(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170110
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20231124BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L23/12 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081594
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】橋本 健矢
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA51
5F142AA56
5F142BA03
5F142BA32
5F142CA03
5F142CA13
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD32
5F142CD45
5F142CD47
5F142CD49
5F142CG04
5F142FA48
(57)【要約】
【課題】実装強度を向上し且つ小型化を図るのに適した半導体発光装置を提供する。
【解決手段】基板1、基板1に形成された配線部2と、半導体発光素子4と、を備え、基板1は、第1方向一方側x1を向く第1側面13と、第1方向他方側x2を向く第2側面14と、第2方向一方側y1を向く第3側面15と、第1側面13および第3側面15の間に形成された第1凹溝171と、を含む。第1側面13は、第1凹溝171に接する第1端縁131を有し、第2側面14は、第2方向一方側y1に位置する第2端縁141を有し、第3側面15は、第1凹溝171に接する第3端縁151と、第1方向他方側x2に位置する第4端縁152と、を有する。配線部2は、第1凹溝171に形成された第1溝配線251を含み、第1端縁131と第3端縁151との距離(第1距離D1)は、第2端縁141と第4端縁152との距離(第2距離D2)よりも大である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に形成された配線部と、
半導体発光素子と、を備え、
前記基板は、厚さ方向の一方側を向く第1主面と、前記厚さ方向の他方側を向く第2主面と、前記厚さ方向と直交する第1方向の一方側を向く第1側面と、前記第1方向の他方側を向く第2側面と、前記厚さ方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向の一方側を向く第3側面と、前記第1側面および前記第3側面の間に形成され、且つ前記第1側面および前記第3側面から凹む第1凹溝と、を含み、
前記第1側面は、前記第2方向の一方側に位置し、且つ前記第1凹溝に接する第1端縁を有し、
前記第2側面は、前記第2方向の一方側に位置する第2端縁を有し、
前記第3側面は、前記第1方向の一方側に位置し且つ前記第1凹溝に接する第3端縁と、前記第1方向の他方側に位置する第4端縁と、を有し、
前記半導体発光素子は、前記第1主面に支持されており、
前記配線部は、前記第1凹溝に形成された第1溝配線を含み、
前記第1端縁と前記第3端縁との距離である第1距離は、前記第2端縁と前記第4端縁との距離である第2距離よりも大である、半導体発光装置。
【請求項2】
前記第1凹溝において、前記第1側面から前記第1方向の他方側への深さ寸法である第1寸法は、前記第3側面から前記第2方向の他方側への深さ寸法である第2寸法よりも大である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記基板は、前記第2側面および前記第3側面の間に形成され、且つ前記第2側面および前記第3側面から凹む第2凹溝を含み、
前記第2端縁および前記第4端縁の各々は、前記第2凹溝に接する、請求項2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1寸法は、前記第2凹溝において前記第2側面から前記第1方向の一方側への深さ寸法である第3寸法よりも大である、請求項3に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記第2端縁と前記第4端縁とが一致している、請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記基板は、前記第2方向の他方側を向く第4側面と、前記第1側面および前記第4側面の間に形成され、且つ前記第1側面および前記第4側面から凹む第3凹溝と、を含み、
前記第1側面は、前記第2方向の他方側に位置し、且つ前記第3凹溝に接する第5端縁を有し、
前記第2側面は、前記第2方向の他方側に位置する第6端縁を有し、
前記第4側面は、前記第1方向の一方側に位置し且つ前記第3凹溝に接する第7端縁と、前記第1方向の他方側に位置する第8端縁と、を有し、
前記配線部は、前記第3凹溝に形成された第3溝配線を含み、
前記第5端縁と前記第7端縁との距離である第3距離は、前記第6端縁と前記第8端縁との距離である第4距離よりも大である、請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第3凹溝において、前記第1側面から前記第1方向の他方側への深さ寸法である第4寸法は、前記第4側面から前記第2方向の一方側への深さ寸法である第5寸法よりも大である、請求項6に記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記基板は、前記第2側面および前記第4側面の間に形成され、且つ前記第2側面および前記第4側面から凹む第4凹溝を含み、
前記第6端縁および前記第8端縁の各々は、前記第4凹溝に接する、請求項7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記第4寸法は、前記第4凹溝において前記第2側面から前記第1方向の一方側への深さ寸法である第6寸法よりも大である、請求項8に記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記第6端縁と前記第8端縁とが一致している、請求項6または7に記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記配線部は、各々が前記第1主面に形成された第1ボンディング部および第2ボンディング部を含み、
前記第1ボンディング部は、前記半導体発光素子と導通接合されており、
前記第2ボンディング部は、前記第1主面上において前記第1ボンディング部から離隔し、且つ前記半導体発光素子と導通接合されている、請求項6に記載の半導体発光装置。
【請求項12】
前記第2ボンディング部は、前記第1主面において前記第1方向の他方側寄りに位置しており、
前記半導体発光素子と前記第2ボンディング部とは、ワイヤを介して導通接合されている、請求項11に記載の半導体発光装置。
【請求項13】
前記半導体発光素子は、前記第1ボンディング部上に配置されている、請求項11または12に記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記配線部は、各々が前記第1主面に形成された第1部および第2部を含み、
前記第1部は、前記第1ボンディング部および前記第1溝配線の双方につながり、
