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  • 特開-複合材及び家具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170436
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】複合材及び家具
(51)【国際特許分類】
   B32B 21/13 20060101AFI20231124BHJP
   B32B 3/04 20060101ALI20231124BHJP
   A47B 13/08 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B32B21/13
B32B3/04
A47B13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082200
(22)【出願日】2022-05-19
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】592207832
【氏名又は名称】日本コパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【弁理士】
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 宗利
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 健二
【テーマコード(参考)】
3B053
4F100
【Fターム(参考)】
3B053PA05
3B053PA06
3B053PB03
3B053PC04
4F100AK51
4F100AP01A
4F100AP01B
4F100AP03A
4F100AP03B
4F100BA02
4F100DB16A
4F100DB16B
4F100EC122
4F100GB81
4F100JL10B
(57)【要約】
【課題】軽量化を図ることができ、かつ、耐久性を向上させることが可能な複合材及び家具を提供すること。
【解決手段】複合材1は、中密度木質繊維板よりも低い密度を有する木質材料からなる芯材2と、芯材2の一面側に設けられ、中密度木質繊維板からなる表面材3と、芯材2の側面及び表面材3の側面を被覆するように設けられた木口材4とを備え、表面材3は、着色された木質繊維を含む中密度木質繊維板からなり、木口材4は、ヒノキ等の天然木からなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中密度木質繊維板よりも低い密度を有する木質材料からなる芯材と、
前記芯材の一面側に設けられ、中密度木質繊維板からなる表面材と、
前記芯材の側面及び前記表面材の側面を被覆するように設けられた木口材と、
を備える複合材。
【請求項2】
前記表面材は、着色された木質繊維を含む中密度木質繊維板からなる請求項1に記載の複合材。
【請求項3】
前記木口材は、天然木からなる請求項1又は2に記載の複合材。
【請求項4】
請求項1に記載の複合材を有する家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材及び家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家具、例えばテーブルや棚などの天板には、表面の化粧材として、メラミン化粧板を用いるものが一般的である。例えば、下記の特許文献1には、芯材の上面側にメラミン化粧板が貼られ、芯材の下面側にカラー合板が貼られた家具の天板に関する技術が開示され、下記の特許文献2には、MDFボードの表面及び裏面にメラミン樹脂層が形成されたボードに関する技術が開示されている。
【0003】
また、芯材と表面材を備える複合材において、表面材にメラミン化粧板ではなく天然の木材が用いられるものがある。下記の特許文献3に開示された複合材では、表面材として木目を有する板状の部材が用いられ、特許文献4に開示された棚板では、表面及び木口に天然木が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5-13246号公報
【特許文献2】特開2021-88062号公報
【特許文献3】特開2021-75020号公報
【特許文献4】実開平2-56603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複合材において、中密度木質繊維板(MDF)は一般に芯材として用いられている。また、MDFは、単板(一枚板)として用いられて、家具の天板や棚板等として使用される場合もある。
【0006】
しかし、MDFは木質チップ等の木質繊維を原料として熱圧成型されたものであることから、外部からの衝突等によって角などが欠けやすく、単板として用いづらいという欠点がある。また、家具に使用可能なMDFは、比較的高密度(0.6g/cm~0.8g/cm)であり、単板として使用すると、家具の重量が重くなり、運搬しづらく組み立てにくいという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、軽量化を図ることができ、かつ、耐久性を向上させることが可能な複合材及び家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の複合材及び家具は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明に係る複合材は、中密度木質繊維板よりも低い密度を有する木質材料からなる芯材と、前記芯材の一面側に設けられ、中密度木質繊維板からなる表面材と、前記芯材の側面及び前記表面材の側面を被覆するように設けられた木口材とを備える。
【0009】
この構成によれば、複合材は、芯材と表面材と木口材を備え、芯材は、中密度木質繊維板(MDF)よりも低い密度を有する木質材料からなり、芯材の一面側に設けられた表面材は、中密度木質繊維板(MDF)からなる。芯材は、表面材よりも低密度であるから、複合材は、全てを中密度木質繊維板とした単板(一枚板)よりも軽量である。また、芯材の側面及び表面材の側面には木口材がこれらの側面を覆うように設けられる。これにより、中密度木質繊維板からなる表面材が外部からの衝突等によって欠けにくくなる。よって、複合材は、板材として軽量化を図ることができ、かつ、耐久性を向上させることができる。
【0010】
上記発明において、前記表面材は、着色された木質繊維を含む中密度木質繊維板からなってもよい。
【0011】
この構成によれば、表面において別途化粧シート等を貼ることなく木質繊維の風合いと独特の色みを外観面に表すことができ、意匠性を高めることができる。
【0012】
上記発明において、前記木口材は、天然木からなってもよい。
【0013】
