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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170257
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】軒樋ドレン及び軒樋構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/068 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
E04D13/068 504Z
E04D13/068 504S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081867
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】西本 舞
(57)【要約】
【課題】ドレン設置状態の美観の低下を防止し、かつ、軒樋にドレンの設置を行う作業者が回転角度について適切な状態で容易に設置しやすい軒樋ドレンを提供する。
【解決手段】軒樋ドレン10は、ドレン上ユニットとドレン下ユニットとを有する。ドレン下ユニットは、下フランジと、下フランジ下方に設けられる外筒と、それらを接続する下縮径部とを有する。ドレン上ユニットは、軒樋の底板上面に配置される上フランジと、上フランジ下方に設けられる内筒と、それらを接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する上縮径部とを有する。上縮径部の外周壁面は径方向内側に向かって凹んだ曲面で構成される。上縮径部の外周面の周方向の少なくとも一部に、下端部から上端部にわたって、外側に向かって突出するリブが配置される。リブは上縮径部の外周面の下端部から上端部に向かって側面視で上下方向に延びている。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒樋の底板に設けられた雨水排水用の開口を貫通するように前記軒樋に設置される軒樋ドレンであって、
ドレン上ユニットと、ドレン下ユニットとを備え、
前記ドレン下ユニットは、前記底板下面に配置される下フランジと、前記下フランジ下方に設けられる外筒と、前記下フランジと前記外筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する下縮径部と、を有し、
前記ドレン上ユニットは、前記底板上面に配置される上フランジと、前記上フランジ下方に設けられ雨水を下方に導く内筒と、前記上フランジと前記内筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する上縮径部と、を有し、
前記上縮径部の外周壁面は径方向内側に向かって凹んだ曲面で構成され、
前記上縮径部の外周面の周方向の少なくとも一部に、下端部から上端部にわたって、外側に向かって突出するリブが配置され、
前記リブは前記上縮径部の外周面の下端部から上端部に向かって側面視で上下方向に延びている、
軒樋ドレン。
【請求項2】
請求項1に記載の軒樋ドレンにおいて、
前記リブの径方向外側端面は、上下方向中間部が径方向内側に向かって凹となる円弧形状である、
軒樋ドレン。
【請求項3】
請求項1に記載の軒樋ドレンにおいて、
前記上フランジの上面の周方向複数位置にフィンが立設しており、前記リブが前記軒樋の最も水上方向に位置するように前記軒樋に設置された場合に、雨水流れ方向最上流端に配置される前記フィンと雨水流れ方向とのなす角度が、構造上の略最大角度である、
軒樋ドレン。
【請求項4】
軒樋の底板に設けられた雨水排水用の開口を貫通するように前記軒樋に設置される軒樋ドレンであって、
ドレン上ユニットと、ドレン下ユニットとを備え、
前記ドレン下ユニットは、前記底板下面に配置される下フランジと、前記下フランジ下方に設けられる外筒と、前記下フランジと前記外筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する下縮径部と、を有し、
前記ドレン上ユニットは、前記底板上面に配置される上フランジと、前記上フランジ下方に設けられ雨水を下方に導く内筒と、前記上フランジと前記内筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する上縮径部と、を有し、
前記上縮径部の外周壁面は径方向内側に向かって凹んだ曲面で構成され、
前記上縮径部の外周面、または前記上フランジの下面の周方向の一部に、突出長さまたは掘り込み深さが1mm以下、直径20mm以下の凸部または凹部が設けられた、
軒樋ドレン。
【請求項5】
請求項4に記載の軒樋ドレンにおいて、
前記上フランジの上面の周方向複数位置にフィンが立設しており、前記凸部、または前記凹部が前記軒樋の最も水上方向に位置するように前記軒樋に設置された場合に、雨水流れ方向最上流端に配置される前記フィンと雨水流れ方向とのなす角度が、構造上の略最大角度である、
軒樋ドレン。
【請求項6】
請求項3または請求項5に記載の軒樋ドレンにおいて、
前記フィンの枚数が、3、5、7、9枚のいずれかである、