前記第2部は、前記第1主面上において前記第1部から離隔し、且つ前記第2ボンディング部および前記第3溝配線の双方につながる、請求項11に記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記第1主面に支持され、且つ前記半導体発光素子を覆う封止樹脂をさらに備える、請求項1に記載の半導体発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光装置は、電子機器等の光源デバイスとして広く用いられている。特許文献1には、従来の半導体発光装置の一例が開示されている。同文献に開示された半導体発光装置は、基板、LEDチップ(半導体発光素子)および樹脂パッケージ(封止樹脂)を備える。基板は、表面、裏面、および4つの側面を有する。表面は、基板の厚さ方向の一方側を向く。裏面は、基板の厚さ方向の一方側を向く。4つの側面は、基板の厚さ方向に見て概略矩形状をなす。基板には、1対の電極が設けられており、これら電極は、LEDチップへの導通経路をなしている。LEDチップは、基板の表面上に搭載されている。樹脂パッケージは、LEDチップを覆っており、LEDチップからの光を透過する。
【0003】
特許文献1に記載された半導体発光装置において、基板の4隅には、厚さ方向に延びる凹溝が形成されている。これら凹溝の各々の厚さ方向に垂直な断面形状は、概略四半円形状である。各凹溝にはめっき層等からなる凹溝配線が形成されており、各凹溝配線は、一対の電極のいずれかに導通している。上記構成の半導体発光装置の使用時においては、実装基板に実装される。上記の半導体発光装置は、実装基板の表面と平行な方向に光を出射する、いわゆるサイドビュー型の光源として用いることができる。この場合、半導体発光装置は、基板の側面が実装基板と対向する姿勢で当該実装基板に実装される。サイドビュー型の光源として用いられる半導体発光装置は、凹溝に形成された凹溝配線と、実装基板とが、はんだなどの接合部を介して接合される。
【0004】
上記半導体発光装置などの製品は、昨今、より一層の小型化が求められている。上記半導体発光装置において製品サイズの小型化を図ると、基板の4隅の凹溝の寸法が小さくなる。その結果、上記従来の半導体発光装置をサイドビュー型の光源として用いる場合、実装基板に対して十分な接合部を形成することができず、実装基板への実装強度が低下することが懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、実装強度を向上し且つ小型化を図るのに適した半導体発光装置を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によって提供される半導体発光装置は、基板と、前記基板に形成された配線部と、半導体発光素子と、を備え、前記基板は、厚さ方向の一方側を向く第1主面と、前記厚さ方向の他方側を向く第2主面と、前記厚さ方向と直交する第1方向の一方側を向く第1側面と、前記第1方向の他方側を向く第2側面と、前記厚さ方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向の一方側を向く第3側面と、前記第1側面および前記第3側面の間に形成され、且つ前記第1側面および前記第3側面から凹む第1凹溝と、を含み、前記第1側面は、前記第2方向の一方側に位置し、且つ前記第1凹溝に接する第1端縁を有し、前記第2側面は、前記第2方向の一方側に位置する第2端縁を有し、前記第3側面は、前記第1方向の一方側に位置し且つ前記第1凹溝に接する第3端縁と、前記第1方向の他方側に位置する第4端縁と、を有し、前記半導体発光素子は、前記第1主面に支持されており、前記配線部は、前記第1凹溝に形成された第1溝配線を含み、前記第1端縁と前記第3端縁との距離である第1距離は、前記第2端縁と前記第4端縁との距離である第2距離よりも大である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の半導体発光装置によれば、実装強度を高めるとともに、小型化を図ることができる。
【0009】
本開示のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置を示す正面図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置を示す左側面図である。
【
図4】
図4は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置を示す底面図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の製造過程の一例を示す平面図である。
【
図9】
図9は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置の実装状態の一例を示す正面図である。
【
図10】
図10は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
【
図11】
図11は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置を示す正面図である。
【
図12】
図12は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置を示す左側面図である。
【
図13】
図13は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置の製造過程の一例を示す平面図である。
【
図14】
図14は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置の実装状態の一例を示す正面図である。
【
図15】
図15は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置を示す平面図である。
【
図16】
図16は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置を示す正面図である。
【
図17】
図17は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置を示す左側面図である。
【
図18】
図18は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置の製造過程の一例を示す平面図である。
【
図19】
図19は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置の実装状態の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0012】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、必ずしもそれらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0013】
