(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170304
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】キー操作用デバイスおよび装置
(51)【国際特許分類】
E05B 47/00 20060101AFI20231124BHJP
B66F 11/04 20060101ALI20231124BHJP
B66F 9/20 20060101ALI20231124BHJP
E05B 83/00 20140101ALI20231124BHJP
E05B 49/00 20060101ALN20231124BHJP
【FI】
E05B47/00 H
B66F11/04
B66F9/20 Z
E05B83/00 Z
E05B49/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081962
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(71)【出願人】
【識別番号】390041449
【氏名又は名称】株式会社レンタルのニッケン
(71)【出願人】
【識別番号】591111503
【氏名又は名称】株式会社東海理化クリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 和聡
(72)【発明者】
【氏名】加原 啓次
(72)【発明者】
【氏名】深津 知弘
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真悟
(72)【発明者】
【氏名】寺島 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】森保 伸也
(72)【発明者】
【氏名】福田 優輝
(72)【発明者】
【氏名】沖本 研悟
(72)【発明者】
【氏名】水野 博光
【テーマコード(参考)】
2E250
3F333
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250BB02
2E250BB08
2E250BB38
2E250CC02
2E250HH06
2E250JJ02
2E250JJ21
2E250QQ10
3F333AA08
(57)【要約】
【課題】小型化を達成できるキー操作用デバイスを提供する。
【解決手段】キー操作用デバイス10は、キーシリンダを有する操作盤に取り付けられ、キーシリンダに差し込まれた物理キーを回転させる操作のために用いられる。キー操作用デバイス10は、本体部20と、制御ボックス80と、配線91,93とを備えている。本体部20は、物理キーを覆い物理キーと一体に回転する操作部40と、キーシリンダを取り囲み、操作部40の一部を収容する筐体31と、を含んでいる。制御ボックス80は、本体部20とは別体として構成されている。制御ボックス80は、キー操作用デバイス10の動作を制御する。配線91,93は、本体部20と制御ボックス80とを有線接続する。制御ボックス80は、制御ボックス80を外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部を有している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーシリンダを有する操作盤に取り付けられ、前記キーシリンダに差し込まれた物理キーを回転させる操作のために用いられる、キー操作用デバイスであって、
前記物理キーを覆い前記物理キーと一体に回転する操作部と、前記キーシリンダを取り囲み、前記操作部の一部を収容する筐体と、を含む本体部と、
前記本体部とは別体として構成され、前記キー操作用デバイスの動作を制御するための制御ボックスと、
前記本体部と前記制御ボックスとを有線接続する配線とを備え、
前記制御ボックスは、前記制御ボックスを外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部を有する、キー操作用デバイス。
【請求項2】
前記制御ボックスは、前記本体部に供給される電力を蓄える電源部を有する、請求項1に記載のキー操作用デバイス。
【請求項3】
前記電源部は、乾電池を有する、請求項2に記載のキー操作用デバイス。
【請求項4】
キーシリンダを有する操作盤と、
前記操作盤に取り付けられ、前記キーシリンダに差し込まれた物理キーを回転させる操作のために用いられる、キー操作用デバイスと、を備える装置であって、
前記キー操作用デバイスは、
前記物理キーを覆い前記物理キーと一体に回転する操作部と、前記キーシリンダを取り囲み、前記操作部の一部を収容する筐体と、を含む本体部と、
前記本体部とは別体として構成され、前記キー操作用デバイスの動作を制御するための制御ボックスと、
前記筐体と前記制御ボックスとを有線接続する配線とを備え、
