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特開2023-170576半導体モジュールおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170576
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】半導体モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20231124BHJP
   H01L 23/48 20060101ALI20231124BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
H01L23/30 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082427
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑田 和輝
(72)【発明者】
【氏名】石野 寛
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 宏和
(72)【発明者】
【氏名】成川 勝
【テーマコード(参考)】
4M109
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA01
4M109CA21
(57)【要約】
【課題】第1接続端子と第2接続端子との間隔がばらつくことを抑制する。
【解決手段】第1接続端子15および第2接続端子16は、板状とされると共に所定間隔離れる状態で積層され、面方向における一方向に延設されて樹脂モールド部19から突出しており、第2接続端子16は、樹脂モールド部における所定面191cから突出しており、第1接続端子15は、樹脂モールド部19における所定面と異なる面191bに開口部193が形成されて露出する内部端子15aと、開口部193で内部端子15aと接続されて樹脂モールド部19から突出する外部端子15bと、を有し、内部端子15aは、内部端子15aと第2接続端子16との積層方向、および第1接続端子15の延設方向と交差する方向に延設されて樹脂モールド部19から突出すると共に内部端子15aと接続されたタイバー残部15cを有するようにする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体モジュールであって、
半導体チップ(10)と、
前記半導体チップを樹脂封止する樹脂モールド部(19)と、
前記半導体チップと電気的に接続され、前記樹脂モールド部から突出した部分を有する第1接続端子(15)および第2接続端子(16)と、
前記半導体チップと電気的に接続される制御端子(14)と、を備え、
前記第1接続端子および前記第2接続端子は、板状とされると共に所定間隔離れる状態で積層され、面方向における一方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出しており、
前記第2接続端子は、前記樹脂モールド部における所定面(191c)から突出しており、
前記第1接続端子は、前記樹脂モールド部における前記所定面と異なる面(191b)に開口部(193)が形成されて露出する内部端子(15a)と、前記開口部で前記内部端子と接続されて前記樹脂モールド部から突出する外部端子(15b)と、を有し、
前記内部端子は、前記内部端子と前記第2接続端子との積層方向、および前記第1接続端子の延設方向と交差する方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出すると共に前記内部端子と接続されたタイバー残部(15c)を有している半導体モジュール。
【請求項2】
前記内部端子および前記タイバー残部は、前記制御端子と同一平面上に配置されている請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
前記内部端子と前記第2接続端子との間隔(d2)に対する、前記内部端子および前記第2接続端子と、前記樹脂モールド部のうちの前記内部端子と前記第2接続端子との積層方向に沿った側面(191d、191e)との間隔(d1)で示される間隔比は、1.0以上であって、2.5以下とされている請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記内部端子と前記第2接続端子との間隔(d2)に対する、前記内部端子と前記樹脂モールド部における前記所定面との間隔(d3)で示される間隔比は、1.0以上であって、2.5以下とされている請求項1または2記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記内部端子と前記第2接続端子の間隔は、0.2mm以上であって、0.5mm以下とされている請求項1または2に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
半導体チップ(10)と、
前記半導体チップを樹脂封止する樹脂モールド部(19)と、
前記半導体チップと電気的に接続され、前記樹脂モールド部から突出した部分を有する第1接続端子(15)および第2接続端子(16)と、
前記半導体チップと電気的に接続される制御端子(14)と、を備え、
前記第1接続端子および前記第2接続端子は、板状とされると共に所定間隔離れる状態で積層され、面方向における一方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出しており、
前記第2接続端子は、前記樹脂モールド部における所定面(191c)から突出しており、
