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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170375
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】農産物の検査処理装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20231124BHJP
   G01N 21/85 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G01N21/88 K
G01N21/85 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082082
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】伊東 慧
(72)【発明者】
【氏名】阿部 周平
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA05
2G051AB02
2G051BA05
2G051BA08
2G051BA10
2G051CA04
2G051DA13
(57)【要約】
【課題】農産物の表面状態の検査と、農産物の減菌処理とを行うことができる農産物の検査処理装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る農産物の検査処理装置は、農産物を所定の方向に移動する移動部と;前記農産物に検査光を照射し、前記農産物の表面状態を検査する検査部と;前記農産物に処理光を照射し、前記農産物の減菌処理を行う処理部と;を具備している。前記検査光は、UVA、およびUVBの少なくともいずれかを含んでいる。前記処理光は、UVCを少なくとも含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農産物を所定の方向に移動する移動部と;
前記農産物に検査光を照射し、前記農産物の表面状態を検査する検査部と;
前記農産物に処理光を照射し、前記農産物の減菌処理を行う処理部と;
を具備し、
前記検査光は、UVA、およびUVBの少なくともいずれかを含み、
前記処理光は、UVCを少なくとも含む農産物の検査処理装置。
【請求項2】
前記検査部は、前記農産物の移動方向において、前記処理部の上流側に設けられている請求項1記載の農産物の検査処理装置。
【請求項3】
前記検査部による検査で、表面に異常があると判定された前記農産物を前記移動部から除去する除去部をさらに具備した請求項1または2に記載の農産物の検査処理装置。
【請求項4】
前記検査部は、複数の第1の発光素子、および、少なくとも1つの放電ランプの少なくともいずれかを有する請求項1または2に記載の農産物の検査処理装置。
【請求項5】
前記処理部は、複数の第2の発光素子、および、少なくとも1つの放電ランプの少なくともいずれかを有する請求項1または2に記載の農産物の検査処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、農産物の検査処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品市場においては、HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)などへの対応により食品に対する安全意識が高まっている。また、食品市場には、腐敗などによるフードロスなどの問題もある。
【0003】
この場合、農産物を加熱処理したり、塩素や次亜塩素酸などの薬剤を用いて農産物を処理したりすれば、農産物の表面に付着した腐敗菌などの減菌を行うことができる。腐敗菌などの減菌を行うことができれば、農産物の鮮度を保つのが容易となる。しかしながら、これらの様にすると、熱により農産物が変質したり、農産物に残留した薬剤により健康に対するリスクが生じたりするという新たな問題が生じる。
そのため、農産物に紫外線を照射して、農産物の表面に付着した腐敗菌などの減菌を行う技術が提案されている。
【0004】
ここで、収穫前の農産物の表面には、虫食いなどの傷がついている場合がある。そのため、収穫された農産物は、産地において傷の有無が検査され、基準を満たしたもののみが出荷される。ところが、産地から市場に至るまでの間の搬送作業などにおいて、農産物の表面に傷が生じる場合がある。また、産地における検査において、傷がついている農産物が見逃される場合も生じ得る。
【0005】
産地から市場に至るまでの間の搬送期間などにおいて、農産物の傷に腐敗菌が付着すると農産物に腐敗が生じる場合がある。また、腐敗した農産物に、他の腐敗していない農産物が接触すると、接触した農産物にも腐敗が生じるおそれがある。
この場合、腐敗が生じた農産物に紫外線を照射して、付着している腐敗菌を減菌したとしても腐敗部分の回復を図ることはできない。
【0006】
