(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023170613
(43)【公開日】2023-12-01
(54)【発明の名称】コネクタ装置
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20231124BHJP
H01R 13/639 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022082491
(22)【出願日】2022-05-19
(71)【出願人】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139365
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 武雄
(72)【発明者】
【氏名】草加 健太
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA09
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FC07
5E021FC09
5E021FC36
5E021HC33
5E223AB28
5E223AB62
5E223AB64
5E223AB67
5E223AC15
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB25
5E223DB32
5E223EA03
5E223EC72
5E223EC82
(57)【要約】
【課題】プラグとレセプタクルとのロックの強度を高める。
【解決手段】コネクタ装置1はプラグ2およびレセプタクル3を備え、プラグ2は端子10、前後ロック部材21、左右ロック部材41およびハウジング50を備え、レセプタクル3は端子60、前後ロック部材71、左右ロック部材81およびハウジング90を備え、プラグ2において、前後ロック部材21および左右ロック部材41はそれぞれ、ハウジング50の内突部53の外側側面上に配置された内ロック部30、47と、ハウジング50の外突部55の内側側面上に配置された外ロック部31、48とを有し、レセプタクルにおいて、前後ロック部材71および左右ロック部材81はそれぞれ、ハウジング90の外突部94の内側側面上に配置された内ロック部76、85と、ハウジング90の外突部94の外側側面上に配置された外ロック部77、86とを有している。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板に実装される第1コネクタ、および第2基板に実装され、前記第1コネクタと接続される第2コネクタを備えたコネクタ装置であって、
前記第1コネクタは第1端子、第1ロック部材および第1ハウジングを備え、
前記第2コネクタは第2端子、第2ロック部材および第2ハウジングを備え、
前記第1ハウジングは、下面が前記第1基板と対向するように前記第1基板上に載置される第1板部と、前記第1板部から上方に突出し、前記第1板部上の第1内空間の外側を囲む第1内突部と、前記第1板部から上方に突出し、第1外空間を介して前記第1内突部の外側を囲む第1外突部とを有し、
前記第2ハウジングは、下面が前記第2基板と対向するように前記第2基板上に載置される第2板部と、前記第2板部から上方に突出した第2内突部と、前記第2板部から上方に突出し、第2内空間を介して前記第2内突部の外側を囲む第2外突部とを有し、
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続時に、前記第2内突部が前記第1内空間内に入り、前記第1内突部が前記第2内空間内に入り、前記第2外突部が前記第1外空間内に入り、
前記第1端子の一端部は前記第1内突部に配置され、前記第1端子の他端部は前記第1板部の下面上または外側側面上に配置され、
前記第2端子の一端部は前記第2内空間内に配置され、前記第2端子の他端部は前記第2板部の下面上または外側側面上に配置され、
前記第1ロック部材は、前記第1内突部の外側側面上に配置された第1内ロック部と、前記第1外突部の内側側面上に配置された第1外ロック部とを有し、
前記第2ロック部材は、前記第2外突部の内側側面上に配置され、前記第1内ロック部に係止される第2内ロック部と、前記第2外突部の外側側面上に配置され、前記第1外ロック部に係止される第2外ロック部とを有していることを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記第1ロック部材は前記第1ハウジングに保持された金属板により形成され、
前記第1ロック部材は、前記第1外突部の内側側面と前記第1内突部の外側側面との間において前記第1板部の上面上を外側から内側へ伸長した第1外伸長部と、前記第1外伸長部の内側端部から前記第1内突部の外側側面上を上方へ伸長した第1内上昇部と、前記第1外伸長部の外側端部から前記第1外突部の内側側面上を上方へ伸長した第1外上昇部とを有し、
前記第1内ロック部は前記第1内上昇部に設けられ、前記第1外ロック部は前記第1外上昇部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記第1ロック部材は、前記第1外上昇部の上端部から前記第1外突部の上面上または内部を内側から外側へ伸長した第1最外伸長部と、前記第1最外伸長部の外側端部から前記第1外突部の内部を前記第1板部の下面に至るまで下方へ伸長した第1外下降部と、前記第1外下降部の下端部から前記第1板部の下面上を伸長した第1下面伸長部とをさらに有していることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記第2ロック部材は前記第2ハウジングに保持された金属板により形成され、
前記第2ロック部材は、前記第2外突部の上面上を外側から内側へ伸長した第2外伸長部と、前記第2外伸長部の内側端部から前記第2外突部の内側側面上を下方へ伸長した第2内下降部と、前記第2外伸長部の外側端部から前記第2外突部の外側側面上を下方へ伸長した第2外下降部とを有し、
前記第2内ロック部は前記第2内下降部に設けられ、前記第2外ロック部は前記第2外下降部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記第2ロック部材は、前記第2外下降部の下端部から前記第2板部の下面に至るまで伸長した後、前記第2板部の下面上を伸長した第2下面伸長部をさらに有していることを特徴とする請求項4に記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記第1コネクタは複数の前記第1ロック部材を備え、前記複数の第1ロック部材のうちの一の第1ロック部材は、前記第1外空間において前記第1内空間の一側側方に位置する部分に設けられ、前記複数の第1ロック部材のうちの他の第1ロック部材は、前記第1外空間において前記第1内空間の他側側方に位置する部分に設けられ、
前記第2コネクタは複数の前記第2ロック部材を備え、前記複数の第2ロック部材のうちの一の第2ロック部材は、前記第2外突部において前記第2内突部の一側側方に位置する部分に設けられ、前記複数の第2ロック部材のうちの他の第2ロック部材は、前記第2外突部において前記第2内突部の他側側方に位置する部分に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記第1コネクタは複数の前記第1ロック部材を備え、前記複数の第1ロック部材のうちの一の第1ロック部材は、前記第1外空間において左右方向に伸長している部分に設けられ、前記複数の第1ロック部材のうちの他の第1ロック部材は、前記第1外空間において前後方向に伸長している部分に設けられ、
前記第2コネクタは複数の前記第2ロック部材を備え、前記複数の第2ロック部材のうちの一の第2ロック部材は、前記第2外突部において左右方向に伸長している部分に設けられ、前記複数の第2ロック部材のうちの他の第2ロック部材は、前記第2外突部において前後方向に伸長している部分に設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項8】
前記第1コネクタは、前記一の第1ロック部材と前記他の第1ロック部材とが連結された第1複合ロック部材を備え、
前記第1複合ロック部材は単一の金属板により形成されていることを特徴とする請求項7に記載のコネクタ装置。
【請求項9】
前記第2コネクタは、前記一の第2ロック部材と前記他の第2ロック部材とが連結された第2複合ロック部材を備え、
前記第2複合ロック部材は、単一の金属板により形成されていることを特徴とする請求項7に記載のコネクタ装置。
【請求項10】
前記第2複合ロック部材は、前記一の第2ロック部材と前記他の第2ロック部材とを互いに連結する連結部を有し、
前記連結部は前記第2外突部の角部の外側側面上を伸長していることを特徴とする請求項9に記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と基板とを電気的に接続することができるコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2枚の基板を互いに重ね合わせるように配置し、両基板を直接的に接続することができるコネクタ装置は、電子機器等に広く用いられている。この種のコネクタ装置は、互いに挿抜可能に接続することができるプラグおよびレセプタクルを備えている。2枚の基板のうち、一方の基板にプラグが取り付けられ、他方の基板にレセプタクルが取り付けられる。
