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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170259
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231124BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231124BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231124BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231124BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G03G21/00 384
B41J29/38 301
B41J29/38 103
B41J29/38 201
B41J29/38 102
G03G15/00 460
H04N1/00 567K
H04N1/00 912
G06F3/12 303
G06F3/12 374
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081869
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】新井 俊貴
【テーマコード(参考)】
2C061
2H072
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS06
2C061AS08
2C061HJ06
2C061HK06
2C061HK11
2C061HK23
2C061HN15
2H072AA17
2H072AA24
2H072AB06
2H072AB22
2H072CA01
2H072CB01
2H072CB05
2H072DA04
2H270KA04
2H270KA09
2H270KA13
2H270KA28
2H270KA42
2H270KA59
2H270LA80
2H270LC07
2H270LC10
2H270LC19
2H270LC20
2H270LD03
2H270MC61
2H270MC67
2H270MH01
2H270MH20
2H270PA34
2H270PA83
2H270QA06
2H270QA07
2H270QA23
2H270QA24
2H270QA35
2H270QA61
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB35
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC10
5C062AC22
5C062AF07
(57)【要約】
【課題】印刷が保留にされた状態でシャットダウンさせられても、その後、起動したときに次のページの印刷を容易に開始することができるようにする。
【解決手段】画像形成装置を起動する起動制御部Pr6と、媒体に画像を形成する印刷処理部Pr3と、ページデータを生成し、印刷処理部Pr3に出力する画像処理部Pr2と、媒体排出部において、画像が形成された印刷物の一部を装置本体外に突出させた状態で保持する保持処理部とを有する。印刷物が媒体排出部において保持された状態で電源がオフにされると、画像処理部Pr2は、印刷処理部Pr3へのページデータのデータ出力数を記憶装置55に記録する。画像形成装置がシャットダウンさせられても、その後、画像形成装置を起動したときに次のページの印刷を容易に開始することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)電源がオンにされると、画像形成装置を起動する起動制御部と、
(b)媒体に画像を形成する印刷処理部と、
(c)ジョブに基づいてページデータを生成し、前記印刷処理部に出力する画像処理部と、
(d)媒体排出部において、前記画像が形成された印刷物の一部を前記画像形成装置の装置本体外に突出させた状態で保持する保持処理部とを有するとともに、
(e)前記印刷物が前記媒体排出部において保持された状態で前記電源がオフにされると、前記画像処理部は、前記印刷処理部への前記ページデータのデータ出力数を記憶装置に記録することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記起動制御部は、前記データ出力数が前記記憶装置に記録された後に画像形成装置をシャットダウンさせる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像処理部は、前記ジョブに基づいて前記ページデータを生成するページデータ生成部、前記印刷処理部にページデータを出力し、前記データ出力数を計数するページデータ出力部、並びに前記ジョブ及び前記データ出力数を前記記憶装置に記録するジョブ管理部を備える請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
(a)前記ジョブ管理部は、前記印刷物が前記媒体排出部において保持された状態で前記電源がオフにされた後、オンにされると、前記記憶装置から前記ジョブ及び前記データ出力数を読み出し、
(b)前記ページデータ生成部は、前記記憶装置から読み出された前記ジョブについてページデータを生成し、
(c)前記ページデータ出力部は、前記ページデータ生成部によって生成されたページデータのページ数と前記記憶装置から読み出された前記データ出力数との差分に基づいて、前記ページデータ生成部によって生成されたページデータを前記印刷処理部に出力する請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ページデータ出力部は、前記ページデータのページ数が前記データ出力数より大きい場合、ページデータを印刷処理部に出力し、前記ページデータのページ数が前記データ出力数以下である場合、前記ページデータを破棄する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記印刷物が前記媒体排出部において保持されていない状態で前記電源がオフにされると、前記ジョブ管理部は、前記記憶装置に記録されたジョブを消去する請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
