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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170526
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】トムソン刃加工具
(51)【国際特許分類】
   B21D 53/64 20060101AFI20231124BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20231124BHJP
   B26F 1/00 20060101ALI20231124BHJP
   B21H 7/14 20060101ALI20231124BHJP
   B26F 1/40 20060101ALN20231124BHJP
   B26F 1/18 20060101ALN20231124BHJP
【FI】
B21D53/64
B26F1/44 B
B26F1/00 B
B26F1/44 D
B21H7/14 Z
B26F1/40 B
B26F1/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082350
(22)【出願日】2022-05-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-19
(71)【出願人】
【識別番号】522198830
【氏名又は名称】株式会社スエヒロ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】末廣 清
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA01
3C060BA03
3C060BA08
3C060BB08
3C060BB18
3C060BB19
3C060BB20
3C060BD01
3C060BE07
(57)【要約】
【課題】 トムソン刃の刃先に最大溝幅0.3mmの三角溝を形成できるようにする。
【解決手段】 回転体3の外周に、トムソン刃Tの刃先に押し付けて食い込ませて三角溝Vを形成するべく、トムソン刃Tより硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃4を周方向等間隔に多数設ける。ロッックウエル硬さ27~60の機械構造用炭素鋼を焼入れしたトムソン刃Tに対して、加工刃4はトムソン刃Tより硬質でかつロッックウエル硬さ50~75の高速度工具鋼で形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体(3)の外周に、トムソン刃(T)の刃先に押し付けて三角溝(V)を形成するべく、トムソン刃(T)より硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃(4)を周方向等間隔に多数設けていることを特徴とするトムソン刃加工具。
【請求項2】
ロッックウエル硬さ27~60の機械構造用炭素鋼を焼入れしたトムソン刃(T)に対して、加工刃(4)はトムソン刃(T)より硬質でかつロッックウエル硬さ50~75の高速度工具鋼で形成していることを特徴とする請求項1に記載のトムソン刃加工具。
【請求項3】
前記加工刃(4)は、トムソン刃(T)の刃先に最大溝幅(W2)が0.3mmの三角溝(V)を形成するべく、刃の高さ(L1)が2~4mmであり、刃先切り込み高さ(L2)が0.1~0.3mmであり、かつ刃先角(θ)が40~60度であり、回転体(3)の外周に等配置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトムソン刃加工具。
【請求項4】
前記回転体(3)に支持軸(6)を貫通し、この支持軸(6)を手持ちハンドル(7)で支持していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトムソン刃加工具。
【請求項5】
前記回転体(3)に支持軸(6)を貫通し、この支持軸(6)を支持体(16)で支持し、この支持体(16)を上下昇降する昇降機構(22)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトムソン刃加工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トムソン型に使用されるトムソン刃にアンカット部を形成するための溝を形成するトムソン刃加工具に関する。
【背景技術】
【0002】
枚葉紙、シート等の被打ち抜き材をプレスで型抜きするトムソン刃(ビク型のビク刃とも称される。)は、刃先に被打ち抜き材を完全に打ち抜く全切刃部と、打ち抜かずにアンカット部(止め部、ツナギ部とも称する。)を残す溝(凹部、切り欠きとも称する。)とが形成されている。
刃先に溝を形成する従来技術として、特許文献1に記載のトムソン刃の打ち抜き装置は、トムソン刃を雄型と雌型で厚さ方向に挟んで、雄型の切り刃部を押動して刃先に切り抜き加工をしている。
【0003】
特許文献2に記載の成形シートの加工用刃型は、全切刃の所定箇所に腐食刃型等で半切刃を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4556226号公報