前記第1接続端子は、前記樹脂モールド部における前記所定面と異なる面(191b)に開口部(193)が形成されて露出する内部端子(15a)と、前記開口部で前記内部端子と接続されて前記樹脂モールド部から突出する外部端子(15b)と、を有し、
前記内部端子は、前記内部端子と前記第2接続端子との積層方向、および前記第1接続端子の延設方向と交差する方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出すると共に前記内部端子と接続されたタイバー残部(15c)を有している半導体モジュールの製造方法であって、
前記内部端子と前記制御端子とがタイバー(210)を介して一体化された端子構成部材(200)を用意することと、
前記内部端子と前記第2接続端子とが積層されるように、前記第2接続端子を前記半導体チップに電気的に接続すると共に、前記端子構成部材における前記内部端子および前記制御端子を前記半導体チップに電気的に接続して構成部材(300)を構成することと、
第1型(410)と第2型(420)とが嵌合されることで内部にキャビティ(400a)が構成される金型(400)を用意し、前記構成部材を前記キャビティに配置することと、
前記金型に溶融樹脂を流し込んで固化することにより、前記樹脂モールド部を形成することと、
前記タイバーを切断し、前記内部端子と接続されると共に前記樹脂モールド部から突出する前記タイバー残部を形成することと、を行い、
前記構成部材を前記キャビティに配置することでは、前記第2接続端子が前記第1型と前記第2型とで挟持されると共に、前記タイバーが前記第1型と前記第2型とで挟持されるように、前記構成部材を配置する半導体モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体素子と、半導体素子と接続される第1、第2接続端子と、第1、第2接続端子の一部が露出するように、半導体素子、および第1、第2接続端子を封止する樹脂モールド部と、を備える半導体モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、この半導体モジュールにおける第1接続端子および第2接続端子は、板状とされると共に、配線インダクタンスを低減できるように積層されて配置されている。
【0003】
このような半導体モジュールは、次のように製造される。すなわち、まず、半導体素子と第1、第2接続端子とを接続した構成部材を用意する。また、第1型と第2型とが嵌合されることで内部にキャビティが構成される金型を用意する。そして、構成部材を金型のキャビティに配置した後、キャビティに溶融樹脂を流し込んで固化することにより、半導体素子および第1、第2接続端子を一体的に封止する樹脂モールド部を構成する。これにより、上記半導体モジュールが構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-186403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の半導体モジュールでは、第1接続端子と第2接続端子とが積層されているため、第1接続端子および第2接続端子を共に第1型と第2型との間に挟持することが困難となる。このため、上記の半導体モジュールでは、第1接続端子と第2接続端子との間隔がばらつき易くなる。
【0006】
本発明は上記点に鑑み、第1接続端子と第2接続端子との間隔がばらつくことを抑制できる半導体モジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1は、半導体モジュールであって、半導体チップ(10)と、半導体チップを樹脂封止する樹脂モールド部(19)と、半導体チップと電気的に接続され、樹脂モールド部から突出した部分を有する第1接続端子(15)および第2接続端子(16)と、半導体チップと電気的に接続される制御端子(14)と、を備え、第1接続端子および第2接続端子は、板状とされると共に所定間隔離れる状態で積層され、面方向における一方向に延設されて樹脂モールド部から突出しており、第2接続端子は、樹脂モールド部における所定面(191c)から突出しており、第1接続端子は、樹脂モールド部における所定面と異なる面(191b)に開口部(193)が形成されて露出する内部端子(15a)と、開口部で内部端子と接続されて樹脂モールド部から突出する外部端子(15b)と、を有し、内部端子は、内部端子と第2接続端子との積層方向、および第1接続端子の延設方向と交差する方向に延設されて樹脂モールド部から突出すると共に内部端子と接続されたタイバー残部(15c)を有している。
【0008】
これによれば、内部端子と接続され、樹脂モールド部から突出するタイバー残部を有している。このため、樹脂モールド部を形成する際には、第2接続端子を第1型と第2型との間に挟持しつつ、タイバー残部となるタイバーを第1型と第2型との間に挟持できる。したがって、第1接続端子における内部端子と第2接続端子との間隔が変化することを抑制できる。
【0009】
請求項6は、請求項1に関する半導体モジュールの製造方法であって、内部端子と制御端子とがタイバー(210)を介して一体化された端子構成部材(200)を用意することと、内部端子と第2接続端子とが積層されるように、第2接続端子を半導体チップに電気的に接続すると共に、端子構成部材における内部端子および制御端子を半導体チップに電気的に接続して構成部材(300)を構成することと、第1型(410)と第2型(420)とが嵌合されることで内部にキャビティ(400a)が構成される金型(400)を用意し、構成部材をキャビティに配置することと、金型に溶融樹脂を流し込んで固化することにより、樹脂モールド部を形成することと、タイバーを切断し、内部端子と接続されると共に樹脂モールド部から突出するタイバー残部を形成することと、を行い、構成部材をキャビティに配置することでは、第2接続端子が第1型と第2型とで挟持されると共に、タイバーが第1型と第2型とで挟持されるように、構成部材を配置する。
