(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170607
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】データ収集システム、データ収集方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
H04Q9/00 311J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082480
(22)【出願日】2022-05-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年3月17日に下記のアドレスのウェブサイトに掲載 https://www.oki.com/jp/press/2022/03/z21101.html 〔刊行物等〕 令和4年3月17日に下記のアドレスのウェブサイトに掲載 https://www.oki.com/jp/press/2022/03/z21100.html 〔刊行物等〕 令和4年3月30日に下記のアドレスのウェブサイトに掲載 https://www.oki.com/jp/dx/doc/2022/220317.html 〔刊行物等〕 令和4年3月17日に下記のアドレスのウェブサイトに掲載 https://www.oki.com/jp/dx/doc/2022/img/220317/release.pdf 〔刊行物等〕 令和4年3月17日に下記のアドレスのウェブサイトに掲載 https://www.oki.com/jp/dx/doc/2022/img/220317/zegw_zehc.pdf 〔刊行物等〕 令和4年3月17日に下記のアドレスのウェブサイトに掲載 https://www.oki.com/jp/dx/doc/2022/img/220317/monifi.pdf
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.JAVASCRIPT
3.JAVA
4.BLUETOOTH
5.VICS
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】迫水 和仁
(72)【発明者】
【氏名】岩井 康宏
(72)【発明者】
【氏名】古川 純平
(72)【発明者】
【氏名】篠塚 敬介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敏之
(72)【発明者】
【氏名】秀瀬 恭平
【テーマコード(参考)】
5K048
【Fターム(参考)】
5K048BA28
5K048BA29
5K048BA30
5K048BA31
5K048BA34
5K048DA02
5K048EB10
5K048FB09
5K048HA01
5K048HA02
(57)【要約】
【課題】利用者の利便性をさらに向上させることが可能な技術が提供されることが望まれる。
【解決手段】第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータ取得部に与える第2のデータ取得部と、前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御する記憶制御部と、を備える、データ収集システムが提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、
第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータ取得部に与える第2のデータ取得部と、
前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御する記憶制御部と、
を備える、データ収集システム。
【請求項2】
前記データ収集システムは、
前記第1のデータに基づいて分析を行うとともに、前記第2のデータに基づいて分析を行うことにより分析結果を得る分析部を備える、
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
前記データ収集システムは、
前記分析結果を端末に提供する提供部を備える、
請求項2に記載のデータ収集システム。
【請求項4】
前記第1のデータは、第1のセンサ装置によって計測されたセンシングデータとセンシング日時とを含み、
前記第2のデータは、第2のセンサ装置によって計測されたセンシングデータとセンシング日時とを含む、
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項5】
前記記憶制御部は、
前記第1のデータに前記センシング日時が含まれるか否かを判定し、前記第1のデータに前記センシング日時が含まれない場合、前記第1のデータに時刻情報を含める、
請求項4に記載のデータ収集システム。
【請求項6】
前記データ収集システムは、
複数の通信規格から利用者によって前記第2の通信規格を選択する操作が入力されたことに基づいて、前記利用者によって選択された前記第2の通信規格に対応する前記第2のデータ取得部を形成する演算装置を備える、
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項7】
前記第1の通信規格は、パブリッシュ/サブスクライブ型の通信プロトコルであり、
前記第2の通信規格は、クライアント/サーバ型の通信プロトコルである、
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項8】
前記第1の通信規格は、MQTTプロトコルであり、
前記第2の通信規格は、TCPプロトコルである、
請求項7に記載のデータ収集システム。
【請求項9】
前記分析部は、
前記第1のデータに基づいて機械学習による分析を行うとともに、前記第2のデータに基づいて機械学習による分析を行うことにより分析結果を得る
請求項2に記載のデータ収集システム。
【請求項10】
第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得することと、
第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータを取得する第1のデータ取得部に与えることと、
前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御することと、
を備える、データ収集方法。
【請求項11】
コンピュータを、
第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、
第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータ取得部に与える第2のデータ取得部と、
前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御する記憶制御部と、
を備えるデータ収集システムとして機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ収集システム、データ収集方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサによって対象物に係わるデータを取得する技術が知られている。例えば、エレベータの乗りかごの振動加速度を検出し分析することによって、振動加速度の増加量が所定の値以上の場合に乗り心地が悪化したと判定するエレベータ振動監視装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者の利便性をさらに向上させることが可能な技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本発明のある観点によれば、第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータ取得部に与える第2のデータ取得部と、前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御する記憶制御部と、を備える、データ収集システムが提供される。
【0006】
前記データ収集システムは、前記第1のデータに基づいて分析を行うとともに、前記第2のデータに基づいて分析を行うことにより分析結果を得る分析部を備えてもよい。
【0007】
前記データ収集システムは、前記分析結果を端末に提供する提供部を備えてもよい。
【0008】
前記第1のデータは、第1のセンサ装置によって計測されたセンシングデータとセンシング日時とを含み、前記第2のデータは、第2のセンサ装置によって計測されたセンシングデータとセンシング日時とを含んでもよい。
【0009】
前記記憶制御部は、前記第1のデータに前記センシング日時が含まれるか否かを判定し、前記第1のデータに前記センシング日時が含まれない場合、前記第1のデータに時刻情報を含めてもよい。
【0010】
前記データ収集システムは、複数の通信規格から利用者によって前記第2の通信規格を選択する操作が入力されたことに基づいて、前記利用者によって選択された前記第2の通信規格に対応する前記第2のデータ取得部を形成する演算装置を備えてもよい。
【0011】
前記第1の通信規格は、パブリッシュ/サブスクライブ型の通信プロトコルであり、前記第2の通信規格は、クライアント/サーバ型の通信プロトコルであってもよい。
【0012】
前記第1の通信規格は、MQTTプロトコルであり、前記第2の通信規格は、TCPプロトコルであってもよい。
【0013】
前記分析部は、前記第1のデータに基づいて機械学習による分析を行うとともに、前記第2のデータに基づいて機械学習による分析を行うことにより分析結果を得てもよい。
【0014】
また、本発明の別の観点によれば、第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得することと、第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータを取得する第1のデータ取得部に与えることと、前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御することと、を備える、データ収集方法が提供される。
【0015】
また、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得する第1のデータ取得部と、第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータ取得部に与える第2のデータ取得部と、前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御する記憶制御部と、を備えるデータ収集システムとして機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、利用者の利便性をさらに向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係るデータ収集システムの構成例を示す図である。
【
図3】ゲートウェイ装置の機能構成例を示す図である。
【
図5】情報記憶サーバの機能構成例を示す図である。
【
図7】情報提供サーバの機能構成例を示す図である。
【
図9】データ収集システムが第1のセンサ装置によって得られたデータを転送する動作の例を示す図である。
【
図10】データ収集システムが第2のセンサ装置によって得られたデータを転送する動作の例を示す図である。
【
図12】第2のデータ取得部の詳細機能について説明するための図である。
【
図13】第1のデータ取得部及び記憶制御部の詳細機能について説明するための図である。
【
図14】第2のデータ取得部の形成に関する変形例に係わる設定情報の例を示す図である。
【
図15】端末による第2のデータ取得部が対応可能なプロトコルを示す情報の表示例を示す図である。
【
図16】データベースに登録されるデータの例を示す図である。
【
図17】分析部によって行われる河川の水位に対する分析結果の表示例を示す図である。
【
図18】分析部によって行われる橋梁の傾斜角に対する分析結果の表示例を示す図である。
【
図19】分析部によって行われる橋梁の加速度に対する分析結果の表示例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る通信サーバの例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なる数字を付して区別する場合がある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素などの各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。また、異なる実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。ただし、異なる実施形態の類似する構成要素などの各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0020】
[0.概要]
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。
【0021】
高度成長期以降に整備された道路橋、トンネル、河川、下水道、港湾等について、今後20年で建設後50年以上経過する施設の割合が加速度的に高くなるため、老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが求められている。このことは、国土交通省のホームページ「社会資本の老朽化対策情報ポータルサイト インフラメンテナンス情報」(https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html)の内容からも理解される。
【0022】
そこで、本発明の実施形態は、構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握したり予測したりするために情報を収集することを目的の一つとする。また、本発明の実施形態は、収集した情報を分析することを目的の一つとする。ここで、構造物や設備は、例えば、道路、鉄道、上下水道、港湾、ダム、通信、エネルギーなどの産業基盤の社会資本であるインフラ構造物や設備である。また、構造物や設備は、例えば、学校、病院、公園、社会福祉施設などの生活関連の社会資本であるインフラ構造物や設備である。
【0023】
このとき、所定の設備を対象とするデータ収集の仕方では、多岐にわたる構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握したり予測したりすることが困難になってしまうため、利用者の利便性が向上しないことが想定される。そこで、本明細書では、多岐にわたる構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握したり予測したりすることを容易にすることによって、利用者の利便性を向上させることを提案する。
【0024】
以上、本発明の実施形態の概要について説明した。
【0025】
[1.実施形態の詳細]
続いて、本発明の実施形態の詳細について説明する。
【0026】
[1-1.システムの構成]
まず、
図1を参照しながら、本発明の実施形態に係るデータ収集システムの構成例について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデータ収集システムの構成例を示す図である。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るデータ収集システム1は、複数の通信機器が複数のネットワークを介して相互に接続された構成となっている。具体的に、データ収集システム1は、第1のセンサ装置10A、第1のゲートウェイ装置30A、第2のセンサ装置10B、第2のゲートウェイ装置30B、基地局34、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70及び端末80を備える。
【0028】
以下の説明では、「第1のセンサ装置10A」及び「第2のセンサ装置10B」を区別せずに「センサ装置10」と言う場合がある。また、「第1の狭域無線ネットワーク12A」及び「第2の狭域無線ネットワーク12B」を区別せずに「狭域無線ネットワーク12」と言う場合がある。さらに、「第1のセンサ装置10A」及び「第2のセンサ装置10B」を区別せずに「センサ装置10」と言う場合がある。さらに、「第1のゲートウェイ装置30A」及び「第2のゲートウェイ装置30B」を区別せずに「ゲートウェイ装置30」と言う場合がある。
【0029】
データ収集システム1のうち、第1のセンサ装置10A、第2のセンサ装置10B、第1のゲートウェイ装置30A及び第2のゲートウェイ装置30Bは、例えば山間部の河岸や橋脚、及びその近傍等に設置されている。これらのいずれか一つ以上の装置は、太陽光発電パネルを有し、この太陽光発電パネルにより発電された電力により動作するようになっていてもよい。一方、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60及び情報提供サーバ70は、例えば図示しない所定の建物内に設置されており、商用電源の供給により常時稼働している。
【0030】
第1のセンサ装置10A及び第1のゲートウェイ装置30Aは、それぞれ第1の狭域無線ネットワーク12Aに無線接続されている。第1の狭域無線ネットワーク12Aは、例えばIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)で策定されたIEEE802.15.4等の規格に準拠した、920[MHz]帯を使用する無線通信のネットワークである。
【0031】
