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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170116
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】警報器用の取付ベース
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20231124BHJP
   G08B 21/16 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G08B17/00 G
G08B21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081602
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 尚克
(72)【発明者】
【氏名】牟田 幹彦
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】岡本 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 元
(72)【発明者】
【氏名】神屋 美由紀
【テーマコード(参考)】
5C086
5G405
【Fターム(参考)】
5C086AA02
5C086AA11
5C086BA01
5C086CA12
5C086CB16
5C086EA04
5C086FA06
5C086FA11
5C086GA06
5C086GA10
5C086GA13
5G405AA01
5G405AA08
5G405AB03
5G405AD06
5G405AD07
5G405CA21
5G405CA25
5G405CA55
5G405FA07
5G405FA22
(57)【要約】
【課題】天井に対する警報器の向きを選択的に設定することができる警報器用の取付ベースを提供する。
【解決手段】警報器用の取付ベース3は、天井2に固定されて、警報器1が装着される警報器用の取付ベース3である。警報器1は、警報器1上壁より上方に突出してベース挿入孔に挿入可能な警報器端子14を有するものである。取付ベース3は、天井2に固定される上パーツ31と、上パーツ31と連結される中パーツ41と、ベース下壁を有して中パーツ41と連結される下パーツ42と、を有する。下パーツ42は、ベース下壁424に形成されて警報器端子14が挿入可能なベース挿入孔47を有する。取付ベース3は、中パーツ41に対する下パーツ42の連結の向きを変更可能とする連結向き変更部5を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に固定されて、警報器が装着される警報器用の取付ベースであって、
前警報器は、警報器上壁を有する警報器本体と、前記警報器上壁より上方に突出して前記ベース挿入孔に挿入可能な警報器端子と、を有するものであり、
前記取付ベースは、天井に固定される上パーツと、前記上パーツと連結される中パーツと、ベース下壁を有して前記中パーツと連結される下パーツと、を有し、
前記下パーツは、前記ベース下壁に形成されて前記警報器端子が挿入可能なベース挿入孔を有し、
前記取付ベースは、前記中パーツに対する前記下パーツの連結の向きを変更可能とする連結向き変更部を有する
警報器用の取付ベース。
【請求項2】
前記連結向き変更部は、
前記中パーツに形成され、周方向のいずれかの部分に形成されるねじ孔と、
前記下パーツに形成され、周方向のいずれかの部分に形成される貫通孔と、を有し、
前記ねじ孔と前記貫通孔のうちの少なくとも一方は、周方向の複数の部分に形成される
請求項1に記載の警報器用の取付ベース。
【請求項3】
前記連結向き変更部は、
前記中パーツ及び前記下パーツのうちの一方に形成され、周方向に延びて周囲より突出する突条と、
前記中パーツ及び前記下パーツのうちの他方に形成され、周方向に延びて周囲より凹み前記突条が挿入される凹溝と、を有する
請求項1に記載の警報器用の取付ベース。
【請求項4】
前記連結向き変更部は、
前記中パーツ及び前記下パーツのうちの一方に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されて周囲より突出する突部と、
前記中パーツ及び前記下パーツのうちの他方に形成され、周方向のいずれかの複数の部分に形成されて周囲より凹み、前記複数の部分のいずれかに選択的に前記突部が挿入される凹部と、を有する
請求項1に記載の警報器用の取付ベース。
【請求項5】
前記連結向き変更部は、
前記中パーツと前記下パーツとに設けられ、互いに螺合するおねじ部とめねじ部と、を有する
