IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノーリツの特許一覧

<>
  • 特開-浴室システム 図1
  • 特開-浴室システム 図2
  • 特開-浴室システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170554
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20231124BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20231124BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H04B1/38
A47K4/00
E04H1/12 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082395
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】久保 隆志
【テーマコード(参考)】
2D132
2E025
5K011
【Fターム(参考)】
2D132GA01
2E025BA01
5K011AA08
5K011JA08
(57)【要約】
【課題】給湯装置と自動排水栓の接続における無駄をなくすと共に施工者の負担を軽減することができる浴室システムを提供すること。
【解決手段】浴槽の自動排水栓ユニット(10)と、自動排水栓ユニット(10)に電力を供給する電源ユニット(20)を有し、電源ユニット(20)が自動排水栓ユニット(10)と浴槽に湯張りする給湯装置(4)との通信を中継する中継機能を備えた浴室システム(1)において、自動排水栓ユニット(10)は第1通信仕様の通信を行い、電源ユニット(20)は、給湯装置(4)が第1通信仕様を用いる場合に自動排水栓ユニット(10)との間の通信を中継するための第1中継部(22)と、給湯装置(4)が第1通信仕様と異なる第2通信仕様を用いる場合に自動排水栓ユニット(10)との間の通信を中継するための第2中継部(23)を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽の自動排水栓ユニットと、前記自動排水栓ユニットに電力を供給する電源ユニットを有し、前記電源ユニットが前記自動排水栓ユニットと前記浴槽に湯張りする給湯装置との通信を中継する中継機能を備えた浴室システムにおいて、
前記自動排水栓ユニットは第1通信仕様の通信を行い、
前記電源ユニットは、前記給湯装置が前記第1通信仕様を用いる場合に前記自動排水栓ユニットとの間の通信を中継するための第1中継部と、前記給湯装置が前記第1通信仕様と異なる第2通信仕様を用いる場合に前記自動排水栓ユニットとの間の通信を中継するための第2中継部を有することを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記第1中継部は、前記第1通信仕様の通信を前記第1通信仕様で中継し、
前記第2中継部は、前記第2通信仕様と前記第1通信仕様との相互変換をして通信を中継することを特徴とする請求項1に記載の浴室システム。
【請求項3】
前記電源ユニットは、前記給湯装置が前記第1通信仕様を用いる場合にこの給湯装置を前記第1中継部に通信接続するための第1接続端子と、前記給湯装置が前記第2通信仕様を用いる場合にこの給湯装置を前記第2中継部に通信接続するための第2接続端子を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の自動排水栓ユニットと、この自動排水栓ユニットに駆動用電力を供給するための電源ユニットを有する浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽に湯張りする給湯装置から浴槽の自動排水栓を開閉可能な浴室システムが利用されている。浴室システムでは、例えば浴槽のへり部分に配設される操作スイッチ(開閉ボタン)又は給湯装置の操作リモコンを操作することによって、電動の自動排水栓を開閉することができる。そして、浴槽の湯張りを開始する際に給湯装置が自動的に自動排水栓を閉栓するように構成して閉め忘れを防ぎ、確実に湯張りすることができる。
【0003】
浴室システムでは、操作スイッチと自動排水栓を有する自動排水栓ユニットが浴槽に設置される。そして、その後に設置される給湯装置と自動排水栓ユニットとを接続する通信線又は電力線を介して、自動排水栓の駆動用電力が給湯装置から自動排水栓ユニットに給電されるように構成されている。それ故、自動排水栓ユニットの製造者と給湯装置の製造者とが異なる場合には、このような浴室システムを構成することが困難である。
