(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170394
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】電子装置等
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
B60R11/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082116
(22)【出願日】2022-05-19
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】石橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】上 三千洋
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩二
(72)【発明者】
【氏名】黒田 秀平
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA20
3D020BC04
(57)【要約】
【課題】従来とは異なる技術を提供することで、例えば、筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えつつ、ケーブルを筐体側から抜けにくくすることである。
【解決手段】通信装置15は、第1コネクタ部を内部に有し、外部のケーブル600が有する第2コネクタ部610を前記第1コネクタ部に装着するための孔が形成された筐体150と、筐体150、及びケーブル600の外部に配置され、第2コネクタ部610の前記第1コネクタ部からの離脱を阻害する部材としてのケーブルストッパ700とを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタ部を内部に有し、外部のケーブルが有する第2コネクタ部を前記第1コネクタ部に装着するための孔が形成された筐体と、
前記筐体、及び前記ケーブルの外部に配置され、前記第2コネクタ部の前記第1コネクタ部からの離脱を阻害する部材と
を有する電子装置。
【請求項2】
前記阻害する部材は、
前記第1コネクタ部に装着された前記第2コネクタ部に対して、前記筐体側に押し当てる力を作用させる
請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記阻害する部材は、
前記第2コネクタ部の外周部のうち、前記第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部又は全部を囲むことにより、前記筐体側に押し当てる力を作用させる
請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記筐体は、前記孔の周囲に設けられた装着部を有し、
前記阻害する部材は、
前記第2コネクタ部の外周部のうち、前記第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部又は全部を囲む第1部位を有し、前記装着部に前記第1部位を着脱可能に構成される
請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記装着部は、
前記筐体の前記孔の周囲から突出した部位を有し、
前記第1部位は、
変形可能な素材で形成され、前記装着部を外側から覆うようにして前記装着部に装着され、前記装着部の内側に向かう方向の力を作用させる
請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記阻害する部材は、
所定の固定具を用いて前記筐体側に固定される
請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記固定具はネジであり、
前記ネジが挿入されるネジ孔が、前記阻害する部材において前記筐体側とは異なる方向に延びるようにして形成されている
請求項6に記載の電子装置。
【請求項8】
前記第1部位は、
前記第2コネクタ部の外周部のうち、前記第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部を囲み、
前記阻害する部材は、
前記第1部位の前記周方向における一端側に連結された第2部位と、
前記第1に記載の部位の前記周方向における他端側に連結された第3部位と
を有し、
前記第2部位、及び前記第3部位には、前記ネジ孔が形成され、
前記ネジ孔に挿入された前記ネジを締めることにより、前記筐体側に押し当てる力を作用させるように構成されている
請求項7に記載の電子装置。
【請求項9】
前記第1部位は、
変形可能な素材で形成され、
前記阻害する部材は、
前記第1部位を変形させることにより、前記第2部位と前記第3部位との間の空間を介して、前記第1部位の内部に前記ケーブルを通すことができるように構成されている
請求項8に記載の電子装置。
【請求項10】
前記第1部位に第1係合部が形成され、
前記装着部は、
前記第1部位が前記装着部に装着されているときに前記第1コネクタ部からの前記第1コネクタ部の離脱を阻害するように前記第1係合部に係合する第2係合部が形成されている
請求項9に記載の電子装置。
【請求項11】
前記筐体は、
前記装着部と異なる位置に設けられ、前記第2部位及び前記第3部位の前記筐体側への固定に用いられる固定部を有する
請求項8から10のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項12】
前記固定部は、
前記筐体の前記装着部と異なる位置から突出しており、
前記第1部位が前記装着部に装着されているとき、前記第2部位と前記第3部位とにより挟まれた状態で、前記ネジを用いて前記第2部位及び前記第3部位を固定させるように構成されている
請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記固定部は、
前記阻害する部材の装着方向とは反対方向に向かって開口した内部空間を有し、
前記第1部位が前記装着部に装着されているとき、前記固定部が前記第2部位と前記第3部位とにより挟まれた状態で、前記内部空間を通る前記ネジを用いて固定される
請求項12に記載の電子装置。
【請求項14】
前記装着部、及び前記固定部は、前記装着部の同一面における互いに隣り合う位置に設けられている
請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記筐体は、
車両の所定の取付位置に取り付け可能に構成され、
前記筐体が前記取付位置に取り付けられた状態で、前記孔及び前記内部空間の開口部側が前記車両の車体側とは異なる方向に向かって開口している
請求項13に記載の電子装置。
【請求項16】
前記ケーブルは、電源線と信号線とを有し、
前記筐体の内部に、前記ケーブルの前記電源線を介して外部からの電力の供給を受けて動作し、前記信号線を介して外部に信号を出力する処理部を有する
請求項15に記載の電子装置。
【請求項17】
前記処理部は、
無線通信を行う通信処理部であり、
前記筐体は、
前記通信処理部と、前記通信処理部が行う無線通信に用いられる着脱可能な記憶媒体を保持する媒体保持部とを内部に有し、かつ
前記筐体は、
前記媒体保持部に前記記憶媒体を装着するための孔と、前記孔を含む位置に設けられ所定の蓋部材を着脱可能な凹部と、前記凹部に位置するネジ孔とが外面部に形成され、
さらに、
前記凹部に嵌め込み可能に形成され、前記ネジ孔に対応する位置に孔が形成されている蓋部材と、
前記蓋部材に被せて貼り付けられる目隠し用のシール部材と、
を有し、
前記蓋部材は、前記蓋部材の孔、及び前記凹部に位置するネジ孔に挿入されたネジを用いて、前記筐体に固定される
請求項16に記載の電子装置。
【請求項18】
前記目隠し用のシール部材は、
プラスチックシールである
請求項17に記載の電子装置。
【請求項19】
前記筐体の内部には、さらに前記通信処理部が無線通信に用いる第1アンテナ、及び第2アンテナが配置され、
前記筐体の内部に、前記通信処理部の第1方向側に前記第1アンテナが配置され、前記通信処理部の前記第1方向に交差する第2方向側に前記第2アンテナが配置され、
前記通信処理部の前記第1方向とは反対方向である第2方向側に、前記通信処理部、前記第1コネクタ部、及び前記媒体保持部が配置されている
請求項17に記載の電子装置。
【請求項20】
前記筐体は、車両に配置され、
前記筐体は、撮影部を有し、
前記ケーブルを用いて外部からの電力の供給を受けて動作する、又は信号の入力若しくは出力をする
請求項14に記載の電子装置。
【請求項21】
前記阻害する部材は、
前記筐体側から突出した突出部を有する
請求項20に記載の電子装置。
【請求項22】
前記筐体を前記車両の所定の取付位置に取り付けるための取付部材と、
前記筐体に対する締め付け具合に応じて、前記取付部材に対する前記筐体の姿勢を固定させる第1状態と、前記取付部材に対する前記筐体の姿勢を変更可能にする第2状態とを変更可能にさせる締め付け部材と、
を有し、
前記突出部は、前記締め付け部材に設けられ、前記第1状態のときに前記第2コネクタ部の前記第1コネクタ部からの離脱を阻害する
請求項21に記載の電子装置。
【請求項23】
前記第2コネクタ部は、
前記第1コネクタ部に対する着脱方向に対して配線の引き出し方向が所定の角度だけ折り曲げられる構成であり、
前記阻害する部材は、前記第1コネクタ部に装着された前記第2コネクタ部を、前記第2コネクタ部の離脱方向側から覆う部材である
請求項1又は2に記載の電子装置。
【請求項24】
前記阻害する部材は、所定の固定具を用いて前記筐体側に固定される
請求項23に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフト等の車両にカメラを搭載して撮影する技術がある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、従来とは異なる技術を提供することで、例えば、筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えつつ、ケーブルを筐体側から抜けにくくすることである。
【0005】
本発明の目的はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果を得ることを目的とする構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所を「~が課題である」と読み替えた課題が本明細書には開示されている。課題はそれぞれ独立したものとして記載しているものであり、各々の課題を解決するための構成についても単独で分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。課題が明細書の記載から黙示的に把握されるものであっても、本出願人は本明細書に記載の構成の一部を補正又は分割出願にて特許請求の範囲とする意思を有する。またこれら独立の課題を組み合わせた課題を解決する構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)第1コネクタ部を内部に有し、外部のケーブルが有する第2コネクタ部を前記第1コネクタ部に装着するための孔が形成された筐体と、前記筐体、及び前記ケーブルの外部に配置され、前記第2コネクタ部の前記第1コネクタ部からの離脱を阻害する部材とを有する電子装置が提供されるとよい。
【0007】
このようにすると、筐体、及びケーブルの外部に配置された部材により、筐体の内部に配置された第1コネクタ部から、ケーブルが有する第2コネクタ部が離脱することが阻害されるので、筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えつつ、ケーブルを筐体側から抜けにくくすることができる。例えば、ケーブルが抜けにくくしっかり固定するためのケーブルの固定構造を低コストにて提供することができる。阻害する部材としては、特にユーザの意図しないタイミングで、ケーブルが有する第2コネクタ部が筐体の内部の第1コネクタ部が離脱するのを妨げる機能を有する部材とするとよく、例えば、ユーザの手や足がケーブルに引っ掛かったり、ユーザが筐体を所定の位置に設置しようとしたときに(例えば、設置空間の奥の方に押し込んだときに)その筐体からケーブルが抜けたりすることを妨げる機能を有する部材とするとよい。このような阻害する部材としては、筐体側からケーブルが抜けにくくなるような機能を有する部材とするとよい。
【0008】
(2)前記阻害する部材は、前記第1コネクタ部に装着された前記第2コネクタ部に対して、前記筐体側に押し当てる力を作用させるとよい。
【0009】
このようにすると、筐体、及びケーブルの外部に配置された部材が、第1コネクタ部に装着された第2コネクタ部に対して、筐体側に押し当てる力を作用させるので、筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えつつ、ケーブルを筐体側からより抜けにくくすることとができる。
【0010】
(3)前記阻害する部材は、前記第2コネクタ部の外周部のうち、前記第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部又は全部を囲むことにより、前記筐体側に押し当てる力を作用させるとよい。
【0011】
このようにすると、阻害する部材が、第2コネクタ部の外周部のうち、第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部又は全部を囲む領域と接するので、面としての広がりを有する当該領域を介して、第2コネクタ部に対して筐体側に押しつける方向の力を効率的に作用させることができる。
【0012】
(4)前記筐体は、前記孔の周囲に設けられた装着部を有し、前記阻害する部材は、前記第2コネクタ部の外周部のうち、前記第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部又は全部を囲む第1部位を有し、前記装着部に前記第1部位を着脱可能に構成されるとよい。
【0013】
このようにすると、第2コネクタ部の外周部のうち、第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部又は全部を囲む領域と接する阻害する部材の第1部位が、筐体の孔の周囲に設けられた装着部に装着されることにより、筐体に対するケーブルの位置が固定されるので、この固定のための筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えることができる。
【0014】
(5)前記装着部は、前記筐体の前記孔の周囲から突出した部位を有し、前記第1部位は、変形可能な素材で形成され、前記装着部を外側から覆うようにして前記装着部に装着され、前記装着部の内側に向かう方向の力を作用させるとよい。
【0015】
このようにすると、阻害する部材の第1部位が、装着部を外側から覆うようにして装着部に装着され、変形可能な素材の性質も利用して装着部の内側に向かう方向の力を作用させるので、筐体に対してケーブルの位置を固定させるための筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えることができる。
【0016】
(6)前記阻害する部材は、所定の固定具を用いて前記筐体に固定されるとよい。
【0017】
このようにすると、阻害する部材が所定の固定具を用いて筐体側に固定されるので、ケーブルをより強固に筐体側に固定させることができる。例えば、固定具を用いた筐体への固定位置は、装着部の位置とは異なる位置とするとよい。
【0018】
(7)前記固定具はネジであり、前記ネジが挿入されるネジ孔が、前記阻害する部材において前記筐体側とは異なる方向に延びるようにして形成されているとよい。
【0019】
このようにすると、阻害する部材を筐体側に固定させるためのネジが挿入されるネジ孔が筐体側の内部の構造に与える影響を抑えることができる。
【0020】
(8)前記第1部位は、前記第2コネクタ部の外周部のうち、前記第2コネクタ部の着脱方向に交差する周方向における一部を囲み、前記阻害する部材は、前記第1部位の前記周方向における一端側に連結された第2部位と、前記第1部位の前記周方向における他端側に連結された第3部位とを有し、前記第2部位、及び前記第3部位には、前記ネジ孔が形成され、前記ネジ孔に挿入された前記ネジを締めることにより、前記筐体側に押し当てる力を作用させるように構成されているとよい。
【0021】
このようにすると、ネジの締め付け具合を調整することにより、第1部位の装着部への着脱や、阻害する部材の筐体側への固定をすることができ、阻害する部材の構成の構成の複雑化を抑え、また、ユーザの操作を簡便にすることができる。
【0022】
(9)前記第1部位は、変形可能な素材で形成され、前記阻害する部材は、前記第1部位を変形させることにより、前記第2部位と前記第3部位との間の空間を介して、前記第1部位の内部に前記ケーブルを通すことができるように構成されているとよい。
【0023】
このようにすると、ユーザは、阻害する部材が有する第2部位と第3部位とを離間させる操作をすることで、ケーブルを第1部位の内部に通したり、ケーブルを第1部位の内部から取り外したりすることができる。第1部位が変形可能な素材で形成されていることにより、ユーザはこのような操作を行うことができる。
【0024】
(10)前記第1部位に第1係合部が形成され、前記装着部は、前記第1部位が前記装着部に装着されているときに前記第1コネクタ部からの前記第1コネクタ部の離脱を阻害するように前記第1係合部に係合する第2係合部が形成されているとよい。
【0025】
このようにすると、第1部位が装着部に装着されているときに、第1コネクタ部から第2コネクタ部を離脱させる方向の力が作用したとしても、その離脱を阻害するように第1係合部と第2係合部とが係合しているので、その離脱をしにくくすることができる。