そこで、農産物の表面状態の検査と、農産物の減菌処理とを行うことができる農産物の検査処理装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-153456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、農産物の表面状態の検査と、農産物の減菌処理とを行うことができる農産物の検査処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態に係る農産物の検査処理装置は、農産物を所定の方向に移動する移動部と;前記農産物に検査光を照射し、前記農産物の表面状態を検査する検査部と;前記農産物に処理光を照射し、前記農産物の減菌処理を行う処理部と;を具備している。前記検査光は、UVA、およびUVBの少なくともいずれかを含んでいる。前記処理光は、UVCを少なくとも含んでいる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によれば、農産物の表面状態の検査と、農産物の減菌処理とを行うことができる農産物の検査処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】検査処理装置を例示するための模式図である。
図2】照射部を例示するための模式断面図である。
図3図2における照射部をA-A線方向から見た模式平面図である。
図4】他の実施形態に係る照射部を例示するための模式図である。
図5】放電ランプを例示するための模式図である。
図6】放電ランプを備えた照射部の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
図7】(a)は、水腐れが発生しているミカンの、可視光による画像である。(b)は、水腐れが発生しているミカンの、検査光による画像である。
図8】他の実施形態に係る検査処理装置を例示するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また、各図中の矢印X、Y、Zは、互いに直交する三方向を表している。例えば、X方向とY方向は水平方向とし、X方向は農産物100の移動方向としている。例えば、Z方向は鉛直方向としている。
また、本明細書において「減菌」は、付着している細菌やウィルスの数を減らすことだけではなく、細菌やウィルスを死滅させる滅菌をも含むものとする。
【0013】
本実施の形態に係る農産物の検査処理装置1(以下、単に、検査処理装置1と称する)は、農産物に、検査光、および処理光を照射する。
図1は、検査処理装置1を例示するための模式図である。
図1に示すように、検査処理装置1は、例えば、供給部10、移動部20、検査部30、処理部40、収容部50、およびコントローラ60を有する。
【0014】
供給部10は、例えば、移動部20の上流側の端部の近傍に設けられている。例えば、供給部10は、農産物100を内部に複数収容し、収容されている農産物100を移動部20に供給する。
【0015】
例えば、供給部10は、複数の農産物100をランダムに収納するホッパと、ホッパに収納されている農産物100を取り出して移動部20に供給する供給装置と、を有する。供給装置は、例えば、シャッタと振動装置などが設けられたシュートとすることができる。なお、供給部10の構成は例示をしたものに限定されるわけではない。供給部10は、農産物100同士が重ならないようにして、農産物100を移動部20に供給することができるものであればよい。
また、供給部10は、必ずしも必要ではなく省くこともできる。供給部10を省く場合には、例えば、作業者が、農産物100を移動部20に供給すればよい。
【0016】
農産物100は、例えば、人為的に栽培され収穫される植物、あるいは、自然界において生育し収穫される植物とすることができる。農産物100は、例えば、栽培植物を計画的に栽培し収穫する農耕、自然界で自生している植物の採取(野生植物の採取)、栽培と野生の中間的な状態で生育し収穫するいわゆる半栽培などにより得られたもののいずれであってもよい。農産物100の用途には特に限定がなく、例えば、食用、薬用、観賞用などの様々な用途が考えられる。
【0017】
以下においては、一例として、農産物100が、柑橘類果実である場合を説明する。柑橘類果実は、例えば、ミカン、グレープフルーツ、八朔、ユズ、かぼす、すだち、レモンなどである。なお、柑橘類果実は、例示をしたものに限定されるわけではない。
【0018】
移動部20は、農産物100を所定の方向に移動する。例えば、移動部20は、農産物100を載置する載置部20aを有し、農産物100が載置された載置部20aを所定の方向に移動する。図1に例示をした移動部20は、農産物100が載置された載置部20aをX方向に移動する。例えば、移動部20は、処理前の農産物100の供給位置(供給部10の位置)から、処理済みの農産物100aの排出位置(収容部50の位置)まで農産物100を移動する。
【0019】
図1に例示をした様に、移動部20は、例えば、コンベアとすることができる。移動部20がコンベアの場合には、載置部20aは、例えば、ベルトとすることができる。なお、図1においては、移動部20が、農産物100を水平方向に移動する場合を例示したが、移動部20は、農産物100を水平に対して傾斜した方向、あるいは鉛直方向に移動するものであってもよい。
【0020】
また、図1においては、移動部20がコンベアの場合を例示したが、移動部20は、農産物100を載置するテーブルなど有し、農産物100が載置されたテーブルを所定の方向に回転、または旋回するものとしてもよい。この場合、テーブルが載置部となる。
【0021】
