(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170128
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】印刷費用算出システム及び算出方法、印刷費用算出装置、端末装置並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231124BHJP
G03G 21/02 20060101ALI20231124BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 339
G06F3/12 324
G06F3/12 329
G06F3/12 387
G03G21/02
B41J29/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081621
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】松浦 積
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA62
2H270LA76
2H270LA97
2H270MF16
2H270MF17
2H270NA12
2H270NB14
2H270NC03
2H270NC07
2H270NC20
2H270ND03
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】在宅ワーク等において、費用管理されていない例えば個人所有のプリンタを利用した場合、印刷費用の清算を可能にするために印刷費用を自動的に算出できる印刷費用算出システム及び算出方法、印刷費用算出装置、端末装置並びにプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置2に印刷を指示する端末装置1と、端末装置と通信可能な印刷費用算出装置3とを備えた印刷費用算出システムである。端末装置1は、画像形成装置2の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、印刷費用算出装置3へ送信する送信手段16を備え、印刷費用算出装置3は、端末装置1から送信された算出用情報を基に印刷費用を算出する算出手段31と、算出手段による印刷費用の算出結果を出力する出力手段31を備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に印刷を指示する端末装置と、この端末装置と通信可能な印刷費用算出装置とを備えた印刷費用算出システムであって、
前記端末装置は、画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信する送信手段を備え、
前記印刷費用算出装置は、端末装置から送信された前記算出用情報を基に印刷費用を算出する算出手段と、前記算出手段による印刷費用の算出結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする印刷費用算出システム。
【請求項2】
前記端末装置は、費用請求するか否かを判定する請求判定手段を備えるとともに、前記請求判定手段により費用請求すると判定された場合にのみ、前記算出用情報を印刷費用算出装置へ送信する請求項1に記載の印刷費用算出システム。
【請求項3】
前記請求判定手段は、印刷対象ファイルの画像情報を用いて費用請求するか否かを判定する請求項2に記載の印刷費用算出システム。
【請求項4】
前記請求判定手段は、印刷対象ファイルの付属情報を用いて費用請求するか否かを判定する請求項2に記載の印刷費用算出システム。
【請求項5】
前記請求判定手段は、時刻情報を基に費用請求するか否かを判定する請求項2に記載の印刷費用算出システム。
【請求項6】
画像形成装置の固有の情報は画像形成装置または消耗品の少なくとも何れかの製品情報である請求項1に記載の印刷費用算出システム。
【請求項7】
画像形成装置の固有の情報は画像形成装置の消耗品の単価情報である請求項1に記載の印刷費用算出システム。
【請求項8】
前記印刷費用算出装置により算出された印刷費用を、前記端末装置のユーザーへ支払う費用清算手段を備えている請求項1~7の何れかに記載の印刷費用算出システム。
【請求項9】
前記印刷費用算出装置は、印刷費用の支払いの許否を判定する支払い判定手段と、支払い判定手段の判定結果を端末装置へ通知する通知手段を備えている請求項1~7の何れかに記載の印刷費用算出システム。
【請求項10】
前記支払い判定手段は、個人もしくはグループに予め割り当てられた費用との比較により、印刷費用の支払いの許否を判定する請求項9に記載の印刷費用算出システム。
【請求項11】
前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかにより、支払いの許否を判定する請求項9に記載の印刷費用算出システム。
【請求項12】
前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかを印刷対象ファイルの画像情報を用いて判定する請求項11に記載の印刷費用算出システム。
【請求項13】
前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかを印刷対象ファイルの付属情報を用いて判定する請求項11に記載の印刷費用算出システム。
【請求項14】
前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかを時刻情報を基に判定する請求項11に記載の印刷費用算出システム。
【請求項15】
前記端末装置から、印刷前の算出用情報の送信と、印刷後の算出用情報の送信が行われた場合、前記印刷費用算出装置の算出手段は、印刷前後の各算出用情報の受信毎に印刷費用を算出し、算出された両方の印刷費用に差異があった場合、印刷前の算出用情報を基に算出した印刷費用を印刷後の算出用情報を基に算出した印刷費用に更新する請求項1に記載の印刷費用算出システム。
【請求項16】
前記印刷費用算出装置は、印刷後の算出用情報の受信後に、費用請求対象外か否かを判定する対象可否判定手段を備え、対象可否判定手段により費用請求対象外と判定された場合、既に算出されている印刷費用をキャンセルする請求項15に記載の印刷費用算出システム。
【請求項17】
前記対象可否判定手段は、印刷前の画像情報と印刷後の画像情報との比較結果を用いて費用請求対象外か否かを判定する請求項16に記載の印刷費用算出システム。
【請求項18】
画像形成装置に印刷を指示する端末装置と、この端末装置と通信可能な印刷費用算出装置とを備えた印刷費用算出システムで実行される印刷費用算出方法であって、
前記端末装置は、画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信し、
前記印刷費用算出装置は、端末装置から送信された前記算出用情報を基に印刷費用を算出し、算出結果を出力することを特徴とする印刷費用算出方法。
【請求項19】
画像形成装置に印刷を指示する端末装置と通信可能な印刷費用算出装置であって、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、端末装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記算出用情報を基に印刷費用を算出する算出手段と、
