(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170207
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081773
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田畑 朋美
(72)【発明者】
【氏名】松尾 綾
(72)【発明者】
【氏名】助光 康大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】精度を可変なレコメンドサービスを提供する。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、ユーザの興味関心幅の指定を受け付ける受付部と、興味関心幅の指定に基づいて、ユーザを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報(広告等)を提供する提供部とを備えることを特徴とする。例えば、受付部は、ユーザから、ユーザの興味関心幅の指定を受け付け、提供部は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報をユーザに提供する。あるいは、受付部は、情報の提供元(広告主等)から、情報の提供対象となるユーザの興味関心幅の指定を受け付け、提供部は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を、情報の提供対象となるユーザに提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの興味関心幅の指定を受け付ける受付部と、
前記興味関心幅の指定に基づいて、ユーザを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、ユーザから、前記ユーザの興味関心幅の指定を受け付け、
前記提供部は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、情報の提供元から、情報の提供対象となるユーザの興味関心幅の指定を受け付け、
前記提供部は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を、情報の提供対象となるユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、ユーザから前記ユーザの興味関心幅の指定を受け付け、かつ、情報の提供元から情報の提供対象となるユーザの興味関心幅の指定を受け付け、
前記提供部は、スコアが、前記ユーザにより指定された興味関心幅の範囲と前記情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とが重複する範囲に含まれる情報を前記ユーザに提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記興味関心幅の指定として、0から100の間で任意の数値の指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受付部は、前記興味関心幅の指定として、0から100の間で上限値と下限値の指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記興味関心幅の指定として、興味関心の程度を示すレベルの指定を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザが閲覧した情報から、提供対象となる情報のスコアを推定する推定部と
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザの興味関心幅の指定を受け付ける受付工程と、
前記興味関心幅の指定に基づいて、ユーザを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ユーザの興味関心幅の指定を受け付ける受付手順と、
前記興味関心幅の指定に基づいて、ユーザを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告配信に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174097号公報
【特許文献2】特許第7046418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術を始め、既存の技術では、興味関心の高いユーザをターゲットとして広告等を配信することを目的としており、単なる配信希望や配信停止、受信制限以外に、自分の興味関心の高くない広告等であってもどの程度まで許容するか等、ユーザ側で受信する広告等の精度について柔軟に設定することはできなかった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、精度を可変なレコメンドサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、ユーザの興味関心幅の指定を受け付ける受付部と、前記興味関心幅の指定に基づいて、ユーザを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する提供部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、精度を可変なレコメンドサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、履歴情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、利用者興味関心度設定データベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、提供元興味関心度設定データベースの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、
図1では、精度を可変なレコメンドサービスを提供する場合を例に挙げて説明する。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10とサーバ装置100と提供元端末200とを含む。端末装置10とサーバ装置100と提供元端末200とは、ネットワークN(
図2参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置10は、サーバ装置100と連携する。また、提供元端末200は、サーバ装置100と連携する。
【0012】
端末装置10は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0013】
サーバ装置100は、各利用者Uの端末装置10と連携し、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、コンピュータやクラウドシステム等により実現される。
【0014】
また、サーバ装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、サーバ装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、サーバ装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0015】
