(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170548
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】リッドのロック構造
(51)【国際特許分類】
E05B 83/34 20140101AFI20231124BHJP
B60K 15/05 20060101ALI20231124BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20231124BHJP
【FI】
E05B83/34
B60K15/05 B
B60L53/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082386
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000192914
【氏名又は名称】株式会社神菱
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(72)【発明者】
【氏名】谷口 博昭
(72)【発明者】
【氏名】西澤 孝哉
(72)【発明者】
【氏名】清原 敦
【テーマコード(参考)】
2E250
3D038
5H125
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250HH01
2E250JJ42
2E250KK02
2E250LL13
2E250RR33
3D038CB01
3D038CC16
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125DD02
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】リッドのロック及びアンロックの動作の駆動源であるモータに接続された複数の端子を簡易に位置決めできるリッドのロック構造を提供する。
【解決手段】リッドのロックとアンロックの切り替え動作を行うロック機構を備え、前記ロック機構は、前記リッドのロック及びアンロックの動作の駆動源であるモータと、前記モータに接続された第一端子及び第二端子を含む複数の端子と、前記モータ及び前記複数の端子を収納したケースと、を備え、前記第二端子は、前記モータの近くに位置し、前記第一端子の側方に間隔をあけて横並びに配置されたリード部と、前記モータから遠くに位置し、前記第一端子の上方に間隔をあけて縦並びに配置された先端部と、前記リード部と前記先端部との間で前記第一端子に近づく方向に曲げられた屈曲部と、を備え、前記ケースは、前記屈曲部の下面を支える支持面を備える、リッドのロック構造。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネルに設けられた開口部を開閉自在に覆うリッドのロックとアンロックの切り替え動作を行うロック機構を備え、
前記ロック機構は、
前記リッドのロック及びアンロックの動作の駆動源であるモータと、
前記モータに接続された第一端子及び第二端子を含む複数の端子と、
前記モータ及び前記複数の端子を収納したケースと、を備え、
前記第二端子は、
前記モータの近くに位置し、前記第一端子の側方に間隔をあけて横並びに配置されたリード部と、
前記モータから遠くに位置し、前記第一端子の上方に間隔をあけて縦並びに配置された先端部と、
前記リード部と前記先端部との間で前記第一端子に近づく方向に曲げられた屈曲部と、を備え、
前記ケースは、前記屈曲部の下面を支える支持面を備える、
リッドのロック構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リッドのロック構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、インレットボックス、リッド、及びロックユニットを備える車両のインレットボックス取付け部構造を開示する。インレットボックスは、車両の車体パネルに設けられたパネル開口部に取り付けられており、車幅方向外方を向いて開口した開口部を備える。リッドは、インレットボックスの開口部を開閉自在とする。ロックユニットは、リッドのロックとアンロックの切り替えを行う。以下、ロックユニットをロック機構と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロック機構は、例えば、リッドを内から外方に押し開くプッシュリフターの動作を規制することで、リッドのロックとアンロックの切り替えを行う。プッシュリフターには、ロック部材が抜き差しされる穴が設けられている。また、プッシュリフターには、圧縮ばねが内蔵されている。ロック部材が穴から抜かれると、圧縮ばねが伸び、プッシュリフターがリッドに向かって進み、リッドが開く。ユーザがリッドを外から押してリッドを閉めると、プッシュリフターが圧縮ばねに抗ってリッドから離れる方向に後退し、ロック部材が穴に差し込まれる。ロック部材が穴に差し込まれた状態では、プッシュリフターがリッドから後退した位置にあるので、リッドは開かない。ロック部材は、例えば、スマートキーによる車両のドアの開閉操作に連動してモータで駆動される。モータには複数の端子が取り付けられている。各端子は所定の位置に配置され、隣り合う端子間でのショートは抑制される必要がある。
