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  • 特開-浴室システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170555
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】浴室システム
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20231124BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20231124BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A47K3/00 Q
A47K4/00
E04H1/12 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082396
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】久保 隆志
【テーマコード(参考)】
2D132
2E025
【Fターム(参考)】
2D132GA11
2E025BA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自動排水栓ユニットと電源ユニットを有する浴室システムにおいて、電源ユニットの誤接続を報知するる浴室システムを提供する。
【解決手段】自動排水栓ユニット10及び自動排水栓ユニットに電力を供給する電源ユニット20を有し、電源ユニットが制御部31を備え、自動排水栓ユニットが操作スイッチ12の操作に基づき浴槽の自動排水栓11を開閉する自動排水栓制御部13を備え、制御部と自動排水栓制御部とが通信接続された浴室システム1であって、電源ユニットは、外部から入力される電力の電圧を監視して過電圧を検知する電圧監視部24を備える。制御部は、電圧監視部が過電圧を検知すると、自動排水栓制御部に過電圧検知情報を送信する。自動排水栓制御部は、過電圧検知情報を受信すると、自動排水栓の駆動を禁止すると共に、報知部14によって自動排水栓の駆動禁止状態を報知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動排水栓ユニットとこの自動排水栓ユニットに電力を供給する電源ユニットとを有し、前記電源ユニットが電力供給を制御するための制御部を備え、前記自動排水栓ユニットが浴槽の自動排水栓と、この自動排水栓の操作スイッチと、この操作スイッチの操作に基づいて前記自動排水栓を開閉制御する自動排水栓制御部を備え、前記制御部と前記自動排水栓制御部とが通信接続された浴室システムにおいて、
前記自動排水栓ユニットは報知部を備え、
前記電源ユニットは、外部から入力される電力の電圧を監視して過電圧を検知する電圧監視部を備え、
前記制御部は、前記電圧監視部が過電圧を検知した場合に、前記自動排水栓制御部に過電圧検知情報を送信し、
前記自動排水栓制御部は、前記過電圧検知情報を受信した場合に、前記自動排水栓の駆動を禁止すると共に、前記報知部によって前記自動排水栓の駆動禁止状態を報知することを特徴とする浴室システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記電圧監視部が過電圧を検知している場合に、定期的に前記過電圧検知情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の浴室システム。
【請求項3】
前記制御部は、通電時に記憶情報を書き換え可能であって停電時には記憶情報を保持する記憶部を備え、記憶情報として前記電圧監視部の検知結果を定期的に前記記憶部に記憶し、最新の記憶情報が過電圧を検知したことである場合に前記過電圧検知情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の浴室システム。
【請求項4】