【0026】
(11)前記筐体は、前記装着部と異なる位置に設けられ、前記第2部位及び前記第3部位の前記筐体側への固定に用いられる固定部を有するとよい。
【0027】
このようにすると、装着部に加え、阻害する部材が有する第2部位及び第3部位も筐体側に固定されるので、阻害する部材を筐体側により強固に固定させることができる。
【0028】
(12)前記固定部は、前記筐体の前記装着部と異なる位置から突出しており、前記第1部位が前記装着部に装着されているとき、前記第2部位と前記第3部位とにより挟まれた状態で、前記ネジを用いて前記第2部位及び前記第3部位を固定させるように構成されているとよい。
【0029】
このようにすると、ユーザは、筐体の装着部とは異なる位置から突出した固定部を、第2部位と第3部位とで挟み、かつ固定具を用いて、固定部と第2部位と第3部位とを一体的にネジで固定すればよく、簡便な操作によって、筐体に対して阻害する部材を固定させることができる。
【0030】
(13)前記固定部は、前記阻害する部材の装着方向とは反対方向に向かって開口した内部空間を有し、前記第1部位が前記装着部に装着されているとき、前記固定部が前記第2部位と前記第3部位とにより挟まれた状態で、前記内部空間を通る前記ネジを用いて固定されるとよい。
【0031】
このようにすると、ユーザは、ケーブルに対して阻害する部材を取り付け、かつ阻害する部材の第2部位及び第3部位にネジを取り付けた状態で、当該阻害する部材を、装着部に装着し、かつ固定部の内部空間の開口側からその内部空間に進入させ、さらにそのネジを締めることで、筐体側に阻害する部材を固定させることができる。ユーザは、より簡便な操作によって、筐体に対して阻害する部材を固定させることができる。
【0032】
(14)前記装着部、及び前記固定部は、前記装着部の同一面における互いに隣り合う位置に設けられているとよい。
【0033】
このようにすると、ユーザは、阻害する部材の第1部位を装着部に装着し、かつこの装着部と同一面において隣り合う位置に設けられた固定部に対して第2部位と第3部位とを固定させればよく、より簡便な操作によって、筐体に対して阻害する部材を固定させることができる。
【0034】
(15)前記筐体は、車両の所定の取付位置に取り付け可能に構成され、前記筐体が前記取付位置に取り付けられた状態で、前記孔及び前記内部空間の開口側が前記車両の車体側とは異なる方向に向かって開口しているとよい。
【0035】
このようにすると、ユーザは、車両の所定の取付位置に筐体を取り付けた後においても、阻害する部材装着部に装着し、かつ固定部を用いて筐体側にその阻害する部材を固定させることができる。
【0036】
(16)前記ケーブルは、電源線と信号線とを有し、前記筐体の内部に、前記ケーブルの前記電源線を介して外部からの電力の供給を受けて動作し、前記信号線を介して信号の入力又は出力をする処理部を有するとよい。
【0037】
このようにすると、ケーブルの電源線を介して外部からの電力の供給を受けて動作し、信号線を介して信号の入力又は出力をする処理回路を有する電子装置の筐体に対して、ケーブルを固定させることができる。ユーザは、電源線と信号線とを有する1本のケーブルを筐体に接続すれば、電子装置を利用することができる。
【0038】
(17)前記処理部は、無線通信を行う通信処理部であり、前記筐体は、前記通信処理部と、前記通信処理部が行う無線通信に用いられる着脱可能な記憶媒体を保持する媒体保持部とを内部に有し、かつ前記筐体は、前記媒体保持部に前記記憶媒体を装着するための孔と、前記孔を含む位置に設けられ、所定の蓋部材を着脱可能な凹部と、前記凹部に位置するネジ孔とが外面部に形成され、さらに、前記凹部に嵌め込み可能に形成され、前記ネジ孔に対応する位置に孔が形成されている蓋部材と、前記蓋部材に被せて貼り付けられる目隠し用のシール部材と、を有し、前記蓋部材は、前記蓋部材の孔、及び前記凹部に位置するネジ孔に挿入されたネジを用いて、前記筐体に固定されるとよい。
【0039】
このようにすると、媒体保持部に通信処理部が行う無線通信に用いられる記憶媒体を装着した状態で、媒体保持部から記憶媒体が取り外されにくくするように凹部に対して蓋部材を固定させるとともに、かつ目隠し用のシールによってこの蓋部材、及び媒体保持部又は記憶媒体の存在を第三者に認識させにくくすることができる。
【0040】
(18)前記目隠し用のシール部材は、プラスチックシールであるとよい。
【0041】
このようにすると、蓋部材に対して繰り返しプラスチックシールを貼ることができなくなるので、媒体保持部から記憶媒体が盗まれようとしたこと、又は盗まれたことを発見しやすくすることができる。
【0042】
(19)前記筐体の内部には、さらに前記通信処理部が無線通信に用いる第1アンテナ、及び第2アンテナが配置され、前記筐体の内部に、前記通信処理部の第1方向側に前記第1アンテナが配置され、前記通信処理部の前記第1方向に交差する第2方向側に前記第2アンテナが配置され、前記通信処理部の前記第1方向とは反対方向である第2方向側に、前記通信処理部、前記第1コネクタ部、及び前記媒体保持部が配置されているとよい。
【0043】
このようにすると、媒体保持部が保持する記憶媒体に記憶されたデータに基づいて、通信処理部が第1アンテナと第2アンテナとを用いて無線通信を行う構成のもと、筐体の寸法の肥大化を抑制する効率的な部品配置を実現することができる。
【0044】
(20)前記筐体は、車両に配置され、前記筐体は、撮影部を有し、前記ケーブルを用いて外部からの電力の供給を受けて動作する、又は信号の入力若しくは出力をするとよい。
【0045】
このようにすると、ケーブルの電源線を介して外部からの電力の供給を受けて動作する、又は信号の入力若しくは出力をする車両に搭載される電子装置の筐体に対して、ケーブルを固定させることができる。特に、車両においては振動が発生しやすかったり、車室内という制約された空間での作業を必要としたりする、といった事情があることがあるが、これらを原因としてケーブルが筐体側から離脱してしまうのを抑制することができる。
【0046】
(21)前記阻害する部材は、前記筐体側から突出した突出部を有する。
【0047】
このようにすると、阻害する部材が筐体側と一体になっているので部品点数を少なくすしつつ、ケーブルが筐体側から離脱してしまうのを抑制することができる。筐体側から突出した突出部としては、筐体から突出した部位、又は筐体に一体的に取り付けられた部材から突出した部位とするとよい。
【0048】
(22)前記筐体を前記車両の所定の取付位置に取り付けるための取付部材と、前記筐体に対する締め付け具合に応じて、前記取付部材に対する前記筐体の姿勢を固定させる第1状態と、前記取付部材に対する前記筐体の姿勢を変更可能にする第2状態とを変更可能にさせる締め付け部材と、を有し、前記突出部は、前記締め付け部材に設けられ、前記第1状態のときに前記第2コネクタ部の前記第1コネクタ部からの離脱を阻害するとよい。
【0049】
このようにすると、阻害する部材が有する突出部が、取付部材に対する筐体の姿勢を固定させる又は変更可能にさせる締め付け部材に設けられているので、部品点数を少なくするとともに、ユーザが、取付部材に対する筐体の姿勢を固定させる第1状態にするように締め付け部材を締め付ける操作を行えば、ケーブルの離脱を抑えるための操作も同時に完了しているので、操作を簡便にすることができる。
【0050】
(23)前記第2コネクタ部は、前記第1コネクタ部に対する着脱方向に対して配線の引き出し方向が所定の角度だけ折り曲げられる構成であり、前記阻害する部材は、前記第1コネクタ部に装着された前記第2コネクタ部を、前記第2コネクタ部の離脱方向側から覆う部材であるとよい。
【0051】
このようにすると、第2コネクタ部が、L字型のコネクタに例示される第1コネクタ部に対する着脱方向に対して配線の引き出し方向が所定の角度だけ折り曲げられる構成である場合に、阻害する部材が、第2コネクタ部を、離脱方向側から覆う部材であることで、第2コネクタ部の離脱を抑えることができる。
【0052】
(24)前記阻害する部材は、所定の固定具を用いて前記筐体側に固定されるとよい。
【0053】
このようにすると、阻害する部材が、所定の固定具を用いて筐体側に固定されることにより、第1コネクタ部の離脱をより確実に抑えることができる。
【0054】
上述した(1)から(24)に示した発明は、任意に組み合わせることができる。例えば、(1)に示した発明の全て又は一部の構成に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加える構成としてもよい。特に、(1)に示した発明に、(2)以降の少なくとも1つの発明の少なくとも一部の構成を加えた発明とするとよい。また、(1)から(24)に示した発明から任意の構成を抽出し、抽出された構成を組み合わせてもよい。本願の出願人は、これらの構成を含む発明について権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしても、その場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらはよりよい構成の例を示しているものであって、これらの場合やときでない構成についても権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えたりした構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、従来とは異なる技術を提供することができ、例えば、筐体側、及びケーブル側の構成の複雑化を抑えつつ、ケーブルを筐体側から抜けにくくすることができる。
【0056】
なお、本願の発明の効果はこれに限定されず、本明細書及び図面等に開示される構成の部分から奏する効果についても開示されており、当該効果を奏する構成についても分割出願・補正等により権利取得する意思を有する。例えば本明細書において「~できる」「~可能である」などと記載した箇所などは奏する効果を明示する記載であり、また「~できる」「~可能である」などといった記載がなくとも効果を示す部分が存在する。またこのような記載がなくとも当該構成よって把握される効果が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】本発明の一実施形態に係る車両を側面側から見た場合の模式図である。
【
図2】同実施形態に係るシステムの電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る撮影装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図4】同実施形態に係る撮影装置が撮影する画像の一例を示す図である。
【
図5】同実施形態に係る撮影装置の設置と撮影装置の撮像範囲との関係の一例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における通信装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図7】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における通信装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図8】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における通信装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図9】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における通信装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図10】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における通信装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図11】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における通信装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図12】同実施形態に係るケーブルが接続されていない状態における通信装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図13】同実施形態に係るケーブルが接続されていない状態における通信装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図14】同実施形態に係るケーブルが接続されていない状態における通信装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図15】同実施形態に係るケーブルが接続されていない状態における通信装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図16】同実施形態に係るケーブルが接続されていない状態における通信装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図17】同実施形態に係るケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図18】同実施形態に係るケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図19】同実施形態に係るケーブルストッパの外観構成の一例を示す六面図である。
【
図20】同実施形態に係るケーブルストッパの外観構成の一例を示す六面図である。
【
図21】同実施形態に係るケーブルストッパの外観構成の一例を示す六面図である。
【
図22】同実施形態に係るケーブルの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図23】同実施形態に係る通信装置へのケーブルの接続前における、筐体側、及びケーブル側の状態の一例を示す図である。
【
図24】同実施形態に係るケーブルストッパへのケーブルの装着方法を説明する図である。
【
図25】同実施形態に係る通信装置へのケーブルの接続中における、筐体側、及びケーブル側の状態の一例を示す図である。
【
図26】同実施形態に係る通信装置へのケーブルの接続中における、筐体側、及びケーブル側の状態の一例を示す図である。
【
図27】同実施形態に係る通信装置へのケーブルの接続後における、筐体側、及びケーブル側の状態の一例を示す図である。
【
図28】同実施形態に係る通信装置へのケーブルの接続後における、通信装置の断面図を示す図である。
【
図29】同実施形態に係る通信装置からケーブルを離脱させるときの手順を説明する図である。
【
図30】同実施形態に係るSIM装着部の外観構成を示す図である。
【
図31】同実施形態に係る通信装置へのSIMの装着時にユーザに行われる操作を説明する図である。
【
図32】同実施形態に係るSIM装着部を、蓋部が通過する位置で筐体の奥行方向に沿って切断した場合の断面図である。
【
図33】同実施形態に係る目隠しシールが貼り付けられた後の通信装置を背面側から見た図である。
【
図34】同実施形態に係るリーダライタを覆う蓋部材と、蓋部材を固定する構造の一例を説明する図である。
【
図35】同実施形態に係る通信装置の内部構成を示す図である。
【
図36】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図37】同実施形態に係るケーブルが接続された状態における撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図38】同実施形態に係る取付部材を省略した状態における撮影装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図39】同実施形態に係るケーブルが接続され、取付部材を省略した状態における撮影装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図40】同実施形態に係るケーブルが接続され、取付部材を省略した状態における撮影装置の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図41】本発明の一変形例に係るケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図42】本発明の一変形例の構成例1に係る撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図43】本発明の一変形例の構成例1に係る撮影装置に用いられるケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図44】本発明の一変形例の構成例2に係る撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図45】本発明の一変形例の構成例2に係る撮影装置に用いられるケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図46】本発明の一変形例の構成例3に係る撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図47】本発明の一変形例の構成例3に係る撮影装置に用いられるケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図48】本発明の一変形例の構成例4に係る撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図49】本発明の一変形例の構成例4に係る撮影装置に用いられるケーブルストッパの外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図50】本発明の一変形例の撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図51】本発明の一変形例の締め付け部材を取り外した状態の撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図52】本発明の一変形例の締め付け部材の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図53】本発明の一変形例の締め付け部材の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図54】本発明の一変形例の締め付け部材の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図55】本発明の一変形例の締め付け部材の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図56】本発明の一変形例の撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図57】本発明の一変形例の蓋部材を取り外した状態の撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図58】本発明の一変形例のケーブルを取り外した状態の撮影装置の外観構成の一例を示す斜視図の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図59】本発明の一変形例の蓋部材の外観構成の一例を示す斜視図である。