軒樋ドレン。
【請求項7】
前記軒樋と、
請求項1または請求項4に記載の軒樋ドレンと、を備える、
軒樋構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、軒樋ドレン及び軒樋構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物の屋根に取り付けられた軒樋に流れ落ちた雨水を集水して竪樋に送り、竪樋を通って下側から排出することが行われる。このとき軒樋の底板に設けられる開口部にドレンを設けて、そのドレンを介して軒樋に竪樋を接続することが行われる。
【0003】
特許文献1には、軒樋ドレンが上部材(ドレン上ユニット)と下部材(ドレン下ユニット)とを含み、上部材と下部材で軒樋の底板を挟んで互いにネジ結合することにより、軒樋にドレンを結合することが記載されている。特許文献1では、上部材のフランジの下方に筒部を設け、その筒部とフランジとを、下方に向かうにしたがって径が縮小する縮径部で接続している。縮径部は、内周面が断面円弧形の滑らかな曲面となっている。フランジの外周部の上面から縮径部の下端部にわたる部分の周方向複数位置には羽根(フィン)が立設され、複数の羽根の径方向内側端には上下方向に延びる内側筒部が連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-70957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から、軒樋ドレンには、軒樋に設置するときの回転角度について、適切な設置を実現するための専用の目印となる位置を示すものは設けられていない。これにより、ドレンが軒樋に設置される場合に、軒樋内でドレンに異物が引っ掛かりやすくなる等の、不都合が生じやすくなる状態で設置されてしまう場合がある。例えば、軒樋ドレンの周方向5等分された位置にフィンを設けた場合に、軒樋との関係で適切な回転角度位置でドレンが設置されないと、軒樋内に滞留する落ち葉等の異物がフィンに引っ掛かりやすい等の問題がある。一方、専用の目印が施工後に見える場合には、設置状態の美観を損なう原因となる。
【0006】
本開示の目的は、ドレン設置状態の美観の低下を防止し、かつ、軒樋にドレンの設置を行う作業者が回転角度について適切な状態で容易に設置しやすい軒樋ドレンと、その軒樋ドレンを含む軒樋構造を提供することである
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の軒樋ドレンは、軒樋の底板に設けられた雨水排水用の開口を貫通するように軒樋に設置される軒樋ドレンであって、ドレン上ユニットと、ドレン下ユニットとを備え、ドレン下ユニットは、底板下面に配置される下フランジと、下フランジ下方に設けられる外筒と、下フランジと外筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する下縮径部と、を有し、ドレン上ユニットは、底板上面に配置される上フランジと、上フランジ下方に設けられ雨水を下方に導く内筒と、上フランジと内筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する上縮径部と、を有し、上縮径部の外周壁面は径方向内側に向かって凹んだ曲面で構成され、上縮径部の外周面の周方向の少なくとも一部に、下端部から上端部にわたって、外側に向かって突出するリブが配置され、リブは上縮径部の外周面の下端部から上端部に向かって側面視で上下方向に延びている、軒樋ドレンである。
【0008】
本開示の一態様の軒樋ドレンは、軒樋の底板に設けられた雨水排水用の開口を貫通するように軒樋に設置される軒樋ドレンであって、ドレン上ユニットと、ドレン下ユニットとを備え、ドレン下ユニットは、底板下面に配置される下フランジと、下フランジ下方に設けられる外筒と、下フランジと外筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する下縮径部と、を有し、ドレン上ユニットは、底板上面に配置される上フランジと、上フランジ下方に設けられ雨水を下方に導く内筒と、上フランジと内筒を接続し、下方に向かうにしたがって径が縮小する上縮径部と、を有し、上縮径部の外周壁面は径方向内側に向かって凹んだ曲面で構成され、上縮径部の外周面、または上フランジの下面の周方向の一部に、突出長さまたは掘り込み深さが1mm以下、直径20mm以下の凸部または凹部が設けられた、軒樋ドレンである。
【0009】
本開示の一態様の軒樋構造は、軒樋と、軒樋に設置された、本開示の一態様の軒樋ドレンと、を備える軒樋構造である。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一態様の軒樋ドレン及び軒樋構造によれば、ドレンに設けられたリブ、凸部、または凹部を目印として、軒樋にドレンの設置を行う作業者が、ドレンを回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。さらに、リブ、凸部、または凹部は、軒樋ドレンの設置状態で見えない位置に設けられるので、ドレンの設置状態の美観の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の軒樋ドレンを含む軒樋排水構造の概略構成の断面図である。
