(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170376
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20231124BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20231124BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20231124BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20231124BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20231124BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/79
A63F13/58
A63F13/533
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082084
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100114546
【弁理士】
【氏名又は名称】頭師 教文
(72)【発明者】
【氏名】千葉 拓海
(57)【要約】
【課題】ゲームの進行に関する能力が相対的に低いゲーム媒体を使用したプレイを促進できる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置に、ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する制御部を設ける。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、当該能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して当該達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する制御部、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
2以上のゲーム媒体を含むデッキを使用して前記達成条件が達成された場合、2以上のゲーム媒体の各能力に基づく当該デッキの能力が低いプレイヤに対し、当該デッキの能力が高いプレイヤよりも特典を優遇する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記特定ゲームにおける障害要素の影響を受け易い能力を有するゲーム媒体を使用して前記達成条件を達成したプレイヤに対し、当該障害要素の影響を受け難い能力を有するゲーム媒体を使用して当該達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ゲーム媒体の能力の評価を、耐性を有する特定の障害要素を含む第1の特定ゲームのプレイに使用する場合と、当該特定の障害要素を含まない第2の特定ゲームのプレイに使用する場合とで変更する評価部を更に有する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記達成条件の達成に使用したゲーム媒体の能力に対応する所定パラメータをプレイヤ毎に記憶させ、
前記所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに対して特典を付与する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記達成条件を達成できなかったプレイヤに対し、前記特定ゲームのプレイに使用したゲーム媒体の能力に基づいて決定した他のゲーム媒体を通知する通知部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知部は、
前記特定ゲームのプレイに使用した2以上のゲーム媒体の中から当該特定ゲームの次プレイに使用しないゲーム媒体の指定を受け付けた場合、
指定されたゲーム媒体と入れ替える他のゲーム媒体の候補を提示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記達成条件を達成した他のプレイヤがプレイに使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキのうち、当該デッキの能力が、当該達成条件を達成できなかったプレイヤがプレイに使用したデッキの能力以下であるデッキを、他のデッキの候補として提示する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通知部は、
前記他のデッキの候補として、前記達成条件を達成できなかったプレイヤがプレイに使用したデッキのゲーム媒体を少なくとも1以上含むデッキを提示する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記達成条件を達成したプレイヤに対し、当該プレイヤが使用したゲーム媒体の能力よりも能力が低い他のゲーム媒体を通知する通知部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記通知部は、
2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する画面において、前記達成条件を達成したプレイヤがプレイに使用したデッキよりも、デッキの能力が低くなる他のゲーム媒体の候補を提示する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記通知部は、
デッキを編成する前記画面を通じ、プレイヤがデッキを構成するゲーム媒体の候補を選択するたびに、当該選択に基づいて更新された前記他のゲーム媒体の候補を提示する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記デッキは前記プレイヤが所持するゲーム媒体により構成され、
前記通知部は、
前記他のゲーム媒体の候補をプレイヤが所持しない場合、当該他のゲーム媒体を取得するための情報を提示する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記通知部は、
2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する画面を通じて編成されたデッキの能力が、前記達成条件の達成に使用されたデッキの能力よりも高くなる場合、その旨を通知する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記達成条件の達成に使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に対応する所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合、
前記デッキを編成する画面に、前記所定の順位に対応するプレイヤの所定パラメータの情報を提示する提示部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記達成条件の達成に使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に対応する所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合、
前記デッキを編成する画面に、前記所定の順位に対応する所定パラメータが得られるデッキを構成する2以上のゲーム媒体の候補を提示する通知部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記達成条件の達成に使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に対応する所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合、
前記所定の順位以上であったプレイヤの順位が、前記特定ゲームのプレイ期間が終了するまでの間に当該所定の順位外に低下したとき、該当するプレイヤにその旨を通知する通知部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記特定ゲームのプレイに使用する2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する第1画面では、プレイヤが所持するゲーム媒体を、現在よりも能力が低い状態で選択可能とし、
前記特定ゲームとは異なるゲームのプレイに使用する2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する第2画面では、プレイヤが所持するゲーム媒体を、現在よりも低い状態で選択不可とする、選択受付部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に応じ、当該デッキを使用して前記達成条件が達成された場合に特典が付与される可能性が高いゲームを通知する通知部を更に有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項20】
コンピュータが、ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、当該能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して当該達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する処理、
を実行する情報処理方法。
【請求項21】
コンピュータに、
ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、当該能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して当該達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する機能、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを利用してプレイするゲームの多くは、1つ以上のゲームステージで構成されている。ゲームステージは「クエスト」とも呼ばれ、クエストをクリアしたプレイヤには、特典が付与されることがある。特典は、ゲームによっても異なるが、例えばゲームに使用するアイテム、ゲームに使用するプレイキャラクタ(以下「ゲーム媒体」ともいう。)、ゲームに使用するコイン等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリアに対して特典が付与されるゲームをプレイするプレイヤは、自ずと、ゲームの進行に有利な能力を備えるゲーム媒体を選択してプレイするようになる。その結果、相対的に能力が低いゲーム媒体は、徐々にプレイに使用されなくなる傾向がある。
【0005】
本発明は、ゲームの進行に関する能力が相対的に低いゲーム媒体を使用したプレイの促進を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、当該能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して当該達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する制御部を有する、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一形態によれば、ゲームの進行に関する能力が相対的に低いゲーム媒体を使用したプレイを促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係るゲームシステムの構成例を示す図である。
【
図2】サーバの機能上の構成例を説明する図である。
【
図6】ランキング情報の一例を説明する図表である。
【
図7】プレイヤによるデッキの編成に関連する情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】ゲームのホーム画面の表示例を説明する図である。
【
図9】デッキの編成画面の表示例を説明する図である。
【
図10】「一括編成」ボタンの操作により表示される「デッキ一括編成」画面の表示例を説明する図である。
【
図11】ゲーム媒体の詳細情報の表示画面の表示例を説明する図である。
【
図12】ステップ4で実行されるサブ機能の一例を説明するフローチャートである。
【
図13】編成中のデッキの編成ポイントでは入賞できない場合におけるデッキの編成画面の表示例を示す図である。
【
図14】プレイヤが提示に従ってデッキを構成するゲーム媒体を変更した場合の表示の変化を説明する図である。
【
図15】クエストのプレイ後に実行される情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】クエストのクリア後に表示される表示画面の一例を説明する図である。
【
図17】クエストのクリアに失敗した後に表示される表示画面の一例を説明する図である。
【
図18】ランキングクエストの開始後に実行される処理動作を説明するフローチャートの一例を示す。
【
図19】通知機能の設定画面の一例を説明する図である。
【
図20】ランキングクエストの入賞圏内から入賞圏外への転出通知を実現する情報処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図21】ユーザ端末のディスプレイに表示される転出通知画面の一例を説明する図である。
【
図22】デッキの構成に応じたクエストの提示を実現する情報処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図23】デッキの構成に応じたクエストの提示画面の一例を説明する図である。
【
図24】既存のデッキの再編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。
【
図25】プレイヤによる編成後に表示される通知画面の一例を説明する図である。
【
図26】デッキの編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。
【