前記算出手段による印刷費用の算出結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする印刷費用算出装置。
【請求項20】
画像形成装置に印刷を指示するとともに、前記画像形成装置での印刷費用を算出する印刷費用算出装置と通信可能な端末装置であって、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信する送信手段を備えたことを特徴とする端末装置。
【請求項21】
画像形成装置に印刷を指示する端末装置と通信可能な印刷費用算出装置のコンピュータに、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、端末装置から受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した前記算出用情報を基に印刷費用を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによる印刷費用の算出結果を出力する出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項22】
画像形成装置に印刷を指示するとともに、前記画像形成装置での印刷費用を算出する印刷費用算出装置と通信可能な端末装置のコンピュータに、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信する送信ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば個人所有のプリンタ等のように、印刷費用の管理対象ではないプリンタで印刷を行う場合でも印刷費用の算出が可能な印刷費用算出システム、及び算出方法、印刷費用算出装置、端末装置並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、在宅ワークという働き方が広まってきている。在宅ワークで使用するパーソナルコンピュータ(以下PCともいう)は会社側から付与されることが多いが、プリンタは自宅にある個人所有のものを利用する場合が多い。
【0003】
職場でプリンタを利用する場合は、トナー代などの印刷費用は会社で管理されており会社負担である。一方、自宅のプリンタは元々個人利用を想定して購入しており、利用するインク代も個人が支払っているのが一般的である。このため、在宅ワークで個人所有のプリンタを利用するとインク代は自費となってしまう。また、利用後に会社へ費用請求する方法も考えられるが正確性に欠けるという問題がある。
【0004】
なお、特許文献1には、利用者から印刷指示があると、画像形成装置は業務文書判定システムに対して印刷すべき文書が業務用か否かの判定を依頼し、業務文書判定システムは、テンプレートや画像、単語に基づき業務用か否かを判定し、業務用である場合には印刷して会社に課金し、私用と判定された場合、表示部に警告を表示し、利用者に業務用か私用かを選択指示させる一方、業務用と判定され、かつ利用者が業務用を選択指示した場合、文書格納サーバーに当該ページを格納して管理者端末に通知する技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、制御モジュールによる制御の下、機能特定モジュールは、画像形成装置の複数の機能の中から指定機能を特定し、指定機能が「Photo Print機能」である場合には、個人特定モジュールが個人IDを特定し、業務/私用区分特定モジュールが業務/私用区分を特定し、時間帯判定モジュールが時間帯を判定し、この結果に応じて、画像読出しモジュールは、画像データを読み出し、画像形成指示モジュールは、その画像データに基づく画像形成を指示し、履歴記録モジュールは、画像形成の履歴を記録し、課金モジュールは、私用の場合は個人に、それ以外の場合は部門に課金する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-207344号公報
【特許文献2】特開2005-111948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1および2に記載の技術では、印刷が業務用かどうかを判断することはできるものの、業務用の印刷を費用管理されていない例えば個人所有のプリンタで行った場合に、印刷費用の清算を可能にすることは記載されていない。
【0008】
この発明は、在宅ワーク等において、費用管理されていない例えば個人所有のプリンタを利用した場合に、印刷費用の清算を可能にするために印刷費用を自動的に算出できる印刷費用算出システム及び算出方法、印刷費用算出装置、端末装置並びにプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)画像形成装置に印刷を指示する端末装置と、この端末装置と通信可能な印刷費用算出装置とを備えた印刷費用算出システムであって、
前記端末装置は、画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信する送信手段を備え、
前記印刷費用算出装置は、端末装置から送信された前記算出用情報を基に印刷費用を算出する算出手段と、前記算出手段による印刷費用の算出結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする印刷費用算出システム。
(2)前記端末装置は、費用請求するか否かを判定する請求判定手段を備えるとともに、前記請求判定手段により費用請求すると判定された場合にのみ、前記算出用情報を印刷費用算出装置へ送信する前項1に記載の印刷費用算出システム。
(3)前記請求判定手段は、印刷対象ファイルの画像情報を用いて費用請求するか否かを判定する前項2に記載の印刷費用算出システム。
(4)前記請求判定手段は、印刷対象ファイルの付属情報を用いて費用請求するか否かを判定する前項2に記載の印刷費用算出システム。
(5)前記請求判定手段は、時刻情報を基に費用請求するか否かを判定する前項2に記載の印刷費用算出システム。
(6)画像形成装置の固有の情報は画像形成装置または消耗品の少なくとも何れかの製品情報である前項1に記載の印刷費用算出システム。
(7)画像形成装置の固有の情報は画像形成装置の消耗品の単価情報である前項1に記載の印刷費用算出システム。
(8)前記印刷費用算出装置により算出された印刷費用を、前記端末装置のユーザーへ支払う費用清算手段を備えている前項1~7の何れかに記載の印刷費用算出システム。
(9)前記印刷費用算出装置は、印刷費用の支払いの許否を判定する支払い判定手段と、支払い判定手段の判定結果を端末装置へ通知する通知手段を備えている前項1~7の何れかに記載の印刷費用算出システム。
(10)前記支払い判定手段は、個人もしくはグループに予め割り当てられた費用との比較により、印刷費用の支払いの許否を判定する前項9に記載の印刷費用算出システム。
(11)前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかにより、支払いの許否を判定する前項9に記載の印刷費用算出システム。