なお、サーバ装置100は、利用者Uに関する利用者情報を取得可能である。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの性別、年代、居住地域といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、サーバ装置100は、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)とともに利用者Uの属性に関する情報を記憶して管理する。
【0016】
また、サーバ装置100は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、サーバ装置100は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴(決済履歴)を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得する。また、サーバ装置100は、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得してもよい。また、サーバ装置100は、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNSサーバから取得する。なお、上記の各種サーバ等は、サーバ装置100自体であってもよい。すなわち、サーバ装置100が上記の各種サーバ等として機能してもよい。
【0017】
提供元端末200は、利用者U(ユーザ)を対象とした何らかの情報の提供元(広告を配信する広告主AD等)により使用される情報処理装置である。提供元端末200は、端末装置10又はサーバ装置100と同様の装置であってもよい。本実施形態では、ユーザに提供される情報として広告を例に説明するが、実際には広告に限らず、ユーザを対象とした情報(ユーザに提示される情報)であれば何でもよい。例えば、店舗や商品/サービス等の広告に限らず、ユーザに対する何らかのレコメンド(recommend:おすすめ)情報又はお役立ち情報、ユーザが興味関心を持ちそうなSNS等の案内、イベントの告知等であってもよい。すなわち、広告及び広告主は一例に過ぎない。
【0018】
〔1-1.精度を可変なレコメンドサービス〕
本実施形態では、端末装置10は、利用者U(ユーザ)から興味関心幅の指定を受け付け、ユーザを対象とした広告など不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する。
【0019】
例えば、端末装置10は、ユーザから興味関心幅の指定を受け付けるアプリを導入し、当該アプリの機能により、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を取捨選択して提供する。
【0020】
あるいは、端末装置10は、ブラウザの設定等により、ユーザから興味関心幅の指定を受け付け、ブラウザの機能等により、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を取捨選択して提供してもよい。
【0021】
あるいは、端末装置10は、ユーザから興味関心幅の指定を受け付け、サーバ装置100に通知する。そして、サーバ装置100は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する。
【0022】
本実施形態では、
図1に示すように、サーバ装置100は、端末装置10と連携し、ユーザに対する広告のスコアを特定する(ステップS1)。
【0023】
例えば、端末装置10(又はサーバ装置100)は、ユーザが「興味がある」とした広告を入力したときにスコアを100とし、「興味がない」とした広告を入力したときにスコアを0にするようにする。このとき、端末装置10(又はサーバ装置100)は、ユーザが実際にクリックした広告又はコンバージョン(Conversion:CV)に至った広告を、ユーザが「興味がある」とした広告と判断してもよい。
【0024】
また、端末装置10(又はサーバ装置100)は、ユーザが「興味がある」とした広告であっても、その後、ユーザがその広告を見て広告の商品を購入した場合には、「興味がない」とした広告としてスコアを0に変更してもよい。既に購入済の商品の広告は無意味であり、繰り返し購入される商品であっても、ユーザが気に入って2回目以降に購入する場合には、広告を見なくても購入すると思われるためである。広告の商品を購入したか否かの判断については、広告からコンバージョンに至った場合に限らず、ユーザの購入履歴から判断してもよい。また、端末装置10(又はサーバ装置100)は、購入済の商品について、ユーザが商品を破損した場合や、商品の買い換えの時期が近づいてきた場合には、再度、ユーザが「興味がある」とした広告としてスコアを100に変更してもよい。
【0025】
このとき、端末装置10(又はサーバ装置100)は、スコアが100の情報については、興味関心幅の指定に関係なく必ずユーザに提供するようにしてもよい。
【0026】
また、端末装置10は、スコアが100や0の広告を基準として、他の広告のスコアを推定してもよい。このとき、端末装置10は、スコアが100や0の広告を基準として、自然言語処理(Natural Language Processing:NLP)を利用して、各広告のスコアを推定してもよい。例えば、端末装置10は、Word2vec等を利用して、各広告に含まれる単語の意味の近さから、各広告のスコアを推定してもよい。
【0027】
また、端末装置10は、ユーザに提示した広告(あるいは広告のカテゴリ/ジャンル)ごとに、ユーザからスコアの指定を受け付けて、ユーザ(又はユーザグループ)と広告とスコアとの組を正解データとしてもよい。
【0028】
続いて、サーバ装置100は、端末装置10と連携し、各広告のスコアを設定するため、機械学習により、スコアリングモデルを生成する(ステップS2)。例えば、スコアリングモデルは、ユーザ(又はユーザグループ)と広告との組を入力データとし、スコアを出力とする推定モデルである。
【0029】
このとき、端末装置10は、オンデバイス学習により、スコアリングモデルを生成してもよい。あるいは、端末装置10は、サーバ装置100と連携し、サーバ装置100にデータを提供し、サーバ装置100が機械学習により生成したスコアリングモデルを取得してもよい。なお、サーバ装置100は、ユーザの属性やセグメント(ユーザのペルソナ)ごとにスコアリングモデルを生成してもよい。また、端末装置10は、サーバ装置100と連携し、連合学習(Federated learning)により、スコアリングモデルを生成してもよい。
【0030】
機械学習の手法については、ディープラーニング(Deep learning:深層学習)、RNN(Recurrent Neural Network)又はLSTM(Long Short Term Memory)等を用いてもよい。なお、これらは一例であり、これらの例に限定されるものではない。
【0031】
続いて、サーバ装置100は、スコアリングモデルに基づいて、広告ごとのスコアを推定する(ステップS3)。例えば、サーバ装置100は、ユーザと広告との組をスコアリングモデルに入力し、出力されたスコアを、広告のスコアと推定してもよい。
【0032】
