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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170278
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】樹脂成形品
(51)【国際特許分類】
   B60K 37/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B60K37/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081897
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】508309887
【氏名又は名称】森六テクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(72)【発明者】
【氏名】堀江 俊彦
【テーマコード(参考)】
3D344
【Fターム(参考)】
3D344AA12
3D344AB01
3D344AC13
3D344AD04
(57)【要約】
【課題】板状部材に対して所望の位置に固定することのできる樹脂成形品を提供すること。
【解決手段】樹脂成形品(20)は、板状に形成された板状部材(11)に固定されて用いられる。樹脂成形品(20)は、本体部(30)に、板状部材(11)の上面(11b)に当接可能な上面当接部(26)と、板状部材(11)の端面(11c)に当接可能な端面当接部(27)と、この端面当接部(27)とは別に形成され板状部材(11)の下面(11d)に当接可能な下面当接部(28)と、が一体的に形成されている。好ましくは、端面当接部(27)のうち板状部材(11)の端面(11c)に当接可能な端部当接面(27a)は、板状部材(11)の端面(11c)と略同一方向に向けて配置されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状に形成された板状部材に固定されて用いられる、樹脂成形品であって、
本体部に、前記板状部材の上面に当接可能な上面当接部と、前記板状部材の端面に当接可能な端面当接部と、この端面当接部とは別に形成され前記板状部材の下面に当接可能な下面当接部と、が一体的に形成されていることを特徴とする樹脂成形品。
【請求項2】
前記端面当接部のうち前記板状部材の端面に当接可能な端部当接面は、前記板状部材の端面と略同一方向に向けて配置されている、請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項3】
前記下面当接部のうち前記板状部材の下面に当接可能な下部当接面は、前記端部当接面に対して略垂直な面上に形成されている、請求項2に記載の樹脂成形品。
【請求項4】
前記端面当接部は、前記上面当接部に覆われた位置に形成され、
前記下面当接部は、前記上面当接部に覆われている領域の外方に形成されている、請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項5】
前記本体部から前記板状部材に沿って突出する当接部支持部をさらに有し、
前記端面当接部及び前記下面当接部は、前記当接部支持部の外面に形成されている、請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項6】
前記上面当接部は、前記本体部から前記板状部材の上面までを接続し、前記本体部に対して傾斜している、請求項1に記載の樹脂成形品。
【請求項7】
前記本体部には、下方から出射された光を透過可能な開口部が開けられ、
前記開口部は、上下方向に延びる周壁部によって囲われている、請求項1に記載の樹脂成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状に形成された板状部材に固定されて用いられる、樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ヘッドアップディスプレイ装置が搭載された車両において、板状部材としてのインストルメントパネルに、樹脂成形品が固定されて用いられることがある。樹脂成形品は、ヘッドアップディスプレイ装置の上方に配置され、インストルメントパネルに形成した開口の一部を覆う。
【0003】
