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特開2023-170573光学部材およびこれを用いた死角補助装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170573
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】光学部材およびこれを用いた死角補助装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/04 20060101AFI20231124BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B60R1/04 H
G02B5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082424
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 浩
(72)【発明者】
【氏名】辻 真俊
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042AA02
2H042AA03
2H042AA07
2H042AA21
(57)【要約】
【課題】光学部材における対をなす反射面の相対位置ズレを抑制し、光学部材の保持部材への着脱が容易な死角補助装置とする。
【解決手段】光学部材は、外景光が入射する入射面21aと、複数の射出部22および平坦部23を有する射出面2cと、複数の平坦部23に対して対向配置された平滑面2dと、平滑面2dと射出面2cとを繋ぐ面であって、対向配置された上面2fおよび下面2gとを有する。光学部材2は、透光性材料で構成され、平坦部23および平滑面2dにおいて入射光を全反射により反射すると共に、上面2fには第1突起部24が、下面2gには第2突起部25が、それぞれ形成されている。光学部材2を保持する保持部材3は、突起部24、25と嵌合する嵌合部としての溝部32が形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外景光を内部で反射させて導光する光学部材であって、
前記外景光が入射する入射面(21a、2a)と、複数の射出部(22)および複数の平坦部(23)を有し、前記入射面から入射した入射光が最初に到達する射出面(2c)と、複数の前記平坦部に対して対向配置された平滑面(2d)と、前記平滑面と前記射出面とを繋ぐ面であって、対向配置された上面(2f)および下面(2g)と、前記上面から突出する第1突起部(24)と、前記下面から突出する第2突起部(25)とを有し、透光性材料で構成された導光体(2)を備え、
複数の前記平坦部は、前記入射光を全反射により前記平滑面に向けて反射する第一の反射面であり、
前記平滑面は、前記平坦部で反射した反射光を全反射により前記射出面に反射する第二の反射面であり、
複数の前記射出部は、前記入射光の一部、または前記平滑面で反射した光の一部を外部に射出する、光学部材。
【請求項2】
死角補助装置であって、
外景光が入射する入射面(21a、2a)と、複数の射出部(22)および複数の平坦部(23)を有し、前記入射面から入射した入射光が最初に到達する射出面(2c)と、複数の前記平坦部に対して対向配置された平滑面(2d)と、前記平滑面と前記射出面とを繋ぐ面であって、対向配置された上面(2f)および下面(2g)と、前記上面から突出する第1突起部(24)と、前記下面から突出する第2突起部(25)とを有し、透光性材料で構成された光学部材(2)と、
前記光学部材の前記第1突起部および前記第2突起部と嵌合する嵌合部(32、321、33)を有し、前記光学部材を保持する保持部材(3)と、を備え、
複数の前記平坦部は、前記入射光を全反射により前記平滑面に向けて反射する第一の反射面であり、
前記平滑面は、前記平坦部で反射した反射光を全反射により前記射出面に反射する第二の反射面であり、
複数の前記射出部は、前記入射光の一部、または前記平滑面で反射した光の一部を前記保持部材とは反対側の外部に射出する、死角補助装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記光学部材を収容する収容部(31)を有し、
前記収容部のうち前記光学部材の前記平滑面と対向する面を底面(31a)とし、前記底面に隣接する面であって、互いに対向する2つの面を側壁面(31b)として、前記収容部は、前記側壁面に前記第1突起部および前記第2突起部と嵌合する溝部(32)が形成されている、請求項2に記載の死角補助装置。
【請求項4】
前記第1突起部および前記第2突起部のうち前記入射面の側の端部を第1端部(241、251)とし、前記入射面とは反対側の端部を第2端部(242、252)として、前記第2端部の高さ(H242、H252)は、前記第1端部の高さ(H241、H251)よりも大きい、請求項3に記載の死角補助装置。
【請求項5】
前記下面に対する法線方向に沿った方向であって、前記下面と前記上面とを繋ぐ幅方向における寸法を幅とし、前記光学部材の前記入射面のうち前記平滑面とは反対側の端部を一端とし、前記平滑面のうち前記入射面とは反対側の端部を他端として、
前記光学部材は、前記入射面から前記入射面とは反対側の端部に向かうにつれて前記上面と前記下面との間の幅が狭くなると共に、前記第1突起部から前記第2突起部までの幅が前記一端の幅よりも大きく、
前記保持部材の前記溝部のうち前記第1突起部と嵌合するものを第1溝部とし、前記第2突起部と嵌合するものを第2溝部とし、前記第1溝部から前記第2溝部までの幅をW32とし、前記光学部材の前記第1突起部の前記第1端部から前記第2突起部の前記第1端部までの幅をWとし、前記第1突起部の前記第2端部から前記第2突起部の前記第2端部までの幅をWとして、W32<W<Wである、請求項4に記載の死角補助装置。
【請求項6】
前記第1突起部および前記第2突起部は、嵌合凸部(244、253)を有し、
前記溝部は、前記嵌合凸部と嵌合する窪み部(321)を有する、請求項3に記載の死角補助装置。
【請求項7】
前記保持部材の厚み方向に沿った方向における前記溝部の中心から前記底面までの距離(D4)は、前記光学部材の厚み方向に沿った方向における前記第1突起部または前記第2突起部の中心から前記平滑面までの距離(D3)よりも大きい、請求項3ないし6のいずれか1つに記載の死角補助装置。
【請求項8】
前記保持部材は、前記嵌合部として複数のフックピン(33)を有する、請求項2に記載の死角補助装置。
【請求項9】
前記保持部材のうち前記光学部材が取り付けられた状態において前記上面と前記下面とを繋ぐ幅方向に沿った方向を縦方向とし、前記縦方向と交差する方向を横方向として、 複数の前記フックピンは、前記横方向に沿って二以上配置されると共に、前記横方向に沿って配置された二以上配置された前記フックピンを一組のフックピンとして、前記一組のフックピンが前記縦方向に沿って複数個、平行配置されている、請求項8に記載の死角補助装置。
【請求項10】