なお、第1のセンサ装置10Aは、第1のゲートウェイ装置30Aを介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続されていてもよい。さらに、第1のセンサ装置10Aと第1のゲートウェイ装置30Aとの間の通信は、図示しない中継装置によって中継されてもよい。このとき、第1の狭域無線ネットワーク12Aにおいて、マルチホップ方式により、各ノード(第1のセンサ装置10A、図示しない中継装置及び第1のゲートウェイ装置30A)の間で各種データを送受信することができてもよい。
【0032】
同様に、第2のセンサ装置10B及び第2のゲートウェイ装置30Bは、それぞれ第2の狭域無線ネットワーク12Bに無線接続されている。第2の狭域無線ネットワーク12Bは、例えばIEEEで策定されたIEEE802.15.4等の規格に準拠した、920[MHz]帯を使用する無線通信のネットワークである。
【0033】
なお、第2のセンサ装置10Bは、第2のゲートウェイ装置30Bを介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続されていてもよい。さらに、第2のセンサ装置10Bと第2のゲートウェイ装置30Bとの間の通信は、図示しない中継装置によって中継されてもよい。このとき、第2の狭域無線ネットワーク12Bにおいて、マルチホップ方式により、各ノード(第2のセンサ装置10B、図示しない中継装置及び第2のゲートウェイ装置30B)の間で各種データを送受信することができてもよい。
【0034】
また920[MHz]帯の電波は、より高い周波数帯と比較して直進性が低く到達性が良好であると共に、より低い周波数帯と比較して帯域あたりの伝送容量が大きいため伝送速度が高くなっている。このため、狭域無線ネットワーク12によれば、各無線機器の間において安定的な通信接続を行い、高速にデータを送受信することができる。なお、狭域無線ネットワーク12は、この920MHz帯に限らず、例えば2.4[GHz]帯や429[MHz]帯等、法律や省令等により規定された他の種々の周波数帯を使用することもできる。
【0035】
ゲートウェイ装置30は、広域無線ネットワーク32に接続されている。広域無線ネットワーク32は、例えばIEEEで策定されたIEEE802.16-2004、IEEE802.16e、IEEE802.11等で規定される無線通信技術や、3GPP(Third Generation Partnership Project)で策定されたLTE(Long Term Evolution)などで規定される無線通信技術を用いて構成された無線ネットワークである。広域無線ネットワーク32は、狭域無線ネットワーク12と比較して、格段に広い範囲に渡って展開された無線によるネットワークを形成している。
【0036】
広域無線ネットワーク32には、図示しない種々の無線機器が接続される他、基地局34を介して上位ネットワーク36が接続されている。上位ネットワーク36は、例えばIEEE802.3(IEEE802.3u/ab/an/ae)等の規格に準拠した有線LANにより構成されている。また上位ネットワーク36には、基地局34の他、通信サーバ40等が接続されており、さらにインターネット(図示せず)のような他のネットワークとも接続されている。
【0037】
このため、ゲートウェイ装置30は、広域無線ネットワーク32、基地局34及び上位ネットワーク36を経由することにより、通信サーバ40との間で種々のデータを送受信することができる。
【0038】
データ収集システム1は、センサ装置10により、例えば河川の水位や橋脚の振動等を検知してデータを生成する。続いて、センサ装置10は、生成したデータを狭域無線ネットワーク12内へ送信し、ゲートウェイ装置30は、当該データを受信する。ゲートウェイ装置30は、このデータを中継して広域無線ネットワーク32へ送信し、基地局34及び上位ネットワーク36を介して通信サーバ40に受信させる。通信サーバ40は、このデータに所定の変換処理等を行った上で、情報記憶サーバ50へ送信して記憶させる。
【0039】
このようにして、データ収集システム1では、センサ装置10により生成したデータを各ネットワークにより適宜送信し、ゲートウェイ装置30によりネットワーク間でデータを中継しながら、情報記憶サーバ50に記憶されるように構成されている。さらに、情報記憶サーバ50に記憶されたデータは、分析サーバ60に送信され、分析サーバ60によってそのデータの分析が行われて分析結果が得られ、情報提供サーバ70によって分析結果が端末80に提供されるように構成されている。
【0040】
[1-1-1.センサ装置の構成]
次に、センサ装置10の構成について説明する。センサ装置10は、
図2にブロック図を示すように、制御部120を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部120には、センサ部110、記憶部130及び無線通信部140がそれぞれ接続されている。
【0041】
制御部120は、センサ装置10の各種動作を制御する処理部である。例えば制御部120は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、並びに計時回路等を有している。この制御部120は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部130等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。また制御部120は、図示しない計時回路により、現在の日付や時刻を認識することや、所定の時点からの経過時間を計測すること等ができる。
【0042】
記憶部130は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部130は、各種プログラムや設定情報、或いはセンサ部110により生成したデータ等を記憶する。
【0043】
無線通信部140は、IEEE802.15.4等の規格に準拠した無線通信を行う部分であり、図示しない信号処理回路やアンテナ等を有している。この無線通信部140は、狭域無線ネットワーク12(
図1)を構成する他の無線機器、すなわち図示しない中継装置やゲートウェイ装置30との間で無線接続を行い、種々のデータを送受信することができる。また無線通信部140は、例えば2秒毎の間欠動作を行うようになっている。
【0044】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、無線通信部140は、IEEE802.16-2004、IEEE802.16e、IEEE802.11等の規格に準拠した無線通信や、3GPPで策定されたLTEなどで規定される無線通信に準拠した無線通信を行う部分であり、図示しない信号処理回路やアンテナ等を有している。
【0045】
また、無線通信部140は、狭域無線ネットワーク12に係る無線通信を行う狭域無線通信部と広域無線ネットワーク32に係る無線通信を行う広域無線通信部とを有し、安定した無線接続の可能性が高い無線通信部を識別し、無線通信に用いるようにしてもよい。
【0046】
この場合、無線通信部140は、狭域無線通信部と広域無線通信部とにおける受信信号強度や信号対雑音比を参照し、値の大きい方を無線接続の可能性が高い無線通信部であると識別してもよい。
【0047】
センサ部110は、センシングを行う部分である。本実施の形態においては、「センシング」の用語を、振動(震動)、温度、湿度、水位、降雨量、傾き、重量等のような種々の物理量に関する推定量の検知(若しくは増減や発生の検知)、並びに、煙、化学物質、放射線、電流、電圧及び静電気等の発生の検知(若しくは増減や推定量の検知)を表す語として用いる。また本実施の形態においては、「センシング」の用語を、上述した検知に加え、検知内容をアナログ形式の電気信号に変換する処理や、該電気信号をデジタル形式のデータに変換する処理を表す語としても用いる。さらに本実施の形態においては、「センシング」の用語を、上述した検知に加えて、検知内容を計測し、或いは判別することを表す語としても用いる。
【0048】
具体的にセンサ部110は、例えば超音波センサとして構成されており、超音波を発生させる発生回路や当該超音波を取得する取得回路等(いずれも図示せず)を有している。このセンサ部110は、超音波を発生させて所定の方向へ放射させると共に、反射等により戻ってきた超音波を取得し、これを電気信号に変換すると共に所定の信号処理や変換処理等を行うことによりデータを生成して、このデータを制御部120へ送出する。
【0049】
これに応じて制御部120は、例えば計時回路(図示せず)から取得される日時情報を当該データに対応付けた上で、記憶部130に記憶させ、或いは無線通信部140から狭域無線ネットワーク12へ送信させることができる。
【0050】
因みにセンサ部110は、超音波センサに限らず、例えば温度センサ、湿度センサ、振動(震動)センサ、傾きセンサ、圧力センサ、人感センサ、照度センサ、バイオセンサ、放射線センサ、土壌センサ、イメージセンサ等の種々のセンサであってもよい。またセンサ部110は、例えばGPS(Global Positioning System)/GNSS(global navigation satellite system)等の人工衛星を利用した位置センサ、においセンサ、車両や人間等を計数するカウントセンサ、煙センサ、化学物質センサ、電流センサ、電圧センサ及び静電気センサ等の種々のセンサであってもよい。さらにセンサ部110は、単一個数及び単一種類のセンサに限らず、複数個数のセンサや複数種類のセンサを併設してもよい。
【0051】
また制御部120は、センサ装置10の各部を間欠的に動作させるよう制御することにより、消費電力の低減を図るようになっている。具体的に制御部120は、例えばセンサ部110によるセンシング動作を、5~10分間に1回の割合で行うように制御する。また制御部120は、例えば無線通信部140による通信動作を2秒間に1回の割合で行うように制御する。
【0052】
[1-1-2.ゲートウェイ装置の構成]
次に、ゲートウェイ装置30の構成について説明する。中継装置としてのゲートウェイ装置30は、
図3にブロック図を示すように、制御部320を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部320には、記憶部330、第1の無線通信部341及び第2の無線通信部342がそれぞれ接続されている。
【0053】
制御部320は、センサ装置10の制御部120(
図2)と同様に、図示しないCPU、ROM及びRAM、並びに計時回路等を有している。この制御部320は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部330等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。また制御部320は、やはり制御部120と同様、図示しない計時回路により、現在の日付や時刻を認識することや、所定の時点からの経過時間を計測すること等ができる。
【0054】
記憶部330は、センサ装置10の記憶部130(
図2)と同様に、例えばEEPROM、SSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部330は、各種プログラムや設定情報、或いは第1の無線通信部341により受信したデータ等を記憶する。
【0055】
第1の無線通信部341は、センサ装置10の無線通信部140(
図2)と同様に、IEEE802.15.4等の規格に準拠した無線通信を行う部分であり、図示しない信号処理回路やアンテナ等を有している。この第1の無線通信部341は、狭域無線ネットワーク12(
図1)を構成する他の無線機器、すなわちセンサ装置10や図示しない中継装置との間で無線接続を行い、種々のデータを送受信することができる。
【0056】
第2の無線通信部342は、例えばIEEEで策定されたIEEE802.16-2004、IEEE802.16e、IEEE802.11などで規定される無線通信技術、或いは第3世代移動通信システムや第4世代移動通信システムのLTE等の規格に準拠した無線通信を行う部分であり、図示しない信号処理回路やアンテナ等を有している。この第2の無線通信部342は、広域無線ネットワーク32(
図1)を介して基地局34と接続され、さらに上位ネットワーク36を介して通信サーバ40との間で通信接続を行い、種々のデータを送受信することができる。
【0057】
ところで、広域無線ネットワーク32のように、IEEE802.16-2004、IEEE802.16e、IEEE802.11又はLTE等で規定される無線通信技術を用いた無線ネットワークは、電気通信役務(通信サービス)が提供されることにより、電気通信網(公衆網)となる場合がある。この広域無線ネットワーク32が電気通信網(公衆網)である場合、ゲートウェイ装置30は、該広域無線ネットワーク32を介した無線通信を行うことにより、該広域無線ネットワーク32や上位ネットワーク36に接続された他の種々の装置(図示せず)とやりとりをすることができる。
【0058】
[1-1-3.通信サーバの構成]
次に、通信サーバ40(
図1)の構成について説明する。通信サーバ40は、
図4にブロック図を示すように、制御部420を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部420には、記憶部430及び通信部440がそれぞれ接続されている。
【0059】
制御部420は、センサ装置10の制御部120(
図2)等と同様に、図示しないCPU(演算装置)、ROM及びRAM、並びに計時回路等を有している。この制御部420は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部430等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。また、制御部420は、第1のデータ取得部421と、第2のデータ取得部422と、記憶制御部423とを備える。
【0060】
記憶部430は、センサ装置10の記憶部130(
図2)と同様に、例えばEEPROM、SSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部430は、各種プログラムや設定情報431、或いは通信部440により受信したデータ等を記憶する。通信部440は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、上位ネットワーク36(
図1)との間で種々のデータを送受信することができる。
【0061】
[1-1-4.情報記憶サーバの構成]
次に、情報記憶サーバ50(
図1)の構成について説明する。情報記憶サーバ50は、
図5にブロック図を示すように、制御部520を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部520には、記憶部530及び通信部540がそれぞれ接続されている。
【0062】
制御部520は、通信サーバ40の制御部420(
図4)等と同様に、図示しないCPU、ROM及びRAM、並びに計時回路等を有している。この制御部520は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部530等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。
【0063】
記憶部530は、通信サーバ40の記憶部430(
図4)と同様に、例えばEEPROM、SSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部530は、各種プログラムやデータベース531、設定情報、或いは通信部540により受信したデータ等を記憶する。通信部540は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、上位ネットワーク36との間で種々のデータを送受信することができる。
【0064】
[1-1-5.分析サーバの構成]
次に、分析サーバ60(
図1)の構成について説明する。分析サーバ60は、
図6にブロック図を示すように、制御部620を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部620には、記憶部630及び通信部640がそれぞれ接続されている。
【0065】
制御部620は、通信サーバ40の制御部420(
図4)等と同様に、図示しないCPU、ROM及びRAM、並びに計時回路等を有している。この制御部620は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部630等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。また、制御部620は、分析部621を備える。
【0066】
記憶部630は、通信サーバ40の記憶部430(
図4)と同様に、例えばEEPROM、SSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部630は、各種プログラムや、設定情報、或いは通信部640により受信したデータ等を記憶する。通信部640は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、上位ネットワーク36との間で種々のデータを送受信することができる。
【0067】
[1-1-6.情報提供サーバの構成]
次に、情報提供サーバ70(
図1)の構成について説明する。情報提供サーバ70は、
図7にブロック図を示すように、制御部720を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部720には、記憶部730及び通信部740がそれぞれ接続されている。
【0068】
制御部720は、通信サーバ40の制御部420(
図4)等と同様に、図示しないCPU、ROM及びRAM、並びに計時回路等を有している。この制御部720は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部730等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。また、制御部720は、提供部721を備える。