本開示において、「ある物Aがある物Bに形成されている」および「ある物Aがある物B上に形成されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接形成されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに形成されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物Bに配置されている」および「ある物Aがある物B上に配置されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接配置されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに配置されていること」を含む。同様に、「ある物Aがある物B上に位置している」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに接して、ある物Aがある物B上に位置していること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物が介在しつつ、ある物Aがある物B上に位置していること」を含む。また、「ある物Aがある物Bにある方向に見て重なる」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bのすべてに重なること」、および、「ある物Aがある物Bの一部に重なること」を含む。また、本開示において「ある面Aが方向B(の一方側または他方側)を向く」とは、面Aの方向Bに対する角度が90°である場合に限定されず、面Aが方向Bに対して傾いている場合を含む。また「ある物Aがある物Bに支持されている」とは、特段の断りのない限り、「ある物Aがある物Bに直接支持されていること」、および、「ある物Aとある物Bとの間に他の物を介在させつつ、ある物Aがある物Bに支持されていること」を含む。
【0014】
<第1実施形態>
図1~
図7は、本開示の第1実施形態に係る半導体発光装置を示している。本実施形態の半導体発光装置A1は、基板1、配線部2、第1絶縁膜31、第2絶縁膜32、半導体発光素子4、ワイヤ5、封止樹脂6および絶縁膜7を備えている。
【0015】
図1は、半導体発光装置A1を示す平面図である。
図2は、半導体発光装置A1の正面図である。
図3は、半導体発光装置A1の左側面図である。
図4は、半導体発光装置A1の底面図である。
図5は、
図1のV-V線に沿う断面図である。
図6は、
図1のVI-VI線に沿う断面図である。
図7は、
図1のVII-VII線に沿う断面図である。なお、
図1は、理解の便宜上、封止樹脂6を透過している。
【0016】
半導体発光装置A1の説明において、半導体発光装置A1の厚さ方向(平面視方向)は、本開示の「厚さ方向」の一例であり、「厚さ方向z」と呼ぶ。厚さ方向zに対して直交する方向は、本開示の「第1方向」の一例であり、「第1方向x」と呼ぶ。厚さ方向zおよび第1方向xの双方に対して直交する方向は、本開示の「第2方向」の一例であり、「第2方向y」と呼ぶ。また、
図1において図中下側は本開示の「第1方向の一方側」の一例であり、「第1方向一方側x1」と呼び、図中上側は本開示の「第1方向の他方側」の一例であり、「第1方向他方側x2」と呼ぶ。
図1において図中左側は本開示の「第2方向の一方側」の一例であり、「第2方向一方側y1」と呼び、図中右側は本開示の「第2方向の他方側」の一例であり、「第2方向他方側y2」と呼ぶ。
図2において図中上側は本開示の「厚さ方向の一方側」の一例であり、「厚さ方向一方側z1」と呼び、図中下側は本開示の「厚さ方向の他方側」の一例であり、「厚さ方向他方側z2」と呼ぶ。
図1に示すように、半導体発光装置A1は、厚さ方向zに見て略矩形状である。なお、半導体発光装置A1の大きさは何ら限定されない。
【0017】
基板1は、直方体状であり、たとえばガラスエポキシ樹脂等の絶縁材料を含む。基板1の大きさは何ら限定されず、たとえば、第1方向xの大きさが0.8mm程度、第2方向yの大きさが1.6mm程度、厚さ方向zの大きさが0.6mm程度である。
【0018】
基板1は、第1主面11、第2主面12、第1側面13、第2側面14、第3側面15および第4側面16を有する。本実施形態においては、基板1は、第1凹溝171、第2凹溝172、第3凹溝173および第4凹溝174をさらに有する。第1主面11は、厚さ方向一方側z1を向く平面である。第2主面12は、厚さ方向他方側z2を向く平面である。第1側面13は、厚さ方向zにおいて第1主面11と第2主面12との間に位置し、第1方向一方側x1を向く。第2側面14は、厚さ方向zにおいて第1主面11と第2主面12との間に位置し、第1方向他方側x2を向く。第3側面15は、厚さ方向zにおいて第1主面11と第2主面12との間に位置し、第2方向一方側y1を向く。第4側面16は、厚さ方向zにおいて第1主面11と第2主面12との間に位置し、第2方向他方側y2を向く。
【0019】
第1凹溝171、第2凹溝172、第3凹溝173および第4凹溝174は、厚さ方向zに見て基板1の4隅に設けられている。具体的には、第1凹溝171は、第1側面13および第3側面15の間に形成され、第1側面13および第3側面15から凹む。第2凹溝172は、第2側面14および第3側面15の間に形成され、第2側面14および第3側面15から凹む。第3凹溝173は、第1側面13および第4側面16の間に形成され、第1側面13および第4側面16から凹む。第4凹溝174は、第2側面14および第4側面16の間に形成され、第2側面14および第4側面16から凹む。第1凹溝171、第2凹溝172、第3凹溝173および第4凹溝174の各々は、厚さ方向zにおいて第1主面11および第2主面12に達する。
【0020】
本実施形態において、第1凹溝171の厚さ方向zに垂直な断面形状は、概略四半円形状およびこれにつながる線分である。また、第3凹溝173の厚さ方向zに垂直な断面形状は、第1凹溝171と同様に、概略四半円形状およびこれにつながる線分である。その一方、第2凹溝172および第4凹溝174の各々の厚さ方向zに垂直な断面形状は、概略四半円形状である。
【0021】
図1、
図2および
図4に示すように、第1側面13は、第1端縁131および第5端縁132を有する。第1端縁131は、第1側面13の第2方向一方側y1に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。第5端縁132は、第1側面13の第2方向他方側y2に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。本実施形態において、第1端縁131は、第1凹溝171に接しており、第1側面13と第1凹溝171との境界を兼ねている。また、第5端縁132は、第3凹溝173に接しており、第1側面13と第3凹溝173との境界を兼ねている。
【0022】
図1および
図4に示すように、第2側面14は、第2端縁141および第6端縁142を有する。第2端縁141は、第2側面14の第2方向一方側y1に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。第6端縁142は、第2側面14の第2方向他方側y2に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。本実施形態において、第2端縁141は、第2凹溝172に接しており、第2側面14と第2凹溝172との境界を兼ねている。また、第6端縁142は、第4凹溝174に接しており、第2側面14と第4凹溝174との境界を兼ねている。
【0023】
図1、
図3および
図4に示すように、第3側面15は、第3端縁151および第4端縁152を有する。第3端縁151は、第3側面15の第1方向一方側x1に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。第4端縁152は、第3側面15の第1方向他方側x2に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。本実施形態において、第3端縁151は、第1凹溝171に接しており、第3側面15と第1凹溝171との境界を兼ねている。また、第4端縁152は、第2凹溝172に接しており、第3側面15と第2凹溝172との境界を兼ねている。
