(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170033
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】在庫照会装置、在庫照会方法、及び、在庫照会プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081471
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】前田 啓貴
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 充弘
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】セキュリティを確保した在庫照会を可能とする。
【解決手段】セキュリティ表示制御部が、各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示する。取得部は、検出された在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する。表示制御部は、取得された在庫データを表示部に表示する。これにより、各ユーザは、予め関連付けされている在庫照会対象ユーザの在庫データ以外の在庫データの照会は得られないため、セキュリティを確保した在庫照会を可能とすることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示するセキュリティ表示制御部と、
検出された在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する取得部と、
取得された在庫データを前記表示部に表示する表示制御部と、
を有する在庫照会装置。
【請求項2】
前記在庫データベースには、少なくとも、在庫照会を行う商品の在庫数、前記在庫照会対象ユーザとなる資産会社、及び、前記商品の販売権利者が、それぞれ関連付けされて記憶されており、
前記取得部は、検出された前記在庫照会対象ユーザが前記商品の製造元となる資産会社である場合は、前記在庫データベースに記憶されている全資産会社の在庫データを取得し、検出された前記在庫照会対象ユーザが前記商品の販売代理店となる資産会社である場合は、検出された前記在庫照会対象ユーザが前記販売権利者となっている在庫データを、前記在庫データベースから取得すること、
を特徴とする請求項1に記載の在庫照会装置。
【請求項3】
前記在庫データベースには、前記販売代理店の拠点毎に前記商品の在庫数が記憶されていること、
を特徴とする請求項2に記載の在庫照会装置。
【請求項4】
前記販売代理店が販売管理者となっている商品の在庫のうち、一部の在庫は前記製造元で管理され、残りの在庫が前記販売代理店で管理されており、
前記取得部は、検出された前記在庫照会対象ユーザが前記商品の販売代理店となる資産会社である場合は、検出された前記在庫照会対象ユーザが前記販売権利者となっている在庫データとして、前記製造元で管理されている在庫の在庫データ、及び、前記販売代理店で管理されている在庫の在庫データを、前記在庫データベースから取得すること、
を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の在庫照会装置。
【請求項5】
セキュリティ表示制御部が、各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示するセキュリティ表示制御ステップと、
取得部が、検出された在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する取得ステップと、
表示制御部が、取得された在庫データを前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を有する在庫照会方法。
【請求項6】
コンピュータを、
各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示するセキュリティ表示制御部と、
検出された前記在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する取得部と、
取得された在庫データを前記表示部に表示する表示制御部として機能させること、
を特徴とする在庫照会プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫照会装置、在庫照会方法、及び、在庫照会プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、店舗での商品の売上数に応じて、倉庫に保管している商品を店舗に補充しながら販売を継続する販売形態が取られていることが多い。このため、商品の販売を円滑に行うためにも、商品の在庫管理が重要となる。
【0003】
