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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170115
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】警報器用アダプタ
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20231124BHJP
   G08B 21/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G08B17/00 G
G08B21/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081601
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 尚克
(72)【発明者】
【氏名】牟田 幹彦
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 元
(72)【発明者】
【氏名】神屋 美由紀
【テーマコード(参考)】
5C086
5G405
【Fターム(参考)】
5C086AA02
5C086GA07
5C086GA10
5C086GA13
5G405AA08
5G405AB03
5G405AD09
5G405CA55
5G405FA06
5G405FA07
5G405FA08
(57)【要約】
【課題】取付ベースに対する警報器の向きを選択的に設定することができる警報器用アダプタを提供する。
【解決手段】警報器用アダプタ4は、取付ベース3と、取付ベース3に装着可能な警報器1との間に介在する。取付ベース3は、ベース下壁(下パーツ32)に形成されるベース挿入孔37を有する。警報器1は、上方に突出してベース挿入孔37に挿入可能な警報器端子14を有する。警報器用アダプタ4は、アダプタ上部材41と、アダプタ上部材41と連結されるアダプタ下部材42と、を有する。アダプタ上部材41は、上方に突出してベース挿入孔37に挿入可能なアダプタ端子43を有する。アダプタ下部材42は、警報器端子14が挿入可能なアダプタ挿入孔47を有する。警報器用アダプタ4は、アダプタ上部材41に対するアダプタ下部材42の連結の向きを変更可能とする連結向き変更部5を有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に固定される取付ベースと、前記取付ベースに装着可能な警報器と、の間に介在する警報器用アダプタであって、
前記取付ベースは、ベース下壁を有するベース本体と、前記ベース下壁に形成されるベース挿入孔と、を有し、
前警報器は、警報器上壁を有する警報器本体と、前記警報器上壁より上方に突出して前記ベース挿入孔に挿入可能な警報器端子と、を有するものであり、
前記警報器用アダプタは、アダプタ上壁を有するアダプタ上部材と、アダプタ下壁を有して前記アダプタ上部材と連結されるアダプタ下部材と、を有し、
前記アダプタ上部材は、前記アダプタ上壁より上方に突出して前記ベース挿入孔に挿入可能なアダプタ端子を有し、
前記アダプタ下部材は、前記アダプタ下壁に形成されて前記警報器端子が挿入可能なアダプタ挿入孔を有し、
前記警報器用アダプタは、前記アダプタ上部材に対する前記アダプタ下部材の連結の向きを変更可能とする連結向き変更部を有する
警報器用アダプタ。
【請求項2】
前記連結向き変更部は、
前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの一方に形成され、周方向に延びて周囲より突出する突条と、
前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの他方に形成され、周方向に延びて周囲より凹み前記突条が挿入される凹溝と、を有する
請求項1に記載の警報器用アダプタ。
【請求項3】
前記連結向き変更部は、
前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの一方に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されて周囲より突出する突部と、
前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの他方に形成され、周方向のいずれかの複数の部分に形成されて周囲より凹み、前記複数の部分のいずれかに選択的に前記突部が挿入される凹部と、を有する
請求項1に記載の警報器用アダプタ。
【請求項4】
前記連結向き変更部は、
前記アダプタ上部材と前記アダプタ下部材とに設けられ、互いに螺合するおねじ部とめねじ部と、を有する
請求項1に記載の警報器用アダプタ。
【請求項5】
前記連結向き変更部は、