【0004】
そこで、例えば特許文献1のように、自動排水栓の駆動用電力の給電を制御する電源ユニットを例えば浴室の天井裏に設置して、自動排水栓の開閉時に駆動用電力を給電する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-151406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動排水栓ユニットと給湯装置とで製造者が異なる場合には、通常、自動排水栓ユニットの通信仕様と給湯装置の通信仕様が異なる。特許文献1には、自動排水栓ユニットへの給電の制御について詳しい記載はないが、通信仕様が異なる自動排水栓ユニットと給湯装置との間の通信を電源ユニットが相互変換して中継して浴室システムを構成することが既に行われている。
【0007】
ここで、一般的な浴室システムの施工において、浴槽設置時に電源ユニットを備えた自動排水栓ユニットを設置して浴室の内装工事が行われ、後日に給湯装置を設置して接続工事が行われる。このとき、自動排水栓ユニットの設置と給湯装置の設置とで施工者が異なるため、自動排水栓ユニットとは通信仕様が異なる給湯装置に対応可能なように、自動排水栓ユニットの設置時に自動排水栓ユニットと電源ユニットとを接続しておく。そして給湯装置の接続工事の際に、給湯装置の通信仕様が自動排水栓ユニットの通信仕様と異なる場合には、電源ユニットが通信を中継するように給湯装置を電源ユニットに接続する。
【0008】
一方、給湯装置の通信仕様が自動排水栓ユニットと共通の場合には、自動排水栓ユニットと電源ユニットの接続を解除して自動排水栓ユニットと給湯装置を直接接続している。給湯装置と自動排水栓ユニットとを直接接続するので電源ユニットが不要になり、無駄が多く且つ作業が複雑になって、施工者の負担が大きい。
【0009】
そこで、本発明は、給湯装置と自動排水栓ユニットの接続における無駄をなくすと共に施工者の負担を軽減することができる浴室システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明の浴室システムは、浴槽の自動排水栓ユニットと、前記自動排水栓ユニットに電力を供給する電源ユニットを有し、前記電源ユニットが前記自動排水栓ユニットと前記浴槽に湯張りする給湯装置との通信を中継する中継機能を備えた浴室システムにおいて、前記自動排水栓ユニットは第1通信仕様の通信を行い、前記電源ユニットは、前記給湯装置が前記第1通信仕様を用いる場合に前記自動排水栓ユニットとの間の通信を中継するための第1中継部と、前記給湯装置が前記第1通信仕様と異なる第2通信仕様を用いる場合に前記自動排水栓ユニットとの間の通信を中継するための第2中継部を有することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、電源ユニットは浴槽の自動排水栓ユニットに駆動用の電力を供給すると共に、浴槽に湯張りする給湯装置と自動排水栓ユニットとの間の通信を中継する。自動排水栓ユニットは第1通信仕様の通信を行う。一方、電源ユニットは、給湯装置が自動排水栓ユニットと同じ第1通信仕様を用いる場合に自動排水栓ユニットとの間を中継する第1中継部と、給湯装置が第1通信仕様と異なる第2通信仕様を用いる場合に自動排水栓ユニットとの間を中継する第2中継部を有する。従って、給湯装置が排水栓ユニットと共通の通信仕様である場合に、自動排水栓ユニットと電源ユニットとの接続を解除して給湯装置と自動排水栓ユニットを接続する作業がなくなるので、施工者の負担を軽減することができ、且つ電源ユニットも無駄にならない。
【0012】
請求項2の発明の浴室システムは、請求項1の発明において、前記第1中継部は、前記第1通信仕様の通信を前記第1通信仕様で中継し、前記第2中継部は、前記第2通信仕様と前記第1通信仕様との相互変換をして通信を中継することを特徴としている。
上記構成によれば、第1中継部は第1通信仕様の通信を第1通信仕様で中継するので、給湯装置が第1通信仕様を用いる場合にこの給湯装置を第1中継部に接続して、第1通信仕様の自動排水栓ユニットとの通信を中継することができる。また、第2中継部は第1通信仕様と第2通信仕様との相互変換をして通信を中継するので、給湯装置が第2通信仕様を用いる場合にこの給湯装置を第2中継部に接続して、第1通信仕様の自動排水栓ユニットとの通信を中継することができる。従って、給湯装置が排水栓ユニットと同じ第1通信仕様を用いる場合に、自動排水栓ユニットと電源ユニットとの接続を解除して給湯装置と自動排水栓ユニットを接続する作業がなくなるので、施工者の負担を軽減することができる。