【0005】
本発明の目的の一つは、リッドのロック及びアンロックの動作の駆動源であるモータに接続された複数の端子を簡易に位置決めできるリッドのロック構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るリッドのロック構造は、
車体パネルに設けられた開口部を開閉自在に覆うリッドのロックとアンロックの切り替え動作を行うロック機構を備え、
前記ロック機構は、
前記リッドのロック及びアンロックの動作の駆動源であるモータと、
前記モータに接続された第一端子及び第二端子を含む複数の端子と、
前記モータ及び前記複数の端子を収納したケースと、を備え、
前記第二端子は、
前記モータの近くに位置し、前記第一端子の側方に間隔をあけて横並びに配置されたリード部と、
前記モータから遠くに位置し、前記第一端子の上方に間隔をあけて縦並びに配置された先端部と、
前記リード部と前記先端部との間で前記第一端子に近づく方向に曲げられた屈曲部と、を備え、
前記ケースは、前記屈曲部の下面を支える支持面を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明のリッドのロック構造では、第二端子の先端部が第一端子の上方に縦並びに配置されているものの、第二端子に設けられた屈曲部がケースに支持されていることで、第二端子が自重で下がらないように位置決めされている。第二端子がケースに支持されていることで、第一端子と第二端子との間に隙間が設けられ、第一端子と第二端子とが接触することが抑制される。
【0008】
本発明のリッドのロック構造は、上方に配置された第二端子に屈曲部が設けられ、かつその屈曲部の支持面がケースに設けられており、既存の端子及びケースの双方に簡易な改変を施すことで実現できる。よって、本発明のリッドのロック構造では、コストが上昇したり、重量が大きく増加したり、生産性が低下したりすることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態のリッドのロック構造の概略構成図である。
【
図2】
図2は、実施形態のリッドのロック構造の主要部分を上方から見た図である。
【
図3】
図3は、実施形態のリッドのロック構造に備わる第一端子及び第二端子の斜視図である。
【
図4】
図4は、実施形態のリッドのロック構造に備わる第一端子及び第二端子を
図3とは異なる方向から見た斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態のリッドのロック構造に備わるケースを上方から見た図である。
【
図6】
図6は、実施形態のリッドのロック構造に備わるケースを斜め上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のリッドのロック構造の具体例を、図面を参照して説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。図面における各部の寸法比も実際と異なる場合がある。
【0011】
<概要>
リッドのロック構造1は、
図1に示すように、ロック機構3を備える。ロック機構3は、リッド2のロックとアンロックの切り替え動作を行う。リッド2は、図示しない車体パネルに設けられた開口部を開閉自在に覆う。本例の開口部は、給油ノズルを差し込むための開口部又は充電コネクタを差し込むための開口部である。リッド2は、例えば板材で構成されている。板材の形状は、例えば円形、矩形、又は楕円形である。リッド2は、図示しないヒンジで車体に対して回動自在に支持されている。リッド2におけるヒンジに向かい合う縁部がプッシュリフター7の先端に近接されている。リッド2は、ヒンジを軸に上記縁部が円弧状の軌道を描いて開閉される。ロック機構3は、モータ4、複数の端子5、及びケース6を備える。
【0012】
<モータ>
モータ4は、