また、載置部20aの表面(載置面)は、処理部40から照射された処理光に対する反射率が高い材料を含むことができる。この様にすれば、農産物100に入射しなかった処理光の一部を、載置部20aの表面で反射させて農産物100に入射させることができる。そのため、処理部40から照射された処理光の利用効率を向上させることができ、ひいては減菌効果の向上を図ることができる。
【0022】
検査部30は、農産物100に検査光を照射して、農産物100の表面状態を検査する。検査部30は、例えば、後述する水腐れや傷などが農産物100の表面に生じているか否かを検査する。
【0023】
移動部20による農産物100の移動方向(X方向)において、検査部30は、供給部10と、処理部40との間に設けることができる。すなわち、検査部30は、処理部40の上流側に設けることができる。なお、検査部30は、処理部40と、収容部50との間に設けることもできる。すなわち、検査部30は、処理部40の下流側に設けることもできる。
【0024】
ただし、検査部30が、処理部40の上流側に設けられていれば、検査部30による検査で水腐れなどが発生していないと判定された農産物100に処理光を照射し、検査部30による検査で水腐れなどが発生していると判定された農産物100に処理光を照射しないようにすることができる。そのため、処理部40の省エネルギー化や長寿命化を図ることができる。
【0025】
また、後述するように、検査部30から照射される検査光は紫外線領域の光である。紫外線領域の光には減菌作用があるので、検査部30によってもある程度の減菌を行うことができる。すなわち、検査部30が、処理部40の上流側に設けられていれば、検査光によりある程度の減菌が行われた農産物100に処理光を照射することができる。そのため、減菌効果を向上させることができる。
【0026】
検査部30は、例えば、照射部31、撮像部32、気体供給部33、センサ34、および除去部35を有する。
照射部31は、農産物100に検査光を照射する。なお、検査光に関する詳細は後述する。
【0027】
図2は、照射部31を例示するための模式断面図である。
図3は、図2における照射部31をA-A線方向から見た模式平面図である。
図2、および図3に示すように、照射部31は、例えば、発光モジュール31a、冷却部31b、回路基板31c、および筐体31dを有する。
【0028】
発光モジュール31aは、少なくとも1つ設けることができる。図3に例示をした照射部31には、複数の発光モジュール31aが設けられている。複数の発光モジュール31aは、例えば、Y方向に並べて設けることができる。発光モジュール31aは、筐体31dの内部に設けることができる。なお、発光モジュール31aの数は、農産物100の大きさに応じて適宜変更することができる。
【0029】
発光モジュール31aは、例えば、基板31a1、および複数の発光素子31a2(第1の発光素子の一例に相当する)を有する。
基板31a1は、板状を呈している。基板31a1の平面形状は、例えば、四角形である。基板31a1の材料は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料、金属板の表面を絶縁材料で被覆したメタルコア基板などとすることができる。この場合、発光素子31a2において発生した熱の放熱を考慮すると、基板31a1は、熱伝導率の高い材料を用いて形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、メタルコア基板などである。なお、高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(polyethylene terephthalate)やナイロンなどの樹脂に、酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものである。
【0030】
図3に示すように、基板31a1は、例えば、ネジなどの締結部材を用いて、放熱部31b1に取り付けられる。この場合、基板31a1と放熱部31b1との間に、弾性を有する伝熱シートを設けたり、シリコーングリスからなる層などを設けたりすることができる。この様にすれば、発光素子31a2において発生した熱が放熱部31b1に伝わり易くなるので、発光素子31a2の温度が最大ジャンクション温度を超えるのを抑制することができる。
【0031】
また、基板31a1は、例えば、熱伝導率の高い接着剤などを用いて、放熱部31b1に接着することもできる。熱伝導率の高い接着剤を用いて、基板31a1が放熱部31b1に接着されていれば、基板31a1と放熱部31b1との間に隙間が生じるのを抑制することができるので、発光素子31a2において発生した熱が放熱部31b1に伝わり易くなる。また、発光モジュール31aの構成が簡易なものとなる。
【0032】
複数の発光素子31a2は、基板31a1の、放熱部31b1側とは反対側の面に設けられている。複数の発光素子31a2の光の出射面は、筐体31dに設けられた窓31d5に向けられている。複数の発光素子31a2から照射された検査光は、窓31d5を介して農産物100に照射される。
【0033】
複数の発光素子31a2は、並べて設けられている。例えば、図3に示すように、複数の発光素子31a2は、マトリクス状に並べて設けることができる。複数の発光素子31a2の配設形態や数は、図3に例示をしたものに限定されるわけではなく、農産物100の大きさや、形状などに応じて適宜変更することができる。
