(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170181
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】テーブル案内装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20231124BHJP
F16C 31/04 20060101ALI20231124BHJP
B23Q 1/01 20060101ALI20231124BHJP
B23Q 1/58 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B65G47/52 D
F16C31/04
B23Q1/01 W
B23Q1/58 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081730
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000229335
【氏名又は名称】日本トムソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(74)【代理人】
【識別番号】100158861
【弁理士】
【氏名又は名称】南部 史
(74)【代理人】
【識別番号】100194674
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 覚史
(72)【発明者】
【氏名】三浦 利夫
【テーマコード(参考)】
3C048
3F044
3J104
【Fターム(参考)】
3C048BB03
3C048BC02
3C048CC04
3C048DD02
3F044AA11
3F044AA13
3F044BA07
3F044CC01
3F044CC15
3J104AA23
3J104AA64
3J104AA75
3J104DA20
3J104EA01
3J104EA04
(57)【要約】
【課題】装置のコンパクト化を図りながら、適切にテーブルを搬送することができるテーブル案内装置を提供する。
【解決手段】テーブル案内装置は、ベース部と、第1固定レールと、第2固定レールと、第1回転台と、第1可動レールと、スライダと、複数の転動体と、スライダに取り付けられるテーブルと、を備える。第1回転台が第1の位置にあるときに、第1固定レール軌道面に第1可動レール軌道面が連なって配置される。第1回転台が第1の位置から第1回転軸を中心に回転して第2の位置にあるときに、第2固定レールの延びる方向に第1可動レールが連なって配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面を有するベース部と、
前記第1の面上に固定され、真っ直ぐに延びる第1固定レール軌道面を有する第1固定レールと、
前記第1固定レールと間隔をあけて前記第1の面上に固定され、真っ直ぐに延びる第2固定レール軌道面を有する第2固定レールと、
前記ベース部に取り付けられ、前記第1の面に垂直な第1回転軸を中心に回転可能な第1回転台と、
前記第1回転台上に固定され、真っ直ぐに延びる第1可動レール軌道面を有する第1可動レールと、
スライダ軌道面を有し、前記第1固定レール、前記第2固定レールおよび前記第1可動レールを摺動可能なスライダと、
前記第1固定レール軌道面、前記第2固定レール軌道面および第1可動レール軌道面のうちのいずれか一つと前記スライダ軌道面とから構成される軌道路を転動する複数の転動体と、
前記スライダに取り付けられるテーブルと、を備え、
前記第1回転台が第1の位置にあるときに、前記第1固定レール軌道面に前記第1可動レール軌道面が連なって配置され、
前記第1回転台が前記第1の位置から前記第1回転軸を中心に回転して第2の位置にあるときに、前記第2固定レールの延びる方向に前記第1可動レールが連なって配置される、テーブル案内装置。
【請求項2】
前記第1回転台は、前記第1の位置または前記第2の位置にあるときに前記ベース部と接触して前記第1回転台の回転方向における移動を規制する第1位置決め部を含む、請求項1に記載のテーブル案内装置。
【請求項3】
前記第1位置決め部は、前記第1回転台の外方側に突出した突出部を含み、
前記ベース部は、前記第1の面と交差する側面を含み、
前記突出部は、前記第1回転台が前記第1の位置または前記第2の位置にあるときに、前記側面と接触する、請求項2に記載のテーブル案内装置。
【請求項4】
前記第1固定レールと前記第2固定レールとは、平行に配置されており、
前記第2の位置は、前記第1回転軸を中心に前記第1の位置から180度回転させた位置である、請求項1または請求項2に記載のテーブル案内装置。
【請求項5】
前記ベース部は、板状であり、
前記第1の面は、前記ベース部の厚さ方向の一方側に位置する面であり、
前記ベース部は、厚さ方向の他方側に位置する第2の面を有し、
前記第1の面は、第1領域と、
前記第1領域よりも厚さの薄い第2領域と、を含み、
前記第1固定レールおよび前記第2固定レールはそれぞれ、前記第1領域上に配置され、
前記第1回転台は、前記第2領域上に配置される、請求項1または請求項2に記載のテーブル案内装置。
【請求項6】
前記ベース部に取り付けられ、前記第1回転台と異なる位置に配置されており、前記第1の面に垂直な第2回転軸を中心に回転可能な第2回転台と、
前記第2回転台上に固定され、真っ直ぐに延びる第2可動レール軌道面を有する第2可動レールと、をさらに備え、
前記スライダは、前記第2可動レールを摺動可能であり、
前記複数の転動体は、前記第2可動レール軌道面と前記スライダ軌道面とから構成される軌道路を転動可能であり、
前記第2回転台が第3の位置にあるときに、前記第1固定レール軌道面に前記第2可動レール軌道面が連なって配置され、
前記第2回転台が前記第3の位置から前記第2回転軸を中心に回転して第4の位置にあるときに、前記第2固定レールの延びる方向に前記第2可動レールが連なって配置される、請求項1または請求項2に記載のテーブル案内装置。