前記電圧監視部は、外部から入力される電力源としてAC200Vの電力線に接続された場合に過電圧として検知することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の浴室システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽の自動排水栓ユニットと、この自動排水栓ユニットに駆動用電力を供給するための電源ユニットを有する浴室システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、浴槽を自動洗浄する浴槽洗浄装置と浴槽の自動排水栓を有し、浴槽洗浄装置及び浴槽に湯張りする給湯装置から、自動排水栓を開閉可能な浴室システムが利用されている。浴槽の自動洗浄時には自動排水栓を開けて洗浄液及び湯水を排水し、浴槽の湯張りを開始する際には給湯装置が自動的に自動排水栓を閉栓するように構成して閉め忘れを防ぐことができる。また、この浴室システムは、例えば浴槽のへり部分に配設される操作スイッチ(開閉ボタン)又は給湯装置の操作リモコンを操作することによって、自動排水栓を開閉することができる。
【0003】
操作スイッチと自動排水栓とで構成された自動排水栓ユニット及び浴槽洗浄装置は、浴槽の設置時に設置される。自動排水栓と浴槽洗浄装置は電力供給を受けて作動するので、例えば特許文献1のように、これら自動排水栓ユニットと浴槽洗浄装置に給電するための電源ユニットが、例えば浴室の天井裏に設置される。また、浴槽洗浄装置を操作するための洗浄リモコンが、電源ユニットを介して浴槽洗浄装置に接続され、この洗浄リモコンが例えば浴室の出入口付近に配設される。
【0004】
浴室は、被水し易く湿気が多い環境なので、電動の機器において漏電発生の虞がある。そこで例えば特許文献2のように、電源ユニットに複数の機器が接続されている場合に、過電流が流れた機器について給電を遮断して安全を確保する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-151406号公報
【特許文献2】特開2021-158735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
電源ユニットは、一般家庭の配電盤から延びるAC100Vの電力線から給電されるように接続され、例えばDC15V等の直流電力に変換して給電する。浴室の天井裏にはAC100Vの電力線と共にAC200Vの電力線が敷設されていることがあり、このAC200Vの電力線に電源ユニットが誤接続される場合がある。この誤接続によって電源ユニット及び電源ユニットに接続されている機器が直ちに故障するわけではないが、作動させたときに過電流が流れる虞がある。
【0007】
特許文献2では過電流が流れた場合にその機器への給電を遮断するが、電源ユニットが誤接続を報知するものではなく、過電流が繰り返し流れる虞がある。そして、過電流によって給電の遮断が繰り返されるので、過電流が流れる機器が不良と判断されて交換され、場合によっては電源ユニットも含めて交換される。このような事態を防ぐためには、AC100Vの電力線に接続しなおす必要があるので、浴槽洗浄装置は、洗浄リモコンから電源ユニットの誤接続の報知を行うことができるように構成されている。
【0008】
しかし、浴室システムが浴槽洗浄装置を装備していない場合もあり、この場合には洗浄リモコンが無く、電源ユニットに接続されている機器が自動排水栓ユニットだけなので、電源ユニットの誤接続の報知を行うことができない。また、電源ユニットと接続される給湯装置の製造者が電源ユニットの製造者と異なる場合、電源ユニットの誤接続を報知する機能を給湯装置に装備させることが困難である。それ故、電源ユニットが自動排水栓ユニットにのみ給電する浴室システムは、誤接続の報知手段がなく、電源ユニットの誤接続の報知を行うことができない。
【0009】
そこで、本発明は、自動排水栓ユニットと電源ユニットを有する浴室システムにおいて、電源ユニットの誤接続を報知することができる浴室システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明の浴室システムは、自動排水栓ユニットとこの自動排水栓ユニットに電力を供給する電源ユニットとを有し、前記電源ユニットが電力供給を制御するための制御部を備え、前記自動排水栓ユニットが浴槽の自動排水栓と、この自動排水栓の操作スイッチと、この操作スイッチの操作に基づいて前記自動排水栓を開閉制御する自動排水栓制御部を備え、前記制御部と前記自動排水栓制御部とが通信接続された浴室システムにおいて、前記自動排水栓ユニットは報知部を備え、前記電源ユニットは、外部から入力される電力の電圧を監視して過電圧を検知する電圧監視部を備え、前記制御部は、前記電圧監視部が過電圧を検知した場合に、前記自動排水栓制御部に過電圧検知情報を送信し、前記自動排水栓制御部は、前記過電圧検知情報を受信した場合に、前記自動排水栓の駆動を禁止すると共に、前記報知部によって前記自動排水栓の駆動禁止状態を報知することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、自動排水栓ユニットと電源ユニットを有する浴室システムは、電源ユニットから自動排水栓ユニットに電力が供給され、操作スイッチの操作に基づいて自動排水栓制御部が自動排水栓の開閉を制御する。