【0034】
ここで、発光素子31a2から照射される検査光について説明する。
農産物100が柑橘類果実である場合には、農産物100の表面に、いわゆる水腐れが生じている場合がある。一般的に、柑橘類果実の表面には、1mm程度の大きさの油胞がある。油胞には、フラボノイド系化合物やクマリン系化合物などの有機化合物が含まれている。そのため、例えば、産地から市場に至るまでの間の搬送作業などにおいて、農産物100の表面に傷が生じると、油胞が破れて有機化合物が外気に晒されたり、油胞の破れた部分に作業者や部材が接触したりする場合がある。この場合、油胞の破れた部分から腐敗菌などが侵入すると、農産物100の表面に腐敗が生ずる場合がある。この様な腐敗は、「水腐れ」と称されている。また、水腐れが生じた部分に、水腐れが生じていない農産物100が接触すると、接触した農産物100にも水腐れが生じる場合がある。
【0035】
一般的に、水腐れが生じた部分の色は褐変するが、水腐れが生じていない部分の色と大きな差はない。また、水腐れが生じた部分の大きさが小さい場合もある。そのため、作業者による目視検査や、可視光を用いた画像処理などでは、水腐れを検出するのが難しい。
【0036】
ここで、油胞に含まれている有機化合物に、所定の波長を有する紫外線が入射すると、有機化合物が励起状態となって蛍光が生じる。例えば、ミカンなどの油胞に含まれているフラボノイド系化合物に、ピーク波長が350nm以上、375nm以下の紫外線が入射すると、波長が540nm程度の蛍光が生じる。例えば、ユズやレモンなどの油胞に含まれているクマリン系化合物に、ピーク波長が320nm以上、330nm以下の紫外線が入射すると、波長が390nm程度の蛍光が生じる。
【0037】
そのため、柑橘類果実の種類や、油胞に含まれている有機化合物の種類に応じて、適切なピーク波長の紫外線を照射する発光素子31a2を用いれば、水腐れが生じた部分に蛍光を生じさせるのが容易となる。また、農産物100の表面に傷が生じると、油胞に含まれている有機化合物が漏れるので、水腐れが生じていなくても、農産物100の表面に生じた傷を検出することができる。
【0038】
発光素子31a2は、所定のピーク波長を有する紫外線を照射可能なものであれば特に限定はない。例えば、発光素子31a2は、所定のピーク波長を有する紫外線を照射する発光ダイオードや、レーザダイオードなどとすることができる。
なお、発光ダイオードや、レーザダイオードなどの発光素子31a2は、分光特性がナローになる。そのため、ピーク波長が異なる複数種類の発光素子31a2を設けることもできる。例えば、ピーク波長が350nm以上、375nm以下の紫外線を照射する発光素子と、ピーク波長が320nm以上、330nm以下の紫外線を照射する発光素子とを設けることもできる。この様にすれば、柑橘類果実の種類や、油胞に含まれている有機化合物の種類に対する汎用性を向上させることができる。
【0039】
なお、以上においては、農産物100が柑橘類果実の場合を説明したが、農産物100が、他の果実や野菜などの他の植物の場合も同様である。他の植物の細胞にも有機化合物が含まれているので、植物の表面についた傷から漏れた有機化合物に紫外線を照射すれば蛍光を生じさせることができる。一般的な農産物の場合には、ピーク波長が350nm以上、450nm以下の紫外線を照射すれば蛍光を生じさせることができる。ただし、前述したクマリン系化合物のように、有機化合物の種類によっては、蛍光を生じさせるための適切な波長が異なる場合がある。そのため、蛍光を生じさせるための適切な波長と、生じた蛍光の波長とは、予め実験などを行うことで求めることが好ましい。
【0040】
冷却部31bは、例えば、放熱部31b1、および送風部31b2を有する。
図3に示す様に、放熱部31b1は、例えば、複数設けることができる。複数の放熱部31b1を設ける場合には、例えば、複数の放熱部31b1をY方向に並べて設けることができる。なお、1つの放熱部31b1を設けるようにしてもよい。すなわち、放熱部31b1は、少なくとも1つ設けることができる。
【0041】
放熱部31b1は、例えば、発光モジュール31aが取り付けられるブロック状のベースと、複数のフィンを有する。放熱部31b1は、例えば、アルミニウム合金などの熱伝導率の高い材料から形成される。
【0042】
図2に示すように、送風部31b2は、放熱部31b1に設けられた複数のフィンに気体Gを供給する。気体Gは、例えば、検査処理装置1が設置された雰囲気に含まれている空気である。送風部31b2は、筐体31dの内部に設けられている。送風部31b2は、例えば、筐体31dの内壁に取り付けられる。送風部31b2は、例えば、放熱部31b1の、発光モジュール31a側とは反対側に設けられる。送風部31b2は、例えば、軸流ファンとすることができる。
【0043】
図2に示すように、回路基板31cは、筐体31dの内部に設けられている。回路基板31cは、例えば、筐体31dの内部の、発光モジュール31aが設けられる側とは反対側の端部の近傍に設けられる。回路基板31cは、例えば、複数の発光素子31a2の点灯と消灯とを切り替えたり、複数の発光素子31a2に印加する電力を制御したり、送風部31b2による気体Gの供給と供給の停止とを切り替えたりする。
【0044】
