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特開2023-170484コントロールセンタ用のリレーユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170484
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】コントロールセンタ用のリレーユニット
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/56 20060101AFI20231124BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H02B1/56 A
H05K7/20 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082284
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】服部 和馬
【テーマコード(参考)】
5E322
5G016
【Fターム(参考)】
5E322AB10
5E322BB03
5E322BB05
5E322BB06
5G016AA04
5G016CG04
(57)【要約】
【課題】排熱性能を高めたコントロールセンタ用のリレーユニットを提供する。
【解決手段】コントロールセンタ用のリレーユニットは、コントロールセンタの収容室に収容されるリレーユニットであって、負荷に対する電流を制御する回路機器と、リレーユニットが収容される収容室内の換気を行うための風を発生させるファン装置と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントロールセンタの収容室に収容されるリレーユニットであって、
負荷に対する電流を制御する回路機器と、
前記リレーユニットが収容される前記収容室内の換気を行うための風を発生させるファン装置と、
を備えるコントロールセンタ用のリレーユニット。
【請求項2】
前記ファン装置の運転を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記負荷が運転中である場合に前記ファン装置を運転する制御を実行可能である、
請求項1に記載のコントロールセンタ用のリレーユニット。
【請求項3】
前記リレーユニットが収容される前記収容室内の温度を検知可能な温度センサと、
前記ファン装置の運転を制御する制御部と、を更に備え、
前記制御部は、前記温度センサで検知した温度が予め設定された所定温度を超えた場合に前記ファン装置を運転する制御を実行可能である、
請求項1に記載のコントロールセンタ用のリレーユニット。
【請求項4】
前記リレーユニットが収容される前記収容室内の温度を検知可能な温度センサと、
前記ファン装置の運転を制御する制御部と、を更に備え、
前記制御部は、前記温度センサによる検出温度が高くなるにつれて前記ファン装置の回転速度を早くするよう調整する回転速度調整処理を実行可能である、
請求項1に記載のコントロールセンタ用のリレーユニット。
【請求項5】
前記ファン装置の運転に伴う累積運転時間又は累積回転量を記憶可能な記憶部、
を更に備えている請求項1から4のいずれか一項に記載のコントロールセンタ用のリレーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、コントロールセンタ用のリレーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
コントロールセンタの一例であるモータコントロールセンタは、複数のモータを制御する閉鎖配電盤のことであり、制御対象の負荷である複数のモータを集中管理する機能を有する。コントロールセンタは、筐体の内部に、各モータを制御するための装置として各モータに対応した複数のリレーユニットを収容する。モータの制御に伴いリレーユニットから熱が発生するが、リレーユニットの放熱が阻害されてリレーユニットの周囲に熱が籠ると、リレーユニットの能力低下に繋がるおそれがある。そのため、従来、コントロールセンタは、例えば筐体の上部に放熱用のファン装置を設けて放熱を行う構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-92313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のコントロールセンタは、リレーユニットを多段積みして構成されることが一般的であり、更にリレーユニットが収容される空間は仕切り板等で仕切られていることが多いため、リレーユニットの収容空間内に熱が籠り易い。このため、コントロールセンタの上部にファン装置を設置する方式では、各収容空間内の熱を十分に排熱できず、改善の余地があった。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排熱性能を高めたコントロールセンタ用のリレーユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
