(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170288
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】入退管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20231124BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20231124BHJP
G08G 1/017 20060101ALI20231124BHJP
G08G 1/04 20060101ALI20231124BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G07B15/00 L
G08G1/017
G08G1/04 C
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081928
(22)【出願日】2022-05-18
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 健吾
(72)【発明者】
【氏名】川本 裕一
(72)【発明者】
【氏名】谷尾 嘉将
(72)【発明者】
【氏名】濱松 花奈
(72)【発明者】
【氏名】岡室 智行
【テーマコード(参考)】
3E127
5H181
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA21
3E127CA12
3E127CA16
3E127CA18
3E127CA37
3E127FA20
3E127FA24
3E127FA27
3E127FB10
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181DD08
5H181DD10
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181KK06
5H181KK08
5H181MB05
(57)【要約】
【課題】通行履歴を高精度に生成することができる入退管理システムを提案すること。
【解決手段】入退管理システムは、入退ゲートと、撮像装置と、第1取得装置と、第2取得装置と、管理装置とを備える。入退ゲートは、入場または退場する車両が共有して使用する共有路に設けられる。撮像装置は、入退ゲートにおける入口側および出口側のいずれか一方側に設けられ、一方側に位置する車両を撮像する。第1取得装置は、撮像装置が設けられる一方側に設けられ、一方側に位置する車両に搭載された車載器から車載器の第1識別情報を取得する。第2取得装置は、入退ゲートにおける他方側に設けられ、他方側に位置する車両の車載器から車載器の第2識別情報を取得する。管理装置は、撮像装置の画像に基づいて検出した車両の車両番号と、第1識別情報と、第2識別情報とに基づいて車両の入退場に関する通行履歴を生成する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入場または退場する車両が共有して使用する共有路に設けられた入退ゲートと、
前記入退ゲートにおける入口側および出口側のいずれか一方側に設けられ、前記一方側に位置する前記車両を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置が設けられる前記一方側に設けられ、前記一方側に位置する前記車両に搭載された車載器から当該車載器の第1識別情報を取得する第1取得装置と、
前記入退ゲートにおける他方側に設けられ、前記他方側に位置する前記車両の前記車載器から当該車載器の第2識別情報を取得する第2取得装置と、
前記撮像装置の画像に基づいて検出した前記車両の車両番号と、前記第1識別情報と、前記第2識別情報とに基づいて前記車両の入退場に関する通行履歴を生成する管理装置と
を備える入退管理システム。
【請求項2】
予め登録された車両番号である登録車番と、予め登録された識別情報とが紐付いた車両情報データベースを記憶する記憶装置をさらに備え、
前記管理装置は、
前記車両情報データベースを参照して前記第2識別情報に対応する前記登録車番を特定し、
前記登録車番と、前記画像に基づいて検出した前記車両番号と、前記第1識別情報と、前記第2識別情報とに基づいて前記通行履歴を生成する
請求項1に記載の入退管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記画像に基づいて検出した前記車両番号および前記第1識別情報とを対応付けた第1車両情報と、前記登録車番および前記第2識別情報を対応付けた第2車両情報とに基づいて、前記一方側に位置する前記車両と、前記他方側に位置する前記車両とが同一の車両であるか否かを判定する
請求項2に記載の入退管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、
前記同一の車両であると判定した場合には、前記車両が入場または退場したことを示す前記通行履歴を生成し、前記同一の車両でないと判定した場合には、前記車両が入場および退場したことを示す前記通行履歴を生成する
請求項3に記載の入退管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記第1識別情報の取得時刻に基づき算出した一方側時刻と、前記第2識別情報の取得時刻に基づき算出した他方側時刻との差に基づいて、前記車両が入場したか退場したかを判定する
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の入退管理システム。
【請求項6】
前記撮像装置は、
前記一方側に設けられる第1撮像装置と、
前記他方側に設けられる第2撮像装置と、を有し、
前記管理装置は、
前記第1撮像装置の第1画像に基づいて検出した第1車両番号と、前記第2撮像装置の第2画像に基づいて検出した第2車両番号と、前記第1識別情報と、前記第2識別情報とに基づいて前記通行履歴を生成する
請求項1に記載の入退管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
前記第1画像の撮像時刻に基づき算出した一方側時刻と、前記第2画像の撮像時刻に基づき算出した他方側時刻とに基づいて、前記車両が入場したか退場したかを判定する