請求項1に記載の警報器用の取付ベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に固定されて、警報器が装着される警報器用の取付ベースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス警報器である4端子機器を、天井に取り付けられた取付ベースに取り付ける取付構造が知られている(例えば特許文献1参照)。取付ベースには長孔が形成されており、この長孔に4端子機器の電源入力端子および入出力端子を挿入して、4端子機器を取付ベースに取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭58-59626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の取付構造にあっては、天井に対する4端子機器の向きを選択的に設定することができないものであった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされた発明であり、天井に対する警報器の向きを選択的に設定することができる警報器用の取付ベースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る警報器用の取付ベースは、天井に固定されて、警報器が装着される警報器用の取付ベースである。前警報器は、警報器上壁を有する警報器本体と、前記警報器上壁より上方に突出して前記ベース挿入孔に挿入可能な警報器端子と、を有するものである。前記取付ベースは、天井に固定される上パーツと、前記上パーツと連結される中パーツと、ベース下壁を有して前記中パーツと連結される下パーツと、を有する。前記下パーツは、前記ベース下壁に形成されて前記警報器端子が挿入可能なベース挿入孔を有する。前記取付ベースは、前記中パーツに対する前記下パーツの連結の向きを変更可能とする連結向き変更部を有する。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、前記中パーツに形成され、周方向のいずれかの部分に形成されるねじ孔と、前記下パーツに形成され、周方向のいずれかの部分に形成される貫通孔と、を有する。前記ねじ孔と前記貫通孔のうちの少なくとも一方は、周方向の複数の部分に形成される。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、突条と、凹溝と、を有する。前記突条は、前記中パーツ及び前記下パーツのうちの一方に形成され、周方向に延びて周囲より突出する。前記凹溝は、前記中パーツ及び前記下パーツのうちの他方に形成され、周方向に延びて周囲より凹み前記突条が挿入される。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、突部と、凹部と、を有する。前記突部は、前記中パーツ及び前記下パーツのうちの一方に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されて周囲より突出する。前記凹部は、前記中パーツ及び前記下パーツのうちの他方に形成され、周方向のいずれかの複数の部分に形成されて周囲より凹み、前記複数の部分のいずれかに選択的に前記突部が挿入される。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明に従属する発明であって、前記連結向き変更部は、前記中パーツと前記下パーツとに設けられ、互いに螺合するおねじ部とめねじ部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明にあっては、中パーツに対する下パーツの向きを選択的に設定することができ、これにより、中パーツ及び上パーツが取り付けられる天井と、下パーツに装着される警報器の連結の向きを選択的に設定することが可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明にあっては、天井に対する警報器の向きを周方向における離散的な角度に選択的に設定することができる。
【0013】
請求項3に係る発明にあっては、天井に対する警報器の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0014】
請求項4に係る発明にあっては、天井に対する警報器の向きを周方向における離散的な角度に選択的に設定することができる。
【0015】
請求項5に係る発明にあっては、天井に対する警報器の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1Aは、本発明の第一実施形態における警報器の上面図である。図1Bは、同上の実施形態における警報器の側面図である。図1Cは、同上の実施形態における警報器の下面図である。