在庫管理に関する先行技術としては、特許文献1(特開2003-150856号公報)に商品在庫の照会システムが開示されている。この商品在庫の照会システムは、事業所毎の商品の在庫量を、商品を特定するための商品特定情報に関連させて蓄積した商品在庫情報データベースを備える。商品等指定手段は、商品特定情報の中から、ユーザが希望する商品と数量を指定する。在庫照会用のホストコンピュータは、商品等指定手段により指定された商品特定情報により、商品在庫情報データベースから商品特定情報に関連する在庫量を抽出し、指定された商品数量以上の在庫の有無を判断して表示する。
【0004】
商品等指定手段は、公衆に利用可能な公衆通信回線に接続されたユーザ用コンピュータを有し、公衆通信回線を介してユーザ用コンピュータにより送信される商品特定情報及び商品数量を、在庫照会用のホストコンピュータに入力する。商品等指定手段は、在庫照会用のホストコンピュータの判断結果をユーザ用コンピュータに表示する。これにより、ユーザ及びメーカ双方に利便性の高い商品在庫の照会システムを提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、在庫管理を行う上において、例えば一方の被照会者の在庫を、関係の無い他方の被照会者に対して照会可能とすることは、セキュリティ上、好ましいことではない。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、セキュリティを確保した在庫照会を可能とする在庫照会装置、在庫照会方法、及び、在庫照会プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫照会装置は、各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示するセキュリティ表示制御部と、検出された在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する取得部と、取得された在庫データを表示部に表示する表示制御部と、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫照会方法は、セキュリティ表示制御部が、各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示するセキュリティ表示制御ステップと、取得部が、検出された在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する取得ステップと、表示制御部が、取得された在庫データを表示部に表示する表示制御ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る在庫照会プログラムは、コンピュータを、各ユーザのユーザ識別情報毎に、在庫照会を許可する在庫の在庫照会対象ユーザがそれぞれ関連付けされて記憶された記憶部から、入力されたユーザ識別情報に関連付けされている在庫照会対象ユーザを検出して表示部に表示するセキュリティ表示制御部と、検出された在庫照会対象ユーザの在庫データを在庫データベースから取得する取得部と、取得された在庫データを表示部に表示する表示制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、セキュリティを確保した在庫照会を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の在庫照会装置を備える在庫管理システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、実施の形態の在庫照会装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、ログインセキュリティマスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の在庫照会装置の在庫照会動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、管理者に対するログインセキュリティ動作を説明するための模式図である。
【
図6】
図6は、メーカのユーザに対するログインセキュリティ動作を説明するための模式図である。
【
図7】
図7は、代理店のユーザに対するログインセキュリティ動作を説明するための模式図である。
【
図8】
図8は、他の代理店のユーザに対するログインセキュリティ動作を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、メーカでログインした際に表示されるメーカ代理店在庫共有照会画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、商品のメーカに対する在庫照会可能な資産会社を在庫表示対象マスタから検出する様子を示す図である。
【
図11】
図11は、商品のメーカに照会される在庫データを示す図である。
【
図12】
