(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170101
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】作業ライン設備
(51)【国際特許分類】
B23P 21/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B23P21/00 307F
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081580
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】石澤 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】富澤 亮佑
【テーマコード(参考)】
3C030
【Fターム(参考)】
3C030DA17
3C030DA23
3C030DA28
3C030DA34
3C030DA38
(57)【要約】
【課題】タクトタイムの管理を円滑に行うことができて、生産効率の向上が図れるようにする。
【解決手段】一列に並ぶ複数の作業領域E(EA~ED)と、複数の作業領域の並び方向に沿って一定方向に移動可能とされ、それぞれが各作業領域の作業位置に位置決めされる複数の作業台P(P1~P3)と、各作業台を各作業領域の作業位置より手前の機械搬送位置まで機械搬送(矢印H1)し、機械搬送位置から作業位置までを自由移動可能(矢印H2)とする搬送機構20とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に並ぶ複数の作業領域と、
前記複数の作業領域の並び方向に沿って一定方向に移動可能とされ、それぞれが各前記作業領域の作業位置に位置決めされる複数の作業台と、
各前記作業台を各前記作業領域の作業位置より手前の機械搬送位置まで機械搬送し、当該機械搬送位置から前記作業位置までを自由移動可能とする搬送機構と、
を備える作業ライン設備。
【請求項2】
前記複数の作業領域の並び方向に沿ってレールが配索されると共に、当該レール上に前記作業台が移動可能に設けられ、
前記搬送機構が、
前記レールに並置され、前記作業領域と同じ間隔で固定された押出部により、前記複数の作業台をそれぞれ前記一定方向に押し出して前記機械搬送位置まで搬送する支柱と、
当該支柱を前記レールの延伸方向に往復させる搬送駆動部と、を備えている、
請求項1に記載の作業ライン設備。
【請求項3】
前記押出部が、前記作業台を前記一定方向に押し出す際に各前記作業台に対し押し出し可能に係合し、前記支柱を初期位置に戻す際に各前記作業台に対し戻し可能に非係合となる、ラチェット機構を備えている、
請求項2に記載の作業ライン設備。
【請求項4】
前記搬送駆動部は、一定時間ごとに前記支柱を押し出して、前記作業台を前記機械搬送位置まで搬送する、
請求項2に記載の作業ライン設備。
【請求項5】
現在の前記作業領域内の作業位置から次の前記機械搬送位置に機械搬送された前記作業台の後端部が、現在の前記作業領域内にとどまる、
請求項1に記載の作業ライン設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定方向に作業台を搬送しながら、作業台上のワークに対して順番に流れ作業を行う作業ライン設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等に搭載されるワイヤハーネスの製造工場では、一列に並ぶ複数の作業領域の並び方向に沿って搬送される作業台上のワーク(ワイヤハーネス)に対して、各作業領域ごとに配置された作業者が順番に作業を施してワイヤハーネスを完成させる作業ライン設備が利用されている。
【0003】