誤接続によって電源ユニットに入力される電力が過電圧であることを電源ユニットの電圧監視部が検知した場合には、制御部は過電圧検知情報を自動排水栓制御部に送信する。過電圧検知情報を受信した自動排水栓制御部は、自動排水栓の駆動を禁止し、この駆動禁止状態を操作スイッチに設けられた報知部によって報知する。従って、自動排水栓ユニットが装備された浴室システムは、自動排水栓の操作スイッチの報知部から駆動禁止状態を報知することによって、電力供給を受けているが駆動できないことを電源ユニットの誤接続として報知することができ、電源ユニットの電力線を正しく接続しなおすように促すことができる。
【0012】
請求項2の発明の浴室システムは、請求項1の発明において、前記制御部は、前記電圧監視部が過電圧を検知している場合に、定期的に前記過電圧検知情報を送信することを特徴としている。
上記構成によれば、誤接続によって電源ユニットに過電圧が入力されている間は、自動排水栓の駆動禁止状態を繰り返し報知することができる。従って、誤接続されている電源ユニットの電力線を正しく接続しなおすように促すことができる。
【0013】
請求項3の発明の浴室システムは、請求項1の発明において、前記制御部は、通電時に記憶情報を書き換え可能であって停電時には記憶情報を保持する記憶部を備え、記憶情報として前記電圧監視部の検知結果を定期的に前記記憶部に記憶し、最新の記憶情報が過電圧を検知したことである場合に前記過電圧検知情報を送信することを特徴としている。
上記構成によれば、電圧監視部の検知結果が定期的に記憶部に記憶され、記憶部の最新の記憶情報が過電圧を検知したことである場合に過電圧検知情報を送信する。従って、誤接続によって電源ユニットに過電圧が入力されている間は、最新の記憶情報に基づいて自動排水栓の駆動が禁止され、この駆動禁止状態を繰り返し報知することができる。それ故、誤接続されている電源ユニットの電力線を正しく接続しなおすように促すことができる。
【0014】
請求項4の発明の浴室システムは、請求項1~3の何れか1項の発明において、前記電圧監視部は、外部から入力される電力源としてAC200Vの電力線に接続された場合に過電圧として検知することを特徴としている。
上記構成によれば、家庭用の一般的なAC100Vの電力線とAC200Vの電力線のうち、AC100Vの電力線に接続されるべき電源ユニットがAC200Vの電力線に誤接続された場合に過電圧として検知する。従って、過電圧検知による駆動禁止状態の報知によって施工者に電源ユニットの電力線を正しく接続しなおすように促すので、施工者は現在のAC200Vの電力線への接続を解除してもう一方のAC100Vの電力線に正しく接続しなおすことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の浴室システムによれば、自動排水栓ユニットと電源ユニットを有する浴室システムにおいて、電源ユニットの誤接続を報知することができ、電源ユニットの電力線を正しく接続しなおすように促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係る浴室システムの全体構成を示す説明図である。
図2図1の電源ユニットの給電回路及び通信接続の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例0018】
図1に示すように、浴室システム1は、浴槽2の自動排水栓ユニット10と、自動排水栓ユニット10に電力を供給する電源ユニット20を有する。自動排水栓ユニット10は、浴槽2の底部に設置された電動の自動排水栓11と、この自動排水栓11の開閉操作を行うために浴槽2のへり部分に設置された操作スイッチ12(開閉ボタン)と、この操作スイッチ12の操作に基づいて自動排水栓11の開閉制御を行う自動排水栓駆動制御回路部13(自動排水栓制御部)を有する。電源ユニット20から自動排水栓ユニット10に供給される電力は、自動排水栓駆動制御回路部13を介して自動排水栓11と操作スイッチ12に供給され、この自動排水栓駆動制御回路部13による電力供給の制御によって自動排水栓11が開閉制御される。