複数個の前記一組のフックピンは、前記保持部材の前記縦方向に沿った外郭に対して平行な方向に沿って配列されている、請求項9に記載の死角補助装置。
【請求項11】
前記光学部材は、前記第1突起部および前記第2突起部の一部が前記平滑面よりも外側にはみ出しており、
前記第1突起部および前記第2突起部のうち前記平滑面よりも外側にはみ出した部分には、前記フックピンと嵌合する嵌合穴(245、254)が形成されている、請求項8ないし10のいずれか1つに記載の死角補助装置。
【請求項12】
前記光学部材のうち複数の前記平坦部のなす1つの仮想平面に沿った方向であって、前記入射面から入射した光が進む方向を導光方向とし、前記保持部材のうち前記光学部材が取り付けられた状態において前記上面と前記下面とを繋ぐ幅方向に沿った方向を縦方向として、
前記第1突起部の前記嵌合穴と前記第2突起部の前記嵌合穴とを繋ぐ方向と、前記導光方向と、のなす角度(θ)は、複数の前記フックピンが前記縦方向に沿った配列方向と前記保持部材のうち前記導光方向に沿った方向とのなす角度(θ)に等しい、請求項11に記載の死角補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射面から入射した光の一部を内部で反射させ、入射した光およびその反射光を入射面とは異なる面から外部に射出する光学部材およびこれを用いた死角補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の光学部材としては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載の光学部材は、車両のピラーに取り付けられ、死角補助装置の一部として用いられるものである。この光学部材は、外景光の一部を反射させつつ、一部を透過させるハーフミラーと、ハーフミラーでの反射光を当該ハーフミラーに反射するミラーと、これらを対向配置させた状態で保持するケース体とを有してなり、ケース体が車両ピラーに取り付けられる。
【0003】
この光学部材は、車両ピラーを挟んだ反対側からの外景光が入射すると、当該外景光がミラーとハーフミラーとによりなる一対のミラー間にて繰り返し反射しつつ、車両ピラーとは反対側に配置されたハーフミラーから透過する構成となっている。これにより、光学部材を介して、車両ピラーに隠された死角領域の外景を視認可能な死角補助装置となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-147496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この光学部材はミラーとハーフミラーとが別部材であるため、これらの相対位置がずれてしまった場合、ハーフミラーから透過した光による外景の位置、すなわちユーザが光学部材を介して視認する外景の位置が実態とずれてしまう。このような事態を防ぐためには、一対のミラーの相対位置がずれないように保持する筐体、および筐体と一対のミラーとを固定する固定部材が必要となる。また、車両のように振動が想定される用途の場合、一対のミラーを保持固定された筐体を車両ピラーに取り付ける際に、振動による一対のミラーの相対位置のズレが生じないように固定しなければならない。
【0006】
一方、上記のように、一対のミラーの相対位置のズレを抑制するための構成は、部品点数が多くなり、車体ピラー等の他の部材への組付けも複雑かつ精度が要求される。さらに、振動による一対のミラーの相対位置のズレを抑制するために、他の部材に筐体をしっかりと固定した場合、筐体を他の部材から取り外した後でなければ光学部材を筐体から取り外すことができず、光学部材に汚れが付着した際に対応が困難となる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、入射した外景光の反射および透過を生じさせる射出面と、入射した外景光を射出面に反射する反射面との相対位置ズレが生じず、他の部材への着脱が容易な構造の光学部材およびこれを用いた死角補助装置を提供することを目的とする。また、死角補助装置については、搭載する他の部材から光学部材の取り外しを容易な構成とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の光学部材は、外景光を内部で反射させて導光する光学部材であって、外景光が入射する入射面(21a、2a)と、複数の射出部(22)および複数の平坦部(23)を有し、入射面から入射した入射光が最初に到達する射出面(2c)と、複数の平坦部に対して対向配置された平滑面(2d)と、平滑面と射出面とを繋ぐ面であって、対向配置された上面(2f)および下面(2g)と、上面から突出する第1突起部(24)と、下面から突出する第2突起部(25)とを有し、透光性材料で構成された導光体(2)を備え、複数の平坦部は、入射光を全反射により平滑面に向けて反射する第一の反射面であり、平滑面は、平坦部で反射した反射光を全反射により射出面に反射する第二の反射面であり、複数の射出部は、入射光の一部、または平滑面で反射した光の一部を外部に射出する。
【0009】
この光学部材は、透光性材料により構成される単一の部材であって、入射面から入射した外景光の一部が平坦部および平滑面において全反射により反射されると共に、入射した外景光の一部を射出部から外部に射出する。また、光学部材は、平滑面と射出面とを繋ぐ上面および下面のそれぞれに突起部が形成されており、他の部材への着脱が容易、かつ着脱の際に突起部以外の光学面に触れずに済むため、ハンドリングが簡単な構成となっている。そのため、この光学部材は、入射した外景光の反射および透過を生じさせる射出面と、入射した外景光を射出面に反射する反射面との相対位置ズレが生じない上、他の部材への着脱が容易である。
【0010】
また、請求項2に記載の死角補助装置は、外景光が入射する入射面(21a、2a)と、複数の射出部(22)および複数の平坦部(23)を有し、入射面から入射した入射光が最初に到達する射出面(2c)と、複数の平坦部に対して対向配置された平滑面(2d)と、平滑面と射出面とを繋ぐ面であって、対向配置された上面(2f)および下面(2g)と、上面から突出する第1突起部(24)と、下面から突出する第2突起部(25)とを有し、透光性材料で構成された光学部材(2)と、光学部材の第1突起部および第2突起部と嵌合する嵌合部(32、321、33)を有し、光学部材を保持する保持部材(3)と、を備え、複数の平坦部は、入射光を全反射により平滑面に向けて反射する第一の反射面であり、平滑面は、平坦部で反射した反射光を全反射により射出面に反射する第二の反射面であり、複数の射出部は、入射光の一部、または平滑面で反射した光の一部を保持部材とは反対側の外部に射出する。
【0011】
