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特開2023-170556ケーブル保持部材、前記ケーブル保持部材を備えるケーブル保持装置、及び前記ケーブル保持装置を備えるケーブルコネクタ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170556
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ケーブル保持部材、前記ケーブル保持部材を備えるケーブル保持装置、及び前記ケーブル保持装置を備えるケーブルコネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/56 20060101AFI20231124BHJP
   H01R 4/2429 20180101ALI20231124BHJP
   H01R 4/2433 20180101ALI20231124BHJP
【FI】
H01R13/56
H01R4/2429
H01R4/2433
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082397
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】安田 真
【テーマコード(参考)】
5E012
5E021
【Fターム(参考)】
5E012AA03
5E012AA43
5E012AA44
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC32
5E021FC40
5E021GA04
5E021GA05
5E021GB01
(57)【要約】
【課題】圧接時にケーブルを挟持している圧接部の横幅が広がるのを規制し、圧接部とケーブル芯線の接触信頼性が高くなるように構成された案内部を含むケーブル保持部材、前記ケーブル保持部材を備えるケーブル保持装置、前記ケーブル保持装置を備えるケーブルコネクタ装置を提供する。
【解決手段】案内部80は、圧接部11bを挿嵌させることができる凹形状を有し、前記圧接部11bの挿入終了時の前記圧接部11bの先端11gに対応する前記案内部80の内壁である第2の内壁85の横幅が、前記圧接部11bの挿入開始時の前記圧接部11bの先端11gに対応する前記案内部80の内壁82である第1の内壁83の横幅よりも広く、これにより、ケーブル5を圧接部11bで圧入させる際に、案内部80の第2の内壁85により、圧接部11bの横幅が広がるのを規制することができる。
【選択図】図14C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、ケーブル保持部材とを備える、ケーブル保持装置であって、
前記ハウジングは、ハウジング本体と、被挿入部とを備え、
前記ハウジング本体は、圧接部を有する端子と、前記端子を支持する端子支持体とを備え、
前記ケーブル保持部材は、本体に、開口部と、貫通孔と、挿入孔と、案内部とを含み、
前記開口部は、前記本体の第1の面に含まれ、
前記貫通孔は、前記開口部を通じて前記本体の前記第1の面から、前記第1の面と対向する第2の面に向ってケーブルを挿通させた状態で前記ケーブルを保持するように構成され、
前記挿入孔は、ケーブル挿通方向と平行する第3の面に含まれ、前記貫通孔と連絡し、前記挿入孔を通じて前記本体に前記圧接部を挿入することができ、
前記案内部は、前記挿入孔に挿入された前記圧接部を挿嵌することができる凹形状を有し、前記ケーブルを挿通させ保持することができる孔を含み、
前記案内部の内壁の横幅は、前記圧接部の横幅よりも広く、
前記圧接部の挿入開始時の前記圧接部の先端に対応する前記案内部の内壁である第1の内壁の横幅が、前記圧接部の挿入終了時の前記圧接部の先端に対応する前記案内部の内壁である第2の内壁の横幅よりも広く、
前記圧接部を前記挿入孔から挿入させ、前記圧接部を前記案内部に挿嵌させた際に、
前記案内部が前記ケーブルを保持する場合には、前記案内部の前記第2の内壁は、前記圧接部が前記ケーブルを圧接するのに伴い前記圧接部の横幅が広がるのを規制し、
前記案内部が前記ケーブルを保持しない場合には、前記圧接部は、前記案内部の内壁に接触しないように構成される、
ことを特徴とする、ケーブル保持装置。
【請求項2】
前記案内部の内壁は、前記第1の内壁の横幅の広幅から前記第2の内壁の横幅の狭幅へ移行する境界部を有する、請求項1に記載のケーブル保持装置。
【請求項3】
前記境界部が斜面部である、請求項2に記載のケーブル保持装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のケーブル保持装置と、その外周面を覆うシェルと、更にその外周面を覆うケースとを備える、ケーブルコネクタ装置。
【請求項5】
本体に、開口部と、貫通孔と、挿入孔と、案内部とを含み、
前記開口部は、前記本体の第1の面に含まれ、