コントロールセンタ用のリレーユニットは、コントロールセンタの収容室に収容されるリレーユニットであって、負荷に対する電流を制御する回路機器と、前記リレーユニットが収容される前記収容室内の換気を行うための風を発生させるファン装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態によるコントロールセンタの一例について、収容室にリレーユニットが収容された状態を示す正面図
図2】一実施形態によるコントロールセンタの一例について、収容室にリレーユニットが収容された状態を示す横断面図
図3】一実施形態によるリレーユニットの電気的構成の一例を示すブロック図
図4】一実施形態によるリレーユニットについて、ファン装置の運転を開始するための運転条件の一例を示す図
図5】一実施形態によるリレーユニットについて、ファン装置の運転を停止するための停止条件の一例を示す図
図6】一実施形態によるリレーユニットについて、温度センサの検出温度に基づいて調整されるファン装置の回転速度の一例を示す図
図7】一実施形態によるリレーユニットについて、温度センサの検出温度に基づいて調整されるファン装置の回転速度の他の例を示す図
図8】一実施形態によるリレーユニットについて、記憶部に記憶されるファン装置の運転に関する情報の一例を概念的に示す図
図9】一実施形態によるリレーユニットについて、ファン装置に対して制御部が実行する制御内容の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態によるコントロールセンタ及びコントロールセンタ用のリレーユニットについて図面を参照しながら説明する。まず、図1から図3を参照して、リレーユニット20を含むコントロールセンタ1の構成について説明する。図1に例示するコントロールセンタ1は、制御対象の負荷である図示しない複数のモータを集中管理するモータコントロールセンタである。コントロールセンタ1は、筐体10及び複数のリレーユニット20を備えている。
【0009】
筐体10は、コントロールセンタ1の外殻を構成する。筐体10は、箱体11、収容室扉12、及び配線室扉13を有している。箱体11は、全体として矩形箱状に構成されており、内部に複数の収容室111、配線室112、及び排気部113を有している。各収容室111は、リレーユニット20を収容するための空間である。各収容室111は、箱体11の内部の空間を仕切り板114によって上下方向に仕切ることによって構成されており、前面が開口した矩形状に形成されている。収容室111は、箱体11の上下方向に複数、この場合、5つ並べて配置されている。なお、図1において、最上段及び最下段の収容室111に対応した収容室扉12は開いており、最上段及び最下段以外の収容室111に対応した収容室扉12は閉じている。
【0010】
配線室112は、図示しない配線を収容するための空間である。この場合、図示しない配線とは、例えば制御対象となる各モータに接続された電気配線等である。各モータに接続された電気配線は、外部から箱体11内に引き込まれて各収容室111に分配されて、収容室111内に配置されたリレーユニット20に接続される。配線室112は、前面が開口した上下方向に長い矩形状に形成されている。配線室112は、各収容室111に繋がっている。
【0011】
収容室扉12は、各収容室111の前面の開口を開閉するための扉であり、例えばヒンジ開閉式の扉で構成することができる。また、配線室扉13は、配線室112の前面の開口を開閉するための扉であり、例えばヒンジ開閉式の扉で構成することができる。
【0012】
排気部113は、箱体11の内部と外部とを連通する部分であり、箱体11内の空気を箱体11の外部に排気する機能を有する。排気部113は、例えば配線室112の上端部に設けられている。
【0013】
各リレーユニット20は、収容室111内に着脱可能であって、箱体11内の各収容室111に上下方向に段積みした状態で収容可能に構成されている。各リレーユニット20には、制御対象の負荷としてそれぞれ異なる個体のモータが割り当てられる。そして、各リレーユニット20は、割り当てられたモータを制御及び保護する機能を有する。なお、各リレーユニット20の具体的な回路構成は、対象となるモータに応じて適宜変更される。コントロールセンタ1は、収容室111内に収容されたリレーユニット20に対し電力を供給する図示しない電力供給部を備えている。