【0024】
図1および
図4に示すように、第4側面16は、第7端縁161および第8端縁162を有する。第7端縁161は、第4側面16の第1方向一方側x1に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。第8端縁162は、第4側面16の第1方向他方側x2に位置する端縁であり、厚さ方向zに沿っている。本実施形態において、第7端縁161は、第3凹溝173に接しており、第4側面16と第3凹溝173との境界を兼ねている。また、第8端縁162は、第4凹溝174に接しており、第4側面16と第4凹溝174との境界を兼ねている。
【0025】
図1に示すように、第1側面13の第1端縁131と第3側面15の第3端縁151との距離(第1距離D1)は、第2側面14の第2端縁141と第3側面15の第4端縁152との距離(第2距離D2)よりも大である。第1凹溝171において、第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法である第1寸法L1は、第3側面15から第2方向他方側y2への深さ寸法である第2寸法L2よりも大である。また、上記の第1寸法L1は、第2凹溝172において第2側面14から第1方向一方側x1への深さ寸法である第3寸法L3よりも大である。
【0026】
第1主面11の第1方向xにおける長さ(第7寸法L7)に対する第1凹溝171の第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法(第1寸法L1)の割合は、たとえば0.15~0.4倍の範囲である。
図1に示した例では、第7寸法L7に対する第1寸法L1の割合は、約0.29倍である。
【0027】
図1に示すように、第1側面13の第5端縁132と第4側面16の第7端縁161との距離(第3距離D3)は、第2側面14の第6端縁142と第4側面16の第8端縁162との距離(第4距離D4)よりも大である。第3凹溝173において、第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法である第4寸法L4は、第4側面16から第2方向一方側y1への深さ寸法である第5寸法L5よりも大である。また、上記の第4寸法L4は、第4凹溝174において第2側面14から第1方向一方側x1への深さ寸法である第6寸法L6よりも大である。
【0028】
第1主面11の第1方向xにおける長さ(第7寸法L7)に対する第3凹溝173の第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法(第4寸法L4)の割合は、たとえば0.15~0.4倍の範囲である。
図1に示した例では、第7寸法L7に対する第4寸法L4の割合は、約0.29倍である。
【0029】
配線部2は、基板1に形成されている。本実施形態において、配線部2は、基板1上に配置されている。配線部2は、たとえばCu(銅)、Ni(ニッケル)、Fe(鉄)、Sn(錫)、Ag(銀)、Au(金)等の金属またはこれらの合金に代表される導電性材料を含む。配線部2を形成する手法は何ら限定されず、たとえばめっきによって形成される。
【0030】
図1~
図7に示すように、配線部2は、第1部21、第2部22、第1ボンディング部23、第2ボンディング部24、第1溝配線251、第2溝配線252、第3溝配線253、第4溝配線254、第3部26および第4部27を含む。
【0031】
図1および
図5等に示すように、第1部21、第2部22、第1ボンディング部23および第2ボンディング部24の各々は、第1主面11に形成されている。本実施形態において、第1ボンディング部23は、第1主面11において第1方向xの中央、且つ第2方向yの中央に位置する。第1ボンディング部23は、厚さ方向zに見て円形状である。第1ボンディング部23は、半導体発光素子4がダイボンディングされる部位である。
【0032】
第1部21は、第1主面11において第2方向一方側y1に位置する。第1部21は、第1主面11において、第1方向一方側x1端から第1方向他方側x2端まで第1方向xに沿って延びている。第1部21の第1方向一方側x1の部位は、第1側面13および第1凹溝171の双方に接する。第1部21の第1方向他方側x2の部位は、第2側面14および第2凹溝172の双方に接する。本実施形態においては、第1部21は、第1方向xにおける中央から第2方向他方側y2に延びる延出部211を有する。これにより、第1部21(延出部211)は、第1主面11上において第1ボンディング部23につながっている。
【0033】
第2部22は、第1主面11において第2方向他方側y2に位置する。第2部22は、第1主面11上において第1部21から離隔している。第2部22は、第1主面11において、第1方向一方側x1端から第1方向他方側x2端まで第1方向xに沿って延びている。第2部22の第1方向一方側x1の部位は、第1側面13および第3凹溝173の双方に接する。第2部22の第1方向他方側x2の部位は、第2側面14および第4凹溝174の双方に接する。本実施形態において、第2ボンディング部24は、第1主面11において第2方向他方側y2寄り、且つ第1方向他方側x2寄りに位置する。第2ボンディング部24は、第1ボンディング部23に対して第2方向他方側y2且つ第1方向他方側x2に離隔している。第2ボンディング部24は、ワイヤ5がボンディングされる部位である。本実施形態においては、第2部22は、第1方向他方側x2寄りの部位が第1主面11上において第2ボンディング部24につながっている。
【0034】
図2~
図7に示すように、第3部26は、第2主面12に形成されている。第3部26は、第2主面12において第2方向一方側y1に位置する。
図4に示すように、第3部26は、第1方向xに沿って延びている。第3部26の第1方向一方側x1の部位は、第1側面13および第1凹溝171の双方に接する。第3部26の第1方向他方側x2の部位は、第2側面14および第2凹溝172の双方に接する。
【0035】
図2、
図4~
図7に示すように、第4部27は、第2主面12に形成されている。第4部27は、第2主面12において第2方向他方側y2に位置する。
図4に示すように、第4部27は、第1方向xに沿って延びている。第4部27の第1方向一方側x1の部位は、第1側面13および第3凹溝173の双方に接する。第4部27の第1方向他方側x2の部位は、第2側面14および第4凹溝174の双方に接する。
【0036】
図1~
図4および
図6に示すように、第1溝配線251は、第1凹溝171に形成されている。第1溝配線251は、第1凹溝171の全てを覆っている。第1溝配線251は、第1部21および第3部26の双方につながっている。
【0037】
図1、
図3、
図4および
図7に示すように、第2溝配線252は、第2凹溝172に形成されている。第2溝配線252は、第2凹溝172の全てを覆っている。第2溝配線252は、第1部21および第3部26の双方につながっている。
【0038】
図1、
図2、
図4および
図6に示すように、第3溝配線253は、第3凹溝173に形成されている。第3溝配線253は、第3凹溝173の全てを覆っている。第3溝配線253は、第2部22および第4部27の双方につながっている。
【0039】
図1、
図4および
図7に示すように、第4溝配線254は、第4凹溝174に形成されている。第4溝配線254は、第4凹溝174の全てを覆っている。第4溝配線254は、第2部22および第4部27の双方につながっている。