この種の作業ライン設備では、従来一般に、機械的に駆動される搬送コンベア上に複数の作業台を載置して作業台を搬送させている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の作業ライン設備では、一人の作業者の作業が遅れたら、搬送コンベアを止める必要が生じる。そうすると、全体の作業が止まってしまうために、生産効率が低下するという問題があった。すなわち、すべての作業領域で作業者が作業を完了しないと、次の搬送が行えないため、作業遅れ以外の作業者に無駄な待ち時間が発生し、タクトタイム(1つの製品の製造にかける時間)の管理に影響が出て、結果的に生産効率が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タクトタイムの管理を円滑に行うことができて、生産効率の向上が図れる作業ライン設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る作業ライン設備は、下記を特徴としている。
【0008】
一列に並ぶ複数の作業領域と、
前記複数の作業領域の並び方向に沿って一定方向に移動可能とされ、それぞれが各前記作業領域の作業位置に位置決めされる複数の作業台と、
各前記作業台を各前記作業領域の作業位置より手前の機械搬送位置まで機械搬送し、当該機械搬送位置から前記作業位置までを自由移動可能とする搬送機構と、
を備える作業ライン設備。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、タクトタイムの管理を円滑に行うことができて、生産効率の向上が図れるようになる。
【0010】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る作業ライン設備の断面図である。
【
図2】
図2は、作業ライン設備の一部平面図である。
【
図3】
図3は、作業ライン設備の各作業台が各作業領域の正規の作業位置にあるときの状態を示す概略平面図である。
【
図4】
図4は、作業ライン設備の各作業台を搬送機構により各機械搬送位置まで搬送したときの状態を示す概略平面図である。
【
図5】
図5は、作業ライン設備において、一部作業領域で作業遅れが発生したときの各作業台の位置関係を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る作業ライン設備の断面図、
図2は、作業ライン設備の一部平面図、
図3~
図5は、作業ライン設備の動作説明のための概略平面図である。
【0014】
図1および
図2に示すように、本実施形態の作業ライン設備1は、それぞれ1つのワーク(図示略)に対して複数の工程作業を順番に施すためのもので、各工程作業ごとに作業領域E(EA、EB、EC、・・)が割り当てられており、複数の作業領域Eが一列に並んでいる。そして、各作業領域Eには、各工程作業を行うための作業者M(MA、MB、MC、・・)が一人ずつ配置されている(
図5参照)。
【0015】
ワークは、作業台であるパレットP(P1、P2、P3、・・)に搭載された状態で、作業領域EA、EB、EC、・・の並び方向に沿って一定方向(
図2中矢印X方向)にパレットPと共に搬送される。そして、各作業領域EA、EB、EC、・・ごとに設定された作業位置(例えば、作業領域の中央位置)にパレットPが位置決めされると、作業者MによってパレットP上のワークに対して各工程作業が施される。各作業者Mは、通常は、作業領域Eの中央(パレットPの搬送方向の中央)に位置して作業を行う。
【0016】
本実施形態の作業ライン設備1は、現在の作業領域Eの作業位置から次の作業領域Eの作業位置までのパレットPの1ピッチの搬送範囲(隣接する作業領域の間隔に等しい)が、前段と後段の2つの範囲に分かれている。
【0017】
すなわち、搬送範囲の前段は、
図4中の矢印H1で示すように、機械的な手段によって次の作業領域Eの作業位置より手前の機械搬送位置(
図4中の位置)までパレットPを自動搬送する機械搬送範囲である。また、搬送範囲の後段は、
図4中の矢印H2で示すように、機械搬送位置から次の作業位置まで自由に手動でパレットPを搬送し得る手動搬送範囲である。手動搬送範囲では、作業者Mが、自身に都合のよいタイミングで、自分でパレットPを移動させて、作業位置に位置決めすることができる。
【0018】
このような前段と後段のパレットPの搬送を行う手段として、搬送機構20が設けられている。すなわち、この搬送機構20は、各パレットPを、各作業領域Eの作業位置より手前の機械搬送位置まで機械搬送し、当該機械搬送位置から作業位置までを自由移動可能とするものである。
【0019】
この作業ライン設備1においては、複数の作業領域Eの並び方向に沿って作業側のレール10(
図1および
図3~