図2図2は、同上の実施形態における天井及び取付ベースの要部側断面図である。
図3図3は、同上の実施形態における取付ベースの上パーツの下面図である。
図4図4Aは、同上の実施形態における取付ベースの中パーツの上面図である。図4Bは、同上の実施形態における中パーツの側面図である。
図5図5Aは、同上の実施形態における取付ベースの下パーツの側面図である。図5Bは、同上の実施形態における下パーツの下面図である。
図6図6Aは、第二実施形態における中パーツの突条を有する部分の側面図である。図6Bは、同上の実施形態における下パーツの凹溝を有する部分の側断面図である。
図7図7Aは、第三実施形態における中パーツの突部を有する部分の側面図である。図7Bは、同上の実施形態における下パーツの凹部を有する部分の側断面図である。
図8図8Aは、第四実施形態における中パーツのおねじ部を有する部分の側面図である。図8Bは、同上の実施形態における下パーツのめねじ部を有する部分の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、警報器用の取付ベースに関する。図1A図2に示すように、警報器用の取付ベース3は、天井2に固定されて、警報器1が装着されるものである。第一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、警報器1について説明する。
【0018】
(警報器)
図1A図1Cに示す警報器1は、天井取り付け型の警報器である。警報器1は、主に建物のキッチン等の部屋の天井2に取り付けられる。警報器1は、ガスセンサ及び報知部を有し、ガス漏れを検知してガス漏れの報知を行うガス漏れ警報器である。また、警報器1は、ガス漏れの報知を行うだけでなく、各種の情報を発信するものであってもよい。第一実施形態の警報器1は、インターネット等の通信ネットワークを介した通信を行うためのインターフェースと、マイクロコンピュータを有する制御部と、音声により報知を行う報知部と、を備えている。この警報器1は、ガス漏れの報知だけでなく、通信ネットワークを介して取得した天気情報や災害情報等を発信することができる。
【0019】
更に、第一実施形態の警報器1は、人感センサ12を備える。人感センサ12は、人体から放射される赤外線を検知するもので、人体の検知において指向性を有する。この警報器1においては、人体を検知している時にのみ、報知部による報知を行うようにすることができる。
【0020】
警報器1は、筐体(ケース)を構成する樹脂製の警報器本体10を備える。警報器本体10は、円筒状をした側壁101と、側壁101の上端部に形成されて警報器本体10の天面部を構成する警報器上壁102と、側壁101の下端部に形成されて警報器本体10の底面部を構成する警報器下壁103と、を有する。警報器上壁102及び警報器下壁103の平面視における形状は、円形状である。
【0021】
警報器本体10には、電装基板11が収納される。電装基板11は、例えばプリント配線基板である。電装基板11に、上述したガスセンサ、報知部、制御部、インターフェース及び人感センサ12が実装されている。人感センサ12は、警報器下壁103に形成された開口を介して、警報器本体10の下方に露出する。人感センサ12は、電装基板11に実装される他の電気部品13との関係から、平面視において警報器下壁103の中央100から辺縁に向けてずれた位置に配置されている。このため、人体の検知において指向性を有する人感センサ12の位置が警報器下壁103の中央100から外れて、検知の向きが真下に対して傾いた向きとなる。この警報器1における人感センサ12の検知領域は、平面視において警報器1を中心とする対称な領域とならない。すなわち、警報器1としての人感センサ12による検知領域が、指向性を有している。
【0022】
警報器1は、警報器端子14を有する。警報器端子14は、警報器上壁102より上方に突出する部分を有する。警報器端子14として、二個の電源用端子141及び二個の信号用端子142が設けられている。図1Aに示すように、電源用端子141及び信号用端子142は、警報器上壁102の中央100を中心として周方向に等間隔に(角度にして90度毎に)位置している。周方向に電源用端子141と信号用端子142とが交互に並び、一対の電源用端子141が互いに対向すると共に、一対の信号用端子142が互いに対向する。電源用端子141及び信号用端子142は、配線15を介して電装基板11と電気的に接続される。
【0023】
(天井)
