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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170352
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
   B63H 21/38 20060101AFI20231124BHJP
   B63J 2/06 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B63H21/38 C
B63J2/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082039
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 宏之
(72)【発明者】
【氏名】三好 崇公
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】関 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】前田 洋明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 梨花子
(57)【要約】
【課題】燃料調整室内で燃料が漏洩したとしても燃料調整室内の安全性を確保することができる船舶を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る船舶は、液化ガスを燃料とする推進用エンジンと、前記推進用エンジンの上流側で前記燃料の温度および圧力を調整する機器を収容する燃料調整室4と、燃料調整室4内へ外気を取り込む吸気路5と、燃料調整室4内の空気を排出する排気路6を含む。排気路6にはファン63が設けられている。例えば、吸気路5にはファン53が設けられてもよい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを燃料とする推進用エンジンと、
前記推進用エンジンの上流側で前記燃料の温度および圧力を調整する機器を収容する燃料調整室と、
前記燃料調整室内へ外気を取り込む吸気路と、
前記燃料調整室内の空気を排出する排気路と、を備え、
前記排気路にはファンが設けられている、船舶。
【請求項2】
前記吸気路にはファンが設けられている、請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記吸気路は、大気に対する開口を形成する第1ベンチレーターと、前記燃料調整室内に設けられた吸気ダクトを含み、
前記排気路は、大気に対する開口を形成する第2ベンチレーターと、前記燃料調整室内に設けられた排気ダクトを含む、請求項1または2に記載の船舶。
【請求項4】
前記液化ガスに由来する気化ガスは空気よりも重く、
前記燃料調整室内での前記排気ダクトの開口である排気口は、前記燃料調整室内での前記吸気ダクトの開口である吸気口よりも下方に位置する、請求項3に記載の船舶。
【請求項5】
前記液化ガスに由来する気化ガスは空気よりも軽く、
前記燃料調整室内での前記排気ダクトの開口である排気口は、前記燃料調整室内での前記吸気ダクトの開口である吸気口よりも上方に位置する、請求項3に記載の船舶。
【請求項6】
前記排気路の圧力損失は、前記吸気路の圧力損失よりも小さい、請求項1または2に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化ガスを燃料とする推進用エンジンを含む船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減を目的として、LNG(Liquefied Natural Gas)やLPG(Liquefied Petroleum Gas)などの液化ガスを燃料とする推進用エンジンを含む船舶が積極的に開発されている。液化ガスは、液体のまま推進用エンジンへ供給される場合もあるし、気体または超臨界流体にされて推進用エンジンへ供給される場合もある。
【0003】
例えば、特許文献1には、推進用エンジンの燃料である液化ガスを貯留する2つの燃料タンクを船体の上面を構成する甲板上に配置した船舶が開示されている。この船舶では、甲板上の船尾部分に上部構造体が設けられ、船幅方向において上部構造体の両側に燃料タンクが配置されている。
【0004】
また、特許文献1の船舶では、上部構造体および燃料タンクの後方に燃料調整室が配置されている。特許文献1には、燃料調整室について「液化ガス燃料を主推進機関や発電用機関まで供給するための関連機器を設置する」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-50135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のような燃料調整室を含む船舶では、燃料調整室内で燃料が漏洩したとしても燃料調整室内の安全性を確保することが望まれる。
【0007】