図1に示すリッド2のロック及びアンロックの動作の駆動源である。リッド2のロック及びアンロックは、リッド2を内から外方に押し開くプッシュリフター7の動作を規制することで行われる。プッシュリフター7には、図示しない圧縮ばねが内蔵されている。この圧縮ばねによって、プッシュリフター7は、リッド2に向かって進んだり、リッド2から離れる方向に後退したりする。プッシュリフター7には、ロック部材8が抜き差しされる穴7hが設けられている。モータ4は、ロック部材8を動作させる。
【0013】
図1に示すように、モータ4には、伝達機構9が接続されている。本例の伝達機構9は、筒状体の外周面にらせん状の歯が設けられたウォーム、及びウォームの歯に嵌められる内歯が設けられたスライダを備える。ウォームは、モータ4の回転軸に取り付けられており、モータ4で駆動されて回転する。スライダは、ウォームに供回りしないようにケース6に保持されている。スライダは、ウォームの回転に伴ってウォームの軸方向に進退する。ロック部材8は、ウォームと並列するようにスライダに取り付けられている。ロック部材8は、伝達機構9を介してモータ4の駆動によりプッシュリフター7の穴7hに対して進退する棒状の部材である。モータ4は、例えば、スマートキーによる車両のドアの開閉操作に連動して駆動される。
【0014】
閉じた状態のリッド2をアンロックするときは、車両のドアの開操作と連動してモータ4が駆動し、ロック部材8がプッシュリフター7の穴7hから抜かれる。ロック部材8が穴7hから抜かれると、プッシュリフター7に内蔵された圧縮ばねが伸び、プッシュリフター7がリッド2に向かって進みリッド2を内から外方に押し上げ、リッド2を開くことができる。
【0015】
開いた状態のリッド2を閉じた状態にロックするときは、ユーザがリッド2を外から押すと、プッシュリフター7はリッド2に押され圧縮ばねに抗ってリッド2から離れる方向に後退する。さらに、車両のドアの閉操作に連動してモータ4が駆動し、ロック部材8がプッシュリフター7の穴7hに差し込まれる。ロック部材8が穴7hに差し込まれた状態では、プッシュリフター7がリッド2から後退した位置で固定されておりリッド2に向かって進まない。
【0016】
<端子>
モータ4には、
図1に示すように、複数の端子5が接続されている。複数の端子5は、第一端子51及び第二端子52を含む。第一端子51と第二端子52は互いに近接している。実施形態のリッドのロック構造1の特徴の一つは、第一端子51と第二端子52とが、
図2から
図4に示すように、互いに間隔をあけて横並びに配置された部分と縦並びに配置された部分とを備える点にある。横並びとは、
図2及び
図5に示すケース6の収納凹部60の底面60mを延長した面を基準面として、この基準面に沿った方向に並んでいることを言う。縦並びとは、上記基準面に垂直な方向に並んでいることを言う。
図2及び
図5では、説明の便宜上、モータ4は図示されていない。
【0017】
≪第一端子≫
第一端子51は、屈曲部分を有する棒状片である。第一端子51は、
図3及び
図4に示すように、第一基端部511、第一リード部512、第一先端部513、及び第一屈曲部514を備える。第一端子51は、さらに基端側屈曲部515を備える。本例の第一端子51は平角線である。
【0018】
第一基端部511は、モータ4に接続された部分である。本例の第一基端部511は、第二端子52と直列方向に並んでいる。本例の第一基端部511は、上記基準面に交差、本例では直交する方向に延設されている。第一端子51は、基端側屈曲部515によって、第二端子52と直列方向に並んだ第一基端部511から第二端子52と横並びされた第一リード部512に移行されている。
【0019】
第一リード部512は、第二端子52の側方に間隔をあけて横並びに配置された部分である。本例の第一リード部512は、水平部512h及び垂直部512vを備える。水平部512hは、上記基準面と平行方向に延設されている。本例の水平部512hは、平角線の横断面の長辺に沿った面が上記基準面を向くように配置されている。水平部512hは、モータ4の上面(
図1)及び後述するケース6の壁部61(
図2)の上面に沿って配置されている。垂直部512vは、水平部512hに交差、本例では直交する方向に延設されている。本例の垂直部512vは、水平部512hに対してフラットワイズ曲げされている。フラットワイズ曲げとは、平角線の横断面の長辺に沿った面を内側にして曲げることである。垂直部512vは、壁部61(
図2)の側面に沿って配置されている。
【0020】