【0040】
図1、
図2、
図5~
図7に示すように、第1絶縁膜31および第2絶縁膜32は、基板1の第1主面11上に形成されている。第1絶縁膜31および第2絶縁膜32の具体的構成は何ら限定されず、たとえばレジスト層によって構成されている。なお、
図1においては、理解の便宜上、第1絶縁膜31の形成領域および第2絶縁膜32の形成領域にハッチングを付している。
【0041】
第1絶縁膜31は、第1主面11において第2方向一方側y1に位置する。第1絶縁膜31は、第1主面11において、第1方向一方側x1端から第1方向他方側x2端まで第1方向xに沿って延びている。第1絶縁膜31は、第1部21(延出部211を含む)および第1主面11に跨って形成されている。第1絶縁膜31の一部は、第1部21と封止樹脂6との間に介在する。第2絶縁膜32は、第1主面11において第2方向他方側y2に位置する。第2絶縁膜32は、第1主面11において、第1方向一方側x1端から第1方向他方側x2端まで第1方向xに沿って延びている。第2絶縁膜32は、第2部22および第1主面11に跨って形成されている。第2絶縁膜32の一部は、第2部22と封止樹脂6との間に介在する。上述の第1絶縁膜31および第2絶縁膜32を備えることにより、半導体発光装置A1を実装基板に実装した際、はんだなどの接合材が第1部21や第2部22の表面を伝って第1ボンディング部23や第2ボンディング部24に到達することは防止される。
【0042】
半導体発光素子4は、半導体発光装置A1の発光源である。半導体発光素子4の具体的構成は何ら限定されず、たとえば発光ダイオード(LED)またはレーザダイオード(LD)等である。本実施形態においては、半導体発光素子4は、たとえば発光ダイオード(LED)である。なお、本開示の半導体発光装置が備える半導体発光素子の個数は、何ら限定されず、2つ以上であってもよい。
【0043】
図1および
図5に示すように、半導体発光素子4は、電極41および電極42を有する。電極41は、厚さ方向一方側z1に配置されている。電極42は、厚さ方向他方側z2に配置されている。電極42は、接合材49によって第1ボンディング部23に導通接合されている。接合材49は、たとえば、はんだ、Agペースト等の導電性接合材である。このように第1ボンディング部23に搭載された半導体発光素子4は、厚さ方向zに見て、基板1の中央(第1方向xおよび第2方向yそれぞれの中央)に配置されている。
【0044】
ワイヤ5は、半導体発光素子4の電極41と第2ボンディング部24とに接続されている。ワイヤ5は、たとえばAu(金)等の金属からなる。半導体発光素子4の電極41は、このワイヤ5によって第2ボンディング部24に導通接合されている。
【0045】
封止樹脂6は、半導体発光素子4およびワイヤ5と、第1主面11、配線部2、第1絶縁膜31および第2絶縁膜32の一部ずつと、を覆っている。より具体的には、封止樹脂6は、配線部2のうち、第1ボンディング部23および第2ボンディング部24と、第1部21および第2部22の一部ずつと、を覆っている。封止樹脂6は、半導体発光素子4からの光を透過する材質からなり、たとえば透明または半透明のエポキシ樹脂からなる。封止樹脂6の具体的構成は何ら限定されず、本実施形態においては、
図2、
図3および
図5~
図7に示すように、封止樹脂6は、天面61、2つの側面62および2つの斜面63を有する。
【0046】
天面61は、厚さ方向一方側z1に位置しており、第1方向xおよび第2方向yに沿った平面である。2つの側面62は、第1方向一方側x1および第1方向他方側x2にそれぞれ設けられており、厚さ方向zおよび第2方向yに沿った平面である。第1方向一方側x1の側面62は、基板1の第1側面13と面一(またはほぼ面一)である。第1方向他方側x2の側面62は、基板1の第2側面14と面一(またはほぼ面一)である。2つの斜面63は、第2方向一方側y1および第2方向他方側y2にそれぞれ設けられている。斜面63は、厚さ方向zに対して傾いている。
【0047】
図2および
図4~
図6に示すように、絶縁膜7は、基板1の第2主面12上に配置されている。絶縁膜7の具体的構成は何ら限定されず、たとえばレジスト層によって構成されている。絶縁膜7は、半導体発光装置A1の接続方向を判断する目印として機能する。絶縁膜7は、第2主面12において、第1方向xの中央付近であって第2方向yにおいて第3部26と第4部27との間に配置されている。絶縁膜7は、厚さ方向zに見て、第4部27の側が第2方向yに突出する凸状をなす。このような形状の絶縁膜7は、半導体発光装置A1の接続方向を判断する目印として機能する。
【0048】
図8は、半導体発光装置A1の製造過程の一例を示す平面図である。
図8は、基板材料(基板1となるべき板材)を、第1方向xおよび第2方向yそれぞれに延びる複数の切断ラインに沿って切断することで複数の半導体発光装置A1に分割する態様を表す。切断前の基板材料には、複数の貫通孔H1が設けられている。複数の貫通孔H1は、第1方向xおよび第2方向yそれぞれに所定間隔を隔てて形成されている。各貫通孔H1は、厚さ方向zに貫通しており、第1方向xを長手方向とする長孔である。貫通孔H1は、半導体発光装置A1の4隅に対応するように配置されている。第1方向xに延びる切断ラインは、貫通孔H1の第2方向yにおける中央を通過している。一方、第2方向yに延びる切断ラインは、貫通孔H1の第1方向xにおける中央より第1方向一方側x1に偏倚した位置を通過している。このように基板材料を切断することにより、半導体発光装置A1の4隅には、第1凹溝171、第2凹溝172、第3凹溝173および第4凹溝174が形成される。
【0049】
図9は、半導体発光装置A1を実装基板に実装した状態の一例を示す正面図である。半導体発光装置A1は、基板1の第1側面13(第1方向一方側x1を向く面)が実装基板90(想像線で表す)と対向する姿勢で当該実装基板90に実装されている。半導体発光装置A1は、実装基板90の表面と平行な方向に光を出射するサイドビュー型の光源として用いられる。実装基板90の表面には、たとえば配線パターン(図示略)が形成されている。半導体発光装置A1は、たとえばはんだなどの接合部を介して実装基板90に実装される。第1溝配線251、第1部21、第3部26(図示せず)、第3溝配線253、第2部22および第4部27(図示せず)の各々と、実装基板90とが、接合部により接合されている。
図9においては、接合部Sd1および接合部Sd2を想像線で表している。接合部Sd1は、第1溝配線251と実装基板90とを接合している。接合部Sd2は、第3溝配線253と実装基板90とを接合している。
【0050】
次に、本実施形態の半導体発光装置A1の作用について説明する。
【0051】
半導体発光装置A1は、基板1に形成された配線部2と、基板1の第1主面11に支持された半導体発光素子4と、を備える。基板1は、第1側面13、第2側面14、第3側面15および第1凹溝171を含む。第1側面13は第1方向一方側x1を向き、第2側面14は第1方向他方側x2を向き、第3側面15は第2方向一方側y1を向く。第1凹溝171は、第1側面13および第3側面15の間に形成され、第1側面13および第3側面15から凹む。第1側面13は、第1端縁131を有する。第1端縁131は、第1側面13の第2方向一方側y1に位置し、第1凹溝171に接している。第2側面14は、第2方向一方側y1に位置する第2端縁141を有する。第3側面15は、第3端縁151および第4端縁152を有する。第3端縁151は、第3側面15の第1方向一方側x1に位置し、第1凹溝171に接している。第4端縁152は、第3側面15の第1方向他方側x2に位置する。配線部2は、第1凹溝171に形成された第1溝配線251を含む。第1側面13の第1端縁131と第3側面15の第3端縁151との距離(第1距離D1)は、第2側面14の第2端縁141と第3側面15の第4端縁152との距離(第2距離D2)よりも大である。