そこで、本開示は、燃料調整室内で燃料が漏洩したとしても燃料調整室内の安全性を確保することができる船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、液化ガスを燃料とする推進用エンジンと、前記推進用エンジンの上流側で前記燃料の温度および圧力を調整する機器を収容する燃料調整室と、前記燃料調整室内へ外気を取り込む吸気路と、前記燃料調整室内の空気を排出する排気路と、を備え、前記排気路にはファンが設けられている、船舶を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、燃料調整室内で燃料が漏洩したとしても燃料調整室内の安全性を確保することができる船舶が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1Aは一実施形態に係る船舶の側面図、図1Bは同船舶の平面図である。
図2】燃料タンクから推進用エンジンであるメインエンジンおよび発電用エンジンまでの配管系統図である。
図3図3Aは燃料調整室の平面図、図3Bは同燃料調整室の側面断面図である。
図4図4Aは変形例の船舶の側面図、図4Bは同船舶の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1A,1Bに、一実施形態に係る船舶1を示す。本実施形態では、船舶1が、オイルや液化ガスなどの液体である積荷を輸送する液体タンカーである。ただし、船舶1の用途はこれに限られるものではなく、適宜変更可能である。
【0012】
具体的に、船舶1は、甲板12を有する船体11を含む。甲板12は船体11の上面を構成する。本実施形態では、甲板12が船体11の全長に亘ってフラットであるが、甲板12は、船首部および船尾部の一方または双方が中間部よりも高くなるか低くなるように構成されてもよい。
【0013】
船体11内には、船長方向に並ぶ複数のカーゴタンク13が設けられており、これらのカーゴタンク13に積荷である液体が貯留される。また、船体11内には、船尾(すなわちカーゴタンク13の後方)にエンジンルーム14が設けられている。さらに、甲板12上の船尾部分には、上部構造体15が設けられている。上部構造体15は、ブリッジや居住区を含む。
【0014】
エンジンルーム14内には、プロペラ16を駆動する推進用エンジンが配置される。本実施形態では、船舶1が機械推進船であるため、推進用エンジンが、プロペラ16を直接的に駆動するメインエンジン91(図2参照)である。また、エンジンルーム14内には、図2に示すように、船内電力を生成するための複数の発電用エンジン92と、余剰の燃料を処理するための補助ボイラ93も配置されている。
【0015】
ただし、船舶1が電気推進船である場合は、メインエンジン91が省略されて発電用エンジン92が発電機およびモータを介してプロペラ16を駆動するため、発電用エンジン92が推進用エンジンとなる。
【0016】
推進用エンジンであるメインエンジン91および発電用エンジン92は、液化ガスを燃料とする。本実施形態では、その液化ガスを貯留する2つの燃料タンク2が甲板12上に配置されている。ただし、燃料タンク2の数は1つであっても3つ以上であってもよい。燃料である液化ガスは、例えば、LNG、LPG、LH2などである。積荷が液化ガスである場合は、燃料は積荷と同じであってもよいし、異なってもよい。
【0017】
本実施形態では、メインエンジン91および発電用エンジン92が、燃料噴射圧が0.5~10MPa程度のオットーサイクルのレシプロエンジンである。また、本実施形態では、図2に示すように、液化ガスを強制的に気化した気化ガスおよび燃料タンク2内で気化したBOG(Boil Off Gas)が燃料としてメインエンジン91および発電用エンジン92へ供給される。ただし、液化ガスがLPGの場合は、LPGが液体のまま燃料としてメインエンジン91へ供給されてもよい。
【0018】
メインエンジン91は、燃料噴射圧が25~35MPa程度のディーゼルサイクルのレシプロエンジンであってもよい。この場合、液化ガスに由来する超臨界流体が燃料としてメインエンジン91へ供給されてもよい。あるいは、メインエンジン91は、ガスタービンエンジンであってもよいし、ボイラと蒸気タービンの組み合わせであってもよい。
【0019】
メインエンジン91および発電用エンジン92は、気化ガスおよびBOGである燃料ガスのみを燃料とするガス専焼エンジンであってもよい。あるいは、メインエンジン91および発電用エンジン92は、燃料を燃料ガスと燃料油の一方または双方に切り換え可能な二元燃料エンジンであってもよい。
【0020】
燃料タンク2は、本実施形態では、船長方向に長い筒状であり、船長方向において船体11の略中央に配置されている。ただし、燃料タンク2の形状および位置は適宜変更可能である。
【0021】
燃料タンク2は、船幅方向に互いに離間しており、左舷側および右舷側にそれぞれ位置している。燃料タンク2の間には、燃料調整室4が配置されている。燃料調整室4は、メインエンジン91および発電用エンジン92の上流側で燃料の温度および圧力を調整する機器を収容する。
【0022】