【0019】
電源ユニット20は、外部から入力される電力源として配電盤3から延びるAC100Vの電力線3aに電力線20aが接続され、電力線20aを介して給電される交流電力を、例えばDC15Vの直流電力に変換して電力線20bを介して自動排水栓ユニット10に給電する。この電源ユニット20は、給湯装置4と自動排水栓ユニット10との通信を中継する中継機能を備えている。尚、図1中の二重線は電力線を表し、破線は通信線を表している。
【0020】
電源ユニット20は、例えば浴槽2の湯張りの際に、中継機能によって給湯装置4から自動排水栓11の閉栓指令を自動排水栓駆動制御回路部13に伝達するための制御部31を有する。この制御部31と自動排水栓駆動制御回路部13とが通信線10aによって通信接続され、給湯装置4の給湯制御部5と制御部31が通信線4aによって通信接続されている。尚、給湯制御部5は、中継機能によって湯張り前に自動排水栓制御部13から自動排水栓11の開閉状態を取得し、開栓状態の場合に自動排水栓11の閉栓を指令してもよい。
【0021】
給湯装置4は、矢印Wのように供給される上水を加熱して、例えば給湯栓6a、シャワー6b等に設定された温度で給湯する給湯運転の制御を行う給湯制御部5を有する。給湯制御部5には、給湯装置4の操作リモコンとして台所リモコン7aと浴室リモコン7bが通信接続されている。また、浴槽2と給湯装置4との間には、浴槽2の湯水を循環させて加熱するための追焚通路8が接続されている。給湯装置4は、この追焚通路8を介して浴槽2に設定された温度で設定された水位まで湯張りする湯張り運転を行う。ユーザは、台所リモコン7a又は浴室リモコン7bを介して、例えば給湯温度の設定操作や湯張り運転の開始操作等を行うことができる。
【0022】
給湯装置4と自動排水栓ユニット10のように、他の機器との通信を行う機器には、通信を可能にするために通信仕様が設定されている。自動排水栓ユニット10の通信仕様は、自動排水栓ユニット10の製造者によって定められている。一方、給湯装置4の通信仕様は、給湯装置4の製造者によって定められている。一般に製造者が異なる製品間では通信仕様が異なるので、このような場合でも通信できるように、従来から電源ユニット20は、通信仕様を相互変換して給湯装置4と自動排水栓ユニット10との通信を中継するように構成されている。
【0023】
ところで、浴室システム1の施工は、浴槽2と共に自動排水栓ユニット10を設置し、電源ユニット20を例えば浴室の天井裏に設置して自動排水栓ユニット10と接続し、浴室の内装工事を行って、後日に給湯装置4の設置と接続工事を行うことが一般的である。この電源ユニット20を含む自動排水栓ユニット10と給湯装置4とは販路が異なり、施工者も異なる場合が多い。
【0024】
自動排水栓ユニット10の施工者は、電源ユニット20の電力線20aを配電盤3から浴室の天井裏に敷設された電力線3aに接続する。浴室の天井裏にはAC100Vの電力線だけでなくAC200Vの電力線が敷設されていることがあり、このAC200Vの電力線に電源ユニット20の電力線20aが誤接続される場合がある。
【0025】
自動排水栓ユニット10の施工者は、電力線20aの接続後に操作スイッチ12を操作して、自動排水栓11の動作確認を行う。このとき給湯装置4はまだ設置されていないので、給湯装置4に電源ユニット20の誤接続を報知する機能が装備されていたとしても、例えば電力線3aがAC200Vの場合にAC100V仕様の電源ユニット20の誤接続を報知することができない。また、浴室システム1に浴槽洗浄装置が装備されている場合にはその洗浄リモコンによって電源ユニット20の誤接続を報知するが、浴槽洗浄装置が装備されていない場合には洗浄リモコンがないので誤接続の報知ができない。
【0026】
そこで、浴室システム1は、電源ユニット20の誤接続の場合には、自動排水栓11の駆動を禁止し、この自動排水栓11の駆動禁止状態を報知することによって、電力の供給を受けているが自動排水栓11を駆動できない状態を電源ユニット20の誤接続として報知する。また、この誤接続によって浴室システム1が直ちに破損する虞は小さいが、過電圧が入力されている状態で自動排水栓11を開閉させないことにより自動排水栓ユニット10の破損を防止する。この自動排水栓11の駆動禁止及びこの駆動禁止状態の報知について、図2に基づいて説明する。
【0027】