図27】非ランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面とランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面の表示例を説明する図である。
【
図28】デッキの編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。
【
図29】デッキの編成中に表示される通知画面の一例を説明する図である。
【
図30】既存のデッキの編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。
【
図31】デッキの編成中に表示される通知画面の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
後述する実施の形態は、本発明を実施するための形態の一例にすぎず、本発明の実施の形態は、後述する形態例に限定されない。
従って、本発明の技術的範囲は、後述する実施の形態に記載された範囲に限定されない。例えば実施の形態に記載された内容に種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、後述する各種の機能部は、例えばCPU(=Central Processing Unit)、MPU(=Micro Processing Unit)、GPU(=Graphics Processing Unit)、DSP(=Digital Signal Processor)その他のプロセッサによるプログラムの実行を通じて実現される。
また、プログラムは、OS(=Operating System)やアプリケーションプログラムの総称として使用する。
【0010】
<用語>
まず、実施の形態で使用する用語について説明する。
「ゲーム」は、プレイヤが情報処理装置の操作を通じてプレイするコンピュータゲームを意味する。
コンピュータゲームを実行する情報処理装置は、ゲーム専用機でも汎用機でもよい。
ゲーム専用機には、プレイヤによる携帯や装着が可能なゲーム機、ゲームセンター等に設置される据え置き型のゲーム機がある。装着が可能なゲーム機には、眼鏡型やヘッドセット型がある。汎用機には、ユーザのコンピュータやスマートフォン等(以下「ユーザ端末」という。)、インターネット上のサーバがある。
【0011】
サーバでコンピュータゲームを実行する場合、ユーザ端末は、いわゆる入出力装置として使用される。具体的には、ユーザ端末は、ゲームに関連する画像の表示と操作の入力に使用される。画像は、一般には動画像である。
サーバで実行されるゲームには、例えばネットゲームやソーシャルゲームがある。ソーシャルゲームは、SNS(=Social Networking Service)をプラットフォームとするゲームである。
ゲームのプレイの形態には、1人のプレイヤによる単独プレイ(以下「シングルプレイ」ともいう。)と、複数人のプレイヤによる協力プレイ(以下「マルチプレイ」ともいう。)がある。ゲームにより、シングルプレイのみが可能な場合、マルチプレイのみが可能な場合、シングルプレイとマルチプレイの選択が可能な場合がある。
【0012】
ゲームは、インゲームとアウトゲームに分類されることがある。インゲームは、ゲームの本体部分である。
インゲームは、「クエスト」と呼ばれるサブゲームで構成される。多くの場合、クエストの難易度やクエストに出現する敵のキャラクタ(以下「敵キャラ」という。)は、クエスト毎に異なる。なお、クエストは「特定ゲーム」の一例でもある。クエストには、例えば達成条件が定められており、達成条件を達成したプレイヤには特典が付与される。
アウトゲームは、インゲーム以外の部分である。アウトゲームでは、例えばプレイに使用するゲーム媒体(キャラクタ)の取得、育成、選択等が実行される。アウトゲームも、1又は複数のクエストで構成されることがある。
【0013】
「達成条件」には、例えばクエスト内の全ての敵を倒すこと、特定の敵を倒すこと、特定の場所や地点に到着すること、特定のアイテムを取得することがある。特定の敵には、例えば主要キャラクタ(いわゆるボスキャラ)がある。特定のアイテムには、例えばコイン、装備、武器、宝箱等がある。
達成条件の達成は、「ゲームのクリア」とも「ゲームの攻略」とも呼ばれる。
【0014】
「クエスト」には、いつでもプレイが可能なクエストと、限られた期間や機会に限りプレイが可能なクエスト(以下「イベントクエスト」ともいう。)がある。
「クエスト」には、クリアを目的とするクエストやランキングを競うクエスト(以下「ランキングクエスト」ともいう。)がある。このランキングクエストは、「特定ゲーム」の一例である。
ランキングの部門には、例えばクリアタイムの短さを競う部門、敵等に与えたダメージ総量を競う部門、敵等に対する攻撃のヒット数を競う部門、クリアした回数を競う部門、クリアに使用したゲーム媒体(キャラクタ)の能力の低さを競う部門がある。能力については、後述する。
【0015】
「特典」には、次のクエストのプレイの許可、特別に用意されたクエストのプレイの許可、クリアしたクエストのボスキャラの付与、経験値や体力等のポイントの付与、ゲーム内で使用するアイテムの付与、ゲーム内で使用する通貨の付与、ゲーム等で実行される抽選の権利の付与、プレイに使用したゲーム媒体(キャラクタ)の進化系への変化の許可、特典の内容のアップグレードや増量、称号の付与、魔法その他の特殊な力の付与、特殊なジェスチャーの付与等がある。
ゲーム媒体の進化とは、進化前に比して能力が高くなること(すなわちレベルがアップすること)をいう。ゲーム媒体の進化は、1回に限らず、数回可能な場合もある。
【0016】
「能力」は、属性(パラメータ名)の評価値(パラメータ値)を表す場合と、複数の属性の総合的な評価値(パラメータ値)を表す場合がある。
能力の違いは、クエストの進行に影響する。例えば能力が高いゲーム媒体をプレイに使用すると、クエストのクリアが容易になる。反対に、能力が低いゲーム媒体をプレイに使用すると、クエストのクリアが難しくなる。従って、能力は、「ゲームの進行に関する能力」ともいう。
【0017】
能力を規定する属性には、例えば体力(HP)、攻撃力、防御力、スピード、スキル、希少度等がある。
「体力」は、プレイに必要な生命力と同等である。体力値(パラメータ値)は例えばプレイや敵からの攻撃により消費される。なお、クエストのプレイには、予め定めた数値(例えば0)以上の体力値が必要になる。このため、体力値が高いゲーム媒体は、体力値が低いゲーム媒体よりも能力が高くなる。反対に、体力値が低いゲーム媒体は、体力値が高いゲーム媒体よりも能力が低くなる。なお、体力値は、回復又は増加が可能である。
【0018】
「攻撃力」は、敵に与えるダメージの強度をいう。このため、攻撃力の値(パラメータ値)が高いゲーム媒体は、攻撃力の値が低いゲーム媒体よりも能力が高くなる。反対に、攻撃力の値が低いゲーム媒体は、攻撃力の値が高いゲーム媒体よりも能力が低くなる。
「防御力」は、敵の攻撃からのダメージの受け難さの強度をいう。このため、防御力の値(パラメータ値)が高いゲーム媒体は、防御力の値が低いゲーム媒体よりも能力が高くなる。反対に、防御力の値が低いゲーム媒体は、防御力の値が高いゲーム媒体よりも能力が低くなる。
【0019】
「スピード」は、クエスト内におけるゲーム媒体の移動の速度値(パラメータ値)をいう。移動の速度値が速いゲーム媒体は、移動の速度が遅いゲーム媒体よりも能力が高くなる。反対に、移動の速度が遅いゲーム媒体は、移動の速度が速いゲーム媒体よりも能力が低くなる。なお、移動の速度が速いゲーム媒体は、移動の速度が遅いゲーム媒体よりも同じ時間でより遠くまで移動が可能である。このため、スピードの違いは、移動可能な距離の違いとみなすことが可能である。
【0020】
「スキル」は、ゲームの進行を有利にする特別な技能(アビリティ)をいう。技能には、例えば特定の障害要素から受けるダメージを無効化又は低減する技能、特定の障害要素との組み合わせにより自身や他のゲーム媒体の攻撃力等を増加させる技能、特定の障害要素との組み合わせにより自身や他のゲーム媒体の動きを増加させる技能、特定の障害要素との組み合わせにより他のゲーム媒体に自身のスキルを付与する技能、他のゲーム媒体の体力を回復又は増加させる技能、他のゲーム媒体の攻撃を発動させる技能、他のゲーム媒体に付与されている制約を解除させる技能、敵の攻撃を停止又は減少させる技能がある。なお、これらは一例である。
【0021】
ここでの障害要素は、プレイの進行に不利な仕掛けや敵をいう。特定のスキルを有する等の例外を除き、障害要素があると、クエストをクリアする難易度が上がる。
障害要素としての仕掛けには、例えばゲーム媒体の移動を停止させる、移動を妨げる、減速させる、加速させる、進行方向を変更する、クエスト内の別の地点に瞬間移動させる、体力を消耗させる、攻撃力や防御力を低下させるがある。
障害要素としての敵の代表例には、例えばボスキャラ、攻撃力が強いキャラクタ、防御力が強いキャラクタ、障害要素を発生させるキャラクタがある。
【0022】
基本的に、スキルを有するゲーム媒体は、スキルを有しないゲーム媒体よりも能力は高い。この意味での「スキル」は、障害要素に対する耐性の一例である。
ただし、前述したようにスキルの内容は多種多様である。また、多くの場合、スキルの評価は、障害要素や他のゲーム媒体との関係で定まる。このため、「スキル」自体には、能力の高低がない。
【0023】
「希少度」は、プレイヤによる入手の難易度や出現の頻度の低さを表す。従って、希少度が高いとは、プレイヤによる入手が難しい、又は、出現の頻度が低いことを意味する。反対に、希少度が低いとは、プレイヤによる入手が容易、又は、出現の頻度が高いことを意味する。基本的に、希少度が高いゲーム媒体の能力は高く、希少度が低いゲーム媒体の能力は低い。
【0024】
「ゲーム媒体の能力」は、ゲーム媒体を規定する特定の属性の能力として与えてもよいし、ゲーム媒体を規定する複数の属性の各能力を総合的に評価した結果として与えてもよい。
なお、複数の属性の各能力を総合的に評価した結果は、例えば各属性の能力を表す数値の総和で与えられる。もっとも、各属性の能力を表す数値を重み付け加算値として与えてもよい。その際、重要度が高い属性の重みを大きくすることも可能である。ここでの重みは、ゲーム単位で設定してもよいし、クエスト毎に設定してもよい。
【0025】
さらに、プレイヤからの指示や操作に応じて、重みの設定が変更されてもよい。例えばクエストのプレイに選択したプレイ方法に応じて重みの設定が変更されてもよい。プレイ方法の選択には、例えばシングルプレイやマルチプレイの選択、プレイヤをアシストする機能の使用の選択、クエスト内に用意されている近道の使用の有無の選択、クエストに用意されているギミックの難易度の選択がある。
ゲーム媒体の能力は、数直線上の数値として表現することも可能であるが、ある数値の範囲を能力の区分として表現することも可能である。例えば能力の区分を「レベル」、「ランク」等により表現してもよい。また、前述した「希少度」を能力の区分の意味で使用することも可能である。
【0026】
「デッキ」とは、クエストのプレイに使用する複数のゲーム媒体(例えばキャラクタ)の集まりをいう。なお、デッキを構成するゲーム媒体の数は1つ(以下「1体」ともいう。)でもよい。
デッキを構成するゲーム媒体は、プレイヤによる編成が可能でもよいし、ゲーム側がランダムに編成してもよい。以下では、デッキを構成するゲーム媒体を編成する作業を「デッキの編成」や「デッキを編成する」ともいう。
プレイヤによるデッキの編成は、ゲーム媒体を1体ずつ選択する方式でもよいし、複数体を一度に選択する方式でもよい。
【0027】
デッキを構成するゲーム媒体は、プレイヤが所持するゲーム媒体から選択されるが、他のプレイヤが所持するゲーム媒体を含めることを許可してもよい。
プレイヤが所持するゲーム媒体は、例えばゲームの開始時にプレイヤにより選択されることもあれば、抽選により取得されることもあれば、ゲーム内で使用する通貨を使用して購入されることもあれば、クエストのクリアに対する特典として付与されることもあれば、進化の結果として得られることもある。
編成後のデッキは、登録可能でもよい。デッキが登録されていれば、プレイのたびにデッキの編成を省略できる。
デッキを構成するゲーム媒体の体数には、多くの場合、上限が設けられる。例えば上限は4体である。
【0028】
「デッキの能力」は、デッキ単位の能力をいう。デッキが複数体のゲーム媒体で構成される場合、ゲーム媒体の各能力に基づいて、デッキの能力が定まる。換言すると、デッキの能力は、デッキに含まれる各ゲーム媒体の能力の総合的な評価値として与えられる。例えば各ゲーム媒体の能力を表す値の総和として計算される。もっとも、各ゲーム媒体の能力を表す値に重みを付けてデッキの能力を計算してもよい。
以下の説明では、デッキの能力を「編成ポイント」ともいう。また、デッキを構成する個々のゲーム媒体の能力を「能力ポイント」ともいう。ゲーム媒体の能力(能力ポイント)は、前述した方法により与えられる。
【0029】
ところで、前述した特典は、クエストのクリアに使用したデッキの能力やゲーム媒体の能力の違いに応じて変更してもよい。例えば能力が高いゲーム媒体や能力が高いデッキを使用してクエストをクリアしたプレイヤに付与する特典よりも、能力が低いゲーム媒体や能力が低いデッキを使用してクエストをクリアしたプレイヤに付与する特典を優遇してもよい。
「優遇」の一例には、能力が低いゲーム媒体等によりクエストをクリアしたプレイヤには特典を付与するが、能力が高いゲーム媒体等によりクエストをクリアしたプレイヤには特典を付与しないことがある。
また、「優遇」の他の一例には、能力が低いゲーム媒体等によりクエストをクリアしたプレイヤには特典のアップグレードや増量が行われるが、能力が高いゲーム媒体等によりクエストをクリアしたプレイヤには特典のアップグレードや増量が行われないことをいう。
【0030】
「オブジェクト」は、プレイヤがプレイに使用するゲーム媒体(例えばキャラクタ)、クエストに出現する敵キャラ、クエストで使用するコインやアイテムを含む。
「キャラクタ」は、プレイヤがプレイに使用するゲーム媒体とクエストに出現する敵キャラの総称である。キャラクタは、生物(人、動物、植物等)、機械(乗物、ロボット等)、これらを模した架空の物体を含む。
【0031】
<システム構成>
図1は、実施の形態に係るゲームシステム1の構成例を示す図である。
図1に示すゲームシステム1は、ネットワーク上でプレイするゲームを想定している。この種のゲームは、ネットゲーム、オンラインゲーム、ソーシャルゲーム等と呼ばれる。