前記アダプタ上部材に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されるねじ孔と、
前記アダプタ下部材に形成され、周方向のいずれかの部分に形成される貫通孔と、を有し、
前記ねじ孔と前記貫通孔のうちの少なくとも一方は、周方向の複数の部分に形成される
請求項1に記載の警報器用アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に固定される取付ベースと、取付ベースに装着可能な警報器と、の間に介在する警報器用アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス警報器である4端子機器を、天井に取り付けられた取付ベースに取り付ける取付構造が知られている(例えば特許文献1参照)。取付ベースには長孔が形成されており、この長孔に4端子機器の電源入力端子および入出力端子を挿入して、4端子機器を取付ベースに取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭58-59626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の取付構造にあっては、取付ベースに対する4端子機器の向きを選択的に設定することができないものであった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、取付ベースに対する警報器の向きを選択的に設定することができる警報器用アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る警報器用アダプタは、天井に固定される取付ベースと、前記取付ベースに装着可能な警報器と、の間に介在する警報器用アダプタである。前記取付ベースは、ベース下壁を有するベース本体と、前記ベース下壁に形成されるベース挿入孔と、を有する。前警報器は、警報器上壁を有する警報器本体と、前記警報器上壁より上方に突出して前記ベース挿入孔に挿入可能な警報器端子と、を有する。前記警報器用アダプタは、アダプタ上壁を有するアダプタ上部材と、アダプタ下壁を有して前記アダプタ上部材と連結されるアダプタ下部材と、を有する。前記アダプタ上部材は、前記アダプタ上壁より上方に突出して前記ベース挿入孔に挿入可能なアダプタ端子を有する。前記アダプタ下部材は、前記アダプタ下壁に形成されて前記警報器端子が挿入可能なアダプタ挿入孔を有する。前記警報器用アダプタは、前記アダプタ上部材に対する前記アダプタ下部材の連結の向きを変更可能とする連結向き変更部を有する。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、突条と、凹溝と、を有する。前記突条は、前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの一方に形成され、周方向に延びて周囲より突出する。前記凹溝は、前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの他方に形成され、周方向に延びて周囲より凹み前記突条が挿入される。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、突部と、凹部と、を有する。前記突部は、前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの一方に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されて周囲より突出する。前記凹部は、前記アダプタ上部材及び前記アダプタ下部材のうちの他方に形成され、周方向のいずれかの複数の部分に形成されて周囲より凹み、前記複数の部分のいずれかに選択的に前記突部が挿入される。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、前記アダプタ上部材と前記アダプタ下部材とに設けられ、互いに螺合するおねじ部とめねじ部と、を有する。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、前記アダプタ上部材に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されるねじ孔と、前記アダプタ下部材に形成され、周方向のいずれかの部分に形成される貫通孔と、を有する。前記ねじ孔と前記貫通孔のうちの少なくとも一方は、周方向の複数の部分に形成される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明にあっては、アダプタ上部材に対するアダプタ下部材の向きを選択的に設定することができ、これにより、アダプタ上部材が装着される取付ベースと、アダプタ下部材に装着される警報器の連結の向きを選択的に設定することが可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明にあっては、取付ベースに対する警報器の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0013】