【0003】
プラグおよびレセプタクルはいずれも、端子、および端子を保持するハウジングを備えている。プラグのハウジングは概ね直方体状に形成され、下面が一方の基板と対向するように一方の基板上に載置される。また、当該ハウジングの上面には例えば凸部が形成されており、プラグの端子の一端部はこの凸部に配置されている。また、プラグの端子の他端部は、プラグのハウジングの下面上に配置され、一方の基板の回路に接続される。
【0004】
一方、レセプタクルのハウジングも概ね直方体状に形成され、下面が他方の基板と対向するように他方の基板上に載置される。また、当該ハウジングの上面には例えば凹部が形成されており、レセプタクルの端子の一端部はこの凹部内に配置されている。また、レセプタクルの端子の他端部は、レセプタクルのハウジングの下面上に配置されており、他方の基板の回路に接続される。
【0005】
プラグのハウジングの上面とレセプタクルのハウジングの上面とを互いに向かい合わせ、プラグのハウジングに形成された凸部と、レセプタクルのハウジングに形成された凹部とを互いに嵌め合わせることにより、プラグの端子の一端部とレセプタクルの端子の一端部とが互いに接触する。このようにプラグとレセプタクルが接続されることにより、一方の基板の回路と他方の基板の回路とが互いに電気的に接続される。
【0006】
また、この種のコネクタ装置の中には、プラグとレセプタクルとを互いにロックするロック機能を有するものがある。プラグとレセプタクルとを互いにロックするとは、プラグとレセプタクルとが互いに接続された後、プラグとレセプタクルとを互いに抜け止めすることによって、プラグとレセプタクルとが接続された状態を保持することを意味する。
【0007】
特開2016-149374号公報(特許文献1)には、ロック機能を有する回路基板用のレセプタクルコネクタ(1)およびプラグコネクタ(2)が記載されている。具体的には、レセプタクルコネクタ(1)はレセプタクル端子(20)およびレセプタクルロック金具(30)を備え、レセプタクル端子(20)にはロック凹部(23A-1)が形成され、レセプタクルロック金具(30)にはロック凹部(35A)が形成されている。また、プラグコネクタ(2)はプラグ端子(60)およびプラグロック金具(70)を備え、プラグ端子(60)には被ロック段部(61A-1)が形成され、プラグロック金具(70)には被ロック段部(71A)が形成されている。レセプタクルコネクタ(1)とプラグコネクタ(2)とが互いに接続されたとき、レセプタクル端子(20)のロック凹部(23A-1)とプラグ端子(60)の被ロック段部(61A-1)とが互いに係止され、レセプタクルロック金具(30)のロック凹部(35A)とプラグロック金具(70)の被ロック段部(71A)とが互いに係止される。これにより、レセプタクルコネクタ(1)とプラグコネクタ(2)とが互いに抜け止めされる。なお、丸括弧中の符号は特開2016-149374号公報中で用いられている符号である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電子機器の耐振動性または耐衝撃性を高める場合、電子機器に用いるコネクタ装置のプラグとレセプタクルとのロックの強度を高めることが要請される。
【0010】
本発明の課題は、プラグとレセプタクルとのロックの強度を高めることができるコネクタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、第1基板に実装される第1コネクタ、および第2基板に実装され、前記第1コネクタと接続される第2コネクタを備えたコネクタ装置であって、前記第1コネクタは第1端子、第1ロック部材および第1ハウジングを備え、前記第2コネクタは第2端子、第2ロック部材および第2ハウジングを備え、前記第1ハウジングは、下面が前記第1基板と対向するように前記第1基板上に載置される第1板部と、前記第1板部から上方に突出し、前記第1板部上の第1内空間の外側を囲む第1内突部と、前記第1板部から上方に突出し、第1外空間を介して前記第1内突部の外側を囲む第1外突部とを有し、前記第2ハウジングは、下面が前記第2基板と対向するように前記第2基板上に載置される第2板部と、前記第2板部から上方に突出した第2内突部と、前記第2板部から上方に突出し、第2内空間を介して前記第2内突部の外側を囲む第2外突部とを有し、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの接続時に、前記第2内突部が前記第1内空間内に入り、前記第1内突部が前記第2内空間内に入り、前記第2外突部が前記第1外空間内に入り、前記第1端子の一端部は前記第1内突部に配置され、前記第1端子の他端部は前記第1板部の下面上または外側側面上に配置され、前記第2端子の一端部は前記第2内空間内に配置され、前記第2端子の他端部は前記第2板部の下面上または外側側面上に配置され、前記第1ロック部材は、前記第1内突部の外側側面上に配置された第1内ロック部と、前記第1外突部の内側側面上に配置された第1外ロック部とを有し、前記第2ロック部材は、前記第2外突部の内側側面上に配置され、前記第1内ロック部に係止される第2内ロック部と、前記第2外突部の外側側面上に配置され、前記第1外ロック部に係止される第2外ロック部とを有していることを特徴とする。
【0012】
上記本発明のコネクタ装置において、前記第1ロック部材は前記第1ハウジングに保持された金属板により形成され、前記第1ロック部材は、前記第1外突部の内側側面と前記第1内突部の外側側面との間において前記第1板部の上面上を外側から内側へ伸長した第1外伸長部と、前記第1外伸長部の内側端部から前記第1内突部の外側側面上を上方へ伸長した第1内上昇部と、前記第1外伸長部の外側端部から前記第1外突部の内側側面上を上方へ伸長した第1外上昇部とを有し、前記第1内ロック部は前記第1内上昇部に設けられ、前記第1外ロック部は前記第1外上昇部に設けられていることとしてもよい。また、前記第1ロック部材は、前記第1外上昇部の上端部から前記第1外突部の上面上または内部を内側から外側へ伸長した第1最外伸長部と、前記第1最外伸長部の外側端部から前記第1外突部の内部を前記第1板部の下面に至るまで下方へ伸長した第1外下降部と、前記第1外下降部の下端部から前記第1板部の下面上を伸長した第1下面伸長部とをさらに有していてもよい。
【0013】
また、上記本発明のコネクタ装置において、前記第2ロック部材は前記第2ハウジングに保持された金属板により形成され、前記第2ロック部材は、前記第2外突部の上面上を外側から内側へ伸長した第2外伸長部と、前記第2外伸長部の内側端部から前記第2外突部の内側側面上を下方へ伸長した第2内下降部と、前記第2外伸長部の外側端部から前記第2外突部の外側側面上を下方へ伸長した第2外下降部とを有し、前記第2内ロック部は前記第2内下降部に設けられ、前記第2外ロック部は前記第2外下降部に設けられていることとしてもよい。また、前記第2ロック部材は、前記第2外下降部の下端部から前記第2板部の下面に至るまで伸長した後、前記第2板部の下面上を伸長した第2下面伸長部をさらに有していてもよい。
【0014】
また、上記本発明のコネクタ装置において、前記第1コネクタは複数の前記第1ロック部材を備え、前記複数の第1ロック部材のうちの一の第1ロック部材は、前記第1外空間において前記第1内空間の一側側方に位置する部分に設けられ、前記複数の第1ロック部材のうちの他の第1ロック部材は、前記第1外空間において前記第1内空間の他側側方に位置する部分に設けられ、前記第2コネクタは複数の前記第2ロック部材を備え、前記複数の第2ロック部材のうちの一の第2ロック部材は、前記第2外突部において前記第2内突部の一側側方に位置する部分に設けられ、前記複数の第2ロック部材のうちの他の第2ロック部材は、前記第2外突部において前記第2内突部の他側側方に位置する部分に設けられていることとしてもよい。
【0015】
また、上記本発明のコネクタ装置において、前記第1コネクタは複数の前記第1ロック部材を備え、前記複数の第1ロック部材のうちの一の第1ロック部材は、前記第1外空間において左右方向に伸長している部分に設けられ、前記複数の第1ロック部材のうちの他の第1ロック部材は、前記第1外空間において前後方向に伸長している部分に設けられ、前記第2コネクタは複数の前記第2ロック部材を備え、前記複数の第2ロック部材のうちの一の第2ロック部材は、前記第2外突部において左右方向に伸長している部分に設けられ、前記複数の第2ロック部材のうちの他の第2ロック部材は、前記第2外突部において前後方向に伸長している部分に設けられていることとしてもよい。また、前記第1コネクタは、前記一の第1ロック部材(第1外空間において左右方向に伸長している部分に設けられた第1ロック部材)と前記他の第1ロック部材(第1外空間において前後方向に伸長している部分に設けられた第1ロック部材)とが連結された第1複合ロック部材を備え、前記第1複合ロック部材は単一の金属板により形成されていることとしてもよい。また、前記第2コネクタは、前記一の第2ロック部材(第2外突部において左右方向に伸長している部分に設けられた第2ロック部材)と前記他の第2ロック部材(第2外突部において前後方向に伸長している部分に設けられた第2ロック部材)とが連結された第2複合ロック部材を備え、前記第2複合ロック部材は、単一の金属板により形成されていることとしてもよい。また、前記第2複合ロック部材は、前記一の第2ロック部材(第2外突部において左右方向に伸長している部分に設けられた第2ロック部材)と前記他の第2ロック部材(第2外突部において前後方向に伸長している部分に設けられた第2ロック部材)とを互いに連結する連結部を有し、前記連結部は前記第2外突部の角部の外側側面上を伸長していることとしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プラグとレセプタクルとのロックの強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるプラグおよびレセプタクルを示す斜視図であり、