次に、取付ベース3が取り付けられる天井2について説明する。図2に示すように、天井2を構成する天井板20には、天井裏空間22と室内空間23とを通じさせる開口21が形成されている。天井板20の開口21が形成された部分に、取付ベース3が取り付けられる。天井裏空間には、電源線24及び信号線25が配置されている。電源線24の一端は、例えばAC100Vの商用電源に接続される。また、信号線25の一端は、外部の集中制御装置等に接続される。
【0024】
(取付ベース)
取付ベース3は、警報器1を天井2に取り付けるための部材である。取付ベース3は、天井2に固定される。取付ベース3に警報器1が装着されることにより、警報器1は取付ベース3を介して間接的に天井2に取り付けられる。取付ベース3は、筐体(ケース)を構成する樹脂製のベース本体30を備える。ベース本体30は、上パーツ31と、中パーツ41と、下パーツ42とにより構成される。
【0025】
(上パーツ)
図3に示すように、上パーツ31の平面視における形状は、円形状である。上パーツ31は、天井板20の開口21の周囲の下面に取り付けられる。上パーツ31の天井板20への取り付けは、ビス止め等の適宜の方法により取り付けられる。
【0026】
上パーツ31には、電源線24が挿通する電源線挿通孔311及び信号線25が通る信号線挿通孔312が形成されている。上パーツ31の下面には、電源線24が接続される留め具33及び信号線25が接続される留め具34が取り付けられている。電源線24は、天井裏空間22より天井板20の開口21、上パーツ31の電源線挿通孔311を順に通り、電源線24の先端の端子が、上パーツ31の下面の留め具33にビス等の固着具241により取り付けられる。また、信号線25は、天井裏空間22より天井板20の開口21、上パーツ31の信号線挿通孔312を順に通り、信号線25の先端の端子が、上パーツ31の下面の留め具34にビス等の固着具251により取り付けられる。
【0027】
上パーツ31の下面には、警報器1の電源用端子141を受ける受け部331が設けられる。受け部331は、留め具33と電気的に接続されるもので、第一実施形態では受け部331と留め具33とが一体に形成されている。受け部331が警報器1の電源用端子141を受けることで、電源用端子141と電源線24とが導通する。
【0028】
上パーツ31の下面には、警報器1の信号用端子142を受ける受け部341が設けられる。受け部341は、留め具34と電気的に接続されるもので、第一実施形態では受け部341と留め具34とが一体に形成されている。受け部341が警報器1の信号用端子142を受けることで、信号用端子142と信号線25とが導通する。
【0029】
また、上パーツ31の下面には、ねじ孔からなる固着孔35が形成されている。固着孔35は、第一実施形態では二か所に形成されている。
【0030】
なお、電源線24は、上パーツ31の下面の留め具33に取り付け可能であるものの、本発明においては、後述する下パーツ42の受け部45に接続される。また、信号線25は、上パーツ31の下面の留め具34に取り付け可能であるものの、本発明においては、下パーツ42の受け部46に接続される。
【0031】
既存の取付ベース3を用いる場合、既存の上パーツ31の留め具33に取り付けられている電源線24を取り外して、下パーツ42の受け部45に接続し、既存の上パーツ31の留め具34に取り付けられている信号線25を取り外して、下パーツ42の受け部46に接続することができる。
【0032】
(中パーツ)
図4A及び図4Bに示すように、中パーツ41は、略円筒状をした中パーツ側壁411と、中パーツ側壁411の上端部に形成されて天面部を構成する中パーツ上壁412と、中パーツ側壁411の下端部に形成されて下面部を構成する中パーツ下壁413と、を有する。中パーツ41の平面視における形状は、C字状である。中パーツ41は、上パーツ31に装着される。中パーツ41には、上パーツ31の固着孔35に対応する位置に、固着具が挿通される貫通孔414が形成されている。
【0033】
また、中パーツ下壁413には、後述するねじ孔57が形成されている。
【0034】
(下パーツ)
図5A及び図5Bに示すように、下パーツ42は、本体部421と、カバー部422と、を有する。本体部421は、平面視円形状をした板状の部材である。
【0035】
本体部421の下面には、電源線24が接続される留め具及びこの留め具と電気的に接続される受け部45と、信号線25が接続される留め具及びこの留め具と電気的に接続される受け部46と、が取り付けられている。電源線24及び信号線25は、本体部421に形成された開口を通り、それぞれの下端に形成された端子が、ビス等の固着具により留め具に取り付けられる。受け部45は、取付ベース3の受け部331と同様のものであり、受け部46は、取付ベース3の受け部341と同様のものである。受け部45が警報器1の電源用端子141を受けることで、電源用端子141は、受け部45を介して電源線24と導通し、受け部46が警報器1の信号用端子142を受けることで、信号用端子142は、受け部46を介して信号線25と導通する。