前記制御ボックスは、前記制御ボックスを外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部を有する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キー操作用デバイスと、そのキー操作用デバイスを備える装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
特許第3851830号公報(特許文献1)には、物理キーをキーシリンダに挿入した状態で物理キーを操作することで、エンジンを始動させる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キーシリンダを有する操作盤にキー操作用デバイスを後付けする場合、後付け可能なスペースが限られていることから、デバイスの小型化が求められる。
【0005】
本開示では、小型化を達成できるキー操作用デバイスが提案される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従ったキー操作用デバイスは、キーシリンダを有する操作盤に取り付けられ、キーシリンダに差し込まれた物理キーを回転させる操作のために用いられる。キー操作用デバイスは、本体部と、制御ボックスと、配線とを備えている。本体部は、物理キーを覆い物理キーと一体に回転する操作部と、キーシリンダを取り囲み、操作部の一部を収容する筐体と、を含んでいる。制御ボックスは、本体部とは別体として構成されている。制御ボックスは、キー操作用デバイスの動作を制御する。配線は、本体部と制御ボックスとを有線接続する。制御ボックスは、制御ボックスを外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部を有している。
【0007】
本開示のある局面に従った装置は、操作盤と、キー操作用デバイスとを備えている.操作盤は、キーシリンダを有している。キー操作用デバイスは、操作盤に取り付けられている。キー操作用デバイスは、キーシリンダに差し込まれた物理キーを回転させる操作のために用いられる。キー操作用デバイスは、本体部と、制御ボックスと、配線とを備えている。本体部は、物理キーを覆い物理キーと一体に回転する操作部と、キーシリンダを取り囲み、操作部の一部を収容する筐体と、を含んでいる。制御ボックスは、本体部とは別体として構成されている。制御ボックスは、キー操作用デバイスの動作を制御する。配線は、本体部と制御ボックスとを有線接続する。制御ボックスは、制御ボックスを外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部を有している。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係るキー操作用デバイスは、小型化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】キー操作用デバイスの概略構成を示す正面図である。
【
図3】操作盤へのベースプレートの取付構造を示す斜視図である。
【
図4】ベースプレートへの筐体の取付構造を示す斜視図である。
【
図6】昇降体に取り付けられた制御ボックスを側方から見た図である。
【
図7】
図6に示されるVII-VII線に沿う制御ボックスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。この実施形態の一つの例として、「ロック本体部と制御部を別体とした上で小型化するための工夫(動力源の取り付け構造)」について説明する。以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0011】
図1は、作業車両の一例としての高所作業車1の概略構成を示す側面図である。高所作業車1に代表される作業車両は、本開示のキー操作用デバイスを備える装置の一例である。キー操作用デバイスを備える装置は、高所作業車1以外の作業車両であってもよく、また、作業車両以外の装置であってもよい。たとえば、非常用の電源装置が、本開示のキー操作用デバイスを備えてもよい。
【0012】
図1に示されるように、高所作業車1は、走行体2と、昇降体3とを備えている。走行体2は、高所作業車1を移動させる土台部分である。走行体2は、前側に一対の走行輪2Aを有し、後側に一対の走行輪2Aを有している。高所作業車1は、走行輪2Aが回転駆動されることにより、自走可能である。走行体2は、走行輪2Aに替えて、履帯を有していてもよい。
【0013】
昇降体3は、走行体2に対して昇降可能に構成されている。昇降体3は、作業者101が乗り込んで作業する籠部分である。昇降体3には、操作盤4が設けられている。操作盤4は、高所作業車1を停止させるために押圧操作される作動停止スイッチ5、物理キー6(
図1には不図示)が差し込まれるキーシリンダ7(
図1には不図示)、などを有している。操作盤4は、昇降体3に搭乗した作業者101が操作盤4を視認できかつ操作できるように、配置されている。