図1(A)はプラグを左上後方から見た状態を示し、
図1(B)はレセプタクルを左上後方から見た状態を示している。
【
図2】本発明の実施形態のコネクタ装置において、プラグとレセクタプルとが接続される直前の状態を示す説明図である。
【
図3】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるプラグを上方から見た状態を示す外観図である。
【
図4】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるプラグの端子および複合ロック部材を示す斜視図である。
【
図5】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるプラグの端子を示す斜視図である。
【
図6】
図3中の切断線VI-VIに沿って切断したプラグの後部の断面を左方から見た状態を示す断面図である。
【
図7】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるプラグの複合ロック部材を示す斜視図である。
【
図8】
図3中の切断線VIII-VIIIに沿って切断したプラグの後部の断面を左方から見た状態を示す断面図である。
【
図9】
図3中の切断線IX-IXに沿って切断したプラグの左部の断面を後方から見た状態を示す断面図である。
【
図10】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるレセプタクルを上方から見た状態を示す外観図である。
【
図11】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるレセプタクルの端子および複合ロック部材を示す斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるレセプタクルの端子を示す斜視図である。
【
図13】
図10中の切断線XIII-XIIIに沿って切断したレセプタクルの前部の断面を左方から見た状態を示す断面図である。
【
図14】本発明の実施形態のコネクタ装置におけるレセプタクルの複合ロック部材を示す斜視図である。
【
図15】
図10中の切断線XV-XVに沿って切断したレセプタクルの断面を左方から見た状態を示す断面図である。
【
図16】
図10中の切断線XVI-XVIに沿って切断したレセプタクルの左部の断面を後方から見た状態を示す断面図である。
【
図17】本発明の実施形態のコネクタ装置において、プラグとレセプタクルとの接続時の両者の位置関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の説明において上(Ud)、下(Dd)、前(Fd)、後(Bd)、左(Ld)または右(Rd)の方向を述べる際には、
図1、3~16中の左下に描いた矢印に従う。
【0019】
(コネクタ装置)
図1(A)は本発明の実施形態のコネクタ装置1におけるプラグ2を示し、
図1(B)はコネクタ装置1におけるレセプタクル3を示している。
図2は、基板121に実装されたプラグ2と、基板131に実装されたレセプタクル3とが互いに接続される直前の状態を示している。
【0020】
コネクタ装置1は、2枚の基板同士を互いに接続するコネクタ装置である。コネクタ装置1は、互いに挿抜可能に接続することができるプラグ2およびレセプタクル3を備えている。コネクタ装置1によれば、
図2に示すように、例えば、プラグ2を基板121に実装し、レセプタクル3を基板131に実装し、プラグ2とレセプタクル3とを互いに接続することにより、互いに重なり合うように配置された2枚の基板121、131を互いに直接的に接続することができる。なお、プラグ2は「第1コネクタ」の具体例であり、レセプタクル3は「第2コネクタ」の具体例である。また、基板121は「第1基板」の具体例であり、基板131は「第2基板」の具体例である。
【0021】
以下、プラグ2についての説明では、プラグ2において、基板121への実装時に基板121の実装面121Aと対向する側を下とし、レセプタクル3との接続時にレセプタクル3と対向する側を上とする。また、レセプタクル3の説明では、レセプタクル3において、基板131への実装時に基板131の実装面131Aと対向する側を下とし、プラグ2との接続時にプラグ2と対向する側を上とする。なお、
図2中のプラグ2は上下が反転した状態である。
【0022】
(プラグ)
図3は、プラグ2を上方から見た状態を示している。
図3に示すように、プラグ2は、6個の端子10、4個の複合ロック部材20、および各端子10および各複合ロック部材20を保持するハウジング50を備えている。プラグ2はインサート成形により形成される。具体的には、各端子10および各複合ロック部材20を金型に装着した後、その金型内に樹脂等の絶縁性を有する材料を充填することによってハウジング50を成形する。これにより、各端子10、各複合ロック部材20およびハウジング50が一体化したプラグ2が形成される。なお、各端子10は「第1端子」の具体例であり、各複合ロック部材20は「第1複合ロック部材」の具体例であり、ハウジング50は「第1ハウジング」の具体例である。
【0023】
(プラグのハウジング)
図1(A)に示すように、プラグ2のハウジング50は、樹脂等の絶縁性を有する材料、例えば液晶ポリマー等により、略直方体状に形成されている。ハウジング50は、底板部51、内空間52、内突部53、外空間54、および外突部55を有している。なお、底板部51は「第1板部」の具体例であり、内空間52は「第1内空間」の具体例である。また、内突部53は「第1内突部」の具体例であり、外空間54は「第1外空間」の具体例であり、外突部55は「第1外突部」の具体例である。
【0024】
底板部51は、ハウジング50の底を形成する板状の部分である。プラグ2が基板121に実装されるときには、底板部51の下面51Aが基板121の実装面121Aと対向するように実装面121A上に載置される(
図2を参照)。内空間52は、底板部51上の前後方向および左右方向中央に設けられている。内突部53は、底板部51から上方に突出し、内空間52の外側を全周に亘って囲んでいる。外空間54は、底板部51上において内突部53の外側に設けられ、内突部53の外側を全周に亘って囲んでいる。外突部55は、底板部51から上方に突出し、外空間54の外側を全周に亘って囲んでいる。
【0025】
また、
図3に示すように、ハウジング50の上面視において、内突部53および外突部55はそれぞれ、前後方向に比して左右方向に長い長方形の外形を有する四角環状に形成されている。また、内突部53の中心と外突部55の中心とは互いに一致している。また、内突部53の長辺部分(左右方向に伸長した部分)と外突部55の長辺部分とは互い平行であり、内突部53の短辺部分(前後方向に伸長した部分)と外突部55の短辺部分とは互いに平行である。
【0026】
また、外突部55の上端には周縁突出部56が設けられている。周縁突出部56は、
図1(A)に示すように、外突部55の上面から上方に突出し、外突部55の全周に亘って伸長している。また、周縁突出部56は外突部55よりも幅細である。
【0027】
(プラグの端子・複合ロック部材)
図4は、プラグ2からハウジング50を除去した状態を示している。
図4に示すように、6個の端子10はプラグ2の左右方向中間部に前後2列に3個ずつ等間隔に配列されている。また、4個の複合ロック部材20は、プラグ2の左後部、左前部、右後部および右前部にそれぞれ配置されている。具体的には、4個の複合ロック部材20のうち、1個の複合ロック部材20はプラグ2の後部において最左に配置された端子10の左隣に配置されている。もう1個の複合ロック部材20はプラグ2の前部において最左に配置された端子10の左隣に配置されている。さらにもう1個の複合ロック部材20はプラグ2の後部において最右に配置された端子10の右隣に配置されている。残りの1個の複合ロック部材20はプラグ2の前部において最右に配置された端子10の右隣に配置されている。
【0028】
各端子10および各複合ロック部材20は、金属等の導電性を有する材料、例えばリン青銅等の銅合金により形成されている。各端子10および各複合ロック部材20は、例えば銅合金等からなる金属板を所定の形状に切断し、曲げることにより形成される。
【0029】
(プラグの端子の詳細)
図5は、
図4においてプラグ2の後部に配列された3個の端子10のうち、最左に配置された1個の端子10(後列最左の端子10)を左上後方から見た状態を示している。
図6は、
図3中の切断線VI-VIに沿って切断したプラグ2の後部の断面を左方から見た状態を示している。
図6中には、後列最左の端子10の断面が示されている。
【0030】