ゲームシステム1は、ゲームの進行を管理するサーバ10と、プレイヤPが操作するユーザ端末20と、これらを通信可能に接続するネットワークNとで構成されている。
【0032】
図1では、説明上の都合により、1名のプレイヤPが操作する1台のユーザ端末20のみを表している。もっとも、実際のゲームシステム1には、プレイヤPは複数人であり、ネットワークNに接続されるユーザ端末20も複数台である。
ネットワークNには、例えばインターネット、4Gや5G等の移動通信システム、LAN(=Local Area Network)を想定する。ネットワークNは、有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。また、有線ネットワークと無線ネットワークの混在型でもよい。
【0033】
サーバ10は、ゲームの進行を管理するコンピュータであり、ゲームプログラムの実行を通じ、各種のサービスを提供する。サーバ10は、オンプレミス型のサーバでもよいし、クラウド型のサーバでもよい。クラウド型のサーバには、例えばIaaS(=Infrastructure as a Service)、PaaS(=Platform as a Service)、SaaS(=Software as a Service)がある。
ところで、サーバ10は、1台のコンピュータで構成される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータで構成されてもよい。
本実施の形態におけるサーバ10は、情報処理装置の一例である。
【0034】
ユーザ端末20は、プレイヤPが操作する情報端末である。ユーザ端末20には、例えばスマートフォン、タブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータ、ゲーム端末、ヘッドマウント型のコンピュータ(いわゆるヘッドセット)、メガネ型のコンピュータ(いわゆるスマートグラス)を想定する。
ユーザ端末20は、ネットワークNとの通信機能を備えている。
図1におけるユーザ端末20は、スマートフォンである。
【0035】
<ハードウェア構成>
サーバ10は、ゲームプログラムを実行するプロセッサ11と、メモリ12と、補助記憶装置13と、通信インタフェース14とを有している。プロセッサ11と各デバイスとは、バスその他の信号線15を通じて互いに接続されている。
メモリ12は、ROM(=Read Only Memory)、RAM(=Random Access Memory)等の半導体メモリで構成される。ROMには、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶される。RAMは、主記憶装置であり、プロセッサ11のワークエリアとして使用される。
【0036】
補助記憶装置13は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置13には、ゲームプログラムの他、ゲームの進行に関するデータや取引に関するデータ等が記憶される。ゲームプログラムは、アプリケーションプログラムの一例である。
図1の場合、補助記憶装置13は、サーバ10に内蔵されているが、サーバ本体に外付けしてもよいし、ネットワークN上に設けてもよい。ネットワーク上にデータを記憶する場合には、ブロックチェーンで採用する分散型台帳にゲームに関する各種のデータを記憶してもよい。
通信インタフェース14は、ユーザ端末20等の外部の端末との通信を可能にするデバイスである。通信インタフェース14には、通信に使用するネットワークNに応じた通信を実現する機能が求められる。
【0037】
ユーザ端末20は、サーバ10と同様、プロセッサ、メモリ、補助記憶装置、通信インタフェースを有し、さらに、タッチセンサ、操作ボタン、ディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカ等を有する。
タッチセンサとディスプレイが一体化されたデバイスは、タッチパネルと呼ばれる。また、タッチセンサ、操作ボタン、カメラ、マイクは入力装置を構成し、ディスプレイ、スピーカは出力装置を構成する。
本実施の形態におけるユーザ端末20は、サーバ10に対する入出力装置として使用される。
【0038】
<機能構成>
以下では、ゲームの進行を制御するサーバ10の機能構成について説明する。
図2は、サーバ10の機能上の構成例を説明する図である。なお、
図2に示す機能構成は、本実施の形態で想定するゲームプログラムの実行を通じて実現される機能部の一例である。
図2に示すサーバ10は、受付部101、ゲーム進行部102、画像生成部103、特典付与制御部104、能力評価部105、能力表示部106、候補通知部107、ランキング情報提示部108、選択受付部109、記憶部110を有している。
このうち、記憶部110は、メモリ12と補助記憶装置13により実現され、それ以外の機能部は、プロセッサ11で実行されるプログラムとサーバ10を構成する各デバイスとの協働により実現される。
【0039】
受付部101は、ユーザ端末20(
図1参照)からの入力を受け付ける機能部である。ここでの入力には、デッキを構成するゲーム媒体(例えばキャラクタ)の選択、プレイするクエストの選択、クエストのプレイ中の操作、その他の入力がある。その他の入力の内容は様々であり、例えば選択、指定、指示等がある。
ゲーム進行部102は、受付部101で受け付けた入力に基づいてクエストの進行を制御する機能部である。具体的な進行は、クエストが用意する場面とプレイヤの入力とにより決定される。各場面は、演出その他のゲーム画面で表現される。
画像生成部103は、ゲーム進行部102等による処理の結果を反映したゲーム画面を生成する機能部である。生成されたゲーム画面は、通信インタフェース14(
図1参照)を通じ、ユーザ端末20に送信される。
【0040】
特典付与制御部104は、クエストをクリアしたプレイヤPに対する特典の付与を制御する機能部である。ここでの特典付与制御部104は、「制御部」の一例である。
特典には、クエストをクリアした時点に付与される特典と、開催されているイベントが終了した時点に付与される特典がある。
クエストをクリアした時点に付与される特典には、例えばクエストのボスキャラ、コイン、アイテムがある。
開催されているイベントが終了した時点に付与される特典には、例えば希少性が高いゲーム媒体、レベルのアップがある。この種のイベントには、例えばランキングイベントがある。ランキングイベントは、予め指定した期間内に特定のクエストをクリアしたプレイヤのうちランキングの上位者に対して特典が与えられる。ランキングの上位者とは、予め定めた所定の順位以上のプレイヤをいう。所定の順位は、例えば100位とする。
【0041】
本実施の形態における特典付与制御部104は、能力が低いデッキを使用してクエストをクリアしたプレイヤへの特典の付与を、能力が高いデッキを使用してクエストをクリアしたプレイヤよりも優遇する。
このため、プレイヤには、対象とするランキングクエストを、能力が相対的に低いゲーム媒体を使用してプレイしようとする動機が生じる。通常、プレイヤは、クエストのクリアを優先する心理から、能力が相対的に高いゲーム媒体でデッキを構成してプレイする。その結果、どうしても能力が相対的に低いゲーム媒体はプレイに使用されなくなり易い。
しかし、能力が低いほど特典の付与を優遇する制御であれば、能力が相対的に低いゲーム媒体をプレイに使用しようとする動機が生じる。その結果、プレイヤに対して新しい体験と楽しみ方を与えることができる。
【0042】
デッキの能力が同じプレイヤが何人いても、ランキングの順位に差を付けないことも可能であるが、デッキの能力以外の情報も考慮して、デッキの能力が同じプレイヤ間に順位を付してもよい。
デッキの能力以外の情報の一つには、クリア時間がある。この場合、クリア時間がより短いプレイヤがランキングの上位者に決定される。
また、デッキの能力以外の情報として、クエスト内の障害要素とゲーム媒体の能力の関係を使用してもよい。この場合、障害要素の影響を受け易い能力を有するゲーム媒体を使用してクエストをクリアしたプレイヤをランキングの上位者とみなす。
【0043】
このため、プレイヤには、対象とするランキングクエストを、該当するクエストの障害要素の影響を受け易い能力を有するゲーム媒体を使用してプレイしようとする動機が生じる。通常、プレイヤは、クエストのクリアを優先する心理から、障害要素の影響を受け難いゲーム媒体でデッキを構成しがちである。
しかし、障害要素の影響を受け易いゲーム媒体を優遇する制御であれば、障害要素の影響を受け易いゲーム媒体でプレイするほど特典が付与される可能性が高くなる。この結果、プレイヤに対して新しい体験と楽しみ方を与えることができる。
【0044】
また、特典付与制御部104には、クエストのクリアに使用されたデッキの能力を示す編成ポイントをプレイヤ毎に記憶する機能と、編成ポイントにより定まるイベント終了時の順位が所定の順位以上のプレイヤに対して特典を付与する機能とを設ける。
編成ポイントは、デッキの能力に比例する。換言すると、デッキの能力が高いと、編成ポイントも高くなる。このため、特典付与制御部104は、クエストのクリアに使用したデッキの編成ポイントが小さいプレイヤへの特典の付与を優先する。
なお、編成ポイントが同じプレイヤの順位は同じとしてもよいし、クリア時間等によりプレイヤの順位に差を付けてもよい。ここでの編成ポイントは、「所定パラメータ」の一例である。
【0045】
能力評価部105は、ゲーム媒体の能力やデッキの能力を評価する機能部である。ここでの能力評価部105は、「評価部」の一例である。
能力評価部105は、ゲーム媒体を規定する属性の数値(以下「属性値」という。)を、ゲーム媒体の能力ポイントに換算する処理を実行する。
本実施の形態の場合、能力ポイントの算出には、体力(HP)、攻撃力、スピードの3つの属性を使用する。本実施の形態における体力(HP)、攻撃力、スピードの各属性値は、「1」~「6」のポイントに換算される。この場合、ゲーム媒体の能力を表す「能力ポイント」の最小値は「3」であり、最大値は「18」である。
能力評価部105は、デッキの能力である編成ポイントを、例えば4つのゲーム媒体の能力ポイントの総和として算出する。この場合、デッキの能力を表す「編成ポイント」の最小値は「12」であり、最大値は「72」である。
【0046】
能力評価部105には、ゲーム媒体の属性と障害要素との関係により、能力ポイントを変更する機能を設けることも可能である。
この機能が有効である場合、ゲーム媒体が耐性属性を有する特定の障害要素を含むクエスト(以下「第1の特定ゲーム」という。)のプレイ時と、耐性属性を有する特定の障害要素を含まないクエスト(以下「第2の特定ゲーム」という、)のプレイ時とで、能力ポイントは異なる値に変更される。
【0047】
換言すると、ゲーム媒体の属性が障害要素に対して耐性を有する場合の能力ポイントを、ゲーム媒体の属性が障害要素に対して耐性を有しない場合の能力ポイントよりも高く評価する。例えばダメージを受け易い障害要素との関係では、あるゲーム媒体の能力ポイントが「10」であったとしても、ダメージを受け難い障害要素との関係では、同じゲーム媒体の能力ポイントを「11」と評価する。
【0048】
能力ポイントの変更は、クエストの決定時に実行してもよいし、デッキの編成時に実行してもよいし、クエストの開始時に実行してもよいし、クエストのプレイ中に実行してもよいし、クエストのプレイ後に実行してもよいし、クエストのクリア後に実行してもよいし、ランキング順位の決定時に実行してもよい。もっとも、後述する動作例の説明では、デッキの編成時に能力ポイントを変更する。
【0049】
なお、能力ポイントを変更する機能は、全てのクエストで「オフ」にする設定も可能であり、一部のクエストでのみ「オン」にする設定も可能である。この設定は、ゲームの管理者が行う。能力ポイントを変更する機能が「オン」のクエストと「オフ」のクエストを設けることにより、プレイするクエストにより、同じゲーム媒体又は同じデッキの能力の評価を変更することが可能になる。これにより、同じゲーム媒体又は同じデッキでも、プレイするクエストにより異なる遊び方や体験を可能にできる。
【0050】
能力表示部106は、能力評価部105による評価の結果である編成ポイントを該当するデッキに対応付けて表示し、能力ポイントを該当するゲーム媒体に対応付けて表示する機能部である。
能力ポイントの表示により、プレイヤは、ランキング順位を考慮したデッキの編成が可能になる。また、編成ポイントの表示により、プレイヤは、クエストのプレイを開始する前にプレイに使用するデッキの評価を知り、入賞の可能性を判断することができる。
【0051】
候補通知部107は、プレイヤに対してゲーム媒体の候補を通知する機能部である。ここでの候補通知部107は、「通知部」の一例である。
候補通知部107は、例えばクエストをクリアできなかったプレイヤに対し、当該クエストのプレイに使用したゲーム媒体の能力に基づいて次のプレイに使用する他のゲーム媒体を決定して通知するサブ機能(以下「第1サブ機能」という。)を有してもよい。
ランキングクエストでは、他のゲーム媒体を、クリアに失敗したプレイに使用したゲーム媒体の能力ポイント以下のゲーム媒体の中から選択する。
【0052】
本実施の形態の場合、他のゲーム媒体の候補は、プレイヤが所持するゲーム媒体の中から選択する。ここでの選択には、例えばランダム抽選により行ってもよいし、該当するプレイヤの使用の履歴に基づいて決定してもよいし、他のプレイヤも含めた人気等に基づいて決定してもよい。
なお、選択されたゲーム媒体について能力ポイントが保存されていない場合には、ゲーム媒体を選択した時点で能力ポイントを算出する。
【0053】
ところで、能力ポイントは同じでも、能力ポイントの基準となったゲーム媒体の属性値と候補として提示される他のゲーム媒体の属性値が全ての属性で同じとは限らない。例えば能力ポイントの算出に使用される3つの属性の属性値の一部又は全てが異なることもあれば、ゲーム媒体の能力の評価に用いていない他の属性(例えば防御力、スキル、希少度)が異なることもある。このように、能力ポイントは同じでも、各ゲーム媒体の属性値が同じになるとは限らない。
【0054】
この通知は、ユーザ端末20(
図1参照)のディスプレイに表示される。この通知は、プレイヤに、デッキの構成を他のゲーム媒体に変更する契機を与える。