【
図60】本発明の一変形例の蓋部材の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図61】本発明の一変形例の蓋部材の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図62】本発明の一変形例の蓋部材の外観構成の一例を示す六面図である。
【
図63】本発明の一変形例の制御装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。以下の説明における、第1、第2、・・・という数値を用いたラベリングは各要素を識別するためのもので、要素の数を定めるものではない。また、以下の説明で参照する各図において、各部材、各領域等を認識可能な大きさとするために、実際とは縮尺を異ならせている場合がある。
【0059】
[1.システムの全体構成]
図1は、本実施形態のシステムの構成を説明する図である。
図1には、車両400を側面側から見た場合の模式図が示されている。システム100は、車両400に搭載されたシステムである。車両400は、本実施形態ではフォークリフトであり、例えば電気式フォークリフトとするとよい。車両400は、フォークリフトに限定されるものではなく、例えば、自動車、バス、トラック等の四輪以上の大型輸送車や、自動二輪車、自転車等の二輪車、その他の車両であってもよい。車両は、例えば、電車、モノレール、リニアモーターカー等の交通機関の車両でもよい。なお、本発明は、車両以外にも、船舶や飛行機等の人を乗せて乗せて移動する移動体その他の移動体、移動体以外での使用も可能である。
【0060】
マスト401は、車両400の車体の前方側に設けられる。フォーク402は、爪とも呼ばれ、荷物が置かれる部位である。フォーク402は、運転席403に座っている運転者(図示略)のリフトレバーの操作に応じて、マスト401に沿って昇降する。マスト401は、さらに、運転者のチルトレバーの操作に応じて前後に傾斜する。
【0061】
ステアリングホイール404は、車両400のステアリング機構を操作し、車両400の進行方向を調整するための操作装置である。メインスイッチ405は、車両400の全体の電源をオンオフするための操作装置である。操作レバー406は、運転者に操作される各種のレバーを有し、車両400の動作を制御するための操作装置である。操作レバー406は、例えば、リフトレバー、チルトレバー、変速レバー、及び前後進レバーを有する。変速レバーは、変速機の変速数を切り替えるためのレバーである。前後進レバーは、車両400の前進又は後進させるためのレバーである。ペダル407は、運転者に操作される各種のペダルを有し、車両400の動作を制御するための操作装置である。ペダル407は、クラッチペダル、及びブレーキペダルを有する。クラッチペダルは、車両400を発進、停止、及び変速時に、エンジンその他の駆動源の力をトランスミッションに伝えたり遮断したりするためのペダルである。ブレーキペダルは、車両400のフットブレーキを作動させるためのペダルである。
【0062】
車両400のメインスイッチ405がオンにされると、車両400の電気系統として、例えば電子制御ユニット、走行モータ、各種センサ、及び灯具等に電力が供給される。車両400の電気系統に電力が供給されている状態で、運転者が操作レバー406、及びペダル407を操作することによって、車両400は、走行したりフォーク402を昇降させたりする等の動作をする。また、車両400のスイッチ連動電源端子410から撮影装置10に直流電力が供給される。
【0063】
メインスイッチ405がオフにされているときには、車両400の電気系統に電力が供給されておらず、運転者が例えば操作レバー406又はペダル407を操作しても、車両400が走行したり、フォーク402が昇降したりすることはない。また、スイッチ連動電源端子410からシステム100に直流電力は供給されない。その一方で、車両400の+B端子(常時電源端子ともいう。)411からは、メインスイッチ26のオンオフにかかわらず、車両400のバッテリからシステム100に、常時直流電力が供給される。制御装置11は、メインスイッチ405がオフにされてスイッチ連動電源端子410からの電力供給が停止したことを検出し、スイッチ連動電源端子410からの電力供給が停止したことが検出された後も、+B端子411から電力の供給を受け、所定の時間が経過するまで電源が投入された状態を継続する。この所定の時間は、後述する撮影装置12の記憶媒体500に格納される継続時間情報によって指定されるとよい。
【0064】
システム100は、例えば、車両400とは別にユーザによって購入される等して、車両400に対して後付けされた機器(例えば、アフターマーケット商品ともいう。)である。システム100は、制御装置11、撮影装置12、GNSS受信装置13、センサ装置14、通信装置15、及びワンタッチSW(スイッチ)装置16と、を有する。制御装置11、撮影装置12、GNSS受信装置13、センサ装置14、通信装置15、及びワンタッチSW装置16は、本実施形態では、それぞれ別の筐体を備えるようにユニット化された電子装置である。そのため、これらの電子装置の名称のうちの「装置」を「ユニット」等と読み替えてもよい。また、これらの2以上の電子装置が同一の筐体を備えるように構成されていてもよい。
【0065】
制御装置11、撮影装置12、及びセンサ装置14は、車両400のヘッドガード408の下面側に取り付けられる。GNSS受信装置13、及び通信装置15は、ヘッドガード408を支持する支柱409に取り付けられる。各装置の取り付けられる位置は、これらの位置に限られない。例えば、通信装置15は、その通信機能を支障なく発揮する限りにおいて、別の位置に取り付けられてもよい。通信装置15は、例えば、ヘッドガード408の下面側、又は上面側に取り付けられてもよい。
【0066】
システム100は、車両400の車室、及び車両400の周辺を撮影する機能を有するシステムである。撮影装置12がこの撮影を行う。撮影装置12は、天球画像を撮影する撮影手段の一例である。撮影装置12は、半天球の領域、又は半天球の領域よりも広い範囲を撮影して画像データを生成するカメラである。天球画像は、例えば半天球画像、又は全天球画像とするとよい。天球画像の画像領域は、円形または楕円形である。本実施形態では、撮影装置12は、運転席403の真上付近に配置され、下方を撮影方向とするように配置されている。撮影装置12は、例えば、画角(VIEW AREA、視野、視界等と言い換えられてもよい。)が180°を超える撮像レンズを有している。撮影装置12は、本実施形態では、上下方向における画角θが210°前後であり、かつ水平方向に周囲360°の撮像を行うことができるように設定されている。
図1には、撮影装置12の撮影可能な範囲が二点鎖線を用いて示されている。撮像レンズは、魚眼レンズ等と呼ばれるレンズであってもよい。
【0067】
図2は、システム100の電気的な構成を示すブロック図である。制御装置11は、撮影装置12、GNSS受信装置13、センサ装置14、通信装置15、及びワンタッチSW装置16のそれぞれとケーブルを介して物理的かつ電気的に接続されている。制御装置11以外の各装置は、ケーブルが有する電源線を介して制御装置11からの電力の供給を受けて動作し、また、ケーブルが有する信号線を介して制御装置11からの信号を入力する、又は制御装置11に信号を出力する。特に、制御装置11と撮影装置12とを接続するケーブルを「ケーブル7」とし、制御装置11と通信装置15とを接続するケーブルを「ケーブル600」とし、それらの周辺の構成の詳細については後述する。
【0068】
制御装置11は、本実施形態ではメインユニットとも呼ばれ、システム100の制御を司る。制御装置11は、制御部111、記憶部112、音声出力部113、及びリーダライタ114を有する。制御部111は、システム100の各部を制御する。制御部111は、システム100の各部の動作を制御したり、その動作に必要な電力を各部に供給したりする。制御部111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、及びFPGA(Field Programmable Gate Array)等のプロセッサを有する。記憶部112は、例えば、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を有する主記憶装置である。制御部111は、記憶部112のROMから読み出したプログラムをRAMに一時的に記憶させる。記憶部112のRAMは、プロセッサに作業領域を提供する。制御部111は、プログラムの実行中に生成されるデータをRAMに一時的に記憶させながら演算処理を行うことにより、各種の機能を実現する。制御部111は、さらに、時刻を計る計時部を備える。計時部は、例えばリアルタイムクロックである。計時部は、プロセッサのマザーボードに実装されていていてもよいし、プロセッサに外付けされてもよい。
【0069】
音声出力部113は、音声を出力する。この音声としては、例えば、報知音や、BGM、音声メッセージ等がある。音声出力部113は、例えば、音声処理回路、及びスピーカを有する。
【0070】
リーダライタ114は、図示せぬ記憶媒体挿入口からシステム100の内部に挿入された記憶媒体500を保持する媒体保持部の一例である。リーダライタ114は、保持する記憶媒体500にデータを書き込んだり、記憶媒体500からデータを読み出したりする。リーダライタ114は、記憶媒体500を1つだけ保持するものでもよいが、2つ以上の記憶媒体500を同時に保持することが可能に構成されてもよい。記憶媒体500は、システム100で撮影された画像が記録される記憶媒体で、例えばSDカードである。SDカードは、例えば、SDメモリカード、miniSDカード、及びmicroSDカード等のいずれの形状でもよい。記憶媒体500は、さらに、記憶した画像をパーソナルコンピュータ等の情報表示端末で再生するためのビューア(例えば、専用ビューア)のプログラムを記憶してもよい。
【0071】
撮影装置12は、撮影し、撮影により得られた画像データを生成する。撮影装置12は、例えば、光学部材の一例である撮像レンズ、及び撮像レンズにより集光された光を撮像する撮像素子を有する撮影部を備える。撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary MOS)又はCCD(Charge Coupled Device)である。撮像素子は、撮像し、撮像した画像を表す画像信号を出力する。撮影装置12は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の色成分からなるカラー(多色)の画像を生成する。撮影装置12はこれ以外にも撮像素子からの信号をアナログからデジタルに変換するA/D変換回路等を含んでよい。
【0072】
GNSS受信装置13は、GNSS(Global Navigation SatelliteSystem:全球測位衛星システム)の信号を受信する。本実施形態では、GNSS受信装置13は、GNSSの一つであるGPS(Global Posisioning System)衛星からの信号を受信する。GNSS受信装置13は、GNSSからの信号を受信するアンテナ、及びアンテナで受信した信号を処理する回路を有する。制御装置11は、GNSS受信装置13で受信した信号に基づいて、システム100の位置情報(例えば、緯度情報、及び経度情報)を取得する。なお、GNSS受信装置13の位置は、システム100の位置、制御装置11の位置、及び車両400又は車両400に乗車している運転者の位置の少なくともいずれかと同視してもよい。
【0073】
センサ装置14は、各種のセンサを有する。センサ装置14は、例えば、加速度センサ、及びジャイロセンサを有する。加速度センサは、車両400に作用した加速度を検出する。加速度センサは、例えば、車両400の前後、左右、及び上下の加速度を検出する3軸の加速度センサである。ジャイロセンサは、車両400の傾きを検出するセンサである。加速度センサ、及びジャイロセンサは、例えば、GNSS衛星からの信号が受信できない場合に、自律航法により車両400の位置を推測するのに使用されてもよい。なお、加速度センサ及びジャイロセンサは、例えば、GNSS受信装置13はGNSSの信号が受信できない場合に、自律航法により位置を推測するのに使用されてもよい。
【0074】
通信装置15は、外部の装置と通信する。通信装置15は、無線通信を行うための構成として、例えば通信回路、及びアンテナを有する。通信装置15は、本実施形態では、LTE(Long Term Evolution)の規格等に準拠した無線通信を行う。この場合の通信装置15は、例えばLTEユニットと呼ばれるものとするとよい。通信の規格はこれに限られず、通信装置15は、4G、5G等の移動通信システムの規格等に準拠した通信を行ってもよい。通信装置15は、SIMを着脱可能に構成され、装着されたSIMに記録された情報に基づいて無線通信を行う。通信装置15は、SIMが装着ていない状態では、無線通信を行うことができない、又は無線通信が制限される。SIMは、例えば、nanoSIMである。SIMは、加入者識別モジュールとも呼ばれ、移動通信システムを管理、運等する通信事業者との契約に係る契約者情報や、この移動通信システムの規格等に準拠した通信を行うための認証に用いられる認証情報等を記憶する記憶媒体である。認証情報は、ユーザ(例えば、契約者)を認証に要するために必要な情報で、加入者識別情報と呼ばれるものとしてもよい。
【0075】
なお、通信装置15は、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN(Local Area Network)を介して無線通信を行う機能を有してもよいし、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を行う機能を有してもよい。
【0076】
通信装置15は、ケーブル600を介して制御装置11と物理的かつ電気的に接続されている。ケーブル600は、電源線と信号線とを有する所定の規格に準拠したケーブルである。ケーブル600は、本実施形態では、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したUSBケーブルで、より詳細には、USB Type-Cの規格に準拠している。通信装置15は、ケーブル600の電源線を介して制御装置11からの電力の供給を受けて動作し、信号線を介して外部からの信号の入力を受け付けたり、外部に信号を出力したりするとよい。
【0077】
ワンタッチSW装置16は、事故やその他のトラブルが発生した場合等の緊急時に、運転者に操作される操作装置である。この操作は、ワンタッチ、例えば一回の押下操作で行われるとよい。制御装置11は、ワンタッチSW装置16に対する操作が行われたと判定した場合、通信装置15を用いて所定の報知先に報知したり、音声出力部113を用いて警告音、又は警報音を出力したりするとよい。又は、制御部111は、ワンタッチSW装置16に対する操作が行われたと判定した場合、撮影装置12により撮影された画像に基づいて、記憶媒体500に画像を記録してもよい。この画像の記録は、後述するイベント記録機能により行われてもよい。ワンタッチSW装置16は、緊急時等に運転者の手が届く位置で、通常時に手や足等が当たらない、又は当たりにくい位置に取り付けられるとよく、例えば、車両400の右前方側のピラーに取り付けられるとよい。
【0078】
[2.システム100の画像記録機能]
システム100は、画像記録機能として、以下の1つまたは2つ以上の機能を有する。画像記録機能は、システム100において撮影装置12により撮影した画像を、所定のファイル形式の画像データとして記録する機能である。画像データは、静止画形式でもよいが、特に動画形式の画像データとするとよい。動画形式としては、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式(例えば、MPEG2、MPEG4)であるが、AVI、MOV、WMV等がある。