図2】実施形態の軒樋ドレンを示している図1のA部拡大相当図である。
図3A図2に示す軒樋ドレンのドレン上ユニットの正面図である。
図3B図3Aに示すドレン上ユニットの斜め下から見た図である。
図3C図3BのB部拡大図である。
図4図3Aに示すドレン上ユニットの斜め上から見た図である。
図5図3Aに示すドレン上ユニットの左側面図である。
図6図3Aに示すドレン上ユニットの右側面図である。
図7図3Aに示すドレン上ユニットの背面図である。
図8図3Aに示すドレン上ユニットの上面図である。
図9図3Aに示すドレン上ユニットの下面図である。
図10図8のC-C断面図である。
図11】実施形態の軒樋ドレンにおいて、ドレン上ユニットとドレン下ユニットとを組み合わせて、斜め上から見た図である。
図12図11の組み合わせの正面図である。
図13図11の組み合わせの左側面図である。
図14A図11の組み合わせの右側面図である。
図14B図11の組み合わせの背面図である。
図15図11の組み合わせの上面図である。
図16図11の組み合わせの下面図である。
図17】実施形態の軒樋ドレンの使用状態を示す、図15のD-D断面に対応する図である。
図18】一部を省略して示している図17のE部拡大図である。
図19】実施形態の軒樋ドレンを軒樋に設置した状態を上方から見て、水上方向とフィン及びリブとの関係を示す模式図である。
図20】比較例の軒樋ドレンを軒樋に設置した場合の1例を示している図19に対応する図である。
図21】実施形態の別例の軒樋ドレンを軒樋に設置した状態を示している、図19に対応する図である。
図22】実施形態の別例の軒樋ドレンを構成するドレン上ユニットの正面図である。
図23図22に示すドレン上ユニットの一部を斜め下から見た拡大図である。
図24図22に示すドレン上ユニットの左側面図である。
図25図22に示すドレン上ユニットの下面図である。
図26図22に示すドレン上ユニットを含む軒樋ドレンを軒樋に設置した状態を上方から見て、水上方向とフィン及び凸部との関係を示す模式図である。
図27】実施形態の別例の軒樋ドレンを軒樋に設置した状態を上方から見て、水上方向とフィン及び凸部との関係を示す模式図である。
図28】実施形態の別例の軒樋ドレンを構成するドレン上ユニットの正面図である。
図29図28に示すドレン上ユニットの一部を斜め下から見た拡大図である。
図30図28に示すドレン上ユニットの左側面図である。
図31図28に示すドレン上ユニットの下面図である。
図32】実施形態の別例の軒樋ドレンを構成するドレン上ユニットの正面図である。
図33図28に示すドレン上ユニットの一部を斜め下から見た拡大図である。
図34図28に示すドレン上ユニットの左側面図である。
図35図28に示すドレン上ユニットの下面図である。
図36】実施形態の別例の軒樋ドレンを構成するドレン上ユニットの一部を斜め下から見た拡大図である。
図37図36に示すドレン上ユニットの左側面図である。
図38図36に示すドレン上ユニットの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る軒樋ドレンの実施形態を説明する。以下で説明する形状、個数、材料等は、説明のための例示であって、軒樋ドレンまたは軒樋ドレンを含む軒樋構造の仕様により適宜変更することができる。以下では全ての図面において同等の要素には同一の符号を付して説明する。
【0013】
図面を用いて実施形態を説明する。図1は、実施形態の軒樋ドレン10を含む軒樋排水構造80の概略構成の断面図である。図2は、軒樋ドレン10を示している図1のA部拡大相当図である。
【0014】
図1に示すように、軒樋排水構造80は、軒樋構造70と、呼び樋94と、竪樋96とを備え、建物(図示せず)に取り付けられる。図1では、建物から離れる側(図1の右側)が前側であり、建物に近い側(図1の左側)が後側である。
【0015】
軒樋構造70は、軒樋81と、軒樋81に設置された軒樋ドレン10とを備える。軒樋81は、樹脂成型品であり、底板82と、底板82の前端から立設する前壁83と、底板82の後端から立設する後壁84とを有し、断面が溝形状に形成される。軒樋81は、建物に取り付けられた吊具(図示せず)により吊設されて、屋根の軒先から流れ落ちる雨水を受けるように形成される。
【0016】
軒樋81の底板82には、雨水排水用の開口82a(図2)が形成される。軒樋ドレン10は、ドレン上ユニット11とドレン下ユニット90とを含んで構成される。以下、「ドレン上ユニット」は「上ユニット」と記載し、「ドレン下ユニット」は「下ユニット」と記載する。上ユニット11は、開口82aを貫通するように軒樋81に設置される。以下、「軒樋ドレン」は、「ドレン」と記載する。ドレン10の構造は後で詳しく説明する。
【0017】
呼び樋94は、両端に上流側エルボ97と下流側エルボ98とが接続される。呼び樋94は、軒樋81からドレン10と上流側エルボ97とを介して導入された雨水を横方向に流し、下流側エルボ98を介して竪樋96に導入する。図1では、砂地部により雨水を示している。
【0018】