筐体31dは、箱状を呈し、内部に、例えば、発光モジュール31a、冷却部31b、および回路基板31cを収納する空間を有する。筐体31dの側面には、複数の排気口31d1を設けることができる。また、筐体31dには、電力用のコネクタ31d2、通信用のコネクタ31d3、およびフィルタ31d4などを設けることができる。
【0045】
窓31d5は、筐体31dの、発光モジュール31aが設けられる側の端部に設けられている。窓31d5は、発光モジュール31a(発光素子31a2)から照射された検査光を透過する。窓31d5は、例えば、紫外線透過ガラス(ultraviolet transmitting glass)、アクリル樹脂などから形成される。
【0046】
なお、発光素子31a2が設けられた照射部31を説明したが、照射部は、所定の波長を有する紫外線を照射可能なものであればよい。
図4は、他の実施形態に係る照射部131を例示するための模式図である。
図4に示すように、照射部131は、例えば、リフレクタ131a、および放電ランプ131bを有する。
リフレクタ131aは、放電ランプ131bから照射され、農産物100の側とは反対側に向かう検査光を反射して、農産物100の側に向かうようにする。リフレクタ131aは、例えば、凹面鏡などである。
【0047】
放電ランプ131bは、リフレクタ131aの内側に設けられる。放電ランプ131bは、少なくとも1つ設けることができる。例えば、放電ランプ131bは、紫外線領域の波長を含む検査光を照射する。放電ランプ131bは、例えば、超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、エキシマ蛍光ランプ、フラッシュランプなどとすることができる。
【0048】
以下においては、一例として、放電ランプ131bがキセノンフラッシュランプである場合を説明する。
【0049】
図5は、放電ランプ131bを例示するための模式図である。
図5に示すように、放電ランプ131bは、例えば、発光管131b1、電極131b2、およびトリガー電極131b3を有する。
【0050】
発光管131b1は、筒状を呈し、管外径に比べて全長(管軸方向の長さ)が長い形態を有する。発光管131b1は、例えば、円筒状を呈している。発光管131b1の管軸方向の長さ、および管外径は、農産物100の大きさなどに応じて適宜変更することができる。例えば、農産物100が一般的な農産物の場合には、発光管131b1の管軸方向の長さは、40cm~200cm程度とすることができる。発光管131b1の管外径は、6mm~30mm程度とすることができる。発光管131b1は、例えば、石英ガラスなどの透光性を有する材料から形成される。
【0051】
発光管131b1の内部空間には、放電媒体が封入される。放電媒体は、例えば、キセノンの単体ガス、または、キセノンに、その他の希ガス(例えば、アルゴン、ネオン、クリプトン等)を1種類以上混合させた混合ガスとすることができる。放電媒体の封入圧力は、例えば、10kPa以上、200kPa以下である。放電媒体の封入圧力は、気体の標準状態(SATP(Standard Ambient Temperature and Pressure):温度25℃、1bar)により求めることができる。
【0052】
電極131b2は、発光管131b1の内部空間に一対設けられている。電極131b2は、発光管131b1の、管軸方向における両側の端部に1つずつ設けられる。一対の電極131b2は、互いに対向している。電極131b2の一方の端部は発光管131b1の内部空間に設けられ、電極131b2の他方の端部は発光管131b1の端部から露出している。電極131b2は、例えば、いわゆる冷陰極形の電極とすることができる。電極131b2は、例えば、ニッケル、タングステン、モリブデン、タンタル、チタンなどから形成される。
【0053】
トリガー電極131b3は、一対の電極131b2同士の間で放電が生じ易くするために設けられる。トリガー電極131b3が設けられていれば、トリガー電極131b3と、少なくとも一方の電極131b2との間に大きな電位傾度を形成することができる。そのため、発光管131b1の内部空間において絶縁破壊が生じ易くなるので、一対の電極131b2同士の間で放電が生じ易くなる。
【0054】
トリガー電極131b3は、発光管131b1の外部に設けられている。トリガー電極131b3は、例えば、発光管131b1の外面に線状部材を巻き付けることで形成することができる。トリガー電極131b3を形成するのに用いる線状部材の太さは、0.1mm~2.0mm程度である。トリガー電極131b3の材料は、例えば、電極131b2の材料と同じとすることができる。
【0055】
図6は、放電ランプ131bを備えた照射部131の分光分布曲線の一例を例示するためのグラフである。
分光分布のデータは、例えば、浜松ホトニクス株式会社製の分光測定器(型番:C7473-36)を用い、温度が25℃の雰囲気で測定した。
発光管131b1の管軸方向の長さは300mm、発光管131b1の管外径は12mm、発光管131b1の管内径は10mmとした。放電媒体は、キセノンの単ガスとした。25℃における放電媒体の封入圧力は、40kPaとした。
【0056】
図6から分かるように、放電ランプ131bを有する照射部131とすれば、紫外線領域(例えば、波長帯域が、200nm以上、400nm以下)の波長を含む検査光を照射することができる。