続いて、端末装置10は、利用者U(ユーザ)から自分の興味関心幅の指定を受け付け、サーバ装置100に通知/設定する(ステップS4)。
【0033】
このとき、端末装置10は、ユーザから興味関心幅の範囲の指定を受け付ける。すなわち、ユーザから、配信(受信)を許容する広告のスコアの範囲の指定を受け付ける。例えば、ユーザから興味関心幅の範囲の指定を受け付ける際に、スコア「70」が入力又は指定された場合、ユーザの興味関心幅の範囲を「70~100」として設定する。
【0034】
あるいは、端末装置10は、興味関心幅の範囲として、スコア「0~100」の間で、配信を許容する広告のスコアの上限値と下限値の指定を受け付けてもよい。例えば、端末装置10は、興味関心幅の範囲として、ユーザからスコア「40~60」の範囲の指定を受け付ける。なお、スコア「50」(50~50:上限値、下限値ともに50)等の特定のスコアの指定も可能である。また、端末装置10は、ユーザから受け付けた興味関心幅の範囲の指定を、サーバ装置100に通知してもよい。
【0035】
ユーザによっては、自分の興味関心に適合するスコアが100の広告(ピンポイントの広告)だけでなく、自分の興味関心と多少ずれている広告の配信も希望又は許容する場合がある。どの程度まで許容するかはユーザにもよる。また、このような、自分の興味関心と多少ずれている広告の配信も希望又は許容するユーザに対して、許容の程度(興味関心幅の範囲)に応じてインセンティブ(incentive)を提供するようにすることも可能である。例えば、ユーザの興味関心幅においてスコアが低い広告ほど、高いインセンティブを提供するように広告を配信することもできる。そうすれば、興味関心幅をより下方(0に近い方)に設定するユーザも現れると予想される。
【0036】
続けて、提供元端末200は、広告主ADから、広告の配信対象とするユーザの興味関心幅の指定を受け付け、サーバ装置100に通知/設定する(ステップS5)。広告主ADによる提供元端末200での興味関心幅の範囲の指定については、ユーザによる端末装置10での興味関心幅の範囲の指定と同様であってもよい。なお、ステップS4とステップS5は、どちらを先に行ってもよいし、同時であってもよい。
【0037】
広告主ADは、必ずしも広告(又は商品)に興味関心を持っているユーザに対してスコアが100の広告を配信するだけでなく、現状では興味関心は薄いが潜在的(又は将来的)に興味関心を持つ可能性があるユーザに対しても広告を配信することを希望する場合がある。また、そのような場合、興味関心を持つユーザ向けではなく、興味関心が薄いユーザ向けの広告を配信することも考えられる。
【0038】
続けて、サーバ装置100は、ユーザの端末装置10から受け付けた興味関心幅の範囲の指定に基づいて、スコアが指定された範囲内の広告をユーザの端末装置10に配信する(ステップS6)。
【0039】
例えば、サーバ装置100は、広告主ADから、広告の対象となるユーザの興味関心幅の指定を受け付けると、スコアが、広告主ADが指定するユーザの興味関心幅に含まれる広告を、そのユーザに配信する。
【0040】
このとき、サーバ装置100は、広告主ADが指定する興味関心幅と、ユーザが指定する興味関心幅とのマッチングを行い、ユーザに、重複する興味関心幅の範囲に含まれる広告を提供してもよい。
【0041】
あるいは、端末装置10が、スコアが指定された興味関心幅の範囲内の広告をユーザに提供するようにしてもよい。例えば、端末装置10に導入されたアプリが、サーバ装置100からユーザに配信された広告のうち、スコアが指定された範囲外の広告を排除(除外)し、スコアが指定された範囲内の広告のみユーザに提供する。
【0042】
続けて、サーバ装置100は、広告の配信状況を広告主ADの提供元端末200に通知する(ステップS7)。例えば、サーバ装置100は、広告の配信履歴の統計情報を広告主ADの提供元端末200に提供する。
【0043】
本実施形態では、端末装置10は、ユーザの興味関心幅を可変な状態で広告配信を行うことができる。これにより、広告について「ユーザの興味関心があるものしか提示されない」という状況を防ぐことができる。
【0044】
広告配信等の情報提供においては、その時点で明確に興味関心を持っているユーザを対象としたものだけではなく、現時点では強い興味関心を持っていないがわずかに興味関心を持っているユーザや、あまり興味関心を持っていないが広告は見てもよいというユーザを対象として広告を配信したいという需要も存在する。そのようなユーザ層を対象とするためには、システム側のデータのみでユーザ層を推定するだけでなく、ユーザ自身の興味関心幅の指定を受け付けて判断することも有効である。また、広告主等が、配信対象とするユーザ層の興味関心幅に合わせて効果的な広告を配信することも重要である。本実施形態によれば、潜在的/将来的なユーザ層に強い興味関心を持ってもらうための広告を配信することができる。
【0045】
また、上記のように、興味関心幅は、広告主が設定することもできる。例えば、端末装置10は、「広告主が設定したレベル感(所定のキーワードとの関連度スコア)の広告」×「ユーザが設定したレベル感の広告」を出す。
【0046】
興味関心幅は、広告主かユーザ(あるいは両方)が設定する。興味関心幅は、「この値からこの値まで」(例えば、スコア60~70)のように、途中範囲でもよい。また、興味関心幅は、多段階にして、例えばレベル2、レベル3を出すようにしてもよい。すなわち、興味関心度のレベルを設定してもよい。また、興味関心幅は、レンジ幅を選択できるようにしてもよい。
【0047】
興味関心幅は、スライダ、又は小中大のラジオボタンで設定できるようにしてもよい。あるいは、「より広いものが欲しい」等の希望でもよい。興味関心幅の設定の優先度については、例えば、広告なら、広告主優先とする。ニュースなら、ユーザ優先とする。興味関心幅が広く、広告に対する許容度が大きいユーザには、本当は配信されない広告も配信することができる。
【0048】
なお、端末装置10は、情報提供対象の許容度入力を受け付けて、配信するようにしてもよい。情報提供対象の許容度入力については、配信元から受け付けてもよいし、配信先から受け付けてもよい。
【0049】
また、配信が有料である場合、幅が広いと、配信数が増えて、多額の費用が必要となる(お金がどんどん無くなることになる)。例えば、配信元に対して、端末装置10は、サーバ装置100と連携して、「この幅にすると、これくらいの配信スケジュール(及び価格)になります」、「この幅にすると、こういうユーザ(ペルソナ)が配信先になります」等のメッセージを提示してもよい。また、端末装置10は、サーバ装置100と連携して、配信に要する費用や対象ユーザについて、企業単位で推定してもよいし、商品単位で推定してもよいし、キャンペーン単位で推定してもよい。これにより、広告に対する印象がポジティブになる。
【0050】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係るサーバ装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10とサーバ装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0051】
また、
