎に上記関心情報の利用を許諾しなければならなくなる。こうした許諾を複数の事業者毎に行わなければならないことから、そのための作業に手間がかかる。また、各事業者においては、それぞれ上記セキュリティ対策を行わなければならなくなる。こうしたセキュリティ対策の実行には手間がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題を解決する情報開示システムの各態様を記載する。
(態様1)
ユーザーが所有する情報端末に対しネットワークを介して接続される中央処理装置を備え、前記ユーザーは、レコメンドを配信する事業者に対し開示してもよい情報として、前記情報端末を用いて自身の要望をリスト化したウィッシュリストを設定することが可能であり、前記中央処理装置は、前記ウィッシュリストを記憶しており、その記憶した前記ウィッシュリストを前記事業者に開示するものとされている情報開示システム。
【0009】
上記構成によれば、ユーザーは、レコメンドを配信する事業者に対し、自身のウィッシュリストを開示することを許諾したうえで、そのウィッシュリストを設定する。このウィッシュリストは中央処理装置に記憶され、同装置によって複数の上記事業者に対し開示される。複数の上記事業者は、中央処理装置によって開示されたウィッシュリストを参照することにより、そのウィッシュリストを設定したユーザーの要望に沿ったレコメンドを同ユーザーの所有する情報端末に配信する。
【0010】
ユーザーは、複数の事業者からのレコメンドの配信を受けることができるため、広い分野のレコメンドの配信を受けることができる。ユーザーが広い分野のレコメンドの配信を受けるためには、自分のウィッシュリストを複数の事業者に開示することに対する許諾を行う必要がある。こうした許諾は、ユーザーがウィッシュリストを設定する際の一度だけで済む。このため、上記許諾を複数の事業者毎に何度も行わなくてもよい分、上記許諾のための作業に手間がかかることを抑制できる。
【0011】
上記ウィッシュリストを開示することに関するユーザーの許諾については、同ウィッシュリストを設定することに伴って得られている。そして、複数の上記事業者としては、ユーザーの要望に添ったレコメンドを配信するに当たり、中央処理装置が開示するウィッシュリストを参照しているだけである。このため、複数の上記事業者は、ウィッシュリストにあげられている情報の漏洩防止といったセキュリティ対策を行う必要はなく、そうしたセキュリティ対策を行うための手間がかかることを抑制できる。
【0012】
以上のことから、ユーザーが広い範囲のレコメンドの配信を受けるに当たり、ユーザー及び事業者に手間がかかることを抑制できる。
(態様2)
前記中央処理装置は、前記ウィッシュリストを開示する前記事業者を、定められた範囲の事業者に制限することが可能である(態様1)に記載の情報開示システム。
【0013】
この構成によれば、ウィッシュリストを開示する事業者を制限することにより、ユーザーの要望に関係のない事業者にユーザーのウィッシュリストが開示されることを抑制できる。
【0014】
(態様3)
前記ウィッシュリストは、前記ユーザーが購入を検討している商品及びサービス、並びに、前記商品及び前記サービスについての前記ユーザーの所感を一組とし、その一組を前記ユーザーの要望事項としてリスト化されたものであり、前記中央処理装置は、前記ウィッシュリストに載せられている商品及びサービスを提供している事業者に対し、前記ウィッシュリストを開示する(態様1)又は(態様2)に記載の情報開示システム。
【0015】
上記構成によれば、ユーザーは、購入を検討している商品及びサービス、並びに、上記商品及び上記サービスについての所感を一組として、ウィッシュリストにあげておくことができる。これにより、ユーザーは、ウィッシュリストを見ることにより、購入を検討している商品及びサービスに関する情報を忘れないようにすることができる。また、ユーザーが実店舗において購入を検討している商品及びサービスをウィッシュリストにあげた場合、事業者はユーザーが実店舗から出た後に同ユーザーに対し、ウィッシュリストにあげた商品及びサービスに関連するレコメンドを配信することができる。なお、ウィッシュリストにあげる上記一組の中に、ユーザーが購入を検討している上記商品及び上記サービスを販売している店舗という情報を含めてもよい。この場合、中央処理装置がウィッシュリストを開示する事業者を、上記商品及び上記サービスを提供する店舗を経営している事業者に制限することが可能になる。
【0016】
(態様4)
前記中央処理装置は、前記ユーザーによって前記ウィッシュリストが設定された後に、定められた期間が経過したとき、前記ウィッシュリストの開示を停止する(態様1)~(態様3)のいずれか一つに記載の情報開示システム。
【0017】
この構成によれば、ウィッシュリストが長期間、事業者に開示されたままになることを抑制できる。
(態様5)
前記中央処理装置は、前記情報端末を通じて前記ウィッシュリストにあげられている商品及びサービスを前記ユーザーが購入したこと、或いは購入を断念したことを検知することができ、それらの検知に基づいて前記ウィッシュリストの開示を停止する(態様1)~(態様3)のいずれか一つに記載の情報開示システム。