第一先端部513は、第二端子52の下方に間隔をあけて縦並びされた部分である。本例では、第一先端部513は、平角線の横断面の短辺に沿った面が上記基準面を向くように配置されている。第一先端部513は、図示しない電源に接続される。第一先端部513は、第二端子52よりもケース6の底面の近くに位置する。第一先端部513の下面には、段差部513sが設けられている。第一先端部513の下面は、ケース6の底面に向かい合う面である。本例の段差部513sは、第一先端部513における長手方向の中央部よりも第一リード部512に寄せて設けられている。本例の段差部513sは、第一先端部513における第一リード部512側の下面が下方に位置し、第一先端部513における先端側の下面が上方に位置するように設けられている。
【0021】
第一屈曲部514は、第一リード部512と第一先端部513との間に設けられている。第一屈曲部514は、第二端子52と横並びされた第一リード部512から第二端子52と縦並びされた第一先端部513に移行する部分である。第一屈曲部514は、第一リード部512から第二端子52に近づく方向に曲げられ、かつ第一先端部513が第二端子52の下方に位置するように曲げられている。本例の第一屈曲部514は、第一リード部512の垂直部512vに対してエッジワイズ曲げされた後、更にフラットワイズ曲げされている。エッジワイズ曲げとは、平角線の横断面の短辺に沿った面を内側にして曲げることである。
【0022】
≪第二端子≫
第二端子52は、屈曲部分を有する棒状片である。第二端子52は、
図3及び
図4に示すように、第二基端部521、第二リード部522、第二先端部523、及び第二屈曲部524を備える。本例の第二端子52は平角線である。
【0023】
第二基端部521は、モータ4に接続された部分である。本例の第二基端部521は、上記基準面に交差、本例では直交する方向に延設されている。
【0024】
第二リード部522は、第一端子51の側方に間隔をあけて横並びに配置された部分である。本例の第二リード部522は、水平部522h及び垂直部522vを備える。水平部522hは、上記基準面と平行方向に延設されている。本例の水平部522hは、平角線の横断面の長辺に沿った面が上記基準面を向くように配置されている。本例の水平部522hは、第二基端部521に対してフラットワイズ曲げされている。水平部522hは、モータ4の上面(
図1)及び後述するケース6の壁部61(
図2)の上面に沿って配置されている。垂直部522vは、水平部522hに交差、本例では直交する方向に延設されている。本例の垂直部522vは、水平部522hに対してフラットワイズ曲げされている。垂直部522vは、壁部61(
図2)の側面に沿って配置されている。
【0025】
第二先端部523は、第一端子51の上方に間隔をあけて縦並びされた部分である。本例では、第二先端部523は、平角線の横断面の短辺に沿った面が上記基準面を向くように配置されている。第二先端部523は、図示しない電源に接続される。第二先端部523は、第一端子51よりもケース6の底面から遠くに位置する。
【0026】
第二屈曲部524は、第二リード部522と第二先端部523との間に設けられている。第二屈曲部524は、第一端子51と横並びされた第二リード部522から第一端子51と縦並びされた第二先端部523に移行する部分である。第二屈曲部524は、第二リード部522から第一端子51に近づく方向に曲げられ、かつ、第二先端部523が第一端子51の上方に位置するように曲げられている。本例の第二屈曲部524は、第二リード部522の垂直部522vに対してエッジワイズ曲げされた後、更にフラットワイズ曲げされている。
【0027】
<ケース>
ケース6は、
図1に示すように、モータ4、複数の端子5、プッシュリフター7、ロック部材8、及び伝達機構9を収納している。実施形態のリッドのロック構造1の特徴の一つは、ケース6が、
図2に示すように、複数の端子5を位置決めする部分を備える点にある。複数の端子5を位置決めする部分は、
図5及び
図6に示すように、第一支持面66と第二支持面67を含む。ケース6は、例えば、開口部を有する容器状の本体部、及び本体部の開口部を覆う蓋部からなる。本体部は、モータ4等が収納可能な大きさを有する。
図1、
図2、
図5、及び
図6では、ケース6の蓋部が取り除かれて、ケース6の内部構造が露出した状態が図示されている。
【0028】
ケース6は、
図2に示すように、モータ4が収納される収納凹部60、及び各端子5の先端部が収納される引出部62を備える。ケース6は、例えば樹脂からなる成形体である。
【0029】