図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0052】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機やAV機器、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。また、端末装置10は、IOT(Internet of Things)に対応した住宅・建物、車、家電製品、電子機器等であってもよい。
【0053】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、サーバ装置100と通信することができる。
【0054】
サーバ装置100は、例えばPCやブレードサーバ(blade server)等のコンピュータ、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、サーバ装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0055】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。
図3は、端末装置10の構成例を示す図である。
図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0056】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(
図2参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、サーバ装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0057】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0058】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。例えば、入力部13は、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。なお、入力部13は、入出力ポート(I/O port)やUSB(Universal Serial Bus)ポート等であってもよい。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。また、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
【0059】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0060】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0061】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0062】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0063】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0064】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0065】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0066】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。
図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0067】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0068】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0069】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0070】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0071】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0072】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0073】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを有する。
【0074】
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介してサーバ装置100へ送信することができる。
【0075】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、サーバ装置100から提供される各種情報や、サーバ装置100からの各種情報の要求を受信することができる。
【0076】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信されたサーバ装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0077】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0078】
〔4.サーバ装置の構成例〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係るサーバ装置100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係るサーバ装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、サーバ装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0079】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(
図2参照)と有線又は無線で接続される。
【0080】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部120は、利用者情報データベース121と、履歴情報データベース122と、利用者興味関心度設定データベース123と、提供元興味関心度設定データベース124とを有する。
【0081】
(利用者情報データベース121)
利用者情報データベース121は、利用者Uに関する利用者情報を記憶する。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。
図5は、利用者情報データベース121の一例を示す図である。
図5に示した例では、利用者情報データベース121は、「利用者ID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0082】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。なお、「利用者ID」は、利用者Uの連絡先(電話番号、メールアドレス等)であってもよいし、利用者Uの端末装置10を識別するための識別情報であってもよい。
【0083】