(a)電源がオンにされると、画像形成装置を起動する起動制御部と、
(b)媒体に画像を形成する印刷処理部と、
(c)ジョブに基づいてページデータを生成し、前記印刷処理部に出力する画像処理部と、
(d)媒体排出部において、前記画像が形成された印刷物の一部を前記画像形成装置の装置本体外に突出させた状態で保持する保持処理部とを有するとともに、
(e)前記印刷物が前記媒体排出部において保持された状態で前記電源がオフにされると、前記画像処理部は、前記ジョブを記憶装置に記録することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真式のプリンタにおいては、プリンタの本体、すなわち、装置本体内に、画像形成ユニット、転写装置、定着器等が配設され、前記画像形成ユニットに、感光体ドラム、帯電ローラ、現像ローラ等が配設されるようになっている。ホストコンピュータからプリンタにジョブが送信されると、前記画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面が露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像が現像ローラによって現像されてトナー像が形成され、該トナー像が、転写装置によって媒体としての用紙に転写され、定着器において定着させられることによって、画像が形成され、印刷が行われる。
【0003】
ところで、例えば、工場のライン作業、仕分け作業等で数日間にわたり、同じ印刷内容で大量の印刷を行う場合に、プレゼンタモードを設定することができるようにしたプリンタが提供されている。この種のプリンタにおいては、プレゼンタモードが設定されると、1ページ分の印刷が行われたときに、用紙が、媒体排出部としての用紙排出口において一部を装置本体外に突出させた状態で排出ローラによって保持され、操作者が用紙を引き抜くまで次のページの印刷が保留にされる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-101411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、用紙が用紙排出口において保持され、印刷が保留にされた状態で操作者がプリンタをシャットダウンさせると、次にプリンタを起動したときに次のページの印刷を開始することができず、ホストコンピュータからプリンタに再度ジョブを送信する必要が生じ、そのための作業が煩わしい。
【0006】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、媒体が媒体排出部において保持され、印刷が保留にされた状態でシャットダウンさせられても、その後、起動したときに次のページの印刷を容易に開始することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明の画像形成装置においては、電源がオンにされると、画像形成装置を起動する起動制御部と、媒体に画像を形成する印刷処理部と、ジョブに基づいてページデータを生成し、前記印刷処理部に出力する画像処理部と、媒体排出部において、前記画像が形成された印刷物の一部を前記画像形成装置の装置本体外に突出させた状態で保持する保持処理部とを有する。
【0008】
そして、前記印刷物が前記媒体排出部において保持された状態で前記電源がオフにされると、前記画像処理部は、前記印刷処理部への前記ページデータのデータ出力数を記憶装置に記録する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置においては、電源がオンにされると、画像形成装置を起動する起動制御部と、媒体に画像を形成する印刷処理部と、ジョブに基づいてページデータを生成し、前記印刷処理部に出力する画像処理部と、媒体排出部において、前記画像が形成された印刷物の一部を前記画像形成装置の装置本体外に突出させた状態で保持する保持処理部とを有する。
【0010】
そして、前記印刷物が前記媒体排出部において保持された状態で前記電源がオフにされると、前記画像処理部は、前記印刷処理部への前記ページデータのデータ出力数を記憶装置に記録する。
【0011】
この場合、1ページ分の印刷が行われ、媒体排出部において、画像が形成された印刷物が保持された状態で電源がオフにされると、画像処理部によって、印刷処理部へのページデータのデータ出力数が記憶装置に記録されるので、印刷物が媒体排出部において保持され、印刷が保留にされた状態で画像形成装置がシャットダウンさせられても、その後、画像形成装置を起動したときに次のページの印刷を容易に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
図2】本発明の実施の形態における印刷システムを示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図4】本発明の実施の形態におけるホストコンピュータの制御ブロック図である。
図5】本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードでジョブについて印刷を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされたときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされ、プリンタがシャットダウンさせられた後に、電源がオンにされたときのプリンタの動作を示す第1のフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされ、プリンタがシャットダウンさせられた後に、電源がオンにされたときのプリンタの動作を示す第2のフローチャートである。