【0018】
この構成によれば、ウィッシュリストにあげられている商品及びサービスをユーザーが購入、或いは購入を断念した場合、事業者に対するウィッシュリストの開示が停止されるため、同ウィッシュリストが長期間、開示されたままになることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】情報開示システムの全体構成を示す略図である。
【
図2】パーソナルデータの内容を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、情報開示システムの第1実施形態について
図1を参照して説明する。
図1に示す情報銀行11は、所定の商品及びサービスを販売する事業者12に対し、ユーザー13から預託されたパーソナルデータを情報開示システムによって開示する。事業者12は、開示されたパーソナルデータに基づき、上記事業者12の商品及びサービスに関するお得情報等のレコメンドを、上記ユーザー13に配信する。上記情報開示システムは、ユーザー13が所有する情報端末14にネットワーク15を介して接続される中央処理装置16を備えている。情報端末14としては、スマートフォン等のパーソナルコンピュータを用いることが考えられる。中央処理装置16としては、情報銀行11に設置されたサーバーコンピュータを用いることが考えられる。
【0021】
中央処理装置16は、ユーザー13から預託されたパーソナルデータを記憶している。こうしたパーソナルデータとしては、氏名、住所、電話番号、及び電子メールアドレスといった属性情報があげられるとともに、ユーザー13の要望をリスト化したウィッシュリストがあげられる。このウィッシュリストによってリスト化されたユーザー13の要望としては、例えば買いたい商品、行きたい場所、食べたい物、及びやりたいことといったものがあげられる。情報端末14は、ユーザー13によるパーソナルデータの入力、及び、その入力されたパーソナルデータの中央処理装置16への送信が可能となっている。
【0022】
<情報開示システムの活用>
ユーザー13は、レコメンドを配信する事業者12に対し開示してもよい情報として、情報端末14を用いて上記ウィッシュリストを設定する。こうして設定されたウィッシュリストは、レコメンドを配信する事業者12に対し開示することがユーザー13によって許諾されたものとして中央処理装置16に記憶される。ユーザー13は、情報端末14を通じて上記ウィッシュリストの内容を編集することが可能である。中央処理装置16は、複数の上記事業者12に対し、記憶した上記ウィッシュリストをネットワーク等を介して開示する。
【0023】
上記事業者12は、中央処理装置16によって開示されたウィッシュリストを参照することにより、そのウィッシュリストを設定したユーザー13の要望に沿ったレコメンドを同ユーザー13の所有する情報端末14に対しネットワークを通じて配信する。こうしたレコメンドの配信は、例えば以下のように行われる。
【0024】
ウィッシュリストにユーザー13の欲しい物があげられている場合には、その欲しい物もしくは類似した物を商品として販売している事業者12が、同商品に関するレコメンドを上記ユーザー13の所有する情報端末14に配信する。ウィッシュリストにユーザー13の行きたい場所があげられている場合には、その行きたい場所を含む旅行プランを提供する事業者12が、同旅行プランに関するレコメンドを上記ユーザー13の所有する情報端末14に配信する。ウィッシュリストにユーザー13の食べたい物があげられている場合には、その食べたい物を提供する事業者12が、同食べたい物に関する割引等のレコメンドを上記ユーザー13の所有する情報端末14に配信する。
【0025】
ユーザー13の所有する情報端末14は、中央処理装置16から配信された上記レコメンドを表示することが可能となっている。ユーザー13は、情報端末14に配信された上記レコメンドを閲覧し、そのレコメンドに基づく商品及びサービスを事業者12から受ける。
【0026】
次に、本実施形態の情報配信システムの作用効果について説明する。
(1-1)ユーザー13は、複数の事業者12からのレコメンドの配信を受けることができるため、広い分野のレコメンドの配信を受けることができる。ユーザー13が広い分野のレコメンドの配信を受けるためには、自分のウィッシュリストを複数の事業者12に開示することに対する許諾を情報銀行11に対して行う必要がある。こうした許諾は、ユーザー13がウィッシュリストを設定する際の一度だけで済む。このため、上記許諾を複数の事業者12毎に何度も行わなくてもよい分、上記許諾のための作業に手間がかかることを抑制できる。
【0027】
上記ウィッシュリストを開示することに関するユーザー13の許諾については情報銀行11が得ている。そして、複数の上記事業者12は、ユーザー13の要望に添ったレコメンドを配信するに当たり、中央処理装置16が開示するウィッシュリストを参照しているだけである。このため、複数の上記事業者12は、ウィッシュリストにあげられている情報の漏洩防止といったセキュリティ対策を行う必要はなく、そうしたセキュリティ対策を行うための手間がかかることを抑制できる。