(12)前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかを印刷対象ファイルの画像情報を用いて判定する前項11に記載の印刷費用算出システム。
(13)前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかを印刷対象ファイルの付属情報を用いて判定する前項11に記載の印刷費用算出システム。
(14)前記支払い判定手段は、業務上必要な印刷かどうかを時刻情報を基に判定する前項11に記載の印刷費用算出システム。
(15)前記端末装置から、印刷前の算出用情報の送信と、印刷後の算出用情報の送信が行われた場合、前記印刷費用算出装置の算出手段は、印刷前後の各算出用情報の受信毎に印刷費用を算出し、算出された両方の印刷費用に差異があった場合、印刷前の算出用情報を基に算出した印刷費用を印刷後の算出用情報を基に算出した印刷費用に更新する前項1に記載の印刷費用算出システム。
(16)前記印刷費用算出装置は、印刷後の算出用情報の受信後に、費用請求対象外か否かを判定する対象可否判定手段を備え、対象可否判定手段により費用請求対象外と判定された場合、既に算出されている印刷費用をキャンセルする前項15に記載の印刷費用算出システム。
(17)前記対象可否判定手段は、印刷前の画像情報と印刷後の画像情報との比較結果を用いて費用請求対象外か否かを判定する前項16に記載の印刷費用算出システム。
(18)画像形成装置に印刷を指示する端末装置と、この端末装置と通信可能な印刷費用算出装置とを備えた印刷費用算出システムで実行される印刷費用算出方法であって、
前記端末装置は、画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信し、
前記印刷費用算出装置は、端末装置から送信された前記算出用情報を基に印刷費用を算出し、算出結果を出力することを特徴とする印刷費用算出方法。
(19)画像形成装置に印刷を指示する端末装置と通信可能な印刷費用算出装置であって、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、端末装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記算出用情報を基に印刷費用を算出する算出手段と、
前記算出手段による印刷費用の算出結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする印刷費用算出装置。
(20)画像形成装置に印刷を指示するとともに、前記画像形成装置での印刷費用を算出する印刷費用算出装置と通信可能な端末装置であって、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信する送信手段を備えたことを特徴とする端末装置。
(21)画像形成装置に印刷を指示する端末装置と通信可能な印刷費用算出装置のコンピュータに、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、端末装置から受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信した前記算出用情報を基に印刷費用を算出する算出ステップと、
前記算出ステップによる印刷費用の算出結果を出力する出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
(22)画像形成装置に印刷を指示するとともに、前記画像形成装置での印刷費用を算出する印刷費用算出装置と通信可能な端末装置のコンピュータに、
画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、前記印刷費用算出装置へ送信する送信ステップを実行させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る印刷費用算出システム及び算出方法によれば、画像形成装置に印刷を指示する端末装置から、画像形成装置による印刷費用の算出に必要な算出用情報が印刷費用算出装置へ送信される。送信される算出用情報には、画像形成装置の固有の情報が含まれている。
【0011】
算出用情報を受信した印刷費用算出装置は、算出用情報を基に印刷費用を算出し、算出結果を出力する。従って、印刷を行う画像形成装置が例えば個人所有のものであっても、印刷費用算出装置により印刷費用を算出できる。
【0012】
しかも、端末装置から印刷費用算出装置へ送信される算出用情報には、画像形成装置の固有の情報が含まれているから、画像形成装置の種類が異なっていても、精度の高い印刷費用の算出が可能となる。
【0013】
また、この発明に係る印刷費用算出装置によれば、端末装置から送信された算出用情報を基に印刷費用を算出し出力することができる。
【0014】
また、この発明に係る端末装置によれば、画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、印刷費用算出装置へ送信することができる。
【0015】
また、この発明に係るプログラムによれば、端末装置から送信された算出用情報を基に印刷費用を算出し、算出結果を出力する処理を印刷費用算出装置のコンピュータに実行させることができ、あるいは画像形成装置の固有の情報を含む印刷費用の算出に必要な算出用情報を、印刷費用算出装置へ送信する処理を、端末装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の一実施形態に係る印刷費用算出システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】この発明の一実施形態における端末装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】この発明の一実施形態における印刷費用算出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図4におけるステップS15の印刷費用の算出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】この発明の他の実施形態における端末装置の動作を示すフローチャートである。
【
図7】端末装置に表示されたプリンタドライバの印刷設定画面を示す図である。
【
図8】業務利用の印刷かどうかを判断して支払いの許否を判定する印刷費用算出装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】印刷費用算出装置が業務利用の印刷かどうかを判断して、支払いの許否を判定する場合の動作の他の例を示すフローチャートである。
【
図10】印刷費用算出装置が業務利用の印刷かどうかを判断して、支払いの許否を判定する場合の動作のさらに他の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図8~
図10で説明した印刷費用算出装置が業務利用の印刷かどうかの判断結果を受信した端末装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】この発明の他の実施形態に係る印刷費用算出システムの構成図である。
【