請求項3に係る発明にあっては、取付ベースに対する警報器の向きを周方向における離散的な角度に選択的に設定することができる。
【0014】
請求項4に係る発明にあっては、取付ベースに対する警報器の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0015】
請求項5に係る発明にあっては、取付ベースに対する警報器の向きを周方向における離散的な角度に選択的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1Aは、本発明の第一実施形態における警報器の上面図である。図1Bは、同上の実施形態における警報器の側面図である。図1Cは、同上の実施形態における警報器の下面図である。
図2図2は、同上の実施形態における天井及び取付ベースの要部側断面図である。
図3図3は、同上の実施形態における取付ベースの上パーツの下面図である。
図4図4は、同上の実施形態における取付ベースの下パーツの下面図である。
図5図5は、同上の実施形態における警報器用アダプタの要部側断面図である。
図6図6Aは、同上の実施形態におけるアダプタ上部材の上面図である。図6Bは、同上の実施形態におけるアダプタ上部材の側面図である。
図7図7Aは、同上の実施形態におけるアダプタ下部材の側面図である。図7Bは、同上の実施形態におけるアダプタ下部材の下面図である。
図8図8Aは、同上の実施形態におけるアダプタ上部材の突条を有する部分の側面図である。図8Bは、同上の実施形態におけるアダプタ下部材の凹溝を有する部分の側断面図である。
図9図9Aは、第二実施形態におけるアダプタ上部材の突部を有する部分の側面図である。図9Bは、同上の実施形態におけるアダプタ下部材の凹部を有する部分の側断面図である。
図10図10Aは、第三実施形態におけるアダプタ上部材のおねじ部を有する部分の側面図である。図10Bは、同上の実施形態におけるアダプタ下部材のめねじ部を有する部分の側断面図である。
図11図11は、第四実施形態における警報器用アダプタの要部側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、警報器用アダプタに関する。図1A図2に示すように、警報器用アダプタ4は、天井2に固定される取付ベース3と、取付ベース3に装着可能な警報器1と、の間に介在するものである。第一実施形態の警報器用アダプタについて、図面を参照して説明する。まず、警報器1について説明する。
【0018】
(警報器)
図1A図1Cに示す警報器1は、天井取り付け型の警報器である。警報器1は、主に建物のキッチン等の部屋の天井2に取り付けられる。警報器1は、ガスセンサ及び報知部を有し、ガス漏れを検知してガス漏れの報知を行うガス漏れ警報器である。また、警報器1は、ガス漏れの報知を行うだけでなく、各種の情報を発信するものであってもよい。第一実施形態の警報器1は、インターネット等の通信ネットワークを介した通信を行うためのインターフェースと、マイクロコンピュータを有する制御部と、音声により報知を行う報知部と、を備えている。この警報器1は、ガス漏れの報知だけでなく、通信ネットワークを介して取得した天気情報や災害情報等を発信することができる。
【0019】
更に、第一実施形態の警報器1は、人感センサ12を備える。人感センサ12は、人体から放射される赤外線を検知するもので、人体の検知において指向性を有する。この警報器1においては、人体を検知している時にのみ、報知部による報知を行うようにすることができる。
【0020】
警報器1は、筐体(ケース)を構成する樹脂製の警報器本体10を備える。警報器本体10は、円筒状をした側壁101と、側壁101の上端部に形成されて警報器本体10の天面部を構成する警報器上壁102と、側壁101の下端部に形成されて警報器本体10の底面部を構成する警報器下壁103と、を有する。警報器上壁102及び警報器下壁103の平面視における形状は、円形状である。
【0021】
警報器本体10には、電装基板11が収納される。電装基板11は、例えばプリント配線基板である。電装基板11に、上述したガスセンサ、報知部、制御部、インターフェース及び人感センサ12が実装されている。人感センサ12は、警報器下壁103に形成された開口を介して、警報器本体10の下方に露出する。人感センサ12は、電装基板11に実装される他の電気部品13との関係から、平面視において警報器下壁103の中央100から辺縁に向けてずれた位置に配置されている。このため、人体の検知において指向性を有する人感センサ12の位置が警報器下壁103の中央100から外れて、検知の向きが真下に対して傾いた向きとなる。この警報器1における人感センサ12の検知領域は、平面視において警報器1を中心とする対称な領域とならない。すなわち、警報器1としての人感センサ12による検知領域が、指向性を有している。