図5および6に示すように、プラグ2の後列最左の端子10は、ハウジング50の内突部53の上面上を外側から内側へ(前方へ)伸長した内伸長部11と、内伸長部11の内側端部(前端部)から内突部53の内側側面(前面)上を下方へ伸長した内下降部12と、内伸長部11の外側端部(後端部)から内突部53の外側側面(後面)上を下方へ伸長した外下降部13と、外下降部13の下端部から底板部51の内部を底板部51の下面51Aに至るまで伸長した後、底板部51の下面51A上を底板部51の外側側面(後面)に至るまで外側(後方)へ伸長した下面伸長部14とを有している。
【0031】
また、後列最左の端子10は、接触部15、接続部16、およびロック部17を有している。接触部15は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、レセプタクル3の端子60の接触部67と接触する。接触部15は、端子10の一端部に設けられ、ハウジング50の内突部53の内側側面に配置されている。具体的には、端子10の内下降部12が接触部15である。
【0032】
接続部16は、基板121の実装面121Aに設けられた回路122に接続される。接続部16は、端子10の他端部に設けられ、ハウジング50の底板部51の下面51A上に配置されている。具体的には、下面伸長部14が接続部16である。
【0033】
ロック部17は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、レセプタクル3の端子60のロック部69に係止される。ロック部17は端子10の外下降部13の上部に形成されている。すなわち、外下降部13の下部において外空間54に臨む面(後面)には凹み18が形成されており、その結果、外下降部13の上部において外空間54に臨む面が、凹み18の底面に対して外空間54に向かって(後方へ)出っ張っている。この出っ張った部分がロック部17である。
【0034】
プラグ2の6個の端子10において、後列最左の端子10以外の各端子10も、後列最左の端子10と同様に形成されている。また、各端子10はインサート成形によりハウジング50と結合され、ハウジング50に強固に保持されている。
【0035】
(プラグの複合ロック部材の詳細)
プラグ2が有する4個の複合ロック部材20は、レセプタクル3が有する2個の複合ロック部材70と協働して、プラグ2とレセプタクル3とを互いにロックする機能、すなわち、プラグ2とレセプタクル3とが互いに接続された後、プラグ2とレセプタクル3とを互いに抜け止めすることによって、プラグ2とレセプタクル3とが接続された状態を保持する機能を有している。また、プラグ2の各複合ロック部材20は、
図3または4に示すように、前後ロック部材21と左右ロック部材41とを連結部49を介して互いに連結したものである。これら2個のロック部材21、41が連結して一体化した複合ロック部材20は、所定の形状に切断された単一の金属板を曲げることによって形成されている。
【0036】
また、プラグ2には、4個の複合ロック部材20が設けられることによって、4個の前後ロック部材21および4個の左右ロック部材41が存在するが、4個の前後ロック部材21のうち、2個の前後ロック部材21は、ハウジング50の外空間54において内空間52の後方(一側側方)に位置する部分に設けられ、残りの2個の前後ロック部材21は、外空間54において内空間52の前方(他側側方)に位置する部分に設けられている。また、4個の左右ロック部材41のうち、2個の左右ロック部材41は、外空間54において内空間52の左方(一側側方)に位置する部分に設けられ、残りの2個の左右ロック部材41は、外空間54において内空間52の右方(他側側方)に位置する部分に設けられている。また、各前後ロック部材21は、外空間54において左右方向に伸長している部分に設けられ、各左右ロック部材41は、外空間54において前後方向に伸長している部分に設けられている。
【0037】
図7は、
図4においてプラグ2の左後部に配置された1個の複合ロック部材20を左上後方から見た状態を示している。
図8は、
図3中の切断線VIII-VIIIに沿って切断したプラグ2の後部の断面を左方から見た状態を示している。
図8中には、左後ろの複合ロック部材20における前後ロック部材21の断面が示されている。
図9は、
図3中の切断線IX-IXに沿って切断したプラグ2の左部の断面を後方から見た状態を示している。
図9中には、左後ろの複合ロック部材20における左右ロック部材41の断面が示されている。
【0038】
左後ろの複合ロック部材20において、前後ロック部材21は、
図8に示すように、ハウジング50の外突部55の内側側面(前面)と内突部53の外側側面(後面)との間において底板部51の上面51B上を外側から内側へ(前方へ)伸長した外伸長部22と、外伸長部22の内側端部(前端部)から内突部53の外側側面上を上方へ伸長した内上昇部23と、内上昇部23の上端部から内突部53の上面上を外側から内側へ(前方へ)伸長した内伸長部24と、内伸長部24の内側端部から内突部53の内側側面上を下方へ伸長した内下降部25と、外伸長部22の外側端部(後端部)から外突部55の内側側面上を上方へ伸長した外上昇部26とを有している。さらに、前後ロック部材21は、外上昇部26の上端部から外突部55の内部を内側から外側へ(後方へ)伸長した最外伸長部27と、最外伸長部27の外側端部から外突部55の内部を底板部51の下面51Aに至るまで下方へ伸長した外下降部28と、外下降部28の下端部から底板部51の下面51A上を底板部51の外側側面(後面)に至るまで外側(後方)へ伸長した下面伸長部29とを有している。また、前後ロック部材21の内下降部25の下端部は、前後ロック部材21と左右ロック部材41とを連結する連結部49に結合している。また、外下降部28の全体は外突部55内に埋設されている。
【0039】
また、左後ろの複合ロック部材20において、前後ロック部材21は、内ロック部30および外ロック部31を有している。内ロック部30は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、レセプタクル3の前後ロック部材71の内ロック部76に係止される。内ロック部30は、内上昇部23の上部に設けられ、ハウジング50の内突部53の外側側面(後面)上に配置されている。内ロック部30は、内上昇部23の上部を外側(後方)に突出させることにより形成されている。
【0040】
外ロック部31は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、レセプタクル3の前後ロック部材71の外ロック部77に係止される。外ロック部31は、外上昇部26の上部に設けられ、ハウジング50の外突部55の内側側面(前面)上に配置されている。外ロック部31は、外上昇部26の上部を内側(前方)に突出させることにより形成されている。また、外ロック部31は、内ロック部30と外空間54を介して前後方向において対向している。
【0041】
また、左後ろの複合ロック部材20において、前後ロック部材21は接続部32を有している。接続部32は、基板121の実装面121Aに接続される。当該接続部32を、基板121の実装面121Aに設けられたパッドに接続(例えば半田付け)することにより、プラグ2を基板121の実装面121A上に強固に固定することができる。また、当該接続部32を基板121の実装面121Aに設けられた回路122に接続してもよい。これにより、左後ろの複合ロック部材20を端子として利用することができる。例えば、端子10を信号端子とし、複合ロック部材20を電源端子または接地端子としてもよい。接続部32は、前後ロック部材21の外側端部(後端部)に設けられ、ハウジング50の底板部51の下面51A上に配置されている。具体的には、前後ロック部材21の下面伸長部29が接続部32である。
【0042】
左後ろの複合ロック部材20において、左右ロック部材41は、
図9に示すように、ハウジング50の外突部55の内側側面(右面)と内突部53の外側側面(左面)との間において底板部51の上面51B上を外側から内側へ(右方へ)伸長した外伸長部42と、外伸長部42の内側端部(右端部)から内突部53の外側側面上を上方へ伸長した内上昇部43と、内上昇部43の上端部から内突部53の上面上を外側から内側へ(右方へ)伸長した内伸長部44と、内伸長部44の内側端部から内突部53の内側側面上を下方へ伸長した内下降部45と、外伸長部42の外側端部(左端部)から外突部55の内側側面上を上方へ伸長した外上昇部46とを有している。また、左右ロック部材41の内下降部45の下端部は連結部49に結合している。
【0043】
また、左後ろの複合ロック部材20において、左右ロック部材41は、内ロック部47および外ロック部48を有している。内ロック部47は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、レセプタクル3の左右ロック部材81の内ロック部85に係止される。内ロック部47は、内上昇部43の上部に設けられ、ハウジング50の内突部53の外側側面(左面)上に配置されている。内ロック部47は、内上昇部43の上部を外側(左方)に突出させることにより形成されている。
【0044】
外ロック部48は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、レセプタクル3の前後ロック部材71の外ロック部86に係止される。外ロック部48は、外上昇部46の上部に設けられ、ハウジング50の外突部55の内側側面(右面)上に配置されている。外ロック部48は、外上昇部46の上部を内側(右方)に突出させることにより形成されている。また、外ロック部48は、内ロック部47と外空間54を介して左右方向において対向している。