【0014】
高所作業車1は、キー操作用デバイス10をさらに備えている。キー操作用デバイス10は、キーシリンダ7に差し込まれた物理キー6を回転させる操作のために用いられる。キー操作用デバイス10は、操作盤4に取り付けられる本体部20を有している。本体部20がキーシリンダ7および物理キー6を覆って操作盤4に取り付けられ、キーシリンダ7および物理キー6は本体部20の内部に配置されている。キーシリンダ7および物理キー6は外部から視認できなくなっているため、
図1にはキーシリンダ7および物理キー6は図示されない。
【0015】
キー操作用デバイス10は、制御ボックス80を備えている。制御ボックス80は、本体部20とは別体として構成されている。本体部20と制御ボックス80とは、配線91,93によって、有線接続されている。
【0016】
図2は、キー操作用デバイス10の概略構成を示す正面図である。
図2に示されるように、本体部20は、物理キー6を覆い物理キー6と一体に回転する操作部40を有している。操作部40は、ノブ41を有している。ノブ41は中空に形成されている。ノブ41の内部に、キーシリンダ7に差し込まれた物理キー6が収容されている。物理キー6が、ノブ41の内部の中空空間に嵌まり合っている。操作部40は、物理キー6を覆っている。作業者101は、ノブ41を手指でつまんで操作する。ノブ41を回転させる操作で、操作部40の全体が回転し、このとき物理キー6は操作部40と一体に回転する。
【0017】
図2に示されるノブ41は、「切」位置に配置されている。したがってノブ41の内部の物理キー6も、「切」位置に配置されている。ノブ41(物理キー6)が「切」位置にあるとき、高所作業車1は電源オフの状態であり、走行体2による走行、昇降体3の昇降、などができなくされている。
【0018】
作業者101がノブ41を「切」位置から反時計回り方向に回転する操作をすることで、ノブ41(物理キー6)は「上部操作」位置へ移動可能である。ノブ41(物理キー6)が「上部操作」位置にあるとき、作業者101は昇降体3の中で高所作業車1を操作することが可能である。作業者101は、昇降体3を上昇させて、高所作業をすることが可能である。昇降体3が最下端にあるときには、作業者101は高所作業車1を走行させることが可能である。高所作業車1は、通常の使われ方においては、ノブ41(物理キー6)を「上部操作」位置に配置して使用される。
【0019】
作業者101がノブ41を「切」位置から時計回り方向に回転する操作をすることで、ノブ41(物理キー6)は「下部操作」位置へ移動可能である。ノブ41(物理キー6)が「下部操作」位置にあるときには、昇降体3を昇降させる操作のみが可能とされる。この昇降体3の昇降は、昇降体3に設けられた操作盤4を操作して行なわれてもよく、または、走行体2に設けられた他の操作盤を操作して行なわれてもよい。高所作業車1は、たとえばメンテナンス時などに、ノブ41(物理キー6)を「下部操作」位置に配置して使用されることがある。
【0020】
本体部20は、筐体31を有している。筐体31は、操作部40の一部を収容している。ノブ41は、筐体31から上方に突出している。
【0021】
制御ボックス80は、キー操作用デバイス10の動作を制御する。制御ボックス80は、作業者101が所持する携帯端末100(
図1も併せて参照)と近距離無線通信を行ない、携帯端末100から信号を受信する。携帯端末100は、スマートフォンに代表される汎用の端末装置であってもよく、専用の端末装置であってもよい。制御ボックス80は、本体部20に制御信号を送信する。制御ボックス80はまた、本体部20に供給される電力を蓄える。
【0022】
本体部20から、配線91が引き出されている。配線91の先端に、コネクタ92が取り付けられている。制御ボックス80から、配線93が引き出されている。配線93の先端に、コネクタ94が取り付けられている。コネクタ92,94は、防水仕様であってもよい。コネクタ92とコネクタ94とが連結されることにより、本体部20と制御ボックス80とは、配線91,93を介して電気的に接続される。配線91,93は、制御ボックス80から本体部20の電力を供給する電力線を含み、本体部20と制御ボックス80との間で信号を送信する制御線を含む。
【0023】
図3は、操作盤4へのベースプレート21の取付構造を示す斜視図である。本体部20は、ベースプレート21と筐体31とによって外形が形作られており、全体として箱状の形状を有している。ベースプレート21と筐体31とは、別体として構成されている。ベースプレート21は、操作盤4に接触して配置される。ベースプレート21と操作盤4との間に、発泡ポリエチレンフォーム、ウレタン、合成樹脂、ゴム製等のシール材を配置してもよい。ベースプレート21に、ベースプレート21を厚み方向に貫通する挿通孔22が形成されている。キーシリンダ7は、挿通孔22に挿通される。
【0024】