図2に示すように、ドレン10の下ユニット90は、外筒91と、外筒91の上端に形成された外向きの下フランジ92と、下縮径部93とを有する。下フランジ92は、軒樋81の底板82の下面に配置される。外筒91は、下フランジ92の下方に設けられる。下縮径部93は、下フランジ92と外筒91を接続し、内外両周面が下方に向かうにしたがって径が縮小する。図2では、下縮径部93を簡略化して示しているが、後述の図17に示すように、下縮径部93の内周面は断面直線状のテーパ面であり、下縮径部93の外周面は、断面円弧形の曲面である。下縮径部93の下端部には、径方向内側に延びる段差部93aが設けられる。下縮径部93の内周面は断面円弧形の曲面としてもよいし、下縮径部93の外周面は、断面直線状のテーパ面としてもよい。
【0019】
外筒91の内周面には雌ネジ91aが形成される。雌ネジ91aは、外筒91の周方向に分かれて間欠的に形成されているが、全体で連続した形状としてもよい。下ユニット90は、上流側エルボ97の上端に形成された大径筒部97aの内側に外筒91が嵌合されることで、上流側エルボ97の上端部に接続される。段差部93aには、上流側エルボ97の上端が突き当てられてもよい。段差部93aが省略されて、下縮径部の全体が、下方に向かって径が縮小する形状としてもよい。下ユニット90は、硬質塩化ビニル樹脂や、ポリカーボネート、ABS等の樹脂の射出成型によって形成される。下ユニット90は、鋳鉄等の金属製であってもよい。下ユニット90は、鋳鉄等の金属製であってもよい。
【0020】
ドレン10の上ユニット11は、軒樋81の底板82の上面に配置される上フランジ16と、上フランジ16の下方に設けられ雨水を下方に導く内筒11aと、上フランジ16と内筒11aとを接続する上縮径部14とを有する。上縮径部14は、内周面と、外周壁面とが下方に向かうにしたがって径が縮小する。後述の図10に示すように、上縮径部14の内周面は、径方向内側に向かって凹んだ断面円弧形の曲面であり、これにより、雨水が上フランジ16の上側から内筒11aの内側に向かってスムーズに流れる。図2に示すように上縮径部14の外周壁面14aも、径方向内側に向かって凹んだ断面円弧形の曲面で構成される。上縮径部14の「外周壁面14a」は、上縮径部14の外周面のうち、後述のリブ15a等の凸部や凹部がある場合にそれらの凸部や凹部を除く部分である。
【0021】
内筒11aの外周面には、下ユニット90とネジ結合するための雄ネジ13が形成される。上ユニット11は、下ユニット90と同様に、樹脂の射出成型によって形成される。上ユニット11は、鋳鉄等の金属製であってもよい。
【0022】
さらに、上縮径部14の外周面の周方向の少なくとも一部には、下端部の内筒11aの上端近傍から上端部の上フランジ16の内周端近傍にわたって、外側に向かって突出する複数のリブ15aが設けられる。これにより、後述のように、軒樋81にドレン10の設置を行う作業者がドレン10を、回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。リブ15aについては、後で詳しく説明する。
【0023】
軒樋81の開口82a周縁部にドレン10の上ユニット11が設置され、上ユニット11の内筒11aが開口82aから下側に突出した状態で、内筒11aの外周面に形成された雄ネジ13が、下ユニット90の雌ネジ91aに結合される。この状態で、後述のように、下ユニット90の下フランジ92と上ユニット11の上フランジ16とが軒樋81の底板82を上下両側から挟んで、軒樋81にドレン10が固定される。
【0024】
竪樋96は、建物の外壁面に沿うように、建物に、上下方向に沿って複数の固定具(図示せず)等により固定される。竪樋96の下端が地中に埋設された排水管に接続され、竪樋96内を流下した雨水が排水管に排水される構成としてもよい。
【0025】
図3A図10を用いて、上ユニット11をさらに詳しく説明する。上ユニット11は、大雨時等、軒樋81に大量に雨水が流入した場合における、雨水の高排水機能を有する排水部材である。上ユニット11は、上フランジ16の上面及び上縮径部14の内周面の周方向複数位置に連結されたフィン30と、複数のフィン30の径方向内側端に連結された上側内筒40と、上側内筒40の上端に連続する漏斗部41とを含んで構成される。複数のフィン30は、上フランジ16の上面の周方向複数位置に立設している。
【0026】
漏斗部41は、上側内筒40の上端から連続して上側に向かって径方向外側にラッパ状に広がっている。漏斗部41の円錐面状の内外両周面と、上側内筒40の内外両周面とは、断面円弧形の曲面部を含む曲面で滑らかに接続されている。
【0027】
上ユニット11の内筒11aは、略円筒状である。内筒11aの外周面には、雄ネジ13が形成される。雄ネジ13は、下ユニット90に形成された雌ネジ91a(図2)に螺合可能である。
【0028】
図10に示すように、上縮径部14は、内周面に断面円弧形の滑らかな曲面を有する。内筒11aの上端の内周面と、上フランジ16の内周端の上面とは、上縮径部14の内周面で滑らかに接続される。
【0029】