【0045】
図4に示すように、プラグ2の左前部に配置された複合ロック部材20は、左後ろの複合ロック部材20と前後方向において対称に形成されている。また、プラグ2の右後部に配置された複合ロック部材20は、左前の複合ロック部材20と同一の複合ロック部材を水平面において180度回転させてプラグ2の右後部に配置したものである。プラグ2の右前部に配置された複合ロック部材20は、左後ろの複合ロック部材20と同一の複合ロック部材を水平面において180度回転させてプラグ2の右前部に配置したものである。また、各複合ロック部材20はインサート成形によりハウジング50と結合され、ハウジング50に強固に保持されている。
【0046】
なお、前後ロック部材21および左右ロック部材41はそれぞれ「第1ロック部材」の具体例である。また、外伸長部22、42はそれぞれ「第1外伸長部」の具体例であり、内上昇部23、43はそれぞれ「第1内上昇部」の具体例であり、外上昇部26、46はそれぞれ「第1外上昇部」の具体例である。また、最外伸長部27は「第1最外伸長部」の具体例であり、外下降部28は「第1外下降部」の具体例であり、下面伸長部29は「第1下面伸長部」の具体例である。また、内ロック部30、47はそれぞれ「第1内ロック部」の具体例であり、外ロック部31、48はそれぞれ「第1外ロック部」の具体例である。
【0047】
(レセプタクル)
図10は、レセプタクル3を上方から見た状態を示している。
図10に示すように、レセプタクル3は、6個の端子60、2個の複合ロック部材70、および各端子60および各複合ロック部材70を保持するハウジング90を備えている。レセプタクル3は、プラグ2と同様に、インサート成形により形成される。なお、各端子60は「第2端子」の具体例であり、各複合ロック部材70は「第2複合ロック部材」の具体例であり、ハウジング90は「第2ハウジング」の具体例である。
【0048】
(レセプタクルのハウジング)
図1(B)に示すように、レセプタクル3のハウジング90は、樹脂等の絶縁性を有する材料、例えば液晶ポリマー等により、略直方体状に形成されている。ハウジング90は、底板部91、内突部92、内空間93、外突部94、外空間95、および周壁部96を有している。なお、底板部91は「第2板部」の具体例であり、内突部92は「第2内突部」の具体例であり、内空間93は「第2内空間」の具体例である。また、外突部94は「第2外突部」の具体例であり、外空間95は「第2外空間」の具体例である。
【0049】
底板部91は、ハウジング90の底を形成する板状の部分である。レセプタクル3が基板131に実装されるときには、底板部91の下面91Aが基板131の実装面131Aと対向するように実装面131A上に載置される(
図2を参照)。内突部92は、底板部91の前後方向および左右方向中央に配置され、底板部91から上方に突出している。内空間93は、底板部91上において内突部92の外側に設けられ、内突部92の外側を全周に亘って囲んでいる。外突部94は、底板部91から上方に突出し、内空間93の外側を全周に亘って囲んでいる。外空間95は、底板部91上において外突部94の外側に設けられ、外突部94の外側を全周に亘って囲んでいる。周壁部96は、底板部91の周縁部から上方に突出し、外空間95の外側を全周に亘って囲んでいる。
【0050】
また、
図10に示すように、ハウジング90の上面視において、内突部92の形状は、前後方向に比して左右方向に長い長方形である。また、外突部94および周壁部96はそれぞれ、前後方向に比して左右方向に長い長方形の外形を有する四角環状に形成されている。また、内突部92の中心、外突部94の中心、および周壁部96の中心はそれぞれ互いに一致している。また、内突部92の長辺部分(左右方向に伸長した部分)、外突部94の長辺部分、および周壁部96の長辺部分はそれぞれ互いに平行である。また、内突部92の短辺部分(前後方向に伸長した部分)、外突部94の短辺部分、および周壁部96の短辺部分はそれぞれ互いに平行である。
【0051】
また、内突部92には複数の端子配置凹部97が形成されている。各端子配置凹部97は、端子60の接触部67の変位を可能にする空間を形成するための凹部である。3個ずつ前後2列に配列された端子60に対応するように、内突部92の後面に3個の端子配置凹部97が形成され、内突部92の前面にさらに3個の端子配置凹部97が形成されている。
【0052】
また、底板部91の上面において、外突部94と周壁部96との間の部分には周縁溝部98が設けられている。周縁溝部98は、外突部94と周壁部96との間を全周に亘って伸長している。また、周縁溝部98は、外突部94と周壁部96との間隔よりも小さい幅を有している。
【0053】
(レセプタクルの端子・複合ロック部材)
図11は、レセプタクル3からハウジング90を除去した状態を示している。
図11に示すように、6個の端子60はレセプタクル3の左右方向中間部に前後2列に3個ずつ等間隔に配列されている。6個の端子60は、プラグ2の6個の端子10とそれぞれ一対一に対応するように配置されている。また、2個の複合ロック部材70は、レセプタクル3の左部および右部にそれぞれ配置されている。具体的には、一方の複合ロック部材70は、レセプタクル3の後部および前部において最左にそれぞれ配置された2個の端子60の左隣に配置されている。他方の複合ロック部材70は、レセプタクル3の後部および前部において最右にそれぞれ配置された2個の端子60の右隣に配置されている。
【0054】
各端子60および各複合ロック部材70は、金属等の導電性を有する材料、例えばリン青銅等の銅合金により形成されている。各端子60および各複合ロック部材70は、例えば銅合金等からなる金属板を所定の形状に切断し、曲げることにより形成される。
【0055】
(レセプタクルの端子の詳細)
図12は、
図11においてレセプタクル3の前部に配列された3個の端子60のうち、最左に配置された1個の端子60(前列最左の端子60)を左上後方から見た状態を示している。
図13は、
図10中の切断線XIII-XIIIに沿って切断したレセプタクル3の前部の断面を左方から見た状態を示している。
図13中には、前列最左の端子60の断面が示されている。
【0056】
図12および13に示すように、レセプタクル3の前列最左の端子60は、ハウジング90の外突部94の内側側面(後面)と内突部92の外側側面(前面)との間において底板部91の上面91B上を外側から内側へ(後方へ)伸長した内伸長部61と、内伸長部61の内側端部(後端部)から上方へ伸長した内上昇部62と、内伸長部61の外側端部(前端部)から外突部94の内側側面上を上方へ伸長した外上昇部63と、外上昇部63の上端部から外突部94の上面上を内側から外側へ(前方へ)伸長した外伸長部64と、外伸長部64の外側端部から外突部94の内部を底板部91の下面91Aに至るまで下方へ伸長した外下降部65と、外下降部65の下端部から底板部91の下面91A上を底板部91の外側側面(前面)に至るまで外側(前方)へ伸長した下面伸長部66とを有している。
【0057】
また、前列最左の端子60は、接触部67、接続部68、およびロック部69を有している。接触部67は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、プラグ2の端子10の接触部15と接触する。接触部67は、端子60の一端部、具体的には、内上昇部62の上部に設けられている。接触部67は、内上昇部62の上部の一部を外側(前方)に突出させることにより形成されている。また、接触部67は、
図13に示すように、内突部92に形成された端子配置凹部97の開口部付近に配置されている。プラグ2とレセプタクル3との接続時には、接触部67がプラグ2の端子10の接触部15に押されて内側(後方)に変位し、内上昇部62の弾性力により端子10の接触部15に強く接触する。
【0058】
接続部68は、基板131の実装面131Aに設けられた回路132に接続される。接続部68は、端子60の他端部に設けられ、ハウジング90の底板部91の下面91A上に配置されている。具体的には、下面伸長部66が接続部68である。
【0059】
ロック部69は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、プラグ2の端子10のロック部17に係止される。ロック部69は端子60の外上昇部63の下部に形成されている。すなわち、外上昇部63の下部において内空間93に臨む面(後面)には凹みが形成されており、その凹みがロック部69である。
【0060】
レセプタクル3の6個の端子60において、前列最左の端子60以外の各端子60も、前列最左の端子60と同様に形成されている。また、各端子60はインサート成形によりハウジング90と結合され、ハウジング90に強固に保持されている。
【0061】
(レセプタクルの複合ロック部材の詳細)
レセプタクル3が有する2個の複合ロック部材70は、プラグ2が有する4個の複合ロック部材20と協働して、プラグ2とレセプタクル3とを互いにロックする機能を有している。また、