請求項6に記載の入退管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入退管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、駐車場等の領域に対して車両が入退する場合に、入場用ゲートおよび退場用ゲートそれぞれにカメラを配置し、カメラの画像により車両のナンバープレート等の車両情報を検出して入退場を管理する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、例えば、入退場の通行履歴を生成する場合に、画像から誤った車両情報を検出した場合には、通行履歴を正しく生成できないおそれがあった。
【0005】
そこで、本開示では、通行履歴を高精度に生成することができる入退管理システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る入退管理システムは、入退ゲートと、撮像装置と、第1取得装置と、第2取得装置と、管理装置とを備える。前記入退ゲートは、入場または退場する車両が共有して使用する共有路に設けられる。前記撮像装置は、前記入退ゲートにおける入口側および出口側のいずれか一方側に設けられ、前記一方側に位置する前記車両を撮像する。前記第1取得装置は、前記撮像装置が設けられる前記一方側に設けられ、前記一方側に位置する前記車両に搭載された車載器から当該車載器の第1識別情報を取得する。前記第2取得装置は、前記入退ゲートにおける他方側に設けられ、前記他方側に位置する前記車両の前記車載器から当該車載器の第2識別情報を取得する。前記管理装置は、前記撮像装置の前記画像に基づいて検出した前記車両の車両番号と、前記第1識別情報と、前記第2識別情報とに基づいて前記車両の入退場に関する通行履歴を生成する。
【0007】
これにより、入退管理システムは、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0008】
また、本開示に係る入退管理システムは、記憶装置をさらに備える。前記記憶装置は、
予め登録された車両番号である登録車番と、予め登録された識別情報とが紐付いた車両情報データベースを記憶する。前記管理装置は、前記車両情報データベースを参照して前記第2識別情報に対応する前記登録車番を特定し、前記登録車番と、前記画像に基づいて検出した前記車両番号と、前記第1識別情報と、前記第2識別情報とに基づいて前記通行履歴を生成する。
【0009】
これにより、入退管理システムは、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0010】
また、本開示に係る前記管理装置は、前記画像に基づいて検出した前記車両番号および前記第1識別情報とを対応付けた第1車両情報と、前記登録車番および前記第2識別情報を対応付けた第2車両情報とに基づいて、前記一方側に位置する前記車両と、前記他方側に位置する前記車両とが同一の車両であるか否かを判定する。
【0011】
これにより、入退管理システムは、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0012】
また、本開示に係る前記管理装置は、前記同一の車両であると判定した場合には、前記車両が入場または退場したことを示す前記通行履歴を生成し、前記同一の車両でないと判定した場合には、前記車両が入場および退場したことを示す前記通行履歴を生成する。
【0013】
これにより、入退管理システムは、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0014】
また、本開示に係る前記管理装置は、前記第1識別情報の取得時刻に基づき算出した一方側時刻と、前記第2識別情報の取得時刻に基づき算出した他方側時刻との差に基づいて、前記車両が入場したか退場したかを判定する。
【0015】
これにより、入退管理システムは、車両の入場および退場を高精度に判定することができる。
【0016】
また、本開示に係る前記撮像装置は、前記一方側に設けられる第1撮像装置と、前記他方側に設けられる第2撮像装置と、を有する。前記管理装置は、前記第1撮像装置の第1画像に基づいて検出した第1車両番号と、前記第2撮像装置の第2画像に基づいて検出した第2車両番号と、前記第1識別情報と、前記第2識別情報とに基づいて前記通行履歴を生成する。
【0017】
これにより、入退管理システムは、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0018】
また、本開示に係る前記管理装置は、前記第1画像の撮像時刻に基づき算出した一方側時刻と、前記第2画像の撮像時刻に基づき算出した他方側時刻とに基づいて、前記車両が入場したか退場したかを判定する。
【0019】
これにより、入退管理システムは、車両の入場および退場を高精度に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態に係る入退管理システムの動作例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る管理装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【
図5】実施形態に係る管理装置が実行する通行履歴の生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】変形例に係る入退管理システムを示す図である。
【
図7】変形例に係る入退ゲートの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0022】
まず、
図1を用いて、実施形態に係る入退管理システムの動作例について説明する。
図1は、実施形態に係る入退管理システムの動作例を示す図である。
図1に示す入退管理システムSは、車両Cが入退場可能な領域Rに配置される。車両Cは、例えば、自動車や、バス、トラック、二輪車等の各種車両である。領域Rは、領域内を車両Cが移動可能な領域であり、例えば、駐車場や、会社の敷地等である。また、領域Rの出入口には、車両Cが入退場する際に開閉する入退ゲート100が設けられる。
【0023】
図1に示す例では、入退ゲート100は、領域Rに入場する車両C(以下、入場車両)と、領域Rから退場する車両C(以下、退場車両)とが共有して使用する道路(以下、共有路)110に配置される。つまり、
図1では、1つの入退ゲート100を介して車両Cが入退場を行う。なお、