【0036】
カバー部422は、円筒状をした側壁423と、側壁423の下端部に形成されて底面部を構成するベース下壁424と、を有する。下パーツ42の平面視における形状は、円形状である。本体部421とカバー部422とは、ビス止め、ねじ込み、溶着や接着等の適宜の方法により、固定される。例えば、側壁423の内側面に形成されためねじ部に、本体部421の外周端面に形成されたおねじ部がねじ込まれて、本体部421がカバー部422に固定される。
【0037】
ベース下壁424には、警報器端子14が挿入可能なベース挿入孔47が形成されている。ベース挿入孔47として、二個の電源用端子挿入孔471及び二個の信号用端子挿入孔472が設けられている。電源用端子挿入孔471及び信号用端子挿入孔472は、ベース下壁424の中央を中心として周方向に等間隔に(角度にして90度毎に)位置している。周方向に電源用端子挿入孔471と信号用端子挿入孔472とが交互に並び、一対の電源用端子挿入孔471が互いに対向すると共に、一対の信号用端子挿入孔472が互いに対向する。電源用端子挿入孔471には、電源用端子141が下方より挿入可能であり、信号用端子挿入孔472には、信号用端子142が下方より挿入可能である。
【0038】
(警報器の取付ベースへの装着)
警報器1を取付ベース3に取り付けるには、警報器1の電源用端子141と信号用端子142をそれぞれ、取付ベース3の電源用端子挿入孔471と信号用端子挿入孔472の所定の挿入位置より上方へ向けて挿入する。次に、警報器1を回転させると、電源用端子141は電源用端子挿入孔471内を移動すると共に、信号用端子142は信号用端子挿入孔472内を移動する。電源用端子141の先端部が、取付ベース3の受け部45に受けられると共に、信号用端子142の先端部が取付ベース3の受け部46に受けられて、警報器1が取付ベース3に装着される。
【0039】
(連結向き変更部)
取付ベース3は、中パーツ41に対する下パーツ42の連結の向きを変更可能とする連結向き変更部5を有する。第1実施形態における連結向き変更部5は、ねじ孔57と、貫通孔58と、を有するものである。
【0040】
図4A及び図4Bに示すように、ねじ孔57は、中パーツ41に形成され、周方向のいずれかの部分に形成される。具体的には、ねじ孔57は、中パーツ下壁413の周方向の複数箇所において形成される。
【0041】
図5A及び図5Bに示すように、貫通孔58は、下パーツ42に形成され、周方向のいずれかの部分に形成される。具体的には、貫通孔58は、下パーツ42の周方向の二箇所に形成される。
【0042】
図5に示すように、中パーツ41と下パーツ42との連結は、ねじからなる固着具59を下パーツ42の貫通孔58に下方より挿入し、中パーツ41のねじ孔57にねじ込むことにより行う。
【0043】
中パーツ41がねじ孔57を有すると共に下パーツ42が貫通孔58を有し、ねじ孔57と貫通孔58の少なくともいずれかは複数形成されることにより、平面視において、中パーツ41に対する下パーツ42の向きを選択的に設定することができる。これにより、中パーツ41が装着される取付ベース3と、下パーツ42に装着される警報器1の連結の角度を離散的に選択的に設定することが可能となる。
【0044】
第一実施形態の警報器1は人感センサ12を備えており、人感センサ12による検知領域が指向性を有している。このため、取付ベース3が連結向き変更部5を備えることにより、取付ベース3に対して警報器1を最適な向きに設定することができる。
【0045】
また、中パーツ41の平面視における形状をC字状とし、環状としないことにより、電源線24及び信号線25を受け部45及び受け部46に取り付けた後に、上パーツ31と下パーツ42との間に中パーツ41を挿入することができる。
【0046】
なお、中パーツ41に形成されるねじ孔57と、下パーツ42に形成される貫通孔58は、少なくともいずれかが複数個形成されていれば、下パーツ42に装着される警報器1の連結の角度を離散的に選択的に設定することが可能となる。
【0047】
中パーツ41にねじ孔57が一個又は二個又は三個形成され、下パーツ42に多数(例えば六個以上)の貫通孔58が形成されてもよいし、下パーツ42に貫通孔58が一個又は二個又は三個形成され、中パーツ41に多数(例えば六個以上)のねじ孔57が形成されてもよい。
【0048】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る取付ベース3について、図6に基づいて説明する。なお、第二実施形態に係る取付ベース3は、第一実施形態に係る取付ベース3と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0049】