図2に示すように、電源ユニット20は、例えばトランス21の1次側(入力側)に第1整流回路部22と第1平滑回路部23と電圧監視回路部24(電圧監視部)とスイッチング電源回路部25(SW電源回路部)を有し、トランス21の2次側(出力側)に第2整流回路部26と第2平滑回路部27を有するAC/DCコンバータ部28を有する。電力線3aがAC100Vである場合に電源ユニット20に入力される電力は、AC/DCコンバータ部28で例えばDC15Vの直流電力に変換されて給電回路部29に入力される。そして、第1、第2給電端子30a,30bに接続された機器に給電される電力(電流)が、給電回路部29によって調整される。尚、第2給電端子30bから延びる電力線20bによって自動排水栓ユニット10に電力が供給される。
【0028】
電源ユニット20の制御部31は、例えば処理部32と記憶部33と通信部34を有する。処理部32は、例えばCPUとワーキングメモリー(RAM)を備えたコンピュータである。記憶部33は、通電時に記憶情報を書き換え可能であって停電時に記憶情報を保持する所謂不揮発性メモリーである。記憶部33には、通信の中継用のプログラム、自動排水栓11の制御用のプログラム等が記憶されている。
【0029】
制御部31は、矢印線で示すように、通信部34を介して自動排水栓ユニット10と通信を行い、通信部34を介して図示外の給湯装置4の給湯制御部5と通信を行うことにより、給湯装置4と自動排水栓ユニット10との間の通信を中継する。自動排水栓駆動制御回路部13は、電源ユニット20を介して給湯装置4からの自動排水栓11の閉栓指令を受信した場合及び操作スイッチ12の操作信号を受信した場合に、自動排水栓11に開閉駆動用の電力を供給して閉栓又は開栓させる。
【0030】
自動排水栓ユニット10は、電動の報知部14を有する。この報知部14は、自動排水栓11の駆動禁止状態を、例えば音声によって報知する音声出力部と、例えば点滅表示又はエラーコード表示によって報知するLED表示部の何れか一方又は両方を備えている。報知部14は、操作スイッチ12に搭載されていてもよく、浴室内に設置されてもよい。
【0031】
電源ユニット20は、入力される電力がAC100Vの場合だけでなくAC200Vの場合でも、AC/DCコンバータ部28で変換した直流電力を制御部31、給電回路部29に供給する。電圧監視回路部24は、電源ユニット20に入力される電力の電圧を監視し、電源ユニット20にAC200Vが入力された場合にトランス21の1次側が過電圧であることを検知し、この過電圧検知を制御部31の処理部32に伝達する。
【0032】
過電圧検知の伝達を受けた制御部31の処理部32は、通信部34を介して自動排水栓駆動制御回路部13に過電圧検知情報を送信する。過電圧検知情報を受信した自動排水栓駆動制御回路部13は、自動排水栓11の駆動を禁止すると共に、この駆動禁止状態であることを報知部14によって報知する。
【0033】
自動排水栓11の駆動禁止状態では、操作スイッチ12が操作された場合でも、自動排水栓駆動制御回路部13は、自動排水栓11に駆動用電力を供給しないが、操作スイッチ12及び報知部14には使用する電力を供給する。そして、自動排水栓駆動制御回路部13は、自動排水栓11の駆動を禁止している場合に、報知部14によって定期的に(例えば5秒毎に)自動排水栓11の駆動禁止状態であることを報知する。
【0034】
電源ユニット20にAC100Vが入力されて正常電圧が検知される場合には、検知電圧が正常であることが制御部31の処理部32に伝達され、処理部32は自動排水栓駆動制御回路部13に正常電圧検知情報を送信する。正常電圧検知情報を受信した自動排水栓駆動制御回路部13は、自動排水栓11の駆動を許可する。AC200Vの電力線からAC100Vの電力線に電力線20aが接続しなおされた場合には、正常電圧検知情報を受信した自動排水栓駆動制御回路部13は、自動排水栓11の駆動禁止を解除して報知部14による駆動禁止状態の報知を停止する。
【0035】
制御部31が、記憶情報として電圧監視回路部24の検知結果を定期的に記憶部33に記憶させ、最新(最後)の記憶情報が過電圧を検知したことである場合に、報知部14によって駆動禁止状態を報知するようにしてもよい。上記と同様に、電力の供給を受けているが自動排水栓11を駆動できない状態を電源ユニット20の誤接続として報知することができ、電源ユニット20の電力線20aを正しく接続しなおすように促すことができる。また、例えば日時と共に過電圧検知を記憶部33に記憶しておき、電源ユニット20又は自動排水栓ユニット10の不具合発生時に記憶部33の記憶情報を参照可能なようにしてもよい。