【0069】
記憶部730は、通信サーバ40の記憶部430(
図4)と同様に、例えばEEPROM、SSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部730は、各種プログラムや、設定情報、或いは通信部740により受信したデータ等を記憶する。通信部740は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、上位ネットワーク36との間で種々のデータを送受信することができる。
【0070】
[1-1-7.端末の構成]
次に、端末80(
図1)の構成について説明する。端末80は、
図8にブロック図を示すように、制御部820を中心とした情報処理装置として構成されている。この制御部820には、操作部810、記憶部830、通信部840及び表示部850がそれぞれ接続されている。
【0071】
制御部820は、通信サーバ40の制御部420(
図4)等と同様に、図示しないCPU、ROM及びRAM、並びに計時回路等を有している。この制御部820は、RAMをワークエリアとして使用しながら、ROMや記憶部830等から読み出したプログラムをCPUによって実行することにより、種々の機能を実現し、また様々な処理を行う。
【0072】
記憶部830は、通信サーバ40の記憶部430(
図4)と同様に、例えばEEPROM、SSDやハードディスクドライブ等のような不揮発性の記憶媒体を有している。この記憶部830は、各種プログラムや、設定情報、或いは通信部840により受信したデータ等を記憶する。通信部840は、例えばIEEE802.3等の規格に準拠した有線LANのインタフェースであり、上位ネットワーク36との間で種々のデータを送受信することができる。
【0073】
表示部850は、例えば液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示パネルを有しており、制御部820の制御に基づき、文字や図形、或いは画像等のような種々の情報を表示する。操作部810は、例えばキーボードやマウス、或いはタッチパッドやタッチパネル等でなり、利用者の操作を受け付けて制御部820に通知する。
【0074】
[1-2.データ収集システムにおけるデータ転送]
次に、
図9及び
図10を参照しながら、本発明の実施形態に係るデータ収集システム1におけるデータ転送の例について説明する。
図9は、データ収集システム1が第1のセンサ装置10Aによって得られたデータを転送する動作の例を示す図である。一方、
図10は、データ収集システム1が第2のセンサ装置10Bによって得られたデータを転送する動作の例を示す図である。
【0075】
なお、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aによるデータ送信には、第1の通信規格が用いられるが、第2のゲートウェイ装置30Bや第2のセンサ装置10Bによるデータ送信には、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格が用いられる。ここでは、第1の通信規格の例として、パブリッシュ/サブスクライブ型の通信プロトコル(Publish/Subscribepublish/subscribe messaging transport protocol)が用いられ、第2の通信規格の例として、クライアント/サーバ(Client/Server)型の通信プロトコルが用いられる場合を想定する。
【0076】
より詳細に、パブリッシュ/サブスクライブ型の通信プロトコルの例として、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)プロトコルが用いられる場合を想定する。また、クライアント/サーバ型の通信プロトコルの例として、TCP(Transmission Control Protocol)プロトコルが用いられる場合を想定する。しかし、パブリッシュ/サブスクライブ型の通信プロトコルは、MQTTプロトコルに限定されないし、クライアント/サーバ型の通信プロトコルは、TCPプロトコルに限定されない。
【0077】
[1-2-1.第1のセンサ装置によって得られたデータの転送]
まず、データ収集システム1が第1のセンサ装置10Aによって得られたデータを転送する動作の例について説明する。
【0078】
図9に示すように、第1のセンサ装置10Aの制御部120は、記憶部130から所定の上りデータ送信プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ送信処理手順を開始して最初のステップS121に移る。ステップS121において制御部120は、センサ部110によりデータを生成し、第1の狭域無線ネットワーク12Aを介して第1のゲートウェイ装置30Aにデータを送信する。制御部120は、この上りデータ送信処理手順を終了する。
【0079】
第1のゲートウェイ装置30Aの制御部320は、予め記憶部330から所定の上りデータ受信送信プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ受信送信処理手順を開始している。この制御部320は、第1のセンサ装置10Aによって送信されたデータを第1の無線通信部341により受信すると、ステップS131において、そのデータを記憶部330に記憶させ、ステップS132に移る。ステップS132において制御部320は、広域無線網接続処理を行うことにより、広域無線ネットワーク32に対してデータを送信する。
【0080】
具体的に、制御部320は、サブルーチンとして広域無線網接続処理手順を実行し、そのステップS132において、第1のセンサ装置10Aから受信されたデータがMQTTプロトコルに基づいて広域無線ネットワーク32(
図1)へ送信されるように、第2の無線通信部342を制御する。このとき送信されたデータは、広域無線ネットワーク32において基地局34に到達し、上位ネットワーク36を介して通信サーバ40に到達する。制御部320は、上りデータ受信送信処理手順を終了する。
【0081】
通信サーバ40の制御部420は、予め記憶部430から所定の上りデータ変換中継プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ変換中継処理手順を開始している。第1のデータ取得部421は、第1のゲートウェイ装置30AによってMQTTプロトコルに基づいて送信されたデータを通信部440により受信する。ステップS142において記憶制御部423は、通信部440によって受信されたデータがMQTTプロトコルに基づいて上位ネットワーク36(
図1)へ送信されるように通信部440を制御する。制御部420は、上りデータ変換中継処理手順を終了する。
【0082】
情報記憶サーバ50の制御部520は、予め記憶部530から所定の上りデータ受信記憶プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ受信記憶処理手順を開始している。この制御部520は、通信サーバ40によりMQTTプロトコルに基づいて送信されたデータを通信部540により受信すると、ステップS151に移る。ステップS151において制御部520は、受信したデータを記憶部530のデータベース531に記憶させる。制御部520は、上りデータ受信記憶処理手順を終了する。
【0083】
このようにデータ収集システム1では、第1のセンサ装置10Aにおいて生成されたデータ(すなわち上りデータ)を、各装置により順次受信及び送信することにより、情報記憶サーバ50に記憶させることができる。
【0084】
[1-2-2.第2のセンサ装置によって得られたデータの転送]
続いて、データ収集システム1が第2のセンサ装置10Bによって得られたデータを転送する動作の例について説明する。
【0085】
図10に示すように、第2のセンサ装置10Bの制御部120は、記憶部130から所定の上りデータ送信プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ送信処理手順を開始して最初のステップS221に移る。ステップS221において制御部120は、センサ部110によりデータを生成し、第2の狭域無線ネットワーク12Bを介して第2のゲートウェイ装置30Bにデータを送信する。制御部120は、この上りデータ送信処理手順を終了する。
【0086】
第2のゲートウェイ装置30Bの制御部320は、予め記憶部330から所定の上りデータ受信送信プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ受信送信処理手順を開始している。この制御部320は、第2のセンサ装置10Bによって送信されたデータを第1の無線通信部341により受信すると、ステップS131において、そのデータを記憶部330に記憶させ、ステップS232に移る。ステップS232において制御部320は、広域無線網接続処理を行うことにより、広域無線ネットワーク32に対してデータを送信する。
【0087】
具体的に、制御部320は、サブルーチンとして広域無線網接続処理手順を実行し、そのステップS232において、第2のセンサ装置10Bから受信されたデータがTCPプロトコルに基づいて広域無線ネットワーク32(
図1)へ送信されるように、第2の無線通信部342を制御する。このとき送信されたデータは、広域無線ネットワーク32において基地局34に到達し、上位ネットワーク36を介して通信サーバ40に到達する。制御部320は、上りデータ受信送信処理手順を終了する。
【0088】
通信サーバ40の制御部420は、予め記憶部430から所定の上りデータ変換中継プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ変換中継処理手順を開始している。第2のデータ取得部422は、第2のゲートウェイ装置30Bによって送信されたデータを通信部440により受信する。
【0089】
ステップS241において第2のデータ取得部422は、受信したTCPプロトコルのデータに対して所定の変換処理を施すことにより、MQTTプロトコルのデータを生成して、次のステップS242に移る。ステップS242において記憶制御部423は、生成されたデータがMQTTプロトコルに基づいて上位ネットワーク36(
図1)へ送信されるように通信部440を制御する。制御部420は、上りデータ変換中継処理手順を終了する。
【0090】
情報記憶サーバ50の制御部520は、予め記憶部530から所定の上りデータ受信記憶プログラムを読み出して実行することにより、上りデータ受信記憶処理手順を開始している。この制御部520は、通信サーバ40によりMQTTプロトコルに基づいて送信されたデータを通信部540により受信すると、ステップS251に移る。ステップS251において制御部520は、受信したデータを記憶部530のデータベース531に記憶させる。制御部520は、上りデータ受信記憶処理手順を終了する。
【0091】
このようにデータ収集システム1では、第2のセンサ装置10Bにおいて生成されたデータ(すなわち上りデータ)を、各装置により順次受信及び送信することにより、情報記憶サーバ50に記憶させることができる。
【0092】
[1-3.データ取得部と記憶制御部の詳細]
続いて、
図11~
図16を参照しながら、第1のデータ取得部421、第2のデータ取得部422及び記憶制御部423それぞれの詳細機能について説明する。
【0093】
第1のデータ取得部421は、所定の通信規格(第1の通信規格)に基づいて、第1のゲートウェイ装置30Aとデータのやりとりをするサーバとして機能する。より詳細に、第1のデータ取得部421は、パブリッシュ/サブスクライブ型モデルのサーバとして機能する。ここでは、第1のデータ取得部421が、MQTTプロトコルに基づいて第1のゲートウェイ装置30Aとデータのやりとりをするサーバ(MQTTサーバ)として機能する場合を想定する。MQTTサーバは、MQTTブローカとも表現され得る。
【0094】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、第1のデータ取得部421は、所定の通信規格(第1の通信規格)に基づいて、第1のセンサ装置10Aとデータのやりとりをするサーバとして機能する。
【0095】
第2のデータ取得部422は、第1のデータ取得部421が用いる通信規格(第1の通信規格)とは異なる通信規格(第2の通信規格)に基づいて、第2のゲートウェイ装置30Bとデータのやりとりをするサーバとして機能する。より詳細に、第2のデータ取得部422は、パブリッシュ/サブスクライブ型モデルのサーバ(第1のデータ取得部421)とは異なり、クライアント/サーバ型モデルのサーバとして機能する。
【0096】
ここでは、第2のデータ取得部422が、TCPプロトコルに基づいて第2のゲートウェイ装置30Bとデータのやりとりをするサーバ(TCPサーバ)として機能する場合を想定する。また、第2のデータ取得部422は、第1のデータ取得部421(MQTTサーバ)に対するクライアント(MQTTクライアント)としても機能する。MQTTクライアントは、MQTTパブリッシャとも表現され得る。
【0097】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、第2のデータ取得部422は、第1のデータ取得部421が用いる通信規格(第1の通信規格)とは異なる通信規格(第2の通信規格)に基づいて、第2のセンサ装置10Bとデータのやりとりをするサーバとして機能する。
【0098】
[1-3-1.設定情報の例]
図11は、設定情報431の例を示す図である。
図11を参照すると、設定情報431は、左から順に、どのデータ取得部に係わるものであるか、データ取得部が対応可能なプロトコルを示す情報、設定値としてのネットワークアドレス(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス)、設定値としてのポート番号(例えば、トランスポートプロトコルにおける通信ポート)が対応付けられて構成されている。
【0099】
[1-3-2.第2のデータ取得部の機能詳細]
図12は、第2のデータ取得部422の詳細機能について説明するための図である。
図12に示すように、第2のデータ取得部422は、通信制御部4221と、第1のデータ処理部4223と、第2のデータ処理部4225とを備える。
【0100】
(通信制御部4221)
通信制御部4221は、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータを、第2の狭域無線ネットワーク12B、第2のゲートウェイ装置30B、広域無線ネットワーク32及び通信部440を介して、TCPプロトコルに基づいて取得する。つまり、通信制御部4221は、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータを、TCPプロトコルに基づいて取得する。そして、通信制御部4221は、取得したデータを第1のデータ処理部4223に出力する。
【0101】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、通信制御部4221は、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータを、広域無線ネットワーク32及び通信部440を介して、TCPプロトコルに基づいて取得する。つまり、通信制御部4221は、第2のセンサ装置10BからTCPプロトコルに基づき送信されたデータを、TCPプロトコルに基づいて取得する。そして、通信制御部4221は、取得したデータを第1のデータ処理部4223に出力する。
【0102】
より詳細に、通信制御部4221は、OSI参照モデルにおけるトランスポート層(レイヤ4)におけるコネクション(データの送信元と送信先の間でやりとりする通信路)の確立を行う。ここでは、通信制御部4221がTCPプロトコルに対応する場合を想定する。かかる場合には、通信制御部4221は、TCPのコネクション(ステートフルなコネクション)の確立を行う。そして、通信制御部4221は、確立したTCPのコネクションにより、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータを取得する。
【0103】
さらに詳細に、通信サーバ40におけるCPUは、第2のデータ取得部422に係わるプログラムをローディングし実行する。そして、プログラムの実行により、通信制御部4221に係わるソケット(Socket)が生成され、設定情報431(
図11)の上から2段目のデータに基づいて「アドレス1、ポート番号2」によりソケット登録(Bind)が行われ、ソケット接続準備(Listen)の制御が行われる。このようにして、TCPサーバとして機能する第2のデータ取得部422が形成される。
【0104】
通信制御部4221は、第2のゲートウェイ装置30Bから接続(Connect)が行われると、第2のゲートウェイ装置30Bからのデータの受信を待機する。通信制御部4221は、第2のゲートウェイ装置30Bによってデータが送信(Send)されると、送信されたデータを受信(Recv)し、受信したデータを第1のデータ処理部4223に出力する。一方、通信制御部4221は、第2のゲートウェイ装置30Bからのデータの送信が終了すると、第2のゲートウェイ装置30Bとの接続を切断(Shutdown)する。
【0105】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、通信制御部4221は、第2のセンサ装置10Bから接続(Connect)が行われると、第2のセンサ装置10Bからのデータの受信を待機する。通信制御部4221は、第2のセンサ装置10Bによってデータが送信(Send)されると、送信されたデータを受信(Recv)し、受信したデータを第1のデータ処理部4223に出力する。一方、通信制御部4221は、第2のセンサ装置10Bからのデータの送信が終了すると、第2のセンサ装置10Bとの接続を切断(Shutdown)する。
【0106】