図2に示すように、各燃料タンク2へは、燃料受入配管71を通じて液化ガスが導かれる。各燃料タンク2から燃料調整室4へは、液体配管72を通じて液化ガスが導かれる。液体配管72の上流端は、燃料タンク2内に配置されたポンプ21に接続されている。また、各燃料タンク2から燃料調整室4へは、燃料タンク2内で気化したBOGがBOG配管73を通じて導かれる。BOG配管73からは返送配管74が分岐しており、燃料タンク2内への液化ガスの供給時にはその返送配管74を通じて供給量と同程度の量のガスが液化ガスの供給源へ返送される。
【0023】
燃料調整室4内では、液体配管72が気化器81に接続されている。気化器81では液化ガスが気化されて気化ガスが生成され、生成された気化ガスが配管82を通じてバッファ容器83へ導かれる。気化器81は、気化ガスの温度および圧力を調整する役割を果たす。
【0024】
また、燃料調整室4内では、BOG配管73が加熱器85に接続されている。加熱器85で加熱されたBOGは、配管86を通じてバッファ容器83へ導かれる。配管86には圧縮機87が設けられている。加熱器85および圧縮機87は、BOGの温度および圧力を調整する役割を果たす。
【0025】
バッファ容器83には、気化ガスとBOGの混合体である燃料が一時的に貯留される。燃料調整室4で温度および圧力が調整された燃料、つまりバッファ容器83に一時的に貯留された燃料は、第1燃料供給配管9Aを通じて燃料調整室4からメインエンジン91へ導かれ、第2燃料供給配管9Bを通じて燃料調整室4から発電用エンジン92へ導かれ、第3燃料供給配管9Cを通じて燃料調整室4から補助ボイラ93へ導かれる。
【0026】
第1燃料供給配管9Aには、複数の弁を含む弁ユニット94が設けられている。同様に、第2燃料供給配管9Bおよび第3燃料供給配管9Cのそれぞれにも弁ユニット94が設けられている。本実施形態では、弁ユニット94がエンジンルーム14内に位置しているが、弁ユニット94は燃料調整室4内に位置してもよい。あるいは、弁ユニット94専用の部屋がある場合は、弁ユニット94はそこに配置されてもよい。
【0027】
図3A,3Bに示すように、本実施形態では、船舶1が、燃料調整室4内へ外気を取り込む吸気路5と、燃料調整室4内の空気を排出する排気路6を含む。本実施形態では、吸気路5および排気路6が1つずつ設けられているが、吸気路5が複数設けられてもよいし、排気路6が複数設けられてもよい。
【0028】
吸気路5は、大気に対する開口を形成する第1ベンチレーター51と、燃料調整室4内に設けられた吸気ダクト52を含む。本実施形態では吸気ダクト52が第1ベンチレーター51と接続される上流端から下流端まで分岐せずに延びているが、第1ベンチレーター51が複数設けられ、吸気ダクト52が上流側に向かって分岐してもよい。あるいは、吸気ダクト52は、後述する吸気口50を複数有するように下流側に向かって分岐してもよい。
【0029】
同様に、排気路6は、大気に対する開口を形成する第2ベンチレーター61と、燃料調整室4内に設けられた排気ダクト62を含む。本実施形態では排気ダクト62が上流端から第2ベンチレーター61と接続される下流端まで分岐せずに延びているが、第2ベンチレーター61が複数設けられ、排気ダクト62が下流側に向かって分岐してもよい。あるいは、排気ダクト62は、後述する排気口60を複数有するように上流側に向かって分岐してもよい。
【0030】
本実施形態では、第1ベンチレーター51および第2ベンチレーター61が燃料調整室4の屋根に設けられたマッシュルームベンチレーターである。ただし、第1ベンチレーター51および第2ベンチレーター61としては、種々の形状のベンチレーターが採用可能である。例えば、第1ベンチレーター51および第2ベンチレーター61は、燃料調整室4の側壁に設けられた、フード付きのルーバーベンチレーターであってもよい。
【0031】
本実施形態では、吸気路5にファン53が設けられるとともに、排気路6にファン63が設けられている。ただし、ファンは必ずしも吸気路5と排気路6の双方に設けられる必要はなく、排気路6のみに設けられてもよい。
【0032】
本実施形態では、ファン53が第1ベンチレーター51に設けられているが、ファン53は吸気ダクト52に設けられてもよい。同様に、本実施形態では、ファン63が第2ベンチレーター61に設けられているが、ファン63は排気ダクト62に設けられてもよい。吸気路5にはファン53の上流側にフィルタが設けられてもよいし、排気路6にはファン63の上流側にフィルタが設けられてもよい。
【0033】
通常、ファン53,63は常時駆動される。ただし、複数の第1ベンチレーター51が設けられ、それらの第1ベンチレーター51にファン53が設けられる場合は、必ずしも全てのファン53が駆動される必要はなく、いずれかのファン53が停止していてもよい。同様に、複数の第2ベンチレーター61が設けられ、それらの第2ベンチレーター61にファン63が設けられる場合は、必ずしも全てのファン63が駆動される必要はなく、いずれかのファン63が停止していてもよい。
【0034】
本実施形態では、燃料である液化ガスに由来する気化ガスが空気よりも軽い。換言すれば、気化ガスの密度は空気の密度よりも小さい。このような気化ガスの元となる液化ガスは、例えば、LNGやLH2である。そして、燃料調整室4内での排気ダクト62の開口である排気口60は、燃料調整室4内での吸気ダクト52の開口である吸気口50よりも上方に位置する。