キーシリンダ7に締結ナット28が締結されることにより、ベースプレート21は、キーシリンダ7の周囲に組み付けられ、操作盤4に対して固定される。キーシリンダ7の外周面は雄ねじ形状を有しており、締結ナット28の内周面は雌ねじ形状を有している。ベースプレート21は、後述する締結ボルト38A~38Dを用いて筐体31を操作盤4に対して固定するための、台座23A~23Dを有している。
【0025】
図4は、ベースプレート21への筐体31の取付構造を示す斜視図である。筐体31は、締結孔33A~33Dを有している。締結ボルト38Aは、締結孔33Aを貫通して、台座23Aに締結される。締結ボルト38B,38C,38Dは、それぞれ、締結孔33B,33C,33Dを貫通して、台座23B,23C,23Dに締結される。締結ボルト38A,38B,38C,38Dがそれぞれ台座23A,23B,23C,23Dに締結されることで、筐体31がベースプレート21に固定され、ベースプレート21と筐体31とが一体化される。筐体31は、キーシリンダ7を取り囲んで配置される。ベースプレート21と筐体31との間に、発泡ポリエチレンフォーム、ウレタン、合成樹脂、ゴム製等のシール材を配置してもよい。
【0026】
締結ボルト38A,38B,38C,38Dの頭部には、ヘクサロビュラ穴が形成されている。締結ボルト38A,38B,38C,38Dは、ヘクサロビュラ穴付きボルトである。締結ボルト38A,38B,38C,38Dとして、タンパープルーフ付きヘクサロビュラ等を用いてもよい。
【0027】
図5は、制御ボックス80の底面図である。
図5に示されるように、制御ボックス80は、底面に、2つの磁力部88を有している。下方から見た制御ボックス80の形状は略矩形状であり、2つの磁力部88は、制御ボックス80のなす略矩形の対角線上に並んで配置されている。制御ボックス80のなす略矩形は、互いに向かい合う2つの角を有しており、2つの磁力部88の一方はその向かい合う角の一方に近接して配置され、2つの磁力部88の他方はその向かい合う角の他方に近接して配置されている。磁力部88は、制御ボックス80の外表面に取り付けられている。磁力部88は、磁力を有している。磁力部88は、たとえば永久磁石である。
【0028】
図6は、昇降体3に取り付けられた制御ボックス80を側方から見た図である。制御ボックス80は、昇降体3のうち磁性体で形成されている部分に、磁力部88の磁力で固定されている。磁力部88は、外部の磁性体、たとえば昇降体3の鉄板部分、に制御ボックス80を磁力で取り付けるための磁力部材である。制御ボックス80は、磁力部88を使用して、昇降体3の鉄板部分の任意の場所に取り付けられ得る。磁力部88は、昇降体3の鉄板部分の位置および角度によらず、制御ボックス80を鉄板部分に取付可能である。制御ボックス80は、
図1に模式的に図示されるように、昇降体3の床面に配置されてもよい。または制御ボックス80は、操作盤4の裏面に配置されてもよい。制御ボックス80は、昇降体3に限られず、走行体2に取り付けられてもよい。
【0029】
図7は、
図6に示されるVII-VII線に沿う制御ボックス80の断面図である。制御ボックス80は、本体部20に供給される電力を蓄える電源部83を有している。電源部83は、乾電池83A~83Dを有している。乾電池83A~83Dは、たとえば単三電池である。
図7に示される制御ボックス80は、4本の乾電池83A~83Dを収納している。乾電池83A~83Dは、制御ボックス80のケーシングの内部に内蔵されている。
【0030】
以上のように実施形態について説明を行ったが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0031】
以上に説明した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例である。
一態様に係るキー操作用デバイス10は、
図3,4に示されるように、キーシリンダ7を有する操作盤4に取り付けられ、キーシリンダ7に差し込まれた物理キー6を回転させる操作のために用いられる。キー操作用デバイス10は、
図2,4に示されるように、本体部20を備えている。本体部20は、物理キー6を覆い物理キー6と一体に回転する操作部40と、キーシリンダ7を取り囲み、操作部40の一部を収容する筐体31と、を含んでいる。キー操作用デバイス10は、
図2に示されるように、本体部20とは別体として構成され、キー操作用デバイス10の動作を制御するための制御ボックス80と、本体部20と制御ボックス80とを有線接続する配線91,93とを備えている。
図5,6に示されるように、制御ボックス80は、制御ボックス80を外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部88を有している。
【0032】