【0079】
<2-1.常時記録機能>
常時記録機能(常時録画機能ともいう。)は、システム100の動作中は、撮影装置12により撮影された画像を継続して(つまり、常時)記録する機能である。制御装置11は、常時記録機能を実行しているときには、車両400の始動から停止まで撮像した画像データを記録する。車両400の始動は、例えば、メインスイッチ405のオンにより検出され、車両400の停止は、メインスイッチ405のオフにより検出されるとよい。
【0080】
メインスイッチ405がオフにされた後の電源が投入された状態では、制御装置11は、撮影装置12から画像データを取得し、取得した画像データを制御装置11内のメモリに書き込むが、記憶媒体500には記録しないようにするとよい。このようにすると、メインスイッチ405がオフにされた後もシステム100の電源が投入された状態を継続している期間におけるシステム100の消費電力は、常時録画中の消費電力より少ない。
【0081】
<2-2.イベント記録機能>
イベント記録機能は、特定のイベントが発生したことに応じて、システム100により撮影された画像を記録する機能である。イベントは、システム100により撮影された画像を記録すべき事象であり、例えば、車両400の走行中におけるユーザの急ハンドル、急ブレーキ等の操作時、車両400の他の物体(例えば、物や人)への接近時又は衝突時等とする。制御装置11は、イベントが発生したことを、加速度センサ及びジャイロセンサによる計測値に基づいて、判定する。イベントの発生の判定条件は、これに限られない。制御装置11は、撮影装置12により撮影された画像を解析して、車両400の他の物体との接近時又は衝突時にイベントが発生したと判定してもよい。制御装置11は、所定のイベント記録ボタン(図示略)又はワンタッチSW装置16が操作された場合に、イベントが発生したと判定してもよい。
【0082】
制御装置11は、イベントが発生したと判定した場合、そのイベントの発生前後の所定期間(以下「イベント記録期間」という。)において撮像された画像を、記憶媒体500に記録する。制御装置11は、例えば撮影装置12により撮影された画像を記憶部112(例えば、RAM)に一時的に記録しておき、イベントが発生したと判定した場合は、記憶部112から読み出したイベント記録期間の画像を記憶媒体500に記録するとよい。制御装置11は、例えば、イベントの発生前20秒、及びイベントの発生後20秒の合計40秒の画像を1つのファイルとする。イベント記録期間は一例であり、イベントの種類に応じて異なっていてもよいし、ユーザが変更可能であってもよい。制御装置11は、1つのイベントの発生につき、複数のファイルからなる画像を記憶媒体500に記録してもよい。制御装置11は、イベントが発生した時刻や、加速度センサ及びジャイロセンサで計測された値(例えば、3軸の各方向の加速度)や、GNSS受信装置13を用いて取得した位置情報を、画像と関連付けて、記憶媒体500に記録してもよい。
【0083】
[3.撮影装置12の外観構成]
図3は、撮影装置12の外観構成の一例を示す六面図である。
図3(A)は正面図、
図3(B)は左側面図、
図3(C)は右側面図、
図3(D)は上面図(平面図)、
図3(E)は底面図である。撮影装置12は、筐体3と、筐体3を車両400の所定の取付位置に取り付けるための取付部材4とを備える。筐体3は、撮像レンズ2を有する撮影装置12の本体の筐体を構成する。
図3(D)には、システム100の撮影可能な範囲が二点鎖線を用いて示されている。なお、筐体3の内部には、撮像素子やその他の構成部品が収容されている。なお、
図3(A)の「50」、「40」、「50.3」の各数値は寸法を意味する。
【0084】
撮像レンズ2は、本実施形態では、半球状レンズである。撮像レンズ2は、アルミダイキャスト製の鏡筒内にレンズが収納された構成を有する。撮像レンズ2は、その鏡筒が、上記筐体3のレンズ突出用穴の縁部3Aと筐体3の内部に配置されたレンズ保持部(図示略)とにより支持されている。このようにして、撮像レンズ2は、筐体3の正面から幾分突出した状態で保持されている。コネクタ部3Cは、ケーブル7のコネクタ部7Aが接続されるコネクタを有する。ケーブル7は、撮影装置12で撮影された画像を示す画像データを、制御装置11に出力するためのケーブルである。筐体3は、その上面に、左右に間隔を空けて設けられた装着部3Dを有する。装着部3Dは、左右に貫通するネジ孔を有する。
【0085】
取付部材4は、筐体3の背面側に設けられ、筐体3を車両400の所定の取付位置に取り付けるためのブラケットである。取付位置は、
図1で説明したヘッドガード408である。取付部材4のうち、取付位置に取り付けられる部位が、取付板4Aである。取付板4Aは、筐体3の背面に対して所定の角度だけ傾斜しており、かつこの角度は変更可能に構成されている。取付板4Aに両面テープ等の接着部材を貼り付け、その接着部材を介して、車両400の取付位置に貼り付けられる。取付部材4は、この貼り付けをした状態で、取付板4Aの傾きを変更可能に構成されているとよい。ケーブル保持部4Bは、コネクタ部3Cに接続されたケーブル7を保持する。
【0086】
取付部材4は、内部に左右に貫通するネジ孔を有する装着部4Cを有する。装着部4Cは、筐体3の装着部3Dに対して装着される部位である。ネジ5は、装着部3D、及び取付部材4のネジ孔を通過するように配置される。ネジ5が締め付けられた状態である第1状態では、取付板4Aの筐体3の背面に対する角度は固定される。ネジ5が緩められた状態である第2状態では、取付板4Aの筐体3の背面に対する角度を変更可能である。ユーザは、取付板4Aを車両400の所定の取付位置に取り付けた状態で、筐体3の姿勢を変更させることで、撮影装置12の撮影方向(言い換えると、撮像レンズ2の向く方向)を調整することができる。
【0087】
撮影装置12は、取付位置や撮影方向の設定や、他のカメラとの組み合わせにより、車両400の車室、及び車両400の周辺についての撮影範囲を様々に設定することができる。これについては、特開2017-132298号公報の
図10乃至12等に記載されているから、本実施形態では説明を省略する。撮影装置12として、各種情報を表示する表示部を有する撮影装置が用いられてもよい。また、撮影装置12の筐体は、直方体状のものでなくてもよく、例えば円筒状、その他の形状であってもよい。
【0088】
図4は、撮影装置12が撮影する画像の一例を示す図である例えば、撮影装置12が少なくとも半天球の領域を含む画像を生成する場合、例えば、撮影装置12が生成する撮影画像は、
図4に示す撮影画像121のようになる。撮影画像121は、円形の画像領域を有する。撮影画像121は、中心付近ほど撮像レンズに起因する歪み(画像歪みともいう。)が小さく、径方向において周方向に近づくにつれて、その歪みの度合いが大きくなっている。撮影画像121の中心付近ほど、被写体が相対的に大きなサイズで撮影されており、径方向において周方向に近づくにつれて、被写体が相対的に小さなサイズで撮影されている。この例では、運転席403に座っている運転者やステアリングホイール404が相対的に大きなサイズで撮影され、車両400の側方や前方の様子が比較的小さなサイズで撮影されている。
【0089】
図5は、撮影装置12の設置と撮影装置12の撮像範囲との関係の一例を示す図である。
図5(A)は、撮影装置12であるカメラ一台で、前後左右の撮影ができるので運転者や車両400がどのような状況かを記録するのに適した設置である。万が一の事故の状況把握はもちろん、事故抑止の指導教育も、客観的な視点を取り入れられるので、効果的に行える。
図4に示す撮影画像121は、撮影装置12を
図5(A)に示す設置とした場合に撮影される画像の一例である。このような設置に限られず、
図5(B)に示すように、車両400の前方を撮影領域とした設置をすることも可能である。この場合、車両400のアームの可動範囲を含む、上下左右を撮影範囲とすることができる。このような設置箇所は、例えば、高い場所の荷物を扱う際や、入口の低い倉庫への出入り、エレベーターでの搬入・搬出を行う車体への設置箇所として適している。
【0090】
[4.通信装置15の構成]
次に、通信装置15の物理的及び電気的な構成を説明する。通信装置15は、後述するケーブルストッパ700を用いてケーブル600を固定させる固定構造を有する構造体の一例である。以下の説明において、左右、上下、奥行の各方向は、特に断りのない限り、通信装置15の正面側から見た場合を基準とした場合の方向を意味する。ただし、特に視点の位置を定義して方向を説明する場合は、その視点の位置から見た場合の方向を意味する。また、例えば、左右方向は、厳密に左右でなくても実質的に左右方向であればよい。上下、奥行、垂直、平行、法線等の方向を意味する表現については、これと同様である。
【0091】
<4-1.通信装置15の外観構成(ケーブル600が接続された状態)>
図6、
図7、及び
図8は、ケーブル600が接続された状態における通信装置15の外観構成の一例を示す斜視図である。
図6(A)は、通信装置15の正面側の右斜め上方向から見た図である。
図6(B)は、通信装置15の背面側の右斜め上方向から見た図である。
図7は、通信装置15の背面側の右斜め下方向から見た図である。
図8は、
図6(B)と同様、通信装置15の背面側の右斜め上方向から見た図で、立体感を分かりやすくするための着色が施してある。
図9、
図10、及び
図11は、ケーブル600が装着された状態の通信装置15の外観構成の一例を示す六面図である。
図9(A)は正面図、
図9(B)は背面図、
図10(A)は上面図(平面図)、
図10(B)は底面図、
図11(A)は左側面図、
図11(B)は右側面図である。
【0092】
通信装置15は、筐体150を有する。筐体150は、扁平な外観を有してる。筐体150は、直方体形状で、具体的には、奥行方向よりも左右方向に長く、かつ上下方向の寸法が奥行方向及び左右方向よりも短い。筐体150は、本実施形態では、上下に2つの部分に分割可能であり、上側部分と下側部分とを連結し、それらをネジ止めすることにより構成されている。また、筐体150は、本実施形態では、底面が取付面として用いられる。筐体150の取付面に両面テープその他の接着部材が貼り付けられ、この接着部材を用いて所定の取付位置に通信装置15が取り付けられる。なお、筐体150は、上下方向に長い直方体形状や、円筒形状、その他の形状としてもよい。
【0093】
筐体150は、内部に空間を有しており、その空間に構成部品(例えば、電子部品)を有している。筐体150は、構成部品の一例として、無線通信を行うための通信処理部やアンテナ、コネクタ部、SIMを装着するための媒体保持部を、内部に有する。筐体150の内部の構成については後述するが、無線通信を行うことを可能とするため、筐体150は、その一部又は全部が無線通信に係る電波を透過させる素材を用いて形成されるとよい。このような素材として、樹脂材料がある。樹脂としては、プラスチック(合成樹脂)があり、例えばABSが用いられるとよい。筐体150は、例えば全体が単一の樹脂材料を用いて形成されるとよい。
【0094】
通信装置15は、さらに、装着部151、固定部152、SIM装着部153、及び情報表示部154を有する。装着部151、及び固定部152は、筐体150の外面部における同一面、本実施形態では、左側面に設けられている。装着部151は、ケーブルストッパ700が装着される部位である。ケーブルストッパ700は、通信装置15に接続されたケーブル600を保持し、ケーブル600を所定の位置に固定させるための部材である。固定部152は、ケーブルストッパ700を、筐体150における所定の位置に固定させるための部位である。
【0095】
ケーブルストッパ700は、筐体150側に接続されたケーブル600が抜けるのを阻害する部材の一例で、より詳細には、ケーブルストッパ700は、ケーブル600が有するコネクタ部610(第2コネクタ部の一例。)の筐体150の内部のコネクタ部(後述するコネクタ部210。第1コネクタ部の一例。)からの離脱を阻害する部材の一例である。
【0096】
ケーブル600は、コネクタ部610と、配線620とを有する。配線620は、内部に信号線及び電源線が通過しており、これらの信号線及び電源線が比較的柔軟な素材の材料で被覆されている。コネクタ部610は、筐体150の内部に有するコネクタ部(後述するコネクタ部210)と着脱可能に構成されている。コネクタ部610が雄型で、コネクタ部210が雌型であるが、これらが逆の関係であってもよい。
【0097】
ケーブルストッパ700は、第1部位710と、第2部位730と、第3部位750と、第4部位720とを有する。第1部位710は、ケーブル600のコネクタ部610の周囲を覆う円筒状の部位である。第2部位730、及び第3部位750は、それぞれが第1部位710と連結された部位である。第2部位730、及び第3部位750は、互いに対向する配置となっている。第1部位710は、筐体150が有する装着部151に装着される部位である。第1部位710は、装着部151に装着された状態で、コネクタ部610の周囲を覆いこれを保持する。第2部位730、及び第3部位750は、ネジ770を用いて、筐体150が有する固定部152に固定される部位である。第2部位730、及び第3部位750は、固定部152を上下から挟む配置となっている。この状態で、通信装置15の背面側から見て、固定部152の後壁が外部に露出している。ネジ770のネジ頭の反対側(つまり、ネジ先端部)には、ナット780が嵌められている。また、第1部位710、第2部位730と、及び第3部位750には、筐体150とは反対方向側、言い換えると、ケーブル600の装着方向とは反対方向である離脱方向側に、壁部(言い換えると、側壁部)に相当する第4部位720が設けられている。
【0098】
SIM装着部153は、筐体150における背面側に設けられ、SIMを保持する媒体保持部の一例である。SIM装着部153は、蓋部材1536を有し、SIMが装着される部位がこの蓋部材1536によって覆われた構成である。
【0099】
情報表示部154は、ユーザに向けて情報を表示する部位である。情報表示部154は、例えば発光部を有し、電源の状態、及び通信の状態を、発光部の発光の有無や発光色により表示する。
【0100】
<4-2.通信装置15の外観構成(ケーブル600が接続されていない状態)>
図12、及び
図13は、ケーブル600及びケーブルストッパ700が装着されていない状態における通信装置15の外観構成の一例を示す斜視図である。
図12(A)は、通信装置15の正面側の右斜め上方向から見た図である。
図12(B)は、通信装置15の正面側の左斜め上方向から見た図である。
図13は、通信装置15の背面側の右斜め下方向から見た図である。
図14、
図15、及び
図16は、ケーブル600が装着されていない状態における通信装置15の外観構成の一例を示す六面図である。
図14(A)は正面図、
図14(B)は背面図、
図15(A)は上面図(平面図)、
図15(B)は底面図、
図16(A)は左側面図、
図16(B)は右側面図である。
図12から
図16を参照して、装着部151及び固定部152、並びにこれらの周辺の構成を中心に説明する。
【0101】
装着部151は、筐体150の左側面側から突出しており、全体として円筒形状(言い換えると、リング状)に形成されている。装着部151は、筐体150の内部の空間と外部の空間とを通じさせる。
【0102】
装着部151は、第1部位1511と、第2部位1513と、第3部位1515とを有する。第1部位1511は、円筒状の部位であり、ケーブル600の装着方向(例えば、挿入方向、差込方向等と読み替えてもよい。以下同じ。)において、最も筐体150の左側面に近い位置(根元側)に存在する部位である。第2部位1513は、円筒状の部位であり、第1部位1511に対して、筐体150の左側面から離れた位置、言い換えると、ケーブル600の離脱方向側に連結されている。第2部位1513の外径は第1部位1511の外径よりも小さく、第2部位1513の内径は第1部位1511の内径と同一である。第2部位1513は、第1部位1511と第3部位1515との間に位置する。第3部位1515は、円筒状の部位であり、第2部位1513に対して、筐体150の左側面から離れた位置、言い換えると、ケーブル600の離脱方向側に連結されている。第3部位1515は、ケーブル600の装着方向において、最も筐体150の左側面から遠い位置に存在する部位である。第3部位1515の外径は第1部位1511の外径よりも小さく、かつ第2部位1513の外径よりも大きい。第3部位1515の内径は、第1部位1511、及び第2部位1513の内径(以下「装着部151の内径」ということがある。)と同一である。なお、第1部位1511、第2部位1513、及び第3部位1515は、それぞれが円柱状の内部空間を有するが、互いの中心軸は一致している。
【0103】
装着部151は、筐体150の内部空間と外部空間を通じさせるための孔1517を内側に有している。孔1517は、筐体150の左側面側に開口している。孔1517は、ケーブル600のコネクタ部610を装着部151の内部に挿入するための部位である。
図16(A)に示すように、コネクタ部210は、装着部151の内部空間、及び孔1517を介して外部に露出している。装着部151の内径は、コネクタ部610の外径と同一か、又はやや大きくするとよいが、コネクタ部610が挿入されたときのガタツキや、防水効果等を考慮すれば、なるべく装着部151とコネクタ部610との間に隙間が形成されないような関係であることが望ましい。
【0104】