【0010】
これによれば、樹脂モールド部を形成する際には、第2接続端子を第1型と第2型との間に挟持しつつ、タイバーを第1型と第2型との間に挟持できる。したがって、第1接続端子における内部端子と第2接続端子との間隔が変化することを抑制した半導体モジュールを製造できる。
【0011】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態における半導体モジュールを用いて構成した三相インバータ回路の回路図である。
図2】半導体モジュールの内部構造を示す図である。
図3】半導体モジュールを樹脂モールド部の一面側から視た平面図である。
図4】外部端子を接合する前の半導体モジュールを樹脂モールド部の他面側から視た平面図である。
図5】外部端子を接合した後の半導体モジュールを樹脂モールド部の他面側から視た平面図である。
図6図4中のVI-VI線に沿った断面図である。
図7図5中のVII-VII線に沿った断面図である。
図8】半導体モジュールの側面図である。
図9図3中のIX-IX線に沿った断面図である。
図10】半導体モジュールの製造工程を示す平面図である。
図11】構成部材を金型に配置した際の断面図である。
図12】構成部材を金型に配置した際の断面図である。
図13】樹脂モールド部を形成した後の製造工程を示す平面図である。
図14】第2実施形態における半導体モジュールの断面図である。
図15】樹脂モールド部を形成する際の樹脂流れを示す図である。
図16】間隔比と巻き込みボイドとの関係を示す図である。
図17】第3実施形態における半導体モジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、三相交流モータを駆動する三相インバータ回路を構成する半導体モジュールについて説明する。
【0015】
まず、三相インバータ回路について、図1を参照しつつ説明する。三相インバータ回路1は、直流電源2に基づいて三相交流モータである負荷3を駆動するためのものである。本実施形態の三相インバータ回路1には、平滑コンデンサ4が並列接続されており、スイッチング時のリプルの低減やノイズの影響を抑制して一定な電源電圧が形成できるようにしてある。
【0016】
三相インバータ回路1は、直列接続した上下アーム51~56が三相分並列接続された構成とされている。そして、三相インバータ回路1は、上アーム51、53、55と下アーム52、54、56との各中間電位を負荷3となる三相交流モータのU相、V相、W相の各相に順番に入れ替えながら印加する。
【0017】
具体的には、上下アーム51~56は、それぞれ、IGBTやMOSFETなどの半導体スイッチング素子51a~56aと、FWDなどの還流を目的とした整流素子51b~56bとを備えている。そして、三相インバータ回路1は、各相の上下アーム51~56の半導体スイッチング素子51a~56aがオン、オフ制御されることで、負荷3に対して周期の異なる三相の交流電流を供給する。IGBTはInsulated Gate Bipolar Transistorの略である。MOSFETはMetal Oxide Semiconductor Field Effect Transistorの略である。FWDはFree Wheeling Diodeの略である。
【0018】
本実施形態では、三相インバータ回路1を構成する半導体スイッチング素子51a~56aおよび整流素子51b~56bが形成された半導体チップをモジュール化して一体化している。つまり、6つのアームを一体化した6in1構造の半導体モジュールを用いて三相インバータ回路1を構成している。
【0019】
以下、本実施形態の半導体モジュール6の詳細構造について、図2図8を参照しつつ説明する。本実施形態の半導体モジュール6は、半導体チップ10と、第1、第2リードフレーム11、12と、出力端子13と、制御端子14と、第1、第2接続端子15、16と、第1、第2放熱板17、18とを備えている。また、半導体モジュール6は、これらの構成要素を一体的に封止する樹脂モールド部19を備えている。
【0020】
樹脂モールド部19は、平面略矩形状とされた略直方体状とされており、一面19aおよび他面19bと、一面19aと他面19bとの間を繋ぐ第1~第4側面19c~19fとを有する構成とされている。例えば、図2の樹脂モールド部19は、紙面左右方向に延びる相対する2面が第1側面19cおよび第3側面19eとされ、紙面上下方向に延びる相対する2面が第2側面19dおよび第4側面19fとされている。そして、本実施形態では、第3側面19eに、第3側面19eの法線方向に沿って突出する凸部191が形成されている。なお、凸部191は、具体的には後述するが、第1、第2接続端子15、16が配置される部分に構成されている。また、本実施形態では、第1、第2リードフレーム11、12等を封止する部分を主部192とすると、凸部191は、主部192よりも厚さが薄くされている。
【0021】
半導体チップ10は、上下アーム51~56に対応して6つ備えられている。以下では、上下アーム51~56を構成する半導体チップ10を、それぞれ半導体チップ101~106として説明する。
【0022】