前記貫通孔は、前記開口部を通じて前記本体の前記第1の面から、前記第1の面と対向する第2の面に向ってケーブルを挿通させた状態で前記ケーブルを保持するように構成され、
前記挿入孔は、ケーブル挿通方向と平行する第3の面に含まれ、前記貫通孔と連絡し、前記挿入孔を通じて前記本体に前記圧接部を挿入することができ、
前記案内部は、前記挿入孔に挿入された前記圧接部を挿嵌することができる凹形状を有し、前記ケーブルを挿通させ保持することができる孔を含み、
前記案内部の内壁の横幅は、前記圧接部の横幅よりも広く、
前記圧接部の挿入開始時の前記圧接部の先端に対応する前記案内部の内壁である第1の内壁の横幅が、前記圧接部の挿入終了時の前記圧接部の先端に対応する前記案内部の内壁である第2の内壁の横幅よりも広く、
前記圧接部を前記挿入孔から挿入させ、前記圧接部を前記案内部に挿嵌させた際に、
前記案内部が前記ケーブルを保持する場合には、前記案内部の前記第2の内壁は、前記圧接部が前記ケーブルを圧接するのに伴い前記圧接部の横幅が広がるのを規制し、
前記案内部が前記ケーブルを保持しない場合には、前記圧接部は、前記案内部の内壁に接触しないように構成される、
ことを特徴とする、ケーブル保持部材。
【請求項6】
前記案内部の内壁は、前記第1の内壁の横幅の広幅から前記第2の内壁の横幅の狭幅へ移行する境界部を有する、請求項5に記載のケーブル保持部材。
【請求項7】
前記境界部が斜面部である、請求項6に記載のケーブル保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルコネクタに関し、特に、圧接端子を有する圧接コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されたケーブルコネクタ装置、即ち、端子ユニットは、ケーブル保持部材として、ケーブルであるシールド電線を保持する絶縁材で形成された保持ブロックを備え、更に、端子が取付けられる絶縁ブロックと、これら絶縁ブロックと保持ブロックの外側を覆うシールド部材を含む。シールド線は、一般のケーブルと同様に、内部導体と、これを被覆する絶縁材から成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-224723号公報
【特許文献2】国際公開第2018/016389号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
芯線とその被覆の密着性が高いケーブルにおいては、圧接部にその被覆ケーブルを圧入させた際に、圧接部の有する圧接刃でケーブルの被覆を十分に破ることができない場合や、圧接部でケーブルを挟持する際に圧接部の横幅が広がり、ケーブルを十分な圧力で挟持できない場合がある。このような場合、ケーブル芯線と圧接部の間での接触抵抗が高くなる。その結果、導通させた際に、発熱しやすくなる、無駄な消費電力が多くなる、導通不良となる等、といった問題が生じる。
【0005】
本願発明は、上記従来技術における問題点を解決するためになされたものであり、本願発明の目的は、上記従来技術における問題点を解決し、芯線と圧接部の接触信頼性を向上させたケーブル保持部材、またそのようなケーブル保持部材を備えるケーブル保持装置、更にそのようなケーブル保持装置を備えるケーブルコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様によるケーブル保持部材は、ハウジングと、ケーブル保持部材とを備え、ハウジングは、ハウジング本体と、被挿入部とを備え、ハウジング本体は、圧接部を有する端子と、端子を支持する端子支持体とを備え、ケーブル保持部材は、本体に、開口部と、貫通孔と、挿入孔と、案内部とを含み、開口部は、本体の第1の面に含まれ、貫通孔は、開口部を通じて本体の第1の面から、第1の面と対向する第2の面に向ってケーブルを挿通させた状態でケーブルを保持するように構成され、挿入孔は、ケーブル挿通方向と平行する第3の面に含まれ、貫通孔と連絡し、挿入孔を通じて本体に圧接部を挿入することができ、案内部は、挿入孔に挿入された圧接部を挿嵌することができる凹形状を有し、ケーブルを挿通させ保持することができる貫通孔と略同径の孔を含み、案内部の内壁の横幅は、圧接部の横幅よりも広く、圧接部の挿入開始時の圧接部の先端に対応する案内部の内壁である第1の内壁の横幅が、圧接部の挿入終了時の圧接部の先端に対応する案内部の内壁である第2の内壁の横幅よりも広く、圧接部を挿入孔から挿入させ、圧接部を案内部に挿嵌させた際に、案内部がケーブルを保持する場合には、案内部の第2の内壁は、圧接部が前記ケーブルを圧接するのに伴い圧接部の横幅が広がるのを規制し、案内部がケーブルを保持しない場合には、圧接部は、案内部の内壁に接触しないように構成されることを特徴とし、本発明の一態様によるケーブル保持装置及びケーブルコネクタ装置は、このようなケーブル保持部材の特徴を有する。
【0007】