図9】本発明の実施の形態におけるホストコンピュータ及び操作パネルと制御部との処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタ及び画像形成システムとしての印刷システムについて説明する。
【0014】
図2は本発明の実施の形態における印刷システムを示す図である。
【0015】
図において、PCは上位装置としての、かつ、情報処理装置としてのホストコンピュータ、10はプリンタ、Ntは、ホストコンピュータPCとプリンタ10とを接続するLANケーブル、USBケーブル等のネットワーク、11はプリンタ10に電力を供給する主電源、Cbはプリンタ10と主電源11とを接続する電源ケーブル、Syは、ホストコンピュータPC、プリンタ10及びネットワークNtから成る印刷システムである。
【0016】
次に、前記プリンタ10について説明する。
【0017】
図3は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0018】
図において、10はプリンタ、Bdは該プリンタ10の本体、すなわち、装置本体、Csは筐体であり、該筐体Csは、前壁Wf、背壁Wr、頂壁Wt等を備える。
【0019】
前記装置本体Bdにおける前壁Wf及び頂壁Wtと隣接する箇所に、給紙部としてのロール紙収容部13が配設され、該ロール紙収容部13にロール状媒体としてのロール紙14が収容される。
【0020】
該ロール紙14は、媒体としての長尺状の用紙P、例えば、ラベル紙をロール状に巻回させることによって形成される。なお、用紙Pとして前記ラベル紙が使用される場合、ラベル紙は、基材層としての台紙上に所定の距離を置いて複数のラベルが貼付されたダイカットラベル紙から成り、各ラベルの周囲はカス取りがされ、台紙の部分が露出させられる。
【0021】
前記ロール紙収容部13は、頂壁Wtに対してヒンジHgを中心として揺動自在に、かつ、開閉自在に配設されたロールカバーRcによって覆われ、操作者は、該ロールカバーRcを開き、ロール紙14をロール紙収容部13にセットすることができる。
【0022】
前記装置本体Bdの上下方向における中央部に画像形成部Q1が配設され、該画像形成部Q1の下方に転写ユニットu1が配設され、また、画像形成部Q1及び転写ユニットu1より前壁Wf側に定着装置としての定着器20が配設される。
【0023】
前記画像形成部Q1は、用紙Pの搬送方向における上流側から下流側にかけて配設された複数の、本実施の形態においては、3個の画像形成ユニット31Y、31M、31C、及び該各画像形成ユニット31Y、31M、31Cの像担持体としての感光体ドラム32と対向させて配設された露光装置としてのLEDヘッドHdから成る。
【0024】
各画像形成ユニット31Y、31M、31Cは、回転自在に配設された前記感光体ドラム32、該感光体ドラム32に当接させて回転自在に配設された帯電装置としての帯電ローラ33、感光体ドラム32に当接させて回転自在に配設された現像剤担持体としての現像ローラ35、該現像ローラ35に圧接させて回転自在に配設された現像剤供給部材としての供給ローラ36、該供給ローラ36の上方に配設され、各色の現像剤としてのトナーを収容する現像剤収容室としてのトナー収容室39等を備える。
【0025】
前記各画像形成ユニット31Y、31M、31Cにおいて、感光体ドラム32が回転させられるのに伴って帯電ローラ33が回転させられ、感光体ドラム32の表面が、帯電ローラ33によって一様に帯電させられ、LEDヘッドHdによって露光され、潜像としての静電潜像が形成される。
【0026】
そして、感光体ドラム32が回転させられるのに伴って現像ローラ35及び供給ローラ36が回転させられ、トナー収容室39から供給されたトナーが供給ローラ36によって現像ローラ35に供給され、該現像ローラ35上にトナーの薄層から成る現像剤層としてのトナー層が形成される。
【0027】
続いて、現像ローラ35上のトナー層が前記静電潜像に付着させられ、感光体ドラム32上にイエロー、マゼンタ及びシアンの色のトナー像が形成される。
【0028】
前記転写ユニットu1は、第1のローラとしての駆動ローラR1、第2のローラとしての従動ローラR2、前記駆動ローラR1及び従動ローラR2によって矢印方向に走行自在に張設された走行部材としての転写ベルト41、該転写ベルト41を介して各感光体ドラム32と対向させて配設され、各色のトナー像を用紙Pに転写し、カラーのトナー像を形成する転写部材としての転写ローラ43、転写ベルト41上に付着したトナーを掻き取り除去するクリーニング装置44等を備える。
【0029】
前記定着器20は、第1の定着部材としての加熱ローラ48及び第2の定着部材としての加圧ローラ49を備え、定着器20において、用紙P上のカラーのトナー像が、加熱ローラ48によって加熱され、加圧ローラ49によって加圧されることによって、カラー画像が形成される。前記加熱ローラ48内には加熱源としてのヒータHtが配設される。
【0030】
次に、用紙Pを搬送するための媒体搬送路としての用紙搬送路Rt1について説明する。
【0031】
該用紙搬送路Rt1は、前記ロール紙収容部13の下部から水平に背壁Wr側に向けて延びる第1の搬送路Rta、該第1の搬送路Rtaの後端から下方に向けて延びる第2の搬送路Rtb、及び該第2の搬送路Rtbの下端から水平に前壁Wf側に向けて延びる第3の搬送路Rtcから成り、該第3の搬送路Rtcの前端に前壁Wfを貫通して媒体排出部としての用紙排出口hoが形成される。
【0032】
前記ロール紙収容部13における用紙搬送路Rt1に、繰出部材としての給紙ローラ対m1が回転自在に配設され、該給紙ローラ対m1が回転させられることによって、ロール紙収容部13から用紙Pが用紙搬送路Rt1に繰り出される。
【0033】