【0052】
このような構成によれば、第1端縁131と第3端縁151との距離(第1距離D1)に対応して、第1凹溝171の寸法を大きく確保することができる。これにより、
図9に示すように半導体発光装置A1を実装基板90に実装した際、第1凹溝171に形成された第1溝配線251と実装基板90とは、十分なサイズの接合部Sd1を介して接合される。これにより、半導体発光装置A1の小型化を図りつつ、半導体発光装置A1の実装強度を高めることができる。
【0053】
第1凹溝171において、第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法である第1寸法L1は、第3側面15から第2方向他方側y2への深さ寸法である第2寸法L2よりも大である。第1溝配線251に接合された接合部Sd1は、第1凹溝171の第1寸法L1に対応する範囲に形成される。上記のように第1寸法L1が第2寸法L2より大であれば、接合部Sd1の第1方向xの寸法を大きく確保することができる。このことは、半導体発光装置A1の実装強度を高める上で好ましい。
【0054】
基板1は、第2凹溝172を含む。第2凹溝172は、第2側面14および第3側面15の間に形成され、第2側面14および第3側面15から凹む。第2側面14の第2端縁141および第3側面15の第4端縁152の各々は、第2凹溝172に接する。また、上記の第1寸法L1(第1凹溝171において第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法)は、第2凹溝172において第2側面14から第1方向一方側x1への深さ寸法である第3寸法L3よりも大である。このような寸法関係の第1凹溝171および第2凹溝172は、
図8を参照して説明したように、基板材料に形成した所定形状の貫通孔を適宜位置で切断することにより形成することができる。また、半導体発光装置A1を実装基板90に実装する際、当該実装基板90に対向させる第1側面13について、第1凹溝171および第2凹溝172の寸法の相違から外観上容易に認識することが可能である。
【0055】
基板1は、第4側面16および第3凹溝173を含む。第4側面16は、第2方向他方側y2を向く。第3凹溝173は、第1側面13および第4側面16の間に形成され、第1側面13および第4側面16から凹む。第1側面13は、第5端縁132を有する。第5端縁132は、第1側面13の第2方向他方側y2に位置し、第3凹溝173に接している。第2側面14は、第2方向他方側y2に位置する第6端縁142を有する。第4側面16は、第7端縁161および第8端縁162を有する。第7端縁161は、第4側面16の第1方向一方側x1に位置し、第3凹溝173に接している。第8端縁162は、第4側面16の第1方向他方側x2に位置する。配線部2は、第3凹溝173に形成された第3溝配線253を含む。第1側面13の第5端縁132と第4側面16の第7端縁161との距離(第3距離D3)は、第2側面14の第6端縁142と第4側面16の第8端縁162との距離(第4距離D4)よりも大である。
【0056】
このような構成によれば、第5端縁132と第7端縁161との距離(第3距離D3)に対応して、第3凹溝173の寸法を大きく確保することができる。これにより、
図9に示すように半導体発光装置A1を実装基板90に実装した際、第3凹溝173に形成された第3溝配線253と実装基板90とは、十分なサイズの接合部Sd2を介して接合される。これにより、半導体発光装置A1の小型化を図りつつ、半導体発光装置A1の実装強度をより高めることができる。
【0057】
第3凹溝173において、第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法である第4寸法L4は、第4側面16から第2方向一方側y1への深さ寸法である第5寸法L5よりも大である。第3溝配線253に接合された接合部Sd2は、第3凹溝173の第4寸法L4に対応する範囲に形成される。上記のように第4寸法L4が第5寸法L5より大であれば、接合部Sd2の第1方向xの寸法を大きく確保することができる。このことは、半導体発光装置A1の実装強度を高める上でより好ましい。
【0058】
基板1は、第4凹溝174を含む。第4凹溝174は、第2側面14および第4側面16の間に形成され、第2側面14および第4側面16から凹む。第2側面14の第6端縁142および第4側面16の第8端縁162の各々は、第4凹溝174に接する。また、上記の第4寸法L4(第3凹溝173において第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法)は、第4凹溝174において第2側面14から第1方向一方側x1への深さ寸法である第6寸法L6よりも大である。このような寸法関係の第3凹溝173および第4凹溝174は、
図8を参照して説明したように、基板材料に形成した所定形状の貫通孔を適宜位置で切断することにより形成することができる。また、半導体発光装置A1を実装基板90に実装する際、当該実装基板90に対向させる第1側面13について、第3凹溝173および第4凹溝174の寸法の相違から外観上容易に認識することが可能である。
【0059】
<第2実施形態>
図10~
図12は、本開示の第2実施形態に係る半導体発光装置を示している。
図10は、本実施形態の半導体発光装置A2の平面図である。
図11は、半導体発光装置A2の正面図である。
図12は、半導体発光装置A2の左側面図である。
図10は、理解の便宜上、封止樹脂6を透過している。なお、
図10以降の図面において、上記実施形態の半導体発光装置A1と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付しており、適宜説明を省略する。また、各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0060】
本実施形態の半導体発光装置A2においては、基板1に形成された第1凹溝171および第3凹溝173の形状が上記実施形態と異なっている。本実施形態において、第1凹溝171の厚さ方向zに垂直な断面形状は、中心角の異なる2つの円弧がつながった形状である。また、第3凹溝173の厚さ方向zに垂直な断面形状は、第1凹溝171と同様に、中心角の異なる2つの円弧がつながった形状である。
【0061】
本実施形態において、
図10に示した例では、第1主面11の第1方向xにおける長さ(第7寸法L7)に対する第1凹溝171の第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法(第1寸法L1)の割合は、約0.29倍である。また、上記第7寸法L7に対する第3凹溝173の第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法(第4寸法L4)の割合は、約0.29倍である。
【0062】
図13は、半導体発光装置A2の製造過程の一例を示す平面図である。