このような態様のケーブル保持部材、ケーブル保持装置、及びケーブルコネクタ装置によれば、被覆ケーブルを圧接部の間で圧接させる際に、ケーブルの被覆を圧接部で十分な力により破ることができる。また、被覆内の芯線を圧接部で十分な力により挟持させることができる。これにより、芯線と圧接部を含む端子との接触信頼性を高めることができる。
【発明の効果】
【0008】
被覆ケーブルを圧接部の間で圧入させ、圧接部でケーブル被覆を圧接する際に、ケーブルを挟持する圧接部の横幅が開くことを規制することができる案内部を含むことによって、前述のような芯線と被覆との密着性が高いケーブルにおいても、圧接した際の芯線と圧接部を含む端子との接触信頼性を高めることができ、芯線と端子との電気的接続をより確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一つの好適な実施形態によるケーブル保持部材を備えた、本発明の一つの好適な実施形態によるケーブルコネクタ装置の斜視図である。
図2図1のケーブルコネクタ装置からケースを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図3図2の状態からシェルを取り外した状態を示す分解斜視図である。
図4A図3の状態からケーブル保持部材を取り外した状態を示す分解斜視図である。
図4B図4Aの状態を後側から見た分解斜視図である。
図5】ハウジングに端子支持体を取り付けた状態を後側から見た斜視図である。
図6】ケーブルコネクタ装置からケースを取り外した状態を示した正面図である。
図7図6のA-A線断面図である。
図8A】ケーブル保持部材がケーブルを保持した状態で、蓋部で開口部を覆う前を示した斜視図である。
図8B】ケーブル保持部材がケーブルを保持した状態で、蓋部で開口部を覆った後を示した斜視図である。
図9】ケーブル保持部材の斜視図である。
図10】ケーブル保持部材の背面図である。
図11】ケーブル保持部材の底側を後側から見た斜視図である。
図12A】ケーブル保持部材の底面図である。
図12B図12AのB-B線断面図である。
図13】ケーブル保持部材がケーブルを保持しない場合の、圧接部をケーブル保持部材の挿入孔64に挿入し、圧接部を案内部に挿嵌させた状態のB-B線断面図である。
図14A】ケーブル保持部材がケーブルを保持する場合の、圧接部をケーブル保持部材の挿入孔64に挿入する前の状態を示したB-B線断面図である。
図14B】ケーブル保持部材がケーブルを保持する場合の、圧接部をケーブル保持部材の挿入孔64に挿入し、圧接部を案内部に挿嵌させる途中で、圧接部がケーブルに接触した状態のB-B線断面図である。
図14C】ケーブル保持部材がケーブルを保持する場合の、圧接部をケーブル保持部材の挿入孔64に挿入し、圧接部を案内部に挿嵌させた状態のB-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための例示的な実施形態を詳細に説明する。ただし、以下の実施形態で説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。例えば、本構成は、国際公開第2018/016389号(特許文献2)に開示されたケーブルコネクタ等に好適に適用することができ、逆に、特許文献2に開示された構成の一部を、本構成に適用することもできる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本発明の一つの好適な実施形態によるケーブル保持部材を用いた、本発明の一つの好適な実施形態によるケーブルコネクタ装置1の斜視図を示している。
【0012】
本実施形態では、ケーブルコネクタ装置1は、プラグコネクタとして形成されている。ケーブルコネクタ装置1と嵌合される相手コネクタ装置(図示されていない)は、レセプタクルコネクタとして形成されている。相手コネクタは、例えば、基板に接続された基板型のコネクタであってもよいし、ケーブルコネクタ装置1と同様に、ケーブル型のコネクタであってもよい。
【0013】
ケーブルコネクタ装置1は、図示矢印「x」方向に沿って、相手コネクタ装置に対して嵌合、抜去させることができる。ケーブルコネクタ装置1と相手コネクタ装置の嵌合は、各々に設けた金属シェルを利用してロックすることができる。ケーブルコネクタ装置1と相手コネクタ装置を嵌合させたとき、相手コネクタ装置のシェルに設けた嵌合穴に、ケーブルコネクタ装置1のシールド用のシェル30に設けた先細の筒状シェル50が挿入される。このとき、筒状シェル50に設けた穴53から弾性突出したロック突部35が、相手コネクタのシェルに設けた被ロック部である貫通孔に嵌る。この結果、ケーブルコネクタ装置1と相手コネクタ装置の嵌合はロックされる。ロック状態は、例えば、樹脂製のケース12から露出した釦13を、「y」方向に沿ってケーブルコネクタ装置1の内部に向って押し込むことによって解除することができる。
【0014】