【0014】
リレーユニット20は、図1及び図2に示すように、全体として矩形の箱状に構成されており、フレーム21と、基板部30と、有している。フレーム21は、例えば金属製の棒部材によって矩形の枠状に形成されている。基板部30は、フレーム21内に設けられている。基板部30は、リレーユニット20の機能を発揮するための構成であり、1又は複数の回路機器31、操作パネルユニット32、及びファン装置33を有している。
【0015】
回路機器31は、例えば電磁接触器、遮断器、補助継電器、変圧器、変流器、電流センサ、及び端子台等を含んで構成することができる。回路機器31は、制御対象となる負荷つまりモータに対する電流の制御として、例えば負荷の電流値を監視して負荷に対する電流の開閉制御等を行うための電気機器である。つまり、回路機器31は、リレーユニット20の電気回路を構成する要素である。回路機器31は、リレーユニット20の制御対象となるモータの仕様に応じて、つまりリレーユニット20の回路構成に応じて適宜設定される。
【0016】
操作パネルユニット32は、リレーユニット20に関する情報をユーザに提示するとともに、ユーザからの操作入力を受け付ける機能を有する。操作パネルユニット32は、図1に示すように、例えば液晶ディスプレイや7セグメントディスプレイ等の表示部321と、タッチパネルやスイッチ等の入力部322と、を有して構成することができる。
【0017】
この場合、各収容室扉12は、露出部121を有している。露出部121は、収容室扉12を閉じた場合に、操作パネルユニット32の前面つまり表示部321及び入力部322を収容室扉12の外方へ露出させる機能を有する。露出部121は、操作パネルユニット32の前面の形状に沿った形状、例えば矩形状に、収容室扉12を厚み方向に貫いて形成されている。この露出部121により、ユーザは、収容室扉12を開けることなく表示部321を視認し、また入力部322に対して操作を行うことができる。
【0018】
ファン装置33は、リレーユニット20が収容される収容室111内の換気を行うための風を発生させる機能を有する。ファン装置33は、例えば操作パネルユニット32に組み込まれた構成とすることができる。この場合、各収容室扉12を閉じた状態で、ファン装置33は、収容室扉12の外方に露出している。なお、ファン装置33は、操作パネルユニット32から独立した構成とすることができる。ファン装置33は、図2の実線矢印で示すように、収容室扉12の外方の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を収容室111内へ吐き出す機能を有する。ファン装置33は、コントロールセンタ1が有する図示しない電力供給部からの電力供給を受けて駆動する。
【0019】
この構成において、ファン装置33が動作すると、収容室111内の空気は、ファン装置33の送風作用によって収容室111から配線室112に押し出され、その後、図1の実線矢印で示すように配線室112を上昇して排気部113からコントロールセンタ1の外部に排気される。これにより、リレーユニット20の運転により収容室111内に籠った熱が、コントロールセンタ1の外部に排熱される。
【0020】
また、リレーユニット20は、図3に示すように、制御部40、温度センサ41、記憶部42、及び通信部43を備えている。制御部40、温度センサ41、記憶部42、及び通信部43は、例えば操作パネルユニット32内に組み込んだ構成とすることができる。なお、制御部40、温度センサ41、記憶部42、及び通信部43は、操作パネルユニット32の外部に設けられた構成でも良い。
【0021】
制御部40は、リレーユニット20の動作全般を制御して、割り当てられているモータの運転や保護を行う機能を有する。また、操作パネルユニット32、ファン装置33、温度センサ41、記憶部42、及び通信部43は、制御部40に電気的に接続されており、それぞれ制御部40の制御を受けて動作する。すなわち、制御部40は、操作パネルユニット32の動作やファン装置33の運転を制御する機能を有する。温度センサ41は、リレーユニット20が収容される収容室111内の温度を検知可能である。
【0022】
記憶部42は、例えば周知の半導体メモリ等の記憶媒体によって構成されており、各種の情報を記憶可能に構成されている。通信部43は、例えば周知の通信モジュールなどによって構成されており、例えばユーザのパソコンやコントロールセンタ1の上位の装置等と、有線又は無線により通信する機能を有している。ユーザは、例えばパソコン等の外部装置を通信部43に接続することにより、記憶部42に記憶されている各種のデータをパソコンに転送することができる。