装着部151の内周部における上下の位置には、一対の案内部1518、1519が形成されている。案内部1518は、装着部151の内周部の上側の部位から(本実施形態では、孔1517の開口側から見て12時の位置)から下方に突出した凸部で、ケーブル600の装着方向において長手方向を有する。案内部1519は、装着部151の内周部の下側の部位から(本実施形態では、孔1517の開口側から見て6時の位置)から上方に突出した凸部で、ケーブル600の装着方向において長手方向を有する。案内部1518、1519は、ケーブル600のコネクタ部610に開けられた凹部(溝部ともいう。
図22の凹部6121、6122を参照。)が挿入される部位である。案内部1518、1519は、ケーブル600が装着部151の内部に挿入されたときに、コネクタ部610がコネクタ部210に装着可能な向きとなるように、言い換えると、コネクタ部610の周方向の回転を抑止し、上下の向きが適切な向きとなるように案内するための部材である。案内部1518、1519は、ケーブル600の装着方向において、第2部位1513の途中の位置から第1部位1511の奥側の位置まで延びているが、ケーブル600の向きを案内する機能を果たすことができれば、位置や長さはこれに限られない。なお、案内部1518、1519とケーブル600との、凸部、及び凹部の関係は逆であってもよく、案内機能を果たす構成であればよい。
【0105】
固定部152は、筐体150の外面部の左側面のうち、装着部151よりも奥側に設けられている。固定部152も、筐体150の左側面側から突出している。固定部152は、例えば、舌片状(ベロ状)の部位である。固定部152は、ケーブル600の離脱方向、言い換えると、左側面とは離れる方向に向かって開口した内部空間1521を有する。固定部152は、筐体150の奥行方向において、空隙を空けて配置された一対の壁部(前壁部、及び後壁部といってもよい。)を有し、この空隙の部分が内部空間1521である。内部空間1521は上下方向にも開口している。内部空間1521は、ネジ770の胴部及びネジ部を挿入可能で、かつネジ頭は挿入できない程度の寸法、及び形状で形成されている。そのため、内部空間1521の奥行方向、及び左右方向の寸法は、ネジ770の胴部及びネジ部の径方向の寸法と同じか、やや大きくするとよい。固定部152の筐体150の左側面からの突出量は、装着部151の左側面からの突出量とほぼ同じか、やや大きい。また、固定部152の上下方向における中心の位置は、装着部151の上下方向における中心の位置と同じである。固定部152の上下方向における寸法は、装着部151の上下方向における寸法よりも小さい。
【0106】
<4-3.ケーブルストッパ700の外観構成>
図17、及び
図18は、ケーブルストッパ700の外観構成の一例を示す斜視図である。以下、ケーブルストッパ700の正面は、筐体150に接続されている状態での筐体150の正面と同じ方向側を向く面とする。
図17、及び
図18では、立体感を分かりやすくするための着色が施してある。
図17(A)は、ケーブルストッパ700を左側面側の右斜め上方向から見た図である。
図17(B)は、ケーブルストッパ700を左側面側の右斜め下方向から見た図である。
図18(A)は、ケーブルストッパ700を右側面側の左斜め上方向から見た図である。
図18(B)は、ケーブルストッパ700を右側面側の左斜め下方向から見た図である。
図19、
図20、及び
図21は、ケーブルストッパ700の外観構成の一例を示す六面図である。
図19(A)は正面図、
図19(B)は背面図、
図20(A)は上面図(平面図)、
図20(B)は底面図、
図21(A)は左側面図、
図21(B)は右側面図である。
【0107】
ケーブルストッパ700は、上述したとおり、第1部位710と、第2部位730と、第3部位750と、第4部位720とを有する。ケーブルストッパ700は、全体的に変形可能な素材で形成されており、比較的柔軟である。ケーブルストッパ700は、例えば、筐体150(装着部151といってもよい。)よりも柔軟で、変形が容易な素材で形成されているとよい。ケーブルストッパ700は、例えば樹脂材料を用いて形成され、その一例として、ポリプロピレン(PP)を用いて形成されているとよい。
【0108】
第1部位710は、円筒状の部位である。第1部位710は、周部7101と、係合部7102と、係合部7103とを有する。周部7101は、第1部位710において円筒の側面に相当する部位であり、内部に空間SPを有する。周部7101は、装着部151の外周部に接してこれを囲む部位で、より詳細には、装着部151のケーブル600の着脱方向に交差する周方向における一部を囲む部位である。その装着された状態で、周部7101は、ケーブル600のコネクタ部610の外周部のうち、コネクタ部610の着脱方向に交差する周方向における一部を囲む。周部7101は、左側面又は右側面側から見て、筐体150における後方側の一部が開口している環状に形成され、本実施形態ではC環状に形成されている。
【0109】
周部7101の内周部には、係合部7102、及び係合部7103が形成されている。係合部7102は、周部7101の内周部のうちの上側の部位に形成された円弧状の部位である。係合部7102は、右側面側から左側面側に向かって、言い換えると、第4部位720側に向かって次第に下方に突出するように形成された部位である。係合部7102は、例えば傾斜面であるとよい。係合部7102は、例えば周部7101の内周部のうちの左右方向における中心位置付近に段差を形成する。
【0110】
係合部7103は、周部7101のうちの下側の部位に形成された円弧状の部位である。係合部7103は、係合部7102とは上下対称となる位置、形状、及び寸法で形成されている。係合部7103は、右側面側から左側面側に向かって、言い換えると、第4部位720側に向かって次第に下方に突出するように形成された部位である。係合部7102は、例えば傾斜面であるとよい。係合部7103は、例えば周部7101の内周部のうちの左右方向における中心位置付近に段差を形成する。
【0111】
詳しくは後述するが、係合部7102、及び係合部7103の突出量は、係合部7102、及び係合部7103が第2部位1513と第3部位1515との境界部に形成される段差(第2係合部の一例)に係合するように、例えば引っ掛かるように、構成されている(
図28の「境界部1514」を参照)。また、周部7101の係合部7102、及び係合部7103がない部分の径方向における寸法は、第3部位1515を内部に配置できる程度の寸法で、例えば第3部位1515の外径と同一、又はやや大きい。このような係合部7102、及び係合部7103は、第1係合部の一例である。
【0112】
第2部位730は、第1部位710の周方向における一端側、より具体的には上側の端部側に連結された部位である。第2部位730は、平板状又は直方体状に形成され、筐体150の奥行方向に延びている。第2部位730は、上下方向に貫通するネジ孔731が形成されている。ネジ孔731は、例えば、第2部位730の奥行方向における中心位置を含むように形成されている。ネジ孔731の内周面にはネジ溝が形成されているとよい。
【0113】
第3部位750は、第1部位710の周方向における他端側、より具体的には下側の端部側に連結された部位である。第3部位750は、第2部位730に対向する部位である。第2部位730と第3部位750との間には、空隙740が形成されている。空隙740は、空間SPと通じている。第3部位750は、平板状又は直方体状に形成され、筐体150の奥行方向に延びている。第3部位750は、上下方向に貫通するネジ孔751、及びナット孔752が形成されている。ネジ孔751は、ネジ孔731と上下に重なるように形成されている。ネジ孔751は、左右方向及び奥行方向において、ネジ孔731と同一寸法、同一形状に形成されている。ネジ孔751は、第3部位750の上端の位置から、下端位置付近まで延びている。ナット孔752は、ネジ孔751の下方に位置し、ネジ孔751と通じるように形成されている。ナット孔752は、ナット780を挿入可能に形成されており、本実施形態では六角ナットを挿入可能なように。六角柱の形状に形成されている。
【0114】
第4部位720は、第1部位710、第2部位730、及び第3部位750に対して、筐体150側とは反対側(左側)、言い換えると、ケーブル600の離脱方向側に連結された部位である部位を有する。第4部位720のうちの第1部位710に連結された部位は、円筒の底面に相当する部位で、開口部711が形成されている。開口部711は、例えば、円形に形成され、その上下方向の中心位置は、第1部位710(周部7101)の上下方向における中心位置と一致する。開口部711の径方向の寸法は、ケーブル600のコネクタ部610のうちのケーブルストッパ700で保持される位置の径方向の寸法と同一である。なお、第4部位720のうちの開口部711の上下の位置に円弧形状の孔が形成されているが、この孔が形成されないようにしてもよい。
【0115】
第4部位720は、筐体150の奥行方向において、第2部位730、及び第3部位750の奥側の端部位置近くまで延びている。第4部位720は、第2部位730に連結された部位と、第3部位750に連結された部位との間にやや隙間が空くように形成されている。
【0116】
<4-4.ケーブル600の外観構成>
図22は、ケーブル600の外観構成の一例を示す斜視図である。
図22(A)は、ケーブル600を背面側の右斜め上方向から見た図である。
図22(B)は、ケーブル600を背面側の右斜め下方向から見た図である。ケーブル600は、上述した通り、コネクタ部610と、配線620とを有する。コネクタ部610は、接続部材611と被覆部材612とを有する。接続部材611は、金属で形成された部位で、実際にコネクタ部210に装着されて(言い換えると、差し込まれて)、コネクタ部210と電気的に接続される部位である。接続部材611は、USB Type-Cの規格に準拠した構成を有する。接続部材611は、配線620が有する電源線及び信号線と電気的に接続されている。
【0117】
被覆部材612は、接続部材611の外周部のうち、装着方向における一部で、かつ装着方向に交差する周方向における全体を被覆する部材である。被覆部材612は、絶縁体を用いて形成され、例えば樹脂材料を形成されている。被覆部材612は、モールド部、樹脂モールドとも呼ばれる部位であるとよい。ケーブル600のうち、被覆部材612で覆われた部位は、ケーブルストッパ700よりは固く、変形しにくい部位であるとよい。被覆部材612の上下には、一対の凹部(溝部といってもよい。)6121、6122が形成されている。
図22に示す上側の凹部6121は、案内部1518が挿入される凹部であり、その反対側である下側の凹部6122は、案内部1519が挿入される凹部である。
【0118】
<4-5.通信装置15へのケーブル600の接続の手順について>
次に、通信装置15へのケーブル600の接続の手順について説明する。
図23は、通信装置15へのケーブル600の接続前における、筐体150側、及びケーブル600側の状態の一例を示す図である。
【0119】
通信装置15のケーブル600の接続前において、ケーブルストッパ700は、あらかじめケーブル600の配線620が内部の空間SPを通過するように配置されている。
【0120】
図24は、ケーブルストッパ700へのケーブル600の装着方法を説明する図である。ケーブルストッパ700へのケーブル600の装着は、ネジ770、及びナット780をケーブルストッパ700に取り付ける前に、ユーザにより行われるとよい。ケーブルストッパ700は、上述したように柔軟で変形が容易な素材で形成されているから、
図24(A)に示すように、ユーザは、第2部位730と第3部位750との距離を離すようにして開く操作をし、この空隙740からケーブル600をケーブルストッパ700の内部の空間SPに挿入することができる。その結果、
図24(B)に示す状態になる。なお、第2部位730と第3部位750との距離を離す操作は、上下方向だけでなく、左右方向にもずらすようして、斜め方向にずらすようにすると、第2部位730と第3部位750との間にケーブル600を通せるような大きさの空隙740を確保しやすくなる。なお、ケーブルストッパ700は、ケーブル600が通信装置15に接続された後に、このケーブル600に装着されてもよい。
【0121】
図23に戻って説明する。
ケーブルストッパ700へのケーブル600の装着後、ユーザにより、ネジ孔731、及びネジ孔751を通過するようにネジ770が挿入され、かつナット孔752にはネジ770のネジ部が通過するようにナット780が挿入される。この段階では、ネジ770は緩められた状態であり、
図23ではネジ770図示を省略してある。そして、ユーザにより、ケーブル600が矢印Ar11で示す装着方向に、ケーブル600(コネクタ部610)を移動させる操作が行われる。
【0122】
ユーザにより、装着部151の孔1517を介して装着部151の内部にコネクタ部610(接続部材611、及び被覆部材612の一部といってもよい。)が挿入され、さらに、コネクタ部610が筐体150側の最も奥側の定位置で押し込まれることで、コネクタ部610がコネクタ部210に装着される。
図25(A)は、コネクタ部610がコネクタ部210に装着された状態の通信装置15の外観を示す斜視図である。
図25(A)に示すように、コネクタ部610の装着方向における一部が装着部151の内部に位置し、残りの部分が外部に露出した状態になる。次に、
図25(B)に示すように、ケーブル600の接続状態はそのままで、ケーブルストッパ700が矢印Ar11で示す装着方向に移動させられる。
図26(A)は、このようにしてケーブルストッパ700が装着部151に装着された後の状態を示す。
図26(A)に示す状態では、ネジ770はまだ締め付けられておらず、緩められた状態であるため、ネジ770の図示を省略している。
【0123】
ケーブルストッパ700が装着部151に装着されることにより、第1部位710は、第2部位1513、及び第3部位1515を覆い、第1部位1511が外部に露出する。固定部152の内部空間1521は、装着部151に対するケーブルストッパ700の装着方向とは反対方向である離脱方向に向かって開口している。そのため、
図25(B)に示すように、ネジ770が第2部位730及び第3部位750に装着された状態のまま、ネジ770の胴部及びネジ部が、その開口部を通って内部空間1521に挿入される。この挿入後、
図27に示すように、第2部位730と第3部位750とで固定部152を上下から挟む配置、より具体的には、固定部152の前壁、及び後壁を上下から挟む配置となる。
【0124】
そして、
図26(B)に示すように、ユーザにより、ネジ770の工具穴に工具としてのドライバーの先端が挿入され、ネジ770を締め付ける操作が行われる。この締め付け後の通信装置15、ケーブル600、及びケーブルストッパ700の状態が、
図27に示されている。これにより、通信装置15へのケーブル600の接続が完了する。
【0125】
<4-6.ケーブルストッパ700を用いた固定構造の作用効果>
上述した筐体150、及びケーブル600の外部に配置されたケーブルストッパ700により、筐体150の内部に配置されたコネクタ部210から、ケーブル600が有するコネクタ部610が離脱することが阻害されるので、筐体150側、及びケーブル600側の構成の複雑化を抑えつつ、ケーブル600を筐体150側から抜けにくくすることができる。例えば、ケーブル600が抜けにくくしっかり固定するための構造を低コストにて提供することができる。
【0126】
図28は、通信装置15へのケーブル600の接続後における、通信装置15の断面図を示す図である。
図28(A)は、通信装置15の上面図(平面図)を用いて切断位置を説明する図である。
図28(B)は、コネクタ部610を通過する位置で、通信装置15の左右方向(つまり、ケーブル600の着脱方向)に沿って切断した場合の断面図(
図28(A)のXZ-XZ断面図)を示す。
図28(B)では、部材の存在する部分を分かりやすくするため、その部分が適宜灰色で着色してある。
【0127】
図28(B)に白線の矢印で示すように、ケーブルストッパ700によってコネクタ部610が装着された状態の装着部151が覆われている状態で、ケーブルストッパ700により装着部151に径方向において外側から内側に向かう力が作用する。この力は、ケーブルストッパ700により、筐体150が有する装着部151に対して、ケーブル600のコネクタ部610を押し当てる力である。このような力の作用は、装着部151とケーブルストッパ700との径方向の寸法の関係と、ケーブルストッパ700が柔軟な素材で形成され変形が容易である、という性質に基づいている。このように、装着部151及びケーブルストッパ700によって、コネクタ部610が強固に固定されるようになっている。これにより、ケーブル600が筐体150側から離脱することが阻害されるようになっている。
【0128】
また、
図28(B)に破線を用いた白線で丸囲みしたように、第1部位710の内周部に設けられた係合部7102が、装着部151の第2部位1513と第3部位1515との境界部1514(第2係合部の一例)に係合している。境界部1514は、段差を含む部分である。また、第1部位710の内周部に設けられた係合部7103が、装着部151の第2部位1513と第3部位1515との境界部1514(第2係合部の一例)に係合している。これにより、ケーブル600に対して離脱方向、言い換えると、外部からケーブル600を引っ張る方向の力が作用したとしても、容易にはケーブル600が筐体150側から抜けず、コネクタ部610がコネクタ部210から離脱することが阻害されるようになっている。
【0129】
また、ケーブルストッパ700、及び第2部位1513よりも内側の位置には、O(オー)リング155が設けられている。これにより、装着部151を介して筐体150の内部に水分(例えば、雨等による水分)が進入するのが防止される防水効果が高められている。なお、Oリング155については、例えば、防水効果が既に十分であったり、別の方法で筐体150の内部の部品の保護が確保されていたりする等の理由で、省略することも可能である。