【0013】
請求項3の発明の浴室システムは、請求項1又は2の発明において、前記電源ユニットは、前記給湯装置が前記第1通信仕様を用いる場合にこの給湯装置を前記第1中継部に通信接続するための第1接続端子と、前記給湯装置が前記第2通信仕様を用いる場合にこの給湯装置を前記第2中継部に通信接続するための第2接続端子を有することを特徴としている。
上記構成によれば、電源ユニットは、第1通信仕様の給湯装置を第1中継部に通信接続する第1接続端子と、第2通信仕様の給湯装置を第2中継部に通信接続する第2接続端子を有する。従って、相互変換をして通信を中継する第2中継部の機能を備えている従来の電源ユニットに第1中継部と第1接続端子を追加することによって、電源ユニットの製造コストの上昇を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の浴室システムによれば、給湯装置と自動排水栓ユニットの接続における無駄をなくすと共に施工者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係る浴室システムの全体構成を示す説明図である。
図2図1の電源ユニットの通信接続の1例を示す図である。
図3図1の電源ユニットの通信接続の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0017】
図1に示すように、浴室システム1は、浴槽2の自動排水栓ユニット10と、自動排水栓ユニット10に電力を供給する電源ユニット20を有する。自動排水栓ユニット10は、浴槽2の底部に設置された電動の自動排水栓11と、この自動排水栓11の開閉操作を行うために浴槽2のへり部分に設置された操作スイッチ12(開閉ボタン)と、この操作スイッチ12の操作に基づいて自動排水栓11の開閉制御を行う自動排水栓制御部13を有する。電源ユニット20から自動排水栓ユニット10に供給される電力は、自動排水栓制御部13が有する不図示の駆動回路を介して自動排水栓11と操作スイッチ12に供給され、自動排水栓制御部13が駆動回路から自動排水栓11への電力供給を制御することによって自動排水栓11が開閉制御される。
【0018】
電源ユニット20は、家庭の配電盤3から延びるAC100Vの電力線3aに接続された電力線20aを介して給電される交流電力を、例えばDC15Vの直流電力に変換して電力線20bを介して自動排水栓ユニット10に給電する電源部25を有する。また、電源ユニット20は、給湯装置4と自動排水栓ユニット10との通信を中継する中継機能を備えている。尚、図1中の二重線は電力線を表し、破線は通信線を表している。
【0019】
電源ユニット20は、給湯装置4の自動排水栓11に対する開閉指令を中継するための制御部21を有し、例えば浴槽2の湯張りの際に、給湯装置4から自動排水栓11の閉栓指令を中継して自動排水栓制御部13に伝達する。この制御部21と自動排水栓制御部13とが通信線10aによって通信接続され、給湯装置4の給湯制御部5と制御部21が通信線4aによって通信接続されている。また、浴室システム1に不図示の浴槽洗浄装置が装備される場合には、電源ユニット20は浴槽洗浄装置に電力を供給すると共に、浴槽洗浄装置が有する浴槽洗浄制御部の自動排水栓11に対する開閉指令を中継する。尚、給湯制御部5は、中継機能によって湯張り前に自動排水栓制御部13から自動排水栓11の開閉状態を取得し、開栓状態の場合に自動排水栓11の閉栓を指令してもよい。
【0020】
給湯装置4は、矢印Wのように供給される上水を加熱して、例えば給湯栓6a、シャワー6b等に設定された温度で給湯する給湯運転の制御を行う給湯制御部5を有する。給湯制御部5には、台所リモコン7aと浴室リモコン7bが通信接続されている。また、浴槽2と給湯装置4との間には、浴槽2の湯水を循環させて加熱するための追焚通路8が接続されている。給湯装置4は、この追焚通路8を介して浴槽2に設定された温度で設定された水位まで湯張りする湯張り運転を行う。ユーザは、台所リモコン7a又は浴室リモコン7bを介して、例えば給湯温度の設定操作や湯張り運転の開始操作等を行うことができる。
【0021】
給湯装置4と自動排水栓ユニット10のように、他の機器との通信を行う機器には、通信を可能にするための通信仕様が設定されている。自動排水栓ユニット10の通信仕様は、自動排水栓ユニット10の製造者によって定められている。一方、給湯装置4の通信仕様は、給湯装置4の製造者によって定められている。自動排水栓ユニット10の製造者が製造する給湯装置の通信仕様は、通常、自動排水栓ユニット10と同じ通信仕様に設定されている。