ヘッドアップディスプレイ装置のカバーに限らず、板状部材に固定されて用いられる樹脂成形品が種々知られている。このような樹脂成形品に関する従来技術として特許文献1に開示される技術がある。特許文献1に開示された樹脂成形品について、本願の図7Aを参照して説明する。
【0004】
図7Aには、特許文献1に示された樹脂成形品が再掲されている。エアバック装置のリッドとしての樹脂成形品120は、板状部材111としてのインストルメントパネルに固定されて用いられる。樹脂成形品120の前方の縁である前縁部140は、前方に向かって開放された略U字状に形成されている。この略U字状に形成された前縁部140で板状部材111の端部111cを挟み込むようにして、樹脂成形品120は板状部材111に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-177523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、樹脂成形品120を板状部材111に対して適切な位置に固定することができるよう、設計段階において樹脂成形品120の前縁部140の位置や大きさを調節することが行なわれる。
【0007】
図7Bを参照する。図7Bは、前縁部の調節方法について説明する図である。樹脂成形品120の設計を行なう際は、まず想定されるよりも小さめに前縁部140が形成されるよう、樹脂成形品120の製造型を製造する。そして、前縁部140を板状部材111に対して適切な個所に配置することができるよう、徐々に製造型の該当箇所を削る。製造型を削ることにより、削られた分だけ前縁部140の形状が変化する。これにより、前縁部140が板状部材111に当接する部位が変化し、適切な位置に樹脂成形品120が固定されるようになるまで調節を繰り返す。
【0008】
このとき、前縁部140の下面141は、板状部材111の端部111cに対して傾斜している。前縁部140の下面141を上昇させるように調節を行なうと、樹脂成形品120の位置は、板状部材111に対して、板状部材111の面に沿った方向と面に垂直な方向の両方に変化することとなる。樹脂成形品120の取付位置は、板状部材111の面に沿った方向に対して最適な位置となった場合であっても、面に垂直な方向に対しては最適な位置ではない、ということが生じ得る。板状部材111に対して、樹脂成形品120を最適な位置に固定できることが望まれる。
【0009】
本開示は、板状部材に対して所望の位置に固定することのできる樹脂成形品の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によれば、第1に、板状に形成された板状部材に固定されて用いられる、樹脂成形品であって、
本体部に、前記板状部材の上面に当接可能な上面当接部と、前記板状部材の端面に当接可能な端面当接部と、この端面当接部とは別に形成され前記板状部材の下面に当接可能な下面当接部と、が一体的に形成されていることを特徴とする樹脂成形品が提供される。
【0011】
第2に、好ましくは、第1に記載の樹脂成形品であって、
前記端面当接部のうち前記板状部材の端面に当接可能な端部当接面は、前記板状部材の端面と略同一方向に向けて配置されている。
【0012】
第3に、好ましくは、第2に記載の樹脂成形品であって、
前記下面当接部のうち前記板状部材の下面に当接可能な下部当接面は、前記端部当接面に対して略垂直な面上に形成されている。
【0013】
第4に、好ましくは、第1乃至第3のいずれかに記載の樹脂成形品であって、
前記端面当接部は、前記上面当接部に覆われた位置に形成され、
前記下面当接部は、前記上面当接部に覆われている領域の外方に形成されている。
【0014】
第5に、好ましくは、第1乃至第4のいずれかに記載の樹脂成形品であって、
前記本体部から前記板状部材に沿って突出する当接部支持部をさらに有し、
前記端面当接部及び前記下面当接部は、前記当接部支持部の外面に形成されている。
【0015】
第6に、好ましくは、第1乃至第5のいずれかに記載の樹脂成形品であって、
前記上面当接部は、前記本体部から前記板状部材の上面までを接続し、前記本体部に対して傾斜している。
【0016】
第7に、好ましくは、第1乃至第6のいずれかに記載の樹脂成形品であって、
前記本体部には、下方から出射された光を透過可能な開口部が開けられ、
前記開口部は、上下方向に延びる周壁部によって囲われている。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、板状部材に対して所望の位置に固定することのできる樹脂成形品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施例による樹脂成形品が板状部材に固定された状態を示す斜視図である。