【0023】
ファン装置33は、例えばリレーユニット20に電源が投入されてファン装置33の運転が可能になっている場合に常に動作し続ける構成とすることができる。また、ファン装置33は、制御部40によって制御される構成とすることもできる。本実施形態の場合、ファン装置33の運転は、制御部40によって制御される。
【0024】
制御部40は、リレーユニット20に電源が投入されてファン装置33の運転が可能になった後、例えば図4に示すように所定の運転条件が成立した場合に、ファン装置33の運転を開始する処理を実行可能である。また、制御部40は、ファン装置33の運転中に例えば図5に示すような停止条件が成立した場合に、ファン装置33の運転を停止する処理を実行可能である。
【0025】
運転条件及び停止条件は、例えば負荷となるモータの運転状況や、リレーユニット20が収容されている収容室111内の温度状況つまり温度センサ41の検出温度を基準に設定することができる。リレーユニット20は、例えば図4に示す運転条件1~4及び図5に示す停止条件1~4を予め備えており、運転条件1~4及び停止条件1~4の中から任意の運転条件及び停止条件をユーザが選択する構成とすることができる。
【0026】
図4に示す運転条件1は、負荷であるモータの運転状況を基準としたものであり、モータが運転中である場合にファン装置33の運転が開始される条件となっている。負荷であるモータが運転中となった場合、つまりリレーユニット20により負荷を制御している場合に、運転条件1が成立する。運転条件1を採用した場合、制御部40は、負荷が運転中となった場合にのみファン装置33の運転を開始し、負荷が停止している場合にはファン装置33の運転を開始しない。
【0027】
運転条件2は、温度センサ41の検出温度を基準にしたものであり、温度センサ41の検出温度が予め設定された所定温度T1以上となった場合にファン装置33の運転が開始される条件となっている。温度センサ41の検出温度が所定温度T1以上となった場合に、運転条件2が成立する。運転条件2を採用した場合、制御部40は、温度センサ41の検出温度が所定温度T1以上となった場合にのみファン装置33の運転を開始し、温度センサ41の検出温度が所定温度T1以上になっていない場合にはファン装置33の運転を開始しない。
【0028】
運転条件3は、運転条件1と運転条件2の論理和となる条件である。運転条件1又は運転条件2のうち少なくとも一方が成立した場合に、運転条件3が成立する。そして、運転条件4は、運転条件1と運転条件2の論理積となる条件である。運転条件1及び運転条件2の両方が成立した場合に、運転条件3が成立する。
【0029】
また、図5に示す停止条件1は、負荷であるモータの運転状況を基準としたものであり、負荷であるモータが停止した場合にファン装置33が停止される条件となっている。負荷であるモータが停止した場合に、停止条件1が成立する。停止条件1を採用した場合、制御部40は、モータが運転中から停止中に切り替わった場合にのみファン装置33を停止させ、モータの運転が継続している場合にはファン装置33の運転も継続する。
【0030】
停止条件2は、温度センサ41の検出温度を基準にしたものであり、温度センサ41の検出温度が予め設定された所定温度T2以下となった場合にファン装置33が停止される条件となっている。温度センサ41の検出温度が所定温度T2以下となった場合に、停止条件2が成立する。停止条件2を採用した場合、制御部40は、温度センサ41の検出温度が所定温度T2以下となった場合にのみファン装置33を停止させ、温度センサ41の検出温度が所定温度T2より高い場合にはファン装置33の運転を継続する。
【0031】
停止条件3は、停止条件1と停止条件2の論理和となる条件である。停止条件1又は停止条件2のうち少なくとも一方が成立した場合に、停止条件3が成立する。そして、停止条件4は、停止条件1と停止条件2の論理積となる条件である。停止条件1及び停止条件2の両方が成立した場合に、停止条件3が成立する。
【0032】
また、制御部40は、回転速度調整処理を実行可能である。回転速度調整処理は、温度センサ41による検出温度が高くなるにつれてファン装置33の回転速度を早くするよう調整する、つまり風量を増大する処理である。図6及び図7のグラフにおいて、横軸は温度センサ41による検出温度を示し、縦軸はファン装置33の回転速度を示している。また、最大回転速度Vmaxは、ファン装置33において機械的又は制御的に動作可能な最大回転速度である。制御的に動作可能な最大回転速度とは、ファン装置33の機械的な最大回転速度に対して制御的に制限された最大回転速度を意味する。また、本実施形態の場合、ファン装置33の回転速度は、ファン装置33の送風作用による単位時間当たりの風量と同義である。