図2に示されるように、6つの半導体チップ10は、3列に並ぶように配置されている。具体的には、上アーム51、53、55を構成する半導体チップ101、103、105は、樹脂モールド部19の一面19aに平行な一方向に沿って、半導体チップ101、103、105の順に並んでいる。そして、半導体チップ102、104、106は、半導体チップ101、103、105の並びに沿って、半導体チップ102、104、106の順に並んでいる。
【0023】
第1、第2リードフレーム11、12は、例えば、銅や鉄等の導電性材料によって構成され、略矩形状の搭載部を構成している。そして、平面視において、第1リードフレーム11は、第1側面19c側に位置するように配置され、第2リードフレーム12は、第3側面19e側に位置するように配置されている。
【0024】
上アーム51、53、55の半導体チップ101、103、105は、第1リードフレーム11の表面側に搭載されており、下アーム52、54、56の半導体チップ102、104、106は、第2リードフレーム12の裏面側に搭載されている。なお、第1リードフレーム11の表面側とは、樹脂モールド部19の一面19a側の面のことである。第2リードフレーム12の裏面側とは、樹脂モールド部19の他面19b側の面のことである。
【0025】
また、半導体チップ101、103、105は、第1リードフレーム11を介して、出力端子13に接続されている。半導体チップ102、104、106は、第2リードフレーム12、図示しない配線層、および第1リードフレーム11を介して、出力端子13に接続されている。
【0026】
半導体モジュール6は、3つの出力端子13を備えている。そして、3つの出力端子13は、それぞれ負荷3のU相、V相、W相に接続される。本実施形態では、出力端子13は、板状の導電性部材で構成されており、樹脂モールド部19の第1側面19cから突出している。
【0027】
各半導体チップ101~106は、制御端子14に接続されている。制御端子14は、各半導体チップ101~106に形成されるゲート電極等と接続される端子である。制御端子14は、棒状の導電性部材で構成され、一端が半導体チップ101~106に接続されていると共に、他端が樹脂モールド部19の第1側面19cまたは第3側面19eから突出している。そして、制御端子14のうち樹脂モールド部19から露出した部分は、樹脂モールド部19の一面19a側に突出するように屈曲させられている。
【0028】
具体的には、制御端子14は、各半導体チップ101~106に対して設けられている。そして、上アーム51、53、55の半導体チップ101、103、105に接続される制御端子14は、樹脂モールド部19のうち、出力端子13と同じ第1側面19cから突出している。下アーム52、54、56の半導体チップ102、104、106に接続される制御端子14は、樹脂モールド部19のうち、出力端子13とは反対側の第3側面19eから突出している。
【0029】
第1、第2接続端子15、16は、半導体チップ10を平滑コンデンサ4に接続するものである。第1、第2接続端子15、16は、板状とされており、図6図8に示されるように、互いに積層された状態で樹脂モールド部19の第3側面19e側から突出している。つまり、第1、第2接続端子15、16は、下アーム52、54、56の半導体チップ102、104、106に接続される制御端子14と同じ第3側面19e側から突出している。ここで、凸部191において、樹脂モールド部19の一面19a側の面を一面191aとし、他面19b側の面を他面191bとし、主部192と反対側の面を先端面191cとし、先端面191cと繋がる面を第1、第2側面191d、191eとする。なお、先端面191cは、凸部191における突出方向の先端側に位置する面ということもできる。そして、本実施形態では、第1、第2接続端子15、16は、凸部191に配置されている部分において、第1接続端子15が一面191a側に位置し、第2接続端子16が他面191b側に位置するように積層されている。
【0030】
なお、第1、第2接続端子15、16は、所定間隔離れた状態で積層されており、間に樹脂モールド部19が配置されて電気的に絶縁されている。また、第1、第2接続端子15、16は、下アーム52、54、56の半導体チップ102、104、106に接続される制御端子14と所定の間隔を離して配置されている。例えば、制御端子14と第1、第2接続端子15、16との間隔は、所定のインパルス電圧の印加時に制御端子14と第1、第2接続端子15、16との絶縁が確保される距離よりも長くなるように設計される。
【0031】
第1接続端子15は、半導体チップ101、103、105に、平滑コンデンサ4を介して直流電源2の正極に接続する端子である。第2接続端子16は、半導体チップ102、104、106に、平滑コンデンサ4を介して直流電源2の負極に接続する端子である。
【0032】
本実施形態の第1接続端子15は、樹脂モールド部19に封止された内部端子15aと、樹脂モールド部19の外部に配置された外部端子15bとを有する構成とされている。内部端子15aは、板状の導電性部材で構成されており、第1リードフレーム11を介して上アーム51、53、55の半導体チップ101、103、105に接続されている。
【0033】
本実施形態の半導体モジュール6は、2つの第1接続端子15を備えている。そして、2つの第1接続端子15は、3列に並んだ6つの半導体チップ10のうち、中央の列に配置された半導体チップ103、104を挟むように配置されている。具体的には、一方の第1接続端子15における内部端子15aは、半導体チップ101、103の間と、半導体チップ102、104の間とを通るように配置されている。そして、他方の第1接続端子15における内部端子15aは、半導体チップ103、105の間と、半導体チップ104、106の間とを通るように配置されている。
【0034】