図2図1に示された樹脂成形品を前方から見た状態の斜視図である。
図3図1の3-3線断面図である。
図4図3の4部拡大図である。
図5図2の5部拡大図である。
図6図6Aは、樹脂成形品を板状部材へ臨ませる工程について説明する図、図6Bは、板状部材へ臨ませた樹脂成形品を板状部材へ固定する工程について説明する図である。
図7図7Aは、従来の樹脂成形品について説明する図、図7Bは、従来の樹脂成形品の問題点について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中、左右とは樹脂成形品が搭載された車両の乗員を基準として左右、前後とは車両の進行方向を基準として前後を指す。また、図中Frは前、Rrは後、Leは乗員から見て左、Riは乗員から見て右、Upは上、Dnは下を示している。
【0020】
<実施例>
実施例を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1を参照する。樹脂成形品20は、例えば、車両10に搭載される。より具体的には、樹脂成形品20は、車室前部に設けられているインストルメントパネル11に固定されて用いられる。樹脂成形品20の下方には、光を出射可能なヘッドアップディスプレイ装置12が設けられている。
【0022】
インストルメントパネル11は、板状に形成された樹脂製の部材であり、板状部材11ということもできる。なお、板状部材11は、樹脂成形品20を固定することができる板状の部材であればよい。このため、板状部材の素材は、樹脂の他に金属等の任意の素材を用いることができる。
【0023】
ヘッドアップディスプレイ装置12から出射された光は、例えば、フロントガラスに投射される。乗員は、フロントガラスに投射された光を視認することにより、車両の速度等の情報を得ることができる。なお、ヘッドアップディスプレイ装置12から出射された光は、コンバイナと称する投射部に投射されても良い。
【0024】
図2及び図3を参照する。樹脂成形品20は、射出成形により成形されている。樹脂成形品20は、板状部材11に開けられた板状部材開口部11aの縁に固定されている。
【0025】
樹脂成形品20は、略矩形の枠状に形成されている本体部30と、この本体部30の前部から板状部材11に沿って突出している当接部支持部23と、本体部30の後部に形成され板状部材開口部11aの縁に掛けられている後部係止部24と、を有している。
【0026】
図4を参照する。樹脂成形品20は、本体部30から板状部材11の上面11bまで延び板状部材11の上面11bに当接可能な上面当接部26と、当接部支持部23の後部から上方に突出し板状部材開口部11aの端面11cに当接可能な端面当接部27と、当接部支持部23の前端から上方に突出し板状部材開口部11aの下面11dに当接可能な下面当接部28と、をさらに有する。
【0027】
図3を併せて参照する。本体部30、当接部支持部23、後部係止部24、上面当接部26、端面当接部27、下面当接部28は、一体的に形成されている。
【0028】
図2を参照する。本体部30は、4つの周壁部31~34が略矩形状に接続されてなる。周壁部31~34は、前部に形成され上下に延びる前壁部31と、前壁部31の左端から後方に延びる左壁部32と、前壁部31の右端から後方に延びる右壁部33と、これらの左壁部32及び右壁部33の後端を繋ぐように左右に延びる後壁部34と、からなる。
【0029】
周壁部31~34の下端は下方から出射された光が透過可能な開口部35とされている。周壁部31~34の上端は枠状に形成された上面部36とされている。
【0030】
前壁部31は、左右に長い長方形状を呈する。左壁部32及び右壁部33は、上下の辺が略平行な台形状を呈する。左壁部32の後辺及び右壁部33の後辺は、それぞれ上端よりも下端が前方に位置するように傾斜している。後壁部34は、平面視において略長方形状を呈している。また、後壁部34は、前方に向かって下り勾配に形成され、前後方向の中央部から後部が上方に向かって湾曲している。
【0031】
図2を参照する。当接部支持部23は、本体部30の左右方向に断続的に3つ形成されている。図4を参照する。当接部支持部23は、一部が本体部30の裏面まで接続されている。当接部支持部23と上面当接部26との間には隙間Spが形成されている。当接部支持部23の一部は、上面当接部26の下方に位置している。
【0032】