【0036】
上記浴室システム1の作用、効果について説明する。
自動排水栓ユニット10と電源ユニット20を有する浴室システム1は、電源ユニット20から自動排水栓ユニット10に電力が供給され、操作スイッチ12の操作に基づいて自動排水栓駆動制御回路部13(自動排水栓制御部)が自動排水栓11の開閉を制御する。誤接続によって電源ユニット20に入力される電力が過電圧であることを電源ユニット20の電圧監視回路部24(電圧監視部)が検知した場合には、電源ユニット20の制御部31は過電圧検知情報を自動排水栓駆動制御回路部13に送信する。過電圧検知情報を受信した自動排水栓駆動制御回路部13は、自動排水栓11の駆動を禁止し、この駆動禁止状態を報知部14によって報知する。
【0037】
従って、浴室システム1は、自動排水栓ユニット10の報知部14から自動排水栓11の駆動禁止状態を報知することによって、電力供給を受けているが駆動できないことを電源ユニット20の誤接続として報知することができる。そして、この報知によって、電源ユニット20の電力線20aを正しく接続しなおすように促すことができる。また、過電圧の状態で自動排水栓11が駆動されないので、浴室システム1の破損等を防止することができる。
【0038】
制御部31は、電圧監視回路部24が過電圧を検知している場合に、定期的に過電圧検知情報を自動排水栓駆動制御回路部13に送信する。従って、誤接続によって電源ユニット20に過電圧が入力されている間は、自動排水栓駆動制御回路部13が報知部14によって自動排水栓11の駆動禁止状態を繰り返し報知することができるので、誤接続されている電源ユニット20の電力線20aを正しく接続しなおすように促すことができる。
【0039】
制御部31は、通電時に記憶情報を書き換え可能であって停電時には記憶情報を保持する記憶部33を備えている。制御部31は、記憶情報として電圧監視回路部24の検知結果を定期的に記憶部33に記憶し、最新の記憶情報が過電圧を検知したことである場合に過電圧検知情報を自動排水栓駆動制御回路部13に送信するようにすることもできる。この場合も、誤接続によって電源ユニット20に過電圧が入力されている間は、最新の記憶情報に基づく過電圧検知情報を受信する自動排水栓駆動制御回路部13によって自動排水栓11の駆動が禁止され、この駆動禁止状態を繰り返し報知することができる。それ故、電力供給を受けているが駆動できないことを電源ユニット20の誤接続として報知することができ、この報知によって電源ユニット20の電力線20aを正しく接続しなおすように促すことができる。
【0040】
電圧監視回路部24(電圧監視部)は、外部から入力される電力源として家庭用の一般的なAC100Vの電力線とAC200Vの電力線のうち、AC100Vの電力線に接続されるべき電源ユニット20がAC200Vの電力線に誤接続された場合に過電圧として検知する。この過電圧検知による駆動禁止状態の報知によって施工者に電源ユニット20の電力線20aを正しく接続しなおすように促すので、施工者は現在のAC200Vの電力線からもう一方のAC100Vの電力線に正しく接続しなおすことができる。
【0041】
自動排水栓11は、開閉駆動するための電動モータを有していてもよく、電動モータによって駆動されるケーブルレリーズを介して開閉されるものであってもよい。浴室システム1が浴槽洗浄装置を有する場合には、その洗浄リモコンによる電源ユニット20の誤接続の報知が優先されるようにしてもよい。その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はその種の変更形態をも包含するものである。
【符号の説明】
【0042】
1 :浴室システム
2 :浴槽
3 :配電盤
4 :給湯装置
5 :給湯制御部
6a :給湯栓
6b :シャワー
7a :台所リモコン
7b :浴室リモコン
8 :追焚通路
10 :自動排水栓ユニット
11 :自動排水栓
12 :操作スイッチ
13 :自動排水栓駆動制御回路部(自動排水栓制御部)
14 :報知部
20 :電源ユニット
21 :トランス
22 :第1整流回路部
23 :第1平滑回路部
24 :電圧監視回路部(電圧監視部)
25 :スイッチング電源回路部
26 :第2整流回路部
27 :第2平滑回路部
28 :AC/DCコンバータ部
29 :給電回路部
30a:第1給電端子
30b:第2給電端子
31 :制御部
32 :処理部
33 :記憶部
34 :通信部
図1
図2