内部端子15aは、長手方向の一端で第1リードフレーム11を介して半導体チップ101、103、105に接続されており、他端は凸部191に覆われている。そして、内部端子15aは、凸部191の他面191bに形成された開口部193から露出している。
【0035】
外部端子15bは、板状の導電性部材で構成されており、側面から見て略クランク状となるように屈曲している。そして、外部端子15bの屈曲部を挟んだ両端部のうち、一方の端部は、超音波接合やろう付け等によって開口部193から露出する内部端子15aに接続されている。また、外部端子15bの屈曲部を挟んだ他方の端部は、凸部191の他面191bから離された状態で、凸部191の他面191bに沿って突出している。特に限定されるものではないが、外部端子15bの他方の端部側の部分と凸部191との間隔は、異物の噛み込みを抑制するために、例えば0.1mm以上であって2mm以下とされる。そして、外部端子15bは、この突出した部分が平滑コンデンサ4に接続される。
【0036】
また、本実施形態の第1接続端子15は、凸部191の第1、第2側面191d、191eから突出するタイバー残部15cを有している。このタイバー残部15cは、後述するように、内部端子15aと制御端子14とを接続するタイバー210を切断した際の残りとなるものである。本実施形態では、タイバー残部15cは内部端子15aを挟んで2つ備えられており、それぞれ内部端子15aと接続されている。そして、タイバー残部15cは、内部端子15aの延設方向と交差する方向に延びて第1、第2側面191d、191eから突出している。言い換えると、タイバー残部15cは、内部端子15aと第2接続端子16との積層方向、および凸部191の突出方向と交差する方向に延設されて第1、第2側面191d、191eから突出している。また、内部端子15aと制御端子14とは、後述するように、半導体モジュール6が構成される前の状態では、タイバー210にて連結されている。このため、制御端子14、内部端子15a、およびタイバー残部15cは、同一平面上に位置している。
【0037】
第2接続端子16は、板状の導電性部材で構成されており、第2リードフレーム12を介して下アーム52、54、56の半導体チップ102、104、106に接続されている。第2接続端子16は、長手方向の一端で第2リードフレーム12を介して半導体チップ102、104、106に接続されており、他端は樹脂モールド部19の第3側面19eから外部端子15bの突出方向と同じ方向に突出している。具体的には、第2接続端子16は、第3側面19eに設けられた凸部191において、凸部191の先端面191cから突出するように配置されている。なお、本実施形態では、先端面191cが所定面に相当する。
【0038】
半導体モジュール6は第2接続端子16を2つ備えている。また、上記のように、半導体モジュール6は第1接続端子15を2つ備えている。そして、各第1、第2接続端子15、16は、それぞれ積層されて配置されている。
【0039】
また、本実施形態では、絶縁耐性を維持できるように、平面視におけるタイバー残部15cのうちの凸部191から突出する部分と第2接続端子16との間の樹脂モールド部19に沿った沿面距離が調整されている。特に限定されるものではないが、本実施形態では、沿面距離が4mm以上とされている。言い換えると、タイバー残部15cは、平面視において、絶縁耐性を維持できるように、第2接続端子16との間の樹脂モールド部19に沿った沿面距離が所望の距離となるように配置される場所が調整されている。
【0040】
外部端子15bは、内部端子15aおよび第2接続端子16の積層方向を法線方向とする面の形状が、第2接続端子16と同じ形状とされている。そして、本実施形態では、外部端子15bおよび第2接続端子16の凸部191から突出した部分の先端部は、平滑コンデンサ4と接続可能となるように、ボルト等の締結部材に対応した形状とされている。具体的には、外部端子15b、および第2接続端子16のうちの凸部191から突出した部分の先端部は、2つに分離された略U字状とされている。そして、このU字状の部分は、外部端子15bと第2接続端子16とで同一または略同一の形状とされており、外部端子15b、第2接続端子16の突出方向において、外部端子15bの突出長さと、第2接続端子16の突出長さとが、同一または略同一となっている。
【0041】
第1、第2放熱板17、18は、ヒートシンクに相当するものであり、一面側が半導体チップ10に向けられている。半導体チップ101~106は、第1、第2リードフレーム11、12を介して第1、第2放熱板17、18に接続されており、第1、第2放熱板17、18のうちの第1、第2リードフレーム11、12と反対側の面は、樹脂モールド部19から露出している。このように、各半導体チップ101~106は、第1、第2放熱板17、18に挟み込まれており、半導体モジュール6は、厚さ方向の両側を図示しない冷却機器によって挟み込まれることで、放熱を行いながら負荷3の駆動を行うものとして使用される。
【0042】
以上が本実施形態における半導体モジュール6の構成である。そして、この半導体モジュール6は、詳細は省略するが、平滑コンデンサ4に各第1、第2接続端子15、16が接続され、出力端子13が負荷3に接続されて用いられる。
【0043】
次に、上記半導体モジュール6の製造方法について、図10図13を参照しつつ説明する。なお、図10図13は、第1接続端子15側から視た平面図である。
【0044】