この死角補助装置は、請求項1に記載の光学部材と、当該光学部材を保持する保持部材とにより構成され、保持部材には光学部材の突起部と嵌合する嵌合部が形成されている。つまり、この死角補助装置は、射出面と平滑面との位置ズレが起きない単一の部材の光学部材が、保持部材に嵌合してなるため、光学部材の着脱が容易かつ、当該位置ズレを抑制するための部品を要しない構成となっている。そのため、外景の位置ズレを抑制できると共に、光学部材の組付けが簡便かつ取り外しが可能であり、メンテナンスが容易な死角補助装置となる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の死角補助装置の斜視図である。
図2】光学部材を別の角度から見た斜視図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4】光学部材における導光の説明図である。
図5】第1実施形態の死角補助装置の斜視分解図である。
図6図1のVI-VI断面図である。
図7】第1実施形態の死角補助装置の分解断面図である。
図8】保持部材に光学部材を取り付けた状態を示す断面図である。
図9】第1実施形態の変形例に係る光学部材を示す平面図である。
図10】第2実施形態の死角補助装置に係る光学部材を示す平面図である。
図11】第2実施形態の死角補助装置を示す斜視図である。
図12】第3実施形態の死角補助装置に係る光学部材を示す平面図である。
図13】第3実施形態の死角補助装置を示す斜視分解図である。
図14】第3実施形態における光学部材と保持部材との嵌合を示す断面図である。
図15】第4実施形態の死角補助装置に係る光学部材を示す平面図である。
図16】第4実施形態における光学部材と保持部材との嵌合を示す断面図である。
図17】第4実施形態の死角補助装置に係る保持部材を示す斜視図である。
図18図3に相当する図であって、光学部材の他の構成例を示す断面図である。
図19図3に相当する図であって、光学部材の他の構成例を示す断面図である。
図20図3に相当する図であって、光学部材の他の構成例を示す断面図である。
図21図3に相当する図であって、光学部材の他の構成例を示す断面図である。
図22図3に相当する図であって、光学部材の他の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態の死角補助装置1について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1図5では、死角補助装置1の構成を分かり易くするため、後述する保持部材3の溝部32のうち各図に示す角度からは見えない部分の外郭を破線で示している。図1では、後述する光学部材2の外郭のうち保持部材3に隠される部分も実線で示している。図4では、光学部材2における外景光の導光を分かり易くするため、光にハッチングを施している。
【0017】
以下、説明の便宜上、図1に示すように、保持部材3のうち光学部材2における後述する導光方向に沿った方向を「第1方向D1」と称し、光学部材2の後述する突起部24、25を繋ぐ方向に沿った方向を「第2方向D2」と称する。図2以降の図に示すD1、D2は、図1に示すD1、D2に対応する方向である。また、便宜上、第1方向D1を保持部材3の「横方向」、第2方向D2を保持部材3の「縦方向」と称することがある。
【0018】
本実施形態の死角補助装置1は、例えば図1に示すように、光学部材2と、保持部材3とを有し、光学部材2が保持部材3に取り付けられてなる。死角補助装置1は、保持部材3により死角となる領域からの外景光を、光学部材2の内部で導光させてユーザ側に射出することで死角領域を視認させる構成である。死角補助装置1は、例えば、保持部材3が自動車などの車両のうち運転者の視界の妨げとなるピラーとされ、運転者等に死角領域を視認させる車載用途に適用されると好適であるが、勿論、他の用途における死角補助にも適用されうる。本明細書では、死角補助装置1が車載用途とされた場合を代表例として説明する。
【0019】
光学部材2は、例えば図2に示すように、入射部2aと、入射部2aに隣接する平滑面2dと、平滑面2dと対向する射出面2cと、入射部2aと射出面2cとを繋ぐ入射側面2bと、入射側面2bと対向する終端面2eとを有する導光体である。光学部材2は、射出面2cと平滑面2dとを繋ぐ面であると共に、入射側面2bと終端面2eとを繋ぐ面である、上面2fおよび下面2gとを有する。光学部材2は、後述する内部の導光に用いられない上面2fおよび下面2gに突起部24、25が形成されている。光学部材2は、基部が透光性材料で構成された単一部材であり、入射部2aへの入射光がない状況においては、ユーザが光学部材2単体を射出面2c側から見たとき、平滑面2d側の光景を視認可能な導光体である。透光性材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリル等の樹脂材料あるいはガラスなどの無機材料などが用いられうる。光学部材2は、所定以上の反射率である反射性材料で構成されたミラーを有しておらず、入射光を透光性材料で構成された面で全反射させることで導光するように設計されている。
【0020】
光学部材2は、本実施形態では、例えば図3に示すように、平滑面2dのなす平面上に入射部2aが配置されると共に、これらの面が射出面2cと対向している。光学部材2は、入射部2aのうち平滑面2dとは反対側の端部が入射側面2bと隣接している。光学部材2は、平滑面2dのうち入射部2aとは反対側の端部が終端面2eと隣接しており、入射側面2bと終端面2eとが対向している。
【0021】
以下、説明の便宜上、例えば図4に示すように、光学部材2の外部から入射部2aへの光を「外景光L」と、外景光Lのうち入射部2aから光学部材2の内部に入射した光を「入射光L」とそれぞれ称することがある。また、入射光Lのうち射出面2cから光学部材2の外部に射出される光を「射出光L」と称することがある。
【0022】
入射部2aは、本実施形態では、互いに相似する形状である複数のプリズム部21が向きを揃えて繰り返し連続的に配列されてなる。複数のプリズム部21は、例えば、断面視にて三角形状とされ、外表面のうち平滑面2dとは反対側の一面が外景光Lの一部を内部に入射させる入射面21aとなっている。複数のプリズム部21は、例えば、それぞれの入射面21aが略平行となるように配列されている。複数のプリズム部21は、外表面のうち平滑面2d側の面が隣接面21bとなっている。複数のプリズム部21は、それぞれ、隣接する他のプリズム部21の入射面21aへの外景光Lの入射を阻害しないように、隣接面21bの傾斜角度が所定以下とされている。
【0023】
入射部2aは、隣接するプリズム部21の入射面21aと隣接面21bとの接点である谷部分のそれぞれが、平滑面2dのなす平面上に位置している。つまり、入射部2aは、プリズム部21それぞれにおいて、入射面21aから射出面2cのうち後述する平坦部23に到達するまでの入射光Lの光路長が略同一となる構成となっている。これにより、射出面2cのうち後述する射出部22から射出される射出光Lによりユーザが視認する外景像の歪みが最小になる効果が得られる。
【0024】