図5)が配索されており、レール10上にパレットPが搬送方向(矢印X方向)に沿って移動可能に設けられている。
図1に示すように、作業側のレール10は架台5の上段に装備されており、架台5の下段にはリターン側のレール12が装備されている。
【0020】
パレットPは、作業ラインの始点(
図2~
図5中の左端)から終点(
図2~
図5中の右端)まで上段のレール10に案内されて移動し、終点に到達した後は、下段のレール12に案内されて終点から始点に移動して戻る。そして、始点に戻ったパレットPは、
図2に示すスタートボックス8を経て、再び作業側の上段のレール10に乗るようになっている。なお、パレットPの戻し操作は、任意の手段によることができる。例えば、作業ライン設備1は、パレットPを終点から始点に移動させるコンベアやチェーンを有していてもよく、スタートボックス8に向けてパレットPを押し出す機構を有してもよく、戻りレールを下り傾斜となるように備え、パレットPが重力走行によりスタートボックス8に向かうようになっていてもよい。
【0021】
搬送機構20は、レール10に並置された支柱24と、支柱24をレール10の延伸方向に往復させる搬送駆動部としてのエアシリンダ21と、エアシリンダ21に対して駆動エアを給排するエア駆動源25と、を備えている。
【0022】
支柱24には、作業領域Eと同じ間隔(ピッチ)でパレット搬送爪(押出部)23が固定されており、エアシリンダ21のロッドの伸長に従って、これらのパレット搬送爪23により、複数のパレットPをそれぞれ一定方向に押し出して機械搬送位置まで搬送するようになっている。パレット搬送爪23は、パレットPを一定方向に押し出す際にはパレットPに対し押し出し可能に係合し、支柱24を初期位置に戻す際にはパレットPに対し戻し可能に非係合となる、図示しないラチェット機構を有している。
【0023】
ラチェット機構の例としては、パレット搬送爪23を回転可能に装備しておき、パレット搬送方向にパレット搬送爪23が移動する際には、回転が制限されてパレットPの後端にパレット搬送爪23を係合させ、パレット搬送方向と逆方向にパレット搬送爪23が移動する際には、回転することでパレットPと非係合となりパレットPを乗り越える機構を挙げることができる。
【0024】
このようなラチェット機構を備えることにより、パレット搬送爪23は、支柱24と共に
図4中の右方に進むときに、パレットPの後端部を押し移動する。また、支柱24が
図4中左方に戻るときには、パレット搬送爪23は、パレットPの上面を乗り越えて、次に搬送すべきパレットPの後端部に移動する。
【0025】
ところで、
図4に示すように、上述した機械搬送位置は、現在の作業領域E内の作業位置から次の機械搬送位置にパレットPが機械搬送された際に、パレットPの後端部が、現在の作業領域E内にとどまるように設定されている。
【0026】
また、パレットP上のワークに対する作業は、概ねパレットPの前端側から後端側に向けて順に行われるように決められている。このように作業手順が決められていることで、パレットPの機械搬送位置への機械搬送後も、作業が残っている箇所がパレットPの後端側になる。したがって、ある作業領域Eにおいて作業遅れが生じても、機械搬送位置にあるパレットPに作業者Mが手を伸ばして届かせることができ、自分の作業領域Eに居ながら、遅れ作業を継続して行うことができるようになる。ワークがワイヤハーネスの場合、通常は、ワイヤハーネスはパレットPの予め定められた位置に配索されるので、ワイヤハーネスに対する作業が概ねパレットPの前端側から後端側に向けて順に行われるように、配索位置が定められていると好適である。
【0027】
次に作用を説明する。
本実施形態の作業ライン設備1においては、通常は、
図3に示すように、パレットP(P0~P3)を正規の作業位置に位置決めした上で、パレットP上のワークに対し、各作業領域E(EA~ED)に配置された作業者M(
図5参照)が所定の工程作業を施す。
【0028】
各工程作業が終了すると、
図4に示すように、エアシリンダ21がロッドを伸長し、支柱24が右方にスライドする。そうすると、支柱24に固定されたパレット搬送爪23が、各パレットP1~P3の後端を押し移動し、各パレットP1~P3を機械搬送位置まで搬送する。機械搬送は矢印H1の長さ範囲で実行される。このように、パレットP1~P3が作業位置の手前の機械搬送位置まで機械搬送されると、その状態でパレットPは、作業者Mが自由に作業位置まで手動で進めることができるようになる。その手動搬送範囲は、矢印H2の長さ範囲である。