さらに、上縮径部14の外周面の周方向の少なくとも一部には、下端部の内筒11a上端近傍から上端部の上フランジ内周端近傍にわたって、外側に向かって突出するリブ15aが配置される。具体的には、図9に示すように、上縮径部14の外周面において、周方向の位相が略180度異なる2つの位置のそれぞれにリブ群15が設けられる。各リブ群15は、周方向に(例えば1mm~3mm程度の間隔で)近接して3つのリブ15aが平行に並んで設けられることにより構成される。
【0030】
図3Aに示すように、各リブ15aは上縮径部14の外周面の下端部から上端部に向かって側面視で上下方向に延びている。このとき、一方(図9の上側)のリブ群15は、周方向に隣り合う2つのフィン30間の周方向一方側(図9の下面図の時計方向前側)に偏った周方向位置に配置される。他方(図9の上側)のリブ群15は、周方向に隣り合う2つのフィン30間の周方向他方側(図9の時計方向後側)に偏った周方向位置に配置される。さらに、図10、及び後述の図18に示すように、各リブ15aの先端面である径方向外側端面は、上下方向中間部が径方向内側に向かって凹となる円弧形状であり、外周壁面14aの円弧の曲率半径より大きな曲率半径の円弧形状である。各リブ15aの径方向外側端面は、上方に向かって径方向外側に傾斜する断面直線状の傾斜面としてもよい。なお、各リブ15aの径方向外側端面の上端部で、上フランジ16の下面との接続部には、例えば曲率半径が極小、例えば0.5mmの円弧の断面形状を有するR部が設けられてもよい。ドレン10に各リブ15aが設けられることにより、後述のように、ドレン設置状態の美観の低下を防止でき、かつ、軒樋81にドレン10の設置を行う作業者がドレン10を、回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。
【0031】
さらに、図10に示すように、上ユニット11において、上フランジ16の上側面の外周端と、漏斗部41の上端部外周端との間で、後述の複数のフィン30で仕切られる部分が、軒樋81に流入した雨水を上ユニット11に導入するための流入開口20となる。
【0032】
複数のフィン30は、上フランジ16の外周部の上端から上縮径部14の下端部の内周端にわたるように、内筒11aの上端付近の周方向複数位置に連結された板状であり、径方向に延びている。フィン30の枚数は、奇数枚である5枚である。各フィン30の径方向外側端は、内筒11aの中心軸O(図10)と略平行な平面、または下端に向かって径方向外側にわずかに傾斜したテーパ面としている。各フィン30は、平面視で径方向に対し傾斜させてもよい。各フィン30の周方向両側面は、平面であるが、曲面状としてもよい。フィン30の枚数は、5枚以外に、3、5、7、9枚のいずれかである奇数枚としてもよい。
【0033】
各フィン30の上端には、漏斗部41の上端の外周端から径方向外側に離れた位置より上側に突出する突出部31が形成される。さらに、各フィン30の下端の径方向内側部分には、断面略矩形の切り欠き32(図10)が形成される。複数のフィン30は、流入開口20から流入した雨水を整流する機能を有する。切り欠き32は、流入開口20から流入した雨水の排水機能を高くする。
【0034】
上側内筒40は、複数のフィン30の径方向内側端の下側部分に連結され上下方向に延び、下端が内筒11aの内側空間に向いている円筒状部分である。
【0035】
漏斗部41の上端には、円板状の外向きフランジ42が形成される。漏斗部41は、複数のフィン30の径方向内側端の上側部分に連結される。漏斗部41の上端外径は、内筒11aの円筒状内周面の内径より小さい。漏斗部41、上側内筒40、及び内筒11aの中心軸Oは一致している。
【0036】
図11図18は、上ユニット11に下ユニット90を組み合わせた、すなわち、下ユニット90の雌ネジに上ユニット11の雄ネジをネジ結合してドレン10を形成した状態を示している。図11図18に示すように、下ユニット90は、下フランジ92と、外筒91とが、下縮径部93を介して接続される。
【0037】
上記のドレン10を含む軒樋構造70を組み立てる方法を説明する。まず、軒樋81の底板82において上ユニット11を取り付ける位置に、開口82aを形成しておく。次に、上ユニット11を軒樋81に挿入し、軒樋81の開口82aに内筒11aを先に挿入して下側に突出させ、上フランジ16を底板82の開口82aの周縁部に配置する。このとき、上フランジ16の下面と底板82の上面との間には接着剤を塗布して水封を図る。例えば、上フランジ16の下面に予め接着剤を塗布した状態で、底板82の上面に上フランジ16を載せる。
【0038】
そして、図17に示すように、軒樋81の開口82aから下側に突出させた内筒11aの外周側に、下ユニット90をネジ結合で固定し、上ユニット11の上フランジ16と、下ユニット90の下フランジ92とで軒樋81の底板82を上下両側から挟んで固定する。その後、下ユニット90に、上流側エルボ97、呼び樋94、下流側エルボ98を介して竪樋96を接続する。そして、使用状態で、竪樋96を上下方向に延びるように配置する。
【0039】
このような軒樋構造70によれば、屋根に降った雨水が軒樋81に流入して、上ユニット11の流入開口20から流入し、内筒11aの内側を通って、呼び樋94等を介して竪樋96に導入される。この状態では、竪樋96を流れる雨水が所定流量以上になると、竪樋96を流下した雨水がサイホン現象によって、竪樋96から下側(図1の白抜き矢印方向)に勢い良く排水される。