入射側面2bは、例えば図4に示すように、入射光Lが入射側面2bから外部に射出されないように、入射光Lの平坦部23への入射角度をφとして、面のなす傾斜が入射角度φ以上とされることが好ましい。なお、入射光Lの入射角度φは、平坦部23あるいは平滑面2dのなす平面に対する法線方向(以下、単に「法線方向」という)と入射光Lの進行方向とのなす角度をいう。入射光Lの入射角度φは、外景光Lの入射角θ並びに、光学部材2の屈折率nおよび外部媒質(例えば空気)の屈折率nにより変化する。外景光Lの入射角θとは、外景光Lの進行方向と上記の法線方向とのなす角度である。
【0025】
光学部材2は、例えば図4で示すように、透光性材料で構成された、射出面2cの平坦部23および平滑面2dにおいて入射光Lを全反射させるため、以下の(1)式を満たす設計となっている。
【0026】
sinφ≧n/n・・・(1)
これにより、光学部材2は、半透過ミラーやミラーを有さずとも、入射面21aからの入射光Lの一部が平坦部23および平滑面2dで全反射し、射出面2cから外部に射出される構成となっている。
【0027】
射出面2cは、例えば図4に示すように、断面視にて三角形状の突起部である複数の射出部22と、これに隣接し、平滑面2dと略平行な平面である複数の平坦部23とを有する。射出面2cは、入射部2aからの入射光Lが最初に到達する面であって、射出部22と平坦部23とが交互に繰り返し配列されてなる。射出部22は、入射光Lを外部に射出する部位である。平坦部23は、入射光Lを全反射により平滑面2dに向けて反射する第一の反射面である。これにより、光学部材2は、金属材料あるいは誘電体材料によりなる半透過ミラーを有さずとも、内部で入射光Lを導光可能であると共に、平坦部23において入射光Lの吸収による損失が生じない構成となっている。
【0028】
ここで、複数の平坦部23のなす1つの仮想平面を平坦面とし、平坦面に沿って入射側面2bから終端面2eに向かう方向を導光方向とし、導光方向における幅をW23とする。このとき、複数の平坦部23は、射出面2cにおける入射光Lの反射率が所定以上となる幅W23とされる。具体的には、射出面2cのうち複数の平坦部23が入射光Lの反射部、複数の射出部22が入射光Lの吸収部および射出部であることから、射出面2cの反射率Rは、平坦部23の割合で決まる。射出面2cの反射率Rは、幅W23の平坦部23に隣接する射出部22の導光方向における幅をW22として、以下の(2)式で表される。
【0029】
=W23/(W22+W23)・・・(2)
複数の平坦部23は、R≧0.5、すなわち射出面2cにおける入射光Lの反射が射出以上となる幅W23、つまりW22/W23≦1を満たす幅とされることが好ましい。この場合、光学部材2は、射出面2cにおいて入射光Lの半分以上を導光させ、射出面2cのより広い範囲で射出光Lを射出することとなり、射出光Lの明るさを確保することが可能となる。
【0030】
また、光学部材2が上記(1)式を満たし、入射角度φが全反射角度である場合には、射出面2cにおける反射率Rは、上記(2)式に示すように、射出部22および平坦部23の幅の比のみにより定まる。つまり、光学部材2は、光学部材2の反射率Rが入射光Lの角度や波長に依存しないため、半透過ミラーを用いた従来の光学部材に比べて、射出光Lの色調や明るさの変化が抑制される効果が得られる。
【0031】
複数の射出部22は、平坦部23に隣接して配置され、平坦部23から外部に突出する部位であって、入射光Lの一部を外部に射出する第一面22aを有する。複数の射出部22は、例えば図3に示すように、第一面22aと、第一面22aに対向し、第一面22aと交差する第二面22bとを有する突出形状であり、互いに相似している。
【0032】
複数の射出部22のうち第一面22aは、例えば、入射面21aと略平行となっている。第一面22aが入射面21aと平行である場合には、第一面22aからの射出光Lの射出角θが入射角θと同じになるため、光学部材2は、外景光Lと同じ光線を射出面2cの側にいるユーザに視認させることができる。
【0033】
なお、射出光Lの射出角θとは、射出光Lの進行方向と上記の法線方向とのなす角度である。また、略平行とは、入射面21aと第一面22aとが平行である場合に加えて、光学部材2の加工精度の関係上、不可避の誤差により入射面21aと第一面22aとがおよそ平行となっている場合を含む。以下の本明細書における「略平行」についても同様の意味である。
【0034】
複数の射出部22のうち第二面22bは、法線方向に対して傾斜角度δで傾斜している。第二面22bは、例えば、入射光Lの第二面22bにおける反射や射出面2c側からの外光の侵入が抑制する観点から、光吸収膜221で覆われることが好ましい。これにより、射出光Lに射出面2c側からの外光が重なって見えるゴースト、および第二面22bにおける入射光Lの意図しない反射光が第一面22aから射出されることに起因するノイズを抑制することができる。光吸収膜221は、任意の遮光性の樹脂材料や金属材料などにより構成され、印刷や蒸着などの任意の工程により形成される。なお、光学部材2の基部とは、光吸収膜221を除く部分である。
【0035】
第二面22bは、傾斜角度δが射出光Lの射出角θ以上、入射面21aと第一面22aが平行な場合には外景光Lの入射角θ以上となっている。これにより、射出光Lは、第二面22bに遮られることなく、外部に射出される。また、第二面22bは、傾斜角度δが、平坦部23における入射光Lの入射角度φ(導光角)よりも小さいことが好ましい。これにより、入射光Lが第二面22bに入射して干渉することが抑制され、第二面22bにおける入射光Lの意図しない反射やこれに起因するノイズを抑制できる。
【0036】
なお、複数の射出部22の幅W22および複数の平坦部23の幅W23がすべて同一である場合、反射した光線に幅W22分の隙間ができ、その隙間と後の部分の射出部22との関係が周期的変化を持つことで明るさムラ、すなわちモアレを生じる場合がある。このようなモアレを抑制する観点から、W22およびW23は、例えば、一定の値を中心とする所定の範囲内にある値であること、すなわち分布を有することが好ましい。
【0037】
平滑面2dは、平坦部23で反射した入射光Lを全反射により射出面2c側に反射する第二の反射面である。言い換えると、平滑面2dは、平坦部23に対して略平行とされ、平坦部23と共に一対のミラーとして機能する光学面である。そのため、入射部2aからの入射光Lは、平坦部23および平滑面2dにおいて入射角度φでの入射・反射が繰り返され、導光方向に沿って進行しつつ、射出面2cの全域において射出部22から外部に射出される。そして、入射光Lの残部は、最終的に、終端面2eから外部に射出される。
【0038】
終端面2eは、入射側面2bと対向する面であって、導光方向における終端に位置する。終端面2eは、例えば、複数の射出部22のうち入射側面2bとは反対側の端部に位置する射出部22の第一面22aと共に1つの面をなす構成であってもよいし、後述する保持部材3と連続する曲面をなすように傾斜が調整されていてもよい。
【0039】
光学部材2は、例えば図4に示すように、平坦部23と平滑面2dとの法線方向における高さをTとし、入射部2aの導光方向における幅をW2aとして、以下の(3)式を満たす設計とされることが好ましい。
【0040】
2a=2T×tanφ・・・(3)