なお、候補通知部107は、ゲーム媒体ではなく、4つのゲーム媒体で構成されるデッキの候補を通知してもよい。この場合、デッキの候補は、クリアに失敗したプレイで使用したデッキの編成ポイント以下のデッキの中から選択する。デッキの候補は、プレイヤが所持するデッキの中から選択してもよいし、他のプレイヤのデッキの中から選択してもよい。
【0055】
また、候補通知部107は、例えばクリアできなかったクエストのプレイに使用したデッキを構成する4つのゲーム媒体のうちプレイヤが指定したゲーム媒体と入れ替える他のゲーム媒体の候補を提示するサブ機能(以下「第2サブ機能」という。)を有してもよい。
ここでの指定は、次のプレイに使用しないゲーム媒体の指定でもよいし、単に基準の一例としての指定でもよい。
この第2サブ機能では、第1サブ機能とは異なり、能力ポイントの基準となるゲーム媒体を指定できるので、提示される他のゲーム媒体の候補の予測性が高くなる。
【0056】
また、候補通知部107は、クエストをクリアした他のプレイヤがプレイに使用したデッキであって、その能力が、クエストのクリアに失敗したデッキの能力以下であるデッキを、他のデッキの候補として提示するサブ機能(以下「第3サブ機能」という。)を有してもよい。
この第3サブ機能の場合、候補通知部107は、デッキ単位で、他の候補をプレイヤに提示できる。また、提示されるデッキの候補は、プレイヤがクリアに失敗したデッキよりも能力が低いため、クエストのクリアに成功した場合における順位の上昇を期待できる。
この第3サブ機能では、他のデッキの候補として、クリアできなかったプレイに使用したデッキのゲーム媒体を少なくとも1以上含むデッキを提示してもよい。一般的に、デッキの構成には、プレイヤの好みが反映される。このため、全く異なるデッキの構成が提示される場合に比して、プレイヤに受け入れられやすい。
【0057】
また、候補通知部107は、クエストをクリアしたプレイヤに対し、プレイヤが使用したゲーム媒体の能力よりも能力が低い他のゲーム媒体を通知するサブ機能(以下「第4サブ機能」という。)を有してもよい。
第1サブ機能~第3サブ機能は、クエストのクリアに失敗したプレイヤに対する他の候補の提示であったが、第4のサブ機能以降は、クエストをクリアしたプレイヤに対する他の候補の提示を想定する。
第4サブ機能の場合、提示された他のゲーム媒体で同じクエストをクリアすれば、自身の現在の順位よりも上位にランクインする可能性を高めることができる。
【0058】
また、候補通知部107は、デッキを編成する画面において、クエストをクリアしたプレイヤがプレイに使用したデッキよりも、デッキの能力が低くなる他のゲーム媒体の候補を提示するサブ機能(以下「第5サブ機能」という。)を有してもよい。
第5サブ機能の場合、提示されたゲーム媒体の候補で構成したデッキで同じクエストをクリアすれば、自身の現在の順位よりも上位にランクインする可能性を高めることができる。
【0059】
この第5サブ機能では、デッキを構成するゲーム媒体の候補をプレイヤが選択するたびに、選択の結果に応じて提示する他のゲーム媒体の候補を更新し、更新された他のゲーム媒体をプレイヤに提示してもよい。例えばゲーム媒体GAが選択された場合とゲーム媒体GBが選択された場合とで、プレイヤに提示される他のゲーム媒体の候補が変更されるようにしてもよい。換言すると、第5サブ機能は、プレイヤが選択したゲーム媒体の各種の属性値に応じて、提示する他のゲーム媒体を決定してもよい。
もちろん、提示される他のゲーム媒体は、他のゲーム媒体を採用する場合のデッキの能力が、クエストのクリアに使用したデッキの能力よりも低くなるように選択される。
【0060】
また、候補通知部107は、他のゲーム媒体の候補をプレイヤが所持しない場合、対象である他のゲーム媒体を取得するための情報を提示するサブ機能(以下「第6サブ機能」という。)を有してもよい。ここでの情報には、例えばイベント名、クエスト名、抽選、他のプレイヤ名がある。他のゲーム媒体を他のプレイヤが所持する場合、借用する、購入する、交換する等も選択肢になる。
【0061】
ランキングイベントをプレイする目的の一つは、ランキングの上位に入ることである。このため、ランキングの順位が上がる可能性が高い他のゲーム媒体の提示を受けても、プレイヤが所持していない場合も起こり得る。特に、プレイヤが初心者の場合には、ゲームに対する知識も少ないため、情報の提示があってもデッキを構成できないことも考えられる。
しかし、第6サブ機能があれば、プレイヤは、自身のランキング順位を上げるために有用な他のゲーム媒体を取得する手法を知ることができる。
【0062】
また、候補通知部107は、編成されたデッキの能力が、クエストのクリアに使用されたデッキの能力よりも高くなる場合、その旨を通知するサブ機能(以下「第7サブ機能」という。)を有してもよい。
仮に、編成前よりも能力が高いデッキでクエストをクリアしても、プレイヤのランキング順位は上がらない。
しかし、第7サブ機能による通知があれば、クエストをプレイする前にプレイヤに気付かせることが可能になる。
【0063】
また、候補通知部107は、ランキング順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合に、所定の順位以上であった(すなわち、入賞する順位にあった)プレイヤの順位が、クエストのプレイ期間が終了するまでの間に所定の順位外に低下したとき、該当するプレイヤにその旨を通知するサブ機能(以下「第8サブ機能」という。)を有してもよい。
以下では、所定の順位以上であることを「入賞圏内」ともいう。また、所定の順位外であることを「入賞圏外」ともいう。第8サブ機能により、入賞圏内から入賞圏外に転出したプレイヤは、自身のランキング順位を上げる必要性に気付くことができる。
【0064】
また、候補通知部107は、編成されたデッキの能力に応じ、クエストのクリア時に特典が付与される可能性が高いクエストを通知するサブ機能(以下「第9サブ機能」という。)を有してもよい。
前述した他のサブ機能では、クエストに応じてゲーム媒体の候補を通知又は提示していたが、第9サブ機能では、デッキの能力で上位にランキング可能なクエストの候補が通知される。この第9サブ機能があれば、プレイヤは、自身のデッキの構成で上位にランキング可能なクエストを効率的に知ることができる。
【0065】
また、候補通知部107は、ランキング順位が所定の順位以上のプレイヤに特典が付与される場合に、デッキを編成する画面に、所定の順位に対応する編成ポイントが得られるデッキを構成する2以上のゲーム媒体の候補を通知するサブ機能(以下「第10サブ機能」という。)を有してもよい。
第10サブ機能では、ランキングの順位を上げるゲーム媒体の候補やデッキの候補を提示するのではなく、入賞圏内に入る可能性が高いゲーム媒体の候補やデッキの候補が具体的に通知される。この第10サブ機能があれば、プレイヤは、入賞圏内に入るためのゲーム媒体やデッキの構成を具体的に知ることができる。
【0066】
ランキング情報提示部108は、ランキング順位が所定の順位以上のプレイヤに特典が付与される場合に、デッキを編成する画面に、所定の順位に対応する編成ポイントを提示する機能部である。
例えば所定の順位が100位であり、100位に位置するプレイヤの編成ポイントが仮に「36」だとすると、デッキを編成する画面に編成ポイントの目安として「36」が提示される。この提示があることで、プレイヤは、編成中のデッキの編成ポイントとの比較により、クエストのプレイ前にランキングの可能性を判断することができる。
【0067】
選択受付部109は、ランキングクエストのプレイに使用するデッキを編成する画面(以下「第1画面」という。)では、プレイヤが所持するゲーム媒体を、現在よりも能力が低い状態で選択可能とする一方で、ランキングクエストとは異なるクエストのプレイに使用するデッキを編成する画面(以下「第2画面」という。)では、プレイヤが所持するゲーム媒体を、現在よりも能力が低い状態で選択不可とする機能部である。
一般には、進化等によって能力が上がったゲーム媒体は、進化前のゲーム媒体には戻らない。すなわち、進化等は不可逆的に実行される。
しかし、ランキングクエストの場合、ランキング順位を上げるには、能力が低いゲーム媒体の方が有利である。そこで、選択受付部109を設け、ランキングクエストのプレイに使用するデッキの編成時には、進化する前の能力に退化したゲーム媒体の選択を可能にする。
【0068】
<記憶データ>
記憶部110には、クエストのプレイに関する各種の情報が記憶されている。
図2には、これらの情報の一例として、プレイヤ情報111、クエスト情報112、ゲーム媒体情報113、属性値/能力ポイント変換テーブル114、調整テーブル115、ランキング情報116が例示されている。
【0069】
プレイヤ情報111は、クエストをプレイするプレイヤに関する各種の情報が記憶される。
図3は、プレイヤ情報111の一例を説明する図表である。
図3の場合、プレイヤ情報111として、アカウント111A、ログインパスワード111B、最終ログイン日時111C、所持するゲーム媒体111D、プレイ履歴111E、最高順位111Fが記憶されている。
アカウント111Aは、プレイヤの新規登録のたびに追加される。新規登録の際には、ログインパスワード111Bも登録される。
【0070】
最終ログイン日時111Cは、ログインのたび更新される。
所持するゲーム媒体111Dは、各プレイヤが所持するゲーム媒体の変動により更新される。ゲーム媒体の変動は、例えばクエストのクリア(ボスキャラの獲得等)、ゲーム媒体の抽選、ゲーム媒体の購入、ゲーム媒体の売却、他のプレイヤとのゲーム媒体の交換により発生する。
プレイ履歴111Eには、プレイヤ毎に、プレイ日時111E1、クエスト名111E2、プレイ結果111E3、デッキ構成111E4、編成ポイント111E5が記憶されている。
【0071】
図3の場合、プレイヤは、「クエストA」を連続してプレイしているが、他のクエストをプレイした場合には、クエスト名111E2に対応するクエスト名が記憶される。
図3の場合、プレイ結果111E3には「失敗」か「クリア」が記憶されている。なお、プレイの中断が可能な場合には、プレイ結果111E3に中断の情報を記憶してもよい。
デッキ構成111E4には、プレイに使用したデッキを構成するゲーム媒体の組み合わせが記憶される。本実施の形態の場合、デッキは、4体のゲーム媒体の組み合わせで構成される。
図3では、デッキの構成の違いを「構成1」、「構成2」等により表している。デッキの構成は、プレイ毎に異なる可能性がある。
【0072】
編成ポイント111E5には、プレイに使用したデッキを構成するゲーム媒体の各能力ポイントに基づいて算出された値が記憶される。ゲーム媒体の能力ポイントは、能力ポイントの算出に使用する属性の属性値に応じて一意に算出されるが、デッキを構成するゲーム媒体が有するスキル等の属性とクエストの障害要素との相性によっては、クエスト限定で能力ポイントが増減することがある。能力ポイントの増減には、調整テーブル115が使用される。
【0073】
最高順位111Fには、ランキングクエストをクリアした時点における暫定順位の最高値が記憶される。暫定順位とあるように、プレイヤのランキング順位は、ランキングクエストをプレイ可能な期間中は常に変動する。このため、クエストをクリアした時点では所定の順位以内であっても、最新のランキング順位が所定の順位より下がる可能性がある。このため、ランクインを目指すプレイヤは常に自身の暫定順位を把握する必要がある。特に、暫定順位が所定の順位以内であったプレイヤは、自身の暫定順位が所定の順位より下がらないことに関心がある。本実施の形態では、暫定順位が所定の順位より下がったプレイヤにその旨を通知できるように暫定順位の最高順位を記憶する。なお、プレイヤへの通知後、最高順位111Fは、最新の暫定順位(すなわち所定の順位以下の順位)に更新される。
【0074】
クエスト情報112は、管理の対象であるクエストに関する各種の情報が記憶される。
図4は、クエスト情報112の一例を説明する図表である。
図4の場合、クエスト情報112は、クエスト名112A、種類112B、プレイが可能な期間112C、難易度112D、障害要素112E、特典112F、プレイ履歴112G等が記憶される。
図4の場合、種類112Bは、イベントとノーマルの2種類である。種類112Bが「イベント」のクエストは、プレイが可能な期間に制約がある。このため、「クエストA」には「5/1-5/11」が記憶され、「クエストB」には「5/1-5/7」が記憶されている。なお、「クエストB」は、特典がランキング順位の上位者に付与されるランキングイベントである。
一方、種類112Bが「ノーマル」のクエストは、いつでもプレイ可能である。このため、「クエストC」にはプレイが可能な期間が空欄である。
【0075】
プレイ履歴112Gには、クエスト毎に、プレイヤ112G1、クリア日時112G2、編成ポイント112G3、デッキ情報112G4等が記憶される。
ここでの編成ポイント112G3は、クリアに使用されたデッキの編成ポイントである。また、デッキ情報112G4は、デッキを構成するゲーム媒体の組み合わせ、各ゲーム媒体の属性と対応する属性値等で構成される。
なお、プレイ履歴112Gには、全てのプレイ日時とプレイ結果を記憶してもよい。
【0076】
ゲーム媒体情報113には、ゲーム媒体の属性と対応する属性値、能力ポイント等が記憶される。
属性値/能力ポイント変換テーブル114は、デッキを構成するゲーム媒体の属性値を能力ポイントに変換するためのテーブルである。本実施の形態における属性値/能力ポイント変換テーブル114は、体力(HP)、攻撃力、スピードの各属性値を「1」~「6」の能力ポイントに変換する。
【0077】
例えば属性値の「0」-「10000」は能力ポイントの「1」に変換され、「10001」-「20000」は能力ポイントの「2」に変換され、「20001」-「30000」は能力ポイントの「3」に変換され、「30001」-「40000」は能力ポイントの「4」に変換され、「40001」-「50000」は能力ポイントの「5」に変換され、「50001」以上は能力ポイントの「6」に変換される。
【0078】
調整テーブル115には、クエストの障害要素とデッキを構成するゲーム媒体の属性との関係に応じた能力ポイントの調整に使用するテーブルである。
図5は、調整テーブル115の一例を説明する図表である。調整テーブル115には、障害要素115A、耐性あり115B、耐性なし115Cの欄が設けられている。
図5の場合、耐性あり115Bと耐性なし115Cには、それぞれ障害要素115Aの種類別の調整値が記憶される。
【0079】