図2乃至図4Bに、ケーブルコネクタ装置1の分解斜視図を示している。図2は、図1のケーブルコネクタ装置1から、ケース12A、12B(以下、両者を区別する必要がある場合にのみ「A」又は「B」の文字を付す)を取り外した状態を示している。図3は、図2の状態から更に、シェル30を取り外した状態を示している。図4A及び図4Bは、図3の状態から更に、ケーブル保持部材60を取り外した状態を示している。
【0015】
ケーブルコネクタ装置1は、主に、ケーブルコネクタ装置1の最外殻を形成する絶縁性のケース12A及び12Bと、これらのケース12A及び12Bによって外周面を覆われた金属性の導電シェル30と、シェル30によって外周面を覆われた絶縁性のハウジング20と、電気ケーブル4に含まれるツイストペアケーブル5の各々を保持する絶縁性のケーブル保持部材60と、ハウジング20に取り付けられた端子11を支持する絶縁性の端子支持体70とを含む。電気ケーブル4の一例として本実施形態では、ツイストペアケーブル5を例示しているが、勿論、ツイストペアケーブル5に限定する意図はない。本ケーブルコネクタ装置1は、ツイストペアケーブル以外の、様々なケーブルにも勿論適用することができる。
【0016】
図3によく示されるように、シェル30は、本体シェル31と、互いに連結された板状シェル40、及び筒状シェル50を含む。本体シェル31は、一枚の金属板を打ち抜き、折り曲げ加工することによって形成されている。同様に、板状シェル40及び筒状シェル50も、他の一枚の金属板を打ち抜き、折り曲げ加工することによって形成されている。板状シェル40と本体シェル31は、互いに組み合わさって、主に、ハウジング本体29の側部外周面を覆う。一方、筒状シェル50は、全体として略矩形の筒状であって、主に、ハウジング本体29から突設させた被挿入部25の側部外周面を覆う。本体シェル31は、基部36と、基部36の後方に延びる電気ケーブル4のためのカシメ部36aと、基部36の前方に延び相手コネクタ装置との嵌合側に自由端を有する弾性片33を含む。弾性片33の先端には、相手コネクタ装置とロックを形成するロック突部35が設けられている。但し、図3に示したカシメ部36aは、便宜上、ケーブル4をかしめたときの状態を示しており、ケーブル4をかしめる前は、ケーブル4を容易に設置することができるよう、一部において開放された状態にある。
【0017】
図5に、ハウジング20に端子支持体70を取り付けた状態を、後側から見た斜視図を示している。また、図6に、図5に示す状態にあるハウジング20に更に、ケーブル保持部材60A及び60Bとシェル30を取り付けた状態、換言すれば、図2に示されている、ケーブルコネクタ装置1からケース12A及び12Bを取り外した状態における正面図を示している。図7に、図6のA-A線における断面図を示している。
【0018】
ハウジング20は、樹脂を一体成形することによって製造されており、ハウジング本体29と、ハウジング本体29から相手コネクタ装置(図1参照)との嵌合側に突設した被挿入部25とを含んでいる。ハウジング本体29は、端子支持体70やケーブル保持部材60によって補完されることにより略直方形状を成す。被挿入部25は、筒状シェル50とともに相手コネクタ装置の嵌合穴に挿入される部分であって、その内部には、相手コネクタ装置の嵌合穴に設けた嵌合凸部(図示されていない)が挿入される嵌合凹部28が形成されている。
【0019】
ハウジング本体29は、厚肉の基部21と、基部21の後方、即ち、被挿入部25とは反対側に延設された対向する2枚の板状側壁26を含んでいる。板状側壁26の間に形成された空間26fには、対を成す端子支持体70A、70B(以下、両者を区別する必要があるときにのみ「A」又は「B」の文字を付している。端子支持体70A、70Bの構成部分についても同様。)が、同様に対を成すケーブル保持部材60A、60Bとともに設置されている。端子支持体70A、70Bは、本実施形態では、互いに同じ大きさ及び形状を有している。同様に、ケーブル保持部材60A、60Bも、互いに同じ大きさ及び形状を有している。同じ大きさ及び形状とすることにより、部品管理が容易となり、製造工程も簡易化されている。
【0020】
端子支持体70は、複数の端子11を片持ち梁状に支持している。端子11は、端子支持体70に一体成形によって製造時に組み込まれている。但し、圧入等を利用して、端子支持体70に後から端子11を組み込んでもよい。組み込み後も、端子11の一部は外部に露出されている。例えば、端子11の前方、即ち、ハウジング20の基部21側に延出させた、端子11の先端11f付近、及び、端子11の後方、即ち、ツイストペアケーブル5が圧接される圧接部11bやその周辺の配線部11eは、露出されたままである。
【0021】
端子支持体70は板状の本体77を有する。本体77の上面77aには立設部75が設けられている。また、本体77の左右側面には外方に突出したロック突部71aが設けられている。更に、本体77の後縁には内部に向って切り欠かれた平面視U字状の切欠76が設けられている。