なお、通信制御部4221は、TCPプロトコル以外のプロトコルに対応していてもよい。例えば、通信制御部4221は、UDP(User Datagram Protocol)プロトコルに対応していてもよい。かかる場合には、通信制御部4221は、UDPのコネクション(ステートレスなコネクション)の確立を行う。そして、通信制御部4221は、確立したUDPのコネクションにより、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータを取得する。
【0107】
さらに詳細に、通信サーバ40におけるCPUは、第2のデータ取得部422に係わるプログラムをローディングし実行する。そして、プログラムの実行により、通信制御部4221に係わるソケット(Socket)が生成され、「アドレス1、ポート番号2」によりソケット登録(Bind)が行われ、受信待ち(Recvfrom)の制御が行われる。このようにして、第2のデータ取得部422が形成される。
【0108】
受信待ち(Recvfrom)を行う通信制御部4221に対して、第2のゲートウェイ装置30Bからデータ送信(Sendto)がなされると、通信制御部4221は、送信されたデータを受信し、受信したデータを第1のデータ処理部4223に出力する。
【0109】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、受信待ち(Recvfrom)を行う通信制御部4221に対して、第2のセンサ装置10Bからデータ送信(Sendto)がなされると、通信制御部4221は、送信されたデータを受信し、受信したデータを第1のデータ処理部4223に出力する。
【0110】
(第1のデータ処理部4223)
第1のデータ処理部4223は、通信制御部4221によって取得された、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータから、情報記憶サーバ50に送信されるデータを抽出する。
【0111】
例えば、第2のセンサ装置10Bや第2のゲートウェイ装置30BからTCPプロトコルに基づいて送信されたデータ(以下、「TCPパケット」とも言う。)には、各種データが含まれている。例えば、各種データには、第2のセンサ装置10Bによるセンシングが行われた日時であるセンシング日時(年月日時秒)、第2のセンサ装置10Bによるセンシングによって得られたデータであるセンシングデータ、識別符号、データ種別、バージョン番号、送信番号、観測局ID、送信日時(年月日時秒)、管理番号、起動種別などの各種情報が含まれる。
【0112】
第1のデータ処理部4223は、TCPパケットから、これらの各種データのうち、情報記憶サーバ50に送信されるデータ(第2のデータ)を抽出する。
【0113】
一例として、TCPパケットに設定されているデータ全体が、情報記憶サーバ50に送信される場合が想定される。かかる場合には、第1のデータ処理部4223は、TCPパケットを第2のデータ処理部4225に出力すればよい。あるいは、TCPパケットに含まれる各種データのうち、センシング日時とセンシングデータが情報記憶サーバ50に送信される場合が想定される。かかる場合には、第1のデータ処理部4223は、TCPパケットからセンシング日時とセンシングデータを抽出すればよい。
【0114】
例えば、第1のデータ処理部4223は、TCPパケットのTCPペイロードから、JSON(JavaScript Object Notation)、CSV(Comma-Separated Values)、YAML(YAML Ain’t a Markup Language.)、XML(Extensible Markup Language)、HTML(HyperText Markup Language)、SGML(Standard Generalized Markup Language)などの形式で記された、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータ(各種データ)を抽出してもよい。ここで、TCPパケットにおいて、TCPヘッダ以外の領域がTCPペイロード(TCPにより送信するデータ、TCPより上位のプロトコルに係るデータ)である。なお、TCPパケットはTCPセグメントと称することもある。
【0115】
なお、第1のデータ処理部4223が、第2のセンサ装置10Bや第2のゲートウェイ装置30BからUDPプロトコルに基づいて送信されたデータ(以下、「UDPパケット」とも言う。)に含まれる各種データのうち、情報記憶サーバ50に送信されるデータを抽出する態様では、UDPパケットのUDPペイロードから、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記された、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータ(各種データ)を抽出してもよい。ここで、UDPパケットにおいて、UDPヘッダ以外の領域がUDPペイロード(UDPにより送信するデータ、UDPより上位のプロトコルに係るデータ)である。なお、UDPパケットはUDPセグメントと称することもある。
【0116】
また、第1のデータ処理部4223は、TCPパケットやUDPパケットのペイロードから抽出した、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記された、第2のセンサ装置10Bから送信されたデータ(各種データ)を変換(加工)してもよい。例えば、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLのいずれかの形式で記されたデータ(各種データ)を、JSONの形式で記されたデータ(各種データ)に変換(加工)してもよい。
【0117】
なお、第1のデータ処理部4223がペイロードから抽出するデータは、第2のセンサ装置10Bにおいてセンシングされ第2のセンサ装置10BにおいてJSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記されたデータ(各種データ)でもよいし、第2のセンサ装置10Bにおいてセンシングされ第2のゲートウェイ装置30BにおいてJSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記されたデータ(各種データ)でもよい。
【0118】
第1のデータ処理部4223は、抽出したデータを第2のデータ処理部4225に出力する。
【0119】
(第2のデータ処理部4225)
第2のデータ処理部4225は、第1のデータ処理部4223によって抽出されたデータに基づいて、第1のデータ取得部421が用いるMQTTプロトコルに対応するデータ(以下、「MQTTパケット」とも言う。)を生成する。より詳細に、第2のデータ処理部4225は、第1のデータ処理部4223によって抽出されたデータに対して、MQTTパケットのヘッダを付加することによって、MQTTパケットを生成する。
【0120】
第2のデータ処理部4225は、生成したMQTTパケットを送信すべきデータとし、MQTTプロトコルに基づいて第1のデータ取得部421に与える。より詳細に、第2のデータ処理部4225は、設定情報431(
図11)の上から3段目のデータに基づいて「アドレス1、ポート番号1」により第1のデータ取得部421に接続を行い、接続した第1のデータ取得部421に対して、MQTTクライアント(MQTTパブリッシャ)として、送信すべきデータを与える。
【0121】
このようにして、第2のデータ取得部422は、第2のゲートウェイ装置30Bと第1のデータ取得部421との間に位置する。そして、第2のデータ取得部422は、第2のゲートウェイ装置30Bと第1のデータ取得部421との間において通信規格の変換を行って、通信を中継する。
【0122】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、第2のデータ取得部422は、第2のセンサ装置10Bと第1のデータ取得部421との間に位置する。そして、第2のデータ取得部422は、第2のセンサ装置10Bと第1のデータ取得部421との間において通信規格の変換を行って、通信を中継する。
【0123】
[1-3-3.第1のデータ取得部の機能詳細]
続いて、第1のデータ取得部421の機能詳細について説明する。
図13は、第1のデータ取得部421及び記憶制御部423の詳細機能について説明するための図である。
【0124】
第1のデータ取得部421は、第2のデータ処理部4225からMQTTプロトコルに基づいて与えられたデータ(すなわち、第2のデータ取得部422からMQTTプロトコルに基づいて与えられたデータ)を、MQTTプロトコルに基づいて取得する。
【0125】
さらに、第1のデータ取得部421は、第1のゲートウェイ装置30AからMQTTプロトコルに基づいて送信された、第1のセンサ装置10Aによって得られたデータ(第1のデータ)を、第1の狭域無線ネットワーク12A、第1のゲートウェイ装置30A、広域無線ネットワーク32を介し、さらに通信部440を介して、MQTTプロトコルに基づいて取得する。
【0126】
第1のデータ取得部421は、第2のデータ取得部422から与えられたデータ、及び、第1のゲートウェイ装置30Aから取得したデータを、記憶制御部423に出力する。
【0127】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、第1のデータ取得部421は、MQTTプロトコルに基づいて送信された、第1のセンサ装置10Aによって得られたデータ(第1のデータ)を、第1の狭域無線ネットワーク12A、第1のゲートウェイ装置30A、広域無線ネットワーク32を介し、さらに通信部440を介して、MQTTプロトコルに基づいて取得する。
【0128】
第1のデータ取得部421は、第2のデータ取得部422から与えられたデータ、及び、第1のセンサ装置10Aから取得したデータを、記憶制御部423に出力する。
【0129】
より詳細に、第1のデータ取得部421は、コネクションの確立を行う。そして、第1のデータ取得部421は、確立したコネクションにより、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから送信されたデータを取得する。
【0130】
さらに詳細に、通信サーバ40におけるCPUは、第1のデータ取得部421に係わるプログラムをローディングし実行する。そして、プログラムの実行により、第1のデータ取得部421に係わるソケット(Socket)が生成され、設定情報431(
図11)の上から1段目のデータに基づいて「アドレス1、ポート番号1」によりソケット登録(Bind)が行われ、ソケット接続準備(Listen)の制御が行われる。このようにして、MQTTサーバとして機能する第1のデータ取得部421が形成される。
【0131】
第1のデータ取得部421は、第1のゲートウェイ装置30Aから接続(Connect)が行われると、第1のゲートウェイ装置30Aからのデータの受信を待機する。第1のデータ取得部421は、第1のゲートウェイ装置30Aによってデータが送信(Send)されると、送信されたデータを受信(Recv)し、受信したデータを記憶制御部423に出力する。そして、第1のデータ取得部421は、第1のゲートウェイ装置30Aからのデータの送信が終了すると、第1のセンサ装置10Aとの接続を切断(Shutdown)する。
【0132】
さらに、第1のデータ取得部421は、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)から接続(Connect)が行われると、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)からのデータの受信を待機する。第1のデータ取得部421は、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)によってデータが送信(Send)されると、送信されたデータを受信(Recv)し、受信したデータを記憶制御部423に出力する。そして、第1のデータ取得部421は、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)からのデータの送信が終了すると、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)との接続を切断(Shutdown)する。
【0133】
なお、センサ装置10が、ゲートウェイ装置30を介さずに、広域無線ネットワーク32に無線接続される態様では、第1のデータ取得部421は、第1のセンサ装置10Aから接続(Connect)が行われると、第1のセンサ装置10Aからのデータの受信を待機する。第1のデータ取得部421は、第1のセンサ装置10Aによってデータが送信(Send)されると、送信されたデータを受信(Recv)し、受信したデータを記憶制御部423に出力する。そして、第1のデータ取得部421は、第1のセンサ装置10Aからのデータの送信が終了すると、第1のセンサ装置10Aとの接続を切断(Shutdown)する。
【0134】
第1のデータ取得部421は、第1のデータ処理部4223と同様に、第1のセンサ装置10Aから送信されたデータから、情報記憶サーバ50に送信されるデータを抽出してもよい。
【0135】
例えば、第1のセンサ装置10Aや第1のゲートウェイ装置30AからMQTTプロトコルに基づいて送信されたデータ(MQTTパケット)には、各種データが含まれている。例えば、各種データには、第1のセンサ装置10Aによるセンシングが行われた日時であるセンシング日時(年月日時秒)、第1のセンサ装置10Aによるセンシングによって得られたデータであるセンシングデータ、識別符号、データ種別、バージョン番号、送信番号、観測局ID、送信日時(年月日時秒)、管理番号、起動種別などの各種情報が含まれる。
【0136】
第1のデータ取得部421は、MQTTパケットから、これらの各種データのうち、情報記憶サーバ50に送信されるデータ(第2のデータ)を抽出する。
【0137】
一例として、MQTTパケットに設定されているデータ全体が、情報記憶サーバ50に送信される場合が想定される。かかる場合には、第1のデータ取得部421は、MQTTパケットを記憶制御部423に出力すればよい。あるいは、MQTTパケットに含まれる各種データのうち、センシング日時とセンシングデータが情報記憶サーバ50に送信される場合が想定される。かかる場合には、第1のデータ取得部421は、MQTTからセンシング日時とセンシングデータを抽出すればよい。
【0138】
例えば、第1のデータ取得部421は、MQTTパケットのMQTTペイロードから、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記された、第1のゲートウェイ装置30Aから送信されたデータ(各種データ)を抽出してもよい。ここで、MQTTパケットにおいて、MQTTヘッダ以外の領域がMQTTペイロード(MQTTにより送信するデータ)である。
【0139】
また、第1のデータ取得部421は、MQTTパケットのペイロードから抽出した、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記された、第1のゲートウェイ装置30Aから送信されたデータ(各種データ)を変換(加工)してもよい。例えば、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLのいずれかで記されたデータ(各種データ)を、JSONの形式で記されたデータ(各種データ)に変換(加工)してもよい。
【0140】
なお、第1のデータ取得部421がペイロードから抽出するデータは、第1のセンサ装置10Aにおいてセンシングされ第1のセンサ装置10AにおいてJSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記されたデータ(各種データ)でもよいし、第1のセンサ装置10Aにおいてセンシングされ第1のゲートウェイ装置30AにおいてJSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記されたデータ(各種データ)でもよい。
【0141】
[1-3-4.第2のデータ取得部の形成に関する変形例]
上記では、第2のデータ取得部422が、第2の通信規格の例としてTCPプロトコルに対応する場合について主に説明した。しかし、第2のデータ取得部422は、他のプロトコルに対応することが可能であってもよい。
【0142】
例えば、他のプロトコルは、クライアント/サーバ型の通信プロトコルであるFTP(File Transfer Protocol)、Telnet(Teletype network)、SSH(Secure Shell)、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)、SNMP(Simple Network Management Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)などであってもよい。
【0143】
なお、第2のデータ取得部422が対応すべきプロトコルは、あらかじめ決められてもよい。あるいは、第2のデータ取得部422が対応すべきプロトコルは、利用者によって選択されることが可能であってもよい。以下では、第2のデータ取得部422が対応すべきプロトコルが利用者によって選択される変形例について説明する。
【0144】
図14は、第2のデータ取得部の形成に関する変形例に係わる設定情報の例を示す図である。
図14に示すように、変形例に係わる設定情報431Yは、
図11に示された設定情報431と同様に、左から順に、どのデータ取得部に係わるものであるか、データ取得部が対応可能なプロトコルを示す情報、設定値としてのネットワークアドレス、設定値としてのボート番号が対応付けられて構成されている。
【0145】
ただし、設定情報431(