【0130】
<4-7.固定部152を加えた固定構造の作用効果>
第2部位730と第3部位750とで固定部152に対して上下に挟む力が作用するので、ケーブルストッパ700を筐体150に対して強固に固定させることができる。
【0131】
ネジ770が挿入されるネジ孔731、751は、筐体150側とは異なる方向に延びており、本実施形態では上下方向に延びている。筐体150側にネジ孔が設けられなくてもよくすることで、ネジ孔が筐体150側の内部の構造に与える影響を抑えることができる。例えば、ネジ孔を避けるように構成部品を配置しなくてもよく、構成部品の配置の自由度を向上させることができる。
【0132】
また、装着部151、及び固定部152が筐体150の同一面に設けられており、ユーザは、
図23から
図26で説明したような簡便な操作によって、筐体150に対してケーブルストッパ700を固定させることができる。
【0133】
また、筐体150は、車両400の所定の取付位置に取り付けられた状態で、装着部151の孔1517、及び固定部152の内部空間1521の開口側が、車両400の車体側とは異なる方向に向かって開口するように構成されている。車両400の車体側とは異なる方向としては、例えば、車両400における側方側(言い換えると、車幅方向側)とするとよい。このようにすると、ユーザは、車両400の所定の取付位置に筐体150を取り付けた後においても、ケーブルストッパ700を装着部151に装着し、かつ固定部152を用いて筐体150側にケーブルストッパ700を固定させることができる。
【0134】
<4-8.本実施形態に係る固定構造の着想の経緯>
以上のような実施形態に係る固定構造の着想の経緯として、以下のものがある。
重機やフォークリフト等の車両においては、振動、衝撃が大きく、重量の大きい積載物を搭載することがある。また、このような通信装置15、及びシステム100の利用者である、例えば法人、企業等向けに信頼性を向上させた製品が必要である。また、車両を用いた作業中の環境も考慮し、防水機構が必要である。また、通信装置15は、車両400に搭載すると、ユーザが隠して目視できない又はしにくい位置に隠してしまうこともあり、その際に、隙間に押し込んだりした場合にでも接触不良を起こさせないようにすることが必要である。
【0135】
そこで、ケーブルのコネクタ部の抜けを防止し、筐体側から外れないようにする必要があった。また、コネクタ部を、筐体の奥まで差し込み、かつコネクタ部とコネクタ部との接続部のガタツキを抑える必要がある。また、防水効果を確保することも必要である。例えば、このような効果を得るために、例えばリングを回して押し込むコネクタ等の構造はあるが、コストが高い。本実施形態の固定構造によると、低コスト化の効果も奏することができる。これらを解決することを目的として、発明者は本実施形態の構成を考えた。
【0136】
<4-9.通信装置15からケーブル600を離脱させるときの手順>
ユーザが通信装置15からケーブル600を取り外すときに行うべき操作は、概ね接続時とは逆の手順の操作でよいが、
図29を用いて、簡単に説明する。
図29(A)に示すように、ネジ770が、ユーザによりドライバーを用いて緩める操作が行われる。
図29(B)に示すように、ネジ770を緩めると、ユーザは、ケーブルストッパ700を手に持って矢印Ar12で示すケーブル600の離脱方向に移動させる。
図29(C)に示すように、ユーザは、ケーブル600のコネクタ部610を手に持って、矢印Ar12で示すケーブル600の離脱方向に移動させる。
【0137】
<4-10.SIM装着部153の構成>
図30は、SIM装着部153の外観構成を示す図である。
図30には、蓋部材1536を取り外した状態が示してある。
図30(A)に示すように、通信装置15の背面側に、媒体保持部220と、孔1531と、媒体保持部220と、凹部1532と、ネジ孔1533と、ネジ孔1534とが配置されている。
【0138】
媒体保持部220は、nanoSIMであるSIM830が装着されると、装着されたSIM830を保持する。
図30(B)に示すように、SIM830は、通信装置15の背面側から正面側を装着方向として、媒体保持部220に装着される。媒体保持部220は、例えば、基板200に電気的かつ物理的に接続される基板と、この基板上に配置され、SIM830が装着されるスロット部とを有するとよい。媒体保持部220のスロット部は、筐体150の背面側に形成された孔1531を介して外部に通じている。凹部1532は、筐体150の外面部のうち、孔1531を含む部位に形成されている。凹部1532は、蓋部材1536を背面側から嵌め込み可能に構成されている。凹部1532、及び蓋部材1536は、背面側から見て、同一形状、かつ同一寸法で形成され、本実施形態では五角形状に形成されている。ネジ孔1533、1534は、孔1531を左右両側から挟む位置に形成されている。ネジ孔1533、1534の上下方向における中心位置は、孔1531の上下方向における中心位置よりも、やや上方に位置する。Oリング1535は、孔1531の周囲に設けられ、媒体保持部220と孔1531との隙間を介して筐体150の内部に水分(例えば、雨等による水分)が進入するのを防止するために設けられている。なお、Oリング1535については、例えば、防水効果が既に十分であったり、別の方法で筐体150の内部の部品の保護が確保されていたりする等の理由で、省略することも可能である。
【0139】
図31は、通信装置15へのSIM830の装着時にユーザに行われる操作を説明する図である。ユーザによりSIM830が媒体保持部220に装着されると、
図31(A)に示すように、蓋部材1536が凹部1532に嵌め込まれる(丸囲み「1」の箇所を参照)。蓋部材1536は、通信装置15の背面側から正面側を装着方向として、凹部1532に装着される。蓋部材1536には、ネジ孔15361、及びネジ孔15362が形成されている。ネジ孔15361は、蓋部材1536において、ネジ孔1533に重なる位置に形成されている。ネジ孔15362は、蓋部材1536において、ネジ孔1534に重なる位置に形成されている。蓋部材1536が凹部1532に嵌め込まれると、通信装置15は、
図31(B)に示す状態となる。
【0140】
次に、
図31(A)に示すように、ユーザにより、蓋部材1536のネジ孔15361にネジ1537が、ネジ孔15362にネジ1538が挿入される(丸囲み「2」の箇所を参照)。そして、ユーザにより、所定の工具を用いて、ネジ1537、1538を締め付ける操作が行われる。これにより、通信装置15は、
図31(C)に示す状態となる。ネジ1537、1538は、プラスドライバ等で締め付けることが可能なネジとしてもよいが、例えばそれよりは特殊な工具が必要なネジ、例えば六角星型のネジ頭のネジ(例えば、トルクスネジ)とするとよい。SIM装着部153は、このネジの締め付け、及び取り外しは、特にいじり止めトルクスネジ用工具を使用することにより行われるように構成されているとよい。このようにするのは、第三者により、蓋部材1536が取り外されてSIM830が盗まれる、又は盗まれようとするといった不正行為が行われる可能性を抑えるためである。
【0141】
図32は、蓋部材1536が装着された後のSIM装着部153を、蓋部材1536が通過する位置で筐体150の奥行方向に沿って切断した場合の断面図(
図30(A)のYZ-YZ断面図)である。
図32に示すように、蓋部材1536は、上下に並ぶ一対の係合部15363、及び係合部15364を有している。係合部15363、及び係合部15364は、凹部1532よりも奥側(通信装置15における手前側)の空間であって、Oリング1535の奥側の空間で係合するように構成されている。これにより、蓋部材1536が筐体150に対して固定される。
【0142】
そして、
図33に示すように、ユーザにより、目隠しシール1539が、蓋部材1536に重なるようにして貼り付けられる(
図33の丸囲み「3」の箇所を参照)。
図33は、目隠しシール1539が貼り付けられた後の通信装置15を背面側から見た図である。目隠しシール1539は、蓋部材1536、ネジ1537、及びネジ1538の存在が第三者に認識されにくくするための目隠し用のシール部材である。目隠しシール1539は、背面側から見て、蓋部材1536と同一形状、かつ同一寸法であるが、蓋部材1536を隠すことができれば、これ以外の形状又は寸法としてもよい。目隠しシール1539は、筐体150の外面部、特に背面と同一色であると、特によい。このようにすると、目隠しシール1539が、筐体150の外面部、特に背面において目立ちにくくなる。また、目隠しシール1539は、貼ったり剥がしたりを繰り返し行うことに不向きなシール部材とするとよく、特にプラスチックシールが使用されるとよい。このようにすると、蓋部材1536に対して繰り返しプラスチックシールを貼ることができなくなるので、通信装置15に装着されたSIM830が盗まれようとしたこと、又は盗まれたことを発見しやすくすることができる。
【0143】
このようなSIM装着部153の構成とすることで、SIM830に対する不正行為を抑えることができる。特に、記憶媒体500を保持するリーダライタ114にも蓋部材と、この蓋部材を固定する固定構造が採用された場合も、蓋部材1536の方がより強固に固定されるようになっていると、特に良い。
図34は、リーダライタ114を覆う蓋部材と、蓋部材を固定する構造の一例を説明する図である。
図34(A)に示すように、リーダライタ114は、記憶媒体500を保持するとともに、この記憶媒体500を挿入する挿入口付近を覆う蓋部材115を取り付け可能に構成されている。さらに、蓋部材115は、
図34(B)に示すようにトルクスネジ116を用いて固定されるか、又は
図34(C)に示すように手回し可能ネジ117を用いて固定される。
【0144】
このようなSIM装着部153とリーダライタ114との記憶媒体を保護するための構造の違いは、通常、SIM装着部153におけるSIM830の着脱の頻度が、リーダライタ114における記憶媒体500の着脱の頻度よりも低く、また、最初に装着されれば以降SIM830が取り出されることがあまりないという考えに基づいている。このような事情もあって、リーダライタ114とは異なる蓋周辺の構造、特により蓋部材を取り外しにくくする構成、筐体150への固定構造が採用されるようにしている。ただし、SIM装着部153に採用した構造を、リーダライタ114にも採用したり、リーダライタ114の記憶媒体を保護するための構造をより強固にしたりすることも可能である。
【0145】
<4-11.通信装置15の内部構成>
図35は、通信装置15の内部構成を示す図である。筐体150は上下に2つに分割可能なケースで、
図35(A)には、そのうちの上側部分を取り外した状態で、正面側の右斜め上方向から通信装置15を見た様子が示されている。
図35(B)には、この状態で背面側の右斜め上方向から通信装置15を見た様子が示されている。
【0146】
筐体150の内部には、コネクタ部210、媒体保持部220、通信処理部230、第1アンテナ240、第2アンテナ242、電子部品群250が、基板200上に配置されている。コネクタ部210、及び媒体保持部220は、すでに説明したとおりである。通信処理部230は、無線通信に関する処理を行う。通信処理部230は、第1アンテナ240、及び第2アンテナ242を用いて、外部との無線通信を制御する。通信処理部230は、ここでは、扁平な直方体状のモジュールであり、例えば奥行方向よりも左右方向に長く、上下方向の寸法はこれらよりも短い。通信処理部230は、例えば、ケーブル600を介して制御装置11から入力された撮影画像の画像データを外部に送信したり、所定の報知先に無線通信により報知したりする。この報知としては、ワンタッチSW装置16が操作されたことを示す報知がある。また、通信処理部230は、情報表示部154の表示を制御するとよい。第1アンテナ240、及び第2アンテナ242は、無線通信におけるデータの送受信に用いられるアンテナで、例えば、MIMO技術を用いて通信速度を向上させるために設けられている。電子部品群250は、基板200上に配置された電子部品の集まりで、例えば複数のコンデンサを含むとよい。
【0147】
筐体150の内部においては、通信処理部230の右方向側(第1方向側の一例)の領域に、第1アンテナ240が配置されている。通信処理部230の正面側(第1方向に交差する第2方向側の一例)、手前側の領域に、第2アンテナ242が配置されている。基板200において、通信処理部230の右方向側、及び正面側の領域はこれらの電子部品で占められているので、左方向側の領域に、残りの構成部品が配置される。本実施形態では、通信処理部230の左方向側の領域に、媒体保持部220、電子部品群250、及びコネクタ部210が集められている。このようにすることで、基板200の肥大化を抑制し、ひいては通信装置15の肥大化を抑えた効率的な部品配置を実現することができ、なるべく小型の通信装置15を実現できるようにしている。
【0148】
[5.他の電子装置への適用]
通信装置15に適用していたケーブルストッパ700を用いてケーブル600を固定させる固定構造は、他の電子装置に適用されてもよく、特に撮影装置12に適用されるようにするとよい。以下では、上述したケーブル7としてケーブル600が用いられる場合を例に挙げて説明する。以下の説明では、撮影装置12に採用される構成要素のうち、通信装置15で採用されていたものと同じ構成要素については、通信装置15における構成要素と同じ符号を付して表し、機能が同じ構成要素については符号の末尾に「A」を付して説明する。
【0149】
図36、及び
図37は、ケーブル600が接続された状態における撮影装置12の外観構成の一例を示す斜視図である。
図36(A)は、撮影装置12を正面側の右斜め上方向から見た図である。
図36(B)は、撮影装置12を背面側の左斜め上方向から見た図である。
図37(A)は、ケーブルストッパ700を省略した状態における撮影装置12を正面側の右斜め上方向から見た図である。
図37(B)は、ケーブルストッパ700を省略した状態における撮影装置12を背面側の左斜め上方向から見た図である。
図38、
図39、及び
図40は、ケーブル600が接続され、取付部材40を省略した状態における撮影装置12の外観構成の一例を示す六面図である。
図38(A)は正面図、
図38(B)は背面図、
図39(A)は上面図(平面図)、
図39(B)は底面図、
図40(A)は左側面図、
図40(B)は右側面図である。
【0150】
撮影装置12は、筐体3を車両400に取り付けるための取付部材40を備える。取付部材40は、装着部4Cと、連結部4Dと、取付板4Aとを有する。装着部4Cは、筐体3に対して装着される部位である。連結部4Dは、装着部4Cと取付板4Aとを連結させる部位である。取付板4Aは、取付位置に貼り付けられる部位である。
【0151】
装着部4Cは、内部に左右に貫通するネジ孔を有している。ネジ5は、装着部3D、及び装着部4Cのネジ孔を通過するように配置される。ネジ5が締め付けられた状態である第1状態では、取付板4Aの筐体3の背面に対する角度は固定される。ネジ5が緩められた状態である第2状態では、取付板4Aの筐体3の背面に対する角度を変更可能である。ユーザは、取付板4Aを車両400の所定の取付位置に取り付けた状態で、筐体3の姿勢を変更させることで、撮影装置12の撮影方向(言い換えると、撮像レンズ2の向く方向)を調整することができる。
【0152】
本実施形態では、筐体3の撮像レンズ2が設けられた面を正面としたときの右側面に、装着部151、及び固定部152が設けられている。また、装着部151、及び固定部152は、上下に並べて配置されている。このように装着部151、及び固定部152の位置や並ぶ方向は、通信装置15とは異なるが、装着部151、及び固定部152と、ケーブルストッパ700とを用いたケーブル600の固定構造は、通信装置15における固定構造と同様でよい。よって、その説明については省略する。このようにすることによって、撮影装置12においても、コネクタ部610が差し込まれたときのガタツキの防止した強固な固定、防水効果等について、通信装置15におけるものと同様の作用効果を奏する。また、車両においては振動が発生しやすかったり、撮影装置12の取り付けや調整等において、車室内という制約された空間での作業を必要としたりする、といった事情があることがあるが、これらを原因としてケーブル600が筐体側から離脱してしまうのを抑制することができる。
【0153】
[6.固定構造の変形例(ケーブルストッパの構成例)]
上述したケーブルストッパを用いたケーブル600の固定構造に関し、ケーブルストッパの変形例として以下のものがある。
【0154】
図41は、ケーブルストッパ700Aの外観構成の一例を示す斜視図である。
図41(A)に示すように、ケーブルストッパ700Aは、第1部位710Aと、第2部位730Aと、第3部位750Aと、第4部位720Aとを有する。第1部位710Aと、第2部位730Aと、第3部位750Aと、第4部位720Aは、それぞれ上述したケーブルストッパ700の第1部位710と、第2部位730と、第3部位750と、第4部位720と同様の機能を有する部位であるが、特に以下の点において、ケーブルストッパ700の構成と異なる。
【0155】
第1部位710Aは、上側部分7101Aと、下側部分7102Aとを有し、上側部分7101Aと下側部分7102Aとが接続部材790を介して連結されている。上側部分7101Aは、第1部位710の上側の半分の部分と同等の構成を有し、半円弧状に形成されている。下側部分7102Aは、第1部位710の下側の半分の部分と同等の構成を有し、半円弧状に形成されている。接続部材790は、上側部分7101Aと下側部分7102Aとを、相対的な姿勢を変更可能にして、これらの端部同士を連結する部材である。そのため、上側部分7101A、及び下側部分7102Aは、接続部材790の位置を中心として回転(回動)可能に構成されている。接続部材790は、本実施形態では、ヒンジである。上側部分7101Aのうち接続部材790側とは反対側の端部には、第2部位730Aが連結されている。第2部位730Aには、上下に貫通するネジ孔731Aが形成されている。下側部分7102Aのうち接続部材790側とは反対側の端部には、第3部位750Aが連結されている。第3部位750Aには、上下に貫通するネジ孔751Aが形成されている。ネジ孔731A、及びネジ孔751Aを通過するようにネジ770が設けられる。