【0022】
警報器1は、警報器端子14を有する。警報器端子14は、警報器上壁102より上方に突出する部分を有する。警報器端子14として、二個の電源用端子141及び二個の信号用端子142が設けられている。図1Aに示すように、電源用端子141及び信号用端子142は、警報器上壁102の中央100を中心として周方向に等間隔に(角度にして90度毎に)位置している。周方向に電源用端子141と信号用端子142とが交互に並び、一対の電源用端子141が互いに対向すると共に、一対の信号用端子142が互いに対向する。電源用端子141及び信号用端子142は、配線15を介して電装基板11と電気的に接続される。
【0023】
(天井)
次に、取付ベース3が取り付けられる天井2について説明する。図2に示すように、天井2を構成する天井板20には、天井裏空間22と室内空間23とを通じさせる開口21が形成されている。天井板20の開口21が形成された部分に、取付ベース3が取り付けられる。天井裏空間には、電源線24及び信号線25が配置されている。電源線24の一端は、例えばAC100Vの商用電源に接続される。また、信号線25の一端は、外部の集中制御装置等に接続される。
【0024】
(取付ベース)
取付ベース3は、警報器1を天井2に取り付けるための部材である。取付ベース3は、天井2に固定される。取付ベース3に警報器1が装着されることにより、警報器1は取付ベース3を介して間接的に天井2に取り付けられる。取付ベース3は、筐体(ケース)を構成する樹脂製のベース本体30を備える。ベース本体30は、上パーツ31と下パーツ32とにより構成される。
【0025】
(上パーツ)
図3に示すように、上パーツ31の平面視における形状は、円形状である。上パーツ31は、天井板20の開口21の周囲の下面に取り付けられる。上パーツ31の天井板20への取り付けは、ビス止め等の適宜の方法により取り付けられる。
【0026】
上パーツ31には、電源線24が挿通する電源線挿通孔311及び信号線25が通る信号線挿通孔312が形成されている。上パーツ31の下面には、電源線24が接続される留め具33及び信号線25が接続される留め具34が取り付けられている。電源線24は、天井裏空間22より天井板20の開口21、上パーツ31の電源線挿通孔311を順に通り、電源線24の先端の端子が、上パーツ31の下面の留め具33にビス等の固着具241により取り付けられる。また、信号線25は、天井裏空間22より天井板20の開口21、上パーツ31の信号線挿通孔312を順に通り、信号線25の先端の端子が、上パーツ31の下面の留め具34にビス等の固着具251により取り付けられる。
【0027】
上パーツ31の下面には、警報器1の電源用端子141を受ける受け部331が設けられる。受け部331は、留め具33と電気的に接続されるもので、第一実施形態では受け部331と留め具33とが一体に形成されている。受け部331が警報器1の電源用端子141を受けることで、電源用端子141と電源線24とが導通する。
【0028】
上パーツ31の下面には、警報器1の信号用端子142を受ける受け部341が設けられる。受け部341は、留め具34と電気的に接続されるもので、第一実施形態では受け部341と留め具34とが一体に形成されている。受け部341が警報器1の信号用端子142を受けることで、信号用端子142と信号線25とが導通する。
【0029】
また、上パーツ31の下面には、ねじ孔からなる固着孔35が形成されている。固着孔35は、第一実施形態では二か所に形成されている。
【0030】
(下パーツ)
下パーツ32は、上パーツ31の下側に取り付けられて、上パーツ31の下面を覆う。下パーツ32は、ベース本体30の下壁(ベース下壁)を構成する。図4に示すように、下パーツ32の下面視(平面視)における形状は、上パーツ31と同じ円形状である。下パーツ32には、固着具挿通孔36が形成されている。下パーツ32の固着具挿通孔36を、上パーツ31の固着孔35(図3参照)に合わせて、ビス等の固着具を固着具挿通孔36に通して固着孔35にねじ込み、下パーツ32を上パーツ31に固定する。
【0031】
下パーツ32には、上下に貫通するベース挿入孔37が形成される。ベース挿入孔37として、二個の電源用端子挿入孔371及び二個の信号用端子挿入孔372が設けられている。電源用端子挿入孔371及び信号用端子挿入孔372は、下パーツ32の中央を中心として周方向に等間隔に(角度にして90度毎に)位置している。周方向に電源用端子挿入孔371と信号用端子挿入孔372とが交互に並び、一対の電源用端子挿入孔371が互いに対向すると共に、一対の信号用端子挿入孔372が互いに対向する。
【0032】