また、「年齢」は、利用者IDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、利用者Uの具体的な年齢(例えば35歳など)を示す情報であってもよいし、利用者Uの年代(例えば30代など)を示す情報であってもよい。あるいは、「年齢」は、利用者Uの生年月日を示す情報であってもよいし、利用者Uの世代(例えば80年代生まれなど)を示す情報であってもよい。また、「性別」は、利用者IDにより識別される利用者Uの性別を示す。
【0084】
また、「自宅」は、利用者IDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0085】
また、「勤務地」は、利用者IDにより識別される利用者Uの勤務地(学生の場合は学校)の位置情報を示す。なお、
図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0086】
また、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。例えば、「興味」は、利用者Uが検索エンジンに入力して検索した検索クエリ(キーワード)等であってもよい。なお、
図5に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0087】
例えば、
図5に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0088】
ここで、
図5に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
【0089】
なお、利用者情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、利用者情報データベース121は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0090】
(履歴情報データベース122)
履歴情報データベース122は、利用者Uの行動を示す履歴情報(ログデータ)に関する各種情報を記憶する。
図6は、履歴情報データベース122の一例を示す図である。
図6に示した例では、履歴情報データベース122は、「利用者ID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購入履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
【0091】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、利用者Uの位置や移動の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購入履歴」は、利用者Uによる購入の履歴である購入履歴を示す。また、「投稿履歴」は、利用者Uによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。なお、「投稿履歴」は、利用者Uの所有物に関する質問を含んでいてもよい。
【0092】
例えば、
図6に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購入履歴#1」の通りに所定の店舗等で所定の商品等を購入し、「投稿履歴#1」の通りに投稿したことを示す。
【0093】
ここで、
図6に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購入履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購入履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0094】
なお、履歴情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、履歴情報データベース122は、利用者Uの所定のサービスの利用履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの実店舗の来店履歴又は施設の訪問履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの端末装置10を用いた決済(電子決済)での決済履歴等を記憶してもよい。
【0095】
(利用者興味関心度設定データベース123)
利用者興味関心度設定データベース123は、利用者U(ユーザ)に指定された興味関心度の設定に関する各種情報を記憶する。
図7は、利用者興味関心度設定データベース123の一例を示す図である。
図7に示した例では、利用者興味関心度設定データベース123は、「利用者ID」、「情報カテゴリ」、「ユーザ指定上限値」、「ユーザ指定下限値」といった項目を有する。
【0096】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「情報カテゴリ」は、利用者Uに対して提供される情報のカテゴリを示す。例えば、「情報カテゴリ」は、利用者Uを配信対象とした広告等のカテゴリを示す。
【0097】
また、「ユーザ指定上限値」は、設定されたカテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度の上限値を示す。「ユーザ指定上限値」が設定されていない場合(未設定の場合)、初期状態(デフォルト)で上限値「100」とする。また、「ユーザ指定下限値」は、設定されたカテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度の下限値を示す。「ユーザ指定下限値」が設定されていない場合(未設定の場合)、初期状態(デフォルト)で下限値「0」とする。
【0098】
例えば、「ユーザ指定上限値」及び「ユーザ指定下限値」は、利用者Uが配信(受信)を許容する広告のスコアの範囲を示す。なお、実際には、「ユーザ指定上限値」及び「ユーザ指定下限値」の代わりに、「ユーザ指定レベル」を設定してもよい。「ユーザ指定レベル」は、設定されたカテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度のレベルを示す。
【0099】
ここで、「情報カテゴリ」が全く設定されていない場合(未設定の場合)、「ユーザ指定上限値」及び「ユーザ指定下限値」は、全カテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度の上限値及び下限値を示す。この場合、「情報カテゴリ」に設定されたカテゴリ以外の情報については、全カテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度の上限値及び下限値が適用される。また、「情報カテゴリ」に設定されているカテゴリの情報については、全カテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度の上限値及び下限値ではなく、そのカテゴリの情報について利用者Uに指定された興味関心度の上限値及び下限値を優先する。
【0100】
例えば、