図13は、基板材料(基板1となるべき板材)を、第1方向xおよび第2方向yそれぞれに延びる複数の切断ラインに沿って切断することで複数の半導体発光装置A2に分割する態様を表す。切断前の基板材料には、複数の貫通孔H2が設けられている。複数の貫通孔H2は、第1方向xおよび第2方向yそれぞれに所定間隔を隔てて形成されている。各貫通孔H2は、厚さ方向zに貫通しており、2つの円形孔の一部が重なる形状である。貫通孔H2は、厚さ方向zに見て、第1方向xに長状である。貫通孔H2は、半導体発光装置A2の4隅に対応するように配置されている。第1方向xに延びる切断ラインは、貫通孔H2の第2方向yにおける中央を通過している。一方、第2方向yに延びる切断ラインは、貫通孔H2の第1方向xにおける中央より第1方向一方側x1に偏倚した位置を通過している。このように基板材料を切断することにより、半導体発光装置A2の4隅には、第1凹溝171、第2凹溝172、第3凹溝173および第4凹溝174が形成される。
【0063】
図14は、半導体発光装置A2を実装基板に実装した状態の一例を示す正面図である。半導体発光装置A2は、基板1の第1側面13(第1方向一方側x1を向く面)が実装基板90(想像線で表す)と対向する姿勢で当該実装基板90に実装されている。
【0064】
本実施形態の半導体発光装置A2において、基板1は、第1側面13、第2側面14、第3側面15および第1凹溝171を含む。第1凹溝171は、第1側面13および第3側面15の間に形成され、第1側面13および第3側面15から凹む。第1側面13の第1端縁131と第3側面15の第3端縁151との距離(第1距離D1)は、第2側面14の第2端縁141と第3側面15の第4端縁152との距離(第2距離D2)よりも大である。このような構成によれば、第1端縁131と第3端縁151との距離(第1距離D1)に対応して、第1凹溝171の寸法を大きく確保することができる。これにより、
図14に示すように半導体発光装置A2を実装基板90に実装した際、第1凹溝171に形成された第1溝配線251と実装基板90とは、十分なサイズの接合部Sd1を介して接合される。これにより、半導体発光装置A2の小型化を図りつつ、半導体発光装置A2の実装強度を高めることができる。
【0065】
基板1は、第4側面16および第3凹溝173を含む。第3凹溝173は、第1側面13および第4側面16の間に形成され、第1側面13および第4側面16から凹む。第1側面13の第5端縁132と第4側面16の第7端縁161との距離(第3距離D3)は、第2側面14の第6端縁142と第4側面16の第8端縁162との距離(第4距離D4)よりも大である。このような構成によれば、第5端縁132と第7端縁161との距離(第3距離D3)に対応して、第3凹溝173の寸法を大きく確保することができる。これにより、
図14に示すように半導体発光装置A2を実装基板90に実装した際、第3凹溝173に形成された第3溝配線253と実装基板90とは、十分なサイズの接合部Sd2を介して接合される。これにより、半導体発光装置A2の小型化を図りつつ、半導体発光装置A2の実装強度をより高めることができる。その他にも、上記実施形態の半導体発光装置A1と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0066】
<第3実施形態>
図15~
図17は、本開示の第3実施形態に係る半導体発光装置を示している。
図15は、本実施形態の半導体発光装置A3の平面図である。
図16は、半導体発光装置A3の正面図である。
図17は、半導体発光装置A3の左側面図である。なお、
図15は、理解の便宜上、封止樹脂6を透過している。
【0067】
本実施形態の半導体発光装置A3においては、基板1に形成された第1凹溝171および第3凹溝173の形状が上記実施形態と異なっている。本実施形態において、第1凹溝171の厚さ方向zに垂直な断面形状は、円弧状である。また、第3凹溝173の厚さ方向zに垂直な断面形状は、第1凹溝171と同様に、円弧状である。
【0068】
本実施形態においては、上記実施形態と異なり、基板1の2つの隅部において第2凹溝172および第4凹溝174が設けられていない。第2凹溝172が設けられないことにより、第2側面14において第2方向一方側y1に位置する第2端縁141と、第3側面15において第1方向他方側x2に位置する第4端縁152とが、一致している。したがって、第2側面14の第2端縁141と第3側面15の第4端縁152との距離(第2距離)は、ゼロである。また、第4凹溝174が設けられないことにより、第2側面14において第2方向他方側y2に位置する第6端縁142と、第4側面16において第1方向他方側x2に位置する第8端縁162とが、一致している。したがって、第2側面14の第6端縁142と第4側面16の第8端縁162との距離(第4距離)は、ゼロである。
【0069】
本実施形態において、
図15に示した例では、第1主面11の第1方向xにおける長さ(第7寸法L7)に対する第1凹溝171の第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法(第1寸法L1)の割合は、約0.26倍である。また、上記第7寸法L7に対する第3凹溝173の第1側面13から第1方向他方側x2への深さ寸法(第4寸法L4)の割合は、約0.26倍である。
【0070】
図18は、半導体発光装置A3の製造過程の一例を示す平面図である。
図18は、基板材料(基板1となるべき板材)を、第1方向xおよび第2方向yそれぞれに延びる複数の切断ラインに沿って切断することで複数の半導体発光装置A3に分割する態様を表す。切断前の基板材料には、複数の貫通孔H3が設けられている。複数の貫通孔H3は、第1方向xおよび第2方向yそれぞれに所定間隔を隔てて形成されている。各貫通孔H3は、厚さ方向zに貫通しており、円形である。貫通孔H3は、半導体発光装置A3の4隅付近に配置されている。第1方向xに延びる切断ラインは、貫通孔H2の第2方向yにおける中央を通過している。一方、第2方向yに延びる切断ラインは、貫通孔H2の第1方向xにおける中央より第1方向一方側x1に偏倚した位置を通過している。このように基板材料を切断することにより、半導体発光装置A3の2つの隅部には、第1凹溝171および第3凹溝173が形成される。
【0071】
図19は、半導体発光装置A3を実装基板に実装した状態の一例を示す正面図である。半導体発光装置A3は、基板1の第1側面13(第1方向一方側x1を向く面)が実装基板90(想像線で表す)と対向する姿勢で当該実装基板90に実装されている。
【0072】
本実施形態の半導体発光装置A3において、基板1は、第1側面13、第2側面14、第3側面15および第1凹溝171を含む。第1凹溝171は、第1側面13および第3側面15の間に形成され、第1側面13および第3側面15から凹む。第1側面13の第1端縁131と第3側面15の第3端縁151との距離(第1距離D1)は、第2側面14の第2端縁141と第3側面15の第4端縁152との距離(第2距離)よりも大である。このような構成によれば、第1端縁131と第3端縁151との距離(第1距離D1)に対応して、第1凹溝171の寸法を大きく確保することができる。これにより、
図19に示すように半導体発光装置A3を実装基板90に実装した際、第1凹溝171に形成された第1溝配線251と実装基板90とは、十分なサイズの接合部Sd1を介して接合される。これにより、半導体発光装置A3の小型化を図りつつ、半導体発光装置A3の実装強度を高めることができる。
【0073】