そして、用紙搬送路Rt1における給紙ローラ対m1より下流側に、用紙Pの有無を検出する第1の媒体検出部としてのペーパエンドセンサs1が配設され、該ペーパエンドセンサs1より下流側に第1の搬送部材としての搬送ローラ対m2が回転自在に配設され、該搬送ローラ対m2より下流側に、用紙Pのカット位置を検出する第2の媒体検出部としてのカットセンサs2が配設され、該カットセンサs2より下流側に第2の搬送部材としての搬送ローラ対m3が回転自在に配設され、該搬送ローラ対m3より下流側に第3の搬送部材としての搬送ローラ対m4が回転自在に配設され、該搬送ローラ対m4より下流側に切断部としてのカッタユニットu2が配設され、該カッタユニットu2より下流側に第4の搬送部材としての搬送ローラ対m5が回転自在に配設される。
【0034】
用紙Pは、前記搬送ローラ対m2~m4の回転に伴って搬送された後、カッタユニットu2において所定の長さにカットされ、前記搬送ローラ対m5の回転に伴って更に搬送される。前記カッタユニットu2は、回転式のカッタであり、図示されない回転刃を回転させて用紙Pをカットする。
【0035】
また、搬送ローラ対m5より下流側には、用紙P(ラベル紙においては各ラベル)における画像の形成を開始する位置、すなわち、書出し位置を検出するための第3の媒体検出部としての書出しセンサs3が配設される。
【0036】
そして、前記用紙搬送路Rt1における書出しセンサs3より下流側に、前記画像形成部Q1及び転写ユニットu1が配設され、画像形成部Q1及び転写ユニットu1より下流側に前記定着器20が配設される。
【0037】
また、前記用紙搬送路Rt1における定着器20より下流側に、用紙Pの後端を検出する第4の媒体検出部としての排出センサs4が配設され、該排出センサs4より下流側に、用紙Pを用紙排出口hoに送るための排出部材としての排出ローラ対m6が回転自在に配設される。
【0038】
用紙Pは、画像形成部Q1と転写ユニットu1との間を搬送される間に、各色のトナー像が重ねて転写されてカラーのトナー像が形成され、その後、定着器20に送られ、該定着器20においてカラーのトナー像が用紙Pに定着させられてカラー画像が形成される。
【0039】
カラー画像が形成された用紙P(印刷物、又は印刷媒体ともいう。)は排出ローラ対m6によって用紙排出口hoから装置本体Bd外に排出される。
【0040】
次に、ホストコンピュータPCの制御装置について説明する。
【0041】
図4は本発明の実施の形態におけるホストコンピュータの制御ブロック図である。
【0042】
図において、PCはホストコンピュータ、Apは、ワードプロセッサ、表計算ソフト等のアプリケーション、Dr1はプリンタドライバ、45は通信部であり、前記プリンタドライバDr1はジョブ生成部Praを備える。
【0043】
該ジョブ生成部Praは、ジョブ生成処理を行い、アプリケーションApによって作成された文書に基づいて、PCL(Printer Control Language)等の、プリンタ10に適した形式で記述されたジョブを生成する。
【0044】
前記アプリケーションApは、操作者による印刷指示を受けると、プリンタドライバDr1を呼び出し、ジョブ生成部Praによって生成されたジョブを前記通信部45及びネットワークNtを介してプリンタ10に送る。
【0045】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0046】
図1は本発明の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0047】
図において、10はプリンタ、50は制御部、51は、ネットワークNtを介してプリンタ10とホストコンピュータPCとを接続し、ホストコンピュータPCから印刷データ等のジョブを受信したり、プリンタ10のステータス情報をホストコンピュータPCに送信したりする通信部、53は第1の記憶部としてのROM(Read Only Memory)、54は第2の記憶部としてのRAM(Ramdom Access Memory)、55は、HDD、フラッシュメモリ等から成る第3の記憶部としての記憶装置、56は操作・表示部としての操作パネル、s4は用紙Pの有無及び用紙Pの後端を検出する前記排出センサである。
【0048】
また、PWは、主電源11(図2)からプリンタ10に供給された電力に基づいてプリンタ10の各部位に所定の電圧を印加する電源部、HdはLEDヘッド、M1は搬送モータ、M2は排出駆動モータである。該排出駆動モータM2を正方向に駆動すると、排出ローラ対m6が正方向に回転させられ、用紙Pが正方向に搬送され、排出駆動モータM2を逆方向に駆動すると、排出ローラ対m6が逆方向に回転させられ、用紙Pが逆方向に搬送される。
【0049】
前記制御部50は、図示されない演算装置としてのCPU、入出力ポート、計時部材としてのタイマ等を備え、プリンタ10の全体の制御を行うとともに、ROM53に記録されたプログラム(ソフトウェア)、制御データ等に基づいて各種の処理を行う。
【0050】
前記ROM53には、前記プログラムのほかに、制御部50が前記各種の処理を行うために必要な設定値、閾値等が記録される。
【0051】
前記RAM54には、前記ジョブに含まれる印刷データを編集し、展開することによってページごとにラスタライズされた画像データとしてのページデータが記録されるほかに、プログラムの実行に伴って生成される各種情報が一時的に記録される。なお、前記RAM54は、前記CPUが演算を行う際にワークエリアとして機能する。
【0052】
前記記憶装置55は、ジョブ記憶領域Ar1、データ出力数記憶領域Ar2等を備え、ジョブ記憶領域Ar1にホストコンピュータPCから受信したジョブが、データ出力数記憶領域Ar2に後述されるページデータのデータ出力数Ndが記録される。
【0053】
前記操作パネル56は、電源をオンにしたり、オフにしたりする際に操作者が操作する電源キー57、操作者がプリンタ10への指示を入力するためのスイッチ、キー等から成る操作部58、及びプリンタ10の状態を表示するためのLED(Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)等から成る表示部59を備える。