この構成によれば、木口材が天然木からなり、木口材は木質繊維を原料として熱圧成型された繊維板ではないため、外部からの衝突等によって角が欠けにくくなる。これにより、板材として、耐久性を向上させることができる。
【0014】
本発明に係る家具は、上述した複合材を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、軽量化を図ることができ、かつ、耐久性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る複合材を示す部分拡大縦断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る複合材を示す斜視図であり、複合材表面の表面材側を示している。
図3】本発明の一実施形態に係る複合材を示す斜視図であり、複合材裏面の芯材側を示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態に係る複合材1について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る複合材1は、図1から図3に示すように、例えば、芯材2と、表面材3と、木口材4等を備える。表面材3は、中密度木質繊維板(MDF)であり、複合材1では、木質チップなどの木質繊維の風合いが外観として現れる。複合材1は、例えば、家具の天板、棚板等に使用される。家具は、例えば、テーブル、棚、椅子などであり、住居や事務所、店舗などに設置される。複合材1の寸法は、例えば、製作される家具等のサイズに応じて決定される。
【0018】
図1及び図2に示すように、芯材2の一面側、すなわち、表面側には、表面材3が設けられる。芯材2は、表面材3よりも低密度である木質材料からなる。芯材2は、例えばラワンランバーである。ラワンランバーは、例えば、コア材がファルカタ集成材であって、シナ、ラワン等がコア材の両面に貼られたものである。
【0019】
表面材3は、中密度木質繊維板(MDF)であり、芯材2の一面側に設けられる。芯材2と表面材3は例えば接着剤によって互いに密着して貼り合わされる。これにより、芯材2と表面材3それぞれが単板として用いられる場合と異なり、強度が高まり、また、反りが生じにくい。
【0020】
表面材3は、例えば、着色された木質繊維を含む中密度木質繊維板(カラーMDF)からなる。カラーMDFは、製造時の木質繊維を熱圧成型する前に着色し、着色後の木質繊維を熱圧成型したものである。カラーMDFが用いられることにより、別途化粧シート等を貼らずに、木質繊維の風合いと独特の色みを外観面に表すことができ、意匠性を高めることができる。カラーMDFには、青色、緑色、黄色、赤色、灰色などが存在し、カラーMDFは、木質繊維を着色せずに成型した肌色や茶色を有する一般的なMDFや、MDFの表面が塗料によって均一に塗装された材料とは異なる外観である。
【0021】
表面材3の表面は、例えば、ポリウレタンなどが塗装されることによって仕上げられて、表面材3の耐久性が高められる。
【0022】
複合材1の板厚は、例えば20mmであり、この場合において、芯材2と表面材3は、板厚がそれぞれ15mm、5mmである。芯材2と表面材3の板厚比は、3:1である。なお、本発明において、複合材1等の板厚は、この例に限定されない。
【0023】
本実施形態に係る複合材1は、芯材2がMDFよりも低い密度を有する木質材料からなることから、全てをMDFとした単板(一枚板)よりも軽量である。
【0024】
木口材4は、芯材2の側面及び表面材3の側面を被覆するように設けられる。木口材4と芯材2及び表面材3は例えば接着剤によって互いに貼り合わされる。これにより、MDFからなる表面材3が保護されて、外部からの衝突等によって欠けにくくなる。
【0025】
木口材4は、例えば、天然木(例えば、ヒノキ、スギ等)からなる。この場合、木口材4は、木質繊維を原料として熱圧成型された繊維板ではないため、木口材4自体が外部からの衝突等によって欠けにくい。木口材4は、例えば、板厚が5mm~10mm程度である。木口材4は比較的小さいサイズであるため、木口材4として天然木を使用した場合でも、間伐材を利用でき、複合材1を環境保護に鑑みた製品として製造できる。
【0026】
木口材4の表側と裏側の角部には、図1に示すように、例えば傾斜角度45°の斜面からなる糸面(テーパ面)が形成されてもよい。
【0027】
以上、本実施形態によれば、芯材2と表面材3が互いに密着して貼り合わされるため、それぞれが単板として用いられる場合と異なり、強度が高まり、また、反りが生じにくい。また、芯材2は、表面材3よりも低密度であるから、表面材3に比較的高密度なMDF(0.6g/cm~0.85g/cm)を用いたとしても、複合材1は、全てを中密度木質繊維板とした単板(一枚板)よりも軽量である。これにより、複合材1が家具の天板や棚板等に使用された場合、家具の軽量化を図ることができ、運搬や組み立てが簡便になる。
【0028】
本実施形態に係る複合材1が家具の天板として使用される場合、図3に示すように、複合材1の裏面側、すなわち、表面材3とは反対側の面において、ボルトを受けるナット部5が形成されてもよい。これにより、家具の脚として使用される部材と、天板として使用される複合材1がボルトによって固定される。ナット部5は、例えば、芯材2に鬼目ナットが埋め込まれることで形成される。
【0029】
芯材2の側面及び表面材3の側面には、図1から図3に示すように、木口材4が芯材2及び表面材3の側面を覆うように設けられる。これにより、MDFからなる表面材3が外部からの衝突等によって欠けにくくなる。MDFは木質チップ等の木質繊維を原料として熱圧成型されたものであることから、外部からの衝突等によって角などが欠けやすく、単板として用いづらいが、本実施形態のような複合材1とすることによって、板材として耐久性を向上させることができる。
【0030】
表面材3が着色された木質繊維を含む中密度木質繊維板(カラーMDF)からなる場合、複合材1の表面において別途化粧シート等を貼ることなく木質繊維の風合いや独特の色みを外観面に表すことができ、意匠性を高めることができる。
【0031】
木口材4は天然木でもよく、この場合、木口材4は木質繊維を原料として熱圧成型された繊維板ではないため、外部からの衝突等によっても角が欠けにくくなる。これにより、複合材1は、板材として耐久性を向上させることができる。
【0032】
なお、芯材2及び木口材4の材料は、上述した実施形態の例に限定されず、他の材料でもよい。また、芯材2の裏面側、すなわち、表面材3とは反対側の面は、芯材2が露出したままとしてもよいし、他の板材(MDF等)やシート材等が貼り合わされてもよい。さらに、芯材2と表面材3が直接貼り合わされる例について説明したが、芯材2と表面材3の間に他の板材又はシート材等が配置されてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 複合材
2 芯材
3 表面材
4 木口材
5 ナット部
図1
図2
図3