図7に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「情報カテゴリ#1」に該当する情報について、興味関心度として、上限値「60」、下限値「40」を設定(指定)したことを示す。すなわち、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「情報カテゴリ#1」に該当する広告について、スコアが上限値「60」、下限値「40」の範囲内にある広告の配信を許容していることを示す。
【0101】
ここで、
図7に示す例では、「U1」及び「カテゴリ#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」及び「カテゴリ#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0102】
なお、利用者興味関心度設定データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者興味関心度設定データベース123は、利用者Uの属性やセグメント等に関する情報を記憶してもよい。
【0103】
(提供元興味関心度設定データベース124)
提供元興味関心度設定データベース124は、提供元(広告主等)に指定された情報の提供対象(広告の配信対象)となる対象ユーザの興味関心度についての設定に関する各種情報を記憶する。
図8は、提供元興味関心度設定データベース124の一例を示す図である。
図8に示した例では、提供元興味関心度設定データベース124は、「利用者ID」、「情報カテゴリ」、「提供元指定上限値」、「提供元指定下限値」、「対象ユーザ属性」といった項目を有する。
【0104】
「提供元ID」は、情報の提供元(広告主等)を識別するための識別情報を示す。また、「情報カテゴリ」は、対象ユーザに対して提供される情報のカテゴリを示す。例えば、「情報カテゴリ」は、対象ユーザを配信対象とした広告等のカテゴリを示す。
【0105】
また、「提供元指定上限値」は、設定されたカテゴリの情報について提供元に指定された対象ユーザの興味関心度の上限値を示す。「提供元指定上限値」が設定されていない場合(未設定の場合)、初期状態(デフォルト)で上限値「100」とする。また、「提供元指定下限値」は、設定されたカテゴリの情報について提供元に指定された対象ユーザの興味関心度の下限値を示す。「提供元指定下限値」が設定されていない場合(未設定の場合)、初期状態(デフォルト)で下限値「0」とする。
【0106】
例えば、「提供元指定上限値」及び「提供元指定下限値」は、広告のスコアの範囲を示し、この範囲と、
図7に示した上記の「ユーザ指定上限値」及び「ユーザ指定下限値」の範囲とが少なくとも一部重複する利用者Uを対象ユーザとして情報(広告)が提供(配信)されることを示す。なお、実際には、「提供元指定上限値」及び「提供元指定下限値」の代わりに、「提供元指定レベル」を設定してもよい。「提供元指定レベル」は、設定されたカテゴリの情報について提供元に指定された対象ユーザの興味関心度のレベルを示す。
【0107】
また、「対象ユーザ属性」は、設定されたカテゴリの情報の提供対象(広告の配信対象)として求める対象ユーザの属性やセグメント(ユーザのペルソナ)等を示す。ここで、「対象ユーザ属性」が設定されていない場合(未設定の場合)、全ユーザが対象となる。
【0108】
例えば、
図8に示す例において、提供元ID「AD1」により識別される提供元は、「情報カテゴリ#1」に該当する情報について、興味関心度として、提供元が指定した上限値「60」、下限値「40」で示される範囲と重複する範囲を指定しており、かつ、対象ユーザ属性「属性#1」に該当する利用者Uを対象ユーザとして情報(広告)を提供(配信)することを示す。
【0109】
ここで、
図8に示す例では、「AD1」、「カテゴリ#1」及び「属性#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「AD1」、「カテゴリ#1」及び「属性#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0110】
なお、提供元興味関心度設定データベース124は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、提供元興味関心度設定データベース124は、提供元に関する詳細情報を記憶してもよい。また、提供元興味関心度設定データベース124は、設定されたカテゴリの情報提供(広告配信)の期間(期限)に関する情報を記憶してもよい。
【0111】
(制御部130)
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、サーバ装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図4に示す例では、制御部130は、取得部131と、受付部132と、推定部133と、照合部134と、提供部135とを有する。
【0112】
(取得部131)
取得部131は、利用者U(ユーザ)により入力された検索クエリを取得する。例えば、取得部131は、利用者Uが検索エンジン等に検索クエリを入力してキーワード検索を行った際に、通信部110を介して、当該検索クエリを取得する。すなわち、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uにより検索エンジンやサイト又はアプリの検索窓に入力されたキーワードを取得する。
【0113】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uに関する利用者情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uを示す識別情報(利用者ID等)や、利用者Uの位置情報、利用者Uの属性情報等を取得する。また、取得部131は、利用者Uのユーザ登録時に、利用者Uを示す識別情報や、利用者Uの属性情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、利用者情報を、記憶部120の利用者情報データベース121に登録する。
【0114】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報を取得する。そして、取得部131は、各種の履歴情報を、記憶部120の履歴情報データベース122に登録する。
【0115】
(受付部132)
受付部132は、通信部110を介して、利用者U(ユーザ)の興味関心幅の指定を受け付ける。例えば、受付部132は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uの興味関心幅の指定を受け付ける。また、受付部132は、広告主AD(情報の提供元)の提供元端末200から、情報(広告等)の提供対象となる利用者Uの興味関心幅の指定を受け付ける。なお、情報は、広告等に限らず、任意である。
【0116】
このとき、受付部132は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から利用者Uの興味関心幅の指定を受け付け、かつ、広告主ADの提供元端末200から情報の提供対象となる利用者Uの興味関心幅の指定を受け付けてもよい。
【0117】
また、受付部132は、興味関心幅の指定として、0から100の間で任意の数値の指定を受け付ける。例えば、受付部132は、興味関心幅の指定として、0から100の間で上限値と下限値の指定を受け付けてもよい。すなわち、受付部132は、興味関心幅の指定として、0と100とを含まない中間の範囲の指定を受け付けることが可能である。