【請求項7】
前記第1固定レールと前記第2固定レールとは、平行に配置されており、
前記第2の位置は、前記第1回転軸を中心に前記第1の位置から180度回転させた位置であり、
前記第4の位置は、前記第2回転軸を中心に前記第3の位置から180度回転させた位置である、請求項6に記載のテーブル案内装置。
【請求項8】
前記第1回転台と前記第2回転台とは、連動して回転可能である、請求項6に記載のテーブル案内装置。
【請求項9】
前記転動体は、ボールを含む、請求項1または請求項2に記載のテーブル案内装置。
【請求項10】
前記スライダに付与される予圧は、0より大きく8020N以下である、請求項1または請求項2に記載のテーブル案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、テーブル案内装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
互いに対向して配置される2本のガイドレールを含むワークの搬送装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に開示のワークの搬送装置は、ワークを搭載する搬送治具と、搬送治具を走行可能に保持する第1のガイドレールと、搬送治具が移載される第2のガイドレールと、第2のガイドレールに対して第1のガイドレールを位置決めするアライメント機構と、を具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、半導体の組み立てや検査を行う際に、センサ等を取り付けるワークやテーブルを搬送するテーブル案内装置がある。テーブル案内装置は、レールに沿って、スライダに取り付けられたテーブルを搬送する。テーブル案内装置において、異なる位置に配置された複数のレール間にわたって、テーブルを搬送する場合がある。この時、テーブルを方向転換させて搬送させる必要がある。このようなテーブル案内装置について、装置のコンパクト化を図りながら、適切にテーブルを搬送することが求められている。
【0005】
そこで、装置のコンパクト化を図りながら、適切にテーブルを搬送することができるテーブル案内装置を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従ったテーブル案内装置は、第1の面を有するベース部と、第1の面上に固定され、真っ直ぐに延びる第1固定レール軌道面を有する第1固定レールと、第1固定レールと間隔をあけて第1の面上に固定され、真っ直ぐに延びる第2固定レール軌道面を有する第2固定レールと、ベース部に取り付けられ、第1の面に垂直な第1回転軸を中心に回転可能な第1回転台と、第1回転台上に固定され、真っ直ぐに延びる第1可動レール軌道面を有する第1可動レールと、スライダ軌道面を有し、第1固定レール、第2固定レールおよび第1可動レールを摺動可能なスライダと、第1固定レール軌道面、第2固定レール軌道面および第1可動レール軌道面のうちのいずれか一つとスライダ軌道面とから構成される軌道路を転動する複数の転動体と、スライダに取り付けられるテーブルと、を備える。第1回転台が第1の位置にあるときに、第1固定レール軌道面に第1可動レール軌道面が連なって配置される。第1回転台が第1の位置から第1回転軸を中心に回転して第2の位置にあるときに、第2固定レールの延びる方向に第1可動レールが連なって配置される。
【発明の効果】
【0007】
上記テーブル案内装置によれば、装置のコンパクト化を図りながら、適切にテーブルを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態1におけるテーブル案内装置を示す概略斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すテーブル案内装置の概略平面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すテーブル案内装置の概略側面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すテーブル案内装置の概略正面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示すテーブル案内装置の一部を拡大して示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、第1スライダを第1可動レール上に搬送した状態を示す概略平面図である。
【
図7】
図7は、第1回転台が第2の位置にある状態を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、第1スライダを第2固定レール上に搬送した状態を示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態の概要]
本開示のテーブル案内装置は、第1の面を有するベース部と、第1の面上に固定され、真っ直ぐに延びる第1固定レール軌道面を有する第1固定レールと、第1固定レールと間隔をあけて第1の面上に固定され、真っ直ぐに延びる第2固定レール軌道面を有する第2固定レールと、ベース部に取り付けられ、第1の面に垂直な第1回転軸を中心に回転可能な第1回転台と、第1回転台上に固定され、真っ直ぐに延びる第1可動レール軌道面を有する第1可動レールと、スライダ軌道面を有し、第1固定レール、第2固定レールおよび第1可動レールを摺動可能なスライダと、第1固定レール軌道面、第2固定レール軌道面および第1可動レール軌道面のうちのいずれか一つとスライダ軌道面とから構成される軌道路を転動する複数の転動体と、スライダに取り付けられるテーブルと、を備える。第1回転台が第1の位置にあるときに、第1固定レール軌道面に第1可動レール軌道面が連なって配置される。第1回転台が第1の位置から第1回転軸を中心に回転して第2の位置にあるときに、第2固定レールの延びる方向に第1可動レールが連なって配置される。
【0010】