図1では、入場車両が入退ゲート100の入口側から領域Rに入場する状況を示している。なお、入退ゲート100は、車両Cが入場するゲートと車両Cが退場するゲートとが1つの共有路110に別々に設けられてもよいが、かかる点については
図7で後述する。
【0024】
実施形態に係る入退管理システムSでは、入退ゲート100の通過時に車両Cから取得される情報に基づいて車両Cの入退場に関する通行履歴を生成する。
【0025】
図1に示すように、入退管理システムSは、管理装置1と、ゲート制御装置10と、取得装置11(第1取得装置11a、第2取得装置11b)と、撮像装置12(第1撮像装置12a、第2撮像装置12b)と、サーバ装置200とを含む。
【0026】
管理装置1は、例えば、入退管理システムSを管理する管理者が扱う端末装置である。例えば、管理装置1は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。
【0027】
管理装置1は、例えば、ゲート制御装置10への入退ゲート100の開閉通知や、サーバ装置200に記憶された車両情報DB210や通行履歴DB220を管理する。
【0028】
ゲート制御装置10は、例えば、共有路110の側方に設けられた路側機である。ゲート制御装置10は、入退ゲート100が接続され、管理装置1の開閉通知に従って入退ゲート100を開閉する。
【0029】
取得装置11は、通信アンテナを有し、通信アンテナの通信可能範囲に位置する車両Cに搭載された車載器と通信を行い、車載器の識別情報を取得する。車載器は、例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)機器であり、識別情報としてWCN(Wireless Call Number)を取得装置11へ送信する。取得装置11は、例えば、ゲート制御装置10の上方、詳細には、入退ゲート100の上方に設置される。
【0030】
図1に示す例では、取得装置11は、入退ゲート100の入口側に配置される第1取得装置11aと、入退ゲート100の出口側に配置される第2取得装置11bとを有する。
【0031】
第1取得装置11aは、入退ゲート100の入口側を通信可能範囲とし、入口側に位置する車両Cから識別情報を取得する。例えば、第1取得装置11aは、入場車両の場合には、入退ゲート100の通過前に識別情報を取得し、退場車両の場合には、入退ゲート100の通過後に識別情報を取得する。
【0032】
第2取得装置11bは、入退ゲート100の出口側を通信可能範囲とし、出口側に位置する車両Cから識別情報を取得する。例えば、第2取得装置11bは、入場車両の場合には、入退ゲート100の通過後に識別情報を取得し、退場車両の場合には、入退ゲート100の通過前に識別情報を取得する。
【0033】
第1取得装置11aおよび第2取得装置11bは、取得した識別情報をゲート制御装置10へ出力する。
【0034】
撮像装置12は、入退ゲート100の周辺を撮像範囲とするカメラである。例えば、撮像装置12は、ゲート制御装置10において、車両Cのナンバープレートの高さ位置に対応した位置に設けられる。つまり、撮像装置12は、車両Cのナンバープレートを含む領域を撮像する。
【0035】
図1に示す例では、撮像装置12は、入退ゲート100の入口側に配置される第1撮像装置12aと、入退ゲート100の出口側に配置される第2撮像装置12bとを有する。
【0036】
第1撮像装置12aは、入退ゲート100の入口側を撮像範囲とし、入口側に位置する車両Cを撮像する。例えば、第1撮像装置12aは、入場車両の場合には、入退ゲート100の通過前に車両Cの前方部を撮像し、退場車両の場合には、入退ゲート100の通過後に車両Cの後方部を撮像する。
【0037】
第2撮像装置12bは、入退ゲート100の出口側を撮像範囲とし、出口側に位置する車両Cを撮像する。例えば、第2撮像装置12bは、入場車両の場合には、入退ゲート100の通過後に車両Cの後方部を撮像し、退場車両の場合には、入退ゲート100の通過前に車両Cの前方部を撮像する。
【0038】
第1撮像装置12aおよび第2撮像装置12bは、取得した画像をゲート制御装置10へ出力する。
【0039】
サーバ装置200は、例えば、クラウドシステム等により実現される記憶装置である。サーバ装置200は、車両情報DB210と、通行履歴DB220とを記憶する。車両情報DB210は、領域Rへの入場が許可された車両Cに関する車両情報が車両毎に蓄積されたデータベースである。具体的には、車両情報DB210は、事前に登録された車両番号(登録車番)と、取得装置11が取得した識別情報とが紐付いた情報が蓄積される。通行履歴DB220は、車両Cの入退場の履歴情報が蓄積されたデータベースである。車両番号は、例えば、ナンバープレートに示されたナンバー情報である。
【0040】
ここで、従来技術では、入場用ゲートおよび退場用ゲートそれぞれにカメラを配置し、カメラの画像により車両のナンバープレート等の車両情報を検出して入退場を管理していた。しかしながら、従来技術では、入退場の通行履歴を生成する場合に、画像から誤った車両情報を検出した場合には、通行履歴を正しく生成できないおそれがあった。つまり、従来技術では、通行履歴を高精度に生成する点で改善の余地があった。
【0041】
そこで、実施形態に係る入退管理システムSでは、入退ゲート100の入口側および出口側の少なくとも一方側に取得装置11および撮像装置12を配置し、取得装置11および撮像装置12から得られる情報に基づいて通行履歴を生成することとした。
【0042】
なお、以下では、車両Cが入場する際の通行履歴の生成処理について説明する。
【0043】
まず、管理装置1は、ゲート制御装置10から取得した入退ゲート100通過前の画像および識別情報に基づいて入退ゲート100の開閉通知を行う(ステップS1)。具体的には、まず、管理装置1は、入退ゲート100の入口側に車両Cが位置する場合(入退ゲート100通過前)に、第1取得装置11aが取得した識別情報と、第1撮像装置12aが撮像した画像とを取得する。つづいて、管理装置1は、取得した画像に基づいて車両Cの車両番号(検出車番)を検出する。そして、管理装置1は、車両情報DB210に登録された登録車番および識別情報が紐付いた情報と、検出車番および取得した識別情報とが一致するかを判定し、一致する場合に入退ゲート100を開く(入場許可)通知をゲート制御装置10へ行う。これにより、ゲート制御装置10が入退ゲート100を開き、車両Cが入場可能となる。
【0044】