例えば「障害要素A」について耐性がある場合の能力ポイントの調整値は「+1」と記憶されているが、「障害要素A」について耐性がない場合の能力ポイントの調整値は定められていない。
また、「障害要素B」について耐性がある場合の能力ポイントの調整値は「+1」と記憶され、「障害要素B」について耐性がない場合の能力ポイントの調整値は「-1」と記憶されている。
【0080】
また、「障害要素C」について耐性がある場合の能力ポイントの調整値は「+2」と記憶されているが、「障害要素C」について耐性がない場合の能力ポイントの調整値は定められていない。
なお、調整テーブル115には、障害要素115Aではなく、クエスト名との関係で調整値を記憶してもよい。例えばクエストのボスキャラ等との相性が良い(耐性がある)ゲーム媒体の能力値はプラスの調整値を記憶し、相性が悪い(耐性がない)ゲーム媒体の能力値はマイナスの調整値を記憶してもよい。
また、調整値は、例えば「0.3」、「0.5」等の小数点以下の数値でもよい。
【0081】
ランキング情報116は、ランキングクエストのランキング順位の情報である。
図6は、ランキング情報116の一例を説明する図表である。ランキング情報116は、クエストをクリアしたプレイヤの出現により更新される。つまり、ランキング情報116の内容は、クエストをクリアしたプレイヤの編成ポイントに基づいて順位が決定される。
図6の場合、ランキング情報116は、順位116A、プレイヤ名116B、クリア日時116C、編成ポイント116D、デッキ構成116E、クリア時間116F等が記憶される。
【0082】
図6の場合、ランキング順位の2位と3位の編成ポイントはいずれも「32」、96位と97位の編成ポイントはいずれも「47」であり、他にも編成ポイントが同じ順位がある。ただし、
図6の場合には、デッキ構成116Eやクリア時間116Fの情報も使用して、編成ポイントが同じプレイヤの間にも順位を設けている。もっとも、編成ポイントが同じであれば、複数人のプレイヤを同じ順位としてもよい。その場合、次の順位は、同じ順位のプレイヤの数を加算した数値から開始する。
プレイ可能なランキングクエストが複数ある場合、ランキング情報116は、クエスト毎に記憶される。
【0083】
<情報処理方法>
以下、サーバ10による情報処理の一例を説明する。
以下では、情報処理の内容を「デッキの編成」、「プレイの終了後の通知」、「ランキングクエストの期間中及び終了時の処理」、「通知の設定」、「デッキの構成に応じたクエストの提示」、「デッキの編成に関するその他の機能1」、「デッキの編成に関するその他の機能2」に分けて説明する。
【0084】
<デッキの編成>
図7-
図14に、デッキの編成に関連するフローチャートと表示画面の一例を示す。
図7は、プレイヤによるデッキの編成に関連する情報処理の一例を示すフローチャートである。図中に示す符号のSは、ステップを意味する。
図7に示す情報処理は、ユーザ端末20(
図1参照)にホーム画面が表示されている状態で開始される。なお、プレイの対象として特定のランキングクエストが既に選択されているものとする。ここでのランキングクエストは、特定ゲームの一例である。
図8は、ゲームのホーム画面21の表示例を説明する図である。ホーム画面21は、ユーザ端末20のディスプレイに表示されている。
【0085】
図8に示すホーム画面21には、「クエスト」ボタン211と、「シングルプレイ」ボタン212と、「マルチプレイ」ボタン213と、「ホーム」ボタン214と、「ゲーム媒体」ボタン215と、「抽選」ボタン216と、「その他」ボタン217とが配置されている。ホーム画面21に配置されるボタンの種類、数、レイアウト等は、あくまでも一例である。
「クエスト」ボタン211は、プレイするクエストの選択に使用するボタンである。「クエスト」ボタン211の操作が検出されると、プレイが可能なクエストの選択画面に遷移する。ランキングクエスト等のプレイが可能な期間が限定されるクエストの情報も表示される。
【0086】
「シングルプレイ」ボタン212は、クエストを、プレイヤ単独でプレイする場合に使用するボタンである。
「マルチプレイ」ボタン213は、クエストを、複数人のプレイヤの協力によりクリアを目指す場合に使用するボタンである。プレイを協力する他のプレイヤは、該当するプレイヤが指名してもよいし、募集してもよい。
「ホーム」ボタン214と、「ゲーム媒体」ボタン215と、「抽選」ボタン216と、「その他」ボタン217は、各画面の下部に表示される。
【0087】
「ホーム」ボタン214は、表示中の画面からホーム画面21に戻るためのボタンである。
「ゲーム媒体」ボタン215は、プレイに使用するゲーム媒体の選択やゲーム媒体の詳細情報の確認等に使用するボタンである。「ゲーム媒体」ボタン215が操作されると、画面は、ホーム画面21からゲーム媒体の設定画面22に切り替わる。
図8に示す設定画面22には、プレイに使用するデッキの「編成」ボタン221が表示されている。
「抽選」ボタン216は、ゲーム内通貨等を使用したゲーム媒体の抽選に使用するボタンである。
「その他」ボタン217は、通知設定その他に使用するボタンである。
【0088】
図7の説明に戻る。
まず、プロセッサ11は、「編成」ボタン221の操作を検出したか否かを判定する(ステップ1)。
「編成」ボタン221の操作が検出されない場合、ステップ1で否定結果が得られる。
ステップ1で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ステップ1の判定を繰り返す。この判定中に、他のボタンの操作が検出されると、検出されたボタンに対応する情報処理が開始される。
一方、「編成」ボタン221の操作が検出された場合、ステップ1で肯定結果が得られる。
ステップ1で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、デッキの編成画面23(
図9参照)を表示する(ステップ2)。
【0089】
また、プロセッサ11は、ランキングクエストの入賞に必要な編成ポイントの情報を表示する(ステップ3)。本実施の形態の場合、入賞とは、クリアに使用したデッキの能力(すなわち編成ポイント)の上位100位までをいう。因みに、100位までの順位に複数回入ったプレイヤがいても、特典の付与は1名に付き1回の場合には、入賞に必要な編成ポイントは100位を超える場合もある。ここでの順位は、各プレイヤによるデッキの編成が開始した時点における暫定的な順位である。
【0090】
図9は、デッキの編成画面23の表示例を説明する図である。
図9には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図9に示すデッキの編成画面23は、デッキを新規に編成する画面である。このため、編成画面23には、デッキ名231と、デッキを構成するゲーム媒体が配置されるゲーム媒体欄232と、「リセット」ボタン233と、「一括編成」ボタン234と、「表示切替」ボタン235と、メッセージ欄236とを有している。
図9の場合、デッキ名231は空である。プレイヤは、編成したデッキに使用する名前を設定することができる。
【0091】
図9の場合、ゲーム媒体欄232は、4つのブロックで構成される。各ブロックには、プレイヤが選択したゲーム媒体のアイコンが表示される。本実施の形態の場合、デッキは4体のゲーム媒体で構成される。もっとも、4体のゲーム媒体が揃うのはプレイの開始時点であればよい。従って、プレイヤが事前に登録するデッキは、1~3体のゲーム媒体のアイコンで構成されてもよい。登録後も、デッキの構成は自由に編成し直すことができる。
「リセット」ボタン233が操作されると、操作前までに編成されたデッキの構成がリセットされる。すなわち、ゲーム媒体欄232の4つのブロックが空欄に戻る。
【0092】
「一括編成」ボタン234は、複数のゲーム媒体を一括して選択するためボタンである。このボタンを操作すると、プレイヤが所持するゲーム媒体の一覧画面の中から複数のゲーム媒体を一括して指定することができる。
「表示切替」ボタン235は、ゲーム媒体を選択する画面の切替を指示するためのボタンである。
メッセージ欄236は、ゲームの進行を管理するサーバ10(
図1参照)からプレイヤに対するメッセージの表示に用いられる。なお、メッセージが無い場合には表示されない。
図9の場合には、ステップ3(
図7参照)の情報として、「選択したランキングクエストの入賞には、現時点で編成ポイントが49以下であることが必要です。」が表示されている。
【0093】
図10は、「一括編成」ボタン234の操作により表示される「デッキ一括編成」画面23Aの表示例を説明する図である。
図10には、
図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
図10に示す「デッキ一括編成」画面23Aには、プレイヤが所持するゲーム媒体に対応するアイコンが5行5列で表示されている。なお、所持するゲーム媒体の数が25体を超える場合、複数頁に分けて表示される。
「デッキ一括編成」画面23Aでは、デッキを構成する4体のゲーム媒体を一度に選択することが可能である。選択されたゲーム媒体は、ゲーム媒体欄232の4つの空きブロックに順番に配置される。
【0094】
図11は、ゲーム媒体の詳細情報の表示画面24の表示例を説明する図である。表示画面24には、媒体名241と、能力欄242と、アイコン欄243と、能力ポイント欄244とが表示されている。
図11の場合、能力欄242には、体力(HP)、攻撃力、スピードの各属性値が表示されている。本実施の形態の場合、各属性値は、各属性の能力を表す「1」~「6」の能力値で評価される。
能力ポイント欄244には、体力(HP)、攻撃力、スピードの各属性値を評価した能力値の合計値である「10」が表示されている。この値が、ゲーム媒体GAの能力ポイントである。
【0095】
図7の説明に戻る。
次に、プロセッサ11は、デッキの編成を受け付ける(ステップ4)。
続いて、プロセッサ11は、デッキを構成するゲーム媒体の能力ポイントを取得する(ステップ5)。具体的には、4体のゲーム媒体の能力ポイントが取得される。
なお、プロセッサ11は、プレイするクエストの障害要素に対する耐性に応じて、ゲーム媒体の能力ポイントを調整するサブ機能も有している。
図12は、ステップ5(
図7参照)で実行されるサブ機能の一例を説明するフローチャートである。
【0096】
デッキを構成するゲーム媒体の能力ポイントの取得後、プロセッサ11は、クエスト情報112(
図2参照)を取得する(ステップ51)。クエスト情報112は、障害要素112E(
図4参照)の情報が含まれている。
次に、プロセッサ11は、クエストの障害要素112Eに耐性があるゲーム媒体を含むか否かを判定する(ステップ52)。
耐性を有するゲーム媒体を含まない場合、プロセッサ11は、ステップ52で否定結果を得る。ステップ52で否定結果を得た場合、プロセッサ11は、ステップ5の処理を終了する。
【0097】
一方、耐性を有するゲーム媒体を含む場合、プロセッサ11は、ステップ52で肯定結果を得る。ステップ52で肯定結果を得た場合、プロセッサ11は、該当するゲーム媒体の能力ポイントを調整する(ステップ53)。プロセッサ11は、調整テーブル115(
図5参照)を参照し、能力ポイントを調整する。障害要素に対する耐性を有するゲーム媒体の能力ポイントは基準値よりも大きな値に調整され、障害要素に対する耐性を有しないゲーム媒体の能力ポイントは基準値のままか、より小さい値に調整される。調整後の能力ポイントは、画面の表示にも反映される。
【0098】
図7の説明に戻る。
次に、プロセッサ11は、編成ポイントを計算して表示する(ステップ6)。編成ポイントは、デッキを構成する4体のゲーム媒体の能力ポイントの合計値として計算される。
続いて、プロセッサ11は、入賞に必要な編成ポイントより計算された編成ポイントが大きいか否かを判定する(ステップ7)。
計算された編成ポイントが入賞圏内の編成ポイントより大きい場合、ステップ7で肯定結果が得られる。ステップ7で肯定結果が得られることは、入賞圏外であることを意味する。一方、計算された編成ポイントが入賞圏内の編成ポイントより小さい場合、ステップ7で否定結果が得られる。ステップ7で否定結果が得られることは、入賞圏内であることを意味する。
【0099】
ステップ7で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、入賞が可能な他のデッキ(又は他のゲーム媒体)の候補を提示する(ステップ8)。
図13は、編成中のデッキの編成ポイントでは入賞できない場合におけるデッキの編成画面23の表示例を示す図である。
図13には、
図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
図13に示す編成画面23のゲーム媒体欄232には、ゲーム媒体GA、GB、GC、GDが配置されている。
【0100】
図13では、ゲーム媒体が選択されているので、ゲーム媒体欄232の下には、能力ポイント欄237と、デッキ情報欄238が表示されている。
図13の場合、ゲーム媒体GAの能力ポイントは「10」、ゲーム媒体GBの能力ポイントは「11」、ゲーム媒体GCの能力ポイントは「15」、ゲーム媒体GDの能力ポイントは「14」である。このため、デッキ情報欄238には、編成ポイントが「50」と表示されている。なお、デッキ情報欄238には、各ゲーム媒体の体力(HP)の合計値、攻撃力の合計値、スピードの合計値も表示されている。
【0101】
また、メッセージ欄236には、プレイヤに対するメッセージが表示されている。
図13では、「現在のデッキの編成ポイントでは、クリアしてもランクインできません。」、「このデッキの構成を確定しますか?」と表示されている。
なお、入賞とは関係なく編成したデッキでプレイしたいプレイヤも存在する。このため、メッセージ欄236には、現在のデッキの構成のまま使用する「はい」ボタン236Aと、現在のデッキの構成に修正を加える「いいえ」ボタン236Bが用意されている。
【0102】
図13において「いいえ」ボタン236Bが操作されると、メッセージ欄236には、編成ポイントの目安をプレイヤに伝えるメッセージが表示される。
図13では、入賞が可能なランキング順位の編成ポイントが得られるゲーム媒体の変更案を提案する。ここでは、「ゲーム媒体GD(能力ポイント:14)をゲーム媒体GE(能力ポイント:9)に変更すると、編成ポイントが50から45になります。」と表示されている。