テーブル案内装置においては、テーブルが取り付けられたスライダが、レールに沿って摺動する。スライダは、スライダの軌道面とレールの軌道面とから構成される軌道路内に配置される複数の転動体の転動により、円滑に摺動する。テーブル案内装置において、真っ直ぐに延びる第1のレールと、第1のレールと離隔して配置され、真っ直ぐに延びる第2のレールとにわたってテーブルを搬送する場合がある。このような場合において、円弧状のレールを準備し、2本のレールのそれぞれの端部同士を繋ぎ合わせるように円弧状のレールを配置し、円弧状のレールに沿ってスライダを摺動させることによりテーブルを方向転換させて、第1のレールから第2のレールにテーブルを搬送することが考えられる。
【0011】
しかし、このような構成によると、円弧状のレールを摺動する際のスライダの円滑な摺動を確保するためには、スライダの裕度、すなわち、レールの軌道面とスライダの軌道面との間隔を大きく設けなければならない。そうすると、スライダの摺動時におけるがたつきが大きくなってしまう。特に方向を転換させる際にテーブルに取り付けたセンサによる検知等の作業をしようとする場合、スライダに取り付けられたテーブルの位置もがたつくことになる。その結果、方向転換時における正確な位置でのセンサによる検知を行うことが困難となる。また、軌道面同士の間隔が大きくなってしまうため、スライダとレールの間に配置される転動体に対して、十分な予圧をかけることができなくなる。そうすると、例えば温度変化時による寸法変化等に起因して、予圧が抜けてしまう可能性が高くなる。このような状況では、適切にテーブルの方向転換を行ってテーブルを搬送することが困難である。
【0012】
このようながたつきを抑制するには、軌道面同士の間隔をできるだけ小さくする必要がある。この時、円弧状のレールの曲率半径を大きくして、できるだけ直線に近くすることが考えられる。すなわち、スライダの円滑な摺動を確保するためには、円弧状のレールにおける円弧の径を大きくする必要がある。しかしこのような構成を採用すると、必然的に装置が大型化してしまい、装置のコンパクト化を図ることが困難となって好ましくない。
【0013】
本開示のテーブル案内装置によると、第1固定レールから第2固定レールへテーブルを搬送する際に、まず、第1回転台を第1の位置にする。そうすると、第1固定レールと第1回転台上に固定される第1可動レールとが真っ直ぐに配置され、第1固定レール軌道面と第1可動レール軌道面とが連なる。したがって、第1固定レールから第1可動レールまで直線運動によりテーブルを取り付けたスライダを搬送することができる。第1可動レールまでスライダを搬送した後、第1可動レール上にスライダを配置した状態で、第1回転軸を中心に第1回転台を回転させる。第1回転台を第2の位置まで回転させると、第1可動レールと第2固定レールとが真っ直ぐに配置され、第1可動レール軌道面と第2固定レール軌道面とが連なる。したがって、第1可動レールから第2固定レールまで直線運動によりスライダを搬送することができる。
【0014】
このような構成によると、円弧状のレールを用いる必要は無いため、装置のコンパクト化を図ることが容易となる。そして、第1可動レールは真っ直ぐに延びる構成であるため、軌道面同士の間隔を大きくしなくてもよく、方向転換時において第1可動レールを摺動するスライダのがたつきを抑制することができる。また、スライダとレールとの間に配置される転動体に適度な予圧を付与することができ、方向転換時において精度のよいテーブルの配置を実現することができる。したがって、方向転換時においても、適切にテーブルを用いた作業も可能となる。以上より、このようなテーブル案内装置によると、装置のコンパクト化を図りながら、適切にテーブルを搬送することができる。
【0015】
上記テーブル案内装置において、第1回転台は、第1の位置または第2の位置にあるときにベース部と接触して第1回転台の回転方向における移動を規制する第1位置決め部を含んでもよい。このようにすることにより、第1位置決め部をベース部と接触させた状態として第1回転台の移動を規制した状態で、第1固定レールと第1可動レールとをずれなく連ねて配置することが容易となる。したがって、スライダの第1固定レールから第1可動レールへの移動を円滑に行うことが容易となる。また、第1固定レールから第1可動レールへスライダを移動させる際に、スライダがレールから脱落するおそれを大きく低減することができる。
【0016】
上記テーブル案内装置において、第1位置決め部は、第1回転台の外方側に突出した突出部を含んでもよい。ベース部は、第1の面と交差する側面を含んでもよい。突出部は、第1回転台が第1の位置または第2の位置にあるときに、側面と接触してもよい。このようにすることにより、第1位置決め部の構成をよりシンプルにしながら、突出部とベース部の側面とを接触させて、確実に位置決めを行うことができる。したがって、より確実に第1回転台の移動を規制することができる。
【0017】
上記テーブル案内装置において、第1固定レールと第2固定レールとは、平行に配置されていてもよい。第2の位置は、第1回転軸を中心に第1の位置から180度回転させた位置であってもよい。このようにすることにより、ベース部の第1の面上に第1固定レールと第2固定レールとが平行に配置された状態において、第1固定レールから第2固定レールまで円滑にスライダを搬送することができる。
【0018】
上記テーブル案内装置において、ベース部は、板状であってもよい。第1の面は、ベース部の厚さ方向の一方側に位置する面であってもよい。ベース部は、厚さ方向の他方側に位置する第2の面を有してもよい。第1の面は、第1領域と、第1領域よりも厚さの薄い第2領域と、を含んでもよい。第1固定レールおよび第2固定レールはそれぞれ、第1領域上に配置されてもよい。第1回転台は、第2領域上に配置されてもよい。このようにすることにより、第1領域と第2領域との間の段差を利用して、所定の厚さを有する第1回転台上に固定された第1可動レールの高さと第1固定レールの高さとを合わせることが容易となる。したがって、厚さ方向(高さ方向)において、第1固定レールと第1可動レールとを滑らかに連ねることが容易となる。したがって、より円滑にスライダの第1固定レールから第1可動レールへの搬送を行うことができる。