つづいて、管理装置1は、入退ゲート100通過時の画像および識別情報を取得する(ステップS2)。具体的には、管理装置1は、車両Cが入退ゲート100を通過する際に、第1取得装置11aで取得した第1識別情報と、第2取得装置11bで取得した第2識別情報とを取得する。また、管理装置1は、車両Cが入退ゲート100を通過する際に、第1撮像装置12aで撮像した車両Cの第1画像と、第2撮像装置12bで撮像した車両Cの第2画像とを取得する。なお、第1識別情報および第1画像については、ステップS1で取得した画像および識別情報を用いてもよい。
【0045】
つづいて、管理装置1は、第1画像、第2画像、第1識別情報および第2識別情報に基づいて、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であるかを判定(同一判定)する(ステップS3)。具体的には、管理装置1は、第1画像に基づいて検出した第1検出車番と、第2画像に基づいて検出した第2検出車番とが一致するか、もしくは、第1識別情報と第2識別情報とが一致するかを判定する。なお、第1撮像装置12aの不具合等により第1画像が取得されない場合には、車両情報DB210を参照して第1識別情報から車両番号を特定する(第2画像が取得されない場合には第2識別情報から車両番号を特定する)。また、第1取得装置11aの不具合等により第1識別情報が取得されない場合には、車両情報DB210を参照して第1画像から識別情報を特定する(第2識別情報が取得されない場合には第2画像から識別情報を特定する)。
【0046】
そして、管理装置1は、第1検出車番および第2検出車番が一致する場合、もしくは、第1識別情報および第2識別情報が一致する場合には、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であると判定する。
【0047】
一方、管理装置1は、第1検出車番および第2検出車番が一致しない場合、もしくは、第1識別情報および第2識別情報が一致しない場合には、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両ではないと判定する。
【0048】
つづいて、管理装置1は、判定結果に基づいて車両Cの入退場に関する通行履歴を生成し(ステップS4)、サーバ装置200の通行履歴DB220に生成した通行履歴を登録する(ステップS5)。
【0049】
例えば、管理装置1は、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であると判定された場合、車両Cが入口側に位置した入口時刻と、車両Cが出口側に位置した出口時刻とに基づいて入場および退場を判定する。
【0050】
入口時刻は、例えば、第1取得装置11aによる第1識別情報の取得時刻や、第1撮像装置12aによる第1画像の撮像時刻に基づいて算出する。また、出口時刻は、例えば、第2取得装置11bによる第2識別情報の取得時刻や、第2撮像装置12bによる第2画像の撮像時刻に基づいて算出する。
【0051】
例えば、管理装置1は、入口時刻が出口時刻よりも先である場合には、車両Cが入退ゲート100を入口側から出口側へ通過した、すなわち、領域Rに入場したと判定し、入場したことを示す通行履歴を生成する。
【0052】
また、管理装置1は、入口時刻が出口時刻よりも後である場合には、車両Cが入退ゲート100を出口側から入口側へ通過した、すなわち、領域Rから退場したと判定し、退場したことを示す通行履歴を生成する。
【0053】
つまり、実施形態に係る入退管理システムSでは、入退ゲート100の少なくとも一方側(
図1では両側)に取得装置11および撮像装置12双方を配置することで、いずれか一方の情報(識別情報または画像)が得られない場合であっても、他方の情報により入退場を高精度に判定できる。さらに、車両番号および識別情報が紐付いた車両情報DB210を参照することで、いずれか一方の情報(識別情報または画像)が得られない場合であっても、他方の情報を用いて特定して入退場を高精度に判定することができる。すなわち、実施形態に係る入退管理システムSによれば、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0054】
入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両ではないと判定した場合には、車両Cが入場したことを示す通行履歴と、退場したことを示す通行履歴とを生成するが、かかる点の詳細については後述する。
【0055】
また、
図1では、入退ゲート100の両側に取得装置11および撮像装置12双方を配置する例を示したが、入退ゲート100のいずれか一方側のみに取得装置11および撮像装置12双方を配置した場合の動作例については、
図7で後述する。
【0056】
次に、
図2を用いて、実施形態に係る管理装置1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る管理装置1の構成例を示す機能ブロック図である。なお、
図2のブロック図では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0057】
換言すれば、
図2のブロック図に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0058】
図2に示すように、管理装置1は、制御部2と、記憶部3とを備える。制御部2は、取得部21と、検出部22と、判定部23と、生成部24と、ゲート制御部25とを有する。
【0059】
ここで、管理装置1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0060】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶された受信プログラムを読み出して実行することによって、制御部2の取得部21、検出部22、判定部23、生成部24およびゲート制御部25として機能する。
【0061】
また、制御部2の取得部21、検出部22、判定部23、生成部24およびゲート制御部25の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0062】
また、記憶部3は、例えば、半導体素子メモリや、ハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。かかる記憶部3には、各種プログラム(管理プログラム等)や、制御部2の処理に必要な各種情報が記憶される。