基板1は、第4側面16および第3凹溝173を含む。第3凹溝173は、第1側面13および第4側面16の間に形成され、第1側面13および第4側面16から凹む。第1側面13の第5端縁132と第4側面16の第7端縁161との距離(第3距離D3)は、第2側面14の第6端縁142と第4側面16の第8端縁162との距離(第4距離)よりも大である。このような構成によれば、第5端縁132と第7端縁161との距離(第3距離D3)に対応して、第3凹溝173の寸法を大きく確保することができる。これにより、
図19に示すように半導体発光装置A3を実装基板90に実装した際、第3凹溝173に形成された第3溝配線253と実装基板90とは、十分なサイズの接合部Sd2を介して接合される。これにより、半導体発光装置A3の小型化を図りつつ、半導体発光装置A3の実装強度をより高めることができる。その他にも、上記実施形態の半導体発光装置A1と同様の構成の範囲において、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0074】
本開示に係る半導体発光装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本開示に係る半導体発光装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0075】
本開示は、以下の付記に関する構成を含む。
【0076】
〔付記1〕
基板と、
前記基板に形成された配線部と、
半導体発光素子と、を備え、
前記基板は、厚さ方向の一方側を向く第1主面と、前記厚さ方向の他方側を向く第2主面と、前記厚さ方向と直交する第1方向の一方側を向く第1側面と、前記第1方向の他方側を向く第2側面と、前記厚さ方向および前記第1方向の双方に直交する第2方向の一方側を向く第3側面と、前記第1側面および前記第3側面の間に形成され、且つ前記第1側面および前記第3側面から凹む第1凹溝と、を含み、
前記第1側面は、前記第2方向の一方側に位置し、且つ前記第1凹溝に接する第1端縁を有し、
前記第2側面は、前記第2方向の一方側に位置する第2端縁を有し、
前記第3側面は、前記第1方向の一方側に位置し且つ前記第1凹溝に接する第3端縁と、前記第1方向の他方側に位置する第4端縁と、を有し、
前記半導体発光素子は、前記第1主面に支持されており、
前記配線部は、前記第1凹溝に形成された第1溝配線を含み、
前記第1端縁と前記第3端縁との距離である第1距離は、前記第2端縁と前記第4端縁との距離である第2距離よりも大である、半導体発光装置。
〔付記2〕
前記第1凹溝において、前記第1側面から前記第1方向の他方側への深さ寸法である第1寸法は、前記第3側面から前記第2方向の他方側への深さ寸法である第2寸法よりも大である、付記1に記載の半導体発光装置。
〔付記3〕
前記基板は、前記第2側面および前記第3側面の間に形成され、且つ前記第2側面および前記第3側面から凹む第2凹溝を含み、
前記第2端縁および前記第4端縁の各々は、前記第2凹溝に接する、付記2に記載の半導体発光装置。
〔付記4〕
前記第1寸法は、前記第2凹溝において前記第2側面から前記第1方向の一方側への深さ寸法である第3寸法よりも大である、付記3に記載の半導体発光装置。
〔付記5〕
前記第2端縁と前記第4端縁とが一致している、付記1または2に記載の半導体発光装置。
〔付記6〕
前記基板は、前記第2方向の他方側を向く第4側面と、前記第1側面および前記第4側面の間に形成され、且つ前記第1側面および前記第4側面から凹む第3凹溝と、を含み、
前記第1側面は、前記第2方向の他方側に位置し、且つ前記第3凹溝に接する第5端縁を有し、
前記第2側面は、前記第2方向の他方側に位置する第6端縁を有し、
前記第4側面は、前記第1方向の一方側に位置し且つ前記第3凹溝に接する第7端縁と、前記第1方向の他方側に位置する第8端縁と、を有し、
前記配線部は、前記第3凹溝に形成された第3溝配線を含み、
前記第5端縁と前記第7端縁との距離である第3距離は、前記第6端縁と前記第8端縁との距離である第4距離よりも大である、付記1ないし5のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記7〕
前記第3凹溝において、前記第1側面から前記第1方向の他方側への深さ寸法である第4寸法は、前記第4側面から前記第2方向の一方側への深さ寸法である第5寸法よりも大である、付記6に記載の半導体発光装置。
〔付記8〕
前記基板は、前記第2側面および前記第4側面の間に形成され、且つ前記第2側面および前記第4側面から凹む第4凹溝を含み、
前記第6端縁および前記第8端縁の各々は、前記第4凹溝に接する、付記7に記載の半導体発光装置。
〔付記9〕
前記第4寸法は、前記第4凹溝において前記第2側面から前記第1方向の一方側への深さ寸法である第6寸法よりも大である、付記8に記載の半導体発光装置。
〔付記10〕
前記第6端縁と前記第8端縁とが一致している、付記6または7に記載の半導体発光装置。
〔付記11〕
前記配線部は、各々が前記第1主面に形成された第1ボンディング部および第2ボンディング部を含み、
前記第1ボンディング部は、前記半導体発光素子と導通接合されており、
前記第2ボンディング部は、前記第1主面上において前記第1ボンディング部から離隔し、且つ前記半導体発光素子と導通接合されている、付記6ないし10のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記12〕
前記第2ボンディング部は、前記第1主面において前記第1方向の他方側寄りに位置しており、
前記半導体発光素子と前記第2ボンディング部とは、ワイヤを介して導通接合されている、付記11に記載の半導体発光装置。
〔付記13〕
前記半導体発光素子は、前記第1ボンディング部上に配置されている、付記11または12に記載の半導体発光装置。
〔付記14〕
前記配線部は、各々が前記第1主面に形成された第1部および第2部を含み、
前記第1部は、前記第1ボンディング部および前記第1溝配線の双方につながり、
前記第2部は、前記第1主面上において前記第1部から離隔し、且つ前記第2ボンディング部および前記第3溝配線の双方につながる、付記11ないし13のいずれかに記載の半導体発光装置。
〔付記15〕
前記第1主面に支持され、且つ前記半導体発光素子を覆う封止樹脂をさらに備える、付記1ないし14のいずれかに記載の半導体発光装置。
【符号の説明】
【0077】
A1,A2,A3:半導体発光装置
1 :基板
11 :第1主面
12 :第2主面
13 :第1側面
131 :第1端縁
132 :第5端縁
14 :第2側面
141 :第2端縁
142 :第6端縁
15 :第3側面
151 :第3端縁
152 :第4端縁
16 :第4側面
161 :第7端縁
162 :第8端縁
171 :第1凹溝
172 :第2凹溝
173 :第3凹溝
174 :第4凹溝
2 :配線部
21 :第1部
211 :延出部
22 :第2部
23 :第1ボンディング部
24 ;第2ボンディング部
251 :第1溝配線
252 :第2溝配線
253 :第3溝配線
254 :第4溝配線
26 :第3部
27 :第4部
31 :第1絶縁膜
32 :第2絶縁膜
4 :半導体発光素子
41,42:電極
49 :接合材
5 :ワイヤ
6 :封止樹脂
61 :天面
62 :側面
63 :斜面
7 :絶縁膜
90 :実装基板
D1 :第1距離
D2 :第2距離
D3 :第3距離
D4 :第4距離
L1 :第1寸法
L2 :第2寸法
L3 :第3寸法
L4 :第4寸法
L5 :第5寸法
H1,H2,H3:貫通孔
Sd1,Sd2:接合部
x :第1方向
x1 :第1方向一方側
x2 :第1方向他方側
y :第2方向
y1 :第2方向一方側
y2 :第2方向他方側
z :厚さ方向
z1 :厚さ方向一方側
z2 :厚さ方向他方側