【0019】
上記テーブル案内装置は、ベース部に取り付けられ、第1回転台と異なる位置に配置されており、第1の面に垂直な第2回転軸を中心に回転可能な第2回転台と、第2回転台上に固定され、真っ直ぐに延びる第2可動レール軌道面を有する第2可動レールと、をさらに備えてもよい。スライダは、第2可動レールを摺動可能であってもよい。複数の転動体は、第2可動レール軌道面とスライダ軌道面とから構成される軌道路を転動可能であってもよい。第2回転台が第3の位置にあるときに、第1固定レール軌道面に第2可動レール軌道面が連なって配置されてもよい。第2回転台が第3の位置から第2回転軸を中心に回転して第4の位置にあるときに、第2固定レールの延びる方向に第2可動レールが連なって配置されてもよい。このようにすることにより、第1回転台上に固定された第1可動レールに加え、第2回転台上に固定された第2可動レールを利用して、テーブルを取り付けたスライダを搬送することができる。したがって、より利便性の向上を図ることができる。
【0020】
上記テーブル案内装置において、第1固定レールと第2固定レールとは、平行に配置されていてもよい。第2の位置は、第1回転軸を中心に第1の位置から180度回転させた位置であってもよい。第4の位置は、第2回転軸を中心に第3の位置から180度回転させた位置であってもよい。このようにすることにより、ベース部の第1の面上に第1固定レールと第2固定レールとが平行に配置された状態において、第1固定レールと、第1可動レールと、第2固定レールと、第2可動レールとを利用して、テーブルを取り付けたスライダを循環させることができる。
【0021】
上記テーブル案内装置において、第1回転台と第2回転台とは、連動して回転可能であってもよい。このようにすることにより、第1回転台と第2回転台とを効率よく回転させることができ、スライダの方向転換を容易に行うことができる。
【0022】
上記テーブル案内装置において、転動体は、ボールであってもよい。このようにすることにより、装置をよりコンパクトにすることができる。
【0023】
上記テーブル案内装置において、スライダに付与される予圧は、0より大きく8020N以下であってもよい。このようにすることにより、スライダがいずれのレール上においても適切に予圧が付与されている状態を維持することができ、いずれのレール上でもスライダの正確な位置決めを行うことができる。
【0024】
[実施形態の具体例]
次に、本開示のテーブル案内装置の具体的な実施の形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0025】
(実施の形態1)
まず、本開示の実施の形態である実施の形態1について説明する。
図1は、本開示の実施の形態1におけるテーブル案内装置を示す概略斜視図である。
図1および以下に示す図において、X方向は、テーブル案内装置の長手方向を示し、Y方向は、テーブル案内装置の幅方向である短手方向を示し、Z方向は、テーブル案内装置の厚さ方向(高さ方向)を示す。X方向、Y方向およびZ方向はそれぞれ、直交している。
【0026】
図2は、
図1に示すテーブル案内装置の概略平面図である。
図2は、
図1に示すテーブル案内装置を矢印Zで示す向きと逆の向きに見た図である。
図3は、
図1に示すテーブル案内装置の概略側面図である。
図3は、
図1に示すテーブル案内装置を矢印Yで示す向きに見た図である。
図4は、
図1に示すテーブル案内装置の概略正面図である。
図4は、
図1に示すテーブル案内装置を矢印Xで示す向きに見た図である。
図5は、
図1に示すテーブル案内装置の一部を拡大して示す概略断面図である。
【0027】
図1~
図5を参照して、本開示の実施の形態1に係るテーブル案内装置10aは、ベース部11aと、第1固定レール12aと、第2固定レール12bと、スライダ(第1スライダ)13aと、スライダ(第2スライダ)13bと、テーブル(第1テーブル)14aと、テーブル(第2テーブル)14bと、第1回転台15aと、第2回転台15bと、第1可動レール16aと、第2可動レール16bと、複数の転動体としてのボール19aと、を含む。以下、各部材の構成の詳細について説明する。
【0028】
ベース部11aは、Z方向を厚さ方向とする板状である。ベース部11aの外形形状は、厚さ方向(Z方向)に見て、X方向を長手方向とし、Y方向を短手方向とする矩形状である。ベース部11aは、厚さ方向の一方側に位置する第1の面21aと、厚さ方向の他方側に位置する第2の面22aと、を含む。第2の面22aは、一つの平面から構成されている。第1の面21aは、それぞれ平面である第1領域23aと、第2領域24aと、第3領域25aと、を含む。第1領域23aは、長手方向(X方向)において、第2領域24aと第3領域25aに挟まれた領域である。第1領域23aの厚さT1は、第2領域24aおよび第3領域の25aの厚さT2よりも厚い。すなわち、第1領域23aと第2領域24aとの間および第1領域23aと第3領域25aとの間には、それぞれ段差が設けられている。第2領域24aの厚さと第3領域25aの厚さは、同じである。ベース部11aは、第1の面21aと交差する2つの側面である第1側面26aおよび第2側面27aを含む。具体的には、ベース部11aは、Y方向の一方側に位置する第1側面26aと、Y方向の他方側に位置する第2側面27aと、を含む。第1側面26aおよび第2側面27aは共に、第1の面と垂直な面である。
【0029】