図11)と比較して、設定情報431Yには、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報として、FTP、Telnet、SSH、SMTP、SNMP、HTTPそれぞれを示す情報が追加されている。通信サーバ40は、このような設定情報431Yに設定されている第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報を情報提供サーバ70に送信する。
【0146】
情報提供サーバ70は、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報を端末80に送信する。そして、端末80は、情報提供サーバ70から送信された、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報を表示する。
【0147】
一例として、情報提供サーバ70は、端末80において表示されているWebブラウザに対して、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報の表示を制御する。そして、端末80は、かかる制御に従って、Webブラウザに、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報を表示する。
【0148】
図15は、端末80による第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報の表示例を示す図である。
図15に示すように、端末80において、表示部850は、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示すプロトコル一覧851を表示する。プロトコル一覧851は、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報として、FTP、Telnet、SSH、SMTP、SNMP、HTTPを含んでいる。
【0149】
利用者は、操作部810に対してプロトコル一覧851から第2のデータ取得部422が対応させるプロトコルを選択する操作を入力する。制御部820は、操作部810に対して入力された操作に基づいて、利用者によって選択されたプロトコルを示す情報を、通信部840を介して情報提供サーバ70に送信する。情報提供サーバ70は、利用者によって選択されたプロトコルを示す情報を通信サーバ40に送信する。
【0150】
通信サーバ40において、CPUは、情報提供サーバ70から送信された利用者によって選択されたプロトコルに対応する第2のデータ取得部422を形成する。これによって、第2のデータ取得部422は、利用者によって選択されたプロトコルに対応するサーバとして機能するようになる。一例として、利用者によって選択されたプロトコル「FTP」が選択された場合、通信サーバ40において、CPUは、プロトコル「FTP」に対応する第2のデータ取得部422を形成する。これによって、第2のデータ取得部422は、利用者によって選択されたプロトコル「FTP」に対応するサーバとして機能するようになる。
【0151】
ここで、第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報は、各種センサ装置(例えば第1のセンサ装置10Aや第2のセンサ装置10B)に係わる情報(製品名、型式、シリアル番号、ライセンス番号など)であってもよい。
【0152】
この場合、通信サーバ40は、各種センサ装置に係わる情報(製品名、型式、シリアル番号、ライセンス番号など)と第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報とを対応付けたテーブルを記憶している。例えば、製品名「AAA」とプロトコル「FTP」とを対に、型式「BBB」とプロトコル「HTTP」とを対に、対応付けたテーブルを記憶してもよい。
【0153】
そして、情報提供サーバ70が端末80に対して各種センサ装置に係わる情報を示す情報の表示を制御し、端末80が情報提供サーバ70に対してWebブラウザ上で利用者によって選択された各種センサ装置に係わる情報を送信し、情報提供サーバ70が利用者によって選択された各種センサ装置に係わる情報を通信サーバ40に送信し、通信サーバ40が選択された各種センサ装置に係わる情報に基づきテーブルを参照し対応するプロトコルを特定する。そして、通信サーバ40において、CPUは、特定したプロトコルに対応する第2のデータ取得部422を形成する。
【0154】
また、情報提供サーバ70が、各種センサ装置に係わる情報(製品名、型式、シリアル番号、ライセンス番号など)と第2のデータ取得部422が対応可能なプロトコルを示す情報とを対応付けたテーブルを記憶してもよく、この場合、情報提供サーバ70が選択された各種センサ装置に係わる情報に基づきテーブルを参照し対応するプロトコルを特定すると共に通信サーバ40に送信する。通信サーバ40において、CPUは、特定され通知されたプロトコルに対応する第2のデータ取得部422を形成する。
【0155】
[1-3-5.記憶制御部の機能詳細]
記憶制御部423は、第2のデータ取得部422から与えられたデータ、及び、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから取得したデータが、情報記憶サーバ50に記憶されるように通信部440を制御する。より詳細に、記憶制御部423は、第2のデータ取得部422から与えられたデータ、及び、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから取得したデータを、通信部440を介して情報記憶サーバ50に送信する。
【0156】
例えば、記憶制御部423は、情報記憶サーバ50に対するデータの送信を、MQTTやHTTPなど通信プロトコルに基づいて行ってもよい。
【0157】
記憶制御部423がMQTTプロトコルに基づいて情報記憶サーバ50にデータを送信する態様では、情報記憶サーバ50が、MQTTプロトコルに基づいて通信サーバ40(記憶制御部423)とデータのやりとりをするサーバ(MQTTサーバ)として機能し、記憶制御部423は、情報記憶サーバ50に対するクライアント(MQTTクライアント)として機能する。
【0158】
記憶制御部423がHTTPプロトコルに基づいて情報記憶サーバ50にデータを送信する態様では、情報記憶サーバ50が、HTTPプロトコルに基づいて通信サーバ40(記憶制御部423)とデータのやりとりをするサーバ(HTTPサーバ)として機能し、記憶制御部423は、情報記憶サーバ50に対するクライアント(HTTPクライアント)として機能する。
【0159】
なお、記憶制御部423は、情報記憶サーバ50に記憶されるように制御する際、各種データ(例えばセンシング日時(年月日時秒)や送信日時(年月日時秒)など)に基づいて整列(例えば昇順や降順などに整理)されたデータが情報記憶サーバ50に記憶されるよう制御してもよい。
【0160】
このように、本発明の実施形態に係るデータ収集システム1によれば、複数のセンサ装置それぞれが通信に用いるプロトコルが互いに異なる場合であっても、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集することが可能である。これによって、複数のセンサ装置それぞれがセンシングを行う対象である構造物や設備が多岐にわたる場合であっても、多岐にわたる構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握することが容易になるため、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0161】
なお、記憶制御部423は、第2のデータ取得部422から与えられたデータ、及び、第1のセンサ装置10Aから取得したデータが編集されずに、情報記憶サーバ50に記憶されるように通信部440を制御する場合を主に想定した。
【0162】
しかし、記憶制御部423は、第2のデータ取得部422から与えられたデータを編集してから、編集後のデータが情報記憶サーバ50に記憶されるように通信部440を制御してもよい。同様に、記憶制御部423は、第1のセンサ装置10Aから取得したデータを編集してから、編集後のデータが情報記憶サーバ50に記憶されるように通信部440を制御してもよい。
【0163】
一例として、第2のデータ取得部422から与えられたデータに、センシング日時が含まれない場合もあり得る。そこで、記憶制御部423は、第2のデータ取得部422から与えられたデータにセンシング日時が含まれるか否かを判定し、第2のデータ取得部422から与えられたデータにセンシング日時が含まれないと判定した場合には、第2のデータ取得部422から与えられたデータに、通信サーバ40の計時回路等から取得される時刻情報を含めてもよい。
【0164】
同様に、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから取得したデータに、センシング日時が含まれない場合もあり得る。そこで、記憶制御部423は、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから取得したデータにセンシング日時が含まれるか否かを判定し、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから取得したデータにセンシング日時が含まれないと判定した場合には、第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aから取得したデータに、通信サーバ40の計時回路等から取得される時刻情報を含めてもよい。
【0165】
このように、通信サーバ40において時刻情報が補完されることによって、センシングデータに時刻情報がより確実に付加されるようになる。したがって、センシングデータが時系列データとして情報記憶サーバ50におけるデータベース531に登録されなくなってしまう可能性を低減することが可能となる。換言すると、センシングデータがより確実に時系列データとして情報記憶サーバ50におけるデータベース531に登録されるようになる。
【0166】
[1-4.情報記憶サーバの機能詳細]
続いて、情報記憶サーバ50の機能詳細について説明する。情報記憶サーバ50において、通信部540は、通信サーバ40から送信されたデータを受信する。通信サーバ40から送信されたデータには、第1のセンサ装置10Aによって得られたデータ、第2のセンサ装置10Bによって得られたデータが含まれる。そして、制御部520は、通信部540によって受信されたデータをデータベース531に登録する。
【0167】
図16は、データベース531に登録されるデータの例を示す図である。
図16を参照すると、データベース531に登録されるデータの例が示されている。データベース531に登録されるデータには、第1のセンサ装置10Aによって得られたデータと、第2のセンサ装置10Bによって得られたデータとが含まれている。これらのデータは、時系列データであり、センシングデータに対応付けられた時刻情報を主キーとしてデータベース531に登録される。
【0168】
[1-5.分析サーバの機能詳細]
続いて、分析サーバ60の機能詳細について説明する。分析サーバ60において、分析部621は、情報記憶サーバ50におけるデータベース531に登録されたデータを、通信部640を介して取得する。このとき、当該データは分析のための前処理が施されてもよい。例えば、データにおける管理番号が分析に不要である場合、通信部640を介して管理番号の属性を削除したデータを取得してもよく、通信部640を介してデータを取得した後に当該データにおける管理番号の属性を削除してもよい。そして、分析部621は、取得したデータに基づいて分析を行うことにより、分析結果を得る。分析部621は、通信部640を介して分析結果を情報提供サーバ70に送信する。分析部621による分析の種類には、様々な種類が想定される。
【0169】
ここでは、一例として、センサ装置10によって河川の水位が計測される場合に、分析部621によって、その河川の水位に対する分析が行われる場合を想定する。
図17を参照しながら、分析部621によって行われる河川の水位に対する分析について説明する。
図17は、分析部621によって行われる河川の水位に対する分析結果の表示例を示す図である。
【0170】
図17を参照すると、分析結果の例としての分析結果G11が示されている。分析結果G11には、センサ装置10による水位の「計測値」の変化が時系列に沿って示されている。また、センサ装置10による現在の水位の計測値が「1.6m」として示されている。
【0171】
さらに、分析結果G11には、あらかじめ定められた閾値である「注意値」が示されている。分析部621は、計測値が注意値を上回るか否かを判定し、計測値が注意値を上回ると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて計測値が注意値を上回りそうか否かを判定し、計測値が注意値を上回りそうであると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、計測値(水位)と降雨量とを入力として予測計測値(予測水位)を出力し、予測計測値(予測水位)が注意値を上回る場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。なお、機械学習の手法として、ディープラーニングに限らず、人工ニューラルネットワークやランダムフォレストや勾配ブースティング木といった種々の手法を用いてもよい。
【0172】
また、分析結果G11には、あらかじめ定められた閾値である「危険値」が示されている。分析部621は、計測値が危険値を上回るか否かを判定し、計測値が危険値を上回ると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて計測値が危険値を上回りそうか否かを判定し、計測値が危険値を上回りそうであると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、計測値(水位)と降雨量とを入力として予測計測値(予測水位)を出力し、予測計測値(予測水位)が危険値を上回る場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。
【0173】
続いて、他の一例として、センサ装置10によって橋梁の傾斜角が計測される場合に、分析部621によって、その橋梁の傾斜角に対する分析が行われる場合を想定する。
図18を参照しながら、分析部621によって行われる橋梁の傾斜角に対する分析について説明する。
図18は、分析部621によって行われる橋梁の傾斜角に対する分析結果の表示例を示す図である。
【0174】
図18を参照すると、分析結果の例としての分析結果G12が示されている。分析結果G12には、センサ装置10による橋梁の橋軸方向における傾斜角の「計測値」の変化が時系列に沿って示されている。また、センサ装置10による現在の橋梁の橋軸方向における傾斜角の計測値が「0.03度」として示されている。
【0175】
さらに、分析結果G12には、あらかじめ定められた閾値である上側の「注意値」と下側の「注意値」が示されている。分析部621は、計測値が上側の注意値を上回るか否かを判定し、計測値が上側の注意値を上回ると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、計測値が下側の注意値を下回るか否かを判定し、計測値が下側の注意値を下回ると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて計測値が注意値を上回りそうか否かを判定し、計測値が注意値を上回りそうであると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、計測値(傾斜角)と橋を通っている車両の総重量とを入力として予測計測値(予測傾斜角)を出力し、予測計測値(予測傾斜角)が注意値を上回る場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。
【0176】
また、分析結果G12には、あらかじめ定められた閾値である上側の「危険値」が示されている。分析部621は、計測値が上側の危険値を上回るか否かを判定し、計測値が上側の危険値を上回ると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、計測値が下側の危険値を下回るか否かを判定し、計測値が下側の危険値を下回ると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて計測値が危険値を上回りそうか否かを判定し、計測値が危険値を上回りそうであると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、計測値(傾斜角)と橋を通っている車両の総重量とを入力として予測計測値(予測傾斜角)を出力し、予測計測値(予測傾斜角)が危険値を上回る場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。
【0177】
さらに、
図18を参照すると、分析結果の例としての分析結果G13が示されている。分析結果G13には、センサ装置10による橋梁の橋軸に対する直角方向における傾斜角の「計測値」の変化が時系列に沿って示されている。また、センサ装置10による現在の橋梁の橋軸に対する直角方向における傾斜角の計測値が「-0.02度」として示されている。
【0178】
さらに、分析結果G13には、あらかじめ定められた閾値である上側の「注意値」と下側の「注意値」が示されている。分析部621は、計測値が上側の注意値を上回るか否かを判定し、計測値が上側の注意値を上回ると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、計測値が下側の注意値を下回るか否かを判定し、計測値が下側の注意値を下回ると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて計測値が注意値を上回りそうか否かを判定し、計測値が注意値を上回りそうであると判定した場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、計測値(傾斜角)と橋を通っている車両の総重量とを入力として予測計測値(予測傾斜角)を出力し、予測計測値(予測傾斜角)が注意値を上回る場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。