2a=2T×tanφの場合、光学部材2は、例えば図4に示すように、射出面2cのうち入射部2aからの入射光Lが最初に到達する領域の面積が大きくなる一方で、当該領域からの反射光が平滑面2dにのみ到達する構成となる。これにより、射出面2cからの射出光L同士に複数の射出部22および平坦部23を隔てた導光の隙間が生じない上、入射部2aからの光線損失が抑制される効果が得られる。ここでいう「導光の隙間」とは、射出面2cにて入射光Lが到達しない射出部22、すなわち外部に射出光Lを射出しない射出部22が発生した状態にて、射出光Lを射出しない射出部22を挟んで隣接する射出光L同士の導光方向における隙間を意味する。また、「入射部2aからの光線損失」とは、平坦部23で反射した入射光Lが入射部2aに再到達し、入射部2aから外部に射出されることで生じる光線の損失を意味する。
【0041】
なお、入射光の角度によるずれが10%程度生じうるため、W2aが2T×tanφで表される値±10%の範囲内であれば、光学部材2は、上記の光線損失および導光の隙間の影響が低減された構成となる。
【0042】
上面2fおよび下面2gは、入射光Lの反射に用いられない非光学面である。上面2fおよび下面2gは、保持部材3との嵌合に用いられる突起部24、25が形成されている。
【0043】
以下、説明の便宜上、上面2fに形成された突起部を「第1突起部24」と、下面2gに形成された突起部を「第2突起部25」と、それぞれ称するが、これらは、本実施形態では、同様の構成とされる。
【0044】
突起部24、25は、本実施形態では、図1に示すように、保持部材3の溝部32に挿入され、保持部材3に光学部材2が保持されるようにするために形成された部位である。光学部材2は、例えば図5に示すように、保持部材3の収容部31に形成された溝部32に沿ってスライドする方向に挿入され、平滑面2dを保持部材3側、射出面2cを外部側に向けた状態と取り付けられる。突起部24、25は、例えば、導光方向における幅が、上面2fまたは下面2gの同方向における幅よりも短くされ、保持部材3からはみ出さない構成となっている。突起部24、25は、光学部材2のうち平坦部23と平滑面2dとを繋ぐ方向、すなわち高さTに沿った方向を「厚み方向」として、厚み方向の幅が溝部32でのスライドが可能かつ嵌合する程度の幅とされている。これにより、死角補助装置1は、光学部材2と保持部材3との着脱が可能となり、汚れ等が付着した場合におけるメンテナンスが容易な構造となっている。
【0045】
なお、プリズム部21、射出部22や突起部24、25を有する光学部材2は、透光性の樹脂材料で構成される場合、例えば、金型等を用いた公知のプラスチック成形方法により形成される。
【0046】
保持部材3は、光学部材2が取り付けられる部材であり、車載用途の場合には、例えばAピラー等の車体ピラー、あるいは車体ピラーを覆うピラーカバーとされる。保持部材3は、例えば図5に示すように、光学部材2が収容される収容部31と、光学部材2の突起部24、25と嵌合する嵌合部としての溝部32とを有する。溝部32は、収容部31のうち光学部材2の平滑面2dと向き合う面を底面31aとし、底面31aに隣接すると共に、光学部材2の上面2fまたは下面2gと向き合う面を側壁面31bとして、側壁面31bにおいて第1方向D1に沿って形成されている。側壁面31bは、第1方向D1において、一部が底面31aよりも外側にはみ出している。側壁面31bのうち底面31aよりも外側にはみ出す部分をはみ出し部31baとして、はみ出し部31baは、光学部材2の上面2fおよび下面2gのうち入射側面2b側の所定の領域を覆っている。溝部32は、側壁面31bのうちはみ出し部31baとは反対側の端部から第1方向D1に沿って延設され、側壁面31bの途中まで形成されている。これにより、保持部材3は、光学部材2を図5の白抜き矢印で示す方向に沿って保持部材3に挿入したとき、光学部材2が保持部材3における適切な位置で留まる構成となっている。
【0047】
保持部材3は、例えば図6に示すように、光学部材2が収容部31に収まると共に、溝部32に光学部材2の突起部24、25が嵌まり込むように構成されている。保持部材3は、光学部材2が取り付けられた際に、収容部31の底面31aと光学部材2の平滑面2dとの間に所定以上の隙間(例えば、限定するものではないが、1mm以上)が生じる寸法となっている。具体的には、保持部材3は、例えば図7に示すように、保持部材3の厚み方向における溝部32の中心位置と底面31aとの間隔D4が、光学部材2の厚み方向における突起部24、25の中心位置と平滑面2dとの間隔D3よりも大きくされている。これにより、光学部材2の平滑面2dと保持部材3の底面31aとが密着せず、これらの間に空気層が確実に存在する状態となり、平滑面2dにおける入射光Lの全反射を確保でき、射出面2c側における外景の視認性を担保できる。
【0048】
保持部材3は、第2方向D2に沿った溝部32同士の幅W32が、光学部材2の第1突起部24の先端面と第2突起部25の先端面との幅と略同一となっている。保持部材3は、例えば図8に示すように、収容部31のうち第1方向D1に沿った方向の幅W31が、同方向における光学部材2の平滑面2dの幅W2dと略同一とされている。これにより、光学部材2の入射部2aが保持部材3から露出し、外景光Lの入射部2aへの入射を阻害することがなくなる。また、光学部材2の終端面2eが保持部材3からはみ出さなくなり、平滑面2dのうち終端面2e側の端部に不要な外景光Lが入射することも抑制される。
【0049】
保持部材3は、光学部材2を取り付けたときにおける収容部31の底面31aと光学部材2の平滑面2dとの隙間Dが、プリズム部21の高さH21よりも大きくなる寸法となっている。これにより、光学部材2の突起部24、25を溝部32に沿ってスライドさせて取り付ける際に、入射部2aのプリズム部21が収容部31の底面31aに接触しなくなり、光学部材2の着脱が容易となる。なお、保持部材3は、車体のAピラーまたはAピラーを覆うピラーカバーである場合、はみ出し部31ba側がフロントガラス側とされることで、光学部材2の着脱がより容易となる。
【0050】
本実施形態の死角補助装置1は、入射光Lの導光を行う光学部材2が単一の部材で構成されており、入射光Lの反射および外部への射出をする射出面2cと入射光Lの反射を行う平滑面2d、すなわち一対のミラーとして機能する部位の位置ズレが生じない。また、この死角補助装置1は、光学部材2のうち一対のミラーとして機能する部位の相対位置のズレを抑制するための固定部材が不要であり、従来に比べて、部品点数が少なく、保持部材3への組み付けにおける精度を要しない。さらに、光学部材2が突起部24、25を有し、保持部材3の溝部32が突起部24、25との嵌合部として機能するため、保持部材3への光学部材2の組み付けが容易であると共に、光学部材2の着脱も可能である。加えて、光学部材2のうち光学面として機能しない上面2fおよび下面2gに導光に寄与しない突起部24、25が形成されているため、光学部材2を保持部材3に組み付ける際に突起部24、25を用いたハンドリングが可能であり、取扱いが容易となっている。