電源用端子挿入孔371には、電源用端子141が下方より挿入可能であり、信号用端子挿入孔372には、信号用端子142が下方より挿入可能である。
【0033】
(警報器の取付ベースへの装着)
警報器1を取付ベース3に取り付けるには、警報器1の電源用端子141と信号用端子142をそれぞれ、取付ベース3の電源用端子挿入孔371と信号用端子挿入孔372の所定の挿入位置より上方へ向けて挿入する。次に、警報器1を回転させると、電源用端子141は電源用端子挿入孔371内を移動すると共に、信号用端子142は信号用端子挿入孔372内を移動する。電源用端子141の先端部が、取付ベース3の受け部331に受けられると共に、信号用端子142の先端部が取付ベース3の受け部341に受けられて、警報器1が取付ベース3に装着される。
【0034】
(警報器用アダプタ)
図5に示すように、警報器用アダプタ4は、取付ベース3と警報器1との間に配置される。警報器用アダプタ4は取付ベース3に取り付けられる。警報器用アダプタ4は、筐体(ケース)を構成する樹脂製のアダプタ本体40を備える。アダプタ本体40は、アダプタ上部材41と、アダプタ下部材42と、を有する。
【0035】
(アダプタ上部材)
図6A及び図6Bに示すように、アダプタ上部材41は、円筒状をしたアダプタ側壁411と、アダプタ側壁411の上端部に形成されてアダプタ本体40の天面部を構成するアダプタ上壁412と、を有する。アダプタ上部材41の平面視における形状は、円形状である。アダプタ上部材41は、取付ベース3に装着される。
【0036】
アダプタ上部材41は、アダプタ端子43を有する。アダプタ上壁412より上方に突出する部分を有する。アダプタ端子43として、二個の電源用端子431及び二個の信号用端子432が設けられている。図6Aに示すように、電源用端子431及び信号用端子432は、アダプタ上壁412の中央を中心として周方向に等間隔に(角度にして90度毎に)位置している。周方向に電源用端子431と信号用端子432とが交互に並び、一対の電源用端子431が互いに対向すると共に、一対の信号用端子432が互いに対向する。電源用端子431は、警報器1の電源用端子141と同様のものであり、信号用端子432は、警報器1の信号用端子142と同様のものである。電源用端子431には、配線441の上端が接続され、信号用端子432には、配線442の上端が接続される。
【0037】
電源用端子431は、電源用端子挿入孔371に下方より挿入可能であり、信号用端子432は、信号用端子挿入孔372に下方より挿入可能である。
【0038】
警報器用アダプタ4を取付ベース3に取り付けるには、警報器用アダプタ4の電源用端子431と信号用端子432をそれぞれ、取付ベース3の電源用端子挿入孔371と信号用端子挿入孔372の所定の挿入位置より上方へ向けて挿入する。次に、警報器用アダプタ4を回転させると、電源用端子431は電源用端子挿入孔371内を移動すると共に、信号用端子432は信号用端子挿入孔372内を移動する。電源用端子431の先端部が、取付ベース3の受け部331に受けられると共に、信号用端子432の先端部が取付ベース3の受け部341に受けられて、警報器用アダプタ4が取付ベース3に装着される。警報器用アダプタ4の取付ベース3への装着は、警報器1の取付ベース3への装着と同様である。
【0039】
(アダプタ下部材)
図7A及び図7Bに示すように、アダプタ下部材42は、本体部421と、カバー部422と、を有する。本体部421は、平面視円形状をした板状の部材である。
【0040】
本体部421の下面には、配線441が接続される留め具及びこの留め具と電気的に接続される受け部45と、配線442が接続される留め具及びこの留め具と電気的に接続される受け部46と、が取り付けられている。配線441及び配線442は、本体部421に形成された開口を通り、それぞれの下端に形成された端子が、ビス等の固着具により留め具に取り付けられる。受け部45は、取付ベース3の受け部331と同様のものであり、受け部46は、取付ベース3の受け部341と同様のものである。受け部45が警報器1の電源用端子141を受けることで、電源用端子141は、受け部45及び配線441を介して電源用端子431と導通し、受け部46が警報器1の信号用端子142を受けることで、信号用端子142は、受け部46及び配線442を介して信号用端子432と導通する。
【0041】
カバー部422は、円筒状をした側壁423と、側壁423の下端部に形成されてアダプタ本体40の底面部を構成するアダプタ下壁424と、を有する。アダプタ下部材42の平面視における形状は、円形状である。本体部421とカバー部422とは、ビス止め、ねじ込み、溶着や接着等の適宜の方法により、固定される。例えば、側壁423の内側面に形成されためねじ部に、本体部421の外周端面に形成されたおねじ部がねじ込まれて、本体部421がカバー部422に固定される。
【0042】