【0179】
また、分析結果G13には、あらかじめ定められた閾値である上側の「危険値」が示されている。分析部621は、計測値が上側の危険値を上回るか否かを判定し、計測値が上側の危険値を上回ると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、計測値が下側の危険値を下回るか否かを判定し、計測値が下側の危険値を下回ると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて計測値が危険値を上回りそうか否かを判定し、計測値が危険値を上回りそうであると判定した場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、計測値(傾斜角)と橋を通っている車両の総重量とを入力として予測計測値(予測傾斜角)を出力し、予測計測値(予測傾斜角)が危険値を上回る場合には、危険を示す情報も分析結果に含めてもよい。
【0180】
さらに、他の一例として、センサ装置10によって橋梁の加速度が計測される場合に、分析部621によって、その加速度に対する分析が行われることによって、橋梁の斜材の張力が推定される場合を想定する。
図19を参照しながら、分析部621によって行われる橋梁の加速度に対する分析について説明する。
図19は、分析部621によって行われる橋梁の加速度に対する分析結果の表示例を示す図である。
【0181】
図19を参照すると、分析結果の例としての分析結果G14が示されている。分析結果G14には、センサ装置10による橋梁の加速度の計測値から振動周波数が算出され、振動周波数に基づいて推定された「張力推定値」の変化が時系列に沿って示されている。また、分析結果G14には、張力推定値の「初期値」、張力推定値の変化から算出される「張力移動平均」が示されている。
【0182】
さらに、分析結果G14には、張力推定値に対して所定の倍率がそれぞれ乗じられた上側閾値及び下側閾値が示されている。ここでは、上側閾値として、初期値×(+5%)が設定され、下側閾値として、初期値×(-5%)が設定されている。
【0183】
分析部621は、張力推定値が上側閾値を上回るか否かを判定し、張力推定値が上側閾値を上回ると判定した場合には、異常を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、張力推定値が下側閾値を下回るか否かを判定し、張力推定値が下側閾値を下回ると判定した場合には、異常を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて張力推定値が上側閾値を上回りそうか否かを判定し、張力推定値が上側閾値を上回りそうであると判定した場合には、異常を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、張力推定値と張力推定値の変化量とを入力として予測張力推定値を出力し、予測張力推定値が上側閾値を上回る場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。また、分析部621は、機械学習を用いて張力推定値が下側閾値を下回りそうか否かを判定し、張力推定値が下側閾値を下回りそうであると判定した場合には、異常を示す情報も分析結果に含めてもよい。例えば、分析部621は、機械学習の一手法であるディープラーニングを用いて、張力推定値と張力推定値の変化量とを入力として予測張力推定値を出力し、予測張力推定値が下側閾値を下回る場合には、注意を示す情報も分析結果に含めてもよい。
【0184】
[1-6.情報提供サーバによる分析結果の提供]
情報提供サーバ70において、通信部740が、分析結果を受信すると、提供部721は、通信部740から分析結果を取得する。そして、提供部721は、取得した分析結果を、通信部740を介して端末80に提供する。端末80においては、通信部840によって分析結果が受信され、表示部850によって分析結果が表示される。これによって、利用者によって分析結果が視認され得る。
【0185】
分析結果の例として、分析結果G11(
図17)、分析結果G12(
図18)、分析結果G13(
図18)、分析結果G14(
図19)などが表示され得る。なお、分析結果には、データベース531から取得したデータが付加されていてもよい。このとき、表示部850によって、分析結果とともに、データベース531から取得したデータが表示されてもよい。
【0186】
その他、センサ装置10のカメラによって撮像された画像(静止画や動画など)が分析結果に付加されている場合には、分析結果に付加された画像が表示部850によって表示されてもよい。このとき、表示部850によって表示される画像は、センサ装置10のカメラによって撮像された画像そのものであってもよいし、センサ装置10のカメラによって撮像された画像に対して、分析部621によって所定の処理(例えば、超解像処理など)が施された画像であってもよい。ここで、所定の処理の一例としての超解像処理には、例えば、畳み込みニューラルネットワークCNN(Convolutional Neural Network)を用いて超解像処理を行うSCRNN(Super-Resolution Convolutional Neural Network)が用いられてもよい。また、CNNのモデルのひとつであるResNet(Residual Network)を用いて超解像処理を行うSRResNetが用いられてもよい。また、SCRNN、ResNet、SRResNetはそれぞれ組み合わせてもよい。
【0187】
例えば、センサ装置10のカメラによって撮像された画像に対して、分析部621によって、超解像処理、人物認識処理、マスク処理が行われることで、画像を見やすくすると共に画像に含まれる人物の領域をマスクすることができる。こうすると、センサ装置10のカメラの撮像領域(センサ装置10のセンシング領域、センシング領域の周辺領域、センシング領域から離れた遠方の領域など)に入り込み、撮像された画像に映り込んだ人物のプライバシーを保護することができる。
【0188】
その他、センサ装置10のマイクによって集音された音が分析結果に付加されている場合には、分析結果に付加された音が、端末80が有する図示しないスピーカによって再生されてもよい。このとき、端末80が有する図示しないスピーカによって再生される音は、センサ装置10のマイクによって集音された音そのものであってもよいし、センサ装置10のマイクによって集音された音に対して、分析部621によって所定の処理(例えば、音声強調処理など)が施された音声であってもよい。
【0189】
例えば、センサ装置10のマイクによって集音された音に対して、分析部621によって、音声協調処理、音声認識処理、テキスト化処理が行われることで、音を聞きやすくすると共に音のテキスト化(文字化)ができる。こうすると、センサ装置10のマイクの集音領域(センサ装置10のセンシング領域、センシング領域の周辺領域、センシング領域から離れた遠方の領域など)の音を見える化し認識しやすくすることできる。
【0190】
提供部721による端末80への分析結果の提供手法としては、種々の手法が想定され得る。一例として、提供部721は、分析結果の所在を示すURLの文字列を本文に含む通知メールが端末80に送信されるように通信部740を制御してもよい。また、通知メール(HTML電子メール)によって通知される場合、提供部721は、分析結果の所在を示すURLに対応する文字や画像などを本文に含む通知メールが端末80に送信されるように通信部740を制御すればよい。
【0191】
このとき、端末80において、制御部820は、通信部840によって通知メールが受信されると、表示部850によって通知メールが表示されるように表示部850を制御する。なお、端末80(制御部820)は、通知メールを受信すると、自動的に通知メールを表示するよう制御するものであってもよいし、利用者の操作に応じて通知メールを表示するよう制御するものであってもよい。
【0192】
利用者は、分析結果を確認したいと考えたタイミングで、URLの選択操作を操作部810に対して行う。なお、分析結果の所在を示すURLが分析結果の所在を示すURLに対応する文字や画像などであると、利用者は、分析結果を確認したいと考えたタイミングで、URLに対応する文字や画像などの選択操作を操作部810に対して行う。
【0193】
操作部810によってURLの選択操作(URLに対応する文字や画像などの選択操作)が受け付けられると、制御部820は、URL(URLに対応する文字や画像など)に対応するデータ送信要求が情報提供サーバ70に送信されるように通信部840を制御する。例えば、制御部820は、データ送信要求(HTTPメッセージ)として、リクエスト行にGETメソッド(文字「GET」)およびURLが含まれるHTTPのGETリクエストが情報提供サーバ70に送信されるように通信部840を制御する。
【0194】
情報提供サーバ70において、通信部740によって、端末80からURLに対応するデータ送信要求が受信されると、提供部721は、通信部740からURLに対応するデータ送信要求を取得する。そして、提供部721は、URLに対応する分析結果を取得する。提供部721は、分析結果が端末80に送信されるように通信部740を制御する。例えば、提供部721は、HTTPのGETリクエストに対する応答として、分析結果を含むHTTPレスポンスが端末80に返信されるように通信部740を制御する。
【0195】
[2.ハードウェア構成例]
続いて、本発明の実施形態に係る通信サーバ40のハードウェア構成例について説明する。ただし、本発明の実施形態に係るゲートウェイ装置30、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のハードウェア構成例も同様に実現され得る。
【0196】
以下では、本発明の実施形態に係る通信サーバ40のハードウェア構成例として、情報処理装置900のハードウェア構成例について説明する。なお、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成例は、通信サーバ40のハードウェア構成の一例に過ぎない。したがって、通信サーバ40のハードウェア構成は、以下に説明する情報処理装置900のハードウェア構成から不要な構成が削除されてもよいし、新たな構成が追加されてもよい。
【0197】
図20は、本発明の実施形態に係る通信サーバ40の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0198】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一時記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0199】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0200】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。情報処理装置900を操作するユーザは、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0201】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプなどの表示装置およびスピーカなどの音声出力装置を含む。
【0202】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0203】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0204】
[3.まとめ]
以上に説明したように、本発明の実施形態によれば、第1の通信規格に基づいて第1のデータを取得する第1のデータ取得部421と、第2の通信規格に基づいて第2のデータを取得し、前記第1の通信規格に基づいて前記第2のデータを前記第1のデータ取得部421に与える第2のデータ取得部422と、前記第1の通信規格に基づいて取得された前記第1のデータと前記第1の通信規格に基づいて与えられた前記第2のデータとが記憶されるように制御する記憶制御部423と、を備える、データ収集システム1が提供される。
【0205】
かかる構成によれば、複数のセンサ装置それぞれが通信に用いるプロトコルが互いに異なる場合であっても、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集することが可能である。これによって、複数のセンサ装置それぞれがセンシングを行う対象である構造物や設備が多岐にわたる場合であっても、多岐にわたる構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握することが容易になるため、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0206】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0207】
[4.他の実施形態]
[4-1.第2のデータ取得部422の配置]
上記では、第2のデータ取得部422が、通信サーバ40に備えられる態様について主に説明した。しかし、第2のデータ取得部422は、第2のセンサ装置10Bから第1のデータ取得部421に到るまでのいずれかの場所に設けられればよい。これによって、種々の通信プロトコルによるセンシングデータの伝送を第1のデータ取得部421(例えば、MQTTブローカ)に収集することができる。例えば、第2のデータ取得部422は、第2のセンサ装置10Bに備えられてもよいし、第2のゲートウェイ装置30Bに備えられてもよいし、第2のセンサ装置10Bと第2のゲートウェイ装置30Bとの通信を中継する、図示しない中継装置に備えられてもよい。
【0208】
この場合、通信サーバ40、基地局34、上位ネットワーク36や広域無線ネットワーク32に配されるサーバ(図示せず)のいずれかから、第2のデータ取得部422に係わるプログラムが配信されることで、第2のセンサ装置10B、第2のゲートウェイ装置30B、第2のセンサ装置10Bと第2のゲートウェイ装置30Bとの通信を中継する中継装置(図示せず)のいずれかが第2のデータ取得部422を備えるようにしてもよい。
【0209】
この場合、第2のセンサ装置10B、第2のゲートウェイ装置30B、第2のセンサ装置10Bと第2のゲートウェイ装置30Bとの通信を中継する中継装置(図示せず)のいずれかが、第1のデータ取得部421が用いる通信規格(第1の通信規格)によるデータ送信に対応するか否か識別し、対応しないと識別すると、第2のデータ取得部422に係わるプログラムを配信する通信サーバ40、基地局34、上位ネットワーク36や広域無線ネットワーク32に配されるサーバ(図示せず)のいずれかに対し、第2のデータ取得部422に係わるプログラムの配信を要求するようにしてもよい。
【0210】
この場合、第1のデータ取得部421が用いる通信規格(第1の通信規格)によるデータ送信に対応するか否かの識別は、自装置において、第1のデータ取得部421に係るプログラム、プログラムに係る設定ファイルおよびまたは設定ファイル内の所定記述の有無により識別(有りの場合は「対応する」と識別し無しの場合は「対応しない」と識別)してもよい。
【0211】
また、第2のデータ取得部422が、第2のセンサ装置10B、第2のゲートウェイ装置30B、第2のセンサ装置10Bと第2のゲートウェイ装置30Bとの通信を中継する中継装置(図示せず)に、予め備えられてもよい。
【0212】
[4-2.第1の通信規格および第2の通信規格の態様]
上記では、第1のセンサ装置10Aによるデータ送信には、第1の通信規格が用いられるが、第2のセンサ装置10Bによるデータ送信には、第1の通信規格とは異なる第2の通信規格が用いられるとし、第1の通信規格の例として、パブリッシュ/サブスクライブ型の通信プロトコル(MQTTプロトコル)第2の通信規格の例として、クライアント/サーバ型の通信プロトコル(TCPプロトコル)が用いられると説明した。しかし、複数のセンサ装置それぞれが通信に用いるプロトコルが互いに異なる観点からすると、第1の通信規格と第2の通信規格とが異なっていればよい。
【0213】
例えば、第1の通信規格は、センシングデータやコマンドに係るメッセージを主に扱うIoT(Internet of Things)向け通信プロトコルであるMQTT、MQTT-SN(MQTT for Sensor Networks)、CoAP(Constrained Application Protocol)、QUIC(Quick UDP Internet Connections)、Kafka、REST(Representational State Transfer)、AMQP(Advanced Message Queuing Protocol)、XMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)、WebSocket、NATS/NATS Messaging、MapR/MapR Streamsなどであってもよい。
【0214】
第2の通信規格は第1の通信規格と異なるため、例えば第1の通信規格がMQTTである場合、第2の通信規格は、MQTT-NS、CoAP、QUIC、Kafka、REST、AMQP、XMPP、WebSocket、NATS/NATS Messaging、MapR/MapR Streams、FTP、SSH、SMTP、SNMP、HTTPなどであってもよい。
【0215】
[4-3.データの抽出]