【0051】
(第1実施形態の変形例)
光学部材2は、例えば図9に示すように、突起部24、25のうち終端面2e側の端部が他の部分よりも高さが大きい構成であってもよい。具体的には、突起部24、25のうち入射部2a側の端部を第1端部241、251とし、入射部2aとは反対側の端部を第2端部242、252とする。このとき、第1突起部24は、第2端部242の高さH242が第1端部241の高さH241よりも大きくされてもよい。また、第2突起部25は、第1突起部24と同様に、第2端部252の高さH252が第1端部251の高さH251よりも大きくされてもよい。一方、保持部材3は、対向する溝部32同士の間隔である幅W32が略一定とされる。これにより、光学部材2は、保持部材3に取り付けたときに、突起部24、25の第2端部242、252が溝部32とより強固に嵌合し、保持部材3における適切な位置で固定されてガタつかない状態となる。
【0052】
本変形例によれば、上記第1実施形態の効果に加えて、光学部材2を保持部材3に装着した際に溝部32と突起部24、25の一部とがより強固に嵌合し、振動等による光学部材2と保持部材3との位置ズレがより抑制される効果も得られる。
【0053】
(第2実施形態)
第2実施形態の死角補助装置1について、図面を参照して説明する。図11では、図1と同様に、溝部32のうち見えない部分の外郭を破線で示している。
【0054】
本実施形態の死角補助装置1は、例えば図10に示すように、光学部材2の幅が入射側面2bから終端面2eに向かうにつれて狭くなっており、上面2fの第1突起部24の高さが終端面2e側ほど高くなっている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
【0055】
光学部材2は、本実施形態では、射出面2c側から見て、入射部2a側の端部の幅Wが、終端面2e側の端部の幅Wよりも大きい構成となっている。光学部材2は、導光方向に沿って入射部2aから終端面2eに向かうにつれて、上面2fと下面2gとの距離が小さくなると共に、第1突起部24がこの距離の減少分だけ高さが徐々に高くなっている。第1突起部24は、第1端部241から第2端部242に向かうにつれて、高さが徐々に高くなっている。
【0056】
例えば、光学部材2のうち下面2gに対する法線方向である下面法線方向に沿った方向において、下面2gから第1突起部24の第1端部241までの幅をWとし、突起部24、25の第1端部241、251側の先端面同士の当該方向における幅をWとする。このとき、光学部材2は、W=W+H241+H251の関係となっている。また、下面法線方向に沿って、突起部24、25の第2端部242、252側の先端面同士の幅をWとして、光学部材2は、W32<W<Wの関係となっている。これにより、光学部材2は、突起部24、25が保持部材3の溝部32に挿入されて保持されることが可能であると共に、第2端部242、252が溝部32とより強固に嵌合し、位置ズレが抑制される構成となる。なお、下面法線方向における第1突起部24の第2端部252の先端面と上面2fのうち終端面2e側の端部との距離をH243として、光学部材2は、W=W+H243+H252の関係となっている。
【0057】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の変形例と同様の効果が得られる死角補助装置1となる。また、第1突起部24のうち第2端部242側の幅が大きいため、光学部材2の保持部材3への着脱において光学面以外での接触可能な領域が広く、ハンドリングがより容易となる効果も得られる。
【0058】
(第3実施形態)
第3実施形態の死角補助装置1について、図面を参照して説明する。図13では、図1と同様に、溝部32のうち見えない部分の外郭を破線で示している。
【0059】
本実施形態の死角補助装置1は、例えば図12、13に示すように第1突起部24が嵌合凸部244を有し、第2突起部25が嵌合凸部253を有し、溝部32に嵌合凸部244、253と嵌合する窪み部321が形成されている点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
【0060】
光学部材2は、本実施形態では、例えば、第1突起部24の先端面に2つの嵌合凸部244が、第2突起部25の先端面に2つの嵌合凸部253が、それぞれ形成されている。嵌合凸部244、253は、例えば図12に示すように、導光方向における突起部24、25の両端近傍に形成されるが、これに限定されず、数や配置等については適宜変更されてもよい。
【0061】
保持部材3は、本実施形態では、例えば図13に示すように、溝部32のうち嵌合凸部244、253に対応する位置にこれらと嵌合する嵌合部としての窪み部321が形成されている。これにより、例えば図14に示すように、光学部材2の突起部24、25を溝部32に挿入したとき、嵌合凸部244、253と窪み部321とが嵌合し、保持部材3に取り付けられた光学部材2の位置ズレが抑制される。なお、窪み部321は、嵌合凸部244、253の形状、数や配置等に応じて、その形状、数や配置等が適宜変更されうる。
【0062】
本実施形態によれば、上記第1実施形態の変形例と同様の効果が得られる死角補助装置1となる。
【0063】
(第4実施形態)
第4実施形態の死角補助装置1について、図面を参照して説明する。
【0064】
本実施形態の死角補助装置1は、例えば図15に示すように、第1突起部24が嵌合穴245を有し、第2突起部25が嵌合穴254を有し、保持部材3が嵌合穴245、254と嵌合する複数のフックピン33を有する点で上記第1実施形態と相違する。本実施形態では、この相違点について主に説明する。
【0065】
光学部材2は、本実施形態では、例えば図16に示すように、突起部24、25がそれぞれ平滑面2dよりも高さHだけ突出した形状となっている。突起部24、25は、それぞれ、平滑面2dよりも突出した部分に保持部材3のフックピン33と嵌合する嵌合穴245、254が形成されている。嵌合穴245、254は、フックピン33の外形や外寸に合わせた形状、内寸とされ、フックピン33を挿入することにより、光学部材2を保持部材3に引っ掛けた状態で固定できるように設けられている。つまり、本実施形態では、光学部材2の嵌合穴245、254と保持部材3のフックピン33とが対をなし、これらが嵌合部として機能する。
【0066】
例えば、嵌合穴245、254は、図15に示すように、突起部24、25のうち光学部材2の導光方向における両端近傍にそれぞれ1つずつ、合計4つ設けられる。光学部材2は、例えば、第1突起部24における嵌合穴245同士の距離Wが、第2突起部25における嵌合穴254同士の距離と同一となっている。光学部材2は、例えば、第1突起部24の嵌合穴245と第2突起部25の嵌合穴254との下面法線方向における距離Wが、図17に示す保持部材3の複数のフックピン33の第2方向D2における間隔W332のn(n:1以上の整数)倍となっている。また、第1突起部24の嵌合穴245と第2突起部25の嵌合穴254とを繋ぐ方向が、保持部材3のフックピン33のうち第2方向D2側に沿って配列された方向と平行になっている。これにより、光学部材2は、保持部材3における取付位置を適宜変更することが可能となっている。