第1固定レール12aは、真っ直ぐに延びる第1固定レール軌道面31aを有する。第1固定レール軌道面31aは、第1固定レール12aの長手方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)の両側面から内側に凹むように一対設けられている。本実施形態においては、後述する転動体は、ボール19aであるため、第1固定レール軌道面31aは、長手方向に見て円弧状の面を含む。第1固定レール12aは、Z方向に貫通する取り付け孔32aが長手方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態においては、取り付け孔32aは、3つ設けられている。第1固定レール12aは、この取り付け孔32aを利用して、ボルト(図示せず)によりベース部11aの第1の面21aの第1領域23aに固定される。第1固定レール12aは、第1固定レール軌道面31aが真っ直ぐに延びる方向がX方向となるように取り付けられる。この時、第1固定レール12aは、第1領域23aにおいて、第1側面26aに沿って取り付けられる。
【0030】
第2固定レール12bは、第1固定レール12aと同様に、真っ直ぐに延び、円弧状に凹む一対の第2固定レール軌道面31bを有する。また、第2固定レール12bには、複数の取り付け孔32bが設けられている。第2固定レール12bは、第1固定レール12aと同様に、ベース部11aの第1の面21aの第1領域23aに図示しないボルトにより固定されている。第2固定レール12bは、第2固定レール軌道面31bが真っ直ぐに延びる方向がX方向となるように取り付けられる。第2固定レール12bは、第1領域23aにおいて、第2側面27aに沿って取り付けられる。第2固定レール12bは、第1固定レール12aと平行になるように配置される。本実施形態においては、第1固定レール12aと第2固定レール12bとは、Y方向に間隔をあけて、X方向が長手方向となるよう配置されている。また、一対の第1固定レール軌道面31aのうちの一方が、一対の第2固定レール軌道面31bの一方と、Y方向において対向するように設けられる。
【0031】
第1スライダ13aは、第1固定レール12a、第2固定レール12b、第1可動レール16aおよび第2可動レール16bを摺動可能である。第1スライダ13aは、筐体を構成するケース33aを含む。第1スライダ13aは、
図1に示す形態において、第1固定レール12a上に配置されている。第1スライダ13aは、第1固定レール12aを跨ぐように配置されている。
【0032】
第2スライダ13bは、第1スライダ13aと同様の構成であり、ケース33bを含み、第1固定レール12a、第2固定レール12b、第1可動レール16aおよび第2可動レール16bを摺動可能である。
図1に示す形態において、第2スライダ13bは、第2可動レール16b上に配置されている。
【0033】
本実施形態においては、複数の転動体としてのボール19a(特に
図5参照)は、第1スライダ13aおよび第2スライダ13bに保持されている。例えば、ボール19aは、鋼球である。ボール19aの具体的な材質としては、例えば炭素鋼である。第1スライダ13aに保持されているボール19aは、第1固定レール軌道面31a、第2固定レール軌道面31b、後述する第1可動レール軌道面37aおよび後述する第2可動レール軌道面37bのうちのいずれか一つと第1スライダ13aのスライダ軌道面34aとから構成される軌道路35aを転動する。同様に、第2スライダ13bに保持されているボール19aは、第1固定レール軌道面31a、第2固定レール軌道面31b、第1可動レール軌道面37aおよび第2可動レール軌道面37bのうちのいずれか一つと第2スライダ13bのスライダ軌道面とから構成される軌道路を転動する。
【0034】
第1スライダ13aには、予圧が付与されている。第1スライダ13aに付与される予圧はそれぞれ、0より大きく8020N以下である。本実施形態においては、ボール19aの径D2は、軌道路35aの径D1よりもやや大きく構成されており、この寸法差に起因して第1スライダ13aと第1固定レール12a、第2固定レール12b、第1可動レール16aまたは第2可動レール16bとの間に配置されるボール19aに若干の弾性変形を加え、第1スライダ13aに予圧を付与する。このようにすることにより、第1スライダ13aがいずれのレール上においても適切に予圧が付与されている状態を維持することができ、いずれのレール上でも第1スライダ13aの正確な位置決めを行うことができる。なお、第1スライダ13aに付与される予圧を0より大きく6400N以下とすることにより、より正確な位置決めを行うことができる。また、第2スライダ13bについても同様に、0より大きく8020N以下の予圧が付与されている。
【0035】
第1テーブル14aは、第1スライダ13aに取り付けられている。第1テーブル14aは、Y-Z平面で切断した場合の断面がL字状であって、Z方向に貫通する取り付け孔36aが複数設けられている。本実施形態においては、取り付け孔36aは、それぞれX方向およびY方向に間隔をあけて4つ設けられている。第1テーブル14aは、この取り付け孔36aを利用して、ボルト(図示せず)により第1スライダ13aのケース33aに固定されている。第1テーブル14aには、例えば半導体装置を製造する際に用いられるセンサや製造治具が取り付け可能に構成されている。第2テーブル14bは、第1テーブルと同様に、断面L字状の形状を有する。第2テーブル14bについても、複数の取り付け孔36bを利用して、ボルト(図示せず)により第2スライダ13bのケース33bに固定されている。
【0036】
第1回転台15aは、平板状である。第1回転台15aの厚さT3は、厚さT2の第2領域24aに第1回転台15aを配置した際に、厚さT3と厚さT2とを足し合わせて第1領域23aの厚さT1になる厚さである。第1回転台15aは、厚さ方向(Z方向)に見て側面が半円弧状である第1部分41aと、側面が矩形状の一部である第2部分42aと、を含む。第1回転台15aは、ベース部11a上、具体的には、第1回転台15aは、ベース部11aの第1の面21a上において、第2領域24a上に配置されている。第1回転台15aは、ベース部11aに取り付けられている。第1回転台15aは、第1回転軸43aを中心に回転可能に構成されている。具体的には、ベース部11aの第1の面21aの第2領域24aにおいて、垂直に第1回転軸43aが延びるように設けられており、その第1回転軸43aを円弧の中心とするように、第1回転台15aが第1回転軸43aに取り付けられている。第1回転軸43aは、ベース部11aを厚さ方向に貫通するようにベース部11aに取り付けられている。なお、第1回転軸43aには、ベース部11aの第2の面22a側に配置され、第1回転台15aを回転させる際に用いられる第1ピニオン44aが取り付けられている。この第1ピニオン44aと図示しないラックを用いて、第1回転軸43aを中心に第1回転台15aを回転させることができる。