図13】印刷費用の清算を行うために算出用情報と共に従業員IDを送信する場合の端末装置の動作を示すフローチャートである。
【
図14】端末装置から算出用情報と従業員IDを受信した印刷費用算出装置の動作を示すフローチャートである。
【
図15】印刷費用算出装置の清算機能を使用したときの動作を示すフローチャートである。
【
図16】この発明のさらに他の実施形態における印刷費用算出装置の動作を示すフローチャートである。
【
図17】この発明のさらに他の実施形態における端末装置の動作を示すフローチャートである。
【
図18】印刷前後の算出用情報を受信した印刷費用算出装置の動作を示すフローチャートである。
【
図19】この発明のさらに他の実施形態における印刷費用算出装置の動作を示すフローチャートである。
【
図20】この発明のさらに他の実施形態における印刷費用算出装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施形態に係る印刷費用算出システムの構成を示すブロック図である。この印刷費用算出システムは、端末装置1と、画像形成装置2と、印刷費用算出装置3等を備えている。
【0019】
端末装置1はPC1aやタブレット1bからなり、印刷者が在宅ワークを行う自宅等で使用するものであり、画像形成装置2に対して印刷指示を行ったり、画像形成装置2の印刷費用を算出するための算出用情報を収集して算出依頼とともに印刷費用算出装置3に送信する等の動作を行う。また、費用算出モードを設け、費用算出モードにおいてのみ、算出用情報を収集して印刷費用算出装置3に送信する構成としても良い。端末装置1の構成を
図2のブロック図に示す。
【0020】
端末装置1は、CPU11と、RAM12と、記憶部13と、表示部14と、入力部15と、通信部16等を備えている。
【0021】
CPU11は、オペレーティングシステム(単にOSともいう)、画像形成装置2を印刷制御するためのプリンタドライバ、上述の印刷費用の算出用情報の収集、送信を行うアプリケーション(アプリケーションを単にアプリともいう)、その他各種のアプリに基づいて、端末装置1の全体を統括的に制御するが、具体的な制御内容については後述する。
【0022】
RAM12は、CPU11が動作プログラムを実行する際の作業領域を提供するメモリである。
【0023】
記憶部13は、OS、各種アプリその他のデータを保存するメモリである。
【0024】
表示部14は、ユーザーに対する操作画面や印刷対象の文書・画像、印刷費用算出装置3から通知された印刷費用の算出結果(後述)等、各種の画面やメッセージを表示するものであり、液晶等の表示デバイスにより構成されている。
【0025】
入力部15は、ユーザー操作に使用されるマウスやタッチパネル等からなる。
【0026】
通信部16は、画像形成装置2や印刷費用算出装置3との間で通信を行うための通信インターフェースとして機能する。
【0027】
端末装置1には、画像形成装置2を印刷制御するための上述したプリンタドライバがインストールされており、画像形成装置2で印刷を行うことができるようになっている。具体的には、ユーザーは、端末装置1の画面上で文書作成アプリケーション等の各種アプリケーションから印刷対象ファイルを開き、プリンタドライバを用いて用紙サイズ、片面・両面印刷、カラー・モノクロ等の機能選択を行い、その後に印刷指示を行う。また、端末装置1には、前述したように、画像形成装置2で印刷する際の印刷費用の算出に必要な算出用情報を印刷費用算出装置3に送信するためのアプリもインストールされている。
【0028】
画像形成装置2は、例えば在宅ワークを行っている個人の所有プリンタであり、端末装置1と有線または無線で通信可能となっている。
【0029】
印刷費用算出装置3は、端末装置1から送信された算出用情報を基に印刷費用を算出するとともに、算出結果を出力するものであり、会社内に設置されたPCやサーバー3аあるいは多機能デジタル複合機(MFP)等の画像形成装置3b等からなる。会社外に設置されたサーバー(クラウドサーバーを含む)であっても良い。算出結果の出力は、限定はされないが、算出結果を端末装置1に通知するために、例えばネットワークを介して端末装置1に対して行われる。この場合、端末装置1が通知された印刷費用の算出結果を表示することで、ユーザーは算出された印刷費用を認識することができる。
【0030】
印刷費用算出装置3がPCやサーバーで構成される場合、端末装置1と同様に
図2に示すように、CPU31、RAM32、記憶部33、表示部34、入力部35、通信インターフェース36等を備えた構成となる。これらの各部の機能は、記憶部33に記憶されるアプリの種類を除いて端末装置1と同様である。印刷費用算出装置3では、端末装置1から受信した算出用情報を基に印刷費用を算出したり、印刷費用の算出結果を端末装置1に通知するためのアプリが記憶されインストールされている。
【0031】
次に、
図1に示した印刷費用算出システムの動作を説明する。なお、
図3以降に示すフローチャートに示される動作は、端末装置1あるいは印刷費用算出装置3のCPU11、31等のプロセッサが、記憶部13、33等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0032】
図3及び
図4はこの発明の一実施形態を示すもので、
図3は端末装置1の動作を、
図4は印刷費用算出装置3の動作を、それぞれ説明するためのフローチャートである。
【0033】
図3のフローチャートにおいて、ステップS01では、ユーザーによる画像形成装置2に対する印刷指示があったかどうかを判断する。印刷指示がなければ(ステップS01でNO)、印刷指示があるまで待つ。印刷指示があれば(ステップS01でYES)、ステップS02で、印刷費用の算出用情報を収集し算出依頼とともに印刷費用算出装置3に送信する。
【0034】
印刷費用は主として、用紙、インク(トナーを含む)等の消耗品の使用料である。特にインクの使用料の占める割合が大きい。これらの消耗品、特にインクは画像形成装置2の種類によって異なるため、印刷費用の算出用情報には、使用される消耗品の単価特にインク単価を特定可能な画像形成装置2の固有の情報が含まれる。画像形成装置2の固有の情報としては、消耗品の単価情報そのものであっても良いし、画像形成装置2の製品情報及び/または画像形成装置2に使用されている消耗品の製品情報であっても良い。画像形成装置2や消耗品の製品情報は、例えば画像形成装置2や消耗品の名称、種別記号、製品番号等である。
【0035】
また、インクの使用量は印刷対象の画像データによっても異なるため、印刷費用の算出用情報に印刷対象の画像データを含めることが望ましい。また、消耗品の使用量に影響を与える印刷設定(たとえばカラー印刷、モノクロ印刷の指定、2ページを1枚に集約する2in1などの拡大率に関わる設定、用紙サイズ、用紙枚数等)も印刷費用の算出用情報に含めることが望ましい。
【0036】
印刷費用の算出用情報の送信後、ステップS03で、印刷費用算出装置3から印刷費用の算出結果を受信したかどうかを調べる。受信していなければ(ステップS03でNO)、受信するまで待つ。受信すると(ステップS03でYES)、ステップS04で画像形成装置2へ印刷を指示し、ステップS05で印刷完了を待ち(ステップS05でNO)、完了すると(ステップS05でYES)、処理を終了する。
【0037】
