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特開2023-170319ラグスクリューボルト及びその木質材への埋設方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170319
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ラグスクリューボルト及びその木質材への埋設方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 35/00 20060101AFI20231124BHJP
   F16B 35/04 20060101ALI20231124BHJP
   F16B 33/02 20060101ALI20231124BHJP
   E04B 1/26 20060101ALI20231124BHJP
   E04B 1/41 20060101ALN20231124BHJP
【FI】
F16B35/00 X
F16B35/04 D
F16B33/02 Z
E04B1/26 E
E04B1/41 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022081987
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】398016267
【氏名又は名称】木構造技研有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則
(72)【発明者】
【氏名】細川 清司
【テーマコード(参考)】
2E125
【Fターム(参考)】
2E125AA02
2E125AC23
2E125AG13
2E125BA13
2E125BB08
2E125BE07
2E125CA03
(57)【要約】
【課題】接着剤の注入作業を効率よく行うことができるラグスクリューボルト、接着剤の注入量を多くしてラグスクリューボルトを木質材に強固に結合できるラグスクリューボルトの木質材への埋設方法を提供する。
【解決手段】ラグスクリュー部2の雄ネジ3の基部の両側に木質材に予めあけられた先孔に案内される面となる細幅のガイド面4を設け、軸方向に隣り合うガイド面4同士の間に該ガイド面4より窪んだ溝5を形成して、ラグスクリュー部の軸方向にらせん溝6を設けるとともに、ラグスクリュー部2に軸方向に延びる溝7を形成する。木質材に予めあけた先孔とらせん状空間又は軸方向の空間から木質材の外側面に連通する連通孔を設け、該連通孔を通して液状の接着剤をらせん状空間及び軸方向の空間に注入し、ラグスクリュー部と木質材とを接着剤を介して結合する。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラグスクリュー部の雄ネジの基部の両側に木質材に予めあけられた先孔に案内される面となる細幅のガイド面を設け、軸方向に隣り合うガイド面同士の間に該ガイド面より窪んだ溝を形成して、ラグスクリュー部の軸方向にらせん状に延びるらせん溝を設けるとともに、ラグスクリュー部に軸方向に延びる溝を形成してなることを特徴とするラグスクリューボルト。
【請求項2】
ラグスクリュー部に軸方向に延びる溝を周方向に等間隔にあけて複数条形成した請求項1に記載のラグスクリューボルト。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のラグスクリューボルトを木質材に埋設して固定するラグスクリューボルトの木質材への埋設方法であって、木質材に予めあけた先孔と埋設したラグスクリューボルトのらせん溝又は軸方向に延びる溝との間に形成されたらせん状空間又は軸方向の空間から木質材の外側面に連通する連通孔を設け、該連通孔を通して液状の接着剤を前記らせん状空間及び軸方向の空間に注入し、連通孔に栓を打ち込み、ラグスクリュー部と木質材とを接着剤を介して結合することを特徴とするラグスクリューボルトの木質材への埋設方法。
【請求項4】
らせん状空間又は軸方向の空間の先端部及び後端部にそれぞれ木質材の外側面に連通する連通孔を設けた請求項3に記載のラグスクリューボルトの木質材への埋設方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラグスクリューボルト及びそのラグスクリューボルトを木質材にねじ込んで埋設する埋設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラグスクリューボルトは、軸部(ラグスクリュー部)の周囲に雄ネジを設け、端部に雌ネジ又は雄ネジを設けた接合具である。木材に予めラグスクリューボルトの谷径とほぼ同径の先孔を設け、その先孔に専用の工具を用いてラグスクリューボルトをねじ込んで埋設する。その端部に設けた雌ネジ又は雄ネジに他の接合具を締結して、ラグスクリューボルトの埋設された木材を他の部材と接合するものである。