第二実施形態における連結向き変更部5は、突条51と、凹溝52と、を有するものである。
【0050】
突条51は、中パーツ41に形成され、周方向に延びて周囲より突出する。具体的には、突条51は、中パーツ41の中パーツ側壁411の外周面の全周にわたって、この外周面の上下に隣接する部分よりも外方に突出する。
【0051】
凹溝52は、下パーツ42に形成され、周方向に延びて周囲より凹み突条51が挿入される。具体的には、凹溝52は、下パーツ42の側壁423の内周面の全周にわたって、この内周面の上下に隣接する部分よりも外方に凹む。
【0052】
中パーツ41と下パーツ42との連結は、側壁423を中パーツ側壁411内に挿入し、中パーツ側壁411と側壁423の弾性変形により、突条51を凹溝52に嵌め込むことにより行う。
【0053】
中パーツ41が突条51を有すると共に下パーツ42が凹溝52を有することにより、平面視において、中パーツ41に対する下パーツ42の向きを選択的に設定することができる。これにより、中パーツ41が装着される取付ベース3と、下パーツ42に装着される警報器1の連結の選択的に設定することが可能となる。
【0054】
また、突条51及び凹溝52により、取付ベース3に対する警報器1の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0055】
なお、第二実施形態においては、中パーツ41の中パーツ側壁411の下端部の外周面と、下パーツ42の側壁423の上端部の内周面とが互いに対向していた。これに対し、中パーツ41の中パーツ側壁411の下端部の内周面と、下パーツ42の側壁423の上端部の外周面とが互いに対向してもよい。
【0056】
また、第二実施形態においては、中パーツ41と下パーツ42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に突条51が形成されると共に内周面に凹溝52が形成されていた。これに対し、中パーツ41と下パーツ42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に凹溝52が形成されると共に内周面に突条51が形成されてもよい。
【0057】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る取付ベース3について、図7に基づいて説明する。なお、第三実施形態に係る取付ベース3は、第一実施形態に係る取付ベース3と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0058】
第一実施形態では、連結向き変更部5は突条51及び凹溝52を有するものであった。これに対して、第三実施形態では、連結向き変更部5は、突部53と、凹部54と、を有するものである。
【0059】
突部53は、中パーツ41に形成され、周方向のいずれかの部分に形成されて周囲より突出する。具体的には、突部53は、中パーツ41の中パーツ側壁411の外周面のいずれかの部分において、その周囲の部分よりも外方に突出する。
【0060】
凹部54は、下パーツ42に形成され、周方向のいずれかの複数の部分に形成されて周囲より凹み、前記複数の部分のいずれかに選択的に前記突部が挿入される。具体的には、凹部54は、下パーツ42の側壁423の内周面の全周にわたって等間隔に離れた複数個所に、周囲の内周面よりも外方に凹む。
【0061】
中パーツ41と下パーツ42との連結は、側壁423を中パーツ側壁411内に挿入し、中パーツ側壁411と側壁423の弾性変形により、突部53を凹部54に嵌め込むことにより行う。
【0062】
中パーツ41が突部53を有すると共に下パーツ42が凹部54を有することにより、平面視において、中パーツ41に対する下パーツ42の向きを選択的に設定することができる。これにより、中パーツ41が装着される取付ベース3と、下パーツ42に装着される警報器1の連結の角度を離散的に選択的に設定することが可能となる。
【0063】
なお、第三実施形態においては、中パーツ41の中パーツ側壁411の下端部の外周面と、下パーツ42の側壁423の上端部の内周面とが互いに対向していた。これに対し、中パーツ41の中パーツ側壁411の下端部の内周面と、下パーツ42の側壁423の上端部の外周面とが互いに対向してもよい。
【0064】
また、第三実施形態においては、中パーツ41と下パーツ42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に突部53が形成されると共に内周面に凹部54が形成されていた。これに対し、中パーツ41と下パーツ42の互いに対向する内周面と外周面のうち、外周面に凹部54が形成されると共に内周面に突部53が形成されてもよい。