【0022】
端子支持体70をハウジング20に取り付けるに際しては、先ず、対を成す端子支持体70A及び70Bが所定の方向でそれらの平らな底面にて互いに突き合わされる。対の端子支持体70A及び70Bが互いに突き合わされたとき、端子支持体70によって支持された端子11は、それらの接点11d間に、被接触物、例えば、相手コネクタ装置の嵌合穴に設けた嵌合凸部が挿入されるギャップを形成し得る。接点11dを形成している端子11の先端11fは、被接触物と弾性接触させるため、「z」方向に沿って弾性変位可能となっている。互いに突き合わされた対の端子支持体70は、その後、そのままの状態で、それらの突き合せ面と平行な方向に沿って、ハウジング20に取り付けている。端子支持体70は、ハウジング20へ、端子支持体70の左右の側面71を板状側壁26の内壁に設けた案内溝26cに沿ってスライドさせることにより、ハウジング20の所定位置に案内される。この結果、端子支持体70の側面71に設けたロック突部71aがハウジング20の板状側壁26に設けたロック穴26bに嵌り、端子支持体70はハウジング20にロックされる。
【0023】
圧接部11bは、端子支持体70の本体77の上面77aにおいて立設部75と同方向「z」に延びている。複数の端子11における圧接部11bは、「y」方向に沿って交互に配置されている。圧接部11bの先端部14は二股に分かれて溝を成しており、この溝にケーブル保持部材60によって保持されたケーブル5の各々が圧入されるようになっている。溝には圧接刃が設けられており、溝に圧入されたケーブル5の外側の被覆5bはここで切断される。この結果、むき出しとなった芯線等の内部導体5a(図8等参照)が溝に挟み込まれて、ケーブル5と端子11は導通する。圧接部11bはそれぞれ、配線部11eと物理的且つ電気的に連結されている。
【0024】
覆部65によって、ケーブル保持部材60の本体67の第1の面に含まれる開口部63aを覆うことができ、図8A及び図8Bにそれぞれ、その覆う前及び後の状態を、それぞれ示している。覆部65は、本体67の一部を成す板状体であって、図8Aの状態から、折り曲げ部65eに沿って角度θだけ回転させ、本体67に対して折り曲げ、図8Bの状態のように、ケーブル5の挿通方向「x1」と交差する面(y-z面)にて開口部63aを覆うことができるように、設けられている。
【0025】
また、覆部65の折り曲げ状態を維持させるために、本体67と覆部65の間に係止手段を設けるのが好適である。係止手段は、本体67に対する覆部65の折り曲げ状態を維持できれば足り、例えば、覆部65に凸部を設け、本体67に凹部を設けて、両者を係止させてもよいし、また、それとは逆に覆部65に凹部を設け、本体67に凸部を設けて、両者を係止させてもよい。もしくは、凸部と凹部以外の係止手段を用いてもよく、例えば、接着剤を用いてもよい。
【0026】
図9乃至図12Aに、出荷時等、ケーブル5を取り付ける前におけるケーブル保持部材60の状態を示している。図9にこのような状態にあるケーブル保持部材60の前側を上側から見た斜視図を、図10に背面図、図11に同状態にあるケーブル保持部材60の後側を底側から見た斜視図を、図12Aに底面図を、それぞれ示している。また、図12Bに、図12Aに示しているB-B線における断面図を示している。
【0027】
ケーブル保持部材60は、略直方形状の本体67に、主に、開口部63aと、貫通孔63と、挿入孔64と、案内部80とを含んでいる。ケーブル保持部材60は、樹脂により一体成形されている。
【0028】
図9に示されるように、ケーブル保持部材60の本体67の第1の面(図9の例では、本体67の前面67e)に開口部63aを含んでいる。
【0029】
図10に示されるように、開口部63aを含む第1の面(図10の例では、本体67の前面67e)と対向する第2の面(図10の例では、本体67の背面67f)に貫通孔63を含んでいる。ケーブル5を保持することができるように、ケーブル保持部材60の本体67の内部に複数の貫通孔63が前後方向「x」に沿って含んでいる。各貫通孔63は、第1の面(図10の例では、本体67の前面67e)から第2の面(図10の例では、本体67の背面67f)を通じて、本体67内を貫通するようにそれぞれ含んでおり、各貫通孔63を通じて、挿通方向「x1」に沿ってケーブル5を挿通させることができる。図9によく示されているように、これらの貫通孔63は、第1の面(図9の例では、本体67の前面67e)付近では、半円状又は1/4円状の断面を有している。換言すれば、貫通孔63は、第1の面(図9の例では、本体67の前面67e)では、底側、即ち、ケーブル5が載置されるケーブル載置部63cのみから成り、上側は開放されている。この開放部は、上述の通りに、覆部65の一部によって覆うことができる。換言すれば、貫通孔63の上部は完全に閉じることができる。貫通孔63の内径は、ケーブル5の外径とほぼ同一もしくはわずかに小さく設定されている。これにより、ケーブル5の外周面と貫通孔63の内周面とが引っ掛かり、貫通孔63からのケーブル5の不用意な抜けを防止できるようになっている。尚、本実施形態では、複数の貫通孔63を設けているが、必ずしも複数である必要はなく、1つのみ設けてもよい。