【0054】
操作者は、操作部58を操作することによって、表示部59に形成された各種の画面、例えば、メニュー画面において、設定項目を選択して各種の設定、本実施の形態においては、後述されるプレゼンタモードを設定することができる。
【0055】
そのために、表示部59においては、プリンタ10の状態に応じてLEDが点灯されたり、LCDに各種の情報、メッセージ等が表示されたりする。
【0056】
前記制御部50は、状態管理部Pr1、画像処理部Pr2、印刷処理部Pr3、保持処理部としての搬送処理部Pr4、モード設定部Pr5、起動制御部Pr6等を備える。
【0057】
前記状態管理部Pr1は、状態管理処理を行い、制御部50の全体の制御を行うとともに、制御部50における各処理部、すなわち、前記画像処理部Pr2、印刷処理部Pr3、搬送処理部Pr4、モード設定部Pr5、起動制御部Pr6等の状態を管理する。
【0058】
前記画像処理部Pr2は、画像処理を行い、ジョブに含まれる印刷データを処理する。そのために、前記画像処理部Pr2は、ジョブ管理部Pr21、ページデータ生成部Pr22、ページデータ出力部Pr23等を備える。
【0059】
前記ジョブ管理部Pr21は、ジョブ管理処理を行い、ホストコンピュータPCからジョブが送信されると、該ジョブを記憶装置55のジョブ記憶領域Ar1に記録する。また、プリンタ10がシャットダウンさせられ、その後、プリンタ10が起動されると、ジョブ管理部Pr21はジョブ記憶領域Ar1からジョブを読み出す。さらに、ジョブ管理部Pr21は、ページデータの出力数Ndをデータ出力数記憶領域Ar2に記録したり、データ出力数記憶領域Ar2から読み出したりする。
【0060】
前記ページデータ生成部Pr22は、ページデータ生成処理を行い、ジョブ記憶領域Ar1に記録されたジョブに基づいて、すなわち、ジョブに含まれる印刷データをページごとにラスタライズすることによって、ページデータを生成する。
【0061】
前記ページデータ出力部Pr23は、ページデータ出力処理を行い、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータを印刷処理部Pr3に送ることによって出力するとともに、ページデータを印刷処理部Pr3に出力するたびにページデータのデータ出力数を内部変数として計数(インクリメント)し、データ出力数Ndとして保持する。また、ジョブについての印刷が終了するか、又はプリンタ10がシャットダウンさせられると、ページデータ出力部Pr23は保持しているデータ出力数Ndを消去する。
【0062】
前記印刷処理部Pr3は、印刷処理を行い、前記ページデータ出力部Pr23によって出力されたページデータを読み込み、LEDヘッドHdに送り、該LEDヘッドHdを駆動し、受信したジョブについて用紙Pに画像を形成する。
【0063】
前記搬送処理部Pr4は、保持処理としての搬送処理を行い、搬送モータM1を駆動し、給紙ローラ対m1及び搬送ローラ対m2~m5を回転させることによって用紙Pを用紙搬送路Rt1に沿って搬送するとともに、排出駆動モータM2を駆動し、排出ローラ対m6を回転させ、停止させることによって、用紙排出口hoにおいて一部を装置本体Bd外に突出させた状態で用紙Pを保持する。
【0064】
前記モード設定部Pr5は、モード設定処理を行い、操作者が、表示部59に形成されたメニュー画面において、操作部58を操作することによってプリンタ10のモード、本実施の形態においては、プレゼンタモードを選択した場合、プレゼンタモードを設定(オンに)し、通常モードを選択した場合、プレゼンタモードを解除(オフに)し、通常モードを設定する。
【0065】
プレゼンタモードが解除されている場合、前記搬送処理部Pr4は、搬送モータM1及び排出駆動モータM2を正方向に駆動し、排出ローラ対m6を正方向に回転させ、定着器20から排出された用紙Pを正方向に搬送し、用紙排出口hoから装置本体Bd外に排出する。また、プレゼンタモードが設定されている場合、排出センサs4が定着器20から排出された用紙Pの後端を検出すると、前記印刷処理部Pr3は印刷を保留にし、前記搬送処理部Pr4は、排出駆動モータM2を停止させた後、逆方向に駆動し、用紙Pを所定の距離逆方向に搬送し、続いて、停止させる。これにより、画像が形成された用紙Pは、用紙排出口hoにおいて一部を装置本体Bd外に突出させた状態で排出ローラ対m6によって保持される。操作者は排出ローラ対m6によって保持された用紙Pを用紙排出口hoから抜き取ることができ、それに伴い、排出ローラ対m6は空転させられる。また、前記印刷処理部Pr3は、保留にしていた印刷を再び開始する。
【0066】
前記起動制御部Pr6は、起動制御処理を行い、プリンタ10を起動したり、シャットダウンさせたりする。
【0067】
すなわち、起動制御部Pr6は、操作者によって操作パネル56の電源キー57が操作され、電源がオンにされると、電源部PWによって各部位に電圧を印加し、プリンタ10を起動し、操作者によって操作パネル56の電源キー57が操作され、電源がオフにされると、電源部PWによる各部位への電圧の印加を停止させ、プリンタ10をシャットダウンさせる。
【0068】
次に、プレゼンタモードでジョブについて印刷を行うときのプリンタ10の動作について説明する。
【0069】
図5は本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードでジョブについて印刷を行うときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0070】
まず、通信部51はホストコンピュータPCからジョブを受信するのを待機する(ステップS1)。通信部51がジョブを受信すると、画像処理部Pr2のジョブ管理部Pr21は、ジョブを記憶装置55のジョブ記憶領域Ar1に記録する(ステップS2)。
【0071】
続いて、ページデータ生成部Pr22は、ジョブ記憶領域Ar1に記録されたジョブに含まれる印刷データをページごとにラスタライズして、ページデータを生成する(ステップS3)。