収納凹部60と引出部62との間には、壁部61が設けられている。壁部61は、収納凹部60を構成する壁部であり、かつ引出部62を構成する壁部である。壁部61の上面には、第一凹部611と第二凹部612とが設けられている。第一凹部611には、第一リード部512の水平部512hが載置されている。第一凹部611によって、水平部512hの左右方向の位置決めがなされている。第二凹部612には、第二リード部522の水平部522hが載置されている。第二凹部612によって、水平部522hの左右方向の位置決めがなされている。第一凹部611と第二凹部612との間には、第一凹部611及び第二凹部612の各々を構成する壁部61が配置されているため、水平部512hと水平部522hとは接触しない。左右方向は、第一端子51と第二端子52との横並び方向である。
【0030】
引出部62は、壁部61と側部62a,62bとで構成されている。側部62a,62bは、第一凹部611及び第二凹部612を内包するように互いに向かい合って間隔をあけて配置されている。側部62aは、壁部61からモータ4と離れる方向に延設されている。側部62bは、第二凹部612に向かい合うように壁部61との間に間隔をあけて配置されている。側部62aと側部62bとの間には、第一壁部63と第二壁部64とが間隔をあけて向かい合って配置されている。第一壁部63及び第二壁部64は、第一端子51及び第二端子52を位置決めするために設けられている。
【0031】
第一壁部63は、
図5及び
図6に示すように、基端側横壁部631、縦壁部632、及び先端側横壁部633を備える。基端側横壁部631及び先端側横壁部633の各々は、側部62aから側部62bに向かって延設されている。基端側横壁部631は、第一凹部611に向かい合うように壁部61との間に間隔をあけて設けられている。先端側横壁部633は、基端側横壁部631に向かい合うように基端側横壁部631との間に間隔をあけて設けられている。縦壁部632は、基端側横壁部631の端面と先端側横壁部633の端面とをつなぐように設けられている。
【0032】
第二壁部64は、
図5及び
図6に示すように、縦壁部642と横壁部643とを備える。縦壁部642は、側部62bに沿って配置されている。縦壁部642は、縦壁部642の端面が第二凹部612に向かい合うように壁部61との間に間隔をあけて配置されている。縦壁部642は、縦壁部632に向かい合うように間隔をあけて配置されている。横壁部643は、側部62bから先端側横壁部633に向かって延設されている。先端側横壁部633と横壁部643との間には、縦壁部632と縦壁部642との間隔よりも小さい間隔の隙間が設けられている。
【0033】
壁部61と基端側横壁部631との間の隙間(
図5及び
図6)には、第一リード部512の垂直部512v及び第一屈曲部514(
図3及び
図4)が配置されている。この隙間におけるケース6の下面は、第一屈曲部514の下面514uを支持する第一支持面66である。縦壁部632と縦壁部642との間の隙間、及び先端側横壁部633と横壁部643との間の隙間(
図5及び
図6)には、第一先端部513(
図3及び
図4)の一部が配置されている。各隙間におけるケース6の下面は、第一先端部513の一部を支持する支持面である。この支持面は、第一支持面66と略面一である。本例では、先端側横壁部633と横壁部643との間のケース6の底面には突出部66pが設けられている。突出部66pは、第一先端部513の下面に設けられた段差部513sに対応している。第一端子51は、各隙間に配置されることで、位置決めがなされている。本例では、第一先端部513における先端側の部分は、ケース6に支持されていない。
【0034】
壁部61と側部62bの端面との間、及び壁部61と縦壁部642の端面との間の隙間(
図5及び
図6)には、第二リード部522の垂直部522v及び第二屈曲部524(
図3及び
図4)が配置されている。この隙間におけるケース6の下面は、第二屈曲部524の下面524uを支持する第二支持面67である。第二支持面67は、第一支持面66よりもケース6の開口に近い位置にある。ケース6の開口は、ケース6の底面と反対側に位置する。ケース6の内面には、第一支持面66と第二支持面67とで段差面68が形成されている。段差面68の高さは、第一屈曲部514の下面514uが第一支持面66に支持され、かつ第二屈曲部524の下面524uが第二支持面67に支持された状態で、第一先端部513と第二先端部523との間に所定の隙間が形成される高さである。段差面68の高さは、第一先端部513の最大幅と上記所定の隙間の間隔との合計長さである。本例では、第一先端部513の最大幅は、平角線の横断面の長辺の長さである。第一支持面66と第二支持面67とは横並びに配置されている。縦壁部632と縦壁部642との間の隙間、及び先端側横壁部633と横壁部643との間の隙間(
図5及び
図6)には、第二先端部523(
図3及び