【0065】
(第四実施形態)
次に、第四実施形態に係る取付ベース3について、図8に基づいて説明する。なお、第四実施形態に係る取付ベース3は、第一実施形態に係る取付ベース3と大部分において同じである。このため、第一実施形態と重複する説明は省略し、主に異なる点について説明する。
【0066】
第一実施形態では、連結向き変更部5は突条51及び凹溝52を有するものであった。これに対して、第四実施形態では、連結向き変更部5は、おねじ部55と、めねじ部56と、を有するものである。
【0067】
おねじ部55は、中パーツ41に形成される。具体的には、おねじ部55は、中パーツ41の中パーツ側壁411の外周面に形成される。
【0068】
めねじ部56は、下パーツ42に形成される。具体的には、めねじ部56は、下パーツ42の側壁423の内周面に形成される。
【0069】
中パーツ41と下パーツ42との連結は、おねじ部55とめねじ部56とを互いに螺合させることにより行う。
【0070】
中パーツ41がおねじ部55を有すると共に下パーツ42がめねじ部56を有することにより、平面視において、中パーツ41に対する下パーツ42の向きを周方向における任意の角度に設定することができる。
【0071】
なお、第四実施形態においては、中パーツ41が外周面を有すると共におねじ部55を有し、下パーツ42が内周面を有すると共にめねじ部56を有していた。これに対し、下パーツ42が外周面を有すると共におねじ部55を有し、中パーツ41が内周面を有すると共にめねじ部56を有してもよい。
【0072】
また、下パーツ42に形成されたねじ孔425にねじからなる固着具48をねじ込んで、固着具48の先端部を中パーツ41に押さえつけてもよい。このようにすることで、固着具48の先端部と中パーツ41との間に摩擦力が発生し、下パーツ42が中パーツ41に対して回転しにくくなり、下パーツ42が中パーツ41から脱落しにくくなる。
【0073】
(変形例)
警報器1が取り付けられる部屋は、キッチンに限定されない。警報器1は、いかなる部屋の天井2にも取り付け得る。警報器本体10の形状、大きさ、材質等は、特に限定されない。警報器1は、何らかの指向性を有していると顕著な効果を得られるが、必ずしも警報器1が指向性を有することを要しない。
【0074】
人感センサ12は、赤外線検知方式のものに限定されない。警報器1は、ガス漏れの報知を行うものに限定されない。警報器1は、報知部を有し、何らかの報知を行うものであればよい。報知部による報知は、音声による報知に限定されず、光や表示等による報知であってもよい。また、警報器1は、通信ネットワークとのインターフェースや人感センサ12を備えなくてもよいし、他の機能を備えてもよい。
【0075】
受け部331と留め具33とは別体として形成され、連結されることで電気的に接続されてもよい。受け部341と留め具34とは別体として形成され、連結されることで電気的に接続されてもよい。
【0076】
取付ベース3(上パーツ31、中パーツ41及び下パーツ42)の形状、大きさ、材質等は、特に限定されない。
【0077】
中パーツ41の平面視における形状は、円形状であってもよい。
【0078】
なお、上述した実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎず、本発明は上述した実施形態に限定されない。
【符号の説明】
【0079】
1 警報器
10 警報器本体
100 中央
101 側壁
102 警報器上壁
103 警報器下壁
11 電装基板
12 人感センサ
13 電気部品
14 警報器端子
141 電源用端子
142 信号用端子
15 配線
2 天井
20 天井板
21 開口
22 天井裏空間
23 室内空間
24 電源線
241 固着具
25 信号線
251 固着具
3 取付ベース
30 ベース本体
31 上パーツ
311 電源線挿通孔
312 信号線挿通孔
33 留め具
331 受け部
34 留め具
341 受け部
35 固着孔
41 中パーツ
411 中パーツ側壁
412 中パーツ上壁
413 中パーツ下壁
414 貫通孔
42 下パーツ
421 本体部
422 カバー部
423 側壁
424 ベース下壁
425 ねじ孔
45 受け部
46 受け部
47 ベース挿入孔
471 電源用端子挿入孔
472 信号用端子挿入孔
48 固着具
5 連結向き変更部
51 突条
52 凹溝
53 突部
54 凹部
55 おねじ部
56 めねじ部
57 ねじ孔
58 貫通孔
59 固着具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8