なお、ステップS04の印刷指示は、ユーザーの操作に基づいて行われても良い。また、ステップS03による算出結果の受信を待つことなく、ユーザーの操作に基づいて画像形成装置2へ印刷を指示しても良い。
【0038】
印刷費用算出装置3の動作を示す
図4のフローチャートにおいて、ステップS11では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS11でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS11でYES)、ステップS12で、端末装置1からの算出用情報を受信する。印刷費用算出装置3には画像処理機能が搭載されており、ステップS13で、算出用情報に含まれる画像データ及び印刷設定に従い、画像処理機能上で画像を仮想的に形成する。
【0039】
次いでステップS14で、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS15で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用の算出処理を行い、印刷費用を算出する。印刷費用の算出処理については後述する。
【0040】
次いで、ステップS16で、算出した印刷費用を記憶部33に出力し、記憶部33で例えば印刷を行ったユーザーと関連付けて記録する。
【0041】
その後、ステップS17で、印刷費用の算出結果を端末装置1に送信(出力)する。
【0042】
端末装置1は、通知された印刷費用の算出結果を表示部14に表示することで、ユーザーは印刷費用を認識することができる。
【0043】
ステップS15の印刷費用の算出処理のサブルーチンを
図5に示す。
【0044】
ステップS151では、端末装置1からの算出用情報に含まれている画像形成装置2の固有の情報が、画像形成装置2や消耗品の製品情報か消耗品の単価情報かを判断する。製品情報の場合はステップS152でインクや用紙等の消耗品の単価情報を取得した後、ステップS153に進む。消耗品の単価情報の場合はそのままステップS153に進む。
【0045】
ステップS153では、単価情報を用いて印刷費用を算出した後、
図4のフローチャートにリターンする。
【0046】
ステップS152での消耗品の単価情報の取得は、例えば、画像形成装置2や消耗品の名称等の製品情報から製造者を特定し、その製造者のホームページ等から取得することで行えば良い。あるいは、印刷費用算出装置3に画像形成装置2や消耗品の製品情報とインク等の消耗品の単価情報を関連付けたテーブルを保持しておき、このテーブルを参照して消耗品の単価情報を取得しても良い。
【0047】
このように、この実施形態では、画像形成装置2に印刷を指示する端末装置1から、画像形成装置2による印刷費用の算出に必要な、画像形成装置2の固有の情報である例えば画像形成装置2や消耗品の製品情報、あるいは消耗品の単価情報を含む算出用情報が印刷費用算出装置3へ送信される。算出用情報を受信した印刷費用算出装置3は、算出用情報を基に印刷費用を算出し、算出結果を端末装置1に通知する。従って、在宅ワーク等のように印刷を行う画像形成装置2が例えば個人所有のものであっても、印刷費用算出装置3により印刷費用を算出できるとともに、ユーザーは算出された印刷費用(支払金額)を認識することができる。
【0048】
しかも、算出用情報には画像形成装置2の固有の情報が含まれているから、画像形成装置2の種類が異なっていても、精度の高い印刷費用の算出が可能となる。
【0049】
なお、以上の実施形態では、印刷前に算出用情報を印刷費用算出装置3へ送信したが、算出用情報の送信は画像形成装置2による印刷中であっても良いし、印刷後であっても良い。印刷後に送信する場合、算出用情報は、印刷前に収集した情報であっても印刷後に収集した情報であっても良い。印刷後に収集した算出用情報の場合は、例えば用紙ジャムなどのトラブルが生じて印刷前に予定されていた印刷と異なっていても、実際に印刷に供したインク量や用紙枚数等に関する情報を印刷費用算出装置3へ送信することができる。
【0050】
図6は、この発明の他の実施形態における端末装置1の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、端末装置1が、画像形成装置2による印刷が業務利用かどうかを判定することで、費用請求するか否かを判定する機能を有している。
【0051】
ステップS21では、ユーザーによる画像形成装置2に対する印刷指示があったかどうかを判断する。印刷指示がなければ(ステップS21でNO)、印刷指示があるまで待つ。印刷指示があれば(ステップS21でYES)、ステップS22で、印刷が業務利用であるか否かを判断する。業務利用かどうかの判断については後述する。
【0052】
業務利用であれば(ステップS22でYES)、ステップS23で、印刷費用の算出用情報を収集し算出依頼とともに印刷費用算出装置3に送信する。つまり費用請求をする。次いでステップS24で、印刷費用算出装置3から印刷費用の算出結果を受信したかどうかを調べる。受信していなければ(ステップS24でNO)、受信するまで待つ。受信すると(ステップS24でYES)、ステップS25に進む。
【0053】
ステップS22で業務利用でなければ(ステップS22でNO)、算出用情報を送信することなく(費用請求することなく)、ステップS25に進む。
【0054】
ステップS25では画像形成装置2へ印刷を指示し、ステップS26で印刷完了を待ち(ステップS26でNO)、完了すると(ステップS26でYES)、処理を終了する。
【0055】
なお、ステップS25の印刷指示は、ユーザーの操作に基づいて行われても良い。また、ステップS24による算出結果の受信を待つことなく、ユーザーの操作に基づいて画像形成装置2へ印刷を指示しても良い。
【0056】
ステップS22での業務利用かどうかの判断方法の一つとして、ユーザーが業務利用であることを申告する方法を挙げることができる。具体的には、
図7に示すように、端末装置1の表示部14に表示されたプリンタドライバの印刷設定画面G1において、「業務外印刷」ボタン141を表示し、「業務外印刷」ボタン141がオン(チェック)されたときは業務外利用と判断し、チェックされなかったときは業務利用と判断する方法を挙げることができる。この方法ではユーザーの意思を尊重することができる。
【0057】
また、業務利用かどうかの他の判断方法として、端末装置1が印刷対象の画像データを分析して判断する方法を挙げることができる。具体的には、画像データが業務利用であることを示す予め登録された文字、パターン、ウォーターマーク等を有しているかどうかを調べ、有している場合は業務利用と判断すれば良い。あるいはヘッダーやフッターに会社名等の文字が存在しているかどうかや、電子メール文書を印刷する場合は電子メールの送信先や受信先を基に業務利用かどうかを判断しても良い。
【0058】
また、業務利用かどうかのさらに他の判断方法として、端末装置1が印刷対象ファイルの付属情報を調べて判断する方法を挙げることができる。付属情報としては、ファイル名、ファイル保存場所、ファイル所有者、ウェブページの印刷の場合のURL(Uniform Resource Locator)等を挙げることができる。例えばファイル名が業務に関するものである場合や、ファイル保存場所が社内サーバーであるような場合には、業務利用であると判断できる。