【0067】
保持部材3は、本実施形態では、例えば図17に示すように、収容部31および溝部32を有しておらず、複数のフックピン33を有し、これらが平行配置された構成となっている。複数のフックピン33は、光学部材2の嵌合穴245、254と嵌合した際に、光学部材2の平滑面2dと接触しないように、例えば図16に示すように、高さH33が突起部24、25の突出部分の高さH未満とされている。複数のフックピン33は、高さを複数のフックピン33は、保持部材3のうち光学部材2の嵌合穴245、254の位置に対応する位置に設けられ、所定の間隔で第1方向D1および第2方向D2に沿って平行配置されている。
【0068】
複数のフックピン33は、第1方向D1に沿って隣接する他のフックピン33との距離W331が、光学部材2の嵌合穴245同士および嵌合穴254同士の距離Wと等しくなっている。複数のフックピン33のうち第1方向D1、すなわち保持部材3の横方向において隣接する二以上のフックピン33の組を一組のフックピン33とする。保持部材3は、例えば、複数個の一組のフックピン33が第2方向D2、すなわち保持部材3の縦方向に沿って距離W332を隔てて平行に配列されている。なお、複数のフックピン33のうち縦方向に沿って配列されたフックピン33は、例えば、保持部材3の縦方向における外郭に対して平行な方向に沿って配列される。
【0069】
複数のフックピン33は、光学部材2のうち第1突起部24の第1端部241側の嵌合穴245および第2突起部25の第1端部251側の嵌合穴254を繋ぐ仮想直線と、導光方向とのなす角度をθとして、配列角度θがθと等しくなっている。配列角度θとは、例えば図17に示すように、導光方向に沿った第1方向D1と、第2方向D2に沿って配列された複数のフックピン33を繋ぐ仮想直線、すなわち配列方向とのなす角度である。
【0070】
なお、嵌合穴245、254およびフックピン33の数や配置等は、図15図17に示す例に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0071】
本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果に加えて、保持部材3における光学部材2の取り付け位置をユーザの目線の高さ等に応じて適宜変更できる効果も得られる死角補助装置1となる。
【0072】
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0073】
(1)光学部材2は、例えば図18に示すように、入射部2aがプリズム部21を有さず、射出面2cと平滑面2dとを繋ぐ1つの平坦な入射面とされた構成であってもよい。言い換えると、光学部材2は、平坦な面である入射側面2bが入射部2aを兼ねる構成であってもよい。この場合であっても、光学部材2は、ユーザから見て保持部材3を挟んだ死角領域からの外景光Lを入射部2aから導光して射出面2c側へ射出できると共に、保持部材3への脱着が可能である。
【0074】
(2)光学部材2は、例えば図19に示すように、入射部2aが射出面2cと平滑面2dとを繋ぐ1つの平坦な入射面であると共に、複数の射出部22のうち入射部2a側の端部に位置するものを除き、断面視にて略台形状とされてもよい。複数の射出部22は、一部の射出部22を除き、第一面22aと第二面22bとが隣接しておらず、その先端面が第一面22aと第二面22bとを繋ぐ平坦な第三面22cとなっている。
【0075】
第三面22cを有する射出部22は、光吸収膜221が第二面22bでなく、第三面22cに形成されている。これにより、入射光Lが第二面22bに入射し、意図しない反射が生じたとしても、意図しない反射光が第三面22cに形成された光吸収膜221で遮蔽され、射出面2cから外部に射出されることがなくなる。その結果、第二面22bにおける意図しない反射光が、第一面22aから外部に射出される射出光Lと重畳し、ノイズが生じることを抑制する効果が得られる。
【0076】
(3)光学部材2は、例えば図20に示すように、入射部2aが射出面2cと平滑面2dとを繋ぐ1つの平坦な入射面であると共に、射出面2cが複数の領域に区画され、射出部22同士の間隔が区画された領域ごとに異なる構成であってもよい。この場合、例えば、射出面2cは、入射部2a側から導光方向に沿って第1領域2ca、第2領域2cbおよび第3領域2ccの3つに区画され、終端面2e側の領域ほど射出部22の間隔が小さくされる。具体的には、平坦部23の幅W23に対する射出部22の幅W22の比率は、第1領域2caよりも第2領域2cbのほうが大きくなっている。そして、第3領域2ccは、射出部22のみで構成されている。
【0077】
より具体的には、W23/W22で表される射出面2c内部での反射率Rは、例えば、第1領域2caでは2/3、第2領域2cbでは1/2、第3領域2ccでは0とされる。この場合、入射部2aからの入射光Lを100%として、第1領域2caは、入射光Lの2/3に相当する約67%を平滑面2dに反射し、残りの約33%を射出部22から外部へ射出する。第2領域2cbは、第1領域2caにおける反射光である約67%の入射光Lのうち1/2に相当する約34%平滑面2dに反射し、残りの約33%を射出部22から外部へ射出する。第3領域2ccは、第2領域2cbにおける反射光である約33%の入射光Lを射出部22から外部へ射出する。これにより、光学部材2は、第1領域2caから第3領域2ccの各領域における射出光Lの光量が同程度となるように平均化され、ユーザの視点位置による明るさムラが低減された構造となる。
【0078】
また、この場合において、光学部材2は、例えば図21に示すように、最も終端面2e側に位置する第3領域2ccを除き、射出部22が断面視にて略台形形状とされてもよい。この場合、上記の明るさムラの低減の効果に加えて、第1領域caおよび第2領域2cbにおいて、射出部22の第二面22bでの意図しない入射光Lの反射に起因するノイズを抑制する効果も得られる光学部材2となる。
【0079】
(4)光学部材2は、例えば図22に示すように、入射部2aを構成する複数のプリズム部21の配列方向をプリズム配列方向として、プリズム配列方向が射出面2cと平滑面2dとを繋ぐ方向とされた構成であってもよい。この場合であっても、光学部材2は、対をなす2つの反射面、すなわち平坦部23と平滑面2dとの相対位置ズレが起きず、かつ保持部材3への着脱が容易な構造となる。
【0080】
(5)光学部材2は、明らかに両立できない場合を除き、上記した他の実施形態(1)ないし(4)における構成要素の一部または全部を、上記第1ないし第4実施形態や変形例において採用した構成、あるいは自由に組み合わせた構成とされうる。例えば、上記第1ないし第4実施形態の死角補助装置1において、光学部材2は、射出部22の一部を略台形形状とされたり、射出面2cを複数の領域に区画し、射出部22の間隔を区画領域ごとに変更されたりしてもよい。