【0033】
制御部40は、例えば図6に示すように、温度センサ41による検出温度が高くなるにつれて、ファン装置33の回転速度を、最大回転速度Vmaxになるまで段階的に早めるように調整する、つまり段階的に風量を増大させるように調整する処理を実行可能である。この場合、制御部40は、温度センサ41による検出温度が高くなるにつれて、ファン装置33の送風作用による単位時間当たりの風量を段階的に増大させる。
【0034】
また、制御部40は、例えば図7に示すように、温度センサ41による検出温度が高くなるにつれて、ファン装置33の回転速度を、最大回転速度Vmaxになるまで線形的に早めるように調整する、つまり温度センサ41の検出温度に比例して連続的に風量を増大させるように調整する処理を実行可能である。この場合、制御部40は、温度センサ41による検出温度が高くなるにつれて、ファン装置33の送風作用による単位時間当たりの風量を連続的に増大させる。
【0035】
また、制御部40は、記憶処理を実行可能である。記憶処理は、例えばファン装置33の運転が終了する毎に、ファン装置33の運転に関する情報として、ファン装置33の運転に伴う回転量の累積値又は運転時間の累積値を記憶部42に記憶させる処理である。ユーザは、例えばパソコン等の外部のコンピュータを通信部43に接続することにより、記憶部42に記憶されているファン装置33の運転に関する情報を外部のコンピュータに転送して確認することができる。
【0036】
制御部40は、ファン装置33の運転に関する情報として例えば図8に示す情報を、記憶部42に記憶させる。ファン装置33の運転に関する情報は、図8に示すように、例えば記録日時、ファン装置33の連続運転時間、ファン装置33の累積運転時間、ファン装置33の連続回転量、及びファン装置33の累積回転量を含むものとすることができる。
【0037】
記録日時は、対象となる情報を記録した日時、すなわちファン装置33の運転が行われた日時である。連続運転時間は、ファン装置33が連続して運転されていた時間、つまりファン装置33の運転が開始して停止するまでの時間を意味する。累積運転時間は、例えばリレーユニット20が製造された時点などある特定の時点を基準時点とし、その基準時点から現在に至るまでのファン装置33の運転時間を累積したものである。すなわち、累積運転時間は、これまでの連続運転時間の累積値となる。連続回転量は、ファン装置33が連続して運転されていた期間中に回転した量つまり回転回数を意味する。累積運転時間は、上述した基準時点から現在に至るまでのファン装置33の回転量つまり回転回数を累積したものである。すなわち、累積回転量は、これまでの連続回転量の累積値となる。
【0038】
制御部40は、例えば図9に示すフローに従ってファン装置33の運転を制御することができる。例えばリレーユニット20に電源が投入されると、制御部40は、図9に示すステップS11~S16を繰り返す。制御部40は、まず、ステップS11において、例えば図4に示すファン装置33の運転条件が成立したか否かを判断する。運転条件が成立していない場合(ステップS11でNO)、制御部40は、ステップS11を繰り返す。運転条件が成立すると(ステップS11でYES)、制御部40は、ステップS12に処理を移行させ、ファン装置33の運転を開始する。
【0039】
次に、制御部40は、ステップS13に処理を移行させ、上述した回転速度調整処理を行う。次に、制御部40は、ステップS14に処理を移行させ、例えば図5に示すファン装置33の停止条件が成立したか否かを判断する。停止条件が成立していない場合(ステップS14でNO)、制御部40は、ステップS13、S14を繰り返す。停止条件が成立すると(ステップS14でYES)、制御部40は、ステップS15に処理を移行させ、ファン装置33の運転を停止する。次に、制御部40は、ステップS16に処理を移行させ、上述した記憶処理を実行する。その後、制御部40は、ステップS11に処理を戻し、ステップS11以降を再度実行する。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、リレーユニット20は、コントロールセンタ1の収容室111に収容されるリレーユニットであって、回路機器31と、ファン装置33と、を備える。回路機器31は、負荷に対する電流の開閉制御を行う機能を有する。ファン装置33は、リレーユニット20が収容される収容室111内の換気を行うための風を発生させる機能を有する。
【0041】