【0035】
本実施形態では、排気路6の圧力損失が吸気路5の圧力損失よりも小さい。特に、本実施形態では、排気路6の断面積が吸気路5の断面積よりも大きく設定されている。このため、燃料調整室4内を負圧にすることができる。これにより、燃料調整室4内で燃料が漏洩したときに、漏洩した燃料を直ちに排出することができる。ただし、排気路6の圧力損失は吸気路5の圧力損失と等しくてもよい。
【0036】
なお、排気路6の圧力損失を吸気路5の圧力損失よりも小さくするには、吸気路5と排気路6の断面積を同じとする一方、排気路6の長さを吸気路5の長さよりも短くしてもよい。また、燃料調整室4内を負圧にするには、ファン63の直径または回転数をファン53の直径または回転数よりも大きくしてもよい。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の船舶1では、排気路6および吸気路5に設けられたファン63,53によって燃料調整室4内が換気される。従って、燃料調整室4内で燃料が漏洩したとしても燃料調整室4内の安全性を確保することができる。
【0038】
また、本実施形態では、燃料である液化ガスに由来する気化ガスが空気よりも軽く、排気口60が吸気口50よりも上方に位置するので、燃料調整室4内で燃料が漏洩したときに、漏洩した燃料を優先的に排出することができる。
【0039】
(変形例)
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0040】
例えば、図4A,4Bに示すように、燃料タンク2が船尾に配置され、この燃料タンク2の前方に燃料調整室4が配置されてもよい。
【0041】
また、燃料である液化ガスに由来する気化ガスは空気よりも重くてもよい。このような気化ガスの元となる液化ガスは、例えばLPGである。この場合、排気口60は吸気口50よりも下方に位置することが望ましい。この構成でも、燃料調整室4内で燃料が漏洩したときに、漏洩した燃料を優先的に排出することができる。
【0042】
さらに、燃料タンク2および燃料調整室4は、必ずしも甲板12上に配置される必要はなく、燃料タンク2および燃料調整室4の一方または双方が船体11内に配置されてもよい。燃料調整室4が船体11内に配置される場合、第1ベンチレーター51および第2ベンチレーター61が甲板12に設けられてもよい。この場合、吸気ダクト52および排気ダクト62が、燃料調整室4の天井または側壁を貫通して甲板12まで延びてもよい。
【0043】
(まとめ)
第1の態様として、本開示は、液化ガスを燃料とする推進用エンジンと、前記推進用エンジンの上流側で前記燃料の温度および圧力を調整する機器を収容する燃料調整室と、前記燃料調整室内へ外気を取り込む吸気路と、前記燃料調整室内の空気を排出する排気路と、を備え、前記排気路にはファンが設けられている、船舶を提供する。
【0044】
上記の構成によれば、排気路に設けられたファンによって燃料調整室内が換気される。従って、燃料調整室内で燃料が漏洩したとしても燃料調整室内の安全性を確保することができる。
【0045】
第2の態様として、第1の態様において、例えば、前記吸気路にはファンが設けられてもよい。
【0046】
第3の態様として、第1または第2の態様において、例えば、前記吸気路は、大気に対する開口を形成する第1ベンチレーターと、前記燃料調整室内に設けられた吸気ダクトを含み、前記排気路は、大気に対する開口を形成する第2ベンチレーターと、前記燃料調整室内に設けられた排気ダクトを含んでもよい。
【0047】
第4の態様として、第3の態様において、前記液化ガスに由来する気化ガスは空気よりも重く、前記燃料調整室内での前記排気ダクトの開口である排気口は、前記燃料調整室内での前記吸気ダクトの開口である吸気口よりも下方に位置してもよい。この構成によれば、燃料調整室内で燃料が漏洩したときに、漏洩した燃料を優先的に排出することができる。
【0048】
第5の態様として、第3の態様において、前記液化ガスに由来する気化ガスは空気よりも軽く、前記燃料調整室内での前記排気ダクトの開口である排気口は、前記燃料調整室内での前記吸気ダクトの開口である吸気口よりも上方に位置してもよい。この構成によれば、燃料調整室内で燃料が漏洩したときに、漏洩した燃料を優先的に排出することができる。
【0049】
第6の態様として、第1乃至第5の態様の何れかにおいて、前記排気路の圧力損失は、前記吸気路の圧力損失よりも小さくてもよい。この構成によれば、燃料調整室内を負圧にすることができる。これにより、燃料調整室内で燃料が漏洩したときに、漏洩した燃料を直ちに排出することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 船舶
11 船体
4 燃料調整室
5 吸気路
50 吸気口
51 第1ベンチレーター
52 吸気ダクト
53 ファン
6 排気路
60 排気口
61 第2ベンチレーター
62 排気ダクト
63 ファン
91 メインエンジン(推進用エンジン)
図1
図2
図3
図4