【0081】
(6)なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0082】
(本発明の特徴)
[請求項1]
外景光を内部で反射させて導光する光学部材であって、
前記外景光が入射する入射面(21a、2a)と、複数の射出部(22)および複数の平坦部(23)を有し、前記入射面から入射した入射光が最初に到達する射出面(2c)と、複数の前記平坦部に対して対向配置された平滑面(2d)と、前記平滑面と前記射出面とを繋ぐ面であって、対向配置された上面(2f)および下面(2g)と、前記上面から突出する第1突起部(24)と、前記下面から突出する第2突起部(25)とを有し、透光性材料で構成された導光体(2)を備え、
複数の前記平坦部は、前記入射光を全反射により前記平滑面に向けて反射する第一の反射面であり、
前記平滑面は、前記平坦部で反射した反射光を全反射により前記射出面に反射する第二の反射面であり、
複数の前記射出部は、前記入射光の一部、または前記平滑面で反射した光の一部を外部に射出する、光学部材。
[請求項2]
死角補助装置であって、
外景光が入射する入射面(21a、2a)と、複数の射出部(22)および複数の平坦部(23)を有し、前記入射面から入射した入射光が最初に到達する射出面(2c)と、複数の前記平坦部に対して対向配置された平滑面(2d)と、前記平滑面と前記射出面とを繋ぐ面であって、対向配置された上面(2f)および下面(2g)と、前記上面から突出する第1突起部(24)と、前記下面から突出する第2突起部(25)とを有し、透光性材料で構成された光学部材(2)と、
前記光学部材の前記第1突起部および前記第2突起部と嵌合する嵌合部(32、321、33)を有し、前記光学部材を保持する保持部材(3)と、を備え、
複数の前記平坦部は、前記入射光を全反射により前記平滑面に向けて反射する第一の反射面であり、
前記平滑面は、前記平坦部で反射した反射光を全反射により前記射出面に反射する第二の反射面であり、
複数の前記射出部は、前記入射光の一部、または前記平滑面で反射した光の一部を前記保持部材とは反対側の外部に射出する、死角補助装置。
[請求項3]
前記保持部材は、前記光学部材を収容する収容部(31)を有し、
前記収容部のうち前記光学部材の前記平滑面と対向する面を底面(31a)とし、前記底面に隣接する面であって、互いに対向する2つの面を側壁面(31b)として、前記収容部は、前記側壁面に前記第1突起部および前記第2突起部と嵌合する溝部(32)が形成されている、請求項2に記載の死角補助装置。
[請求項4]
前記第1突起部および前記第2突起部のうち前記入射面の側の端部を第1端部(241、251)とし、前記入射面とは反対側の端部を第2端部(242、252)として、前記第2端部の高さ(H242、H252)は、前記第1端部の高さ(H241、H251)よりも大きい、請求項3に記載の死角補助装置。
[請求項5]
前記下面に対する法線方向に沿った方向であって、前記下面と前記上面とを繋ぐ幅方向における寸法を幅とし、前記光学部材の前記入射面のうち前記平滑面とは反対側の端部を一端とし、前記平滑面のうち前記入射面とは反対側の端部を他端として、
前記光学部材は、から前記入射面とは反対側の端部に向かうにつれて前記上面と前記下面との間の幅が狭くなると共に、前記第1突起部から前記第2突起部までの幅が前記一端の幅よりも大きく、
前記保持部材の前記溝部のうち前記第1突起部と嵌合するものを第1溝部とし、前記第2突起部と嵌合するものを第2溝部とし、前記第1溝部から前記第2溝部までの幅をW32とし、前記光学部材の前記第1突起部の前記第1端部から前記第2突起部の前記第1端部までの幅をWとし、前記第1突起部の前記第2端部から前記第2突起部の前記第2端部までの幅をWとして、W32<W<Wである、請求項4に記載の死角補助装置。
[請求項6]
前記第1突起部および前記第2突起部は、嵌合凸部(244、253)を有し、
前記溝部は、前記嵌合凸部と嵌合する窪み部(321)を有する、請求項3ないし5のいずれか1つに記載の死角補助装置。
[請求項7]
前記保持部材の厚み方向に沿った方向における前記溝部の中心から前記底面までの距離(D4)は、前記光学部材の厚み方向に沿った方向における前記第1突起部または前記第2突起部の中心から前記平滑面までの距離(D3)よりも大きい、請求項3ないし6のいずれか1つに記載の死角補助装置。
[請求項8]
前記保持部材は、前記嵌合部として複数のフックピン(33)を有する、請求項2に記載の死角補助装置。
[請求項9]
前記保持部材のうち前記光学部材が取り付けられた状態において前記上面と前記下面とを繋ぐ幅方向に沿った方向を縦方向とし、前記縦方向と交差する方向を横方向として、
複数の前記フックピンは、前記横方向に沿って二以上配置されると共に、前記横方向に沿って配置された二以上配置された前記フックピンを一組のフックピンとして、前記一組のフックピンが前記縦方向に沿って複数個、平行配置されている、請求項8に記載の死角補助装置。
[請求項10]
複数個の前記一組のフックピンは、前記横方向のうち前記保持部材の外郭に対して平行な方向に沿って配列されている、請求項9に記載の死角補助装置。
[請求項11]
前記光学部材は、前記第1突起部および前記第2突起部の一部が前記平滑面よりも外側にはみ出しており、
前記第1突起部および前記第2突起部のうち前記平滑面よりも外側にはみ出した部分には、前記フックピンと嵌合する嵌合穴(245、254)が形成されている、請求項8ないし10のいずれか1つに記載の死角補助装置。
[請求項12]
前記光学部材のうち複数の前記平坦部のなす1つの仮想平面に沿った方向であって、前記入射面から入射した光が進む方向を導光方向とし、前記保持部材のうち前記光学部材が取り付けられた状態において前記上面と前記下面とを繋ぐ幅方向に沿った方向を縦方向として、
前記第1突起部の前記嵌合穴と前記第2突起部の前記嵌合穴とを繋ぐ方向と、前記導光方向と、のなす角度(θ)は、複数の前記フックピンが前記縦方向に沿った配列方向と前記保持部材のうち前記導光方向に沿った方向とのなす角度(θ)に等しい、請求項11に記載の死角補助装置。
【符号の説明】
【0083】
2・・・光学部材、2a、21a・・・入射面、2c・・・射出面、2d・・・平滑面、
2f・・・上面、2g・・・下面、22・・・射出部、23・・・平坦部、
24・・・第1突起部、241・・・(第1突起部の)第1端部、
242・・・(第1突起部の)第2端部、244・・・(第1突起部の)嵌合凸部、
245・・・(第1突起部の)嵌合穴、25・・・第2突起部、
251・・・(第2突起部の)第1端部、252・・・(第2突起部の)第2端部、
253・・・(第2突起部の)嵌合凸部、254・・・(第1突起部の)嵌合穴、
3・・・保持部材、31・・・収容部、31a・・・底面、31b・・・側壁面、
32・・・溝部、321・・・窪み部、33・・・フックピン
図1
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