【0072】
そして、ページデータ出力部Pr23は、印刷処理部Pr3に、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータを出力する(ステップS4)。また、ページデータ出力部Pr23は、ページデータを印刷処理部Pr3に出力するごとにデータ出力数Ndを計数する。
【0073】
印刷処理部Pr3は、印刷処理を行い、前記ページデータ出力部Pr23によって出力されたページデータを読み込み、用紙Pに画像を形成する(ステップS5)。
【0074】
この場合、プレゼンタモードが設定されているので、画像が形成され、定着器20から排出された用紙Pの後端が排出センサs4によって検出されると、搬送処理部Pr4は、一部を装置本体Bd外に突出させた状態で用紙Pを排出ローラ対m6によって保持する(ステップS6)。そのために、搬送処理部Pr4は、排出駆動モータM2を停止させた後、逆方向に駆動し、用紙Pを所定の距離逆方向に搬送し、続いて、排出駆動モータM2を停止させる。
【0075】
そして、搬送処理部Pr4は、操作者によって用紙排出口hoから用紙Pが抜き取られるのを待機する(ステップS7)。そのために、搬送処理部Pr4は、排出センサs4によって用紙Pの後端が検出されなくなるのを待機する。
【0076】
操作者によって用紙排出口hoから用紙Pが抜き取られ、排出センサs4によって用紙Pの後端が検出されなくなると、画像処理部Pr2は、ジョブについての印刷が終了したかどうかを判断する(ステップS8)。ジョブについての印刷が終了しなかった場合、ページデータ生成部Pr22は、次のページのページデータを生成し(ステップS3)、ジョブについての印刷が終了した場合、制御部50は処理を終了する。
【0077】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 通信部51はホストコンピュータPCからジョブを受信するのを待機する。ホストコンピュータPCからジョブを受信した場合はステップS2に進む。
ステップS2 ジョブ管理部Pr21はジョブをジョブ記憶領域Ar1に記録する。
ステップS3 ページデータ生成部Pr22はページデータを生成する。
ステップS4 ページデータ出力部Pr23は印刷処理部Pr3にページデータを出力する。
ステップS5 印刷処理部Pr3は用紙Pに画像を形成する。
ステップS6 搬送処理部Pr4は用紙Pを保持する。
ステップS7 搬送処理部Pr4は操作者によって用紙Pが抜き取られるのを待機する。操作者によって用紙Pが抜き取られた場合はステップS8に進む。
ステップS8 画像処理部Pr2はジョブについての印刷が終了したかどうかを判断する。ジョブについての印刷が終了した場合は処理を終了し、ジョブについての印刷が終了しなかった場合はステップS3に戻る。
【0078】
次に、プレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされたときのプリンタ10の動作について説明する。なお、本実施の形態においては、電源がオフにされても、電源部PWは各部位に電圧の印加を継続し、プリンタ10が直ちにシャットダウンさせられることはない。
【0079】
図6は本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされたときのプリンタの動作を示すフローチャートである。
【0080】
まず、起動制御部Pr6は、電源がオフにされたかどうかを判断する(ステップS11)。電源がオフにされなかった場合、制御部50は処理を終了し、電源がオフにされた場合、搬送処理部Pr4は、排出センサs4が用紙Pの後端を検出しているかどうかによって、印刷が保留にされた状態で用紙Pが排出ローラ対m6によって保持されているかどうかを判断する(ステップS12)。
【0081】
排出センサs4が用紙Pの後端を検出していて、印刷が保留にされた状態で用紙Pが排出ローラ対m6によって保持されている場合、画像処理部Pr2は、ページデータ生成Pr22によってすべてのページについてページデータが生成されていないかどうかによって、ジョブについて印刷が終了していないかどうかを判断する(ステップS13)。
【0082】
ページデータ生成Pr22によってジョブのすべてのページについてページデータが生成されておらず、ジョブについて印刷が終了していない場合、ジョブ管理部Pr21は、ページデータ出力部Pr23からデータ出力数Ndを読み込み、データ出力数記憶領域Ar2に記録する(ステップS14)。このように、用紙Pが用紙排出口hoにおいて保持された状態で電源がオフにされると、データ出力数Ndがデータ出力数記憶領域Ar2に記録される。
【0083】
続いて、起動制御部Pr6は、電源部PWによる各部位への電圧の印加を停止させ、プリンタ10をシャットダウンさせる(ステップS15)。
【0084】
また、電源がオフにされたときに、排出センサs4が用紙Pの後端を検出しておらず、用紙Pが排出ローラ対m6によって保持されていない場合、及びページデータ生成Pr22によってすべてのページについてページデータが生成されていて、ジョブについて印刷が終了している場合も、起動制御部Pr6は、電源部PWによる各部位への電圧の印加を停止させ、プリンタ10をシャットダウンさせる(ステップS15)。
【0085】
なお、用紙Pが用紙排出口hoにおいて保持されていない状態で前記電源がオフにされると、前記ジョブ管理部Pr21は、前記ジョブ記憶領域Ar1に記録されたジョブ及び前記データ出力数記憶領域Ar2に記録されたデータ出力数Ndを消去する。
【0086】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 起動制御部Pr6は電源がオフにされたかどうかを判断する。電源がオフにされた場合はステップS12に進み、電源がオフにされなかった場合は処理を終了する。
ステップS12 搬送処理部Pr4は用紙Pが保持されているかどうかを判断する。用紙Pが保持されている場合はステップS13に進み、用紙Pが保持されていない場合はステップS15に進む。