【0063】
次に、
図3および
図4を用いて、車両情報DB210および通行履歴DB220について説明する。
図3は、車両情報DB210の一例を示す図である。
図4は、通行履歴DB220の一例を示す図である。なお、本開示では、車両情報DB210および通行履歴DB220は、サーバ装置200に記憶される例を示したが、管理装置1やゲート制御装置10に記憶されてもよい。また、車両情報DB210および通行履歴DB220のいずれかのみが管理装置1やゲート制御装置10に記憶されてもよい。
【0064】
図3に示すように、車両情報DB210は、「車両ID」と、「登録車番」と、「識別情報」とを含む。「車両ID」は、車両Cを識別する識別情報である。「登録車番」は、事前に登録された車両Cの車両番号である。「識別情報」は、車載器の識別情報である。
【0065】
例えば、車両ID「C1」で識別される車両Cは、登録車番「福岡,500,は,12-34」と、識別情報「AAA」とが紐付いていることを示している。
【0066】
次に、
図4に示すように、通行履歴DB220は、「通過車両ID」と、「時刻」と、「入退場」と、「車両情報」と、「同一判定フラグ」とを含む。「通過車両ID」は、入退ゲート100を通過した車両Cを識別する識別情報である。「時刻」は、入退ゲート100を通過した時刻である。「入退場」は、車両Cが領域Rに入場したか、領域Rから退場したかを示す情報である。「車両情報」は、入退ゲート100を通過した車両Cの車両情報である。「同一判定フラグ」は、後述する判定部23によって入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であると判定されたか否かを示す情報である。なお、「同一判定フラグ」は省略されてもよい。
【0067】
例えば、通過車両ID「P1」で識別される車両Cは、入退ゲート100の入口側と出口側とで同一の車両と判定されており(同一判定フラグ「1」)、12時35分に領域Rに入場し、車両情報が「車両情報#1」であることを示している。なお、かかる場合には、車両情報「車両情報#1」は、車両情報DB210における「車両ID」が入力されてもよく、入場の際に取得された識別情報および検出車番が入力されてもよい。
【0068】
また、通過車両ID「P2」で識別される車両Cは、入退ゲート100の入口側と出口側とで同一の車両と判定されており(同一判定フラグ「1」)、12時45分に領域Rから退場し、車両情報が「車両情報#2」であることを示している。なお、かかる場合には、車両情報「車両情報#2」は、車両情報DB210における「車両ID」が入力されてもよく、入場の際に取得された識別情報および検出車番が入力されてもよい。
【0069】
また、通過車両ID「P3」および「P4」で識別される車両Cは、入退ゲート100の入口側と出口側とで同一の車両ではないと判定されているため(同一判定フラグ「0」)、13時15分に領域Rに入場した履歴(「P3」)と、13時15分に領域Rから退場した履歴(「P4」)とが生成される。なお、かかる場合には、車両情報「車両情報#3」および「車両情報#4」は、同じ情報が入力される、詳細には、入口側および出口側に位置する際にそれぞれ取得された識別情報および検出車番が入力される。
【0070】
次に、
図2に戻って、制御部2の各機能(取得部21、検出部22、判定部23、生成部24およびゲート制御部25)について詳細に説明する。
【0071】
取得部21は、各種情報を取得する。例えば、取得部21は、取得装置11(第1取得装置11aおよび第2取得装置11b)が取得した識別情報をゲート制御装置10を介して取得する。例えば、取得部21は、取得元(第1取得装置11aまたは第2取得装置11b)の情報や、取得時刻が紐付いた識別情報を取得する。
【0072】
また、取得部21は、撮像装置12(第1撮像装置12aおよび第2撮像装置12b)が取得した画像をゲート制御装置10を介して取得する。例えば、取得部21は、撮像元(第1撮像装置12aまたは第2撮像装置12b)の情報や、撮像時刻が紐付いた画像を取得する。
【0073】
なお、取得部21による識別情報や画像は、任意のタイミングで取得可能である。例えば、取得部21は、取得装置11や撮像装置12が取得(撮像)する都度、識別情報や画像を取得する。あるいは、取得部21は、時系列で連続して取得(撮像)された複数の識別情報や複数の画像を任意のタイミング(例えば、最初に取得(撮像)されてから所定時間経過後のタイミング)でまとめて取得してもよい。
【0074】
また、以下では、取得部21が取得した識別情報のうち、第1取得装置11aが取得した識別情報を第1識別情報と称し、第2取得装置11bが取得した識別情報を第2識別情報と称する。また、取得部21が取得した画像のうち、第1撮像装置12aが撮像した画像を第1画像と称し、第2撮像装置12bが撮像した画像を第2画像と称する。
【0075】
検出部22は、取得部21が取得した画像に基づいて、車両の車両番号を検出する。具体的には、検出部22は、画像解析により、ナンバープレートに示されたナンバー情報を車両番号として検出する。ナンバー情報は、地名、分類番号、ひらがな、および、一連指定番号等の項目を含む情報である。なお、検出部22は、ナンバー情報のうち、一部の項目(例えば、一連指定番号)のみを車両番号として検出してもよい。
【0076】
なお、以下では、検出部22が検出した車両番号のうち、第1画像に基づいて検出した車両番号を第1検出車番と称し、第2画像に基づいて検出した車両番号を第2検出車番と称する。
【0077】
判定部23は、取得部21が取得した識別情報と、検出部22が検出した検出車番とに基づいて、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であるかを判定する。なお、判定部23は、後述するゲート制御部25から入退ゲート100を開いたことを示す通知を受けた場合に、判定処理を行う。
【0078】
具体的には、まず、判定部23は、識別情報と検出車番との対応付けを行った車両情報を生成する。より具体的には、判定部23は、第1識別情報および第1検出車番の対応付けを行った第1車両情報と、第2識別情報および第2検出車番の対応付けを行った第2車両情報とを生成する。
【0079】
例えば、判定部23は、第1識別情報(または第2識別情報)の取得時刻と、第1検出車番(または第2検出車番)の検出元画像の撮像時刻との時刻差が閾値未満である識別情報および検出車番を対応付ける。つまり、判定部23は、入退ゲート100の入口側および出口側それぞれについて、同一の車両Cに由来する識別情報および検出車番を対応付ける。