【0037】
第2回転台15bは、第1回転台15aと同様に、平板状であって、厚さ方向(Z方向)に見て側面が半円弧状である第1部分41bと、側面が矩形状の一部である第2部分42bと、を含む。第2回転台15bは、ベース部11aの第1の面21a上において、第3領域25a上に配置されている。第2回転台15bは、ベース部11aに取り付けられている。第2回転台15bは、第2回転軸43bを中心に回転可能に構成されている。具体的には、ベース部11aの第1の面21aの第3領域25aにおいて、垂直に第2回転軸43bが延びるように設けられており、その第2回転軸43bを円弧の中心とするように、第2回転台15bが第2回転軸43bに取り付けられている。第2回転軸43bは、ベース部11aを厚さ方向に貫通するようにベース部11aに取り付けられている。なお、第2回転軸43bには、ベース部11aの第2の面22a側に配置され、第2回転台15bを回転させる際に用いられる第2ピニオン44bが取り付けられている。この第2ピニオン44bと図示しないラックを用いて、第2回転軸43bを中心に第2回転台15bを回転させることができる。すなわち、第1回転台15aと第2回転台15bとは、連動して回転可能である。
【0038】
第1可動レール16aは、真っ直ぐに延びる第1可動レール軌道面37aを有する。第1可動レール軌道面37aは、第1可動レール16aの長手方向に垂直な方向の両側面から内側に凹むように一対設けられている。本実施形態においては、転動体は、ボール19aであるため、第1可動レール軌道面37aは、第1固定レール軌道面31aおよび第2固定レール軌道面31bと同様に円弧状の面を含む。第1可動レール16aは、Z方向に貫通する取り付け孔38aが長手方向に間隔をあけて複数設けられている。本実施形態においては、取り付け孔38aは、2つ設けられている。第1可動レール16aは、この取り付け孔38aを利用して、ボルト(図示せず)により第1回転台15aの第2部分42aに固定される。この時、第1可動レール16aは、第2部分42aにおいて、第3側面28aに沿って取り付けられる。
【0039】
第2可動レール16bは、第1可動レール16aと同様に、真っ直ぐに延び、円弧状に凹む一対の第2可動レール軌道面37bを有する。また、第2可動レール16bには、複数の取り付け孔38bが設けられている。第2可動レール16bは、この取り付け孔38bを利用して、ボルト(図示せず)により第2回転台15bの第2部分42bに固定される。この時、第2可動レール16bは、第2部分42bにおいて、第4側面29aに沿って取り付けられる。
【0040】
ここで、第1回転台15aは、第1の位置および第2の位置を取り得る。第2の位置は、第1回転軸43aを中心に第1の位置から180度回転させた位置である。
図1および
図5においては、第1回転台15aが第1の位置にあるときの状態を示す。後述する
図7および
図8においては、第1回転台15aが第2の位置にあるときの状態を示す。第1回転台15aが第1の位置にあるときに、第1固定レール軌道面31aに第1可動レール軌道面37aが連なって配置される。第1回転台15aが第1の位置から第1回転軸43aを中心に第1回転台15aを回転させて第2の位置にあるときに、第2固定レール軌道面31bに第1可動レール軌道面37aが連なって配置される。
【0041】
第1回転台15aは、2つの第1位置決め部46a,47aを含む。第1位置決め部46a,47aは、第1回転台15aの外方側に突出した突出部48a,49aを含む。本実施形態においては、第1位置決め部46a,47aはそれぞれ、突出部48a,49aである。第1位置決め部46a(突出部48a)は、第1回転台15aが第1の位置にあるときにベース部11aと接触して第1回転台15aの回転方向における移動を規制する。具体的には、第1位置決め部46a(突出部48a)が、ベース部11aの第1側面26aと接触して、第1回転台15aの回転方向における移動を規制する。また、第1位置決め部47a(突出部49a)は、第1回転台15aが第2の位置にあるときにベース部11aと接触して第1回転台15aの回転方向における移動を規制する。具体的には、第1位置決め部47a(突出部49a)が、ベース部11aの第2側面27aと接触して、第1回転台15aの回転方向における移動を規制する。
【0042】
第2回転台15bは、第3の位置および第4の位置を取り得る。第4の位置は、第2回転軸43bを中心に第3の位置から180度回転させた位置である。第2回転台15bが第3の位置にあるときに、第1固定レール軌道面31aに第2可動レール軌道面37bが連なって配置される。第2回転台15bが第3の位置から第2回転軸43bを中心に第2回転台15bを回転させて第4の位置にあるときに、第2固定レール軌道面31bに第2可動レール軌道面37bが連なって配置される。
【0043】
第2回転台15bは、2つの第2位置決め部46b,47bを含む。第2位置決め部46b,47bは、第2回転台15bの外方側に突出した突出部48b,49bを含む。本実施形態においては、第2位置決め部46b,47bはそれぞれ、突出部48b,49bである。第2位置決め部47b(突出部49b)は、第2回転台15bが第3の位置にあるときにベース部11aと接触して第2回転台15bの回転方向における移動を規制する。具体的には、第2位置決め部47b(突出部49b)が、ベース部11aの第1側面26aと接触して、第2回転台15bの回転方向における移動を規制する。また、第2位置決め部46b(突出部48b)は、第2回転台15bが第4の位置にあるときにベース部11aと接触して第2回転台15bの回転方向における移動を規制する。具体的には、第2位置決め部46b(突出部48b)が、ベース部11aの第2側面27aと接触して、第2回転台15bの回転方向における移動を規制する。