【0040】
さらに、上記のドレン10によれば、上ユニット11を構成する上縮径部14の外周面の周方向の位相が異なる2つの位置に、それぞれ下端部から上端部にわたって、外側に向かって突出する3つのリブ15aが配置される。各リブ15aは、上縮径部14の外周面の下端部から上端部に向かって側面視で上下方向に延びている。これにより、ドレン10に設けられたリブ15aを目印として、軒樋81にドレン10の設置を行う作業者が、ドレン10を回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。また、各リブ15aの厚みは、例えば1mm程度とし、リブ15aが物理的に簡単には潰れないようにすると共に、ドレンを樹脂製とする場合に、成形品のヒケ等の弊害を生じないようにする。さらに、各リブ15aは、ドレン10の設置状態で見えない位置に設けられるので、ドレン10の設置状態の美観の低下を防止できる。なお、比較例として、ドレンの目印位置を示すために、ドレンの周方向一部にシールを貼り付けることも考えられるが、シールの周辺に無駄な塵埃が付着しやすくなる。実施形態によれば、このような塵埃のドレンへの付着を抑制できる。
【0041】
図19は、実施形態のドレン10を軒樋81に設置した状態を上方から見て、水上方向とフィン30及びリブ15aとの関係を示す模式図である。水上方向は、軒樋81の底板82が水平方向に対し傾斜しているときの高くなっている側であり、図19の左側である。ドレン10を軒樋81に設置する場合には、ドレン10に形成された各リブ15aが水上方向と水下方向(図19の右側)とを結ぶ軒樋81の長手方向に沿うように配置する。図19では、各リブ15aを上から透視した状態を示している。
【0042】
また、ドレン10の作業者に対する施工説明書等の設置内容指示書において、リブ15aの方向と軒樋81の長手方向とを合わせるようにドレン10の回転方向を規制することを指示する内容が予め記載されることが好ましい。これにより、作業者が、リブ15aの位置を確認しながらドレン10の回転位置を決定することにより、図19のように軒樋81にドレン10を適切な状態で容易に設置することができる。図19の状態では、ドレン10の複数のフィン30のうち、雨水流れ方向最上流端に配置される、図19に矢印P1で示すフィン30が、軒樋長手方向に沿って配置されることが防止される。これにより、雨水流れ方向最上流端のフィン30に落ち葉等の異物が引っ掛かることを抑制できる。軒樋81内を水上方向からドレン10に向かって流れる雨水は、図19の矢印P1,P2で示す2つのフィン30間、または矢印P1,P3で示す2つのフィン30間を通って、上ユニット11の内筒11a内に流れ込み下方に排出される。
【0043】
また、ドレン10の水上側と水下側との両方にリブ15aが配置されるので、作業者がリブ15aをより認識しやすくなり、施工作業がより容易になる。さらに、ドレン10の水上側と水下側とのそれぞれで複数ずつのリブ15aが設けられるので、さらに作業者がリブ15aを認識しやすくなる。なお、ドレン10の水上側と水下側とのそれぞれで1つずつのみ、リブ15aが設けられてもよい。
【0044】
また、図19では、ドレンのリブを軒樋長手方向に沿って配置しているが、軒樋の雨水流れ方向と各フィンの位置関係を図19と同じにしたままで、各リブが上縮径部14の外周面において図19とは90度異なる位相に配置されるように、リブを別の位置に設けることもできる。この場合、作業者は、リブ15aの方向が、軒樋81の長手方向に対し直交する方向(図19の上下方向)に沿うように、ドレン10の回転方向を規制する。
【0045】
図20は、比較例のドレン10aを軒樋81に設置した場合の1例を示している図19に対応する図である。比較例のドレン10aは、図1図19に示す実施形態のドレン10において、上ユニット11にリブ15aが設けられていない構成と同様である。作業者が比較例のドレン10aを軒樋81に設置する場合に、ドレン10aに回転方向位置を示す目印がないために、図20に示すように、矢印P1で示す雨水流れ方向最上流端のフィン30が、軒樋長手方向に沿って配置される場合がある。この状態では、水上方向からドレン10aに向かって雨水が流れるときに落ち葉等の異物が雨水流れ方向最上流端のフィン30の径方向外側端(図20に矢印Qで示す位置)に引っ掛かりやすくなる。このようにフィン30に異物が引っ掛かった状態では、後から流れてくる他の異物も先の引っかかった異物に引っ掛かりやすくなるので、異物がドレン10aに溜まりやすくなってしまう。図1図19の実施形態のドレン10によれば、このような不都合を防止できる。
【0046】