アダプタ下壁424には、警報器端子14が挿入可能なアダプタ挿入孔47が形成されている。アダプタ挿入孔47として、二個の電源用端子挿入孔471及び二個の信号用端子挿入孔472が設けられている。電源用端子挿入孔471及び信号用端子挿入孔472は、アダプタ下壁424の中央を中心として周方向に等間隔に(角度にして90度毎に)位置している。周方向に電源用端子挿入孔471と信号用端子挿入孔472とが交互に並び、一対の電源用端子挿入孔471が互いに対向すると共に、一対の信号用端子挿入孔472が互いに対向する。電源用端子挿入孔471は、取付ベース3の電源用端子挿入孔371と同様のものであり、信号用端子挿入孔472は、取付ベース3の信号用端子挿入孔372と同様のものである。電源用端子挿入孔471には、電源用端子141が下方より挿入可能であり、信号用端子挿入孔472には、信号用端子142が下方より挿入可能である。
【0043】
警報器1を警報器用アダプタ4に取り付けるには、警報器1の電源用端子141と信号用端子142をそれぞれ、警報器用アダプタ4の電源用端子挿入孔471と信号用端子挿入孔472の所定の挿入位置より上方へ向けて挿入する。次に、警報器1を回転させると、電源用端子141は電源用端子挿入孔471内を移動すると共に、信号用端子142は信号用端子挿入孔472内を移動する。電源用端子141の先端部が、警報器用アダプタ4の受け部45に受けられると共に、信号用端子142の先端部が警報器用アダプタ4の受け部46に受けられて、警報器1が警報器用アダプタ4に装着される。警報器1の警報器用アダプタ4への装着は、警報器1の取付ベース3への装着と同様である。
【0044】
(連結向き変更部)
警報器用アダプタ4は、アダプタ上部材41に対するアダプタ下部材42の連結の向きを変更可能とする連結向き変更部5を有する。第1実施形態における連結向き変更部5は、突条51と、凹溝52と、を有するものである。
【0045】
突条51は、アダプタ上部材41に形成され、周方向に延びて周囲より突出する。具体的には、突条51は、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の外周面の全周にわたって、この外周面の上下に隣接する部分よりも外方に突出する。
【0046】
凹溝52は、アダプタ下部材42に形成され、周方向に延びて周囲より凹み突条51が挿入される。具体的には、凹溝52は、アダプタ下部材42の側壁423の内周面の全周にわたって、この内周面の上下に隣接する部分よりも外方に凹む。
【0047】
アダプタ上部材41とアダプタ下部材42との連結は、側壁423をアダプタ側壁411内に挿入し、アダプタ側壁411と側壁423の弾性変形により、突条51を凹溝52に嵌め込むことにより行う。
【0048】
アダプタ上部材41が突条51を有すると共にアダプタ下部材42が凹溝52を有することにより、平面視において、アダプタ上部材41に対するアダプタ下部材42の向きを選択的に設定することができる。これにより、アダプタ上部材41が装着される取付ベース3と、アダプタ下部材42に装着される警報器1の連結の向きを選択的に設定することが可能となる。
【0049】
第一実施形態の警報器1は人感センサ12を備えており、人感センサ12による検知領域が指向性を有している。このため、警報器用アダプタ4が連結向き変更部5を備えることにより、取付ベース3に対して警報器1を最適な向きに設定することができる。
【0050】
また、突条51及び凹溝52により、取付ベース3に対する警報器1の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0051】
なお、第一実施形態においては、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の下端部の外周面と、アダプタ下部材42の側壁423の上端部の内周面とが互いに対向していた。これに対し、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の下端部の内周面と、アダプタ下部材42の側壁423の上端部の外周面とが互いに対向してもよい。
【0052】
また、第一実施形態においては、アダプタ上部材41とアダプタ下部材42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に突条51が形成されると共に内周面に凹溝52が形成されていた。これに対し、アダプタ上部材41とアダプタ下部材42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に凹溝52が形成されると共に内周面に突条51が形成されてもよい。
【0053】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る警報器用アダプタ4について、図9に基づいて説明する。なお、第二実施形態に係る警報器用アダプタ4は、第一実施形態に係る警報器用アダプタ4と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0054】