図11に示すように、レセプタクル3の左部に配置された複合ロック部材70は、レセプタクル3の左後部に配置された前後ロック部材71とレセプタクル3の左部に配置された左右ロック部材81とを、レセプタクル3の左後ろ角部に位置する連結部89を介して連結し、かつレセプタクル3の左前部に配置された前後ロック部材71とレセプタクル3の左部に配置された左右ロック部材81とを、レセプタクル3の左前角部に位置する連結部89を介して連結したものである。また、レセプタクル3の右部に配置された複合ロック部材70は、レセプタクル3の右後部に配置された前後ロック部材71とレセプタクル3の右部に配置された左右ロック部材81とを、レセプタクル3の右後ろ角部に位置する連結部89を介して連結し、かつレセプタクル3の右前部に配置された前後ロック部材71とレセプタクル3の右部に配置された左右ロック部材81とを、レセプタクル3の右前角部に位置する連結部89を介して連結したものである。3個のロック部材71、71、81が連結して一体化した各複合ロック部材70は、所定の形状に切断された単一の金属板を曲げることによって形成されている。
【0062】
また、レセプタクル3には、2個の複合ロック部材70が設けられることによって、4個の前後ロック部材71および2個の左右ロック部材81が存在するが、4個の前後ロック部材71のうち、2個の前後ロック部材71は、ハウジング90の外突部94において内突部92の後方(一側側方)に位置する部分に設けられ、残りの2個の前後ロック部材71は、外突部94において内突部92の前方(他側側方)に位置する部分に設けられている。また、2個の左右ロック部材81のうち、一方の左右ロック部材81は、外突部94において内突部92の左方(一側側方)に位置する部分に設けられ、他方の左右ロック部材81は、外突部94において内突部92の右方(他側側方)に位置する部分に設けられている。また、各前後ロック部材71は、外突部94において左右方向に伸長している部分に設けられ、各左右ロック部材81は、外突部94において前後方向に伸長している部分に設けられている。
【0063】
図14は、左の複合ロック部材70を左上後方から見た状態を示している。
図15は、
図10中の切断線XV-XVに沿って切断したレセプタクル3の断面を左方から見た状態を示している。
図15中には、左の複合ロック部材70が有する2個の前後ロック部材71の断面が示されている。
図16は、
図10中の切断線XVI-XVIに沿って切断したレセプタクル3の左部の断面を後方から見た状態を示している。
図16中には、左の複合ロック部材70における左右ロック部材81の断面が示されている。
【0064】
レセプタクル3の左の複合ロック部材70において、左後ろの前後ロック部材71は、
図15中の右側に示すように、ハウジング90の外突部94の上面上を外側から内側へ(前方へ)伸長した外伸長部72と、外伸長部72の内側端部(前端部)から外突部94の内側側面(前面)上を下方へ伸長した内下降部73と、外伸長部72の外側端部(後端部)から外突部94の外側側面(後面)上を下方へ伸長した外下降部74と、外下降部74の下端部から底板部91の内部を底板部91の下面に至るまで伸長した後、底板部91の下面91A上を底板部91の外側側面(後面)に至るまで外側(後方)へ伸長した下面伸長部75を有している。
【0065】
また、左の複合ロック部材70において、左後ろの前後ロック部材71は、内ロック部76および外ロック部77を有している。内ロック部76は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、プラグ2の前後ロック部材21の内ロック部30に係止される。内ロック部76は、内下降部73の上部に設けられ、ハウジング90の外突部94の内側側面(前面)上に配置されている。内ロック部76は、内下降部73の上部を内側(前方)に突出させることにより形成されている。
【0066】
外ロック部77は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、プラグ2の前後ロック部材21の外ロック部31に係止される。外ロック部77は、外下降部74の下部に設けられ、ハウジング90の外突部94の外側側面(後面)上に配置されている。すなわち、外下降部74の下部において外空間95に臨む面(後面)には凹みが形成されており、その凹みが外ロック部77である。また、外ロック部77は、内ロック部76と外突部94を介して前後方向において対向している。
【0067】
また、左の複合ロック部材70において、左後ろの前後ロック部材71は接続部78を有している。プラグ2の前後ロック部材21と同様に、接続部78を基板131の実装面131Aに接続(例えば半田付け)することにより、レセプタクル3を基板131の実装面131A上に強固に固定することができる。また、接続部78を基板131の実装面131Aに設けられた回路132に接続することにより、左の複合ロック部材70を端子として利用することができる。接続部78は、左後ろの前後ロック部材71の外側端部(後端部)に設けられ、ハウジング90の底板部91の下面91A上に配置されている。具体的には、左後ろの前後ロック部材71の下面伸長部75が接続部78である。
【0068】
左の複合ロック部材70において、左前の前後ロック部材71は、
図14に示すように、左の複合ロック部材70における左後ろの前後ロック部材71と前後方向において対称に形成されている。
【0069】
左の複合ロック部材70において、左右ロック部材81は、
図16に示すように、ハウジング90の外突部94上面上を外側から内側へ(右方へ)伸長した外伸長部82と、外伸長部82の内側端部(右端部)から外突部94の内側側面(右面)上を下方へ伸長した内下降部83と、外伸長部82の外側端部(左端部)から外突部94の外側側面(左面)上を下方へ伸長した外下降部84とを有している。
【0070】
また、左の複合ロック部材70において、左右ロック部材81は、内ロック部85および外ロック部86を有している。内ロック部85は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、左の複合ロック部材70の左右ロック部材81と上下方向において対向するプラグ2の2個の左右ロック部材41の内ロック部47にそれぞれ係止される。内ロック部85は、内下降部83の上部に設けられ、ハウジング90の外突部94の内側側面(右面)上に配置されている。内ロック部85は、内下降部83の上部を内側(右方)に突出させることにより形成されている。
【0071】
外ロック部86は、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、左の複合ロック部材70の左右ロック部材81と上下方向において対向するプラグ2の2個の左右ロック部材41の外ロック部48に係止される。外ロック部86は、外下降部84の下部に設けられ、ハウジング90の外突部94の外側側面(左面)上に配置されている。すなわち、外下降部84の下部において外空間95に臨む面(左面)には凹みが形成されており、その凹みが外ロック部86である。また、外ロック部86は、内ロック部85と外突部94を介して左右方向において対向している。
【0072】
また、左の複合ロック部材70において、左右ロック部材81は、ハウジング90の内突部92の左端部を覆うカバー部87を有している。カバー部87は内突部92の左端部を補強する機能を有している。カバー部87は、
図16に示すように、外突部94の内側側面(右面)から内突部92の外側側面(左面)に掛けて底板部91の上面91B上を伸長したカバー連結部88を介して、左右ロック部材81の内下降部83の下端部に連結されている。
【0073】
また、
図14に示すように、左の複合ロック部材70において、左後ろの前後ロック部材71と左右ロック部材81とを連結する連結部89は、左後ろの前後ロック部材71の外下降部74の左端部と、左右ロック部材81の外下降部74の後端部とを連結している。また、当該連結部89は、ハウジング90の外突部94の左後ろ角部の外側側面上を伸長している。外突部94の左後ろ角部の外側側面は円弧状のR面となっている。当該連結部89はそのR面に沿って円弧状に曲がっている。同様に、左の複合ロック部材70において、左前の前後ロック部材71と左右ロック部材81とを連結する連結部89は、左前の前後ロック部材71の外下降部74の左端部と、左右ロック部材81の外下降部74の前端部とを連結している。また、当該連結部89は、ハウジング90の外突部94の左前角部の外側側面上を伸長しており、外突部94の左前角部の外側側面のR面に沿って曲がっている。
【0074】
図11に示すように、レセプタクル3の右部に配置された複合ロック部材70は、左の複合ロック部材70と左右方向において対称に形成されている。また、各複合ロック部材70はインサート成形によりハウジング90と結合され、ハウジング90に強固に保持されている。
【0075】
なお、前後ロック部材71および左右ロック部材81はそれぞれ「第2ロック部材」の具体例である。また、外伸長部72、82はそれぞれ「第2外伸長部」の具体例であり、内下降部73、83はそれぞれ「第2内下降部」の具体例であり、外下降部74、84はそれぞれ「第2外下降部」の具体例である。また、下面伸長部75は「第2下面伸長部」の具体例である。また、内ロック部76、85はそれぞれ「第2内ロック部」の具体例であり、外ロック部77、86はそれぞれ「第2外ロック部」の具体例である。
【0076】
(プラグとレセプタクルの接続)
図17(A)~(C)はプラグ2とレセプタクル3とが接続される直前の状態をそれぞれ示している。
図17(A)において、プラグ2の断面は、