【0059】
また、業務利用かどうかのさらに他の判断方法として、ユーザーが印刷を行おうとする現在の時刻情報を基に判断しても良い。例えば、現在の時刻が業務時間内であれば業務利用と判断すればよい。
【0060】
このように、
図6に示した実施形態では、端末装置1が業務利用の印刷かどうかを判断し、業務利用である場合にのみ印刷費用の算出用情報を印刷費用算出装置3へ送信するから、業務利用でない場合の不正請求を防止できる。
【0061】
図6で説明した実施形態では、端末装置1が業務利用の印刷かどうかを判断したが、印刷費用算出装置3が判断する実施形態であっても良い。
【0062】
図8は、業務利用の印刷かどうかを判断して支払いの許否を判定する印刷費用算出装置3の動作を示すフローチャートである。
図8の例では、業務利用の印刷かどうかを印刷対象のファイル(画像データ)を基に判断している。
【0063】
ステップS31では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS31でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS31でYES)、ステップS32で、端末装置1からの算出用情報を受信したのち、ステップS33で、算出用情報に含まれる画像データ及び印刷設定に従い、画像処理機能上で画像を仮想的に形成する。
【0064】
次いでステップS34で、形成した画像が業務範囲内かどうか、つまり業務利用かどうかを判断する。画像が業務範囲内かどうかは、画像が業務範囲内であることを示す予め登録された文字、パターン、ウォーターマーク等を有しているかどうかを調べ、有している場合は業務範囲内と判断すれば良い。あるいはヘッダーやフッターに会社名等の文字が存在しているかどうかや、電子メールの送信先や受信先を基に業務利用かどうかを判断しても良い。
【0065】
ステップS34で業務範囲内の画像であれば(ステップS34でYES)、ステップS35で支払いを許可するものとし、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS36で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用の算出処理を行い、印刷費用を算出する。印刷費用の算出処理は
図4のフローチャートに示したステップS15の処理と同じである。
【0066】
次いで、ステップS37で、算出した印刷費用を例えば印刷を行ったユーザーと関連付けて記録したのち、ステップS38に進む。
【0067】
ステップS34で業務範囲内の画像でなければ(ステップS34でNO)、ステップS39で算出結果を「支払い不可」としたのち、ステップS38に進む。
【0068】
ステップS38では、支払いを許可された場合は、算出された印刷費用を端末装置1に通知し、「支払い不可」の場合はその旨を端末装置1に通知する。
【0069】
端末装置1は、通知された印刷費用の算出結果を表示部14に表示することで、ユーザーは支払いが許可された印刷費用または支払いが許可されなかったことを認識することができる。
【0070】
図9は、印刷費用算出装置3が業務利用の印刷かどうかを判断して、支払いの許否を判定する場合の動作の他の例を示すフローチャートである。
図9の例では、業務利用の印刷かどうかを、印刷対象ファイルの付属情報の一つであるファイル保存場所を基に判断している。
【0071】
ステップS41では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS41でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS41でYES)、ステップS42で、印刷対象ファイルの保存場所の情報を含む算出用情報を端末装置1から受信したのち、ステップS43で、印刷対象ファイルの保存場所が社内サーバーであるかどうかを判断する。また、付属情報としての印刷対象ファイル名を判断に利用する場合は、ファイル名が業務に関するものであれば業務範囲内と判断すればよい。判断に利用できる他の付属情報として、ファイル所有者、ウェブページの印刷の場合のURL等を挙げることができる。
【0072】
ステップS43で、印刷対象ファイルの保存場所が社内サーバーであれば(ステップS43でYES)、ステップS44で支払いを許可するものとし、算出用情報に含まれる画像データ及び印刷設定に従い、画像処理機能上で画像を仮想的に形成する。
【0073】
次いでステップS45で、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS46で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用の算出処理を行い、印刷費用を算出する。印刷費用の算出処理は
図4のフローチャートに示したステップS15の処理と同じである。
【0074】
次いで、ステップS47で、算出した印刷費用を印刷を行ったユーザーと関連付けて記録したのち、ステップS48に進む。
【0075】
ステップS43で、印刷対象ファイルの保存先が社内サーバーでなければ(ステップS43でNO)、ステップS49で算出結果を「支払い不可」としたのち、ステップS48に進む。
【0076】
ステップS48では、算出結果つまり支払いを許可された場合は算出された印刷費用を端末装置1に通知し、「支払い不可」の場合はその旨を端末装置1に通知する。
【0077】
図10は、印刷費用算出装置3が業務利用の印刷かどうかを判断して、支払いの許否を判定する場合の動作のさらに他の例を示すフローチャートである。
図10の例では、業務利用の印刷かどうかを時刻情報を基に判断している。
【0078】
ステップS51では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS51でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS51でYES)、ステップS52で算出用情報を端末装置1から受信したのち、ステップS53で現在の時刻が業務時間内であるかどうかを判断する。業務時間が社員毎に異なる場合は、社員毎の勤怠情報を参照しても良い。
【0079】
現在の時刻が業務時間内であれば(ステップS53でYES)、以後、ステップS54~ステップS58の処理を行う。現在の時刻が業務時間内でなければ(ステップS53でNO)、ステップS59で支払いを「不可」としたのち、ステップS58に進む。
【0080】
なお、
図10に示すステップS54~ステップS58の処理は、
図9のステップS44~ステップS48の処理と同じであるので、説明は省略する。
【0081】
図8~
図10のフローチャートで動作を説明した印刷費用算出装置3では、印刷費用算出装置3が業務利用の印刷かどうかを判断するので、端末装置1が業務利用の印刷かどうかを判断しなくても良く、端末装置1のそれぞれに業務利用の印刷かどうかを判断する機能を設ける必要はなくなる。
【0082】
図11は、
図8~
図10のフローチャートで説明した印刷費用算出装置3が業務利用の印刷かどうかの判断結果を受信した端末装置1の動作を説明するためのフローチャートである。この例では、端末装置1が個人所有のものか会社所有のものかによって異なった処理を行うようになっている。