まず、第1、第2リードフレーム11、12に各半導体チップ101~106を搭載する。そして、出力端子13および第2接続端子16が各半導体チップ101~106に電気的に接続されるようにする。また、図10に示されるように、第1接続端子15のうちの内部端子15aおよび制御端子14がタイバー210で一体的に連結された端子構成部材200を用意する。そして、内部端子15aおよび制御端子14が各半導体チップ101~106に電気的に接続されるようにする。さらに、第1、第2放熱板17、18を配置する。このようにして、内部端子15aおよび第2接続端子16が半導体チップ101~106に接続された構成部材300を用意する。
【0045】
続いて、図11および図12に示されるように、第1型410および第2型420が嵌合されてキャビティ400aが構成される金型400内に構成部材300を配置する。具体的には、図11に示されるように、第2接続端子16のうちの樹脂モールド部19の凸部191から露出する部分が第1型410と第2型420とで挟持されるように、構成部材300を配置する。また、図12に示されるように、構成部材300のうちのタイバー210や制御端子14のうちの樹脂モールド部19から露出する部分が第1型410と第2型420とで挟持されるように、構成部材300を配置する。つまり、内部端子15aがタイバー210と連結されているため、内部端子15aが金型400内の所定位置で固定されるように、構成部材300を配置する。本実施形態では、このように、内部端子15aと第2接続端子16との積層方向において、異なる部分を第1型410と第2型420との間に挟持する。
【0046】
なお、図11に示す構成部材300は、図10中のXI-XI線に沿った断面図に相当している。図12に示す構成部材300は、図10中のXII-XII線に沿った断面図に相当している。
【0047】
また、本実施形態では、内部端子15aのうちの開口部193から露出する部分に、緩衝材430を介して第1型410が当接されるようにする。言い換えると、内部端子15aのうちの開口部193から露出する部分と、第1型410との間に緩衝材430を配置する。これにより、内部端子15aのうちの開口部193から露出する部分が損傷することを抑制できる。なお、緩衝材430は、金型400よりも柔らかい材料で構成され、例えば、フッ素樹脂、フッ素ゴム、シリコンゴム等で構成される。
【0048】
次に、特に図示しないが、金型400内に溶融樹脂を流し込んで固化することにより、開口部193が形成された上記樹脂モールド部19を構成する。この場合、本実施形態では、内部端子15aおよび第2接続端子16がそれぞれ金型400で固定されている。このため、内部端子15aと第2接続端子16との間隔がばらつくことを抑制でき、インダクタンスが変化することを抑制できる。
【0049】
続いて、図13に示されるように、制御端子14と内部端子15aとを接続するタイバー210等を切断する。これにより、内部端子15aと接続され、凸部191の第1、第2側面191d、191eから突出するタイバー残部15cが構成される。その後は、特に図示しないが、内部端子15aに外部端子15bを接続すると共に、制御端子14を屈曲させることにより、上記の半導体モジュール6が製造される。
【0050】
以上説明した本実施形態の半導体モジュール6は、内部端子15aと接続され、樹脂モールド部19から突出するタイバー残部15cを有している。このため、樹脂モールド部19を形成する際には、第2接続端子16を第1型410と第2型420との間に挟持しつつ、タイバー残部15cとなるタイバー210を第1型410と第2型420とで挟持できる。したがって、第1接続端子15における内部端子15aと第2接続端子16との間隔が変化することを抑制できる。これにより、内部端子15aと第2接続端子16との間隔が狭くなり過ぎて絶縁性が低下したり、内部端子15aと第2接続端子16との間隔が広くなり過ぎてインダクタンスが大きくなることを抑制できる。
【0051】
(1)本実施形態では、制御端子14、内部端子15a、タイバー残部15cは、同一平面上に配置されている。このため、制御端子14、内部端子15a、タイバー残部15cが一体化された端子構成部材200を用意して半導体モジュール6を製造でき、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0052】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対し、凸部191の厚さを規定したものである。その他に関しては、第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0053】
本実施形態の半導体モジュール6は、基本的な構成は上記第1実施形態と同様の構成とされている。但し、本実施形態の樹脂モールド部19は、凸部191の厚さが規定されている。ここで、図14に示されるように、樹脂モールド部19において、第1接続端子15(すなわち、内部端子15a)および第2接続端子16と、第1側面191dまたは第2側面191eとの間隔を間隔d1とする。また、第1接続端子15(すなわち、内部端子15a)と第2接続端子16との間隔をd2とする。
【0054】
なお、間隔d1は、樹脂モールド部19のうちの、内部端子15aおよび第2接続端子16と、第1側面191dまたは第2側面191eとの間に配置されている部分を側壁部194とすると、側壁部194の厚さであるともいえる。また、第1、第2側面191d、191eは、内部端子15aと第2接続端子16との積層方向に沿った面ともいえる。そして、図14は、図3中のXIV-XIV線に沿った断面図に相当している。
【0055】
そして、本実施形態では、間隔d2に対する間隔d1の間隔比d1/d2は、1.0以上であって2.5以下とされている。また、間隔d2は、0.2mm以上であって、0.5mm以下とされている。