【0022】
一方、例えば自動排水栓ユニット10が第1通信仕様の通信を行い、この自動排水栓ユニット10とは異なる製造者の給湯装置は第2通信仕様の通信を行うというように、他社製品間では多くの場合に通信仕様が異なる。このような場合でも浴室システム1を構成することができるように、従来から電源ユニット20は、例えば第1通信仕様と第2通信仕様を相互変換して通信を中継するように構成されている。尚、製造者間で共通の通信仕様を定める場合もあり、この共通の通信仕様を第1通信仕様又は第2通信仕様とすることもできる。
【0023】
ところで、浴室システム1の施工は、浴槽2と共に自動排水栓ユニット10を設置し、電源ユニット20を例えば浴室の天井裏に設置して自動排水栓ユニット10と接続し、浴室の内装工事を行って、後日に給湯装置4の設置と接続工事を行うことが一般的である。この電源ユニット20を含む自動排水栓ユニット10と給湯装置4とは販路が異なり、施工者も異なる場合が多いので、給湯装置4の施工者が浴室システム1を構成するための調整が必要になっている。
【0024】
特に、先に設置された自動排水栓ユニット10と後から設置される給湯装置4とで通信仕様が同じ場合には、従来は自動排水栓ユニット10と給湯装置4とを直接接続して浴室システム1を構成していたので、電源ユニット20が不要になっていた。そのため、従来は自動排水栓ユニット10と電源ユニット20の接続(通信線10a、電力線20bの接続)を解除して、自動排水栓ユニット10と給湯装置4とを直接接続する必要があり、無駄が多く作業が複雑になって施工者の負担が大きくなっていた。
【0025】
このような接続作業を簡単にして施工者の負担を軽減するために、図2に示すように電源ユニット20は、第1中継部22と第2中継部23を有する。第1中継部22は、給湯装置4が自動排水栓ユニット10と同じ第1通信仕様を用いる場合に、自動排水栓ユニット10との間の通信を中継する。第2中継部23は、給湯装置4が第1通信仕様と異なる第2通信仕様を用いる場合に、第2通信仕様と第1通信仕様とを相互変換して自動排水栓ユニット10との間の通信を中継する従来の中継機能を備えている。尚、図2では、電力線が二重線で、通信線が実線で夫々表されている。
【0026】
制御部21は通信部21aを有し、電源部25から供給される電力を受けて作動する。この制御部21は、通信部21aを介して給湯装置4の給湯制御部5、自動排水栓ユニット10の自動排水栓制御部13と通信する。第1中継部22と第2中継部23はこの通信部21aに設けられ、第1中継部22は第1通信仕様の通信を第1通信仕様で中継し、第2中継部23は第2通信仕様と第1通信仕様との相互変換をして通信を中継する。尚、第1中継部22は通信仕様の相互変換を行わないので第2中継部23ほど複雑な構成を必要とせず、相互変換をして通信を中継する従来の電源ユニットからの製造コストの上昇を小さくすることができる。
【0027】
第1中継部22には、給湯装置4が第1通信仕様を用いる場合にその通信線4aを第1中継部22に接続するための第1接続端子22aが設けられている。第2中継部23には、給湯装置4が第2通信仕様を用いる場合にその通信線4bを第2中継部23に接続するための第2接続端子23aが設けられている。
【0028】
第1接続端子22aは、第2接続端子23aと例えば形状が異なるように形成されて、給湯装置4が第1通信仕様を用いる場合の通信線4aのみ接続可能な第1通信仕様専用の接続端子である。また第2接続端子23aは、給湯装置4が第2通信仕様を用いる場合の通信線4bを接続するために、例えば通信線4bを構成する銅線を挟んで固定する汎用タイプの接続端子である。第1接続端子22aと第2接続端子23aとで形状が異なるので、誤接続を防止できる。尚、自動排水栓ユニット10の通信線10aを通信部21aに接続するための自動排水栓ユニット接続端子24は、誤接続を防ぐために第1接続端子22aとも第2接続端子23aとも異なる形状に形成されていてもよい。
【0029】
次に、電源ユニット20の通信接続の他の例について説明する。
電源ユニット20は、図3のように、給湯制御部5の通信線4aが通信部21aに接続され、通信部21aを介して給湯制御部5と制御部21とが通信する。通信部21aは、第1中継部22と第2中継部23を有し、第1中継部22は第1通信仕様の通信を第1通信仕様で中継し、第2中継部23は第2通信仕様と第1通信仕様との相互変換をして通信を中継する。自動排水栓ユニット10の通信線10aは、この通信部21aに接続され、第1中継部22又は第2中継部23の何れか一方を介して自動排水栓制御部13と制御部21とが通信する。