【0118】
あるいは、受付部132は、興味関心幅の指定として、興味関心の程度を示すレベルの指定を受け付ける。例えば、受付部132は、興味関心幅の指定として、3段階又は5段階等で任意のレベルの指定を受け付けてもよい。
【0119】
また、受付部132は、通信部110を介して、利用者Uから、利用者Uが閲覧した情報(情報のカテゴリ等であってもよい)に対するスコアの指定を受け付ける。例えば、受付部132は、興味関心がある情報に対するスコア「100」の指定を受け付け、興味関心がない情報に対するスコア「0」の指定を受け付けてもよい。あるいは、利用者Uが閲覧した情報ごとに個別のスコアの指定を受け付けてもよい。
【0120】
(推定部133)
推定部133は、利用者Uが閲覧した情報(利用者Uに提示された情報)から、提供対象となる情報のスコアを推定する。例えば、推定部133は、利用者U(利用者Uの属性やセグメント等であってもよい)と、利用者Uが閲覧した情報(情報のカテゴリ等であってもよい)と、利用者Uが指定したスコアとの組を学習データとして、スコアの推定モデルを生成する。そして、推定部133は、スコアの推定モデルに利用者Uと情報との組を入力し、出力されたスコアを推定結果として取得してもよい。
【0121】
あるいは、推定部133は、利用者Uが閲覧した情報のうち、興味関心がある情報(スコア「100」の情報)と、興味関心がない情報(スコア「0」の情報)とを特定し、自然言語処理等の手法により、各情報のスコアを推定してもよい。
【0122】
(照合部134)
照合部134は、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲と、情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とを比較対照し、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲と情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とが重複する範囲とが重複する範囲を求める。そして、照合部134は、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲と情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とが重複する範囲とが重複する場合、当該利用者Uを、情報提供(広告配信)の対象ユーザであると判断する。すなわち、照合部134は、両者から指定された興味関心幅の範囲の重複により、情報提供(広告配信)の対象ユーザを決定する。
【0123】
このとき、照合部134は、両者から指定された興味関心幅の範囲が一部でも重複していれば、当該利用者Uを、情報提供(広告配信)の対象ユーザであると判断するようにしてもよい。あるいは、照合部134は、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲が、情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲に完全に含まれる場合のみ、当該利用者Uを、情報提供(広告配信)の対象ユーザであると判断するようにしてもよい。反対に、照合部134は、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲に、情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲が完全に含まれる場合のみ、当該利用者Uを、情報提供(広告配信)の対象ユーザであると判断するようにしてもよい。
【0124】
(提供部135)
提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に、興味関心幅の指定に基づいて、利用者Uを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する。例えば、提供部135は、利用者Uにより指定された興味関心幅に基づいて、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を利用者Uの端末装置10に提供する。また、提供部135は、情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲に基づいて、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を、情報の提供対象となる利用者Uの端末装置10に提供する。
【0125】
このとき、提供部135は、通信部110を介して、スコアが、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲と情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とが重複する範囲に含まれる情報を利用者Uの端末装置10に提供してもよい。
【0126】
また、例えば、提供部135は、通信部110を介して、情報の提供元(広告主等)の提供元端末200に、情報の提供状況(広告の配信状況)を通知する。例えば、提供部135は、通信部110を介して、情報の提供元(広告主等)の提供元端末200に、情報の提供履歴(広告の配信履歴)の統計情報を提供する。
【0127】
〔5.処理手順〕
次に、
図9を用いて実施形態に係るサーバ装置100による処理手順について説明する。
図9は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、サーバ装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0128】
サーバ装置100の受付部132は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、利用者Uが閲覧した情報(情報のカテゴリ等であってもよい)に対するスコアの指定を受け付ける(ステップS101)。
【0129】
続いて、サーバ装置100の推定部133は、利用者Uが閲覧した情報のスコアに基づいて機械学習を行い、スコアの推定モデルを生成する(ステップS102)。
【0130】
続いて、サーバ装置100の推定部133は、スコアの推定モデルを用いて、提供対象となる情報ごとのスコアを推定する(ステップS103)。
【0131】
続いて、サーバ装置100の受付部132は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、利用者Uの興味関心幅の指定を受け付ける(ステップS104)。
【0132】
続いて、サーバ装置100の受付部132は、通信部110を介して、情報の提供元(広告主等)の提供元端末200から、情報の提供対象(広告の配信対象)となる利用者U(対象ユーザ)の興味関心幅の指定を受け付ける(ステップS105)。
【0133】
続いて、サーバ装置100の照合部134は、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲と、情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とを比較対照し、利用者Uにより指定された興味関心幅の範囲と情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とが重複する範囲とが(少なくとも一部)重複する場合、当該利用者Uを、情報提供(広告配信)の対象ユーザであると判断する(ステップS106)。