【0028】
以上のことから、ユーザー13が広い範囲のレコメンドの配信を受けるに当たり、ユーザー13及び事業者12に手間がかかることを抑制できる。
[第2実施形態]
次に、情報開示システムの第2実施形態について
図2を参照して説明する。
【0029】
この実施形態の情報開示システムは、事業者12が経営する実際の店舗にユーザー13が出向いて商品及びサービスの購入を検討する際に活用することが考えられる。
図2は、ユーザー13が情報銀行11に預託するパーソナルデータを示している。ユーザー13は、情報端末14を通じて、パーソナルデータのうちの氏名、住所、電話番号、及び電子メールアドレスといった属性情報を入力する。属性情報は、ネットワーク15を介して情報銀行11の中央処理装置16に送信された後、同装置16に記憶される。
【0030】
ユーザー13は、実際の店舗に出向いて所定の商品及びサービスの購入を検討する際、情報端末14を通じて、パーソナルデータのうちのウィッシュリストとして購入検討用カートを設定する。購入検討用カートは、ネットワーク15を介して情報銀行11の中央処理装置16に送信された後、同装置16に記憶される。
【0031】
<購入検討用カートの詳細>
購入検討用カートは、購入を検討中の商品及びサービス、それら商品及びサービスを提供している店舗、並びに、上記商品及び上記サービスについてのユーザー13の所感を一組とし、その一組をユーザー13の要望事項としてリスト化したものである。商品及びサービスについてのユーザー13の上記所感としては、「上記商品及び上記サービスの何に惹かれたか」、及び「上記商品及び上記サービスの気になる点」といったものがあげられる。
【0032】
ユーザー13は、例えば実際の店舗Aに出向いて商品Xの購入を検討した場合、情報端末14を通じて購入検討用カートを設定する。更に、ユーザー13は、上記購入検討用カート上において、店舗Aの商品Xを検討中であること、その商品Xに何に惹かれたのか、及び、その商品Xの気になる点といったことを一組とし、それら一組をリスト化する。上記購入検討用カートは、ネットワーク15を介して中央処理装置16に送信され、同装置16に記憶される。
【0033】
続いて、ユーザー13が店舗Aを出て店舗Bに行き、店舗Bの商品Zの購入を検討した場合、ユーザー13は情報端末14を通じて上記購入検討用カート上に商品Zに関する情報を追加する。すなわち、店舗Bの商品Zを検討中であること、その商品Zに何に惹かれたのか、及び、その商品Zの気になる点といったことを一組とし、それら一組をリスト化して上記購入検討用カートに追加する。このようにして購入検討用カート上の情報が編集される。編集後の購入検討用カートは、ネットワーク15を介して中央処理装置16に送信され、同装置16に記憶される。
【0034】
中央処理装置16は、記憶された購入検討用カートを事業者12に対し開示する。このときの事業者12に対する購入検討用カートの開示については、開示する事業者12をある程度限定することが考えられる。詳しくは、購入検討用カートに載せられている店舗を経営している事業者12、この例では店舗Aを経営している事業者12、及び店舗Bを経営している事業者12に限定して、上記購入検討用カートを開示することが考えられる。購入検討用カートが開示された事業者12は、購入検討用カートに入れられた購入検討中の商品に関するユーザー13の所感に基づき、その商品に関係するレコメンドを上記ユーザー13の所有する情報端末14に配信する。
【0035】
ユーザー13は、購入検討用カートに入れられた商品について、情報端末14を通じて購入のための決済をすることが可能となっている。こうした商品の購入後の対応としては、購入した商品をユーザー13の自宅に配送したり、ユーザー13が後で店舗に受け取りに行けるように同店舗での商品の取り置きをしたりすることが考えられる。購入した商品をユーザー13の自宅に配送する場合、中央処理装置16に記憶されたユーザー13のパーソナルデータのうちの属性情報から上記商品の配送情報を得ることが考えられる。購入した商品が複数ある場合、それら商品をまとめてユーザー13の自宅に配送するようにしてもよい。
【0036】
購入検討用カートについては、ユーザー13によって設定される際、ユーザー13が購入検討用カートの有効期限を定めるようにしてもよい。この場合、中央処理装置16は、上記購入検討用カートが設定されてから上記有効期限にいたるまでの期間が経過すると、記憶した購入検討用カートの開示を停止する。
【0037】
中央処理装置16は、ユーザー13が購入検討用カートを用いて購入を検討している商品を購入した場合、そのことを情報端末14からの決済情報に基づいて検知することが可能となっている。中央処理装置16は、ユーザー13が購入検討用カートを用いて購入を検討している商品及びサービスを購入したことを検知したことに基づき、購入検討用カートの開示を停止する。このときには、上記購入した商品の商品名、購入店舗、及び購入日時などの購入情報を、ユーザー13のパーソナルデータとして記憶するようにしてもよい。