図21は、実施形態の別例のドレン10bを軒樋81に設置した状態を示している、図19に対応する図である。図21に示すドレン10bでは、上ユニット11を構成する上縮径部14の外周面において、図21の矢印P1,P2で示している周方向に隣り合う2つのフィン30間の周方向中央位置に、複数のリブ15aからなるリブ群15が配置される。リブ群15は、上縮径部14の外周面の周方向一部にのみ設けられ、リブ群15と180度位相が異なる位置に別のリブ群は設けられない。ドレン10bを軒樋81に設置する場合には、ドレン10bに形成されたリブ群15が最も水上方向に位置するように、ドレン10bの回転方向が規制される。例えば、ドレンの施工説明書等の、作業者に対する設置内容指示書において、リブ15aの方向と軒樋81の長手方向とを合わせると共に、リブ群15が水上方向に位置するようにドレンの回転方向を規制することを指示する内容が予め記載されることが好ましい。これにより、作業者が、図21の状態で軒樋81にドレン10bを適切に、容易に設置することができる。図21の状態でも、図19の場合と同様に、ドレン10bの複数のフィン30のうち、雨水流れ方向最上流端に配置される、図21に矢印P1,P2で示すフィン30が、軒樋長手方向に沿って配置されることが防止される。これにより、雨水流れ方向最上流端のフィン30に落ち葉等の異物が引っ掛かることを抑制できる。
【0047】
また、本例の構成では、図21に示すように、リブ群15の中央のリブ15aが軒樋81の最も水上方向に位置するように、ドレン10bが軒樋81に設置された場合に、雨水流れ方向最上流端に配置される矢印P1,P2で示すフィン30と、雨水流れ方向とのなす角度θmが、構造上の略最大角度となっている。これにより、雨水流れ方向最上流端のフィン30に異物が引っ掛かることをさらに抑制できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図19の構成と同様である。なお、本例において、リブ群の代わりに2つのフィン30間の中央の1つのリブのみを設けることもできる。
【0048】
図22は、実施形態の別例のドレン10c(図26)を構成する上ユニット100の正面図である。図23は、上ユニット100の一部を斜め下から見た拡大図である。図24は、上ユニット100の左側面図である。図25は、上ユニット100の下面図である。図26は、上ユニット100を含むドレン10cを軒樋81に設置した状態を上方から見て、水上方向とフィン30及び凸部50との関係を示す模式図である。
【0049】
本例の構成では、上ユニット100を構成する上縮径部14の外周面にリブからなるリブ群を設けず、その代わりに、上縮径部14の外周面において、周方向に隣り合う2つのフィン30間の周方向中央位置に、突出長さが1mm以下、直径20mm以下の凸部50が設けられる。凸部50は、例えば半球状である。これにより、凸部50は、上縮径部14の外周面の周方向一部に設けられる。凸部50は、円柱状または四角柱等の多角形柱状としてもよい。
【0050】
本例のドレン10cを軒樋81に設置する場合には、図26に示すように、ドレン10cに形成された凸部50が最も水上方向に位置するように、ドレン10cの回転方向が規制される。例えば、ドレン10cの施工説明書等の、作業者に対する設置内容指示書において、凸部50が最も水上方向に位置するようにドレン10cの回転方向を規制することを指示する内容が予め記載されることが好ましい。これにより、作業者が、図26の状態で軒樋81にドレン10cを適切に、容易に設置することができる。このため、雨水流れ方向最上流端のフィン30に落ち葉等の異物が引っ掛かることを抑制できる。
【0051】
また、本例の構成では、図26に示すように、凸部50が軒樋81の最も水上方向に位置するように、ドレン10cが軒樋81に設置された場合に、雨水流れ方向最上流端に配置される矢印P1,P2で示すフィン30と、雨水流れ方向とのなす角度θmが、構造上の略最大角度となっている。これにより、雨水流れ方向最上流端のフィン30に異物が引っ掛かることをさらに抑制できる。また、ドレン10cに設けられた凸部50を目印として作業者が、ドレン10cを回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。さらに、凸部50は、ドレン10cの設置状態で見えない位置に設けられるので、ドレン10cの設置状態の美観の低下を防止できる。本例において、その他の構成及び作用は、図1図19の構成、または図21の構成と同様である。
【0052】
図27は、実施形態の別例のドレン10dを軒樋81に設置した状態を示している、図19に対応する図である。本例の構成では、上ユニット100aに設けるフィン30の枚数が偶数である6枚である。また、上ユニット100aの上縮径部の外周面において、周方向に隣り合う2つのフィン30間の周方向中央位置に凸部50が設けられる。このように、本開示の構成では、フィンの枚数を偶数枚としてもよい。フィン30の数は、6枚に限定せず、例えば2枚、4枚、8枚のいずれかとしてもよい。
【0053】
ドレン10dを軒樋81に設置する場合には、図27に示すように、ドレン10dに形成された凸部50が最も水上方向に位置するように、ドレン10dの回転方向が規制される。一方、本例のようにフィン30を偶数枚とする場合には、凸部50が最も水下方向に位置するように、すなわち図27とは凸部50の位相が180度異なる位置に配置されるよう、ドレン10dが軒樋に設置されてもよい。その場合でも、フィン30と雨水流れ方向との位置関係は、図27の場合と同じになる。このため、凸部50を設けたことによりフィン30に異物が引っ掛かることを抑制できる効果は、フィン30の枚数が奇数の場合で、より顕著になる。