図12は、代理店でログインした際に表示されるメーカ代理店在庫共有照会画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、代理店に対する在庫照会可能な資産会社を在庫表示対象マスタから検出する様子を示す図である。
【
図14】
図14は、代理店に照会される在庫データを説明するための図である。
【
図15】
図15は、生産実績入力により、メーカの在庫数が追加される様子を示す図である。
【
図16】
図16は、仕入入力により代理店の在庫数が追加される様子を示す図である。
【
図17】
図17は、在庫振替入力により、関東の代理店の在庫の一部が、関西の代理店に振替られた様子を示す図である。
【
図18】
図18は、在庫移動入力により、関東の代理店の在庫の一部を、関西の代理店に移動した様子を示す図である。
【
図19】
図19は、代理店がメーカから商品を仕入れた際の受注売上入力により生成されるメーカ及び代理店の売上データ、代理店の仕入データ、及び、メーカ側の在庫の変動を示すメーカの在庫データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる在庫照会装置を、図面に基づいて詳細に説明する。この実施の形態は、一例として製紙業を営むメーカで生産されたトイレットペーパー等の商品の在庫照会を行う在庫照会装置に本発明を適用した例である。なお、このような実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0014】
まず、
図1は、実施の形態となる在庫照会装置1を備える在庫照会システムのシステム構成図である。この
図1に示すように、在庫照会システムは、実施の形態の在庫照会装置1、商品のメーカの一つ又は複数のメーカ端末装置50、商品の代理店の、一つ又は複数の代理店端末装置60を、ネットワーク8を介して相互に接続することで構成されている。ネットワーク8としては、インターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等を用いることができる。
【0015】
ここで、製紙業界は、商品が販売されるまでの間、メーカ側で商品の在庫責任を持つ業界文化がある。例えば、
図1に示すように1つのメーカに対して、代理店A及び代理店B等の複数の代理店が存在する場合、メーカ側は、メーカ側で管理している同一製品及び同一ロットの在庫を、販売権利のある代理店毎に区分けして管理する必要がある。このため、メーカ端末装置50は、商品のメーカ側の在庫の在庫データ、及び、メーカ側で管理している各代理店A、Bの一部の在庫の在庫データが記憶された在庫データベース(在庫DB)51を備えている。
【0016】
また、代理店Aの代理店端末装置60Aは、代理店Aの在庫の在庫データ(メーカ側で管理されている代理店Aの在庫以外の代理店Aの在庫の在庫データ)が記憶された在庫DB61Aを備え、代理店Bの代理店端末装置60Bは、代理店Bの在庫の在庫データ(メーカ側で管理されている代理店Bの在庫以外の代理店Bの在庫の在庫データ)が記憶された在庫DB61Bを備えている。
【0017】
在庫照会装置1は、在庫照会プログラムに基づいて動作することで、メーカ端末装置50、代理店端末装置60A及び代理店端末装置60Bの各在庫DB51,61A、61Bからそれぞれ在庫データを取得して在庫照会を行うようになっている。
【0018】
なお、在庫データを取得するタイミングとしては、在庫照会要求の都度、取得してもよいし、定期的又は不定期に各在庫DB51,61A、61Bから取得した在庫データを、在庫照会装置1の記憶部(
図2の記憶部2)に記憶しておき、この記憶部に記憶されている在庫データに基づいて在庫照会してもよい。以下の説明では、在庫データは、予め各在庫DB51,61A、61Bから取得して記憶部に記憶されていることとして説明を行う。
【0019】
(在庫照会装置のハードウェア構成)
次に、
図2は、実施の形態の在庫照会装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。この
図2に示す在庫照会装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。
【0020】
出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。通信インターフェース部4は、ネットワーク8を介して、メーカ端末装置50及び各代理店A、Bの代理店端末装置60に接続されている。
【0021】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ記憶領域であるログインセキュリティマスタ11及び在庫表示対象マスタ12が設けられている。
【0022】
また、記憶部2には、定期的又は不定期にメーカ端末装置50、代理店端末装置60A及び代理店端末装置60Bの各在庫DB51,61A、61Bから予め取得した在庫データ13が記憶されている。
【0023】