図5を参照する。当接部支持部23は、本体部30から前方に突出している支持部本体23aと、本体部30から立ち上げられ支持部本体23aの一方の側面を閉じている側壁部23bと、を有する。
【0033】
図3を参照する。後部係止部24は、板状部材11の上面11bに沿って延び板状部材11の上面11bに当接している後部第1当接部24aと、板状部材開口部11aの端面11cに当接している後部第2当接部24bと、を含む。
【0034】
後部第1当接部24aは、上面部36に対して傾斜して形成されている。これにより、後部第1当接部24aの端面は、板状部材11の上面11bに当接し、外部からは視認不能とされている。
【0035】
図4を参照する。上面当接部26は、本体部30から板状部材11の上面11bまでを接続し、本体部30及び板状部材11の上面11bの何れに対しても傾斜している。上面当接部26の端面は、板状部材11の上面11bに当接し、外部からは視認不能とされている。
【0036】
上面当接部26は、先端が薄肉状に形成され、薄肉状に形成された部位が板状部材11の上面11bに当接する。
【0037】
端面当接部27は、本体部30及び/又は上面当接部26に覆われた位置に形成されている。端面当接部27には、板状部材11の端面11cに当接可能な端部当接面27aが含まれる。端部当接面27aは、板状部材11の端面11cに沿って形成されている。即ち、端部当接面27aは、板状部材11の端面11cと略同一方向に向けて配置されている。端部当接面27aは、板状部材11の端面11cに対して線接触又は面接触していることが好ましい。
【0038】
端面当接部27は、当接部支持部23のうち、側壁部23bに重なる位置に形成されている。端面当接部27は、側壁部23bと面一に形成されている。
【0039】
端部当接面27aの位置は、成形型を削ることにより調節することができる。成形型を削ることにより、端部当接面27aをより前方に位置させることができる。端部当接面27aの位置を調節することにより、樹脂成形品20の前後方向の位置を調節することができる。
【0040】
下面当接部28は、上面当接部26に覆われている領域の外方に形成され、端面当接部27に対して離間している。下面当接部28には、板状部材11の下面11dに当接可能な下部当接面28aが含まれる。下部当接面28aは、端部当接面27aに対して略垂直な面上に形成されている。下部当接面28aは、下面当接部28のうちの最も高い位置に形成されている。
【0041】
下面当接部28は、当接部支持部23のうち、側壁部23bに重なる位置に形成されている。下面当接部28は、側壁部23bと面一に形成されている。
【0042】
下部当接面28aの位置は、成形型を削ることにより調節することができる。成形型を削ることにより、下部当接面28aをより上方に位置させることができる。下部当接面28aの位置を調節することにより、樹脂成形品20の上下方向の位置を調節することができる。
【0043】
なお、端面当接部27及び下面当接部28は、当接部支持部23を介さずに本体部30から直接突出させても良い。
【0044】
以上に説明した樹脂成形品20の板状部材11への取付方法について次に説明する。
【0045】
図6A及び図6Bを参照する。まず、矢印41で示すように、上面当接部26と当接部支持部23との間の隙間Spを板状部材11の端面11cに臨ませる。隙間Spを臨ませたら、矢印42及び矢印43で示すように樹脂成形品20を前方にスライドさせながら回転させ、上面当接部26を板状部材11の上面11bに当接させ、端部当接面27aが板状部材11の端面11cに当接するまで、樹脂成形品20を前方にスライドさせる。このとき、後部係止部24(図3参照)を下方に押し込むことで、樹脂成形品20の後部は固定され、下面当接部28が板状部材11の下面11dに当接する。上面当接部26、端面当接部27、下面当接部28を板状部材11に当接させることにより、樹脂成形品20を板状部材11の正確な位置に固定することができる。
【0046】
以上に説明した樹脂成形品20について纏める。
【0047】
図4を参照する。樹脂成形品20は、板状に形成された板状部材11に固定されて用いられる。また、樹脂成形品20は、本体部30に、板状部材11の上面11bに当接可能な上面当接部26と、板状部材11の端面11cに当接可能な端面当接部27と、この端面当接部27とは別に形成され板状部材11の下面11dに当接可能な下面当接部28と、が一体的に形成されている。
【0048】