【0029】
次に、例えば、
図5に示すように、作業領域ECの作業者MCの作業が遅れた場合は、その作業者MCは、パレットP1が次の作業領域ED(正規の作業位置より手前の機械搬送位置)に搬送された後も、継続して作業を行うことができる。つまり、パレットP1が機械搬送位置にある間は、パレットPの後端が前の作業領域ECにとどまっているので、作業が遅れた作業者MCは、手を伸ばして残りの作業をパレットP1上のワークに施すことができる。
【0030】
その際、パレットP1の前半部分は、次の作業領域EDに既に掛かっているので、次の作業領域EDの作業者MDは、待ち時間なしで、パレットP1上のワークに対して、自分の担当する一部の作業(ワークの前半部分に対する作業)を施すことができる。
【0031】
そして、作業の遅れた作業領域ECの作業者MCの作業が完了したら、次の作業領域EDの作業者MDは、パレットP1を機械搬送位置から自分の正規の作業位置まで移動させた上で、残りの作業を続けて行うことができる。
【0032】
したがって、1つの作業領域ECで作業が遅れても、パレットPを強制的に次の機械搬送位置まで搬送することにより、各作業領域EA、EB、EDの作業者MA、MB、MDに作業の開始を伝えて作業を進めることができ、タクトタイムの管理を行うことができる。そして、タクトタイムの管理を円滑に行えることで、全体の作業遅れの解消、つまり、無駄な待ち時間の解消が可能となり、結果的に生産効率の向上が図れる。
【0033】
なお、作業が遅れなく早く終わった作業者は、前の作業者の作業が終わっていたら、手動で作業位置までパレットPを搬送位置決めし(矢印H2の動作)、自身の担当する作業を開始する。例えば、
図5においては、作業者MA、MBは、前の作業者の作業が終わっているので、それぞれパレットP3、P4を自分の作業位置まで手動で搬送位置決めし、作業を開始する。このように、機械搬送された後に、作業が遅延していない作業者Mは、ただちに手動でパレットPを自分の定位置に移動させて作業を進めることができるので、無駄な待ち時間が生じない。
【0034】
このように、本実施形態の作業ライン設備1によれば、パレット搬送爪23にラチェット機構が備わっているので、支柱24の往復運動による、パレット搬送爪23のパレット押し出し操作と支柱24の戻し操作とを円滑に行うことができる。
【0035】
なお、エアシリンダ21は、次にパレットPを押すタイミングになるまでに支柱24を初期位置に戻せばよく、いつ初期位置に戻すかは特に限定されるものではない。
【0036】
また、実際の操作としては、一定時間ごとにエアシリンダ21を駆動して、パレットPを機械搬送するように設定する。つまり、作業完了していない作業者がいても、強制的に機械搬送を実行することで、タクトタイムの管理の円滑化を図る。その際、エアシリンダが駆動される前に、アラームを出してパレットPの移動開始を予告すれば、より作業の円滑化を図ることができる。
【0037】
また、各作業者Mの手元にボタンスイッチを設けておき、全員がボタンスイッチを押したら、一定時間を待たずにエアシリンダを駆動してパレットの搬送を進めてもよい。そうすれば、更に作業効率の向上を図ることができる。
【0038】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0039】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る作業ライン設備の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 一列に並ぶ複数の作業領域(E、EA~ED)と、
前記複数の作業領域(E、EA~ED)の並び方向に沿って一定方向に移動可能とされ、それぞれが各前記作業領域(E、EA~ED)の作業位置に位置決めされる複数の作業台(P、P0~P4)と、
各前記作業台(P、P0~P4)を各前記作業領域(E、EA~ED)の作業位置より手前の機械搬送位置まで機械搬送し、当該機械搬送位置から前記作業位置までを自由移動可能とする搬送機構(20)と、
を備える作業ライン設備(1)。
【0040】