図13では、一体の変更だけを提示しているが、複数体の変更を提示してもよい。なお、複数体の変更を提示する場合には、デッキ単位の他の候補を提示してもよい。
【0103】
図14は、プレイヤが提示に従ってデッキを構成するゲーム媒体を変更した場合の表示の変化を説明する図である。上図は変更前のデッキの構成を示し、下図は変更後のデッキの構成を示す。
図14の場合、4体のうちの一体がゲーム媒体GDからゲーム媒体GEに変更されている。ゲーム媒体GEの能力ポイントは「9」である。このため、デッキ情報欄238の編成ポイントは「45」に変更されている。
なお、編成ポイントだけでなく、各ゲーム媒体の体力(HP)の合計値、攻撃力の合計値、スピードの合計値も変更されている。
また、プレイに必要な4体のゲーム媒体が揃ったため、「プレイ開始」ボタン239が編成画面23に表示されている。
【0104】
図7の説明に戻る。
ステップ8の実行後、又は、ステップ7で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、デッキの編成の終了か否かを判定する(ステップ9)。
「プレイ開始」ボタン239(
図14参照)が操作されると、ステップ9で肯定結果が得られ、デッキの編成が終了する。
なお、編成画面23内の他のボタン、例えば「リセット」ボタン233(
図14参照)が操作されると、プロセッサ11は、ステップ4に戻り、デッキの編成を継続する。
【0105】
<プレイの終了後の通知>
図15-
図17に、プレイの終了後に実行するフローチャートと表示画面の一例を示す。
図15は、クエストのプレイ後に実行される情報処理の一例を示すフローチャートである。図中に示す符号のSは、ステップを意味する。
まず、プロセッサ11は、クエストをクリアしたか否かを判定する(ステップ11)。
クエストをクリアできた場合、プロセッサ11は、ステップ11で肯定結果を得る。一方、クエストをクリアできなかった場合、プロセッサ11は、ステップ11で否定結果を得る。
【0106】
ステップ11で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、クリアに成功した他のプレイヤが使用したデッキのうち、クリアに成功したプレイヤが使用したデッキの編成ポイント以下のデッキを、他のデッキの候補として提示する(ステップ12)。すなわち、プロセッサ11は、他のプレイヤよりも上位にランクアップ可能なデッキの候補を提示する。
一方、ステップ11で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、クリアに成功した他のプレイヤが使用したデッキのうち、クリアに失敗したプレイヤが使用したデッキの編成ポイント以下のデッキを、他のデッキの候補として提示する(ステップ13)。この場合も、プロセッサ11は、クリアできた場合に、他のプレイヤよりも上位にランクアップ可能なデッキの候補を提示する。
【0107】
なお、クエストのクリアを優先する場合には、クリアに失敗したデッキの編成ポイントよりも編成ポイントが低くなるデッキの候補を提示することも可能である。
本実施の形態では、ランキングクエストをプレイする動機が入賞による特典の取得であるので、クエストのプレイに失敗したプレイヤにも、同プレイヤがプレイに使用したデッキよりも編成ポイントが低くなるデッキの候補を提示する。
少なくともステップ13の場合には、プロセッサ11は、クリアの失敗したプレイに使用したデッキを構成したゲーム媒体を少なくとも1体以上含むデッキを提案する。プレイヤにとって未知のゲーム媒体だけの組み合わせでは、ゲーム媒体の能力を活かしきれない可能性がある。そこで、少なくとも1体は、先のプレイで使用したゲーム媒体を含む他のデッキの構成を提示する。
【0108】
ステップ12又はステップ13の実行後、プロセッサ11は、他のデッキを構成するゲーム媒体の全てを所持するか否かを判定する(ステップ14)。
提示された他のデッキを構成するゲーム媒体の全てをプレイヤが所持している場合、プロセッサ11は、ステップ14で肯定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、クエストの終了後の通知に関する処理動作を終了する。なお、プレイヤは、必要に応じ、提示された他のデッキの構成によるプレイの開始を指示する。または、プレイヤは、提示された他のデッキの構成の再編成を開始する。例えばプレイヤは、編成ポイントが同じ、又は、編成ポイントが更に小さい他のデッキの構成を編成する。
【0109】
提示された他のデッキを構成するゲーム媒体の全てをプレイヤが所持していない場合、プロセッサ11は、ステップ14で否定結果を得る。この場合、プロセッサ11は、プレイヤが所持していない他のゲーム媒体を取得するための情報を提示する(ステップ15)。
取得するための情報には、取得するための方法が含まれる。
ここでの方法には、購入がある。ただし、購入が可能なゲーム媒体に限られる。
【0110】
また、他の方法の一つとして、ゲーム媒体が特典として付与されるクエスト名を通知する。この場合、プレイヤは、ランキングクエストの編成を実現するために、他のクエストをプレイすることになる。
また、他の方法の一つとして、抽選がある。ただし、抽選は、予め定めた確率でしか取得できないので、必ず取得できるとは限らない。抽選は、有償の場合と無償の場合がある。
この他、ゲームの種類によっては、他のプレイヤから借りる方法や交換する方法も通知の内容に含まれる。
【0111】
図16は、クエストのクリア後に表示される表示画面25の一例を説明する図である。
図16に示す表示画面25は、表示画面25A、24Bで構成される。
表示画面25Aは、クエストのクリアの直後に表示される画面である。表示画面25Aは、「クリア!」等のプレイ結果251と、他のデッキ構成の提示欄252を含んでいる。
図16の場合、提示欄252には、「以下のデッキは、ランキング80位のプレイヤが使用した構成です。」、「入賞を狙えるぞ。」とのメッセージと、デッキの候補が示されている。
図16の場合、デッキの候補として、4体のゲーム媒体GP、GQ、GR、GSが提示されている。
【0112】
図16の場合、提示を受けたプレイヤは、ゲーム媒体GSを所持していない。
このため、2つ目の表示画面25Bが表示されている。なお、ゲーム媒体GSは、他のゲーム媒体の一例である。
表示画面25Bには、ゲーム媒体GSを取得するための情報253として「所持していないゲーム媒体GSは、以下の手法で入手が可能です。」と、「1.購入 2.クエストCCのクリア 3.抽選(確率は1/1000です)」とが表示されている。
図16の場合、入手の手法は3種類であり、入手の容易な順番に提示される。なお、入手の手法が常に3つとは限らない。
【0113】
図17は、クエストのクリアに失敗した後に表示される表示画面26の一例を説明する図である。
図17に示す表示画面26は、表示画面26A、26Bで構成される。
表示画面26Aは、クエストのクリアに失敗した直後に表示される画面である。表示画面26Aは、「残念!」等のプレイ結果261と、他のデッキ構成の提示欄262を含んでいる。
図17の場合、提示欄262には、「以下のデッキでクリアしたプレイヤがいるぞ。」とのメッセージと、デッキの候補が示されている。
図17の場合、デッキの候補として、4体のゲーム媒体GT、GU、GV、GWが提示されている。
【0114】
図17の場合、提示を受けたプレイヤは、ゲーム媒体GWを所持していない。
このため、2つ目の表示画面26Bが表示されている。なお、ゲーム媒体GWは、他のゲーム媒体の一例である。
表示画面26Bには、ゲーム媒体GWを取得するための情報263として「所持していないゲーム媒体GWは、以下の手法で入手が可能です。」と、「1.購入 2.抽選(確率は1/3000です)」とが表示されている。
図17の場合、入手の手法は2種類であり、入手の容易な順番に提示される。
【0115】
<ランキングクエストの期間中及び終了時の処理>
図18は、ランキングクエストの開始後に実行される処理動作を説明するフローチャートの一例を示す。
ランキングクエスト(以下「クエスト」という。)が開始されると、プロセッサ11は、クエストの開催期間が終了したか否かを判定する(ステップ21)。
クエストの開催期間が終了した場合、プロセッサ11は、ステップ21で肯定結果を得る。一方、クエストの開催期間が終了していない場合、プロセッサ11は、ステップ21で否定結果を得る。
【0116】
ステップ21で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、クエストのクリアを検出したか否かを判定する(ステップ22)。
クエストのクリアを検出した場合、プロセッサ11は、ステップ22で肯定結果を得る。一方、クエストのクリアを検出しない場合、プロセッサ11は、ステップ22で否定結果を得る。
ステップ22で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ステップ21に戻る。このループ処理は、ステップ22で肯定結果が得られるまで繰り返される。
クエストをクリアしたプレイヤが出現すると、ステップ22で肯定結果が得られる。
【0117】
ステップ22で肯定結果が得られると、プロセッサ11は、クエストをクリアしたプレイヤ情報111(
図3参照)を取得する(ステップ23)。ここでは、プレイヤ情報111として、例えばアカウント111A(
図3参照)、デッキ構成114E4(
図3参照)、編成ポイント111E5(
図3参照)が取得される。
プレイヤ情報が取得されると、プロセッサ11は、プレイヤの編成ポイント111E5等に基づいてランキング情報116(
図6参照)を更新する(ステップ24)。具体的には、クエストをクリアしたプレイヤのうちプレイに使用したデッキの編成ポイントが最も小さいプレイヤをランキングの1位に設定する。以下、昇順にランキングが決定される。
【0118】
なお、編成ポイントが同じ値のプレイヤが複数人いる場合、編成ポイント以外の情報、例えばプレイヤ情報111の他の属性やクリア時間を使用してプレイヤ間の順位を決定する。例えばクエストの障害要素との相性が悪いゲーム媒体を使用したプレイヤが上位にランキングされる。また、その他の情報によっても同じ順位に複数人のプレイヤが残る場合には、クリア時間が短いプレイヤが上位にランキングされる。
ステップ24の実行後、プロセッサ11は、ステップ21に戻る。
ステップ21で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ランキング情報116の所定の順位(例えば100位)までのプレイヤを読み出す(ステップ25)。
この後、プロセッサ11は、該当するプレイヤに、予め定めた特典を付与する(ステップ26)。
【0119】
<通知の設定>
図19は、通知機能の設定画面27の一例を説明する図である。
図19に示す設定画面27は、例えば「その他」ボタン217(
図8参照)の操作により表示される。
設定画面27は、タイトル欄271と、設定項目欄272と、設定内容欄273とで構成される。
図19の場合、タイトル欄271には「その他」と表示され、「その他」ボタン217との関連性が示されている。
【0120】
図19の場合、設定項目欄272には、「基本設定」、「クエスト設定」、「通知設定」の3つが配置されており、これらのうち「通知設定」だけがハイライトで表示されている。ハイライト表示は、選択されていることを示す。つまり、設定が可能な状態であることを示している。
図19では、ハイライト表示を太枠で示している。
なお、「基本設定」と「クエスト設定」は、グレイアウトで表示されている。グレイアウト表示は、選択されていないことを示す。
図19では、グレイアウト表示を細枠で示している。
【0121】
図19の場合、設定内容欄273には、項目273A、273Bの2つが表示されている。
項目273Aは、「ランキングクエストの入賞圏内から入賞圏外への転出通知」であり、通知が「オン」に設定されている。
項目273Bは、「入賞の可能性が高いランキングクエストの通知」であり、通知機能が有効に設定されている。機能の有効は「オン」で示される。
なお、通知機能が無効に設定される場合には、「オフ」で示される。
【0122】
図20は、ランキングクエストの入賞圏内から入賞圏外への転出通知(以下「転出通知」という。)を実現する情報処理の一例を説明するフローチャートである。
プロセッサ11は、クエストの開催期間が終了したか否かを判定する(ステップ31)。クエストの開催期間が終了した場合、プロセッサ11は、肯定結果を得る。一方、クエストの開催期間が終了していない場合、プロセッサ11は、否定結果を得る。
転出通知は、クエストの開催期間中に実行する機能である。このため、ステップ31で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、入賞圏内から入賞圏外に転出したプレイヤを検出したか否かを判定する(ステップ32)。ステップ32の判定は、全てのプレイヤについて実行される。
【0123】
入賞圏内であったことは、プレイヤ情報111(
図3参照)の最高順位111F(
図3参照)から検出が可能である。
入賞圏外になったことは、ランキング情報116の該当プレイヤの現在順位から検出が可能である。
最高順位111Fがプレイ時の入賞圏内であった記録がある一方で、該当するプレイヤの最高位のランキング順位が入賞圏外であった場合、プロセッサ11は、ステップ32で肯定結果を得る。なお、最高順位111Fがプレイ時の入賞圏内でない場合や現在のランキング順位も入賞圏内の場合、プロセッサ11は、ステップ32で否定結果を得る。
【0124】
ステップ32で否定結果が得られている場合、プロセッサ11は、ステップ31に戻る。
ステップ32で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、該当するプレイヤは、転出通知の設定ありのプレイヤか否かを判定する(ステップ33)。
転出通知の設定があるプレイヤの場合、プロセッサ11は、ステップ33で肯定結果を得る。一方、転出通知の設定がないプレイヤの場合、プロセッサ11は、ステップ33で否定結果を得る。
ステップ33で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ステップ31に戻る。
【0125】
ステップ33で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、該当プレイヤに入賞圏外への転出を通知する(ステップ34)。プレイヤへの通知は、例えばプレイ画面に表示される。なお、プレイヤへの通知は、メールやショートメッセージを使用してもよい。