また、記憶部2には、メーカ端末装置50、代理店端末装置60A及び代理店端末装置60Bの在庫照会を可能とする在庫照会プログラムが記憶されている。なお、この例では、在庫照会プログラムは、在庫照会装置1側に記憶されており、在庫照会装置1の制御部3が実行することとして説明を進めるが、
図1に点線のブロックで示すように所定のサーバ装置9に在庫照会プログラムを設け、いわゆるWeb(World Wide Web)アプリケーションプログラムとして実行してもよい。この場合でも作用効果は下記と同様である。
【0024】
また、記憶部2には、照会された在庫データに基づいて入力される、商品の生産数を示す生産実績データ、代理店がメーカ側から仕入を行った商品の仕入数を示す仕入データが記憶される。また、記憶部2には、代理店間で振替を行った商品数を示す振替データ、代理店間で移動した商品数を示す移動データが記憶される。また、記憶部2には、受注売上入力に基づくメーカ及び代理店の売上データ、代理店の仕入データ等が記憶される。
【0025】
図3は、ログインセキュリティマスタ11の一例を示す図である。この
図3に示すように、ログインセキュリティマスタ11は、「選択可能会社」及び「ユーザ識別情報(ユーザID)」を含んで構成されている。「選択可能会社」には、「001」等のメーカコード及びメーカ名、「002」及び「003」等の代理店コード及び代理店名が含まれる。この例では、「001」がメーカのメーカコードであり、「002」が代理店Aの代理店コードとなっている。また、「003」が代理店Bの代理店コードとなっている。
【0026】
ユーザIDとしては、メーカ側の在庫を照会可能なユーザのユーザID、代理店Aの在庫を照会可能なユーザのユーザID及び代理店Bの在庫を照会可能なユーザのユーザIDが登録(記憶)されている。この
図3の例では、メーカ、代理店A及び代理店Bの全ての資産会社の在庫を照会可能なユーザのユーザIDとして「00001」のユーザIDが登録されている。この「00001」のユーザIDのユーザは、例えば在庫照会システムの「管理人」となるユーザのユーザIDである。
【0027】
また、
図3の例では、メーカ側の在庫を照会可能なユーザのユーザIDとして「00101」のユーザIDが登録されている。この「00101」のユーザは、メーカに所属するユーザのユーザIDである。また、この
図3の例は、代理店A側の在庫を照会可能なユーザのユーザIDとして「00201」のユーザIDが登録されている。この「00201」のユーザは、代理店Aに所属するユーザのユーザIDである。また、この
図3の例は、代理店B側の在庫を照会可能なユーザのユーザIDとして「00301」のユーザIDが登録されている。この「00301」のユーザは、代理店Bに所属するユーザのユーザIDである。
【0028】
実施の形態の在庫照会装置1は、このようにログインセキュリティマスタ11に対して、在庫の照会が可能な資産会社(メーカ、代理店A及び代理店B)と、在庫の照会が可能なユーザのユーザIDとを関連付けして登録している。そして、照会時に入力されたユーザIDに基づいて、このログインセキュリティマスタ11を参照し、入力されたユーザIDに対して照会が許可されている在庫の照会を行う。これにより、そのユーザに対して許可されている在庫のみを照会することができ、セキュリティを確保した在庫照会を可能とすることができる。
【0029】
(在庫照会装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている在庫照会プログラムを実行することで、セキュリティ表示制御部21、取得部22、表示制御部23、データ生成部24、及び、通信制御部25として機能する。
【0030】
セキュリティ表示制御部21は、入力されたユーザIDに関連付けされている資産会社(メーカ、代理店A及び代理店B:在庫照会対象ユーザの一例)を検出して出力装置7(表示部の一例)に表示する。取得部22は、検出された資産会社の在庫データを在庫データベース51、61A、61Bから取得する。なお、この例では、各在庫データベース51、61A、61Bの在庫データは、予め取得されて在庫照会装置1の記憶部2に記憶される(在庫データ13)。このため、取得部22は、検出された資産会社の在庫データ13を記憶部2から取得する。表示制御部23は、取得された在庫データ13を出力装置7に表示する。
【0031】
後述するが、各在庫データベース51、61A、61Bには、少なくとも、在庫照会を行う商品の在庫数、資産会社及び商品の販売権利者が、それぞれ関連付けされて記憶されている。また、上述のように、在庫照会装置1で商品の在庫照会を行う製紙業界は、商品が販売されるまでの間、メーカ側で商品の在庫責任を持つ業界文化がある。例えば、1つのメーカに対して、代理店A及び代理店Bが存在する場合、メーカ側は、メーカ側で管理している在庫を、販売権利のある代理店毎に区分けして管理する必要がある。このため、メーカ側では、メーカ側の在庫の他、各代理店A、Bの在庫も区分けして管理している。メーカ側で管理されている在庫以外の、各代理店の残りの在庫は、各代理店の在庫としてそれぞれ各代理店側で管理される。また、各在庫データベース51、61A、61Bには、例えば代理店Aの関東支部、及び、代理店Bの関西支部等の拠点毎に商品の在庫数等が記憶されている。