【0056】
次に、上記半導体モジュール6の製造方法について説明する。
【0057】
本実施形態の半導体モジュール6は、上記第1実施形態と同様に、金型400に構成部材300を配置した後、金型400に溶融樹脂を流し込むことで製造される。この際、間隔比d1/d2が1.0以上であって、2.5以下となるように、構成部材300の配置箇所が調整される。また、間隔d2が0.2mm以上であって、0.5mm以下となるように、構成部材300の配置場所が調整される。以下、間隔比d1/d2および間隔d2について説明する。
【0058】
まず、図15に示されるように、樹脂モールド部19の凸部191を構成する際、溶融樹脂は、矢印Aに示されるように、側壁部194となる部分を流れ込みつつ、矢印Bに示されるように、内部端子15aと第2接続端子16との間にも流れ込む。この場合、溶融樹脂の流れ速度は、流路となる部分の厚さに比例し、厚さが厚くなるほど大きくなる。つまり、溶融樹脂は、間隔d1が大きくなるほど側壁部194を構成する部分の流れ速度が大きくなる。
【0059】
このため、間隔比d1/d2が大きくなり過ぎると、側壁部194となる部分の樹脂流れが速くなり過ぎ、第1接続端子15(すなわち、内部端子15a)と第2接続端子16との間には、ボイドを巻き込む状態で溶融樹脂が流れ込んでしまう。そして、第1接続端子15と第2接続端子16との間にボイドが形成されると、第1接続端子15と第2接続端子16との絶縁性が低下してしまう。本発明者らの検討によれば、図16に示されるように、間隔比d1/d2が2.5以下であれば巻き込みボイドが発生せず、間隔比d1/d2が2.7以上になると、巻き込みボイドが発生することが確認された。このため、本実施形態では、間隔比d1/d2が2.5以下とされている。
【0060】
また、上記のような半導体モジュール6では、本発明者らの検討によれば、側壁部194の外力に対する耐衝撃性は、間隔d1を間隔d2以上とすることが好ましいと確認された。以上より、本実施形態では、間隔比d1/d2が1.0以上であって、2.5以下とされている。
【0061】
また、第1接続端子15(すなわち、内部端子15a)と第2接続端子16は、インダクタンスを低減するために積層されて配置されている。この場合、間隔d2を狭くするほどインダクタンスを低減できるが、製造時のバラツキ等が発生すると絶縁性が低下する可能性がある。このため、本発明者らは、間隔d2について検討を行った。そして、本発明者らは、間隔d2が0.2mm以上であって、0.5mm以下であれば、インダクタンスを十分に低減しつつ、製造時にバラツキが発生しても絶縁性が低下し難いことを確認した。したがって、間隔d2は、0.2mm以上であって、0.5mm以下とされている。
【0062】
以上説明した本実施形態によれば、樹脂モールド部19から突出するタイバー残部15cを備えているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0063】
(1)本実施形態では、間隔比d1/d2が1.0以上であって、2.5以下とされている。このため、巻き込みボイドが発生することを抑制しつつ、耐衝撃性が低くなり過ぎることを抑制できる。
【0064】
(2)本実施形態では、間隔d2は、0.2mm以上であって、0.5mm以下とされている。このため、第1接続端子15と第2接続端子16との間のインダクタンスを低減しつつ、絶縁性が低下することを抑制できる。
【0065】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、第2実施形態に対し、凸部191の厚さを規定したものである。その他に関しては、第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
本実施形態の半導体モジュール6は、基本的な構成は上記第1実施形態と同様の構成とされている。そして、本実施形態では、図17に示されるように、内部端子15aと、先端面191cとの間隔を間隔d3とする。なお、間隔d3は、内部端子15aと先端面191cとの間に配置されている部分を先端部195とすると、先端部195の厚さであるともいえる。
【0067】
そして、本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、間隔d2に対する間隔d3の間隔比d3/d2は、1.0以上であって、2.5以下とされている。
【0068】
以上説明した本実施形態によれば、樹脂モールド部19から突出するタイバー残部15cを備えているため、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
(1)本実施形態では、間隔比d3/d2が1.0以上であって、2.5以下とされている。このため、上記第2実施形態と同様に、巻き込みボイドが発生することを抑制しつつ、耐衝撃性が低くなり過ぎることを抑制できる。
【0070】
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0071】
例えば、上記各実施形態の半導体モジュール6は、三相インバータ回路以外の回路を構成するのに適用されてもよい。また、樹脂モールド部19に封止される半導体チップ10の数も適宜変更可能である。
【0072】
また、上記各実施形態において、各半導体チップ101~106と第1、第2接続端子15、16が樹脂モールド部19内で積層されるのであれば、接続の仕方は適宜変更可能である。
【0073】
さらに、上記各実施形態において、樹脂モールド部19に凸部191が備えられていなくてもよい。例えば、半導体モジュール6は、第2接続端子16が樹脂モールド部19の第3側面19eから突出し、内部端子15aが樹脂モールド部19の他面19bから露出するように構成されていてもよい。