【0003】
木材にラグスクリューボルトをねじ込んで埋設する際、木材にあけた先孔とラグスクリューボルトの谷径とはほぼ同径であるため、ねじ込むにつれて先孔と谷部との接触面積が大きくなり、次第に大きな力でねじ込んでいく必要がある。このため、強力なトルクをもつ専用の工具が必要となる。現場での作業となると、大変な労力と時間を要することとなる。
また、このようにしてラグスクリューボルトが埋設された木材とラグスクリューボルトとの軸方向の結合力は、雄ネジ部だけで引張力を支えるため、それ程大きいものとは言えない。
【0004】
かかる問題を解決するため、本発明者は、木質材へのねじ込み作業を容易に行うことができるラグスクリューボルト、このラグスクリューボルトを木質材に強固に結合することができるようにしたラグスクリューボルトの木質材への埋設方法を開示している(特許文献1)。
かかるラグスクリューボルトは、ラグスクリュー部の雄ネジの基部の両側に細幅のガイド面を設け、軸方向に隣り合うガイド面同士の間に該ガイド面より窪んだ溝を形成して、ラグスクリュー部の軸方向にらせん状に延びるらせん溝を設けたものである。
また、木質材に強固に結合することができるようにしたラグスクリューボルトの木質材への埋設方法は、木質材に予めあけた先孔と埋設したラグスクリューボルトのらせん溝との間に形成されたらせん状空間から木質材の外側面に連通する連通孔を設け、該連通孔を通して液状の接着剤を前記らせん状空間に注入し、ラグスクリュー部と木質材とを接着剤を介して結合するものである。
【0005】
かかるラグスクリューボルトによれば、ガイド面が木質材に予めあけられた先孔に案内されてラグスクリューボルトをねじ込むことができる。また、ガイド面より窪んだらせん溝により、該らせん溝部は先孔の周面と接触しないため、摩擦抵抗が小さくなり、ラグスクリューボルトを木質材にあけた先孔にねじ込む作業を小さな力で能率よく行うことができる。
また、上記ラグスクリューボルトを木質材に埋設して固定するラグスクリューボルトの木質材への埋設方法によれば、らせん状の空間に注入された接着剤により、ラグスクリュー部と木質材とを強固に結合することができる。このため、地震等の際に強い引張力が作用しても耐力のあるものとなる。
【0006】
しかし、接着剤が注入されるらせん溝部は、らせん状に延びる溝であるため、接着剤の注入を完了するのに時間を要する。このため、作業効率が高いとは言えない。また、接着剤による接着部はらせん溝部だけであるため、注入される接着剤の量もそれほど多いとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020-200843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、接着剤の注入作業を効率よく行うことができるようにしたラグスクリューボルト、また、接着剤の注入量を多くしてラグスクリューボルトを木質材に強固に結合することができるようにしたラグスクリューボルトの木質材への埋設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に係るラグスクリューボルトは、ラグスクリュー部の雄ネジの基部の両側に木質材に予めあけられた先孔に案内される面となる細幅のガイド面を設け、軸方向に隣り合うガイド面同士の間に該ガイド面より窪んだ溝を形成して、ラグスクリュー部の軸方向にらせん状に延びるらせん溝を設けるとともに、ラグスクリュー部に軸方向に延びる溝を形成してなること、を特徴としている。
請求項2に係る発明は、ラグスクリュー部に軸方向に延びる溝を周方向に等間隔にあけて複数条形成したものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のラグスクリューボルトを木質材に埋設して固定するラグスクリューボルトの木質材への埋設方法であって、木質材に予めあけた先孔と埋設したラグスクリューボルトのらせん溝又は軸方向に延びる溝との間に形成されたらせん状空間又は軸方向の空間から木質材の外側面に連通する連通孔を設け、該連通孔を通して液状の接着剤を前記らせん状空間及び軸方向の空間に注入し、連通孔に栓を打ち込み、ラグスクリュー部と木質材とを接着剤を介して結合すること、を特徴としている。
請求項4に係る発明は、らせん状空間又は軸方向の空間の先端部及び後端部にそれぞれ木質材の外側面に連通する連通孔を設けたものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、ラグスクリュー部に軸方向に延びる溝を形成してなるので、らせん状に延びるらせん溝に加えて軸方向に延びる溝を介して接着剤が注入されることとなり、短時間で注入作業を完了させることができ、接着剤の注入作業を効率よく行うことができることとなる。