これによれば、コントロールセンタ1の筐体10内に段積み状態で収容されたリレーユニット20のそれぞれがファン装置33を備えているため、収容室111内に滞留した熱を収容室111外に効果的に排熱することができる。その結果、リレーユニット20の排熱性能を十分に高めることができる。
【0042】
また、例えば従来構成のように、コントロールセンタの上部にファン装置を設置する方式の場合、そのファン装置は、コントロールセンタにリレーユニットを満載した状態でも十分に排熱可能なものであることが重要である。すなわち、コントロールセンタの上部にファン装置を設置する方式の場合、そのファン装置は、コントロールセンタにリレーユニットを満載した場合を見越して風量の大きい高出力で大型のものにする必要があり、その結果、コントロールセンタ自体が大型化してしまう。
【0043】
これに対し、本実施形態のようにリレーユニット20自体がファン装置33を備えることによって、各リレーユニット20が個別に排熱することができるため、コントロールセンタ1に大型で高出力のファン装置を設ける必要がなくなる。その結果、コントロールセンタ1の大型化を抑制しつつ、高い排熱性を発揮することができる。
【0044】
また、ファン装置33は、回転駆動する機械的構成を備えており、更には比較的長期間連続して動作するため、故障等の不具合が発生し易い。この場合、コントロールセンタの上部にファン装置を設置する方式の場合、そのファン装置が故障すると、そのファン装置の故障が直るまでコントロールセンタ全体が使用できなくなる。すなわち、この場合、ファン装置の故障の影響が、コントロールセンタ全体に及び、その結果、コントロールセンタの稼働率が低下してしまう。
【0045】
これに対し、本実施形態のようにリレーユニット20自体がファン装置33を備える構成とすることで、仮にファン装置33が故障した場合であっても、その故障したファン装置33が設けられたリレーユニット20を交換するだけで良い。このため、ファン装置33の故障の影響が、コントロールセンタ1全体に及ぶことを防ぐことができる。その結果、ファン装置33の故障に起因したコントロールセンタ1の稼働率の低下を抑制することができる。
【0046】
また、リレーユニット20は、ファン装置33の運転を制御する制御部40を更に備えている。制御部40は、負荷となるモータが運転中である場合にファン装置33を運転する制御を実行可能である。これによれば、制御部40は、リレーユニット20の発熱が大きくなり易い負荷の運転中にファン装置33を運転し、リレーユニット20の発熱が大きくなり難い負荷の停止中にファン装置33を停止させることができる。このため、ファン装置33の無駄な運転を抑制してファン装置33の運転に伴う消費電力を低減できるとともに、ファン装置33の運転時間を抑制してファン装置33の寿命を延ばすことができる。
【0047】
また、リレーユニット20は、制御部40に加え、温度センサ41を更に備えている。温度センサ41は、リレーユニット20が収容される収容室111内の温度を検知可能に構成されている。制御部40は、温度センサ41で検知した温度が予め設定された所定温度T1を超えた場合にファン装置33を運転する制御を実行可能である。これによれば、収容室111内の温度を監視し、その温度に基づいてファン装置33の運転を行うことができるため、より効率良く排熱を行うことができる。
【0048】
また、制御部40は、温度センサ41による検出温度が高くなるにつれてファン装置33の回転速度を早くするよう調整する回転速度調整処理を実行可能である。これによれば、収容室111内の温度を監視し、その温度が高くなった場合に、ファン装置33の風量を増大させることができるため、より確実に排熱を行うことができる。
【0049】
そして、リレーユニット20は、記憶部42を更に備えている。記憶部42は、ファン装置33の運転に伴う累積運転時間又は累積回転量を記憶可能に構成されている。これによれば、ユーザは、記憶部42に記憶されている累積運転時間又は累積回転量を取得し確認することで、ファン装置33の残りの寿命や交換時期を予測することができる。これにより、ファン装置33の故障を事前に抑制でき、その結果、ファン装置33の故障によるコントロールセンタ1の稼働率の低下を抑制することができる。
【0050】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0051】
10…コントロールセンタ、111…収容室、20…リレーユニット、31…回路機器、33…ファン装置、40…制御部、41…温度センサ、42…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9