【0030】
図11に示されるように、ケーブル挿通方向「x1」と平行する第3の面(図11の例では、本体67の底面67b)に、端子11の圧接部11b(図5参照)が挿入される、挿入孔64を含んでいる。挿入孔64は、ケーブル5が挿通される貫通孔63と、本体67の内部で連絡している。ハウジング20にケーブル保持部材60を取付ける際に、端子支持体70から「z」方向に立設している圧接部11bが、挿入孔64を通じて本体67の内部へ挿入される。この際に、貫通孔63に挿通されたケーブル5の被覆5bを、圧接部11bの内側の溝に有する圧接刃によって切断できるようになっている。尚、本実施形態では、複数の挿入孔64を設けられているが、必ずしも複数である必要はなく、1つのみ設けてもよい。また、本実施形態では、挿入孔64は、ケーブル保持部材60を取り付ける対象のハウジング20に立設している圧接部11bの数と同数で設けられている。更には、図12Aによく示されるように、挿入孔64は、ケーブル保持部材60をハウジング20に取り付けた際に、圧接部11bを挿入させることができる位置に設けられている。即ち、挿入孔64は、第3の面(本実施形態では、本体67の底面67b)の、挿入孔64と圧接部11bのx及びyの位置が重なる位置に設けられている。
【0031】
図12Bは、図12Aに示しているB-B線における断面図を示している。挿入孔64の各々には、本体67の内部の方向へ(図11の例では、「z」方向へ)、案内部80が設けられている。前述の通り、圧接部11bは、ケーブル保持部材60とハウジング20を取り付けた際に、ケーブル保持部材60の本体67の第3の面(図12Aの例では、本体67の底面67b)の挿入孔64を通じて本体67の内部へ挿入される。この際、挿入孔64に挿入された圧接部11bは、案内部80へとガイドされ、案内部80に挿嵌される。このため、案内部80は、圧接部11bを挿嵌させることができるように、凹形状を有する。更に、案内部80の内壁82の横幅は、圧接部11bを挿嵌させることができるように、圧接部11bの横幅よりも広幅に設けられている。これにより、挿入孔64を通じて、圧接部11bを案内部80にスムーズに挿入させ、案内部80に挿嵌させることができる。また、案内部80は、貫通孔63に挿通させたケーブル5を保持することができるように、孔81を含んでいる。この孔81は、貫通孔63と略同軸上でかつ略同径であることが望ましい。尚、本実施形態では、複数の案内部80を設けているが、必ずしも複数である必要はなく、1つのみ設けてもよい。本実施形態では、挿入孔64と同数の案内部80を設けている。
【0032】
案内部80の内壁82の横幅について、内壁82全体を同一の横幅で設けなくてもよく、内壁82の領域によって異なる横幅で設けてもよい。例えば、図12Bに示す実施形態においては、案内部80の内壁82を領域によって異なる横幅で設けられている。案内部80の内壁82の横幅について、領域ごとに本実施形態を詳しく見る。本図に示されるように、圧接部11bが案内部80に挿入される入り口側の内壁82の領域である第1の内壁83は、横幅Yで設けられている。一方、圧接部11bが案内部80に挿入される奥側の内壁82の領域である第2の内壁85は、横幅Xで設けられている。ここで、第1の内壁83の領域は、圧接部11bの案内部80への挿入開始時における、圧接部11bの先端11gに対応する案内部80の内壁82の領域と対応している。また、第2の内壁85の領域は、圧接部11bの案内部80への挿入終了時における、圧接部11bの先端11gに対応する案内部80の内壁82の領域と対応している。更に、本実施形態では、案内部80の内壁82の横幅について、第1の内壁83の横幅Yは、第2の内壁85の横幅Xよりも横幅が広くなるように設けられている。
【0033】
図13は、ケーブル保持部材60がケーブル5を保持しない場合であって、圧接部11bをケーブル保持部材60の挿入孔64に挿入させ、圧接部11bを案内部80に挿嵌させた状態のB-B線断面図を示している。図13に示されるように、案内部80の第2の内壁85の横幅Xは、第1の内壁83の横幅Yよりも狭く設けられているものの、圧接部11bの横幅よりは広く設けられている。そのため、圧接部11bを案内部80に挿嵌させた状態において、圧接部11bは案内部80の第2の内壁85に接触していない。このように、ケーブル保持部材60がケーブル5を保持しない場合には、圧接部11bを案内部80にガイドし挿入させる際に、案内部80の内壁82に圧接部11bの一部が衝突する等の両者の接触が発生しにくくなり、スムーズに挿入させ挿嵌させることができる。これにより、必要以上の接触による案内部80の内壁82及び圧接部11bの劣化を防ぐことができる。
【0034】