【特許文献2】特開2005-118900号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来技術で加工されたトムソン刃は、枚葉紙等の薄い被打ち抜き材であっても、アンカット部を残して全切部を打ち抜くことができるが、近年、アンカット部をより短く、例えば、0.15mm前後の長さにして、抜き材の抜き取り後に残るアンカット部の残片を見えなくなるようにしたいと言う要請が出ており、そのような要請に応えることが困難である。
【0006】
即ち、雄型の押し切り加工、腐食加工等では、0.15mm前後の長さのアンカット部を残すための溝をトムソン刃の刃先に加工することは困難である。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにしたトムソン刃加工具を提供することを目的とする。
本発明は、回転体の外周に先端鋭利に形成した加工刃を周方向等間隔に多数設けておいて、トムソン刃の刃先に押し付けて三角溝を形成できるようにしたトムソン刃加工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、回転体の外周に、トムソン刃の刃先に押し付けて三角溝を形成するべく、トムソン刃より硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃を周方向等間隔に多数設けていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、回転体の外周の加工刃をトムソン刃の刃先に押し付けて、刃先に最大溝幅0.3mmの三角溝を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態を示す側面図である。
図2図1のX-X線断面図である。
図3】トムソン刃加工具の斜視図である。
図4】三角溝の加工を示す説明図である。
図5】三角溝を加工したトムソン刃の斜視図である。
図6】三角溝を加工したトムソン刃と打ち抜き線を示す説明図である。
図7】本発明の第2実施形態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~4において、第1実施形態の手持ちのトムソン刃加工具1を例示している。手持ちトムソン刃加工具1は、回転体3の両面に外周テーパのガイド板5を設け、これらの内周に軸受8を嵌合し、この軸受8に支持軸6を貫通し、この支持軸6を手持ちハンドル7で支持している。
【0011】
回転体3と支持軸6との間に軸受8を設けて、支持軸6に対して回転体3を回転可能にしているが、軸受8を設けずに、回転体3を支持軸6に回転可能に嵌合したり、回転体3を支持軸6に固定して支持軸6を手持ちハンドル7に対して回転可能にしたりしてもよい。
回転体3は外周に加工刃4を周方向等間隔に多数設けている。加工刃4は断面三角形であり、円形鋸刃のように回転体3の外周に連続して等配置されているが、回転体3の外周に周方向に間隔をおいて等配置してもよい。この加工刃4は回転体3と別個の材料で形成して溶接等により固着することもできるが、同一材料で一体成形されている。
【0012】
前記加工刃4は、ロッックウエル硬さ50~75の高速度工具鋼で先端鋭利な断面三角形であり、刃の高さL1が2~4mmであり、刃先切り込み高さL2が0.1~0.3mmであり、かつ刃先角θ1が40~60度である。従って、刃先切り込み高さL2が0.3mmの位置では刃の幅W1は0.3mm以下となる。
多用される一般的なトムソン型のトムソン刃Tは、ロッックウエル硬さ27~60(ショア硬さ40~80)の機械構造用炭素鋼を薄くて長い帯刃状に形成して刃先を焼入れしており、センタ刃、片切刃、多段刃等の種類があり、刃先高さは例えば0.4~1.0mmになっている。
【0013】
このトムソン刃Tの刃先には、図4~6に示すように、刃長手方向に間隔をおいて複数の三角溝Vが形成され、残りは全切刃部Rとなっている。この三角溝Vは前記加工刃4の押し付けて食い込ませによって形成されたものであり、よって刃先先端側の最大溝幅W2は約0.3mmであり、溝底の角度θ2は40~60度となっている。
また、トムソン型で打ち抜く枚葉紙(シート)Nは厚薄あるが、一般的には0.3mm以下であり、0,1~0,2mmが多用されており、打ち抜き線S上に残すアンカット部(止め部、ツナギ部)Pの長さMは0.1~0.3mmであることが要求されている。
【0014】
例えば、厚さ0,15mmの枚葉紙に0.15mmのアンカット部Pを形成するには、S50Cで刃先焼入れしたトムソン刃Tの刃先に、刃先先端側の最大溝幅W2を0,15mm、溝深さを0,15mmとした三角溝Vが刃長手方向に約3.6mm間隔で多数形成する。
前記トムソン刃Tに前記寸法の三角溝Vを形成するための加工刃4は、図1に示したものでは、モリブデン系高速度工具鋼鋼材SKH51-HRC62-64で、回転体3の外周に36等配した先端鋭角な断面略三角形状の刃であり、刃先円直径41mm、刃底円直径35mm、刃先角θ1が約53度である。
【0015】
加工刃4は刃先が支持軸6と平行であり、断面鋭角であり、刃の高さL1が約3mmあるが、刃先の先端から約0,15mmまでが三角溝Vを形成するのに作用する刃先切り込み高さL2となっている。そして、刃円直径40.7mmに対応する箇所では、トムソン刃Tに三角溝Vのない溝間部分(約3.45mm)に、全切刃部Rを残すことになる。