図3中のプラグ2を切断線VI-VIに沿って切断した断面であり、レセプタクル3の断面は、
図10中のレセプタクル3を切断線XIII-XIIIに沿って切断した断面である。
図17(B)において、プラグ2の断面は、
図3中のプラグ2を切断線VIII-VIIIに沿って切断した断面であり、レセプタクル3の断面は、
図10中のレセプタクル3を切断線XV-XVに沿って切断した断面である。
図17(C)において、プラグ2の断面は、
図3中のプラグ2を切断線IX-IXに沿って切断した断面であり、レセプタクル3の断面は、
図10中のレセプタクル3を切断線XVI-XVIに沿って切断した断面である。また、
図17(A)~(C)中のプラグ2は上下が反転した状態である。
【0077】
図17(A)~(C)に示す通り、プラグ2とレセプタクル3とは、プラグ2のハウジング50の上部とレセプタクル3のハウジング90の上部とを互いに向き合わせて嵌め合わせることにより接続される。プラグ2とレセプタクル3との接続時には、レセプタクル3のハウジング90の内突部92がプラグ2のハウジング50の内空間52内に入り、プラグ2のハウジング50の内突部53がレセプタクル3のハウジング90の内空間93内に入り、レセプタクル3のハウジング90の外突部94がプラグ2のハウジング50の外空間54内に入り、かつプラグ2のハウジング50の外突部55がレセプタクル3のハウジング90の外空間95内に入る。
【0078】
図17(A)において、プラグ2のハウジング50の内突部53がレセプタクル3のハウジング90の内空間93内に入ることにより、互いに上下方向においてそれぞれ対向するプラグ2の6個の端子10の接触部15と、レセプタクル3の6個の端子60の接触部67とがそれぞれ互いに接触する。これにより、プラグ2が実装された基板121の回路122とレセプタクル3が実装された基板131の回路132とが互いに電気的に接続される。これと同時に、プラグ2の各端子10のロック部17とレセプタクル3の各端子60のロック部69とが互いに係止される。これにより、各端子10と各端子60とが互いに接触した状態が保持される。
【0079】
また、
図17(B)において、レセプタクル3のハウジング90の外突部94がプラグ2のハウジング50の外空間54内に入ることにより、プラグ2の各前後ロック部材21の内ロック部30とレセプタクル3の各前後ロック部材71の内ロック部76とが互いに係止されると同時に、プラグ2の各前後ロック部材21の外ロック部31とレセプタクル3の各前後ロック部材71の外ロック部77とが互いに係止される。これにより、プラグ2の左後部、左前部、右後部および右前部とレセプタクル3の左後部、左前部、右後部および右前部とがそれぞれ互いにロックされる。
【0080】
また、
図17(C)において、レセプタクル3のハウジング90の外突部94がプラグ2のハウジング50の外空間54内に入ることにより、プラグ2の各左右ロック部材41の内ロック部47とレセプタクル3の各左右ロック部材81の内ロック部85とが互いに係止されると同時に、プラグ2の各左右ロック部材41の外ロック部48とレセプタクル3の各左右ロック部材81の外ロック部86とが互いに係止される。これにより、プラグ2の左部および右部とレセプタクル3の左部および右部とがそれぞれ互いにロックされる。
【0081】
また、
図17(B)および(C)において、プラグ2のハウジング50の外突部55がレセプタクル3のハウジング90の外空間95内に入ったとき、プラグ2の周縁突出部56がレセプタクル3の周縁溝部98内に入る。これにより、プラグ2のハウジング50の周縁部とレセプタクル3のハウジング90の周縁部との間(具体的には、周縁突出部56と周縁溝部98との間、または外突部55と周壁部96との間)を液密に閉塞することができる。ハウジング50の周縁部とハウジング90の周縁部との間を液密に閉塞することにより、プラグ2とレセプタクル3との接続後に、プラグ2のハウジング50において周縁突出部56よりも内側の領域、およびレセプタクル3のハウジング90において周縁溝部98よりも内側の領域に、ハウジング50、90の外部から、ポッティング剤等の液体または液状物質が浸入することを防ぐことができる。
【0082】
以上説明した通り、本発明の実施形態のコネクタ装置1において、プラグ2の前後ロック部材21は、プラグ2のハウジング50の内突部53の外側側面に配置された内ロック部30と、ハウジング50の外突部55の内側側面に配置された外ロック部31とを有している。また、レセプタクル3の前後ロック部材71は、レセプタクル3のハウジング90の外突部94の内側側面に配置された内ロック部76と、ハウジング90の外突部94の外側側面に配置された外ロック部77とを有している。そして、プラグ2とレセプタクル3との接続時には、プラグ2の前後ロック部材21の内ロック部30とレセプタクル3の前後ロック部材71の内ロック部76とが互いに係止され、かつプラグ2の前後ロック部材21の外ロック部31とレセプタクル3の前後ロック部材71の外ロック部77とが互いに係止される。この構成により、本実施形態のコネクタ装置1によれば、従来のコネクタ装置と比較して、プラグ2とレセプタクル3とのロックの強度を高めることができる。
【0083】
具体的に説明すると、特開2016-149374号公報(特許文献1)に記載された従来のコネクタ装置においては、同公報の
図5に示されている通り、プラグコネクタ(2)とレセプタクルコネクタ(1)の接続時に、プラグコネクタ(2)のハウジング(50)の突部の外側側面に配置されたプラグロック金具(70)の被ロック段部(71A)と、レセプタクルコネクタ(1)のハウジング(10)の外周側の突部の内側側面に配置されたレセプタクルロック金具(30)のロック凹部(35A)とが互いに係止される。この従来のコネクタ装置における係止構造は、レセプタクルのハウジングの外突部の内側側面のみが、ロック部材を介してプラグのハウジングに結合される構造である。これに対し、本実施形態のコネクタ装置1においては、プラグ2とレセプタクル3との接続時に、プラグ2のハウジング50の内突部53の外側側面に配置された内ロック部30と、レセプタクル3のハウジング90の外突部94の内側側面に配置された内ロック部76とが互いに係止され、これと同時に、プラグ2のハウジング50の外突部55の内側側面に配置された外ロック部31と、レセプタクル3のハウジング90の外突部94の外側側面に配置された外ロック部77とが互いに係止される。この本実施形態のコネクタ装置1における係止構造は、レセプタクル3のハウジング90の外突部94の内側側面と外側側面の双方が、ロック部材を介してプラグ2のハウジング50に結合される構造である。レセプタクルのハウジングの外突部の内側側面のみがロック部材を介してプラグのハウジングに結合される従来のコネクタ装置における係止構造と、レセプタクルのハウジングの外突部の内側側面と外側側面の双方がロック部材を介してプラグのハウジングに結合される本実施形態のコネクタ装置1における係止構造との間において、プラグとレセプタクルとの結合の強度を比較すると、本実施形態のコネクタ装置1における係止構造の方が、従来のコネクタ装置における係止構造よりも、プラグとレセプタクルとの結合の強度が高い。したがって、本実施形態のコネクタ装置1によれば、従来のコネクタ装置と比較して、プラグ2とレセプタクル3とのロックの強度を高めることができる。
【0084】
また、本実施形態のコネクタ装置1において、プラグ2の前後ロック部材21は、プラグ2のハウジング50に保持された金属板により形成され、当該前後ロック部材21は、プラグ2のハウジング50の外突部55の内側側面と内突部53の外側側面との間において底板部51の上面51B上を外側から内側へ伸長した外伸長部22と、内突部53の外側側面上を上方へ伸長した内上昇部23と、外突部55の内側側面上を上方へ伸長した外上昇部26とを有し、内ロック部30は内上昇部23に設けられ、外ロック部31は外上昇部26に設けられている。これにより、前後ロック部材21を、内突部53の外側側面、底板部51の上面51B、および外突部55の内側側面に沿うようにU字状またはコ字状の曲がった単一の金属板により形成することができる。したがって、前後ロック部材21の強度を高めることができ、また、インサート成形により形成されたプラグ2において、前後ロック部材21とハウジング50との結合強度を高めることができる。また、インサート成形時に前後ロック部材21を金型に装着し易くすることができる。
【0085】
また、プラグ2の前後ロック部材21は、プラグ2のハウジング50の外突部55内に埋設された外下降部28を有している。これにより、前後ロック部材21とハウジング50との結合強度をさらに高めることができる。
【0086】
また、プラグ2の前後ロック部材21は、プラグ2のハウジング50の下面51A上を伸長し、基板121の実装面121Aに接続される下面伸長部29をさらに有している。これにより、下面伸長部29(接続部32)を介してプラグ2を基板121の実装面121Aに強固に固定することができ、また、前後ロック部材21を端子として利用することができる。
【0087】