一方、図14A乃至図14Cは、ケーブル保持部材60がケーブル5を保持する場合であって、圧接部11bをケーブル保持部材60の挿入孔64に挿入させ、圧接部11bを案内部80に挿嵌させる工程における状態を示している。より詳細には、図14Aは、圧接部11bをケーブル保持部材60の挿入孔64に挿入させる前の状態を示したB-B線断面図を示している。また、図14Bは、圧接部11bをケーブル保持部材60の挿入孔64に挿入させ、圧接部11bを案内部80に挿嵌させる途中であって、圧接部11bがケーブル5に接触した状態のB-B線断面図を示している。更に、図14Cは、図14Bの状態から圧接部11bをケーブル保持部材60の挿入孔64に更に挿入させ、圧接部11bを案内部80に挿嵌させた状態のB-B線断面図を示している。
【0035】
前述の通り、本実施形態では、案内部80の内壁82の横幅は領域によって異なる。即ち、圧接部11bを案内部80に挿入させる際の入り口側の内壁82の横幅はYである第1の内壁83と、圧接部11bを案内部80に挿入させる際の奥側の内壁82の横幅はYよりも狭いXである第2の内壁85と、それぞれ案内部80の内壁82の横幅が領域によって異なるように設けられている。また、本実施形態では、案内部80の内壁82において第1の内壁83は、案内部80の入り口から、圧接部11bと案内部80の孔81で保持しているケーブル5が接触する近傍の深さまでの範囲で設けられている。案内部80の内壁82において第2の内壁85は、圧接部11bと案内部80の孔81で保持しているケーブル5が接触する近傍の深さから、案内部80に挿嵌された圧接部11bの先端11g近傍の深さまでの範囲で設けられている。更に、本実施形態では、図14Bで示されるように、圧接部11bを案内部80に挿嵌させる途中であって、圧接部11bがケーブル5に接触した時点における、圧接部11bの先端11gに対応する案内部80の内壁82の近傍には、案内部80の内壁の横幅が、第1の内壁83の横幅Yから第2の内壁85の横幅Xへと移行する、境界部84が設けられている。即ち、本実施形態では、案内部80の内壁82において、境界部84を境にして、境界部84より案内部80の入り口側の内壁82は、横幅がYである第1の内壁83として設けられている。一方で、境界部84より案内部80の奥側の内壁82は、横幅がXである第2の内壁85として設けられている。この境界部84は、本実施形態のように斜面部としてもよい。境界部84を斜面部とすることにより、圧接部11bの先端11gとの衝突を回避して、先端11gをガイドすることができる。
【0036】
図14Cの状態において、圧接部11bの内側の間にケーブル5が圧入されることによって、圧接部11bは互いに外側方向へ力を受ける。これによって、圧接部11bは外側方向へ開き、圧接部11bの横幅が広がることとなる。その結果、圧接部11bの外側が案内部80の第2の内壁85に接触する。圧接部11bの外側が案内部80の第2の内壁85に接触している状態においては、圧接部11bの外側から案内部80の第2の内壁85へ向かって押す力が働く。それによって、それとは反対方向に、即ち、圧接部11bの内側方向へ、圧接部11bは案内部80の第2の内壁85からの反作用力を受ける。それによって、前記圧接部11bの外側が案内部80の第2の内壁85を押す力と、前記第2の内壁85から圧接部11bの外側への反作用力と、力がつり合う。その結果、案内部80の第2の内壁85は、圧接部11bの横幅の広がりを規制することができる。
【0037】
また、同状態において、圧接部11bがケーブル5を圧接し、ケーブル5の被覆5bを破る際に、従来技術では、ケーブル5の芯線5aと被覆5bの密着性が高いような場合において、圧接部11b間にケーブル5を圧入させる力が不十分であった。そのため、圧接する際に、ケーブル5の被覆5bを十分に破ることができず、圧接部11bと被覆5b内の芯線5aを接触させることができないような場合があった。それに対し、図14Cに示すような本実施例においては、前記のようなケーブル5の芯線5aと被覆5bの密着性の高いような場合においても、圧接部11b間でケーブル5を圧入させる際に、前記の通り、圧接部11bに案内部80の第2の内壁85からの反作用力が加わることにより、圧接部11b間でケーブル5を圧入する際の力に加えて、前記反作用力が加わる。それによって、ケーブル5を十分な力で圧接することができる。その結果、ケーブル5の被覆5bを十分な力で破ることができる。
【0038】
さらに、同状態において、案内部80に圧接部11bを挿嵌させた際であって、圧接部11bの内側でケーブル5を挟持させている際においても、前記の通り、圧接部11bは案内部80の第2の内壁85からの反作用力を受ける。それによって、圧接部11bがケーブル5を挟持する力に加えて、圧接部11bの両側がそれぞれ内側方向に前記反作用力が加わる。それによって、圧接部11bはケーブル5を十分な力で挟持することができる。その結果、前述の圧接により被覆5bが破られて剥き出しとなった芯線5aと、圧接部11bとを確実に接触させることができる。即ち、ケーブル5の芯線5aと圧接部11bを含む端子11との接触信頼性を高めることができ、ひいては、芯線5aと端子11との電気的接続をより確実にすることができる。