【0080】
なお、判定部23は、識別情報および検出車番のいずれかが欠損することで対応付けが行えない場合には、車両情報DB210を参照して欠損した情報を補完する。
【0081】
例えば、判定部23は、識別情報に対応付けされる検出車番が存在しない場合(検出車番が欠損する場合)、車両情報DB210を参照して、識別情報に紐づく登録車番を特定する。そして、判定部23は、特定した登録車番と識別情報とを対応付けて車両情報を生成する。また、判定部23は、検出車番に対応付けされる識別情報が存在しない場合(識別情報が欠損する場合)、車両情報DB210を参照して、検出車番と一致する登録車番に紐づく識別情報を特定する。そして、判定部23は、特定した識別情報と検出車番とを対応付けて車両情報を生成する。
【0082】
そして、判定部23は、第1車両番号と、第2車両番号とが一致する場合に、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であると判定する。具体的には、判定部23は、第1車両情報に含まれる第1識別情報と、第2車両情報に含まれる第2識別情報とが一致するか、もしくは、第1車両情報に含まれる第1検出車番(もしくは登録車番)と、第2車両情報に含まれる第2検出車番(もしくは登録車番)とが一致するかを判定する。
【0083】
生成部24は、判定部23の判定結果に基づいて車両Cの入退場に関する通行履歴を生成する。例えば、生成部24は、判定部23によって入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であると判定された場合、車両Cが入場したか退場したかを判定し、判定結果に応じた通行履歴を生成する。
【0084】
入退場の判定は、例えば、車両Cが入口側に位置した入口時刻と、車両Cが出口側に位置した出口時刻とに基づいて行われる。入口時刻は、例えば、第1取得装置11aによる第1識別情報の取得時刻や、第1撮像装置12aによる第1画像の撮像時刻に基づいて算出する。また、出口時刻は、例えば、第2取得装置11bによる第2識別情報の取得時刻や、第2撮像装置12bによる第2画像の撮像時刻に基づいて算出する。
【0085】
例えば、生成部24は、入口時刻が出口時刻よりも先である場合には、車両Cが入退ゲート100を入口側から出口側へ通過した、すなわち、領域Rに入場したと判定し、入場したことを示す通行履歴を生成する。
【0086】
また、生成部24は、入口時刻が出口時刻よりも後である場合には、車両Cが入退ゲート100を出口側から入口側へ通過した、すなわち、領域Rから退場したと判定し、退場したことを示す通行履歴を生成する。
【0087】
一方、生成部24は、判定部23によって入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両ではないと判定された、車両Cが入場したことを示す通行履歴と、車両Cが退場したことを示す通行履歴とを生成する。
【0088】
ゲート制御部25は、取得部21が取得した識別情報および検出部22が検出した検出車番に基づいて、ゲート制御装置10へ入退ゲート100の開閉通知を行う。具体的には、ゲート制御部25は、入退ゲート100を開く前に取得した識別情報および検出車番が車両情報DB210に登録された識別情報および登録車番と一致する場合に、入退ゲート100を開くことを指示する通知をゲート制御装置10へ行う。
【0089】
また、ゲート制御部25は、取得した識別情報および検出車番が車両情報DB210に登録された識別情報および登録車番と一致しない(不一致)場合、入退ゲート100を閉じる(開けない)ことを指示する通知をゲート制御装置10へ行う。
【0090】
なお、ゲート制御部25は、識別情報および検出車番のうち、いずれか一方が欠損する場合には、欠損していない情報と、車両情報DB210の車両情報(識別情報または登録車番)とが一致するかを判定する。
【0091】
ゲート制御部25は、ゲート制御装置10への開閉通知を行うとともに、入退ゲート100を開くことを指示する通知を行ったこと判定部23へ通知する。
【0092】
次に、
図5を用いて、実施形態に係る管理装置1が実行する通行履歴の生成処理の手順について説明する。
図5は、実施形態に係る管理装置1が実行する通行履歴の生成処理の手順を示すフローチャートである。なお、
図5では、説明の便宜上、車両Cが入口側に位置する場合に取得した情報(識別情報および画像)に基づく処理のスタートと、車両Cが出口側に位置する場合に取得した情報(識別情報および画像)に基づく処理のスタートとを分けて記載している。
【0093】
図5に示すように、まず、車両Cが入口側に位置する場合に取得した情報(識別情報および画像)に基づく処理では、制御部2は、第1検出車番が未検出、かつ、第1識別情報を取得した状態であるか否かを判定する(ステップS101in)。
【0094】
制御部2は、第1検出車番が未検出、かつ、第1識別情報を取得した状態である場合(ステップS101in:Yes)、車両情報DB210を参照して第1識別情報から車両番号を特定する(ステップS102in)。これにより、入口側に位置する車両Cの第1車両情報が生成される(ステップS103in)。
【0095】
一方、制御部2は、「第1検出車番が未検出、かつ、第1識別情報を取得した状態」でない場合(ステップS101in:No)、第1検出車番を検出、かつ、第1識別情報を取得していない状態であるか否かを判定する(ステップS104in)。
【0096】
制御部2は、第1検出車番を検出、かつ、第1識別情報を取得していない状態である場合(ステップS104in:Yes)、車両情報DB210を参照して第1検出車番から識別情報を特定する(ステップS105in)。これにより、入口側に位置する車両Cの第1車両情報が生成される(ステップS103in)。
【0097】
一方、制御部2は、「第1検出車番を検出、かつ、第1識別情報を取得していない状態」でない場合(ステップS104in:No)、すなわち、第1検出車番を検出、かつ、第1識別情報を取得した状態である場合、入口側に位置する車両Cの第1車両情報を生成する(ステップS103in)。
【0098】
次に、車両Cが出口側に位置する場合に取得した情報(識別情報および画像)に基づく処理では、制御部2は、第2検出車番が未検出、かつ、第2識別情報を取得した状態であるか否かを判定する(ステップS101out)。