操作盤4にある既存のキーシリンダ7部分に後付けでキー操作用デバイス10の本体部20を取り付け、操作部40で物理キー6を常に覆った状態にすることにより、物理キー6をキーシリンダ7に差し込んだままにすることができる。物理キー6の挿抜が不要になることで、日々の物理キー6の貸出・返却作業が不要になる。作業者101が誤って物理キー6を作業現場から持ち去ったり、物理キー6を紛失したりする可能性を軽減できる。これにより、高所作業車1の管理を容易にできる。
【0033】
キーシリンダ7に差し込まれた物理キー6に、後付けの操作部40のノブ41を嵌合させることで、ノブ41を回転させると、物理キー6も回転する。ノブ41を介して、物理キー6の操作をすることができる。物理キー6を直接回転させる従来の操作と同様の、ノブ41を回転させる操作で、高所作業車1の起動操作および停止操作が可能である。
【0034】
本体部20と制御ボックス80とが別体に分けられているので、操作盤4のキーシリンダ7に取り付けられる本体部20の小型化が達成されている。制御ボックス80は、磁力部88を使用して、任意の位置に配置することができる。操作盤4上のキー操作用デバイス10を後付けできるスペースが限られている場合でも、操作盤4に本体部20を取り付け、制御ボックス80を操作盤4とは異なる位置に配置することができる。このようにして、キー操作用デバイス10を容易に操作盤4に後付けすることができる。
【0035】
本体部20と制御ボックス80とは配線91,93を用いて有線接続されているので、制御ボックス80の配置の自由度が向上されている。制御ボックス80が操作盤4の裏面などの本体部20から遮蔽される場所に配置される場合に、本体部20と制御ボックス80とが無線通信する構成であると、本体部20と制御ボックス80との間に介在する金属部材によって通信品質が低下することがある。本体部20と制御ボックス80とを有線接続することによって、制御ボックス80の配置にかかわらず、制御ボックス80から本体部20へ確実に電力を供給することができ、かつ、本体部20と制御ボックス80との間で確実に信号を送受信することができる。
【0036】
上記のキー操作用デバイス10において、
図7に示されるように、制御ボックス80は、本体部20に供給される電力を蓄える電源部83を有してもよい。本体部20が電源部83および基板などを含まない構成とされているので、本体部20を確実に小型化することができる。操作盤4上に電源部83および基板が搭載できるスペースがない場合でも、キー操作用デバイス10を容易に操作盤4に後付けすることができる。
【0037】
上記のキー操作用デバイス10において、
図7に示されるように、電源部83は、乾電池83A~83Dを有してもよい。安価で容易に入手できる乾電池83A~83Dは、交換が容易である。乾電池83A~83Dの残量が少なくなり本体部20に電力を供給できなくなった場合に、乾電池83A~83Dを交換して新品の乾電池83A~83Dを制御ボックス80に接続することで、迅速にキー操作用デバイス10の動作を再開することができる。
【0038】
一態様に係る装置(高所作業車1)は、
図3,4に示されるように、キーシリンダ7を有する操作盤4と、操作盤4に取り付けられ、キーシリンダ7に差し込まれた物理キー6を回転させる操作のために用いられる、キー操作用デバイス10と、を備えている。キー操作用デバイス10は、
図2,4に示されるように、本体部20を備えている。本体部20は、物理キー6を覆い物理キー6と一体に回転する操作部40と、キーシリンダ7を取り囲み、操作部40の一部を収容する筐体31と、を含んでいる。キー操作用デバイス10は、
図2に示されるように、本体部20とは別体として構成され、キー操作用デバイス10の動作を制御するための制御ボックス80と、本体部20と制御ボックス80とを有線接続する配線91,93とを備えている。
図5,6に示されるように、制御ボックス80は、制御ボックス80を外部の磁性体に磁力で取り付けるための磁力部88を有している。
【0039】
本体部20と制御ボックス80とが別体に分けられているので、操作盤4のキーシリンダ7に取り付けられる本体部20の小型化が達成されている。制御ボックス80は、磁力部88を使用して、任意の位置に配置することができる。操作盤4上のキー操作用デバイス10を後付けできるスペースが限られている場合でも、操作盤4に本体部20を取り付け、制御ボックス80を操作盤4とは異なる位置に配置することができる。このようにして、キー操作用デバイス10を容易に操作盤4に後付けすることができる。
【符号の説明】
【0040】
1 高所作業車、2 走行体、2A 走行輪、3 昇降体、4 操作盤、5 作動停止スイッチ、6 物理キー、7 キーシリンダ、10 キー操作用デバイス、20 本体部、21 ベースプレート、22 挿通孔、23A~23D 台座、28 締結ナット、31 筐体、33A~33D 締結孔、38A~38D 締結ボルト、40 操作部、41 ノブ、80 制御ボックス、83 電源部、83A~83D 乾電池、88 磁力部、91,93 配線、92,94 コネクタ、100 携帯端末、101 作業者。