【0156】
このようにすると、
図41(B)に示すように、ケーブルストッパ700Aの第2部位730Aと第3部位750Aとが、例えば180度近くまで開くため、これらを容易に離間させることができ、ユーザは、ケーブルストッパ700の内部にケーブル600を容易に配置することができる。
【0157】
[7.固定構造の変形例(ケーブルストッパの構成例)]
上述したケーブルストッパを用いたケーブル600の固定構造に関し、ケーブルストッパの変形例として以下のものがある。この例では、ケーブルストッパ700に代えてケーブルストッパ800、810、820又は830が用いられる。以下では、ケーブルストッパとして、金属を用いて形成された板状の部材が用いられる場合を説明する。このような板状の部材として、板バネが用いられてもよい。
【0158】
<7-1>構成例1
図42は、構成例1に係る撮影装置12の外観構成の一例を示す斜視図である。
図42(A)は、撮影装置12を背面側の左斜め上方から見た図である。
図42(B)は、撮影装置12を正面側の右斜め下方から見た図である。
図43は、構成例1に係る撮影装置12に用いられるケーブルストッパ800の外観構成の一例を示す斜視図である。
図43(A)は、ケーブルストッパ800を正面側の右斜め下方側から見た図である。
図43(B)は、ケーブルストッパ800を背面側の左斜め上方側から見た図である。
【0159】
構成例1では、撮影装置12は、装着部151に相当する構成を有してない。ケーブルストッパ800は、撮影装置12に設けられた固定部152Aにネジ805を用いて固定されている。固定部152Aは、撮影装置12の筐体3の右側面から突出する円筒状の部位で、ネジ805を挿入、固定可能に構成されている。筐体3は、固定部152Aの上方に、ケーブル600を内部に挿入し、コネクタ部に接続するための孔1517Aが形成されている。ケーブルストッパ800は、第1部位801と、第2部位802とを有する。第1部位801は、ネジ805が挿入可能な孔804が形成された部位である。第2部位802は、第1部位801に連結され、撮影装置12に接続されたケーブル600のコネクタ部610を、ケーブル600の離脱方向側から押さえ付ける部位である。第2部位802は、コネクタ部610が有する周面に沿って切り欠かれた切り欠き部803を有している。第2部位802は、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であり、コネクタ部610をその離脱方向側から覆う部材である。このような第2部位802(ケーブルストッパ800)は、筐体3側に接続されたケーブル600が抜けるのを阻害する部材の一例で、より詳細には、ケーブル600が有するコネクタ部610の筐体3の内部のコネクタ部(第1コネクタ部の一例。)からの離脱を阻害する部材の一例である。このようなケーブルストッパ800により、筐体3側からのコネクタ部610の離脱を抑えることができる。
【0160】
<7-2>構成例2
図44は、構成例2に係る撮影装置12の外観構成の一例を示す斜視図である。
図44(A)は、撮影装置12を背面側の左斜め上方から見た図である。
図44(B)は、撮影装置12を正面側の右斜め下方から見た図である。
図45は、構成例2に係る撮影装置12に用いられるケーブルストッパ810の外観構成の一例を示す斜視図である。
図45(A)は、ケーブルストッパ810を正面側の右斜め下方側から見た図である。
図45(B)は、ケーブルストッパ810を背面側の左斜め上方側から見た図である。
【0161】
構成例2では、撮影装置12は、装着部151に相当する構成を有してない。ケーブルストッパ810は、撮影装置12に設けられた固定部152Aにネジ815を用いて固定されている。固定部152Aは、撮影装置12の筐体3の右側面から突出する円筒状の部位で、ネジ805を挿入、固定可能に構成されている。筐体3は、固定部152Aの上方に、ケーブル600を内部に挿入し、コネクタ部に接続するための孔1517Aが形成されている。ケーブルストッパ810は、第1部位811と、第2部位812とを有する。第1部位811は、ネジ815が挿入可能な孔814が形成された部位である。第2部位812は、第1部位811に連結され、撮影装置12に接続されたケーブル600のコネクタ部610を、ケーブル600の離脱方向側から押さえ付ける部位である。第2部位812は、コネクタ部610が有する周面に沿って切り欠かれた切り欠き部813を有している。第2部位812は、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であり、離脱方向側からコネクタ部610を覆う部材である。第2部位812は、第2部位802よりもより広い面積でコネクタ部610と接している。このような第2部位812(ケーブルストッパ810)は、筐体3側に接続されたケーブル600が抜けるのを阻害する部材の一例で、より詳細には、ケーブル600が有するコネクタ部610の筐体3の内部のコネクタ部(第1コネクタ部の一例。)からの離脱を阻害する部材の一例である。このようなケーブルストッパ810により、筐体3側からのコネクタ部610の離脱を抑えることができる。
【0162】
<7-3>構成例3
図46は、構成例3に係る撮影装置12の外観構成の一例を示す斜視図である。
図46(A)は、撮影装置12を正面側の右斜め上方から見た図である。
図46(B)は、撮影装置12を正面側の右斜め下方から見た図である。
図47は、構成例3に係る撮影装置12に用いられるケーブルストッパ820の外観構成の一例を示す斜視図である。
図47(A)は、ケーブルストッパ820を正面側の右斜め上方側から見た図である。
図47(B)は、ケーブルストッパ820を正面側の左斜め上方側から見た図である。
図47(C)は、ケーブルストッパ820を背面側の右斜め上方側から見た図である。
図47(D)は、ケーブルストッパ820を背面側の右斜め下方側から見た図である。
【0163】
ケーブルストッパ820は、撮影装置12の筐体3の装着部151に対して、固定具826を用いて固定されている。固定具826は、孔825に挿入され、装着部151に対し正面側からケーブルストッパ820を固定する部材で、ピンやネジ等が用いられるとよい。
【0164】
ケーブルストッパ820は、第1部位821と、第2部位822と、第3部位823と、第4部位824と、を有する。第1部位821は、筐体3の右方向側から、装着部151における下側の部位を覆う部位である。第2部位822は、筐体3の右方向側から、装着部151における上側の部位を覆う部位である。第3部位823は、筐体3の下方側から、装着部151の外周部における下側の部位を覆う部位である。第4部位824は、筐体3の上方側から、装着部151の外周部における上側の部位を覆う部位である。第1部位821は、コネクタ部610が有する周面に沿って切り欠かれた切り欠き部8211を有する。第2部位822は、コネクタ部610が有する周面に沿って切り欠かれた切り欠き部8221を有する。
【0165】
第1部位821、及び第2部位822は、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であり、ケーブル60の離脱方向側からコネクタ部610を覆う部材である。このような、第1部位821、及び第2部位822(ケーブルストッパ820)は、筐体3側に接続されたケーブル600が抜けるのを阻害する部材の一例で、より詳細には、ケーブル600が有するコネクタ部610の筐体3の内部のコネクタ部(第1コネクタ部の一例。)からの離脱を阻害する部材の一例である。第3部位823、及び第4部位824は、装着部151の周面を囲うことにより、ケーブルストッパ820が装着部151に対して固定されるようにしている。このようなケーブルストッパ820により、筐体3側からのコネクタ部610の離脱を抑えることができる。
【0166】
<7-4>構成例4
図48は、構成例4に係る撮影装置12の外観構成の一例を示す斜視図である。
図48(A)は、撮影装置12を正面側の右斜め上方から見た図である。
図48(B)は、撮影装置12を背面側の左斜め下方から見た図である。
図49は、構成例4に係る撮影装置12に用いられるケーブルストッパ830の外観構成の一例を示す斜視図である。
図49(A)は、ケーブルストッパ830を正面側の右斜め上方側から見た図である。
図49(B)は、ケーブルストッパ830を正面側の右斜め下方側から見た図である。
図49(C)は、ケーブルストッパ830を背面側の右斜め上方側から見た図である。
図49(D)は、ケーブルストッパ830を背面側の右斜め下方側から見た図である。
【0167】
ケーブルストッパ830は、撮影装置12の筐体3の装着部151に対して、固定具837を用いて固定されている。固定具837は、筐体3に対して側面方向の側からケーブルストッパ830を固定する部材で、ピンやネジ等が用いられるとよい。
【0168】
ケーブルストッパ830は、第1部位831と、第2部位832と、第3部位833と、第4部位834と、第5部位835とを有する。第1部位831は、固定具837が挿入される孔836が形成された部位である。第2部位832は、筐体3の右方向側から、装着部151における正面側の部位を覆う部位である。第3部位833は、筐体3の右方向側から、装着部151における背面側の部位を覆う部位である。第4部位834は、装着部151の外周部のうち、正面側の部位を覆う部位である。第5部位835は、装着部151の外周部のうち、背面側の部位を覆う部位である。第2部位832は、コネクタ部610が有する周面に沿って切り欠かれた切り欠き部8321を有する。第3部位833は、コネクタ部610が有する周面に沿って切り欠かれた切り欠き部8331を有する。
【0169】
第2部位832、及び第3部位833は、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であり、離脱方向側からコネクタ部610を覆う部材である。このような、第2部位832、及び第3部位833(ケーブルストッパ830)は、筐体3側に接続されたケーブル600が抜けるのを阻害する部材の一例で、より詳細には、ケーブル600が有するコネクタ部610の筐体3の内部のコネクタ部(第1コネクタ部の一例。)からの離脱を阻害する部材の一例である。第4部位834、及び第5部位835は、装着部151の周面を囲うことにより、ケーブルストッパ830が装着部151に対して固定されるようにしている。このようなケーブルストッパ830により、筐体3側からのコネクタ部610の離脱を抑えることができる。
【0170】
なお、以上説明したケーブルストッパ800、810、820、及び830の素材は金属であったが他の素材が用いられてもよく、例えば弾性体を用いて、ケーブル600が有するコネクタ部610の筐体3の内部のコネクタ部からの離脱を阻害するための力を作用させる構成としてもよい。
【0171】
[8.固定構造の変形例(撮影装置への適用例1)]
撮影装置に適用可能な固定構造として、以下の構造が適用されてもよい。
図50は、撮影装置900の外観構成の一例を示す斜視図である。本変形例では、撮影装置900のカメラ920が位置する側を正面側とする。
図50(A)は、撮影装置900を正面側の左斜め上方から見た図である。
図50(B)は、撮影装置900を背面側の右斜め上方から見た図である。
図51は、締め付け部材940を取り外した状態の撮影装置900の外観構成の一例を示す斜視図である。
図51(A)は、撮影装置900を正面側の左斜め上方から見た図である。
図51(B)は、撮影装置900を背面側の右斜め上方から見た図である。
【0172】
撮影装置900は、筐体910と、筐体910に設けられたカメラ920と、筐体910の左右方向における一方の側(本実施形態では左側)に設けられた取付部材930と、締め付け部材940とを有する。筐体910、取付部材930、及び締め付け部材940は、例えば樹脂材料を用いて形成されているとよい。筐体910は、円筒形に形成されている。筐体910は、直方体形状やその他の形状としてもよい。カメラ920は、撮影し、撮影した画像データを生成する。カメラ920の撮像レンズは、筐体910のうち、円筒の側面に相当する位置に設けられている。
【0173】
取付部材930は、筐体910を所定の取付位置に取り付けるための取付部材である。取付部材930は、ブラケットといってもよい。取付部材930は、リング部931と、連結部932と、取付板933とを備える。リング部931と取付板933とは、リング部931の外周面に起立した連結部932を介して連結されている。
【0174】
リング部931の内側には、筐体910が嵌っている。そして、筐体910のうちリング部931に対向する部分にはネジ溝911が形成されている。締め付け部材940は、締め付け部本体941と、突出部942とを有する。締め付け部本体941は、扁平な円板状の部材で、ナット部材とも呼ばれる部位である。締め付け部本体941の内側には、筐体910に形成されたネジ溝911に適合するネジ溝(後述する
図52(B)のネジ溝9412)が形成されている。締め付け部材940の中央部には、円形の貫通孔9411が形成されている。貫通孔9411に、筐体910のうちのネジ溝911が形成された円筒部分が嵌め込まれる。締め付け部材940を緩めた第1状態では、筐体910は、リング部931に対して回転可能である。締め付け部材940を締め付けた第2状態では、筐体910は、リング部931に対する回転が抑止される。突出部942は、筐体910側から突出した突出部の一例で、本実施形態では、締め付け部本体941から、筐体910の側面から離れる方向(左方向側)に突出した突出部である。
【0175】
取付板933の上面には、両面テープその他の接着部材が貼り付けられる。筐体910は、取付板933が取付位置に固定され取り付けられる。ユーザは、車両400の車室内にいる状態で、筐体910の取り付けを行うとよい。取り付けに際して、締め付け部材940を緩めた第1状態で、取付板933の上面を取付位置に接触させる。次に、ユーザは、筐体910をリング部931の内周面に沿って回転させることにより、筐体910の姿勢を調整する。筐体910は筒状(本実施の形態では円筒状)であるから、筐体910の回転方向は、この筒の軸周り方向である。筐体910の姿勢の調整が完了すると、ユーザは、締め付け部材940を締め付けて第2状態にする。なお、取付部材930は、例えば、取付板933を備え、筐体910がリング部を備えてもよい。このとき、取付部材930が備える取付板933が筐体910のリング部に嵌り、取付部材930が筐体910に対して回転できてもよい。
【0176】
このような構成のもと、締め付け部材940によりケーブル600の離脱を阻害する機能が実現される。
図52は、締め付け部材940の外観構成の一例を示す斜視図である。
図53、
図54及び
図55は、締め付け部材940の外観構成の一例を示す六面図である。
図53(A)は正面図、
図53(B)は背面図、
図54(A)は上面図(平面図)、
図54(B)は底面図、
図55(A)は左側面図、
図55(B)は右側面図である。
【0177】
締め付け部材940は、ケーブル600のコネクタ部610を覆うようにして、筐体910に取り付け可能に構成されている。締め付け部材940は、締め付け部本体941と、締め付け部本体941から側面から離れる方向に突出した突出部942を有する。突出部942は、左側面側から見て、貫通孔9411を中心とした所定の角度範囲に対応する円弧状の位置に設けられた爪状の部位である。突出部942は、左側面側から見て、貫通孔9411に重なる部位を有する。突出部942は、貫通孔9411側(内側)の面が凹状に形成されている、そのため、締め付け部材940が締め付けられた状態においては、突出部942の内側の空間に、ケーブル600のコネクタ部610が位置する(言い換えると、入り込む)ようになっている(
図50(B)参照)。このような突出部942は、締め付け部材940が締め付けられた状態において、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であり、ケーブル600の離脱方向側からコネクタ部610を覆う部材である。突出部942の締め付け部本体941から側面から離れる方向への突出量は、ケーブル600のコネクタ部610の長さ等を考慮して決められているとよい。また、突出部942の貫通孔9411を側への食い込み量も、コネクタ部610の構成等を考慮して決められているとよい。
【0178】
上述のとおり、突出部942は、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させていたが、少なくとも、コネクタ部610の筐体910が内部に有するコネクタ部(第1コネクタ部の一例)からの離脱を阻害する機能を有していればよく、コネクタ部610よりもその離脱方向側に位置していれば、コネクタ部610に接しない構成としてもよい。この場合でも、ケーブル600が引っ張られる力が作用しにくいからである。ただし、突出部942は、コネクタ部610にその離脱方向側から接し、さらに望ましくは、コネクタ部610を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であると、コネクタ部630の離脱をより確実に抑えることができる。
【0179】