次に、プロセッサ11は、該当プレイヤの最高順位111Fを最新の順位に更新する(ステップ35)。ここでの更新により、プレイヤ情報111の最高順位111Fは、入賞圏外の順位に更新される。その後、プロセッサ11は、ステップ31に戻る。
なお、ステップ31で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、入賞圏外への転出通知を終了する。
【0126】
図21は、ユーザ端末20のディスプレイに表示される転出通知画面28の一例を説明する図である。
図21の場合、「お知らせ」とのタイトルが付いたメッセージ欄281が表示されている。メッセージ欄281には「プレイヤAAさんのランキング順位が入賞圏外に転落しました。」、「ランキングクエストは、5/11までプレイ可能です。」、「再挑戦して上位を狙おう!」と記載されている。この例では、ランキング順位が入賞圏外に転出したこと、クエストの開催期間、再プレイのススメが通知されている。
この機能により、プレイヤは、ランキング順位を定期的に確認する負担から開放される。また、この機能により、入賞圏外への転出に気づくのに遅れずに済み、入賞する可能性を高めることができる。
【0127】
<デッキの構成に応じたクエストの提示>
図22は、デッキの構成に応じたクエストの提示を実現する情報処理の一例を説明するフローチャートである。
プロセッサ11は、デッキが編成されたか否かを判定する(ステップ41)。例えばデッキを構成する4つのゲーム媒体の指定があったか否かが判定される。
デッキが編成されたと判定された場合、プロセッサ11は、ステップ41で肯定結果を得る。一方、デッキが編成されていないと判定された場合、プロセッサ11は、ステップ41で否定結果を得る。
ステップ41で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ステップ41の判定を繰り返す。
【0128】
ステップ41で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、デッキの編成ポイントを取得する(ステップ42)。
次に、プロセッサ11は、開催中のランキングクエストの入賞ラインの編成ポイントの情報を取得する(ステップ43)。開催中のランキングクエストが1つの場合、入賞ラインの編成ポイントは1つだけである。
続いて、プロセッサ11は、プレイヤが編成したデッキの編成ポイントと入賞ラインとの差が小さいランキングクエストを特定して通知する(ステップ44)。通知するランキングクエストの数は1つでも複数でもよい。
【0129】
もっとも、編成ポイントと入賞ラインとの差が最小のランキングクエストであっても、その差が予め定めた基準よりも大きい場合には、入賞できる可能性は低くなる。このため、算出された差が予め定めた基準より大きい場合には、特定されたランキングクエストをプレイヤに通知しない設定とすることも可能である。この機能を設けることにより、入賞の可能性が高いランキングクエストだけをプレイヤに通知することができる。
【0130】
図23は、デッキの構成に応じたクエストの提示画面29の一例を説明する図である。
図23には、
図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
図23に示す提示画面29の場合、編成されたデッキの構成に対するメッセージ欄291として「オススメは、ランキングクエストCとDです。」、「上位を狙えます。」が表示されている。
このメッセージ欄291を見たプレイヤは、入賞の可能性が高いランキングクエストをプレイの前に知ることができる。提示されるランキングクエストのプレイ時における入賞の可能性は、各ランキングクエストに設けられている障害要素に応じた編成ポイントの調整後に行う。調整後の編成ポイントを用いることで入賞の可能性の判定精度を高めることができる。
【0131】
<デッキの編成に関するその他の機能1>
図24は、既存のデッキの再編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。この機能は、編成ポイントは小さくなる方がプレイヤの入賞の可能性を高めるという観点から設けられる。
このため、プロセッサ11は、編成後のデッキの編成ポイントが編成前の編成ポイントより高いか否かを判定する(ステップ51)。
編成前よりも編成後の編成ポイントが高くなる場合、プロセッサ11は、ステップ51で肯定結果を得る。一方、編成前よりも編成後の編成ポイントが低くなる場合、プロセッサ11は、ステップ51で否定結果を得る。
【0132】
ステップ51で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、編成後のデッキの編成ポイントが、編成前の編成ポイントより高くなる旨を通知する(ステップ52)。この通知により、プレイヤは、編成後のデッキの構成でプレイしても、既存のデッキよりも高いランキング順位を得られないことに気づくことが可能になる。
ステップ51で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、プレイヤへの通知を行うことなく、処理を終了する。ステップ52を実行したプロセッサ11も同様である。
【0133】
図25は、プレイヤによる編成後に表示される通知画面30の一例を説明する図である。
図25には、
図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
通知画面30には、プレイヤの注意を喚起するメッセージ欄301が表示される。
図25に示すメッセージ欄301には、「前回プレイ(編成開始前)よりも編成ポイントが上がってます。」、「このままでOKですか?」と表示されている。
なお、編成前よりも編成ポイントが高いデッキの構成を意図的に選択するプレイヤも存在する。このため、メッセージ欄301には、現在のデッキの構成のまま使用する「はい」ボタン301Aと、現在のデッキの構成に修正を加える「いいえ」ボタン301Bが用意されている。
【0134】
<デッキの編成に関するその他の機能2>
図26は、デッキの編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。この機能は、デッキの編成の開始時に実行される。
まず、プロセッサ11は、該当プレイヤが所持するゲーム媒体の情報を取得する(ステップ61)。
続いて、プロセッサ11は、ランキングクエストのプレイか否かを判定する(ステップ62)。
プレイヤがプレイするクエストがランキングクエストの場合、プロセッサ11は、ステップ62で肯定結果を得る。一方、プレイヤがプレイするクエストが非ランキングクエストの場合、プロセッサ11は、ステップ62で否定結果を得る。
【0135】
ステップ62で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、進化前のゲーム媒体によるデッキの編成を許可する(ステップ63)。具体的には、進化前のゲーム媒体のアイコンを「デッキ一括編成」画面23A等に表示する。
なお、ステップ62で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、そのまま処理を終了する。このため、進化前のゲーム媒体によるデッキの編成は許可されない。具体的には、進化前のゲーム媒体のアイコンは、「デッキ一括編成」画面23A等に表示されない。
【0136】
図27は、非ランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面23A1とランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面23A2の表示例を説明する図である。
図27には、
図10との対応部分に対応する符号を付して示している。
図27では、ゲーム媒体がゲーム媒体GAの場合を例示している。ゲーム媒体GAは6段階に進化する。
図27では、進化レベル1のゲーム媒体GAを「GA-1」と表示し、進化レベル1から進化した進化レベル2のゲーム媒体GAを「GA-2」と表示し、進化レベル2から進化した進化レベル3のゲーム媒体GAを「GA-3」と表示する。以下同様に、進化レベル4のゲーム媒体を「GA-4」と表示し、進化レベル5のゲーム媒体GAを「GA-5」と表示し、進化レベル6のゲーム媒体を「GA-6」と表示する。
【0137】
現在の進化レベルは、進化レベル5である。
このため、非ランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面23A1では、「GA-5」のラベルが付いたアイコンだけが表示されている。
一方、ランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面23A2では、現在の進化レベルだけでなく、進化前のゲーム媒体の選択も許可される。このため、ランキングクエスト用の「デッキ一括編成」画面23A2には、「GA-5」のラベルが付いたアイコンだけでなく、「GA-4」、「GA-3」、「GA-2」、「GA-1」のラベルが付いたアイコンも表示されている。
【0138】
<デッキの編成に関するその他の機能3>
図28は、デッキの編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。この機能は、プレイヤがゲーム媒体を指定するたびに、デッキの構成に必要な残りのゲーム媒体の候補を提示することにより、プレイヤによるデッキの編成を支援する。
この機能が有効である場合、プロセッサ11は、デッキの編成画面において、ゲーム媒体の指定を受け付ける(ステップ71)。
次に、プロセッサ11は、デッキの編成の終了か否かを判定する(ステップ72)。ステップ71の提示に基づく新たなゲーム媒体の指定によりデッキを構成する4体のゲーム媒体が揃った場合、プロセッサ11は、ステップ72で肯定結果を得る。一方、デッキを構成する4体のゲーム媒体が揃わない場合、プロセッサ11は、ステップ72で否定結果を得る。
【0139】
ステップ72で否定結果が得られた場合、プロセッサ11は、指定済みのゲーム媒体の情報を取得する(ステップ73)。ここでの指定は、4体のうち、1~3体のゲーム媒体の指定を想定する。
続いて、プロセッサ11は、指定済みのゲーム媒体の情報に基づいて、残りのゲーム媒体の候補を選定して提示する(ステップ74)。提示する候補は、例えばデッキの能力を示す編成ポイントが目標値に一致するように選定される。目標値には、例えばプレイヤが前回のプレイで使用したデッキの編成ポイント、入賞ラインに対応する編成ポイントがある。ステップ74の実行後、プロセッサ11は、ステップ71に戻る。
なお、ステップ72で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、一連の処理を終了する。
【0140】
図29は、デッキの編成中に表示される通知画面の一例を説明する図である。
図29には、
図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
通知画面31は、2つ目のゲーム媒体が指定された時点の画面31Aと、2つ目のゲーム媒体の指定に応じて表示される画面31Bとで構成される。
画面31Aでは、4体のうちの2体が指定された状態を表している。なお、画面31Aの場合、ゲーム媒体GA、GBが指定されている。
【0141】
この状態で、画面31Aは、画面31Bに切り替わる。画面31Bには、プレイヤによるゲーム媒体の指定を支援するメッセージ欄311が表示されている。
図29に示すメッセージ欄311には、「ゲーム媒体GA、GBとの相性を考慮すると、ゲーム媒体GH(能力ポイント9)がオススメ。」、「攻撃力もアップするぞ。」と表示されている。
プレイヤは、メッセージ欄311の表示により、次に指定するゲーム媒体の選択が容易になる。
【0142】
<デッキの編成に関するその他の機能4>
図30は、既存のデッキの編成を支援する機能の一例を説明するフローチャートである。この機能は、プレイヤが既存のデッキを構成するゲーム媒体の一部を他のゲーム媒体に入れ替えるプレイヤを支援する。
この機能が有効である場合、プロセッサ11は、デッキの編成画面において、該当プレイヤが所持するゲーム媒体の情報を取得する(ステップ81)。
【0143】
次に、プロセッサ11は、次のプレイで使用しないゲーム媒体の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップ82)。ゲーム媒体の指定は、一度に1つに限らず、一度に複数でもよい。
次のプレイで使用しないゲーム媒体の指定があった場合、プロセッサ11は、ステップ82で肯定結果を得る。一方、次のプレイで使用しないゲーム媒体の指定を受け付けない場合、プロセッサ11は、ステップ82で否定結果を得る。
【0144】
ステップ82で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、ランキングクエストのプレイか否かを判定する(ステップ83)。
ランキグンクエストのプレイである場合、プロセッサ11は、ステップ83で肯定結果を得る。一方、ノーマルクエストのプレイである場合、プロセッサ11は、ステップ83で否定結果を得る。
【0145】
ステップ83で肯定結果が得られた場合、プロセッサ11は、指定されたゲーム媒体の能力以下のゲーム媒体を提示する(ステップ84)。
この提示の参照により、プレイヤは、現在の構成よりも編成ポイントが小さくなるデッキを容易に編成できる。また、提示されたゲーム媒体の能力ポイントは、デッキを構成する他のゲーム媒体の選定の参考になる。その結果、効率的にデッキを編成することが可能になる。
【0146】
図31は、デッキの編成中に表示される通知画面の一例を説明する図である。
図31には、
図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
通知画面32は、次のプレイで使用しないゲーム媒体が指定された時点の画面32Aと、次のプレイで使用しないゲーム媒体の画面32Aからの消去後に表示される画面32Bとで構成される。
画面32Aでは、4体のゲーム媒体GA、GB、GC、GDのうちゲーム媒体GCが次のプレイで使用しないゲーム媒体として指定された状態を表している。画面32Aでは、次のプレイで使用しないゲーム媒体GCの指定を破線で示している。