【0083】
ステップS61では、ユーザーによる画像形成装置2に対する印刷指示があったかどうかを判断する。印刷指示がなければ(ステップS61でNO)、印刷指示があるまで待つ。印刷指示があれば(ステップS61でYES)、ステップS62で、印刷費用の算出用情報を収集し算出依頼とともに印刷費用算出装置3に送信する。
【0084】
次にステップS63で、印刷費用算出装置3から印刷費用の算出結果を受信したかどうかを調べる。受信していなければ(ステップS63でNO)、受信するまで待つ。受信すると(ステップS63でYES)、ステップS64で、印刷費用算出装置3からの結果が「支払い不可」かどうかを判断する。「支払い不可」でなければ(ステップS64でNO)、ステップS65で画像形成装置2へ印刷を指示し、ステップS66で印刷完了を待って処理を終了する。
【0085】
一方、ステップS64で「支払い不可」であれば(ステップS64でYES)、ステップS67で、端末装置1は会社所有のもの(ユーザーに貸与されている)かどうかを端末装置1に保存されている情報を基に調べる。会社所有のものでなければ(ステップS67でNO)、ステップS65に進んで画像形成装置2へ印刷を指示する。会社所有のものであれば(ステップS67でYES)、業務以外の印刷を禁止するため、処理を終了する。
【0086】
図12はこの発明の他の実施形態に係る印刷費用算出システムの構成図である。この印刷費用算出システムは、
図1に示した印刷費用算出システムにおける端末装置1、画像形成装置2及び印刷費用算出装置3に加え、印刷費用算出装置3で算出した印刷費用をユーザーに支払うための清算手段4を備えている。清算手段4は印刷費用算出装置3とは別のPCやサーバー等により構成されていても良いし、印刷費用算出装置3が清算手段4の機能を有していても良い。この実施形態では、印刷費用算出装置3が清算手段4の機能を有しているものとして説明する。
【0087】
図13は、印刷費用の清算のために算出用情報と共に従業員IDを送付する端末装置1の動作を示すフローチャートである。
【0088】
ステップS71では、ユーザーによる画像形成装置2に対する印刷指示があったかどうかを判断する。印刷指示がなければ(ステップS71でNO)、印刷指示があるまで待つ。印刷指示があれば(ステップS71でYES)、ステップS72で、従業員であることを示す識別記号(従業員ID)と印刷費用の算出用情報を収集し算出依頼とともに印刷費用算出装置3に送信する。
【0089】
次にステップS73で、印刷費用の算出結果を受信したかどうかを調べる。受信していなければ(ステップS73でNO)、受信するまで待つ。受信すると(ステップS73でYES)、ステップS74で画像形成装置2へ印刷を指示し、ステップS75で印刷完了を待って処理を終了する。
【0090】
図14は、端末装置1から算出用情報と従業員IDを受信した印刷費用算出装置3の動作を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS81では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS81でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS81でYES)、ステップS82で、端末装置1からの従業員IDと算出用情報を受信したのち、ステップS13で、算出用情報に含まれる画像データ及び印刷設定に従い、画像処理機能上で画像を仮想的に形成する。
【0092】
次いでステップS84で、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS85で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用の算出処理を行い、印刷費用を算出する。この印刷費用の算出処理は
図4のフローチャートのステップS15の印刷費用の算出処理と同じであるため、説明は省略する。
【0093】
次いで、ステップS86で、算出した印刷費用を従業員IDと関連付けて記録したのち、ステップS87で印刷費用の算出結果を端末装置1に送信する。
【0094】
なお、精算手段4が印刷費用算出装置3とは別の外部装置である場合、印刷費用算出装置3が算出した印刷費用と従業員IDを精算手段に出力し、精算手段4が従業員IDに関連付けて印刷費用を記憶しても良い。
【0095】
図15は、印刷費用算出装置3の清算機能を使用したときの動作を示すフローチャートである。
【0096】
ステップS91で清算要求があったかどうかを判断し、なければ(ステップS91でNO)、清算要求を待つ。清算要求があれば(ステップS91でYES)、ステップS92で、清算要求を行った従業員に対応する従業員IDに記録されている金額を合計したのち、ステップS93で従業員口座等への支払い完了を待つ(ステップS93でNO)。
【0097】
支払いが完了すると(ステップS93でYES)、ステップS94で、従業員IDに記録されている金額をクリアする。
【0098】
このようして、在宅ワーク等において個人所有の画像形成装置2で印刷を行った場合の印刷費用を清算することができる。
【0099】
図16は、この発明のさらに他の実施形態における印刷費用算出装置3の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、印刷を行うユーザー毎に例えば月単位あるいは日単位で支払い金額に上限値が設定されており、上限値を超えると支払いを許可しないようになっている。
【0100】
ステップS101では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS101でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS101でYES)、ステップS102で、端末装置1からの従業員IDと算出用情報を受信したのち、ステップS103で、算出用情報に含まれる画像データ及び印刷設定に従い、画像処理機能上で画像を仮想的に形成する。
【0101】
次いでステップS104で、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS105で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用の算出処理を行い、印刷費用を算出する。この印刷費用の算出処理は
図4のフローチャートのステップS15の印刷費用の算出処理と同じである。
【0102】
次いで、ステップS106で、従業員IDに記録されている金額(印刷費用)と算出した費用を合計し、ステップS107で、合計値がそのユーザーに設定されている上限値以内かどうかを判断する。上限値以内であれば(ステップS107でYES)、ステップS108で、合計値を従業員IDと関連付けて記録したのち、ステップS109に進む。上限値以内でなければ(ステップS107でNO)、ステップS110で、算出結果を「支払い不可」としたのち、ステップS109に進む。
【0103】
ステップS109では、算出結果つまり算出された印刷費用か「支払い不可」を端末装置1に送信する。
【0104】