【0054】
図28は、実施形態の別例のドレンを構成する上ユニット100bの正面図である。図29は、上ユニット100bの一部を斜め下から見た拡大図である。図30は、上ユニット100bの左側面図である。図31は、上ユニット100bの下面図である。
【0055】
本例の構成では、図22図26の構成と異なり、上ユニット100bの上縮径部14の外周面に凸部を設けず、その代わりに、上フランジ16の下面の周方向の一部に、突出長さが1mm以下、直径20mm以下の下方に突出する凸部51が設けられる。凸部51は、半球状である。これにより、凸部51は、上フランジ16の下面の周方向一部に設けられる。凸部51は、円柱状または四角柱等の多角形柱状としてもよい。
【0056】
本例の構成によっても、上記の各実施形態の構成と同様に、ドレン設置状態の美観の低下を防止でき、かつ、軒樋81にドレンの設置を行う作業者がドレンを、回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。例えば、ドレンに設けられた凸部51を目印として、軒樋に作業者が、ドレンを回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。さらに、凸部51は、ドレンの設置状態で見えない位置に設けられるので、ドレンの設置状態の美観の低下を防止できる。本例において、その他の構成及び作用は、図22図26の構成と同様である。
【0057】
図32は、実施形態の別例のドレンを構成する上ユニット100cの正面図である。図33は、上ユニット100cの一部を斜め下から見た拡大図である。図34は、上ユニット100cの左側面図である。図35は、上ユニット100cの下面図である。
【0058】
本例の構成では、図22図26の構成と異なり、上ユニット100cの上縮径部14の外周面において、周方向に隣り合う2つのフィン間の周方向中央位置に、掘り込み深さが1mm以下、直径20mm以下の凹部52が設けられる。凹部52aは、例えば半球状に内周側に凹んでいる。これにより、凹部52は、上縮径部14の外周面の周方向一部に設けられる。
【0059】
本例の構成によっても、上記の各実施形態の構成と同様に、ドレン設置状態の美観の低下を防止でき、かつ、軒樋に作業者がドレンを、回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。例えば、ドレンに設けられた凹部52を目印として、軒樋に作業者が、ドレンを回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。さらに、凹部52は、ドレンの設置状態で見えない位置に設けられるので、ドレンの設置状態の美観の低下を防止できる。本例において、その他の構成及び作用は、図22図26の構成と同様である。
【0060】
図36は、実施形態の別例のドレンを構成する上ユニット100dの一部を斜め下から見た拡大図である。図37は、上ユニット100dの左側面図である。図38は、上ユニット100dの下面図である。
【0061】
本例の構成では、図28図31の構成と異なり、上ユニット100dの上フランジ16の下面において、周方向に隣り合う2つのフィン30間の周方向中央位置に、掘り込み深さが1mm以下、直径20mm以下の凹部53が設けられる。凹部53は、例えば半球状に上フランジ16の上面側に凹んでいる。これにより、凹部53は、上フランジ16の下面の周方向一部に設けられる。
【0062】
本例の構成によっても、上記の各実施形態の構成と同様に、ドレン設置状態の美観の低下を防止でき、かつ、軒樋に作業者がドレンを、回転角度について適切な状態で容易に設置しやすくなる。本例において、その他の構成及び作用は、図28図31の構成と同様である。
【0063】
なお、上記の実施形態の各例において、ドレンは、図1のように呼び樋94及びエルボ97,98を有する軒樋排水構造80に用いるものに限定せず、長い竪樋がドレンの下側に直接に接続された構成としてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10,10a~10d 軒樋ドレン(ドレン)、11 ドレン上ユニット(上ユニット)、11a 内筒、13 雄ネジ、14 上縮径部、14a 外周壁面、15 リブ群、15a リブ、16 上フランジ、20 流入開口、30 フィン、31 突出部、32 切り欠き、40 内側筒部、41 漏斗部、42 外向きフランジ、50,51 凸部、52,52a,53 凹部、80 軒樋構造、81 軒樋、82 底板、82a 開口、83 前壁、84 後壁、90 ドレン下ユニット(下ユニット)、91 外筒、91a 雌ネジ、92 下フランジ、93 段差部、93a 円板部、94 呼び樋、96 竪樋、97 上流側エルボ、97a 大径筒部、98 下流側エルボ、100,100a~100d ドレン上ユニット(上ユニット)。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図14A
図14B
図15
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