請求項2に係る発明よれば、ラグスクリュー部に軸方向に延びる溝を周方向に等間隔にあけて複数条形成したので、接着剤の注入時間をより短縮できる。また、接着剤をより多く注入できるので、接着強度をより高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、木質材に予めあけた先孔と埋設したラグスクリューボルトのらせん溝又は軸方向に延びる溝との間に形成されたらせん状空間又は軸方向の空間から木質材の外側面に連通する連通孔を設け、該連通孔を通して液状の接着剤を前記らせん状空間及び軸方向の空間に注入し、連通孔に栓を打ち込み、ラグスクリュー部と木質材とを接着剤を介して結合するので、らせん状空間だけでなく軸方向の空間を通して接着剤を注入でき、短時間で注入作業を完了させることが可能で、接着剤の注入作業を効率よく行うことができる。また、らせん状の空間だけでなく軸方向の空間に注入された接着剤により、ラグスクリュー部と木質材とを強固に結合することができる。このため、地震等の際に強い引張力が作用しても耐力のあるものとなる。
請求項4に係る発明によれば、らせん状空間又は軸方向の空間の先端部及び後端部にそれぞれ木質材の外側面に連通する連通孔を設けたので、らせん状空間及び軸方向の空間の先端部から後端部の全域に亘って接着剤を注入できる。このため、ラブスクリュー部の軸方向の全域に亘り接着剤で接着でき、ラグスクリューボルトと木質材とを強固に結合できることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例によるラグスクリューボルトの正面図である。
図2図1の平面拡大図である。
図3図1の要部拡大図である。
図4図3のA-A線断面図である。
図5図3のB-B線断面図である。
図6】ラグスクリューボルトを木質材へ埋設する様子を示す説明図である。
図7】実施例によるラグスクリューボルトの埋設状態の要部断面図である。
図8図7のC-C線断面図である。
図9】接着剤注入後の図8相当の断面図である。
図10】接着剤注入後の軸方向に溝のない部位の図9相当の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。本発明の実施例によるラグスクリューボルト1は、ラグスクリュー部(軸部)2の谷部に雄ネジ3の基部の軸方向両側に細幅のガイド面4,4を設け、軸方向に隣り合うガイド面4同士の間に該ガイド面4より軸心方向に窪んだ溝5を形成して、ラグスクリュー部2の軸方向にらせん状に延びるらせん溝6を設けたものである。
【0013】
また、ラグスクリュー部2にはその先端部から後端部の全域に亘って軸方向に延びる溝7を形成してある。かかる軸方向に延びる溝7はラグスクリューボルトの周方向に等間隔(90°毎に)で4条形成してある(図5)。
なお、図5では軸方向に延びる溝7を4条形成したものを示したが、周方向に等間隔(180°)で2条、周方向に等間隔(120°毎に)で3条形成するようにしてもよい。等間隔とすれば、周方向のバランスがとれて好ましい。
【0014】
軸方向に延びる溝7は、接着剤の流れる流路となるものである。らせん溝6だけの場合、注入される接着剤はらせん溝に沿ってらせん状に流れるため、注入完了までに時間を要するが、軸方向に延びる溝7を設けることにより、注入される接着剤は該溝7に沿って軸方向に流れるため、接着剤の注入時間を大幅に短縮できる。また、注入完了後は、接着強度を高めることに寄与する。
【0015】
軸方向に延びる溝7を周方向に等間隔に複数条形成することにより、単数条だけの場合に比べ、接着剤の注入作業をさらに短時間で完了させることができる。また、注入完了後は、単数条の場合に比べより多くの接着剤を充填できるため、接着強度をさらに高めることに寄与する。
【0016】
細幅のガイド面4は、木質材8に形成された先孔9の径に対応する径を有する。この細幅のガイド面4は、木質材8に予めあけられた先孔9に案内される面となるもので、ラグスクリューボルト1を先孔9にねじ込む際、ガイド面4が先孔9に案内されてねじ込まれるものである。
【0017】
図1及び図3等に示した実施例によるラグスクリューボルト1は、らせん溝6の断面形状を凹円弧状に形成したものである。このように、らせん溝6の断面形状を凹円弧状に形成することにより、らせん溝6内に液状接着剤が流れ易く、らせん溝6内へ接着剤を均一に充填することができる。
【0018】
図1及び図3等におけるラグスクリューボルト1の寸法は、外径φ1が38mm、ガイド面4の径φ2が32mm、ガイド面4の幅W1が1mm、らせん溝6底部の径φ3が26mm、雄ネジ3のピッチが10mm、全長L1が650mm、ラグスクリュー部の長さL2が580mmとなっている。軸方向に延びる溝7の幅W2は5mm、溝7の深さhは5.5mmとなっている。なお、ここに示した寸法は一例であって、適宜変更可能である。
【0019】
ガイド面4の幅W1は、雄ネジ3のピッチに対して1/20~1/5程度が好ましい。1/20未満ではガイド面の幅が狭すぎてガイドする機能を十分発揮できない。一方、1/5を超えるとガイド面の幅が広すぎて先孔にねじ込む際の摩擦抵抗が大きくねじ込み作業の効率が低くなる。