【0147】
この状態で、画面32Aは、画面32Bに切り替わる。画面32Bには、プレイヤによるゲーム媒体の指定を支援するメッセージ欄321が表示されている。
図31に示すメッセージ欄321には、「ゲーム媒体GA、GB、GDとの相性を考慮すると、ゲーム媒体GKがオススメ!」、「編成ポイントは「40」になります。」と表示されている。
プレイヤは、メッセージ欄321の表示により、次に指定するゲーム媒体の選択が容易になる。
【0148】
<他の実施の形態>
発明の形態は、前述した実施の形態に限らない。
(1)前述の実施の形態の動作例では、対象とするクエスト(ランキングクエスト)をプレイ可能な期間が終了した時点でランキングの順位を確定させているが、各プレイヤが対象とするクエストをクリアした時点で所定の順位以内かを判定して特典を付与してもよい。
【0149】
(2)前述の実施の形態の動作例では、4体のゲーム媒体で構成されるデッキを使用してクエストをプレイしているが、1体のゲーム媒体のみでクエストのプレイが可能でもよい。この場合、クエストをクリアしたプレイヤ間では、プレイに使用したゲーム媒体の能力がより低いプレイヤに対する特典の付与が優遇される。
【0150】
(3)前述の実施の形態では、1人のプレイヤPが1台のユーザ端末20を操作してゲームをプレイする場合について説明したが、1人のプレイヤPが複数台のユーザ端末20を操作する形態のゲームでもよい。例えば2台のスマートフォンを連携し、一方のスマートフォンにゲーム画面を表示し、他方のスマートフォンに操作画面を表示さてもよい。
【0151】
(4)前述の実施の形態では、デッキの能力を示す「編成ポイント」を使用してランキングを決定したが、1つのゲーム媒体(キャラクタ)でプレイする場合や1つのゲーム媒体でプレイするクエストの場合には、ゲーム媒体の特定の属性の能力ポイントやその他の属性の能力ポイントを総合的に評価した値を使用してランキングを決定してもよい。この場合における「総合的に評価した値」は、所定パラメータの一例となる。
【0152】
(5)前述の実施の形態では、候補通知部107が提示する他のゲーム媒体の能力ポイントが、クリアに失敗したデッキを構成するゲーム媒体の能力ポイントと同じ場合について説明したが、能力ポイントが相対的に低くなるゲーム媒体を提示してもよい。その場合、クエストのクリアの難易度が上がる。一方で、能力ポイントが相対的に高くなるゲーム媒体を提示してもよい。その場合、クエストのクリアの難易度は下がるが、クリアできたとしても上位へのランクインは難しくなる。
【0153】
(6)前述の実施の形態では、「体力(HP)」、「攻撃力」、「スピード」を用いてゲーム媒体の能力ポイントを評価したが、「防御力」や「希少度」を用いてゲーム媒体の能力ポイントを評価してもよい。その場合、防御力の大きい数値には能力ポイントとして「6」を与え、小さい数値には能力ポイントとして「1」を与える。例えば「希少度」が高いほど、能力ポイントに低い値を付与する。例えば希少度が高いゲーム媒体には能力ポイントとして「1」を与え、希少度が低いゲーム媒体には能力ポイントとして「6」を与える。
【0154】
(7)前述の実施の形態では、ゲーム媒体の能力ポイントを「1」~「6」で表現したが、能力ポイントを表す範囲はこれに限らない。例えば「1」~「10」でもよい。また、能力ポイントは、自然数に限らず、小数点表示が可能でもよい。
【0155】
(8)前述の実施の形態では、サーバ10でコンピュータゲームを実行しているが、ユーザ端末20で実行させてもよい。
【0156】
(9)前述の実施の形態では、デッキの能力を表す編成ポイントがデッキを構成するゲーム媒体の各能力ポイントの合計値に正比例する場合について説明したが、逆比例する関係でもよい。この場合、特典は編成ポイントの最高値から降順に所定の順位まで付与される。
【0157】
(10)前述の実施の形態では、デッキを4体のゲーム媒体で構成する場合について説明したが、デッキを構成するゲーム媒体は2体でも3体でもよく、5体以上でもよい。
【0158】
<まとめ>
以下に、実施の形態で説明した情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴を示す。
【0159】
(1)情報処理装置は、ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、当該能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して当該達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する制御部を有する。
この情報処理装置により、ゲームの進行に関する能力が相対的に低いゲーム媒体を使用したプレイを促進できる。
【0160】
(2)前述した情報処理装置において、制御部は、2以上のゲーム媒体を含むデッキを使用して達成条件が達成された場合、2以上のゲーム媒体の各能力に基づくデッキの能力が低いプレイヤに対し、デッキの能力が高いプレイヤよりも特典を優遇する。
この機能により、情報処理装置は、ゲームのプレイに使用するデッキを構成するゲーム媒体として、ゲームの進行に関する能力が相対的に低いゲーム媒体を使用したプレイを促進できる。
【0161】
(3)前述した情報処理装置において、制御部は、特定ゲームにおける障害要素の影響を受け易い能力を有するゲーム媒体を使用して達成条件を達成したプレイヤに対し、障害要素の影響を受け難い能力を有するゲーム媒体を使用して達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する。
この機能により、情報処理装置は、特定ゲームの障害要素の影響を受け易いゲーム媒体を使用したプレイを促進できる。
【0162】
(4)前述した情報処理装置において、ゲーム媒体の能力の評価を、耐性を有する特定の障害要素を含む第1の特定ゲームのプレイに使用する場合と、当該特定の障害要素を含まない第2の特定ゲームのプレイに使用する場合とで変更する評価部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、特定ゲームの障害要素の影響を受け易いゲーム媒体を使用したプレイを促進できる。
【0163】
(5)前述した情報処理装置において、制御部は、達成条件の達成に使用したゲーム媒体の能力に対応する所定パラメータをプレイヤ毎に記憶させ、所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに対して特典を付与する。
この機能により、情報処理装置は、より能力が低いゲーム媒体を使用して達成条件を達成したプレイヤに特典を付与できる。
【0164】
(6)前述した情報処理装置において、達成条件を達成できなかったプレイヤに対し、特定ゲームのプレイに使用したゲーム媒体の能力に基づいて決定した他のゲーム媒体を通知する通知部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、プレイに使用するゲーム媒体を変更する機会を与えることができる。
【0165】
(7)前述した情報処理装置において、通知部は、特定ゲームのプレイに使用した2以上のゲーム媒体の中から特定ゲームの次プレイに使用しないゲーム媒体の指定を受け付けた場合、指定されたゲーム媒体と入れ替える他のゲーム媒体の候補を提示する。
この機能により、情報処理装置は、プレイヤによるゲーム媒体の入れ替えを支援できる。
【0166】
(8)前述した情報処理装置において、通知部は、達成条件を達成した他のプレイヤがプレイに使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキのうち、デッキの能力が、達成条件を達成できなかったプレイヤがプレイに使用したデッキの能力以下であるデッキを、他のデッキの候補として提示する。
この機能により、情報処理装置は、特典が付与される可能性を高めるデッキの候補を提示できる。
【0167】
(9)前述した情報処理装置において、通知部は、他のデッキの候補として、達成条件を達成できなかったプレイヤがプレイに使用したデッキのゲーム媒体を少なくとも1以上含むデッキを提示する。
この機能により、情報処理装置は、提示を受けるプレイヤとの親和性を高めることができる。
【0168】
(10)前述した情報処理装置において、達成条件を達成したプレイヤに対し、プレイヤが使用したゲーム媒体の能力よりも能力が低い他のゲーム媒体を通知する通知部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、特典が付与される可能性を高めるゲーム媒体の候補を提示できる。
【0169】
(11)前述した情報処理装置において、通知部は、2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する画面において、達成条件を達成したプレイヤがプレイに使用したデッキよりも、デッキの能力が低くなる他のゲーム媒体の候補を提示する。
この機能により、情報処理装置は、特典が付与される可能性を高めるデッキの候補を提示できる。
【0170】
(12)前述した情報処理装置において、通知部は、デッキを編成する画面を通じ、プレイヤがデッキを構成するゲーム媒体の候補を選択するたびに、選択に基づいて更新された他のゲーム媒体の候補を提示する。
この機能により、情報処理装置は、デッキを構成する複数のゲーム媒体の組み合わせを考慮した候補を提示できる。
【0171】
(13)前述した情報処理装置において、デッキは前記プレイヤが所持するゲーム媒体により構成され、通知部は、他のゲーム媒体の候補をプレイヤが所持しない場合、他のゲーム媒体を取得するための情報を提示する。
この機能により、情報処理装置は、提示するデッキの構成の実現を支援できる。
【0172】
(14)前述した情報処理装置において、通知部は、2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する画面を通じて編成されたデッキの能力が、達成条件の達成に使用されたデッキの能力よりも高くなる場合、その旨を通知する。
この機能により、情報処理装置は、特典が付与される可能性を高めるデッキの候補を提示できる。
【0173】
(15)前述した情報処理装置において、達成条件の達成に使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に対応する所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合、デッキを編成する画面に、所定の順位に対応するプレイヤの所定パラメータの情報を提示する提示部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、編成するデッキの構成の目安を提示できる。
【0174】
(16)前述した情報処理装置において、達成条件の達成に使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に対応する所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合、デッキを編成する画面に、所定の順位に対応する所定パラメータが得られるデッキを構成する2以上のゲーム媒体の候補を提示する通知部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、特典が付与される可能性を高める2以上のゲーム媒体の候補を提示できる。
【0175】
(17)前述した情報処理装置において、達成条件の達成に使用した2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に対応する所定パラメータにより定まる順位が所定の順位以上のプレイヤに特典を付与する場合、所定の順位以上であったプレイヤの順位が、特定ゲームのプレイ期間が終了するまでの間に所定の順位外に低下したとき、該当するプレイヤにその旨を通知する通知部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、特定ゲームのプレイ期間が終了する前に特典が付与される順位からの転落を気づかせることができる。
【0176】
(18)前述した情報処理装置において、特定ゲームのプレイに使用する2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する第1画面では、プレイヤが所持するゲーム媒体を、現在よりも能力が低い状態で選択可能とし、特定ゲームとは異なるゲームのプレイに使用する2以上のゲーム媒体を含むデッキを編成する第2画面では、プレイヤが所持するゲーム媒体を、現在よりも能力が低い状態では選択不可とする、選択受付部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、特定ゲームをプレイするプレイヤには、特典が付与される可能性を高めるゲーム媒体の選択を可能にできる。
【0177】
(19)前述した情報処理装置において、2以上のゲーム媒体を含むデッキの能力に応じ、当該デッキを使用して前記達成条件が達成された場合に特典が付与される可能性が高いゲームを通知する通知部を更に有する。
この機能により、情報処理装置は、特典が付与される可能性が高いゲームをプレイ前に知らせることができる。
【0178】
(20)コンピュータが、ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する処理を実行する情報処理方法を提供できる。
【0179】
(21)コンピュータに、ゲームの進行に関する能力が低い1以上のゲーム媒体を使用して特定ゲームの達成条件を達成したプレイヤに対し、能力が高い1以上のゲーム媒体を使用して達成条件を達成したプレイヤよりも特典を優遇する機能、を実現させるためのプログラムを実現できる。
【符号の説明】
【0180】
1…ゲームシステム、10…サーバ、11…プロセッサ、12…メモリ、13…補助記憶装置、14…通信インタフェース、15…信号線、20…ユーザ端末、101…受付部、102…ゲーム進行部、103…画像生成部、104…特典付与制御部、105…能力評価部、106…能力表示部、107…候補通知部、108…ランキング情報提示部、109…選択受付部、110…記憶部、111…プレイヤ情報、112…クエスト情報、113…ゲーム媒体情報、114…属性値/能力ポイント変換テーブル、115…調整テーブル、116…ランキング情報、N…ネットワーク