上述では、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(第1のデータ処理部4223)が、送信されたデータ(パケット)に含まれる各種データ(センサ装置10によるセンシングが行われた日時であるセンシング日時(年月日時秒)、センサ装置10によるセンシングによって得られたデータであるセンシングデータ、識別符号、データ種別、バージョン番号、送信番号、観測局ID、送信日時(年月日時秒)、管理番号、起動種別などの各種情報)を抽出することを説明した。ここで、抽出するべき各種データがあらかじめ決められてもよいし、利用者によって選択されることが可能であってもよい。
【0216】
利用者によって抽出するべき各種データが選択される場合、情報提供サーバ70は、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422にて抽出可能な各種データを示す情報を端末80に送信する。そして、端末80は、情報提供サーバ70から送信された、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報を表示する。
【0217】
一例として、情報提供サーバ70は、端末80において表示されているWebブラウザに対して、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報の表示を制御する。そして、端末80は、かかる制御に従って、Webブラウザに、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報を表示する。
【0218】
例えば、端末80において、表示部850は、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報を表示する。端末80における第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報の表示は、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報として、センサ装置10によるセンシングが行われた日時であるセンシング日時(年月日時秒)、センサ装置10によるセンシングによって得られたデータであるセンシングデータ、識別符号、データ種別、バージョン番号、送信番号、観測局ID、送信日時(年月日時秒)、管理番号、起動種別などの各種情報を含んでいる。
【0219】
なお、端末80における第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報の表示は、第1のデータ取得部421に係わる表示(第1のセンサ装置10Aによるセンシングが行われた日時であるセンシング日時(年月日時秒)、第1のセンサ装置10Aによるセンシングによって得られたデータであるセンシングデータ、識別符号、データ種別、バージョン番号、送信番号、観測局ID、送信日時(年月日時秒)、管理番号、起動種別などの各種情報)と、第2のデータ取得部422に係わる表示(第2のセンサ装置10Bによるセンシングが行われた日時であるセンシング日時(年月日時秒)、第2のセンサ装置10Bによるセンシングによって得られたデータであるセンシングデータ、識別符号、データ種別、バージョン番号、送信番号、観測局ID、送信日時(年月日時秒)、管理番号、起動種別などの各種情報)を、別々に分けた表示であってもよい。
【0220】
利用者は、操作部810に対して第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422が抽出可能な各種データを示す情報の表示から第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422に抽出対象となる各種データを選択する操作を入力する。制御部820は、操作部810に対して入力された操作に基づいて、利用者によって選択された抽出対象となる各種データを示す情報を、通信部840を介して情報提供サーバ70に送信する。情報提供サーバ70は、利用者によって選択された抽出対象となる各種データを示す情報を通信サーバ40に送信する。
【0221】
通信サーバ40において、CPUは、情報提供サーバ70から送信された利用者によって選択された抽出対象となる各種データを第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(第1のデータ処理部4223)に設定する。
【0222】
また、上述では、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(第1のデータ処理部4223)が、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記された、センサ装置10から送信されたデータ(各種データ)を抽出・変換(加工)してもよいことを説明した。ここで、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(第1のデータ処理部4223)が、抽出・変換(加工)に際し、識別子を用いて各種データを特定してもよい。
【0223】
この場合、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422は、各種データに係わる識別子を、例えば、「センシング日時(年月日時秒)」に係わる識別子「S_DATE」、「センシングデータ」に係わる識別子「S_DATA」、「識別符号」に係わる識別子「S_SF」、「データ種別」に係わる識別子「S_DS」、「バージョン番号」に係わる識別子「S_VER」、「送信番号」に係わる識別子「S_SB」、「観測局ID」に係わる識別子「S_ID」、「送信日時(年月日時秒)」に係わる識別子「S_SN」、「管理番号」に係わる識別子「S_KB」、「起動種別」に係わる識別子「S_KS」として有してもよい。
【0224】
例えば、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422は、抽出・変換(加工)に際し、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記されたセンサ装置10から送信されたデータ(各種データ)を、各種データに係わる識別子で参照し抽出する。
【0225】
なお、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422は、各種データに係わる識別子を用いて、JSON、CSV、YAML、XML、HTML、SGMLなどの形式で記されたデータ(各種データ)を参照する際、データの形式に応じて識別子を変形(例えば識別子「S_DATE」を「S_DATE=」や「S_DATE:」と変形)させてもよい。
【0226】
[4.4.日時・時刻の認識・計測・設定]
上記では、センサ装置10、ゲートウェイ装置30、通信サーバ40は計時回路(図示せず)により、現在の日付や時刻を認識することや、所定の時点からの経過時間を計測すること等ができると説明した。しかし、センサ装置10(制御部120)、ゲートウェイ装置30(制御部320)および通信サーバ40(記憶制御部423)は、計時回路と同様の機能を発揮するプログラムを実行することで計時手段を形成し、計時手段により、現在の日付や時刻を認識することや、所定の時点からの経過時間を計測してもよい。
【0227】
また、センサ装置10、ゲートウェイ装置30、通信サーバ40は、NITZ(Network Identity and Time Zone)またはNTP(Network Time Protocol)の少なくともいずれかの通信プロトコルに基づき、時刻情報の取得および設定(計時回路や計時手段の校正)を行ってもよい。ここで、NITZは、基地局34経由で提供される現在時刻やタイムゾーン等の情報に基づき設定すべき時刻情報の取得を行えるものであり、NTPは、上位ネットワーク36やインターネット(図示せず)に配されたNTPサーバ(図示せず)から取得する時刻値に基づき中継装置20に設定すべき時刻情報の取得を行えるものである。
【0228】
ゲートウェイ装置30がNITZに対応して時刻情報の取得および設定を行う場合、広域無線ネットワーク32に接続することで、地局34経由で提供される現在時刻やタイムゾーン等の情報に基づき設定すべき時刻情報を取得し設定する。
【0229】
この場合、ゲートウェイ装置30が広域無線ネットワーク32においてハンドオーバした際に時刻情報の取得を行ってもよい。
【0230】
センサ装置10、ゲートウェイ装置30、通信サーバ40がNTPに対応して時刻情報の取得および設定を行う場合、上位ネットワーク36やインターネット(図示せず)に配されたNTPサーバ(図示せず)から取得する時刻値に基づき設定すべき時刻情報を取得し設定する。
【0231】
この場合、センサ装置10、ゲートウェイ装置30、通信サーバ40が所定間隔(例えば1024秒経過ごと)で、またはランダム間隔で、時刻情報の取得を行ってもよい。
【0232】
また、ゲートウェイ装置30が、NITZまたはNTPに対応して取得・設定した時刻情報を、狭域無線ネットワーク12を介してセンサ装置10に配信するようにしてもよい。
【0233】
[4-5.プログラムの態様]
上記では、データ収集システム1に係るプログラムの実行について説明した。ここで、プログラムは、コンパイル型であってもよいしインタープリタ型であってもよい。
【0234】
プログラムがインタープリタ型である場合、プログラムを実行するセンサ装置10、ゲートウェイ装置30、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70、端末80、センサ装置10とゲートウェイ装置30との通信を中継する中継装置(図示せず)のそれぞれは、プログラムの実行環境(ソースコードを機械語に翻訳する手段)を有する。
【0235】
例えば、第2のデータ取得部422に係わるJavaプログラム(Javaスクリプト)が通信サーバ40に備えられる態様では、通信サーバ40は、Java実行環境(Java Virtual Machine)を有し、Java実行環境に基づきJavaプログラムを実行することで第2のデータ取得部422を自装置内に形成する。
【0236】
例えば、第2のデータ取得部422に係わるPythonプログラム(Pythonスクリプト)が通信サーバ40に備えられる態様では、通信サーバ40は、Python実行環境(Python Virtual Machine)を有し、Python実行環境に基づきPythonプログラムを実行することで第2のデータ取得部422を自装置内に形成する。
【0237】
また、通信サーバ40、基地局34、上位ネットワーク36や広域無線ネットワーク32に配されるサーバ(図示せず)のいずれかから、第2のデータ取得部422に係わるプログラムが配信されることで、第2のセンサ装置10B、第2のゲートウェイ装置30B、第2のセンサ装置10Bと第2のゲートウェイ装置30Bとの通信を中継する中継装置(図示せず)のいずれかが第2のデータ取得部422を備えられる態様では、第2のデータ取得部422に係わるプログラムに加えてプログラムの実行環境も配信されてもよい。
【0238】
[4-6.電源の態様]
上記では、センサ装置10やゲートウェイ装置30は、太陽光発電パネルを有し、この太陽光発電パネルにより発電された電力により動作してもよいと説明した。しかし、太陽光発電に限られず、例えば、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマス等、いわゆる自然エネルギーを利用した種々の発電装置や、これらを適宜組み合わせたものを電源に設けてもよい。
【0239】
また、センサ装置10やゲートウェイ装置30は、太陽光発電パネルにより発電された電力により電池・バッテリ(図示せず)を充電すると共に動作してもよい。こうすると、センサ装置10やゲートウェイ装置30は、昼間は太陽光発電により発電された電力で動作し、夜間は電池・バッテリに蓄電された電力で動作することができる。
【0240】
[4-7.ハードウェアの構成例]
上記では、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のハードウェアの例として、物理的なハードウェアとして情報処理装置900(
図20)を説明した。しかし、情報処理装置900(
図20)は、例えばコンピュータ上にソフトウェアで形成されたCPU、ROM、RAM、ホストバス、ブリッジ、外部バス、インタフェース、入力装置、出力装置、ストレージ装置、通信装置を含む仮想コンピュータ(VM:Virtual Machine)であってもよい。
【0241】
例えば、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のそれぞれが、物理的なコンピュータ内に配された仮想コンピュータやHaaS/IaaS(Hardware/Infrastructure as a Service)で提供される仮想コンピュータにより形成された複数の情報処理装置900であってもよい。
【0242】
ここで、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のそれぞれが、一つの物理的なコンピュータ内に配された複数の仮想コンピュータにより形成された情報処理装置900である場合、一つの物理的なコンピュータ内に形成された仮想ネットワークを介して互いにやりとりしてもよい。
【0243】
ここで、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のそれぞれが、HaaS/IaaSで提供される複数の仮想コンピュータにより形成された情報処理装置900である場合、一つのHaaS/IaaS内に形成された仮想ネットワークを介して互いにやりとりしてもよい。
【0244】
なお、仮想ネットワークを介してやりとりする場合、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のそれぞれが、仮想ネットワークに接続するための仮想ネットワークインタフェースを有してもよい。そして、通信サーバ40、情報記憶サーバ50、分析サーバ60、情報提供サーバ70のそれぞれが、互いにやりとりする場合には仮想ネットワークインタフェースを介してやりとりし、上位ネットワーク36を介するやりとりの場合には通信装置を介してしてやりとりしてもよい。
【0245】
[4-8.データ取得に係るアドレス]
上記では、設定情報431(
図11、
図14)に含まれるデータに基づいた、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)に係る制御・動作を説明した。しかし、第1のデータ取得部421を含むサーバ(通信サーバ40)に係るネットワークアドレス(
図11、
図14の「アドレス1」)は、異なっていてもよい。
【0246】
例えば、第1のデータ取得部421と第2のデータ取得部422とが同じサーバ(通信サーバ40)に含まれる態様では、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)が利用する「アドレス1」(
図11、
図14の上から3段目の「アドレス1」)が、ループバックアドレス(ループバック用のネットワークアドレス)であってもよい。例えば、IPv4におけるループバックアドレスは「127.0.0.0」となり、IPv6におけるループバックアドレスは「::1」となる。
【0247】
例えば、第1のデータ取得部421と第2のデータ取得部422とが同じサーバ(通信サーバ40)に含まれる態様では、第2のデータ取得部422(第2のデータ処理部4225)が利用する「アドレス1」(
図11、
図14の上から3段目の「アドレス1」)が、ループバックアドレス(ループバック用のネットワークアドレス)であってもよい。例えば、IPv4におけるループバックアドレスは「127.0.0.0」となり、IPv6におけるループバックアドレスは「::1」となる。
【0248】
[4-9.データ取得に係るセッションの維持・切断]
上記では、第1のデータ取得部421が第1のゲートウェイ装置30Aや第1のセンサ装置10Aからのデータの送信が終了すると確立したコネクションを切断し、第2のデータ取得部422(通信制御部4221)が第2のゲートウェイ装置30Bや第2のセンサ装置10Bからのデータの送信が終了すると確立したコネクションを切断する、と説明した。しかし、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(通信制御部4221)は、確立したコネクションを維持してもよい。
【0249】
この場合、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(通信制御部4221)は、確立したコネクションにおいて、所定の間(時間)、データやメッセージのやりとりがないと、確立したコネクション(確立し維持しているコネクション)を切断してもよい。
【0250】
この場合、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(通信制御部4221)は、データの送信元との間で、定期的なメッセージ(確立したコネクションの維持に係るキープアライブメッセージ)をやりとりしてもよい。そして、第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422(通信制御部4221)は、メッセージのやりとりに失敗すると、確立したコネクション(確立し維持しているコネクション)を切断してもよい。
【0251】
[4-10.センサ装置10の配置]
上記では、独立した一つの装置として配されたセンサ装置10が、狭域無線ネットワークや広域無線ネットワークに接続しデータ送信する態様について主に説明した。しかし、センサ装置10は、通信機能を有するパソコン(PC:Personal Computer)、サーバ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機・スマートフォン、固定電話機、オーディオプレーヤ、プリンタ、スキャナ、デジタルカメラ、テレビ、ゲーム機、自動販売機などの他の装置に接続(内蔵や外付け)されてもよい。