【0032】
取得部22は、検出された資産会社が、商品の製造元となる資産会社(=メーカ)である場合、全在庫データベース51、61A、61Bから取得した全資産会社の在庫データ13を記憶部2から取得する。この場合、表示制御部23は、全資産会社の在庫データ13を出力装置7に表示して照会する。
【0033】
また、検出された資産会社が商品の販売代理店(代理店A又は代理店B)となる資産会社である場合、検出された資産会社が販売権利者となっている在庫データ13を、各在庫データベース51、61A、61B(又は記憶部2)から取得する。換言すると、取得部22は、メーカ側で管理されている、検出された資産会社が販売権利者となっている在庫データ13、及び、代理店側で管理されている、検出された資産会社が販売権利者となっている在庫データ13を、各在庫データベース51、61A、61B又は記憶部2から取得する。表示制御部23は、検出された資産会社が販売権利者となっている在庫データ13を出力装置7に表示して照会する。
【0034】
データ生成部24は、後述する振替データ、移動データ及び売上データ等を生成して記憶部2に記憶する。通信制御部25は、所定のタイミングでメーカ端末装置50、代理店端末装置60A及び代理店端末装置60Bと通信を行うように通信インターフェース部4を通信制御し、各在庫DB51,61A、61Bからそれぞれ在庫データ13を取得して記憶部2に記憶する。
【0035】
(在庫照会動作)
次に、実施の形態の在庫照会装置1における在庫照会動作を、
図4のフローチャートを用いて説明する。制御部3は、
図2に記憶されている在庫照会プログラムに基づいて動作することで、
図4のフローチャートの各処理を実行する。このフローチャートは、
図5(a)等に例示するログイン画面において、ユーザID及びパスワードが入力されることでスタートとなる。ステップS1では、セキュリティ表示制御部21が、入力されたユーザID及びパスワードに基づいて、正規ユーザのユーザID及びパスワードが関連付けされて記憶されている図示しない認証データベースを参照し、ユーザ認証処理を行う。
【0036】
正規のユーザであることが認証されると、処理がステップS2に進み、セキュリティ表示制御部21が、
図3に示したログインセキュリティマスタ11を参照し、入力されたユーザIDに関連付けされている資産会社を検出して表示する。
図5の例は、ユーザIDが「00001」の、在庫照会システムの管理者がログインした例である。この場合、セキュリティ表示制御部21は、
図5(c)に示すログインセキュリティマスタ11を参照することで、「00001」のユーザIDに関連付けされている「メーカ」、「代理店A」及び「代理店B」の各資産会社を検出する。セキュリティ表示制御部21は、検出した「メーカ」、「代理店A」及び「代理店B」の各資産会社を、
図5(b)に示すように、ログイン会社選択画面に表示する。
【0037】
図6の例は、ユーザIDが「00101」の、メーカに所属するユーザがログインした例である。この場合、セキュリティ表示制御部21は、
図6(c)に示すログインセキュリティマスタ11を参照することで、「00101」のユーザIDに関連付けされている「メーカ」の資産会社を検出する。セキュリティ表示制御部21は、検出した「メーカ」の資産会社を、
図6(b)に示すように、ログイン会社選択画面に表示する。
【0038】
図7の例は、ユーザIDが「00201」の、代理店Aに所属するユーザがログインした例である。この場合、セキュリティ表示制御部21は、
図7(c)に示すログインセキュリティマスタ11を参照することで、「00201」のユーザIDに関連付けされている「代理店A」の資産会社を検出する。セキュリティ表示制御部21は、検出した「代理店A」の資産会社を、
図7(b)に示すように、ログイン会社選択画面に表示する。
【0039】
図8の例は、ユーザIDが「00301」の、代理店Bに所属するユーザがログインした例である。この場合、セキュリティ表示制御部21は、
図8(c)に示すログインセキュリティマスタ11を参照することで、「00301」のユーザIDに関連付けされている「代理店B」の資産会社を検出する。セキュリティ表示制御部21は、検出した「代理店B」の資産会社を、
図8(b)に示すように、ログイン会社選択画面に表示する。
【0040】
次に、取得部22は、ユーザIDに基づいて検出された資産会社が、管理者又はメーカに対応する資産会社であるか否かを判別する(ステップS3)。ユーザIDに基づいて検出された資産会社が、管理者又はメーカに対応する資産会社である場合(ステップS3:Yes)、
図5及び
図6を用いて説明したように、メーカ及び全代理店の、全ての在庫の在庫データ13の照会が可能となっている。
【0041】