このように、ユーザーへの支払いに一定の上限値を設けることで、印刷費用の増大を抑制することができる。
【0105】
なお、支払金額の上限値はユーザー個人に設定されても良いし、ユーザーが属する組織等のグループ単位で設定されても良い。
【0106】
図17は、この発明のさらに他の実施形態における端末装置1の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、画像形成装置2による印刷の前後の算出用情報から、それぞれ印刷費用を算出し、算出された両方の印刷費用に差異があった場合、先の算出費用である印刷前の算出用情報を基に算出された印刷費用を更新するものである。
【0107】
ステップS121では、ユーザーによる画像形成装置2に対する印刷指示があったかどうかを判断する。印刷指示がなければ(ステップS121でNO)、印刷指示があるまで待つ。印刷指示があれば(ステップS121でYES)、ステップS122で、印刷費用の算出用情報を収集し算出依頼とともに印刷費用算出装置3に送信する。
【0108】
次いでステップS123で、印刷費用算出装置3から印刷費用の算出結果を受信したかどうかを調べる。受信していなければ(ステップS123でNO)、受信するまで待つ。受信すると(ステップS123でYES)、ステップS124で画像形成装置2へ印刷を指示し、ステップS125で印刷完了を待つ(ステップS125でNO)。
【0109】
印刷が完了すると(ステップS125でYES)、ステップS126で、用紙ジャム等のエラーの発生の有無を示す印刷結果と、実際の印刷枚数や画像形成装置2の固有の情報を含む算出用情報とを印刷費用算出装置3に送信する。
【0110】
図18は、印刷前後の算出用情報を受信した印刷費用算出装置3の動作を示すフローチャートである。
【0111】
ステップS131では、端末装置1から算出依頼があったかどうかを判断し、なければ(ステップS131でNO)、算出依頼があるまで待つ。算出依頼があると(ステップS131でYES)、ステップS132で、端末装置1からの算出用情報を受信したのち、ステップS133で、算出用情報に含まれる画像データ及び印刷設定に従い、画像処理機能上で画像を仮想的に形成する。
【0112】
次いでステップS134で、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS135で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用の算出処理を行い、印刷費用を算出する。この印刷費用の算出処理は
図4のフローチャートのステップS15の印刷費用の算出処理と同じである。
【0113】
次いで、ステップS136で、ユーザーと関連付けて記録したのち、ステップS137で、算出結果を端末装置1に送信する。
【0114】
その後、ステップS138で、印刷結果及び算出用情報を受信するのを待ち(ステップS138でNO)、受信すると(ステップS138でYES)、ステップS139で、形成した画像から使用インク量を算出したのち、ステップS140で、算出した使用インク量や用紙枚数等を基に印刷費用を算出処理し、ステップS141に進む。
【0115】
ステップS141では、印刷前の算出結果と印刷後の算出結果を比較して、結果が同じつまり印刷費用が同じであるかどうかを調べる。同じであれば(ステップS141でYES)、何もしない。同じでなければ(ステップS141でNO)、ステップS142で印刷後の算出結果を上書き記録する。なお、印刷費用が異なる場合、印刷後の算出結果を端末装置1に通知しても良い。
【0116】
このようにこの実施形態では、画像形成装置2の印刷前後に印刷費用を算出し、異なった場合は実際の印刷に基づいて算出結果が修正されるから、用紙ジャムが発生したり印刷が途中でキャンセルされたような場合であっても、精度の高い印刷費用の算出が可能となる。
【0117】
図19は、この発明のさらに他の実施形態における印刷費用算出装置3の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、印刷後の画像が業務範囲内かどうかを判断することで費用請求対象かどうか判断し、費用請求対象外の場合は算出した印刷費用をキャンセルする構成となっている。
【0118】
図19において、ステップS151~ステップS158の動作は、
図18のステップS131~ステップS138の動作と同じであるので、説明は省略する。
【0119】
ステップS159では、ステップS158で受信した算出用情報に含まれる印刷後の画像が業務範囲内かどうかを判断する。画像が業務範囲内かどうかは、前述した
図8のフローチャートのステップS34と同様に、画像が業務範囲内であることを示す予め登録された文字、パターン、ウォーターマーク等を有しているかどうかを調べ、有している場合は業務範囲内と判断すれば良い。あるいはヘッダーやフッターに会社名等の文字が存在しているかどうかや、電子メールの送信先や受信先を基に業務利用かどうかを判断しても良い。
【0120】
印刷後の画像が業務範囲内であれば、(ステップS159でYES)、ステップS160で、費用請求対象であると判断して印刷後の費用を算出して記録する。印刷後の画像が業務範囲内でなければ、(ステップS159でNO)、ステップS161で、費用請求対象外であると判断して算出した印刷費用をクリア(キャンセル)する。
【0121】
このようにこの実施形態では、印刷後の画像が業務範囲内である場合にのみ印刷費用の支払い対象となるため、個人利用の印刷に費用が支払われるのを防止できる。
【0122】
図20は、この発明のさらに他の実施形態における印刷費用算出装置3の動作を示すフローチャートである。この実施形態では、印刷前後の画像が同じかどうかを比較し異なっている場合は算出した印刷費用をキャンセルする構成となっている。
【0123】
図20において、ステップS171~ステップS178の動作は、
図18のステップS131~ステップS138の動作と同じであるので、説明は省略する。
【0124】
ステップS179では、印刷前の画像と印刷後の画像が同じかどうかを判断する。同じ場合は(ステップS179でYES)、費用請求対象であると判断して何もしない。従ってこの場合は算出された印刷費用が支払われる。一方、印刷前後の画像が同じでなければ(ステップS159でNO)、ステップS180で、費用請求対象外であると判断して印刷費用をクリア(キャンセル)する。
【0125】
このようにこの実施形態では、印刷前後の画像が同じである場合にのみ印刷費用の支払い対象となるため、印刷費用の算出用情報が送信されたのちの印刷対象ファイルの意図的な変更による不正請求を防止できる。
【0126】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、各実施形態はそれぞれ独立していなくても良く、各実施形態の2つ以上を組み合わせた構成としても良い。
【符号の説明】
【0127】
1 端末装置
1a PC
1b タブレット
2 画像形成装置
3 印刷費用算出装置
3a PC、サーバー
3b 画像形成装置
4 清算装置
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 表示部
15 入力部
16 通信部
141 「業務外印刷」ボタン