【0252】
この場合、センサ装置10は、他の装置にセンシングデータを与え、他の装置の通信機能によってセンシングデータが第1のデータ取得部421や第2のデータ取得部422に収集されるようにしてもよい。センサ装置10と他の装置との間は内部バス、外部バス、シリアルバス、パラレルバス、Bluetoothなどの接続手段で接続され、センシングデータがやりとりされるようにしてもよい。
【0253】
また、センサ装置10は、他の装置から給電され、動作してもよい。
【0254】
[4-11.端末への通知]
上記では、分析結果の提供手法として、通知メール(HTML電子メール)による端末80へ通知を説明した。ここで、端末80に対する通知メールは種々のタイミングで送信してもよい。
【0255】
例えば、分析サーバ60(分析部621)が、取得したデータに基づいて分析を行い、分析結果(
図17、
図18、
図19)を得たタイミングで端末80に対する通知メールが送信されてもよい。例えば、分析サーバ60(分析部621)が、分析結果に至る過程で行う種々の処理・判定を行うごとに(注意値や危険値を超えた場合に)通知メールが送信されてもよい。この場合、分析サーバ60が、分析結果を得たり、分析結果に至る過程で行う種々の処理・判定を行うごとに通知要求を情報提供サーバ70に与え、通知要求を受けた情報提供サーバ70が通知メールの送信を行ってもよい。
【0256】
注意値や危険値を超えた場合に通知メールが送信される場合、同様の通知(警告など)が連続して通知されないようにするための通知メッセージ抑制機能(所定の間・時間同様の通知メールの送信を行わないように制御する機能)が分析サーバ60や情報提供サーバ70に配されてもよい。この場合、通知メッセージ抑制機能による通知メッセージ抑制中であっても、注意値から危険値への遷移である分析を得るような場合は、端末80に対する通知メールが送信されるようにしてもよい。
【0257】
また、通知メールは、例えば、河川の水位に対する分析結果の概要、橋梁の傾斜角に対する分析結果の概要、橋梁の加速度に対する分析結果の概要などの分析結果概要(ダイジェスト情報)を含んでもよい。
【0258】
[4-12.種々の分野におけるデータ収集]
上記では、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、橋梁の加速度、橋梁の傾斜角、河川の水位などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集することで、多岐にわたる構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となることを説明した。これは、インフラ構造物や設備の劣化進行や災害状況を把握したり予測したりするための情報収集に着目した態様であった。しかし、建設分野、金融分野、流通・物流分野、防災分野、ヘルスケア・医療・介護分野、製造分野、海洋分野、交通分野、オフィス分野、家電分野などにおける状況の把握や予測のための情報収集に着目した態様であってもよい。
【0259】
[4-12-1.建設分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、重機(ブルドーザ、ショベルカー、クレーン車など)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、工具(電気ドリル、インパクトドライバー、電動ノコギリなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、建設資材のコンディション(状態・調子、在庫など)、建設対象となる構造物(建設中のビルの躯体など)のコンディション(状態・調子、振動など)、重機や工具や建設資材や建設対象となる構造物の周辺環境のコンディション(温度、湿度、振動、騒音など)、侵入禁止・危険エリアに対する侵入、建設作業の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0260】
こうすることで、建設分野における、多岐にわたるセンシング対象(重機、工具、建設資材、建設対象となる構造物、周辺環境、侵入禁止・危険エリア、建設作業など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0261】
[4-12-2.金融分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、自動化機器(不特定多数の人から利用され物(モノ)を自動的に取り扱うATM(cash matine)(automated teller matine)(automatic teller matine)、自動販売機、自動券売機、キオスク端末など)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、現金処理機(現金の出し入れを管理する機器)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、キャッシュレス決済システム(決済アプリが配されたスマートフォンなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、自動化機器や現金処理機やキャッシュレス決済システムの周辺環境のコンディション(温度、湿度、照度、利用者待ち時間、利用者待ち人数など)、自動化機器や現金処理機やキャッシュレス決済システムにおける取引の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0262】
こうすることで、金融分野における、多岐にわたるセンシング対象(自動化機器、現金処理機、キャッシュレス決済システム、周辺環境など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0263】
[4-12-3.流通・物流分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、輸送手段(トラック、電車、船や飛行機など)のコンディション(状態・調子、操作、動作、位置など)、輸送対象(人、貨物など)のコンディション(状態・調子、重さ、大きさ、個数、輸送料など)、輸送手段や輸送対象の周辺環境のコンディション(温度、湿度、照度など)、輸送作業の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0264】
こうすることで、流通・物流分野における、多岐にわたるセンシング対象(輸送手段、輸送対象、周辺環境、輸送作業など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0265】
[4-12-4.防災分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、消化設備(消火器、消火栓など)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、警報設備(火災報知器、非常警報システムなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、避難設備(避難はしご、誘導灯など)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、消火活動用設備(排煙システム、連結散水システム、水槽、非常用コンセントなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、防火設備(防火シャッター、火扉など)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、消化設備や警報設備や消火活動用設備や防火設備や防火対象物(劇場、遊技場、飲食店、百貨店、旅館など)の周辺環境のコンディション(温度、湿度、煙など)、災害(地震、津波、洪水、土砂崩れ、大雪、火山噴火、竜巻、山火事、雹、熱波、干ばつ、伝染病、停電など)の物理量に関する推定量や発生などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0266】
こうすることで、防災分野における、多岐にわたるセンシング対象(消化設備、警報設備、避難設備、消火活動用設備、防火設備、周辺環境、災害など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0267】
[4-12-5.ヘルスケア・医療・介護分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、見守り設備(ポット、冷蔵庫、トイレなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作、位置など)、睡眠設備(ベッド、マット、布団、ソファー、枕、毛布、など)のコンディション(状態・調子、位置など)、医療機器(聴診器、血液ガス分析装置、X線撮影装置、血圧計、心電計、人工透析器、人工呼吸器、ペースメーカ、血糖測定器など)のコンディション(状態・調子、計測・測定内容など)、医薬品のコンディション(状態、重さ、大きさ、個数、サイズ、色、成分、使用期限など)、見守り設備や睡眠設備や医療機器や医薬品の周辺環境のコンディション(温度、湿度、照度など)、生体に係わる種々の生理学的・解剖学的情報(体温、血圧、心電、心音、身長、体重、腹囲、視力、聴力など)の物理量に関する推定量の検知や発生の検知などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0268】
こうすることで、ヘルスケア・医療・介護分野における、多岐にわたるセンシング対象(見守り設備、睡眠設備、医療機器、医薬品、周辺環境、生体など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0269】
[4-12-6.製造分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、製造設備(3Dプリンタ、プレス機械、めっき装置、繊維機械、包装機械、産業用ロボットなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、原材料のコンディション(状態・調子、在庫など)、製造作業の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0270】
こうすることで、製造分野における、多岐にわたるセンシング対象(製造設備、原材料、製造作業など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0271】
[4-12-7.海洋分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、船舶のコンディション(状態・調子、操作、動作、位置など)、警告・監視手段(ブイ、警告灯、密漁・密猟監視システム、テロ監視システム、侵入検知システムなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、海底資源採取設備(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備など)のコンディション(状態・調子、採取量、採取物成分、生産量、生産物成分、貯蔵量、貯蔵物成分など)、海洋土木設備(海洋掘削システムなど)のコンディション(状態・調子など)、養殖設備(給餌システム、網洗浄機、巡流水槽、活魚水槽、ろ過機など)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、養殖対象(魚介、海藻など)のコンディション(状態・調子、重さ、大きさ、数量など)、船舶や警告・監視手段や海底資源採取設備や海洋土木設備や養殖設備や養殖対象の周辺環境のコンディション(温度、湿度、天候、波高、潮高など)、航行や警告・監視や海底資源採取や海洋土木作業や養殖作業の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0272】
こうすることで、海洋分野における、多岐にわたるセンシング対象(船舶、警告・監視手段、海底資源採取設備、海洋土木設備、養殖設備、養殖対象、周辺環境、航行、警告・監視、海底資源採取、海洋土木作業、養殖作業など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0273】
[4-12-8.交通分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、車(車両、路面電車など)のコンディション(状態・調子、操作、動作、位置など)、高度道路交通システム(VICS(Vehicle Information and Communication System)、ETC(Electronic Toll Collection System)、トンネル非常用システムなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、車や高度道路交通システムの周辺環境のコンディション(温度、湿度、天候など)、走行・運行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0274】
こうすることで、交通分野における、多岐にわたるセンシング対象(車、高度道路交通システム、周辺環境、走行・運行など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0275】
[4-12-9.オフィス分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、電話システム(PBX(Private Branch Exchange)、固定電話機、ソフトフォンなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、コンタクトセンターシステム(CTI(Computer Telephony Integration)システム、CRM(Customer Relationship Management)システムなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、ビデオ会議システム(ビデオ会議サーバ、ビデオ会議端末、スピーカ、マイクなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、プリンタ・スキャナ・複合機のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、会議・会議室予約管理システムのコンディション(状態・調子、操作、動作など)、入退出管理システムのコンディション(状態・調子、操作、動作など)、無人受付システムのコンディション(状態・調子、操作、動作など)、電話システムやコンタクトセンターシステムやビデオ会議システムやプリンタ・スキャナ・複合機や会議・会議室予約管理システムや入退出管理システムや無人受付システムの周辺環境のコンディション(温度、湿度、照度など)、オフィス業務の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0276】
こうすることで、オフィス分野における、多岐にわたるセンシング対象(電話システム、コンタクトセンターシステム、ビデオ会議システム、プリンタ・スキャナ・複合機、会議・会議室予約管理システム、入退出管理システム、無人受付システム、周辺環境、オフィス業務など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【0277】
[4-12-10.家電分野におけるデータ収集の形態の例]
例えば、データ収集システム1において、第1の通信規格でデータ送信する第1のセンサ装置10Aと第1の通信規格とは異なる第2の通信規格でデータ送信する第2のセンサ装置10Bとによって、家電(洗濯機、乾燥機、脱臭機、掃除機、アイロン、ミシン、冷蔵庫・冷凍庫、温蔵庫、ケトル・ポット、食器洗い乾燥機、コーヒーメーカー・エスプレッソマシン、浄水器、ウォーターサーバー・ドリンクサーバー、オーブンレンジ・電子レンジ、炊飯器・精米機、トースター、ホットプレート・グリル鍋、電気圧力鍋・電気煮込み鍋、IH(Induction Heating)調理器・電気コンロ、ホームベーカリー・製麺機、湯沸かし器、サーキュレーター・扇風機、エアコン、空気清浄機、除湿機、加湿器、美顔器、電話機・ファックスなど)のコンディション(状態・調子、操作、動作など)、家電の周辺環境のコンディション(温度、湿度、照度など)、家事の進行などがセンシングされ、複数のセンサ装置それぞれが出力するデータを収集するようにしてもよい。
【0278】
こうすることで、家電分野における、多岐にわたるセンシング対象(家電、周辺環境、家事など)の状況を把握することが容易になり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0279】
1 データ収集システム
10 センサ装置
110 センサ部
12 狭域無線ネットワーク
120 制御部
130 記憶部
140 無線通信部
30 ゲートウェイ装置
32 広域無線ネットワーク
320 制御部
330 記憶部
34 基地局
341 第1の無線通信部
342 第2の無線通信部
36 上位ネットワーク
40 通信サーバ
420 制御部
421 第1のデータ取得部
422 第2のデータ処理部
422 第2のデータ取得部
4221 通信制御部
4222 第2のデータ取得部
4223 第1のデータ処理部
4225 第2のデータ処理部
423 記憶制御部
430 記憶部
440 通信部
50 情報記憶サーバ
520 制御部
530 記憶部
531 データベース
540 通信部
60 分析サーバ
620 制御部
621 分析部
630 記憶部
640 通信部
70 情報提供サーバ
720 制御部
721 提供部
730 記憶部
740 通信部
80 端末
810 操作部
820 制御部
830 記憶部
840 通信部
850 表示部