【0099】
制御部2は、第2検出車番が未検出、かつ、第2識別情報を取得した状態である場合(ステップS101out:Yes)、車両情報DB210を参照して第2識別情報から車両番号を特定する(ステップS102out)。これにより、出口側に位置する車両Cの第2車両情報が生成される(ステップS103out)。
【0100】
一方、制御部2は、「第2検出車番が未検出、かつ、第2識別情報を取得した状態」でない場合(ステップS101out:No)、第2検出車番を検出、かつ、第2識別情報を取得していない状態であるか否かを判定する(ステップS104out)。
【0101】
制御部2は、第2検出車番を検出、かつ、第2識別情報を取得していない状態である場合(ステップS104out:Yes)、車両情報DB210を参照して第2検出車番から識別情報を特定する(ステップS105out)。これにより、出口側に位置する車両Cの第2車両情報が生成される(ステップS103out)。
【0102】
一方、制御部2は、「第2検出車番を検出、かつ、第1識別情報を取得していない状態」でない場合(ステップS104out:No)、すなわち、第2検出車番を検出、かつ、第2識別情報を取得した状態である場合、出口側に位置する車両Cの第2車両情報を生成する(ステップS103out)。
【0103】
つづいて、制御部2は、第1車両情報および第2車両情報が一致しているかを判定する(ステップS106)。
【0104】
制御部2は、第1車両情報および第2車両情報が一致している場合(ステップS106:Yes)、入口時刻が出口時刻よりも先であるか否かを判定する(ステップS107)。
【0105】
制御部2は、入口時刻が出口時刻よりも先である場合(ステップS107:Yes)、入場したことを示す通行履歴(入場履歴)を生成して通行履歴DB220に登録し(ステップS108)、処理を終了する。
【0106】
一方、制御部2は、入口時刻が出口時刻よりも後である場合(ステップS107:No)、退場したことを示す通行履歴(退場履歴)を生成して通行履歴DB220に登録し(ステップS109)、処理を終了する。
【0107】
また、制御部2は、第1車両情報および第2車両情報が一致しない場合(ステップS106:No)、入場履歴および退場履歴双方を生成して通行履歴DB220に登録し(ステップS110)、処理を終了する。
【0108】
管理装置1は、ゲート制御装置10やサーバ装置200とは別体で構成される場合を示したが、管理装置1は、ゲート制御装置10またはサーバ装置200に組み込まれて一体的に構成されてもよい。つまり、ゲート制御装置10やサーバ装置200が管理装置1の処理を行ってもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、入退ゲート100の入口側および出口側それぞれに撮像装置12が配置される例を示したが、撮像装置12は、入退ゲート100の入口側および出口側のいずれか一方側のみに配置されてもよい。かかる点について、
図6を用いて説明する。
【0110】
図6は、変形例に係る入退管理システムSを示す図である。
図6に示す入退管理システムSでは、撮像装置12は、入退ゲート100の入口側にのみ設けられ、出口側に設けられない。
【0111】
かかる場合の通行履歴の生成処理について説明する。
図6に示す入退管理システムSでは、管理装置1は、車両Cが入退ゲート100を通過した場合に、車両Cが入口側に位置する場合に撮像装置12が撮像した画像を取得する。また、管理装置1は、車両Cが入口側に位置する場合に第1取得装置11aが取得した第1識別情報と、車両Cが出口側に位置する場合に第2取得装置11bが取得した第2識別情報とを取得する。
【0112】
そして、管理装置1は、取得した画像と、第1識別情報と、第2識別情報とに基づいて車両Cの入退場に関する通行履歴を生成する。具体的には、管理装置1は、まず、画像に基づいて車両Cの車両番号(検出車番)を検出する。つづいて、管理装置1は、検出車番と、第1識別情報とを対応付けて第1車両情報を生成する。また、管理装置1は、車両情報DB210を参照して、第2識別情報から登録車番を特定し、特定した登録車番と第2識別情報とを対応付けて第2車両情報を生成する。
【0113】
つづいて、管理装置1は、第1車両情報および第2車両情報が一致する場合には、入退ゲート100の入口側に位置する車両Cと、出口側に位置する車両Cとが同一の車両であると判定する。つづいて、管理装置1は、入口時刻および出口時刻に基づいて入退場を判定し、判定結果に応じた通行履歴を生成する。
【0114】
このように、変形例に係る入退管理システムSでは、入退ゲート100の一方側にのみ撮像装置12を配置した場合であっても、通行履歴を高精度に生成することができる。従って、変形例に係る入退管理システムSによれば、上述した実施形態に比べて撮像装置12の数を減らすことができるため、システムコストを抑えつつ、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0115】
なお、変形例に係る入退管理システムSにおいて、第2識別情報が欠損した場合、管理装置1は、第2車両情報を生成できないため、車両Cの同一判定を行わず、第1車両情報に基づいて通行履歴を生成する。
【0116】
かかる場合、管理装置1は、撮像装置12が撮像した車両Cの画像に基づいて入退場を判定する。例えば、管理装置1は、車両Cの前方部の画像である場合には、入場と判定し、車両Cの後方部の画像である場合には、退場と判定する。
【0117】
また、管理装置1は、撮像装置12の画像も欠損した場合には、入退ゲート100の開閉時刻と、第1識別情報の取得時刻とから入退場を判定する。具体的には、管理装置1は、入退ゲート100の開閉時刻が第1識別情報の取得時刻よりも先である場合には、入退ゲート100を通過後に第1識別情報が取得されたため、車両Cが退場したと判定する。一方、管理装置1は、入退ゲート100の開閉時刻が第1識別情報の取得時刻よりも後である場合には、入退ゲート100を通過前に第1識別情報が取得されたため、車両Cが入場したと判定する。
【0118】
なお、上述した実施形態では、共有路110に入退場共通の1つの入退ゲート100が設けられる例を示したが、共有路110に入場用のゲートと退場用のゲートとをそれぞれ設けてもよい。かかる点について、
図7を用いて説明する。
【0119】
図7は、変形例に係る入退ゲート100の配置例を示す図である。