このため、取得部22は、ステップS4において、メーカの在庫データ13、メーカ側で管理している代理店A及び代理店Bの在庫データ13、代理店A側で管理している代理店Aの在庫データ13、及び、代理店B側で管理している代理店Bの在庫データ13を取得する。表示制御部23は、取得された各在庫データ13を、
図9に示すようにメーカ代理店在庫共有画面に一覧表示する。
【0042】
図9の例は、メーカのユーザIDでログインが行われた場合に表示されるメーカ代理店在庫共有画面の一例を示す図である。この場合、表示制御部23は、
図9に例示するように、在庫データ13の照会が可能な資産会社として検出された「メーカ」、「代理店A」及び「代理店B」の各資産会社を表示する。
【0043】
なお、後述するが、在庫データ13の照会が可能な資産会社として代理店Aが検出された場合、表示制御部23は、メーカ側で管理されている代理店Aの在庫データ13の照会が可能であることを意味する「メーカ」、及び、代理店A側で管理している代理店Aの在庫データ13の照会が可能であることを意味する「代理店A」を、資産会社としてメーカ代理店在庫共有画面に表示する(「代理店B」は資産会社として表示しない)。
【0044】
また、表示制御部23は、取得された在庫データ13を、「商品・ロット番号別」で表示するか、又は、「商品別」で表示するか、を示す出力区分、商品が管理されている倉庫の倉庫コード及び倉庫名、商品の品番及び商品名、商品の販売権利を有する資産会社及びロット番号等をメーカ代理店在庫共有画面に表示する。
【0045】
また、この例は、「メーカ」のユーザIDでログインが行われている。取得部22は、
図10に示す在庫表示対象マスタ12を参照することで、「メーカ」のユーザIDで在庫データ13の照会が可能な資産会社として、「メーカ」、「代理店A」及び「代理店B」の資産会社を特定する。そして、取得部22は、
図11に示すように、記憶部2に記憶されている在庫データ13のうち、特定した「メーカ」、「代理店A」及び「代理店B」の資産会社の在庫データ13を取得する。この場合、
図11に示す全在庫データ13が取得される。
【0046】
表示制御部23は、取得された在庫データ13を、
図9に示すようにメーカ代理店在庫共有画面に一覧表示する。これにより、「メーカ」のユーザIDでログインしたことで、メーカ側で管理しているメーカ側の在庫、メーカ側で管理している代理店A及び代理店B在庫、代理店Aで管理している代理店Aの在庫、及び、代理店Bで管理している代理店Bの在庫の照会を得ることができる。
【0047】
これに対して、
図4のフローチャートのステップS3において、ユーザIDに基づいて検出された資産会社が、代理店の資産会社であると判別された場合(ステップS3:No)、
図7及び
図8を用いて説明したように、メーカ側で管理している代理店の在庫、及び、代理店側で管理している代理店の在庫の各在庫データ13の照会が可能となっている。このため、取得部22は、ステップS6において、メーカ側で管理されている代理店の在庫の在庫データ13、及び、代理店側で管理している代理店の在庫の在庫データ13を取得する。表示制御部23は、取得された各在庫データ13を、
図12に示すようにメーカ代理店在庫共有画面に一覧表示する。
【0048】
図12の例は、代理店AのユーザIDでログインが行われた場合に表示されるメーカ代理店在庫共有画面の一例を示す図である。この場合、表示制御部23は、
図12に例示するように、メーカ側で管理されている代理店Aの在庫データの照会が可能であることを意味する「メーカ」、及び、代理店A側で管理している代理店Aの在庫データの照会が可能であることを意味する「代理店A」を資産会社としてメーカ代理店在庫共有画面に表示する(「代理店B」は資産会社として表示しない)。
【0049】
また、表示制御部23は、「商品・ロット番号別」又は「商品別」である出力区分、商品が管理されている倉庫の倉庫コード及び倉庫名、商品の品番及び商品名、商品の販売権利を有する資産会社及びロット番号等をメーカ代理店在庫共有画面に表示する。
【0050】
また、この例は、「代理店A」のユーザIDでログインが行われている。取得部22は、
図13に示す在庫表示対象マスタ12を参照することで、「代理店A」のユーザIDで照会可能な在庫データ13として、メーカ側で管理されており、販売権利が代理店Aの関東支部が有する在庫の在庫データ13、メーカ側で管理されており、販売権利が代理店Aの関西支部が有する在庫の在庫データ13、及び、代理店Aで管理している代理店Aの関東支部及び関西支部の在庫の在庫データ13を特定する。
【0051】
そして、取得部22は、
図14に示すように、記憶部2に記憶されている在庫データ13のうち、メーカ側で管理されており、販売権利が代理店Aの関東支部が有する在庫の在庫データ13、メーカ側で管理されており、販売権利が代理店Aの関西支部が有する在庫の在庫データ13、及び、代理店Aで管理している代理店Aの関東支部及び関西支部の在庫の在庫データ13を取得する。表示制御部23は、取得された在庫データ13を、