第一実施形態では、連結向き変更部5は突条51及び凹溝52を有するものであった。これに対して、第二実施形態では、連結向き変更部5は、突部53と、凹部54と、を有するものである。
【0055】
突部53は、アダプタ上部材41に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されて周囲より突出する。具体的には、突部53は、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の外周面のいずれかの部分において、その周囲の部分よりも外方に突出する。
【0056】
凹部54は、アダプタ下部材42に形成され、周方向のいずれかの複数の部分に形成されて周囲より凹み、前記複数の部分のいずれかに選択的に前記突部が挿入される。具体的には、凹部54は、アダプタ下部材42の側壁423の内周面の全周にわたって等間隔に離れた複数個所に、周囲の内周面よりも外方に凹む。
【0057】
アダプタ上部材41とアダプタ下部材42との連結は、側壁423をアダプタ側壁411内に挿入し、アダプタ側壁411と側壁423の弾性変形により、突部53を凹部54に嵌め込むことにより行う。
【0058】
アダプタ上部材41が突部53を有すると共にアダプタ下部材42が凹部54を有することにより、平面視において、アダプタ上部材41に対するアダプタ下部材42の向きを選択的に設定することができる。これにより、アダプタ上部材41が装着される取付ベース3と、アダプタ下部材42に装着される警報器1の連結の角度を離散的に選択的に設定することが可能となる。
【0059】
なお、第二実施形態においては、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の下端部の外周面と、アダプタ下部材42の側壁423の上端部の内周面とが互いに対向していた。これに対し、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の下端部の内周面と、アダプタ下部材42の側壁423の上端部の外周面とが互いに対向してもよい。
【0060】
また、第二実施形態においては、アダプタ上部材41とアダプタ下部材42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に突部53が形成されると共に内周面に凹部54が形成されていた。これに対し、アダプタ上部材41とアダプタ下部材42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に凹部54が形成されると共に内周面に突部53が形成されてもよい。
【0061】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る警報器用アダプタ4について、図10に基づいて説明する。なお、第三実施形態に係る警報器用アダプタ4は、第一実施形態に係る警報器用アダプタ4と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0062】
第一実施形態では、連結向き変更部5は突条51及び凹溝52を有するものであった。これに対して、第三実施形態では、連結向き変更部5は、おねじ部55と、めねじ部56と、を有するものである。
【0063】
おねじ部55は、アダプタ上部材41に形成される。具体的には、おねじ部55は、アダプタ上部材41のアダプタ側壁411の外周面に形成される。
【0064】
めねじ部56は、アダプタ下部材42に形成される。具体的には、めねじ部56は、アダプタ下部材42の側壁423の内周面に形成される。
【0065】
アダプタ上部材41とアダプタ下部材42との連結は、おねじ部55とめねじ部56とを互いに螺合させることにより行う。
【0066】
アダプタ上部材41がおねじ部55を有すると共にアダプタ下部材42がめねじ部56を有することにより、平面視において、アダプタ上部材41に対するアダプタ下部材42の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0067】
なお、第三実施形態においては、アダプタ上部材41が外周面を有すると共におねじ部55を有し、アダプタ下部材42が内周面を有すると共にめねじ部56を有していた。これに対し、アダプタ下部材42が外周面を有すると共におねじ部55を有し、アダプタ上部材41が内周面を有すると共にめねじ部56を有してもよい。
【0068】
また、アダプタ下部材42に形成されたねじ孔425にねじからなる固着具48をねじ込んで、固着具48の先端部をアダプタ上部材41に押さえつけてもよい。このようにすることで、固着具48の先端部とアダプタ上部材41との間に摩擦力が発生し、アダプタ下部材42がアダプタ上部材41に対して回転しにくくなり、アダプタ下部材42がアダプタ上部材41から脱落しにくくなる。