図4)の一部が配置されている。第二先端部523は、第一先端部513の上方に間隔をあけて配置されている。第二屈曲部524の下面524uが第二支持面67に支持されていることで、第二端子52はケース6に片持ち支持されている。その結果、第二先端部523は、ケース6に支持されることなく空中に配置されている。第二端子52は、各隙間に配置されることで、位置決めがなされている。
【0035】
<作用効果>
実施形態のリッドのロック構造1では、第二先端部523が第一先端部513の上方に縦並びに配置されているものの、第二屈曲部524の下面524uが第二支持面67に支持されていることで、第二先端部523が自重で下がらないように位置決めされている。つまり、第二先端部523は、空中において上下方向の位置決めがなされている。上下方向は、上記基準面に直交する方向である。第一支持面66と第二支持面67との間に所定の高さを有する段差面68が形成されているため、第一先端部513と第二先端部523との間に隙間が設けられ、第一端子51と第二端子52とが接触することが抑制される。
【0036】
第二屈曲部524が壁部61と縦壁部642の端面との間の隙間に挟まれることで、第二先端部523の前後方向への移動が規制される。第二先端部523が先端側横壁部633と横壁部643との間の隙間に挟まれることで、第二先端部523の左右方向への移動が規制される。つまり、実施形態のリッドのロック構造1では、第二先端部523の上下方向の位置決めに加え、第二先端部523の前後方向及び左右方向の双方の位置決めもなされている。前後方向は、第二先端部523の延伸方向である。左右方向は、上下方向及び前後方向の双方に直交する方向である。
【0037】
第一端子51及び第二端子52をケース6に組み付ける際は、最初に第一端子51がケース6に配置され、その後に第二端子52が配置される。第一支持面66と第二支持面67とが横並びに配置されているため、第二支持面67が第一端子51の組付けの邪魔にはならない。第二端子52をケース6に組み付ける際は、第二屈曲部524の下面524uが第二支持面67に支持されるだけで、第一先端部513と第二先端部523との間に隙間を設けることができる。ケース6には、上述したように第一端子51及び第二端子52が配置される複数の隙間が設けられている。そのため、第一端子51及び第二端子52は、各隙間に配置されるだけで、容易に位置決めされる。
【0038】
車両に搭載されるリッドのロック構造は、通常、車両の狭いエリアに搭載されることが多く、モータ4に接続された複数の端子5とコネクタとを繋ぐのに作業性が悪いことがある。実施形態のリッドのロック構造1では、第一先端部513と第二先端部523とが縦並びに配置されているため、車両のレイアウトに応じて狭いエリアにも対応できる。例えば、第一先端部513と第二先端部523とが横並びに配置されると車両のレイアウトに大きな制約がかかるようなエリアに対応できる。
【0039】
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば、以下の変更が可能である。
【0040】
(1)第一屈曲部514及び第二屈曲部524の各々における曲げられる方向は、横並びされた第一リード部512と第二リード部522から縦並びされた第一先端部513と第二先端部523に移行可能な方向を適宜選択できる。
【0041】
(2)モータ4と複数の端子5とは、別体であってもよいし、予め組付けられた一体物であってもよい。
【0042】
(3)複数の端子5は、第一端子51及び第二端子52を含めて三つ以上の端子を備えていてもよい。複数の端子5の各々は、互いに接触しないように配置される。
【0043】
(4)リッドのロック構造1は、車体パネルに設けられた開口部を覆う各種開閉蓋に適用できる。開閉蓋はドアを含む。ドアはバックドア及びサイドドアを含む。
【符号の説明】
【0044】
1 リッドのロック構造
2 リッド、3 ロック機構
4 モータ
5 端子
51 第一端子
511 第一基端部、512 第一リード部、512h 水平部、512v 垂直部
513 第一先端部、513s 段差部
514 第一屈曲部、514u 下面
515 基端側屈曲部
52 第二端子
521 第二基端部、522 第二リード部、522h 水平部、522v 垂直部
523 第二先端部
524 第二屈曲部、524u 下面
6 ケース
60 収納凹部、60m 底面、61 壁部、611 第一凹部、612 第二凹部
62 引出部、62a,62b 側部
63 第一壁部、631 基端側横壁部、632 縦壁部、633 先端側横壁部
64 第二壁部、642 縦壁部、643 横壁部
66 第一支持面、66p 突出部、67 第二支持面、68 段差面
7 プッシュリフター、7h 穴、8 ロック部材、9 伝達機構