【0074】
そして、上記各実施形態において、制御端子14は、内部端子15aと同一平面上に配置されていなくてもよい。
【0075】
また、上記各実施形態を組み合わせることもできる。例えば、上記第2実施形態に上記第3実施形態を組み合わせ、間隔比d1/d2および間隔比d3/d2が1.0以上であって、2.5以下とされていてもよい。
【0076】
(本発明の特徴)
[請求項1]
半導体モジュールであって、
半導体チップ(10)と、
前記半導体チップを樹脂封止する樹脂モールド部(19)と、
前記半導体チップと電気的に接続され、前記樹脂モールド部から突出した部分を有する第1接続端子(15)および第2接続端子(16)と、
前記半導体チップと電気的に接続される制御端子(14)と、を備え、
前記第1接続端子および前記第2接続端子は、板状とされると共に所定間隔離れる状態で積層され、面方向における一方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出しており、
前記第2接続端子は、前記樹脂モールド部における所定面(191c)から突出しており、
前記第1接続端子は、前記樹脂モールド部における前記所定面と異なる面(191b)に開口部(193)が形成されて露出する内部端子(15a)と、前記開口部で前記内部端子と接続されて前記樹脂モールド部から突出する外部端子(15b)と、を有し、
前記内部端子は、前記内部端子と前記第2接続端子との積層方向、および前記第1接続端子の延設方向と交差する方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出すると共に前記内部端子と接続されたタイバー残部(15c)を有している半導体モジュール。
[請求項2]
前記内部端子および前記タイバー残部は、前記制御端子と同一平面上に配置されている請求項1に記載の半導体モジュール。
[請求項3]
前記内部端子と前記第2接続端子との間隔(d2)に対する、前記内部端子および前記第2接続端子と、前記樹脂モールド部のうちの前記内部端子と前記第2接続端子との積層方向に沿った側面(191d、191e)との間隔(d1)で示される間隔比は、1.0以上であって、2.5以下とされている請求項1または2に記載の半導体モジュール。
[請求項4]
前記内部端子と前記第2接続端子との間隔(d2)に対する、前記内部端子と、前記樹脂モールド部における前記所定面との間隔(d3)で示される間隔比は、1.0以上であって、2.5以下とされている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体モジュール。
[請求項5]
前記内部端子と前記第2接続端子の間隔(d2)は、0.2mm以上であって、0.5mm以下とされている請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体モジュール。
[請求項6]
半導体チップ(10)と、
前記半導体チップを樹脂封止する樹脂モールド部(19)と、
前記半導体チップと電気的に接続され、前記樹脂モールド部から突出した部分を有する第1接続端子(15)および第2接続端子(16)と、
前記半導体チップと電気的に接続される制御端子(14)と、を備え、
前記第1接続端子および前記第2接続端子は、板状とされると共に所定間隔離れる状態で積層され、面方向における一方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出しており、
前記第2接続端子は、前記樹脂モールド部における所定面(191c)から突出しており、
前記第1接続端子は、前記樹脂モールド部における前記所定面と異なる面(191b)に開口部(193)が形成されて露出する内部端子(15a)と、前記開口部で前記内部端子と接続されて前記樹脂モールド部から突出する外部端子(15b)と、を有し、
前記内部端子は、前記内部端子と前記第2接続端子との積層方向、および前記第1接続端子の延設方向と交差する方向に延設されて前記樹脂モールド部から突出すると共に前記内部端子と接続されたタイバー残部(15c)を有している半導体モジュールの製造方法であって、
前記内部端子と前記制御端子とがタイバー(210)を介して一体化された端子構成部材(200)を用意することと、
前記内部端子と前記第2接続端子とが積層されるように、前記第2接続端子を前記半導体チップに電気的に接続すると共に、前記端子構成部材における前記内部端子および前記制御端子を前記半導体チップに電気的に接続して構成部材(300)を構成することと、
第1型(410)と第2型(420)とが嵌合されることで内部にキャビティ(400a)が構成される金型(400)を用意し、前記構成部材を前記キャビティに配置することと、
前記金型に溶融樹脂を流し込んで固化することにより、前記樹脂モールド部を形成することと、
前記タイバーを切断し、前記内部端子と接続されると共に前記樹脂モールド部から突出する前記タイバー残部を形成することと、を行い、
前記構成部材を前記キャビティに配置することでは、前記第2接続端子が前記第1型と前記第2型とで挟持されると共に、前記タイバーが前記第1型と前記第2型とで挟持されるように、前記構成部材を配置する半導体モジュールの製造方法。
【符号の説明】
【0077】
10 半導体チップ
14 制御端子
15 第1接続端子
15a 内部端子
15b 外部端子
15c タイバー残部
16 第2接続端子
19 樹脂モールド部
191 凸部
191c 先端面
193 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17