トムソン型に用いるトムソン刃Tは、コイル状に巻いた帯刃を折り曲げ機で折り曲げながら所要寸法に切り取るか、予め所要寸法に切断された定寸帯刃を折り曲げ加工するかしており、加工刃4による三角溝Vの加工は、トムソン刃Tを折り曲げ加工する前後どちらでも行うことができ、また、トムソン刃Tをトムソン型の基板に装着してからでも行うことができ、しかもその溝加工箇所は刃の全長でも部分的であっても可能である。
【0016】
トムソン刃加工具1は手持ちハンドル7を持って、加工刃4のひとつをトムソン刃Tの刃先に押し付けて食い込ませ、回転体3を支持軸6廻りに回動して、複数の加工刃4を連続してトムソン刃Tに押し付けて食い込ませて三角溝Vを形成する。
トムソン刃加工具1を1方向に移動(往動)して所要深さの三角溝Vを形成できるが、トムソン刃加工具1を逆移動(復動)又は複数回移動して三角溝Vを所要深さに形成することもできる。
【0017】
また、トムソン刃加工具1を1方向に移動して所要深さの三角溝Vを形成した後に、加工刃4のひとつをトムソン刃Tの刃先の三角溝Vの間に押し付けて食い込ませて、回転体3を回動して三角溝Vを形成し、トムソン刃Tの刃先における三角溝Vの箇所数を倍増(三角溝Vのピッチが細かくなる。)させることもできる。
さらに、アンカット部Pの長さMを0.1mmや0.3mmとする場合は、加工刃4によるトムソン刃Tの刃先への押し付けて食い込ませる深さを浅くしたり深くして、三角溝Vの最大溝幅W2を約0.1mmや約0.3mmに形成すればよい。
【0018】
図7に第2実施形態を例示しており、この第2実施形態ではトムソン刃加工具1を加工装置11内に配置している。加工装置11は、テーブル12上にトムソン刃Tを挟持固定する刃ホルダ13を移動機構で直線移動可能に載置し、上部にヘッド部14を有する支持フレーム15をテーブル12から立ち上がらせ、前記ヘッド部14にトムソン刃加工具1を上下位置調整自在に設けている。
このトムソン刃加工具1は、加工刃4を外周に多数設けた回転体3と、この回転体3を回転自在に支持する支持軸6と、この支持軸6を支持する支持体16とを有し、支持体16は上部にネジ部17が形成されている。
【0019】
支持体16のネジ部17はヘッド部14を上下に貫通し、ヘッド部14内に配置した調整ダイヤル18が螺合しており、調整ダイヤル18を回動することにより、トムソン刃加工具1の加工刃4は上下位置が調整され、テーブル12上のトムソン刃Tに対して食い込みと離隔とが可能になっている。前記ネジ部17、調整ダイヤル18、ヘッド部14等によって、トムソン刃加工具1の支持体16をトムソン刃Tに対して昇降(上下位置調整)可能にする昇降機構22が構成されている。
【0020】
前記支持体16には、トムソン刃加工具1の位置決めロック部材20が上下移動可能に設けられている。この位置決めロック部材20は回転体3に対向する下部にV溝20aが形成されていて、下降することにより支持軸6の真上に位置する加工刃4に係合可能である。
位置決めロック部材20を真上の加工刃4に係合することにより、回転体3は回転不能になり、支持軸6の真下に位置する加工刃4がトムソン刃Tに対して最も接近し、食い込み開始点を決定できる。
【0021】
回転体3の加工刃4をトムソン刃Tに食い込ませた状態で、トムソン刃Tを固定した刃ホルダ13をテーブル12上で移動すれば、回転体3が回転しながら一定間隔で加工刃4がトムソン刃Tに三角溝Vを形成していく。トムソン刃Tの移動は片道でもよいが往復動でもよい。
加工刃4の1回目の食い込みで形成される三角溝Vの間隔は、回転体3の外周の加工刃4のピッチと同じになるが、1回目終了後にロック部材20を加工刃4に係合して加工刃4の位置を固定し、その状態で加工刃4をトムソン刃Tから上昇離隔し、その状態でトムソン刃Tを刃ホルダ13とともに微少距離、例えば三角溝Vの間隔の2分の1(又は3分の1)等を移動させ、その後に2回目(又は3回目)の加工刃4の食い込み・回転を行うことができる。
【0022】
トムソン刃Tに加工刃4の1回目食い込みによる三角溝Vの間に2回目、3回目の食い込みによる三角溝Vを形成することにより、枚葉紙Nの打ち抜き線Sに短い間隔、図6では約3.6mmであったが、約1.8mm又は1.2mm間隔でアンカット部Pを残すことができるようになる。
前述した実施形態においては、回転体3の外周に、トムソン刃Tの刃先に押し付けて食い込ませて三角溝Vを形成するべく、トムソン刃Tより硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃4を周方向等間隔に多数設けている。
この構成によって、回転体3の加工刃4でトムソン刃Tの刃先に三角溝Vをより確実に形成できる。
【0023】
また、前記実施形態においては、ロッックウエル硬さ27~60の機械構造用炭素鋼を焼入れしたトムソン刃Tに対して、加工刃4はトムソン刃Tより硬質でかつロッックウエル硬さ50~75の高速度工具鋼で形成している。
この構成によって、回転体3の加工刃4をトムソン刃Tの刃先に押し当てて回転していくことにより、トムソン刃Tの刃先に三角溝Vを形成できる。
さらに、前記実施形態においては、前記加工刃4は、トムソン刃Tの刃先に最大溝幅W2が0.3mmの三角溝Vを形成するべく、刃の高さL1が2~4mmであり、刃先切り込み高さL2が0.1~0.3mmであり、かつ刃先角θ1が40~60度であり、回転体3の外周に等配置している。