樹脂成形品20は、板状部材11の端面11cに当接可能な端面当接部27と、この端面当接部27とは別に形成され板状部材11の下面11dに当接可能な下面当接部28と、を有する。板状部材11の端面11cに当接する端面当接部27と下面11dに当接する下面当接部28とを別々にした。このため、板状部材11の端面11cと下面11dに対してそれぞれ最適な位置に樹脂成形品20を固定るすることができる。即ち、板状部材11に対して所望の位置に固定することのできる樹脂成形品20を提供することができる。
【0049】
端面当接部27のうち板状部材11の端面11cに当接可能な端部当接面27aは、板状部材11の端面11cと略同一方向に向けて配置されている。当接可能な面を広く確保することができ、確実に所望の位置に樹脂成形品20を固定することができる。
【0050】
下面当接部28のうち板状部材11の下面11dに当接可能な下部当接面28aは、端部当接面27aに対して略垂直な面上に形成されている。これにより、下部当接面28aと板状部材11の下面11dも線で接触させることができる。より確実に所望の位置に樹脂成形品20を固定することができる。
【0051】
端面当接部27は、上面当接部26に覆われた位置に形成されている。また、下面当接部28は、上面当接部26に覆われている領域の外方に形成されている。端面当接部27を上面当接部に覆われた位置に形成することにより、端面当接部27が外部に露出しないため、樹脂成形品20の外観を良好なものとすることができる。また、上面当接部26に覆われた領域の外方に下面当接部28を形成することにより、隙間Spを大きく確保することができ、樹脂成形品20の板状部材11への取付作業が容易になる。なお、下面当接部28は、板状部材11の下面11dに当接する部位であり、板状部材11によって覆われるため、上面当接部26に覆われている領域の外方に形成されていても外観性が低下することはない。
【0052】
本体部30から板状部材11に沿って突出する当接部支持部23をさらに有している。また、端面当接部27及び下面当接部28は、当接部支持部23の外面に形成されている。当接部支持部23を形成することにより、端面当接部27及び下面当接部28の支持剛性を高めることができると共に、端面当接部27及び下面当接部28を小さく形成すれば済む。端面当接部27及び下面当接部28が小さいことにより、調節作業も容易になり、樹脂成形品20の製造コストを安価にすることができる。
【0053】
上面当接部26は、本体部30から板状部材11の上面11bまでを接続し、本体部30に対して傾斜している。上面当接部26の端部を外部から視認不能とすることができ、、樹脂成形品20の外観性をより向上させながら、設計の自由度も向上させることができる。
【0054】
図3を参照する。本体部30には、下方から出射された光を透過可能な開口部35が開けられている。また、開口部35は、上下方向に延びる周壁部31~34によって囲われている。出射された光を透過させる場合には、光を出射する装置(例えば、ヘッドアップディスプレイ装置12)に対して正確な位置に樹脂成形品20を配置することが特に望まれる。樹脂成形品20は、板状部材11に対して所望の位置に固定可能であり、出射された光を透過させる樹脂成形品として特に好ましい。
【0055】
図4を参照する。端面当接部27及び下面当接部28は、側壁部23bに対して面一に形成されている。これにより、端面当接部27及び下面当接部28の形状の調節が容易になる。
【0056】
尚、樹脂成形品の搭載される場所は、板状部材に固定されて用いられれば、車室内に限られない。つまり、車両以外の他の乗り物や建機にも搭載可能である。さらには、住宅等に用いることも可能である。また、樹脂成形品は、光を透過可能なものに限られない。例えば、エアバック装置の蓋として用いることも可能である。本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の樹脂成形品は、ヘッドアップディスプレイ装置を搭載した車両に用いるのに好適である。
【符号の説明】
【0058】
11…板状部材(インストルメントパネル)、11b…上面、11c…端面、11d…下面
20…樹脂成形品
23…当接部支持部
26…上面当接部
27…端面当接部、27a…端部当接面
28…下面当接部、28a…下部当接面
30…本体部
31…前壁部(周壁部)
32…左壁部(周壁部)
33…右壁部(周壁部)
34…後壁部(周壁部)
35…開口部
36…上面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7