このような、突出部942(又は突出部942を備える締め付け部材940)は、筐体910側に接続されたケーブル600が抜けるのを阻害する部材の一例で、より詳細には、ケーブル600が有するコネクタ部610の筐体910の内部のコネクタ部からの離脱を阻害する部材の一例である。このようにすると、突出部942が締め付け部材940に設けられているので部品点数を少なくするとともに、ユーザは、取付部材に対する筐体910の姿勢を固定させる第1状態にするように締め付け部材940を締め付ける操作を行えば、ケーブル600の離脱を抑えるための操作も完了しているので、操作を簡便にすることができる。
【0180】
[9.固定構造の変形例(撮影装置への適用例2)]
撮影装置に適用可能な固定構造として、以下の構造が適用されてもよい。
図56は、撮影装置950の外観構成の一例を示す斜視図である。本変形例では、撮影装置950のカメラ920が位置する側を正面側とする。
図56(A)は、撮影装置950を正面側の左斜め上方から見た図である。
図56(B)は、撮影装置950を背面側の左斜め上方から見た図である。
図57は、蓋部材980を取り外した状態の撮影装置950の外観構成の一例を示す斜視図である。
図57(A)は、撮影装置950を正面側の右斜め上方から見た図である。
図57(B)は、撮影装置950を背面側の左斜め上方から見た図である。
図58は、さらにケーブル600を取り外した状態の撮影装置950の外観構成の一例を示す斜視図である。
図58(A)は、撮影装置950を正面側の右斜め上方から見た図である。
図58(B)は、撮影装置950を背面側の左斜め上方から見た図である。
【0181】
撮影装置950は、筐体960と、筐体960に設けられたカメラ920と、筐体960の左右方向における一方の側(本実施形態では右側)に設けられた取付部材930と、締め付け部材970と、蓋部材980と、を有する。筐体960、締め付け部材970、及び蓋部材980は、例えば樹脂材料を用いて形成されているとよい。筐体960は、円筒形に形成されている。筐体960は、円筒の側面に相当する部位に平坦な部分を有しているが、筐体910と同じ形状としてもよい。筐体960は、直方体形状やその他の形状としてもよい。カメラ920、及び取付部材930は、上述した撮影装置900における構成と同じである。カメラ920の撮像レンズは、筐体960のうち、円筒の側面に相当する位置に設けられている。締め付け部材970は、締め付け部材940のうちの締め付け部本体941と同じ構成である。
【0182】
本変形例では、撮影装置950に接続されるケーブルとして、ケーブル600Aが用いられる。ケーブル600Aは、コネクタ部630と配線620とを有する。コネクタ部630は、筐体960が内部に有するコネクタ部963への着脱方向に対して、配線620の引き出し方向が所定の角度だけ折り曲げられる構成である点で、コネクタ部610とは構成が異なる。コネクタ部630は、ここでは、90度折り曲げるL字型のコネクタである。
【0183】
蓋部材980は、ケーブル600Aのコネクタ部630を覆うようにして、筐体960に取り付け可能に構成されている。蓋部材980は、筐体960に取り付けられた状態において、撮影装置950の筐体960の右側面側から見て、筐体960の側面961、ケーブル600Aが有するコネクタ部630、及び撮影装置950が有するコネクタ部963(第1コネクタ部の一例)に重なる部位を有する。コネクタ部963は、例えば、コネクタ部210と同じ構成であるとよい。蓋部材980は、ネジ990を用いて、筐体960の側面961側に固定される。ネジ990は、側面961に形成されたネジ孔962に挿入される。コネクタ部630は、側面961側に露出するコネクタ部963に着脱可能に構成されている。蓋部材980は、コネクタ部630をその離脱方向側から覆う部材である。
【0184】
図59は、蓋部材980の外観構成の一例を示す斜視図である。
図59では、蓋部材980の立体感を分かりやすくするための着色が施してある。
図60、
図61及び
図62は、蓋部材980の外観構成の一例を示す六面図である。
図60(A)は正面図、
図60(B)は背面図、
図61(A)は上面図(平面図)、
図61(B)は底面図、
図62(A)は左側面図、
図62(B)は右側面図である。
【0185】
蓋部材980は、第1基体981と、第2基体982と、突出部983とを有する。蓋部材980は、ケーブル600Aのコネクタ部630を覆うカバー部材である。第1基体981は、筐体960の側面961のうちの正面側の部位を覆う部位で、右側面側から見て半円形状の部位である。第1基体981は、板状の部位であるが、筐体960の側面961に嵌め込み可能となるように、側面961の外観に合わせて形成されている。第1基体981にはネジ孔9811が形成されている。ネジ孔9811は、蓋部材980が筐体960に装着されたときにネジ孔962に重なる位置に形成されているとよい。このようにすると、ネジ孔9811にネジ990が挿入され、筐体960の側面のネジ孔962に挿入されてネジ止めされることにより、蓋部材980が筐体960に固定される。第2基体982は、筐体960の側面961のうちの背面側の部位を覆う部位で、右側面側から見て半円形状の部位である。第2基体982も、第1基体981と同様に板状の部位であるが、筐体960の側面961に嵌め込み可能となるように、側面961の外観に合わせて形成されている。
【0186】
突出部983は、第1基体981と、第2基体982との間に配置され、第1基体981と第2基体982とを連結させる。突出部983は、筐体960側から突出した突出部の一例で、第1基体981、及び第2基体982から、右側面から離れる方向に突出している。この突出量は、ケーブル600Aにおけるコネクタ部630の、筐体960の右側面から離れる方向への突出量を考慮して決められているとよい。突出部983は、上下方向に開口しているが、少なくとも配線620の引き出し方向側が開口していればよい。本実施形態では、突出部983は、下方側が閉じられていてもよい。突出部983は、装着状態において、コネクタ部630を、その離脱方向側から覆う。この例では、突出部983の内部にコネクタ部630が配置されるようになっている。突出部983は、少なくともコネクタ部630のコネクタ部963からの離脱を阻害する機能を有していればよく、コネクタ部630よりもその離脱方向側に位置していれば、コネクタ部630に接しなくてもよい。この場合でも、ケーブル600Aが引っ張られる力が作用しにくいからである。より望ましくは、突出部983は、コネクタ部630にその離脱方向側から接し、さらに望ましくは、コネクタ部630を筐体3側に押し当てる力を作用させる部材であるとよい。このようにすることで、コネクタ部630の離脱をより確実に抑えることができる。
【0187】
[10.変形例]
本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0188】
<10-1>上述した各固定構造を適用可能な装置は、上述した通信装置や撮影装置に限られない。例えば、撮影装置12に適用するとして説明した固定構造を、通信装置15に適用してもよいし、制御装置11、GNSS受信装置13、センサ装置14、及びワンタッチSW装置16の少なくともいずれかの電子装置に適用してもよい。また、上述した各固定構造を適用可能な装置は、レーダー/レーザー探知機、ナビゲーションシステム等の他の車載の電子装置であってもよい。また、上述した各固定構造を適用可能な装置は、車載装置以外の電子装置であってもよく、電子装置が有する処理部が行う処理についても様々考えられる。このように、当該固定構造を有する構造体としては様々考えられる。
【0189】
<10-2>電子装置において固定構造が採用される位置は一例であるし、ネジ止めやピン等を用いた固定方法は、他の固定具を用いた固定方法に置き換えられてもよい。例えば、ケーブルストッパ700は、第1部位710がケーブル600のコネクタ部610の外周部のうち、コネクタ部610の着脱方向に交差する周方向における全部を囲むことにより、筐体150側に押し当てる力を作用させるように構成されてもよい。また、ケーブルストッパ700は、第2部位730や第3部位750を有しない構成としてもよい。
【0190】
また、例えば、上述した説明において、固定具としてネジやピンを用いる構成を説明したが、適宜、ネジとして説明したところをピンやその他の固定具に置き換えたり、ピンとして説明したところをネジやその他の固定具に置き換えたりすることも可能である。また、固定具を用いた固定に代えて、接着や貼り付けといった固定方法が用いられてもよい。また、上述した各部材の形状、寸法等の物理量、素材、方向、部材同士の配置関係等は、一例であり、例えば同様の作用効果を奏する範囲で、又は実使用に耐えうる範囲ないで適宜変更されてもよい。
【0191】
<10-3>ケーブル600及びケーブル600Aは、電源線及び信号線を有する構成のもとでは、ユーザは、1本のケーブルを筐体に接続すれば、通信装置15や撮影装置12を利用することができる。これに代えて、電源線及び信号線のうちの一方を有するケーブルとしてもよい。この場合において、電源線を有するケーブルと、信号線を有するケーブルとのそれぞれが、上述した通信装置15の筐体150、又は撮影装置12の筐体3等に接続される構成とし、さらに、その一方又は両方のケーブルの固定構造に、ここまでに説明したいずれかの固定構造が採用されるようにしてもよい。
【0192】
<10-4>[8.固定構造の変形例(撮影装置への適用例1)]、及び[9.固定構造の変形例(撮影装置への適用例2)]では、ケーブル600又はケーブル600Aが有するコネクタの離脱を阻害する部材が、筐体側から突出した突出部を有する構成例を説明した。突出部は、締め付け部材970や蓋部材980以外の部材に設けられてもよい。また、これらの構成例において、筐体側から突出した突出部は、筐体に一体的に取り付けられた部材から突出した部位であるが、筐体(つまり、筐体自体)から突出した部位としてもよい。例えば、筐体から所定の方向側に突出する突出部を設けておき、この突出部が、ケーブルの離脱方向側からそのケーブルのコネクタを離脱方向側から覆う構成であるとよい。
【0193】
<10-5>
図63に示すように、制御装置11は、撮影装置12により撮影された画像に基づいて物体検出を行う物体検出部を有してもよい。この実施形態の一例を説明すると、
図63に示すように、制御装置11Aは、SoC1111と、FPGA1112と、物体検出部1113とを備える構成とするとよい。SoC1111、FPGA1112、及び物体検出部1113は、それぞれ異なるハードウェアで実現される。SoC1111は、撮影装置12を制御したり、撮影装置12により生成された画像データを処理したりする。撮影装置12は、像データとしてMIPI信号を前記外部装置に出力することを画像データとしてMobile Industry Processor Interface(以下、「MIPI」という。)信号を、SoC1111に出力するとよい。SoC1111は、MIPI信号に基づく画像作りと、リーダライタ114を用いた記憶媒体500への画像の記録に徹する制御基板である。SoC1111は、天球画像をFPGA1112に出力する。そのフレームレートは例えば、30fpsとするとよい。SoC1111は、30fpsで画像データを記憶媒体500に記憶する。SoC1111は、画像データとしてHDMI(登録商標)規格の画像信号(以下、「HDMI信号」という。)をFPGA1112に出力する。FPGA1112は、HDMI信号に基づいて、天球画像を平面画像に変換する幾何学変換に徹する制御基板である。このように、FPGA1112は、座標変換する機能(例えば、座標変換する機能のみ)を有するFPGAである。FPGA1112は、変換後の平面画像を、物体検出部1113に出力する。FPGA1112は画像データとして、MIPI信号又はUSB規格に準拠したUSB信号を、物体検出部1113に出力するとよい。物体検出部1113は、AI処理SoCであり、物体検出機能に徹する制御基板である。物体検出部1113は、FPGA1112からの画像信号に基づき物体検出を行い、検出結果を、SoC1111に出力する。物体検出部1113は検出結果を、例えばUART規格の信号(UART信号)で出力するとよい。
【0194】
FPGA1112と物体検出部1113との機能を実現するSoCを1つとし、平面化し、データをRAMに入れ、直接AI処理を行って物体検出を行うと効率的である。仮に平面化、AI処理が別のSoCになっていると、それぞれでRAMが必要になり、また、データの伝送仕様が複雑になってしまうからである。
【0195】
<10-6>本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
【0196】
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正又は分割出願等において権利取得する意思を有する。「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
【0197】
また、意匠登録出願への変更により、全体意匠又は部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが、全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと、部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては、装置の一部の部材としてもよいし、その部材の部分としてもよい。全体意匠はもちろんのこと、図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を、権利化する意思を有する。また、装置の筐体の内部のモジュール・部材・部品・画像等についても、図面に表示されているものは、いずれも独立して取引の対象となるものであって、同様に、意匠登録出願への変更を行って権利化を行う意思を有するものである。
【符号の説明】
【0198】
2 :撮像レンズ
3 :筐体
3A :縁部
3C :コネクタ部
3D :装着部
4 :取付部材
4A :取付板
4B :ケーブル保持部
4C :装着部
4D :連結部
5 :ネジ
7 :ケーブル
7A :コネクタ
10 :撮影装置
11 :制御装置
11A :制御装置
12 :撮影装置
13 :GNSS受信装置
14 :センサ装置
15 :通信装置
16 :ワンタッチSW装置
26 :メインスイッチ
40 :取付部材
60 :ケーブル
100 :システム
111 :制御部
112 :記憶部
113 :音声出力部
114 :リーダライタ
115 :蓋部材
116 :トルクスネジ
117 :可能ネジ
121 :撮影画像
150 :筐体
151 :装着部
152 :固定部
152A :固定部
153 :SIM装着部
154 :情報表示部
155 :Oリング
200 :基板
210 :コネクタ部
220 :媒体保持部
230 :通信処理部
240 :第1アンテナ
242 :第2アンテナ
250 :電子部品群
400 :車両
401 :マスト
402 :フォーク
403 :運転席
404 :ステアリングホイール
405 :メインスイッチ
406 :操作レバー
407 :ペダル
408 :ヘッドガード
409 :支柱
410 :スイッチ連動電源端子
411 :B端子
500 :記憶媒体
600 :ケーブル
600A :ケーブル
610 :コネクタ部
611 :接続部材
612 :被覆部材
620 :配線
630 :コネクタ部
700 :ケーブルストッパ
700A :ケーブルストッパ
710 :第1部位
710A :第1部位
711 :開口部
720 :第4部位
720A :第4部位
730 :第2部位
730A :第2部位
731 :ネジ孔
731A :ネジ孔
740 :空隙
750 :第3部位
750A :第3部位
751 :ネジ孔
751A :ネジ孔
752 :ナット孔
770 :ネジ
780 :ナット
790 :接続部材
800 :ケーブルストッパ
801 :第1部位
802 :第2部位
803 :切り欠き部
804 :孔
805 :ネジ
810 :ケーブルストッパ
811 :第1部位
812 :第2部位
813 :切り欠き部
814 :孔
815 :ネジ
820 :ケーブルストッパ
821 :第1部位
822 :第2部位
823 :第3部位
824 :第4部位
825 :孔
826 :固定具
830 :ケーブルストッパ
831 :第1部位
832 :第2部位
833 :第3部位
834 :第4部位
835 :第5部位
836 :孔
837 :固定具
900 :撮影装置
910 :筐体
911 :ネジ溝
920 :カメラ
930 :取付部材
931 :リング部
932 :連結部
933 :取付板
940 :締め付け部材
941 :締め付け部本体
942 :突出部
950 :撮影装置
960 :筐体
961 :側面
962 :ネジ孔
963 :コネクタ部
970 :締め付け部材
980 :蓋部材
981 :第1基体
982 :第2基体
983 :突出部
990 :ネジ
1112 :FPGA
1113 :物体検出部
1511 :第1部位
1513 :第2部位
1514 :境界部
1515 :第3部位
1517 :孔
1517A :孔
1518 :案内部
1519 :案内部
1521 :内部空間
1531 :孔
1532 :凹部
1533 :ネジ孔
1534 :ネジ孔
1535 :Oリング
1536 :蓋部材
1537 :ネジ
1538 :ネジ
1539 :目隠しシール
6121 :凹部
6122 :凹部
7101 :周部
7101A :上側部分
7102 :係合部
7102A :下側部分
7103 :係合部
8211 :切り欠き部
8221 :切り欠き部
8321 :切り欠き部
8331 :切り欠き部
9411 :貫通孔
9412 :ネジ溝
9811 :ネジ孔
15361 :ネジ孔
15362 :ネジ孔
15363 :係合部
15364 :係合部