図7に示す、変形例では、入退ゲート100は、入場ゲート100aと、退場ゲート100bとがそれぞれ共有路110に設けられる。
【0120】
入場ゲート100aは、車両Cが領域Rに入場する際に通過するゲートであり、共有路110における一方の側方に寄せて配置される。また、退場ゲート100bは、車両Cが領域Rから退場する際に通過するゲートであり、共有路110における他方の側方に寄せて配置される。
【0121】
取得装置11および撮像装置12は、入場ゲート100aおよび退場ゲート100bそれぞれに1つずつ設けられる。具体的には、第1取得装置11aは、入場ゲート100aに設けられ、通信範囲11aRが入場ゲート100aを通過前の車両Cから第1識別情報を取得可能となる位置に配置される。また、第2取得装置11bは、退場ゲート100bに設けられ、通信範囲11bRが退場ゲート100bを通過前の車両Cから第2識別情報を取得可能となる位置に配置される。
【0122】
また、第1撮像装置12aは、入場ゲート100aに設けられ、撮像範囲12aRが入場ゲート100aを通過前の車両Cを撮像可能となる位置に配置される。また、第2撮像装置12bは、退場ゲート100bに設けられ、撮像範囲12bRが退場ゲート100bを通過前の車両Cを撮像可能となる位置に配置される。
【0123】
また、第1取得装置11aは、通信範囲11aRが入場および退場する車両Cから第1識別情報を取得可能となる位置に配置される。具体的には、第1取得装置11aは、退場する車両Cが退場ゲート100b通過直後に走行する道路の一部を覆う位置に配置される。
【0124】
また、第2取得装置11bは、通信範囲11bRが入場および退場する車両Cから第2識別情報を取得可能となる位置に配置される。具体的には、第2取得装置11bは、入場する車両Cが入場ゲート100a通過直後に走行する道路の一部を覆う位置に配置される。
【0125】
入退管理システムSでは、車両Cが入場する際に第1識別情報および第2識別情報を取得でき、また、車両Cが退場する際に第1識別情報および第2識別情報を取得できるようになる。
【0126】
従って、
図7に示す変形例に係る入退管理システムSによれば、共有路110に入場ゲート100aおよび退場ゲート100bがそれぞれ独立して配置された場合であっても、第1識別情報および第2識別情報と、第1画像および第2画像とを用いて入退場を高精度に判定できるため、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0127】
なお、上述した実施形態および変形例では、入退ゲート100の入口側および出口側それぞれに取得装置11および撮像装置12を1つずつ配置される例を示したが、入口側および出口側それぞれに、取得装置11および撮像装置12がそれぞれ複数配置されてもよい。
【0128】
例えば、取得装置11および撮像装置12を入退ゲート100の入口側にそれぞれ複数配置する場合、入退ゲート100が離れる方向に複数の取得装置11および複数の撮像装置12を配列する。これにより、複数の取得装置11それぞれで取得される識別情報の取得時刻の差や、複数の撮像装置12それぞれで撮像される画像の撮像時刻の差から、車両Cが入退ゲート100に近づいているか遠ざかっているか、すなわち、入場したか退場したかを高精度に判定することができる。
【0129】
また、複数の取得装置11および複数の撮像装置12を配置することで、いずれかの取得装置11および撮像装置12で識別情報および画像を取得できなかったとしても、残りの取得装置11および撮像装置12で識別情報および画像を取得できる。
【0130】
なお、入退ゲート100の入口側または出口側のいずれかのみに複数の取得装置11および複数の撮像装置12が配置されてもよい。また、取得装置11および撮像装置12のうち、いずれか一方のみが複数配置されてもよい。
【0131】
なお、上述した実施形態および変形例では、管理装置1は、画像および識別情報に基づいて通行履歴における入退場の判定を行ったが、例えば、車両Cとの通信により車両CのGPS(Global Positioning System)等の位置情報を取得し、位置情報に基づいて入退場の判定を行ってもよい。
【0132】
以上説明したように、本開示の一実施形態によれば、入退管理システムSは、入退ゲート100と、撮像装置12と、第1取得装置11aと、第2取得装置11bと、管理装置1とを備える。入退ゲート100は、入場または退場する車両Cが共有して使用する共有路110に設けられる。撮像装置12は、入退ゲート100における入口側および出口側のいずれか一方側に設けられ、一方側に位置する車両Cを撮像する。第1取得装置11aは、撮像装置12が設けられる一方側に設けられ、一方側に位置する車両Cに搭載された車載器から当該車載器の第1識別情報を取得する。第2取得装置11bは、入退ゲート100における他方側に設けられ、他方側に位置する車両Cの車載器から当該車載器の第2識別情報を取得する。管理装置1は、撮像装置12の画像に基づいて検出した車両の車両番号と、第1識別情報と、第2識別情報とに基づいて車両Cの入退場に関する通行履歴を生成する。これにより、入退管理システムSは、通行履歴を高精度に生成することができる。
【0133】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0134】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0135】
また、本発明は上記実施形態に係る限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、処理内容を矛盾させない領域で上述の実施形態を適宜組み合わせて得られる形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述の実施形態のフローチャート及びシーケンス図に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 管理装置
2 制御部
3 記憶部
10 ゲート制御装置
11 取得装置
11a 第1取得装置
11aR、11bR 通信範囲
11b 第2取得装置
12 撮像装置
12a 第1撮像装置
12aR、12bR 撮像範囲
12b 第2撮像装置
21 取得部
22 検出部
23 判定部
24 生成部
25 ゲート制御部
100 入退ゲート
100a 入場ゲート
100b 退場ゲート
110 共有路
200 サーバ装置
C 車両
S 入退管理システム