【0020】
軸方向に延びる溝7の幅W2は、外径φ1に対して1/10~3/10程度が好ましい。1/10未満では軸方向に延びる溝7内に注入できる接着剤の量を十分に確保できないため、接着強度を高める効果が小さい。一方、3/10を超えるとガイド面4の面積が小さくなりすぎてガイドする機能が不十分となりねじ込み作業に支障を来すおそれがある。
溝7の幅W2は、上記の範囲内でも広めが好ましい。軸方向に延びる溝7の幅W2は5mmと例示したが、10mm程度としてもよい。溝7の幅W2を10mm程度と広くすると、ガイド面4の面積がその分狭くなる。このため、木質材8に予めあけた先孔9にラグスクリューボルト1をねじ込む際の摩擦抵抗が小さくなり、ねじ込み作業の効率を高めることに寄与する。また、より多くの接着剤を充填可能となるため、接着強度を高めることにも寄与することになる。
【0021】
ラグスクリューボルト1の基端部には、従来品と同様、雌ネジ部10を設けてある。なお、用途に応じて基端部に雄ネジ部を設けるようにすることもできる。
【0022】
図1及び図3等の実施例では、らせん溝6の断面形状を凹円弧状に形成したものを示したが、凹状に形成するようにしてもよい(図示せず)。なお、らせん溝6の断面形状は、これら凹円弧状又は凹状に限定されるものではない。
【0023】
次に、実施例によるラグスクリューボルト1を木質材8に埋設する作業を図6を参照しつつ説明する。先ず、従来と同様、木質材8に先孔9をあける。先孔9の径は、ガイド面4の径φ2と略同じ径とする。また、ラグスクリューボルト1を埋設した際のらせん溝6又は軸方向に延びる溝7の先端部と後端部とに対応する位置に、らせん溝6又は軸方向に延びる溝7から木質材8の外側面に連通する連通孔11,11をあけておく。なお、らせん溝6又は軸方向に延びる溝7の軸方向中間部に対応する位置に木質材7の外側面に連通する連通孔を追加して設けてもよい。
【0024】
次いで、従来と同様にして、木質材8に予めあけておいた先孔9にラグスクリューボルト1をねじ込んでいく。その際、先孔9の周面とラグスクリューボルト1との接触部位は、細幅のガイド面4だけでらせん溝部6は非接触となる。このように、先孔9とラグスクリューボルト1との接触面積は小さいので摩擦抵抗が小さくなり、従来のねじ込み作業に比べて、小さな力で、短時間で、効率よくねじ込み作業を進めることができる。
【0025】
このようにして、ラグスクリューボルト1を木質材8に埋設した状態(図6(b))では、木質材8に予めあけておいた先孔9と埋設したラグスクリューボルト1のらせん溝6との間にらせん状の空間12、また、先孔9と軸方向に延びる溝7との間にも軸方向の空間13が形成されることになる(図7図8)。これららせん状の空間12と軸方向の空間13とは連通している。そして、らせん状の空間12又は軸方向の空間13の先端部と後端部には、木質材8の外側面に連通する連通孔11,11が設けられている。
【0026】
次いで、該連通孔11を通して液状の接着剤をらせん状の空間12及び軸方向の空間13に注入ガン14などを用いて注入する。注入(充填)が終了したならば、連通孔11に栓15,15を打ち込んで固定する。このようにして、木質材8とラグスクリューボルト1とは、従来の雄ネジ部3による結合に加えて、ラグスクリュー部2と木質材8とが接着剤16を介して強固に結合されることになる(図9図10)。このため、引張応力に対して大きな耐力を有することになる。
【0027】
ここで、らせん状空間12又は軸方向の空間13の先端部及び後端部に対応する木質材8の部位にそれぞれ木質材8の外側面に連通する連通孔11,11を設けてあり、らせん状空間12及び軸方向の空間13の先端部から後端部の全域に亘って接着剤を注入充填できる。このため、ラブスクリュー部2の軸方向の全域に亘り接着剤16で接着でき、ラグスクリューボルト1と木質材8とを強固に結合できることになる。
従来のらせん状空間12に加えて軸方向の空間13にも接着剤を注入充填して、より多くの接着剤16で接着でき、接着強度を高めることができる。
【0028】
図6では、ラグスクリューボルト(1)1本を木質材8に埋設する例を図示したが、木質材の寸法、ラグスクリューボルトの寸法等に応じて、複数本のラグスクリューボルトを埋設するようにしてもよい。
なお、木質材8としては、柱材、梁材が代表例として挙げられる。
【符号の説明】
【0029】
1 ラグスクリューボルト
2 ラグスクリュー部
3 雄ネジ
4 ガイド面
5 溝
6 らせん溝
7 軸方向に延びる溝
8 木質材
9 先孔
10 雌ネジ部
11 連通孔
12 らせん状空間
13 軸方向の空間
14 注入ガン
15 栓
16 接着剤
φ1 外径
φ2 ガイド面の径
φ3 らせん溝底部の径
1 ガイド面の幅
2 軸方向の溝の幅
h 軸方向の溝の深さ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10