【0057】
すなわち、放電ランプ131bを有する照射部131とすれば、分光特性がワイドになる。そのため、農産物100の種類や、農産物100の油胞や細胞に含まれている有機化合物の種類に対する汎用性を向上させることができる。また、照射部131の構成を簡易なものとすることができるので、製造コストの低減や小型化を図ることができる。
【0058】
次に、図1に戻って、検査部30に設けられた撮像部32、気体供給部33、センサ34、および除去部35について説明する。
撮像部32は、照射部31(131)から照射された検査光により、農産物100の表面で生じた蛍光を検出する。例えば、撮像部32は、発生した蛍光の光量を電気信号に変換して、コントローラ60に送信する。撮像部32は、紫外線領域の光を検出可能なものであれば特に限定はない。撮像部32は、例えば、CCDカメラ(Charge Coupled Device Camera)などとすることができる。
【0059】
気体供給部33は、農産物100に付着しているゴミ、農産物100から放出された成分を除去するために設けられている。気体供給部33は、移動部20(載置部20a)と照射部31(131)との間の空間、および、照射部31(131)の検査光の出射部分の少なくともいずれかに気体を供給する。気体供給部33による気体の供給は、移動部20(載置部20a)や農産物100に対して行うこともできる。
【0060】
気体供給部33は、例えば、気体を噴射するブロー装置、ブロアなどの送風装置などとすることができる。気体は、農産物100の品質に対する影響が少ないものであれば特に限定はない。気体は、例えば、空気、窒素ガスなどとすることができる。
【0061】
気体供給部33による気体の供給は、常時行うこともできるし、所定の時間間隔で行うこともできるし、センサでゴミなどが検出された場合に行うこともできるし、作業者の判断で行うこともできる。また、気体供給部33に代えて、あるいは、気体供給部33と共に、ゴミなどを吸引する装置を設けることもできる。
【0062】
気体供給部33は必ずしも必要ではないが、気体供給部33が設けられていれば、農産物100に付着していたゴミや、農産物100から放出された成分が照射部31(131)の検査光の出射部分に付着するのを抑制することができる。そのため、気体供給部33から照射される検査光の光量が、経時的に少なくなるのを抑制することができる。
【0063】
センサ34は、農産物100の位置を検出する。センサ34は、例えば、照射部31(131)による照射のタイミングを求めたり、照射の開始と照射の停止の切り替えを行ったり、気体供給部33による気体の供給のタイミングを求めたりするために設けられる。センサ34は、例えば、照射部31(131)の上流側であって、照射部31(131)の近傍に設けることができる。センサ34の種類には特に限定がない。センサ34は、例えば、光センサ、超音波センサ、近接センサなどとすることができる。
センサ34は必ずしも必要ではないが、センサ34が設けられていれば、検査光の照射タイミングや、気体の供給タイミングの適正化を図ることができる。
【0064】
除去部35は、検査部30による検査で、表面に異常があると判定された農産物100を移動部20(載置部20a)から除去する。
除去部35は、例えば、排出部35a、および収納部35bを有する。
排出部35aは、例えば、水腐れや傷などが発生していると判定された農産物100を移動部20(載置部20a)から排出する。排出部35aは、例えば、農産物100を押し出す旋回アームやエアブロー装置、あるいは、農産物100を吸引する吸引装置などとすることができる。
収納部35bは、例えば、移動部20(載置部20a)から排出された農産物100を収納する。収納部35bは、例えば、コンテナなどとすることができる。
【0065】
なお、除去部35は、必ずしも必要ではなく省くこともできる。例えば、作業者が水腐れや傷などが発生していると判定された農産物100を取り除くことができる。ただし、除去部35が設けられていれば、生産性の向上や省力化を図ることができる。
【0066】
また、以上においては、移動部20(載置部20a)の上方に1つの照射部31(131)が設けられる場合を例示したが、照射部31(131)は、移動部20(載置部20a)の下方や側方に設けることもできる。また、複数の照射部31(131)を設け、農産物100に対して複数の方向から検査光を照射することもできる。この場合、複数の照射部31(131)のそれぞれに対して撮像部32を設けることができる。照射部31(131)および撮像部32が複数設けられていれば、農産物100の表面のより広い範囲を検査することができる。
【0067】
処理部40は、農産物100に処理光を照射して、農産物100の減菌処理を行う。
処理部40は、例えば、照射部41、気体供給部43、およびセンサ44を有する。
照射部41は、農産物100に処理光を照射する。
照射部41は、例えば、発光モジュール41a、冷却部31b、回路基板31c、および筐体31dを有する。
発光モジュール41aは、少なくとも1つ設けることができる。発光モジュール41aの配置や数は、例えば、前述した発光モジュール31aと同様とすることができる。