【0039】
図11によく示されるように、本体67の底面67bにはまた、ハウジング20にケーブル保持部材60を取り付ける際に端子支持体70に設けた切欠76(図5参照)に嵌る突部66が設けられている。突部66は、ハウジング20に対するケーブル保持部材60の取付け側の面、即ち、底面67bに、ハウジング20に対するケーブル保持部材60の取付け方向に沿う方向「z」に沿って立設されている。
【0040】
本体67の側面67c、67dの、前後方向「x」におけるそれらの一端側(n)にそれぞれ、ハウジング20の板状側壁26に設けた係止穴26a(図4A図4B図5参照)に係止される係止突部62が設けられている。ハウジング20に対するケーブル保持部材60の取り付け時に、これら係止突部62と係止穴26aを係合させることにより、ケーブル保持部材60をハウジング20に係止することができる。
【0041】
一方、これらの側面67c、67dの、前後方向「x」におけるそれらの他端側(m)には、それぞれ、開口部63aの開口端面67jよりも貫通孔63の一端側(n)か他端側(m)に向ってケーブル5の挿通方向「x1」に沿って延長された延長部(61、67d1)が形成されている。特に、側面67cに設けた延長部は、アーム部61の一部によって形成されている。これらの延長部(61、67d1)は、開口部63aの開口端面67jを挟み込むように対向配置されており、これら延長部(61、67d1)の端面61c、67eは、貫通孔63におけるケーブル5の挿通方向「x1」と交差する面「y-z面」内に位置するように調整されている。このような端面61c、67eを設けることにより、ケーブル5の被覆5bを所定の位置にて切断することが容易となる。
【0042】
側面67cの延長部を形成しているアーム部61は、底面67bよりも下側に、突部66と同様に、ハウジング20に対するケーブル保持部材60の取付け方向に沿う方向「z」に沿って延びている。アーム部61の自由端付近には、端子支持体70の本体77の一部に係止することができる係止突部61aが設けられている。アーム部61は、係止突部62と同様に、ケーブル保持部材60をハウジング20に固定等するために使用される部分であって、ハウジング20と端子支持体70とによって形成された穴78(図5参照)に挿入された状態で、端子支持体70との本体77の一部に係止される。係止を容易にするため、これらアーム部61は、板厚方向に弾性変位可能に設けられている。
【0043】
ハウジング20に対するケーブル保持部材60の取付けは、ハウジング20に対する端子支持体70の取付け後、即ち、図4A図4B図5の状態にあるハウジング20に対して行う。ケーブル保持部材60は、ハウジング20に対して位置決めされた後に、指先や冶具等を用いて、例えば、対面する対のケーブル保持部材60A、60B(図4A図4B参照)の上面67aを同時に挟み込む力を一時に加えることによってハウジング20に取り付けることができる。ケーブル5は、この力を利用して、圧接部11bによって切断されるとともに、ハウジング20及びケーブル保持部材60の所定位置に固定され得る。
【0044】
尚、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。本願の図面及び説明は例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0045】
本発明に関連する分野の当業者であれば、上記の説明で示された教示の助けを借りれば、本発明の多くの修正形態または他の実施形態を思いつくであろうし、当業者には、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、本発明の変形及び修正を行うことができることは明らかであろう。したがって、本発明は、開示されている特有の実施形態に限定されず、修正形態及びその他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれるよう意図されているものと理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらの用語は、限定目的ではなく、一般的かつ説明的な意味で用いられているに過ぎない。
【符号の説明】
【0046】
1 ケーブルコネクタ装置
5 ケーブル
5a 芯線
5b 被覆
11 端子
11b 圧接部
11g 先端
60 ケーブル保持部材
63 貫通孔
64 挿入孔
67 本体
80 案内部
81 孔
82 内壁
83 第1の内壁
84 境界部
85 第2の内壁

x1 挿通方向
y-z面 交差する面
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C