【0134】
続いて、サーバ装置100の提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に、興味関心幅の指定に基づいて、利用者Uを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する(ステップS107)。
【0135】
続いて、サーバ装置100の提供部135は、通信部110を介して、情報の提供元(広告主等)の提供元端末200に、情報の提供状況(広告の配信状況)を通知する(ステップS108)。
【0136】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及びサーバ装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0137】
上記の実施形態において、サーバ装置100が実行している処理の一部又は全部は、実際には、端末装置10が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態におけるサーバ装置100の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10はサーバ装置100と連携しているため、利用者Uから見れば、サーバ装置100の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、サーバ装置100を備えているともいえる。
【0138】
また、上記の実施形態において、端末装置10は、直接又は間接的に(サーバ装置100を介して)、広告主ADに対して、ユーザから受け付けた興味関心幅の指定を通知してもよい。例えば、端末装置10は、ユーザから受け付けた興味関心幅の指定を、広告主ADに通知してもよい。そして、広告主ADは、直接又は間接的に(サーバ装置100を介して)ユーザが指定する興味関心幅に含まれる広告を、そのユーザに配信してもよい。
【0139】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置(端末装置10及びサーバ装置100)は、ユーザの興味関心幅の指定を受け付ける受付部132と、興味関心幅の指定に基づいて、ユーザを対象とした不特定多数の情報のうち、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を提供する提供部135とを備えることを特徴とする。
【0140】
例えば、受付部132は、ユーザから、ユーザの興味関心幅の指定を受け付け、提供部135は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報をユーザに提供する。
【0141】
あるいは、受付部132は、情報の提供元から、情報の提供対象となるユーザの興味関心幅の指定を受け付け、提供部135は、スコアが興味関心幅の範囲に含まれる情報を、情報の提供対象となるユーザに提供する。
【0142】
このとき、受付部132は、ユーザからユーザの興味関心幅の指定を受け付け、かつ、情報の提供元から情報の提供対象となるユーザの興味関心幅の指定を受け付け、提供部135は、スコアが、ユーザにより指定された興味関心幅の範囲と情報の提供元により指定された興味関心幅の範囲とが重複する範囲に含まれる情報をユーザに提供してもよい。
【0143】
なお、受付部132は、興味関心幅の指定として、0から100の間で任意の数値の指定を受け付ける。
【0144】
また、受付部132は、興味関心幅の指定として、0から100の間で上限値と下限値の指定を受け付ける。
【0145】
あるいは、受付部132は、興味関心幅の指定として、興味関心の程度を示すレベルの指定を受け付ける。
【0146】
また、本願に係る情報処理装置は、ユーザが閲覧した情報から、提供対象となる情報のスコアを推定する推定部133をさらに備える。
【0147】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、精度を可変なレコメンドサービスを提供することができる。
【0148】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10やサーバ装置100は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、サーバ装置100を例に挙げて説明する。
図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0149】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0150】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0151】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0152】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0153】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0154】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0155】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0156】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0157】
例えば、コンピュータ1000がサーバ装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0158】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0159】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0160】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0161】
例えば、上述したサーバ装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0162】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0163】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0164】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 サーバ装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報データベース
122 履歴情報データベース
123 利用者興味関心度設定データベース
124 提供元興味関心度設定データベース
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 推定部
134 照合部
135 提供部