図12に示すようにメーカ代理店在庫共有画面に一覧表示する。
【0052】
これにより、「代理店A」のユーザIDでログインしたことで、メーカ側で管理されており、販売権利が代理店Aの関東支部が有する在庫、メーカ側で管理されており、販売権利が代理店Aの関西支部が有する在庫、及び、代理店Aで管理している代理店Aの関東支部及び関西支部の在庫の照会を得ることができる。
【0053】
このように実施の形態の在庫照会装置1は、各ユーザは、予め関連付けされている資産会社の在庫データのみを照会する。これにより、セキュリティを確保した在庫照会を可能とすることができる。
【0054】
(生産実績入力)
次に、商品の生産実績の入力を行うことで、所望の資産会社に対して所望の生産数の商品を在庫数に加算することができる。
図15(a)は、生産入力画面において、代理店Aの関東支部を指定して、100個の生産実績入力を行った例である。この場合、データ生成部24は、
図15(b)に示すようにメーカ側で管理している代理店Aの関東支部の在庫データの在庫数を100個に更新処理する。
【0055】
(仕入入力)
次に、
図16(a)は、代理店Aの関東支部の代理店端末装置60Aで仕入入力を行う際に表示される仕入入力画面である。この
図16(a)の例は、メーカ側から100個の仕入を行った際の仕入入力の例である。この場合、代理店Aの関東支部の代理店端末装置60Aのデータ生成部は、
図16(b)に示すように資産会社を「代理店A」とし、販売権利を「代理店A 関東」とした在庫データを生成し、この在庫データの在庫数に、メーカ側から仕入を行った商品の仕入数である100個を在庫数に入力する。
【0056】
(在庫振替入力)
次に、
図17(a)は、実施の形態の在庫照会装置1において、メーカ側で管理している代理店Aの関東支部の在庫から30個の商品を、メーカ側で管理している代理店Aの関西支部の在庫として振替ることを指定する在庫振替入力画面の一例である。この場合、在庫照会装置1のデータ生成部24は、
図17(b)に示すように代理店Aの関東支部の在庫数(振替数)を「-30個」とし、代理店Aの関西支部の在庫数(振替数)を「+30個」とする振替データを生成する。
【0057】
また、データ生成部24は、
図17(c)に示すように、振替入力前は、在庫数が「100個」であった代理店Aの関東支部の在庫数を、
図17(d)に示すように「70個(100個-30個)」に更新すると共に、代理店Aの関西支部の在庫数を「30個」に更新する。
【0058】
(在庫移動入力)
次に、
図18(a)は、実施の形態の在庫照会装置1において、メーカ側で管理している代理店Aの関東支部の在庫から30個の商品を、メーカ側で管理している代理店Aの関西支部の在庫として移動することを指定する在庫移動入力画面の一例である。この場合、在庫照会装置1のデータ生成部24は、
図18(b)に示すように代理店Aの関東支部の在庫数(振替数)を「-30個」とし、代理店Aの関西支部の在庫数(振替数)を「+30個」とする移動データを生成する。
【0059】
また、データ生成部24は、
図18(c)に示すように、移動入力前は、在庫数が「100個」であった代理店Aの関東支部の在庫数を、
図18(d)に示すように「70個(100個-30個)」に更新すると共に、代理店Aの関西支部の在庫数を「30個」に更新する。
【0060】
(受注/売上入力)
次に、
図19(a)は、実施の形態の在庫照会装置1において、メーカから代理店Aの関東支部に対して30個の商品の受注及び売上を行ったことで入力される受注/売上入力画面の一例である。この場合、在庫照会装置1のデータ生成部24は、
図19(b)に示すように代理店Aの関東支部に対する売上数を「30個」とした売上データを生成する。
【0061】
また、仕入を行った代理店Aの関東支部の代理店端末装置60Aのデータ生成部は、
図19(c)に示すように、仕入先を「メーカ」とし、販売権利を「代理店A 関東」とし、仕入数を「30個」とした仕入データを生成すると共に、
図19(d)に示すように、販売権利を「代理店A 関東」とし、売上数を「30個」とした売上データを生成する。
【0062】
そして、在庫照会装置1のデータ生成部24は、
図19(e)に示すように、売上入力前は、在庫数が「100個」であった代理店Aの関東支部の在庫数を、
図19(f)に示すように「70個(100個-30個)」に更新する。
【0063】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の在庫照会装置1は、各ユーザは、予め関連付けされている資産会社の在庫データ以外の在庫データの照会は得られないため、セキュリティを確保した在庫照会を可能とすることができる。
【0064】
ここで、製紙業界は、商品が販売されるまでの間、メーカ側で商品の在庫責任を持つ業界文化がある。例えば、1つのメーカに対して、複数の代理店が存在する場合、メーカ側は、メーカ側で管理している同一製品及び同一ロットの在庫を、販売権利のある代理店毎に区分けして管理する必要がある。このようなメーカ側で行う代理店毎に区分けした在庫管理は煩雑なものとなる。