【0038】
中央処理装置16は、ユーザー13が購入検討用カートを用いて購入を検討していた商品の購入を断念した場合、購入検討用カートの開示を停止する。詳しくは、ユーザー13は、情報端末14を通じて上記商品の購入を断念する意志を中央処理装置16に通知することが可能となっている。中央処理装置16は、情報端末14からの上記通知に基づき、ユーザー13が購入検討用カートを用いて購入を検討していた商品及びサービスの購入を断念したことを検知し、その検知に基づいて購入検討用カートの開示を停止する。
【0039】
以上詳述した本実施形態によれば、第1実施形態における(1-1)の効果に加え、以下に示す効果が得られるようになる。
(2-1)中央処理装置16は、ウィッシュリストとしての購入検討用カートを開示する事業者12を、定められた範囲の事業者12に制限するものとされている。詳しくは、中央処理装置16は、上記購入検討用カートに載せられている店舗、言い換えればユーザー13が購入を検討している商品及びサービスを提供する店舗を経営している事業者12に限定して、上記購入検討用カートを開示するものとされている。このように購入検討用カートを開示する事業者12を制限することにより、ユーザー13の要望に関係のない事業者12にユーザー13の購入検討用カートが開示されることを抑制できる。
【0040】
(2-2)ユーザー13は、購入を検討している商品及びサービス、それら商品及びサービスを提供している店舗、並びに、上記商品及び上記サービスについての所感を一組として、ウィッシュリストである購入検討用カートにあげておくことができる。ユーザー13は、購入検討用カートを見ることにより、購入を検討している商品及びサービスに関する情報を忘れないようにすることができる。
【0041】
また、ユーザー13が実店舗において購入を検討している商品及びサービスを購入検討用カートに追加した場合、その商品及びサービスを販売する店舗を経営している事業者12にとっては、上記商品及び上記サービスの販売を促進することが可能になる。すなわち、上記事業者12は、ユーザー13が実店舗から出た後に同ユーザー13に対し、購入検討用カートにある商品及びサービスに関連するレコメンドを配信することができる。これにより、実店舗から出た後に同ユーザー13に対し、上記商品及び上記サービスの販売を促進することができる。
【0042】
(2-3)中央処理装置16は、ユーザー13によって購入検討用カートが設定された後に、定められた期間が経過したとき、上記購入検討用カートの開示を停止する。上記定められた期間としては、例えばユーザー13が上記購入検討用カートを設定してから同ユーザー13によって定められた有効期限にいたるまでの期間とされる。このように購入検討用カートの開示を停止することにより、購入検討用カートが長期間、事業者12に開示されたままになることを抑制できる。
【0043】
(2-4)中央処理装置16は、購入検討用カートにあげられている商品及びサービスをユーザー13が購入、或いは購入を断念した場合にも、事業者12に対する上記購入検討用カートの開示を停止する。このように購入検討用カートの開示を停止することにより、購入検討用カートが長期間、事業者12に開示されたままになることを抑制できる。
【0044】
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0045】
・第1実施形態において、中央処理装置16は、ウィッシュリストを開示する事業者12を、定められた範囲の事業者12に制限するものであってもよい。
・第2実施形態において、購入検討用カートを開示する事業者12の範囲を広げてもよい。例えば、購入検討用カートに載せられた商品及びサービスを提供する店舗を経営する事業者12だけでなく、上記商品及び上記サービスを提供する他の店舗を経営する事業者12に対しても、購入検討用カートを開示することが考えられる。更に、上記商品及び上記サービスと関連する商品及びサービスを提供する店舗を経営する事業者12に対し、購入検討用カートを開示するようにしてもよい。
【0046】
・第2実施形態において、ウィッシュリストにあげる上記一組の中から、店舗に関する情報を除いてもよい。この場合、中央処理装置16がウィッシュリストを開示する事業者12の範囲を、ユーザー13が購入を検討している商品及びサービスを提供している事業者12全体に広げることが考えられる。
【0047】
・第2実施形態において、ウィッシュリストにあげられる上記一組の中の商品及びサービスという情報は、商品及びサービスの具体的な名称ではなく、概念的な名称であったりイメージであったりしてもよい。例えば、ユーザー13が「ドライバーセット」を購入したい場合には、上記情報を「○○社製ドライバーセット」という具体的な名称ではなく、「ドライバーセット」という概念的な名称としたり、「ねじを締める道具」というイメージ的な情報としたりする。
【0048】
・第2実施形態において、必ずしもウィッシュリストを開示する事業者12を制限する必要はない。
【符号の説明】
【0049】
11…情報銀行
12…事業者
13…ユーザー
14…情報端末
15…ネットワーク
16…中央処理装置