ステップS13 画像処理部Pr2はすべてのページデータが生成されていないかどうかを判断する。すべてのページデータが生成されていない場合はステップS14に進み、すべてのページデータが生成されている場合はステップS15に進む。
ステップS14 ジョブ管理部Pr21はデータ出力数Ndをデータ出力数記憶領域Ar2に記録する。
ステップS15 起動制御部Pr6はプリンタ10をシャットダウンさせ、処理を終了する。
【0087】
次に、プレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされ、シャットダウンさせられた後に、電源がオンにされたときのプリンタ10の動作について説明する。
【0088】
図7は本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされ、プリンタがシャットダウンさせられた後に、電源がオンにされたときのプリンタの動作を示す第1のフローチャート、図8は本発明の実施の形態におけるプレゼンタモードが設定されている状態で電源がオフにされ、プリンタがシャットダウンさせられた後に、電源がオンにされたときのプリンタの動作を示す第2のフローチャートである。
【0089】
操作者がプリンタ10の電源をオンにすると、起動制御部Pr6は、電源部PWによって各部位に電圧を印加させ、プリンタ10を起動し(ステップS21)、状態管理部Pr1は、プリンタ10の初期化処理を行う(ステップS22)。
【0090】
プリンタ10の初期化処理が終了すると、搬送処理部Pr4は、排出センサs4が用紙Pの後端を検出しているかどうかによって、用紙Pが排出ローラ対m6によって保持されているかどうかを判断する(ステップS23)。排出センサs4が用紙Pの後端を検出しておらず、用紙Pが排出ローラ対m6によって保持されていない場合、状態管理部Pr1は処理を終了し、排出センサs4が用紙Pの後端を検出していて、用紙Pが排出ローラ対m6によって保持されている場合、ジョブ管理部Pr21は、ジョブ記憶領域Ar1からのジョブの読出しに成功したかどうかを判断する(ステップS24)。
【0091】
ジョブ記憶領域Ar1からのジョブの読出しに成功した場合、ジョブ管理部Pr21はデータ出力数記憶領域Ar2からデータ出力数Ndを読み出す(ステップS25)。また、例えば、ジョブ記憶領域Ar1にジョブを記録する際にエラーが発生した場合のように、ジョブ記憶領域Ar1からの印刷データの読出しに成功しなかった場合、状態管理部Pr1は処理を終了する。
【0092】
続いて、ページデータ生成部Pr22は、ジョブ記憶領域Ar1から読み出した印刷データをラスタライズして、ページデータを生成する(ステップS26)。
【0093】
次に、ページデータ出力部Pr23は、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータのページ数と、ジョブ管理部Pr21によってデータ出力数記憶領域Ar2から読み出されたデータ出力数Ndとを比較し、比較結果、すなわち、ページデータのページ数とデータ出力数Ndとの差分に基づいて、プリンタ10のシャットダウン前に、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータの印刷が行われているかどうかを判断する(ステップS27)とともに、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータを印刷処理部Pr3に出力するかどうかを判断する。すなわち、ページデータ出力部Pr23は、ページデータのページ数がデータ出力数Nd以下である場合、ページデータが印刷処理部Pr3に出力されていて、プリンタ10のシャットダウン前に印刷が行われていると判断し、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータを破棄し(ステップS28)、ページデータのページ数がデータ出力数Ndより大きい場合、ページデータが印刷処理部Pr3に出力されておらず、プリンタ10のシャットダウン前に印刷が行われていないと判断し、ページデータ生成部Pr22によって生成されたページデータを印刷処理部Pr3に出力する(ステップS29)。また、ページデータ出力部Pr23は、ページデータを印刷処理部Pr3に出力するごとにデータ出力数Ndを計数(インクリメント)する。
【0094】
印刷処理部Pr3は、画像処理部Pr2のページデータ出力部Pr23によって出力されたページデータを読み込み、用紙Pに画像を形成する(ステップS30)。
【0095】
この場合も、プレゼンタモードが設定されているので、画像が形成され、定着器20から排出される用紙Pの後端が排出センサs4によって検出されると、搬送処理部Pr4は、一部を装置本体Bd外に突出させた状態で用紙Pを排出ローラ対m6によって保持する(ステップS31)。そのために、搬送処理部Pr4は、排出駆動モータM2を停止させた後、逆方向に駆動し、用紙Pを所定の距離逆方向に搬送し、続いて、排出駆動モータM2を停止させる。
【0096】
そして、搬送処理部Pr4は、操作者によって用紙排出口hoから用紙Pが抜き取られるのを待機する(ステップS32)。そのために、搬送処理部Pr4は、排出センサs4によって用紙Pの後端が検出されなくなるのを待機する。
【0097】
操作者によって用紙排出口hoから用紙Pが抜き取られ、排出センサs4によって用紙Pの後端が検出されなくなると、画像処理部Pr2は、ジョブについての印刷が終了したかどうかを判断する(ステップS33)。ジョブについての印刷が終了しなかった場合、ページデータ生成部Pr22は、次のページのページデータを生成し(ステップS26)、ジョブについての印刷が終了した場合、ジョブ管理部Pr21は、ジョブ記憶領域Ar1に記録されたジョブ、及びデータ出力数記憶領域Ar2に記録されたデータ出力数Ndを消去し(ステップS34)、状態管理部Pr1は、処理を終了する。