【0024】
この構成によって、加工刃4でトムソン刃Tの刃先に最大溝幅0.3mmの三角溝Vを形成でき、枚葉紙Nに0.3mm以下のアンカット部Pを残すことができる。
さらにまた、前記実施形態においては、前記回転体3に支持軸6を貫通し、この支持軸6を手持ちハンドル7で支持している。
この構成によって、加工刃4を有する回転体3を手持ちで持ってトムソン刃Tの刃先に宛がって、トムソン刃Tの刃先に三角溝Vを形成できる。
【0025】
さらにまた、前記回転体3に支持軸6を貫通し、この支持軸6を支持体16で支持し、この支持体16を上下昇降する昇降機構22を有している。
この構成によって、トムソン刃Tの刃先に対して加工刃4を正確に押し付け食い込ませることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
【0026】
例えば、加工刃4の刃先は、支持軸6と平行なスパーギヤ形状であるが、支持軸6に対して傾斜したヘリカルギヤ形状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 トムソン刃加工具
3 回転体
4 加工刃
5 ガイド板
6 支持軸
7 手持ちハンドル
8 軸受
16 支持体
17 ネジ部
18 調整ダイヤル
22 昇降機構
θ1 刃先角
θ2 角度
L1 刃の高さ
L2 刃先切り込み高さ
M アンカット部長さ
N 枚葉紙
P アンカット部
R 全切刃部
S 打ち抜き線
T トムソン刃
V 三角溝
W1 刃の幅
W2 最大溝幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-02-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長い帯刃状のトムソン刃(T)の刃先に対して刃先長手方向に相対移動可能にかつ刃先に遠近位置変更可能に配置される支持軸(6)と、
この支持軸(6)に嵌合していて、外周をトムソン刃(T)の刃先に押し付け可能な回転体(3)と、
この回転体(3)の両端面に設けられていて回転体(3)より大径の外周を有するガイド板(5)と、
前記支持軸(6)の両端を支持する手持ちハンドル(7)とを有しており、
前記回転体(3)の外周には、トムソン刃(T)の刃先に刃先長手方向が交差する姿勢で押し付けて三角溝(V)を形成するべく、トムソン刃(T)より硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃(4)を周方向等間隔に多数設けていることを特徴とするトムソン刃加工具。
【請求項2】
長い帯刃状のトムソン刃(T)の刃先に対して刃先長手方向に相対移動可能にかつ刃先に遠近位置変更可能に配置される支持軸(6)と、
この支持軸(6)に嵌合していて、外周をトムソン刃(T)の刃先に押し付け可能な回転体(3)と、
この回転体(3)の両端面に設けられていて回転体(3)より大径の外周を有するガイド板(5)と、
前記支持軸(6)の両端を支持する支持体(16)と、
前記回転体(3)をトムソン刃(T)の刃先に対して遠近位置変更するべく前記支持体(16)を上下昇降する昇降機構(22)とを有しており、
前記回転体(3)の外周には、トムソン刃(T)の刃先に刃先長手方向が交差する姿勢で押し付けて三角溝(V)を形成するべく、トムソン刃(T)より硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃(4)を周方向等間隔に多数設けていることを特徴とするトムソン刃加工具。
【請求項3】
前記支持体(16)には、回転体(3)がトムソン刃(T)から離隔しているときに、加工刃(4)と係合して回転体(3)を回転不能にするロック部材(20)を設けていることを特徴とする請求項2に記載のトムソン刃加工具。
【請求項4】
ロッックウエル硬さ27~60の機械構造用炭素鋼を焼入れしたトムソン刃(T)に対して、加工刃(4)はトムソン刃(T)より硬質でかつロッックウエル硬さ50~75の高速度工具鋼で形成していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトムソン刃加工具。
【請求項5】
前記加工刃(4)は、トムソン刃(T)の刃先に最大溝幅(W2)が0.3mmの三角溝(V)を形成するべく、刃の高さ(L1)が2~4mmであり、刃先切り込み高さ(L2)が0.1~0.3mmであり、かつ刃先角(θ)が40~60度であり、回転体(3)の外周に等配置していることを特徴とする請求項1又は2に記載のトムソン刃加工具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、長い帯刃状のトムソン刃の刃先に対して刃先長手方向に相対移動可能にかつ刃先に遠近位置変更可能に配置される支持軸と、この支持軸に嵌合していて、外周をトムソン刃の刃先に押し付け可能な回転体と、この回転体の両端面に設けられていて回転体より大径の外周を有するガイド板と、前記支持軸の両端を支持する手持ちハンドルとを有しており、
前記回転体の外周に、トムソン刃の刃先に刃先長手方向が交差する姿勢で押し付けて三角溝を形成するべく、トムソン刃より硬質でかつ先端鋭利に形成した加工刃を周方向等間隔に多数設けていることを特徴とする。