【0069】
(第四実施形態)
次に、第四実施形態に係る警報器用アダプタ4について、図11に基づいて説明する。なお、第四実施形態に係る警報器用アダプタ4は、第一実施形態に係る警報器用アダプタ4と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0070】
第一実施形態では、連結向き変更部5は突条51及び凹溝52を有するものであった。これに対して、第四実施形態では、連結向き変更部5は、ねじ孔57と、貫通孔58と、を有するものである。
【0071】
ねじ孔57は、アダプタ上部材41に形成され、周方向のいずれかの部分に形成される。具体的には、ねじ孔57は、アダプタ上部材41の周方向の二箇所において形成される。
【0072】
貫通孔58は、アダプタ下部材42に形成され、周方向のいずれかの部分に形成される。具体的には、貫通孔58は、アダプタ下部材42の周方向の全周にわたって等間隔に離れた複数個所に形成される。
【0073】
アダプタ上部材41とアダプタ下部材42との連結は、ねじからなる固着具59をアダプタ下部材42の貫通孔58に下方より挿入し、アダプタ上部材41のねじ孔57にねじ込むことにより行う。
【0074】
アダプタ上部材41がねじ孔57を有すると共にアダプタ下部材42が貫通孔58を有し、ねじ孔57と貫通孔58の少なくともいずれかは複数形成されることにより、平面視において、アダプタ上部材41に対するアダプタ下部材42の向きを選択的に設定することができる。これにより、アダプタ上部材41が装着される取付ベース3と、アダプタ下部材42に装着される警報器1の連結の角度を離散的に選択的に設定することが可能となる。
【0075】
(変形例)
警報器1が取り付けられる部屋は、キッチンに限定されない。警報器1は、いかなる部屋の天井2にも取り付け得る。警報器本体10の形状、大きさ、材質等は、特に限定されない。警報器1は、何らかの指向性を有していると顕著な効果を得られるが、必ずしも警報器1が指向性を有することを要しない。
【0076】
人感センサ12は、赤外線検知方式のものに限定されない。警報器1は、ガス漏れの報知を行うものに限定されない。警報器1は、報知部を有し、何らかの報知を行うものであればよい。報知部による報知は、音声による報知に限定されず、光や表示等による報知であってもよい。また、警報器1は、通信ネットワークとのインターフェースや人感センサ12を備えなくてもよいし、他の機能を備えてもよい。
【0077】
ベース本体30(上パーツ31及び下パーツ32)の形状、大きさ、材質等は、特に限定されない。
【0078】
受け部331と留め具33とは別体として形成され、連結されることで電気的に接続されてもよい。受け部341と留め具34とは別体として形成され、連結されることで電気的に接続されてもよい。
【0079】
固着孔35は、上パーツ31を貫通する孔でもよいし、貫通しない凹みであってもよい。上パーツ31に形成される固着孔35の位置、個数等は、特に限定されない。
【0080】
アダプタ本体40(アダプタ上部材41及びアダプタ下部材42)の形状、大きさ、材質等は、特に限定されない。
【0081】
なお、上述した実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0082】
1 警報器
10 警報器本体
100 中央
101 側壁
102 警報器上壁
103 警報器下壁
11 電装基板
12 人感センサ
13 電気部品
14 警報器端子
141 電源用端子
142 信号用端子
15 配線
2 天井
20 天井板
21 開口
22 天井裏空間
23 室内空間
24 電源線
241 固着具
25 信号線
251 固着具
3 取付ベース
30 ベース本体
31 上パーツ
311 電源線挿通孔
312 信号線挿通孔
32 下パーツ
33 留め具
331 受け部
34 留め具
341 受け部
35 固着孔
36 固着具挿通孔
37 ベース挿入孔
371 電源用端子挿入孔
372 信号用端子挿入孔
4 警報器用アダプタ
40 アダプタ本体
41 アダプタ上部材
411 アダプタ側壁
412 アダプタ上壁
42 アダプタ下部材
421 本体部
422 カバー部
423 側壁
424 アダプタ下壁
425 ねじ孔
43 アダプタ端子
431 電源用端子
432 信号用端子
441 配線
442 配線
45 受け部
46 受け部
47 アダプタ挿入孔
471 電源用端子挿入孔
472 信号用端子挿入孔
48 固着具
5 連結向き変更部
51 突条
52 凹溝
53 突部
54 凹部
55 おねじ部
56 めねじ部
57 ねじ孔
58 貫通孔
59 固着具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11