【0065】
しかし、実施の形態の在庫照会装置1の場合、在庫に対して下記の各種情報を付与して在庫管理している。
【0066】
1.メーカ及び各代理店のうち、どの会社の資産にあたるかを示す情報(資産会社)
2.各倉庫の在庫数を示す情報(在庫数)
3.各在庫に対する販売権利を有する権利者を示す情報(販売権利)
4.代理店A関東、代理店A関西等の代理店の拠点毎の販売権利を示す情報
【0067】
これにより、資産会社、在庫数、及び、販売権利に基づいて、各在庫を明確かつ簡単に区分けして管理することができる。
【0068】
また、代理店側は、在庫をリアルタイムに共有することが困難であったため、自社で販売権利を有する在庫数を、その都度メーカ側に問合せする必要があった。このため、販売計画及び出荷手配の煩雑化及び遅延により、商品の販売機会の損失する不都合を生じていた。また、各代理店で商品の販売が予定通り行われず、不良在庫が発生する問題もあった。
【0069】
しかし、実施の形態の在庫照会装置1は、各在庫を資産会社、在庫数、及び、販売権利に基づいて管理して参照共有を可能としている。このため、メーカ側及び代理店側で在庫の一元管理を行うことができる。すなわち、メーカ側は、メーカ側で管理する在庫及び各代理店の在庫を参照でき、また、代理店側は、自社に販売権利があるメーカ側で管理されている在庫及び自社の在庫を参照できる。
【0070】
これにより、メーカ側では、自社資産の在庫に対して、どの代理店に販売権利があるかをリアルタイムで管理することができる。このため、代理店からの在庫の問合せに対する対応の負荷を軽減でき、また、スムーズな在庫の把握により業務効率改善及び在庫回転率の改善を図ることができる。
【0071】
また、代理店側では、メーカ側で管理されている、自社が販売権利を有する在庫を簡単かつリアルタイムで確認できる。このため、メーカに対して自社の在庫の問合せを行う労力を軽減できる。また、販売計画及び出荷手配の簡素化及び迅速化を図ることができ、メーカ側からの在庫の応答遅延等により、商品の販売機会が損失する不都合を防止できる。また、各代理店において、スムーズな商品の販売を可能とすることができ、不良在庫が発生する不都合も防止できる。
【0072】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0075】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0076】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0077】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
また、在庫照会装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0079】
例えば、在庫照会装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて在庫照会装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0080】
また、この在庫照会装置1の在庫照会プログラムは、在庫照会装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0081】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための在庫照会プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0082】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した在庫照会装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0083】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0084】
また、在庫照会装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0085】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、例えば製紙業界等、商品の在庫の在庫照会を行う業種であれば、どのような業種にも適用可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 在庫照会装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 サーバ装置
11 ログインセキュリティマスタ
12 在庫表示対象マスタ
13 在庫データ
21 セキュリティ表示制御部
22 取得部
23 表示制御部
24 データ生成部
25 通信制御部
50 メーカ端末装置
60 代理店端末装置