【0030】
制御部21は、給湯装置4の通信仕様を判定し、この判定に基づき第1中継部22又は第2中継部23の何れか一方を選択して、給湯装置4と自動排水栓ユニット10との通信を中継する。具体的には、給湯装置4が自動排水栓ユニット10と同じ第1通信仕様を用いる場合には第1中継部22を選択して中継し、給湯装置4が自動排水栓ユニット10と異なる第2通信仕様を用いる場合には第2中継部23を選択して中継する。通信線4a,10aの接続端子が1つずつになるので、接続作業が容易になる。また、自動排水栓ユニット10と電源ユニット20とで製造者が異なる場合でも、浴室システム1を構成することができる。図示を省略するが、制御部21が第1中継部22及び第2中継部23の機能を有し、給湯装置4と自動排水栓ユニット10との通信を中継するように構成することもできる。
【0031】
上記の浴室システム1の作用、効果について説明する。
電源ユニット20は浴槽2の自動排水栓ユニット10に駆動用電力を供給すると共に、浴槽2に湯張りする給湯装置4と自動排水栓ユニット10との間の通信を中継する。自動排水栓ユニット10は第1通信仕様の通信を行う。電源ユニット20は、給湯装置4が自動排水栓ユニット10と同じ第1通信仕様を用いる場合に自動排水栓ユニット10との間を中継する第1中継部22と、給湯装置4が第1通信仕様と異なる第2通信仕様を用いる場合に自動排水栓ユニット10との間を中継する第2中継部23を有する。
【0032】
給湯装置4が自動排水栓ユニット10と同じ第1通信仕様を用いる場合に、電源ユニット20と自動排水栓ユニット10との接続を解除して給湯装置4と自動排水栓ユニット10を直接接続する必要がない。従って、接続作業が簡単になって施工者の負担を軽減することができ、従来は不要になっていた電源ユニット20が無駄にならない。
【0033】
また、第1中継部22は第1通信仕様の通信を第1通信仕様で中継するので、給湯装置4が第1通信仕様を用いる場合にこの給湯装置4を第1中継部22に接続して、第1通信仕様の自動排水栓ユニット10との通信を中継することができる。一方、第2中継部23は第1通信仕様と第2通信仕様との相互変換をして通信を中継するので、給湯装置4が第2通信仕様を用いる場合にこの給湯装置4を第2中継部23に接続して、第1通信仕様の自動排水栓ユニット10との通信を中継することができる。それ故、給湯装置4が自動排水栓ユニット10と同じ第1通信仕様を用いる場合には、電源ユニット20と自動排水栓ユニット10との接続を解除して給湯装置4と自動排水栓ユニット10を直接接続する必要がない。従って、電源ユニット20が無駄にならず、施工者の負担を軽減することができる。
【0034】
電源ユニット20は、給湯装置4が第1通信仕様を用いる場合にこの給湯装置4を第1中継部22に通信接続する第1接続端子22aと、給湯装置4が第2通信仕様を用いる場合にこの給湯装置4を第2中継部23に通信接続する第2接続端子23aを有する。従って、相互変換をして通信を中継する第2中継部23の機能を備えている従来の電源ユニットに第1中継部22と第1接続端子22aを追加搭載することによって、電源ユニット20の製造コストの上昇を抑えることができる。また、例えば第1接続端子22aと第2接続端子23aとで形状が異なるように形成して、誤接続を防ぐようにすることもできる。
【0035】
制御部21が給湯装置4からの通信を受けて通信仕様を判定し、この判定に基づいて第1中継部22と第2中継部23の何れか一方を選択し、以降の通信を選択した中継部によって中継するように構成してもよい。尚、電源ユニット20の代わりに自動排水栓ユニット10が第1中継部22と第2中継部23を有して中継機能を備えるように構成することも可能であり、自動排水栓制御部13が第1中継部22と第2中継部23の機能を備えてた構成とすることも可能である。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はその種の変更形態をも包含するものである。
【符号の説明】
【0036】
1 :浴室システム
2 :浴槽
3 :配電盤
4 :給湯装置
4a,4b:通信線
5 :給湯制御部
6a :給湯栓
6b :シャワー
7a :台所リモコン
7b :浴室リモコン
8 :追焚通路
10 :自動排水栓ユニット
10a:通信線
11 :自動排水栓
12 :操作スイッチ
13 :自動排水栓制御部
20 :電源ユニット
20a,20b:電力線
21 :制御部
21a:通信部
22 :第1中継部
22a:第1接続端子
23 :第2中継部
23a:第2接続端子
24 :自動排水栓ユニット接続端子
25 :電源部
図1
図2
図3