発光モジュール41aは、例えば、基板31a1、および複数の発光素子41a2(第2の発光素子の一例に相当する)を有する。すなわち、処理部40の発光素子41a2以外の要素は、前述した検査部30の要素と同様とすることができる。複数の発光素子41a2の配置や数は、例えば、前述した複数の発光素子31a2の配置や数と同様とすることができる。
【0068】
前述した発光素子31a2は、農産物100の表面にある水腐れや傷などにおいて蛍光を生じさせるために所定のピーク波長を有する紫外線を照射する。これに対し、発光素子41a2は、農産物100の表面に付着している細菌やウィルスの数を減らしたり、死滅させたりするための紫外線を照射する。この場合、紫外線のピーク波長が短くなると、減菌効果を向上させることができる。そのため、処理光のピーク波長は、検査光のピーク波長よりも短くすることが好ましい。例えば、発光素子31a2は、UVA(A領域紫外線)やUVB(B領域紫外線)を照射可能なものとし、発光素子41a2は、UVC(C領域紫外線)を照射可能なものとすることができる。例えば、発光素子41a2は、ピーク波長が、200nm以上、300nm以下の紫外線を照射可能な発光ダイオードや、レーザダイオードなどとすることができる。
【0069】
なお、前述した様に、放電ランプ131bは、例えば、200nm以上、400nm以下の波長を含む光を照射することができる。すなわち、放電ランプ131bは、UVAおよびUVBだけではなくUVCを照射することができる。そのため、前述した照射部131を照射部41として用いることができる。例えば、農産物100の移動方向(X方向)に複数の照射部131を並べて設けることができる。また、1つの照射部131を設け、農産物100の搬送速度を遅くしたり、農産物100の搬送を停止したりして、1つの照射部131により検査と減菌を行うこともできる。
【0070】
また、図6に示すように、放電ランプ131bからは、近赤外線領域(例えば、波長帯域が、700nm以上、960nm以下)の光も照射される。近赤外線領域の光が農産物100の表面に照射されれば、農産物100の表面からの液体成分の蒸散を抑制することができる。そのため、農産物100の鮮度維持を図ることができる。
【0071】
以上に説明した様に、検査光は、UVA、およびUVBの少なくともいずれかを含んでいれば良い。処理光は、UVCを少なくとも含んでいれば良い。
検査部は、複数の発光素子31a2、および、少なくとも1つの放電ランプ131bの少なくともいずれかを有していればよい。
処理部は、複数の発光素子41a2、および、少なくとも1つの放電ランプ131bの少なくともいずれかを有していればよい。
【0072】
図1に示すように、収容部50は、処理済みの農産物100aを収容する。収容部50は、例えば、移動部20の下流側の端部の近傍に設けられたコンテナなどとすることができる。また、収容部50には、移動部20からの農産物100aの排出を促進させるためのシュートや振動装置などを設けることもできる。
【0073】
コントローラ60は、検査処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する。コントローラ60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算部と、半導体メモリなどの記憶部を有する。コントローラ60は、例えば、コンピュータである。記憶部には、例えば、検査処理装置1に設けられた各要素の動作を制御する制御プログラム、および検査部30(撮像部32)により検出されたデータを画像処理する画像処理プログラムを格納することができる。
【0074】
例えば、コントローラ60は、センサ34により、照射部31(131)の照射領域に農産物100が搬入されたことが検出された場合には、照射部31(131)を制御して、農産物100に検査光を照射させる。
例えば、コントローラ60は、検査部30(撮像部32)により得られたデータを画像処理して、水腐れや傷などの発生を判定する。例えば、コントローラ60は、水腐れや傷などが生じた部分の大きさや位置などに基づいて、農産物100の表面状態を判定することができる。
【0075】
図7(a)は、水腐れが発生しているミカンの、可視光による画像である。
図7(b)は、水腐れが発生しているミカンの、検査光による画像である。
検査光のピーク波長は、360nmとしている。
前述した様に、水腐れが生じた部分の色は、水腐れが生じていない部分の色と大きな差はない。そのため、図7(a)から分かるように、可視光による画像では、水腐れが生じた部分の判別が困難となる。
【0076】
前述した様に、水腐れが生じた部分に、所定のピーク波長を有する紫外線が照射されると、蛍光が生じる。そのため、図7(b)から分かるように、検査光による画像では、水腐れが生じた部分の判別が容易となる。
【0077】
そのため、検査光による画像を画像処理すれば、水腐れや傷などの発生や、水腐れや傷などが生じた部分の大きさや位置を容易に検出することができる。
すなわち、本実施の形態に係る検査処理装置1によれば、農産物100の表面状態の検査と、農産物100の減菌処理とを行うことができる。
【0078】
図8は、他の実施形態に係る検査処理装置1aを例示するための模式図である。