【0044】
次に、テーブル案内装置10aにおいて、第1固定レール12a上に配置された第1スライダ13aを第2固定レール12bに搬送する動作について説明する。まず、第1回転台15aを第1の位置となるよう回転させる。この時、第1位置決め部47a(突出部49a)が、ベース部11aの第2側面27aと接触するまで矢印R
1と逆の向きに第1回転台15aを回転させる。第1の位置においては、第1固定レール軌道面31aと第1可動レール軌道面37aとが真っ直ぐに連なった状態となる。この状態として、第1スライダ13aを第1固定レール12a上から第1可動レール16a上へ搬送する。
図6は、第1スライダ13aを第1可動レール16a上に搬送した状態を示す概略平面図である。この時、第1固定レール軌道面31aと第1可動レール軌道面37aとが連なっているため、円滑に第1スライダ13aを搬送することができる。
【0045】
その後、第1回転台15aを第1の位置から第2の位置へ矢印R
1で示す向きに回転させる。
図7は、第1回転台15aが第2の位置にある状態を示す概略平面図である。この時、第1位置決め部47a(突出部49a)が、ベース部11aの第2側面27aと接触するまで矢印R
1と逆の向きに第1回転台15aを回転させる。第2の位置においては、第2固定レール軌道面31bと第1可動レール軌道面37aとが真っ直ぐに連なった状態となる。この状態として、第1スライダ13aを第1可動レール16a上から第2固定レール12b上へ搬送する。
図8は、第1スライダ13aを第2固定レール12b上に搬送した状態を示す概略平面図である。この時、第1可動レール軌道面37aと第2固定レール軌道面31bとが連なっているため、円滑に第1スライダ13aを搬送することができる。
【0046】
同様に、第2回転台15bを回転させて第3の位置および第4の位置として、第2固定レール12b上から第2可動レール16b上を経由して、再び、第1固定レール12a上に第1スライダ13aを搬送することができる。第2スライダ13bについても同様に搬送して、第1固定レール12a上、第1可動レール16a上、第2固定レール12b上および第2可動レール16b上を搬送することができる。
【0047】
すなわち、このような構成のテーブル案内装置10aによると、第1固定レール12aから第2固定レール12bへ第1テーブル14aを搬送する際に、まず、第1回転台15aを第1の位置にする。そうすると、第1固定レール12aと第1回転台15a上に固定される第1可動レール16aとが真っ直ぐに配置され、第1固定レール軌道面31aと第1可動レール軌道面37aとが連なる。したがって、第1固定レール12aから第1可動レール16aまで直線運動により第1テーブル14aを取り付けた第1スライダ13aを搬送することができる。第1可動レール16aまで第1スライダ13aを搬送した後、第1可動レール16a上に第1スライダ13aを配置した状態で、第1回転軸43aを中心に第1回転台15aを回転させる。第1回転台15aを第2の位置まで回転させると、第1可動レール16aと第2固定レール12bとが真っ直ぐに配置され、第1可動レール軌道面37aと第2固定レール軌道面31bとが連なる。したがって、第1可動レール16aから第2固定レール12bまで直線運動により第1スライダ13aを搬送することができる。
【0048】
このような構成によると、円弧状のレールを用いる必要は無いため、装置のコンパクト化を図ることが容易となる。そして、第1可動レール16aは真っ直ぐに延びる構成であるため、軌道面同士の間隔を大きくしなくてもよく、方向転換時において第1可動レール16aを摺動する第1スライダ13aのがたつきを抑制することができる。また、第1スライダ13aと各レールとの間に配置されるボール19aに適度な予圧を付与することができ、方向転換時において精度のよい第1テーブル14aの配置を実現することができる。したがって、方向転換時においても、適切に第1テーブル14aを用いた作業も可能となる。以上より、このようなテーブル案内装置10aによると、装置のコンパクト化を図りながら、適切に第1テーブル14aを搬送することができる。第2回転台15bを用いた第1スライダ13aの搬送および第2スライダ13bにおける搬送についても同様に行うことができる。
【0049】
本実施形態においては、第1回転台15aは、第1の位置または第2の位置にあるときにベース部11aと接触して第1回転台15aの回転方向における移動を規制する第1位置決め部46a,47aを含む。よって、第1位置決め部46a,47aをベース部11aと接触させた状態として第1回転台15aの移動を規制した状態で、第1固定レール12aと第1可動レール16aとをずれなく連ねて配置することが容易となる。したがって、第1スライダ13aの第1固定レール12aから第1可動レール16aへの移動を円滑に行うことが容易となる。また、第1固定レール12aから第1可動レール16aへ第1スライダ13aを移動させる際に、第1スライダ13aがレールから脱落するおそれを大きく低減することができる。
【0050】
本実施形態においては、第1位置決め部46a,47aは、第1回転台15aの外方側に突出した突出部48a,49aを含む。ベース部11aは、第1の面21aと交差する側面である第1側面26aおよび第2側面27aを含む。突出部48a,49aは、第1回転台15aが第1の位置または第2の位置にあるときに、第1側面26aまたは第2側面27aと接触する。よって、第1位置決め部46a,47aの構成をよりシンプルにしながら、突出部48a,49aとベース部11aの第1側面26aおよび第2側面27aとを接触させて、確実に位置決めを行うことができる。したがって、より確実に第1回転台15aの移動を規制することができる。