また、本実施形態のコネクタ装置1において、レセプタクル3の前後ロック部材71は、レセプタクル3のハウジング90に保持された金属板により形成され、当該前後ロック部材71は、レセプタクル3のハウジング90の外突部94の上面上を外側から内側へ伸長した外伸長部72と、外突部94の内側側面上を下方へ伸長した内下降部73と、外突部94の外側側面上を下方へ伸長した外下降部74とを有し、内ロック部76は内下降部73に設けられ、外ロック部77は外下降部74に設けられている。これにより、前後ロック部材71を、外突部94の内側側面上、外突部94の上面上、および外突部94の外側側面上を沿うようにU字状またはコ字状に曲がった金属板により形成することができる。したがって、前後ロック部材71の強度を高めることができ、また、インサート成形により形成されたレセプタクル3において、前後ロック部材71とハウジング90との結合強度を高めることができる。また、インサート成形時に前後ロック部材71を金型に装着し易くすることができる。
【0088】
また、レセプタクル3の前後ロック部材71は、ハウジング90の下面上を伸長し、基板131の実装面131Aに接続される下面伸長部75をさらに有している。これにより、下面伸長部75(接続部78)を介してレセプタクル3を基板131の実装面131Aに強固に固定することができ、また前後ロック部材71を端子として利用することができる。
【0089】
また、本発明のコネクタ装置1において、プラグ2は4個の前後ロック部材21を有し、それらのうち、2個の前後ロック部材21は、ハウジング50の外空間54において内空間52の後方に位置する部分に設けられ、残りの2個の前後ロック部材21は、外空間54において内空間52の前方に位置する部分に設けられている。また、レセプタクル3は4個の前後ロック部材71を有し、それらのうち、2個の前後ロック部材71は、ハウジング90の外突部94において内突部92の後方に位置する部分に設けられ、残りの2個の前後ロック部材71は、外突部94において内突部92の前方に位置する部分に設けられている。これにより、プラグ2の各前後ロック部材21とレセプタクル3の各前後ロック部材71との係止により、プラグ2の後部とレセプタクル3の後部とを抜け止めすることができ、かつプラグ2の前部とレセプタクル3の前部とを抜け止めすることができる。したがって、プラグ2とレセプタクル3とが接続されている状態において、プラグ2の後部とレセプタクル3の後部とを互いに引き離そうとする力がコネクタ装置1に加わったときでも、プラグ2の前部とレセプタクル3の前部とを互いに引き離そうとする力がコネクタ装置1に加わったときでも、それらの力に対抗してプラグ2とレセプタクル3とが接続された状態を保持することができ、プラグ2とレセプタクル3とのロックの強度を高めることができる。
【0090】
また、本発明のコネクタ装置1において、プラグ2は4個の左右ロック部材41を有し、それらのうち、2個の左右ロック部材41は、ハウジング50の外空間54において内空間52の左方に位置する部分に設けられ、残りの2個の左右ロック部材41は、外空間54において内空間52の右方に位置する部分に設けられている。また、レセプタクル3は2個の左右ロック部材81を有し、それらのうち、一方の左右ロック部材81は、ハウジング90の外突部94において内突部92の左方に位置する部分に設けられ、他方の左右ロック部材81は、外突部94において内突部92の右方に位置する部分に設けられている。これにより、プラグ2の各左右ロック部材41とレセプタクル3の各左右ロック部材81との係止により、プラグ2の左部とレセプタクル3の左部とを抜け止めすることができ、かつプラグ2の右部とレセプタクル3の右部とを抜け止めすることができる。したがって、プラグ2とレセプタクル3とが接続されている状態において、プラグ2の左部とレセプタクル3の左部とを互いに引き離そうとする力がコネクタ装置1に加わったときでも、プラグ2の右部とレセプタクル3の右部とを互いに引き離そうとする力がコネクタ装置1に加わったときでも、それらの力に対抗してプラグ2とレセプタクル3とが接続された状態を保持することができ、プラグ2とレセプタクル3とのロックの強度を高めることができる。
【0091】
また、プラグ2において、各前後ロック部材21は、外空間54において左右方向に伸長している部分に設けられ、各左右ロック部材41は、外空間54において前後方向に伸長している部分に設けられている。また、レセプタクル3において、各前後ロック部材71は、外突部94において左右方向に伸長している部分に設けられ、各左右ロック部材81は、外突部94において前後方向に伸長している部分に設けられている。そして、プラグ2とレセプタクル3との接続により、プラグ2の各ロック部材21、41とレセプタクル3の各ロック部材71、81とがそれぞれ互いに係止される。これにより、基板121と基板131とがコネクタ装置1により互いに接続されている状態において、例えば、基板121を基板131に対して前後方向に傾斜させようとする力が加わったときでも、基板121を基板131に対して左右方向に傾斜させようとする力が加わったときでも、それらの力に対抗してプラグ2とレセプタクル3とが接続された状態を保持することができ、プラグ2とレセプタクル3とのロックの強度を高めることができる。
【0092】
また、本実施形態のコネクタ装置1において、プラグ2は、前後ロック部材21と左右ロック部材41とが連結された複合ロック部材20を備え、複合ロック部材20は単一の金属板により形成されている。前後ロック部材21と左右ロック部材41とを一体化することにより、前後ロック部材21および左右ロック部材41のそれぞれの強度を高めることでき、また、プラグ2のインサート成形時に金型に装着する部品の個数を減らすことができる。また、レセプタクル3は、前後ロック部材71と左右ロック部材81とが連結された複合ロック部材70を備え、複合ロック部材70は単一の金属板により形成されている。前後ロック部材71と左右ロック部材81を一体化することにより、前後ロック部材71および左右ロック部材81のそれぞれの強度を高めることでき、また、レセプタクル3のインサート成形時に金型に装着する部品の個数を減らすことができる。
【0093】
また、レセプタクル3の複合ロック部材70においては、前後ロック部材71と左右ロック部材81とを互いに連結する連結部89が、レセプタクル3のハウジング90の外突部55の角部の外側側面上を伸長している。これにより、レセプタクル3のインサート成形の際に複合ロック部材70を金型に装着するとき、連結部89の外側側面を金型の面に接触させ、複合ロック部材70を金型に確実に固定することができる。
【0094】
なお、プラグ2の左右ロック部材41に、前後ロック部材21と同様に、最外伸長部、外下降部および下面伸長部を設けてもよい。また、レセプタクル3の左右ロック部材81に、前後ロック部材71と同様に、下面伸長部を設けてもよい。
【0095】
また、プラグ2において、左後ろの複合ロック部材20の左右ロック部材41の前縁部と、左前の複合ロック部材20の左右ロック部材41の後縁部とを互いに結合して、左後ろの複合ロック部材20と左前の複合ロック部材20とを一体化してもよい。同様に、右後ろの複合ロック部材20と右前の複合ロック部材20とを一体化してもよい。
【0096】
また、プラグ2またはレセプタクル3において、前後ロック部材と左右ロック部材とは連結してなくてもよい。また、プラグ2およびレセプタクル3において、ロック部材を、前後ロック部材のみ、または左右ロック部材のみとしてもよい。また、プラグ2およびレセプタクル3において、前後ロック部材または左右ロック部材の個数を増やしてもよく、減らしてもよい。また、プラグ2およびレセプタクル3において、端子の個数は限定されない。また、レセプタクル3において、周壁部96はなくてもよい。
【0097】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うコネクタ装置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 コネクタ装置
2 プラグ(第1コネクタ)
3 レセプタクル(第2コネクタ)
10 端子(第1端子)
20 複合ロック部材(第1複合ロック部材)
21 前後ロック部材(第1ロック部材)
22 外伸長部(第1外伸長部)
23 内上昇部(第1内上昇部)
26 外上昇部(第1外上昇部)
27 最外伸長部(第1最外伸長部)
28 外下降部(第1外下降部)
29 下面伸長部(第1下面伸長部)
30 内ロック部(第1内ロック部)
31 外ロック部(第1外ロック部)
41 左右ロック部材(第1ロック部材)
42 外伸長部(第1外伸長部)
43 内上昇部(第1内上昇部)
46 外上昇部(第1外上昇部)
47 内ロック部(第1内ロック部)
48 外ロック部(第1外ロック部)
49 連結部
50 ハウジング(第1ハウジング)
51 底板部(第1板部)
52 内空間(第1内空間)
53 内突部(第1内突部)
54 外空間(第1外空間)
55 外突部(第1外突部)
60 端子(第2端子)
70 複合ロック部材(第2複合ロック部材)
71 前後ロック部材(第2ロック部材)
72 外伸長部(第2外伸長部)
73 内下降部(第2内下降部)
74 外下降部(第2外下降部)
75 下面伸長部(第2下面伸長部)
76 内ロック部(第2内ロック部)
77 外ロック部(第2外ロック部)
81 左右ロック部材(第2ロック部材)
82 外伸長部(第2外伸長部)
83 内下降部(第2内下降部)
84 外下降部(第2外下降部)
85 内ロック部(第2内ロック部)
86 外ロック部(第2外ロック部)
89 連結部
90 ハウジング(第2ハウジング)
91 底板部(第2板部)
92 内突部(第2内突部)
93 内空間(第2内空間)
94 外突部(第2外突部)
121 基板(第1基板)
131 基板(第2基板)