前述した様に、複数の照射部31(131)を設け、農産物100に対して複数の方向から検査光を照射すれば、農産物100の表面のより広い範囲を検査することができる。しかしながら、この様にすると、検査処理装置1の構成が複雑となったり、製造コストが増大したりすることになる。この場合、農産物100の方向を変化させる反転装置などを設けることもできる。しかしながら、反転装置などを設けると、検査処理装置1の構成が複雑となったり、処理速度が低下したりするおそれがある。
【0079】
そのため、図8に示すように、検査処理装置1aには、搬送部220、搬送部221、処理部40、および検査部230が設けられている。
なお、繁雑となるのを避けるために図示を省略したが、前述した検査処理装置1と同様に、検査処理装置1aにも供給部10、収容部50、およびコントローラ60を設けることができる。
【0080】
搬送部220、および搬送部221は、例えば、前述した搬送部20と同様とすることができる。搬送部220の上流側の端部の近傍には供給部10を設けることができる。搬送部221の下流側の端部の近傍には収容部50を設けることができる。
図8に示すように、搬送部220は、搬送部221よりも上方に設けられている。そのため、搬送部220により搬送された農産物100を、搬送部221に受け渡すことができる。なお、搬送部220と搬送部221との間にシュートなどを設け、シュートなど介して農産物100を受け渡すこともできる。農産物100が、搬送部220から搬送部221に受け渡されると、農産物100の方向が変化する。
【0081】
検査部230は、例えば、照射部231、撮像部32、気体供給部33、センサ34、および除去部35を有する。
照射部231は、例えば、搬送部220から搬送部221に農産物100を受け渡す部分の上方に設けることができる。そして、照射部231は、搬送部220により搬送されている農産物100と、搬送部221により搬送されている農産物100とに検査光を照射する。
【0082】
照射部231の構成は、例えば、図2、および図3に例示をした照射部31の構成、または、図4に例示をした照射部131の構成と同様とすることができる。ただし、照射部231は、照射部31(131)よりも広い領域に検査光を照射する。例えば、照射部231は、農産物100の移動方向(X方向)に並ぶ複数の発光モジュール31aや、複数の放電ランプ131bを有することができる。また、照射部231は、例えば、2つの照射部31(131)を、農産物100の移動方向(X方向)に並べたものとしてもよい。
【0083】
撮像部32は、例えば、2つ設けることができる。この場合、一方の撮像部32は、搬送部220により搬送されている農産物100の表面において生じた蛍光を検出する。他方の撮像部32は、搬送部221により搬送されている農産物100の表面において生じた蛍光を検出する。
前述した様に、農産物100が、搬送部220から搬送部221に受け渡されると、農産物100の方向が変化するので、2つの撮像部32により、農産物100の表面のより広い範囲を検査することができる。また、検査処理装置1aの構成が複雑となったり、処理速度が低下したりするのを抑制することができる。
【0084】
なお、処理光を照射する処理部についても同様にすることができる。例えば、搬送部220から搬送部221に農産物100を受け渡す部分の上方に処理部を設けることができる。そして、処理部は、搬送部220により搬送されている農産物100と、搬送部221により搬送されている農産物100とに処理光を照射する。農産物100が、搬送部220から搬送部221に受け渡されると、農産物100の方向が変化するので、農産物100の表面のより広い範囲を減菌処理することができる。
【0085】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0086】
以下、前述した実施形態に関する付記を示す。
【0087】
(付記1)
農産物を所定の方向に移動する移動部と;
前記農産物に検査光を照射し、前記農産物の表面状態を検査する検査部と;
前記農産物に処理光を照射し、前記農産物の減菌処理を行う処理部と;
を具備し、
前記検査光は、UVA、およびUVBの少なくともいずれかを含み、
前記処理光は、UVCを少なくとも含む農産物の検査処理装置。
【0088】
(付記2)
前記検査部は、前記農産物の移動方向において、前記処理部の上流側に設けられている付記1記載の農産物の検査処理装置。
【0089】
(付記3)
前記検査部による検査で、表面に異常があると判定された前記農産物を前記移動部から除去する除去部をさらに具備した付記1または2に記載の農産物の検査処理装置。
【0090】
(付記4)
前記検査部は、複数の第1の発光素子、および、少なくとも1つの放電ランプの少なくともいずれかを有する付記1~3のいずれか1つに記載の農産物の検査処理装置。
【0091】
(付記5)
前記処理部は、複数の第2の発光素子、および、少なくとも1つの放電ランプの少なくともいずれかを有する付記1~4のいずれか1つに記載の農産物の検査処理装置。
【符号の説明】
【0092】
1 検査処理装置、1a 検査処理装置、20 移動部、30 検査部、31 照射部、31a 発光モジュール、31a2 発光素子、32 撮像部、35 除去部、40 処理部、41 照射部、41a 発光モジュール、41a2 発光素子、60 コントローラ、100 農産物、131 照射部、131b 放電ランプ、230 検査部、220 移動部、221 移動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8