上記[1]の構成の作業ライン設備(1)によれば、作業台(P、P1~P4)は、作業位置の手前の機械搬送位置まで機械搬送された後、作業者(M、MA~MD)が自由に作業位置まで進めることができる。つまり、作業が遅れた作業者(M、MA~MD)は、作業台(P、P0~P4)が次の作業領域(E、EA~ED)に搬送された後も、作業台(P、P0~P4)が正規の作業位置より手前の機械搬送位置で一旦止まるので、その位置で止まったタスクに対し継続して作業を行うことができる。同時に、次の作業領域(E、EA~ED)の作業者(M、MA~MD)は、機械搬送位置に搬送された作業台(P、P0~P4)に対して、自分の担当する一部の作業を施すことができる。そして、作業の遅れた作業者(M、MA~MD)の作業が完了したら、次の作業領域(E、EA~ED)の作業者(M、MA~MD)は、作業台(P、P0~P4)を機械搬送位置から自分の正規の作業位置まで移動させた上で、残りの作業を続けて行うことができる。したがって、1つの作業領域(E、EA~ED)で作業が遅れても、作業台(P、P0~P4)を強制的に次の機械搬送位置まで搬送することにより、各作業領域(E、EA~ED)の作業者(M、MA~MD)に作業の開始を伝えて作業を進めることができ、タクトタイムの管理を行うことができる。そして、タクトタイムの管理を円滑に行えることで、全体の作業遅れの解消、つまり、無駄な待ち時間の解消が可能となり、結果的に生産効率の向上が図れる。
【0041】
[2] 前記複数の作業領域(E、EA~ED)の並び方向に沿ってレール(10)が配索されると共に、当該レール上に前記作業台(P、P0~P4)が移動可能に設けられ、
前記搬送機構(20)が、
前記レールに並置され、前記作業領域(E、EA~ED)と同じ間隔で固定された押出部(23)により、前記複数の作業台(P、P0~P4)をそれぞれ前記一定方向に押し出して前記機械搬送位置まで搬送する支柱(24)と、
該支柱を前記レールの延伸方向に往復させる搬送駆動部(21)と、を備えている、
上記[1]に記載の作業ライン設備(1)。
【0042】
上記[2]の構成の作業ライン設備(1)によれば、搬送駆動部(21)による支柱(24)の移動により、作業台(P、P0~P4)を機械搬送位置まで強制的に機械搬送することができる。
【0043】
[3] 前記押出部(23)が、前記作業台(P、P0~P4)を前記一定方向に押し出す際に各前記作業台(P、P0~P4)に対し押し出し可能に係合し、前記支柱(24)を初期位置に戻す際に各前記作業台(P、P0~P4)に対し戻し可能に非係合となる、ラチェット機構を備えている、
上記[2]に記載の作業ライン設備(1)。
【0044】
上記[3]の構成の作業ライン設備(1)によれば、押出部(23)にラチェット機構が備わっているので、支柱(24)の往復運動による、押出部(23)の作業台押し出し操作と支柱の戻し操作とを円滑に行うことができる。
【0045】
[4] 前記搬送駆動部(21)は、一定時間ごとに前記支柱(24)を押し出して、前記作業台(P、P0~P4)を前記機械搬送位置まで搬送する、
上記[2]または[3]に記載の作業ライン設備(1)。
【0046】
上記[4]の構成の作業ライン設備(1)によれば、作業完了していない作業者がいても、搬送駆動部(21)は、強制的に機械搬送を実行することで、タクトタイムの管理の円滑化を図ることができる。
【0047】
[5] 現在の前記作業領域(E、EA~ED)内の作業位置から次の前記機械搬送位置に機械搬送された前記作業台(P、P0~P4)の後端部が、現在の前記作業領域(E、EA~ED)内にとどまる、
上記[1]から[4]のいずれかに記載の作業ライン設備(1)。
【0048】
上記[5]の構成の作業ライン設備(1)によれば、機械搬送位置に機械搬送された作業台(P、P0~P4)の後端部が現在の作業領域(E、EA~ED)内にとどまるので、作業の遅れた作業者(M、MA~MD)は、作業台(P、P0~P4)の後端部に対して、遅れを取り戻す作業を継続的に施すことができる。
【符号の説明】
【0049】
5 架台
8 スタートボックス
10、12 レール
20 搬送機構
21 エアシリンダ
23 パレット搬送爪(押出部)
24 支柱
25 エア駆動源
E、EA~ED 作業領域
P、P1~P4 パレット(作業台)
M、MA~MD 作業者
H1 機械搬送
H2 手動搬送