【0098】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 起動制御部Pr6はプリンタ10を起動する。
ステップS22 状態管理部Pr1はプリンタ10の初期化処理を行う。
ステップS23 搬送処理部Pr4は用紙Pが保持されているかどうかを判断する。用紙Pが保持されている場合はステップS24に進み、用紙Pが保持されていない場合は処理を終了する。
ステップS24 ジョブ管理部Pr21はジョブの読出しに成功したかどうかを判断する。印刷データの読出しに成功した場合はステップS25に進み、ジョブの読出しに成功しなかった場合は処理を終了する。
ステップS25 ジョブ管理部Pr21はデータ出力数記憶領域Ar2からデータ出力数Ndを読み出す。
ステップS26 ページデータ生成部Pr22はページデータを生成する。
ステップS27 ページデータ出力部Pr23はプリンタ10のシャットダウン前に印刷が行われているかどうかを判断する。プリンタ10のシャットダウン前に印刷が行われている場合はステップS28に進み、プリンタ10のシャットダウン前に印刷が行われていない場合はステップS29に進む。
ステップS28 ページデータ出力部Pr23はページデータを破棄し、ステップS33に進む。
ステップS29 ページデータ出力部Pr23はページデータを印刷処理部Pr3に出力する。
ステップS30 印刷処理部Pr3は用紙Pに画像を形成する。
ステップS31 搬送処理部Pr4は用紙Pを保持する。
ステップS32 搬送処理部Pr4は操作者によって用紙排出口hoから用紙Pが抜き取られるのを待機する。操作者によって用紙排出口hoから用紙Pが抜き取られた場合はステップS33に進む。
ステップS33 画像処理部Pr2はジョブについての印刷が終了したかどうかを判断する。ジョブについての印刷が終了した場合はステップS34に進み、ジョブについての印刷が終了しなかった場合はステップS26に戻る。
ステップS34 ジョブ管理部Pr21はジョブ記憶領域Ar1に記録されたジョブ及びデータ出力数記憶領域Ar2に記録されたデータ出力数Ndを消去し、処理を終了する。
【0099】
次に、操作者がホストコンピュータPC、並びに操作パネル56の電源キー57及び操作部58を操作したときの、ホストコンピュータPC及び操作パネル56と制御部50との処理のシーケンスについて説明する。
【0100】
図9は本発明の実施の形態におけるホストコンピュータ及び操作パネルと制御部との処理のシーケンス図である。
【0101】
まず、操作者が操作部58を操作し、表示部59のメニュー画面においてプレゼンタモードを選択すると、モード設定部Pr5はプレゼンタモードを設定する。
【0102】
続いて、操作者がホストコンピュータPCを操作し、ホストコンピュータPCからプリンタ10にジョブを送信すると、ジョブ管理部Pr21は、ジョブをジョブ記憶領域Ar1に記録し、ジョブについて画像を形成する。
【0103】
そして、操作者が電源をオフにすると、ジョブ管理部Pr21は、データ出力数Ndをデータ出力数記憶領域Ar2に記録し、起動制御部Pr6はプリンタ10をシャットダウンさせる。
【0104】
その後、操作者が電源をオンにすると、起動制御部Pr6はプリンタ10を起動し、ジョブ管理部Pr21は、ジョブ記憶領域Ar1からジョブを、データ出力数記憶領域Ar2からデータ出力数Ndを読み出し、プリンタ10がシャットダウンさせられる前に形成されていた画像に続けて画像を形成する。
【0105】
このように、本実施の形態においては、1ページ分の印刷が行われ、用紙排出口hoにおいて、画像が形成された用紙Pが保持された状態で電源がオフにされると、画像処理部Pr2によって、印刷処理部Pr3へのページデータのデータ出力数Ndが記憶装置55に記録されるので、印刷が保留にされた状態でプリンタ10がシャットダウンさせられても、その後、プリンタ10を起動したときに次のページの印刷を容易に開始することができる。
【0106】
また、プリンタ10が起動されたときにジョブの印刷データの最初のページから印刷しなおす必要がなくなるので、プリンタ10の利便性を向上させることができ、しかも、用紙Pを無駄に消費することがなくなり、プリンタ10のコストを低くすることができる。
【0107】
本実施の形態においては、プリンタ10において、ジョブをホストコンピュータPCから受信するとジョブ記憶領域Ar1に記録するようになっているが、ホストコンピュータPCから受信したときにジョブをRAM54に一時的に記録し、ページデータ生成部Pr22がRAM54から各ページの印刷データを読み出してページデータを生成し、プリンタ10の電源がオフにされると、ジョブ管理部Pr21がRAM54からジョブを読み出し、ジョブ記憶領域Ar1に記録するようにすることもできる。
【0108】
また、本実施の形態においては、プリンタ10がシャットダウンさせられた後に起動されたときに、自動的に印刷を再び開始するようになっているが、状態管理部Pr1が表示部59に印刷を再び開始するかどうかを操作者に問い合わせるメッセージを表示し、操作者が操作部58を操作し、印刷を再び開始するよう指示した場合に、印刷を再び開始するようにすることができる。
【0109】
さらに、本実施の形態においては、操作者がプリンタ10に配設された操作部58を操作することによってプレゼンタモードを設定するようになっているが、ホストコンピュータPCの操作部を操作して、プリンタドライバによってプレゼンタモードを設定することもできる。
【0110】
本実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0111】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0112】
10 プリンタ
55 記憶装置
Bd 装置本体
ho 用紙排出口
Nd データ出力数
P 用紙
Pr2 画像処理部
Pr3 印刷処理部
Pr4 搬送処理部
Pr6 起動制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9