【0051】
本実施形態においては、第1固定レール12aと第2固定レール12bとは、平行に配置されている。第2の位置は、第1回転軸43aを中心に第1の位置から180度回転させた位置である。よって、ベース部11aの第1の面21a上に第1固定レール12aと第2固定レール12bとが平行に配置された状態において、第1固定レール12aから第2固定レール12bまで円滑に第1スライダ13aを搬送することができる。
【0052】
本実施形態においては、ベース部11aは、板状である。第1の面21aは、ベース部11aの厚さ方向の一方側に位置する面である。ベース部11aは、厚さ方向の他方側に位置する第2の面22aを有する。第1の面21aは、第1領域23aと、第1領域23aよりも厚さの薄い第2領域24aと、を含む。第1固定レール12aおよび第2固定レール12bはそれぞれ、第1領域23a上に配置されている。第1回転台15aは、第2領域24a上に配置されている。よって、第1領域23aと第2領域24aとの間の段差を利用して、所定の厚さを有する第1回転台15a上に固定された第1可動レール16aの高さと第1固定レール12aの高さとを合わせることが容易となる。したがって、厚さ方向(高さ方向)において、第1固定レール12aと第1可動レール16aとを滑らかに連ねることが容易となる。したがって、より円滑に第1スライダの第1固定レール12aから第1可動レール16aへの搬送を行うことができる。
【0053】
本実施形態においては、ベース部に取り付けられ、第1回転台と異なる位置に配置されており、第1の面に垂直な第2回転軸を中心に回転可能な第2回転台と、第2回転台上に固定され、真っ直ぐに延びる第2可動レール軌道面を有する第2可動レールと、をさらに備えてもよい。スライダは、第2可動レールを摺動可能であってもよい。複数の転動体は、第2可動レール軌道面とスライダ軌道面とから構成される軌道路を転動可能であってもよい。第2回転台が第3の位置にあるときに、第1固定レール軌道面に第2可動レール軌道面が連なって配置されてもよい。第2回転台が第3の位置から第2回転軸を中心に第2回転台を回転させて第4の位置にあるときに、第2固定レールの延びる方向に第2可動レールが連なって配置されてもよい。このようにすることにより、第1回転台上に固定された第1可動レールに加え、第2回転台上に固定された第2可動レールを利用して、テーブルを取り付けたスライダを搬送することができる。したがって、より利便性の向上を図ることができる。
【0054】
本実施形態においては、第4の位置は、第2回転軸43bを中心に第3の位置から180度回転させた位置である。よって、ベース部11aの第1の面21a上に第1固定レール12aと第2固定レール12bとが平行に配置された状態において、第1固定レール12aと、第1可動レール16aと、第2固定レール12bと、第2可動レール16bとを利用して、第1テーブル14aを取り付けた第1スライダ13aを循環させることができる。
【0055】
本実施形態においては、第1回転台15aと第2回転台15bとは、連動して回転可能である。よって、第1回転台15aと第2回転台15bとを効率よく回転させることができ、第1スライダ13aの方向転換を容易に行うことができる。
【0056】
本実施形態においては、転動体は、ボールである。よって、装置をよりコンパクトにすることができる。
【0057】
本実施形態においては、第1スライダ13aに付与される予圧は、0より大きく8020N以下である。よって、第1スライダ13aがいずれのレール上においても適切に予圧が付与されている状態を維持することができ、いずれのレール上でも第1スライダ13aの正確な位置決めを行うことができる。
【0058】
(他の実施の形態)
なお、上記実施の形態においては、転動体としてボールを用いることとしたが、これに限らず、転動体としてころを用いることとしてもよい。このようにすることにより、サイズをコンパクトにしながらスライダの定格荷重を大きくすることができる。
【0059】
また、上記実施の形態においては、テーブル案内装置は、2つのスライダおよび2つのテーブルを含むこととしたが、これに限らず、テーブル案内装置は、1つのスライダおよび1つのテーブルを含むこととしてもよく、3つ以上のスライダおよび3つ以上のテーブルを含むこととしてもよい。また、テーブル案内装置は、第1回転台と第2回転台のいずれか一方を含むこととしてもよい。
【0060】
なお、上記実施の形態においては、第1位置決め部は、突出部であることとしたが、これに限らず、第1位置決め部は、ベース部に含まれていてもよい。すなわち、ベース部から突出する部分が、第1回転台が第1の位置にあるときに、第1回転台の一部と接触して、第1回転台の回転方向の移動を規制する構成を採用することにしてもよい。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0062】
10a テーブル案内装置、11a ベース部、12a 第1固定レール、12b 第2固定レール、13a 第1スライダ、13b 第2スライダ、14a 第1テーブル、14b 第2テーブル、15a 第1回転台、15b 第2回転台、16a 第1可動レール、16b 第2可動レール、19a ボール、21a 第1の面、22a 第2の面、23a 第1領域、24a 第2領域、25a 第3領域、26a 第1側面、27a 第2側面、28a 第3側面、29a 第4側面、31a 第1固定レール軌道面、31b 第2固定レール軌道面、32a,32b,36a,36b,38a,38b 取り付け孔、33a,33b ケース、34a スライダ軌道面、35a 軌道路、37a 第1可動レール軌道面、37b 第2可動レール軌道面、41a,41b 第1部分、42a,42b 第2部分、43a 第1回転軸、43b 第2回転軸、44a 第1ピニオン、44b 第2ピニオン、46a,47a 第1位置決め部、46b,47b 第2位置決め部、48a,48b,49a,49b 突出部。